(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016791
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】配線回路基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/00 20060101AFI20240131BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
H05K3/00 J
H05K3/00 V
H05K1/02 A
H05K1/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073352
(22)【出願日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】P 2022118683
(32)【優先日】2022-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003812
【氏名又は名称】弁理士法人いくみ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 周作
(72)【発明者】
【氏名】池田 敬裕
(72)【発明者】
【氏名】新納 鉄平
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA01
5E338BB13
5E338BB17
5E338BB80
5E338CD17
5E338EE60
(57)【要約】
【課題】第2工程におけるハンドリング性に優れながら、揺れ補正できる配線回路基板を製造できる、配線回路基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】製品基板100の製造方法は、第1工程と、第2工程と、第3工程と、を順に備える。第1工程では、フレーム2と、搭載部3と、第1ジョイント4および第2ジョイント5と、を備える中間基板1を準備する。搭載部3は、フレーム2に囲まれる。搭載部3は、、フレーム2と間隔が隔てられる。第1ジョイント4および第2ジョイント5は、フレーム2および搭載部3を連結する。中間基板1におけるフレーム2、搭載部3および第1ジョイント4のそれぞれが、ベース絶縁層12と、配線層13とを備える。配線層13は、厚み方向においてベース絶縁層12の一方面に配置される。第2工程では、中間基板1を検査する。第3工程では、第2ジョイント5を除去する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、前記フレームに囲まれ、前記フレームと間隔が隔てられる搭載部と、前記フレームおよび前記搭載部を連結する第1ジョイントおよび第2ジョイントと、を備える配線回路基板であって、前記フレーム、前記搭載部および前記第1ジョイントのそれぞれが、絶縁層と、厚み方向において前記絶縁層の一方面に配置される配線層とを備える配線回路基板を準備する第1工程と、
前記配線回路基板を検査する第2工程と、
前記第2ジョイントを除去する第3工程と、
を順に備える配線回路基板の製造方法。
【請求項2】
前記搭載部は、略矩形状を有し、前記搭載部の外周縁において、辺を有し、
前記フレームは、略矩形枠形状を有し、前記辺と向かい合う対向辺と、前記対向辺に隣接し、前記辺と向かい合わない非対向辺とを有し、
前記第1ジョイントは、前記辺と、前記非対向辺とを接続し、
前記第2ジョイントは、前記辺と、前記対向辺とを接続する、請求項1に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項3】
前記辺は、第1辺と、前記第1辺に沿う第2辺と、を含み、
前記第1ジョイントおよび前記第2ジョイントのそれぞれは、前記第1工程における前記配線回路基板に少なくとも2つ備えられ、
前記2つの第1ジョイントのそれぞれは、前記第1辺および前記第2辺のそれぞれに接続し、
前記2つの第2ジョイントのそれぞれは、前記第1辺および前記第2辺のそれぞれに接続する、請求項2に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項4】
前記第1工程では、前記フレームおよび前記第1ジョイントを連結する第3ジョイントをさらに備える前記配線回路基板を準備し、
前記第3工程では、前記第3ジョイントをさらに除去する、請求項1または請求項2に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項5】
前記第2ジョイントは、前記絶縁層を含む、請求項1または請求項2に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項6】
前記第2ジョイントにおける前記絶縁層は、ベース絶縁層および/またはカバー絶縁層を含む、請求項5に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項7】
前記第2ジョイントは、前記配線層をさらに備える、請求項6に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項8】
前記フレームおよび前記搭載部のそれぞれは、厚み方向において前記絶縁層の他方面に配置される金属支持層をさらに含む、請求項1または請求項2に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項9】
前記第2ジョイントは、前記金属支持層を含む、請求項8に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項10】
前記第1ジョイントにおける前記配線層は、互いに間隔が隔てられる複数のジョイント配線を有し、
前記第1ジョイントにおける前記絶縁層は、前記複数のジョイント配線の間に配置されるスリットを有する、請求項1または請求項2に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項11】
前記スリットは、前記複数のジョイント配線に沿って延び、
前記第1ジョイントは、前記スリットが延びる方向において、前記スリットを分割するサブジョイントであって、前記複数のジョイント配線を連結するサブジョイントを有する、請求項10に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項12】
前記第2ジョイントは、厚み方向において、前記第1ジョイントと重ならない、請求項1または請求項2に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項13】
前記第2ジョイントは、前記第1ジョイントと交差する、請求項1または請求項2に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項14】
前記第1工程の後であって、前記第3工程の前に、撮像素子を前記搭載部に搭載する第4工程をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項15】
前記第4工程を、前記第2工程の後に実施する、請求項14に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項16】
フレームと、前記フレームに囲まれ、前記フレームと間隔が隔てられる搭載部と、前記フレームおよび前記搭載部を連結する第1ジョイントおよび第2ジョイントと、を備え、
前記搭載部は、略矩形状を有し、前記搭載部の外周縁において、辺を有し、
前記フレームは、略矩形枠形状を有し、前記辺と向かい合う対向辺と、前記対向辺に隣接し、前記辺と向かい合わない非対向辺とを有し、
前記第1ジョイントは、前記辺と、前記非対向辺とを接続し、
前記第2ジョイントは、前記辺と、前記対向辺とを接続する、配線回路基板。
【請求項17】
前記搭載部および前記第1ジョイントのそれぞれが、絶縁層と、厚み方向において前記絶縁層の一方面に配置される配線層とを備え、
前記第2ジョイントは、前記絶縁層を含む、請求項16に記載の配線回路基板。
【請求項18】
前記第2ジョイントは、前記配線層をさらに備える、請求項17に記載の配線回路基板。
【請求項19】
前記フレームおよび前記搭載部のそれぞれは、厚み方向において前記絶縁層の他方面に配置される金属支持層をさらに備える、請求項17または請求項18に記載の配線回路基板。
【請求項20】
前記第2ジョイントにおける前記絶縁層は、ベース絶縁層および/またはカバー絶縁層を含む、請求項17または請求項18に記載の配線回路基板。
【請求項21】
前記第1ジョイントにおける前記配線層は、互いに間隔が隔てられる複数のジョイント配線を有し、
前記第1ジョイントにおける前記絶縁層は、前記複数のジョイント配線の間に配置されるスリットを有する、請求項17または請求項18に記載の配線回路基板。
【請求項22】
前記スリットは、前記複数のジョイント配線に沿って延び、
前記第1ジョイントは、前記スリットが延びる方向において、前記スリットを分割するサブジョイントであって、前記複数のジョイント配線を連結するサブジョイントを有する、請求項21に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項23】
前記フレームおよび前記第1ジョイントを連結する第3ジョイントをさらに備える、請求項16または請求項17に記載の配線回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線回路基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像素子を搭載するための配線回路基板が知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。特許文献1に記載の配線回路基板は、フレームと、フレームに囲まれる搭載部と、それらを連結する支持部材と、を備える。配線回路基板は、絶縁層と、その一方面に配置される配線層とを備える。
【0003】
特許文献1に記載される配線回路基板は、検査工程を経た後、搭載部に撮像素子が搭載される。検査工程は、例えば、配線層の導通検査、および、絶縁層の外形検査を含む。
【0004】
撮像装置が移動(振動)すると、フレームが移動(振動)する。そうすると、フレームの移動(振動)に連動して、搭載部が揺れる(振れる)。しかし、低反発性を有する支持部材によって、搭載部の上記した揺れ(振れ)を補正できる。上記した補正は、揺れ補正(振れ補正)と称呼される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
検査工程において、フレームが移動するときに、低反発性を有する支持部材に起因して、搭載部がフレームの移動に十分に連動せず、搭載部の姿勢が不安定となる。そのため、検査工程における配線回路基板のハンドリング性が低いという不具合がある。
【0007】
