IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ・ボーイング・カンパニーの特許一覧

特開2024-16792表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するための方法、当該方法を実行するロボット、及び当該方法を実行するようにロボットに指示する記憶媒体
<>
  • 特開-表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するための方法、当該方法を実行するロボット、及び当該方法を実行するようにロボットに指示する記憶媒体 図1
  • 特開-表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するための方法、当該方法を実行するロボット、及び当該方法を実行するようにロボットに指示する記憶媒体 図2
  • 特開-表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するための方法、当該方法を実行するロボット、及び当該方法を実行するようにロボットに指示する記憶媒体 図3
  • 特開-表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するための方法、当該方法を実行するロボット、及び当該方法を実行するようにロボットに指示する記憶媒体 図4
  • 特開-表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するための方法、当該方法を実行するロボット、及び当該方法を実行するようにロボットに指示する記憶媒体 図5
  • 特開-表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するための方法、当該方法を実行するロボット、及び当該方法を実行するようにロボットに指示する記憶媒体 図6
  • 特開-表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するための方法、当該方法を実行するロボット、及び当該方法を実行するようにロボットに指示する記憶媒体 図7
  • 特開-表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するための方法、当該方法を実行するロボット、及び当該方法を実行するようにロボットに指示する記憶媒体 図8
  • 特開-表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するための方法、当該方法を実行するロボット、及び当該方法を実行するようにロボットに指示する記憶媒体 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016792
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するための方法、当該方法を実行するロボット、及び当該方法を実行するようにロボットに指示する記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/22 20060101AFI20240131BHJP
【FI】
B25J9/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023080164
(22)【出願日】2023-05-15
(31)【優先権主張番号】17/873,649
(32)【優先日】2022-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ウィラレット・ハーディ
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー・ダブリュー・ベイカー
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS13
3C707KS36
3C707LS15
3C707LT07
(57)【要約】
【課題】表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するための方法、ロボット及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】複数構成要素型エンドエフェクタは、連続ツール中心点経路上の表面に沿って複数構成要素型エンドエフェクタを移動させるように構成されたロボットに取り付けられる。複数構成要素型エンドエフェクタは、互いに対して移動するように構成された複数のエンドエフェクタ要素を含む。本方法は、連続TCPに沿って複数の離間ウェイポイントを含む離散化TCPを提供するステップを含む。本方法は、複数の距離ヒューリスティックを決定するステップを含む。本方法は、複数の更新された距離ヒューリスティックを定義するために複数の距離ヒューリスティックを更新するステップをさらに含む。本方法は、複数の更新された距離ヒューリスティックに基づいて表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するステップを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面(6)に沿った複数構成要素型エンドエフェクタ(20)の経路を選択するための方法(100)であって、前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)が、連続ツール中心点経路(TCP)(200)上で前記表面(6)に沿って前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)を移動させるように構成されたロボット(60)に取り付けられ、前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)が、前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)のコマンド空間(26)内で互いに対して移動する複数のエンドエフェクタ要素(22)を含み、前記方法(100)が、
離散化TCP(210)を提供するステップ(110)であって、前記離散化TCP(210)が、前記連続TCP(200)に沿って複数の離間ウェイポイント(212)を含む、ステップ(110)と、
複数の前記離間ウェイポイント(212)の各ウェイポイント(212)において、前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)の前記コマンド空間(26)内の複数の前記エンドエフェクタ要素(22)について複数の距離ヒューリスティックを決定するステップ(120)であって、複数の前記距離ヒューリスティックの各距離ヒューリスティックが、複数の前記エンドエフェクタ要素(22)の対応する相対方位について前記表面(6)の目標距離範囲(218)内にある複数の前記エンドエフェクタ要素(22)の一部分を定量化し、前記目標距離範囲(218)が、最小距離(220)と最大距離(222)との間で画定される、ステップ(120)と、
複数の前記距離ヒューリスティックを決定する前記ステップ(120)に続いて、複数の更新された距離ヒューリスティックを定義するために複数の前記距離ヒューリスティックを更新するステップ(130)であって、更新する前記ステップ(130)が、
(i)複数の前記離間ウェイポイント(212)のうちの第1のウェイポイント(212)の対応する相対方位ごとに、前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)が利用可能な、複数の前記離間ウェイポイント(212)のうちの直後のウェイポイント(212)の対応する相対方位のサブセットを決定するステップ(132)と、
(ii)対応する相対方位の前記サブセットの対応する距離ヒューリスティックに基づいて、前記第1のウェイポイント(212)の対応する相対方位ごとに複数の前記距離ヒューリスティックを修正するステップ(134)と、
(iii)対応する相対方位の前記サブセットを決定する前記ステップ(132)と、複数の前記離間ウェイポイント(212)のウェイポイント(212)ごとに複数の前記距離ヒューリスティックを修正する前記ステップ(134)とを順次反復するステップ(136)とを含む、ステップ(130)と、
複数の前記更新された距離ヒューリスティックに基づいて前記表面(6)に沿った前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)の前記経路を選択するステップ(150)とを含む、方法。
【請求項2】
複数の前記距離ヒューリスティックを決定する前記ステップ(120)が、前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)の前記コマンド空間(26)を複数の前記エンドエフェクタ要素(22)の複数の対応する相対方位に細分するステップを含む、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
複数の前記距離ヒューリスティックを決定する前記ステップ(120)が、複数の前記距離ヒューリスティックから、前記表面(6)と複数の前記エンドエフェクタ要素(22)のうちの少なくとも1つのエンドエフェクタ要素(22)との間の距離が複数の前記距離ヒューリスティックの前記最小距離未満である、対応する相対方位を含む距離ヒューリスティックを除外するステップを含む、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項4】
対応する相対方位の前記サブセットを決定する前記ステップ(132)が、前記直後のウェイポイント(212)で前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)が利用可能な全ての相対方位から、対応する相対方位の数を選択するステップを含む、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項5】
前記第1のウェイポイント(212)の対応する相対方位ごとの複数の前記距離ヒューリスティックを修正する前記ステップ(134)が、
(i)対応する相対方位の前記サブセットに関連付けられた前記距離ヒューリスティックが、前記表面(6)と複数の前記エンドエフェクタ要素(22)のうちの全てのエンドエフェクタ要素(22)との間の距離が複数の前記距離ヒューリスティックの前記最小距離よりも大きいことを示す場合に、前記第1のウェイポイント(212)の対応する相対方位ごとの前記距離ヒューリスティックを、対応する相対方位の前記サブセットの前記距離ヒューリスティックの代表値に置き換えるステップ、及び
(ii)対応する相対方位の前記サブセットに関連付けられた前記距離ヒューリスティックが、前記表面(6)と複数の前記エンドエフェクタ要素(22)のうちの少なくとも1つのエンドエフェクタ要素(22)との間の距離が複数の前記距離ヒューリスティックの前記最小距離未満であることを示す場合に、前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)の前記経路からの前記対応する相対方位を除外するステップのうちのいずれかを含む、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項6】
前記方法(100)が、前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)の前記経路を選択する前記ステップ(150)が、複数の前記離間ウェイポイント(212)の各ウェイポイント(212)において、前記表面(6)と複数の前記エンドエフェクタ要素(22)のうちの全てのエンドエフェクタ要素(22)との間の距離が複数の前記距離ヒューリスティックの前記最小距離よりも大きい経路を選択するステップを含むまで、更新する前記ステップ(130)を反復するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項7】
