(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167906
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】ウォーターマークの埋め込みおよび抽出のための方法、装置、デバイス、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04N 21/835 20110101AFI20241127BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20241127BHJP
H04N 21/4627 20110101ALI20241127BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20241127BHJP
【FI】
H04N21/835
H04N5/222
H04N21/4627
G06T7/00 350B
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024083679
(22)【出願日】2024-05-22
(31)【優先権主張番号】202310584038.7
(32)【優先日】2023-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524195042
【氏名又は名称】ベイジン ヴォルケーノ エンジン テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Volcano Engine Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】1309, 13th Floor, Building 4, Zijin Digital Park, Haidian District, Beijing 100190, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ホンチャン,グオ
(72)【発明者】
【氏名】フォン,グオ
(72)【発明者】
【氏名】ジュンウェイ,ルオ
(72)【発明者】
【氏名】シアオドォン,スゥ
(72)【発明者】
【氏名】ミンレイ,リ
【テーマコード(参考)】
5C122
5C164
5L096
【Fターム(参考)】
5C122DA03
5C122DA04
5C122DA44
5C122EA61
5C122FH10
5C122FH11
5C122FH18
5C122GA01
5C122HA13
5C122HA31
5C122HA35
5C122HA46
5C122HA88
5C122HB01
5C164MB35P
5C164SB08S
5C164UB10S
5C164UC26P
5L096AA02
5L096AA03
5L096AA06
5L096FA09
5L096FA62
5L096GA30
5L096GA51
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ウォーターマークの埋め込みおよびウォーターマークの抽出方法、装置、デバイス及びコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【解決手段】ウォーターマーク埋め込み方法は、処理すべき画像内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、処理すべき画像内の少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定することと、ウォーターマーク情報および少なくとも1つの処理すべき画像ブロックに基づいて、少なくとも1つの処理すべき画像ブロックにそれぞれ対応する少なくとも1つの目標画像ブロックを生成することと、処理すべき画像内で少なくとも1つの処理すべき画像ブロックをそれぞれ少なくとも1つの目標画像ブロックに置き換えることにより、処理すべき画像に対する目標画像を生成することと、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理すべき画像内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、前記処理すべき画像内の少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定することと、
ウォーターマーク情報および前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックに基づいて、前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックにそれぞれ対応する少なくとも1つの目標画像ブロックを生成することであって、各目標画像ブロックには前記ウォーターマーク情報の少なくとも一部が埋め込まれていることと、
前記処理すべき画像内で前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックをそれぞれ前記少なくとも1つの目標画像ブロックに置き換えることにより、前記処理すべき画像に対する目標画像を生成することと、を含む、
ウォーターマーク埋め込み方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定することは、
前記1セットのキーポイントの対応する特徴値および前記処理すべき画像内での対応する位置に基づいて、前記処理すべき画像内の1セットの候補画像ブロックを決定することであって、各候補画像ブロックは前記1セットのキーポイントのうちの少なくとも1つのキーポイントを含むことと、
前記1セットの候補画像ブロックのうちから前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定することと、を含むことと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1セットの候補画像ブロックのうちの異なる候補画像ブロックは、互いに重畳されない、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定することは、
前記1セットの候補画像ブロックの対応するテクスチャ複雑度を決定することと、
前記対応するテクスチャ複雑度に基づいて、前記1セットの候補画像ブロックのうちから前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを選択することと、を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの目標画像ブロックを生成することは、
前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックのうちの処理すべき画像ブロックに対して、
前記ウォーターマーク情報の特徴と前記処理すべき画像ブロックの特徴とに基づいて、前記ウォーターマーク情報と前記処理すべき画像ブロックとの融合特徴を生成することと、
前記融合特徴、前記ウォーターマーク情報の特徴、および、前記処理すべき画像ブロックに基づいて、前記目標画像ブロックを生成することと、によって前記処理すべき画像ブロックに対応する目標画像ブロックを取得することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記目標画像ブロックを生成することは、
前記融合特徴および前記ウォーターマーク情報の特徴に基づいて、前記ウォーターマーク情報で強調された中間特徴を生成することと、
前記中間特徴および前記処理すべき画像ブロックに基づいて、前記目標画像ブロックを生成することと、を含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記処理すべき画像ブロックに対応する目標画像ブロックは、ウォーターマーク埋め込みモデルを利用して取得され、
前記ウォーターマーク埋め込みモデルのトレーニングは、
前記ウォーターマーク埋め込みモデルを利用して、参照ウォーターマーク情報を第1画像に埋め込んで、第2画像を取得することと、
前記第2画像に対して複数の変換操作を実行することにより、第3画像を生成することと、
前記第3画像から抽出されたウォーターマーク情報と前記参照ウォーターマーク情報との間の差分を決定することと、
前記差分に関連する目標関数に基づいて、前記ウォーターマーク埋め込みモデルをトレーニングすることと、によって行われる、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の変換操作のうちの少なくとも1つの変換操作による前記第2画像の変化程度は、トレーニングラウンド数の増加するにつれて増加する、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
抽出すべき画像内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、前記抽出すべき画像内の少なくとも1つの目標画像ブロックを決定することと、
それぞれ前記少なくとも1つの目標画像ブロックに基づいて、前記抽出すべき画像内に埋め込まれたウォーターマーク情報を決定することと、を含む、
ウォーターマーク抽出方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの目標画像ブロックを決定することは、
前記1セットのキーポイントの対応する特徴値および前記抽出すべき画像における前記1セットのキーポイントの対応する位置に基づいて、前記抽出すべき画像内の1セットの候補画像ブロックを決定することであって、各候補画像ブロックは前記1セットのキーポイントのうちの少なくとも1つのキーポイントを含むことと、
前記1セットの候補画像ブロックに基づいて前記少なくとも1つの目標画像ブロックを決定することと、を含む、
請求項9に記載のウォーターマーク抽出方法。
【請求項11】
前記ウォーターマーク情報は、ウォーターマーク抽出モデルを利用して決定され、
前記ウォーターマーク抽出モデルのトレーニングは、
参照ウォーターマーク情報を第1画像に埋め込むことにより、第2画像を取得することと、
前記第2画像に対して複数の変換操作を実行することにより、第3画像を生成することと、
前記ウォーターマーク抽出モデルを利用して前記第3画像から抽出されたウォーターマーク情報と前記参照ウォーターマーク情報との間の差分を決定することと、
前記差分に関連する目標関数に基づいて、前記ウォーターマーク抽出モデルをトレーニングすることと、によって行われる、
請求項9に記載のウォーターマーク抽出方法。
【請求項12】
処理すべき画像内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、前記処理すべき画像内の少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定するように構成された画像ブロック決定モジュールと、
ウォーターマーク情報および前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックに基づいて、前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックにそれぞれ対応する少なくとも1つの目標画像ブロックを生成するように構成された画像ブロック生成モジュールであって、各目標画像ブロックには前記ウォーターマーク情報の少なくとも一部が埋め込まれている画像ブロック生成モジュールと、
前記処理すべき画像内で前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックをそれぞれ前記少なくとも1つの目標画像ブロックに置き換えることにより、前記処理すべき画像に対する目標画像を生成するように構成された画像ブロック置換モジュールと、を備える、
ウォーターマーク埋め込み装置。
【請求項13】
抽出すべき画像内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、前記抽出すべき画像内の少なくとも1つの目標画像ブロックを決定するように構成された目標画像ブロック決定モジュールと、
前記少なくとも1つの目標画像ブロックにそれぞれ基づいて、前記抽出すべき画像内に埋め込まれたウォーターマーク情報を決定するように構成されたウォーターマーク情報抽出モジュールと、を備える、
ウォーターマーク抽出装置。
【請求項14】
電子デバイスであって、
少なくとも1つの処理ユニットと、
前記少なくとも1つの処理ユニットに結合され、前記少なくとも1つの処理ユニットによって実行されるための命令を記憶し、前記命令が前記少なくとも1つの処理ユニットによって実行されると、請求項1~8または9~11のいずれか1項に記載の方法を前記電子デバイスに実行させる少なくとも1つのメモリと、を備える、
電子デバイス。
【請求項15】
コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~8または9~11のいずれか1項に記載の方法が実現される、
コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の例示的な実施例は、一般に画像処理分野に関し、特に、ウォーターマークの埋め込みおよびウォーターマークの抽出ための方法、装置、デバイス、及びコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
