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特開2024-167959印刷装置、システム、それらの制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167959
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】印刷装置、システム、それらの制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/42 20060101AFI20241128BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20241128BHJP
   G06Q 30/02 20230101ALI20241128BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B41J29/42 F
G03G21/00 396
G06Q30/02 450
B41J29/38 204
B41J29/38 202
B41J29/38 801
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084301
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】弁理士法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅之
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AR01
2C061BB11
2C061CG02
2C061HH03
2C061HJ10
2C061HK11
2C061HK15
2C061HK23
2H270KA59
2H270KA61
2H270LA70
2H270LA76
2H270LA80
2H270LA87
2H270LA98
2H270LB08
2H270ND03
2H270ND15
2H270ND21
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC08
5L030BB02
5L049BB02
(57)【要約】
【課題】定額制サービス利用中に印刷装置を使用する頻度はユーザによってさまざまであり、購入時点での印刷装置を構成する各部品の消耗度が異なるため、同じ買い取り価格で販売されるとなると、公平性の観点でユーザに不満を生させる可能性があった。
【解決手段】定額制サービスに契約されているプリンタ102は、プリンタ102の使用度に関する情報を管理し(図4)、ユーザがプリンタ102を買い取ることを示す情報を取得したことに応じて、プリンタ102の使用度に関する情報に基づき、プリンタ102を買い取る際の前記印刷装置の価格を決定する(S601~S608)。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
定額制サービスに契約されている印刷装置であって、
前記印刷装置の使用度に関する情報を管理する管理手段と、
ユーザが前記印刷装置を買い取ることを示す情報を取得したことに応じて、前記印刷装置の使用度に関する情報に基づき、前記印刷装置を買い取る際の前記印刷装置の価格を決定する決定手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記決定された価格をユーザに通知する通知手段を有することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記使用度が閾値を超えた場合、前記印刷装置の価格を無償に決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記使用度は、前記印刷装置の部品の消耗度であることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記部品の消耗度には、印字ヘッドごとのドットカウント、ローラーの回転数の少なくともいずれかが含まれることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記部品の消耗度が閾値を超えた場合、前記部品の交換のための価格を、前記印刷装置の価格に含めることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記使用度は、前記印刷装置の印刷枚数の情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記印刷枚数の情報は、印刷の種類ごとの印刷枚数の情報であることを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記決定手段は、前記印刷装置に装着されている消耗品の残量に応じて、前記印刷装置の価格を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項10】
定額制サービスに契約されている印刷装置と、当該印刷装置の使用度に関する情報を管理するサーバと、を含むシステムであって、
前記サーバは、
ユーザが前記印刷装置を買い取ることを示す情報を取得したことに応じて、前記印刷装置の使用度に関する情報に基づき、前記印刷装置を買い取る際の前記印刷装置の価格を決定する決定手段と、
前記決定された価格をユーザに通知する通知手段と、
を有することを特徴とするシステム。
【請求項11】
定額制サービスに契約されている印刷装置の制御方法であって、
前記印刷装置の使用に応じて、前記印刷装置の使用度に関する情報を更新する更新工程と、
ユーザが前記印刷装置を買い取ることを示す情報を取得したことに応じて、前記印刷装置の使用度に関する情報に基づき、前記印刷装置を買い取る際の前記印刷装置の価格を決定する決定工程と、
