(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167934
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】設備機器
(51)【国際特許分類】
D06F 39/00 20240101AFI20241128BHJP
【FI】
D06F39/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084262
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】吉村 公博
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA24
3B166AE02
3B166AE07
3B166BA72
3B166CA01
3B166CA04
3B166CA11
3B166CB11
3B166GA12
3B166GA22
3B166GB02
3B166GB03
(57)【要約】
【課題】基板ユニットのメンテナンスを円滑に行うことができる設備機器を提供する。
【解決手段】開口部50を有する本体2と、電装部品と、基板ユニット4とを備える。基板ユニット4は基板7と、ケース体6と、リード線8とを備える。本体2の内部に、開口部50を介して出し入れ可能に基板ユニット4を収納する基板ユニット収納部5が設けられる。ケース体6は、リード線8を収容するリード線収容部62を備える。リード線8は、電装部品に接続された第1接続端部と、基板7に接続された第2接続端部84と、基板ユニット収納部5に収納された基板ユニット4と第1接続端部との間で本体2に固定された固定部80と、リード線収容部62を通って本体の外側に向かって延出する外方向延出部81と、外方向延出部81から第2接続部84に向かって折り返された折り返し部82と、折り返し部82から第2接続部84に至る内方向延出部83とを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する本体と、前記本体に内設され、電力によって稼働する電装部品と、前記電装部品に電気的に接続される基板ユニットとを備える設備機器であって、
前記基板ユニットが、前記電装部品への前記電力の供給または前記電装部品の制御を行う基板と、前記基板を格納するケース体とで構成されており、前記電装部品と前記基板とを電気的に接続するリード線とを備えるものにおいて、
前記本体の内部に、前記開口部を介して前記基板ユニットを出し入れ可能に収納する基板ユニット収納部が設けられ、
前記ケース体は、前記本体からの前記基板ユニットの出し入れ方向に沿って前記リード線を収容するリード線収容部を備え、
前記リード線は、前記電装部品に接続された第1接続端部と、前記基板に接続された第2接続端部と、前記基板ユニット収納部に収納された前記基板ユニットと前記第1接続端部との間で前記本体に固定された固定部と、前記リード線収容部を通って前記本体の外側に向かって延出する外方向延出部と、前記外方向延出部から前記第2接続部に向かって折り返された折り返し部と、前記折り返し部から前記第2接続部に至る内方向延出部とを備えることを特徴とする設備機器。
【請求項2】
請求項1記載の設備機器において、
前記リード線は、前記内方向延出部が、前記外方向延出部と共に前記リード線収容部に収容されることを特徴とする設備機器。
【請求項3】
請求項1又は2記載の設備機器において、
前記リード線収容部は、前記基板ユニットの前記引き出し方向に沿って前記ケース体の側面に延設されて、一側面に開放部を有する溝状に形成され、前記開放部からの前記リード線の脱出を規制する規制部を備えることを特徴とする設備機器。
【請求項4】
請求項3記載の設備機器において、
前記規制部には、一部に前記リード線が通過可能となる切込部が形成されていることを特徴とする設備機器。
【請求項5】
請求項3記載の設備機器において、
前記リード線収納空間の前記開放部は、前記ケース体の上面に設けられていることを特徴とする設備機器。
【請求項6】
請求項5記載の設備機器において、
前記ケース体は、前記基板部を固定するケース本体と、前記ケース体に固定された前記基板を覆うケースカバー体とを備え、
前記ケース本体とケースカバー体とは、前記基板ユニット収納部の奥側となる端部に設けたヒンジ部を介して開閉可能に構成されていることを特徴とする設備機器。
【請求項7】
請求項1又は2記載の設備機器は、前記本体内に乾燥室を備える衣類乾燥機であることを特徴とする設備機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部を有する本体と、前記本体に内設され、電力によって稼働する電装部品と、前記電装部品に電気的に接続される基板ユニットとを備える設備機器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の設備機器として、例えば、衣類乾燥機を挙げることができる。衣類乾燥機には、乾燥室を構成する回転ドラムを回転させるモータ、回転ドラム内に送る温風を生成する温風生成装置、温風を回転ドラム内へ送るファン等の電装部品が設けられており、これらの電装部品には、制御等を行うための基板ユニットがリード線を介して電気的に接続されている。