情報技術の普及および急速な発展に伴い、デジタルキャリア(例えば、画像、ビデオなど)の伝播速度はますます速くなっており、伝播範囲はますます広くなっている。デジタルキャリアをより良く保護するために、暗黒ウォーターマークまたは隠れたウォーターマークなどのデジタルウォーターマーク技術が出現した。人々は、元のキャリアの使用価値に影響を与えることなく、ウォーターマーク情報をデジタルキャリアに埋め込むことで、漏洩トレーサビリティおよび著作権保護の目的を達成することができる。これに鑑みて、信頼的でロバスト性が高いウォーターマークを実現するための解決策が期待される。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様は、ウォーターマーク埋め込み方法を提供する。当該方法は、処理すべき画像内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、処理すべき画像内の少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定することと、ウォーターマーク情報および少なくとも1つの処理すべき画像ブロックに基づいて、少なくとも1つの処理すべき画像ブロックにそれぞれ対応する少なくとも1つの目標画像ブロックを生成することであって、各目標画像ブロックにはウォーターマーク情報の少なくとも一部が埋め込まれていることと、処理すべき画像内で少なくとも1つの処理すべき画像ブロックをそれぞれ少なくとも1つの目標画像ブロックに置き換えることにより、処理すべき画像に対する目標画像を生成することと、を含む。
【0004】
本発明の第2の態様は、ウォーターマーク抽出方法を提供する。当該方法は、抽出すべき画像内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、抽出すべき画像内の少なくとも1つの目標画像ブロックを決定することと、それぞれ少なくとも1つの目標画像ブロックに基づいて、抽出すべき画像内に埋め込まれたウォーターマーク情報を決定することと、を含む。
【0005】
本発明の第3の態様は、ウォーターマークの埋め込みのための装置を提供する。当該装置は、処理すべき画像内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、処理すべき画像内の少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定するための画像ブロック決定モジュールと、ウォーターマーク情報および少なくとも1つの処理すべき画像ブロックに基づいて、少なくとも1つの処理すべき画像ブロックにそれぞれ対応する少なくとも1つの目標画像ブロックを生成するための画像ブロック生成モジュールであって、各目標画像ブロックにはウォーターマーク情報の少なくとも一部が埋め込まれている画像ブロック生成モジュールと、処理すべき画像内で少なくとも1つの処理すべき画像ブロックをそれぞれ少なくとも1つの目標画像ブロックに置き換えることにより、処理すべき画像に対する目標画像を生成するための画像ブロック置換モジュールと、を備える。
【0006】
本発明の第4の態様は、ウォーターマークの抽出のための装置を提供する。当該装置は、抽出すべき画像内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、抽出すべき画像内の少なくとも1つの目標画像ブロックを決定するための目標画像ブロック決定モジュールと、それぞれ少なくとも1つの目標画像ブロックに基づいて、抽出すべき画像内に埋め込まれたウォーターマーク情報を決定するためのウォーターマーク情報抽出モジュールと、を備える。
【0007】
本発明の第5の態様は、電子デバイスを提供する。当該デバイスは、少なくとも1つの処理ユニットと、少なくとも1つのメモリとを備え、少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つの処理ユニットに結合され、少なくとも1つの処理ユニットによって実行されるための命令を記憶する。命令が少なくとも1つの処理ユニットに実行される際に、第1の態様または第2の態様の方法をデバイスに実行させる。
【0008】
本発明の第6の態様は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。当該コンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶されており、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されて、第1の態様または第2の態様の方法が実現される。
【0009】
本発明の概要の部分に説明される内容は、本発明の実施例の主要な特徴または重要な特徴を限定することを意図したものではなく、本発明の範囲を限制することを意図したものでもないことを理解されたい。本発明の他の特徴は、以下の説明によって容易に理解されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面と併せて以下の詳細な説明を参照すると、本発明の各実施例の上述した特徴および他の特徴、利点、および態様がより明らかになる。図面において、同じまたは類似の符号は、同じまたは類似の要素を示し、ここで、
【
図1A】本発明のいくつかの実施例のウォーターマークの埋め込みを実現できる例示的な環境の概略図であり、
【
図1B】本発明のいくつかの実施例のウォーターマークの抽出を実現できる例示的な環境の概略図であり、
【
図2】本発明に係るいくつかの実施例のウォーターマーク埋め込みのプロセスのフローチャートであり、
【
図3】本発明に係るいくつかの実施例のウォーターマーク埋め込みモデルの概略的なブロック図であり、
【
図4】本発明に係るいくつかの実施例のウォーターマーク抽出のプロセスのフローチャートであり、
【
図5】本発明に係るいくつかの実施例のモデルトレーニングのアーキテクチャの概略図であり、
【
図6】本発明に係るいくつかの実施例のウォーターマーク埋め込みの例示的なプロセスの概略図であり、
【
図7】本発明に係るいくつかの実施例のウォーターマーク抽出の例示的なプロセスの概略図であり、
【
図8】本発明に係る特定の実施例のウォーターマークの埋め込みのための装置の概略的な構造のブロック図であり、
【
図9】本発明に係る特定の実施例のウォーターマークの抽出のための装置の概略的な構造のブロック図であり、
【
図10】本発明の1つまたは複数の実施例を実施できる電子デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、図面を参照して本発明の実施例をより詳細に説明する。図面では本発明の特定の実施例が示されているが、本発明は様々な形態で実現され得、本明細書に記載された実施例に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施例は本発明のより徹底的かつ完全な理解のために提供されることを理解されたい。本発明の図面および実施例は、例示的な目的のためのものであり、本発明の保護範囲を限定するために使用されないことを理解されたい。
【0012】
本発明の実施例の説明において、「含む」という用語および類似の用語は、「~を含むがこれらに限定されない」というオープンエンドの包含である。「に基づく」という用語は、「少なくとも一部に基づく」であることを理解されたい。「1実施例」または「当該実施例」という用語は、「少なくとも1つの実施例」であることを理解されたい。「いくつかの実施例」という用語は、「少なくともいくつかの実施例」であることを理解されたい。以下の明細書には、明示的、暗黙的な定義が以下に含まれる場合がある。本明細書で使用される「モデル」という用語は、各データ間の関連関係を表すことができる。例えば、上述した関連関係は、現在知られているおよび/または将来開発される様々な技術的解決策に基づいて取得することができる。
【0013】
本技術的解決策に関わるデータ(データ自身、データの取得、またはデータの使用を含むがこれらに限定されない)は、対応する法令および関連指定された要件を遵守すべきであることが理解される。
【0014】
本発明の各実施例に開示された技術的解決策を使用する前に、関連法令に従って適切な方法で本発明に関わる個人情報の種類、使用範囲、使用場面等を利用者に通知して利用者の許諾を得るべきであることが理解される。
【0015】
例えば、ユーザの未承諾の要求を受信したことに応答する際には、ユーザに提示情報を送信することによって、要求された操作がユーザの個人情報の取得および使用を必要とすることをユーザに明示的に提示する。これにより、ユーザは、提示情報に基づいて、本発明の技術的解決策の操作を実行する電子デバイス、アプリケーション、サーバまたは記憶媒体などのソフトウェアまたはハードウェアに個人情報を提供するか否かを独自に選択することができる。
【0016】
選択的であるが非限定的な実現形態として、ユーザの未承諾の要求を受信したことに応答して、ユーザに提示情報を送信する方法は、例えば、ポップアップウィンドウを利用する方法であってもよく、ポップアップウィンドウ内にテキストの形態で提示情報を表示することができる。なお、ポップアップウィンドウ内には、さらに、電子デバイスに個人情報を提供することに「同意」または「同意しない」をユーザが選択するための選択コントロールが含まれてもよい。
【0017】
上述した通知およびユーザ認可取得プロセスは、あくまでも概略的なものであり、本発明の実現形態を限定するものではなく、関連法令を満たす他の方法を本発明の実現形態に適用することもできることが理解される。
【0018】
本明細書で使用される「モデル」という用語は、トレーニングデータから対応する入力と出力との間の関連関係を学習し、トレーニングが完了した後に、所与の入力に対して対応する出力を生成することができる。モデルの生成は、機械学習技術に基づくことができる。ディープラーニングは、多層の処理ユニットを用いて入力を処理し、対応する出力を提供する機械学習アルゴリズムである。ニューラルネットワークモデルは、ディープラーニングに基づくモデルの1例である。本明細書において、「モデル」は、「機械学習モデル」、「学習モデル」、「機械学習ネットワーク」、または、「学習ネットワーク」とも呼ばれてもよく、これらの用語は、本明細書においては互換可能に使用される。
【0019】
「ニューラルネットワーク」は、ディープラーニングに基づく機械学習ネットワークである。ニューラルネットワークは、入力を処理し、対応する出力を提供することができ、一般的に、入力層、出力層、および、入力層と出力層との間の1つまたは複数の隠れ層を含む。ディープラーニングアプリケーションで使用されるニューラルネットワークは、一般的に多数の隠れ層を含み、それによりネットワークの深さが増加する。ニューラルネットワークの各層は、前の層の出力が後の層の入力として提供されるように順次接続され、入力層はニューラルネットワークの入力を受信し、出力層の出力はニューラルネットワークの最終出力として機能する。ニューラルネットワークの各層は、1つまたは複数のノード(処理ノードまたはニューロンとも呼ばれる)を含み、各ノードは前の層からの入力を処理する。
通常、機械学習は大きく分けて、トレーニング段階、テスト段階、および、応用段階(推論段階とも呼ばれる)のような3つの段階を含んでもよい。トレーニング段階においては、所与のモデルは、大量のトレーニングデータを用いてモデルをトレーニングし、モデルがトレーニングデータから所望の目標を満たす一貫性のある推論を得られるようになるまで、パラメータ値を繰り返し更新する。トレーニングを通じて、モデルは、トレーニングデータから入力から出力への関連付け(入力から出力へのマッピングとも呼ばれる)を学習できると考えることができる。トレーニング後のモデルのパラメータ値が決定される。テスト段階においては、テスト入力をトレーニング後のモデルに適用し、モデルが正しい出力を提供できるかどうかをテストすることで、モデルの性能が決定される。応用段階においては、モデルは、トレーニングで得られたパラメータ値に基づいて実際の入力を処理し、対応する出力を決定するために使用されることができる。
【0020】
図1Aは、本発明のいくつかの実施例のウォーターマークの埋め込みを実現できる例示的な環境100Aを示す概略図である。
図1Aに示されたように、例示的な環境100Aは、電子デバイス110を含んでもよい。
【0021】
処理すべき画像102は、ウォーターマークを埋め込む画像であり、任意のフォーマット、任意のサイズ、任意の色(例えば、カラー画像、白黒画像、グレースケール画像)などの画像であってもよい。処理すべき画像102は、電子デバイス110が他のデバイスから取得した画像、ローカルに記憶された画像、または、電子デバイス110が自身の画像収集コンポーネント(例えば、カメラ)を利用してキャプチャした画像であってもよい。
【0022】
ウォーターマーク情報104は、一般的に、デジタルウォーターマーク(Digital Watermarking)とも呼ばれてもよい。ウォーターマーク情報104は、任意の形態の情報であってもよく、例えば、ビット列であってもよい。電子デバイス110は、処理すべき画像102およびウォーターマーク情報104に基づいて、処理すべき画像102に対する目標画像112を生成することができる。すなわち、電子デバイス110は、ウォーターマーク情報104を処理すべき画像102に埋め込むことで、目標画像112を生成する。特に、目標画像112において、ウォーターマーク情報は、不可視、すなわち人間の目には知覚できない場合がある。
【0023】
環境100Aにおいて、電子デバイス110は、端末デバイスまたはサービス側デバイスを含む、コンピューティング能力を有する任意の種類のデバイスであってもよい。端末デバイスは、任意の種類の携帯端末、固定端末または携帯端末であってもよく、携帯電話、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ネットブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、メディアコンピュータ、マルチメディアタブレット、個人通信システム(PCS)デバイス、パーソナルナビゲーションデバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、オーディオ/ビデオプレーヤー、デジタルカメラ/ビデオカメラ、測位デバイス、テレビ受信機、ラジオ放送受信機、電子書籍デバイス、ゲームデバイスまたはこれらの任意の組み合わせを含み、これらのデバイスの付属品および周辺機器またはその任意の組み合わせを含む。
【0024】
