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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168026
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】需要予測装置、及び需要予測方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0202 20230101AFI20241128BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20241128BHJP
【FI】
G06Q30/0202
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084409
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大家 健司
(72)【発明者】
【氏名】永原 聡士
(72)【発明者】
【氏名】野本 多津
(72)【発明者】
【氏名】辻部 晃久
【テーマコード(参考)】
5L010
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA04
5L030BB01
5L049AA04
5L049BB01
(57)【要約】
【課題】より高い精度で需要予測を行う。
【解決手段】需要予測装置は、過去の所定期間における商品の供給実績数量と、前記所定期間における前記商品の販売実績数量とを取得する取得部と、前記供給実績数量が所定供給数量よりも不足しており、かつ前記所定期間において前記商品が欠品しているかの判定を行う判定部と、前記供給実績数量が前記所定供給数量よりも不足しており、かつ前記所定期間において前記商品が欠品していると判定された場合に、前記販売実績数量を補正する補正部と、補正後の前記販売実績数量に基づき、前記所定期間以降の前記商品の需要予測数量を予測する予測部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去の所定期間における商品の供給実績数量と、前記所定期間における前記商品の販売実績数量とを取得する取得部と、
前記供給実績数量が所定供給数量よりも不足しており、かつ前記所定期間において前記商品が欠品しているかの判定を行う判定部と、
前記供給実績数量が前記所定供給数量よりも不足しており、かつ前記所定期間において前記商品が欠品していると判定された場合に、前記販売実績数量を補正する補正部と、
補正後の前記販売実績数量に基づき、前記所定期間以降の前記商品の需要予測数量を予測する予測部と、
を有する需要予測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の需要予測装置であって、
前記補正をしていない前記販売実績数量に基づき予測された前記商品の需要予測数量と、前記補正後の前記販売実績数量に基づく前記需要予測数量とを表示部に比較可能に表示させる表示制御部、
を更に有する需要予測装置。
【請求項3】
請求項1に記載の需要予測装置であって、
前記補正部は、前記販売実績数量を増加させることにより、当該販売実績数量を補正する、
需要予測装置。
【請求項4】
請求項3に記載の需要予測装置であって、
前記補正部は、前記所定期間より前に予測された需要予測数量と、前記所定期間より前に設定された販売計画数量の少なくとも一方に基づいて、前記所定期間における前記販売実績数量を補正する、
需要予測装置。
【請求項5】
請求項1に記載の需要予測装置であって、
前記判定部は、前記所定期間における前記商品の在庫実績数量が、0よりも大きい余裕在庫数量を下回っている場合に、前記所定期間において前記商品が欠品していると判定する、
需要予測装置。
【請求項6】
請求項1に記載の需要予測装置であって、
前記所定供給数量は、0よりも大きい余裕供給数量である、
需要予測装置。
【請求項7】
請求項1に記載の需要予測装置であって、
前記取得部は、複数の前記所定期間を含む単位期間ごとの前記供給実績数量を示す供給実績情報と、前記単位期間ごとの前記販売実績数量を示す販売実績情報とを取得し、
前記判定部は、前記単位期間における前記供給実績数量と前記販売実績数量の各々が複数の前記所定期間に按分された数量に基づいて前記判定を行い、
前記補正部は、按分された前記販売実績数量を補正する、
需要予測装置。
【請求項8】
請求項7に記載の需要予測装置であって、
按分された前記供給実績数量は、複数の前記所定期間の各々における前記供給実績数量の比の想定値を按分比率にして、前記単位期間における前記供給実績数量を複数の前記所定期間に按分した数量であり、
按分された前記販売実績数量は、複数の前記所定期間の各々における前記販売実績数量の比の想定値を按分比率にして、前記単位期間における前記販売実績数量を複数の前記所定期間に按分した数量である、
需要予測装置。
【請求項9】
コンピュータが、
過去の所定期間における商品の供給実績数量と、前記所定期間における前記商品の販売実績数量とを取得するステップと、
前記供給実績数量が所定供給数量よりも不足しており、かつ前記所定期間において前記商品が欠品しているかの判定を行うステップと、
前記供給実績数量が前記所定供給数量よりも不足しており、かつ前記所定期間において前記商品が欠品していると判定された場合に、前記販売実績数量を補正するステップと、
