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特開2024-168029光軸調整装置、光学部品の検査装置、光軸調整方法及び光学部品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168029
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】光軸調整装置、光学部品の検査装置、光軸調整方法及び光学部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/00 20210101AFI20241128BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20241128BHJP
   G02B 6/32 20060101ALI20241128BHJP
   H01S 5/02251 20210101ALI20241128BHJP
【FI】
G02B7/00 F
G02B6/42
G02B6/32
H01S5/02251
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084412
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥東 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】登森 勇介
(72)【発明者】
【氏名】中村 俊介
【テーマコード(参考)】
2H043
2H137
5F173
【Fターム(参考)】
2H043AE22
2H137AA14
2H137AB05
2H137AB06
2H137BA01
2H137BB02
2H137BB14
2H137BC02
2H137BC12
2H137CA33
2H137CB06
2H137CB22
2H137CB32
2H137CB34
2H137CB36
2H137DB14
2H137HA05
5F173MC24
5F173ME54
5F173ME75
5F173ME87
5F173MF23
5F173MF39
5F173MF40
5F173ZM03
5F173ZM05
(57)【要約】
【課題】光学部品を液冷式冷却器で冷却しながら、より短時間で光学部品の光軸調整を行うことができる光軸調整装置を提供する。
【解決手段】光軸調整装置1は、第1ステージ12と、液冷式冷却器11と、コリメートレンズ14と、集光レンズ26と、第2ステージ20と、光検出器31と、角度調整部(例えば、ステージコントローラ34及び制御部36)とを備える。コリメートレンズ14は、第1光学部品5から出力された光をコリメート光に変換する。集光レンズ26は、コリメート光を第2光学部品7に集光する。角度調整部は、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対角度を調整する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光学部品を支持する第1ステージと、
前記第1ステージを冷却する液冷式冷却器と、
前記第1光学部品から出力された光をコリメート光に変換するコリメートレンズと、
前記コリメート光を第2光学部品に集光する集光レンズと、
前記第2光学部品を支持する第2ステージと、
前記第1光学部品から前記第2光学部品に結合した光の強度を測定する光検出器と、
前記第1ステージまたは前記第2ステージの少なくとも一つに接続されており、かつ、前記第1光学部品に対する前記第2光学部品の相対角度を調整する角度調整部とを備える、光軸調整装置。
【請求項2】
前記第1ステージまたは前記第2ステージの少なくとも一つに接続されており、かつ、前記第1光学部品に対する前記第2光学部品の相対位置を調整する位置調整部をさらに備える、請求項1に記載の光軸調整装置。
【請求項3】
光学部品位置決め機構をさらに備え、
前記第1ステージは、前記第1光学部品が載置される載置面と、前記載置面から突出する突出部材とを含み、
前記光学部品位置決め機構は、前記第1光学部品を前記突出部材に当接させる、請求項1に記載の光軸調整装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の前記光軸調整装置と、
前記第2光学部品に光学的に接続されており、かつ、前記第1光学部品の特性を測定する光学部品特性測定器とを備える、光学部品の検査装置。
【請求項5】
前記第1光学部品はレーザダイオードであり、
前記第2光学部品は光ファイバであり、
前記第1光学部品の前記特性は、前記レーザダイオードの光学的特性または電気的特性である、請求項4に記載の光学部品の検査装置。
【請求項6】
コリメートレンズと集光レンズとに対して第1光学部品と第2光学部品とを配置するステップを備え、前記コリメートレンズは前記第1光学部品から出力された光をコリメート光に変換し、前記集光レンズは前記コリメート光を前記第2光学部品に集光し、前記第1光学部品は液冷式冷却器によって冷却され、
前記第1光学部品に対する前記第2光学部品の相対角度を変化させながら、前記第1光学部品から前記第2光学部品に結合する光の強度が最大となる最大光強度相対角度を探索するステップを備え、
前記最大光強度相対角度を探索する前記ステップは、
第1相対角度から第2相対角度まで第1設定走査条件で前記相対角度を変化させながら、走査時間と前記光の前記強度との関係を取得し、前記第1相対角度から前記第2相対角度まで走査速度が一定であると仮定した場合の第1最大光強度相対角度を求めるステップと、
前記第2相対角度から前記第1相対角度まで前記第1設定走査条件と走査方向以外が同一である第2設定走査条件で前記相対角度を変化させながら、走査時間と前記光の前記強度との関係を取得し、前記第2相対角度から前記第1相対角度まで走査速度が一定であると仮定した場合の第2最大光強度相対角度を求めるステップと、
前記第1最大光強度相対角度と前記第2最大光強度相対角度との中央角度を前記最大光強度相対角度として算出するステップとを含む、光軸調整方法。
【請求項7】
前記第1光学部品に対する前記第2光学部品の相対位置を変化させながら、前記第1光学部品から前記第2光学部品に結合する光の強度が最大となる最大光強度相対位置を探索するステップをさらに備え、
前記最大光強度相対位置を探索する前記ステップは、
第1相対位置から第2相対位置まで第3設定走査条件で前記相対位置を変化させながら、走査時間と前記光の前記強度との関係を取得し、前記第1相対角度から前記第2相対角度まで走査速度が一定であると仮定した場合の第1最大光強度相対位置を求めるステップと、
前記第2相対位置から前記第1相対位置まで前記第3設定走査条件と走査方向以外が同一である第4設定走査条件で前記相対位置を変化させながら、走査時間と前記光の前記強度との関係を取得し、前記第2相対角度から前記第1相対角度まで走査速度が一定であると仮定した場合の第2最大光強度相対位置を求めるステップと、
前記第1最大光強度相対位置と前記第2最大光強度相対位置の中央位置を前記最大光強度相対位置として算出するステップとを含む、請求項6に記載の光軸調整方法。
【請求項8】
前記第1光学部品を位置決めするステップをさらに備え、
前記第1光学部品は、ステージに支持されており、前記ステージは、前記第1光学部品が載置される載置面と、前記載置面から突出する突出部材とを含み、
前記液冷式冷却器は、前記ステージに接続されており、
前記第1光学部品を位置決めする前記ステップは、前記第1光学部品を前記突出部材に当接させることを含む、請求項6に記載の光軸調整方法。
【請求項9】
前記第1光学部品を形成するステップと、
前記第1光学部品を検査するステップとを備え、
前記第1光学部品を検査する前記ステップは、請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の前記光軸調整方法を行うステップと、前記第1光学部品の特性を測定するステップとを含む、光学部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光軸調整装置、光学部品の検査装置、光軸調整方法及び光学部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2008-186035号公報(特許文献1)は、光学部品の調芯装置及び光学部品の調芯方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-186035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、光学部品を液冷式冷却器で冷却しながら、より短時間で光学部品の光軸調整を行うことができる光軸調整装置、光学部品の検査装置、光軸調整方法及び光学部品の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の光軸調整装置は、第1ステージと、液冷式冷却器と、コリメートレンズと、集光レンズと、第2ステージと、光検出器と、角度調整部とを備える。第1ステージは、第1光学部品を支持する。液冷式冷却器は、第1ステージを冷却する。コリメートレンズは、第1光学部品から出力された光をコリメート光に変換する。集光レンズは、コリメート光を第2光学部品に集光する。第2ステージは、第2光学部品を支持する。光検出器は、第1光学部品から第2光学部品に結合した光の強度を測定する。角度調整部は、第1ステージまたは第2ステージの少なくとも一つに接続されており、かつ、第1光学部品に対する第2光学部品の相対角度を調整する。
【0006】
本開示の光学部品の検査装置は、本開示の光軸調整装置と、光学部品特性測定器とを備える。光学部品特性測定器は、第2光学部品に光学的に接続されており、かつ、第1光学部品の特性を測定する。
【0007】
本開示の光軸調整方法は、コリメートレンズと集光レンズとに対して第1光学部品と第2光学部品とを配置するステップを備える。コリメートレンズは、第1光学部品から出力された光をコリメート光に変換する。集光レンズは、コリメート光を第2光学部品に集光する。第1光学部品は、液冷式冷却器によって冷却される。本実施の形態の光軸調整方法は、第1光学部品に対する第2光学部品の相対角度を変化させながら、第1光学部品から第2光学部品に結合する光の強度が最大となる最大光強度相対角度を探索するステップを備える。
【0008】
最大光強度相対角度を探索するステップは、第1相対角度から第2相対角度まで第1設定走査条件で相対角度を変化させながら、走査時間と光の強度との関係を取得し、第1相対角度から第2相対角度まで走査速度が一定であると仮定した場合の第1最大光強度相対角度を求めるステップと、第2相対角度から第1相対角度まで第1設定走査条件と走査方向以外が同一である第2設定走査条件で相対角度を変化させながら、走査時間と光の強度との関係を取得し、第2相対角度から第1相対角度まで走査速度が一定であると仮定した場合の第2最大光強度相対角度を求めるステップと、第1最大光強度相対角度と第2最大光強度相対角度との中央角度を最大光強度相対角度として算出するステップとを含む。
【0009】
本開示の光学部品の製造方法は、第1光学部品を形成するステップと、第1光学部品を検査するステップとを備える。第1光学部品を検査するステップは、本開示の光軸調整方法を行うステップと、第1光学部品の特性を測定するステップとを含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示では、第2光学部品は、コリメートレンズによって得られるコリメート光を介して、第1光学部品に光学的に結合している。そのため、液冷式冷却器に冷却液が流れることによって液冷式冷却器が微小振動しても、第1光学部品から第2光学部品への光結合効率の変化が抑制される。第1光学部品から第2光学部品への光結合が安定化する。本開示の光軸調整装置及び本開示の光軸調整方法によれば、第1光学部品を液冷式冷却器で冷却しながら、第1光学部品と第2光学部品との間の光軸調整をより短時間で行うことができる。
【0011】
本開示の光学部品の検査装置によれば、第1光学部品と第2光学部品との間の光軸調整をより短時間で行うことができて、第1光学部品を液冷式冷却器で冷却しながら、第1光学部品をより短時間で検査することができる。
【0012】
本開示の光学部品の製造方法によれば、第1光学部品と第2光学部品との間の光軸調整をより短時間で行うことができて、第1光学部品の生産効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1に係る光軸調整装置及び光学部品の検査装置の概略図である。
図2】実施の形態1に係る光軸調整装置及び光学部品の検査装置の概略部分拡大図である。
図3】実施の形態1に係る光軸調整装置及び光学部品の検査装置の第2ステージの概略図である。
図4】実施の形態1に係る光軸調整装置及び光学部品の検査装置の第2ステージの概略図である。
図5】実施の形態1に係る光軸調整方法のフローチャートを示す図である。
図6】第1光学部品から第2光学部品へ結合する光の強度分布を示す図である。
図7】第2光学部品を第1光学部品に対して第1方向に走査した場合の、サンプリング時間と第1光学部品から第2光学部品へ結合する光の強度との関係、並びに、サンプリング時間と第2ステージの状態を示す動作信号の電圧との関係を示す図である。
図8】第2光学部品を第1光学部品に対して第1方向とは逆の第2方向に走査した場合の、サンプリング時間と第1光学部品から第2光学部品へ結合する光の強度との関係、並びに、サンプリング時間と第2ステージの状態を示す動作信号の電圧との関係を示す図である。
図9】走査速度を一定と仮定した場合の、第1光学部品に対する第2光学部品の相対配置と第1光学部品から第2光学部品へ結合する光の強度との関係を示す図である。
図10】第2光学部品を第1光学部品に対して、X軸方向にステップ走査を行い、Y軸まわりに連続走査しながら、第1光学部品から第2光学部品へ結合する光の強度を測定することを説明する図である。
図11図10で最大光強度相対位置を通る走査経路を図10の走査方向と逆向きに、第2光学部品を第1光学部品に対して走査しながら、第1光学部品から第2光学部品へ結合する光の強度を測定することを説明する図である。
図12】第2光学部品を第1光学部品に対して、Y軸方向にステップ走査を行い、X軸まわりに連続走査しながら、第1光学部品から第2光学部品へ結合する光の強度を測定することを説明する図である。
図13図12で最大光強度相対位置を通る走査経路を図12の走査方向と逆向きに、第2光学部品を第1光学部品に対して走査しながら、第1光学部品から第2光学部品へ結合する光の強度を測定することを説明する図である。
図14】実施の形態1の精調整ステップを繰り返して行うことにより得られる、第1光学部品から第2光学部品へ結合する光の最大強度の変化の一例を示す図である。
図15】実施の形態1及び実施の形態2に係る光学部品の検査方法、並びに、実施の形態3に係る光学部品の製造方法の光学部品検査工程のフローチャートを示す図である。
図16】実施の形態1に係る光軸調整装置及び光学部品の検査装置の概略部分拡大図である。
図17】実施の形態2に係る光軸調整装置及び光学部品の検査装置の概略図である。
図18】実施の形態2に係る光軸調整装置及び光学部品の検査装置の概略部分拡大図である。
図19】実施の形態2に係る光軸調整装置及び光学部品の検査装置の概略部分拡大平面図である。
図20】実施の形態2に係る光軸調整方法のフローチャートを示す図である。
図21】実施の形態3に係る光学部品の製造方法のフローチャートを示す図である。
図22】実施の形態3に係る光学部品の製造方法のうち光学部品形成ステップのフローチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施の形態を説明する。なお、同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
【0015】
実施の形態1.