本発明は、第2工程におけるハンドリング性に優れながら、揺れ補正できる配線回路基板を製造できる、配線回路基板の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明[1]は、フレームと、前記フレームに囲まれ、前記フレームと間隔が隔てられる搭載部と、前記フレームおよび前記搭載部を連結する第1ジョイントおよび第2ジョイントと、を備える配線回路基板であって、前記フレーム、前記搭載部および前記第1ジョイントのそれぞれが、絶縁層と、厚み方向において前記絶縁層の一方面に配置される配線層とを備える配線回路基板を準備する第1工程と、前記配線回路基板を検査する第2工程と、前記第2ジョイントを除去する第3工程と、を順に備える配線回路基板の製造方法を含む。
【0009】
この製造方法によれば、第2工程において、配線回路基板が第2ジョイントを備えるので、フレームを移動させても、搭載部が第1ジョイントおよび第2ジョイントによってフレームに支持される。そのため、第2工程において、搭載部の姿勢を安定させることができる。その結果、第2工程における配線回路基板のハンドリング性に優れる。
【0010】
第3工程では、第2ジョイントを除去する。そのため、搭載部は、第1ジョイントによってフレームに支持される。そのため、搭載部を確実に揺れ補正できる。
【0011】
本発明[2]は、前記搭載部は、略矩形状を有し、前記搭載部の外周縁において、辺を有し、前記フレームは、略矩形枠形状を有し、前記辺と向かい合う対向辺と、前記対向辺に隣接し、前記辺と向かい合わない非対向辺とを有し、前記第1ジョイントは、前記辺と、前記非対向辺とを接続し、前記第2ジョイントは、前記辺と、前記対向辺とを接続する、[1]に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0012】
第1ジョイントは、辺と、非対向辺とを接続し、第2ジョイントは、辺と、対向辺とを接続する。そのため、第1ジョイントを、第2ジョイントよりも、長くできる。その結果、長い第1ジョイントの低反発性を向上できる。一方、短い第2ジョイントの剛性を向上できる。
【0013】
本発明[3]は、前記辺は、第1辺と、前記第1辺に沿う第2辺と、を含み、前記第1ジョイントおよび前記第2ジョイントのそれぞれは、前記第1工程における前記配線回路基板に少なくとも2つ備えられ、前記2つの第1ジョイントのそれぞれは、前記第1辺および前記第2辺のそれぞれに接続し、前記2つの第2ジョイントのそれぞれは、前記第1辺および前記第2辺のそれぞれに接続する、[2]に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0014】
この製造方法では、第1工程における配線回路基板では、2つの第1ジョイントのそれぞれは、第1辺および第2辺のそれぞれに接続し、2つの第2ジョイントのそれぞれは、第1辺および第2辺のそれぞれに接続する。そのため、第2工程において、第1辺および第2辺が対向する方向における搭載部の姿勢をより一層安定にできる。
【0015】
本発明[4]は、前記第1工程では、前記フレームおよび前記第1ジョイントを連結する第3ジョイントをさらに備える前記配線回路基板を準備し、前記第3工程では、前記第3ジョイントをさらに除去する、[1]から[3]のいずれか一項に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0016】
この製造方法では、第1工程では、第1ジョイントを支持する第3ジョイントを備える配線回路基板を準備するので、第2工程における第1ジョイントの剛性を高めることができる。
【0017】
また、この製造方法では、第3工程で、第3ジョイントを除去するので、搭載部は、第1ジョイントに支持される。そのため、搭載部を確実に揺れ補正できる。
【0018】
本発明[5]は、前記第2ジョイントは、前記絶縁層を含む、[1]から[4]のいずれか一項に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0019】
本発明[6]は、前記第2ジョイントにおける前記絶縁層は、ベース絶縁層および/またはカバー絶縁層を含む、[5]に記載の配線回路基板の製造方法。
【0020】
本発明[7]は、前記第2ジョイントは、前記配線層をさらに備える、[6]に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0021】
第2ジョイントは、絶縁層に加えて、配線層を備える。そのため、第2ジョイントにおいて、配線層が絶縁層を補強できる。
【0022】
本発明[8]は、前記フレームおよび前記搭載部のそれぞれは、厚み方向において前記絶縁層の他方面に配置される金属支持層をさらに含む、[1]から[7]のいずれか一項に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0023】
フレームおよび搭載部のそれぞれは、金属支持層を含むので、剛性を向上できる。
【0024】
本発明[9]は、前記第2ジョイントは、前記金属支持層を含む、[8]に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0025】
第2ジョイントは、金属支持層を含むので、剛性を向上できる。そのため、第2工程における搭載部のハンドリング性に優れる。
【0026】
本発明[10]は、前記第1ジョイントにおける前記配線層は、互いに間隔が隔てられる複数のジョイント配線を有し、前記第1ジョイントにおける前記絶縁層は、前記複数のジョイント配線の間に配置されるスリットを有する、[1]から[9]のいずれか一項に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0027】
第1ジョイントは、スリットを有するので、第1ジョイントの低反発性を向上できる。そのため、配線回路基板では、第2ジョイントを除去すれば、搭載部をより一層確実に揺れ補正できる。
【0028】
本発明[11]は、前記スリットは、前記複数のジョイント配線に沿って延び、前記第1ジョイントは、前記スリットが延びる方向において、前記スリットを分割するサブジョイントであって、前記複数のジョイント配線を連結するサブジョイントを有する、[10]に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0029】
配線回路基板において、サブジョイントによって、スリットに起因する第1ジョイントの剛性の低下を抑制できる。そのため、第2工程における配線回路基板のハンドリング性を向上できる。
【0030】
本発明[12]は、前記第2ジョイントは、厚み方向において、前記第1ジョイントと重ならない、[1]から[10]のいずれか一項に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0031】
第2ジョイントは、第1ジョイントと重ならないので、第1工程における配線回路基板の構成が簡易である。そのため、第3工程において第2ジョイントを簡便に除去できる。
【0032】
本発明[13]は、前記第2ジョイントは、前記第1ジョイントと交差する、[1]または[2]に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0033】
本発明[14]は、前記第1工程の後であって、前記第3工程の前に、撮像素子を前記搭載部に搭載する第4工程をさらに備える、[1]から[13]のいずれか一項に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0034】
この方法であれば、第2ジョイントを除去する第3工程の前の第4工程では、搭載部の姿勢を安定させることができる。そのため、撮像素子を搭載部に確実に搭載できる。
【0035】
本発明[15]は、前記第4工程を、前記第2工程の後に実施する、[14]に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0036】
この方法であれば、第2工程で、中間基板を検査して、中間基板が不良品であれば、中間基板を廃棄しても、第4工程において、別途、上記した撮像素子を別の良品の中間基板に搭載できる。
【0037】
本発明[16]は、フレームと、前記フレームに囲まれ、前記フレームと間隔が隔てられる搭載部と、前記フレームおよび前記搭載部を連結する第1ジョイントおよび第2ジョイントと、を備え、前記搭載部は、略矩形状を有し、前記搭載部の外周縁において、辺を有し、前記フレームは、略矩形枠形状を有し、前記辺と向かい合う対向辺と、前記対向辺に隣接し、前記辺と向かい合わない非対向辺とを有し、前記第1ジョイントは、前記辺と、前記非対向辺とを接続し、前記第2ジョイントは、前記辺と、前記対向辺とを接続する、配線回路基板を含む。
【0038】
この配線回路基板では、第1ジョイントは、辺と、非対向辺とを接続し、第2ジョイントは、辺と、対向辺とを接続する。そのため、第1ジョイントを、第2ジョイントよりも、長くできる。そのため、短い第2ジョイントの剛性を向上できる。その結果、配線回路基板のハンドリング性に優れる。一方、長い第1ジョイントの低反発性を向上できる。そのため、第2ジョイントを除去すれば、搭載部を確実に揺れ補正できる。
【0039】
本発明[17]は、前記搭載部および前記第1ジョイントのそれぞれが、絶縁層と、厚み方向において前記絶縁層の一方面に配置される配線層とを備え、前記第2ジョイントは、前記絶縁層を含む、[16]に記載の配線回路基板を含む。
【0040】
本発明[18]は、前記第2ジョイントは、前記配線層をさらに備える、[17]に記載の配線回路基板を含む。
【0041】
第2ジョイントは、絶縁層に加えて、配線層を備える。そのため、第2ジョイントにおいて、配線層が絶縁層を補強できる。
【0042】
本発明[19]は、前記フレームおよび前記搭載部のそれぞれは、厚み方向において前記絶縁層の他方面に配置される金属支持層をさらに備える、[16]から[19]のいずれか一項に記載の配線回路基板を含む。
【0043】
フレームおよび搭載部のそれぞれは、金属支持層を含むので、剛性を向上できる。
【0044】
本発明[20]は、前記第2ジョイントにおける前記絶縁層は、ベース絶縁層および/またはカバー絶縁層を含む、[16]または[17]に記載の配線回路基板を含む。
【0045】
本発明[21]は、前記第1ジョイントにおける前記配線層は、互いに間隔が隔てられる複数のジョイント配線を有し、前記第1ジョイントにおける前記絶縁層は、前記複数のジョイント配線の間に配置されるスリットを有する、[16]から[20]のいずれか一項に記載の配線回路基板を含む。
【0046】
第1ジョイントは、スリットを有するので、第1ジョイントの低反発性を向上できる。そのため、第3工程の後の配線回路基板では、搭載部をより一層確実に揺れ補正できる。
【0047】
本発明[22]は、前記スリットは、前記複数のジョイント配線に沿って延び、前記第1ジョイントは、前記スリットが延びる方向において、前記スリットを分割するサブジョイントであって、前記複数のジョイント配線を連結するサブジョイントを有する、[21]に記載の配線回路基板の製造方法を含む。
【0048】
第2工程では、配線回路基板において、サブジョイントによって、スリットに起因する第1ジョイントの剛性の低下を抑制できる。そのため、第1ジョイントの過度な変形を抑制できる。
【0049】
本発明[23]は、前記フレームおよび前記第1ジョイントを連結する第3ジョイントをさらに備える、[16]から[22]のいずれか一項に記載の配線回路基板を含む。
【0050】
