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特開2024-16795取引仲介方法、取引仲介プログラム及び取引仲介装置
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  • 特開-取引仲介方法、取引仲介プログラム及び取引仲介装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016795
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】取引仲介方法、取引仲介プログラム及び取引仲介装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/04 20120101AFI20240131BHJP
   G06Q 50/26 20240101ALI20240131BHJP
【FI】
G06Q40/04
G06Q50/26
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023084603
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】523192233
【氏名又は名称】渋谷ブレンドグリーンエナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 賢史
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L055BB51
(57)【要約】
【課題】Jクレジットの簡易な取引を実現でき、Jクレジットの流動性を向上させることができる取引仲介方法、取引仲介プログラム及び取引仲介装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係る取引仲介方法は、売手が保有する売手口座情報と、買手が保有する買手口座情報とを受信するステップと、売手口座情報に含まれるJクレジットを自社口座に預け入れるステップと、Jクレジットの売買注文を行うための売買注文申込情報を受け付けるステップと、売買注文申込情報に基づいてJクレジットの移転を設定する約定情報を生成するステップと、売手口座情報および買手口座情報それぞれに含まれるJクレジットと、約定情報に基づいて算出されたJクレジットの残高と、に応じた価格に基づいて、売手および買手ウォレット情報をそれぞれ生成するステップと、売手ウォレット情報および買手ウォレット情報を少なくとも含む取引情報を表示するステップとを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを用いて、Jクレジットを含む口座同士の売買取引を仲介する方法であって、
売手が保有する売手口座情報と、買手が保有する買手口座情報とを受信するステップと、
受信した前記売手口座情報に含まれる前記Jクレジットを自社口座に預け入れるステップと、
前記Jクレジットの売買注文を行うための売買注文申込情報を受け付けるステップと、
受け付けた前記売買注文申込情報に基づいて前記Jクレジットの移転を設定する約定情報を生成するステップと、
前記売手口座情報および前記買手口座情報それぞれに含まれる前記Jクレジットと、生成した前記約定情報に基づいて算出された前記Jクレジットの残高と、に応じた価格に基づいて、売手ウォレット情報および買手ウォレット情報をそれぞれ生成するステップと、
生成した前記売手ウォレット情報および前記買手ウォレット情報を少なくとも含む取引情報を表示するステップと、
を含む取引仲介方法。
【請求項2】
前記売手ウォレット情報は、前記売手が保有する売手アカウントと関連付けられ、
前記買手ウォレット情報は、前記買手が保有する買手アカウントと関連付けられた、
請求項1に記載の取引仲介方法。
【請求項3】
前記取引情報は、前記売買注文申込情報および約定履歴をさらに含む、
請求項1に記載の取引仲介方法。
【請求項4】
算出された前記Jクレジットの残高に応じて、前記自社口座から前記Jクレジットを前記買手の口座に譲渡するステップをさらに含む、
請求項1に記載の取引仲介方法。
【請求項5】
生成された前記約定情報に基づいて、前記買手が自社に対して支払うべき手数料を算出するステップをさらに含む、
請求項1に記載の取引仲介方法。
【請求項6】
コンピュータにより読み取り実行可能な取引仲介プログラムであって、
請求項1に記載の取引仲介方法を前記コンピュータに実行させる、
取引仲介プログラム。
【請求項7】
Jクレジットを含む口座同士の売買取引を仲介する取引仲介装置であって、