図1から図4を参照して、実施の形態1の光軸調整装置1を説明する。光軸調整装置1は、第1光学部品5と第2光学部品7との間の光軸調整を行う装置である。図1及び図2を参照して、第1光学部品5は、例えば、レーザダイオード6のような発光素子である。第2光学部品7は、例えば、コア8aとクラッド8bとを含む光ファイバ8である。
【0016】
本明細書において、光軸調整は、第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度が最大になるように、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対配置を調整することを意味する。例えば、第2光学部品7が光ファイバ8である場合、光軸調整は、第1光学部品5から第2光学部品7の入射端面に結合する光の強度が最大になるように、第1光学部品5に対する第2光学部品7の入射端面の相対配置を調整することを意味する。
【0017】
本明細書において、光強度が最大になる相対配置は、第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度が最大となる相対配置、当該光強度が規定しきい値強度以上となる相対配置、または、当該光強度の所定比率幅(例えば、半値幅)の中心となる相対配置であり、用途に合わせて定義されてもよい。本明細書において、「最大」の用語は、光強度が最大である場合、または、光強度が規定しきい値強度以上となる場合を意味する。本明細書では、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対配置は、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対位置及び相対角度を意味する。
【0018】
光軸調整装置1は、ベース10と、液冷式冷却器11と、第1ステージ12と、コリメートレンズ14と、第1ホルダ15と、冷却液循環装置16と、駆動電源17と、第2ステージ20と、集光レンズ26と、第2ホルダ27と、光検出器31と、ステージコントローラ34と、A/D変換器35と、制御部36とを備える。
【0019】
ベース10は、上面10aを含む。ベース10の上面10aの法線方向は、Y軸方向である。ベース10の上面10aは、Y軸方向に垂直なX軸方向と、X軸方向及びY軸方向に垂直なZ軸方向とに延在している。
【0020】
液冷式冷却器11は、ベース10の上面10a上に配置されている。液冷式冷却器11は、第1ステージ12に接続されている。本実施の形態では、第1ステージ12は、液冷式冷却器11上に載置されている。第1ステージ12は、第1光学部品5を支持する。例えば、第1ステージ12は載置面12aを含み、第1光学部品5は載置面12a上に載置されている。そのため、液冷式冷却器11は、第1ステージ12を冷却し、第1光学部品5は、第1ステージ12を介して液冷式冷却器11によって冷却される。第1ステージ12は、例えば、固定ステージである。液冷式冷却器11は、冷却液が流れるパイプ(図示せず)を含む。
【0021】
液冷式冷却器11は、冷却液循環装置16に接続されている。冷却液循環装置16は、液冷式冷却器11から排出された冷却液を温度調整して、液冷式冷却器11に、温度調整された冷却液を供給する。冷却液は、例えば、水または不凍液などである。液冷式冷却器11は、空冷またはペルチェ素子等を用いる場合よりも、第1光学部品5を低温に冷却することができる。例えば、液冷式冷却器11は、-30℃の低温に冷却することができる。
【0022】
第1ステージ12は、コリメートレンズ14を支持する。具体的には、第1ステージ12は、第1ホルダ15を支持する。例えば、第1ホルダ15は第1ステージ12の載置面12a上に載置されている。第1ホルダ15は、コリメートレンズ14を保持する。
【0023】
第1光学部品5は、駆動電源17に接続されている。駆動電源17は、第1光学部品5に駆動電流を供給する。第1光学部品5に駆動電流が印加されて、第1光学部品5は光を出力する。第1光学部品5から出力された光は、Z軸にほぼ平行に進む。第1光学部品5から出力された光は、コリメートレンズ14に入射する。コリメートレンズ14は、第1光学部品5から出力された光を、コリメート光に変換する。例えば、第1光学部品5がレーザダイオード6である場合、コリメートレンズ14は、レーザダイオード6の発光点から出力された光を、コリメート光に変換する。
【0024】
第2ステージ20は、ベース10の上面10a上に配置されている。第2ステージ20は、第2光学部品7を支持する。具体的には、第2ステージ20は、第2ホルダ27を支持している。第2ホルダ27は、第2光学部品7を保持している。第2ホルダ27は、集光レンズ26を保持する。集光レンズ26は、コリメートレンズ14から出力されるコリメート光を第2光学部品7に集光する。例えば、第2光学部品7が光ファイバ8である場合、集光レンズ26は、コリメート光を、光ファイバ8のコア8aの入射端面に集光する。第2光学部品7とコリメートレンズ14とは一体化されてもよい。集光レンズ26は、第2光学部品7を保持する第2ホルダ27とは別のホルダに保持されてもよい。
【0025】
第2ステージ20は、例えば、可動ステージである。図3を参照して、第2ステージ20は、例えば、Xステージ21と、Yステージ22と、θXステージ23と、θYステージ24と、ステージ駆動部25とを含む。Xステージ21は、X軸方向に移動するステージである。Yステージ22は、Y軸方向に移動するステージである。θXステージ23は、X軸まわりに回転するステージである。θYステージ24は、Y軸のまわりに回転するステージである。ステージ駆動部25は、ステージコントローラ34からの指令信号に基づいて、Xステージ21及びYステージ22を移動させるとともに、θXステージ23及びθYステージ24を回転させる。第2ステージ20は、例えば、ステッピングモータ式の4ステージである。ステージ駆動部25は、例えば、ステッピングモータである。
【0026】
第1光学部品5と第2光学部品7とはコリメートレンズ14から出力されるコリメート光を介して光学的に結合しているため、第1光学部品5に対する第2光学部品7のZ軸方向の相対位置の調整は不要である。そのため、第2ステージ20は、Z軸方向に移動するZステージを有していなくてもよい。
【0027】
第2光学部品7は、第2ホルダ27を介して、第2ステージ20に固定されているため、第2ステージ20が移動または回転すると、第2光学部品7も第2ステージ20とともに移動または回転する。第2ステージ20は、エンコーダやリニアスケールなどの位置検出機能及び角度検出機能を含んでもよいし、含んでいなくてもよい。
【0028】
図1を参照して、光検出器31は、第1光学部品5から第2光学部品7に結合した光の強度を検出する。光検出器31は、第1光学部品5から第2光学部品7に結合した光の強度信号を出力する。光検出器31は、例えば、フォトダイオードである。A/D変換器35は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0029】
制御部36は、駆動電源17に接続されており、駆動電源17に駆動信号を供給する。制御部36は、駆動電源17のON/OFFの切替えを行う。駆動電源17がONの時には、駆動電源17から駆動電流が第1光学部品5に供給されて、第1光学部品5は光を出力する。駆動電源17がOFFの時には、駆動電源17から駆動電流が第1光学部品5に供給されず、第1光学部品5は光を出力しない。
【0030】
制御部36は、A/D変換器35を介して光検出器31に接続されている。そのため、制御部36は、光検出器31から、第1光学部品5から第2光学部品7に結合した光の強度信号を受信する。制御部36は、光検出器31を制御してもよい。例えば、制御部36は、光検出器31の測定レンジを切替えてもよい。
【0031】
制御部36は、ステージコントローラ34に接続されている。制御部36は、ステージコントローラ34に対して指令信号を出力して、ステージコントローラ34から第2ステージ20に指令信号を出力させる。
【0032】
制御部36は、冷却液循環装置16に接続されている。制御部36は、冷却液循環装置16を制御して、液冷式冷却器11に供給する冷却液の温度及び液冷式冷却器11に供給する冷却液の単位時間当たりの流量などを調整する。
【0033】
制御部36は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)などの演算処理装置または当該演算処理装置を備えるパソコンなどのコンピュータである。
【0034】
ステージコントローラ34は、制御部36からの指令信号により指示された駆動条件(走査開始位置、走査終了位置、走査開始角度、走査終了角度、走査速度、加速度、減速度、加速時間及び減速時間など)に従い、第2ステージ20のステージ駆動部25を駆動させる。
【0035】
具体的には、図4を参照して、ステージコントローラ34は、Xステージコントローラ34aと、Yステージコントローラ34bと、θXステージコントローラ34cと、θYステージコントローラ34dとを含む。Xステージコントローラ34aは、制御部36からの指令信号により指示された駆動条件に従って、ステージ駆動部25を介して、Xステージを移動させる。Yステージコントローラ34bは、制御部36からの指令信号により指示された駆動条件に従って、ステージ駆動部25を介して、Yステージを移動させる。θXステージコントローラ34cは、制御部36からの指令信号により指示された駆動条件に従って、ステージ駆動部25を介して、θXステージを回転させる。θYステージコントローラ34dは、制御部36からの指令信号により指示された駆動条件に従って、ステージ駆動部25を介して、θYステージを回転移動させる。
【0036】
ステージコントローラ34は、第2ステージ20の状態を示す動作信号を制御部36に向けて出力する。この動作信号は、第2ステージ20の状態を表す。具体的には、Xステージコントローラ34aは、Xステージ21の状態を表す動作信号を出力する。Yステージコントローラ34bは、Yステージ22の状態を表す動作信号を出力する。θXステージコントローラ34cは、θXステージ23の状態を表す動作信号を出力する。θYステージコントローラ34dは、θYステージ24の状態を表す動作信号を出力する。ステージの状態には、動作中と、停止中とがある。ステージコントローラ34から出力された動作信号は、A/D変換器35を通って、制御部36に入力される。
【0037】
あるいは、ステージコントローラ34は、上記動作信号とともに、ステージが動作し始めたことを表す動作開始信号と、ステージの動作が終了して停止したことを表す動作終了信号とを出力してもよい。具体的には、Xステージコントローラ34aは、Xステージ21の状態を表す動作信号とともに、Xステージ21が動作し始めたことを表す動作開始信号と、Xステージ21の動作が終了して停止したことを表す動作終了信号とを出力してもよい。Yステージコントローラ34bは、Yステージ22の状態を表す動作信号とともに、Yステージ22が動作し始めたことを表す動作開始信号と、Yステージ22の動作が終了して停止したことを表す動作終了信号とを出力してもよい。θXステージコントローラ34cは、θXステージ23の状態を表す動作信号とともに、θXステージ23が動作し始めたことを表す動作開始信号と、θXステージ23の動作が終了して停止したことを表す動作終了信号とを出力してもよい。θYステージコントローラ34dは、θYステージ24の状態を表す動作信号とともに、θYステージ24が動作し始めたことを表す動作開始信号と、θYステージ24の動作が終了して停止したことを表す動作終了信号とを出力してもよい。ステージコントローラ34から出力された動作開始信号及び動作終了信号が、A/D変換器35を通って制御部36に入力されてもよい。