この配線回路基板は、第3ジョイントを備えるので、第1ジョイントの剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】本発明の配線回路基板の製造方法の一実施形態の第1工程で準備される中間基板の平面図である。
【
図2】本発明の配線回路基板の製造方法の一実施形態の第3工程によって製造される製品基板の平面図である。
【
図4】本発明の配線回路基板の製造方法の一実施形態の工程図である。
図4Aは、第1工程である。
図4Aは、
図3のA-A線に沿う断面図である。
図4Bは、第4工程である。
図4Cは、第3工程である。
【
図5】
図4Aに示す中間基板の準備工程図である。
図5Aは、ベース絶縁層を形成する工程である。
図5Bは、配線層を形成する工程である。
図5Cは、カバー絶縁層を形成する工程である。
【
図18】第12変形例の中間基板の拡大平面図である。
【
図19】第13変形例の中間基板の拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
1. 配線回路基板の製造方法の一実施形態
図1から
図5Cを参照して、本発明の配線回路基板の製造方法の一実施形態を説明する。なお、
図2において、フレーム2および搭載部3(後述)の形状および配置を明確に示すために、撮像素子105および外部基板106(後述)を省略している。
【0053】
この製造方法は、第1工程(
図1および
図4A参照)と、第2工程と、第4工程(
図4B参照)と、第3工程(
図2および
図4C参照)と、を順に備える。第1工程と、第2工程と、第4工程と、第3工程とは、順に実施される。以下、第1工程と、第2工程と、第4工程と、第3工程とを順に説明する。
【0054】
1.1 第1工程
図1に示すように、第1工程では、配線回路基板の一例としての中間基板1を準備する。中間基板1は、後述する製品基板100(
図2参照)と相違する。つまり、中間基板1は、製品基板100が備えない後述する第2ジョイント5を備える。中間基板1は、製品基板100(
図2参照)を製造するための中間部品である。
【0055】
中間基板1は、シート形状を有する。中間基板1は、厚みを有する。中間基板1は、面方向に延びる。面方向は、厚み方向に直交する。中間基板1は、フレーム2と、搭載部3と、第1ジョイント4と、第2ジョイント5と、を備える。
【0056】
1.1.1 フレーム2
本実施形態では、フレーム2は、略矩形枠形状を有する。フレーム2は、内周縁20を含む。本実施形態では、フレーム2は、内周縁20において、4つの辺23A,23B,23C,23Dを有する。4つの辺23A,23B,23C,23Dは、平面視において、反時計回りに順に配置される。辺23Aおよび辺23Cは、互いに向かい合う。辺23Bは、辺23Aの一端部および辺23Cの一端部を接続する。辺23Dは、辺23Aの他端部および辺23Cの他端部を接続する。辺23Bおよび辺23Dは、互いに向かい合う。
【0057】
図4Aに示すように、フレーム2は、金属支持層11と、ベース絶縁層12と、配線層13と、カバー絶縁層14と、を含む。
【0058】
1.1.1.1 フレーム2における金属支持層11
フレーム2において、金属支持層11は、面方向に延びる。金属支持層11は、厚み方向におけるフレーム2の他方面を形成する。
【0059】
フレーム2における金属支持層11の材料は、例えば、剛性材料である。剛性材料としては、例えば、ステンレス、42アロイ、アルミニウム、銅-ベリリウム、りん青銅、銅、銀、ニッケル、クロム、チタン、タンタル、白金、金、および、銅合金が挙げられる。
剛性材料として、フレーム2の強度を確保する観点から、好ましくは、ステンレス、および、銅合金が挙げられる。フレーム2における金属支持層11の厚みは、例えば、30μm以上、好ましくは、100μm以上であり、また、例えば、10,000μm以下、好ましくは、1,000μm以下である。
【0060】
1.1.1.2 フレーム2におけるベース絶縁層12
フレーム2において、ベース絶縁層12は、厚み方向において金属支持層11の一方面に配置される。換言すれば、フレーム2において、金属支持層11は、厚み方向においてベース絶縁層12の他方面に配置される。ベース絶縁層12は、金属支持層11の一方面に接触する。
【0061】
フレーム2におけるベース絶縁層12の材料としては、例えば、樹脂が挙げられ、好ましくは、ポリイミド樹脂が挙げられる。フレーム2におけるベース絶縁層12の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、20μm未満、好ましくは、15μm以下である。
【0062】
1.1.1.3 フレーム2における配線層13
フレーム2において、配線層13は、厚み方向においてベース絶縁層12の一方面に配置される。配線層13は、ベース絶縁層12の一方面に接触する。
図3に示すように、配線層13は、複数のフレーム端子131と、複数のフレーム配線132とを含む。
【0063】
1.1.1.4 フレーム端子131
複数のフレーム端子131は、4つの辺23A,23B(
図1参照),23C(
図1参照),23D(
図1参照)のそれぞれに対応して設けられる。辺23Aに対応する複数のフレーム端子131は、辺23Aに沿って、互いに間隔が隔てられる。好ましくは、複数のフレーム端子131は、辺23Aに沿って、互いに等しい間隔が隔てられる。辺23Aに対応する複数のフレーム端子131は、複数のフレームグランド端子131Gと、複数のフレーム差動端子131Dと、を含む。図示しないが、辺23B(
図1参照),23C(
図1参照),23D(
図1参照)のそれぞれに対応する複数のフレーム端子131は、辺23Aに対応する複数のフレーム端子131と同一の構成を有する。
【0064】
1.1.1.5 フレーム配線132
複数のフレーム配線132は、複数のフレーム端子131と電気的にそれぞれ接続される。本実施形態では、辺23Aに対応する複数のフレーム配線132は、辺23Aに対応する複数のフレーム端子131のそれぞれから延び、屈曲し、互いに収束し、その後、内周縁20に至る。具体的には、複数のフレーム配線132のそれぞれは、フレーム延出線132Aと、フレーム収束線132Bと、を含む。
【0065】
辺23Aに対応するフレーム延出線132Aは、辺23Aに対応する複数のフレーム端子131のそれぞれから、辺23Aに向かって延びる。辺23Aに対応するフレーム延出線132Aは、辺23Aに対応する複数のフレーム端子131に対応して複数設けられる。
【0066】
複数のフレーム延出線132Aは、辺23Aに沿う方向において、互いに間隔が隔てられる。複数のフレーム延出線132Aのそれぞれは、辺23Aに交差する方向に延びる。
【0067】
フレーム延出線132Aは、複数のフレームグランド延出線132AGと、複数のフレーム差動延出線132ADと、を含む。複数のフレームグランド延出線132AGのそれぞれは、複数のフレームグランド端子131Gのそれぞれから延びる。複数のフレーム差動延出線132ADのそれぞれは、複数のフレーム差動端子131Dのそれぞれから延びる。
【0068】
フレーム2において、複数のフレーム延出線132Aが設けられる領域は、第3部分25とされる。
【0069】
辺23B(
図1参照),23C(
図1参照),23D(
図1参照)のそれぞれに対応するフレーム延出線132Aは、上記した辺23Aに対応するフレーム延出線132Aと同一の構成を有する。
【0070】
辺23Aに対応するフレーム収束線132Bは、辺23Aに対応する複数のフレーム延出線132Aに対応して複数設けられる。複数のフレーム収束線132Bは、互いに収束して、フレーム2における第1ジョイント4Aの第2接続部46(後述)の近傍に向かう。複数のフレーム収束線132Bのそれぞれは、複数のフレーム延出線132Aの一端縁を起点として、厚み方向において辺23Aと重なる箇所を終点とする。一端縁は、フレーム延出線132Aにおいてフレーム端子131の逆側の端縁である。フレーム収束線132Bの起点は、フレーム配線132における第1の屈曲点となっている。フレーム収束線132Bは、第1ジョイント4Aの第2接続部46と対向する領域において、屈曲する。
フレーム収束線132Bにおける上記した屈曲は、フレーム配線132における第2の屈曲点となる。フレーム配線132における第2の屈曲点は、辺23Aに沿う方向において、フレーム配線132における第1の屈曲点と間隔が隔てられる。第2の屈曲点は、辺23Aに直交する方向おいて、第1ジョイント4Aと対向する一方、対応するフレーム端子131と対向していなくてもよい。複数のフレーム収束線132Bの配線密度は、上記したフレーム延出線132Aの配線密度より、高い。複数のフレーム収束線132Bは、互いに等しい間隔が隔てられる等間隔部分を有してもよい。本実施形態では、複数のフレーム収束線132Bのそれぞれは、略L字形状を有する。
【0071】
フレーム2において、フレーム収束線132Bが設けられる領域は、第4部分26とされる。第4部分26は、内周縁20(辺23A)と、上記した第3部分25との間に配置される。辺23Aと、第4部分26と、第3部分25とは、順に並ぶ。第4部分26におけるフレーム収束線132Bの配線密度は、第3部分25におけるフレーム延出線132Aの配線密度より、高い。
【0072】
辺23B(
図1参照),23C(
図1参照),23D(
図1参照)のそれぞれに対応するフレーム収束線132Bは、上記した辺23Aに対応するフレーム収束線132Bと同一の構成を有する。
【0073】
フレーム2における配線層13の材料としては、例えば、導体が挙げられる。導体として、好ましくは、銅が挙げられる。
【0074】
フレーム2における配線層13の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、50μm以下、好ましくは、35μm以下である。
【0075】
1.1.1.6 フレーム2におけるカバー絶縁層14
図4Aに示すように、フレーム2において、カバー絶縁層14は、厚み方向においてベース絶縁層12の一方面に配置される。カバー絶縁層14は、配線層13の一部であるフレーム配線132(フレーム延出線132Aおよびフレーム収束線132B)を被覆する。カバー絶縁層14は、配線層13の残部であるフレーム端子131(フレームグランド端子131G、および、フレーム差動端子131D)を露出する。
【0076】
カバー絶縁層14の材料としては、例えば、樹脂が挙げられ、好ましくは、ポリイミド樹脂が挙げられる。フレーム2におけるカバー絶縁層14の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、20μm未満、好ましくは、15μm以下である。
【0077】
1.1.1.7 フレーム2の寸法
フレーム2の外形寸法は、限定されない。
図1に示すように、辺23Aおよび辺23Cの間隔と、辺23Bおよび辺23Dの間隔とのそれぞれは、例えば、5mm以上、好ましくは、8mm以上であり、また、例えば、50mm以下、好ましくは、30mm以下である。辺23A,23B,23Cおよび23Dのそれぞれの長さは、例えば、5mm以上、好ましくは、8mm以上であり、また、例えば、50mm以下、好ましくは、30mm以下である。フレーム2の幅は、例えば、0.1mm以上、好ましくは、0.3mm以上であり、また、例えば、50mm以下、好ましくは、30mm以下である。フレーム2の幅は、内周縁20および外周縁間の長さである。
【0078】