を有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項12】
定額制サービスに契約されている印刷装置と、当該印刷装置の使用度に関する情報を管理するサーバと、を含むシステムであって、
前記サーバが実行する、
ユーザが前記印刷装置を買い取ることを示す情報を取得したことに応じて、前記印刷装置の使用度に関する情報に基づき、前記印刷装置を買い取る際の前記印刷装置の価格を決定する決定工程と、
前記決定された価格をユーザに通知する通知工程と、
を有することを特徴とするシステムの制御方法。
【請求項13】
コンピュータに、請求項11に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、システム、それらの制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェットプリンタや複写機などの印刷装置では、印刷に使用する本体と消耗品を定額で利用できる定額制サービスが存在する。印刷に必要な消耗品と、印刷装置本体を定額制サービス提供者が用意するため、ユーザは契約を行うだけで印刷環境が準備できるサービスとなっている。
【0003】
なお、印刷枚数が少ない場合に定額制サービスを利用するとユーザのコストが増えることが一般的に知られている。そのため、ユーザの使用環境が変化した場合などに、定額制サービス契約を解除し、該定額制サービスで使用していた印刷装置の所有権を、ユーザが買い取るといったケースがある。買い取りの後は、従来の印刷装置のように、ユーザ個人で別途消耗品を購入して使用することとなる。
【0004】
なお、定額制サービスで使用した印刷装置を購入する場合、その印刷装置は既に使用済みであるため、新品相当の販売価格とするのは適切でない。
特許文献1では、定額制サービスの一形態であるレンタルサービスにおいて、レンタル商品を購入した際に、レンタル中に支払った金額に応じて販売価格を決定する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-387946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、定額制サービス利用中に印刷装置を使用する頻度はユーザによってさまざまである。例えば、一月に100枚印刷するユーザと10000枚印刷するユーザとでは、定額制サービスで支払った費用が同じであっても、購入時点での印刷装置を構成する各部品の消耗度が異なる。そのため、このような消耗度が異なる印刷装置が同じ買い取り価格で販売されるとなると、公平性の観点でユーザに不満を生させる可能性がある。
また、一定以上各部品が消耗して本来の性能を発揮できない状態となった印刷装置の場合、そもそもユーザに販売すること自体が適切でないケースも考えられる等の課題があった。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものである。本発明は、印刷装置の定額制サービス契約中の使用状況に応じた適切な買い取り価格を設定する可能な仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、定額制サービスに契約されている印刷装置であって、前記印刷装置の使用度に関する情報を管理する管理手段と、ユーザが前記印刷装置を買い取ることを示す情報を取得したことに応じて、前記印刷装置の使用度に関する情報に基づき、前記印刷装置を買い取る際の前記印刷装置の価格を決定する決定手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、印刷装置の定額制サービス契約中の使用状況に応じた適切な買い取り価格を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態の一例を示す情報処理システムの構成を例示する図。
図2】本実施形態の印刷装置のハードウェア構成を例示すブロック図。
図3】本実施形態の印刷装置の一例を示す模式図。
図4】第1実施形態の部品消耗レベル更新処理の流れを示すフローチャート。
図5】第1実施形態の部品消耗度管理テーブルの一例を示す図。
図6】第1実施形態の買い取り条件判定処理の流れを示すフローチャート。
図7】第1実施形態の買い取り条件判定テーブルの一例を示す図。
図8】第1実施形態における部品ごとの消耗レベル一覧と部品消耗度管理テーブルの一例を示す図。
図9A】第1実施形態における部品ごとの消耗レベル一覧と部品消耗度管理テーブルの一例を示す図。
図9B】第1実施形態における部品ごとの消耗レベル一覧と部品消耗度管理テーブルの一例を示す図。
図10】第2実施形態の部品消耗レベル更新処理の流れを示すフローチャート。
図11】第2実施形態の買い取り条件判定処理の流れを示すフローチャート。
図12】第3実施形態の印刷実行状況管理テーブルの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、この実施の形態に記載されている構成要素は、本発明の例としての形態を示すものであり、この発明の範囲をそれらのみに限定するものではない。
【0012】
〔第1実施形態〕
<システム構成>
本発明の一実施形態の一例を示すシステム構成について図1を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す情報処理システムの全体構成を例示する図である。
情報処理システム100は、ネットワーク101と、ネットワーク101を介して通信する例えばインクジェット式のプリンタ102と、定額制サービスサーバ103とを有する。プリンタ102は、本実施形態の印刷装置の一例であり、定額制サービスに契約されている印刷装置である。
