IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローム株式会社の特許一覧

特開2024-167971負荷駆動回路、LEDドライバ及び表示装置
<>
  • 特開-負荷駆動回路、LEDドライバ及び表示装置 図1
  • 特開-負荷駆動回路、LEDドライバ及び表示装置 図2
  • 特開-負荷駆動回路、LEDドライバ及び表示装置 図3A
  • 特開-負荷駆動回路、LEDドライバ及び表示装置 図3B
  • 特開-負荷駆動回路、LEDドライバ及び表示装置 図4
  • 特開-負荷駆動回路、LEDドライバ及び表示装置 図5
  • 特開-負荷駆動回路、LEDドライバ及び表示装置 図6
  • 特開-負荷駆動回路、LEDドライバ及び表示装置 図7
  • 特開-負荷駆動回路、LEDドライバ及び表示装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167971
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】負荷駆動回路、LEDドライバ及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/30 20200101AFI20241128BHJP
   H05B 45/00 20220101ALI20241128BHJP
【FI】
H05B45/30
H05B45/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084319
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】椎林 兼一
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA05
3K273BA24
3K273BA25
3K273CA02
3K273CA12
3K273CA25
3K273DA08
3K273FA07
3K273FA14
3K273GA16
(57)【要約】
【目的】製造コストを抑えて、負荷の非駆動時において当該負荷に流れるリーク電流を抑えることが可能な負荷駆動回路、LEDドライバ及び表示装置を提供することを目的とする。
【構成】本発明は、負荷に接続可能に構成された外部端子と、外部端子に自身のドレインが接続されており、駆動電圧を自身のゲートで受けて駆動電圧に対応した出力電流を生成して自身のドレイン及びソース間に流す第1のトランジスタと、オン状態時に第1のトランジスタで生成された出力電流を、基準電圧が印加されている基準電圧ラインに導出する第2のトランジスタと、負荷の駆動又は非駆動を指示する指示信号を受け、指示信号が負荷の駆動を示す場合には第2のトランジスタをオン状態に制御する一方、指示信号が負荷の非駆動を示す場合には第2のトランジスタをオフ状態に制御すると共に基準電圧より高い所定の電圧値を有する制御電圧を第1のトランジスタのソースに印加する制御回路と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷に接続可能に構成された外部端子と、
前記外部端子に自身のドレインが接続されており、駆動電圧を自身のゲートで受けて前記駆動電圧に対応した出力電流を生成して自身のドレイン及びソース間に流す第1のトランジスタと、
オン状態時に前記第1のトランジスタで生成された前記出力電流を、基準電圧が印加されている基準電圧ラインに導出する第2のトランジスタと、
前記負荷の駆動又は非駆動を指示する指示信号を受け、前記指示信号が前記負荷の駆動を示す場合には前記第2のトランジスタをオン状態に制御する一方、前記指示信号が前記負荷の非駆動を示す場合には前記第2のトランジスタをオフ状態に制御すると共に前記基準電圧より高い所定の電圧値を有する制御電圧を前記第1のトランジスタのソースに印加する制御回路と、を有することを特徴とする負荷駆動回路。
【請求項2】
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタ各々のバックゲートが前記基準電圧ラインに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の負荷駆動回路。
【請求項3】
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを含む前記出力電流の電流経路に含まれており、前記出力電流を電圧に変換する抵抗と、
前記出力電流の電流値を電圧値にて指定する電圧信号を受け、前記電圧信号と前記抵抗で変換された前記電圧との差分を前記駆動電圧として第1のノードを介して前記第1のトランジスタのゲートに出力する差動増幅器と、
前記指示信号をゲートで受け、前記指示信号が前記負荷の非駆動を示す場合にオン状態となり前記基準電圧を前記第1のノードに印加する第3のトランジスタと、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の負荷駆動回路。