図3に示すように、複数のフレーム端子131のそれぞれの幅は、例えば、10μm以上、好ましくは、30μm以上であり、また、例えば、3000μm以下、好ましくは、1000μm以下である。
【0079】
複数のフレーム端子131のピッチは、例えば、30μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、2000μm以下、好ましくは、1000μm以下である。
ピッチは、隣り合うフレーム端子131のそれぞれの端縁の間隔である。2つの端縁のそれぞれは、辺23Aに沿う方向における一端縁である。ピッチの定義は、以下同様である。
【0080】
対して、本実施形態では、複数のフレーム収束線132Bの等間隔部分におけるピッチは、複数のフレーム延出線132Aのピッチより小さい。複数のフレーム収束線132Bの等間隔部分におけるピッチは、例えば、1500μm以下、好ましくは、1000μm以下、より好ましくは、800μm以下であり、また、例えば、10μm以上である。複数のフレーム延出線132Aのピッチに対する、複数のフレーム収束線132Bの等間隔部分のピッチの比は、例えば、1未満、好ましくは、0.8以下、より好ましくは、0.5以下であり、また、例えば、0.01以上である。
【0081】
フレーム配線132の幅は、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、3000μm以下、好ましくは、1000μm以下である。
【0082】
1.1.2 搭載部3
図1に示すように、搭載部3は、フレーム2に囲まれる。搭載部3は、フレーム2と間隔が隔てられる。本実施形態では、搭載部3は、略矩形状を有する。好ましくは、搭載部3は、略矩形の外形を有しており、具体的には、略矩形枠形状を有する。搭載部3は、外周縁30と、内周縁39と、を含む。本実施形態では、搭載部3は、外周縁30において、4つの辺33A,33B,33C,33Dを含む。
【0083】
4つの辺33A,33B,33C,33Dは、平面視において、反時計回りに順に配置される。搭載部3の辺33A,33B,33C,33Dのそれぞれは、フレーム2の辺23A,23B,23C,23Dのそれぞれと向かい合う。
【0084】
換言すれば、搭載部3の辺33Bは、フレーム2の辺23Bと向かい合う(対向する)。つまり、辺23Bは、辺33Bに対する対向辺である。辺33Bは、辺23Bと同じ方向に延びる。
【0085】
搭載部3の辺33Bは、フレーム2の辺23Aと向かい合わない(対向しない)。換言すれば、辺23Aは、辺33Bに対する非対向辺である。辺33Bは、辺33Aと隣接する。辺33Bは、辺23Aと交差する方向に延びる。好ましくは、辺33Bは、辺23Aと直交する方向に延びる。本実施形態において、辺33Bは、第1辺の一例である。
【0086】
辺33Cは、辺33Aと同じ方向に沿う。辺33Bは、辺33Aの一端部および辺33Cの一端部を接続する。
【0087】
辺33Dは、辺33Aの他端部および辺33Cの他端部を接続する。辺33Dは、辺33Bと同じ方向に沿う。換言すれば、辺33Dは、辺33Bに沿う。辺33Dは、第2辺の一例である。
【0088】
図4Aに示すように、搭載部3は、金属支持層11と、ベース絶縁層12と、配線層13と、カバー絶縁層14と、を含む。
【0089】
1.1.2.1 搭載部3における金属支持層11
【0090】
搭載部3において、金属支持層11は、面方向に延びる。金属支持層11は、厚み方向における搭載部3の他方面を形成する。搭載部3における金属支持層11の材料および厚みのそれぞれは、フレーム2における金属支持層11の材料および厚みのそれぞれと同一である。
【0091】
1.1.2.2 搭載部3におけるベース絶縁層12
搭載部3において、ベース絶縁層12は、厚み方向において金属支持層11の一方面に配置される。換言すれば、搭載部3において、金属支持層11は、厚み方向においてベース絶縁層12の他方面に配置される。ベース絶縁層12は、金属支持層11の一方面に接触する。
【0092】
搭載部3におけるベース絶縁層12の材料および厚みのそれぞれは、フレーム2におけるベース絶縁層12の材料および厚みのそれぞれと同一である。
【0093】
1.1.2.3 搭載部3における配線層13
搭載部3において、配線層13は、厚み方向においてベース絶縁層12の一方面に配置される。配線層13は、ベース絶縁層12の一方面に接触する。
図3に示すように、搭載部3における配線層13は、複数の端子133と、複数の配線134と、を備える。
【0094】
1.1.2.4 端子133
【0095】
図3に示すように、複数の端子133は、4つの辺33A(
図1参照),33B,33C(
図1参照),33D(
図1参照)のそれぞれに対応して設けられる。具体的には、辺33Bに対応する複数の端子133は、辺33Bに沿う方向において、互いに間隔が隔てられる。好ましくは、複数の端子133は、辺33Bに沿う方向において、互いに等しい間隔が隔てられる。辺33Bに対応する複数の端子133は、複数のグランド端子133Gと、複数の差動端子133Dと、を含む。図示しないが、辺33A(
図1参照),33C(
図1参照),33D(
図1参照)のそれぞれに対応する複数の端子133は、辺33Bに対応する端子133と同一の構成を有する。
【0096】
1.1.2.5 配線134
複数の配線134は、複数の端子133と電気的にそれぞれ接続される。複数の配線134は、互いに間隔が隔てられる。本実施形態では、辺33Bに対応する複数の配線134は、辺33Bに対応する複数の端子133のそれぞれから延び、その後、互いに収束し、その後、外周縁30に至る。具体的には、複数の配線134のそれぞれは、延出線134Aと、収束線134Bと、とを含む。
【0097】
辺33Bに対応する延出線134Aは、辺33Bに対応する複数の端子133のそれぞれから、辺33Bに向かって延びる。辺33Bに対応する延出線134Aは、辺33Bに対応する複数の端子133に対応して複数設けられる。
【0098】
複数の延出線134Aは、辺33Bに沿う方向において、互いに間隔が隔てられる。複数の延出線134Aのそれぞれは、辺33Bに交差する方向に延びる。延出線134Aは、複数のグランド延出線134AGと、複数の差動延出線134ADと、を含む。複数のグランド延出線134AGのそれぞれは、複数のグランド端子133Gのそれぞれから延びる。複数の差動延出線134ADのそれぞれは、複数の差動端子133Dのそれぞれから延びる。
【0099】
搭載部3において、複数の延出線134Aが設けられる領域は、第1部分31とされる。換言すれば、搭載部3は、第1部分31を含む。換言すれば、第1部分31では、複数の配線134が複数の端子133から延びる。
【0100】
辺33A(
図1参照),33C(
図1参照),33D(
図1参照)のそれぞれに対応する延出線134Aは、上記した辺33Bに対応する延出線134Aと同一の構成を有する。
【0101】
辺33Bに対応する収束線134Bは、辺33Bに対応する延出線134Aに対応して複数設けられる。複数の収束線134Bは、互いに収束して、搭載部3における第1ジョイント4Aの接続部45(後述)の近傍に向かう。複数の収束線134Bのそれぞれは、複数の延出線134Aの一端縁を起点として、厚み方向において辺33Bと重なる箇所を終点とする。一端縁は、延出線134Aにおいて端子133の逆側の端縁である。収束線134Bの起点は、配線134における第1の屈曲点となっている。収束線134Bは、第1ジョイント4Aの接続部45と対向する領域において、屈曲する。収束線134Bにおける上記した屈曲は、配線134における第2の屈曲点となる。配線134における第2の屈曲点は、辺33Bに沿う方向において、配線134における第1の屈曲点と間隔が隔てられる。第2の屈曲点は、辺33Bに直交する方向おいて、第1ジョイント4Aと対向する一方、対応する端子133と対向していなくてもよい。複数の収束線134Bの配線密度は、上記した延出線134Aの配線密度より、高い。複数の収束線134Bは、互いに等しい間隔が隔てられる等間隔部分を有してもよい。本実施形態では、複数の収束線134Bのそれぞれは、略L字形状を有する。
【0102】
搭載部3において、収束線134Bが設けられる領域は、第2部分32とされる。換言すれば、搭載部3は、第2部分32を有する。第2部分32は、外周縁30(辺33B)と、上記した第1部分31との間に配置される。辺33Bと、第2部分32と、第1部分31とは、内周縁39に向かって順に並ぶ。第2部分32では、複数の配線134が収束する。第2部分32における収束線134Bの配線密度は、第1部分31における延出線134Aの配線密度より、高い。
【0103】
1.1.2.6 搭載部3におけるカバー絶縁層14
図4Aに示すように、搭載部3において、カバー絶縁層14は、厚み方向においてベース絶縁層12の一方面に配置される。カバー絶縁層14は、配線層13の一部である配線134(延出線134Aおよび収束線134B)を被覆する。カバー絶縁層14は、配線層13の残部である端子133を露出する。
【0104】
1.1.2.7 搭載部3の寸法
搭載部3の外形寸法は、限定されない。
図1に示すように、辺33Aおよび辺33Cの間隔と、辺33Bおよび辺33Dの間隔とのそれぞれは、例えば、3mm以上、好ましくは、5mm以上であり、また、例えば、50mm以下、好ましくは、30mm以下である。辺33A,33B,33C,33Dのそれぞれの長さは、例えば、3mm以上、好ましくは、5mm以上であり、また、例えば、50mm以下、好ましくは、30mm以下である。
【0105】
搭載部3の幅は、例えば、0.3mm以上、好ましくは、0.5mm以上であり、また、例えば、30mm以下、好ましくは、20mm以下である。搭載部3の幅は、外周縁30および内周縁39間の長さである。
【0106】
図3に示すように、複数の端子133のそれぞれの幅は、上記した複数のフレーム端子131のそれぞれの幅と同一である。
【0107】
複数の端子133のピッチは、例えば、30μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、2000μm以下、好ましくは、1000μm以下である。隣り合う端子133の間隔は、例えば、10μm以上、好ましくは、30μm以上より、好ましくは、1500μm以上であり、また、例えば、800μm以下である。
【0108】
複数の延出線134Aのピッチは、好ましくは、複数の端子133のピッチと同一である。収束線134Bの等間隔部分におけるピッチは、複数の延出線134Aのピッチより小さい。収束線134Bの等間隔部分におけるピッチは、例えば、1500μm以下、好ましくは、1000μm以下、より好ましくは、800μm以下であり、また、例えば、10μm以上である。複数の延出線134Aのピッチに対する、収束線134Bの等間隔部分のピッチの比は、例えば、1未満、好ましくは、0.8以下、より好ましくは、0.5以下であり、また、例えば、0.01以上である。
【0109】
配線134の幅は、上記したフレーム配線132の幅と同一である。
【0110】
1.1.3 第1ジョイント4