【0038】
図1から図4を参照して、本実施の形態の光学部品の検査装置2を説明する。本実施の形態の光学部品の検査装置2は、第1光学部品5を検査するための装置である。本実施の形態の光学部品の検査装置2は、本実施の形態の光軸調整装置1に加えて、光スイッチ30と、光学部品特性測定器32とをさらに備える。
【0039】
光スイッチ30は、第2光学部品7から出力された光の光路を切り替えて、第2光学部品7から出力された光を光検出器31または光学部品特性測定器32のいずれかに結合させる。第1光学部品5と第2光学部品7との間の光軸調整を行う場合には、光スイッチ30は、第2光学部品7から出力された光を光検出器31に結合させる。第1光学部品5を検査する場合には、光スイッチ30は、第2光学部品7から出力された光を光学部品特性測定器32に結合させる。
【0040】
光学部品特性測定器32は、第2光学部品7に光学的に接続されている。第1光学部品5から第2光学部品7に結合した光を測定することによって、第1光学部品5の特性を測定する。第1光学部品5の特性は、第1光学部品5の光学的特性または電気的特性であり、例えば、第1光学部品5から出力される光の波長、または、第1光学部品5から出力される光信号のビットエラーレート、ジッタ、立ち上がり時間もしくは立ち下がり時間などである。光学部品特性測定器32は、第1光学部品5の特性を制御部36に出力する。制御部36は、第1光学部品5の特性を記憶部(図示せず)に格納する。
【0041】
制御部36は、光スイッチ30に接続されており、光スイッチ30を制御する。例えば、第1光学部品5と第2光学部品7との間の光軸調整を行う場合には、制御部36は、光スイッチ30を制御して、第2光学部品7から出力された光を光検出器31に結合させる。第1光学部品5を検査する場合には、制御部36は、光スイッチ30を制御して、第2光学部品7から出力された光を光学部品特性測定器32に結合させる。
【0042】
図5から図14を参照して、実施の形態1の第1光学部品5と第2光学部品7との間の光軸調整方法を説明する。図5を参照して、本実施の形態の光軸調整方法は、初期設定ステップ(S1)と、粗調整ステップ(S10)と、精調整ステップ(S20)と、精調整終了判定ステップ(S30)とを含む。粗調整ステップ(S10)は、X及びθYの粗調整ステップ(S11)とY及びθXの粗調整ステップ(S12)とを含む。精調整ステップ(S20)は、θYの精調整ステップ(S21)と、Xの精調整ステップ(S22)と、θXの精調整ステップ(S23)と、Yの精調整ステップ(S24)とを含む。
【0043】
本明細書において、Xの粗調整は、第1光学部品5に対する第2光学部品7のX軸方向における相対位置の粗調整を意味し、Xの精調整は、第1光学部品5に対する第2光学部品7のX軸方向における相対位置の精調整を意味する。Yの粗調整は、第1光学部品5に対する第2光学部品7のY軸方向における相対位置の粗調整を意味し、Yの精調整は、第1光学部品5に対する第2光学部品7のY軸方向における相対位置の精調整を意味する。θXの粗調整は、第1光学部品5に対する第2光学部品7のX軸まわりの相対角度の粗調整を意味し、Xの精調整は、第1光学部品5に対する第2光学部品7のX軸まわりの相対角度の精調整を意味する。θYの粗調整は、第1光学部品5に対する第2光学部品7のY軸まわりの相対角度の粗調整を意味し、Yの精調整は、第1光学部品5に対する第2光学部品7のY軸まわりの相対角度の精調整を意味する。
【0044】
本実施の形態では、第1ステージ12は固定ステージであり、第2ステージ20が可動ステージであるため、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対配置は第2光学部品7の配置によって定まる。
【0045】
本実施の形態の光軸調整方法に含まれるこれらのステップを詳しく説明する前に、図6から図9を参照して、粗調整ステップ(S10)及び精調整ステップ(S20)において用いられる、光強度が最大となる相対配置の決定方法を、相対配置のうちY軸まわりの相対角度θYを例に挙げて説明する。
【0046】
図6は、Y軸方向の相対位置、Z軸方向の相対位置及びX軸まわりの相対角度を維持したまま、第2光学部品7をX軸方向とY軸まわりとに走査させたときに、光検出器31によって測定される光強度分布を示す。すなわち、図6は、第1相対配置Aと第2相対配置Aとの間で第2光学部品7を走査したときの、第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度の分布を示す。第1相対配置Aと第2相対配置Aとは、第2光学部品7のX軸方向の相対位置、Y軸方向の相対位置及びX軸まわりの相対角度は互いに等しいが、Y軸まわりの相対角度が異なっている。図6では、等しい光強度の点を結んだ線が、円形の線として示されている。
【0047】
図7の上方のグラフは、第1相対配置A図6を参照)から第2相対配置A図6を参照)まで、Y軸まわりに第2光学部品7を走査した場合に、光検出器31によって測定される光強度分布を示す。図7の下方のグラフは、第1相対配置Aから第2相対配置Aまで、Y軸まわりに第2光学部品7を走査した場合に、ステージコントローラ34から制御部36に出力される第2ステージ20の動作信号を示す。動作信号の電圧により、第2ステージ20が停止中であるか動作中であるかが分かる。図7の上方のグラフの横軸及び図7の下方のグラフの横軸は、サンプリング時間である。
【0048】
図8の上方のグラフは、第2相対配置A図6を参照)から第1相対配置A図6を参照)まで、Y軸まわりに第2光学部品7を走査した場合に、光検出器31によって測定される光強度分布を示す。図8の下方のグラフは、第2相対配置Aから第1相対配置Aまで、Y軸まわりに第2光学部品7を走査した場合に、ステージコントローラ34から制御部36に出力される第2ステージ20の動作信号を示す。
【0049】
第2ステージ20がY軸まわりに回転すると、第2光学部品7もY軸まわりに回転する。第2ステージ20がY軸まわりに回転している間、ステージコントローラ34(例えば、θステージコントローラ34d)は制御部36に第2ステージ20の動作信号を出力し続ける。制御部36は、ステージコントローラ34(例えば、θステージコントローラ34d)から「動作中」の動作信号を受信している間、光検出器31で検出される光の強度のサンプリングを行う。光強度のサンプリングは、ステージコントローラ34(例えば、θステージコントローラ34d)からの動作信号が「停止中」から「動作中」に変化したことをトリガに開始され、ステージコントローラ34(例えば、θステージコントローラ34d)からの動作信号が「動作中」から「停止中」に変化したことをトリガに終了される。
【0050】
代わりに、制御部36は、ステージコントローラ34(例えば、θステージコントローラ34d)から出力される動作開始信号をトリガに光強度のサンプリングを開始し、ステージコントローラ34(例えば、θステージコントローラ34d)から出力される動作終了信号をトリガに光強度のサンプリングを終了してもよい。
【0051】
第2光学部品7が第1相対配置A図6を参照)から第2相対配置A図6を参照)まで走査される場合と、第2光学部品7が第2相対配置Aから第1相対配置Aまで走査される場合との間で、走査方向以外の走査条件(例えば、走査速度、加速度及び減速度)は同一である。第2光学部品7が第2相対配置Aから第1相対配置Aまで走査される場合の第2光学部品7の走査方向は、第2光学部品7が第1相対配置Aから第2相対配置Aまで走査される場合の第2光学部品7の走査方向とは逆である。
【0052】
走査条件は、ステージコントローラ34(例えば、θステージコントローラ34d)を用いて設定され得る。例えば、第2光学部品7が第1相対配置A図6を参照)から第2相対配置A図6を参照)まで走査される場合と、第2光学部品7が第2相対配置Aから第1相対配置Aまで走査される場合とで、θYステージ24の設定走査速度、設定加速度及び設定減速度は同じ値に設定される。代わりに、第2光学部品7が第1相対配置Aから第2相対配置Aまで走査される場合と、第2光学部品7が第2相対配置Aから第1相対配置Aまで走査される場合とで、第2ステージ20(θYステージ24)が動作を開始してから最高速度または設定速度に達するまでの加速時間が同じ値に設定されてもよい。
【0053】
第2光学部品7を第1相対配置A図6を参照)から第2相対配置A図6を参照)まで走査した場合、制御部36は、第1相対配置AのY軸まわりの相対角度θY(A)、サンプリング時間tA1及び設定走査速度νを用いて、サンプリング時間tA1におけるY軸まわりの相対角度θYA1を以下の式(1)によって算出する。式(1)によって算出される相対角度θYA1は、第1相対配置Aから第2相対配置Aまで走査速度が一定であると仮定した場合のサンプリング時間tA1における相対角度θYA1である。サンプリング時間tA1がゼロであるサンプリング開始時刻では、θYA1は第1相対配置AのY軸まわりの相対角度θY(A)である。サンプリング時間tA1がTであるサンプリング終了時刻では、XA1は第2相対配置AのY軸まわりの相対角度θY(A)である。
【0054】
θYA1=θY(A)+νtA1 (1)
第2光学部品7を第2相対配置A図6を参照)から第1相対配置A図6を参照)まで走査した場合、制御部36は、第2相対配置AのY軸まわりの相対角度θY(A)、サンプリング時間tA2及び設定走査速度νを用いて、サンプリング時間tA2におけるY軸まわりの相対角度θYA2を以下の式(2)によって算出する。式(2)によって算出される相対角度θYA2は、走査速度が一定であると仮定した場合のサンプリング時間tA2におけるY軸まわりの相対角度θYA2である。サンプリング時間tA2がゼロであるサンプリング開始時刻では、θYA2は第2相対配置Y軸まわりの相対角度θY(A)である。サンプリング時間tA2がTであるサンプリング終了時刻では、XA2は第1相対配置AのY軸まわりの相対角度θY(A)である。
【0055】
θYA2=θY(A)-νtA2 (2)
図9は、第2光学部品7を第1相対配置A図6を参照)から第2相対配置A図6を参照)まで走査した場合に得られる光強度と、第2光学部品7を第2相対配置Aから第1相対配置Aまで走査した場合に得られる光強度とを重ね合わせた図である。図9の横軸は、式(1)及び式(2)によって算出されたθYA1及びθYA2である。第2光学部品7を第1相対配置Aから第2相対配置Aまで走査した場合に式(1)によって算出された光強度が最大となる相対配置は、相対角度θYA1pkを有する。第2光学部品7を第2相対配置Aから第1相対配置Aまで走査した場合に式(2)によって算出された光強度が最大となる相対配置は、相対角度θYA2pkを有する。
【0056】