補正後の前記販売実績数量に基づき、前記所定期間以降の前記商品の需要予測数量を予測するステップと、
を実行する需要予測方法。
【請求項10】
請求項9に記載の需要予測方法であって、
前記コンピュータが、
前記補正をしていない前記販売実績数量に基づき予測された前記商品の需要予測数量と、前記補正後の前記販売実績数量に基づく前記需要予測数量とを表示部に比較可能に表示させるステップ、
を更に実行する需要予測方法。
【請求項11】
請求項9に記載の需要予測方法であって、
前記コンピュータは、前記販売実績数量を増加させることにより、当該販売実績数量を補正する、
需要予測方法。
【請求項12】
請求項11に記載の需要予測方法であって、
前記コンピュータは、前記所定期間より前に予測された需要予測数量と、前記所定期間より前に設定された販売計画数量の少なくとも一方に基づいて、前記所定期間における前記販売実績数量を補正する、
需要予測方法。
【請求項13】
請求項9に記載の需要予測方法であって、
前記コンピュータは、前記所定期間における前記商品の在庫実績数量が、0よりも大きい余裕在庫数量を下回っている場合に、前記所定期間において前記商品が欠品していると判定する、
需要予測方法。
【請求項14】
請求項9に記載の需要予測方法であって、
前記所定供給数量は、0よりも大きい余裕供給数量である、
需要予測方法。
【請求項15】
請求項9に記載の需要予測方法であって、
前記コンピュータは、
複数の前記所定期間を含む単位期間ごとの前記供給実績数量を示す供給実績情報と、前記単位期間ごとの前記販売実績数量を示す販売実績情報とを取得し、
前記単位期間における前記供給実績数量と前記販売実績数量の各々を複数の前記所定期間における数量に按分し、当該数量に基づいて前記判定を行い、
按分された前記販売実績数量を補正する、
需要予測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、需要予測装置、及び需要予測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
企業が顧客に商品を供給・販売する際、顧客要求に対して過不足があると、過剰な在庫が生じたり、需要の取りこぼし(機会損失)が発生したりし、収益悪化を招く。この問題を防ぐためには、特にサプライチェーンを構成する企業において、顧客に商品を適時適量供給できるように、あらかじめ当該商品の生産、並びに生産するための部品調達などを行う必要がある。これを実現するためには、例えば過去の販売実績に基づいて将来の需要数量を予測し、その需要数量に見合った量の商品を顧客を含むサプライチェーンに供給できるよう準備するのが好ましい。例えば、特許文献1の技術では、商品の過去の生産数量、販売数量、及び在庫数量に基づいて、将来の需要数量として販売予定数量を算出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-174452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、例えばパンデミック等によるロックダウン、自然災害等の非常な事象が生じると、部品調達や生産が計画通り行えず、商品の供給数量や在庫数量が不足するため、商品の販売数量が本来の需要に対して減少することがある。この減少した販売数量を過去実績として将来の需要数量を予測すると、例えばパンデミックの収束後であってもパンデミックに見舞われた供給不足状況を前提とした需要予測を行うことになり、需要数量を過小評価するおそれがある。この過小評価した需要数量に基づき部品調達・生産を行うと、本来の需要を満たす供給準備ができないことになり、パンデミックの収束後に本来販売できたはずの数量の商品を販売できず、販売機会を損失してしまう。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より高い精度で需要予測を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下の通りである。
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る需要予測装置は、過去の所定期間における商品の供給実績数量と、前記所定期間における前記商品の販売実績数量とを取得する取得部と、前記供給実績数量が所定供給数量よりも不足しており、かつ前記所定期間において前記商品が欠品しているかの判定を行う判定部と、前記供給実績数量が前記所定供給数量よりも不足しており、かつ前記所定期間において前記商品が欠品していると判定された場合に、前記販売実績数量を補正する補正部と、補正後の前記販売実績数量に基づき、前記所定期間以降の前記商品の需要予測数量を予測する予測部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、より高い精度で需要予測を行うことができる。
【0009】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態に係る需要予測装置の機能構成の一例を示す模式図である。
図2A図2Aは、本実施形態に係る販売計画情報のデータ構造の一例を示す模式図である。
図2B図2Bは、本実施形態に係る販売実績情報のデータ構造の一例を示す模式図である。
図3A図3Aは、本実施形態に係る在庫計画情報のデータ構造の一例を示す模式図である。