売手が保有する売手口座情報と、買手が保有する買手口座情報とを受信する受信部と、
受信した前記売手口座情報に含まれる前記Jクレジットを自社口座に預け入れる預入部と、
前記Jクレジットの売買注文を行うための売買注文申込情報を受け付ける注文受付部と、
受け付けた前記売買注文申込情報に基づいて前記Jクレジットの移転を設定する約定情報を生成する約定情報生成部と、
前記売手口座情報および前記買手口座情報それぞれに含まれる前記Jクレジットと、生成した前記約定情報に基づいて算出された前記Jクレジットの残高と、に応じた価格に基づいて、売手ウォレット情報および買手ウォレット情報をそれぞれ生成するウォレット情報生成部と、
生成した前記売手ウォレット情報および前記買手ウォレット情報を少なくとも含む取引情報を表示する表示部と、
を備える取引仲介装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Jクレジットを含む口座同士の売買取引を仲介する取引仲介方法、取引仲介プログラム及び取引仲介装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化等の環境問題への関心の高まりとともに、温室効果ガスの排出量を削減することで、その削減分が排出権として認められる排出量取引制度が取り決められている。特に、クレジット創出者が行った温室効果ガスの排出削減・吸収増加につながる取り組みを国が認証し、認証されたクレジットを、クレジット購入者が購入する「Jクレジット」制度の利用の増加が見込まれる。
【0003】
上記のような状況に伴い、温室効果ガスの排出権取引に関する様々な技術が開発されている。特許文献1には、二酸化炭素排出権を取得可能なエネルギー消費機器を提供されたエネルギー消費機器を使用する使用者と、使用者から二酸化炭素排出権を譲り受ける排出権譲受者の間で行われる二酸化炭素排出権の取引方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-134179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、今後見込まれるJクレジット制度の利用の増加に伴い、Jクレジットの更なる流動性の確保が望まれる。しかし、Jクレジット取引の現状として、売買の当事者同士で合意した価格や決済手段により売買契約を締結する相対取引が多く行われており、Jクレジットの市場価格の透明性に欠けるとともに、取引そのものが簡易でなく、流動性が高いとはいえない。
【0006】
本発明は、Jクレジットの簡易な取引を実現でき、Jクレジットの流動性を向上させることができる取引仲介方法、取引仲介プログラム及び取引仲介装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]コンピュータを用いて、Jクレジットを含む口座同士の売買取引を仲介する方法であって、売手が保有する売手口座情報と、買手が保有する買手口座情報とを受信するステップと、受信した上記売手口座情報に含まれる上記Jクレジットを自社口座に預け入れるステップと、上記Jクレジットの売買注文を行うための売買注文申込情報を受け付けるステップと、受け付けた上記売買注文申込情報に基づいて上記Jクレジットの移転を設定する約定情報を生成するステップと、上記売手口座情報および上記買手口座情報それぞれに含まれる上記Jクレジットと、生成した上記約定情報に基づいて算出された上記Jクレジットの残高と、に応じた価格に基づいて、売手ウォレット情報および買手ウォレット情報をそれぞれ生成するステップと、生成した上記売手ウォレット情報および上記買手ウォレット情報を少なくとも含む取引情報を表示するステップと、を含む取引仲介方法。
[2]上記売手ウォレット情報は、上記売手が保有する売手アカウントと関連付けられ、上記買手ウォレット情報は、上記買手が保有する買手アカウントと関連付けられた、[1]に記載の取引仲介方法。
[3]上記取引情報は、上記売買注文申込情報および約定履歴をさらに含む、[1]に記載の取引仲介方法。
[4]算出された上記Jクレジットの残高に応じて、上記自社口座から上記Jクレジットを上記買手の口座に譲渡するステップをさらに含む、[1]に記載の取引仲介方法。
[5]生成された上記約定情報に基づいて、上記買手が自社に対して支払うべき手数料を算出するステップをさらに含む、[1]に記載の取引仲介方法。
[6]コンピュータにより読み取り実行可能な取引仲介プログラムであって、[1]に記載の取引仲介方法を上記コンピュータに実行させる、取引仲介プログラム。