前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)の前記経路を選択する前記ステップ(150)に続いて、前記方法(100)が、前記表面(6)と複数の前記エンドエフェクタ要素(22)のうちの全てのエンドエフェクタ要素(22)との間の距離が前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)の前記経路の全体に沿った前記最小距離(220)よりも大きいことを確認するステップ(160)をさらに含む、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項8】
複数の前記離間ウェイポイント(212)の各ウェイポイント(212)と複数の前記離間ウェイポイント(212)の隣接ウェイポイント(212)との間の距離が、少なくとも部分的に、前記連続TCP(200)に沿った前記表面(6)の最大高さ、前記連続TCP(200)に沿った前記表面(6)の最小高さ、前記表面(6)の表面法線方向に対する複数の前記エンドエフェクタ要素(22)の最大構成要素速度、及び前記連続TCP(200)上の前記表面(6)に沿った前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)の固定表面速度に基づく、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項9】
前記離散化TCP(210)を提供する前記ステップ(110)が、前記連続TCP(200)を生成するステップを含む、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項10】
前記離散化TCP(210)を提供する前記ステップ(110)が、複数の前記離間ウェイポイント(212)の隣接ウェイポイント(212)間の距離を決定するステップ(114)をさらに含む、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項11】
前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)の前記経路を選択する前記ステップ(150)が、複数の前記離間ウェイポイント(212)のウェイポイント(212)ごとに、各ウェイポイント(212)における対応する距離ヒューリスティックの最大値に対応する複数の前記エンドエフェクタ要素(22)の対応する相対方位を選択するステップを含む、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項12】
前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)が複数構成要素型インクジェットプリントエンジン(30)を含み、複数の前記エンドエフェクタ要素(22)が複数の個別に移動可能なインクジェットプリントヘッドアレイ(32)を含み、さらに、前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)が複数の前記個別に移動可能なインクジェットプリントヘッドアレイ(32)内に配置された複数のインクジェットプリントヘッド(34)を含む、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項13】
前記方法(100)が、前記表面(6)に対しかつ前記経路に沿って前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)を移動させるステップ(170)をさらに含む、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項14】
表面(6)付近で動作を実行するためのシステム(10)であって、前記システム(10)が、
複数構成要素型エンドエフェクタ(20)であって、前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)のコマンド空間(26)内で互いに対して移動する複数のエンドエフェクタ要素(22)を含む、複数構成要素型エンドエフェクタ(20)と、
ロボット(60)であって、前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)が前記ロボット(60)に動作可能に取り付けられ、さらに、前記ロボット(60)が、前記表面(6)に沿って前記複数構成要素型エンドエフェクタ(20)を移動させるように構成される、ロボット(60)と、
請求項1に記載の方法(100)に従って前記システム(10)の前記動作を制御するようにプログラムされたコントローラ(80)とを含む、システム(10)。
【請求項15】
実行されると、請求項1に記載の方法(100)に従って複数構成要素型エンドエフェクタ(20)を制御するようにロボット(60)に指示するコンピュータ可読命令を含む、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体(82)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ロボットシステムは、表面上及び/または表面付近でタスクを実行するためにエンドエフェクタを利用してもよい。いくつかのこのようなロボットシステムでは、エンドエフェクタが表面に対して移動している間に表面に物理的に接触することなく、表面に近接してタスクを実行することが望ましい場合がある。表面に対するエンドエフェクタの運動は、物理的にも運動学的にも制約されてもよい。物理的制約は、所与のロボットシステムが利用可能であってもよい運動方向及び/または運動範囲の結果であってもよい。運動学的制約は、ロボットシステム及び/またはエンドエフェクタが利用可能であってもよい加速度及び/または速度に起因してもよい。表面上及び/または表面付近でタスクを実行するようにロボットシステムをプログラミングする場合、物理的制約及び運動学的制約の両方を考慮する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
表面上及び/または表面付近でタスクを実行するようにロボットシステムをプログラミングするための従来の解決策は、計算集約的であり、大きな及び/または複雑なエンドエフェクタが大きな及び/または曲線状の表面付近を移動するようにプログラムされている場合には実現不可能なことがある。したがって、表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するための、本方法を実行するロボットのための、及び本方法を実行するためにロボットに指示する記憶媒体のための改善された方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0003】
表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するための方法、当該方法を実行するロボット、及び当該方法を実行するためにロボットに指示する記憶媒体が本明細書に開示される。複数構成要素型エンドエフェクタは、連続ツール中心点経路(TCP)上の表面に沿って複数構成要素型エンドエフェクタを移動させるように構成されたロボットに取り付けられる。複数構成要素型エンドエフェクタは、複数構成要素型エンドエフェクタのコマンド空間内で互いに対して移動するように構成された複数のエンドエフェクタ要素を含む。本方法は、連続TCPに沿って複数の離間ウェイポイントを含む離散化TCPを提供するステップを含む。本方法はまた、各ウェイポイントにおいて、複数のエンドエフェクタ要素についての、及びエンドエフェクタのコマンド空間内での複数の距離ヒューリスティックを決定するステップを含む。各距離ヒューリスティックは、複数のエンドエフェクタ要素の対応する相対方位について、表面の目標距離範囲内にある複数のエンドエフェクタ要素の一部分を定量化する。目標距離範囲は、最小距離と最大距離との間で画定される。複数の距離ヒューリスティックを決定するステップに続いて、本方法は、複数の更新された距離ヒューリスティックを定義するために複数の距離ヒューリスティックを更新するステップをさらに含む。更新するステップは、第1のウェイポイントの対応する相対方位ごとに、複数構成要素型エンドエフェクタが利用可能な直後のウェイポイントの対応する相対方位のサブセットを決定するステップを含む。更新するステップはまた、対応する相対方位のサブセットの対応する距離ヒューリスティックに基づいて、第1のウェイポイントの対応する相対方位ごとに複数の距離ヒューリスティックを修正するステップを含む。更新するステップは、対応する相対方位のサブセットを決定するステップと、ウェイポイントごとに複数の距離ヒューリスティックを修正するステップとを順次反復するステップをさらに含む。本方法はまた、複数の更新された距離ヒューリスティックに基づいて表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本開示による、表面の付近で動作を実行するシステムの一例を示す概略側面図である。
図2図1の線2-2に沿った図1のシステムの概略断面図である。
図3】本開示による、表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するための方法の例を示すフローチャートである。
図4図3の方法の間に実行されてもよい連続ツール中心点経路の生成の一例を示す図である。
図5図3の方法の間に実行されてもよい複数の距離ヒューリスティックスの決定の一例の概略図である。
図6図3の方法の間に決定されてもよい複数の距離ヒューリスティックの一例を示す図である。
図7図6の複数の距離ヒューリスティックスへの更新の一例を示す図である。
図8図7の複数の距離ヒューリスティックスへの更新の一例を示す図である。
図9図8の複数の距離ヒューリスティックスへの更新の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1図9は、本開示による、複数構成要素型エンドエフェクタ及び/またはシステム10の経路を選択する方法100の例示的で非排他的な例を提供する。同様または少なくとも実質的に同様の目的を果たす要素は、図1図9の各々において同様の番号で標記されており、これらの要素について図1図9の各々を参照して詳細に説明することは、本明細書において行われない場合がある。同様に、図1図9の各々において、必ずしも全ての要素に標記がなされていない場合があるが、それらに関連付けられた参照番号は、本明細書において一貫して利用されてもよい。図1図9のうちの1つ以上を参照して本明細書において説明される要素、構成要素及び/または特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、図1図9のいずれにも含まれてもよく、及び/または図1図9のいずれにおいても利用されてもよい。
【0006】
概して、所与の(すなわち、特定の)実施形態に含まれる可能性が高い要素は実線で図示される一方で、所与の実施形態に任意選択の要素は破線で図示されている。しかし、実線で示す要素が全ての実施形態に必須であるわけではなく、実線で示す要素は、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の実施形態から除外されることがある。
【0007】
図1は、表面6の付近で動作を実行するための本開示によるシステム10の例を示す概略側面図であり、図2は、図1の線2-2に沿った図1のシステム10の概略断面図である。図1及び図2に示すように、システム10は、複数構成要素型エンドエフェクタ20と、ロボット60と、コントローラ80とを含む。本明細書においてエンドエフェクタ20とも称されてもよい複数構成要素型エンドエフェクタ20は、互いに対して及び/または複数構成要素型エンドエフェクタ20のコマンド空間26内で移動するように構成された複数のエンドエフェクタ要素22を含む。エンドエフェクタ20はロボット60に動作可能に取り付けられ、ロボット60は、連続ツール中心点経路(TCP)200に沿って延伸するシステム10の作業範囲12内など、表面6に沿って及び/または表面6に対してエンドエフェクタ20を移動させるように構成される。連続TCP200は、複数構成要素型エンドエフェクタ20が表面6に沿って移動するときに、複数構成要素型エンドエフェクタ20の質量中心及び/または重心などの複数構成要素型エンドエフェクタ20の所定の領域のための経路を画定してもよい。言い換えれば、本明細書でより詳細に説明するように、複数構成要素型エンドエフェクタ20は比較的大きくてもよく、連続TCP200は、複数構成要素型エンドエフェクタ20が表面6に対して移動するときに、複数構成要素型エンドエフェクタ20の所定の領域の所望の箇所または軌道を画定してもよい。
