(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167905
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】2つの回転部材間に加えられるトルクを測定するシステム
(51)【国際特許分類】
G01L 3/14 20060101AFI20241127BHJP
【FI】
G01L3/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024083168
(22)【出願日】2024-05-22
(31)【優先権主張番号】FR2305020
(32)【優先日】2023-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】507018894
【氏名又は名称】エヌテエヌ ユロップ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】シグフリ ルラン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドゥル ボデュ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】変形可能な構造体の設計を制約することなく、応力を受けるブッシュの偏心が制限される測定システムを提供する。
【解決手段】2つの回転部材(1、2)間に加えられるトルクを測定するためのシステムであって、第1部材(1)を回転可能に結合するためのデバイスを備えた内側ブッシュ(5)と、第2部材(2)を回転駆動させる外側ブッシュ(6)とを有する試験体であって、加えられたトルクの関数としてのブッシュ(5、6)間の角度を測定するデバイスとを備え、前記第2部材(2)を回転駆動させる機構(27)と、前記外側ブッシュ(6)に回転可能に結合するデバイス(27)とを備えたインターフェース部(19)を備え、前記インターフェース部は、前記第1部材(1)に対するその回転をガイドするベアリング(20)を備え、前記ベアリングは、前記第1部材における前記インターフェース部の半径方向の保持を確実にするように配置されている。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの回転部材(1、2)間に加えられるトルクを測定するシステムであって、
前記システムは、
前記部材のうちの第1部材(1)を回転可能に結合するデバイスを備えた内側ブッシュ(5)と、前記部材のうちの第2部材(2)を回転駆動させる外側ブッシュ(6)とを有する試験体であって、前記外側ブッシュは、前記内側ブッシュ(5)の周囲に延在しており、前記外側ブッシュおよび前記内側ブッシュは、前記部材(1,2)間に加えられる前記トルクの関数としての前記ブッシュ間の角度たわみを許容しながら前記部材(1,2)間の前記トルクを伝達するように配置された変形可能な構造体によって同心状に接続されている試験体と、
加えられたトルクの関数としての前記ブッシュ(5、6)間の角度を測定するデバイスとを備え、
前記システムは、前記第2部材(2)を回転駆動させる機構(27、30、31)と、前記機構を前記外側ブッシュ(6)に回転可能に結合するデバイス(27、28)とを備えたインターフェース部(19)を備え、前記インターフェース部は、前記第1部材(1)に対するその回転をガイドするベアリング(20)を備え、前記ベアリングは、前記第1部材における前記インターフェース部の半径方向の保持を確実にするように配置されていることを特徴とする、トルク測定システム。
【請求項2】
前記内側ブッシュ(5)は、前記第1部材(1)のシャフト(1a)に結合するための手段(7a)を備えたボア(7)を有し、前記ガイドベアリング(20)は、前記シャフトの周囲に半径方向の隙間を実質的に有さない取付けボア(20a)を有することを特徴とする、請求項1に記載のトルク測定システム。
【請求項3】
前記インターフェース部(19)は、ボア(21)を有しており、該ボア(21)において、前記ベアリング(20)の外冠(22)は半径方向の隙間を実質的に有さないように接続されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のトルク測定システム。
【請求項4】
前記インターフェース部(19)は円板形状を有しており、前記試験体と同軸かつ軸対称に取り付けられていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のトルク測定システム。