図3B図3Bは、本実施形態に係る在庫実績情報のデータ構造の一例を示す模式図である。
図4A図4Aは、本実施形態に係る供給計画情報のデータ構造の一例を示す模式図である。
図4B図4Bは、本実施形態に係る供給実績情報のデータ構造の一例を示す模式図である。
図5図5は、本実施形態に係る欠品情報のデータ構造の一例を示す模式図である。
図6図6は、本実施形態に係る需要推定情報のデータ構造の一例を示す模式図である
図7A図7Aは、補正前の「販売実績数量」に基づいて算出された本実施形態に係る需要予測情報のデータ構造の一例を示す模式図である。
図7B図7Bは、補正後の「販売実績数量」に基づいて算出された本実施形態に係る需要予測情報のデータ構造の一例を示す模式図である。
図8図8は、本実施形態に係る処理部が行う処理の一例について示す模式図である。
図9図9は、本実施形態に係る処理部が行う処理の他の例について示す模式図である。
図10図10は、本実施形態に係る「販売実績数量」の補正方法の別の例について示す模式図である。
図11図11は、本実施形態に係る過去3年間の「販売実績数量」の平均値の一例を示す模式図である。
図12図12は、期間の単位を1日とした場合に本実施形態に係る処理部が行う処理の一例を示す模式図である。
図13図13は、本実施形態に係る表示部の画面表示例の模式図である。
図14図14は、供給不足影響ボタンが押下された場合の本実施形態に係る表示部の画面表示例の模式図である。
図15図15は、本実施形態に係る需要予測装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。
図16図16は、本実施形態に係る需要予測装置のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は適宜省略する。また、以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含む。
【0012】
<本実施形態>
図1は、本実施形態に係る需要予測装置の機能構成の一例を示す模式図である。需要予測装置10は、商品の将来の需要予測数量を予測するPC(Personal Computer)やサーバ等のコンピュータである。一例として、需要予測装置10は、処理部11、記憶部12、通信部13、表示部14、及び入力部15を備える。
【0013】
通信部13は、LAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワーク50に需要予測装置10を接続するためのインターフェースである。
【0014】
表示部14は、ユーザに対して種々の情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。
【0015】
入力部15は、ユーザが需要予測装置10に種々の情報を入力するためのキーボードやマウス等の入力デバイスである。本実施形態はユーザが需要予測装置10を直接操作する態様に限定されず、ネットワーク50に接続された端末装置(不図示)に種々の情報を表示し、ユーザがその端末装置から需要予測装置10に種々の情報を入力してもよい。
【0016】
記憶部12は、販売計画情報31、販売実績情報32、在庫計画情報33、在庫実績情報34、供給計画情報35、供給実績情報36、供給不足量情報37、欠品情報38、需要推定情報39、及び需要予測情報40を記憶する。
【0017】
図2Aは販売計画情報31のデータ構造の一例を示す模式図であり、図2Bは販売実績情報32のデータ構造の一例を示す模式図である。
【0018】
販売計画情報31は、「商品名」、「販売者」、「販売予定期間」、及び「販売計画数量」の各々を関連付けた情報である。
【0019】
「商品名」は商品の名称であり、「販売者」は商品の販売業者である。なお、「商品名」は必ずしも実際の名称に限定せず、どの商品かを特定される情報、例えば商品コードなどであっても良い。また、「販売者」も同様に必ずしも実際の販売者名に限定せず、販売業者コードなどであっても良い。「販売予定期間」は、商品の販売を予定している期間である。この例では、期間の単位を1週間としており、期間の初日が「販売予定期間」に格納される。これについては、後述の「販売期間」、「在庫予定期間」、「在庫期間」、「供給予定期間」、「供給期間」、「欠品期間」、及び「予測期間」についても同様である。「販売計画数量」は、「販売予定期間」で計画している販売数量である。
【0020】
販売実績情報32は、「商品名」、「販売者」、「販売期間」、及び「販売実績数量」の各々を関連付けた情報である。
【0021】
「販売期間」は商品を実際に販売した期間であり、「販売実績数量」はその期間における商品の販売数量の実績値である。
【0022】
図3Aは在庫計画情報33のデータ構造の一例を示す模式図であり、図3Bは在庫実績情報34のデータ構造の一例を示す模式図である。
【0023】
在庫計画情報33は、「商品名」、「拠点」、「在庫予定期間」、及び「在庫計画数量」の各々を関連付けた情報である。
【0024】
「拠点」は商品の在庫拠点であり、「在庫予定期間」はその在庫拠点で在庫を予定している期間である。「在庫計画数量」は、その期間に在庫拠点で在庫を計画している商品の数量である。
【0025】
在庫実績情報34は、「商品名」、「拠点」、「在庫期間」、及び「在庫実績数量」の各々を関連付けた情報である。
【0026】