【0008】
コントローラ80は、システム10の少なくとも1つの他の構成要素の動作を制御するようにプログラムされる。これは、本明細書でより詳細に説明される方法100の任意の適切な単一ステップ及び/または複数のステップを実行するためにシステム10の少なくとも1つの他の構成要素に指示するステップを含んでもよい。
【0009】
本明細書で使用される場合、「タスク空間」という語句は、システム10が動作し、及び/または位置決めされる座標系を指す。一例として、図1図2に示すように、システム10のタスク空間は、X-Y-Z直交座標系によって、及び/またはX-Y-Z直交座標系内で画定されてもよいが、他の座標系もまた利用されてもよい。
【0010】
本明細書で使用される場合、「コマンド空間」、「コマンド空間26」及び/または「複数構成要素型エンドエフェクタ20のコマンド空間26」という語句は、エンドエフェクタ要素22が互いに対して移動してもよいかまたは移動するように構成されてもよい空間または容積を指す。言い換えれば、コマンド空間26は、エンドエフェクタ要素22が互いに対して及び/またはエンドエフェクタ要素22とロボット60との間の取り付け点に対して移動し、関節接続し、回転し、及び/または並進するように構成されてもよい容積を画定し、及び/または境界付ける。これを念頭に置いて、図1及び図2に示すように、コマンド空間26は、エンドエフェクタ20を中心とする、及び/またはこれを取り囲むシステム10のタスク空間のサブセットであってもよい。
【0011】
本明細書で使用される場合、「作業範囲」、「作業範囲12」及び/または「システム10の作業範囲12」という語句は、エンドエフェクタ20が移動するように構成された空間全体または容積を指してもよい。一般に、作業範囲12が、コマンド空間26内でエンドエフェクタ20が利用可能な運動と、例えば連続TCP200に沿ってエンドエフェクタ20を移動させるためにロボット60が利用可能な運動との組合せを含むので、作業範囲12はコマンド空間26よりも大きく、かつこれを含む。これを念頭に置いて、図1に示すように、作業範囲12は、連続TCP200に沿って延伸するシステム10のタスク空間のサブセットであってもよい。作業範囲12はまた、本明細書では「構成要素作業範囲12」、「複数構成要素型エンドエフェクタ20のエンドエフェクタ要素22ごとの作業範囲12」、及び/または「複数構成要素型エンドエフェクタ20のエンドエフェクタ要素22ごとの構成要素作業範囲12」と呼ばれてもよく、及び/またはそれらであってもよい。
【0012】
システム10及び/またはそのエンドエフェクタ20は、表面6上及び/または表面6付近で少なくとも1つの動作を実行するように構成されてもよい。例として、システム10及び/またはエンドエフェクタ20は、表面6を画像化するように、及び/または表面6を走査するように構成されてもよい。別の例として、システム10及び/またはエンドエフェクタ20は、表面6に印刷する、テキストを印刷する、及び/またはグラフィックを印刷するように構成されてもよい。いくつかのこのような例では、図2に示すように、複数構成要素型エンドエフェクタ20は複数構成要素型インクジェットプリントエンジン30を含んでもよく、及び/またはそれであってもよく、及び/またはエンドエフェクタ要素22は、各々が複数のインクジェットプリントヘッド34を含んでもよい個別に移動可能なインクジェットプリントヘッドアレイ32を含んでもよく、及び/またはそれであってもよい。
【0013】
システム10の動作中、方法100を参照して本明細書でより詳細に説明するように、コントローラ80は、表面6に沿ったロボット60及び取り付けられたエンドエフェクタ20の運動を制御及び/または調整してもよい。これは、連続TCP200に沿った運動の制御及び/または調整を含んでもよい。図1及び図2に示すように、表面6は、非平面状及び/または曲線状の表面6を含んでもよく、及び/またはそれであってもよく、その一例は航空機の空気力学的表面8を含んでもよい。さらに、表面6のサイズは極めて大きくてもよい。例として、表面6の表面積は、少なくとも10平方メートル、少なくとも20平方メートル、少なくとも50平方メートル、少なくとも100平方メートル、少なくとも250平方メートル、または少なくとも500平方メートルであってもよい。
【0014】
いくつかの例では、システム10及び/またはそのエンドエフェクタ20は、エンドエフェクタ要素22、またはエンドエフェクタ要素22の適切な領域及び/またはサブ構成要素が、図2に示すように、表面6の目標距離範囲218内にある場合にのみ、表面6上での動作を実行してもよく、または実行するように指示されてもよい。目標距離範囲218は、最小距離220と最大距離222との間で境界付けられ、及び/または画定されてもよい。一例として、エンドエフェクタ20が複数構成要素型インクジェットプリントエンジン30を含む場合は、インクジェットプリントヘッド34が表面6の目標距離範囲218内にあるときに、インクジェットプリントヘッド34のみが、表面6上に印刷することを許可されてもよいか、または表面6に許容可能な印刷品質を提供してもよい。
【0015】
上記を念頭に置いて、かつ説明したように、エンドエフェクタ要素22は、互いに対して及び/またはコマンド空間26内で移動するように構成されてもよい。このような構成は、図1及び図2に示すように、エンドエフェクタ要素22の相対方位と表面6の形状との適合を可能にし、及び/または容易にしてもよい。これにより、連続TCP200に沿った任意の所与の箇所における表面6の目標距離範囲218内にあるインクジェットプリントヘッド34などの、エンドエフェクタ要素22の一部分、表面6に面するエンドエフェクタ要素22の表面の一部分、及び/またはエンドエフェクタ要素22の構成要素の一部分を増加させ、改善し、及び/または最適化してもよい。言い換えれば、エンドエフェクタ要素22が互いに対して移動し、及び/または表面6の形状に少なくとも部分的に適合する能力は、システム10及び/またはそのエンドエフェクタ20が表面6上での動作を実行する能力を改善してもよく、及び/またはエンドエフェクタ20が連続TCP200に沿った異なる箇所で表面6の形状の変化に適応することを可能にしてもよい。
【0016】
エンドエフェクタ要素22が任意の適切な方法で、及び/または任意の適切な程度で互いに対して移動してもよいことは、本開示の範囲内である。一例として、図2に示すように、エンドエフェクタ20は複数のアクチュエータ24を含んでもよい。アクチュエータ24は、エンドエフェクタ要素22の間の相対運動または制約された相対運動を可能にするように、及び/または容易にするように構成されてもよい。これは、例えばアクチュエータ24の並進軸線28に沿った相対並進運動、及び/または例えばアクチュエータ24の回転軸線27を中心とした相対回転運動を含んでもよい。別の例として、エンドエフェクタ20は、例えばエンドエフェクタ要素22について、及び/またはアクチュエータ24の作動を介して、最大動作範囲を可能にするように、及び/または容易にするように構成されてもよい。コマンド空間26によって境界付けられてもよいこの最大動作範囲は、連続TCP200に平行及び/または垂直な方向などの任意の適切な方向において測定されてもよい。最大動作範囲の例は、少なくとも0.1メートル(m)、少なくとも0.15m、少なくとも0.2m、少なくとも0.25m、少なくとも0.3m、少なくとも0.35m、少なくとも0.4m、最大でも1m、最大でも0.9m、最大でも0.8m、最大でも0.7m、最大でも0.6m、最大でも0.5m、最大でも0.4m、及び/または最大でも0.3mを含む。
【0017】
エンドエフェクタ20は、エンドエフェクタ要素22を含む、及び/またはエンドエフェクタ要素22間及び/またはコマンド空間26内の相対運動を可能にするように、及び/または容易にするように構成された任意の適切な構造を含んでもよい。エンドエフェクタ20の例は、本明細書に開示されている。エンドエフェクタ20が任意の適切な数のエンドエフェクタ要素22を含んでもよいことは、本開示の範囲内である。例として、エンドエフェクタ20は、少なくとも2つ、少なくとも4つ、少なくとも6つ、少なくとも8つ、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、最大でも30、最大でも25、最大でも20、または最大でも15のエンドエフェクタ要素22を含んでもよい。
【0018】
さらに、エンドエフェクタ要素22は、任意の適切な方法でエンドエフェクタ20内に配置されてもよい。一例として、エンドエフェクタ要素22は、エンドエフェクタ要素22のアレイ、規則的なアレイ、不規則なアレイ及び/または二次元アレイを形成してもよく、及び/または画定してもよい。
【0019】
ロボット60は、表面6に沿って、及び/または連続TCP200に沿ってエンドエフェクタ20を移動させるように適合され、構成され、設計され、及び/または構築されてもよい任意の適切な構造を含んでもよい。例として、ロボット60は、1以上のロボットアーム、1以上の並進要素、及び/または1以上の回転要素を含んでもよい。いくつかの例では、ロボット60は、表面6の長さに沿って及び/または連続TCP200の長さに沿ってエンドエフェクタ20を移動させるように構成された少なくとも1つの並進要素を含んでもよい。いくつかの例では、ロボット60は、例えば、表面6の形状に従う、表面6を再現する、表面6を鏡映する、及び/または表面6の形状に基づく曲線状の連続TCP200に沿ったエンドエフェクタ20の運動を可能にする、及び/または容易にするために、表面6に対して垂直に、表面6に向かって、及び/または表面6から離れるように、エンドエフェクタ20を移動させるように構成された少なくとも1つの並進及び/または回転要素を含んでもよい。
【0020】
コントローラ80は、本明細書で説明される機能を実行するように適合され、構成され、設計され、構築され、及び/またはプログラムされてもよい任意の適切な構造、単一のデバイス及び/または複数のデバイスを含んでもよく、及び/またはそれらであってもよい。これは、例えば本明細書でより詳細に説明する方法100を介して、及び/または利用して、システム10の少なくとも1つの他の構成要素の動作を制御するステップを含んでもよい。例として、コントローラ80は、電子コントローラ、専用コントローラ、特殊用途のコントローラ、パーソナルコンピュータ、特殊用途のコンピュータ、ディスプレイデバイス、タッチスクリーンディスプレイ、論理デバイス、メモリデバイス及び/またはコンピュータ可読記憶媒体82を有するメモリデバイスのうちの1以上を含んでもよい。
【0021】
コンピュータ可読記憶媒体82は、存在する場合、本明細書では非一時的なコンピュータ可読記憶媒体と呼ばれてもよい。この非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ実行可能命令、プログラム及び/またはコードを含み、定義し、収容し、及び/または記憶してもよく、これらのコンピュータ実行可能命令は、方法100の任意の適切な部分またはサブセットを実行するようにシステム10及び/またはそのコントローラ80に指示してもよい。このような非一時的なコンピュータ可読記憶媒体の例は、CD-ROM、ディスク、ハードドライブ、フラッシュメモリなどを含む。本明細書で使用されるように、コンピュータ実行可能命令を有する記憶装置、またはメモリ、デバイス及び/または媒体、ならびにコンピュータ実施方法及び本開示による他の方法は、米国特許法第101条に従って特許取得できると見なされる主題の範囲内にあると考えられる。
【0022】
システム10が、エンドエフェクタ20が表面6に近接するかまたは比較的近接するようにエンドエフェクタ20の運動を制御するように構成されてもよいことは、本開示の範囲内である。一例として、図2を参照して、最小距離220は、0.5ミリメートル(mm)、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、4mm、6mm、8mmまたは10mmであってもよい。追加的または代替的に、最大距離222は、50mm、40mm、30mm、25mm、20mm、18mm、16mm、14mm、12mm、10mm、9mm、8mm、7mm、6mmまたは5mmであってもよい。このような構成は、エンドエフェクタ20が、表面6上への印刷またはインクジェット印刷など、エンドエフェクタ20と表面6との間の近接を必要とする動作を実行することを可能にしてもよい。