【0013】
<印刷装置のハードウェア構成>
図2は、本実施形態におけるプリンタ102のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。また、図3は、プリンタ102の一例を示す模式図である。
プリンタ102は、ROM201、RAM202、CPU203、ネットワーク通信部204、表示部205、操作部206、スキャナ部207、プリント部208等を有する。
【0014】
ROM201はフラッシュROM等で構成され、CPU203が実行する制御プログラムやデータテーブル、オペレーティングシステム(OS)プログラム等の固定データを格納する。本実施形態では、ROM201に格納されている各制御プログラムは、ROM201に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウェア実行制御を行う。
【0015】
RAM202は、バックアップ電源を必要とするDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成される。RAM202は、CPU203の主メモリとワークメモリとしても用いられ、パーソナルコンピュータ(PC)等から受信した印刷情報を一旦保存するための受信バッファや各種の情報を保存する。RAM202には、ネットワーク通信部204が受信した画像データ等も記憶する。
CPU203はシステム制御部であり、プリンタ102内の各部を制御するための中央演算装置である。CPU203は、ROM201等に格納されるプログラムを読み出して実行することにより、各種制御を行う。
【0016】
ネットワーク通信部204は、インターネットやローカルエリアネットワーク等のネットワークに接続して、他の装置との通信を行う。
表示部205は、LED(発光ダイオード)やLCD(液晶ディスプレイ)などから構成され、データの表示やプリンタ102の状態の通知を行う。
操作部206は、ユーザが各種の入力操作を行うためのスイッチ、ハードキー等から成る。また、図3に示すタッチパネル301のように、表示部205が入力操作などを行う操作部としての機能を果たす形態とすることも可能である。
【0017】
プリンタ102において、スキャン機能はスキャナ部207で、印刷機能はプリント部208によって実現される。
CPU203はスキャナ部207を制御し、ガラス状の透明な原稿台302にセットされた原稿を光学的に読取り電子データに変換し、更に指定されたファイル形式に変換した画像データを、ネットワーク経由で外部装置に送信したりRAM202に格納したりする。本実施形態では、原稿台を使用したフラットベット型のスキャナを用いているが、原稿積載トレイに積載した原稿を自動で原稿送り装置に給紙して原稿を読み取る、自動原稿送り装置型を用いてもよい。
【0018】
プリント部208は、ROM201やRAM202に保存された情報や、PC等から受信した印刷ジョブに基づき、インク等の非消色性着色剤を用いて紙等の記録媒体上に画像形成し、印刷結果を出力する。プリント部208は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色の印字ヘッドを備えている。各印字ヘッドからは対応した色の着色剤を吐出し、画像を形成する。プリント部208によって画像形成された印刷結果は、印刷結果排出口303から排出される。
【0019】
コピー機能は、スキャン部107で読み取って生成した画像データをプリント部208へ転送し、プリント部208がその画像データに基づいて、記録媒体に画像を記録することで実現される。
上述した各部は、システムバス209で相互に接続され、データを相互に送受信することが可能である。
【0020】
なお、定額制サービスサーバ103のハードウェア構成について図示しないが、CPU、ROM、RAM、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、ネットワーク通信部等を有する一般的な情報処理装置で構成されている。なお、定額制サービスサーバ103は、1台のコンピュータにより実現されるものであっても、複数のコンピュータにより実現されるものであってもよい。定額制サービスサーバ103は、クラウドコンピューティングの技術を用いて実現されるものであってもよい。
【0021】
次に、情報処理システム100で提供される課金サービスの1つである定額制サービスについての概要を説明する。
定額制サービスは、一般に月額プランの料金に応じて一定枚数印刷するまでは同額の請求を行うことを特徴とした印刷環境を提供するサービスである。一定枚数を超えた場合は、上位のプランに変更できたり、1枚毎に請求額が増える従量課金となったりする。ユーザが定額制サービスの申請をすると、サービス提供者は、消耗品含むプリンタ102をユーザに配送する。ユーザは、配送されてきたプリンタ102をネットワークに接続して使用する。プリンタ102は、ネットワーク通信部204を介して定額制サービスサーバ103から定額制サービス加入情報を受信し、ROM201に格納する。プリンタ102は、印刷に応じて、そのジョブで何枚印刷したか、どれくらい消耗品を消費したかというようなジョブログを作成し、定額制サービスサーバ103に送信する。定額制サービスサーバ103は、ジョブログの情報を基に、月の印刷枚数を把握したり、ユーザ元の消耗品の消耗率を計算し、消耗品残量が残り少ないタイミングで消耗品の配送を行ったりする。このようなシステム構成のため、定額制サービスを提供するためには、プリンタ102が常にネットワークに繋がり、定額制サービスサーバ103にジョブログを定期的に送信する環境が保たれることが必須である。このため、ネットワークに繋がっていない場合は、プリンタ102は機能停止をせざるをえない。
【0022】
<部品消耗度更新処理>
