(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167972
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】プラグインブレーカ及びプラグインブレーカにおける設定の選択方法
(51)【国際特許分類】
H01H 73/16 20060101AFI20241128BHJP
H01H 73/20 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H01H73/16
H01H73/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084320
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 英二
【テーマコード(参考)】
5G030
【Fターム(参考)】
5G030CA03
5G030EA02
5G030XX06
5G030YY04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】プラグインブレーカに関し、2P2Eタイプで利用可能な表示部材を2P1Eタイプで利用可能とすること。
【解決手段】ハンドルを操作することにより操作可能な可動接触子を収納するケースと、平行に並んだ母線バーに対して接続可能なように前記ケースに取り付けられるプラグイン端子と、プラグイン端子が接続される母線バーに応じた情報を表示可能な表示部材と、を備えたプラグインブレーカであって、プラグイン端子は、接続する母線バーを切り替える場合に回転させる回転ホルダに母線バーに接続される端子部材が取り付けられており、表示部材と回転ホルダを第一の態様で取り付けた場合には、接続する母線バーの切り替えのためになされる回転ホルダの回転に応じて表示部材が移動可能となり、表示部材と回転ホルダを第二の態様で取り付けた場合には、回転ホルダが回転して接続される母線バーが切り替わることを表示部材が規制する構成とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルと、ハンドルを操作することにより操作可能な可動接触子を収納するケースと、平行に並んだ母線バーに対して接続可能なように前記ケースに取り付けられるプラグイン端子と、プラグイン端子が接続される母線バーに応じた情報を表示可能な表示部材と、を備えたプラグインブレーカであって、
プラグイン端子は、接続する母線バーを切り替える場合に回転させる回転ホルダに母線バーに接続される端子部材が取り付けられており、
表示部材と回転ホルダを第一の態様で取り付けた場合には、接続する母線バーの切り替えのためになされる回転ホルダの回転に応じて表示部材が移動可能となり、
表示部材と回転ホルダを第二の態様で取り付けた場合には、回転ホルダが回転して接続される母線バーが切り替わることを表示部材が規制する
プラグインブレーカ。
【請求項2】
プラグイン端子を支持するケースは、表示部材の表示を確認するのに用いることが可能な開口を有し、
表示部材と回転ホルダを第二の態様で取り付けた場合には、表示手段が開口を塞ぐ請求項1に記載のプラグインブレーカ。
【請求項3】
ハンドルと、ハンドルを操作することにより操作可能な可動接触子を収納するケースと、平行に並んだ母線バーに対して接続可能なように前記ケースに取り付けられるプラグイン端子と、プラグイン端子が接続される母線バーに応じた情報を表示可能な表示部材と、を備え、かつ、前記プラグイン端子は、接続する母線バーを切り替える場合に回転させる回転ホルダに母線バーに接続される端子部材が取り付けられているプラグインブレーカにおける設定の選択方法であって、
回転ホルダの回転に応じて表示部材が移動可能な状態とする場合には、表示部材と回転ホルダの取り付け方を第一の態様とし、
表示部材が回転ホルダの回転を規制する状態とする場合には、表示部材と回転ホルダの取り付け方を第一の態様とは異なる第二の態様とする
プラグインブレーカにおける設定の選択方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグインブレーカ及びプラグインブレーカにおける設定の選択方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、上下方向に並んだ母線バーに対してプラグイン接続するプラグイン端子を備えたプラグインブレーカが知られている。特許文献1に開示されたプラグインブレーカは、プラグイン端子を回転することで接続される相の切り替え(接続する母線バーの切り替え)が可能である。また、相の切り替えをした場合に、どの母線バーに接続されているかを表示する接続表示機構も知られている。このような接続表示機構は、例えば、プラグインブレーカの2つの端子部が、「L1相とN相」若しくは「L2相とN相」に接続可能な状態(100V対応状態)であるのか、「L1相とL2相」に接続可能な状態(200V対応状態)であるのか、といったことを表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
