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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167910
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】読影レポート作成装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 15/00 20180101AFI20241127BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
G16H15/00
A61B5/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024132131
(22)【出願日】2024-08-08
(62)【分割の表示】P 2020074088の分割
【原出願日】2020-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺井 公一
(72)【発明者】
【氏名】種元 貴行
(72)【発明者】
【氏名】畠山 徳之
(72)【発明者】
【氏名】森田 孝子
(72)【発明者】
【氏名】須田 波子
(57)【要約】
【課題】読影レポートの品質及び作成効率を向上すること。
【解決手段】読影レポート作成装置は、指示部、抽出部、生成部及び表示部を有する。指示部は、読影レポート作成画面に含まれる複数の入力項目の入力値の保存を指示する。抽出部は、前記指示部を介して保存が指示されたことを契機として、前記複数の入力項目の中から、値の入力が必須であり且つ値が入力されていない第1の入力項目を、及び/又は特定の入力項目に対して入力値が整合しない第2の入力項目を抽出する。生成部は、前記第1の入力項目及び/又は前記第2の入力項目が配置された表示領域を生成する。表示部は、前記表示領域を表示する。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読影レポート作成画面に含まれる複数の入力項目の入力値の保存を指示する指示部と、 前記指示部を介して保存が指示されたことを契機として、前記複数の入力項目の中から、値の入力が必須であり且つ値が入力されていない第1の入力項目を、及び/又は特定の入力項目に対して入力値が整合しない第2の入力項目を抽出する抽出部と、
を具備し、
前記複数の入力項目のうち1つは、比較読影項目であり、
過去検査に関する前記比較読影項目の入力値が「なし」であり、かつ今回検査に対応する前記過去検査に医用画像が含まれる場合、複写指示がなされたことを契機として、前記今回検査に関する前記比較読影項目に入力値として「あり」を入力する複写部、
を更に具備する読影レポート作成装置。
【請求項2】
読影レポート作成画面に含まれる複数の入力項目の入力値の保存を指示する指示部と、 前記指示部を介して保存が指示されたことを契機として、前記複数の入力項目の中から、値の入力が必須であり且つ値が入力されていない第1の入力項目を、及び/又は特定の入力項目に対して入力値が整合しない第2の入力項目を抽出する抽出部と、
を具備し、
前記複数の入力項目は、比較読影項目と経時的変化項目とを含み、
今回検査に関する前記比較読影項目の入力値が「あり」であり、前記今回検査に関する前記経時的変化項目の入力値は「不変」であり、かつ前記今回検査に対応する過去検査に医用画像が含まれない場合、警告を発する表示部、
を更に具備する読影レポート作成装置。
【請求項3】
前記第1の入力項目及び/又は前記第2の入力項目が配置された表示領域を生成する生成部と、
前記表示領域を表示する表示部と、
を更に具備する請求項1又は請求項2記載の読影レポート作成装置。
【請求項4】
前記生成部は、前記第1の入力項目と前記第1の入力項目に関連する入力済みの他の入力項目とが配置された前記表示領域を生成する、請求項3記載の読影レポート作成装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記第1の入力項目と前記他の入力項目とを視覚的に区別して表示する、請求項4記載の読影レポート作成装置。
【請求項6】
前記複数の入力項目各々について当該入力項目が値の整合を要求する特定の入力項目と、当該入力項目と前記特定の入力項目との間の整合性充足条件とを関連付けを記憶する記憶部を更に備え、
前記抽出部は、前記複数の入力項目のうちの処理対象の入力項目の入力値が、前記処理対象の入力項目に関連付けられた前記特定の入力項目の入力値との間で、前記処理対象の入力項目に関連付けられた前記整合性充足条件を満たすか否かを判定し、前記整合性充足条件を満たさないと判定した場合、前記処理対象の入力項目を、前記第2の入力項目として抽出する、
請求項1又は請求項2記載の読影レポート作成装置。
【請求項7】
前記整合性充足条件は、予め設定された2つの入力項目の入力値が整合することである、請求項6記載の読影レポート作成装置。
【請求項8】
前記整合性充足条件は、一次読影と一次読影以後に行われた高次読影とで同一の入力項目の入力値が一致することである、請求項6記載の読影レポート作成装置。
【請求項9】
前記整合性充足条件は、今回検査と過去検査とで同一の入力項目の入力値が一致することである、請求項6記載の読影レポート作成装置。
【請求項10】
複写指示がなされたことを契機として、今回検査に関し前記複数の入力項目のうちの所定の入力項目に、過去検査に関する前記所定の入力項目の入力値を複写する複写部、を更に備える請求項2記載の読影レポート作成装置。
【請求項11】
前記所定の入力項目の入力値は、前記複数の入力項目の入力値又は前記複数の入力項目の一部項目の入力値の何れか一であり、
前記一部項目の入力値は、前記複数の入力項目のうちのシェーマ項目に対するアノテーションと、前記シェーマ項目以外の所見項目の入力値と、前記シェーマ項目に対する前記アノテーション、所見属性に対する入力値及びカテゴリに対する入力値との何れか1つである、
請求項10記載の読影レポート作成装置。
【請求項12】
前記読影レポート作成画面は、所見入力領域と総合評価入力領域とを有し、
前記指示部は、前記所見入力領域と前記総合評価入力領域とに個別に保存を指示し、
前記抽出部は、前記所見入力領域と前記総合評価入力領域との各々について前記第1の入力項目及び/又は前記第2の入力項目を抽出し、
前記生成部は、前記所見入力領域と前記総合評価入力領域との各々について前記表示領域を生成し、
前記表示部は、前記所見入力領域と前記総合評価入力領域との各々について前記表示領域を順番に表示する、
請求項3記載の読影レポート作成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、読影レポート作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医用画像に基づいて読影レポートが作成されている。例えば、マンモグラフィ装置により撮影されたマンモグラフィ画像に基づいて読影レポートが作成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-113540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、読影レポートの品質及び作成効率を向上することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る読影レポート作成装置は、指示部、抽出部、生成部及び表示部を有する。指示部は、読影レポート作成画面に含まれる複数の入力項目の入力値の保存を指示する。抽出部は、前記指示部を介して保存が指示されたことを契機として、前記複数の入力項目の中から、値の入力が必須であり且つ値が入力されていない第1の入力項目を、及び/又は特定の入力項目に対して入力値が整合しない第2の入力項目を抽出する。生成部は、前記第1の入力項目及び/又は前記第2の入力項目が配置された表示領域を生成する。表示部は、前記表示領域を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態に係る読影レポート作成装置の構成例を示す図である。
