(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168024
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】花立容器
(51)【国際特許分類】
A47G 7/06 20060101AFI20241128BHJP
A01P 1/00 20060101ALI20241128BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20241128BHJP
A01N 59/16 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
A47G7/06 B
A01P1/00
A01P3/00
A01N59/16 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084407
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000172787
【氏名又は名称】オークス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】本間 里美
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AA02
4H011BB18
4H011DA08
(57)【要約】
【課題】容体1の上部開口部に花支持部2を設けるだけで、花の量が少なくても一輪の花でも大きく傾けずにこの花3を起立状態に容体1内に差し入れ支持できると同時に、この容体1内の水を自動的に抗菌又は殺菌することができ、その花3を長持ちさせることができる花立容器を提供すること。
【解決手段】容体1の上部開口部に着脱自在に花支持部2を設け、この花支持部2は、花3を支持する支持開口部を有する花差し支持部4と垂下部5とからなり、この垂下部5は、水に接触することで水に抗菌作用又は殺菌作用を付与する構成とした花立容器。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容体の上部開口部に花支持部が設けられていて、
前記花支持部は、前記容体の上部開口部に差し入れる花を支持する前記上部開口部より小さい複数の支持開口部を有する花差し支持部と、前記容体内に垂下配設される垂下部とからなる構成とされていて、
前記垂下部は、前記容体に収納する水と接触する垂下長および形状に構成されているとともに、前記水に接触することで水に抗菌作用又は殺菌作用を付与する抗菌殺菌機能を有する構成とされていることを特徴とする花立容器。
【請求項2】
前記花支持部は、前記容体の上部開口部に着脱自在に構成又は取り付け固定される構成とされているとともに、前記上部開口部に載置する又は係止する係止部と前記花差し支持部と、前記垂下部とからなる構成とされていることを特徴とする請求項1記載の花立容器。
【請求項3】
前記花支持部は、前記容体の上部開口部に着脱自在に載置する構成とされているとともに、前記花差し支持部および前記垂下部は線材で構成されていて、この線材で前記花差し支持部の前記支持開口部が形成されこの線材に花が支持される構成であることを特徴とする請求項2記載の花立容器。
【請求項4】
前記垂下部は、抗菌材あるいは殺菌材で形成されている若しくはコーティングされている又はメッキされている構成とされていて、前記水に接触することで水に抗菌作用又は殺菌作用を付与する抗菌殺菌機能を有する構成とされていることを特徴とする請求項1記載の花立容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、花瓶や一輪挿しやブーケ差しなどとして使用する花立容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
容体に収納した水に菌が増殖すると、たとえば花の茎の道管が詰まり水の吸い上げが悪くなり枯れ易くなったり、長持ちしないおそれがある。そのため、抗菌材を容体内に投下したり、抗菌剤を添加するものはある。
【0003】
しかし、容体の上部開口部に、この容体に差し入れる花を支持する花立補助部(花差し支持部)となる花支持部を設け、たとえ花の量が少なくても一輪の花でも大きく傾けずに起立状態で支持できるとともに、この花支持部を設けることで、同時に容体内の水を自動的に抗菌又は殺菌することができ、その花を長持ちさせることができる花立容器はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような現状に鑑み、前記問題を解決したもので、容体に差し入れる花を支持する花立補助部となる花支持部により、たとえ花の量が少なくても一輪の花でも大きく傾けずに起立状態に容体内に差し入れ支持できるとともに、簡易な構成で製作可能なこの花支持部により、たとえば単に容体の上部開口部に載置あるいは係止して着脱自在又は取り付け固定するなどの簡易な手法で、同時にこの容体内の水を自動的に抗菌又は殺菌することができ、その花を長持ちさせることができるきわめて実用性に優れた花立容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0006】
本発明は、容体1の上部開口部に花支持部2が設けられていて、
前記花支持部2は、前記容体1の上部開口部に差し入れる花3を支持する前記上部開口部より小さい複数の支持開口部を有する花差し支持部4と、前記容体1内に垂下配設される垂下部5とからなる構成とされていて、
前記垂下部5は、前記容体1に収納する水と接触する垂下長および形状に構成されているとともに、前記水に接触することで水に抗菌作用又は殺菌作用を付与する抗菌殺菌機能を有する構成とされていることを特徴とする花立容器に係るものである。
【0007】
また前記花支持部2は、前記容体1の上部開口部に着脱自在に構成又は取り付け固定される構成とされているとともに、前記上部開口部に載置する又は係止する係止部6と前記花差し支持部4と、前記垂下部5とからなる構成とされていることを特徴とする請求項1記載の花立容器に係るものである。
【0008】