ところで、2P2Eタイプのプラグインブレーカの場合、100V対応状態と200V対応状態のいずれの状態とすることも可能であるため、移動可能な表示部材により、状態の表示を行っているが、2P1Eタイプのプラグインブレーカの場合、100V対応状態とすることしかできないため、表示部材は不要である。そこで、従来の構造においては、2P2Eタイプのプラグインブレーカでは表示部材を移動可能とするパーツを使用し、2P1Eタイプのプラグインブレーカでは異なるパーツを使用するように対応していた。このため、2P2Eタイプと2P1Eタイプでパーツが兼用されていなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、プラグインブレーカに関し、2P2Eタイプで利用可能な表示部材を2P1Eタイプで利用可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、ハンドルと、ハンドルを操作することにより操作可能な可動接触子を収納するケースと、平行に並んだ母線バーに対して接続可能なように前記ケースに取り付けられるプラグイン端子と、プラグイン端子が接続される母線バーに応じた情報を表示可能な表示部材と、を備えたプラグインブレーカであって、プラグイン端子は、接続する母線バーを切り替える場合に回転させる回転ホルダに母線バーに接続される端子部材が取り付けられており、表示部材と回転ホルダを第一の態様で取り付けた場合には、接続する母線バーの切り替えのためになされる回転ホルダの回転に応じて表示部材が移動可能となり、表示部材と回転ホルダを第二の態様で取り付けた場合には、回転ホルダが回転して接続される母線バーが切り替わることを表示部材が規制するプラグインブレーカとする。
【0007】
また、プラグイン端子を支持するケースは、表示部材の表示を確認するのに用いることが可能な開口を有し、表示部材と回転ホルダを第二の態様で取り付けた場合には、表示手段が開口を塞ぐ構成とすることが好ましい。
【0008】
また、ハンドルと、ハンドルを操作することにより操作可能な可動接触子を収納するケースと、平行に並んだ母線バーに対して接続可能なように前記ケースに取り付けられるプラグイン端子と、プラグイン端子が接続される母線バーに応じた情報を表示可能な表示部材と、を備え、かつ、前記プラグイン端子は、接続する母線バーを切り替える場合に回転させる回転ホルダに母線バーに接続される端子部材が取り付けられているプラグインブレーカにおける設定の選択方法であって、回転ホルダの回転に応じて表示部材が移動可能な状態とする場合には、表示部材と回転ホルダの取り付け方を第一の態様とし、表示部材が回転ホルダの回転を規制する状態とする場合には、表示部材と回転ホルダの取り付け方を第一の態様とは異なる第二の態様とするプラグインブレーカにおける設定の選択方法とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、プラグインブレーカに関し、2P2Eタイプで利用可能な表示部材を2P1Eタイプで利用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1におけるプラグインブレーカの斜視図である。ただし、ケースに取り付けたカバーでプラグイン端子を覆っている状態である。
【
図2】実施例1におけるプラグインブレーカの斜視図である。ただし、ケースに取り付けたカバーを開いた状態であり、一方のプラグイン端子の向きが
図1とは90度ずれている。
【
図3】表示部材とプラグイン端子が第一の態様で取り付けられていることを示した図である。ただし、プラグインブレーカのケースの一部を取り外し、
図1のX-X断面で切った状態として表している。
【
図4】
図3に示す状態からプラグイン端子を回転させて表示部材を移動させた例を示した図である。
【
図5】表示部材とプラグイン端子が第二の態様で取り付けられていることを示した図である。ただし、プラグインブレーカのケースの一部を取り外し、
図1のX-X断面で切った状態として表している。
【
図6】
図5に示す例における表示部材とプラグイン端子だけを示した図である。
【
図7】実施例1のプラグイン端子を各方向から見た状態を示す図である。ただし(a)は右斜め上からプラグイン端子の後側を見た例であり、(b)は後からプラグイン端子を見た例であり、(c)は左斜め後からプラグイン端子を見た例である。
【
図8】第二の態様の例における表示部材とプラグイン端子の位置関係を示す図である。ただし、左側面から見た図である。
【
図11】第一の態様の例における表示部材とプラグイン端子の位置関係を示す図である。ただし、左側面から見た図である。
【
図12】実施例2におけるプラグインブレーカの斜視図である。ただし、ケースに取り付けた保護部材でプラグイン端子を覆っている状態である。
【
図13】実施例2におけるプラグインブレーカの斜視図である。ただし、ケースに取り付けた保護部材を開いた状態であり、一方のプラグイン端子の向きが