【請求項4】
前記第1のトランジスタのソースに前記第2のトランジスタのドレインが接続されており、
前記抵抗の一端が前記第2のトランジスタのソースに接続されており、前記抵抗の他端が前記基準電圧ラインに接続されていることを特徴とする請求項3に記載の負荷駆動回路。
【請求項5】
前記第2のトランジスタのソースが前記基準電圧ラインに接続されており、
前記抵抗の一端が前記第1のトランジスタのソースに接続されており、前記抵抗の他端が前記第2のトランジスタのドレインに接続されていることを特徴とする請求項3に記載の負荷駆動回路。
【請求項6】
発光ダイオードに接続可能に構成された外部端子と、
前記外部端子に自身のドレインが接続されており、駆動電圧を自身のゲートで受けて前記駆動電圧に対応した出力電流を生成して自身のドレイン及びソース間に流す第1のトランジスタと、
オン状態時に前記第1のトランジスタで生成された前記出力電流を、基準電圧が印加されている基準電圧ラインに導出する第2のトランジスタと、
前記発光ダイオードの点灯又は消灯を指示する指示信号を受け、前記指示信号が前記点灯を示す場合には前記第2のトランジスタをオン状態に制御する一方、前記指示信号が前記消灯を示す場合には前記第2のトランジスタをオフ状態に制御すると共に前記基準電圧より高い所定の電圧値を有する制御電圧を前記第1のトランジスタのソースに印加する制御回路と、を有することを特徴とするLEDドライバ。
【請求項7】
2次元画面の水平方向に伸張する複数の走査線及び2次元画面の垂直方向に伸張する複数のデータ線を含む液晶表示パネルと、
水平走査パルスを前記複数の走査線の各々に順次印加する走査ドライバと、
映像信号に基づく各画素の輝度レベルに対応した電圧値を夫々が有する複数の駆動信号を前記複数のデータ線に供給するデータドライバと、
前記液晶表示パネルの背面に設置されており、直列に接続されている第1~第r(rは2以上の整数)の発光ダイオードを含むバックライトパネルと、
前記第1~第rの発光ダイオードを駆動するLEDドライバと、を含む表示装置であって、
前記LEDドライバは、
直列に接続されている前記第1~第rの発光ダイオードのうちの最後段の発光ダイオードのカソードに接続可能に構成された外部端子と、
前記外部端子に自身のドレインが接続されており、駆動電圧を自身のゲートで受けて前記駆動電圧に対応した出力電流を生成して自身のドレイン及びソース間に流す第1のトランジスタと、
オン状態時に前記第1のトランジスタで生成された前記出力電流を、基準電圧が印加されている基準電圧ラインに導出する第2のトランジスタと、
前記第1~第rの発光ダイオードの点灯又は消灯を指示する指示信号を受け、前記指示信号が前記点灯を示す場合には前記第2のトランジスタをオン状態に制御する一方、前記指示信号が前記消灯を示す場合には前記第2のトランジスタをオフ状態に制御すると共に前記基準電圧より高い所定の電圧値を有する制御電圧を前記第1のトランジスタのソースに印加する制御回路と、を有することを特徴とする表示装置。
【請求項8】
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタ各々のバックゲートが前記基準電圧ラインに接続されていることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを含む前記出力電流の電流経路に含まれており、前記出力電流を電圧に変換する抵抗と、
前記出力電流の電流値を電圧値にて指定する電圧信号を受け、前記電圧信号と前記抵抗で変換された前記電圧との差分を前記駆動電圧として第1のノードを介して前記第1のトランジスタのゲートに出力する差動増幅器と、
前記指示信号をゲートで受け、前記指示信号が前記消灯を示す場合にオン状態となり前記基準電圧を前記第1のノードに印加する第3のトランジスタと、を含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷を駆動する駆動電流を生成する負荷駆動回路、当該負荷駆動回路としてのLEDドライバ、及び当該LEDドライバによって駆動されるバックライトを有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LED(Light Emitting Diode)をバックライト光源とした液晶表示装置が製品化されている。
【0003】
LEDを大画面ディスプレイのバックライト光源として用いる場合、直列接続されている多数のLEDに一定の電流を供給する必要がある。そこで、LEDバックライトを駆動するLEDドライバとして、LED群に流す電流を生成するトランジスタ(出力トランジスタと称する)に対して、出力する電流を一定にするようにフィードバック制御を掛けるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-53139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、LEDバックライトは、直列接続された多数のLEDから構成されており、全てのLED(負荷)を発光(駆動)させるには最大数十ミリアンペアの電流を流す必要がある。