[7]Jクレジットを含む口座同士の売買取引を仲介する取引仲介装置であって、売手が保有する売手口座情報と、買手が保有する買手口座情報とを受信する受信部と、受信した上記売手口座情報に含まれる上記Jクレジットを自社口座に預け入れる預入部と、上記Jクレジットの売買注文を行うための売買注文申込情報を受け付ける注文受付部と、受け付けた上記売買注文申込情報に基づいて上記Jクレジットの移転を設定する約定情報を生成する約定情報生成部と、上記売手口座情報および上記買手口座情報それぞれに含まれる上記Jクレジットと、生成した上記約定情報に基づいて算出された上記Jクレジットの残高と、に応じた価格に基づいて、売手ウォレット情報および買手ウォレット情報をそれぞれ生成するウォレット情報生成部と、生成した上記売手ウォレット情報および上記買手ウォレット情報を少なくとも含む取引情報を表示する表示部と、を含む取引仲介装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る取引仲介方法、取引仲介プログラム及び取引仲介装置によれば、取引をシステム化できることからタイムリーで時間を問わない取引が可能である。また、売手および買手アカウントが、売手口座情報および買手口座情報とそれぞれ関連付けて管理されることから、Jクレジットの取引を簡易に行うことができる。さらに、Jクレジットの現在価格がリアルタイムに表示されることから、Jクレジットの取引に対する安全性が担保され、買手には取引の選択肢が提供される。そのため、Jクレジットの簡易な取引を実現でき、Jクレジットの流動性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る取引仲介装置を含むシステムの概略図である。
図2】本実施形態に係る取引仲介装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る取引仲介装置、売手端末および買手端末の情報の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0011】
図1は、本実施形態に係る取引仲介装置10を含むシステムの概略図である。取引仲介装置10は、Jクレジットを含む口座同士の売買取引を仲介する。取引仲介装置10は、売手端末20、買手端末30および管理用端末40と相互に通信可能である。取引仲介装置10は、売手端末20および買手端末30と通信網を介して接続する。通信網は、無線回線によるものでもよく、有線回線によるものでもよい。
【0012】
図2は、本実施形態に係る取引仲介装置の概略構成を示すブロック図である。取引仲介装置10は、通信部11、記憶部12、制御部13および表示部14を備える。取引仲介装置10は、PC(personal computer)、サーバ、コンピュータ(パソコン)通信のホスト、インターネット上に接続されたコンピュータシステム等によって構成されることが可能である。また、取引仲介装置10に含まれる機能は、ネットワーク上の各機器に分散されてもよく、当該各機器で一つの機能を構成することも可能である。
【0013】
通信部11は、取引仲介装置10と売手端末20、買手端末30および管理用端末40との間において、様々な情報の送受信を行うための通信インタフェースである。通信網が無線回線である場合、通信部11は、アンテナを備える。また、通信網が有線回線である場合、通信部11は、通信ケーブルを接続させる接続ポートを備える。
【0014】
記憶部12は、自社口座121、取引DB122およびユーザDB123を含む。記憶部12は、不揮発性の記憶装置であり、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)または光ディスクドライブなどの情報媒体を用いることができる。
【0015】
自社口座121は、自社が保有するJクレジット口座の情報を含む。また、自社口座121には、売手のJクレジットおよび買手のJクレジットが預け入れられる。取引DB122は、表示部14が表示する取引情報を含む。取引情報は、売手ウォレット情報、買手ウォレット情報、約定履歴および売買注文申込情報を含む。売手ウォレット情報および買手ウォレット情報は、それぞれのJクレジットの残高に応じた価格に基づいて、制御部13のウォレット情報生成部136が生成する。また、売手ウォレット情報および買手ウォレット情報は、取引されるJクレジットの価値に対応する価格を含む。約定履歴は、制御部13の約定情報生成部135が生成する約定の履歴である。売買注文申込情報は、制御部13の注文受付部134が売手端末20および買手端末30から受信したJクレジットの売買注文を行うため情報であり、売り注文情報および買い注文情報を含む。
【0016】