図2図2は、読影レポート作成装置の作成環境の一例を示す図である。
図3図3は、タブレット端末に表示される手書き入力画面の一例を示す図である。
図4図4は、ディスプレイに表示される読影レポート表示画面の一例を示す図である。
図5図5は、読影レポート作成装置による読影レポートの作成処理の流れの一例を示す図である。
図6図6は、所見項目に関する抽出項目表示ウィンドウの一例を示す図である。
図7図7は、所見項目に関する抽出項目表示ウィンドウの他の例を示す図である。
図8図8は、総合評価項目に関する抽出項目表示ウィンドウの一例を示す図である。
図9図9は、総合評価項目に関する抽出項目表示ウィンドウの他の例を示す図である。
図10図10は、応用例1に係る一次読影及び二次読影間の整合性判定処理を模式的に示す図である。
図11図11は、応用例2に係る今回検査及び比較検査間の整合性判定処理を模式的に示す図である。
図12図12は、応用例3に係る処理の一例を模式的に示す図である。
図13図13は、応用例4に係る処理の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、読影レポート作成装置の実施形態について詳細に説明する。
【0008】
本実施形態に係る読影レポート作成装置100は、操作者による読影レポートを作成するための装置である。読影レポートを作成するための種々の情報を管理するサーバ(図示せず)と通信し、読影レポート作成が実行される。具体的には、例えば、サーバは、読影オーダ情報および患者情報を受信すると、管理リストを更新する。管理リストは、読影オーダに対する読影レポート作成が実施済みであるか又は未実施であるかを管理するリストである。読影レポート作成装置100は、未実施の読影オーダを取得し、当該読影オーダに関する読影レポートを作成する。完成した読影レポートは、サーバに送信される。これにより、サーバの管理リストが更新される。なお、操作者は、読影医を想定するが、他の医師や看護師、技師等の医療従事者、あるいは、患者その他の第三者を排除するものではない。
【0009】
図1は、本実施形態に係る読影レポート作成装置100の構成例を示す図である。図1に示すように、読影レポート作成装置100は、処理回路1、メモリ2、入力インタフェース3、通信インタフェース4、ディスプレイ5及びタブレット端末6を有する。
【0010】
処理回路1は、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサを有する。処理回路1は、読影レポートを作成するため、当該プロセッサがメモリ2等にインストールされた読影レポート作成プログラムを起動することにより、入力機能11、複写機能12、保存指示機能13、抽出機能14、表示領域生成機能15及び表示制御機能16等を実現する。なお、各機能11-16は単一の処理回路で実現される場合に限らない。複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能11-16を実現するものとしても構わない。また、入力機能11、複写機能12、保存指示機能13、抽出機能14、表示領域生成機能15及び表示制御機能16は、それぞれ、読影レポート作成プログラムを構成するモジュール化されたプログラムであってもよいし、個別のプログラムであってもよい。これらプログラムはメモリ2に記憶される。
【0011】
入力機能11は、読影レポート作成画面に含まれる複数の入力項目に値を入力する。入力機能11は、入力インタフェース3又はタブレット端末6を介した読影医の指示に従い値を入力してもよいし、所定のアルゴリズムに従い決定された値を入力してもよい。入力項目は、「所見属性」や「カテゴリ」、「比較読影」、「シェーマ」、「キー画像」など、読影レポート作成画面に入力され得るあらゆる項目を指す。また、入力項目の値は、入力項目「所見属性」に対する「びまん」「散在性」等の文章、入力項目「カテゴリ」に対する「3」「5」等の数値又は記号、入力項目「比較読影」に対する「あり」「なし」等の定型文、入力項目「シェーマ」に対する手書き入力された病変部位、入力項目「キー画像」に対する添付されたキー画像など、入力項目に入力されるあらゆる情報を指す。
【0012】
複写機能12は、入力インタフェース3又はタブレット端末6を介した複写指示に従い、入力対象の入力項目に、他の入力項目の入力値を複写(コピー)する。
【0013】
保存指示機能13は、入力インタフェース3又はタブレット端末6を介した複写指示に従い、入力項目の入力値の保存を指示する。保存が指示された入力値は、メモリ2に保存される。
【0014】
抽出機能14は、保存指示機能13を介して保存が指示されたことを契機として、複数の入力項目のうちの、値の入力が必須であり且つ値が入力されていない第1の入力項目を、及び/又は特定の入力項目に対して入力値が整合しない第2の入力項目を、複数の入力項目の中から抽出する。以下、抽出された第1の入力項目を未入力項目、抽出された第2の入力項目を不整合項目と呼ぶことにする。
【0015】
表示領域生成機能15は、抽出機能14において抽出された未入力項目及び/又は不整合項目が配置された表示領域を生成する。以下、生成された表示領域を抽出項目表示ウィンドウと呼ぶことにする。
【0016】
表示制御機能16は、種々の情報をディスプレイ5及びタブレット端末6に表示する。例えば、表示制御機能16は、読影レポート作成画面や抽出項目表示ウィンドウをディスプレイ5やタブレット端末6に表示する。
【0017】
メモリ2は、種々の情報を記憶するROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。メモリ2は、上記記憶装置以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の可搬型記憶媒体や、半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。また、メモリ2は、読影レポート作成装置100にネットワークを介して接続された他のコンピュータ内にあってもよい。
【0018】
入力インタフェース3は、読影医からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路1に出力する。具体的には、入力インタフェース3は、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等の入力機器に接続されている。入力インタフェース3は、当該入力機器への入力操作に応じた電気信号を処理回路1へ出力する。また、入力インタフェース3に接続される入力機器は、ネットワーク等を介して接続された他のコンピュータに設けられた入力機器でも良い。