以下、プリンタ102が部品の消耗度を更新し管理する処理について図4を用いて説明する。
図4は、第1実施形態において、プリンタ102が、PC等からのプリント機能実行時に部品の消耗度を更新する処理の流れを示すフローチャートである。なお、図4のフローチャートで示される一連の処理は、プリンタ102のCPU203が、ROM201等に記憶されているプログラムをRAM202に展開し実行することにより行われる。このフローチャートの処理は、PC等のプリンタドライバや印刷アプリケーション等から印刷ジョブに基づきプリント機能を開始したタイミングで実施される。
【0023】
S401において、CPU203は、ネットワーク通信部204から受信し、RAM202に格納された入力画像データの印刷処理を実行する。
次にS402において、CPU203は、ROM201から定額制サービス加入情報を読出し、定額制サービスに加入しているかの判断を行う。ここで、定額制サービスに加入していないと判定した場合(S402でNoの場合)、CPU203は、部品消耗度の更新(S403~S405)を行わず、本フローチャートの処理を終了する。
【0024】
一方、定額制サービスに加入していると判定した場合(S402でYesの場合)、CPU203は、S403に処理を進める。
S403において、CPU203は、印刷による部品の消耗度を計算する。ここで、印刷による部品の消耗度の算出方法について、図5を用いて説明する。
【0025】
図5は、第1実施形態において、部品ごとの消耗度の算出方法、及び、部品の消耗度に従って部品ごとの消耗レベルを判定するための部品消耗度管理テーブルの一例を示す図である。
【0026】
消耗度の算出方法は、部品ごとに異なる。例えば、印字ヘッドの場合は、印字ヘッドからインク滴を出力した回数(ドットカウント)によって消耗度を算出可能である。また、印刷用紙の搬送ローラーの場合は、ローラー回転数によって消耗度を算出可能である。
図5に示すように、各部品には、部品の消耗レベル(LV1~LV4)を判定するための閾値が設定されている。例えば、搬送ローラーについては、回転数がXXX回未満であればLV1、XXX回以上YYY回未満であればLV2、YYY以上ZZZ回未満であればLV3、ZZZ回以上であればLV4となる。
【0027】
なお、図5では部品の例として各色の印刷ヘッドと搬送ローラーを示しているが、これに限定されるものではなく、キャリッジユニットや各種センサーなど印刷装置に搭載されるその他多数の部品が管理可能である。同様に印字ヘッドとしてC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色を示しているが、他の色の印字ヘッドがあってもよい。
【0028】
以下、図4のフローチャートの説明に戻る。
S404において、CPU203は、上記S403で算出した部品ごとの消耗度のうち、消耗度が閾値(規定値)を超えた部品があるか否かを判定する。閾値は、図5のように部品ごと及び消耗レベルごとに設けられている。例えば、現在の消耗度がLV1の場合は、LV1の閾値を超えた場合に、閾値を超えたと判定される。例えば、部品の消耗レベルは、その部品が新規に搭載された際に「LV1」としてROM201に記憶されるものとする。
【0029】
ここで、消耗度が閾値を超えた部品が存在すると判定した場合(S404でYesの場合)、CPU203は、S405に処理を進める。
S405において、CPU203は、消耗度が閾値を超えた部品の消耗レベルを、その消耗度に応じて更新し、ROM201に記憶する。S405の処理の後、CPU203は、本フローチャートの処理を終了する。
【0030】
一方、消耗度が閾値を超えた部品が存在しないと判定した場合(S404でNoの場合)、CPU203は、消耗レベルの更新を行わずに、本フローチャートの処理を終了する。
【0031】
<買い取り条件判定処理>
以下、プリンタ102が買い取り条件を判定する処理について図6を用いて説明する。
図6は、第1実施形態において、定額制サービス契約中のプリンタ102を買い取りする際に、買い取り条件を満たしているか判定する処理の流れを例示するフローチャートである。なお、図6のフローチャートで示される一連の処理は、プリンタ102のCPU203が、ROM201等に記憶されているプログラムをRAM202に展開し実行することにより行われる。このフローチャートの処理は、買い取り条件判定要求を受信したタイミングで実施される。
【0032】
S601において、CPU203は、定額制サービスサーバ103からの買い取り条件判定要求を、ネットワーク通信部204によって受信したことを検知すると、S602に処理を進める。ここでは、例えば、ユーザが定額制サービスを解約し買い取りを申し出ると、サービス提供者が、定額制サービスサーバ103を操作する端末から所定の操作を行う。この操作に応じて、定額制サービスサーバ103がネットワーク経由で買い取り条件判定要求を送信することを想定している。しかし、サービスマン等がプリンタ102の操作部206から指示して買い取り条件判定要求を出せるようにしてもよい。また、定額制サービスの解約および買い取りの申し出を、ユーザがプリンタ102の操作部206から指示し、定額制サービスの解約および買い取りの要求を、プリンタ102からネットワークを介して、定額制サービスサーバ103に送信可能にしてもよい。また、ユーザがPCやスマートフォン等から定額制サービスサーバ103にログインして、定額制サービスの解約および買い取りの要求を定額制サービスサーバ103に送信するようにしてもよいし、その他の方法で、定額制サービスの解約および買い取りの要求をサービス提供者側に通知する構成でもよい。
【0033】
S602において、CPU203は、ROM201から定額制サービス加入情報を読出し、定額制サービスに加入しているかの判断を行う。ここで、定額制サービスに加入していないと判定した場合(S602でNoの場合)、CPU203は、買い取り条件の判定を行わず、本フローチャートの処理を終了する。
