(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167932
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】床パネル連結具及び該連結具を使用した床構造
(51)【国際特許分類】
E04F 15/024 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
E04F15/024 603F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084252
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000177139
【氏名又は名称】三洋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【弁理士】
【氏名又は名称】八木田 智
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】牛崎 悟
(72)【発明者】
【氏名】白崎 了悟
(72)【発明者】
【氏名】飯倉 正也
(72)【発明者】
【氏名】下村 喜俊
(72)【発明者】
【氏名】菊川 幸浩
【テーマコード(参考)】
2E220
【Fターム(参考)】
2E220AA36
2E220AA51
2E220AB08
2E220AC03
2E220BC04
2E220CA17
2E220DB09
2E220EA04
2E220EA05
2E220FA14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】床パネルを固定する木ネジ等の部材が床パネルの表面に現れることなく、また、床パネルを一枚ずつ支持脚に固定することができる床パネル連結具及び該連結具を使用した床構造を提供する。
【解決手段】床パネル連結具1は、支持脚に固定可能な板状パネル受け部2と、パネル受け部2の上面から上方に向けて突出する相互に90度の角度を成して配置された四つの固定板片3a、3B、3C、3Dから成る上面視十字状のパネル固定板3を備え、隣接する固定板片3a、3B、3C、3D間に床パネルの角部が位置するよう床パネルを板状パネル受け部2に載置した状態で、固定板片3a、3B、3C、3Dと床パネルの角部側面を固定することができるように構成した。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持脚(10)に固定可能な板状パネル受け部(2)と、
前記パネル受け部の上面から上方に向けて突出する相互に90度の角度を成して配置された四つの固定板片(3A~3D)から成る上面視十字状のパネル固定板(3)と
を備え、
前記隣接する固定板片間に床パネル(20)の角部が位置するよう床パネル(20)を板状パネル受け部(2)に載置した状態で、前記固定板片と前記床パネル(20)の角部側面を固定することができるように構成した
ことを特徴とする床パネル連結具。
【請求項2】
各固定板片(3A~3D)に、床パネル(20)の角部側面と連結するための床パネル連結孔(3a)を設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の床パネル連結具。
【請求項3】
前記床パネル連結孔(3a)が、固定板片(3A~3D)の長手方向に延びる長孔である
ことを特徴とする請求項2に記載のパネル連結具。
【請求項4】
支持脚(10)と、
支持脚に固定された床パネル連結具(1)と、
前記床パネル連結具に固定される床パネル(20)とから成る床構造であって、
前記床パネル連結具(1)が、
支持脚(10)に固定可能な板状パネル受け部(2)と、
前記パネル受け部の上面から上方に向けて突出する相互に90度の角度を成して配置された四つの固定板片(3A~3D)から成る上面視十字状のパネル固定板(3)と
を備え、
前記隣接する固定板片間に床パネル(20)の角部が位置するよう床パネル(20)を板状パネル受け部(2)に載置した状態で、前記固定板片と前記床パネル(20)の角部側面を固定することができるように構成されている
ことを特徴とする床構造。
【請求項5】
前記床パネル(20)の角部下部に、前記パネル連結具(1)における隣接する固定板片間に篏合するよう切欠かれた段部(21)が形成され、前記段部(21)の引っ込み寸法(H1)が、少なくとも、前記パネル固定板の固定板片の長手方向に直交する幅の寸法(H2)の1/2以下であり、