式(1)及び式(2)では、第2ステージ20(例えば、θYステージ24)の走査速度が一定であると仮定されているため、第2ステージ20の加速度及び減速度は考慮されていない。ところが、実際には、第2ステージ20を急激な加速または減速させた場合、第2ステージ20のオーバーシュートなどのステージ駆動部25の特性ばらつきの影響により、相対角度θYを完全に制御することはできない。そのため、ステージコントローラ34を用いて設定した走査速度や加速度などの駆動条件のとおりに、第2ステージ20は動作しないことがある。その結果、式(1)により算出される光強度が最大となる相対配置(相対角度θYA1pk)と式(2)により算出される光強度が最大となる相対配置(相対角度θYA2pk)とは、光強度が最大となる実際の相対配置と一致しない。また、図9に示されるように、式(1)により算出される光強度が最大となる相対配置(相対角度θYA1pk)と、式(2)により算出される光強度が最大となる相対配置(相対角度θYA2pk)とは一致しない。
【0057】
しかし、第2光学部品7が第1相対配置A図6を参照)から第2相対配置A図6を参照)まで走査される場合と、第2光学部品7が第2相対配置Aから第1相対配置Aまで走査される場合との間で、走査方向以外の走査条件(例えば、走査速度、加速度及び減速度)は同一である。第2光学部品7が第2相対配置Aから第1相対配置Aまで走査される場合の第2光学部品7の走査方向は、第2光学部品7が第1相対配置Aから第2相対配置Aまで走査される場合の第2光学部品7の走査方向とは逆である。そのため、式(1)により算出される光強度が最大となる相対配置(相対角度θYA1pk)と式(2)により算出される光強度が最大となる相対配置(相対角度θYA2pk)との中央である相対配置(相対角度角度θYpk)を算出することによって、ステージ駆動部25の特性ばらつきが相殺することができる。相対配置(相対角度θYpk)は、光強度が最大となる実際の相対配置に等しいとみなすことができる。こうして、光強度最大となる相対配置をより高精度に得ることができる。
【0058】
具体的には、以下の(1)~(3)の手順により、光強度が最大となる相対配置(相対角度θYpk)を高精度に得ることができる。
【0059】
(1)第2光学部品7を第1相対配置A図6を参照)から第2相対配置A図6を参照)まで走査しながら取得した光強度分布から、式(1)により、第1の光強度最大相対配置(例えば、相対角度θYA1pk)を算出する。
【0060】
(2)第2光学部品7を第2相対配置A図6を参照)から第1相対配置A図6を参照)まで走査しながら取得した光強度分布から、式(2)により、第2の光強度最大相対配置(例えば、相対角度θYA2pk)を算出する。
【0061】
(3)第1の光強度最大相対配置(例えば、相対角度θYA1pk)と第2の光強度最大相対配置(例えば、相対角度θYA2pk)の中央である相対配置を、光強度最大相対配置(例えば、相対角度θYpk)として算出する。すなわち、光強度最大相対配置(例えば、相対角度θYpk)は、以下の式(3)によって与えられる。
【0062】
θYpk=(θYA1pk+θYA2pk)/2 (3)
以上では、粗調整ステップ(S10)及び精調整ステップ(S20)において用いられている光強度が最大となるY軸まわりの相対角度の決定方法を説明した。粗調整ステップ(S10)及び精調整ステップ(S20)において用いられている光強度が最大となるX軸まわりの相対角度の決定方法も同様であり、以上の説明のY軸まわりの相対角度をX軸まわりの相対角度に読み替えればよい。精調整ステップ(S20)において用いられている光強度が最大となるX軸方向の相対位置の決定方法も同様であり、以上の説明のY軸まわりの相対角度をX軸方向の相対位置に読み替えればよい。精調整ステップ(S20)において用いられている光強度が最大となるY軸方向の相対位置の決定方法も同様であり、Y軸まわりの相対角度をY軸方向の相対位置に読み替えればよい。
【0063】
図5及び図10から図14を参照して、本実施の形態の第1光学部品5と第2光学部品7との間の光軸調整方法を詳しく説明する。
【0064】
初期設定ステップ(S1)において、第1光学部品5を第1ステージ12に固定する。具体的には、第1光学部品5を第1ステージ12上に載置する。第2光学部品7を第2ステージ20に固定する。具体的には、第2光学部品7を第2ホルダ27に取り付ける。固定金具などを用いて、第2ホルダ27を第2ステージ20に固定する。制御部36は駆動電源17を制御して、第1光学部品5に駆動電流を供給する。第1光学部品5は、光を出力する。
【0065】
図10及び図11を参照して、X及びθYの粗調整ステップ(S11)では、Y軸方向の相対位置とX軸まわりの相対角度とを維持したまま、X軸方向の相対位置の粗調整と、Y軸まわりの相対角度の粗調整とを行う。
【0066】
具体的には、制御部36は第2ステージ20を制御して、第2光学部品7を、調整開始相対配置(X(0)、Y(0)、Z(0)、θX(0)、θY(0))にセットする。調整開始相対配置は、図10の相対配置101sに相当する。以下のステップでは、Z軸方向の相対位置Z(0)は不変であるため、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対配置は、X軸方向の相対位置、Y軸方向の相対位置、X軸まわりの相対角度及びY軸まわりの相対角度を用いて表現する。
【0067】
それから、以下の(4)から(6)の手順でステップS11を実施する。
(4)図10を参照して、第2光学部品7を、相対配置101sから相対配置106eまで、図10に示される矢印の方向に沿って走査しながら、光検出器31を用いて、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対配置に対する第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度の変化を取得する。図10に示される第2光学部品7の走査方法は、X軸方向にステップ走査を行い、Y軸まわりに連続走査を行っている。第2光学部品7の走査方法は、これに限られず、例えば、Y軸まわりにステップ走査を行い、X軸方向に連続走査を行ってもよい。
【0068】
例えば、θYステージ24を動作させて、相対配置101sから相対配置101eまで第2光学部品7を連続走査する。θYステージ24を停止させ、Xステージ21を動作させて、相対配置101eから相対配置102sまで第2光学部品7をステップ走査する。同様に、θYステージ24を動作させて、相対配置102sから相対配置102eまで第2光学部品7を連続走査し、Xステージ21を動作させて、相対配置102eから相対配置103sまで第2光学部品7をステップ走査する。θYステージ24を動作させて、相対配置103sから相対配置103eまで第2光学部品7を連続走査し、Xステージ21を動作させて、相対配置103eから相対配置104sまで第2光学部品7をステップ走査する。θYステージ24を動作させて、相対配置104sから相対配置104eまで第2光学部品7を連続走査し、Xステージ21を動作させて、相対配置104eから相対配置105sまで第2光学部品7をステップ走査する。θYステージ24を動作させて、相対配置105sから相対配置105eまで第2光学部品7を連続走査し、Xステージ21を動作させて、相対配置105eから相対配置106sまで第2光学部品7をステップ走査する。θYステージ24を動作させて、相対配置106sから相対配置106eまで第2光学部品7を連続走査する。
【0069】
第2光学部品7を相対配置101sから相対配置106eまで走査したときの第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度変化から、光強度が最大となる第2光学部品7のX軸方向の粗調整相対位置Xpk(0)を算出する。図10では、第2光学部品7のX軸方向の粗調整相対位置Xpk(0)は、相対配置103sと相対配置103eとを結ぶ走査経路上にある。
【0070】
また、第2光学部品7を、第2光学部品7のX軸方向の粗調整相対位置Xpk(0)がある走査経路に沿って、すなわち相対配置103sから相対配置103eまで走査したときの、第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度変化と、式(1)とから、光強度が最大となる第1のY軸まわりの粗調整相対角度θYpk(01)を算出する。第1の粗調整相対角度θYpk(01)は、相対配置103sから相対配置103eまで走査速度が一定であると仮定した場合に光強度が最大となるY軸まわりの相対角度である。
【0071】
(5)次に、図11を参照して、第2光学部品7を、手順(4)において光強度が最大となる第2光学部品7のX軸方向の粗調整相対位置Xpk(0)がある走査経路の終点である相対配置103eにセットする。θYステージ24を動作させて、相対配置103eから相対配置103sまで第2光学部品7を連続走査しながら、光検出器31を用いて、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対配置に対する第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度の変化を取得する。相対配置103sから相対配置103eまでの手順(4)の走査と、相対配置103eから相対配置103sまでの手順(5)の走査とは、走査方向が互いに逆である点で異なっているが、その他の走査条件(例えば、走査速度、加速度及び減速度)は同一である。
【0072】
相対配置103eから相対配置103sまで走査したときの、第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度変化と式(2)とから、光強度が最大となる第2のY軸まわりの粗調整相対角度θYpk(02)を算出する。第2の粗調整相対角度θYpk(02)は、相対配置103eから相対配置103sまで走査速度が一定であると仮定した場合に光強度が最大となるY軸まわりの相対角度である。
【0073】
(6)第1の粗調整相対角度θYpk(01)と第2の粗調整相対角度θYpk(02)との中央角度を、Y軸まわりの粗調整相対角度θYpk(0)として算出する。θYpk(0)は、以下の式(4)によって与えられる。こうして、ステップS11により、X軸方向の粗調整相対位置はXpk(0)となり、Y軸まわりの粗調整相対角度はθYpk(0)となる。すなわち、ステップ(S11)によって、第2光学部品7は、相対配置(Xpk(0)、Y(0)、θX(0)、θYpk(0))に配置される。
【0074】
θYpk(0)=(θYpk(01)+θYpk(02))/2 (4)
図5図12及び図13を参照して、Y及びθXの粗調整ステップ(S12)では、X及びθYの粗調整ステップ(S11)と同様の方法によって、第1光学部品5に対する第2光学部品7のY軸方向の相対位置の粗調整と、第1光学部品5に対する第2光学部品7のX軸まわりの相対角度の粗調整とを行う。すなわち、図12及び図13を参照して、Y及びθXの粗調整ステップ(S12)では、X軸方向の相対位置(例えば、相対位置Xpk(0))とY軸まわりの相対角度(例えば、相対角度θYpk(0))とを維持したまま、Y軸方向の相対位置の粗調整と、X軸まわりの相対角度の粗調整とを行う。
【0075】
具体的には、図12を参照して、制御部36は第2ステージ20を制御して、第2光学部品7を、相対配置(Xpk(0)、Y(0)-α、θX(0)-β、θYpk(0))にセットする。ここで、αは、Y軸方向の相対位置の粗調整範囲の半分を表し、βは、X軸まわりの相対角度の粗調整範囲の半分を表す。
【0076】
それから、以下の(7)から(9)の手順でステップS12を実施する。