図1に示すように、第1ジョイント4は、フレーム2および搭載部3の間に配置される。第1ジョイント4は、フレーム2および搭載部3を連結する。第1ジョイント4は、搭載部3における複数の辺33に対応して複数設けられる。本実施形態では、複数の第1ジョイント4A,4B,4C,4Dのそれぞれは、搭載部3における複数の辺33B,33C,33D,33Aのそれぞれに対応する。具体的には、第1ジョイント4Aは、フレーム2における辺23Aと、搭載部3における辺33B(第1辺、非対向辺)と、を接続する。第1ジョイント4Bは、フレーム2における辺23Bと、搭載部3における辺33Cと、を接続する。第1ジョイント4Cは、フレーム2における辺23Cと、搭載部3における辺33D(第2辺)と、を接続する。第1ジョイント4Dは、フレーム2における辺23Dと、搭載部3における辺33Aと、を接続する。
【0111】
以下、第1ジョイント4Aの詳細を説明する。第1ジョイント4B,4C,4Dは、第1ジョイント4Aと同様の構成を有し、それらの詳細を省略する。
【0112】
1.1.3.1 第1ジョイント4Aの形状
図3に示すように、本実施形態では、第1ジョイント4Aは、平面視において、曲線形状を有する。好ましくは、第1ジョイント4Aは、直線形状、および/または、屈曲形状を有さず、曲線形状のみを有する。具体的には、第1ジョイント4Aは、S字形状またはフック形状を有する。第1ジョイント4Aが曲線形状を有すれば、応力を局所的に集中させることなく、まんべんなく緩和できることから、搭載部3の揺れ補正の精度を向上できる。
【0113】
1.1.3.2 第1ジョイント4の搭載部3への接続
第1ジョイント4Aは、搭載部3における第2部分32に接続する。つまり、第1ジョイント4Aは、搭載部3において、複数の端子133とピッチが同一である(比較的大きいピッチである)複数の延出線134Aが配置される第1部分31に接続するのではなく、複数の端子133よりピッチが小さい複数の収束線134Bが配置される第2部分32に接続する。
【0114】
第1ジョイント4Aは、上記した第2部分32に接続する接続部45を含む。
図1に示すように、例えば、接続部45は、搭載部3におけるの辺33Bの中央領域34に接続する。
【0115】
中央領域34は、辺33Bにおいて中央部35を含む領域である。中央部35は、辺33Bにおける中央点およびその近傍部である。中央領域34は、辺33Bの長さの1/2の長さを有する。中央領域34は、好ましくは、辺33Bの長さの1/3の長さを有し、より好ましくは、辺33Bの長さの1/4の長さを有する。
【0116】
好ましくは、第1ジョイント4Aは、辺33Bの中央部35に接続する。
【0117】
辺33Bの長さに対する、辺33Bに沿う方向における接続部45の長さの比(接続部45の長さ/辺33Bの長さ)は、例えば、0.3以下、好ましくは、0.25以下、より好ましくは、0.2以下であり、また、例えば、0.01以上である。
【0118】
辺33Bの長さに対する、辺33Bに沿う方向における接続部45の長さの比が上記した上限以下であれば、辺33Bが延びる方向において、接続部45が広がることが抑制される。そのため、第1ジョイント4Aの剛性を確実に低減できる。
【0119】
1.1.3.3 第1ジョイント4のフレーム2への接続
図3に示すように、第1ジョイント4Aは、フレーム2における第4部分26に接続する。つまり、第1ジョイント4Aは、フレーム2において、複数のフレーム端子131とピッチが同一である(比較的大きいピッチである)複数のフレーム延出線132Aが配置される第3部分25に接続するのではなく、複数のフレーム端子131よりピッチが小さい複数の収束線134Bが配置される第4部分26に接続する。
【0120】
第1ジョイント4Aは、第4部分26に接続する第2接続部46を含む。
図1に示すように、例えば、第2接続部46は、フレーム2におけるの辺23Aのフレーム中央領域29に接続する。
【0121】
フレーム中央領域29は、辺23Aにおいてフレーム中央部28を含む領域である。フレーム中央部28は、辺23Aにおける中央点およびその近傍部である。フレーム中央領域29は、辺23Aの長さの1/2の長さを有する。好ましくは、フレーム中央領域29は、辺23Aの長さの1/3の長さを有する。より好ましくは、フレーム中央領域29は、辺23Aの長さの1/4の長さを有する。
【0122】
好ましくは、第1ジョイント4Aは、辺23Aのフレーム中央部28に接続する。
【0123】
辺23Aの長さに対する、辺23Aに沿う方向における第2接続部46の長さの比(第2接続部46の長さ/辺23Aの長さ)は、例えば、0.3以下、好ましくは、0.25以下、より好ましくは、0.2以下であり、また、例えば、0.01以上である。
【0124】
辺23Aの長さに対する、辺23Aに沿う方向における第2接続部46の長さの比が上記した上限以下であれば、辺23Aが延びる方向において、第2接続部46が広がることが抑制される。そのため、第1ジョイント4Aの剛性を確実に低減できる。
【0125】
図4Aに示すように、本実施形態において、第1ジョイント4Aは、複数のスリット421,422,423と、複数の配線体部431,432と、グランド配線体部433,434と、を含む。
【0126】
1.1.3.4 スリット421,422,423
複数のスリット421,422,423のそれぞれは、第1ジョイント4が延びる方向に交差する方向(交差方向、好ましくは、直交方向)における第1ジョイント4の中間部に配置される。複数のスリット421,422,423は、交差方向に互いに間隔が隔てられる。複数のスリット421,422,423のそれぞれは、第1ジョイント4において第1ジョイント4が延びる方向の全体に配置される。複数のスリット421,422,423は、交差方向において向かって順に並ぶ。複数のスリット421,422,423は、配線体部431と、配線体部432と、グランド配線体部433と、グランド配線体部434と、を仕切る。複数のスリット421,422,423のそれぞれは、後述するベース絶縁層12およびカバー絶縁層14を厚み方向に貫通する。
【0127】
1.1.3.5 配線体部431,432
【0128】
配線体部431および配線体部432は、スリット421,422,423によって仕切られる。配線体部431および配線体部432は、交差方向において、互いに間隔が隔てられる。複数のスリット421,422,423は、配線体部431,432に沿って延びる。配線体部431および配線体部432のそれぞれは、4つのジョイント配線1341,1342,1343,1344と、ベース絶縁層12と、カバー絶縁層14と、を含む。換言すれば、第1ジョイント4は、4つのジョイント配線1341,1342,1343,1344と、ベース絶縁層12と、カバー絶縁層14と、を含む。
【0129】
ジョイント配線1341,1342,1343,1344は、交差方向において、互いに間隔が隔てられる。ジョイント配線1341,1342,1343,1344は、交差方向において、順に並ぶ。複数のスリット421,422,423は、ジョイント配線1341,1342,1343,1344に沿って延びる。本実施形態では、ジョイント配線1341,1342,1343,1344は、差動配線として機能できる。例えば、ジョイント配線1341およびジョイント配線1342は、差動ペアとして作動する。ジョイント配線1343およびジョイント配線1344は、差動ペアとして作動する。
【0130】
1つのベース絶縁層12は、配線体部431,432のそれぞれにおいて、厚み方向におけるジョイント配線1341,1342,1343,1344の他方面に接触する。
【0131】
1つのカバー絶縁層14は、配線体部431,432のそれぞれにおいて、ジョイント配線1341,1342,1343,1344をまとめて被覆する。カバー絶縁層14は、ジョイント配線1341,1342,1343,1344のそれぞれの一方面および外側面に接触する。
【0132】
1.1.3.6 グランド配線体部433,434
グランド配線体部433は、配線体部431とスリット421を隔てて配置される。グランド配線体部434は、配線体部432とスリット423を隔てて配置される。グランド配線体部433,434のそれぞれは、グランド配線1345と、ベース絶縁層12と、カバー絶縁層14と、を備える。
【0133】
1つのベース絶縁層12は、グランド配線体部433,434のそれぞれにおいて、厚み方向におけるグランド配線1345の下面に接触している。グランド配線1345は、ジョイント配線1341,1342,1343,1344に比べて、厚い。
【0134】
1つのカバー絶縁層14は、グランド配線体部433,434のそれぞれにおいて、グランド配線1345を被覆する。カバー絶縁層14は、厚み方向におけるグランド配線1345の一方面および外側面に接触する。
【0135】
図3に示すように、グランド配線1345は、フレーム2におけるフレームグランド端子131Gと電気的に接続される。具体的には、グランド配線1345は、グランド延出線134AGに対応する収束線134B、グランド延出線134AG、および、フレームグランド端子131Gを介して、フレーム2における金属支持層11と電気的に接続される。これによって、グランド配線1345は、フレームグランド端子131Gに接地される。
【0136】
図4Aに示すように、第1ジョイント4Aは、例えば、金属支持層11を含まない。金属支持層11は、厚み方向におけるベース絶縁層12の他方面に配置される層である。金属支持層11の材料は、例えば、上記した剛性材料である。
【0137】
第1ジョイント4Aは、ベース絶縁層12と、配線層13と、カバー絶縁層14と、を含む。好ましくは、第1ジョイント4Aは、ベース絶縁層12と、配線層13と、カバー絶縁層14と、のみを含む。
【0138】
1.1.3.7 第1ジョイント4Aにおけるベース絶縁層12
【0139】
第1ジョイント4Aにおいて、ベース絶縁層12は、厚み方向における第1ジョイント4Aの他方面を形成する。ベース絶縁層12は、厚み方向の他方側に向かって露出する。
【0140】
ベース絶縁層12は、上記した複数のスリット421,422,423を有する。複数のスリット421,422,423は、配線体部431,432の間と、配線体部431およびグランド配線体部433の間と、配線体部432およびグランド配線体部434の間と、に配置される。
【0141】
1.1.3.8 第1ジョイント4Aにおける配線層13
第1ジョイント4Aにおいて、配線層13は、上記したジョイント配線1341,1342,1343,1344と、上記した2つのグランド配線1345と、を備える。
【0142】
第1ジョイント4Aにおいて、配線層13は、厚み方向におけるベース絶縁層12の一方面に配置される。配線層13は、ベース絶縁層12の一方面に接触する。ジョイント配線1341,1342,1343,1344は、第1ジョイント4Aにおいて、交差方向(好ましくは、直交方向)において互いに間隔が隔てられる。
図3に示すように、ジョイント配線1341,1342,1343,1344は、複数の配線134と電気的にそれぞれ接続される。また、ジョイント配線1341,1342,1343,1344は、複数のフレーム配線132と電気的にそれぞれ接続される。つまり、複数のジョイント配線1341,1342,1343,1344は、フレーム2における複数のフレーム配線132と、搭載部3における複数の配線134とを電気的に接続する。
【0143】
1.1.3.9 第1ジョイント4Aにおけるカバー絶縁層14