また、取引DB122は、単位数量当たりの温室効果ガスの取引価格、売手および買手のアカウント数、Jクレジットの取引数量、取引平均単価、取引総額および取引手数料に関する情報を含んでもよい。単位数量は、例えば温室効果ガス1tあたりでもよいがこれに限らず、様々な数量を用いることができる。また、温室効果ガスは、例えば二酸化炭素(CO)としてもよいがこれに限らず、メタン(CH)、亜酸化窒素(N0)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボン(PFC)、6フッ化硫黄(SF)等様々な温室効果ガスを含む。
【0017】
ユーザDB123は、売手口座情報、買手口座情報、売手アカウントおよび買手アカウントを含む。売手口座情報は、売手が保有するJクレジットの残高を含む。また、買手口座情報は、買手が保有するJクレジットの残高を含む。売手ウォレット情報は、売手が保有する売手アカウントと関連付けられ、買手ウォレット情報は、買手が保有する買手アカウントと関連付けられて記憶される。そのため、売手および買手と、取引情報との照合を効率的に行うことができ、簡易な取引が可能となる。
なお、売手アカウントは、Jクレジットの残高、売り注文情報および約定履歴を含み、買手アカウントは買い注文情報及び約定履歴を含む。
【0018】
制御部13は、口座情報受信部131、預入部132、譲渡部133、注文受付部134、約定情報生成部135、ウォレット情報生成部136および算出部137を含む。制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、作業用メモリ、及び取引仲介装置10の全体を制御するためのプログラムを記憶した不揮発性の記憶装置などによって実現することができる。また、制御部13は、例えばIC(Integrated Circuit)によって実現することもできる。
【0019】
口座情報受信部131は、売手端末20から売手が保有する売手口座情報を、および買手端末30から買手が保有する買手口座情報を受信する。預入部132は、受信した売手口座情報および買手口座情報に含まれるJクレジットを自社口座121に預け入れる。譲渡部133は、約定情報に基づいて算出されたJクレジットの残高に応じて、自社口座121からJクレジットを買手の口座に譲渡する。より詳細には、譲渡部133は、買手が売手から譲渡された数に相当するJクレジットを、自社口座121に引出支持を行うことによって買手端末30に送信する。
【0020】
注文受付部134は、Jクレジットの売買注文を行うための売買注文申込情報を売手端末20および買手端末30から受け付ける。約定情報生成部135は、受け付けた売買注文申込情報に基づいてJクレジットの移転を設定する約定情報を生成する。ウォレット情報生成部136は、売手口座情報および買手口座情報それぞれに含まれるJクレジットと、生成した約定情報に基づいて算出されたJクレジットの残高と、に応じた価格に基づいて、売手ウォレット情報および買手ウォレット情報をそれぞれ生成する。
【0021】
算出部137は、生成された約定情報に基づいて、買手が自社に対して支払うべき手数料を算出する。また、算出部137は、単位数量当たりの温室効果ガスの取引価格を算出する。さらに、算出部137は、売手および買手のアカウント数、Jクレジットの取引数量、取引平均単価、取引総額および取引手数料を算出する。
【0022】
表示部14は、LCD(liquid crystal display),VFD(vacuum fluorescent display)及びLED(light emitting diode)等、様々な表示装置を用いることができる。また、表示部14は、携帯電話機(いわゆるスマートフォンを含む。)などの携行できる装置を用いることもできる。
【0023】
表示部14は、売手ウォレット情報、買手ウォレット情報、約定履歴および売買注文申込情報を含む取引情報を表示してもよい。表示形態は、Jクレジットの売数量、買数量および売買価格を含む取引板であってもよい。表示部14が表示する内容は、取引仲介装置10における他、売手端末20、買手端末30および管理用端末40においても閲覧可能である。表示部14が表示する売手ウォレット情報および買手ウォレット情報によって、リアルタイムに行われる取引におけるJクレジットの売買価格を閲覧できることから、価格の透明性を確保することができる。
【0024】
売手端末20は、Jクレジットを譲渡しようとする者が保有する端末である。売手端末20は、売手が保有するJクレジットを取引仲介装置10に送信することが可能であるように構成される。また、売手端末20は、取引仲介装置10と売手口座情報を送受信することが可能である。さらに、取引仲介装置10の表示部14が表示する内容を表示する手段を備える。
【0025】