【0006】
よって、LEDドライバの出力トランジスタとしては、ゲート幅が大きい高電流出力型のものが用いられる。
【0007】
しかしながら、高電流出力型のトランジスタはオフ状態時のオフリーク電流が比較的大きいため、LEDバックライトを消灯(非駆動)させているにもかかわらず、当該オフリーク電流がLEDに流れ込み、僅かに発光してしまうという問題があった。
【0008】
尚、出力トランジスタとして閾値電圧の高いものを採用することでオフリーク電流を抑えることができるが、出力トランジスタにだけ閾値電圧を高くする製造を施す必要があるため、製造コストが上昇するという問題が生じる。
【0009】
そこで、本発明は、製造コストを抑えて、負荷の非駆動時において当該負荷に流れるリーク電流を抑えることが可能な負荷駆動回路、LEDドライバ及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る負荷駆動回路は、負荷に接続可能に構成された外部端子と、前記外部端子に自身のドレインが接続されており、駆動電圧を自身のゲートで受けて前記駆動電圧に対応した出力電流を生成して自身のドレイン及びソース間に流す第1のトランジスタと、オン状態時に前記第1のトランジスタで生成された前記出力電流を、基準電圧が印加されている基準電圧ラインに導出する第2のトランジスタと、前記負荷の駆動又は非駆動を指示する指示信号を受け、前記指示信号が前記負荷の駆動を示す場合には前記第2のトランジスタをオン状態に制御する一方、前記指示信号が前記負荷の非駆動を示す場合には前記第2のトランジスタをオフ状態に制御すると共に前記基準電圧より高い所定の電圧値を有する制御電圧を前記第1のトランジスタのソースに印加する制御回路と、を有する。
【0011】
本発明に係るLEDドライバは、発光ダイオードに接続可能に構成された外部端子と、前記外部端子に自身のドレインが接続されており、駆動電圧を自身のゲートで受けて前記駆動電圧に対応した出力電流を生成して自身のドレイン及びソース間に流す第1のトランジスタと、オン状態時に前記第1のトランジスタで生成された前記出力電流を、基準電圧が印加されている基準電圧ラインに導出する第2のトランジスタと、前記発光ダイオードの点灯又は消灯を指示する指示信号を受け、前記指示信号が前記点灯を示す場合には前記第2のトランジスタをオン状態に制御する一方、前記指示信号が前記消灯を示す場合には前記第2のトランジスタをオフ状態に制御すると共に前記基準電圧より高い所定の電圧値を有する制御電圧を前記第1のトランジスタのソースに印加する制御回路と、を有する。
【0012】
本発明に係る表示装置は、2次元画面の水平方向に伸張する複数の走査線及び2次元画面の垂直方向に伸張する複数のデータ線を含む液晶表示パネルと、水平走査パルスを前記複数の走査線の各々に順次印加する走査ドライバと、映像信号に基づく各画素の輝度レベルに対応した電圧値を夫々が有する複数の駆動信号を前記複数のデータ線に供給するデータドライバと、前記液晶表示パネルの背面に設置されており、直列に接続されている第1~第r(rは2以上の整数)の発光ダイオードを含むバックライトパネルと、前記第1~第rの発光ダイオードを駆動するLEDドライバと、を含む表示装置であって、前記LEDドライバは、直列に接続されている前記第1~第rの発光ダイオードのうちの最後段の発光ダイオードのカソードに接続可能に構成された外部端子と、前記外部端子に自身のドレインが接続されており、駆動電圧を自身のゲートで受けて前記駆動電圧に対応した出力電流を生成して自身のドレイン及びソース間に流す第1のトランジスタと、オン状態時に前記第1のトランジスタで生成された前記出力電流を、基準電圧が印加されている基準電圧ラインに導出する第2のトランジスタと、前記第1~第rの発光ダイオードの点灯又は消灯を指示する指示信号を受け、前記指示信号が前記点灯を示す場合には前記第2のトランジスタをオン状態に制御する一方、前記指示信号が前記消灯を示す場合には前記第2のトランジスタをオフ状態に制御すると共に前記基準電圧より高い所定の電圧値を有する制御電圧を前記第1のトランジスタのソースに印加する制御回路と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、負荷に接続可能に構成された外部端子と、以下の第1及び第2のトランジスタ、及び制御回路を含む負荷駆動回路によって当該負荷の駆動を行う。
【0014】