【0019】
通信インタフェース4は、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)や放射線情報システム(RIS:Radiology Information System)、PACS(Picture Archiving and Communication System)、医用画像診断装置等の他のコンピュータとの間で種々の医療情報をデータ通信するためのインタフェースである。例えば、通信インタフェース4は、医用画像診断装置やPACSから医用画像を受信する。
【0020】
ディスプレイ5は、処理回路1の表示制御機能16に従い種々の情報を表示する。例えば、ディスプレイ5は、読影レポート作成画面や抽出項目表示ウィンドウを表示する。ディスプレイ5としては、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイ又は他の任意のディスプレイが適宜使用可能である。また、ディスプレイ5の代わり又はディスプレイ5と併用して、プロジェクタが設けられてもよい。
【0021】
タブレット端末6は、タッチパネルが搭載されたディスプレイを有する携帯型のコンピュータである。タブレット端末6は、処理回路1の表示制御機能16に従い種々の情報をディスプレイに表示する。例えば、ディスプレイ5は、読影レポート作成画面や抽出項目表示ウィンドウを表示する。タブレット端末6は、読影医によるタッチパネルに対する各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路1に出力する。タブレット端末6は、スマートフォンやノートパソコンにより代用可能である。
【0022】
以下、読影レポート作成装置100の動作例について説明する。なお、以下の実施形態は、マンモグラフィ検査における読影レポートの作成を例に挙げて説明する。しかしながら、本実施形態に係る読影レポートは、如何なる部位を対象としてもよく、読影対象の医用画像は、如何なる医用画像診断装置の如何なる種類の医用画像にも適用可能である。
【0023】
マンモグラフィ検査においては、マンモグラフィ装置により、受診者の左乳房及び右乳房各々がMLO(mediolateral oblique view)やCC(craniocaudal view)等の撮影方向からX線撮影され、左乳房のX線画像及び右乳房のX線画像が生成される。読影医は、左乳房のX線画像及び右乳房のX線画像を読影して読影レポートを作成する。乳房のX線画像はマンモグラフィ画像とも呼ばれる。
【0024】
図2は、読影レポート作成装置100の作成環境の一例を示す図である。図2に示すように、読影レポート作成装置100は、タブレット端末6とデスクトップPC(Personal Computer)7とを有する。デスクトップPC7は、処理回路1、メモリ2、入力インタフェース3、通信インタフェース4及びディスプレイ5を有する。タブレット端末6とデスクトップPC7とは有線又は無線を介して種々の情報が送受信される。タブレット端末6とデスクトップPC7とに読影レポート作成画面が表示される。本実施形態に係る読影レポート作成画面は、手書き入力画面と読影レポート表示画面とを含む。タブレット端末6には、手書き入力画面が表示され、デスクトップPC7には本体画面である読影レポート表示画面が表示される。読影医等の読影医は、タブレット端末6を介して各所見に関する入力項目を手書きで入力し、デスクトップPC7を用いてマンモグラフィ画像の読影作業や読影レポートの確認作業等を行い、読影レポートを作成する。読影レポートは、マンモグラフィ検査の複数の受診者について一人一人順番に作成される。
【0025】
図3は、タブレット端末6に表示される手書き入力画面20の一例を示す図である。図4は、ディスプレイ5に表示される読影レポート表示画面30の一例を示す図である。手書き入力画面20は、読影レポート表示画面30において指定された受診者に関する所見を入力するための表示領域である。読影レポート表示画面30は、読影レポート作成画面のメイン画面であり、受診者毎の読影レポートの表示領域である。
【0026】
図3に示すように、手書き入力画面20は、所見入力ウィンドウ21、所見表示ウィンドウ22及び総合評価入力ウィンドウ23を有する。図3に示すように、所見入力ウィンドウ21には、所見に関する種々の入力項目(以下、所見項目と呼ぶ)及びその入力値が表示される。所見項目としては、例えば、「シェーマ」や「所見属性」、「カテゴリ」がある。所見入力ウィンドウ21は、具体的には、シェーマ表示領域211、所見入力領域212、カテゴリ入力領域213及び登録ボタン214を有する。シェーマ表示領域211には、検査対象である右乳房及び左乳房の模式図(シェーマ)が表示される。シェーマには、タブレット端末6のタッチパネルを介して病変部位のアノテーションが自由記入形式で描画される。アノテーションは、病変毎に、色や線種等により視覚的に区別可能に表示されるとよい。所見入力領域212には、所見属性の定型文に対応するGUIボタンが表示される。所見属性は、「腫瘤」や「石灰化」等の病変の種類により区分される。所見属性は、更に、各病変の特徴量等の観点により区分され、各観点についての典型的な評価に対応する定型文が用意されている。例えば、病変「石灰化」の場合、「明らかな良性」、「形態」及び「分布」等の観点にと区分され、例えば、観点「分布」の場合、「びまん」、「散在性」、「領域性」、「集簇性」、「区域性」及び「線状」等の評価毎にGUIボタンが表示される。カテゴリ入力領域213には、カテゴリに対応するGUIボタンが表示される。カテゴリとしては、如何なる機関により定められたカテゴリが用いられてもよい。例えば、日本のマンモグラフィガイドラインのカテゴリは、「1」から「5」までの5段階に区分される。登録ボタン214は、所見入力ウィンドウ21に入力された入力値の保存を指示するためのGUIボタンである。
【0027】
図3に示すように、所見表示ウィンドウ22は、所見入力ウィンドウ21に入力された各所見項目の入力値に応じた所見を病変毎に表示する。例えば、病変毎にカテゴリ、病変位置及び所見属性が表示される。例えば、2番目の病変部位は、カテゴリ「4」であり右乳房の領域「M」に存在し、病種「石灰化」、形態「多形性」、分布「領域性」である。なお、乳房に関する病変部位は右乳房、両乳房及び左乳房に類型化される。カテゴリの数値又は記号(以下、カテゴリ値と呼ぶ)の表示領域は、右乳房、両乳房及び左乳房にそれぞれ対応して右、中央及び左に区分されており、カテゴリ値は当該病変部位の位置に対応する表示領域に表示される。例えば、2番目の病変部位の位置は右乳房であるので、カテゴリ表示領域内の右側にカテゴリ値「4」が表示される。このように、カテゴリ表示領域のうちの病変部位に対応する位置にカテゴリ値を表示することにより、読影医は、カテゴリ値を確認するだけで、その病変部位の位置を直感的に把握することができる。
【0028】