【0023】
システム10は、エンドエフェクタ20を任意の適切な速度で連続TCP200に沿って移動させるように構成されてもよい。いくつかの例では、連続TCP200に沿ったエンドエフェクタ20の速度は、固定及び/または一定であってもよい。このような構成は、エンドエフェクタ20による、及び表面6上での動作の改善された性能及び/または予測可能な性能を可能にし、及び/または容易にしてもよい。具体的な例として、固定及び/または一定の速度は、エンドエフェクタ20による表面6への印刷を可能にしてもよく、及び/または容易にしてもよい。連続TCP200に沿ったエンドエフェクタ20の固定及び/または一定の速度の例は、少なくとも0.05メートル/秒(m/s)、少なくとも0.1m/s、少なくとも0.15m/s、少なくとも0.2m/s、少なくとも0.25m/s、少なくとも0.3m/s、少なくとも0.4m/s、少なくとも0.5m/s、最大でも1m/s、最大でも0.9m/s、最大でも0.8m/s、最大でも0.7m/s、最大でも0.6m/s、最大でも0.5m/s、最大でも0.4m/s、最大でも0.35m/s、最大でも0.3m/s、最大でも0.25m/s、最大でも0.2m/s、及び/または最大でも0.15m/sを含む。
【0024】
いくつかの例では、複数構成要素型エンドエフェクタ20は、表面6の表面法線方向に対して定義されてもよい及び/または測定されてもよい最大構成要素速度未満または最大構成要素速度以下でエンドエフェクタ要素22を互いに対して移動させるように構成されてもよい。最大構成要素速度の例は、少なくとも0.2m/s、少なくとも0.3m/s、少なくとも0.4m/s、少なくとも0.5m/s、少なくとも0.6m/s、少なくとも0.7m/s、少なくとも0.8m/s、少なくとも0.9m/s、少なくとも1m/s、最大でも2m/s、最大でも1.9m/s、最大でも1.8m/s、最大でも1.7m/s、最大でも1.6m/s、最大でも1.5m/s、最大でも1.4m/s、最大でも1.3m/s、最大でも1.2m/s、最大でも1.1m/s、及び/または最大でも1.0m/sの速度を含む。最大構成要素速度は、システム10が、表面6の形状の変化に対してエンドエフェクタ20をいかに迅速に適応させることができるかの指標としてもよい。
【0025】
説明したように、表面6は、サイズが比較的大きくてもよく、及び/または比較的大きな表面積を有してもよく、その例は本明細書に開示されている。これを念頭に置いて、エンドエフェクタ20はまた、少なくとも図2の最小距離220に対して比較的大きくてもよい。一例として、図1に示すように、エンドエフェクタ20は、少なくとも1.25メートル(m)、少なくとも1.5m、少なくとも2m、少なくとも2.5m、少なくとも3m、最大でも4m、最大でも3.5m、最大でも3m、最大でも2.5m及び/または最大でも2mのエンドエフェクタ長さ40または最大エンドエフェクタ長さ40を有してもよい。別の例として、エンドエフェクタ20は、図2に示すように、少なくとも1.25m、少なくとも1.5m、少なくとも2m、少なくとも2.5m、少なくとも3m、最大でも4m、最大でも3.5m、最大でも3m、最大でも2.5m、及び/または最大でも2mのエンドエフェクタ幅42または最大エンドエフェクタ幅42を有してもよい。エンドエフェクタ長さ40及び/またはエンドエフェクタ幅42の大きさは、表面6のサイズもしくは表面積、及び/または表面6に沿って所与のサイズのエンドエフェクタ20を確実に移動させるシステム10の能力を含む様々な要因に基づいて選択されてもよい。一般に、より大きいエンドエフェクタ長さ40及び/またはより大きいエンドエフェクタ幅42は、表面6に対する動作のより迅速な実行を可能にしてもよく、及び/または容易にしてもよい。しかし、より大きなエンドエフェクタ長さ40及び/またはより大きなエンドエフェクタ幅42は、エンドエフェクタ20がそれらに比例してより多くのエンドエフェクタ要素22を含むことを規定する場合があり、エンドエフェクタ20が表面6に沿って移動するときにエンドエフェクタ要素22の相対方位を制御することをより困難にする可能性がある。しかし、本明細書でより詳細に説明する方法100は、表面上及び/または表面付近でタスクを実行するようにロボットシステムをプログラミングするための従来の解決策と比較して、計算集約度が著しく低い新規の方法でこの課題に対処する。
【0026】
図3は、本開示による、表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するための方法100の例を示すフローチャートである。複数構成要素型エンドエフェクタは、連続ツール中心点経路(TCP)上の表面に沿って複数構成要素型エンドエフェクタを移動させるように構成されたロボットに取り付けられる。移動は、一定の表面速度であってもよい。複数構成要素型エンドエフェクタは、互いに対して、かつ複数構成要素型エンドエフェクタのコマンド空間内で移動するように構成された複数のエンドエフェクタ要素を含む。この運動は、複数構成要素型エンドエフェクタ及び/または複数構成要素型エンドエフェクタの個々のエンドエフェクタ要素の最大構成要素速度未満であってもよく、またはそれによって制限されてもよい。複数構成要素型エンドエフェクタの例は、複数構成要素型エンドエフェクタ20を参照して本明細書に開示される。複数のエンドエフェクタ要素の例は、エンドエフェクタ要素22を参照して本明細書に開示される。ロボットの例は、ロボット60を参照して本明細書に開示される。連続TCPの例は、連続TCP200を参照して本明細書に開示される。固定表面速度及び最大構成要素速度の例が、本明細書に開示される。コマンド空間の例は、コマンド空間26を参照して本明細書に開示される。
【0027】
方法100は、離散化TCPを提供するステップ110と、距離ヒューリスティックを決定するステップ120と、距離ヒューリスティックを更新するステップ130とを含む。方法100はまた、更新するステップ130を反復するステップ140を含んでもよく、経路を選択するステップ150を含んでもよい。方法100は、距離を検証するステップ160、及び/または複数構成要素型エンドエフェクタを移動させるステップ170をさらに含んでもよい。
【0028】
離散化TCPを提供するステップ110は、任意の適切な離散化TCPを提供するステップを含んでもよい。離散化TCPは、連続TCPに沿って複数の離間ウェイポイントを含む。離散化TCPの例は図1及び図2に示されており、符号210で示されている。複数の離間ウェイポイントの例は、図1及び図2に示されており、符号212で示されている。
【0029】
離散化TCP内では、本明細書でより詳細に説明するように、各ウェイポイントと隣接ウェイポイントとの間の距離は、少なくとも部分的に、連続TCPに沿った表面の最大高さ、連続TCPに沿った表面の最小高さ、複数のエンドエフェクタ要素の最大構成要素速度、及び連続TCPに沿った複数構成要素型エンドエフェクタの固定表面速度に基づいてもよい。言い換えれば、複数構成要素型エンドエフェクタの連続TCPに沿った、及び連続TCPに垂直な運動について全体的な運動学的制約が与えられると、各ウェイポイントと隣接ウェイポイントとの間の距離は、表面高さの変動に応答するために、システム、ロボット及び/または複数構成要素型エンドエフェクタの能力に基づいてもよく、及び/またはその関数であってもよい。最小高さの例は図1に示されており、符号220で示されている。最大高さの例は図1に示されており、符号222で示されている。
【0030】
提供するステップ110は、任意の適切な方法で実行されてもよい。一例として、提供するステップ110は、所与の表面及び/または特定の表面について以前に決定された離散化TCPのデータベースからなど、離散化TCPにアクセスするステップを含んでもよい。別の例として、図3に破線で示すように、提供するステップ110は、連続TCPを生成するステップ112と、距離を決定するステップ114と、連続TCPを離散化するステップ116とを含んでもよい。図4は、提供するステップ110の間に実行されてもよく、本明細書でより詳細に説明される連続ツール中心点経路の生成の一例の図である。
【0031】
連続TCPを生成するステップ112は、任意の適切な方法で連続TCPを生成し、画定し、及び/または確立するステップを含んでもよい。一例として、生成するステップ112は、表面の表現を提供するステップを含んでもよい。これは、表面のコンピュータ支援設計図及び/または表面の3D走査など、表面の任意の適切なモデル、数学的記述及び/または幾何学的記述を提供するステップを含んでもよい。これを念頭に置いて、生成するステップ112は、表面のモデルを提供するステップ、表面の数学的記述を提供するステップ、表面の幾何学的記述を提供するステップ、及び/または表面を3D走査するステップを含んでもよい。表面の表現の一例が図4に示されており、符号230で示されている。
【0032】
いくつかの例では、生成するステップ112は、表面の表現に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの初期軌道を選択するステップを含んでもよい。初期軌道は、表面の表現に沿った複数の個々の経路を含んでもよく、隣接する経路間の間隔は、複数構成要素型エンドエフェクタのサイズなどのシステムの1以上の幾何学的制約に少なくとも部分的に基づいて選択されてもよい。言い換えれば、複数の個々の経路を含む初期軌道は、複数の個々の経路が揃うと、複数構成要素型エンドエフェクタが表面の全体及び/または表面の所望の領域の全体の目標距離範囲を横切って移動する及び/またはその中で移動するように選択されてもよい。目標距離範囲の例は、本明細書に開示されている。これは図4に示されており、表面の表現230に沿った複数の個々の経路は符号232で示されており、矢印は、複数の個々の経路232を横切る場合に複数構成要素型エンドエフェクタが移動する方向の一例を示す。
【0033】
いくつかのこのような例では、生成するステップ112はまた、連続TCPを作成及び/または生成するために初期軌道を修正するか、またはその後に修正するステップを含んでもよい。修正するステップは、初期軌道の形状と表面の表現との間の対応関係を改善するステップを含んでもよい。一例として、修正するステップは、初期軌道を表面の表現に曲線適合させるステップを含んでもよい。別の例として、修正するステップは、表面の表現の局所的な表面法線及び/または局所的な勾配に少なくとも部分的に基づいて修正するステップを含んでもよい。いくつかの例では、修正するステップは、複数構成要素型エンドエフェクタの作業範囲が連続TCPに沿った表面の表現と重なるように、及び/または複数構成要素型エンドエフェクタの作業範囲が連続TCPに沿った表面の目標距離範囲内にあるように修正するステップを含んでもよい。修正するステップは図4に示され、曲線適合させるステップによって修正された個々の経路は234で示され、局所的な表面法線及び/または表面の表現の勾配に基づいて修正された個々の経路は236で示される。
【0034】
距離を決定するステップ114は、複数の離間ウェイポイントの隣接ウェイポイント間の距離を決定し、確立し、及び/または計算するステップを含んでもよい。これは、連続TCPに沿って、連続TCPと表面との間の最大距離、連続TCPと表面との間の最小距離、及び/または最大距離と最小距離との間の距離差を決定するステップを含んでもよい。距離差は、ロボットが連続TCPに沿って複数構成要素型エンドエフェクタを移動させるときに、複数構成要素型エンドエフェクタから及び/または複数構成要素型エンドエフェクタの作業範囲内で必要となる可能性がある運動の最大量を示してもよい。
【0035】
これを念頭に置いて、決定するステップ114は、少なくとも部分的に、複数構成要素型エンドエフェクタの固定表面速度、表面の表面法線に対する最大構成要素速度、及び距離差に基づいて、隣接ウェイポイント間の距離を決定し、確立し、及び/または計算するステップを含んでもよい。言い換えれば、決定するステップ114は、システム、ロボット及び/または複数構成要素型エンドエフェクタの運動学的制約を考慮に入れてもよく、隣接ウェイポイント間の距離は、例えば複数構成要素型エンドエフェクタと表面との間の衝突を回避するため、及び/または複数構成要素型エンドエフェクタの複数のエンドエフェクタ要素を目標距離範囲内に維持するために必要な場合がある連続TCPに対する複数構成要素型エンドエフェクタの任意の運動が、システムの運動学的制約内で行われるように選択されてもよい。