第1のトランジスタは、上記した外部端子に自身のドレインが接続されており、駆動電圧を自身のゲートで受けてこの駆動電圧に対応した出力電流を生成して自身のドレイン及びソース間に流す。第2のトランジスタは、オン状態時に第1のトランジスタで生成された出力電流を、基準電圧が印加されている基準電圧ラインに導出する。制御回路は、負荷の駆動又は非駆動を指示する指示信号を受け、この指示信号が負荷の駆動を示す場合には第2のトランジスタをオン状態に制御する。これにより、第1のトランジスタが駆動電圧に応じて生成した出力電流が第2のトランジスタを介して基準電圧ラインに導出されるので、当該負荷に出力電流が流れ、負荷が駆動する。
【0015】
一方、指示信号が負荷の非駆動を示す場合には、制御回路は、第2のトランジスタをオフ状態に制御すると共に基準電圧より高い所定の電圧値を有する制御電圧を第1のトランジスタのソースに印加する。これにより、第1のトランジスタにバックバイアスが掛かるので、当該第1のトランジスタの見かけ上の閾値電圧が高くなり、オフ状態にある第1のトランジスタのオフリーク電流が減少する。
【0016】
よって、本発明によれば、第1のトランジスタとして、閾値電圧が高いものを用いずとも、当該第1のトランジスタの見かけ上の閾値電圧を高くすることができるの、製造コストを抑えて、非駆動時に負荷に流れ込むリーク電流を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】表示装置100の概略構成を示すブロック図である。
図2】LEDドライバ20の内部構成を示す回路図である。
図3A】閾値電圧制御回路31の内部構成の一例を示す回路図である。
図3B】閾値電圧制御回路31の動作を示す図である。
図4】発光ダイオードLE1~LErの点灯時におけるLEDドライバ20の内部状態を表す回路図である。
図5】発光ダイオードLE1~LErの消灯時におけるLEDドライバ20の内部状態を表す回路図である。
図6】LEDドライバ20Aの内部構成を示す回路図である。
図7】LEDドライバ20Aによる発光ダイオードLE1~LErの点灯時におけるLEDドライバ20の内部状態を表す回路図である。
図8】LEDドライバ20Aによる発光ダイオードLE1~LErの消灯時におけるLEDドライバ20の内部状態を表す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例0019】
図1は、表示装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0020】
図1に示すように、表示装置100は、表示パネル10、表示コントローラ11、走査ドライバ12a、データドライバ12b、バックライトパネル13、及び本発明に係る負荷駆動回路としてのLED(Light Emitting Diode)ドライバ20を含む。
【0021】
表示パネル10は、液晶表示パネルからなり、2次元画面の水平方向に伸張する走査線SL1~SLm(mは2以上の整数)及び2次元画面の垂直方向に伸張するデータ線DL1~DLn(nは2以上の整数)を含む。走査線及びデータ線の各交叉部には、画素を担う表示セルPCが形成されている。
【0022】
表示コントローラ11は、映像信号VDを受け、当該映像信号VDに応じて各走査線に水平走査パルスを印加するタイミングを示す走査タイミング信号を走査ドライバ12aに供給する。更に、表示コントローラ11は、映像信号VDに基づき、各種の制御信号や、各画素の輝度レベルを表す表示データ片の系列を含む映像デジタル信号DVSを生成し、これをデータドライバ12bに供給する。
【0023】
走査ドライバ12aは、表示コントローラ11から供給された走査タイミング信号に同期した水平走査パルスを、表示パネル10の走査線SL1~SLmの各々に順次印加する。
【0024】
データドライバ12bは、映像デジタル信号DVSに応じて、先ず、当該映像デジタル信号DVSに含まれる各画素に対応した表示データ片の系列をデータ線の数、つまりn個ずつ取り込む。次に、データドライバ12bは、取り込んだn個の表示データ片の各々を、その表示データ片にて示される輝度レベルに対応したアナログの電圧値を有する駆動信号に変換し、得られたn個の駆動信号を駆動信号G1~Gnとして表示パネル10のデータ線DL1~DLnに供給する。
【0025】
バックライトパネル13は、表示パネル10の背面に設置されている導光板及び光源としての複数の発光ダイオード(LED)を含む。バックライトパネル13は、当該複数の発光ダイオードの各々で発生させた光を、上記した導光板を介して表示パネル10の画像表示領域に向けて照射する。
【0026】
LEDドライバ20は、バックライトパネル13に含まれる複数の発光ダイオードの駆動を行う。
【0027】
具体的には、LEDドライバ20は、照度信号ILDを受け、当該照度信号ILDにて示される照度で発光ダイオードを発光させる出力電流を生成し、これをバックライトパネル13に含まれる複数の発光ダイオードに流す。また、LEDドライバ20は、点灯消灯スイッチ信号SWを受け、当該点灯消灯スイッチ信号SWが、「点灯」を示す場合には上記した出力電流の生成を行う一方、「消灯」を示す場合には出力電流の生成を停止する。