「在庫期間」は、「拠点」において商品の在庫が実際にあった期間である。「在庫実績数量」は、その期間における在庫数量の実績値である。
【0027】
図4Aは供給計画情報35のデータ構造の一例を示す模式図であり、図4Bは供給実績情報36のデータ構造の一例を示す模式図である。
【0028】
供給計画情報35は、「商品名」、「供給元」、「供給先」、「供給予定期間」、及び「供給計画数量」の各々を対応付けた情報である。
【0029】
「供給元」は商品を供給する供給業者の名称であり、「供給先」はその供給業者が商品を納品する納品先の名称である。「供給予定期間」は「供給先」への商品の供給が予定されている期間であり、「供給計画数量」はその期間に供給が計画されている商品の数量である。
【0030】
供給実績情報36は、「商品名」、「供給元」、「供給先」、「供給期間」、及び「供給実績数量」の各々を対応付けた情報である。
【0031】
「供給期間」は、「供給先」に実際に商品を供給した期間である。「供給実績数量」はその期間に実際に供給された商品の数量の実績値である。
【0032】
図5は、本実施形態に係る欠品情報38のデータ構造の一例を示す模式図である。欠品情報38は、「商品名」、「販売者」、「判定期間」、及び「欠品判定」の各々を関連付けた情報である。
【0033】
「判定期間」は、商品が欠品していたかを判定する期間である。「欠品判定」は、商品の欠品が「判定期間」中に発生していたかを示す情報である。欠品が発生していた場合は「Yes」となり、欠品が発生していない場合は「No」となる。
【0034】
本実施形態では、在庫実績情報34の「在庫実績数量」に基づいて欠品の有無を判定する。例えば、「在庫実績数量」が0の期間に欠品が発生していたと判定する。
【0035】
図6は、需要推定情報39のデータ構造の一例を示す模式図である。
【0036】
需要推定情報39は、「商品名」、「販売者」、「販売期間」、及び「需要推定数量」の各々を関連付けた情報である。
【0037】
「需要推定数量」は、「販売期間」における商品の需要数量の推定値である。需要数量は、商品の需要を示す数量であり、本実施形態ではその推定値である「需要推定数量」として販売実績情報32の「販売実績数量」を用いる。但し、在庫不足や欠品がある期間では、商品を販売したくても販売できない状況となるため、在庫不足や欠品がない場合と比較して販売実績数量が少なくなる。そのため、本実施形態では、在庫不足や欠品がある期間の「販売実績数量」を補正して当該期間における「需要推定数量」とする。その補正方法については後述する。
【0038】
図7A及び図7Bは、需要予測情報40のデータ構造の一例を示す模式図である。需要予測情報40は、「商品名」、「拠点」、「予測期間」、及び「需要予測数量」の各々を関連付けた情報である。
【0039】
「需要予測数量」は、将来のある「予測期間」における商品の販売数量の予測値である。本実施形態では、需要予測数量は、販売実績情報32(図2B参照)の「販売実績数量」に基づいて算出される。但し、在庫不足や欠品がある期間の「販売実績数量」が補正された場合、補正後の「販売実績数量」に基づいて需要予測数量が算出される。図7Aは、補正前の「販売実績数量」に基づいて算出された需要予測情報40のデータ構造の一例を示す模式図であり、図7Bは、補正後の「販売実績数量」に基づいて算出された需要予測情報40のデータ構造の一例を示す模式図である。その需要予測情報40における「需要予測数量」の算出方法については後述する。
【0040】
再び図1を参照する。上記した各情報31~36は、例えばネットワーク50に接続されたストレージ(不図示)に格納されており、処理部11が必要に応じてストレージ(不図示)から取得して記憶部12に格納する。
【0041】
処理部11は、販売情報取得部16、在庫情報取得部17、供給情報取得部18、供給不足量算出部19、欠品検知部20、判定部21、補正部22、予測部23、及び表示制御部24を備える。
【0042】
販売情報取得部16は、ネットワーク50を介して販売計画情報31と販売実績情報32とを取得し、それらを記憶部12に格納する。
【0043】
在庫情報取得部17は、ネットワーク50を介して在庫計画情報33と在庫実績情報34とを取得し、それらを記憶部12に格納する。
【0044】
供給情報取得部18は、ネットワーク50を介して供給計画情報35と供給実績情報36とを取得し、それらを記憶部12に格納する。
【0045】
供給不足量算出部19は、ある期間における商品の供給不足量を算出する。その算出方法について図8を参照して説明する。
【0046】
図8は、処理部11が行う処理の一例について示す模式図である。この例では、各情報31~36の期間の単位が1週間であることに合わせ、1週間単位の期間を採用する。また、在庫計画情報33と在庫実績情報34の各々における期間は、各期間の需要供給の受払計算を行った結果となる期間末日を表すと解釈し、期間内常時の在庫計画ならびに実績値を表すものではないとしても良い。
【0047】
図8の表51に示すように、供給不足量算出部19は、供給計画情報35の「供給計画数量」と供給実績情報36の「供給実績数量」とを比較する。そして、供給不足量算出部19は、供給不足かどうかの判定基準となる所定供給数量として「供給計画数量」を採用し、同一期間における「供給計画量」から「供給実績量」を減じた「供給差分量」を当該期間における供給不足量として算出する。供給不足量が負の期間では商品の供給不足が発生しており、供給不足量が0以上の期間では商品の供給不足は発生していない。