図12とは90度ずれている。
【
図14】第一の態様で取り付けられており、プラグイン端子を回転させて表示部材を移動させた例を示した図である。ただし、プラグインブレーカのケースの一部を取り外し、
図12のY-Y断面で切った状態として表している。
【
図15】第一の態様で取り付けられており、プラグイン端子を回転させて表示部材を移動させた例を示した図である。
【
図16】第二の態様で取り付けられており、プラグイン端子の向きを変えて表示部材の向きを変えることが規制されていることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に発明を実施するための形態を示す。実施形態のプラグインブレーカ1は、ハンドル11と、ハンドル11を操作することにより操作可能な可動接触子(図示せず)を収納するケース12と、平行に並んだ母線バーに対して接続可能なように前記ケース12に取り付けられるプラグイン端子13と、プラグイン端子13が接続される母線バーに応じた情報を表示可能な表示部材14と、を備えたプラグインブレーカ1であって、プラグイン端子13は、接続する母線バーを切り替える場合に回転させる回転ホルダ131に母線バーに接続される端子部材132が取り付けられており、表示部材14と回転ホルダ131を第一の態様で取り付けた場合には、接続する母線バーの切り替えのためになされる回転ホルダ131の回転に応じて表示部材14が移動可能となり、表示部材14と回転ホルダ131を第二の態様で取り付けた場合には、回転ホルダ131が回転して接続される母線バーが切り替わることを表示部材14が規制する構成である。このため、プラグインブレーカ1に関し、2P2Eタイプで利用可能な表示部材14を2P1Eタイプで利用可能となる。
【0012】
また、ハンドル11と、ハンドル11を操作することにより操作可能な可動接触子を収納するケース12と、平行に並んだ母線バーに対して接続可能なように前記ケース12に取り付けられるプラグイン端子13と、プラグイン端子13が接続される母線バーに応じた情報を表示可能な表示部材14と、を備え、かつ、前記プラグイン端子13は、接続する母線バーを切り替える場合に回転させる回転ホルダ131に母線バーに接続される端子部材132が取り付けられているプラグインブレーカ1における設定の選択方法として、回転ホルダ131の回転に応じて表示部材14が移動可能な状態とする場合には、表示部材14と回転ホルダ131の取り付け方を第一の態様とし、表示部材14が回転ホルダ131の回転を規制する状態とする場合には、表示部材14と回転ホルダ131の取り付け方を第一の態様とは異なる第二の態様とする。このため、プラグインブレーカ1に関し、2P2Eタイプで利用可能な表示部材14を2P1Eタイプで利用可能となる。
【0013】
ここで、プラグインブレーカ1の基本的な説明をする。プラグインブレーカ1は、平行するように並べられる複数の母線バー(図示せず)に対して接続されるものであり、母線バーとの接続に利用されるプラグイン端子13を備えている。通常、プラグインブレーカ1を母線バーに向けて直線的に移動させることで、プラグイン端子13と母線バーを接続することができる。典型的には、プラグイン端子13が板状の母線バーを挟み込むようにして接続される。
【0014】
また、実施形態のプラグイン端子13は、高さを変えることができるものであり、接続可能な母線バーを選択することができる。通常、母線バーは平行に三つ並べられており、プラグイン端子13がそのいずれに接続するのかを選択することができる。
【0015】
例えば、三つ並んだ母線バーがそれぞれ「L1相」と「L2相」と「N相」である場合、プラグインブレーカ1に接続される相は、「L1相とN相」と「L2相とN相」と「L1相とL2相」の組み合わせとなる。このうち、「L1相とN相」と「L2相とN相」が100V対応であり、「L1相とL2相」が200V対応である。つまり、相の組み合わせによってプラグインブレーカ1の二次側で利用される電圧を選択することができる。
【0016】
また、接続される相の組み合わせにより、100V対応と200V対応の場合があるため、いずれに対応する状態であるか、又は、いずれの相に接続可能な状態であるか、を表示することができるように、プラグインブレーカ1には表示部材14が設けられている。
【0017】
なお、プラグインブレーカ1はプラグイン端子13を二つだけ備えており、プラグインブレーカ1と接続される母線バーは二つである。したがって、母線バーが三つ並んでいても一つは接続されない。このため、利用状況の環境によっては、母線バーは二つだけが並べられている場合もありうる。
【0018】
ところで、実施形態のプラグインブレーカ1は、回転可能なプラグイン端子13が備えられている。プラグイン端子13は、母線バーにプラグイン接続する端子部材132を備えている。プラグイン端子13の端子部材132は、回転ホルダ131により保持されている。また、回転ホルダ131はケース12に対して回転可能に取り付けられている。この回転ホルダ131を回転することで端子部材132が接続する母線バーを切り替えることが可能となる。