(7)図12を参照して、第2光学部品7を、相対配置111sから相対配置116eまで、図12に示される矢印の方向に沿って走査しながら、光検出器31を用いて、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対配置に対する第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度の変化を取得する。図12に示される第2光学部品7の走査方法は、Y軸方向にステップ走査を行い、X軸まわりに連続走査を行っている。第2光学部品7の走査方法は、これに限られず、例えば、X軸まわりにステップ走査を行い、Y軸方向に連続走査を行ってもよい。
【0077】
例えば、θXステージ23を動作させて、相対配置111sから相対配置111eまで第2光学部品7を連続走査する。θXステージ23を停止させ、Yステージ22を動作させて、相対配置111eから相対配置112sまで第2光学部品7をステップ走査する。同様に、θXステージ23を動作させて、相対配置112sから相対配置112eまで第2光学部品7を連続走査し、Yステージ22を動作させて、相対配置112eから相対配置113sまで第2光学部品7をステップ走査する。θXステージ23を動作させて、相対配置113sから相対配置113eまで第2光学部品7を連続走査し、Yステージ22を動作させて、相対配置113eから相対配置114sまで第2光学部品7をステップ走査する。θXステージ23を動作させて、相対配置114sから相対配置114eまで第2光学部品7を連続走査し、Yステージ22を動作させて、相対配置114eから相対配置115sまで第2光学部品7をステップ走査する。θXステージ23を動作させて、相対配置115sから相対配置115eまで第2光学部品7を連続走査し、Yステージ22を動作させて、相対配置115eから相対配置116sまで第2光学部品7をステップ走査する。θXステージ23を動作させて、相対配置116sから相対配置116eまで第2光学部品7を連続走査する。
【0078】
第2光学部品7を相対配置111sから相対配置116eまで走査したときの第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度変化から、光強度が最大となる第2光学部品7のY軸方向の粗調整相対位置Ypk(0)を算出する。図12では、第2光学部品7のY軸方向の粗調整相対位置Ypk(0)は、相対配置113sと相対配置113eとを結ぶ走査経路上にある。
【0079】
また、第2光学部品7を、第2光学部品7のY軸方向の粗調整相対位置Ypk(0)がある走査経路に沿って、すなわち相対配置113sから相対配置113eまで走査したときの、第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度変化と、式(1)においてθYをθXに読み替えた式とから、光強度が最大となる第1のX軸まわりの粗調整相対角度θXpk(01)を算出する。第1の粗調整相対角度θXpk(01)は、相対配置113sから相対配置113eまで走査速度が一定であると仮定した場合に光強度が最大となるX軸まわりの相対角度である。
【0080】
(8)次に、図13を参照して、第2光学部品7を、手順(7)において光強度が最大となる第2光学部品7のY軸方向の粗調整相対位置Ypk(0)がある走査経路の終点である相対配置113eにセットする。θXステージ23を動作させて、相対配置113eから相対配置113sまで第2光学部品7を連続走査しながら、光検出器31を用いて、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対配置に対する第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度の変化を取得する。相対配置113sから相対配置113eまでの手順(7)の走査と、相対配置113eから相対配置113sまでの手順(8)の走査とは、走査方向が互いに逆である点で異なっているが、その他の走査条件(例えば、走査速度、加速度及び減速度)は同一である。
【0081】
相対配置113eから相対配置113sまで走査したときの、第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度変化と式(2)においてθYをθXに読み替えた式とから、光強度が最大となる第2のX軸まわりの粗調整相対角度θXpk(02)を算出する。第2の粗調整相対角度θXpk(02)は、相対配置113eから相対配置113sまで走査速度が一定であると仮定した場合に光強度が最大となるX軸まわりの相対角度である。
【0082】
(9)第1の粗調整相対角度θXpk(01)と第2の粗調整相対角度θXpk(02)との中央角度を、X軸まわりの粗調整相対角度θXpk(0)として算出する。θXpk(0)は、以下の式(5)によって与えられる。こうして、ステップS12により、Y軸方向の粗調整相対位置はYpk(0)となり、X軸まわりの粗調整相対角度はθXpk(0)となる。すなわち、ステップ(S12)によって、第2光学部品7は、相対配置(Xpk(0)、Ypk(0)、θXpk(0)、θYpk(0))に配置される。
【0083】
θXpk(0)=(θXpk(01)+θXpk(02))/2 (5)
図5を参照して、精調整ステップ(S20)を説明する。
【0084】
図5を参照して、θYの精調整ステップ(S21)では、第1光学部品5に対する第2光学部品7のY軸まわりの相対角度の精調整を行う。すなわち、θYの精調整ステップ(S21)では、X軸方向の相対位置、Y軸方向の相対位置及びX軸まわりの相対角度を維持したまま、Y軸まわりの相対角度の精調整を行う。
【0085】
具体的には、制御部36は第2ステージ20を制御して、第2光学部品7を、相対配置(Xpk(0)、Ypk(0)、θXpk(0)、θYpk(0)-γ)にセットする。ここで、γは、Y軸まわりの相対角度の精調整範囲の半分を表す。
【0086】
それから、以下の(10)から(12)の手順でステップS21を実施する。
(10)第2光学部品7を、相対配置(Xpk(0)、Ypk(0)、θXpk(0)、θYpk(0)-γ)である第1相対配置から相対配置(Xpk(0)、Ypk(0)、θXpk(0)、θYpk(0)+γ)である第2相対配置まで、Y軸まわりに走査しながら、光検出器31を用いて、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対配置に対する第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度の変化を取得する。例えば、θYステージ24を動作させて、第1相対配置から第2相対配置まで第2光学部品7を連続走査する。第2光学部品7を第1相対配置から第2相対配置まで走査したときの第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度変化と、式(1)とから、光強度が最大となる第1のY軸まわりの精調整相対角度θYpk(11)を算出する。第1の精調整相対角度θYpk(11)は、第1相対配置から第2相対配置まで走査速度が一定であると仮定した場合に光強度が最大となるY軸まわりの相対角度である。
【0087】
(11)次に、θYステージ24を動作させて、第2相対配置(Xpk(0)、Ypk(0)、θXpk(0)、θYpk(0)+γ)から第1相対配置(Xpk(0)、Ypk(0)、θXpk(0)、θYpk(0)-γ)まで第2光学部品7を連続走査しながら、光検出器31を用いて、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対配置に対する第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度の変化を取得する。第1相対配置から第2相対配置までの手順(10)の走査と、第2相対配置から第1相対配置までの手順(11)の走査とは、走査方向が互いに逆である点で異なっているが、その他の走査条件(例えば、走査速度、加速度及び減速度)は同一である。
【0088】
第2相対配置から第1相対配置まで走査したときの、第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度変化と、式(2)とから、光強度が最大となる第2のY軸まわりの精調整相対角度θYpk(12)を算出する。第2のY軸まわりの精調整相対角度θYpk(12)は、第2相対配置から第1相対配置まで走査速度が一定であると仮定した場合に光強度が最大となるY軸まわりの相対角度である。
【0089】
(12)第1のY軸まわりの精調整相対角度θYpk(11)と第2のY軸まわりの精調整相対角度θYpk(12)との中央角度を、Y軸まわりの精調整相対角度θYpk(1)として算出する。θYpk(1)は、以下の式(6)によって与えられる。こうして、ステップS21により、Y軸まわりの精調整相対角度はθYpk(1)となる。すなわち、ステップ(S21)によって、第2光学部品7は、相対配置(Xpk(0)、Ypk(0)、θXpk(0)、θYpk(1))に配置される。
【0090】
θYpk(1)=(θYpk(11)+θYpk(12))/2 (6)
図5を参照して、Xの精調整ステップ(S22)では、第1光学部品5に対する第2光学部品7のX軸方向の相対位置の精調整を行う。すなわち、Xの精調整ステップ(S22)では、Y軸方向の相対位置、X軸まわりの相対角度及びY軸まわりの相対角度を維持したまま、X軸方向の相対位置の精調整を行う。
【0091】
具体的には、制御部36は第2ステージ20を制御して、第2光学部品7を、相対配置(Xpk(0)-δ、Ypk(0)、θXpk(0)、θYpk(1))にセットする。ここで、δは、X軸方向の相対位置の精調整範囲の半分を表す。
【0092】
それから、以下の(13)から(15)の手順でステップS22を実施する。
(13)第2光学部品7を、相対配置(Xpk(0)-δ、Ypk(0)、θXpk(0)、θYpk(1))である第3相対配置から相対配置(Xpk(0)+δ、Ypk(0)、θXpk(0)、θYpk(1))である第4相対配置まで、X軸方向に走査しながら、光検出器31を用いて、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対配置に対する第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度の変化を取得する。例えば、Xステージ21を動作させて、第3相対配置から第4相対配置まで第2光学部品7を連続走査する。第2光学部品7を第3相対配置から第4相対配置まで走査したときの第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度変化と、式(1)のθYをXに読み替えた式とから、光強度が最大となる第1のX軸方向の精調整相対位置Xpk(11)を算出する。第1のX軸方向の精調整相対位置Xpk(11)は、第3相対配置から第4相対配置まで走査速度が一定であると仮定した場合に光強度が最大となるX軸方向の相対位置である。
【0093】