【0048】
図8の例では、10/17、10/24、及び10/31の各々を初日とする1週間では供給差分量が負であるため商品の供給不足が発生している。一方、それ以外の期間では供給差分量が0以上であるため商品の供給不足は発生していない。
【0049】
再び図1を参照する。欠品検知部20は、各々の期間において商品が欠品していたかを検知する。例えば、図8の表52に示すように、欠品検知部20は、在庫実績情報34の「在庫実績数量」に基づいて欠品の有無を判定する。例えば、欠品検知部20は、「在庫実績数量」が0の期間で欠品が発生したことを検知し、「在庫実績数量」が0よりも大きい期間では欠品が発生してないと判定する。
【0050】
図8の例では、10/24、10/31、11/7、及び11/14の各々を初日とする1週間で欠品が発生し、それ以外の期間では欠品は発生していない。
【0051】
また、欠品検知部20は、欠品の検知結果を示す欠品情報38(図5参照)を生成し、欠品情報38を記憶部12に格納する。
【0052】
再び図1を参照する。判定部21は、ある期間において「供給実績数量」が所定供給数量よりも不足しており、かつその期間で欠品が発生しているかの判定を行う。
【0053】
例えば、図8の例では、10/24と10/31の各々を初日とする1週間で「供給差分量」が負となり、かつ欠品が生じている。よって、判定部21は、これらの週において、「供給実績数量」が所定供給数量よりも不足しており、かつ欠品が発生していると判定する。
【0054】
再び図1を参照する。補正部22は、ある期間において「供給実績数量」が所定供給数量よりも不足しており、かつその期間で欠品が発生していると判定部21が判定した場合に、その期間における「販売実績数量」を補正する。その補正方法について再び図8を参照して説明する。
【0055】
図8の表53に示すように、補正部22は、10/24と10/31の各々を初日とする1週間における「販売実績数量」を補正し、補正後の値を「需要推定数量」とする。一例として、補正部22は、これらの期間における「販売実績数量」を増加させることにより、当該「販売実績数量」を補正する。商品の供給不足と欠品があった期間は販売実績が押し下げられるため、このように「販売実績数量」を増加させることで、供給不足や欠品がない本来の実績値を得ることができる。
【0056】
この際、補正部22は、補正対象の期間より前に予測された「需要予測数量」と、補正対象の期間よりも前に設定された「販売計画数量」の少なくとも一方に基づいて「販売実績数量」を補正する。図8の例では、補正対象の期間の「販売計画数量」を補正後の「需要推定数量」としている。例えば、10/24の週では、「販売計画数量」の「900」が補正後の「需要推定数量」となる。なお、補正対象期間の「需要予測数量」を補正後の「需要推定数量」としてもよい。「需要予測数量」と「販売計画数量」は、商品の供給不足や欠品がないことを想定して事前に設定された数量である。そのため、これらの数量の少なくとも一方に基づいて補正をすると、供給不足や欠品がない場合の「販売実績数量」に近い値を得ることができる。
【0057】
図8の例では、商品が不足しているかの判定基準となる所定供給数量として「供給計画数量」を採用し、「在庫実績数量」が0か否かに応じて欠品を検知するが、本実施形態はこれに限定されず、図9のような処理を行ってもよい。
【0058】
図9は、処理部11が行う処理の他の例について示す模式図である。図9の表51に示すように、この例では、「供給計画数量」から閾値の400を減じた値を0よりも大きい「余裕供給数量」とする。「余裕供給数量」は、余裕を持って商品を供給することができる数量の下限値である。この例では全ての期間で同一の閾値「400」を採用しているが、期間ごとに閾値を変えてもよい。
【0059】
そして、判定部21は、「余裕供給数量」を所定供給数量として採用し、「供給実績数量」と「余裕供給数量」との差である「供給不足量」を算出する。判定部21は、「供給不足量」が負の場合に「供給実績数量」が所定供給数量よりも不足していると判定し、「供給不足量」が0以上の場合に「供給実績数量」が所定供給数量よりも不足していないと判定する。「余裕供給数量」を基準にして供給不足かどうかを判定することで、供給量に余裕がなくなった場合に供給不足が発生したと判定することができる。
【0060】
また、表52に示すように、欠品検知部20は、ある期間における「在庫実績数量」が0よりも大きい余裕在庫数量を下回っている場合に当該期間において欠品が発生したことを検知する。余裕在庫数量は、余裕を持って商品を在庫することができる0よりも大きい数量である。余裕在庫数量を基準にして欠品の有無を判定することで、在庫に余裕がなくなった場合に欠品が発生したと判定することができる。
【0061】
そして、表53に示すように、判定部21は、「供給実績数量」が所定供給数量よりも不足しており、かつ欠品が発生しているかを期間ごとに判定する。その判定結果に応じ、補正部22が「販売実績数量」を補正する。なお、この例では図9の表51と表52の両方の処理を行うが、表51と表52の一方については前述の図8の処理を行ってもよい。
【0062】
図9の例では、図8と同様に「販売計画数量」を補正後の「販売実績数量」としているが、補正方法はこれに限定されない。
【0063】