【0003】
衣類乾燥機等の設備機器においては、良好な運転状態を長期間維持するためにメンテナンスが行われる。このとき、衣類乾燥機の本体の内部に収容された基板ユニットのメンテナンスを行う場合には、本体から基板ユニットを取り出して機外での作業が行われる。
【0004】
しかし、基板ユニットからは、電装部品と接続されたリード線が延びているため、本体から基板ユニットを取り出す際のリード線の取り扱いが煩わしく、メンテナンスの作業効率が低下する不都合がある。
【0005】
一方、衣類乾燥機においては、基板ユニットのメンテナンスに際して、基板ユニットを本体から引き出したときに、リード線出口が回転中心となるように基板ユニットを回転させることで、リード線の不要な引張状態を防止したものが提案されている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、近年、衣類乾燥機の多機能化に伴い、基板ユニットが巨大化する傾向があるため、上記特許文献1のようにメンテナンス時に基板ユニットを引き出す場合には、基板ユニットの大きさに伴う基板ユニットの引き出し量に対応させるべく、リード線の長さに余裕(弛み)を持たせる必要がある。リード線の長さが長くなると、基板ユニットを収めたときの、衣類乾燥機の本体内部におけるリード線の収納状態が煩雑となり、基板ユニットの円滑な引き出し操作が阻害されるおそれがある。
【0008】
上記の点に鑑み、本発明は、基板ユニットのメンテナンスを円滑に行うことができる設備機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、第1発明は、開口部を有する本体と、前記本体に内設され、電力によって稼働する電装部品と、前記電装部品に電気的に接続される基板ユニットとを備える設備機器であって、前記基板ユニットが、前記電装部品への前記電力の供給または前記電装部品の制御を行う基板と、前記基板を格納するケース体とで構成されており、前記電装部品と前記基板とを電気的に接続するリード線とを備えるものにおいて、前記本体の内部に、前記開口部を介して前記基板ユニットを出し入れ可能に収納する基板ユニット収納部が設けられ、前記ケース体は、前記本体からの前記基板ユニットの出し入れ方向に沿って前記リード線を収容するリード線収容部を備え、前記リード線は、前記電装部品に接続された第1接続端部と、前記基板に接続された第2接続端部と、前記基板ユニット収納部に収納された前記基板ユニットと前記第1接続端部との間で前記本体に固定された固定部と、前記リード線収容部を通って前記本体の外側に向かって延出する外方向延出部と、前記外方向延出部から前記第2接続部に向かって折り返された折り返し部と、前記折り返し部から前記第2接続部に至る内方向延出部とを備えることを特徴とする。
【0010】
第1発明によれば、リード線収容部にリード線を収容することにより、リード線が比較的長くても本体内部においてリード線の良好な収納状態が得られる。しかも、リード線収容部にリード線を収容した状態で、基板ユニットを基板ユニット収納部から引き出すことも可能であるため、リード線の取り扱いを容易とすることができ、メンテナンス作業を円滑に行うことができる。
【0011】
更に、リード線収容部に収容されたリード線は、外方向延出部及び折り返し部が視認可能な状態で基板ユニットと共に引き出されるので、リード線に関する不具合の発生を発見し易く、的確なメンテナンス作業を行うことが可能となる。
【0012】
第1発明において、前記リード線は、前記内方向延出部が、前記外方向延出部と共に前記リード線収容部に収容されることを特徴とする(第2発明)。
【0013】
第2発明によれば、リード線は、外方向延出部だけでなく内方向延出部も同時にリード線収容部に収容されるので、外方向延出部と内方向延出部とが隣接した状態で基板ユニットを基板ユニット収納部から引き出すことが可能となり、リード線の取り扱いを一層容易としてメンテナンスの作業性を向上させることができる。
【0014】
第1発明又は第2発明において、前記リード線収容部は、前記基板ユニットの前記引き出し方向に沿って前記ケース体の側面に延設されて、一側面に開放部を有する溝状に形成され、前記開放部からの前記リード線の脱出を規制する規制部を備えることを特徴とする(第3発明)。
【0015】