(14)次に、Xステージ21を動作させて、第4相対配置(Xpk(0)+δ、Ypk(0)、θXpk(0)、θYpk(1))から第3相対配置(Xpk(0)-δ、Ypk(0)、θXpk(0)、θYpk(1))まで第2光学部品7を連続走査しながら、光検出器31を用いて、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対配置に対する第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度の変化を取得する。第3相対配置から第4相対配置までの手順(13)の走査と、第4相対配置から第3相対配置までの手順(14)の走査とは、走査方向が互いに逆である点で異なっているが、その他の走査条件(例えば、走査速度、加速度及び減速度)は同一である。
【0094】
第4相対配置から第3相対配置まで走査したときの、第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度変化と、式(2)のθYをXに読み替えた式とから、光強度が最大となるX軸方向の相対位置である第2のX軸方向の精調整相対位置Xpk(12)を算出する。第2のX軸方向の精調整相対位置Xpk(12)は、第4相対配置から第3相対配置まで走査速度が一定であると仮定した場合に光強度が最大となるX軸方向の相対位置である。
【0095】
(15)第1のX軸方向の精調整相対位置Xpk(11)と第2のX軸方向の精調整相対位置Xpk(12)との中央位置を、X軸方向の精調整相対位置Xpk(1)として算出する。Xpk(1)は、以下の式(7)によって与えられる。こうして、ステップS22により、X軸方向の精調整相対位置はXpk(1)となる。すなわち、ステップ(S22)によって、第2光学部品7は、相対配置(Xpk(1)、Ypk(0)、θXpk(0)、θYpk(1))に配置される。
【0096】
pk(1)=(Xpk(11)+Xpk(12))/2 (7)
図5を参照して、θXの精調整ステップ(S23)では、第1光学部品5に対する第2光学部品7のX軸まわりの相対角度の精調整を行う。すなわち、θXの精調整ステップ(S23)では、X軸方向の相対位置、Y軸方向の相対位置及びY軸まわりの相対角度を維持したまま、X軸まわりの相対角度の精調整を行う。
【0097】
具体的には、制御部36は第2ステージ20を制御して、第2光学部品7を、相対配置(Xpk(1)、Ypk(0)、θXpk(0)-ε、θYpk(1))にセットする。ここで、εは、X軸まわりの相対角度の精調整範囲の半分を表す。
【0098】
それから、以下の(16)から(18)の手順でステップS23を実施する。
(16)第2光学部品7を、相対配置(Xpk(1)、Ypk(0)、θXpk(0)-ε、θYpk(1))である第5相対配置から相対配置(Xpk(1)、Ypk(0)、θXpk(0)+ε、θYpk(1))である第6相対配置まで、X軸まわりに走査しながら、光検出器31を用いて、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対配置に対する第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度の変化を取得する。例えば、θXステージ23を動作させて、第5相対配置から第6相対配置まで第2光学部品7を連続走査する。第2光学部品7を第5相対配置から第6相対配置まで走査したときの第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度変化と、式(1)のθYをθXに読み替えた式とから、光強度が最大となる第1のX軸まわりの精調整相対角度θXpk(11)を算出する。第1のX軸まわりの精調整相対角度θXpk(11)は、第5相対配置から第6相対配置まで走査速度が一定であると仮定した場合に光強度が最大となるX軸まわりの相対角度である。
【0099】
(17)次に、θXステージ23を動作させて、第6相対配置(Xpk(1)、Ypk(0)、θXpk(0)+ε、θYpk(1))から第5相対配置(Xpk(1)、Ypk(0)、θXpk(0)-ε、θYpk(1))まで第2光学部品7を連続走査しながら、光検出器31を用いて、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対配置に対する第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度の変化を取得する。第5相対配置から第6相対配置までの手順(16)の走査と、第6相対配置から第5相対配置までの手順(17)の走査とは、走査方向が互いに逆である点で異なっているが、その他の走査条件(例えば、走査速度、加速度及び減速度)は同一である。
【0100】
第6相対配置から第5相対配置まで走査したときの、第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度変化と、式(2)のθYをθXに読み替えた式とから、光強度が最大となる第2のX軸まわりの精調整相対角度θXpk(12)を算出する。第2のX軸まわりの精調整相対角度θXpk(12)は、第6相対配置から第5相対配置まで走査速度が一定であると仮定した場合に光強度が最大となるX軸まわりの相対角度である。
【0101】
(18)第1のX軸まわりの精調整相対角度θXpk(11)と第2のX軸まわりの精調整相対角度θXpk(12)との中央角度を、X軸まわりの精調整相対角度θXpk(1)として算出する。θXpk(1)は、以下の式(8)によって与えられる。こうして、ステップS23により、X軸まわりの精調整相対角度はθXpk(1)となる。すなわち、ステップ(S23)によって、第2光学部品7は、相対配置(Xpk(1)、Ypk(0)、θXpk(1)、θYpk(1))に配置される。
【0102】
θXpk(1)=(θXpk(11)+θXpk(12))/2 (8)
図5を参照して、Yの精調整ステップ(S24)では、第1光学部品5に対する第2光学部品7のY軸方向の相対位置の精調整を行う。すなわち、Yの精調整ステップ(S24)では、X軸方向の相対位置、X軸まわりの相対角度及びY軸まわりの相対角度を維持したまま、Y軸方向の相対位置の精調整を行う。
【0103】
具体的には、制御部36は第2ステージ20を制御して、第2光学部品7を、相対配置(Xpk(1)、Ypk(0)-ζ、θXpk(1)、θYpk(1))にセットする。ここで、ζは、Y軸方向の相対位置の精調整範囲の半分を表す。
【0104】
それから、以下の(19)から(21)の手順でステップS24を実施する。
(19)第2光学部品7を、相対配置(Xpk(1)、Ypk(0)-ζ、θXpk(1)、θYpk(1))である第7相対配置から相対配置(Xpk(1)、Ypk(0)+ζ、θXpk(1)、θYpk(1))である第8相対配置まで、Y軸方向に走査しながら、光検出器31を用いて、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対配置に対する第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度の変化を取得する。例えば、Yステージ22を動作させて、第7相対配置から第8相対配置まで第2光学部品7を連続走査する。第2光学部品7を第7相対配置から第8相対配置まで走査したときの第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度変化と、式(1)のθYをYに読み替えた式とから、光強度が最大となる第1のY軸方向の精調整相対位置Ypk(11)を算出する。第1のY軸方向の精調整相対位置Ypk(11)は、第7相対配置から第8相対配置まで走査速度が一定であると仮定した場合に光強度が最大となるY軸方向の相対位置である。
【0105】
(20)次に、Yステージ22を動作させて、第8相対配置(Xpk(1)、Ypk(0)+ζ、θXpk(1)、θYpk(1))から第7相対配置(Xpk(1)、Ypk(0)-ζ、θXpk(1)、θYpk(1))まで第2光学部品7を連続走査しながら、光検出器31を用いて、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対配置に対する第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度の変化を取得する。第7相対配置から第8相対配置までの手順(19)の走査と、第8相対配置から第7相対配置までの手順(20)の走査とは、走査方向が互いに逆である点で異なっているが、その他の走査条件(例えば、走査速度、加速度及び減速度)は同一である。
【0106】
第8相対配置から第7相対配置まで走査したときの、第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度変化と、式(2)のθYをYに読み替えた式とから、光強度が最大となるY軸方向の相対位置である第2のY軸方向の精調整相対位置Ypk(12)を算出する。第2のY軸方向の精調整相対位置Ypk(12)は、第8相対配置から第7相対配置まで走査速度が一定であると仮定した場合に光強度が最大となるY軸方向の相対位置である。
【0107】
(21)第1のY軸方向の精調整相対位置Ypk(11)と第2のY軸方向の精調整相対位置Ypk(12)との中央位置を、Y軸方向の精調整相対位置Ypk(1)として算出する。Ypk(1)は、以下の式(9)によって与えられる。こうして、ステップS24により、Y軸方向の精調整相対位置はYpk(1)となる。すなわち、ステップ(S24)によって、第2光学部品7は、相対配置(Xpk(1)、Ypk(1)、θXpk(1)、θYpk(1))に配置される。
【0108】
pk(1)=(Ypk(11)+Ypk(12))/2 (9)
以上の精調整ステップS20によって、1回目の精調整相対配置(Xpk(1)、Ypk(1)、θXpk(1)、θYpk(1))が得られる。また、精調整ステップ(S20)の最後に得られた第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度の変化(例えば、Yの精調整ステップ(S24)で得られた第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度の変化)において最大となる光強度を、1回目の精調整ステップによって得られた光強度Ppk(1)として得る。
【0109】
図5を参照して、精調整終了判定ステップ(S30)を説明する。精調整終了判定ステップ(S30)は、制御部36によって実行される。精調整終了判定ステップ(S30)は、精調整ステップ回数判定ステップ(S31)と、光強度判定ステップ(S32)とを含む。
【0110】
図5及び図14を参照して、精調整ステップ回数判定ステップ(S31)では、制御部36は、精調整ステップS20が所定回数(例えば、n回)実行されたかを判定する。精調整ステップS20の繰り返し回数が所定回数に達していない場合、精調整ステップS20の繰り返し回数が所定回数に達するまで、精調整ステップS20を実行する。こうして、精調整ステップS20の繰り返し回数分の精調整相対配置(例えば、n個の精調整相対配置)と、精調整ステップS20の繰り返し回数分の光強度(例えば、n個の光強度Ppk(1)、Ppk(2)、・・・、Ppk(n))とを得る。
【0111】
第1光学部品5から出力される光の進行方向は、必ずしもZ軸方向に平行とは限らず、X軸まわりにまたはY軸まわりに傾いていることがある。そのため、精調整ステップS20を繰り返し実行することにより、第2光学部品7は、第1光学部品5に対して徐々にアライメントされる。精調整ステップS20の繰り返し回数が所定回数に達すると、光強度判定ステップ(S32)に進む。
【0112】