前記床パネル(20)の角部上部が、前記隣接する固定板片間に床パネル(20)の角部が位置するよう床パネル(20)を板状パネル受け部(2)に載置した時に、固定板片の上面を覆う
ように構成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の床構造。
【請求項6】
各固定板片に、床パネル(20)の角部下部に形成された段部(21)の側面と連結するための床パネル連結孔(3a)が設けられている
ことを特徴とする請求項5に記載の床構造。
【請求項7】
前記固定板片(3A~3D)に設けられた床パネル連結孔(3a)が固定板片の長手方向に延びる長孔である
ことを特徴とする請求項6に記載の床構造。
【請求項8】
前記床パネル(20)の角部下部に形成された段部(21)の各側面に、前記パネル連結具(1)の固定板片(3A~3D)に設けられた床パネル連結孔(3a)に対向するパネル固定板連結孔(21a)を設けた
ことを特徴とする請求項6に記載の床構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、二重床構造において支持脚に床パネルを取り付けるために設けられる床パネル連結具及び前記連結具を使用した床構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の床構造としては、基礎スラブ上に直接、床パネル等を敷設する直床構造と、床パネルを基礎スラブから間隔を開けて設け、床パネルと基礎スラブとの間に空間を形成する二重床構造とがある。
二重床構造は、基礎スラブ上に複数の防振支持脚を設け、これら防振支持脚で床パネルを支持するものであり、基礎スラブと床パネルとの間の空間が床衝撃音を遮音すると共に、前記空間が配管スペースとして利用できることから二重床構造を採用する建物が多くなってきている。
特許文献1は、二重床構造における床パネルの従来の取付方法を示している。この従来の取付方法によれば、一つの支持脚33に設けたパネル受け金具34に4枚の床パネル35,39,40及び41の角部を載せ、これら床パネルを、接続金具48を介して木ネジ47,52,53及び54を用いて上方から前記パネル受け金具34に固定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の床パネルの取付方法によれば、一つの支持脚33によって4枚の床パネル35,39,40及び41の角部を支持することができるので、支持脚33の数を全体として減らすことができるという効果を奏し、また、4枚の床パネルを、接続金具48を介して上方から木ネジで固定するように構成されているので施工が簡単であるという効果を奏する。
しかしながら、上記した従来の床パネルの取付方法は、木ネジを用いて床パネルを上方から固定するように構成されているので、固定後の木ネジの頭部が床パネルの表面に現れてしまい、床全体の外観が悪くなるという問題点がある。さらに、接続金具48を介して上方から木ネジで固定するため4枚の床パネルを全て支持脚33のパネル受け金具34に載せてから木ネジで固定する必要があるので、この点において施工が難しいという問題もある。
本発明は、上記した従来の問題点を解消し、床パネルを固定する木ネジ等の部材が床パネルの表面に現れることなく、また、床パネルを一枚ずつ支持脚に固定することができる床パネル連結具及び該連結具を使用した床構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した目的を達成するために、本発明に係る床パネル連結具は、支持脚に固定可能な板状パネル受け部と、前記パネル受け部の上面から上方に向けて突出する相互に90度の角度を成して配置された四つの固定板片から成る上面視十字状のパネル固定板とを備え、前記隣接する固定板片間に床パネルの角部が位置するよう床パネルを板状パネル受け部に載置した状態で、前記固定板片と前記床パネルの角部側面を固定することができるように構成したことを特徴とする。
好ましくは、各固定板片に、床パネルの角部側面と連結するための床パネル連結孔が設けられ得る。この場合、前記床パネル連結孔は、好ましくは、固定板片の長手方向に延びる長孔であり得る。
また、本発明に係る床構造は、支持脚と、支持脚に固定された床パネル連結具と、前記床パネル連結具に固定される床パネルとから成る床構造であって、前記床パネル連結具が、支持脚に固定可能な板状パネル受け部と、前記パネル受け部の上面から上方に向けて突出する相互に90度の角度を成して配置された四つの固定板片から成る上面視十字状のパネル固定板とを備え、前記隣接する固定板片間に床パネルの角部が位置するよう床パネルを板状パネル受け部に載置した状態で、前記固定板片と前記床パネルの角部側面を固定することができるように構成されていることを特徴とする。