第3発明によれば、リード線収容部に収容されているリード線の状態を開放部を介して視認することができるので、リード線に対するメンテナンスが容易となる。また、リード線収容部に収容されているリード線は、規制部によって開放部からはみ出すことがなく、基板ユニットを基板ユニット収納部から出し入れする際に、リード線が邪魔になったり、リード線の外部への接触による損傷等を確実に防止することができ、更には、基板ユニットを基板ユニット収納部から出し入れする開口部の形状も比較的小とすることができる。なお、規制部は単一でもよく、複数設けてもよい。
【0016】
第3発明において、前記規制部には、一部に前記リード線が通過可能となる切込部が形成されていることを特徴とする(第4発明)。
【0017】
第4発明によれば、規制部に切込部を設けたことにより、リード線収容部におけるリード線の規制状態を得ながら、切込部を介してリード線収納部へのリード線の収容作業や取り外し作業を行うことができる。
【0018】
第3発明において、前記リード線収納空間の前記開放部は、前記ケース体の上面に設けられていることを特徴とする(第5発明)。
【0019】
第5発明によれば、基板ユニットを上方視点からリード線収納部へのリード線の収容状態が確認でき、リード線収納部へのリード線の収容状態を確認しながら、基板ユニットの基板ユニット収納部からの出し入れ作業が行えるので、メンテナンス作業を一層円滑におこなうことができる。
【0020】
第5発明において、前記ケース体は、前記基板部を固定するケース本体と、前記ケース体に固定された前記基板を覆うケースカバー体とを備え、前記ケース本体とケースカバー体とは、前記基板ユニット収納部の奥側となる端部に設けたヒンジ部を介して開閉可能に構成されていることを特徴とする(第6発明)。
【0021】
第6発明によれば、ケース体をケース本体とケースカバー体とで構成し、ケース本体とケースカバー体とをヒンジ部により開閉自在に連結しているので、ケース本体とケースカバー体とを分離させることなくケース体の内部を開放させて基板のメンテナンスを行うことができる。しかも、ヒンジ部をケース体における基板ユニット収納部の奥側となる端部に設けたことにより、引き出し方向の前部に向かってケース本体とケースカバー体とが開いて、引き出し方向の先端側から基板が視認可能となるので、ケース体内部のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0022】
上記第1発明又は第2発明における設備機器は、前記本体内に乾燥室を備える衣類乾燥機であることが挙げられる(第7発明)。衣類乾燥機の本体内部における基板ユニットの収納スペースは乾燥室の容積を大きくした場合に狭くなるが、比較的狭いスペースであっても上記構成を採用することにより、メンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0023】
なお、第3~第7発明は、その夫々の構成を矛盾のない範囲で組み合わせることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図3】基板ユニットのケース体の外観を示す斜視図。
【
図5】ケース本体からケースカバー体を開いた状態のヒンジ部を示す説明的側面図。
【
図6】基板ユニットの動きとリード線の状態を模式的示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本発明に係る実施形態の設備機器として、
図1に示す衣類乾燥機1を挙げて説明する。衣類乾燥機1は、
図1に示すように、箱形状の本体2を備えている。本体2の内部には、
図2に模式的に示すように、回転ドラム3が設けられている。
【0026】
回転ドラム3は、軸線を横向きにした横倒姿勢で設けられ、軸線方向の一端側となる前端部が開放されている。
【0027】
本体2は、胴部20と、胴部20の底部を閉塞する底板21と、胴部20の上面を閉塞する天面部22とを備えている。
図1及び
図2に示すように、胴部20の前面壁23には、開閉ドア24によって開閉自在に閉塞された衣類投入口25が形成されている。
【0028】
衣類投入口25は、回転ドラム3の開放された前端部に対応して設けられており、開閉ドア24を開けることによって、衣類投入口25を介して、回転ドラム3の内部に衣類等(タオル、毛布、シーツ等も含む)を投入することができるようになっている。
【0029】
回転ドラム3は、本体2の内部に回転自在に収容されており、回転軸30を介して図示しないモータ(電装部品の1つ)により回転駆動される。モータは、例えば、本体2と回転ドラム3との間の上部角部に収容されている。
【0030】
また、
図2に示すように、本体2の内部における回転ドラム3の下方のスペースには、基板ユニット4を収納する基板ユニット収納部5が形成されている。
【0031】
基板ユニット収納部5の前側には、
図1及び
図2に示すように、本体2の前面壁23の一部を貫通して開口部50(
図2参照)が形成されている。開口部50は、蓋パネル51(