【0036】
連続TCPを離散化するステップ116は、決定するステップ114の間に確立されたように、連続TCPを隣接ウェイポイント間の距離だけ離間した複数の離間ウェイポイントに離散化するステップを含んでもよい。言い換えれば、離散化するステップ116は、連続TCP上に複数の離間ウェイポイントを重ね合わせるステップを含んでもよく、隣接ウェイポイント間の距離は決定するステップ114によって決定される。
【0037】
いくつかの例では、提供するステップ110及び/または離散化するステップ116は、離散化TCPを画定するために隣接ウェイポイント間を補間するステップをさらに含んでもよい。言い換えれば、複数の離間ウェイポイントは、複数構成要素型エンドエフェクタ、または複数構成要素型エンドエフェクタの所定の領域が、複数構成要素型エンドエフェクタが離散化TCPに沿って移動する様々な時点で位置決めされる複数の箇所を画定してもよい。これを念頭に置いて、補間するステップは、隣接ウェイポイント間を横切るために、複数構成要素型エンドエフェクタのための、または複数構成要素型エンドエフェクタの所定の領域のための経路を提供するステップを含んでもよい。補間するステップは、任意の適切な方法で実行されてもよい。例として、補間するステップは、隣接ウェイポイント間で線形補間するステップまたは曲線補間するステップを含んでもよい。
【0038】
本明細書でより詳細に説明するように、複数構成要素型エンドエフェクタ及び表面の両方は、サイズが比較的大きくてもよい。また、本明細書でより詳細に説明するように、複数構成要素型エンドエフェクタのエンドエフェクタ要素がこの運動の間に表面の目標距離範囲内にあるように、表面に対して複数構成要素型エンドエフェクタを移動させることが望ましい場合がある。さらに説明するように、目標距離範囲は、複数構成要素型エンドエフェクタのサイズと比較した場合に、及び/または表面のサイズと比較した場合に比較的小さくてもよい。また、説明したように、連続TCPに沿った複数構成要素型エンドエフェクタの運動及び/または連続TCPに対するエンドエフェクタ要素の運動は、運動学的に制約されてもよい。さらに、複数構成要素型エンドエフェクタ及び/または1以上のエンドエフェクタ要素が表面に接触すること及び/または表面からの最小距離未満にあることが許容されない場合がある。したがって、システムが複数構成要素型エンドエフェクタを連続TCPに沿って移動させる間、各エンドエフェクタ要素を目標距離範囲内に常に維持することは、不可能であり、実現不可能であり、及び/または実用的ではないことがある。
【0039】
上記を念頭に置いて、距離ヒューリスティックを決定するステップ120は、基準として目標距離範囲を利用して、複数構成要素型エンドエフェクタと表面との間及び/またはエンドエフェクタ要素と表面との間の潜在的な相対方位をランク付けし、査定し、評価し、及び/または分類するために利用されてもよい。決定するステップ120は、任意の適切な方法で実行されてもよい。一例として、ウェイポイントごとに、決定するステップ120は、各エンドエフェクタ要素についての、及び/またはエンドエフェクタのコマンド空間内での複数の距離ヒューリスティックを決定するステップを含んでもよい。各距離ヒューリスティックは、複数のエンドエフェクタ要素の対応する相対方位について、表面の目標距離範囲内にある複数のエンドエフェクタ要素の一部分を定量化する。複数の距離ヒューリスティックは、エンドエフェクタのコマンド空間内の、及び/または各ウェイポイントの複数のエンドエフェクタ要素の相対方位ごとに、可能な相対方位ごとに、及び/または許容可能な相対方位ごとに決定されてもよい。言い換えれば、ウェイポイントごとに、決定するステップ120は、複数のエンドエフェクタ要素の相対方位ごとに、または全ての許容可能な相対方位について、対応する距離ヒューリスティックを決定するステップを含んでもよい。
【0040】
いくつかの例では、決定するステップ120は、複数構成要素型エンドエフェクタのコマンド空間を複数のエンドエフェクタ要素の複数の対応する相対方位に細分するステップを含んでもよい。言い換えれば、複数構成要素型エンドエフェクタは、コマンド空間内で対応する空間解像度で複数のエンドエフェクタ要素の各エンドエフェクタ要素を移動させるように構成されてもよく、決定するステップ120は、複数のエンドエフェクタ要素の複数の対応する相対方位が、対応する空間解像度以上の細分された空間解像度を有するようにコマンド空間を細分するステップを含んでもよい。
【0041】
細分するステップは、任意の適切な基準に基づいていてもよい。一例として、細分するステップは、方法100を実行するために必要な計算負荷に少なくとも部分的に基づいて細分するステップを含んでもよい。言い換えれば、細分された比較的高い空間解像度が、比較的高い計算負荷を必要とする場合がある一方で、細分された比較的低い空間解像度は、比較的低い計算負荷を必要とする場合がある。これを念頭に置いて、細分するステップは、計算負荷が許容されるかもしくは目標の計算負荷範囲内になるように細分するステップを含んでもよい。
【0042】
別の例として、細分するステップは、対応する空間解像度などで、複数のエンドエフェクタ要素を互いに対して及び/またはコマンド空間内で移動させるアクチュエータの正確性及び/または精度に少なくとも部分的に基づいて細分するステップを含んでもよい。これを念頭に置いて、より多数の相対方位に細分するステップが有益ではない可能性があるため、細分するステップは、複数の対応する相対方位がアクチュエータの正確性及び/または精度を超えるかもしくはそれに等しい量だけ互いに離間されるように細分するステップを含んでもよい。
【0043】
さらに別の例として、細分するステップは、システム内、複数構成要素型エンドエフェクタ内、及び/または複数のエンドエフェクタ要素間の振動及び/または他の予期しない運動及び/または不規則な運動の大きさに少なくとも部分的に基づいて細分するステップを含んでもよい。システムが振動及び/または他の予期しない運動及び/または不規則な運動を経験する場合、システムはこのような運動の大きさよりも高い解像度までその中の運動を制御することができない可能性があるため、このような運動の大きさよりも大きい解像度に細分することは有益でない可能性がある。
【0044】
別の例として、細分するステップは、システム、複数構成要素型エンドエフェクタ及び/または複数のエンドエフェクタ要素の運動に対する運動学的制約に少なくとも部分的に基づいて細分するステップを含んでもよい。運動学的制約が、特定の構成が複数のエンドエフェクタ要素に利用不可能であることを規定している場合、このような利用不可能な構成を考慮したり、このような構成の距離ヒューリスティックを決定したりしなくてもよい。
【0045】
上述したように、1以上のエンドエフェクタ要素が表面に接触すること、及び/または表面からの最小距離未満にあることは望ましくない、または許容されない場合がある。これを念頭に置いて、決定するステップ120は、表面と少なくとも1つのエンドエフェクタ要素との間の距離が複数の距離ヒューリスティックの最小距離未満である、対応する相対方位を含む距離ヒューリスティックを複数の距離ヒューリスティックから除外するステップをさらに含んでもよい。
【0046】
決定するステップ120は図5に示されており、2つの作動軸線(すなわち、コマンド範囲軸線1及びコマンド範囲軸線2)に広がる二次元空間内の複数構成要素型エンドエフェクタのエンドエフェクタ要素の(円として示された)構成を概略的に示している。図5の例では、符号251で示されるように、第1の決定は、コマンド範囲軸線1及びコマンド範囲軸線2の運動の極端部で行われてもよい。この第1の決定では、符号244で示されるように、2つの構成が、複数の距離ヒューリスティックの最大距離よりも大きい表面からの距離にエンドエフェクタ要素を配置すること、及び、符号242で示されるように、2つの構成が、複数の距離ヒューリスティックの最小距離未満である表面からの距離にエンドエフェクタ要素を配置することが決定される。したがって、第1の決定251では、エンドエフェクタ要素は目標距離範囲内に全くなく、対応する距離ヒューリスティックはゼロまたはヌルセットであってもよい。さらに、符号242で示されるように、第1の決定251のための少なくとも1つのエンドエフェクタ要素の構成は表面からの最小距離未満にあるため、第1の決定251のための距離ヒューリスティックは複数の距離ヒューリスティックから除外される(すなわち、第1の決定251は許可されていない構成を表す)。
【0047】
続いて、符号252で示されるように、第2の決定がなされてもよい。第2の決定252は、第1の決定251と比較した場合の複数のエンドエフェクタ要素間の異なる相対方位を表し、第1の決定251で利用される極端部間にあるエンドエフェクタ要素の構成を考慮してもよい。図5の例では、第2の決定252は、符号244で示されるように、エンドエフェクタ要素を最大距離よりも遠く配置する3つの構成と、符号242で示されるように、エンドエフェクタ要素を最小距離よりも近く配置する3つの構成と、エンドエフェクタ要素を目標距離範囲内に配置する2つの構成とを含む。したがって、第2の決定252では、距離ヒューリスティックはゼロより大きくてもよい。しかし、符号242で示されるように、第2の決定252のための少なくとも1つのエンドエフェクタ要素の構成は表面からの最小距離未満にあるため、第2の決定252のための距離ヒューリスティックは複数の距離ヒューリスティックから除外される(すなわち、第2の決定252は許可されていない構成を表す)。
【0048】
このプロセスは、符号252、253、254及び255で示されるように、複数構成要素型エンドエフェクタの全ての許容可能な構成について反復されてもよく、それによって、所与のウェイポイントの複数構成要素型エンドエフェクタの許容可能な各構成について対応する距離ヒューリスティックを生成する。このプロセスはまた、各ウェイポイントにおいて反復されてもよく、それによって、各ウェイポイントの複数構成要素型エンドエフェクタの許容可能な構成ごとに対応する距離ヒューリスティックを生成する。これは図6に示されており、各ウェイポイント212の複数の距離ヒューリスティックは、陰影付き平行四辺形によって示されている。各ウェイポイントにおいて、少なくとも1つのエンドエフェクタ要素が表面からの最小距離未満にあるために除外される距離ヒューリスティックは符号260で示され、許容可能な残りの距離ヒューリスティックは符号262で示される。許容可能な距離ヒューリスティック262内では、より明るい色は、複数のエンドエフェクタ要素のより大きな部分が複数のエンドエフェクタ要素の対応する相対方位について表面の目標距離範囲内にある距離ヒューリスティックを表す。
【0049】
距離ヒューリスティックを更新するステップ130は、複数の更新された距離ヒューリスティックを定義するために複数の距離ヒューリスティックを更新するステップを含んでもよく、決定するステップ120に続いて実行されてもよい。更新するステップ130は、任意の適切な方法で実行されてもよい。一例として、図3に示すように、更新するステップ130は、相対方位のサブセットを決定するステップ132と、距離ヒューリスティックを修正するステップ134と、順次反復するステップ136とを含んでもよい。
【0050】
相対方位のサブセットを決定するステップ132は、第1のウェイポイントの対応する相対方位ごとに、複数構成要素型エンドエフェクタが利用可能な直後のウェイポイントの対応する相対方位のサブセットを決定するステップを含んでもよい。第1のウェイポイントは、離散化TCPに沿った第1のウェイポイント及び/または複数構成要素型エンドエフェクタが連続TCPに沿って移動するときに複数構成要素型エンドエフェクタが遭遇する第1のウェイポイントを含んでもよく、及び/またはそれらであってもよい。直後のウェイポイントは、離散化TCPに沿った第2のウェイポイント及び/または複数構成要素型エンドエフェクタが連続TCPに沿って移動するときに複数構成要素型エンドエフェクタが遭遇する第2のウェイポイントを含んでもよく、及び/またはそれらであってもよい。対応する相対方位のサブセットは、システムの運動学的制約を前提として、複数構成要素型エンドエフェクタが第1のウェイポイントの所与の相対方位から直後のウェイポイントの対応する相対方位に遷移してもよい場合に、複数構成要素型エンドエフェクタに「利用可能」であると理解されてもよい。