図4Aに示すように、第1ジョイント4Aにおいて、カバー絶縁層14は、厚み方向における第1ジョイント4Aの一方面を形成する。カバー絶縁層14は、厚み方向の一方側に向かって露出する。カバー絶縁層14は、厚み方向においてベース絶縁層12の一方面に配置される。カバー絶縁層14は、複数のジョイント配線1341,1342,1343,1344と、グランド配線1345と、を被覆する。
【0144】
カバー絶縁層14は、上記した複数のスリット421,422,423を、ベース絶縁層12とともに有する。複数のスリット421,422,423のそれぞれは、カバー絶縁層14を厚み方向に貫通する。カバー絶縁層14における複数のスリット421,422,423のそれぞれを仕切る内側面は、ベース絶縁層12における複数のスリット421,422,423のそれぞれを仕切る内側面と面一である。
【0145】
1.1.3.10 第1ジョイント4Aの寸法
ジョイント配線1341,1342,1343,1344の厚みに対する、グランド配線1345の厚みの比は、例えば、0.5以上、好ましくは、0.8以上、より好ましくは、1以上であり、また、例えば、10以下である。ジョイント配線1341,1342,1343,1344の厚みは、フレーム配線132の厚みと同一である。グランド配線1345の厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、6μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。
【0146】
ジョイント配線1341,1342,1343,1344の幅、および、グランド配線1345の幅は、フレーム配線132の幅と同一である。
【0147】
複数の第1ジョイント4A,4B,4C,4Dのうち、長さが互いに同一であってもよく、または、相違してもよい。複数の第1ジョイント4A,4B,4C,4Dの長さが互いに相違する場合には、最も長い第1ジョイント4と、最も短い第1ジョイント4との長さの差は、例えば、3mm以下、好ましくは、2mm以下、より好ましくは、1.5mm以下である。最も長い第1ジョイント4と、最も短い第1ジョイント4との長さの差が上記した上限以下であれば、搭載部3の揺れ補正の精度を向上できる。
【0148】
複数の配線体部431,432のそれぞれの厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。複数の配線体部431,432のそれぞれの幅は、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、300μm以下である。
【0149】
グランド配線体部433,434のそれぞれの厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。グランド配線体部433,434のそれぞれの幅は、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、300μm以下である。
【0150】
スリット421,422,423のそれぞれの幅は、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、300μm以下である。
【0151】
1.1.4 第2ジョイント5
図1に示すように、第2ジョイント5は、フレーム2および搭載部3の間に配置される。第2ジョイントは、フレーム2および搭載部3を連結する。第2ジョイント5は、搭載部3における複数の辺33に対応して複数(2つ)備えられる。本実施形態では、2つの第2ジョイント5B,5Dのそれぞれは、2つの辺33B,33Dのそれぞれに対応する。
【0152】
具体的には、第2ジョイント5Bは、フレーム2における辺23Bと、搭載部3における辺33B(第1辺)と、を接続する。第2ジョイント5Bは、搭載部3における第1辺である辺33Bに接続する。辺33Bは、辺23Bに対する対向辺である。
【0153】
また、第2ジョイント5Dは、フレーム2における辺23Dと、搭載部3における辺33Dと、を接続する。換言すれば、第2ジョイント5Dは、搭載部3における第2辺である辺33Dに接続する。辺33Dは、辺23Dに対する対向辺である。本実施形態では、第2ジョイント5Dは、搭載部3に対して第2ジョイント5Bの反対側に配置される。
【0154】
搭載部3の周囲に沿う方向において、2つの第2ジョイント5B,5Dの間に、2つの第1ジョイント4B,4C(または第1ジョイント4D,4A)が配置される。換言すれば、本実施形態では、搭載部3の周囲に沿う方向において、1つの第2ジョイント5Bは、2つの第1ジョイント4A、4Bの間に位置する。搭載部3の周囲に沿う方向において、1つの第2ジョイント5Dは、2つの第1ジョイント4C、4Dの間に位置する。本実施形態では、搭載部3の周囲に沿う方向において、第1ジョイント4A,第2ジョイント5B,第1ジョイント4B,第1ジョイント4C,第2ジョイント5D,第1ジョイント4Dが、反時計回りに順に配置される。
【0155】
以下、第2ジョイント5Bの詳細を説明する。第2ジョイント5Dは、第2ジョイント5Bと同様の構成を有し、その詳細を省略する。
【0156】
1.1.4.1 第2ジョイント5Bの形状
図1に示すように、第2ジョイント5Bは、平面視において、直線形状を有する。また、第2ジョイント5は、辺23B、および、辺33Bのそれぞれについて傾斜してもよく、また、直交してもよい。なお、第2ジョイント5が、辺23B、および、辺33Bのそれぞれについて傾斜する場合には、第2ジョイント5と辺23Bとが成す鋭角α1は、例えば、5度以上、好ましくは、15度以上であり、また、例えば、90度未満である。第2ジョイント5と辺33Bとが成す鋭角α2は、例えば、5度以上、好ましくは、15度以上であり、また、例えば、90度未満である。
【0157】
また、第2ジョイント5Bは、第1ジョイント4Aの接続部45と、第1ジョイント4Bの第2接続部46とを結ぶ線分を横断する。
【0158】
第2ジョイント5Bは、辺33Bに接続する第1ジョイント4Aと厚み方向において重ならない。第2ジョイント5Bは、辺23Bに接続する第1ジョイント4Bと厚み方向において重ならない。つまり、第2ジョイント5Bは、平面視において、第1ジョイント4Aおよび第1ジョイント4Bのそれぞれと間隔が隔てられる。
【0159】
1.1.4.2 第2ジョイント5の搭載部3への接続
本実施形態では、第2ジョイント5Bは、辺33Bにおける中央領域34に接続する。具体的には、第2ジョイント5Bは、第1位置36に接続する。第1位置36は、中央領域34において、中央部35から辺33C側にずれている。第1位置36は、中央領域34に含まれる。
【0160】
1.1.4.3 第2ジョイント5のフレーム2への接続
本実施形態では、第2ジョイント5Bは、辺23Bにおけるフレーム中央領域29に接続する。具体的には、第2ジョイント5Bは、第4位置282に接続する。第4位置282は、フレーム中央領域29において、フレーム中央部28から辺23A側にずれている。第4位置282は、フレーム中央領域29に含まれる。
【0161】
1.1.4.3 第2ジョイント5Bの層構成
図4Aに示すように、第2ジョイント5Bは、ベース絶縁層12と、カバー絶縁層14と、を備える。本実施形態では、第2ジョイント5は、ベース絶縁層12と、カバー絶縁層14と、のみを備える。
【0162】
1.1.4.4 第2ジョイント5Bにおけるベース絶縁層12
第2ジョイント5Bにおいて、ベース絶縁層12は、厚み方向における第2ジョイント5Bの他方面を形成する。ベース絶縁層12は、厚み方向の他方側に向かって露出する。
第2ジョイント5Bにおけるベース絶縁層12の材料および厚みのそれぞれは、フレーム2におけるベース絶縁層12の材料および厚みのそれぞれと同一である。
【0163】
1.1.4.5 第2ジョイント5Bにおけるカバー絶縁層14
第2ジョイント5Bにおいて、カバー絶縁層14は、厚み方向における第2ジョイント5Bの一方面を形成する。カバー絶縁層14は、厚み方向の一方側に露出する。第2ジョイント5Bにおいて、カバー絶縁層14は、厚み方向におけるベース絶縁層12の一方面に配置される。カバー絶縁層14は、ベース絶縁層12の一方面に接触する。カバー絶縁層14の両側面のそれぞれは、例えば、ベース絶縁層12の両側面のそれぞれと面一である。第2ジョイント5Bにおけるカバー絶縁層14の材料および厚みのそれぞれは、フレーム2におけるカバー絶縁層14の材料および厚みのそれぞれと同一である。
【0164】
第2ジョイント5Bにおいて、カバー絶縁層14は、ベース絶縁層12とともに、ジョイント絶縁体部124を形成する。ジョイント絶縁体部124の厚みは、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。
【0165】
1.1.4.6 第2ジョイント5Bの寸法
図1に示すように、第2ジョイント5Bの長さは、例えば、0.5mm以上、好ましくは、1mm以上であり、また、例えば、20mm以下、好ましくは、15mm以下である。第2ジョイント5Bの長さは、第2ジョイント5Bが延びる方向の長さである。
【0166】
第2ジョイント5Bの幅は、例えば、100μm以上、好ましくは、500μm以上であり、また、例えば、8000μm以下、好ましくは、5000μm以下である。第2ジョイント5Bの幅は、第2ジョイント5Bが延びる方向に直交する方向の長さである。本実施形態では、第2ジョイント5Bの幅は、第2ジョイント5Bが延びる方向において、同一である。
【0167】
複数の配線体部431,432のそれぞれの幅に対する、第2ジョイント5Bの幅の比は、例えば、1以上、好ましくは、3以上であり、また、例えば、100以下、好ましくは、50以下である。
【0168】
1.1.5 中間基板1の準備方法
図5Aから
図5Cを参照して、中間基板1の準備方法を説明する。
【0169】
図5Aに示すように、この方法では、まず、ベース絶縁層12を、厚み方向における金属支持板110の一方面に形成する。
【0170】
金属支持板110は、金属支持層11を形成するための金属板である。金属支持板110は、金属支持層11と同じ材料からなり、金属支持層11と同じ厚みを有する。
【0171】
例えば、樹脂を、金属支持板110の一方面に塗布し、フォトリソグラフィーによって、フレーム2、搭載部3、第1ジョイント4および第2ジョイント5に対応するパターンを有するベース絶縁層12を形成する。この工程では、フレーム2のベース絶縁層12と、搭載部3のベース絶縁層12と、第1ジョイント4のベース絶縁層12と、第2ジョイント5のベース絶縁層12とを、同時に形成する。
【0172】
図5Bに示すように、次いで、配線層13を、厚み方向におけるベース絶縁層12の一方面に形成する。例えば、導体パターン形成法によって、配線層13を形成する。導体パターン形成法としては、例えば、アディティブ法、および、サブトラクティブ法が挙げられ、好ましくは、アディティブ法が挙げられる。アディティブ法で配線層13を形成するには、まず、フレーム2の配線層13と、搭載部3の配線層13の一部と、第1ジョイント4の配線層13とを、同時に形成する。搭載部3の配線層13の一部は、ジョイント配線1341,1342,1343,1344と、厚み方向におけるグランド配線1345の他方側部分(仮想線参照)である。その後、厚み方向におけるグランド配線1345の一方側部分(仮想線参照)を、グランド配線1345の他方側部分に積層する。
【0173】