図1参照)により閉塞されている。基板ユニット収納部5から基板ユニット4を取り出す際には、開口部50から蓋パネル51を取り外し、開口部50を開放させる。なお、
図1において符号26は複数の図示しないスイッチ類を備える操作パネルである。
【0032】
そして、開放された開口部50を介して基板ユニット4を本体2の前方へ引き出すことで、基板ユニット4を基板ユニット収納部5からスライドさせて取り出すことができる。
【0033】
基板ユニット4は、略直方体状のケース体6と、ケース体6の内部に収納された基板7(
図4参照)と、基板7からケース体6の外方に延びるリード線8とを備えている。リード線8は、複数本で束ねられ、基板7と電装部品とを電気的に接続している。基板7は、電子部品等により電気回路を構成しており、電装部品への電力の供給または電装部品の制御を行う。なお、
図4及び
図6では説明の便宜上、リード線8を単一本で示しているが、実際のリード線8は、複数本束ねた状態となっている。
【0034】
ケース体6は、
図3及び
図4に示すように、内部に基板7が固定されたケース本体60と、ケース本体60の上部を覆うケースカバー体61とにより構成されており、ケースカバー体61の上面には、リード線収容部62が形成されている。
【0035】
ケース本体60とケースカバー体61とは、ケース体6の後端部でヒンジ部63を介して開閉自在に連結されている。なお、
図5に示すように。本実施形態におけるヒンジ部63は、ケースカバー体61に設けられた爪部631をケース本体60に設けられた孔部632に挿入して連結することにより構成されている。
【0036】
ケース体6の前部側は、
図3に示すように、ケース本体60とケースカバー体61とは、ロック部64により解除可能にロックされ、ケース本体60をケースカバー体61により閉止した状態を維持することができる。
【0037】
これによれば、ケース本体60に対してケースカバー体61を回動させることができるだけでなく(
図5参照)、ケースカバー体61の爪部631をケース本体60の孔部632から抜き取ることで、ケース本体60からケースカバー体61を分離させることができる。ケース本体60からケースカバー体61を分離させることができれば、ケース本体60に固定された基板7を十分に露出させることができ、基板7のメンテナンスが容易となる。
【0038】
また、基板ユニット収納部5内のケース体6は、本体2の底板21上に載置されていて、ケース体6を引き出すときには、ケース体6の底面(ケース本体60の底面)が底板21上を摺動する。このとき、ケース本体60の底面に摺動方向に延びる複数の凸条を設けておく、或いは、ケース本体60の底面の四隅に小突起を設けておくことで、摺動時の抵抗を小さくすることができる。
【0039】
図3に示すように、リード線収容部62は、上面が開放部65とされた溝状に形成されており、ケース体6の後方(基板ユニット収納部5の奥側)から前方にわたって設けられている。リード線収容部62には、複数のリード線8がその長さ方向に沿って収容される。更に、リード線収容部62には、リード線8が開放部65を介して離脱しないように、リード線8を収容状態に規制片66及び規制部材67が設けられている。規制片66及び規制部材67は本発明における規制部に相当する。
【0040】
本実施形態においては、リード線収容部62の前端部には規制片66が設けられており、リード線収容部62の長手方向に沿って、所定間隔を存して複数の規制部材67が設けられている。
【0041】
なお、規制部材67の数は、リード線収容部62の長さに応じて設定される。よって、例えば、図示しないが、比較的短いリード線収容部である場合には単一の規制部材67を設けて、十分にリード線8の離脱を規制することができる。
【0042】
なお、本実施形態においては2つのリード線収容部62を設けた例を示しているが、リード線収容部の数はこれに限るものではなく、リード線8の太さ、本数、延在位置等に応じて適宜設けることが好ましい。
【0043】
また、規制部材67には、切込部68を設けることが好ましい。切込部68を設けておくことにより、リード線収容部62にリード線8を収容するときの作業を容易に行うことができる。なお、切込部68を設けた規制部材67は、切込部68の形成部位がリード線収容部62の内部に向かって落ち込むように傾斜させて形成することが好ましい。これによれば、リード線収容部62の内部に収容されたリード線8が切込部68から不用意に抜け出すことを防止することができる。
【0044】
次に、リード線8の状態について説明する。リード線8は、
図1に示すように、電装部品に接続された図外の第1接続端部と基板ユニット4と間に設けられた固定部80が、締結部材801等により本体2の底板21に固定されている。
【0045】
図4に示すように、固定部80から前方に延びるリード線8は、リード線収容部62の内部を通って本体2の外側に向かって延出する外方向延出部81を形成する。外方向延出部81を形成したリード線8は、折り返し部82を形成して後方へ折り返し、更にリード線収容部62の内部を通って後方へ延びる。