【0034】
一方、定額制サービスに加入していると判定した場合(S602でYesの場合)、CPU203は、S603に処理を進める。
S603において、CPU203は、各部品の消耗レベルをROM201から読み出し、S604に処理を進める。
【0035】
S604において、CPU203は、未判定の部品を一つ判定対象として選択し、該部品の消耗レベルに基づいて、交換が必要な部品であるか(交換を必要とする閾値を超えたか)を判定する。本実施形態では、図7のような買い取り条件判定テーブルを用いて判定する。
【0036】
図7は、第1実施形態において、部品の消耗レベルに従ってプリンタの買い取り条件を判定する買い取り条件判定テーブルを例示する図である。
買い取り条件判定テーブルでは、例えば図7に示すように、消耗レベルごとに、部品の交換が必要かどうか、またはプリンタの買い取り価格からの割引率が設定されており、部品ごとの消耗レベルの組み合わせによってプリンタの買い取り価格が決定される。
【0037】
以下、図6のフローチャートの説明に戻る。
S604において、判定対象の部品の消耗レベルが交換を必要とするレベルであった場合(S604でYesの場合)、CPU203は、S605に処理を進める。
S605において、CPU203は、RAM202に記憶されている交換部品代に、該当部品の交換部品価格を加算する。この交換部品代は、CPU203が、上記S601で買い取り判定要求を検知した際に「0」としてRAM202に記憶されているものとする。なお、部品ごとの交換部品価格はあらかじめプリンタのROM201に記憶してあってもよいが、このタイミングで定額制サービスサーバ103に問い合わせてもよい。
【0038】
一方、判定対象の部品の消耗レベルが交換を必要とするレベルではなかった場合(S604でNoの場合)、CPU203は、S606に処理を進める。
S606において、CPU203は、該当部品の消耗レベルごとに設定された割引率を、RAM202に記憶されている割引率に加算する。RAM202内の割引率は、CPU203が、上記S601で買い取り判定要求を検知した際に「0」としてRAM202に記憶されているものとする。なお、消耗レベルごとの割引率はあらかじめプリンタのROM201に記憶してあってもよいが、このタイミングで定額制サービスサーバ103に問い合わせてもよい。
【0039】
上記S605又はS606の処理の後、CPU203は、S607に処理を進める。
S607において、CPU203は、すべての部品の消耗レベル判定処理(S604~S606)を行ったかの確認を行う。ここで、未判定の部品があった場合(S607でNoの場合)には、CPU203は、S604からの処理を繰り返すように制御する。
一方、すべての部品の消耗レベル判定処理が完了していた場合(S607でYesの場合)、CPU203は、S608に処理を進める。
【0040】
S608において、CPU203は、RAM202に記憶された交換部品価格の合計値と割引率の合計値とに基づき、プリンタ本体の買い取り価格を算出する。この時、記録剤(インク)などの消耗品情報を取得可能であれば、消耗品の残量情報に従い、買い取り価格に反映させてもよい。定額制サービス契約中は、消耗品はサービス料金に含まれていることが一般的であり、本体買い取りタイミングでの消耗品の残量によって、買い取り価格に対する印象が変わることになる。たとえば、消耗品の残量が少ない場合は買い取り価格からその分の割引を行うなどすれば、消耗品の残量による不公平感は軽減される。具体的には、消耗品の残量が30%未満の場合には、買い取り価格から消耗品の通常販売価格に応じた額を割り引くようにしてもよい。逆に、消耗品の残量が多い場合には、買い取り価格に消耗品の通常販売価格に応じた額を上乗せするようにしてもよい。具体的には、消耗品の残量が50%以上の場合には、買い取り価格に、消耗品の通常販売価格に応じた額を上乗せするようにしてもよい。すなわち、プリンタ102に装着されている消耗品(例えばインク)の残量に応じて、プリンタ102の買い取り価格を調整してもよい。
【0041】
以下、図6のように判定された買い取り条件の具体例を示す。
図8は、第1実施形態において、あるプリンタの部品ごとの消耗レベル一覧と、その場合の買い取り条件判定テーブルの一例を示す図である。
この例では、印字ヘッド(C)、印字ヘッド(M)、印字ヘッド(Y)は消耗レベルがLV1であり、消耗が少ないためプリンタの買い取り価格には影響しない。
印字ヘッド(K)は消耗レベルがLV3であり、プリンタの買い取り価格の20%引きが設定されている。また、搬送ローラーは消耗レベルがLV2であり、プリンタの買い取り価格の20%引きが設定されている。そのため、このプリンタは通常販売価格の40%(=20%+20%)引きが買い取り価格として設定される。
【0042】
図9Aは、第1実施形態において、交換が必要な部品を含む、あるプリンタの部品ごとの消耗レベル一覧と、その場合の買い取り条件判定テーブルの一例を示す図である。
この例では、印字ヘッド(C)、印字ヘッド(M)、印字ヘッド(Y)、印字ヘッド(K)は消耗レベルがLV2であり、搬送ローラーの消耗レベルはLV4である。割引率の合計は20%(=5%+5%+5%+5%)となるが、搬送ローラーは継続して使用可能なレベルになく、別途、部品交換が必要になる。そのため、このプリンタには、通常販売価格の20%引きに搬送ローラーの交換部品代を加算したものが買い取り価格として設定される。この場合、買い取りが成立すると、搬送ローラーの交換部品がユーザに送付される。
【0043】
図9Bは、第1実施形態において、買い取り条件を満たさない、あるプリンタの部品ごとの消耗レベル一覧と、その場合の買い取り条件判定テーブルの一例を示す図である。