図5Cに示すように、カバー絶縁層14を、厚み方向におけるベース絶縁層12の一方面に形成する。
【0174】
例えば、樹脂を、金属支持板110、ベース絶縁層12および配線層13の一方面に塗布し、フォトリソグラフィーによって、フレーム2、搭載部3、第1ジョイント4および第2ジョイント5に対応するパターンを有するカバー絶縁層14を形成する。この工程では、フレーム2のカバー絶縁層14と、搭載部3のカバー絶縁層14と、第1ジョイント4のカバー絶縁層14と、第2ジョイント5のカバー絶縁層14とを、同時に形成する。
【0175】
その後、
図4Aに示すように、金属支持板110を外形加工して、金属支持層11を形成する。外形加工としては、例えば、エッチング、打ち抜き、および、レーザーが挙げられる。外形加工として、好ましくは、生産性の観点から、エッチングが挙げられる。金属支持板110の外形加工によって、フレーム2と搭載部3との間における金属支持板110が除去される。これによって、第1ジョイント4および第2ジョイント5のそれぞれは、金属支持層11を含まない。
【0176】
これによって、中間基板1を準備する。
【0177】
1.2 第2工程
第2工程では、中間基板1を検査する。第2工程は、配線層13の導通検査と、金属支持層11、ベース絶縁層12およびカバー絶縁層14の外形検査と、を含む。
【0178】
第2工程における中間基板1を検査する際、フレーム2は、作業者または搬送装置によって把持される。そして、中間基板1が検査装置に搬送される。検査装置において、フレーム2が、検査台(図示せず)に載置される。フレーム2は、検査台に接触する。中間基板1の検査の後、中間基板1は、検査装置から取り出される。その後、フレーム2が作業者または搬送装置によって把持されながら、中間基板1が、次の第4工程に供される。
【0179】
1.3 第4工程
図4Bに示すように、第4工程は、第2工程の後に実施される。換言すれば、第4工程は、第1工程の後であって、第3工程の前に実施される。第4工程では、フレーム2が装置(搭載装置)に接触する。第4工程では、撮像素子105を搭載部3に搭載する。撮像素子105の電極1051と、搭載部3における複数の端子133とを、電気的に接続する。なお、図示しない実装基板を介して撮像素子105を搭載部3に搭載してもよい。
【0180】
併せて、外部基板106をフレーム2に実装する。外部基板106の電極1061と、フレーム2における複数のフレーム端子131とを、電気的に接続する。
【0181】
第4工程によって、撮像素子105が搭載された中間基板1が得られる。具体的には、撮像素子105が搭載部3に搭載され、外部基板106がフレーム2に実装された中間基板1が得られる。
【0182】
1.4 第3工程
図2および
図4Cに示すように、第3工程では、第2ジョイント5を除去する。第2ジョイント5の除去方法としては、例えば、シートカッターを用いる切断、エッチング、打ち抜き、および、レーザーが挙げられる。第2ジョイント5の除去方法として、好ましくは、生産性の観点から、切断、打ち抜き、および、レーザーが挙げられる。これによって、搭載部3は、第1ジョイント4のみを介して、フレーム2に支持される。
【0183】
第3工程によって、中間基板1から第2ジョイント5が除去されて、製品基板100が製造される。つまり、製品基板100は、第2ジョイント5を備えず、フレーム2と、搭載部3と、第1ジョイント4とを備える。製品基板100には、撮像素子105および外部基板106が搭載されている。
【0184】
2. 一実施形態の作用効果
この製造方法によれば、
図1および
図4Bに示すように、第2工程において、中間基板1が第2ジョイント5をまだ備える。そうすると、フレーム2を移動させても、搭載部3が第1ジョイント4および第2ジョイント5によってフレーム2に支持される。そのため、第2工程において、搭載部3の姿勢を安定させることができる。その結果、第2工程における中間基板1のハンドリング性に優れる。
【0185】
図2および
図4Cに示すように、第3工程では、第2ジョイント5を除去する。そのため、搭載部3は、第1ジョイント4のみによってフレーム2に支持される。そのため、製品基板100における搭載部3を確実に揺れ補正できる。
【0186】
図1に示すように、第1ジョイント4Aは、辺33Bと、辺33Bに対する非対向辺である辺23Aとを接続し、第2ジョイント5Bは、上記した辺33Bと、辺33Bに対する対向辺である23Bとを接続する。そのため、第1ジョイント4Aを、第2ジョイント5Bよりも、長くできる。その結果、長い第1ジョイント4Aの低反発性を向上できる。
一方、短い第2ジョイント5Bの剛性を向上できる。
【0187】
第1工程における中間基板1では、2つの第1ジョイント4Aおよび第1ジョイント4Cのそれぞれは、第1辺である辺33B、および、第2辺である辺33Dのそれぞれに接続する。第1工程における中間基板1では、2つの第2ジョイント5Bおよび第2ジョイント5Dのそれぞれは、第1辺である辺33B、および、第2辺である辺33Dのそれぞれに接続する。
【0188】
そのため、第2工程において、辺33Bおよび辺33Dが対向する方向における搭載部3の姿勢をより一層安定にできる。
【0189】
フレーム2および搭載部3のそれぞれは、金属支持層11を含むので、剛性を向上できる。
【0190】
第2ジョイント5は、金属支持層11を含むので、剛性を向上できる。そのため、第2工程における搭載部3のハンドリング性に優れる。
【0191】
また、第2ジョイント5Bは、第1ジョイント4A,4Bと重ならないので、第1工程における中間基板1の構成が簡易である。そのため、第3工程において第2ジョイント5を簡便に除去できる。
【0192】
図4Aに示すように、第1ジョイント4Aは、スリット421,422,423を有する。そのため、第1ジョイント4Aを脆弱にでき、第1ジョイント4Aの低反発性を向上できる。その結果、
図4Cに示すように、第3工程の後の製品基板100では、搭載部3をより一層確実に揺れ補正できる。
【0193】
この方法であれば、
図4Bに示すように、第2ジョイント5を除去する第3工程の前の第4工程で、搭載部3の姿勢を安定させることができる。そのため、撮像素子105を搭載部3に確実に搭載できる。
【0194】
3.変形例
以下の各変形例において、上記した一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、各変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、一実施形態およびその変形例を適宜組み合わせることができる。
【0195】
3.1 第1変形例
図6に示すように、第2ジョイント5は、ベース絶縁層12およびカバー絶縁層14を備えず、金属支持層11を備える。第1変形例では、第2ジョイント5は、金属支持層11のみを備える。第2ジョイント5における金属支持層11は、フレーム2における金属支持層11と同一の構成を有する。
【0196】
第1変形例では、第2ジョイント5は、金属支持層11を備えるので、第2ジョイント5がジョイント絶縁体部124から形成される一実施形態に比べて、第2ジョイント5の剛性に優れる。
【0197】
3.2 第2変形例
図7に示すように、第2ジョイント5は、ベース絶縁層12と、配線層13と、カバー絶縁層14と、を備える。つまり、第2変形例の第2ジョイント5は、
図4Aに示す一実施形態の第2ジョイント5におけるベース絶縁層12およびカバー絶縁層14に加えて、配線層13をさらに備える。
【0198】
第2変形例において、第2ジョイント5における配線層13は、一実施形態における配線層13と同一の構成を有する。但し、第2変形例では、第2ジョイント5における配線層13は、例えば、電気を搬送する作用を有さない。第2変形例では、配線層13は、ベース絶縁層12およびカバー絶縁層14(ジョイント絶縁体部124)に対する芯材であって、ジョイント絶縁体部124を補強する。
【0199】
第2変形例における第2ジョイント5の配線層13の幅は、第1ジョイント4におけるジョイント配線1341,1342,1343,1344の幅と同一であってもよく、または、広くてもよい。第2ジョイント5の配線層13の幅が、ジョイント配線1341,1342,1343,1344よりも広い場合には、ジョイント配線1341,1342,1343,1344の幅に対する第2ジョイント5の配線層13の幅の比は、例えば、1.5以上、好ましくは、2以上、より好ましくは、3以上であり、また、例えば、50以下である。
【0200】
3.2.1 第2変形例の作用効果
第2ジョイント5は、ベース絶縁層12に加えて、配線層13を備える。そのため、第2ジョイント5において、配線層13が、ベース絶縁層12を含むジョイント絶縁体部124を補強できる。
【0201】
3.3 第3変形例
図8に示すように、第2ジョイント5は、金属支持層11と、ベース絶縁層12と、を備える。
【0202】
3.4 第4変形例
図9に示すように、中間基板1は、4つの第2ジョイント5A,5B,5C,5Dを備える。第2ジョイント5Aは、フレーム2における辺23Aと、搭載部3における辺33Aと、を接続する。第2ジョイント5Cは、フレーム2における辺23Cと、搭載部3における辺33Cと、を接続する。
【0203】
第4変形例では、搭載部3の周囲に沿う方向において、第1ジョイント4と、第2ジョイント5とが交互に配置される。具体的には、搭載部3の周囲に沿う方向において、第2ジョイント5A,第1ジョイント4A,第2ジョイント5B,第1ジョイント4B,第2ジョイント5C,第1ジョイント4C,第2ジョイント5D,第1ジョイント4Dが、反時計回りに順に配置される。
【0204】
第4変形例は、一実施形態に比べて、第2ジョイント5の数が多いことから、第2工程における中間基板1のハンドリング性に優れる。
【0205】
対して、一実施形態は、第4変形例に比べて、第2ジョイント5の数が少ないことから、第3工程において第2ジョイント5を簡便に除去できる。
【0206】
3.5 第5変形例
図10に示すように、第2ジョイント5は、厚み方向において、第1ジョイント4と部分的に重なる。第5変形例では、厚み方向において、第2ジョイント5は、第1ジョイント4と交差する。
【0207】
第2ジョイント5Aは、交差部4A0を有する。交差部4A0では、第2ジョイント5Aと第1ジョイント4Aとが交差する。第2ジョイント5Bは、交差部4B0を有する。交差部4B0では、第2ジョイント5Bと第1ジョイント4Bとが交差する。第2ジョイント5Cは、交差部4C0を有する。交差部4C0では、第2ジョイント5Cと第1ジョイント4Cとが交差する。第2ジョイント5Dは、交差部4D0を有する。交差部4D0では、第2ジョイント5Dと第1ジョイント4Dとが交差する。
【0208】
第5変形例では、第2ジョイント5Aは、例えば、辺23Aおよび/または辺33Aに直交する。
【0209】
3.6 第6変形例
図11に示すように、中間基板1は、第3ジョイント8をさらに備える。
【0210】
3.6.1 第6変形例の第1工程
第1工程では、第3ジョイント8をさらに備える中間基板1を準備する。第6変形例の中間基板1は、
図9に示す第4変形例の中間基板1が第3ジョイント8をさらに備える構成を有する。
【0211】
中間基板1は、複数の第3ジョイント8A,8B,8C,8Dを備える。第3ジョイント8Aを詳説する。第3ジョイント8B,8C,8Dの説明は、省略する。