好ましくは、前記床パネルの角部下部に、前記パネル連結具における隣接する固定板片間に篏合するよう切欠かれた段部が形成され、前記段部の引っ込み寸法を、少なくとも、前記パネル固定板の固定板片の長手方向に直交する幅の寸法の1/2以下とし、前記床パネルの角部上部が、前記隣接する固定板片間に床パネルの角部が位置するよう床パネルを板状パネル受け部に載置した時に、固定板片の上面を覆うように構成され得る。
また、各固定板片には、床パネルの角部下部に形成された段部の側面と連結するための床パネル連結孔を設けることができる。この場合、前記床パネル連結孔は固定板片の長手方向に延びる長孔の形状にされ得る。
同様に、前記床パネルの角部下部に形成された段部の各側面にも、前記パネル連結具の固定板片に設けられた床パネル連結孔に対向するパネル固定板連結孔が設けられ得る。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る床パネル連結具は、支持脚に固定可能な板状パネル受け部と、前記パネル受け部の上面から上方に向けて突出する相互に90度の角度を成して配置された四つの固定板片から成る上面視十字状のパネル固定板とを備え、前記隣接する固定板片間に床パネルの角部が位置するよう床パネルを板状パネル受け部に載置した状態で、前記固定板片と前記床パネルの角部側面を固定することができるように構成されているので、床パネルを固定した時に床パネル表面上にビス等の固定部材が現れず施工後の床パネルの意匠性が良いという効果を奏する。
また、板状パネル受け部に床パネルの角部を載置した状態で、固定板片に床パネルを固定することができるので施工が容易である。さらに、床パネルを一枚ずつ床パネル連結具に固定することができるので、この点においても施工が容易である。固定に際して、床パネルの角部側面を隣接する固定板片に当接した状態で床パネルを固定することで、施工後に床パネルの横ずれが防止される。さらに、床パネルを板状パネル受け部に載置した状態で固定するので良好な床強度を得ることができる。
また、各固定板片に、床パネルの角部側面と連結するための床パネル連結孔を設けることで、ビス等により簡単に床パネルを固定板片に固定することができる。さらに、前記床パネル連結孔を固定板片の長手方向に延びる長孔の形状とすることで、床パネルの位置調整が容易になる。
また、本発明に係る床構造は、支持脚と、支持脚に固定された床パネル連結具と、前記床パネル連結具に固定される床パネルとから成る床構造であって、前記床パネル連結具が、支持脚に固定可能な板状パネル受け部と、前記パネル受け部の上面から上方に向けて突出する相互に90度の角度を成して配置された四つの固定板片から成る上面視十字状のパネル固定板とを備え、前記隣接する固定板片間に床パネルの角部が位置するよう床パネルを板状パネル受け部に載置した状態で、前記固定板片と前記床パネルの角部側面を固定することができるように構成されているので、床パネルを固定した時に床パネル表面上にビス等の固定部材が現れず施工後の床パネルの意匠性が良いという効果を奏する。
また、前記床パネルの角部下部に、前記パネル連結具における隣接する固定板片間に篏合するよう切欠かれた段部を形成し、前記段部の引っ込み寸法を、少なくとも、前記パネル固定板の固定板片の長手方向に直交する幅の寸法の1/2以下とし、前記床パネルの角部上部が、前記隣接する固定板片間に床パネルの角部が位置するよう床パネルを板状パネル受け部に載置した時に、固定板片の上面を覆うように構成することで、前記段部の引っ込み寸法を固定板片の幅寸法の1/2とすると、床パネルを固定した時に隣接する床パネル間の隙間がなくなり意匠性が向上するという効果を奏し、また、前記段部の引っ込み寸法を固定板片の幅寸法の1/2より小さくすると、床パネルを固定した時に隣接する床パネル間に隙間を設けることができ、これにより温度等による床パネルの膨張等の変形を吸収することができるという効果を奏する。
また、前記パネル固定板の各固定板片に、床パネルの角部側面と連結するための床パネル連結孔を設けることで、ビス等により簡単に床パネルを固定板片に固定することができるようになるという効果を奏し、さらに、前記床パネル連結孔を固定板片の長手方向に延びる長孔の形状とすることで、床パネルの位置調整が容易になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係る床パネル連結具の一実施例の上面図である。