図10は、「販売実績数量」の補正方法の別の例について示す模式図である。図10の例では、補正部22が、α×「需要予測数量」+(1-α)×「販売計画数量」を補正後の「販売実績数量」とし、補正後の「販売実績数量」を「需要推定数量」とする。但し、αは、0以上1以下の補正係数である。
【0064】
図10における「需要推定数量(1)」、「需要推定数量(2)」、及び「需要推定数量(3)」は、それぞれα=0、α=1、及びα=0.6の場合の「需要推定数量」である。なお、補正部22は、補正後の「販売実績数量」が補正前の「販売実績数量」よりも小さい場合は、「販売実績数量」を補正せずに、補正前の「販売実績数量」を「需要推定数量」にする。図10における白色のセルは、このように補正前の「販売実績数量」を「需要推定数量」としたセルである。
【0065】
更に、図8図10の例では「販売実績数量」を補正して「需要推定数量」としたが、過去の「販売実績数量」の平均値を補正して「需要推定数量」にしてもよい。
【0066】
図11は、過去3年間の「販売実績数量」の平均値の一例を示す模式図である。この例では、同一期間中の過去3年間の「販売実績数量」を平均した値を「販売実績数量(平均)」としている。
【0067】
補正部22は、このように過去のN年間(Nは自然数)の「販売実績数量」の平均値を「販売実績数量」に代えて採用し、当該平均値を上記のように補正してもよい。また、商品の需要サイクルが1年の場合はこのように過去N年間の平均値を採用すればよいが、需要サイクルが1カ月の場合は「販売実績数量」の過去Nヵ月の平均値を採用してもよい。同様に、需要サイクルが1週間の場合は過去N週間の平均値を算出してもよい。
【0068】
更に、図8図11の例では期間の単位が1週間であったが、期間の単位は1日でもよい。
【0069】
図12は、期間の単位を1日とした場合に処理部11が行う処理の一例を示す模式図である。各情報31~36の期間の単位が1日である場合は、図12の各表51~53の期間の単位も1日となり、期間の単位が1週の場合と同様にして補正部22が「販売実績数量」を補正することができる。
【0070】
一方、各情報31~36の期間の単位(単位期間)が1週の場合は、供給不足量算出部19は、1週における「供給計画数量」と「供給実績数量」の各々を、その1週に含まれる各日(所定期間)における数量に按分する。そして、供給不足量算出部19は、按分された「供給計画数量」と「供給実績数量」に基づき、日ごとに供給差分量を算出する。
【0071】
また、欠品検知部20は、1週における「販売計画数量」と「販売実績数量」の各々を、その1週に含まれる各日における数量に按分し、上述の日ごとに按分された供給計画数量、供給実績数量との受払計算を行い、日ごとの「在庫計画数量」と「在庫実績数量」を算出する。そして、欠品検知部20は、算出された「在庫計画数量」と「在庫実績数量」に基づき、日ごとに欠品を検知する。
【0072】
判定部21は、「供給実績数量」が「供給計画数量」よりも不足しており、かつ欠品が発生しているかを日ごとに判定する。
【0073】
そして、補正部22は、1週における「需要予測数量」、「販売計画数量」、「販売実績数量」、及び「需要推定数量」の各々を、その1週に含まれる数量に按分する。そして、補正部22は、これらの数量と判定部21の判定結果とに基づいて、日単位で「販売実績数量」を補正する。
【0074】
このように1週での数量を日ごとの数量に按分することで、各情報31~36の期間の単位が1週の場合であっても、日ごとに「販売実績数量」を補正することができる。
【0075】
按分比率は、1週における各日の供給や需要の傾向等に基づいてユーザが事前に決定してもよい。例えば、平日では土日と比べて商品の供給量が多いことが想定される場合、その想定を反映した按分比率で「供給実績数量」を按分してもよい。例えば、平日の「供給実績数量」と土日の「供給実績数量」との比の想定値を按分比率にすればよい。
【0076】
また、土日では平日と比べて商品の需要が多いことが想定される場合、土日の「販売実績数量」と平日の「販売実績数量」との比の想定値を按分比率にすればよい。このように各々の日における「供給実績数量」や「販売実績数量」の比の想定値を按分比率にすることで、各日の需要の傾向を按分後の数量に反映させることができる。
【0077】
再び図1を参照する。予測部23は、ある所定期間の「販売実績数量」に基づき、その所定期間以降の商品の「需要予測数量」を予測し、その予測結果を示す需要予測情報40を生成してそれを記憶部12に格納する。「販売実績数量」が補正されている場合は、予測部23は、補正後の「販売実績数量」に基づいて「需要予測数量」を予測する。
【0078】
需要予測数量の予測方法としては、移動平均法、指数平滑法、回帰分析法、及び加重移動平均法等がある。また、ARIMA(Autoregressive Integrated Moving Average)や重回帰を用いた時系列分析法で需要予測数量を予測してもよい。更に、機械学習により需要予測数量を予測してもよい。
【0079】
表示制御部24は、補正をしていない「販売実績数量」に基づき予測された商品の「需要予測数量」と、補正後の「販売実績数量」に基づく「需要予測数量」とを表示部14に比較可能に表示させる。なお、表示制御部24は、ネットワーク50に接続された端末装置(不図示)の表示部にこれらの「需要予測数量」を表示してもよい。
【0080】