図3に示すように、総合評価入力ウィンドウ23は、乳房全体に関する総合評価に関する入力項目(以下、総合評価項目と呼ぶ)及びその入力値を表示する。総合評価項目としては、例えば、「乳房の構成」、「カテゴリ」、「経時的変化」、「比較読影」、「判定」、「手術」、「インプラント」がある。総合評価入力ウィンドウ23には、総合評価に関する入力項目毎に、定型文がGUIボタン又はプルダウンメニューにより表示される。また、総合評価入力ウィンドウ23は、一時保存ボタン231、確定・前検査ボタン232、確定・閉じるボタン233及び確定・次検査ボタン235が表示される。一時保存ボタン231は、総合評価入力ウィンドウ23に入力された入力値の一時的な保存を指示するGUIボタンである。確定・前検査ボタン232は、総合評価入力ウィンドウ23に入力された入力値の保存を指示し、手書き入力画面20を今回検査の画面から1コ前の検査番号に対応する前検査の画面への切り替えを指示するGUIボタンである。確定・閉じるボタン233は、総合評価入力ウィンドウ23に入力された入力値の保存を指示し、手書き入力画面20の表示の終了を指示するGUIボタンである。確定・次検査ボタン235は、総合評価入力ウィンドウ23に入力された入力値の保存を指示し、手書き入力画面20を今回検査の画面から1コ後の検査番号に対応する次検査の画面への切り替えを指示するGUIボタンである。
【0029】
図4に示すように、読影レポート表示画面30は、基本情報表示領域31、今回検査表示領域32及び過去検査表示領域33等を有する。基本情報表示領域31には、受診者の今回検査の患者情報及び検査情報が表示される。なお、今回検査は、読影レポートの作成対象のマンモグラフィ検査を意味する。今回検査表示領域32には、タブレット端末6を用いて手書き入力画面20を介して作成された読影レポートが表示される。過去検査表示領域33には、受診者の過去検査の読影レポートが表示される。過去検査表示領域33は、過去検査一覧331と過去レポート表示領域332とを有する。過去検査一覧331には、受診者に対して実施された過去の検査の一覧が表示される。過去レポート表示領域332には、過去検査一覧331において選択された一の過去検査の読影レポートが表示される。今回検査表示領域32に更にコピーボタン321が、過去検査表示領域33には更にコピーボタン333が表示される。コピーボタン321は、一次読影の所定の入力項目の入力値を、二次読影の当該所定の入力項目にコピーするためのGUIボタンである。コピーボタン333は、過去検査一覧331において選択された一の過去検査の読影レポートの所定の入力項目の入力値を、今回検査の当該所定の入力項目にコピーするためのGUIボタンである。
【0030】
次に、読影レポート作成装置100による読影レポートの作成処理について説明する。
【0031】
図5は、読影レポート作成装置100による読影レポートの作成処理の流れの一例を示す図である。
【0032】
まず、処理回路1は、表示制御機能16の実現により、読影レポート作成画面をタブレット端末6に表示する(ステップS1)。より詳細には、処理回路1は、図3に示す手書き入力画面20をタブレット端末6のディスプレイに、読影レポート作成画面30をディスプレイ5に表示する。
【0033】
ステップS1が行われると処理回路1は、入力機能11の実現により、所見に関する入力項目(所見項目)に値を入力する(ステップS2)。より詳細には、読影医によるタブレット端末6を介した指示に従い処理回路1は、所見項目に値を入力する。例えば、読影医は、以下のように所見項目への値の入力作業を行う。まず、図3に示す手書き入力画面20の所見入力ウィンドウ21のシェーマ表示領域211に、タッチパネルを介して、シェーマに重畳してアノテーションを描画する操作を行う。アノテーションは、フリーハンドで描画される。当該操作に呼応して処理回路1は、所見項目「シェーマ」に、アノテーションが示す病変部位を値として入力する。次に読影医は、シェーマに入力した病変部位について所見属性を入力する。具体的には、読影医は、図3に示す所見入力領域212において表示された所見属性の定型文のGUIボタンを、タッチパネルを介して操作する。当該操作に呼応して処理回路1は、所見項目「所見属性」に、指定した所見属性の定型文を値として入力する。次に読影医は、シェーマに入力した病変部位及び所見属性についてカテゴリを入力する。具体的には、読影医は、図3に示すカテゴリ入力領域123に表示されたカテゴリ値のGUIボタンを、タッチパネルを介して指定する操作を行う。当該操作に呼応して処理回路1は、所見項目「カテゴリ」に、指定したカテゴリ値を入力する。各所見項目の入力値は、表示制御機能16により手書き入力画面20に表示される。
【0034】
なお、所見属性の入力例は、一例であり、例えば、所見の文章を自由記入式で入力されてもよい。また、シェーマへのアノテーションの描画は、予め用意された定型のスタンプにより入力されてもよい。
【0035】
ステップS2が行われると処理回路1は、保存指示機能13の実現により、保存指示を行う(ステップS3)。ステップS2において所見項目の入力作業が終了すると読影医は、図3に示す登録ボタン214を、タッチパネルを介して押下する操作を行う。タブレット端末6からの当該操作に応じた指令を処理回路1は保存指示として受け取る。
【0036】
ステップS3において保存指示がなされたことを契機として処理回路1は、抽出機能14の実現により、手書き入力画面20に表示されている所見項目の中から未入力項目及び/又は不整合項目の有無を判定する(ステップS4)。以下、未入力項目に関する処理と不整合項目に関する処理とについて説明する。
【0037】
まず、未入力項目に関する処理について説明する。手書き入力画面20に表示されている複数の所見項目は、予め入力必須項目又は入力任意項目に設定されている。手書き入力画面20に表示される所見項目に関しては、例えば、カテゴリが入力必須項目に設定され、シェーマや所見属性は入力任意項目に設定される。ステップS4において処理回路1は、手書き入力画面20に表示されている入力必須項目の中から値が入力されていない所見項目が未入力項目であると判定される。値が入力されていない所見項目であっても入力任意項目であれば、当該所見項目は、未入力項目として判定されなくてよい。
【0038】
次に、不整合項目に関する処理について説明する。手書き入力画面20に表示されている複数の所見項目各々について、当該所見項目(以下、整合性判定項目と呼ぶ)が整合性を要求する他の所見項目(以下、整合性要求項目と呼ぶ)と整合性充足条件とが設定される。整合性充足条件は、整合性判定項目の入力値と整合性要求項目の入力値とが論理的及び医学的等の種々の観点から整合しているといえるために必要な、両入力値の関係性に規定される。整合性は、整合性判定項目の性質と、整合性要求項目の性質と、整合性判定項目及び整合性要求項目の組合せとに応じて決定される。整合性判定項目と整合性要求項目と整合性充足条件とは、例えば、LUT(Look Up Table)において関連付けて登録されている。以下、当該LUTを整合性判定テーブルと呼ぶことにする。整合性判定テーブルはメモリ2等に記憶されている。処理回路1は、整合性判定テーブルにおいて整合性判定項目に関連付けられた整合性要求項目の入力値を読み出す。また、処理回路1は、整合性判定テーブルにおいて整合性判定項目に関連付けられた整合性充足条件を読み出す。そして処理回路1は、整合性判定項目の入力値と整合性要求項目の入力値とが整合性充足条件を満たしているか否かを判定する。整合性充足条件を満たしている場合、整合性判定項目及び整合性要求項目は、不整合項目として抽出されず、整合性充足条件を満たしていない場合、不整合項目として抽出されることとなる。
【0039】