光強度判定ステップ(S32)では、制御部36は、最後の精調整ステップS20(すなわち、n回目の精調整ステップS20)によって得られた光強度Ppk(n)が、それまでの精調整ステップS20によって得られた光強度Ppk(1)、Ppk(2)、・・・、Ppk(n)の中で最大であるか否かを判定する。
【0113】
最後の精調整ステップS20によって得られた光強度Ppk(n)が、それまでの精調整ステップS20によって得られた光強度Ppk(1)、Ppk(2)、・・・、Ppk(n)の中で最大である場合、より大きな光強度が得られる相対配置が見つかる可能性が高い。そのため、最後の精調整ステップS20によって得られた光強度Ppk(n)が、それまでの精調整ステップS20によって得られた光強度Ppk(1)、Ppk(2)、・・・、Ppk(n)の中で最大である場合、精調整ステップS20をさらに実行して、より大きな光強度が得られる精調整相対配置を探索する。
【0114】
これに対し、最後の精調整ステップS20によって得られた光強度Ppk(n)が、それまでの精調整ステップS20によって得られた光強度Ppk(1)、Ppk(2)、・・・、Ppk(n)の中で最大でない場合、それまでの精調整ステップS20によって得られた精調整相対配置の中に、光強度が最大となる相対配置が存在する可能性が高い。そのため、最後の精調整ステップS20によって得られた光強度Ppk(n)が、それまでの精調整ステップS20によって得られた光強度Ppk(1)、Ppk(2)、・・・、Ppk(n)の中で最大でない場合、制御部36は、光強度Ppk(1)、Ppk(2)、・・・、Ppk(n)のうち最大の光強度Ppk(i)に対応する精調整相対配置を、第1光学部品5に対する第2光学部品7の最終相対配置であると判断する。例えば、図14に示される一例では、nは5であり、光強度Ppk(3)は光強度Ppk(1)、Ppk(2)、Ppk(3)、Ppk(4)、Ppk(5)のうち最大であり、制御部36は光強度Ppk(3)に対応する精調整相対配置を第1光学部品5に対する第2光学部品7の最終相対配置であると判断する。制御部36は、ステージコントローラ34を制御して、第2光学部品7を、第1光学部品5に対して最終相対配置に配置する。こうして、本実施の形態の第1光学部品5と第2光学部品7との間の光軸調整方法を終了する。
【0115】
精調整終了判定S30における精調整ステップ終了判定条件は、ステップS31及びステップS32に限られず、第1光学部品5と第2光学部品7との間の光軸調整の目的に合わせて、設定され得る。例えば、精調整ステップS20によって得られた光強度が規定閾値Pth以上となることを精調整ステップ終了判定条件とし、光強度がはじめて規定閾値Pth以上となる精調整相対配置を第1光学部品5に対する第2光学部品7の最終相対配置としてもよい。また、最新の精調整ステップによって得られた光強度が最新の精調整ステップよりも一回前の精調整ステップによって得られた光強度よりもはじめて減少することを精調整ステップ終了判定条件とし、最新の精調整ステップよりも一回前の精調整相対配置を、第1光学部品5に対する第2光学部品7の最終相対配置としてもよい。
【0116】
図15を参照して、本実施の形態の光学部品の検査方法を説明する。本実施の形態の光学部品の検査方法は、第1光学部品5を検査する方法である。本実施の形態の光学部品の検査方法は、第1光学部品5と第2光学部品7との間の光軸調整を行うステップ(S41)と、第1光学部品5の特性を測定するステップ(S42)と、第1光学部品5を選別するステップ(S43)とを備える。
【0117】
光軸調整ステップ(S41)は、既に説明した本実施の形態の第1光学部品5と第2光学部品7との間の光軸調整方法である。光軸調整ステップ(S41)では、制御部36は光スイッチ30を制御して、光スイッチ30は第2光学部品7から出力された光を光検出器31に結合させる。それから、第1光学部品5と第2光学部品7との間の光軸調整が実行される。
【0118】
光軸調整ステップ(S41)によって、第1光学部品5と第2光学部品7との間の光軸調整が終了した後に、光学部品特性測定ステップ(S42)を実行する。
【0119】
光学部品特性測定ステップ(S42)では、制御部36は、光スイッチ30を制御する。光スイッチ30は、第2光学部品7から出力された光の光路を切り替えて、第2光学部品7から出力された光を光学部品特性測定器32に結合させる。光学部品特性測定器32は、第1光学部品5から第2光学部品7に結合した光を測定することによって、第1光学部品5の特性を測定する。光学部品特性測定器32は、第1光学部品5の特性に関する信号を制御部36に出力する。こうして、第1光学部品5の特性が測定される。
【0120】
第1光学部品5の特性を測定している間、第1光学部品5は液冷式冷却器11によって冷却されている。液冷式冷却器11のパイプに冷却液が流れることによって、液冷式冷却器11がベース10の上面10aに垂直な方向(Y方向)に微小振動して、図16に示されるように、第1光学部品5の位置が当該方向に変位することがある。しかし、本実施の形態では、第2光学部品7は、コリメートレンズ14によって得られるコリメート光を介して、第1光学部品5に光学的に結合している。そのため、第1光学部品5の位置がベース10の上面10aに垂直な方向(Y方向)に変位しても、第1光学部品5から第2光学部品7への光結合効率の変化が抑制される。
【0121】
第1光学部品5を選別するステップ(S43)では、制御部36は、光学部品特性測定器32から、第1光学部品5の特性に関する信号を受信する。制御部36は、第1光学部品5の特性に基づいて、第1光学部品5が良品であるか不良品であるかを判定する。
【0122】
(変形例)
第1光学部品5は、レーザダイオード6とレーザダイオード6に光学的に結合されたレンズ(例えば、集光レンズ26)とを含む発光モジュールであってもよい。第1光学部品5は発光素子に限られず、受動光学素子であってもよい。第1光学部品5が受動光学素子である場合には、第1光学部品5とは別に、第1光学部品5に入力される光を放射する発光素子が設けられ、当該発光素子から出力された光を用いて、第1光学部品5と第2光学部品7との間の光軸調整が行われる。
【0123】
本実施の形態では、第1ステージ12が固定ステージであり、第2ステージ20がXステージ21、Yステージ22、θXステージ23及びθYステージ24を含む可動ステージであるが、第1光学部品5と第2光学部品7の相対配置を調整することができる構成である限りいかなる構成を採用してもよい。例えば、第1ステージ12がXステージ21、Yステージ22、θXステージ23及びθYステージ24を含む可動ステージであり、第2ステージ20が固定ステージであってもよい。また、第1ステージ12がXステージ21及びYステージ22を含む可動ステージであり、第2ステージ20がθXステージ23及びθYステージ24を含む可動ステージであってもよい。
【0124】
第2光学部品7はコリメート光を介して第1光学部品5に光学的に結合するため、第1光学部品5から第2光学部品7への光結合効率は、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対位置よりも、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対角度に敏感である。そのため、X軸まわりの相対角度及びY軸まわりの相対角度についてだけ光軸調整を行ってもよい。
【0125】
本実施の形態の光軸調整装置1、光学部品の検査装置2及び光軸調整方法の効果を説明する。
【0126】
本実施の形態の光軸調整装置1は、第1ステージ12と、液冷式冷却器11と、コリメートレンズ14と、集光レンズ26と、第2ステージ20と、光検出器31と、角度調整部(例えば、θXステージコントローラ34c、θYステージコントローラ34d及び制御部36)とを備える。第1ステージ12は、第1光学部品5を支持する。液冷式冷却器11は、第1ステージ12を冷却する。コリメートレンズ14は、第1光学部品5から出力された光をコリメート光に変換する。集光レンズ26は、コリメート光を第2光学部品7に集光する。第2ステージ20は、第2光学部品7を支持する。光検出器31は、第1光学部品5から第2光学部品7に結合した光の強度を測定する。角度調整部は、第1ステージ12または第2ステージ20の少なくとも一つに接続されており、かつ、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対角度を調整する。
【0127】
本実施の形態では、第1ステージ12は第1光学部品5を支持し、液冷式冷却器11は第1ステージ12を冷却するため、液冷式冷却器11を用いて第1光学部品5を冷却することができる。第2光学部品7は、コリメートレンズ14によって得られるコリメート光を介して、第1光学部品5に光学的に結合している。そのため、液冷式冷却器11のパイプに冷却液が流れることによって液冷式冷却器11が微小振動しても、第1光学部品5から第2光学部品7への光結合効率の変化が抑制される。第1光学部品5から第2光学部品7への光結合が安定化するため、第1光学部品5を液冷式冷却器11で冷却しながら、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対角度をより短時間で調整することができる。
【0128】
本実施の形態の光軸調整装置1は、位置調整部(例えば、Xステージコントローラ34a、Yステージコントローラ34b及び制御部36)をさらに備える。位置調整部は、第1ステージ12または第2ステージ20の少なくとも一つに接続されており、かつ、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対位置を調整する。
【0129】
本実施の形態では、第2光学部品7は、コリメートレンズ14によって得られるコリメート光を介して、第1光学部品5に光学的に結合している。そのため、液冷式冷却器11のパイプに冷却液が流れることによって液冷式冷却器11が微小振動しても、第1光学部品5から第2光学部品7への光結合効率の変化が抑制される。第1光学部品5から第2光学部品7への光結合が安定化するため、第1光学部品5を液冷式冷却器11で冷却しながら、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対位置をより短時間で調整することができる。
【0130】
本実施の形態の光学部品の検査装置2は、本実施の形態の光軸調整装置1と、光学部品特性測定器32とを備える。光学部品特性測定器32は、第2光学部品7に光学的に接続されており、かつ、第1光学部品5の特性を測定する。
【0131】
本実施の形態では、第2光学部品7は、コリメートレンズ14によって得られるコリメート光を介して、第1光学部品5に光学的に結合している。そのため、液冷式冷却器11のパイプに冷却液が流れることによって液冷式冷却器11が微小振動しても、第1光学部品5から第2光学部品7への光結合効率の変化が抑制される。第1光学部品5から第2光学部品7への光結合が安定化するため、第1光学部品5を液冷式冷却器11で冷却しながら、第1光学部品5をより短時間で検査することができる。
【0132】
本実施の形態の光学部品の検査装置2では、第1光学部品5はレーザダイオード6である。第2光学部品7は光ファイバ8である。第1光学部品5の特性は、レーザダイオード6の光学的特性または電気的特性である。
【0133】