サービス側デバイスは、独立した物理サーバであってもよいし、複数の物理サーバで構成されるサーバクラスタまたは分散システムであってもよいし、さらに、クラウドサービス、クラウドデータベース、クラウドコンピューティング、クラウド関数、クラウド記憶、ネットワークサービス、クラウド通信、ミドルウェアサービス、ドメインネームサービス、セキュリティサービス、コンテンツ配信ネットワーク、ビックデータや手作業知能プラットフォームなどの、基本的なクラウドコンピューティングサービスを提供するクラウドサーバであってもよい。サービス側デバイス例えば、メインフレーム、エッジコンピューティングノード、クラウド環境における電子デバイスなどの、コンピューティングシステム/サーバを含んでもよい。
【0025】
図1Bは、本発明のいくつかの実施例のウォーターマークの抽出を実現できる例示的な環境100Bを示す概略図である。
図1Bに示されたように、例示的な環境100Bは、電子デバイス120を含んでもよい。
【0026】
抽出すべき画像106は、ウォーターマークが埋め込まれている可能性のある画像である。抽出すべき画像106は、例えば、任意のフォーマット、任意のサイズ、任意の色などの任意の画像であってもよい。抽出すべき画像106は、電子デバイス120が通信を介して他のデバイスから取得した画像、または、電子デバイス120のローカルに記憶された画像であってもよい。電子デバイス120は、抽出すべき画像106からウォーターマーク情報122を抽出することができる。抽出されたウォーターマーク情報122をさらに検証することで、抽出されたウォーターマークが正しいウォーターマークであるか否かを判定することができる。
【0027】
環境100Aにおける電子デバイス110と同様に、環境100Bにおける電子デバイス120も、端末デバイスまたはサービス側デバイスを含む、コンピューティング能力を有する任意の種類のデバイスであってもよい。いくつかの実施例において、電子デバイス110と電子デバイス120は、同じデバイスであってもよい。例えば、処理すべき画像102の所有者は、同じデバイスを使用して処理すべき画像102に対するウォーターマーク埋め込みおよび取得された抽出すべき画像106に対するウォーターマーク抽出を実行することができる。いくつかの実施例において、電子デバイス110と電子デバイス120は、異なるデバイスであってもよい。例えば、画像の所有者は、電子デバイス110を使用して画像内にウォーターマークを埋め込むことができ、画像の使用者は、電子デバイス120を使用して画像内のウォーターマーク情報を抽出することで、画像の偽造を検証することができる。
【0028】
図1Aおよび
図1Bに示された環境100Aおよび環境100Bにおける構成要素および配置は例示的なものに過ぎないことを理解されたい。本発明に説明される例示的な実施例を実現するのに適したコンピューティングシステムは、1つまたは複数の異なる構成要素、他の構成要素および/または異なる配置方式を含んでもよい。
【0029】
前述のように、画像に人間の目には知覚できないウォーターマーク情報を追加することができ、暗黒ウォーターマークとも呼ばれる。その結果、画像の通常の使用に影響を与えることなく、所望の目的を達成することができ、例えば、漏洩トレーサビリティおよび著作権保護の目的を達成することができる。暗黒ウォーターマーク技術の従来の解決策は、主に、画像処理に基づく解決策およびディープラーニングに基づく解決策を含む。画像処理に基づく解決策は、画像の異なる特徴情報に対して手作業で設計する必要があることが多い。したがって、このような解決策は、操作が複雑であり、様々な変化に対する画像のロバスト性を考慮することができない。ディープラーニングに基づく解決策は、エンコーダ・デコーダモデルをトレーニングしてウォーターマークの埋め込みおよび抽出を実現し、トレーニングプロセスに画像の変化を導入してさらにデータを強調することで、埋め込みウォーターマークのロバスト性を向上させる。しかしながら、従来のディープラーニングに基づく解決策は、モデル入力サイズと一貫性のある画像に対してしかウォーターマーク埋め込むことができないし、視覚的効果とロバスト性のバランスを取ることができない。
【0030】
本発明に係る例示的な実施例は、ウォーターマークの埋め込みおよびウォーターマークの抽出ための改善された解決策を提供する。当該解決策によると、ウォーターマーク埋め込み側においては、処理すべき画像から認識されたキーポイントに基づいて処理すべき画像ブロックを決定する。ウォーターマーク情報を処理すべき画像ブロックに埋め込むことで、目標画像ブロックを生成することができる。さらに、処理すべき画像内で処理すべき画像ブロックを目標画像ブロックに置き換えることで、ウォーターマーク情報が埋め込まれている目標画像を得ることができる。ウォーターマーク抽出側においては、処理すべき画像から認識されたキーポイントに基づいて目標画像ブロックを決定し、目標画像ブロックからウォーターマーク情報を抽出することができる。
【0031】
本発明の実施例において、キーポイントを利用してウォーターマークを埋め込むための画像ブロックを決定する。画像が変化(例えば、圧縮、ノイズ付加、回転など)される際にキーポイントは明らかな変化が発生しないため、ウォーターマーク埋め込みのロバスト性を向上させることができる。これに応じて、ウォーターマークを抽出する際には、キーポイントを利用してウォーターマークを抽出するための画像ブロックを決定する。これにより、ウォーターマークが含まれている可能性のある画像領域を信頼的に位置決めすることができる。なお、本発明の実施例において、ウォーターマークの埋め込みおよび抽出は、画像全体ではなく、画像ブロックを単位として実行する。当該方法によると、任意の解像度の画像を処理することができ、それにより、広範な適用性を有するウォーターマークの埋め込みおよび抽出の解決策を実現する。
【0032】
以下では、引き続き図面を参照して本発明のいくつかの例示的な実施例を説明する。
【0033】
図2は、を示す本発明に係るいくつかの実施例のウォーターマーク埋め込みのプロセス200のフローチャートを示す。プロセス200は、電子デバイス110において実現されてもよい。議論を容易にするために、
図1Aの環境100Aを参照して、プロセス200を説明する。
【0034】
ボックス210において、電子デバイス110は、処理すべき画像102内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、処理すべき画像102内の少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定する。本発明の実施例において、キーポイントは、特徴点と呼ばれてもよく、視覚的な特徴性質を持つ1つまたは複数のピクセルを意味する。いくつかの実施例において、キーポイントは、コーナーポイントであってもよく、特定の属性上で特に強調される1つまたは複数のピクセルを表す。例えば、キーポイントは、特定の属性の極値ポイントであってもよい。処理すべき画像ブロックは、128*128などの所定のサイズを有することができる。
【0035】
いくつかの実施例において、これらのキーポイントは、電子デバイス110によって認識されてもよい。電子デバイス110は、キーポイント検出アルゴリズムを利用して処理すべき画像102のキーポイントを決定することができる。任意の適切なキーポイント検出アルゴリズムを採用することができ、例えば、加速セグメンテーション試験による特徴(FAST)アルゴリズム、スケール不変特徴変換(SIFT)アルゴリズム、方向性FAST、および、回転二値ロバスト基本特徴(ORB)アルゴリズムを採用することができるがこれらに限定されない。いくつかの実施例において、電子デバイス110は、ORBキーポイント検出アルゴリズムを利用して処理すべき画像102のキーポイントを決定することができる。ORBキーポイント検出アルゴリズムは、より良いロバスト性を有し、例えば、処理すべき画像に圧縮、ノイズ付加、トリミング、パンニング、回転などの様々な画像処理操作が施されたとしても、ORBキーポイント検出アルゴリズムを利用して決定されたキーポイントは、明らかな変化が発生されない。したがって、このような実施例において、ORBアルゴリズムを利用すると、ウォーターマーク埋め込みのロバスト性のさらなる向上に役立つ。
【0036】
いくつかの実施例において、電子デバイス110は、さらに、トレーニングされたキーポイント検出モデルを利用して処理すべき画像102内のキーポイントを決定することができる。具体的な種類のモデル構造は、実際の応用ニーズに応じて選択することができる。いくつかの実施例において、処理すべき画像102内のキーポイントは、他のデバイスによって認識されてもよいし、また、電子デバイス110は、当該デバイスから、認識されたキーポイントに関する情報を取得することができる。
【0037】
様々な適切な形態でキーポイントに基づいて処理すべき画像ブロックを決定することができる。いくつかの実施例において、電子デバイス110は、直接、当該セットのキーポイントに基づいて処理すべき画像102内の対応する位置で、処理すべき画像102内の少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定することができる。例示的に、電子デバイス110は、処理すべき画像102内で各キーポイントをそれぞれ中心とする1セットの画像ブロックを1セットの処理すべき画像ブロックとして決定することができる。
【0038】
いくつかの実施例において、処理すべき画像ブロックを決定するために、キーポイントの特徴値が考慮されてもよい。特徴値を利用して認識されたキーポイントを選別し、次いで、選別後のキーポイントに基づいて処理すべき画像ブロックを決定することができる。電子デバイス110は、さらに、1セットのキーポイントを決定する同時に、各キーポイントの特徴値を決定することができる。特徴値は、対応するキーポイントのロバスト性を表すことができ、すなわち画像が変化される際に当該点がキーポイントとして検出される確率を表す。例示的に、電子デバイス110は、ORBキーポイント検出アルゴリズムを利用して処理すべき画像102内の1セットのキーポイントおよび各キーポイントの対応する特徴値を決定することができる。
【0039】
電子デバイス110は、認識された当該セットのキーポイントの対応する特徴値および処理すべき画像102内の対応する位置に基づいて、処理すべき画像102内の1セットの候補画像ブロックを決定することができる。例えば、当該セットのキーポイントの対応する特徴値に基づいて当該セットのキーポイントをソートすることができる。選別して得られるキーポイントのロバスト性を確保するために、電子デバイス110は、当該セットのキーポイントの対応する特徴値の高低に基づいてこの1セットのキーポイントを降順にソートすることができる。すなわち、上位のキーポイントの対応する特徴値はより高く、下位のキーポイントの対応する特徴値はより低い。各キーポイントについて、電子デバイス110は、処理すべき画像102内で当該キーポイントを含む所定のサイズ(例えば、128*128)の画像ブロックを決定することができる。例えば、電子デバイス110は、処理すべき画像内で当該セットのキーポイントのうちの各キーポイントをそれぞれ中心とする1セットの画像ブロックを決定することができる。電子デバイス110は、さらに、キーポイントのソート結果に基づいて、キーポイントに対応する特徴値がより高い画像ブロックから順番に当該セットの画像ブロックを選別することができる。これに応じて、特徴値がより高いキーポイントに対応する画像ブロックは、候補画像ブロックとして決定されてもよい。
【0040】
上述した形態で決定された候補画像ブロックは、複数のキーポイントを含む場合があり、また、異なる候補画像ブロックは、重畳される場合がある。いくつかの実施例において、キーポイントの特徴値に基づいて選別する際に、画像ブロック間の重畳性を考慮することで、異なる候補画像ブロックが互いに重畳されない1セットの候補画像ブロックを得ることができる。例示的に、電子デバイス110は、交差・合併比率(IOU)アルゴリズムを利用して画像ブロックが重畳されるか否かを判断することができる。
【0041】
さらに、電子デバイス110は、当該セットの候補画像ブロックから少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定することができる。いくつかの実施例において、これらの候補画像ブロックを直接処理すべき画像ブロックとして決定することができる。いくつかの実施例において、キーポイントに対応する特徴値のソート結果に基づいて、当該セットの候補画像ブロックから処理すべき画像ブロックを決定することができ、例えば、所定の数の候補画像ブロックを処理すべき画像ブロックとして選択することができる。ウォーターマークを埋め込んで得られる最終的な目標画像の視覚的効果を確保するために、処理すべき画像ブロックの数はあまり多くすべきではないことに留意されたい。例示的に、電子デバイス110は、1セットの候補画像ブロックのうちの、キーポイントに対応する特徴値がトップ10にソートされた候補画像ブロックをそれぞれ処理すべき画像ブロックとして決定することができる。
【0042】
視覚的効果を向上させるために、いくつかの実施例において、電子デバイス110は、さらに、当該セットの候補画像ブロックのうちの各候補画像ブロックのテクスチャ複雑度を決定することができる。テクスチャ複雑度が高いほど、人間の目が対応する画像ブロックの変化を知覚することがより困難になる。例えば、電子デバイス110は、任意の適切なテクスチャ計算アルゴリズムを利用して各候補画像ブロックのテクスチャ複雑度を決定することができる。テクスチャ計算アルゴリズムは、例えば、局所バイナリモード(LBP)アルゴリズム、最小知覚可能誤差(JND)アルゴリズムなどを含んでもよい。例示的に、電子デバイス110は、JNDアルゴリズムを利用して各候補画像ブロックのテクスチャ複雑度を決定することができる。代替的または追加的に、いくつかの実施例において、電子デバイス110は、さらに、トレーニングされたテクスチャ計算モデルを利用して各候補画像ブロックのテクスチャ複雑度を決定することができる。具体的な種類のモデル構造は、実際の応用ニーズに応じて選択されてもよい。
【0043】