【0028】
図2は、LEDドライバ20の内部構成及びバックライトパネル13に含まれる複数の発光ダイオードの接続形態を示す回路図である。
【0029】
図2に示すように、バックライトパネル13は、直列に接続されている発光ダイオードLE1~LEr(rは2以上の整数)を含む。尚、発光ダイオードLE1~LErのうちの初段の発光ダイオードLE1のアノード端には電源電圧が印加されており、最後段の発光ダイオードLErのカソード端がLEDドライバ20の外部端子tmに接続されている。
【0030】
LEDドライバ20は、デジタルアナログ変換器(DAC)21、差動増幅器22、Nチャネル型のトランジスタ23~25、抵抗26、点灯消灯制御回路30、及び閾値電圧制御回路31を含む。
【0031】
デジタルアナログ変換器21は、発光ダイオードLE1~LErを発光させる際の照度をデジタル値で表す照度信号ILDを受ける。デジタルアナログ変換器21は、当該照度信号ILDにて示される照度を、その照度で発光ダイオードLE1~LErを発光させる為に必要となる出力電流の電流値に対応した電圧に変換する。デジタルアナログ変換器21は、このように変換された、発光ダイオードLE1~LErの出力電流の電流値を電圧値によって指定する電圧信号Vinを差動増幅器22の非反転入力端子に供給する。
【0032】
点灯消灯制御回路30は、発光ダイオードLE1~LErの点灯又は消灯を指示する点灯消灯スイッチ信号SWを受け、当該点灯消灯スイッチ信号SWが「消灯」を示す場合には「消灯」を指示する所定の第1の電圧V1を有する点灯消灯指示信号Isを生成する。一方、点灯消灯スイッチ信号SWが「点灯」を示す場合には、点灯消灯制御回路30は、「点灯」を指示する基準電圧VSS(例えば0ボルト)を有する点灯消灯指示信号Isを生成する。
【0033】
点灯消灯制御回路30は、このように生成した点灯消灯指示信号Isを、トランジスタ23のゲート、差動増幅器22及び閾値電圧制御回路31に供給する。
【0034】
差動増幅器22は、自身の電源端子で電源電圧を受け、且つ自身の接地端子で点灯消灯指示信号Isを受ける。差動増幅器22は、点灯消灯指示信号Isの電圧値が基準電圧VSSを有する場合に、以下の動作を行う。すなわち、差動増幅器22は、自身の反転入力端子で帰還電圧VF(後述する)を受け、当該帰還電圧VFと電圧信号Vinとの差分に対応した電圧値を有する駆動電圧VGを生成する。差動増幅器22は、生成した駆動電圧VGを自身の出力端子からノードn1を介してトランジスタ23のドレイン及び出力トランジスタとしてのトランジスタ24のゲートに供給する。尚、差動増幅器22は、点灯消灯指示信号Isの電圧値が上記した第1の電圧V1を有する場合には、動作停止状態となり、自身の出力端子はハイインピーダンス(HiZ)の状態になる。
【0035】
トランジスタ23のドレインはノードn1に接続されており、自身のソースが基準電圧ラインLGに接続されている。基準電圧ラインLGには、基準電圧VSSが印加されている。トランジスタ23は、自身のゲートで受けた点灯消灯指示信号Isが「点灯」を指示する基準電圧VSSを有する場合にはオフ状態となる。一方、当該点灯消灯指示信号Isが「消灯」を示す第1の電圧V1を有する場合にはオン状態となり基準電圧VSSをノードn1に印加する。
【0036】
トランジスタ24のドレインは外部端子tmを介して、バックライトパネル13に含まれる発光ダイオードLErのカソードに接続されている。トランジスタ24のソースはノードn2を介してトランジスタ25のドレインに接続されており、バックゲートが基準電圧ラインLGに接続されている。トランジスタ24は、ゲートで受けた駆動電圧VGと自身のソースの電圧との差が自身の閾値電圧Vthより高い場合にオン状態となり、当該駆動電圧VGに対応した電流値を有する出力電流を生成して自身のドレイン及びソース間に流す。
【0037】
閾値電圧制御回路31は、点灯消灯指示信号Isを受け、当該点灯消灯指示信号Isに従った電圧値を夫々有する制御電圧Vs及びVgを生成する。
【0038】
図3Aは、閾値電圧制御回路31の内部構成の一例を示す回路図であり、図3Bは、当該閾値電圧制御回路31の動作を示す図である。
【0039】
図3Aに示すように、閾値電圧制御回路31は、スイッチ素子S1及びセレクタS2を有する。
【0040】
スイッチ素子S1は、点灯消灯指示信号Isが「消灯」を示す第1の電圧V1を有する場合にオン状態となり、基準電圧VSS(0ボルト)より高く且つ第1の電圧V1より低い所定の第2の電圧V2を有する制御電圧Vsを出力する。一方、点灯消灯指示信号Isが「点灯」を示す基準電圧VSSを有する場合には、スイッチ素子S1はオフ状態となり、ハイインピーダンス(HiZ)状態の制御電圧Vsを出力する。
【0041】