例えば、カテゴリ値が2以上である場合、当該病変部位は何らかの所見属性を呈しているので、所見項目「カテゴリ」の入力値が「2」以上である場合、所見項目「所見属性」に値が入力されるべきである。この場合、例えば、整合性判定項目「所見属性」、整合性要求項目「カテゴリ」、整合性充足条件「カテゴリ値が2以上である場合、所見属性が未入力でない」に設定される。反対に、整合性判定項目「カテゴリ」、整合性要求項目「所見属性」、整合性充足条件「所見属性に値が入力されていない場合、カテゴリ値は1である」等に設定される。例えば、所見項目「カテゴリ」の入力値が「4」であるのに、所見項目「所見属性」の値が未入力である場合、所見項目「カテゴリ」及び「所見属性」が不整合項目であると判定される。なお、整合性判定項目と整合性要求項目とは不整合項目の一例である。
【0040】
ステップS4が行われると処理回路1は、抽出機能14の実現により、未入力項目及び/又は不整合項目があるか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5において処理回路1は、少なくとも一つ未入力項目又は不整合項目があると判定された場合、未入力項目及び/又は不整合項目があると判定し、一つも未入力項目及び不整合項目があると判定されなかった場合、未入力項目及び/又は不整合項目がないと判定する。
【0041】
ステップS5において未入力項目及び/又は不整合項目があると判定された場合(ステップS5:YES)、処理回路1は、抽出機能14の実現により、ステップS4において判定された未入力項目及び/又は不整合項目を抽出する(ステップS6)。
【0042】
ステップS6が行われると処理回路1は、表示領域生成機能15の実現により、ステップS6において抽出された未入力項目及び/又は不整合項目が配置された表示ウィンドウ(抽出項目表示ウィンドウ)を生成する(ステップS7)。ステップS7が行われると処理回路1は、表示制御機能16の実現により、ステップS7において生成された抽出項目表示ウィンドウを、タブレット端末6に表示する(ステップS8)。
【0043】
ここで、ステップS7-S8について具体的に説明する。所見項目に関する抽出項目表示ウィンドウは、ステップS6において抽出された未入力項目及び/又は不整合項目の全てを一の表示ウィンドウに配置することにより生成される。具体的には、未入力項目及び/又は不整合項目のGUI部品を表示ウィンドウに配置することにより抽出項目表示ウィンドウが生成される。処理回路1は、抽出項目表示ウィンドウを、手書き入力画面20に重畳して表示しもよいし、手書き入力画面20を消去したうえで表示してもよい。
【0044】
図6は、抽出項目表示ウィンドウ40の一例を示す図である。図6は、ステップS6において未入力項目「カテゴリ」が抽出された場合の抽出項目表示ウィンドウ40を例示している。この場合、抽出項目表示ウィンドウ40には、未入力項目「カテゴリ」のGUIボタン401が配置されている。GUIボタン401は、タッチパネル等を介して押下可能な、複数のカテゴリ値にそれぞれ対応する複数のGUIボタンから構成されている。図6に示す抽出項目表示ウィンドウ40には、未入力項目「カテゴリ」のGUIボタン401のみが配置され、入力済項目「シェーマ」や入力済項目「所見属性」等のGUIボタンは配置されない。未入力項目のみが配置された抽出項目表示ウィンドウ40が表示されることにより、読影医は、入力必須項目への値の入力し忘れに気づくことができ、処理回路1は、入力必須項目への値の入力し忘れのない読影レポートを作成することができる。
【0045】
図6に示すように、所見項目に関する抽出項目表示ウィンドウ40には、キャンセルボタン51及び登録ボタン52が配置される。キャンセルボタン51が押下された場合、処理回路1は、抽出項目表示ウィンドウ40を消去する。この場合、ステップS3において入力された保存指示はキャンセルされ、手書き入力画面20が表示される。読影医は、ステップS2と同様、手書き入力画面20において未入力の入力必須項目に値を入力する作業を行うこととなる。登録ボタン52が押下された場合、処理回路1は、保存指示機能13の実現により、ステップS3と同様、抽出項目表示ウィンドウ40に表示された未入力項目に入力された値の保存指示を行う。
【0046】
図7は、所見項目に関する抽出項目表示ウィンドウ41の他の例を示す図である。図7は、ステップS6において不整合項目「所見属性」及び「カテゴリ」が抽出された場合の抽出項目表示ウィンドウ41を例示している。より具体的には、所見項目「カテゴリ」の入力値が「4」であるにも関わらず、所見項目「所見属性」が未入力である事例である。この場合、上述のように、所見項目「所見属性」及び「カテゴリ」が不整合項目として抽出される。
【0047】
図7に示すように、抽出項目表示ウィンドウ41には、不整合項目「所見属性」のGUIボタン411、不整合項目「カテゴリ」のGUIボタン412、キャンセルボタン51及び登録ボタン52が配置される。整合性の不一致を読影医が確認しやすいように、不整合項目「所見属性」及び「カテゴリ」にそれぞれ対応するGUIボタン411及びGUIボタン412が並べて表示される。また、保存指示前に既に値が入力されている場合、不整合項目と共に入力値が表示されるとよい。例えば、「カテゴリ」のGUIボタン412のうちの、保存指示前に入力された値「4」に対応するGUIボタンが強調されている。不整合項目のみが配置された抽出項目表示ウィンドウ41が表示されることにより、読影医は、所見項目間の値の不整合に気づくことができ、処理回路1は、不整合のない読影レポートを作成することができる。
【0048】
なお、上述の抽出項目表示ウィンドウは一例であり、これに限定されない。例えば。未入力項目又は不整合項目が「シェーマ」である場合、抽出項目表示ウィンドウに「シェーマ」のGUI部品が配置される。また、未入力項目と不整合項目とが抽出された場合、一の抽出項目表示ウィンドウに未入力項目のGUIボタンと不整合項目のGUIボタンとが配置されてもよい。
【0049】
ステップS8が行われると処理回路1は、ステップS2に戻り、抽出項目表示ウィンドウに表示された未入力項目及び/又は不整合項目に値を入力し、ステップS5において未入力項目及び/又は不整合項目が有ると判定されなくなるまで、ステップ2からステップS8を繰り返す。
【0050】
ステップS5において未入力項目及び/又は不整合項目が無いと判定された場合(ステップS5:NO)、処理回路1は、保存指示機能13の実現により、ステップS2において入力された所見項目の入力値をメモリ2に保存する(ステップS9)。メモリ2は、患者情報や検査情報と共に、病変部位毎に所見項目の入力値を記憶する。
【0051】
ステップS2からステップS8は病変部位毎に行われる。例えば、読影医は、一の病変部位のアノテーションをシェーマに描き、当該病変部位に対する所見属性とカテゴリ値とを入力し、登録ボタン214を押下する。そして入力値の保存が行われた場合、読影医は、次の病変部位のアノテーションをシェーマに描き、当該病変部位に対する所見属性とカテゴリとを入力し、登録ボタン214を押下する。このようにして、全ての病変部位について所見が入力される。
【0052】
ステップS9が行われると処理回路1は、入力機能11の実現により、総合評価に関する入力項目(総合評価項目)に値を入力する(ステップS10)。より詳細には、読影医によるタブレット端末6を介した指示に従い処理回路1は、総合評価項目に値を入力する。例えば、読影医は、以下のように合評価項目への値の入力作業を行う。まず、図3に示す手書き入力画面20の総合評価入力ウィンドウ23に表示された、「乳房の構成」「カテゴリ」「経時的変化」「比較読影」「判定」「手術」「インプラント」等の総合評価項目に関するGUIボタンやプルダウンメニュー等のGUI部品を、タッチパネルを介して操作して入力値を指定する。当該操作に呼応して処理回路1は、総合評価項目に、指定した値を入力する。