図13は、表示部14の画面表示例の模式図である。図13に示すように、表示部14には予測ウィンドウ60が表示される。予測ウィンドウ60は、「需要予測数量」の時間推移を示すウィンドウであって、需要予測ボタン61と供給不足影響ボタン62とを備える。
【0081】
ユーザが需要予測ボタン61を押下すると、表示制御部24は、補正をしていない「販売実績数量」に基づき予測された商品の「需要予測数量」を示す推移グラフ63を予測ウィンドウ60に表示する。補正後の「販売実績数量」に基づく「需要予測数量」を確認したい場合は、ユーザは供給不足影響ボタン62を押下する。
【0082】
図14は、供給不足影響ボタン62が押下された場合の表示部14の画面表示例の模式図である。図14に示すように、供給不足影響ボタン62が押下されると、表示制御部24は、補正をしていない「販売実績数量」に基づく推移グラフ63と共に、補正後の「販売実績数量」に基づく「需要予測数量」を示す推移グラフ64を表示する。表示制御部24は、各推移グラフ63、64の各時間軸を揃えて表示することで、各推移グラフ63、64を比較可能な態様で表示する。これにより、ユーザは、商品の供給不足と欠品が将来の「需要予測数量」に与える影響を把握することができる。
【0083】
図15は、本実施形態に係る需要予測装置10が行う処理の一例を示すフローチャートである。
【0084】
まず、予測部23は、需要予測の算出要求があるかを判定する(ステップS10)。例えば、予測部23は、予測ウィンドウ60の需要予測ボタン61が押下された場合に算出要求がある(YES)と判定し、需要予測ボタン61が押下されていない場合に算出要求がない(NO)と判定する。ここでNOと判定された場合は処理を終える。
【0085】
一方、YESと判定された場合はステップS11に移る。ステップS11では、処理部11が情報31~36を取得する。例えば、販売情報取得部16が販売計画情報31と販売実績情報32とを取得し、在庫情報取得部17が在庫計画情報33と在庫実績情報34とを取得する。更に、供給情報取得部18が供給計画情報35と供給実績情報36とを取得する。
【0086】
取得した各情報31~36は過去の共通の期間を含んでおり、以下ではその期間を評価期間と呼ぶ。図2A図4Aの例では、評価期間の初日は2022/10/3であり、評価期間の末日は2022/11/7から始まる週の最後の日である。
【0087】
次に、予測部23は、補正前の「販売実績数量」に基づいて「需要予測数量」を予測する(ステップS12)。例えば、予測部23は、評価期間における販売実績情報32の「販売実績数量」に基づいて、評価期間以降の将来の「需要予測数量」を予測する。そして、予測部23は、その予測結果を示す需要予測情報40(図7A参照)を生成して記憶部12に格納する。
【0088】
次いで、表示制御部24は、補正前の「販売実績数量」に基づく「需要予測数量」の予測結果を表示する(ステップS13)。例えば、表示制御部24は、図13に示したように、予測結果を推移グラフ63で示す。
【0089】
次いで、補正部22は、「販売実績数量」に対する補正要求があるかを判定する(ステップS14)。例えば、補正部22は、予測ウィンドウ60の供給不足影響ボタン62が押下された場合に補正要求がある(YES)と判定し、供給不足影響ボタン62が押下されていない場合に補正要求がない(NO)と判定する。
【0090】
ここでYESと判定された場合はステップS15に移り、供給不足量算出部19が、評価期間に含まれる各期間(週)における商品の供給不足量を算出する。
【0091】
次いで、欠品検知部20は、評価期間に含まれる各期間(週)において商品が欠品していたかを検知する(ステップS16)。そして、欠品検知部20は、欠品の検知結果を示す欠品情報38(図5参照)を生成して記憶部12に格納する。
【0092】
次に、判定部21は、供給不足かつ欠品が発生した所定期間(週)が評価期間にあるかを判定する(ステップS17)。ここでYESと判定された場合はステップS18に移る。
【0093】
ステップS18では、補正部22が、供給不足かつ欠品が発生した所定期間(週)において押し下げられた「販売実績数量」を増加させることにより、当該所定期間(週)における「販売実績数量」を補正する。
【0094】
次に、予測部23は、補正後の「販売実績数量」に基づいて、供給不足かつ欠品が発生した所定期間(週)以降の将来の「需要予測数量」を予測する(ステップS19)。そして、予測部23は、その予測結果を示す需要予測情報40(図7B参照)を生成して記憶部12に格納する。
【0095】
次いで、表示制御部24は、補正後の「販売実績数量」に基づく「需要予測数量」の予測結果を表示する(ステップS20)。例えば、表示制御部24は、図14に示したように、予測結果を推移グラフ64で示す。
【0096】
以上により、本実施形態に係る需要予測装置10が行う基本的な処理を終える。なお、ステップS10、S14、S17のいずれかでNOと判定された場合も同様に処理を終える。
【0097】
上記した本実施形態によれば、商品の供給不足と欠品が発生した期間の販売実績数量を補正するため、その期間における需要が過小評価されない。そのため、補正後の販売実績数量に基づいて、より高い精度で需要予測を行うことができる。
【0098】
<ハードウェア構成>
次に、本実施形態に係る需要予測装置10のハードウェア構成について説明する。
【0099】
図16は、本実施形態に係る需要予測装置10のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