【請求項5】
前記インターフェース部(19)を前記外側ブッシュ(6)に結合する前記デバイスは、オリフィス(6b)に係合するピン(28)を有する機構を備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のトルク測定システム。
【請求項6】
前記インターフェース部(19)によって前記第2部材(2)を回転駆動させる前記機構は、オリフィス(29)に係合するピン(27)を有する前記機構を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のトルク測定システム。
【請求項7】
前記インターフェース部(19)によって前記第2部材(2)を回転駆動させる前記機構は、歯車機構(30、31)を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のトルク測定システム。
【請求項8】
前記インターフェース部(19)は、前記第2部材(2)のピニオン(2b)と協働する歯車歯(30a)が設けられる周縁部を有することを特徴とする請求項7に記載のトルク測定システム。
【請求項9】
前記インターフェース部(19)によって前記第2部材(2)を回転駆動させる前記機構(31)は、フリーホイールデバイス(32)によって前記インターフェース部(19)に取り付けられていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載のトルク測定システム。
【請求項10】
前記変形可能な構造体は、前記ブッシュ(5,6)間に角度的に分配された一組の分岐部(18)を含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載のトルク測定システム。
【請求項11】
前記測定するデバイスは、
対応する前記ブッシュ(5、6)の回転変位に相当する周期的な信号を発信することができる、内側磁気軌道(9a)および外側(10a)磁気軌道をそれぞれ有するリング(9、10)を、前記ブッシュ(5、6)にそれぞれ備え付けることによって製造されるエンコーダと、
前記対応するリング(9,10)の前記角度位置に相当する信号を形成するために、前記内側軌道(9a)および前記外側軌道(10a)それぞれから読取距離に配置された、第1パターンの感応素子(11)および第2パターンの感応素子(12)を含むセンサと、
前記センサから送られる前記信号を比較するデバイスであって、加えられる前記トルクの関数である前記ブッシュ(5、6)間の角度を測定することができるデバイスと、を備える、請求項1から10のいずれか1項に記載のトルク測定システム。
【請求項12】
回転シャフト(1a)と、第2部材(2、2a、2b)とを備え、前記回転シャフト(1a)と前記第2部材(2、2a、2b)との間にトルクが伝達されるモジュールであって、
前記モジュールは、請求項1から11のいずれか1項に記載の前記トルクを測定するシステムを備えており、
前記システムにおいて、前記インターフェース部(19)は、前記外側ブッシュ(6)に回転可能に結合されることによって前記第2部材(2、2a、2b)を回転駆動させ、
前記内側ブッシュ(5)は、前記回転シャフト(1a)の周囲に接続ボア(7)を有しており、
前記ガイドベアリング(20)は、前記シャフトの周囲に半径方向の隙間を実質的に有さないよう回転可能に取り付けられている、モジュール。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本開示は、2つの回転部材間に加えられるトルクを測定するシステム、および、測定されるトルクが伝達される関係にある回転シャフトと第2部材とを備えた、そのようなシステムを備えたモジュールに関する。
【0002】
本開示は、例えば電動アシスト自転車の電動モータまたはクランクセットと、機械式変速機との間など、車両へのモータトルクの伝達において統合された2つの部材間に加えられるトルクの測定に特に適用される。
【0003】
この目的のために、第1部材を回転可能に結合するためのデバイスを備えた内側ブッシュと、第2部材を回転駆動させることを意図した外側ブッシュとを有する試験体を使用することが知られており、前記外側ブッシュは内側ブッシュの周囲に延在し、前記外側ブッシュおよび前記内側ブッシュは、部材間に加えられるトルクの関数として前記ブッシュ間の角度たわみを許容しながら前記部材間のトルクを伝達するように配置された変形可能な構造体によって同心状に接続されている。
【0004】