【0019】
プラグインブレーカ1には2つのプラグイン端子13が設けられるが、例えば、第一のプラグイン端子は、「N相とL2相」との間で相の切り替えが可能であり、第二のプラグイン端子は、「L1相とL2相」との間で相の切り替えが可能となるように構成する。なお、この例では、第一のプラグイン端子の回転ホルダ131を回転させることで、100V対応と200V対応が変更されるため、第一のプラグイン端子の回転ホルダ131に対して、表示部材14が当接され、第一のプラグイン端子の回転により表示部材14が移動可能なように構成すればよい。
【0020】
例えば、第一の態様で表示部材14などが取り付けられた場合、より具体的には、2P2Eタイプのプラグインブレーカ1として利用するために、表示部材14の第一位置において、回転ホルダ131と当接するように、表示部材14と回転ホルダ131が取り付けられた場合、接続される母線バーを切り替えるためになされる回転ホルダ131の回転動作に伴って、表示部材14が移動する。一方、第二の態様で表示部材14などが取り付けられた場合、より具体的には、2P1Eタイプのプラグインブレーカ1として利用するために、表示部材14の第二位置において、回転ホルダ131と当接するように、表示部材14と回転ホルダ131が取り付けられた場合、接続される母線バーの切り替えが可能なように回転ホルダ131が回転することを規制する。
【0021】
このように、接続される母線バーの切り替えが可能なように回転ホルダ131が回転可能な状態とそのような回転が不可能な状態の切り替えを表示部材14と回転ホルダ131の取り付け方の調整により行うことができると、パーツの追加や変更を伴うことなく、接続される母線バーを選択できる態様と選択できない態様を切り替えることが可能となるため、コスト低減が可能となる。
【0022】
次に二つの実施例を挙げて、より具体的な説明を行う。
【実施例0023】
実施例1においては、ケース12にカバー15が取り付けられている。このカバー15はケース12に対して回動可能に取り付けられており、プラグイン端子13を覆う状態と覆わない状態を切り替えることができる。また、
図1及び
図2に示す例では、プラグイン端子13をカバー15で覆った状態でプラグイン端子13と母線バーの接続ができるようにするために穴部151が設けられている。穴部151の幅は母線バーが侵入できる程度とするために母線バーの厚みよりやや長くなる程度に構成されているため、穴部151の数は三つとなっている。
【0024】
また、実施例1においては、表示部材14が上下方向に移動可能な構成となっている。この例では、
図3に示す右側のプラグイン端子13を第一のプラグイン端子、左側のプラグイン端子13を第二のプラグイン端子とする。実施形態の表示部材14には、上下方向に並ぶ複数の凸部が設けられており、凸部は上から第一凸部141、第二凸部142、第三凸部143と呼ぶようにする。それに対して、右側に取り付けられる第一のプラグイン端子がN相に接続可能な状態(端子部材132が上方向にある状態)である場合における回転ホルダ131の背面側には、左右に1つずつと、下に2つの突起部が設けられている。突起部は、左から半時計回りに第一突起部131a、第二突起部131b、第三突起部131c、第四突起部131dと呼ぶようにする。
【0025】
ここで、回転ホルダ131が回転可能な状態で取り付けられる場合(表示部材14が回転ホルダ131の第一位置で当接する場合)について説明をする。このとき、第二のプラグイン端子は、L1相に接続可能となっているものとする。まず、表示部材14の第一凸部141の上部が回転ホルダ131の第一突起部131aと当接するように取り付ける(
図3及び
図4参照)。この状態において、端子部材132はプラグイン端子13の回転中心よりも上側に位置している。この例では、N相に接続可能な状態である。
【0026】
その状態から、第一のプラグイン端子を、後側から前側を見るように向いて時計回りに略90度回転させると、表示部材14の第一凸部141と第二凸部142の間、第二凸部142と第三凸部143の間にそれぞれ回転ホルダ131の第二突起部131b、第三突起部131cが位置することになる(
図3及び
図4参照)。この状態において、端子部材132は右方向にある。つまり、端子部材132はプラグイン端子13の回転中心と同じような高さに位置している。なお、この状態では、カバー15を閉めることができない。
【0027】
その状態からさらに、時計回りに略90度回転させると、表示部材14の第三凸部143の下部が回転ホルダ131の第四突起部131dと当接した状態となる(
図3及び
図4参照)。この状態において、端子部材132はプラグイン端子13の回転中心よりも下側に位置している。この例では、L2相に接続可能な状態である。第二のプラグイン端子は、L1相に接続可能となっている
【0028】