その後、電子デバイス110は、候補画像ブロックの対応するテクスチャ複雑度に基づいて、当該セットの候補画像ブロックから少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを選択することができる。いくつかの実施例において、電子デバイス110は、対応するテクスチャ複雑度に基づいて当該セットの候補画像ブロックを降順にソートし、さらに、ソート結果に基づいて当該セットの候補画像ブロックから所定の数の候補画像ブロックを処理すべき画像ブロックとして選択することができる。例えば、電子デバイス110は、当該セットの候補画像ブロックから対応するテクスチャ複雑度がトップ10にいる候補画像ブロックを選択いし、この10個の候補画像ブロックを処理すべき画像ブロックとして決定することができる。いくつかの実施例において、電子デバイス110は、当該セットの候補画像ブロックの対応するテクスチャ複雑度を閾値と比較し、比較結果に基づいて1セットの候補画像ブロックから処理すべき画像ブロックを選択することができる。閾値は、ユーザによって事前に電子デバイス110に入力されてもよいし、電子デバイス110によって自ら決定されてもよい。電子デバイス110は、テクスチャ複雑度が閾値よりも高い候補画像ブロックを処理すべき画像ブロックとして決定することができる。
【0044】
テクスチャ複雑度が高いほど、人間の目が画像の変化を知覚することが困難になる。これに鑑みて、テクスチャ複雑度が高い画像ブロックを選択してウォーターマークに埋め込むと、人間の目が知覚することが困難である埋め込みウォーターマークを得ることに役立つ。このようにすると、得られる目標画像の視覚的効果の向上に役立つことができる。
【0045】
代替的または追加的に、いくつかの実施例において、テクスチャ複雑度に加えて、画像ブロックの他の属性に基づいて、候補画像ブロックから処理すべき画像ブロックを選択することができる。例示的に、各候補画像ブロックの色複雑度を決定することができ、例えば色が多いほど、複雑度が高くなり、および/または、色分布が乱雑になるほど、複雑度が高くなる。そして、色複雑度が高い所定の数の候補画像ブロックを処理すべき画像ブロックとして選択することができる。テクスチャ複雑度と同様に、色の複雑度が高いほど、人間の目が画像の変化を知覚することが困難になる。当該方法によると、得られる目標画像の視覚的効果の向上に役立つことができる。
【0046】
以上の説明に関わる画像ブロックの具体的な数およびサイズは、例示的なものに過ぎず、本発明の範囲を制限することを意図しないことを理解されたい。画像ブロックの他の適切な数およびサイズも可能である。
【0047】
プロセス200を続ける。ボックス220において、電子デバイス110は、ウォーターマーク情報104および少なくとも1つの処理すべき画像ブロックに基づいて、少なくとも1つの処理すべき画像ブロックにそれぞれ対応する少なくとも1つの目標画像ブロックを生成する。各目標画像ブロックにはウォーターマーク情報104の少なくとも一部が埋め込まれている。例えば、各目標画像ブロックには、完全のウォーターマーク情報104が埋め込まれていてもよい。また例えば、ウォーターマーク情報104は、異なる部分に分割されてもよく、各目標画像ブロックにはこれらの部分のうちの1つまたは複数の部分が埋め込まれていてもよい。本発明の実施例は、この点において限定されない。
【0048】
電子デバイス110は、任意の適切なウォーターマーク埋め込み技術を採用して、ウォーターマーク情報および処理すべき画像ブロックに基づいて対応する目標画像ブロックを生成することができる。ウォーターマーク埋め込み技術例えば、オーバーレイ技術、最小有効ビット技術(LSB)、量子化インデックス変調技術(QIM)、ウェーブレット変換技術などを含んでもよいがこれらに限定されない。
【0049】
いくつかの実施例において、電子デバイス110は、トレーニングされた1つまたは複数の機械学習モデルを利用して、目標画像ブロックを生成することができる。機械学習モデルは、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、フィードフォワードニューラルネットワーク(FNN)、リカレントニューラルネットワーク(RNN)などを含んでもよい。トレーニングされたモデルは、電子デバイス110に配備されてもよいし、電子デバイス110によってアクセス可能な他のデバイスに配備されてもよい。
【0050】
いくつかの実施例において、ウォーターマーク情報と画像ブロックとの十分な融合をさらに確保してウォーターマーク埋め込みのロバスト性を向上させるために、電子デバイス110は、ウォーターマーク情報と画像ブロックとのマルチレベルのスティッチングを通じてウォーターマーク埋め込みを実現してもよい。例えば、ウォーターマーク情報104(例えば、バイナリストリングで表される)をベクトル化またはトークン化(tokenization)することで、ウォーターマーク情報104の特徴を得ることができ、これは、ウォーターマーク情報104のベクトル化表現として見なすことができ、ウォーターマーク特徴と呼ばれてもよい。いくつかの実施例において、バイナリのウォーターマーク情報に対してボース・レイ・チャドフーリー・ホックホルム(BCH)コード使用してエラー訂正ビットを追加することにより、ウォーターマークバイナリストリングを得ることができる。例示的に、限定するものではないが、24ビットのエラー訂正ビットを含み得る、64ビットのウォーターマークバイナリストリングを得ることができる。次いで、エラー訂正ビットが追加されたウォーターマークバイナリストリングの特徴を決定することができる。
【0051】
これに応じて、各処理すべき画像ブロックについて、処理すべき画像ブロックに対して特徴抽出を実行することにより、処理すべき画像ブロックの特徴を得る。任意の適切な特徴抽出アルゴリズムも可能である。さらに、電子デバイス110は、ウォーターマーク情報104の特徴と処理すべき画像ブロックの特徴とに基づいて、ウォーターマーク情報と処理すべき画像ブロックとの融合特徴を生成することができる。ことが理解される、ウォーターマーク情報104の特徴と処理すべき画像ブロックの特徴とを特徴融合する前に、電子デバイス110は、まず、ウォーターマーク特徴と処理すべき画像ブロックの特徴とを同じ次元を有するように調整することができる。
【0052】
電子デバイス110は、さらに、融合特徴、ウォーターマーク特徴、および、処理すべき画像ブロックに基づいて、目標画像ブロックを生成することができる。いくつかの実施例において、電子デバイス110は、融合特徴、ウォーターマーク特徴、および、処理すべき画像ブロックの特徴を複数回融合することにより、目標画像ブロックを得ることができる。いくつかの実施例において、電子デバイス110は、トレーニングされたウォーターマーク埋め込みモデルを利用してウォーターマーク情報の画像ブロックへの埋め込みを実現することができる。以下の
図3を参照してこのような例示的な実施例を説明する。
【0053】
図3は、本発明に係るいくつかの実施例のウォーターマーク埋め込みモデル300の概略的なブロック図を示す。
図3に示されたように、ウォーターマーク埋め込みモデル300は、線形層310、特徴抽出層320-1、特徴抽出層320-2(まとめて特徴抽出層320とも呼ばれる)、および、特徴融合層330-1、330-2、330-3、330-4、330-5(まとめて特徴融合層330とも呼ばれる)を含む。いくつかの実施例において、特徴抽出層320および特徴融合層330は、多層チャネル注目(SeNet)層、畳み込み層(Conv)、アップサンプリング(Upsampling)層、ダウンサンプリング(Downsampling)層、正規化(BN)層、活性化(Relu)層における少なくとも1つまたは複数を含んでもよい。全体として、ウォーターマーク埋め込みモデル300は、ウォーターマーク情報特徴を抽出するための部分(当該例では線形層310および特徴抽出層320-1を含む)、画像ブロックの特徴を抽出するための部分(当該例では特徴抽出層320-2を含む)、ウォーターマーク情報と画像ブロックとをマルチレベルのスティッチングを実行するための部分(当該例では特徴融合層330-1、特徴融合層330-2、および、特徴融合層330-3を含む)を含んでもよい。
【0054】
図3に示されたウォーターマーク情報301は、ウォーターマーク情報104の例として見なすことができ、処理すべき画像ブロック303は、ボックス201で決定された処理すべき画像ブロックの例として見なすことができる。ウォーターマーク情報301および処理すべき画像ブロック303は、ウォーターマーク埋め込みモデル300に入力される。ウォーターマーク埋め込みモデル300は、線形層310および特徴抽出層320-1を通じてウォーターマーク情報301のウォーターマーク特徴302を得る。例示的に、線形層310は、簡単な完全連結ニューラルネットワークであってもよい。ウォーターマーク埋め込みモデル300は、特徴抽出層320-2を通じて処理すべき画像ブロックの特徴304を得る。ウォーターマーク特徴302および処理すべき画像ブロックの特徴304は、融合特徴を得るために、特徴融合層330-1に一緒に提供されてもよい。
【0055】
最終的に得られる目標画像ブロック305におけるウォーターマーク情報301の表現能力を強調するために、いくつかの実施例において、ウォーターマーク埋め込みモデル300は、融合特徴およびウォーターマーク特徴302に基づいて、ウォーターマーク情報301で強調された中間特徴を生成することができる。
図3に示されたように、特徴融合層330-1によって出力された融合特徴とウォーターマーク特徴302は、ウォーターマーク情報301で強調された第1中間特徴を得るために、特徴融合層330-2に一緒に提供されてもよい。特徴融合層330-2によって出力された第1中間特徴とウォーターマーク特徴302は、ウォーターマーク情報301で強調された第2中間特徴を得るために、特徴融合層330-3に一緒に提供されてもよい。
【0056】
さらに、ウォーターマーク情報で強調された中間特徴と処理すべき画像ブロック303とを組み合わせて、目標画像ブロック305を生成することができる。いくつかの実施例において、目標画像ブロック305と処理すべき画像ブロック303との間の類似度がより高いことを確保するために、ウォーターマーク埋め込みモデル300は、さらに、中間特徴と処理すべき画像ブロック303に基づいて目標画像ブロック305を生成することができ、このようにして生成された目標画像ブロック305は処理すべき画像ブロック303で強調されたものである。
図3に示されたように、特徴融合層330-3によって出力された第2中間特徴と処理すべき画像ブロック303は、第1目標特徴を得るために、特徴融合層330-4に一緒に提供されてもよい。特徴融合層330-4によって出力された第1目標特徴と処理すべき画像ブロック303は、目標画像ブロック305を得るために、特徴融合層330-5に一緒に提供されてもよい。
【0057】
当該方法によると、ウォーターマーク情報と処理すべき画像ブロックとが十分に融合され得、ウォーターマーク埋め込みのロバスト性の向上に役立つ。
図3に示されたウォーターマーク埋め込みモデルの層の種類、数、および、接続関係は、例示的なものに過ぎず、本発明の範囲を制限することを意図しないことを理解されたい。任意の適切な構造を採用してウォーターマーク埋め込みモデルを実現することができる。
【0058】
上記では、まずウォーターマーク情報で融合特徴を強調し、次いで処理すべき画像ブロックで強調する例を説明した。いくつかの別の実施例において、他の形態を採用して、融合特徴、ウォーターマーク情報の特徴、および、処理すべき画像ブロックの特徴に基づいて、目標画像ブロックを生成することも可能である。例えば、融合特徴、ウォーターマーク情報の特徴、および、処理すべき画像ブロックの特徴を一緒にスティッチングし、次いでスティッチング後の特徴を利用して目標画像ブロックを生成することができる。
【0059】
図2の参照に戻る。ボックス210で決定された少なくとも1つの処理すべき画像ブロックにおける各処理すべき画像ブロックについて、電子デバイス110は、いずれも上述したのウォーターマーク埋め込みモデル300を利用して対応する目標画像ブロックを生成し、さらに少なくとも1つの目標画像ブロックを得ることができる。
【0060】
ボックス230において、電子デバイス110は、処理すべき画像102内で少なくとも1つの処理すべき画像ブロックをそれぞれ少なくとも1つの目標画像ブロックに置き換え、処理すべき画像102に対する目標画像112を生成する。各処理すべき画像ブロックについて、電子デバイス110は、当該処理すべき画像ブロックを生成された対応する目標画像ブロックに置き換えることにより、目標画像112を得ることができる。目標画像ブロックにウォーターマーク情報が埋め込まれているため、置き換えた後の、目標画像ブロックを含む目標画像112は、ウォーターマーク情報が埋め込まれている画像である。
【0061】
上記では、本発明のウォーターマーク埋め込みのいくつかの例示的な実施例を説明した。全体として、画像内のキーポイントを利用してウォーターマークの埋め込みのための画像ブロックを決定することができる。当該方法によると、ロバスト性が高く、適用範囲が広いウォーターマーク埋め込みを実現することができる。なお、ウォーターマークを画像全体に埋め込む場合と比較すると、本解決策は、ウォーターマークを人間の目には知覚できない一部の領域に埋め込むため、視覚的効果だけでなく、画像データ量の増大に対しても明らかな改善効果がある。以下では、引き続き図面と併せて本発明のウォーターマーク抽出のいくつかの例示的な実施例を説明する。
【0062】
図4は、本発明に係るいくつかの実施例のウォーターマーク抽出のプロセス400のフローチャートを示す。プロセス400は、電子デバイス120において実現されてもよい。議論を容易にするために、
図1Bの環境100Bを参照してプロセス200を説明する。
【0063】
ボックス410において、電子デバイス120は、抽出すべき画像106内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、抽出すべき画像106内の少なくとも1つの目標画像ブロックを決定する。処理すべき画像102内のキーポイントの認識と同様に、電子デバイス120は、任意の適切なキーポイント検出アルゴリズムまたはトレーニングされたキーポイント検出モデルを利用して、抽出すべき画像106内の1セットのキーポイントを決定することができる。ここでは、これ以上抽出すべき画像106内のキーポイントの認識に対して説明しない。