買手端末30は、Jクレジットを購入しようとする者が保有する端末である。買手端末30は、買手が保有するJクレジットを取引仲介装置10に送信することが可能であるように構成される。また、買手端末30は、取引仲介装置10と買手口座情報を送受信することが可能であり、購入したJクレジットを取引仲介装置10から受信することが可能である。さらに、取引仲介装置10の表示部14が表示する内容を表示する手段を備える。
【0026】
管理用端末40は、取引仲介装置10の管理を行う。管理用端末40は、取引仲介装置10を管理する者による手動または自動により、取引仲介装置10を運用することが可能であるように構成される。より具体的には、管理用端末40は、取引仲介装置10の稼働を管理する機能や、表示部14のユーザインタフェースを管理する機能を備える。
売手端末20、買手端末30および管理用端末40は、例えばPCでもよいし、タブレット型端末等の携行できる装置でもよい。
【0027】
図3は、取引仲介装置10、売手端末20および買手端末30の情報の流れを示すフロー図である。
Jクレジットの売手は、保有する売手口座情報を売手端末20から取引仲介装置10に送信する(ステップS11)。Jクレジットの買手は、保有する買手口座情報を買手端末30から取引仲介装置10に送信する(ステップS31)。取引仲介装置10の預入部132は、口座情報受信部131が受信した売手口座情報および買手口座情報に含まれるJクレジットを、自社口座121に預け入れる(ステップS21)。
【0028】
売手は、売手端末20からJクレジットの売り注文情報を取引仲介装置10に送信し(ステップS12)、買手は、買手端末30からJクレジットの買い注文情報を取引仲介装置10に送信する(ステップS32)。このとき、注文受付部134は、Jクレジットの売買注文を行うための売買注文申込情報を受け付ける。約定情報生成部135は、注文受付部134が受け付けた売買注文申込情報に基づいて、Jクレジットの移転を設定する約定情報を生成する(ステップS22)。
【0029】
ウォレット情報生成部136は、売手口座情報および買手口座情報それぞれに含まれるJクレジットと、約定情報生成部135が生成した約定情報に基づいてJクレジットの残高を算出する。また、ウォレット情報生成部136は、算出したJクレジットの残高に応じた価格に基づいて、売手ウォレット情報および買手ウォレット情報をそれぞれ生成する(ステップS23)。このとき、売手ウォレット情報は、売手が保有する売手アカウントと関連付けられ、買手ウォレット情報は、買手が保有する買手アカウントと関連付けられて記憶部12に記憶されてもよい。
【0030】
譲渡部133は、算出部137が算出した前記Jクレジットの残高に応じて、自社口座121からJクレジットを買手の口座に譲渡する。また、算出部137は、約定情報生成部135が生成した約定情報に基づいて、買手が自社に対して支払うべき手数料を算出する(ステップS24)。表示部14は、ウォレット情報生成部136が生成した売手ウォレット情報および買手ウォレット情報を少なくとも含む取引情報を表示する(ステップS25)。
【0031】
上記の通り、取引仲介装置10によるJクレジットの取引は、取引をシステム化できることから従来の相対取引によるJクレジットの売買と比較して、タイムリーで時間を問わない取引が可能である。また、売手アカウントおよび買手アカウントが、売手口座情報および買手口座情報とそれぞれ関連付けて管理されることから、Jクレジットの取引を簡易に行うことができる。また、表示部14が取引情報に含まれるJクレジットの現在価格をリアルタイムに表示することから、Jクレジットの取引に対する安全性が担保され、買手には取引の選択肢が提供される。
したがって、本実施形態に係る取引仲介装置10によれば、Jクレジットの簡易な取引を実現でき、Jクレジットの流動性を向上させることができる。
【0032】
上記の実施形態では、本発明についてハードウェアを用いるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明における取引仲介装置10は、取引仲介方法としての実施形態を含む。すなわち取引仲介方法は、図3を用いて説明した各ステップを含む。
【0033】
また、上記の実施形態は、取引仲介装置10の処理の一部又は全部を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することが可能である。
プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、RAM(random-access memory)、ROM(read-only memory)、フラッシュメモリ、SSD(solid-state drive)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、DVD(digital versatile disc)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定されない例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0034】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記によって限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、発明の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0035】
10…取引仲介装置、11…通信部、12…記憶部、13…制御部、14…表示部、20…売手端末、30…買手端末、121…自社口座、122…取引DB、123…ユーザDB、131…口座情報受信部、132…預入部、133…譲渡部、134…注文受付部、135…定情報生成部、136…ウォレット情報生成部、137…算出部。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを用いJクレジットを含む口座同士の売買取引を仲介する方法であって、
前記コンピュータは、受信部と、預入部と、注文受付部と、約定情報生成部と、ウォレット情報生成部と、表示部と、を備え、
売手が保有する売手口座情報と、買手が保有する買手口座情報とを前記受信部にて受信するステップと、
受信した前記売手口座情報に含まれる前記Jクレジットを自社口座に前記預入部にて預け入れるステップと、
前記Jクレジットの売買注文を行うための売買注文申込情報を前記注文受付部にて受け付けるステップと、
受け付けた前記売買注文申込情報に基づいて前記Jクレジットの移転を設定する約定情報を前記約定情報生成部にて生成するステップと、
前記売手口座情報および前記買手口座情報それぞれに含まれる前記Jクレジットと、生成した前記約定情報に基づいて算出された前記Jクレジットの残高と、に応じた価格に基づいて、売手ウォレット情報および買手ウォレット情報を前記ウォレット情報生成部にてそれぞれ生成するステップと、
生成した前記売手ウォレット情報および前記買手ウォレット情報を少なくとも含む取引情報を前記表示部にて表示するステップと、
を含み、
前記取引情報は、前記Jクレジットの売数量、買数量および売買価格を含む取引板で表示される、
取引仲介方法。
【請求項2】
前記売手ウォレット情報は、前記売手が保有する売手アカウントと関連付けられ、
前記買手ウォレット情報は、前記買手が保有する買手アカウントと関連付けられた、
請求項1に記載の取引仲介方法。
【請求項3】
前記取引情報は、前記売買注文申込情報および約定履歴をさらに含む、
請求項1に記載の取引仲介方法。
【請求項4】
前記コンピュータは、譲渡部をさらに備え、
算出された前記Jクレジットの残高に応じて、前記自社口座から前記Jクレジットを前記買手の口座に前記譲渡部にて譲渡するステップをさらに含む、
請求項1に記載の取引仲介方法。
【請求項5】
前記コンピュータは、算出部をさらに備え、
生成された前記約定情報に基づいて、前記買手が自社に対して支払うべき手数料を前記算出部にて算出するステップをさらに含む、
請求項1に記載の取引仲介方法。
【請求項6】
コンピュータにより読み取り実行可能な取引仲介プログラムであって、
請求項1に記載の取引仲介方法を前記コンピュータに実行させる、
取引仲介プログラム。
【請求項7】
Jクレジットを含む口座同士の売買取引を仲介する取引仲介装置であって、
売手が保有する売手口座情報と、買手が保有する買手口座情報とを受信する受信部と、
受信した前記売手口座情報に含まれる前記Jクレジットを自社口座に預け入れる預入部と、
前記Jクレジットの売買注文を行うための売買注文申込情報を受け付ける注文受付部と、
受け付けた前記売買注文申込情報に基づいて前記Jクレジットの移転を設定する約定情報を生成する約定情報生成部と、
前記売手口座情報および前記買手口座情報それぞれに含まれる前記Jクレジットと、生成した前記約定情報に基づいて算出された前記Jクレジットの残高と、に応じた価格に基づいて、売手ウォレット情報および買手ウォレット情報をそれぞれ生成するウォレット情報生成部と、
生成した前記売手ウォレット情報および前記買手ウォレット情報を少なくとも含む取引情報を表示する表示部と、
を備え
前記取引情報は、前記Jクレジットの売数量、買数量および売買価格を含む取引板で表示される、
取引仲介装置。