【0051】
対応する相対方位のサブセットは、複数構成要素型エンドエフェクタが利用可能な任意の適切な数の相対方位を含んでもよい。一例として、対応する相対方位のサブセットは、複数構成要素型エンドエフェクタが利用可能な直後のウェイポイントの全ての相対方位を含んでもよい。別の例として、対応する相対方位のサブセットは、所定の数の対応する相対方位を含んでもよい。さらに別の例として、対応する相対方位のサブセットは、直後のウェイポイントにおいて、最大の距離ヒューリスティックを有する、及び/またはエンドエフェクタ要素の最大部分が目標距離範囲内にあることを示す距離ヒューリスティックを有する、所定の数の対応する相対方位であってもよい。
【0052】
言い換えれば、いくつかの例では、決定するステップ132は、直後のウェイポイントにおいて複数構成要素型エンドエフェクタが利用可能な全ての相対方位について、対応する相対方位の数、または対応する相対方位の所定の数を選択するステップを含んでもよい。対応する相対方位の数の例は、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも8つ、最大でも20、最大でも15、最大でも10、最大でも8つ、最大でも6つ、及び/または最大4つの相対方位を含む。追加的または代替的に、いくつかの例では、対応する相対方位の数を選択するステップが、対応する相対方位の数に関連付けられた距離ヒューリスティックが、直後のウェイポイントで複数構成要素型エンドエフェクタが利用可能な他の全ての相対方位に関連付けられた距離ヒューリスティックよりも大きくなるように選択するステップを含んでもよい。
【0053】
符号134において距離ヒューリスティックを修正するステップは、直後のウェイポイントの対応する相対方位のサブセットの対応する距離ヒューリスティックに基づいて、第1のウェイポイントの対応する相対方位ごとに複数の距離ヒューリスティックを修正するステップを含んでもよい。これは、任意の適切な方法で達成されてもよい。一例として、修正するステップ134は、直後のウェイポイントにおける対応する相対方位のサブセットの対応する距離ヒューリスティックの合計値、代表値、平均値、中央値もしくは最頻値と、第1のウェイポイントにおける対応する相対方位の元の距離ヒューリスティックとの重み付けされた組合せに基づいて、第1のウェイポイントの対応する相対方位ごとの距離ヒューリスティックを更新された距離ヒューリスティックに置き換えるステップを含んでもよい。言い換えれば、修正するステップ134は、第1のウェイポイントの所与の相対方位の距離ヒューリスティックを、直後のウェイポイントの望ましい相対方位の距離ヒューリスティックに基づく更新された距離ヒューリスティックで置き換えるステップを含んでもよい。
【0054】
具体例として、対応する相対方位のサブセットに関連付けられた距離ヒューリスティックが、表面と全てのエンドエフェクタ要素との間の距離が最小距離よりも大きいことを示す場合、修正するステップ134は、第1のウェイポイントの対応する相対方位ごとの距離ヒューリスティックを、対応する相対方位のサブセットの距離ヒューリスティックの代表値と置き換えるステップを含んでもよい。別の具体例として、対応する相対方位のサブセットに関連付けられた距離ヒューリスティックが、表面と複数のエンドエフェクタ要素のうちの少なくとも1つのエンドエフェクタ要素との間の距離が最小距離未満であることを示す場合、修正するステップ134は、対応する相対方位を複数構成要素型エンドエフェクタの経路から除外するステップを含んでもよい。このような構成は、複数構成要素型エンドエフェクタの経路からの、複数構成要素型エンドエフェクタと表面との間の衝突をもたらす可能性がある構成の除外を可能にしてもよい。
【0055】
順次反復するステップ136は、対応する相対方位のサブセットを決定するステップと、複数の離間ウェイポイントのウェイポイントごとに複数の距離ヒューリスティックを修正するステップとを順次反復するステップを含んでもよい。これは、複数の距離ヒューリスティックが複数のウェイポイントの各ウェイポイントで更新されるまで、第2のウェイポイントの複数の距離ヒューリスティックを順次更新するステップ、次いで第3のウェイポイントの複数の距離ヒューリスティックを更新するステップ、次いで第4のウェイポイントの複数の距離ヒューリスティックを更新するステップなどを含んでもよい。
【0056】
更新するステップ130を反復するステップ140は、選択するステップ150が、複数の離間ウェイポイントの各ウェイポイントにおいて、表面と複数のエンドエフェクタ要素のうちの全てのエンドエフェクタ要素との間の距離が最小距離よりも大きい、複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するステップを含むまで、更新するステップ130を反復するステップを含んでもよい。特定の例では、反復するステップ140は、更新するステップ130を何度も反復するステップを含んでもよく、その回数は、連続TCPに沿った表面上の最大障害物の高さ、サンプリングレート、及び複数構成要素型エンドエフェクタの運動学的運動の限界値に少なくとも部分的に基づく。より具体的には、この回数は、最大障害物の高さと複数構成要素型エンドエフェクタの運動学的運動の限界値で除算したサンプリングレートとの積以上であってもよい。サンプリングレートは、連続TCPに沿った複数構成要素型エンドエフェクタの固定表面速度をウェイポイント間の距離で除算したものとして定義されてもよい。複数構成要素型エンドエフェクタの運動学的運動の限界値は、表面の表面法線方向に対するエンドエフェクタ要素の最大構成要素速度として定義されてもよい。
【0057】
経路を選択するステップ150は、表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するステップと、複数の更新された距離ヒューリスティックに基づいて選択するステップとを含んでもよい。本明細書でより詳細に説明するように、複数構成要素型エンドエフェクタの経路は連続TCPの複雑な組合せであり、連続TCPは、ロボットを介した複数構成要素型エンドエフェクタの全体的な運動と、及び、互いに対する、連続TCPに対する、及び/または複数構成要素型エンドエフェクタのコマンド空間内の、複数構成要素型エンドエフェクタの個々のエンドエフェクタ要素の運動とによって調整される。
【0058】
選択するステップ150は、任意の適切な方法で実行されてもよい。一例として、選択するステップ150は、各ウェイポイントにおいて、対応する距離ヒューリスティック、または更新された距離ヒューリスティックの最大値に対応する複数のエンドエフェクタ要素の対応する相対方位をウェイポイントごとに選択するステップを含んでもよい。
【0059】
反復するステップ140及び選択するステップ150は、図6図9に示されている。説明したように、図6は、更新するステップ130の間に実行されるような、複数の距離ヒューリスティックへの第1の更新を示す。図6では、現在好ましい個々の構成要素軌道が214で示されている。現在好ましい個々の構成要素軌道214は、複数構成要素型エンドエフェクタ内の個々のエンドエフェクタ要素の複数の個別の運動、位置及び/または構成を含んでもよく、及び/または離散化TCPに対する、及び/または互いに対する個々のエンドエフェクタ要素の運動を含んでもよい。言い換えれば、図6は、複数構成要素型エンドエフェクタの個々のエンドエフェクタ要素の複数の異なる相対方位についての複数の距離ヒューリスティックのグラフィック表現であってもよい。
【0060】
図7では、更新するステップ130を追加で2回実行することによって得られる複数の距離ヒューリスティックに対する追加2回の更新の後、現在好ましい個々の構成要素軌道214は、より最適な全体軌道を示すように偏移している。図8図9は、複数の距離ヒューリスティックに対してそれぞれ合計5回及び合計7回更新した後の、現在好ましい個々の構成要素軌道214に対するさらなる改良を示している。図6図9を比較して分かるように、現在好ましい個々の構成要素軌道214は、更新するステップ130の数回の反復後に好ましい軌道もしくは最適な軌道に向かって収束し、この好ましい軌道もしくは最適な軌道は、選択するステップ150の間に選択されてもよい。
【0061】
距離を検証するステップ160は、表面と全てのエンドエフェクタ要素との間の距離が最小距離よりも大きいことを検証するステップを含んでもよい。これは、複数構成要素型エンドエフェクタの経路の全体に沿った距離を検証するステップを含んでもよく、選択するステップ150の後に実行されてもよい。言い換えれば、検証するステップ160は、複数構成要素型エンドエフェクタが表面に対して、かつ経路に沿って移動するときに、複数構成要素型エンドエフェクタと表面との間にいかなる衝突も存在しないことを保証するステップを含んでもよい。
【0062】
検証するステップ160は、任意の適切な方法で実行されてもよい。一例として、検証するステップ160は、例えば距離が、各対の隣接ウェイポイント間の最小距離よりも常に大きいことを検証するために、各対の隣接ウェイポイント間を補間するステップを含んでもよい。表面と少なくとも1つのエンドエフェクタ要素との間の距離が所与の対の隣接ウェイポイント間の最小距離未満であるとの決定に応答して、検証するステップ160は、離散化TCPを修正するステップ、更新するステップ130及び/または反復するステップ140を反復するステップをさらに含んでもよい。離散化TCPを修正するステップは、修正されたTCPを生成するために、所与の対の隣接ウェイポイント間に、またはそれらの間に等距離に新しいウェイポイントを挿入するステップを含んでもよい。この修正は、離散化TCPのこの領域内の計算分解能を高めてもよい。更新するステップ130及び/または反復するステップ140を反復するステップは、修正されたTCPを利用して、更新するステップ130及び/または反復するステップ140を反復するステップを含んでもよい。このような構成では、検証するステップ160は、更新するステップ130及び/または反復するステップ140に続いて、更新された経路を選択するために選択するステップ150を反復するステップを含んでもよい。
【0063】
複数構成要素型エンドエフェクタを移動させるステップ170は、選択するステップ150の間に選択されたように、表面に対しかつ経路に沿って複数構成要素型エンドエフェクタを移動させるステップを含んでもよい。いくつかの例では、表面は、航空機の空気力学的表面を含んでもよく、及び/またはそれであってもよい。いくつかの例では、方法100は、移動させるステップ170の間に動作を実行するステップをさらに含んでもよい。動作を実行するステップの例は、表面に印刷するステップ、表面を画像化するステップ、及び/または表面を走査するステップを含む。
【0064】
特定の例では、本明細書でより詳細に説明するように、複数構成要素型エンドエフェクタは、複数構成要素型インクジェットプリントエンジンを含んでもよく、及び/またはそれであってもよい。このような例では、複数のエンドエフェクタ要素は複数の個別に移動可能なインクジェットプリントヘッドアレイを含んでもよく、及び/またはそれであってもよく、複数構成要素型エンドエフェクタは複数の個別に移動可能なインクジェットプリントヘッドアレイ内に配置された複数のインクジェットプリントヘッドを含んでもよい。また、このような例では、距離ヒューリスティックは、少なくとも部分的に、目標距離範囲内にある複数のインクジェットプリントヘッドのうちのいくつかのインクジェットプリントヘッドに基づいてもよく、及び/または目標距離範囲は、複数のインクジェットプリントヘッドのための印刷距離仕様を含んでもよく、及び/またはそれであってもよい。
【0065】
別の特定の例では、また、本明細書でより詳細に説明するように、複数構成要素型エンドエフェクタは、複数構成要素型カメラを含んでもよく、及び/またはそれであってもよい。このような例では、複数のエンドエフェクタ要素は、複数の個別に移動可能なカメラを含んでもよく、及び/またはそれであってもよい。また、このような例では、距離ヒューリスティックは、少なくとも部分的に、目標距離範囲内にある複数の個別に移動可能なカメラのうちのいくつかのカメラに基づいてもよく、及び/または目標距離範囲は、複数の個別に移動可能なカメラの焦点距離仕様を含んでもよく、及び/またはそれであってもよい。