このような試験体は、対応するブッシュの回転変位に相当する周期的な信号を発信することができる、内側と外側のそれぞれの磁気軌道を有するリングを、それぞれのブッシュに備え付けることによって、エンコーダを計装化することができる。特に、それぞれの軌道は、一対のN極およびS極を連続して有し、擬似正弦波磁気信号を発信する多極磁気軌道を形成する。
【0005】
次に、測定システムは、対応するリングの角度位置に相当する信号を形成するために、内側軌道および外側軌道のそれぞれから読取距離に配置された、第1パターンの感応素子および第2パターンの感応素子を含むセンサを備える。
【0006】
文献FR-2816051、FR-2821931、FR-2862382には、このような信号を比較するデバイスの使用が記載されており、このデバイスはブッシュ間の角度偏差を測定することができ、したがって、変形可能な構造体をねじることによって前記角度を誘導する際に加えられるトルクを測定することができる。
【0007】
用途によっては、部材間に加えられるトルクは、変形可能な構造体に応力を与える半径方向成分を含んでよい。特に、電動アシスト自転車のギアボックスの遊星キャリアは、シャフトに対して浮かせて取り付けることができ、これにより、外側ブッシュが前記遊星キャリアを回転するように駆動し、かつ内側ブッシュがシャフトに取り付けられている、試験体の変形可能な構造体に半径方向の力を加えることができる。
【0008】
したがって、トルクの測定に必要な角度のたわみに加えて、変形可能な構造体は、ブッシュ、つまり磁気軌道の偏心を誘発する半径方向のたわみを有してよく、これは、ブッシュ間の角度の測定、つまりトルクの測定の精度に直接的に悪影響を及ぼす。
【0009】
この問題は、全体寸法、特に半径方向の寸法が縮小された試験体の場合においてなおさら重大であり、変形可能な構造体の設計において、特にねじり変形に比べて半径方向の剛性という点において大きな要求が課され、250Nmオーダーのトルクに耐えながら角度がわずか数°オーダーのたわみを誘発しなければならない。
【0010】
本開示の目的は、従来技術を改善することであり、特に、変形可能な構造体の設計を制約することなく、応力を受けるブッシュの偏心が制限される測定システムであり、特に、正確なトルク測定のために必要なブッシュの角度たわみに関する。
【0011】
この目的のために、第1の態様によれば、本開示は、2つの回転部材の間に加えられるトルクを測定するためのシステムを提案し、前記システムは、以下を備える:
前記部材のうちの第1部材を回転可能に結合するデバイスを備えた内側ブッシュと、前記部材のうちの第2部材を回転駆動させることを意図した外側ブッシュとを有し、前記外側ブッシュは前記内側ブッシュの周囲に延在し、前記外側ブッシュおよび前記内側ブッシュは、前記部材間に加えられるトルクの関数としての前記ブッシュ間の角度たわみを許容しながら前記部材間のトルクを伝達するように配置された変形可能な構造体によって同心状に接続されていることを特徴とする、試験体と;
加えられたトルクの関数としてブッシュ間の角度を測定するデバイスと、を備え;
前記システムは、前記第2部材を回転駆動させる機構と、前記第2部材を前記外側ブッシュに回転可能に結合するデバイスとを備えたインターフェース部を備え、前記インターフェース部は、前記第1部材に対するその回転をガイドするベアリングを備え、前記ベアリングは、前記第1部材における前記インターフェース部の半径方向の保持を確実にするように配置されている。
【0012】
第2の態様によれば、本開示は、回転シャフトと、第2部材とを備え、回転シャフトと第2部材との間にトルクが伝達されるモジュールを提案し、前記モジュールは、前記トルクを測定するためのこのようなシステムを備え、このシステムにおいて、インターフェース部は、試験体の外側ブッシュに回転可能に結合されることによって第2部材を回転駆動させ、前記試験体の内側ブッシュは、回転シャフトの周囲に関連ボアを有し、ガイドベアリングは、前記シャフトの周囲に半径方向の隙間を実質的に有さないよう回転可能に取り付けられている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示のさらなる目的および利点は、添付図を参照してなされる以下の説明から明らかになるであろう。
【0014】
【
図1】本開示の第1の実施形態に係るトルク測定システムを備えた電動アシスト自転車のクランクセットの部分透視図である。
【
図2】本開示によるシステムの角度測定デバイスを備えた試験体の分解斜視図である。
【
図3】本開示の第2の実施形態に係るトルク測定システムを備えた電動アシスト自転車のクランクセットの部分分解斜視図である。