【0064】
様々な適切な形態でキーポイントに基づいて目標画像ブロックを決定することができる。いくつかの実施例において、電子デバイス120は、直接抽出すべき画像106における当該セットのキーポイントの対応する位置に基づいて、抽出すべき画像106内の少なくとも1つの目標画像ブロックを決定することができる。例示的に、電子デバイス120は、抽出すべき画像106内の各キーポイントをそれぞれ中心とする1セットの画像ブロックを1セットの目標画像ブロックとして決定することができる。
【0065】
いくつかの実施例において、目標画像ブロックを決定するために、キーポイントの特徴値が考慮されてもよい。特徴値を利用して認識されたキーポイントを選別し、次いで、選別後のキーポイントに基づいて目標画像ブロックを決定することができる。電子デバイス120は、さらに、1セットのキーポイントを決定する同時に、各キーポイントの特徴値を決定することができる。特徴値は、対応するキーポイントのロバスト性を表すことができ、すなわち画像が変化される際に当該点がキーポイントとして検出される確率を表す。例示的に、電子デバイス120は、ORBキーポイント検出アルゴリズムを利用して抽出すべき画像106内の1セットのキーポイントおよび各キーポイントの対応する特徴値を決定することができる。
【0066】
電子デバイス120は、認識された当該セットのキーポイントの対応する特徴値と抽出すべき画像106における対応する位置に基づいて、抽出すべき画像106内の1セットの候補画像ブロックを決定することができる。例えば、当該セットのキーポイントの対応する特徴値に基づいて当該セットのキーポイントをソートすることができる。選別して得られるキーポイントのロバスト性を確保するために、電子デバイス120は、当該セットのキーポイントの対応する特徴値の高低に基づいてこの1セットのキーポイントを降順にソートすることができる。すなわち、上位のキーポイントの対応する特徴値はより高く、下位のキーポイントの対応する特徴値はより低い。各キーポイントについて、電子デバイス120は、抽出すべき画像106内で当該キーポイントを含む第1サイズ(例えば、64*64)の画像ブロックを決定することができる。例えば、電子デバイス120は、抽出すべき画像106内の当該セットのキーポイントのうちの各キーポイントをそれぞれ中心とする1セットの画像ブロックを決定することができる。電子デバイス120は、さらに、キーポイントのソート結果に基づいて、キーポイントに対応する特徴値がより高い画像ブロックから順番に当該セットの画像ブロックを選別することができる。これに応じて、特徴値がより高いキーポイントに対応する画像ブロックは、候補画像ブロックとして決定されてもよい。
【0067】
上述した形態で決定された候補画像ブロックは、複数のキーポイントを含む場合があり、また、異なる候補画像ブロックは、重畳される場合がある。いくつかの実施例において、キーポイントの特徴値に基づいて選別する際に、画像ブロック間の重畳性を考慮することで、異なる候補画像ブロックが互いに重畳されない1セットの候補画像ブロックを得ることができる。例示的に、電子デバイス110は、IOUアルゴリズムを利用して画像ブロックが重畳するか否かを判断することができる。
【0068】
さらに、電子デバイス120は、当該セットの候補画像ブロックから少なくとも1つの目標画像ブロックを決定することができる。いくつかの実施例において、これらの候補画像ブロックを直接処理すべき画像ブロックとして決定することができる。いくつかの実施例において、キーポイントに対応する特徴値のソート結果に基づいて、当該セットの候補画像ブロックから目標画像ブロックを決定することができ、例えば、所定の数の候補画像ブロックを目標画像ブロックとして選択することができる。ウォーターマーク埋め込みプロセスにおいて選択する処理すべき画像ブロックの数と比較すると、ウォーターマーク抽出プロセスにおいて選択する目標画像ブロックの数がより大きいことに留意されたい。当該方法によると、埋め込む際に使用されるキーポイントにヒットする確率を向上させることができる。例示的に、電子デバイス120は、1セットの候補画像ブロック内でキーポイントに対応する特徴値をトップ50をソートして50個の候補画像ブロックを目標画像ブロックとして決定することができる。
【0069】
いくつかの実施例において、目標画像ブロックのサイズは、候補画像ブロックのサイズよりも大きくてもよい。候補画像ブロックが第1サイズを有し、目標画像ブロックが第2サイズを有すると、第2サイズは第1サイズよりも大きい。このような実施例において、各候補画像ブロックについて、電子デバイス120は、抽出すべき画像106における当該候補画像ブロックの位置に基づいて、抽出すべき画像106内で、当該候補画像ブロック内のキーポイントを含むとともに、第2サイズを有する画像ブロックを目標画像ブロックとして決定することができる。例えば、当該キーポイントを中心とするともに第2サイズを有する画像ブロックを目標画像ブロックとして決定することができる。例示的に、候補画像ブロックが64*64の第1サイズを有すると、目標画像ブロックは128*128の第2サイズを有してもよい。在このような例において、各キーポイントを中心とするともにサイズが128*128である画像領域を目標画像ブロックとして決定することができる。このような実施例において、候補画像ブロックと対応する目標画像ブロックは、同じ中心を有することができ、例えば、中心は対応するキーポイントであってもよい。なお、異なる候補画像ブロックは互いに重畳されないが、異なる目標画像ブロックは重畳されてもよい。
【0070】
プロセス400を続ける。ボックス420において、電子デバイス120は、それぞれ少なくとも1つの目標画像ブロックに基づいて、抽出すべき画像106に埋め込まれたウォーターマーク情報122を決定する。すなわち、これらの目標画像ブロックからそれぞれウォーターマーク情報を抽出することができる。例えば、複数の目標画像ブロックが存在すると、複数のバイナリウォーターマーク列を得ることができる。その後、訂正アルゴリズム(例えば、BCH訂正アルゴリズム)を利用して検証し、検証に成功したウォーターマーク列を正しいウォーターマーク列とすることができる。
【0071】
ボックス420において、電子デバイス120は、任意の適切なウォーターマーク抽出技術を採用して、目標画像ブロックからウォーターマーク情報を抽出することができる。ウォーターマーク抽出技術は、例えば、最小有効ビット技術(LSB)、離散コサイン変換(DCT)などを含んでもよいがこれらに限定されない。
【0072】
いくつかの実施例において、電子デバイス120は、トレーニングされた1つまたは複数の機械学習モデルを利用して、ウォーターマーク情報122を抽出することができる。ニューラルネットワークは、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、フィードフォワードニューラルネットワーク(FNN)、リカレントニューラルネットワーク(RNN)などを含んでもよい。これらのトレーニングされたモデルは、電子デバイス120に配備されてもよいし、電子デバイス120によってアクセス可能な他のデバイスに配備されてもよい。特に、いくつかの実施例において、ウォーターマークの抽出のための機械学習モデルは、ウォーターマークの埋め込みのための機械学習モデルと一緒にトレーニングされてもよい。
【0073】
上記では、本発明のウォーターマーク抽出のいくつかの例示的な実施例を説明した。全体として、画像内のキーポイントを利用してウォーターマークの抽出のための画像ブロックを決定することができる。当該方法によると、ウォーターマーク抽出を便利かつ迅速に実現できる同時に、ウォーターマーク抽出の精度を確保することができる。
【0074】
上述したように、いくつかの実施例において、電子デバイス110は、トレーニングされたウォーターマーク埋め込みモデルを利用してウォーターマークを処理すべき画像ブロックに埋め込むことができ、また、電子デバイス120は、トレーニングされたウォーターマーク抽出モデルを利用して目標画像ブロックからウォーターマークを抽出することができる。いくつかの実施例において、ウォーターマーク埋め込みモデルとウォーターマーク抽出モデルは、一緒にトレーニングされてもよい。
【0075】
図5は、本発明に係るいくつかの実施例のモデルトレーニングのアーキテクチャ500の概略図を示す。
図5に示されたように、アーキテクチャ500は、ウォーターマーク埋め込みモデル510(例えば、ウォーターマーク埋め込みモデル300)と、変換モジュール520と、ウォーターマーク抽出モデル530と、を備える。
【0076】
参照ウォーターマーク情報502および第1画像504は、ウォーターマーク埋め込みモデル510に入力される。ウォーターマーク埋め込みモデル510は、参照ウォーターマーク情報を502第1画像504に埋め込んで、第2画像514を得る。
【0077】
変換モジュール520は、第2画像514に対して複数の変換操作を実行して第3画像524を生成することができる。すなわち、変換モジュール520を利用して第2画像514を第3画像524に変化する。実行する複数の変換操作は、候補変換操作のうちの2つまたは複数の任意の組み合わせであってもよい。候補変換操作の例は、圧縮、ノイズ付加(例えば、高斯ノイズ付加)、トリミング、色変換、回転、スケーリングなどを含んでもよいがこれらに限定されない。1回の順伝播で複数の変換操作のランダムな組み合わせを採用することができる。当該方法によると、モデルに画像変化に抵抗する能力を持たせることができ、モデルのロバスト性を効果的に向上させた。
【0078】
いくつかの実施例において、複数の変換操作における各変換操作による第2画像514の変化程度は、一定のままであってもよい。いくつかの別の実施例において、複数の変換操作のうちの少なくとも1つの変換操作による第2画像514の変化程度は、トレーニングラウンド数の増加するにつれて増加する。例えば、変化程度は、線形成長モードであってもよい。変換操作による第2画像514の変化程度は、変換操作の強度係数に関連付けられる。変化程度がトレーニングラウンド数の増加するにつれて増加することは、変換操作の強度がトレーニングラウンド数が増加するにつれて線形成長する可能性があることを意味する。例えば、変換操作がトリミングであると、トリミングの割合は、トレーニングラウンド数の増加するにつれて増加されてもよい。また例えば、変換操作がノイズ付加であると、追加される噪声の量または強度はトレーニングラウンド数の増加するにつれて増加されてもよい。1例として、各ラウンドのトレーニングにおいて複数の変換操作から1つまたは複数の変換操作を選択して、その変化程度を増加することができる。別の1例として、各ラウンドのトレーニングにおいていずれも各変換操作の変化程度が増加されてもよい。
【0079】
その結果、モデルトレーニングの初期段階では、より弱い変換操作を使用してトレーニングし、トレーニングラウンド数が増加するにつれて、変換操作の強度を増加させることにより、モデルを収束しやすくし、モデルのトレーニング効果を向上させることができる。これは漸進的なデータ強調ポリシーとして見なすことができ、異なる程度の画像変化に対するモデルのロバスト性を効果的に向上させることができる。
【0080】
アーキテクチャ500を続ける。第3画像524は、ウォーターマーク抽出モデル530に提供される。ウォーターマーク抽出モデル530は、第3画像524からウォーターマーク情報532を抽出することができる。
【0081】
いくつかの実施例において、ウォーターマーク埋め込みモデル510およびウォーターマーク抽出モデル530は、ウォーターマーク情報532と参照ウォーターマーク情報502との間の差分に関連する目標関数に基づいてトレーニングされてもよい。当該目標関数は、抽出されたウォーターマーク情報と実際のウォーターマーク情報とできるだけ一致することを決定するものである。ここでの目標関数は、損失関数であってもよい。ウォーターマーク情報の差分に使用する損失関数は、例えば、平均二乗誤差(MSE)損失関数を含んでもよいが、L1損失関数、L2損失関数の他の損失関数も可能である。
図5の例において、参照ウォーターマーク情報502と抽出されたウォーターマーク情報532との間の差分に基づいて抽出損失508を決定することができる。抽出損失508の逆伝播は、ウォーターマーク埋め込みモデル510およびウォーターマーク抽出モデル530をトレーニングすることができる。
【0082】
抽出損失508に加えて、ウォーターマーク埋め込みモデル510および/またはウォーターマーク抽出モデル530のトレーニングは、他の目標関数または損失関数を使用してもよい。
図5に示されたように、第1画像504と第2画像514との差分に基づいて、埋め込み損失541を決定することができる。埋め込み損失541は、ウォーターマークが埋め込まれた画像と元の画像とができるだけ類似していることを確保するためのものである。例示的に、埋め込み損失541は、MSE損失関数を採用することができる。いくつかの実施例において、マルチスケール構造類似度(MS-SSIM)損失関数を追加的に採用することにより、ウォーターマーク画像の視覚的効果をさらに向上させることができる。
【0083】
平均二乗誤差(MSE)損失関数、構造類似度(SSIM)損失関数、バイナリクロスエントロピー(BCE)損失関数などのうちの少なくとも1つ。具体的には、ウォーターマーク埋め込みモデル510は、第1画像504と第2画像514との間の埋め込み損失541に基づいてトレーニングされてもよく、ウォーターマーク抽出モデル530は、参照ウォーターマーク情報502とウォーターマーク情報532との間の抽出損失508に基づいてトレーニングされてもよい。ウォーターマーク埋め込みモデル510のトレーニング目標は、少なくとも埋め込み損失541を第1閾値よりも小さくすることを含み、ウォーターマーク抽出モデル530のトレーニング目標は、少なくとも抽出損失508を第2閾値よりも小さくすることを含む。
【0084】