【0100】
図16に示すように需要予測装置10は、記憶装置10a、メモリ10b、プロセッサ10c、入力装置10d、表示装置10e、通信インターフェース10f、及び媒体読み取り装置10gを有する。これらの各部はバス10iにより相互に接続される。
【0101】
記憶装置10aは、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶装置であって、本実施形態に係る需要予測プログラム100を記憶する。
【0102】
需要予測プログラム100をコンピュータが読み取り可能な記録媒体10hに記録させておき、プロセッサ10cに記録媒体10hの需要予測プログラム100を読み取らせるようにしてもよい。
【0103】
記録媒体10hとしては、例えばCD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、及びUSB (Universal Serial Bus)メモリ等の物理的な可搬型記録媒体がある。フラッシュメモリ等の半導体メモリやハードディスクドライブを記録媒体10hとして使用してもよい。
【0104】
公衆回線、インターネット、及びLAN(Local Area Network)等に接続された装置に需要予測プログラム100を記憶させてもよい。その場合は、プロセッサ10cがその需要予測プログラム100を読み出して実行すればよい。
【0105】
メモリ10bは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等のようにデータを一時的に記憶するハードウェアであって、その上に需要予測プログラム100が展開される。
【0106】
プロセッサ10cは、需要予測装置10の各部を制御するCPU(Central Processing Uni)やGPU(Graphical Processing Unit)である。そのプロセッサ10cがメモリ10bと協働して需要予測プログラム100を実行することにより図1の処理部11が実現される。
【0107】
図1の記憶部12は、記憶装置10aとメモリ10bにより実現される。
【0108】
入力装置10dは、図1の入力部15を実現するためのキーボードやマウス等の入力デバイスである。
【0109】
表示装置10eは、図1の表示部14を実現するための液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。
【0110】
通信インターフェース10fは、需要予測装置10をネットワーク50に接続するためのNIC(Network Interface Card)等のハードウェアである。その通信インターフェース10fにより図1の通信部13が実現される。
【0111】
媒体読み取り装置10gは、記録媒体10hに記録されているデータを読み取るためのUSBリーダ等のハードウェアである。
【0112】
本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
【0113】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した各実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明が、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を、他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に、他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0114】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現されてもよい。各機能を実現するプログラム、判定テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、HDD、SSD等の記憶装置、または、IC(Integrated Circuit)カード、SD(Secure Digital)カード、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に置くことができる。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0115】
10…需要予測装置、10a…記憶装置、10b…メモリ、10c…プロセッサ、10d…入力装置、10e…表示装置、10f…通信インターフェース、10g…媒体読み取り装置、10h…記録媒体、10i…バス、11…処理部、12…記憶部、13…通信部、14…表示部、15…入力部、16…販売情報取得部、17…在庫情報取得部、18…供給情報取得部、19…供給不足量算出部、20…欠品検知部、21…判定部、22…補正部、23…予測部、24…表示制御部、31…販売計画情報、32…販売実績情報、33…在庫計画情報、34…在庫実績情報、35…供給計画情報、36…供給実績情報、37…供給不足量情報、38…欠品情報、39…需要推定情報、40…需要予測情報、50…ネットワーク、51~53…表、60…予測ウィンドウ、61…需要予測ボタン、62…供給不足影響ボタン、63、64…推移グラフ、100…需要予測プログラム。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16