セレクタS2は、第1の電圧V1及び基準電圧VSS(0ボルト)を受け、点灯消灯指示信号Isが「消灯」を示す第1の電圧V1を有する場合には、第1の電圧V1及び基準電圧VSSのうちから基準電圧VSSを選択し、当該基準電圧VSSを有する制御電圧Vgを出力する。一方、点灯消灯指示信号Isが「点灯」を示す基準電圧VSSを有する場合には、セレクタS2は、第1の電圧V1及び基準電圧VSSのうちから第1の電圧V1を選択し、当該第1の電圧V1を有する制御電圧Vgを出力する。
【0042】
かかる構成により、閾値電圧制御回路31は、図3Bに示すように、点灯消灯指示信号Isが「消灯」を示す第1の電圧V1を有する場合には、第2の電圧V2を有する制御電圧Vs、及び基準電圧VSSを有する制御電圧Vgを夫々出力する。一方、点灯消灯指示信号Isが「点灯」を示す基準電圧VSSを有する場合には、閾値電圧制御回路31は、図3Bに示すように、ハイインピーダンス(HiZ)状態の制御電圧Vs、及び第1の電圧V1を有する制御電圧Vgを出力する。
【0043】
閾値電圧制御回路31は、上記のように出力した制御電圧Vsをノードn2に印加すると共に、制御電圧Vgをトランジスタ25のゲートに供給する。
【0044】
トランジスタ25は、自身のソースがノードn3を介して抵抗R26の一端に接続されており、バックゲートは基準電圧ラインLGに接続されている。尚、抵抗26の他端は基準電圧ラインLGに接続されている。ここで、抵抗26は、自身に流れる電流によってその一端に生じた電圧を上記した帰還電圧VFとして、差動増幅器22の反転入力端子に供給する電流電圧変換を行う。
【0045】
トランジスタ25は、ゲートで受けた制御電圧Vgと自身のソースの電圧との差の電圧値が自身の閾値電圧Vthより高い場合にオン状態となり、トランジスタ24で生成された出力電流を、抵抗26を介して基準電圧ラインLGに導出する。
【0046】
以下に、LEDドライバ20の内部動作について、発光ダイオードLE1~LErの点灯時と消灯時とに分けて説明する。また、以下の説明では、上記した第1の電圧V1及び第2の電圧V2各々の電圧値を、V1=18ボルト[V]、V2=1ボルト[V]として、LEDドライバ20の内部動作の一例を述べる。
[点灯時]
図4は、発光ダイオードLE1~LErの点灯時におけるLEDドライバ20の内部状態を表す回路図である。
【0047】
先ず、点灯消灯制御回路30は、「点灯」を示す点灯消灯スイッチ信号SWに応じて、0ボルトの点灯消灯指示信号Isをトランジスタ23のゲート及び閾値電圧制御回路31に供給する。これにより、トランジスタ23はオフ状態となり、差動増幅器22は、電圧信号Vinと帰還電圧VFとの差分に対応した電圧値を有する駆動電圧VGをトランジスタ24のゲートに供給する。よって、トランジスタ24はオン状態となり、当該駆動電圧VGに対応した電流値を有する出力電流Ioutを生成する。
【0048】
この際、閾値電圧制御回路31は、0ボルトの点灯消灯指示信号Isに応じて、ハイインピーダンス(HiZ)状態の制御電圧Vsをノードn2に供給すると共に、18ボルトの制御電圧Vgをトランジスタ25のゲートに供給する。したがって、トランジスタ25がオン状態となり、トランジスタ24で生成された出力電流Ioutが、トランジスタ25及び抵抗26を介して基準電圧ラインLGに導出される。これにより、バックライトパネル13に含まれる発光ダイオードLE1~LErに出力電流Ioutが流れ、当該発光ダイオードLE1~LErは、照度信号ILDにて示される照度で発光する。
[消灯時]
図5は、発光ダイオードLE1~LErの消灯時におけるLEDドライバ20の内部状態を示す回路図である。
【0049】
先ず、点灯消灯制御回路30は、「消灯」を示す点灯消灯スイッチ信号SWに応じて、18ボルトの点灯消灯指示信号Isをトランジスタ23のゲート、差動増幅器22の接地端子及び閾値電圧制御回路31に供給する。これにより、差動増幅器22が動作停止してその出力がハイインピーダンス状態になると共に、トランジスタ23がオン状態になるので、駆動電圧VGの電圧値は電圧信号Vinに拘わらずに基準電圧VSS(0ボルト)に固定され、それに伴いトランジスタ24はオフ状態になる。
【0050】
この際、閾値電圧制御回路31は、18ボルトの点灯消灯指示信号Isに応じて、1ボルトの制御電圧Vsをノードn2、つまりトランジスタ24のソースに印加すると共に、0ボルトの制御電圧Vgをトランジスタ25のゲートに供給する。
【0051】
これにより、トランジスタ24と共にトランジスタ25がオフ状態になるので、発光ダイオードLE1~LErには出力電流Ioutが流れず消灯する。
【0052】
ただし、発光ダイオードLE1~LEr、トランジスタ24、25及び抵抗26による電流経路には、オフ状態にあるトランジスタ24からのオフリーク電流Ioffが流れる場合がある。
【0053】
そこで、LEDドライバ20では、発光ダイオードLE1~LErの消灯時には、閾値電圧制御回路31がトランジスタ24のソースに1ボルトの制御電圧Vsを印加することで、当該トランジスタ24にバックバイアスを掛けている。これにより、トランジスタ24の見かけ上の閾値電圧Vthが高くなり、当該トランジスタ24のオフリーク電流Ioffが減少する。