【0053】
ステップS10が行われると処理回路1は、保存指示機能13の実現により、保存指示を行う(ステップS11)。ステップS10において入力項目の入力作業が終了すると読影医は、図3に示す確定・前検査ボタン232、確定・閉じるボタン234又は確定・次検査ボタン235を、タッチパネルを介して押下する操作を行う。タブレット端末6からの当該操作に応じた指令を処理回路1は保存指示として受け取る。
【0054】
ステップS11において保存指示がなされたことを契機として処理回路1は、処理回路1は、抽出機能14の実現により、総合評価入力ウィンドウ23における未入力項目及び/又は不整合項目の有無を判定する(ステップS12)。総合評価項目に関する未入力項目及び/又は不整合項目の有無の判定は、所見項目に関する未入力項目及び/又は不整合項目の有無の判定と同様である。各総合評価項目は、予め入力必須項目又は入力任意項目に設定されている。例えば、総合評価項目「カテゴリ」や総合評価項目「判定」は入力必須項目に設定される。入力必須項目に値が入力されていない場合、当該入力項目が未入力項目であると判定される。条件付きの入力必須項目が設定されてもよい。例えば、「経時的変化」は、「比較読影」の値が「なし」の場合、入力任意項目であるが、「比較読影」の値が「あり」の場合、入力必須項目である。総合評価項目においても、整合性判定項目と整合性要求項目と整合性充足条件とを関連付けて登録した整合性判定テーブルが予め作成され、メモリ2等に記憶される。例えば、整合性判定項目「比較読影」、整合性要求項目「経時的変化」、整合性充足条件「比較読影の値がありであれば、経時的変化には不変、増悪及び軽快の何れかの値が入力される」が整合性判定テーブルに登録される。カテゴリ値が所定レベル(例えば、4)以上であるにも関わらず、読影レポートにキー画像が添付されない場合、全体評価項目「キー画像」が未入力項目又は不整合項目として抽出されてもよい。
【0055】
ステップS12が行われると処理回路1は、抽出機能14の実現により、未入力項目及び/又は不整合項目があるか否かを判定する(ステップS13)。ステップS12において未入力項目及び/又は不整合項目があると判定された場合(ステップS13:YES)、処理回路1は、抽出機能14の実現により、未入力項目及び/又は不整合項目を抽出する(ステップS14)。ステップS14が行われると処理回路1は、表示領域生成機能15の実現により、ステップS14において抽出された未入力項目及び/又は不整合項目が配置された表示ウィンドウ(抽出項目表示ウィンドウ)を生成する(ステップS15)。
【0056】
ここで、ステップS14-S15について具体的に説明する。総合評価に関する抽出項目表示ウィンドウは、ステップS14において抽出された未入力項目及び/又は不整合項目の全てを一の表示ウィンドウに配置することにより生成される。具体的には、未入力項目及び/又は不整合項目のGUI部品を表示ウィンドウに配置することにより抽出項目表示ウィンドウが生成される。処理回路1は、総合評価に関する抽出項目表示ウィンドウを、手書き入力画面20に重畳して表示しもよいし、手書き入力画面20を消去したうえで表示してもよい。
【0057】
図8は、総合評価項目に関する抽出項目表示ウィンドウ42の一例を示す図である。図8は、ステップS13において未入力項目「カテゴリ」及び「経時的変化」が抽出された場合の抽出項目表示ウィンドウ42を例示している。この場合、抽出項目表示ウィンドウ42には、未入力項目「経時的変化」のGUIボタンと未入力項目「カテゴリ」のGUIボタンとが配置されている。当該未入力項目に関連する入力済みの入力項目(以下、参考項目と呼ぶ)が表示されるとよい。例えば、未入力項目「経時的変化」に対する参考項目が「乳房の構成」や「比較読影」である場合、未入力項目「経時的変化」のGUIボタンに並べて参考項目「乳房の構成」のGUIボタンと参考項目「比較読影」のGUIボタンとが表示される。未入力項目と共に入力済みの入力項目を表示することにより、読影医は、入力済みの入力項目と矛盾なき入力を行うことができる。入力済みの入力項目(参考項目)については、未入力項目と視覚的に区別して表示されるとよい。例えば、図8に示すように、参考項目「乳房の構成」及び参考項目「比較読影」のGUI部品に、入力済みであることを示すマーク421が付されるとよい。なお、参考項目やマーク421は、所見項目に関する抽出項目表示ウィンドウ41に表示されてもよい。
【0058】
図9は、総合評価項目に関する抽出項目表示ウィンドウ43の他の例を示す図である。図9は、ステップS13において不整合項目「経時的変化」及び「比較読影」が抽出された場合の抽出項目表示ウィンドウ43を例示している。この場合、抽出項目表示ウィンドウ43には、不整合項目「経時的変化」及び「比較読影」にそれぞれ対応するGUI部品が配置されている。総合評価項目に関しても所見項目と同様、総合評価項目に整合性判定項目と整合性充足条件とが設定されている。例えば、整合性充足条件は「比較読影の値がなしである場合、経時的変化には何らの値も入力されない」や「比較読影の値がありである場合、経時的変化には何らかの値が入力される」等に設定される。
【0059】
ステップS15が行われると処理回路1は、表示制御機能16の実現により、ステップS15において生成された抽出項目表示ウィンドウを、タブレット端末6に表示する(ステップS16)。
【0060】
ステップS16が行われると処理回路1は、ステップS11に戻り、総合評価項目に関する抽出項目表示ウィンドウに表示された未入力項目及び/又は不整合項目に値を入力し、ステップS13において未入力項目及び/又は不整合項目が有ると判定されなくなるまで、ステップ11からステップS16を繰り返す。
【0061】
ステップS13において未入力項目及び/又は不整合項目が有ると判定されなかった場合(ステップS13:NO)、処理回路1は、保存指示機能13の実現により、総合評価項目の入力値をメモリ2に保存する(ステップS17)。メモリ2は、患者情報や検査情報と共に総合評価項目の入力値を記憶する。これにより当該受診者に関する読影レポートが完成する。
【0062】
以上により、読影レポート作成装置100による読影レポートの作成処理が終了する。
【0063】
なお、上記の読影レポートの作成処理の流れは一例であり、種々の変形が可能である。例えば、読影レポート作成画面は、手書き入力画面20と読影レポート表示画面30との2画面により構成されるとしたが、手書き入力画面20と読影レポート表示画面30とを一画面により構成されてもよいし、3画面以上で構成されてもよい。
【0064】
抽出項目表示ウィンドウには、抽出された全ての未入力項目及び/又は不整合項目が配置されるとしたが、2以上の抽出項目表示ウィンドウに分けて配置され、並列して又は順次表示されてもよい。
【0065】
所見項目及び全体評価項目への値の入力は、図4に示す「異常なしを入力する」ボタンの押下により自動的に行われてもよい。「異常なしを入力する」ボタンが押下された場合、各所見項目及び各全体評価項目に、異常なしに相当する、予め設定された値が自動的に入力される。これにより読影医による入力作業の手間を削減することができる。また、予め設定された値が入力されることにより、入力値のぶれを低減し、読影レポートの品質を向上することができる。