【
図4】本開示の第3の実施形態に係るトルク測定システムを備えた電動アシスト自転車のクランクセットの部分分解斜視図である。
【0015】
これらの図に関連して、2つの回転部材1、2間に加えられるトルクを測定するためのシステム、ならびに2つの部材1、2および前記部材間に伝達されるトルクを測定するためのこのようなシステムからなるモジュールについて以下に説明する。
【0016】
本明細書において、空間的位置決め用語は、第1部材1の回転軸Rを基準として判断できる。特に、「内側」および「外側」という用語は、それぞれ、この軸Rに近接した配置およびこの軸Rから離れた配置を指し、「軸方向」および「半径方向」という用語は、それぞれ、この軸Rに追従し、この軸Rから離れるように移動する配置、およびこの軸Rに向かって移動する配置を指す。
【0017】
特に、このシステムは、例えば電動アシスト自転車の電動モータまたはクランクセットと機械式変速機との間など、車両へのモータトルク伝達デバイスに組み込まれたモジュールの2つの部材1、2間に加えられるトルクを測定することを可能にする。
【0018】
図1は、ペダル4を有するクランク3を備えた電動アシスト自転車のクランクセットを示しており、前記クランクは、軸Rに沿って回転するように駆動されるシャフト1aに取り付けられ、ペダリング方向にペダリングトルクM+を加えるための部材1を形成している。
【0019】
このシステムは、ペダリングトルクM+をモジュールの他方の部材2に伝達することができる試験体を備え、図において、他の部材2は次のように示されている:
スリーブ2a-例えば、トルクMbvを及ぼす、電動ギアボックスの遊星歯車列の遊星キャリア(
図1、1a、1b)、または、
ピニオン2b-例えば、電動ギアボックスのピニオン(
図3、3a、4、4a)。
【0020】
この用途において、規格EN15194:2017に従って考慮されるペダル4の先端のペダリング力Fは、1,500Nであり、クランク長Lmが165mmにおいて、250NmのオーダーのトルクM+が発生する。特に、試験体によって伝達されるトルクは、回転の一方向(図ではM+に相当)のみであり、他方向は自転車のフリーホイールに対応する。
【0021】
試験体は以下を特徴とする:
第1部材1に回転可能に結合するデバイス(第1部材1に連結される回転用デバイス)を備えた内側ブッシュ5、および、
内側ブッシュ5の周囲に延在し、第2部材2を回転させるように設計された外側ブッシュ6。
【0022】
各図面に関連して、内側ブッシュ5は、例えばスレッドまたはスプラインの形で、前記シャフトに結合する手段を備えたボア7を有している。
【0023】
一実施形態では、試験体を第1部材1に結合するナットは、ボア7に固定されることで取り付けられてもよい。当該ナットは、例えばスレッドまたはスプラインを備えていることにより、結合を可能にするボアを有している。
【0024】
当該ナットは、以下のようにボア7に保持され得る:
-リベット留め:そのためにオリフィスが形成されたフランジが提供され、ボア7の縁部には、前記ナットが、複数のリベットによってリベット留めされることを可能にする相補的なオリフィスが設けられる。または、
-クリンピング(圧接、圧着)によって、または溶接によって前記ボアに保持される。
【0025】
各図面に関連して、ボア7には、第1部材1のシャフト1aと結合するスプライン7aが直接設けられている。
【0026】
ブッシュ5、6は、部材1、2間のトルクを伝達するように配置された変形可能な構造体によって、軸Rの周囲に同心円状に接続され、一方、前記部材間に加えられるトルクの関数としての前記ブッシュ間の角度たわみ(角度の偏向、角度偏差)を許容する。
【0027】
特に、内側ブッシュ5に加えられるペダリングトルクM+から生じるトルクと、外側ブッシュ6によってスリーブ2aまたはピニオン2bに加えられるトルクMbvから生じるトルクは、ブッシュ5,6間にねじれを誘発し、したがって、前記トルクの関数であるねじれ角で前記ブッシュの相対的な角度変位を引き起こす。
【0028】
このシステムは、ブッシュ5、6間の角度を測定するデバイスを含み、特に変形可能な構造体の剛性を考慮に入れた場合、この角度は加えられるトルクの関数である。
【0029】
一実施形態によれば、測定デバイスは以下を備える:
対応するブッシュ5、6の回転変位に相当する周期的な信号を発信することができる、それぞれの内側磁気軌道9aおよび外側磁気軌道10aを有するリング9、10を、それぞれのブッシュ5、6に備え付けることによって製造されたエンコーダと;