いくつかの実施例において、敵対的な方法でウォーターマーク埋め込みモデル510をトレーニングすることができる。このような実施例において、アーキテクチャ500は、識別器540をさらに含んでもよい。識別器540のトレーニングは、2つの目標を含んでもよい。1つの目標は、識別器540に、第1画像504(すなわち、元の画像)を真と判断させ、第2画像514(すなわち、ウォーターマークが埋め込まれている画像)を偽と判断させることである。この目標は、敵対的損失542によって表される。もう1つの目標は、識別器540に、第2画像514を真と判断させることである。当該別の目標は、埋め込み損失543によって表される。例示的に、識別器540には、バイナリクロスエントロピー(BCE)損失関数を使用することができる。
【0085】
モデルのトレーニングには、任意の適切なトレーニングセットと検証セットを採用することができる。トレーニングセットおよび検証セットにおける画像は、所定の画像ブロックサイズ(例えば、128*128)にスケーリングされ、ウォーターマーク情報も同じ長さ(例えば、64ビット)を有する。その後、上述した様々な損失関数に合理的な重みを割り当てることができる。任意の適切な最適化器(例えば、Adam最適化器)和学習率減衰ポリシー(例えば、指数減衰ポリシー)を採用することができる。
【0086】
上記では、
図2~
図5を参照してウォーターマークの埋め込みおよびウォーターマークの抽出のいくつかの例示的な実施例をそれぞれ説明した。以下では、
図6および
図7と併せてウォーターマークの埋め込みおよびウォーターマークの抽出の例示的なプロセスをそれぞれ説明する。
【0087】
図6は、本発明に係るいくつかの実施例のウォーターマーク埋め込みのプロセス600の概略図を示す。プロセス600は、電子デバイス110において実現されえる。議論を容易にするために、
図1Aの環境100Aを参照してプロセス600を説明する。
【0088】
ボックス610において、電子デバイス110は、処理すべき画像102およびウォーターマーク情報104を取得する。処理すべき画像102は、任意の解像度の画像であってもよい。
【0089】
ボックス620において、電子デバイス110は、処理すべき画像102内のキーポイントを決定し、キーポイントの対応する特徴値の高低に基づいてキーポイントを降順にソートする。例えば、ORBキーポイントアルゴリズムを採用してキーポイントを認識し、各キーポイントの特徴値を決定することができる。さらに、特徴値に基づいて高いものから低いものへソートすることができる。
【0090】
ボックス630において、電子デバイス110は、高い特徴値に対応するキーポイントから選別を開始することにより、各キーポイントを中心とする大きさがa*aである候補画像ブロックが互いに重畳されないように確保する。a*aは、例えば、128*128であってもよい。IOUアルゴリズムを採用して画像ブロックが重畳されるか否かを判断することができる。
【0091】
ボックス640において、電子デバイス110は、大きさがa*aである各候補画像ブロックの対応するテクスチャ複雑度を決定し、複雑度の高低に基づいて降順にソートすることにより、その中から複雑度がもっと高いN個の候補画像ブロックを処理すべき画像ブロックとして選択する。Nは、例えば、10であってもよい。例示的に、JNDアルゴリズムを使用してテクスチャ複雑度を計算することができる。
【0092】
ボックス650において、電子デバイス110は、処理すべき画像ブロックをトレーニングされたウォーターマーク埋め込みモデルに入力して、ウォーターマーク画像ブロックとも呼ばれる、ウォーターマーク情報が埋め込まれている目標画像ブロックを得る。例えば、バイナリのウォーターマーク情報に対してBCHアルゴリズムを使用してエラー訂正ビットを追加し、得られた64ビットのウォーターマークバイナリストリングは、24ビットのエラー訂正ビットを含み得る。選択した画像ブロックに対して、まず、前処理を行い、次いで、ウォーターマーク情報と一緒にトレーニング好のウォーターマーク埋め込みモデルに入力する。
【0093】
ボックス660において、電子デバイス110は、対応する処理すべき画像ブロックを生成された目標画像ブロックに置き換えることにより、ウォーターマーク画像を生成する。すなわち、元の画像ブロックをウォーターマーク画像ブロックに置き換えて、ウォーターマーク画像を得る。
【0094】
図7は、本発明に係るいくつかの実施例のウォーターマーク抽出の例示的なプロセス700の概略図を示す。プロセス700は、電子デバイス120において実現され得る。議論を容易にするために、
図1Bの環境100Bを参照してプロセス700を説明する。
【0095】
ボックス710において、電子デバイス120は、抽出すべき画像106を取得する。抽出すべき画像106は、ウォーターマークが含まれている可能性のある画像である。
【0096】
ボックス720において、電子デバイス120は、抽出すべき画像106内のキーポイントを決定し、キーポイントの対応する特徴値の高低に基づいてキーポイントを降順にソートする。
【0097】
ボックス730において、電子デバイス120は、高い特徴値に対応するキーポイントから選別を開始することにより、各キーポイントを中心とするとする大きさがb*bである候補画像ブロックが互いに重畳されないように確保する。b*bは、例えば、64*64であってもよい。IOUアルゴリズムを採用して画像ブロックが重畳されるか否かを判断することができる。
【0098】
ボックス740において、電子デバイス120は、対応する候補画像ブロックが互いに重畳されない上位のM個のキーポイントを決定し、これらM個のキーポイントをそれぞれ中心とする大きさがc*cである目標画像ブロックを決定する。Mは、例えば、50であり、c*cは、例えば、128*128である。
【0099】
ボックス750において、電子デバイス120は、目標画像ブロックをトレーニングされたウォーターマーク抽出モデルに入力して、ウォーターマーク情報を得る。例えば、選択された画像ブロックに対して、前処理を行った後にトレーニングされたウォーターマーク抽出モデルに入力して、ウォーターマークの長さが同じである確率向量を得る。適切な閾値を設定することにより、複数のバイナリウォーターマーク列を得ることができる。その後、BCH訂正アルゴリズムを利用して検証し、検証に成功したウォーターマーク列を正しいウォーターマーク列とすることができる。
【0100】
図8は、本発明に係る特定の実施例のウォーターマークの埋め込みのための装置800の概略的な構造のブロック図を示す。装置800は、電子デバイス110として実現されるか、端末デバイス110に含まれることができる。装置800中の各モジュール/コンポーネントは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、それらの任意の組み合わせによって実現され得る。
【0101】
図面に示されたように、装置800は、処理すべき画像内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、処理すべき画像内の少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定するための画像ブロック決定モジュール810を備える。装置800は、ウォーターマーク情報および少なくとも1つの処理すべき画像ブロックに基づいて、少なくとも1つの処理すべき画像ブロックにそれぞれ対応する少なくとも1つの目標画像ブロックを生成するための画像ブロック生成モジュール820をさらに備え、ここで、各目標画像ブロックには、ウォーターマーク情報の少なくとも一部が埋め込まれている。装置800は、処理すべき画像内で少なくとも1つの処理すべき画像ブロックをそれぞれ少なくとも1つの目標画像ブロックに置き換えることにより、処理すべき画像に対する目標画像を生成するための画像ブロック置換モジュール830をさらに備える。
【0102】
いくつかの実施例において、画像ブロック決定モジュール810は、1セットのキーポイントの対応する特徴値および処理すべき画像内における当該1セットのキーポイントの対応する位置に基づいて、処理すべき画像内の1セットの候補画像ブロックを決定するための候補画像ブロック決定モジュールであって、各候補画像ブロックは、1セットのキーポイントのうちの少なくとも1つのキーポイントを含む候補画像ブロック決定モジュールと、1セットの候補画像ブロックから少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定するための処理すべき画像ブロック決定モジュールと、を備える。
【0103】
いくつかの実施例において、1セットの候補画像ブロックのうちの異なる候補画像ブロックは、互いに重畳されない。
【0104】
いくつかの実施例において、処理すべき画像ブロック決定モジュールは、1セットの候補画像ブロックの対応するテクスチャ複雑度を決定するためのテクスチャ複雑度決定モジュールと、対応するテクスチャ複雑度に基づいて、1セットの候補画像ブロックから少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを選択するための画像ブロック選択モジュールと、を備える。
【0105】
いくつかの実施例において、画像ブロック生成モジュール820は、さらに、少なくとも1つの処理すべき画像ブロックのうちの処理すべき画像ブロックに対して、ウォーターマーク情報の特徴と処理すべき画像ブロックの特徴とに基づいて、ウォーターマーク情報と処理すべき画像ブロックとの融合特徴を生成することと、融合特徴、ウォーターマーク情報の特徴、および、処理すべき画像ブロックに基づいて、目標画像ブロックを生成することと、によって、処理すべき画像ブロックに対応する目標画像ブロックを取得する。
【0106】
いくつかの実施例において、画像ブロック生成モジュール820は、融合特徴およびウォーターマーク情報の特徴に基づいて、ウォーターマーク情報で強調された中間特徴を生成するための中間特徴生成モジュールと、中間特徴および処理すべき画像ブロックに基づいて、目標画像ブロックを生成するための目標画像ブロック生成モジュールと、を備える。
【0107】
いくつかの実施例において、処理すべき画像ブロックに対応する目標画像ブロックは、ウォーターマーク埋め込みモデルを利用して取得され、ウォーターマーク埋め込みモデルのトレーニングは、ウォーターマーク埋め込みモデルを利用して参照ウォーターマーク情報を第1画像に埋め込んで、第2画像を取得することと、第2画像に対して複数の変換操作を実行することにより、第3画像を生成することと、第3画像から抽出されたウォーターマーク情報と参照ウォーターマーク情報との間の差分を決定することと、差分に関連する目標関数に基づいて、ウォーターマーク埋め込みモデルをトレーニングすることと、によって行われる。
【0108】
いくつかの実施例において、複数の変換操作のうちの少なくとも1つの変換操作による第2画像の変化程度は、トレーニングラウンド数の増加するにつれて増加する。
【0109】
図9は、本発明に係る特定の実施例のウォーターマークの抽出のための装置900の概略的な構造のブロック図を示す。装置900は、端末デバイス120として実現されるか、端末デバイス120に含まれることができる。装置900中の各モジュール/コンポーネントは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、それらの任意の組み合わせによって実現され得る。
【0110】
図面に示されたように、装置900は、抽出すべき画像内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、抽出すべき画像内の少なくとも1つの目標画像ブロックを決定するための目標画像ブロック決定モジュール910を備える。装置900は、少なくとも1つの目標画像ブロックにそれぞれ基づいて、抽出すべき画像内に埋め込まれたウォーターマーク情報を決定するウォーターマーク情報抽出モジュール920をさらに備える。
【0111】
いくつかの実施例において、目標画像ブロック決定モジュール910は、1セットのキーポイントの対応する特徴値および抽出すべき画像における当該1セットのキーポイントの対応する位置に基づいて、抽出すべき画像内の1セットの候補画像ブロックを決定するための候補画像ブロック決定モジュールであって、各候補画像ブロックは1セットのキーポイントのうちの少なくとも1つのキーポイントを含む候補画像ブロック決定モジュールと、1セットの候補画像ブロックに基づいて少なくとも1つの目標画像ブロックを決定するための画像ブロック選択モジュールと、を備える。
【0112】
いくつかの実施例において、1セットの候補画像ブロックのうちの異なる候補画像ブロックは、互いに重畳されない。
【0113】
いくつかの実施例において、1セットの候補画像ブロックは、それぞれ第1サイズを有し、画像ブロック選択モジュールは、さらに、1セットの候補画像ブロックのうちの候補画像ブロックに対して、抽出すべき画像内の候補画像ブロックに含まれたキーポイントの位置に基づいて、キーポイントを含むとともに第2サイズを有する画像ブロックを少なくとも1つの目標画像ブロックの1つとして決定し、ここで、第2サイズは第1サイズよりも大きい。
【0114】
いくつかの実施例において、ウォーターマーク情報は、ウォーターマーク抽出モデルを利用して決定され、ウォーターマーク抽出モデルのトレーニングは、参照ウォーターマーク情報を第1画像に埋め込むことにより、第2画像を取得することと、第2画像に対して複数の変換操作を実行することにより、第3画像を生成することと、ウォーターマーク抽出モデルを利用して第3画像から抽出されたウォーターマーク情報と参照ウォーターマーク情報との間の差分を決定することと、差分に関連する目標関数に基づいてウォーターマーク抽出モデルをトレーニングすることと、によって行われる。
【0115】
いくつかの実施例において、複数の変換操作のうちの少なくとも1つの変換操作による第2画像の変化程度は、トレーニングラウンド数の増加するにつれて増加する。
【0116】
図10は、本発明の1つまたは複数の実施例を実施できる電子デバイス1000のブロック図を示す。
図10に示された電子デバイス1000は、例示的なものに過ぎず、本明細書に説明される実施例の機能および範囲を制限するものであってはならないことを理解されたい。
図10に示された電子デバイス1000は、
図1の電子デバイス110および/または電子デバイス120を実現するために使用されてもよい。