【0066】
別の特定の例では、また、本明細書でより詳細に説明するように、複数構成要素型エンドエフェクタは複数構成要素型スキャナを含んでもよく、及び/またはそれであってもよい。このような例では、複数のエンドエフェクタ要素は、複数の個別に移動可能な走査要素を含んでもよく、及び/またはそれであってもよい。また、このような例では、距離ヒューリスティックは、少なくとも部分的に、目標距離範囲内にある複数の個別に移動可能な走査要素のうちのいくつかの走査要素に基づいてもよく、及び/または目標距離範囲は、複数の個別に移動可能な走査要素の走査距離仕様を含んでもよく、及び/またはそれであってもよい。
【0067】
以下に列挙する付記項では、本開示による発明の主題の例示的で非排他的な例について説明する。
【0068】
A1.表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するための方法であって、複数構成要素型エンドエフェクタが、任意には固定表面速度で、連続ツール中心点経路(TCP)上で表面に沿って複数構成要素型エンドエフェクタを移動させるように構成されたロボットに取り付けられ、複数構成要素型エンドエフェクタが、任意には表面の表面法線方向に対して最大構成要素速度未満で、複数構成要素型エンドエフェクタのコマンド空間内で互いに対して移動する複数のエンドエフェクタ要素を含み、方法が、
離散化TCPを提供するステップであって、離散化TCPが、連続TCPに沿って複数の離間ウェイポイントを含む、ステップと、
複数の離間ウェイポイントの各ウェイポイントにおいて、複数構成要素型エンドエフェクタのコマンド空間内の複数のエンドエフェクタ要素について複数の距離ヒューリスティックを決定するステップであって、複数の距離ヒューリスティックの各距離ヒューリスティックが、複数のエンドエフェクタ要素の対応する相対方位について表面の目標距離範囲内にある複数のエンドエフェクタ要素の一部分を定量化し、目標距離範囲が、最小距離と最大距離との間で画定される、ステップと、
複数の距離ヒューリスティックを決定するステップに続いて、複数の更新された距離ヒューリスティックを定義するために複数の距離ヒューリスティックを更新するステップであって、更新するステップが、
(i)複数の離間ウェイポイントのうちの第1のウェイポイントの対応する相対方位ごとに、複数構成要素型エンドエフェクタが利用可能な、複数の離間ウェイポイントのうちの直後のウェイポイントの対応する相対方位のサブセットを決定するステップと、
(ii)対応する相対方位のサブセットの対応する距離ヒューリスティックに基づいて、第1のウェイポイントの対応する相対方位ごとに複数の距離ヒューリスティックを修正するステップと、
(iii)対応する相対方位のサブセットを決定するステップと、複数の離間ウェイポイントのウェイポイントごとに複数の距離ヒューリスティックを修正するステップとを順次反復するステップとを含む、ステップと、
複数の更新された距離ヒューリスティックに基づいて表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するステップとを含む、方法。
【0069】
A2.複数の距離ヒューリスティックを決定するステップが、複数構成要素型エンドエフェクタのコマンド空間を複数のエンドエフェクタ要素の複数の対応する相対方位に細分するステップを含む、付記項A1に記載の方法。
【0070】
A3.複数の距離ヒューリスティックを決定するステップが、複数の距離ヒューリスティックから、表面と複数のエンドエフェクタ要素のうちの少なくとも1つのエンドエフェクタ要素との間の距離が最小距離未満である、対応する相対方位を含む距離ヒューリスティックを除外するステップを含む、付記項A1からA2のいずれかに記載の方法。
【0071】
A4.対応する相対方位のサブセットを決定するステップが、直後のウェイポイントで複数構成要素型エンドエフェクタが利用可能な全ての相対方位から、対応する相対方位の数を選択するステップを含む、付記項A1からA3のいずれかに記載の方法。
【0072】
A5.対応する相対方位の数が、
(i)少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つまたは少なくとも8つの相対方位、及び
(ii)最大でも20、最大でも15、最大でも10、最大でも8つ、最大でも6つまたは最大でも4つの相対方位
のうちの少なくとも1つを含む、付記項A4に記載の方法。
【0073】
A6.対応する相対方位の数を選択するステップが、対応する相対方位の数に関連付けられた距離ヒューリスティックが、直後のウェイポイントで複数構成要素型エンドエフェクタが利用可能な他の全ての相対方位に関連付けられた距離ヒューリスティックよりも大きくなるように選択するステップを含む、付記項A4からA5のいずれかに記載の方法。
【0074】
A7.第1のウェイポイントの対応する相対方位ごとの複数の距離ヒューリスティックを修正するステップが、
(i)対応する相対方位のサブセットに関連付けられた距離ヒューリスティックが、表面と複数のエンドエフェクタ要素のうちの全てのエンドエフェクタ要素との間の距離が最小距離よりも大きいことを示す場合に、第1のウェイポイントの対応する相対方位ごとの距離ヒューリスティックを、対応する相対方位のサブセットの距離ヒューリスティックの代表値に置き換えるステップ、及び
(ii)対応する相対方位のサブセットに関連付けられた距離ヒューリスティックが、表面と複数のエンドエフェクタ要素のうちの少なくとも1つのエンドエフェクタ要素との間の距離が複数の距離ヒューリスティックの最小距離未満であることを示す場合に、複数構成要素型エンドエフェクタの経路からの対応する相対方位を除外するステップ
のうちのいずれかを含む、付記項A1からA6のいずれかに記載の方法。
【0075】
A8.本方法が、複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するステップが、複数の離間ウェイポイントの各ウェイポイントにおいて、表面と複数のエンドエフェクタ要素のうちの全てのエンドエフェクタ要素との間の距離が複数の距離ヒューリスティックスの最小距離よりも大きい経路を選択するステップを含むまで、更新するステップを反復するステップをさらに含む、付記項A1からA7のいずれかに記載の方法。
【0076】
A9.複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するステップに続いて、方法が、表面と複数のエンドエフェクタ要素のうちの全てのエンドエフェクタ要素との間の距離が複数構成要素型エンドエフェクタの経路の全体に沿った最小距離よりも大きいことを検証するステップをさらに含む、付記項A1からA8のいずれかに記載の方法。
【0077】
A10.検証するステップが、複数の離間ウェイポイントの各対の隣接ウェイポイント間を補間するステップを含む、付記項A9に記載の方法。
【0078】
A11.表面と複数のエンドエフェクタ要素のうちの少なくとも1つのエンドエフェクタ要素との間の距離が所与の対の隣接ウェイポイント間の最小距離未満であるとの決定に応答して、検証するステップが、
(i)所与の対の隣接ウェイポイント間に新しいウェイポイントを挿入することによって修正されたTCPを生成するために、離散化TCPを修正するステップと、
(ii)修正されたTCPを利用して複数の距離ヒューリスティックを更新するステップを反復するステップと
をさらに含む、付記項A9からA10のいずれかに記載の方法。
【0079】
A12.複数の離間ウェイポイントの各ウェイポイントと複数の離間ウェイポイントの隣接ウェイポイントとの間の距離が、少なくとも部分的に、連続TCPに沿った表面の最大高さ、連続TCPに沿った表面の最小高さ、複数のエンドエフェクタ要素の最大構成要素速度、及び固定表面速度に基づく、付記項A1からA11のいずれかに記載の方法。
【0080】
A13.離散化TCPを提供するステップが連続TCPを生成するステップを含む、付記項A1からA12のいずれかに記載の方法。
【0081】
A14.連続TCPを生成するステップが表面の表現を提供するステップを含む、付記項A13に記載の方法。
【0082】
A15.表面の表現を提供するステップが、
(i)表面のモデルを提供するステップ、及び
(ii)表面を3D走査するステップ
のうちの少なくとも1つを含む、付記項A14に記載の方法。
【0083】
A16.連続TCPを生成するステップが、表面の表現に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの初期軌道を選択するステップと、連続TCPを生成するために初期軌道を修正するステップとをさらに含む、付記項A14からA15のいずれかに記載の方法。
【0084】
A17.初期軌道を修正するステップが、初期軌道を表面の表現に曲線適合させるステップを含む、付記項A16に記載の方法。
【0085】
A18.初期軌道を修正するステップが、複数構成要素型エンドエフェクタの作業範囲が連続TCPに沿った表面の表現と重なるように修正するステップを含む、付記項A16からA17のいずれかに記載の方法。
【0086】
A19.離散化TCPを提供するステップが、複数の離間ウェイポイントの隣接ウェイポイント間の距離を決定するステップをさらに含む、付記項A13からA18のいずれかに記載の方法。
【0087】
A20.隣接ウェイポイント間の距離を決定するステップが、連続TCPに沿って、連続TCPと表面との間の最大距離、連続TCPと表面との間の最小距離、及び最大距離と最小距離との間の距離差を決定するステップを含む、付記項A19に記載の方法。
【0088】
A21.隣接ウェイポイント間の距離を決定するステップが、少なくとも部分的に、表面に沿った複数構成要素型エンドエフェクタの固定表面速度、表面の表面法線に対する最大構成要素速度、及び距離差に基づいて、隣接ウェイポイント間の距離を計算するステップを含む、付記項A20に記載の方法。
【0089】
A22.離散化TCPを提供するステップが、連続TCPを、隣接ウェイポイント間の距離だけ離間した複数の離間ウェイポイントに離散化するステップを含む、付記項A19からA21のいずれかに記載の方法。
【0090】
A23.離散化TCPを提供するステップが、離散化TCPを定義するために、複数の離間ウェイポイントの隣接ウェイポイントの間を補間するステップをさらに含む、付記項A22に記載の方法。
【0091】
A24.複数構成要素型エンドエフェクタの経路を選択するステップが、複数の離間ウェイポイントのウェイポイントごとに、各ウェイポイントにおける対応する距離ヒューリスティックの最大値に対応する複数のエンドエフェクタ要素の対応する相対方位を選択するステップを含む、付記項A1からA23のいずれかに記載の方法。
【0092】
A25.複数構成要素型エンドエフェクタが複数構成要素型インクジェットプリントエンジンを含み、複数のエンドエフェクタ要素が複数の個別に移動可能なインクジェットプリントヘッドアレイを含み、さらに、複数構成要素型エンドエフェクタが複数の個別に移動可能なインクジェットプリントヘッドアレイ内に配置された複数のインクジェットプリントヘッドを含む、付記項A1からA24のいずれかに記載の方法。
【0093】
A26.複数の距離ヒューリスティックが、少なくとも部分的に、目標距離範囲内にある複数のインクジェットプリントヘッドのうちのいくつかのインクジェットプリントヘッドに基づく、付記項A25に記載の方法。
【0094】
A27.目標距離範囲が複数のインクジェットプリントヘッドの印刷距離仕様である、付記項A25からA26のいずれかに記載の方法。
【0095】
A28.複数構成要素型エンドエフェクタが複数構成要素型カメラを含み、複数のエンドエフェクタ要素が複数の個別に移動可能なカメラを含む、付記項A1からA27のいずれかに記載の方法。
【0096】
A29.複数の距離ヒューリスティックが、少なくとも部分的に、目標距離範囲内にある複数の個別に移動可能なカメラのうちのいくつかのカメラに基づく、付記項A28に記載の方法。
【0097】
A30.目標距離範囲が、複数の個別に移動可能なカメラの焦点距離仕様である、付記項A28またはA29に記載の方法。
【0098】
A31.複数構成要素型エンドエフェクタが複数構成要素型スキャナを含み、複数のエンドエフェクタ要素が複数の個別に移動可能な走査要素を含む、付記項A1からA30のいずれかに記載の方法。