また前記花支持部2は、前記容体1の上部開口部に着脱自在に載置する構成とされているとともに、前記花差し支持部4および前記垂下部5は線材で構成されていて、この線材で前記花差し支持部4の前記支持開口部が形成されこの線材に花が支持される構成であることを特徴とする請求項2記載の花立容器に係るものである。
【0009】
また前記垂下部5は、抗菌材あるいは殺菌材で形成されている若しくはコーティングされている又はメッキされている構成とされていて、前記水に接触することで水に抗菌作用又は殺菌作用を付与する抗菌殺菌機能を有する構成とされていることを特徴とする請求項1記載の花立容器に係るものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上述のように構成したから、容体に差し入れる花を支持する花立補助部となる花支持部により、たとえ花の量が少なくても一輪の花でも大きく傾けずに起立状態に容体内に差し入れ支持できるとともに、簡易な構成で製作可能なこの花支持部により、たとえば単に容体の上部開口部に載置あるいは係止して着脱自在又は取り付け固定するなどの簡易な手法で、同時にこの容体内の水を自動的に抗菌又は殺菌することができ、その花を長持ちさせることができるきわめて実用性に優れた花立容器となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施例の使用状態を示す説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の最適な実施形態を図面に基づいて本発明の作用を示し簡単に説明する。
【0013】
容体1の上部開口部に花3を差し入れるが、この際上部開口部に設けた花支持部2の花差し支持部4の支持開口部を介して差し入れることとなり、花3はたとえ上部開口部が大きくても、たとえば汎用形状で上部開口部が大きくても、この上部開口部に前記花支持部2が設けられているから、この花支持部2の上部の花差し支持部4の支持開口部の周縁部や形成枠部に支持されることとなり、たとえ花3の量が少なくても一輪でも大きく傾くことなく起立状態に支持されることとなり、上部開口部が大きな容体であっても、たとえ汎用形状の容体であっても、大きく傾けさせることなく花を体裁よく綺麗に花を飾ることができる。
【0014】
さらに本発明は、別に抗菌材を投入しなくても、前記支持開口部を有する前記花差し支持部4を備えた前記花支持部2の垂下部5が容体1内の水に接触し、この垂下部5に付与されている抗菌殺菌機能により水の菌の増殖が抑えられて花3を長持ちすることができる。
【0015】
たとえば、この花支持部2を着脱自在に構成(たとえば上部開口部に載置できる構成)または上部開口部に係止して取付固定する構成とすることで、容体1の深さに対して上部開口部が大きく、花が大きく傾く花の量であった際は、この容体1に前記花支持部2を設けることで、大きく傾かせずに起立状態に花3を差し入れ支持できると同時に、この花支持部2の垂下部5に付与されている抗菌殺菌機能により水を自動的にきれいに維持でき、夏場でも菌の増殖を抑えて花3を長持ちさせることができることとなる。
【実施例0016】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0017】
本実施例は、上部開口部が大きく汎用形状であるカップ状の容体1の円形の上部開口部に、線材で構成した花支持部2を着脱自在に載置係止した構成としている。
【0018】
本実施例のこの花支持部2は、容体1の上部開口部に係止する円形の(線環状の)係止部6と、上部に上部開口部を介して容体1に差し入れる花3を支持するこの上部開口部より小さい複数の支持開口部からなる花差し支持部4と、前記容体1内に垂下配設される複数の垂下部5とからなり、いずれも金属線材で形成した構成としている。
【0019】
具体的には、本実施例では、前記円形の係止部6の上部に容体1の上部に突出するように前記支持開口部を複数備えた前記花差し支持部4を設けた構成とし、この中央最上部に円形の小さな支持開口部とその周囲に側方からもほぼ起立状態(直立状態)に花3を差し入れ支持することができる支持開口部を複数設け、差し入れた花3がこれら支持開口部を形成する枠状線材に支持されるように構成している。
【0020】
また本実施例の前記垂下部5も線材で構成し、前記係止部6の下部に複数垂下突出形成した構成としている。また容体1に収納する水と接触する垂下長および形状に構成し、さらに前記水に接触することで水に抗菌作用又は殺菌作用を付与する抗菌殺菌機能を有する構成としている。
【0021】
また本実施例のこの垂下部5は、抗菌材あるいは殺菌材で形成されている若しくはコーティングされている又はメッキされている構成として、前記水に接触することで水に抗菌作用又は殺菌作用を付与する抗菌殺菌機能を有する構成としている。
【0022】
具体的には、銀イオンを抗菌材とし水を抗菌できるように、前記垂下部を構成する金属線材を銀メッキした構成としている。
【0023】
このように本実施例では、単に花支持部2の係止部6を容体1の上部開口部に載置セットするだけで、上部に花を差し入れると起立状態に花の茎を支持できる花支持部2を設けることができるとともに、容体1内に垂下セットされる垂下部5が容体1内の水に接触するように配置され、しかもこの垂下部5に付与した抗菌殺菌機能、本実施例では銀メッキした銀イオンの抗菌作用により、水は自動的に抗菌保持され、花を長持ちさせることができるように構成している。
【0024】
尚、本実施例では、U状の金属線材部を複数下方に水に十分届くように長く突出した構成とした前記垂下部5を、前述のように銀メッキ処理し抗菌殺菌機能を付与した構成としたが、この水を清浄に保つ抗菌殺菌機能の付与により、花がこの銀メッキによる銀イオンの抗菌作用によってこの銀メッキのない場合に比して数日長く枯れない効果を確認している。
【0025】
また本実施例では、容体1の底部に支持用凹部7を底部中央やその周囲同心円状に設けて、花の茎下端が、容体底面や底面隅部だけでなく、この支持用凹部7内に位置して凹部内隅縁部に係止することで起立状態が保持されやすいように補助する構成としている。
【0026】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は、適宜設計し得るものである。