【
図2】
図1に示した床パネル連結具の正面図である。
【
図3】
図1に示した床パネル連結具の斜視図である。
【
図4】床パネル連結具を支持脚に固定した状態を示す正面図である。
【
図5】本発明に係る床構造に用いる床パネルの一実施例の斜視図である。
【
図6】(a)~(d)は床パネル連結具に床パネルを固定する工程の一例を示す部分断面図である。
【
図7】床パネル連結具に4枚の床パネルを固定する工程を示す図である。
【
図8】床パネル連結具に4枚の床パネルを固定する工程を示す図である。
【
図9】床パネル連結具に4枚の床パネルを固定する工程を示す図である。
【
図10】床パネル連結具に4枚の床パネルを固定する工程を示す図である。
【
図11】床パネル連結具に4枚の床パネルを固定する工程を示す図である。
【
図12】床パネル連結具に4枚の床パネルを固定した状態を示す上面図である。
【
図13】本発明に係る床構造における床パネルの床パネル連結具に対する固定方向を示す図である。
【
図14】(a)及び(b)は従来の床構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面に示した一実施例を参照して本発明に係る床パネル連結具及び床パネル連結具を用いた床構造の実施の形態を説明していく。
図1は、本発明に係る床パネル連結具の一実施例の上面図、
図2は、
図1に示した床パネル連結具の正面図、
図3は、
図1に示した床パネル連結具の斜視図である。
図面に示すように、床パネル連結具1は、図示実施例では上面視正方形の板状パネル受け部2と、前記パネル受け部2の上面から上方に向けて突出する相互に90度の角度を成して配置された四つの固定板片3A~3Dから成る上面視十字状のパネル固定板3を備えている。
前記板状パネル受け部2には、後述する支持脚10にビス等の固定具で固定するための支持脚連結孔2aが設けられており、パネル固定板3の各固定板片3A~3Dには、後述する床パネル20をビス等で固定するための床パネル連結孔3aが形成されている。各床パネル連結孔3aは、固定板片3A~3Dの長手方向に延びる長孔であり、ビス等の固定具の頭部に係止する段差を備えている。
図4は、床パネル連結具を支持脚に固定した状態を示す正面図である。
図4に示すように、この実施例では、支持脚10は、上部支持板11と、上部支持板11に固定された高さ調整部材12と、前記高さ調整部材12が上下方向に調整可能に取り付けられた基礎部13とから成る。上記したように構成された床パネル連結具1は、前記支持脚連結孔2aを介して支持脚10の上部支持板11に上方からビス14を用いて固定される。
図5は、床パネル20の一実施例の斜視図である。図面に示すように、床パネル20は、その角部下部に、内側に凹む段部21が形成されている。特に、
図6に示すように、前記段部21の床パネル20の側面からの引っ込み寸法H1は、固定板片3A~3Dの長手方向に直交する幅の寸法H2の1/2以下、この実施例では1/2より小さくされており、これにより、床パネル20の角部を、床パネル連結具1における隣接する固定板片3A~3Dの間に位置するように床パネル20を前記床パネル連結具1の板状パネル受け部2に載置した時に、隣接する固定板片3A~3Dと、それらの間の板状パネル受け部2とで形成された空間に、段部21が篏合し、かつ、隣接する床パネル20間に僅かな隙間ができるように、床パネル20の角部上部22が対応する固定板片3A~3Dの上面の一部を覆うようにされている。また、前記段部21の側面には、固定板片3A~3Dの床パネル連結孔3aに対応する高さにパネル固定板連結孔21aが形成されている。
【0009】
次に、床パネル20を床パネル連結具1に固定する方法を、
図6を参照して説明する。
図6(a)及び(b)に示すように、床パネル20を、その角部下部に形成された段部21が、隣接する固定板片3B及び3Cと、板状パネル受け部2とで形成された空間に篏合するように床パネル20を板状パネル受け部2に載置する。次いで、床パネル連結孔3a及びパネル固定板連結孔21aにビス25を螺合して、床パネル20の段部21を、床パネル連結具1の固定板片3Cに固定する(
図6(c))参照。
次いで、
図6(d)に示すように、次の床パネル20を同様の手順で板状パネル受け部2に載置した後、ビス25を用いて、
図6(d)における紙面奥側から床パネル20の段部21を固定板片3Dに固定する。