【0212】
第3ジョイント8Aは、フレーム2および第1ジョイント4を連結する。第3ジョイント8Aは、フレーム2における角24Aに接続する。角24Aは、フレーム2の内周縁20において、隣り合う辺23Aおよび辺23Bによって形成される。
【0213】
第3ジョイント8Aは、第1ジョイント4Aが延びる方向における第1ジョイント4Aの中間部に接続する。第3ジョイント8は、フレーム2の角24Aから、第1ジョイント4Aの中間部に延びる。但し、第3ジョイント8は、搭載部3に至らない。第3ジョイント8Aは、辺23Aについて傾斜する。
【0214】
3.6.2 第6変形例の第3工程
第6変形例の第3工程では、第3ジョイント8を、第2ジョイント5とともに除去する。そのため、製品基板100は、第2ジョイント5および第3ジョイント8(
図11参照)を備えない。
【0215】
3.6.3 第6変形例の作用効果
図11に示すように、この製造方法では、第1工程では、第1ジョイント4を支持する第3ジョイント8を備える中間基板1を準備するので、第2工程における第1ジョイント4の剛性を高めることができる。
【0216】
この製造方法では、第3工程で、第3ジョイント8を除去するので、搭載部3は、第1ジョイント4に支持される。そのため、搭載部3を確実に揺れ補正できる。
【0217】
3.7 第7変形例
図12に示すように、第7変形例では、2つの第2ジョイント5A,5A1が、1つの第1ジョイント4Aに対応して設けられる。第7変形例の中間基板1は、8つの第2ジョイント5A,5A1,5B,5B1,5C,5C1,5D,5D1を備える。
【0218】
第7変形例の中間基板1は、
図10に示す第5変形例の中間基板1における第2ジョイント5A,5B,5C,5Dに加え、第2ジョイント5A1,5B1,5C1,5D1をさらに備える。
【0219】
第2ジョイント5A1は、フレーム2における辺23Bと、搭載部3における辺33Bとを接続する。第2ジョイント5A1は、厚み方向において、第1ジョイント4Aと交差する。
【0220】
第2ジョイント5A1は、交差部4A0に加え、交差部4A1を有する。交差部4A1では、第2ジョイント5A1と第1ジョイント4Aとが、交差する。交差部4A1と、交差部4A0とは、第1ジョイント4Aの延びる方向において、間隔が隔てられる。第2ジョイント5B1は、交差部4B0に加え、交差部4B1を有する。交差部4B1では、第2ジョイント5B1と第1ジョイント4Bとが、交差する。交差部4B1と、交差部4B0とは、第1ジョイント4Bの延びる方向において、間隔が隔てられる。第2ジョイント5C1は、交差部4C0に加え、交差部4C1を有する。交差部4C1では、第2ジョイント5C1と第1ジョイント4Cとが、交差する。交差部4C1と、交差部4C0とは、第1ジョイント4Cの延びる方向において、間隔が隔てられる。第2ジョイント5D1は、交差部4D0に加え、交差部4D1を有する。交差部4D1では、第2ジョイント5D1と第1ジョイント4Dとが、交差する。交差部4D1と、交差部4D0とは、第1ジョイント4Dの延びる方向において、間隔が隔てられる。
【0221】
3.8 第8変形例
図13に示すように、第8変形例の中間基板1は、4つの第2ジョイント5A,5B1,5C,5D1を備える。具体的には、第8変形例の中間基板1は、
図12に示す中間基板1における8つの第2ジョイント5A,5A1,5B,5B1,5C,5C1,5D,5D1のうち、4つの第2ジョイント5A1,5B,5C1,5D(
図12参照)を備えない。
【0222】
3.9 第9変形例
中間基板1では、
図14に示すように、第1ジョイント4A,4B,4C,4Dのそれぞれは、サブジョイント4511、4512、4521,4522、4531,4532を備える。
【0223】
サブジョイント4511、4512は、スリット421が延びる方向において、スリット421を分割する。サブジョイント4511,4512は、スリット421が延びる方向において、間隔が隔てられる。
【0224】
サブジョイント4521,4522は、スリット422が延びる方向において、スリット422を分割する。サブジョイント4521、4522は、スリット422が延びる方向において、間隔が隔てられる。
図15に示すように、サブジョイント4521,4522のそれぞれは、配線体部431と、配線体部432とを連結する。また、サブジョイント4521,4522のそれぞれは、配線体部431のジョイント配線1344と、配線体部432のジョイント配線1341とを連結する。
【0225】
図14に示すように、第1ジョイント4が延びる方向に交差する方向(交差方向、好ましくは、直交方向)において、サブジョイント4511,4521,4531は、並ぶ。第1ジョイント4が延びる方向に交差する方向(交差方向、好ましくは、直交方向)において、サブジョイント4512,4522,4532は、並ぶ。
【0226】
サブジョイント4531,4532は、スリット421が延びる方向において、スリット423を分割する。サブジョイント4531,4532は、スリット423が延びる方向において、間隔が隔てられる。
【0227】
図15に示すように、サブジョイント4511、4512、4521,4522、4531,4532は、ベース絶縁層12を含む。本変形例では、サブジョイント4511、4512、4521,4522、4531,4532は、ベース絶縁層12のみを含む。
【0228】
第4変形例によれば、サブジョイント4521,4522によって、スリット422に起因して、第1ジョイント4A,4B,4C,4Dのそれぞれの剛性が過度に低下することを抑制できる。そのため、第1ジョイント4A,4B,4C,4Dのそれぞれの変形を抑制できる。そのため、第2工程において、搭載部3の姿勢を安定させることができる。その結果、第2工程における中間基板1のハンドリング性に優れる。
【0229】
3.10 第10変形例
図16に示すように、サブジョイント4511、4512、4521,4522、4531,4532は、ベース絶縁層12およびカバー絶縁層14を含む。本変形例では、サブジョイント4511、4512、4521,4522、4531,4532は、ベース絶縁層12およびカバー絶縁層14のみを含む。
【0230】
図示しないが、サブジョイント4511、4512、4521,4522、4531,4532は、カバー絶縁層14のみを含んでもよい。
【0231】
3.11 第11変形例
図17に示すように、中間基板1におけるフレーム2と搭載部3と第1ジョイント4とのそれぞれは、金属支持層11を備えない。
【0232】
3.12 第12変形例および第13変形例
図18および
図19に示すように、第12変形例および第13変形例のそれぞれは、第7変形例と、第9変形例とを組み合わせた構成を有する。2つの第2ジョイント5A,5A1は、1つの第1ジョイント4Aに対応して設けられる。第1ジョイント4A,4B,4C,4Dのそれぞれは、サブジョイント4511、4512、4521,4522、4531,4532を備える。
【0233】
図18に示すように、第12変形例では、サブジョイント4511,4521,4531は、交差部4A1に配置される。サブジョイント4512,4522,4532は、交差部4A0に配置される。
【0234】
図19に示すように、第13変形例では、サブジョイント4511,4521,4531は、交差部4A1と交差部4A0との間に配置される。
【0235】
3.13 第14変形例
第14変形例では、
図20Bおよび
図20Cに示すように、第4工程を、第3工程の後に実施する。
【0236】
第14変形例の製造方法は、第1工程(
図20A参照)と、第2工程と、第3工程(
図20B参照)と、第4工程(
図20C参照)と、を順に実施する。
【0237】
図20Bに示すように、第3工程では、中間基板1(
図20A参照)における第2ジョイント5を除去する。これによって、製品基板100を製造する。この製品基板100には、撮像素子105(
図20C参照)および外部基板106(
図20C参照)がまだ搭載されていない。
【0238】
図20Cに示すように、第4工程では、撮像素子105および外部基板106を製品基板100に搭載する。具体的には、撮像素子105を搭載部3に搭載し、外部基板106をフレーム2に実装する。
【0239】
一実施形態および第14変形例を比べると、一実施形態が好適である。一実施形態では、
図4Bに示すように、第4工程における撮像素子105を搭載部3に搭載するときに、搭載部3は、第1ジョイント4に加え、第2ジョイント5を介して、フレーム2に支持されるので、搭載部3の姿勢をより一層安定させることができる。そのため、第4工程において、撮像素子105を搭載部3に確実に搭載できる。
【0240】
3.14 他の変形例
一実施形態では、第2ジョイント5Bは、ベース絶縁層12およびカバー絶縁層14を含むが、図示しないが、ベース絶縁層12のみ、または、カバー絶縁層14のみを含んでもよい。
【0241】
一実施形態では、第1ジョイント4Aは、金属支持層11を含まないが、変形例では、第1ジョイント4は、金属支持層11を含んでもよい。
【0242】
一実施形態では、搭載部3は、矩形枠形状を有するが、内周縁39(
図1参照)を有さない矩形状であってもよい。
【0243】
搭載部3は、曲線形状を有してもよく、さらには、円形状であってもよい。この場合には、搭載部3の外周縁30は、辺を有しない。
【0244】
フレーム2は、曲線形状を有してもよく、さらには、円環形状であってもよい。この場合には、フレーム2の内周縁20は、辺を有しない。
【0245】
第2ジョイント5は、曲線形状および/または屈曲形状を有してもよい。曲線形状は、略波形状、S字形状、および、フック形状を含む。
【0246】
第4工程を、第1工程の後で、第2工程の前に実施することもできる。
【0247】
この変形例では、第4工程で撮像素子105を搭載部3に搭載し、その後、第2工程で、中間基板1を撮像素子105とともに検査できる。
【0248】
なお、上記した変形例では、撮像素子105を搭載した中間基板1が不良品であれば、撮像素子105が中間基板1とともに廃棄される。
【0249】
対して、一実施形態では、第4工程を第2工程の前に実施する。具体的には、第2工程で、中間基板1を検査して、中間基板1が不良品であれば、中間基板1を廃棄しても、第4工程において、別途、撮像素子105を、別の良品の中間基板1に搭載できる。つまり、撮像素子105の上記した廃棄を予防できる。以上より、一実施形態および上記した変形例のうち、一実施形態が好適である。
【0250】
第2ジョイント5の数は、1または3であってもよい。
【符号の説明】
【0251】
1 中間基板(配線回路基板の一例)
2 フレーム
3 搭載部
4,4A,4B,4C,4D 第1ジョイント
5,5A,5A1,5B,5B1,5C,5C1,5D,5D1 第2ジョイント
8,8A,8B,8C,8D 第3ジョイント
11 金属支持層
12 ベース絶縁層(絶縁層)
13 配線層
14 カバー絶縁層(絶縁層)
15 第3ジョイント
23A,23B,23C,23D 辺
30 外周縁
33A,33B,33C,33D 辺
100 製品基板(配線回路基板の一例)
105 撮像素子
134 配線
421,422,423 スリット
4511、4512、4521,4522、4531,4532 サブジョイント
1341,1342,1343,1344 ジョイント配線