【0046】
そして、折り返し部82を経てケース体6の後方へ延びるリード線8は内方向延出部83を形成する。内方向延出部83を経たリード線8は、ケース体6の後端部からケース体6の内部へ入り、基板7に接続された第2接続端部84に至る。
【0047】
リード線8は、上記のようにリード線収容部62に収容されるが、基板7に接続された第2接続端部84から延びるリード線8はケース体6の後端部から延出するように構成されていることにより、リード線8をリード線収容部62に収容した状態を維持して、ヒンジ部63を介してケースカバー体61を起立方向に回動させてケース本体60の上部を開放することができる。
【0048】
また、
図3及び
図4に示すように、ケース体6には、リード線収容部62の前方へ延出したリード線8の余剰分を屈曲収容する前端空間部69が形成されている。
【0049】
次に、メンテナンス等を行う際の、基板ユニット4の引き出し作業について、
図6A~
図6Cを参照して説明する。
図6A~
図6Cは、基板ユニット4の動きとリード線8の状態を模式的示している。
【0050】
先ず、前面壁23の蓋パネル51を取り外して開口部50を開放させ、
図6Aに示すように、ケース体6の前端空間部69に収容されていたリード線8を前方に引き延ばす。
【0051】
次いで、基板ユニット収納部5の内部に収納されている基板ユニット4を開口部50を介して前方にスライドさせる。
【0052】
このとき、
図6Bに示すように、固定部80と折り返し部82との間のリード線8の外方向延出部81が長くなり、その分、リード線8の内方向延出部83が短くなって、基板ユニット4のスライド動作がリード線8によって阻害されることがない。続いて、
図6Cに示すように、基板ユニット4全部を円滑に引き出すことができる。
【0053】
そして、上述した通り、リード線8がリード線収容部62に収容された状態のまま、ケースカバー体61を回動させてケース本体60を開放させることができるので、リード線8の存在が殆ど邪魔になることがなく、基板ユニット4を引き出して、基板ユニット4内部の基板7のメンテナンスを行うことができる。
【0054】
なお、本実施形態においては、基板ユニット4を出し入れするための開口部50が、胴部20の前面壁23に形成されている。これは、メンテナンスを行う作業者にとって基板ユニット4に対する作業を最も容易とするためである。しかし、本発明はこれに限るものではなく、基板ユニット収納部の位置や、基板ユニットの出し入れ方向に応じて、本体の前面以外の面に開口部を形成してもよい。
【0055】
基板ユニット収納部の位置も本実施形態の位置に限るものではなく、本体内部において確保可能なスペースに設けられる。
【0056】
また、本実施形態においては、設備機器の一例として衣類乾燥機1を挙げて説明したが、本発明における設備機器としては、衣類乾燥機1以外に、図示しないが、加熱調理器、給湯器、或いは空調機器等を挙げることができる。
【0057】
また、本実施形態においては、電装部品の1つとしてモータを挙げたが、例えば、乾燥空気としての温風を生成するためのヒータやバーナといった、給電が必要な加熱装置も電装部品として挙げることができる。
【0058】
また、本実施形態においては、リード線収容部62をケース体6の上面に設けた例を示したが、本発明におけるリード線収納部は、図示しないが、ケース体の側面や底面に設けてもよい。このとき、リード線収納部をケース本体60やケースカバー体61に設けてもよく、リード線収納部の数は単一でも複数でもよい。
【0059】
また、本実施形態においては、リード線収容部62を開放部65を有する溝状に形成した例を示しているが、リード線収納部を、例えば、トンネル状(筒状)に形成してもよい。なお、トンネル状のリード線収納部においては、規制片66や規制部材67を不要とし、部品点数等を削減することができる。
【0060】
また、本実施形態においては、リード線8の外方向延出部81と内方向延出部83との両方をリード線収容部62に収容しているが、これに限るものではなく、図示しないが、外方向延出部を収容するリード線収納部と、内方向延出部を収容するリード線収納部とを格別に設けてもよい。或いは、外方向延出部のみをリード線収納部に収容し、内方向延出部はリード線収納部には収容しないことも可能である。
【符号の説明】
【0061】
1…衣類乾燥機(設備機器)、2…本体、4…基板ユニット、5…基板ユニット収納部、50…開口部、6…ケース体、60…ケース本体、61…ケースカバー体、62…リード線収容部、63…ヒンジ部、65…開放部、66…規制片(規制部)、67…規制部材(規制部)、68…切込部、7…基板、8…リード線、80…固定部、81…外方向延出部、82…折り返し部、83…内方向延出部、84…第2接続端部。