この例では、印字ヘッド(C)、印字ヘッド(M)、印字ヘッド(Y)、印字ヘッド(K)は消耗レベルがLV3であり、搬送ローラーの消耗レベルはLV2である。各部品の消耗が激しいため、割引率の合計が100%となり、有償による引き取りに堪えうるプリンタではないと判断し、無償でユーザに提供することが可能となる。すなわち、プリンタ102は、使用度が閾値を超えた場合(例えば図9Bのように各印字ヘッドの使用度がLV3の閾値を超え、且つ、搬送ローラーの回転数がLV2の閾値を超えた場合)、プリンタ102の買い取り価格を無償に決定する。
【0044】
<買い取り価格の通知>
プリンタ102のCPU203は、図6に示した処理の後、図6のS608で決定されたプリンタ102の買い取り価格(本体買い取り価格及び交換部品代)を、定額制サービスサーバ103に送信してサービス提供者に通知するとともに、例えばプリンタ102の表示部205に表示してユーザに通知する。なお、プリンタ102の買い取り価格を、プリント部208により印刷することで、ユーザに通知するようにしてもよい。
【0045】
以上のように、第1実施形態によれば、プリンタの定額制サービス契約中の使用状況(例えば各部品の消耗度などの使用度)に応じた適切な買い取り価格を設定することができる。
【0046】
なお、上述の例では、通常販売価格から、交換を必要としない部品の消耗レベルに応じた割引を行った上で、交換を必要とする部品の部品代を加算してものを買い取り価格に決定した。しかし、交換を必要とする部品が存在する場合には、交換を必要とする部品を特定する情報と、該部品の部品代をユーザに通知し、交換の有無を問い合わせるようにしてもよい。そして、ユーザが部品交換を希望する場合には、その部品の部品代を買い取り価格に加算する構成としてもよい。
また、買い取り価格の通知の際に、各部品の消耗レベルもユーザに通知し、部品交換を必要としない部品についても、ユーザが部品交換を希望した場合には、該部品の部品代を買い取り価格に加算して、ユーザに再通知するようにしてもよい。
【0047】
さらに、交換を必要としない部品の消耗度(上述の例ではLV2、LV3)に基づく割り引きを行っていたが(例えばLV2では5%引き、LV3では20%引き)、交換を必要とする部品の消耗度(上述の例ではLV4)に基づく割り引きは行っていなかった。しかし、交換を必要とする部品の消耗度(上述の例ではLV4)に基づく割り引きを行ってもよい(例えばLV4では25%引き)。
【0048】
〔第2実施形態〕
上述の第1実施形態では、プリンタの内部に消耗レベル情報および買い取り条件の判定機能を備え、プリンタが本体の買い取り価格を算出する。これに対し、第2実施形態では、定額制サービスサーバ103にて消耗レベル情報の管理と買い取り条件の判定を行う。これは前述の通り、プリンタ102が常に定額制サービスサーバ103とネットワークで繋がっていることが定額制サービス提供の前提条件となることから、そのシステム構成を利用したものである。第2実施形態では、プリンタ102が部品の消耗度情報を適宜送信することで、判定処理の大部分を定額制サービスサーバ103で行う。
【0049】
以下、第2実施形態においてプリンタ102と定額制サービスサーバ103とが部品の消耗度を更新し管理する処理について図10のフローチャートを用いて説明する。
図10は、第2実施形態において、プリンタ102が部品の消耗度を送信し、定額制サービスサーバ103が消耗レベルを管理する処理の流れを例示するフローチャートである。なお、第2実施形態においても、図1図2ないし図3の構成を同様に備える。このフローチャートで示されるプリンタ102の処理は、プリンタ102のCPU203がROM201等に記憶されているプログラムをRAM202に展開し実行することにより行われる。また、定額制サービスサーバ103の処理は、定額制サービスサーバ103のCPUがSSD等の記憶装置に記憶されているプログラムをRAMに展開し実行することにより行われる。なお、このフローチャートの処理は、PCのプリンタドライバやスマートフォン等の印刷アプリケーション等から印刷ジョブに基づきプリント機能を開始したタイミングで実施される。なお、図4と同一のステップには、同一のステップ番号を付してある。
【0050】
第2実施形態においても、S401~S403の処理は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。プリンタ102は、S403で部品の消耗度の計算をすると、S1004に処理を進める。S1004において、プリンタ102は、デバイス識別情報と部品ごとの消耗度情報を、ネットワーク通信部204を通して定額制サービスサーバ103に送信する。
【0051】
定額制サービスサーバ103は、S1005において、デバイス識別情報と部品ごとの消耗度情報を受信すると、定額制サービスサーバ103の内部(例えばSSD等の記憶装置)に保存する。定額制サービスサーバ103は、複数のプリンタとネットワークで接続されることとなるため、プリンタごとに一意となるデバイス識別情報に基づいて、プリンタと部品の消耗度情報を紐づけて管理する。なお、ここでは、デバイス識別情報と部品ごとの消耗度情報の管理を、定額制サービスサーバ103内の記憶装置で行う構成としているが、定額制サービスサーバ103が通信可能な他の装置(他のサーバ等)で記憶、管理する構成でもよい。
【0052】
次に、定額制サービスサーバ103は、第1実施形態のプリンタ102と同様に、S1006において、上記S1005で受信した部品ごとの消耗度のうち、消耗度が閾値(規定値)を超えた部品があるか否かを判定する。ここで、消耗度が閾値を超えた部品が存在すると判定した場合(S1005でYesの場合)、定額制サービスサーバ103は、S1007に処理を進める。