対応するリング9,10の角度位置に相当する信号を形成するために、内側軌道9aおよび外側軌道10aのそれぞれから読取距離に配置された感応素子の、第1パターン11および第2パターン12のそれぞれを含むセンサと;
センサから送られる信号を比較し、加えられるトルクの関数であるブッシュ5、6間の角度を測定することができるデバイスと、を備える。
【0030】
図に関連して、ペダル軸はハウジング13に回転可能に取り付けられ、センサは対応する軌道9a、10aから読取距離でパターン11、12に取り付けられている。
【0031】
一実施形態では、それぞれのリング9、10は、それぞれの内側フレーム9bと外側フレーム10bとによって運ばれ、内側ブッシュ5および外側ブッシュ6のそれぞれは、内側フレーム9bおよび外側フレーム10bのそれぞれをそれに固定するための手段を有する。
【0032】
特に、それぞれのブッシュ5、6は、特にリベット14またはネジによってフレーム9b、10bを固定するためのオリフィス5a、6aを備えている。図に関連して、内側ブッシュ5および外側ブッシュ6のそれぞれは、3つの半径方向の突出部15、16を設けられた外側および内側のそれぞれの周壁と、ならびに、互いに120°に配置され、突出部15、16のそれぞれに形成された3つの固定オリフィス5a、6aとを有する。
【0033】
一実施形態では、一対のN極およびS極が連続してそれぞれのリング9、10に磁化され、擬似正弦波磁気信号を発信することができる多極磁気軌道9a、10aを形成する。
【0034】
リング9、10は、磁性粒子、特にフェライト粒子またはNdFeBのような希土類粒子が分散された、例えばプラスチックまたはエラストマー材料から作られた環状マトリックスで構成することができ、前記粒子は磁化されて磁気軌道9a、10aを形成する。
【0035】
それぞれのパターン11、12は、文献FR-2792403、EP-2602593、EP-2602594に記載されているように、少なくとも2つの感応素子、特に複数の整列した感応素子から構成されてよい。
【0036】
感応素子は、検出される軌道9a、10aの磁気信号に応じて抵抗が変化する磁気抵抗材料、例えばAMR、TMR、GMRタイプ、またはホール効果プローブに基づくことができる。
【0037】
一実施形態では、角度位置は、磁気軌道9a、10aによって発信される信号の手段によって増幅的に測定することができる。別の実施形態では、角度位置は、すなわち基準位置に対して、リング9、10に二次磁気軌道または特定のコーディングを設けることによって、相対的に測定することができる。
【0038】
このシステムには、センサから送られる信号を比較するデバイスも含まれ、このデバイスは、加えられたトルクの関数であるブッシュ5、6間の角度を測定することができる。図に関連して、センサは、感応素子のパターン11、12が電子回路に埋め込まれたカード17を備える。
【0039】
一実施形態では、センサは直交増幅的方形波信号を発信し、比較デバイスは、リング9、10のそれぞれの角度位置を示す計数手段と、特に文献FR-2816051、FR-2821931、FR-2862382に記載されているように、前記角度位置の差を計算するための減算手段とを備える。
【0040】
変形可能な構造体は、ブッシュ5、6の間に角度をもって配された一組の分岐部18を備える。特に、分岐部18およびブッシュ5、6は、例えば、ワイヤーマシンによる切断、金属材料のブランクのスタンピング、レーザー切断、またはウォータージェット切断によって一体的に形成される。
【0041】
図では、分岐部18は回転方向に対して傾斜し、分岐部18を引くことで応力を非常に効果的に減少させるレバーアームを作り出しており、剛性を増加させるのに相当する。
【0042】
図示の実施形態では、試験体は、分岐のない扇部によって分離された3つの分岐部18を備える。特に、分岐のない扇部は、60°より大きい角度にわたって延在しており、突出部15、16はそれぞれ分岐のない扇部の中に延びている。
【0043】
あるいは、分岐部18は、一方が内向きであり一方が外向きである2つの屈曲部を有し、内側ブッシュ5と外側ブッシュ6のそれぞれに各々接続されたS字形状を有していてもよい。この配置は、特に屈曲部の大きさを最大にすることによって、剛性を減少させるために分岐部18の長さを増加させながら試験体の半径方向の大きさを制限することを可能にする。
【0044】