【0117】
図10に示されたように、電子デバイス1000は、汎用電子デバイスの形態である。電子デバイス1000のコンポーネントは、1つまたは複数のプロセッサまたは処理ユニット1010、メモリ1020、記憶デバイス1030、1つまたは複数の通信ユニット1040、1つまたは複数の入力デバイス1050、および、1つまたは複数の出力デバイス1060を備えてもよいがこれらに限定されない。処理ユニット1010は、実際または仮想プロセッサであってもよく、メモリ1020に記憶されたプログラムに基づいて様々な処理を実行することができる。マルチプロセッサシステムにおいて、複数の処理ユニットがコンピュータ実行可能命令を並行して実行することにより、電子デバイス1000の並行処理能力を向上させる。
【0118】
電子デバイス1000は、通常、複数のコンピュータ記憶媒体を含む。このような媒体は、揮発性媒体および不揮発性媒体、取外し可能媒体および取外し不可能媒体を含むがこれらに限定されない、電子デバイス1000によりアクセスな能なの任意の取得可能な媒体であってもよい。メモリ1020は、揮発性メモリ(例えば、レジスタ、高速キャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性メモリ(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ)、または、それらの特定の組み合わせであってもよい。記憶デバイス1030は、取り外し可能または不取り外し不可能媒体であってもよく、フラッシュメモリドライブ、磁気ディスク、または、任意の他のメディアなどの、機械可読媒体を含んでもよく、情報および/またはデータ(例えば、トレーニングのためのトレーニングデータ)を記憶するために使用され得、電子デバイス1000内でアクセス可能であり得る。
【0119】
電子デバイス1000は、別の取り外し可能/取り外し不可能、揮発性/不揮発性記憶媒体をさらに含むことができる。
図10には示されていないが、取り外し可能な、不揮発性磁気ディスク(例えば、「フロッピーディスク」)から読取りまたは書込むための磁気ディスクドライブ、および、取り外し可能な、不揮発性光ディスクから読取りまたは書込むための光ディスクドライブを提供することができる。これらの場合には、各ドライブは、1つまたは複数のデータ媒体インターフェースによってパス(図示せず)に接続されてもよい。メモリ1020は、1つまたは複数のプログラムモジュールを有するコンピュータプログラム製品1025を含んでもよく、これらのプログラムモジュールは本発明の様々な実施例の様々な方法または動作を実行するように構成される。
【0120】
通信ユニット1040は、通信媒体を介した他のコンピューティングデバイスと通信を実現する。追加的に、電子デバイス1000のコンポーネントの機能は、単一のコンピューティングクラスタまたは複数のコンピューティングマシンとして実現されてもよく、これらのコンピューティングマシンは通信接続を介して通信可能である。したがって、電子デバイス1000は、1つまたは複数の他のサーバ、ネットワークパーソナルコンピュータ(PC)、または、別のネットワークノードの論理接続を使用して、ネットワーク化された環境で動作することができる。
【0121】
入力デバイス1050は、マウス、キーボード、トラックボールなどの1つまたは複数の入力デバイスであってもよい。出力デバイス1060は、ディスプレイ、スピーカー、プリンターなどの1つまたは複数の出力デバイスであってもよい。電子デバイス1000は、さらに、必要に応じて、通信ユニット1040を介して記憶デバイス、表示デバイスなどの1つまたは複数の外部デバイス(図示せず)と通信することができ、ユーザが電子デバイス1000と対話することを可能にする1つまたは複数のデバイスと通信することができ、または、電子デバイス1000が1つまたは複数の他のコンピューティングデバイスと通信することを可能にする任意のデバイス(例えば、ネットブックカード、モデムなど)と通信することができる。このような通信は、入力/出力(I/O)インターフェース(図示せず)を介して実行することができる。
【0122】
本発明に係る例示的な実現形態は、コンピュータ実行可能命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体を提供し、コンピュータ実行可能命令は、プロセッサに実行されて上記の方法を実現する。本発明に係る例示的な実現形態は、コンピュータプログラム製品をさらに提供し、コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品は、非一時的なコンピュータ可読媒体に有形に記憶され、コンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行されて上記の方法を実現する。
【0123】
ここでは、本発明によって実現される方法、装置、デバイス和コンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照して、本発明の各態様を説明した。フローチャートおよび/またはブロック図の各ボックスおよびフローチャートおよび/またはブロック図における各ボックスの組み合わせは、いずれも、コンピュータ可読プログラム命令によって実現されてもよいことを理解されたい。
【0124】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、または、他のプログラム可能なデータ処理装置の処理ユニットに提供されて、機械を生成することにより、これらの命令がコンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置の処理ユニットによって実行される際に、フローチャートおよび/またはブロック図における1つまたは複数のボックスで指定された機能/動作を実現するための装置を生成するようにすることができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、これらの命令がコンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置および/または他のデバイスを特定の形態で動作させることによって、命令が記憶されているコンピュータ可読媒体が、フローチャートおよび/またはブロック図における1つまたは複数のボックスで指定された機能/動作の各態様を実現する命令を含む製造品を構成するようにする。
【0125】
コンピュータ可読プログラム命令をコンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または、他のデバイスにロードすることによって、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または、他のデバイス上で一連の操作ステップを実行させて、コンピュータによって実現されるプロセスを生成し、これにより、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または、他のデバイス上で実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図における1つまたは複数のボックスで指定された機能/動作を実現するようにする。
【0126】
図面の中のフローチャートおよびブロック図は、本発明に係る複数の実現のシステム、方法、および、コンピュータプログラム製品の実現可能なアーキテクチャ、機能、および、操作を示す。これに関して、フローチャートまたはブロック図における各ボックスは、1つのモジュール、プログラムセグメント、または、命令の一部を表すことができ、モジュール、プログラムセグメント、または、命令の一部は、指定された論理機能を実現するための1つまたは複数の実行可能命令を含む。置き換えとしてのいくつかの実現において、ボックスに表記された機能は、図面に表記されたものとは異なる順序で発生することもある。例えば、2つの連続するボックスは、実際には実質的に並行して実行されることがあり、関わる機能によっては逆の順序で実行されることもある。ブロック図および/またはフローチャートにおける各ボックス、および、ブロック図および/またはフローチャートにおけるボックスの組み合わせは、指定された機能または動作を実行する特殊用途のハードウェア基盤システムによって実現されてもよくし、特殊用途のハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実現されてもよいことにも留意されたい。
【0127】
以上、本発明の各実現について説明したが、上述した説明は例示的なものであり、網羅的なものではなく、開示された各実現に限定されるものではない。説明される各実現の範囲および精神から逸脱することなく、多くの修正および変更は当業者には明らかである。本明細書で使用される用語の選択は、各実現の原理、実際の適用、または、市場における技術に対する改良を最もよく解釈することを意図し、または、当業者が本明細書で開示される各実現形態を理解できるようにすることを意図している。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理すべき画像内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、前記処理すべき画像内の少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定することと、
ウォーターマーク情報および前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックに基づいて、前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックにそれぞれ対応する少なくとも1つの目標画像ブロックを生成することであって、各目標画像ブロックには前記ウォーターマーク情報の少なくとも一部が埋め込まれている、ことと、
前記処理すべき画像内で前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックをそれぞれ前記少なくとも1つの目標画像ブロックに置き換えることにより、前記処理すべき画像に対する目標画像を生成することと、を含む、
ウォーターマーク埋め込み方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定することは、
前記1セットのキーポイントの対応する特徴値および前記処理すべき画像内での対応する位置に基づいて、前記処理すべき画像内の1セットの候補画像ブロックを決定することであって、各候補画像ブロックは前記1セットのキーポイントのうちの少なくとも1つのキーポイントを含む、ことと、
前記1セットの候補画像ブロックのうちから前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定することと、を含む、
請求項1に記載のウォーターマーク埋め込み方法。
【請求項3】
前記1セットの候補画像ブロックのうちの異なる候補画像ブロックは、互いに重畳されない、
請求項2に記載のウォーターマーク埋め込み方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定することは、
前記1セットの候補画像ブロックの対応するテクスチャ複雑度を決定することと、
前記対応するテクスチャ複雑度に基づいて、前記1セットの候補画像ブロックのうちから前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを選択することと、を含む、
請求項2に記載のウォーターマーク埋め込み方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの目標画像ブロックを生成することは、
前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックのうちの処理すべき画像ブロックに対して、
前記ウォーターマーク情報の特徴と前記処理すべき画像ブロックの特徴とに基づいて、前記ウォーターマーク情報と前記処理すべき画像ブロックとの融合特徴を生成することと、
前記融合特徴、前記ウォーターマーク情報の特徴、および、前記処理すべき画像ブロックに基づいて、前記目標画像ブロックを生成することと、によって前記処理すべき画像ブロックに対応する目標画像ブロックを取得することを含む、
請求項1に記載のウォーターマーク埋め込み方法。
【請求項6】
前記目標画像ブロックを生成することは、
前記融合特徴および前記ウォーターマーク情報の特徴に基づいて、前記ウォーターマーク情報で強調された中間特徴を生成することと、
前記中間特徴および前記処理すべき画像ブロックに基づいて、前記目標画像ブロックを生成することと、を含む、
請求項5に記載のウォーターマーク埋め込み方法。
【請求項7】
前記処理すべき画像ブロックに対応する目標画像ブロックは、ウォーターマーク埋め込みモデルを利用して取得され、
前記ウォーターマーク埋め込みモデルのトレーニングは、
前記ウォーターマーク埋め込みモデルを利用して、参照ウォーターマーク情報を第1画像に埋め込んで、第2画像を取得することと、
前記第2画像に対して複数の変換操作を実行することにより、第3画像を生成することと、
前記第3画像から抽出されたウォーターマーク情報と前記参照ウォーターマーク情報との間の差分を決定することと、
前記差分に関連する目標関数に基づいて、前記ウォーターマーク埋め込みモデルをトレーニングすることと、によって行われる、
請求項1に記載のウォーターマーク埋め込み方法。
【請求項8】
前記複数の変換操作のうちの少なくとも1つの変換操作による前記第2画像の変化程度は、トレーニングラウンド数の増加するにつれて増加する、
請求項7に記載のウォーターマーク埋め込み方法。
【請求項9】
抽出すべき画像内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、前記抽出すべき画像内の少なくとも1つの目標画像ブロックを決定することと、
それぞれ前記少なくとも1つの目標画像ブロックに基づいて、前記抽出すべき画像内に埋め込まれたウォーターマーク情報を決定することと、を含む、