【0066】
上記実施形態によれば、読影レポートに関する入力項目の入力値の保存指示がなされた場合、処理回路1は、未入力項目及び/又は不整合項目を抽出してまとめた抽出項目表示ウィンドウを表示することにより、読影医に入力に不備があることを知らせ、正確な入力を促すことが可能になる。例えば、未入力項目の存在を抽出項目表示ウィンドウにより知らせることにより、入力必須項目に対する値の入力し忘れを低減し、不整合項目の存在を抽出項目表示ウィンドウにより知らせることにより、入力項目間での矛盾した値の入力を低減することが可能になる。
【0067】
(応用例1)
同一患者の同一検査については、一次読影だけでなく、二次読影や三次読影等の高次読影が施される。読影レポート表示画面30には、図4に示すように、一次読影のタブと二次以上の高次読影のタブとが表示されている。一次読影のタブが押下された場合、今回検査表示領域32に一次読影に関する読影レポートが表示され、二次読影のタブが押下された場合、今回検査表示領域32に二次読影に関する読影レポートが表示される。二次読影に関する読影レポートが作成されていない場合、タブレット端末6に二次読影に関する手書き入力画面20が表示される。二次読影の読影レポートは、一次読影の読影レポートと同様の過程を経て作成される。例えば、二次読影の読影医は、図5に示す流れに沿って、二次読影に関する所見項目及び総合評価項目の入力作業を行う。入力作業において二次読影の読影医は、一次読影に関する所見項目及び総合評価項目の入力値を、二次読影に関する当該所見項目及び総合評価項目に入力するため、コピーボタン321を押下してもよい。
【0068】
高次読影の際、処理回路1は、抽出機能14の実現により、互いに同一の入力項目について高次読影及び一次読影間で整合性を判定してもよい。具体的には、メモリ2には、一次読影と二次読影とで整合性を要求する入力項目と整合性充足条件とが関連付けて登録されている。処理回路1は、判定対象の処理項目が整合性判定テーブルに登録されている場合、一次読影の同一処理項目の入力値を読み出す。また、処理回路1は、整合性判定テーブルにおいて当該処理項目に関連付けられた整合性充足条件を読み出す。そして処理回路1は、一次読影の判定対象項目の入力値と二次読影の対応項目の入力値とが整合性充足条件を満たしているか否かを判定する。整合性充足条件を満たしている場合、判定対象項目は、不整合項目として抽出されず、整合性充足条件を満たしていない場合、不整合項目として抽出されることとなる。
【0069】
図10は、一次読影及び二次読影間の整合性判定処理を模式的に示す図である。図10は、入力項目「手術」に関する整合性判定処理を例示している。入力項目「手術」の値は、一次読影と二次読影とで一致していなければいけない。この場合、整合性判定テーブルにおいて、入力項目「手術」と整合性充足条件「同一値」とが関連付けて登録されていることとなる。図10に示すように、一次読影の入力項目「手術」の値が「乳房全摘」であるのに、二次読影の入力項目「手術」の値が空欄である場合、処理回路1は、二次読影の入力項目「手術」は不整合項目として抽出することができる。抽出された二次読影の入力項目「手術」は、一次読影の入力項目「手術」と共に抽出項目表示ウィンドウに表示される。これにより、読影医は、二次読影の入力項目「手術」への入力が誤りであることに気づくことができ、正しい値を入力することができる。
【0070】
応用例1によれば、一次読影と二次読影とで入力項目間の整合性を判定することにより、一次読影と二次読影との整合性を向上することが可能になる。
【0071】
(応用例2)
今回検査について過去検査が存在する場合がある。読影レポート表示画面30には、図4に示すように、今回検査に関連付けられた複数の過去検査が過去検査一覧331に表示される。複数の過去検査の中から比較検査が、入力インタフェース3を介して選択される。例えば、複数の過去検査のうちの直近の過去検査が比較検査として選択される。選択された比較検査のマンモグラフィ画像がディスプレイ5等に表示され、今回検査のマンモグラフィ画像と比較検査のマンモグラフィ画像とが比較読影に供される。読影医は、今回検査のマンモグラフィ画像と比較検査のマンモグラフィ画像との比較読影を行い、今回検査の読影レポートに関し、図5に示す流れに沿って、所見項目及び総合評価項目の入力作業を行う。
【0072】
今回検査の読影レポートの作成の際、処理回路1は、抽出機能14の実現により、複数の入力項目のうちの、今回検査と比較検査とで整合性を要求する特定の入力項目について、今回検査及び比較検査間で整合性を判定してもよい。具体的には、メモリ2には、今回検査と比較検査とで整合性を要求する入力項目と整合性充足条件とが関連付けて登録されている。処理回路1は、判定対象の処理項目が整合性判定テーブルに登録されている場合、比較検査の同一処理項目の入力値を読み出す。また、処理回路1は、整合性判定テーブルにおいて当該処理項目に関連付けられた整合性充足条件を読み出す。そして処理回路1は、今回検査の判定対象項目の入力値と比較検査の対応項目の入力値とが整合性充足条件を満たしているか否かを判定する。整合性充足条件を満たしている場合、判定対象項目は、不整合項目として抽出されず、整合性充足条件を満たしていない場合、不整合項目として抽出されることとなる。
【0073】
図11は、今回検査及び比較検査間の整合性判定処理を模式的に示す図である。図11は、入力項目「インプラント」に関する整合性判定処理を例示している。入力項目「インプラント」の値は、今回検査と比較検査とで一致していなければいけない。この場合、整合性判定テーブルにおいて、入力項目「インプラント」と整合性充足条件「同一値」とが関連付けて登録されていることとなる。図11に示すように、今回検査の入力項目「インプラント」の値が「あり」であるのに、比較検査の入力項目「インプラント」の値が「なし」である場合、処理回路1は、今回検査の入力項目「インプラント」を不整合項目として抽出することができる。抽出された今回検査の入力項目「インプラント」は、比較検査の入力項目「インプラント」と共に抽出項目表示ウィンドウに表示される。これにより、読影医は、今回検査の入力項目「インプラント」への入力が誤りであることに気づくことができ、正しい値を入力することができる。
【0074】
応用例2によれば、今回検査と比較検査とで入力項目間の整合性を判定することにより、今回検査と比較検査との整合性を向上することが可能になる。
【0075】
(応用例3)
上記の種々の実施形態では、ステップS2及びステップS10において、入力項目に対し手動的に値が入力されるとした。しかしながら、複写機能12により自動的に値が入力されてもよい。例えば、図4に示すように、読影レポート表示画面30には、コピーボタン333が表示される。コピーボタン333が押下された場合、処理回路1は、複写機能12の実現により、過去検査の入力項目の入力値を、今回検査の同一入力項目に複写する。複写を行うことにより、今回検査の入力作業を削減することができる。
【0076】
しかしながら、入力項目「比較読影」に関しては、今回検査において比較読影をしたにもかかわらず、過去検査の入力項目「比較読影」の入力値「なし」が今回検査の入力項目「比較読影」に複写されてしまうと、誤った読影レポートが作成されることになる。そこで、応用例3に係る処理回路1は、複写指示がなされた場合、過去画像を探索し、過去画像が存在するときは、過去検査の入力項目「比較読影」の入力値が「なし」の場合であっても、今回検査の入力項目「比較読影」に値「あり」を自動的に入力する。