このシステムはまた、第2部材2を回転駆動するための機構と、それを外側ブッシュ6に回転可能に結合するためのデバイスとを備えるインターフェース部19を備え、前記インターフェース部はまた、第1部材1に対してその回転をガイドするためのベアリング20を設けられ、前記ベアリングは、前記インターフェース部の前記第1部材に対する半径方向の保持を確実にするように配置されている。
【0045】
特に、ガイドベアリング20は、第1部材1のシャフト1aの周囲に実質的に半径方向隙間を有さないよう回転可能に取り付けられたボア20aを備え、それにより、第2部材2の径方向振動の外側ブッシュ6への伝達を制限し、したがって、部材1,2間に加えられるトルクを測定するためにセンサによって行われる測定の精度を向上させる。
【0046】
図では、インターフェース部19は、摺動による回転の確実にガイドするように設計された摺動するベアリングの手段によって、シャフト1aに回転可能に取り付けられている。あるいは、インターフェース部19は、回転するベアリング、特にニードルブッシュの手段によってシャフト1aに回転可能に取り付けることもできる。
【0047】
図示の実施形態では、インターフェース部19は、特にインターフェース部19のボア21内に収縮されることによって、ベアリング20の外冠22が実質的に半径方向隙間を有さないように関連付けられる中央ボア21を特徴とする円板形状を有する。
【0048】
特に、
図4、4aにおいて、インターフェース部19は、その円板形状の中心に軸方向に延在するトランク23を有し、ベアリング20を取り付けるためのボア21は、前記トランクに形成されている。
【0049】
インターフェース部19とベアリング20は、前記ベアリングと一体(
図1、1a、1b、3、3a)または別々の部品(
図4、4a)から形成されたラジアルワッシャ24と、ならびに、前記シャフトの周縁部にこの目的のために設けられた径方向溝26に取り付けられることによって前記ワッシャ24に対して軸方向に隣接して配置される「サークリップ」タイプの弾性ワッシャ25と、の手段によって、シャフト1a上で軸方向に保持される。
【0050】
円板形状のインターフェース部19は、試験体と同軸かつ軸対象に取り付けられており、前記インターフェース部を外側ブッシュ6に結合するデバイスは、前記外側ブッシュのオリフィス6bに係合するピン28を有する機構を備える。
【0051】
製造公差により、ピン28が外側ブッシュ6と完全に同心でない可能性がある限り、隙間はこのカップリングデバイスにおいてその組立を容易にするために設けられる。このカップリングデバイスの第二の利点は、荷重によるシャフト1aの変形が外側ブッシュ6にほとんど、あるいは全く影響しないことである。
【0052】
特に、インターフェース部19と外側ブッシュ6は、120°の間隔で配置された3つのピンオリフィスと3つのオリフィス6bをそれぞれ備え、前記外側ブッシュのオリフィス6bは、明確にそれぞれの突出部16上に形成されている。
【0053】
図1、1a、1bにおいて、インターフェース部19によって第2部材2を回転駆動する機構は、オリフィス29に係合するピン27を有する機構を備える。この目的のために、スリーブ2aは、120°の間隔で配置された3つのブラインドオリフィス29を備え、インターフェース部19は、外側ブッシュ6に結合するためのピン28に対向して形成された3つのピン27を有している。
【0054】
図1bに関連して、ピン27、28は、トルクを直接取り込むことを可能にするスピンドルによって支持され、前記スピンドルはまた、良好な精度で配置することができる。
【0055】
この実施形態により、2つの推進手段を有する電動アシスト自転車を得ることができる:
サイクリストのペダリングによって発生した筋肉的な推進力であり、この推進力はペダルシャフト1aに入り、試験体を介してギアボックスに伝達され、変速機(チェーン、カルダンシャフト、ベルト)を介して後輪に伝達される:
電気モータであり、そのトルクは直接ギアボックス(第2部材2)に入り、筋力的な推進力のトルクに加えられる。
【0056】
このようにして、ピン28、27は試験体からギアボックスにトルクを伝達する。
【0057】
図3、3a、4、4aでは、インターフェース部19は歯車機構を介して第2部材2を回転する。
【0058】
図3、3aにおいて、インターフェース部19の円板形状は、第2部材2のピニオン2bと協働する歯車歯30aを有する周縁部を有する。
【0059】
図4、4aにおいて、インターフェース部19によってピニオン2bを回転駆動するための機構は、フリーホイールデバイス32の手段によって前記インターフェース部の中央トランク23に回転可能に取り付けられた別々の歯車31を備える。
【外国語明細書】