【0054】
したがって、LEDドライバ20によれば、トランジスタ24として、他のトランジスタよりも閾値電圧が高いものを用いずとも当該トランジスタ24の見かけ上の閾値電圧を高くすることができる。よって、LEDドライバ20によれば、製造コストを抑えて、消灯時に発光ダイオードLE1~LErに流れ込むリーク電流を抑えることが可能となる。
【実施例0055】
図6は、図2に示されるLEDドライバ20の変形例としてのLEDドライバ20Aの内部構成を示す回路図である。
【0056】
尚、LEDドライバ20Aは、図2に示されるLEDドライバ20と同様に、外部端子tmに接続されているバックライトパネル13の発光ダイオードLE1~LErを駆動する。また、LEDドライバ20Aは、図2に示されるLEDドライバ20と同様に、デジタルアナログ変換器(DAC)21、差動増幅器22、Nチャネル型のトランジスタ23~25、抵抗26、点灯消灯制御回路30、及び閾値電圧制御回路31を含む。
【0057】
ただし、LEDドライバ20Aでは、抵抗26が、図2に示すトランジスタ25のソース及び基準電圧ラインLG間に接続されているのではなく、トランジスタ24のソース及びトランジスタ25のドレイン間に接続されている。更に、トランジスタ25のソースが基準電圧ラインLGに接続されている。
【0058】
この際、ノードn2、つまり抵抗26の一端に生じた電圧が帰還電圧VFとして差動増幅器22の反転入力端子に供給される点、閾値電圧制御回路31から出力された制御電圧Vsがトランジスタ24のソースに印加され、制御電圧Vgがトランジスタ25のゲートに印加される点については、図2に示されるものと同一である。
【0059】
以下に、LEDドライバ20Aの内部動作について、発光ダイオードLE1~LErの点灯時と消灯時とに分けて説明する。尚、以下の説明では、上記した第1の電圧V1及び第2の電圧V2各々の電圧値を、V1=18ボルト[V]、V2=1ボルト[V]として、LEDドライバ20Aの内部動作の一例を述べる。
【0060】
[点灯時]
図7は、発光ダイオードLE1~LErの点灯時におけるLEDドライバ20Aの内部状態を示す回路図である。
【0061】
先ず、点灯消灯制御回路30は、「点灯」を示す点灯消灯スイッチ信号SWに応じて、0ボルトの点灯消灯指示信号Isをトランジスタ23のゲート及び閾値電圧制御回路31に供給する。これにより、トランジスタ23はオフ状態となり、差動増幅器22は、電圧信号Vinと帰還電圧VFとの差分に対応した電圧値を有する駆動電圧VGをトランジスタ24のゲートに供給する。よって、トランジスタ24はオン状態となり、当該駆動電圧VGに対応した電流値を有する出力電流Ioutを生成する。
【0062】
この際、閾値電圧制御回路31は、0ボルトの点灯消灯指示信号Isに応じて、ハイインピーダンス(HiZ)状態の制御電圧Vsをノードn2に供給すると共に、18ボルトの制御電圧Vgをトランジスタ25のゲートに供給する。したがって、トランジスタ25がオン状態となり、トランジスタ24で生成された出力電流Ioutが、トランジスタ25を介して基準電圧ラインLGに導出される。これにより、バックライトパネル13に含まれる発光ダイオードLE1~LErに出力電流Ioutが流れ、当該発光ダイオードLE1~LErは、照度信号ILDにて示される照度で発光する。
【0063】
[消灯時]
図8は、発光ダイオードLE1~LErの消灯時におけるLEDドライバ20Aの内部状態を示す回路図である。
【0064】
先ず、点灯消灯制御回路30は、「消灯」を示す点灯消灯スイッチ信号SWに応じて、「消灯」を指示する18ボルトの点灯消灯指示信号Isを、トランジスタ23のゲート、差動増幅器22の接地端子及び閾値電圧制御回路31に供給する。これにより、差動増幅器22の出力がハイインピーダンス状態になると共にトランジスタ23がオン状態となるので、差動増幅器22から出力された駆動電圧VGの電圧値は、電圧信号Vinに拘わらずに基準電圧VSS(0ボルト)に固定され、それに伴いトランジスタ24はオフ状態になる。
【0065】
この際、閾値電圧制御回路31は、18ボルトの点灯消灯指示信号Isに応じて、1ボルトの制御電圧Vsをトランジスタ24のソースに印加すると共に、0ボルトの制御電圧Vgをトランジスタ25のゲートに供給する。
【0066】
これにより、トランジスタ24と共にトランジスタ25がオフ状態になるので、発光ダイオードLE1~LErには出力電流Ioutが流れず消灯する。
【0067】
ただし、発光ダイオードLE1~LEr、トランジスタ24、抵抗26及びトランジスタ25による電流経路には、オフ状態にあるトランジスタ24からのオフリーク電流Ioffが流れる場合がある。
【0068】