【0077】
図12は、応用例3に係る処理の一例を模式的に示す図である。図4に示すコピーボタン333の押下等により複写指示がなされたことを契機として処理回路1は、過去検査の各入力項目の入力値を読み出す。この際、図12に示すように、過去検査の入力項目「比較読影」に入力値「なし」が入力されていた場合、処理回路1は、抽出機能14の実現により、過去画像探索(ステップSA1)を実行する。ステップSA1において処理回路1は、今回検査に関連付けられている過去画像を探索する。例えば、処理回路1は、過去検査の読影レポートに関連付けられている比較検査の読影レポートに医用画像(過去画像)が関連付けられているか否かを判定する。
【0078】
過去画像がある場合、今回検査の入力項目「比較読影」の値「なし」が誤りであり、値「あり」が正しいと推定される。入力項目「比較読影」は不整合項目として処理回路1により抽出される。この場合、処理回路1は、過去検査の入力値「なし」を改変し、値「あり」を今回検査の入力項目「比較読影」に入力する。処理回路1は、改変後の値「あり」を表示する際、過去検査から改変された事を読影医に知らせるため、色等で強調するとよい。過去画像がない場合、今回検査の入力項目「比較読影」の値が「なし」が正しいと推定される。従って処理回路1は、過去検査の入力値「なし」を、今回検査の入力項目「比較読影」に複写する。
【0079】
なお、今回検査の入力項目「比較読影」に値「あり」が入力された場合、入力項目「経時的変化」に「不変」、「増悪」及び「軽快」の何れかの値が入力される必要がある。入力項目「経時的変化」の値が未入力であるにも関わらず、保存指示がなされた場合であっても、上記実施形態によれば、入力項目「経時的変化」を未入力項目又は不整合項目として抽出し、当該入力項目「経時的変化」を抽出項目表示ウィンドウに表示することが可能である。これにより、読影医により軽率に保存指示がなされた場合であっても、入力項目「経時的変化」に対する値の入力忘れを低減することが可能になる。
【0080】
応用例3に係る処理を適用可能な入力項目は「比較読影」のみに限定されない。入力値が過去画像の有無に依存する入力項目であれば「比較読影」以外の入力項目にも応用例3に係る処理が適用されてもよい。
【0081】
なお、コピーボタン333等による複写の範囲は、任意に設計可能である。例えば、過去検査の全ての入力項目の入力値が今回検査の対応項目に複写されてもよいし、過去検査の一部の入力項目の入力値が今回検査の対応項目に複写されてもよい。一部の入力項目の入力値としては、読影医等により任意に設定可能である。例えば、一部の入力項目の入力値としては、シェーマに手書き入力された病変部位を示すアノテーションでもよいし、所見項目のうちのアノテーション以外の所見項目(例えば、所見属性及びカテゴリ)の入力値でもよいし、全ての所見項目でもよいし、全ての全体評価項目、又は一部の全体評価項目でもよい。複写の範囲は、入力インタフェース3又はタブレット端末6を介して、読影医や診療科、病院等の好みに応じて任意の範囲に選択されればよい。これにより、読影レポートの作成効率を向上することができる。
【0082】
応用例3によれば、処理回路1は、過去検査に関する入力項目「比較読影」の入力値が「なし」であり且つ今回検査に過去検査に関する医用画像が関連付けられている場合、複写指示がなされたことを契機として、今回検査に関する入力項目「比較読影」に入力値として「あり」を入力する。当該処理によれば、複写の使用に伴う誤入力を低減しつつ、読影レポートの作業効率を向上することが可能になる。
【0083】
(応用例4)
入力項目「比較読影」に関しては、本当は比較画像が存在しないにもかかわらず、入力項目「比較読影」に関し入力値「あり」、入力項目「経時的変化」に関し入力値「不変」が入力されてしまう場合がある。応用例4に係る処理回路1は、入力項目「比較読影」入力値「あり」且つ入力項目「経時的変化」入力値「不変」である場合、過去画像を探索し、過去画像が存在するときは、警告を発する。
【0084】
図13は、応用例4に係る処理の一例を模式的に示す図である。図13に示すように、入力項目「比較読影」に関し「あり」、入力項目「経時的変化」に関し入力値「不変」が入力され、図3に示す確定・閉じるボタン233等により保存指示がなされたとする。保存指示がなされたことを契機として処理回路1は、抽出機能14の実現により、過去画像探索(ステップSB1)を実行する。ステップSB1において処理回路1は、今回検査に関連付けられている過去画像を探索する。例えば、処理回路1は、過去検査の読影レポートに関連付けられている比較検査の読影レポートに医用画像(過去画像)が関連付けられているか否かを判定する。
【0085】
過去画像がある場合、今回検査の入力項目「経時的変化」の値「不変」が正しいと推定される。従って処理回路1は、入力項目「比較読影」入力値「あり」且つ入力項目「経時的変化」入力値「不変」をメモリ2に保存する(ステップSB2)。過去画像がない場合、入力項目「経時的変化」の値「不変」が誤りであると推定される。入力項目「経時的変化」は不整合項目として処理回路1により抽出される。この場合、処理回路1は、ディスプレイ5及びタブレット端末6に警告を発する(ステップSB3)。例えば、処理回路1は、警告として、入力項目「経時的変化」が配置された抽出項目表示ウィンドウを表示してもよいし、手書き入力画面20の入力項目「経時的変化」を色や点滅等の視覚効果で表示してもよい。また、『経時的変化についてもう一度確認して下さい。』等のメッセージが表示されてもよい。これにより、読影医は、入力項目「経時的変化」の入力値が誤りであることに気づくことができる。
【0086】
応用例4によれば、処理回路1は、過去検査に関する入力項目「比較読影」の入力値が「あり」であり、入力項目「経時的変化」は「不変」であり、且つ今回検査に過去検査に関する医用画像が関連付けられていない場合、警告を発する。当該処理によれば、比較画像が無いにも関わらず、入力項目「比較読影」入力値「あり」且つ入力項目「経時的変化」入力値「不変」と記載された読影レポートの作成を低減することができる。
【0087】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、読影レポートの品質及び作成効率を向上することができる。
【0088】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU、GPU、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、プログラムを実行するのではなく、論理回路の組合せにより当該プログラムに対応する機能を実現しても良い。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0089】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0090】
1 処理回路
2 メモリ
3 入力インタフェース
4 通信インタフェース
5 ディスプレイ
6 タブレット端末
11 入力機能
12 複写機能
13 保存指示機能
14 抽出機能
15 表示領域生成機能
16 表示制御機能
100 読影レポート作成装置

図1
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