【0099】
A32.複数の距離ヒューリスティックが、少なくとも部分的に、目標距離範囲内にある複数の個別に移動可能な走査要素のうちのいくつかの走査要素に基づく、付記項A31に記載の方法。
【0100】
A33.目標距離範囲が、複数の個別に移動可能な走査要素の走査距離仕様である、付記項A31またはA32に記載の方法。
【0101】
A34.複数の距離ヒューリスティックの最小距離が、0.5ミリメートル(mm)、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、4mm、6mm、8mmまたは10mmである、付記項A1からA33のいずれかに記載の方法。
【0102】
A35.複数の距離ヒューリスティックの最大距離が、50mm、40mm、30mm、25mm、20mm、18mm、16mm、14mm、12mm、10mm、9mm、8mm、7mm、6mmまたは5mmである、付記項A1からA34のいずれかに記載の方法。
【0103】
A36.連続TCPに沿った複数構成要素型エンドエフェクタの固定表面速度が、
(i)少なくとも0.05メートル/秒(m/s)、少なくとも0.1m/s、少なくとも0.15m/s、少なくとも0.2m/s、少なくとも0.25m/s、少なくとも0.3m/s、少なくとも0.4m/s、または少なくとも0.5m/s、及び
(ii)最大でも1m/s、最大でも0.9m/s、最大でも0.8m/s、最大でも0.7m/s、最大でも0.6m/s、最大でも0.5m/s、最大でも0.4m/s、最大でも0.35m/s、最大でも0.3m/s、最大でも0.25m/s、最大でも0.2m/s、または最大でも0.15m/s
のうちの少なくとも1つである、付記項A1からA35のいずれかに記載の方法。
【0104】
A37.最大構成要素速度が、
(i)少なくとも0.2m/s、少なくとも0.3m/s、少なくとも0.4m/s、少なくとも0.5m/s、少なくとも0.6m/s、少なくとも0.7m/s、少なくとも0.8m/s、少なくとも0.9m/s、または少なくとも1m/s、及び
(ii)最大でも2m/s、最大でも1.9m/s、最大でも1.8m/s、最大でも1.7m/s、最大でも1.6m/s、最大でも1.5m/s、最大でも1.4m/s、最大でも1.3m/s、最大でも1.2m/s、最大でも1.1m/s、または最大でも1.0m/s
のうちの少なくとも1つである、付記項A1からA36のいずれかに記載の方法。
【0105】
A38.複数構成要素型エンドエフェクタが、
(i)少なくとも1.25メートル(m)、少なくとも1.5m、少なくとも2m、少なくとも2.5m、または少なくとも3m、及び
(ii)最大でも4m、最大でも3.5m、最大でも3m、最大でも2.5m、または最大でも2m
のうちの少なくとも1つのエンドエフェクタ長さを有する、付記項A1からA37のいずれかに記載の方法。
【0106】
A39.複数構成要素型エンドエフェクタが、
(i)少なくとも1.25m、少なくとも1.5m、少なくとも2m、少なくとも2.5m、または少なくとも3m、及び
(ii)最大でも4m、最大でも3.5m、最大でも3m、最大でも2.5m、または最大でも2m
のうちの少なくとも1つのエンドエフェクタ幅を有する、付記項A1からA38のいずれかに記載の方法。
【0107】
A40.複数構成要素型エンドエフェクタのコマンド空間が、連続TCPに対して垂直な最大動作範囲を画定し、最大動作範囲が、
(i)少なくとも0.1m、少なくとも0.15m、少なくとも0.2m、少なくとも0.25m、少なくとも0.3m、少なくとも0.35m、または少なくとも0.4m、及び
(ii)最大でも1m、最大でも0.9m、最大でも0.8m、最大でも0.7m、最大でも0.6m、最大でも0.5m、最大でも0.4m、または最大でも0.3m
のうちの少なくとも1つである、付記項A1からA39のいずれかに記載の方法。
【0108】
A41.方法が、表面に対しかつ経路に沿って複数構成要素型エンドエフェクタを移動させるステップをさらに含む、付記項A1からA40のいずれかに記載の方法。
【0109】
A42.表面が航空機の空気力学的表面を含む、付記項A41に記載の方法。
【0110】
A43.方法が、複数構成要素型エンドエフェクタを移動させるステップの間に動作を実行するステップをさらに含む、付記項A41からA42のいずれかに記載の方法。
【0111】
A44.動作を実行するステップが、
(i)表面に印刷するステップ、
(ii)表面を画像化するステップ、及び
(iii)表面を走査するステップ
のうちの少なくとも1つを含む、付記項A43に記載の方法。
【0112】
B1.表面付近で動作を実行するためのシステムであって、システムが、
複数構成要素型エンドエフェクタであって、複数構成要素型エンドエフェクタのコマンド空間内で互いに対して移動する複数のエンドエフェクタ要素を含む、複数構成要素型エンドエフェクタと、
ロボットであって、複数構成要素型エンドエフェクタがロボットに動作可能に取り付けられ、さらに、ロボットが、表面に沿って複数構成要素型エンドエフェクタを移動させるように構成される、ロボットと、
付記項A1からA44のいずれかに記載の方法に従ってシステムの動作を制御するようにプログラムされたコントローラとを含む、システム。
【0113】
C1.実行されると、付記項A1からA44のいずれかに記載の方法に従って複数構成要素型エンドエフェクタを制御するようにロボットに指示するコンピュータ可読命令を含む、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0114】
本明細書で使用される場合、「選択的な」及び「選択的に」という用語は、1以上の構成要素の動作、運動、構成またはその他の活動、あるいは装置の特性を変更するときに、特定の動作、運動、構成またはその他の活動が、装置の一態様、または装置の1以上の構成要素に対する使用者による操作の直接的または間接的結果であることを意味する。
【0115】
本明細書で使用される場合、「適合された」及び「構成された」という用語は、要素、構成要素または他の主題が所与の機能を果たすように設計され、及び/または意図されていることを意味する。したがって、「適合された」及び「構成された」という用語の使用は、所与の要素、構成要素またはその他の主題が、単に所与の機能の実行が「可能になる」ことを意味すると解釈されるべきではなく、要素、構成要素及び/またはその他の主題が、機能を実行する目的で特に選択され、作成され、実施され、使用され、プログラムされ、及び/または設計されることを意味する。また、特定の機能を果たすように適合されているものとして記載されている要素、構成要素及び/または他の記載の主題は、追加的にまたは代替的に、その機能を果たすように構成されているものとして記載されてもよく、逆もまた同様であることも本開示の範囲内にある。同様に、特定の機能を果たすように構成されたものとして記載されている主題は、追加的にまたは代替的に、その機能を果たすように動作可能であるものとして説明されてもよい。
【0116】
本明細書で使用される場合、1以上の実体のリストに関連する「少なくとも1つ」という語句は、実体のリスト内の実体の任意の1以上から選択される少なくとも1つの実体を意味するが、具体的に実体のリスト内に列挙された全ての実体の少なくとも1つを必ずしも含まず、また実体のリスト内の実体の任意の組合せを除外しないものと理解されるべきである。この定義はまた、明示された実体に関係するか否かに関わらず、「少なくとも1つ」という語句が指す実体のリストの中で明示された実体以外の実体が任意に存在する可能性があることを許容している。したがって、限定しない例として、「A及びBの少なくとも1つ」(または「AまたはBの少なくとも1つ」と同等、または「A及び/またはBの少なくとも1つ」と同等)は、一実施形態では、Bが存在しない(かつB以外のものを適宜含む)状態での少なくとも1つのA(1つを超えるAを適宜含む)を指し、別の実施形態では、Aが存在しない(かつA以外のものを適宜含む)状態での少なくとも1つのB(1つを超えるBを適宜含む)を指し、さらに別の実施形態では、少なくとも1つのA(1つを超えるAを適宜含む)及び少なくとも1つのB(1つを超えるBを適宜含む)(かつ他のものを適宜含む)を指す。言い換えれば、「少なくとも1つ」、「1つ以上」及び「及び/または」という語句は、動作において連言的でも選言的でもある自由形式の表現である。例えば、「A、B及びCの少なくとも1つ」、「A、BまたはCの少なくとも1つ」、「1つ以上のA、B及びC」、「A、BまたはCの1つ以上」及び「A、B及び/またはC」という表現の各々は、A単独、B単独、C単独、A及びB共々、A及びC共々、B及びC共々、A、B及びC共々、ならびに適宜少なくとも1つの他のものと組み合わされる上記のいずれかを意味してもよい。
【0117】
本明細書に開示した種々の装置の要素及び方法のステップは、本開示による全ての装置及び方法に必要なものではなく、また、本開示は、本明細書に開示した種々の要素及びステップの全ての新規かつ非自明の組合せ及び部分的な組合せを含む。さらに、本明細書に開示されている種々の要素及びステップのうちの1つ以上は、開示された装置または方法の全体から分離された別個の独立した発明の主題を定義してもよい。したがって、このような発明の主題は、本明細書に明示的に開示する具体的な装置及び方法に関連する必要はなく、このような発明の主題は、本明細書に明示的に開示していない装置及び/または方法に有用性を見出してもよい。
【0118】
本明細書で使用される場合、本開示による1以上の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態及び/または方法を参照して使用されるときの、「例えば」という語句、「例として」という語句、及び/または単に「例」という用語は、説明した構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態及び/または方法が、本開示による構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態及び/または方法の例示的で非排他的な例であることを伝えるように意図されている。したがって、説明された構成要素、形態、詳細、構造、実施形態及び/または方法は、限定的、必須、または排他的/網羅的であることを意図しておらず、構造的及び/または機能的に類似及び/または均等の構成要素、形態、詳細、構造、実施形態及び/または方法を含む他の構成要素、形態、詳細、構造、実施形態及び/または方法もまた、本開示の範囲に入る。
【0119】
本明細書において使用されるとき、「少なくとも実質的に」は、程度または関係を修飾する場合、記載された「実質的な」程度または関係だけでなく、記載された程度または関係の全範囲も含んでもよい。記載された程度または関係の実質的な量は、記載された程度または関係の少なくとも75%を含んでもよい。例えば、ある材料から少なくとも実質的に形成された物体は、物体の少なくとも75%がその材料から形成された物体を含み、その材料から完全に形成された物体も含む。別の例として、第2の長さと少なくとも実質的に同じ長さの第1の長さは、第2の長さの75%の範囲内の第1の長さを含み、第2の長さと同じ長さの第1の長さも含む。
【符号の説明】
【0120】
6 表面、8 空気力学的表面、10 システム、12 作業範囲、20 エンドエフェクタ、22 エンドエフェクタ要素、24 アクチュエータ、26 コマンド空間、27 回転軸線、28 並進軸線、30 複数構成要素型インクジェットプリントエンジン、32 インクジェットプリントヘッドアレイ、34 インクジェットプリントヘッド、40 エンドエフェクタ長さ、42 エンドエフェクタ幅、60 ロボット、80 コントローラ、82 コンピュータ可読記憶媒体、100 方法、200 連続ツール中心点経路(TCP)、210 離散化TCP、212 ウェイポイント、214 構成要素軌道、218 目標距離範囲、220 最小距離、222 最大距離、230 表面の表現、232 経路、234 経路、236 経路、242 構成、244 構成、252 構成、253 構成、254 構成、255 構成、251 第1の決定、252 第2の決定、260 距離ヒューリスティック、262 距離ヒューリスティック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】