そこで、LEDドライバ20Aでは、発光ダイオードLE1~LErの消灯時には、閾値電圧制御回路31がトランジスタ24のソースに1ボルトの制御電圧Vsを印加することで、当該トランジスタ24にバックバイアスを掛けている。これにより、トランジスタ24の見かけ上の閾値電圧Vthが高くなり、当該トランジスタ24のオフリーク電流Ioffが減少する。
【0069】
したがって、LEDドライバ20Aによれば、トランジスタ24として、他のトランジスタよりも閾値電圧が高いものを用いずとも当該トランジスタ24の見かけ上の閾値電圧を高くすることができる。よって、LEDドライバ20によれば、製造コストを抑えて、消灯時に発光ダイオードLE1~LErに流れ込むリーク電流を抑えることが可能となる。
【0070】
尚、LEDドライバ20Aでは、帰還電圧VFが電圧信号Vinと等しくなっている際に流れる出力電流Ioutは、
Iout=Vin/(Rout+Ron)
Rout:抵抗26の抵抗値
Ron:トランジスタ25のオン抵抗値
となる一方、図2に示すLEDドライバ20では、
Iout=Vin/Rout
となる。
【0071】
また、LEDドライバ20の場合、発光ダイオードLE1~LErの点灯時におけるトランジスタ25のソース電圧は図4に示すように、電圧信号Vinであり、ゲート電圧は18ボルトであるので、そのゲート閾値電圧Vgsは、
Vgs=18ボルト-Vin
となる。
【0072】
一方、LEDドライバ20Aの場合、発光ダイオードLE1~LErの点灯時におけるトランジスタ25のソース電圧は図7に示すように0ボルト(VSS)であり、ゲート電圧は18ボルトであるので、そのゲート閾値電圧Vgsは、
Vgs=18ボルト
従って、LEDドライバ20Aの構成を採用した場合、LEDドライバ20の構成を採用した場合に比べて、トランジスタ25のゲート閾値電圧Vgsが電圧信号Vinの分だけ大きくなる。よって、その分だけトランジスタ25のゲート幅を小さくすることができるので回路面積を縮小化することが可能となる。
【0073】
尚、上記実施例では、トランジスタ24及び25をNチャネル型のMOS(metal oxide semiconductor)トランジスタとしているが、これらトランジスタ24及び25はPチャネル型のMOSトランジスタであっても良い。
【0074】
また、上記実施例では、負荷駆動回路として、発光ダイオードLE1~LEr(負荷)を駆動するLEDドライバ20(20A)を例にとって、その構成と共に点灯時(駆動時)及び消灯時(非駆動時)の動作について説明したが、駆動対象とする負荷は発光ダイオードに限定されない。
【0075】
要するに、本発明に係る負荷駆動回路としては、負荷に接続可能に構成された外部端子(tm)と共に以下の第1及び第2のトランジスタと、制御回路とを含むものであれば良い。
【0076】
第1のトランジスタ(24)は、上記した外部端子に自身のドレインが接続されており、駆動電圧(VG)を自身のゲートで受けてこの駆動電圧に対応した出力電流(Iout)を生成して自身のドレイン及びソース間に流す。
【0077】
第2のトランジスタ(25)は、オン状態時に第1のトランジスタで生成された出力電流を、基準電圧(VSS)が印加されている基準電圧ライン(LG)に導出する。
【0078】
制御回路(31)は、負荷の駆動又は非駆動を指示する指示信号(Is)を受け、この指示信号が負荷の駆動を示す場合には第2のトランジスタをオン状態に制御する。一方、指示信号が負荷の非駆動を示す場合には、制御回路(31)は、第2のトランジスタをオフ状態に制御すると共に基準電圧より高い所定の電圧値(V2)を有する制御電圧(Vs)を第1のトランジスタのソースに印加する。
【0079】
かかる構成により、負荷の駆動を指示する指示信号を受けた場合、第1のトランジスタが駆動電圧に応じて生成した出力電流が、第2のトランジスタを介して基準電圧ラインに導出される。これにより、負荷(例えばLE1~LEr)に出力電流(Iout)が流れ、当該負荷が駆動する。
【0080】
一方、負荷の非駆動を指示する指示信号を受けた場合には、第2のトランジスタがオフ状態となり、且つ第1のトランジスタのソースに基準電圧より高い制御電圧が印加される。これにより、第1のトランジスタにバックバイアスが掛かるので、当該第1のトランジスタの見かけ上の閾値電圧が高くなり、オフ状態にある第1のトランジスタのオフリーク電流が減少する。
【0081】
よって、本発明に係る負荷駆動回路によれば、第1のトランジスタとして、閾値電圧が高いものを用いずとも当該第1のトランジスタの見かけ上の閾値電圧を高くすることができるの、製造コストを抑えて、非駆動時に負荷に流れ込むリーク電流を抑えることが可能となる。
【符号の説明】
【0082】
13 バックライトパネル
20、20A LEDドライバ
22 差動増幅器
23~25 トランジスタ
26 抵抗
31 閾値電圧制御回路
LE1~LEr 発光ダイオード
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8