つまり、この状態では、第一のプラグイン端子がL1相、第二のプラグイン端子がL2相に接続可能となっている。実施形態においては、この状態において、プラグインブレーカ1は200V対応となっており、表示部材14の上部がケース12に設けられた開口121を塞ぐように構成している。なお、第一のプラグイン端子をN相に接続可能な状態からL1相に接続可能な状態に切り替える流れを説明したが、その反対の流れで第一のプラグイン端子をL1相に接続可能な状態からN相に接続可能な状態に切り替えることができるのはいうまでもない。
【0029】
なお、この例においては、100V対応の場合には、表示部材14が開口121を塞がず、200V対応の場合には、表示部材14が開口121を塞ぐ構造となっているため、表示部材14が開口121を塞いでいるか否かによって、100V対応か200V対応かを確認することができる。このような構成の場合、表示部材14の上面の色をケース12と異なる色にするなど、ケース12と識別しやすい態様とすれば、表示部材14の状態を確認することが容易となる。
【0030】
一方、第二の態様で取り付ける場合、つまりは回転ホルダ131の回転が規制された状態で取り付けられる場合(表示部材14が回転ホルダ131の第二位置で当接する場合)は、表示部材14の第三凸部143の下部が回転ホルダ131の第一突起部131aと当接するように取り付けられた状態にすればよい(
図5及び
図6参照)。この状態においては、端子部材132はプラグイン端子13の中心軸よりも上側に位置している。
【0031】
この状態にした場合、表示部材14の第三凸部143の真下には、回転ホルダ131の第一突起部131a及び第一突起部131aと第二突起部131bの間に位置する被当接部131eが位置するが(
図7参照)、被当接部131eの側面が表示部材14に対して当接するなどして、回転ホルダ131の時計回りへの回転を規制することができる(
図6及び
図8参照)。
【0032】
回転ホルダ131に設ける被当接部131eは、回転ホルダ131の第二突起部131bと第三突起部131cの間の部分や第三突起部131cと第四突起部131dの間の部分と同程度の厚さとしても構わないが、それらより厚く形成すると、表示部材14と当接する面積を増やすことができ、より強固に回転を規制することができる。
【0033】
これに対して、表示部材14の第一凸部141、第二凸部142、第三凸部143の前方側には、切欠部144が設けられている(
図9及び
図10参照)。このため、第一の態様で取り付けた場合には、回転ホルダ131の被当接部131eや、第二突起部131bと第三突起部131cの間の部分、第三突起部131cと第四突起部131dの間の部分が表示部材14に当接しない状態とすることが可能となっている。したがって、これらの部分が切欠部144の高さに位置している状態では、回転ホルダ131が回転可能となる(
図3及び
図11参照)。
【0034】
ところで、第二の態様で取り付けた場合には、表示部材14は動かない。このため、電圧仕様も変わることはない。したがって、表示部材14としての機能は不要である。この場合、表示部材14はケース12に設けられた開口121を塞ぐように取り付けられるのが好ましい。このようにすれば、開口121から異物などが侵入する可能性を抑制することができる。
【0035】
これらの記載から理解されるように、プラグイン端子13を支持するケース12を、表示部材14の表示を確認するのに用いることが可能な開口121を有する構成とするのであれば、表示部材14と回転ホルダ131を第二の態様で取り付けた場合には、表示手段が開口121を塞ぐ構成とするのが好ましい。
表示部材14は、第一のプラグイン端子の上方に取り付けられる。また、ケース12に取り付けられた表示部材14は、第一のプラグイン端子の回転ホルダ131と当接可能である。この表示部材14は、回転ホルダ131の回転に応じて回転させることができるように取り付けることができるし、回転しないように取り付けることもできる。ここでは先ず、第一の態様で取り付ける場合、つまりは回転ホルダ131が回転可能な状態で取り付けられる場合(表示部材14が回転ホルダ131の第一位置で当接する場合)を説明する。このとき、第二のプラグイン端子は、L2相に接続可能となっているものとする。
ここでは、第一のプラグイン端子をN相に接続可能な状態からL1相に接続可能な状態に切り替える流れを説明したが、その反対の流れで第一のプラグイン端子をL1相に接続可能な状態からN相に接続可能な状態に切り替えることができる。
実施例2の場合、表示部材14の100V対応でも、200V対応でも表示部材14の表示部140が開口121を塞ぐ。このため、表示部140の左側に位置する面(200V対応の際に表示部材14の開口121を塞ぐことになる面)を、右側に位置する面(100V対応の際に表示部材14の開口121を塞ぐことになる面)と異なる色にするなどして、表示内容が理解できるようにする。例えば、どちらか一方の色はケース12と同色としつつ、他方の色はケース12と異なる色にするようにしてもよい。
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、カバーや保護部材は備えないものとしてもよいし、これらをケースから分離可能な構成としてもよい。