ここで、この実施例では、床パネル20の段部21の引っ込み寸法H1を、固定板片3A~3Dの長手方向に直交する幅の寸法H2の1/2より小さくしてあるので、二枚の床パネル20を固定した際に、隣接する床パネル20間に隙間Sが生じ、この隙間Sによって組立後の床パネル20の膨張等を吸収することが可能になる。
【0010】
次に、
図7~
図11を参照して本発明に係る床構造の組立方法の一実施例について説明していく。
図7~
図11においては、説明の便宜上、床パネル20に、床パネル連結具1に固定される順に、符号20A~20Dを付し、その段部21にも符号21A~21Dを付して説明をする。
始めに支持脚10に床パネル連結具1を固定する。次いで、
図7に示すように、床パネル20Aの角部下部に形成された段部21Aを、床パネル連結具1におけるパネル固定板3の固定板片3A及び3B間に篏合し、
図8に示すように矢印F1及びF2方向からビス等の固定具を用いて、固定板片3A及び3Bを、床パネル20A、即ち、その角部に形成された段部21A(
図7参照)に固定する。次いで、
図8に示すように次の床パネル20Bの段部21Bを、固定板片3B及び3C間に篏合し、
図9に示すように矢印F3方向からビス等の固定具を用いて、固定板3Cを床パネル20Bの段部21Bに固定する。さらに、次の床パネル20Cの段部21Cを、固定板片3C及び3D間に篏合し、
図10に示すように矢印F4方向からビス等の固定具を用いて、固定板片3Dを床パネル20Cの段部21Cに固定する。床パネル20Dは、固定板片3D及び3A間に篏合される。尚、床パネル20Dは、固定板片3D及び3A間で板状パネル受け部2上に載置されるだけであり、ビス等の固定具では固定されない。
図12は、4枚の床パネル20A~20Dを床パネル連結具1に取り付けた状態を示す床構造の一部の概略上面図を示している。図面に示すように4枚の床パネル20A~20Dのうち一枚の床パネル20Dは固定板片に固定されずに板状パネル受け部2上に載置されているだけであるが、他の3枚の床パネル20A~20Cが床パネル連結具1の固定板片3に固定されているため床パネル連結具1が床パネル20から外れることはない。また、このように一枚の床パネル20Dだけ床パネル連結具1に固定せずに載置しているだけの構造にすることで、床パネル連結具1に固定されていない床パネル(この実施例では床パネル20D)を持ち上げて取り外すだけで、他の床パネル20(この実施例では、床パネル20A~20C)の固定部分(即ち、固定用のビス等)が現れるので床パネル20の取外し、交換及びメンテナスを容易に行うことができるという効果を奏する。
【0011】
上記したように構成された床構造によれば、4枚の床パネル20の角部を集めた位置にそれぞれ床パネル連結具1が設けられた支持脚10が配置され、4枚の床パネル20のうち一枚は二方向から床パネル連結具1に固定され、残りの二枚は一方向から床パネル連結具1に固定され、残りの一枚は床パネル連結具1に固定せずに載置しただけの状態になる。
図13は、本実施例に係る床構造における床パネル連結具1に対する床パネル20の固定方向の一例を示す図である。図中、符号20D及び20Hで示された床パネルは床パネル連結具1に固定されてなく、従って、これらの床パネルを外すことで、その周囲の床パネル20の取外し、交換及びメンテナスを実行することができる。
【0012】
上記した実施例では、床パネル20の角部下部に設けられた段部21の引っ込み寸法H1を、パネル固体板3の固定板片3A~3Dの長手方向に直交する幅の寸法H2の1/2より小さくすることにより、取り付け後に隣接する床パネル20間に隙間Sができるように構成しているが、この構成は本実施例に限定されることなく、引っ込み寸法H1を前記幅寸法H2の1/2となるように構成してもよい。
さらに、本実施例では、床パネル20の角部下部に段部21を設けているが、この構成は本実施例に限定されることなく、取付時に床パネル20の上面がパネル固定板3の固定板片3A~3Dの上面の面一になるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0013】
1 床パネル連結具
2 板状パネル受け部
2a 支持脚連結孔
3 パネル固定板
3A~3D 固定板片
3a 床パネル連結孔
10 支持脚
11 上部支持板
12 高さ調整部材
13 基礎部13
14 ビス
20 床パネル
21 段部
21a パネル固定板連結孔
25 ビス
H1 床パネルの段部の引っ込み寸法
H2 固定板片の幅寸法
S 隣接する床パネル間の隙間