ウォーターマーク抽出方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの目標画像ブロックを決定することは、
前記1セットのキーポイントの対応する特徴値および前記抽出すべき画像における前記1セットのキーポイントの対応する位置に基づいて、前記抽出すべき画像内の1セットの候補画像ブロックを決定することであって、各候補画像ブロックは前記1セットのキーポイントのうちの少なくとも1つのキーポイントを含むことと、
前記1セットの候補画像ブロックに基づいて前記少なくとも1つの目標画像ブロックを決定することと、を含む、
請求項9に記載のウォーターマーク抽出方法。
【請求項11】
前記ウォーターマーク情報は、ウォーターマーク抽出モデルを利用して決定され、
前記ウォーターマーク抽出モデルのトレーニングは、
参照ウォーターマーク情報を第1画像に埋め込むことにより、第2画像を取得することと、
前記第2画像に対して複数の変換操作を実行することにより、第3画像を生成することと、
前記ウォーターマーク抽出モデルを利用して前記第3画像から抽出されたウォーターマーク情報と前記参照ウォーターマーク情報との間の差分を決定することと、
前記差分に関連する目標関数に基づいて、前記ウォーターマーク抽出モデルをトレーニングすることと、によって行われる、
請求項9に記載のウォーターマーク抽出方法。
【請求項12】
処理すべき画像内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、前記処理すべき画像内の少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定するように構成された画像ブロック決定モジュールと、
ウォーターマーク情報および前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックに基づいて、前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックにそれぞれ対応する少なくとも1つの目標画像ブロックを生成するように構成された画像ブロック生成モジュールであって、各目標画像ブロックには前記ウォーターマーク情報の少なくとも一部が埋め込まれている画像ブロック生成モジュールと、
前記処理すべき画像内で前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックをそれぞれ前記少なくとも1つの目標画像ブロックに置き換えることにより、前記処理すべき画像に対する目標画像を生成するように構成された画像ブロック置換モジュールと、を備える、
ウォーターマーク埋め込み装置。
【請求項13】
抽出すべき画像内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、前記抽出すべき画像内の少なくとも1つの目標画像ブロックを決定するように構成された目標画像ブロック決定モジュールと、
前記少なくとも1つの目標画像ブロックにそれぞれ基づいて、前記抽出すべき画像内に埋め込まれたウォーターマーク情報を決定するように構成されたウォーターマーク情報抽出モジュールと、を備える、
ウォーターマーク抽出装置。
【請求項14】
電子デバイスであって、
少なくとも1つの処理ユニットと、
前記少なくとも1つの処理ユニットに結合され、前記少なくとも1つの処理ユニットによって実行されるための命令を記憶し、前記命令が前記少なくとも1つの処理ユニットによって実行されると、請求項1~8のいずれか1項に記載のウォーターマーク埋め込み方法または9~14のいずれか1項に記載のウォーターマーク抽出方法を前記電子デバイスに実行させる少なくとも1つのメモリと、を備える、
電子デバイス。
【請求項15】
コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~8のいずれか1項に記載のウォーターマーク埋め込み方法または9~11のいずれか1項に記載のウォーターマーク抽出方法が実現される、
コンピュータ可読記憶媒体。
【手続補正書】
【提出日】2024-11-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理すべき画像内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、前記処理すべき画像内の少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定することと、
ウォーターマーク情報および前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックに基づいて、前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックにそれぞれ対応する少なくとも1つの目標画像ブロックを生成することであって、各目標画像ブロックには前記ウォーターマーク情報の少なくとも一部が埋め込まれている、ことと、
前記処理すべき画像内で前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックをそれぞれ前記少なくとも1つの目標画像ブロックに置き換えることにより、前記処理すべき画像に対する目標画像を生成することと、を含み、
前記処理すべき画像ブロックに対応する目標画像ブロックは、ウォーターマーク埋め込みモデルを利用して取得され、
前記ウォーターマーク埋め込みモデルのトレーニングは、
前記ウォーターマーク埋め込みモデルを利用して、参照ウォーターマーク情報を第1画像に埋め込んで、第2画像を取得することと、
前記第2画像に対して複数の変換操作を実行することにより、第3画像を生成することと、
前記第3画像から抽出されたウォーターマーク情報と前記参照ウォーターマーク情報との間の差分を決定することと、
前記差分に関連する目標関数に基づいて、前記ウォーターマーク埋め込みモデルをトレーニングすることと、によって行われる、
ウォーターマーク埋め込み方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定することは、
前記1セットのキーポイントの対応する特徴値および前記処理すべき画像内での対応する位置に基づいて、前記処理すべき画像内の1セットの候補画像ブロックを決定することであって、各候補画像ブロックは前記1セットのキーポイントのうちの少なくとも1つのキーポイントを含む、ことと、
前記1セットの候補画像ブロックのうちから前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定することと、を含む、
請求項1に記載のウォーターマーク埋め込み方法。
【請求項3】
前記1セットの候補画像ブロックのうちの異なる候補画像ブロックは、互いに重畳されない、
請求項2に記載のウォーターマーク埋め込み方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定することは、
前記1セットの候補画像ブロックの対応するテクスチャ複雑度を決定することと、
前記対応するテクスチャ複雑度に基づいて、前記1セットの候補画像ブロックのうちから前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを選択することと、を含む、
請求項2に記載のウォーターマーク埋め込み方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの目標画像ブロックを生成することは、
前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックのうちの処理すべき画像ブロックに対して、
前記ウォーターマーク情報の特徴と前記処理すべき画像ブロックの特徴とに基づいて、前記ウォーターマーク情報と前記処理すべき画像ブロックとの融合特徴を生成することと、
前記融合特徴、前記ウォーターマーク情報の特徴、および、前記処理すべき画像ブロックに基づいて、前記目標画像ブロックを生成することと、によって前記処理すべき画像ブロックに対応する目標画像ブロックを取得することを含む、
請求項1に記載のウォーターマーク埋め込み方法。
【請求項6】
前記目標画像ブロックを生成することは、
前記融合特徴および前記ウォーターマーク情報の特徴に基づいて、前記ウォーターマーク情報で強調された中間特徴を生成することと、
前記中間特徴および前記処理すべき画像ブロックに基づいて、前記目標画像ブロックを生成することと、を含む、
請求項5に記載のウォーターマーク埋め込み方法。
【請求項7】
前記複数の変換操作のうちの少なくとも1つの変換操作による前記第2画像の変化程度は、トレーニングラウンド数の増加するにつれて増加する、
請求項1に記載のウォーターマーク埋め込み方法。
【請求項8】
抽出すべき画像内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、前記抽出すべき画像内の少なくとも1つの目標画像ブロックを決定することと、
それぞれ前記少なくとも1つの目標画像ブロックに基づいて、前記抽出すべき画像内に埋め込まれたウォーターマーク情報を決定することと、を含み、
前記ウォーターマーク情報は、ウォーターマーク抽出モデルを利用して決定され、
前記ウォーターマーク抽出モデルのトレーニングは、
参照ウォーターマーク情報を第1画像に埋め込むことにより、第2画像を取得することと、
前記第2画像に対して複数の変換操作を実行することにより、第3画像を生成することと、
前記ウォーターマーク抽出モデルを利用して前記第3画像から抽出されたウォーターマーク情報と前記参照ウォーターマーク情報との間の差分を決定することと、
前記差分に関連する目標関数に基づいて、前記ウォーターマーク抽出モデルをトレーニングすることと、によって行われる、
ウォーターマーク抽出方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの目標画像ブロックを決定することは、
前記1セットのキーポイントの対応する特徴値および前記抽出すべき画像における前記1セットのキーポイントの対応する位置に基づいて、前記抽出すべき画像内の1セットの候補画像ブロックを決定することであって、各候補画像ブロックは前記1セットのキーポイントのうちの少なくとも1つのキーポイントを含むことと、
前記1セットの候補画像ブロックに基づいて前記少なくとも1つの目標画像ブロックを決定することと、を含む、
請求項8に記載のウォーターマーク抽出方法。
【請求項10】
処理すべき画像内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、前記処理すべき画像内の少なくとも1つの処理すべき画像ブロックを決定するように構成された画像ブロック決定モジュールと、
ウォーターマーク情報および前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックに基づいて、前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックにそれぞれ対応する少なくとも1つの目標画像ブロックを生成するように構成された画像ブロック生成モジュールであって、各目標画像ブロックには前記ウォーターマーク情報の少なくとも一部が埋め込まれている画像ブロック生成モジュールと、
前記処理すべき画像内で前記少なくとも1つの処理すべき画像ブロックをそれぞれ前記少なくとも1つの目標画像ブロックに置き換えることにより、前記処理すべき画像に対する目標画像を生成するように構成された画像ブロック置換モジュールと、を備え、
前記処理すべき画像ブロックに対応する目標画像ブロックは、ウォーターマーク埋め込みモデルを利用して取得され、
前記ウォーターマーク埋め込みモデルのトレーニングは、
前記ウォーターマーク埋め込みモデルを利用して、参照ウォーターマーク情報を第1画像に埋め込んで、第2画像を取得することと、
前記第2画像に対して複数の変換操作を実行することにより、第3画像を生成することと、
前記第3画像から抽出されたウォーターマーク情報と前記参照ウォーターマーク情報との間の差分を決定することと、
前記差分に関連する目標関数に基づいて、前記ウォーターマーク埋め込みモデルをトレーニングすることと、によって行われる、
ウォーターマーク埋め込み装置。
【請求項11】
抽出すべき画像内で認識された1セットのキーポイントに基づいて、前記抽出すべき画像内の少なくとも1つの目標画像ブロックを決定するように構成された目標画像ブロック決定モジュールと、
前記少なくとも1つの目標画像ブロックにそれぞれ基づいて、前記抽出すべき画像内に埋め込まれたウォーターマーク情報を決定するように構成されたウォーターマーク情報抽出モジュールと、を備え、
前記ウォーターマーク情報は、ウォーターマーク抽出モデルを利用して決定され、
前記ウォーターマーク抽出モデルのトレーニングは、
参照ウォーターマーク情報を第1画像に埋め込むことにより、第2画像を取得することと、
前記第2画像に対して複数の変換操作を実行することにより、第3画像を生成することと、
前記ウォーターマーク抽出モデルを利用して前記第3画像から抽出されたウォーターマーク情報と前記参照ウォーターマーク情報との間の差分を決定することと、
前記差分に関連する目標関数に基づいて、前記ウォーターマーク抽出モデルをトレーニングすることと、によって行われる、
ウォーターマーク抽出装置。
【請求項12】
電子デバイスであって、
少なくとも1つの処理ユニットと、
前記少なくとも1つの処理ユニットに結合され、前記少なくとも1つの処理ユニットによって実行されるための命令を記憶する少なくとも1つのメモリと、を備え、前記命令が前記少なくとも1つの処理ユニットによって実行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載のウォーターマーク埋め込み方法または8~10のいずれか1項に記載のウォーターマーク抽出方法を実行させる、
電子デバイス。
【請求項13】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載のウォーターマーク埋め込み方法または8~10のいずれか1項に記載のウォーターマーク抽出方法が実現される、
コンピュータ可読記憶媒体。