S1007において、定額制サービスサーバ103は、消耗度が閾値を超えた部品の消耗レベルを、その消耗度に応じて更新し、定額制サービスサーバ103内の記憶装置等に記憶する。S1007の処理の後、定額制サービスサーバ103は、本フローチャートの処理を終了する。
【0053】
一方、消耗度が閾値を超えた部品が存在しないと判定した場合(S1007でNoの場合)、定額制サービスサーバ103は、消耗レベルの更新を行わずに、本フローチャートの処理を終了する。
【0054】
以下、第2実施形態の定額制サービスサーバ103が買い取り条件を判定する処理について図11を用いて説明する。
図11は、第2実施形態において、定額制サービス契約中のプリンタ102を買い取りする際に、買い取り条件を満たしているか判定する処理の流れを例示するフローチャートである。なお、図11のフローチャートで示される一連の処理は、定額制サービスサーバ103のCPUが記憶装置に記憶されているプログラムをRAMに展開し実行することにより行われる。このフローチャートの処理は、買い取り条件判定要求を検知したタイミングで実施される。
【0055】
S1101において、定額制サービスサーバ103が、買い取り条件判定要求を検知すると、S1102に処理を進める。ここでは、例えば、ユーザが定額制サービスを解約し買い取りを申し出ると、サービス提供者が、定額制サービスサーバ103を操作する端末から所定の操作を行う。この時、プリンタを特定するためのデバイス識別情報が指定される。該所定の操作に応じて、定額制サービスサーバ103が買い取り条件判定要求を検知する。しかし、定額制サービスの解約および買い取りの申し出を、ユーザがプリンタ102の操作部206から指示し、定額制サービスの解約および買い取り条件判定要求を、プリンタ102からネットワークを介して、定額制サービスサーバ103に送信してもよい。また、ユーザがPCやスマートフォン等から定額制サービスサーバ103にログインして、定額制サービスの解約および買い取り条件判定要求を定額制サービスサーバ103に送信するようにしてもよいし、その他の方法で、定額制サービスの解約および買い取り条件判定要求を、定額制サービスサーバ103に通知する構成でもよい。
【0056】
S1102において、定額制サービスサーバ103は、デバイス識別情報を基に対象のプリンタを特定して、部品の消耗レベル情報を定額制サービスサーバ103内の記憶装置等から読み出す。これ以降に行う処理は、第1実施形態でプリンタ102が行うものと同様である。
【0057】
S1103において、定額制サービスサーバ103は、上記S1102で消耗レベルを読み出した各部品から、未判定の部品を一つ判定対象として選択し、該部品の消耗レベルに基づいて、交換が必要な部品であるか(交換を必要とする閾値を超えたか)を判定する。ここで、判定対象の部品の消耗レベルが交換を必要とするレベルであった場合(S1103でYesの場合)、定額制サービスサーバ103は、S1104に処理を進める。
【0058】
S1104において、定額制サービスサーバ103は、定額制サービスサーバ103のRAMに記憶されている交換部品代に、該当部品の交換部品価格を加算する。この交換部品代は、定額制サービスサーバ103が、上記S1101で買い取り判定要求を検知した際に「0」としてRAMに記憶されているものとする。なお、部品ごとの交換部品価格はあらかじめ定額制サービスサーバ103内の記憶装置等に記憶してあるものとする。
【0059】
一方、判定対象の部品の消耗レベルが交換を必要とするレベルではなかった場合(S1103でNoの場合)、定額制サービスサーバ103は、S1105に処理を進める。
S1105において、定額制サービスサーバ103は、該当部品の消耗レベルごとに設定された割引率を、RAMに記憶されている割引率に加算する。RAM内の割引率は、定額制サービスサーバ103が、上記S1101で買い取り判定要求を検知した際に「0」としてRAMに記憶されているものとする。なお、消耗レベルごとの割引率はあらかじめ定額制サービスサーバ103内の記憶装置等に記憶してあるものとする。
【0060】
上記S1104又はS1105の処理の後、定額制サービスサーバ103は、S1106に処理を進める。
S1106において、定額制サービスサーバ103は、すべての部品の消耗レベル判定処理(S1103~S1105)を行ったかの確認を行う。ここで、未判定の部品があった場合(S1106でNoの場合)には、CPU203は、S1103からの処理を繰り返すように制御する。
一方、すべての部品の消耗レベル判定処理が完了していた場合(S1106でYesの場合)、定額制サービスサーバ103は、S1107に処理を進める。
【0061】
S1107において、定額制サービスサーバ103は、RAMに記憶された交換部品価格の合計値と割引率の合計値とに基づき、プリンタ本体の買い取り価格を算出する。詳細は、図6のS608と同様である。
このように、第2実施形態では、買い取り条件の判定処理にはプリンタ102は関与せず、定額制サービスサーバ103のみで完結することが可能である。
【0062】
<買い取り価格の通知>
定額制サービスサーバ103は、図11に示した処理の後、図11のS1107で決定されたプリンタ102の買い取り価格(本体買い取り価格及び交換部品代)を、プリンタ102に通知し、プリンタ102が表示部205に表示してユーザに通知する。なお、プリンタ102の買い取り価格を、プリント部208により印刷することで、ユーザに通知するようにしてもよい。また、定額制サービスサーバ103が、S1107で決定されたプリンタ102の買い取り価格を、予め登録されているユーザの連絡先(メールアドレス等)に送信してユーザに通知する構成でもよい。
【0063】
〔第3実施形態〕
上述の第1実施形態および第2実施形態では、部品の消耗度にしたがって買い取り条件を判定する構成について説明した。これに対し、第3実施形態では、印刷枚数によってレベル判定を行い、プリンタの買い取り条件を判定するものとする。基本的なシステム構成や処理の流れは、第1実施形態ないし第2実施形態同様であるが、買い取り条件判定に利用する情報のみが異なる実施形態となる。
【0064】
図12(a)は、印刷枚数に従って印刷実行レベルを判定する印刷実行状況管理テーブルの一例を示す図である。
この例では、印刷の種類(カラープリント、モノクロプリント)ごとに印刷実行レベル(LV1~LV4)を算出する。
【0065】
図12(b)は、印刷実行レベルに従ってプリンタの買い取り条件を判定する買い取り条件判定テーブルの一例を示す図である。
この例では、印刷実行レベルに基づいて、プリンタの買い取り価格への割引率が設定されており、印刷の種類ごとの印刷実行レベルの組み合わせによって、プリンタの買い取り価格を決定する。
例えば、あるプリンタのカラープリントの印刷実行レベルがLV2であり、モノクロプリントの印刷実行レベルがLV3である場合、このプリンタは通常販売価格の50%(=20%+30%)引きが買い取り価格として設定される。
このように第3実施形態によれば、プリンタの定額制サービス契約中の使用状況(例えば印刷枚数などのプリンタの使用度)に応じた適切な買い取り価格を設定することができる。
【0066】
以上のように、各実施形態では、定額制サービス契約中の印刷装置の使用状況を管理し、該使用状況を用いて買い取り価格を算出する。これにより、プリンタの定額制サービス契約中の使用状況に応じた不平等感の少ない適切な買い取り価格を設定することができる。
なお、サービス提供者は、定額制サービスサーバ103を操作して、使用レベルを決定する閾値や、使用度ごとの割引率を変更することができる。この変更に応じて、定額制サービスサーバ103は、該変更された情報をプリンタ102に通知するものとする。
また、上述した使用度ごとの割引率の変更は、ユーザの契約に応じて変更であってもよい。例えば、所定台数以上の印刷装置について定額制サービスを契約しているユーザについては、使用度ごとの割引率を高くするようにしてもよい。
【0067】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施形態を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0068】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0069】
本実施形態の開示は、以下の構成、方法およびプログラムを含む。
(構成1)
定額制サービスに契約されている印刷装置であって、
前記印刷装置の使用度に関する情報を管理する管理手段と、
ユーザが前記印刷装置を買い取ることを示す情報を取得したことに応じて、前記印刷装置の使用度に関する情報に基づき、前記印刷装置を買い取る際の前記印刷装置の価格を決定する決定手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
(構成2)
前記決定された価格をユーザに通知する通知手段を有することを特徴とする構成1に記載の印刷装置。
(構成3)
前記決定手段は、前記使用度が閾値を超えた場合、前記印刷装置の価格を無償に決定することを特徴とする構成1又は2に記載の印刷装置。
(構成4)
前記使用度は、前記印刷装置の部品の消耗度であることを特徴とする構成1~3のいずれかに記載の印刷装置。
(構成5)
前記部品の消耗度には、印字ヘッドごとのドットカウント、ローラーの回転数の少なくともいずれかが含まれることを特徴とする構成4に記載の印刷装置。
(構成6)
前記決定手段は、前記部品の消耗度が閾値を超えた場合、前記部品の交換のための価格を、前記印刷装置の価格に含めることを特徴とする構成4又は5に記載の印刷装置。
(構成7)
前記使用度は、前記印刷装置の印刷枚数の情報であることを特徴とする構成1~3のいずれかに記載の印刷装置。
(構成8)
前記印刷枚数の情報は、印刷の種類ごとの印刷枚数の情報であることを特徴とする構成7に記載の印刷装置。
(構成9)
前記決定手段は、前記印刷装置に装着されている消耗品の残量に応じて、前記印刷装置の価格を調整することを特徴とする構成1~8のいずれかに記載の印刷装置。
(構成10)
定額制サービスに契約されている印刷装置と、当該印刷装置の使用度に関する情報を管理するサーバと、を含むシステムであって、
前記サーバは、
ユーザが前記印刷装置を買い取ることを示す情報を取得したことに応じて、前記印刷装置の使用度に関する情報に基づき、前記印刷装置を買い取る際の前記印刷装置の価格を決定する決定手段と、
前記決定された価格をユーザに通知する通知手段と、
を有することを特徴とするシステム。
(方法1)
定額制サービスに契約されている印刷装置の制御方法であって、
前記印刷装置の使用に応じて、前記印刷装置の使用度に関する情報を更新する更新工程と、
ユーザが前記印刷装置を買い取ることを示す情報を取得したことに応じて、前記印刷装置の使用度に関する情報に基づき、前記印刷装置を買い取る際の前記印刷装置の価格を決定する決定工程と、
を有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
(方法2)
定額制サービスに契約されている印刷装置と、当該印刷装置の使用度に関する情報を管理するサーバと、を含むシステムであって、
前記サーバが実行する、
ユーザが前記印刷装置を買い取ることを示す情報を取得したことに応じて、前記印刷装置の使用度に関する情報に基づき、前記印刷装置を買い取る際の前記印刷装置の価格を決定する決定工程と、
前記決定された価格をユーザに通知する通知工程と、
を有することを特徴とするシステムの制御方法。
(プログラム1)
コンピュータに、方法1に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12