そのため、レーザダイオード6の低温検査をより短時間で行うことができる。
本実施の形態の光軸調整方法は、コリメートレンズ14と集光レンズ26とに対して第1光学部品5と第2光学部品7とを配置するステップ(S1)を備える。コリメートレンズ14は、第1光学部品5から出力された光をコリメート光に変換する。集光レンズ26は、コリメート光を第2光学部品7に集光する。第1光学部品5は、液冷式冷却器11によって冷却される。本実施の形態の光軸調整方法は、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対角度を変化させながら、第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度が最大となる最大光強度相対角度を探索するステップ(例えば、ステップS11のうちX軸まわりの相対角度の粗調整、ステップS12のうちY軸まわりの相対角度の粗調整、ステップS21及びS23)を備える。
【0134】
最大光強度相対角度を探索するステップは、第1相対角度から第2相対角度まで第1設定走査条件で相対角度を変化させながら、走査時間と光の強度との関係を取得し、第1相対角度から第2相対角度まで走査速度が一定であると仮定した場合の第1最大光強度相対角度を求めるステップと、第2相対角度から第1相対角度まで第1設定走査条件と走査方向以外が同一である第2設定走査条件で相対角度を変化させながら、走査時間と光の強度との関係を取得し、第2相対角度から第1相対角度まで走査速度が一定であると仮定した場合の第2最大光強度相対角度を求めるステップと、第1最大光強度相対角度と第2最大光強度相対角度との中央角度を最大光強度相対角度として算出するステップとを含む。
【0135】
本実施の形態では、第2光学部品7は、コリメートレンズ14によって得られるコリメート光を介して、第1光学部品5に光学的に結合している。そのため、液冷式冷却器11のパイプに冷却液が流れることによって液冷式冷却器11が微小振動しても、第1光学部品5から第2光学部品7への光結合効率の変化が抑制される。第1光学部品5から第2光学部品7への光結合が安定化するため、第1光学部品5を液冷式冷却器11で冷却しながら、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対角度をより短時間で調整することができる。
【0136】
また、第2光学部品7はコリメート光を介して第1光学部品5に光学的に結合するため、第1光学部品5から第2光学部品7への光結合効率は、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対位置よりも、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対角度に敏感である。本実施の形態によれば、第1光学部品5から第2光学部品7への光結合効率により大きな影響を及ぼす第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対角度をより短時間で調整することができる。
【0137】
また、本実施の形態では、走査速度が一定であると仮定することによって求めた第1最大光強度相対角度及び第2最大光強度相対角度から、最大光強度相対角度を算出している。そのため、本実施の形態の光軸調整方法は、光軸調整装置1の構成を単純化することができる。また、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対角度を広範囲にわたって探索することができる。狭い探索範囲に起因する光軸調整のやり直しを防止することができて、光軸の調整効率が向上する。
【0138】
本実施の形態の光軸調整方法は、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対位置を変化させながら、第1光学部品5から第2光学部品7に結合する光の強度が最大となる最大光強度相対位置を探索するステップ(例えば、S22及びS24)をさらに備える。
【0139】
最大光強度相対位置を探索するステップは、第1相対位置から第2相対位置まで第3設定走査条件で相対位置を変化させながら、走査時間と光の強度との関係を取得し、第1相対角度から第2相対角度まで走査速度が一定であると仮定した場合の第1最大光強度相対位置を求めるステップと、第2相対位置から第1相対位置まで第3設定走査条件と走査方向以外が同一である第4設定走査条件で相対位置を変化させながら、走査時間と光の強度との関係を取得し、第2相対角度から第1相対角度まで走査速度が一定であると仮定した場合の第2最大光強度相対位置を求めるステップと、第1最大光強度相対位置と第2最大光強度相対位置の中央位置を最大光強度相対位置として算出するステップとを含む。
【0140】
本実施の形態では、第2光学部品7は、コリメートレンズ14によって得られるコリメート光を介して、第1光学部品5に光学的に結合している。そのため、液冷式冷却器11のパイプに冷却液が流れることによって液冷式冷却器11が微小振動しても、第1光学部品5から第2光学部品7への光結合効率の変化が抑制される。第1光学部品5から第2光学部品7への光結合が安定化するため、第1光学部品5を液冷式冷却器11で冷却しながら、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対位置をより短時間で調整することができる。
【0141】
また、本実施の形態では、走査速度が一定であると仮定することによって求めた第1最大光強度相対位置及び第2最大光強度相対位置から、最大光強度相対位置を算出している。そのため、本実施の形態の光軸調整方法は、光軸調整装置1の構成を単純化することができる。また、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対位置を広範囲にわたって探索することができる。狭い探索範囲に起因する光軸調整のやり直しを防止することができて、光軸の調整効率が向上する。
【0142】
実施の形態2.
図17から図19を参照して、実施の形態2の光軸調整装置1を説明する。本実施の形態の光軸調整装置1は、実施の形態1の光軸調整装置1と同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。
【0143】
本実施の形態の光軸調整装置1は、光学部品位置決め機構40と、駆動部コントローラ37とをさらに備える。光学部品位置決め機構40は、例えば、駆動部41と、押さえ部材42とを含む。
【0144】
駆動部41は、押さえ部材42を移動させる。駆動部41は、例えば、シリンダである。駆動部41は、駆動部コントローラ37に接続されている。駆動部コントローラ37は、制御部36に接続されている。制御部36は、駆動部コントローラ37に対して指令信号を出力して、駆動部コントローラ37から駆動部41に指令信号を出力させる。駆動部コントローラ37は、制御部36からの指令信号により指示された駆動条件に従い、駆動部41を駆動させる。こうして、制御部36は、駆動部41を制御して、押さえ部材42を移動させる。
【0145】
押さえ部材42は、第1光学部品5を押圧する。第1ステージ12は、載置面12aから突出する突出部材13を含む。突出部材13は、第1光学部品5に当接し得て、第1光学部品5の位置と第1光学部品5の向きとを定める。突出部材13は、例えば、壁または複数の突起などである。本実施の形態では、突出部材13は、第1光学部品5のうち第2光学部品7に対向する面に当接し得る壁である。第1光学部品5が突出部材13に当接すると、第1光学部品5のZ軸方向の位置と第1光学部品5の向きとが定まる。
【0146】
図17から図19を参照して、実施の形態2の光学部品の検査装置2を説明する。本実施の形態の光学部品の検査装置2は、実施の形態1の光学部品の検査装置2と同様の構成を備えているが、実施の形態1の光軸調整装置1に代えて、本実施の形態の光軸調整装置1を備えている。
【0147】
図20を参照して、実施の形態2の光軸調整方法を説明する。本実施の形態の光軸調整方法は、実施の形態1の光軸調整方法と同様のステップを備えるが、初期設定ステップ(S1)と粗調整ステップ(S10)との間に、位置決めステップ(S2)をさらに備える点で異なる。位置決めステップ(S2)は、粗調整ステップ(S10)の前に実行される。
【0148】
位置決めステップ(S2)では、制御部36は、駆動部コントローラ37を介して駆動部41を制御して、駆動部41を動作させる。駆動部41は、押さえ部材42を、第1光学部品5に向けて移動させる。押さえ部材42は、第1光学部品5に接触する。押さえ部材42は、第1光学部品5を押圧して、第1光学部品5を第1ステージ12の突出部材13に当接させる。こうして、第1光学部品5のZ軸方向の位置と第1光学部品5の向きとが定まる。駆動部41は、押さえ部材42を、第1光学部品5から離れるように移動させる。押さえ部材42が第1光学部品5から離れた後に、制御部36は、駆動部41を制御して、駆動部41を停止させる。
【0149】
突出部材13は、第1光学部品5のX軸方向の位置を定めてもよいし、第1光学部品5のZ軸方向の位置と第1光学部品5のX軸方向の位置とを定めてもよい。
【0150】
図15を参照して、本実施の形態の光学部品の検査方法は、実施の形態1の光学部品の検査方法と同様のステップを備えているが、本実施の形態の光学部品の検査方法は、光軸調整ステップ(S41)が図20に示される位置決めステップ(S2)をさらに含む点で、実施の形態1の光学部品の検査方法と異なっている。
【0151】
本実施の形態の光軸調整装置1、光学部品の検査装置2及び光軸調整方法は、実施の形態1の光軸調整装置1、光学部品の検査装置2及び光軸調整方法の効果に加えて、以下の効果を説明する。
【0152】
本実施の形態の光軸調整装置1は、光学部品位置決め機構40をさらに備える。第1ステージ12は、第1光学部品5が載置される載置面12aと、載置面12aから突出する突出部材13とを含む。光学部品位置決め機構40は、第1光学部品5を突出部材13に当接させる。
【0153】
第1光学部品5が突出部材13に当接すると、第1光学部品5の向きが定まる。そのため、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対配置の探索範囲を減少させることができる。第1光学部品5を冷却しながら、第1光学部品5に対する第2光学部品7の光軸調整をより短時間で行うことができる。
【0154】
本実施の形態の光学部品の検査装置2は、本実施の形態の光軸調整装置1と、光学部品特性測定器32とを備える。光学部品特性測定器32は、第2光学部品7に光学的に接続されており、かつ、第1光学部品5の特性を測定する。
【0155】
第1光学部品5が突出部材13に当接すると、第1光学部品5の向きが定まる。そのため、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対配置の探索範囲を減少させることができる。第1光学部品5を冷却しながら、第1光学部品5をより短時間で検査することができる。
【0156】
本実施の形態の光軸調整方法は、第1光学部品5を位置決めするステップ(S2)をさらに備える。第1光学部品5は、ステージ(第1ステージ12)に支持されている。ステージは、第1光学部品5が載置される載置面12aと、載置面12aから突出する突出部材13とを含む。液冷式冷却器11は、ステージに接続されている。第1光学部品5を位置決めするステップ(S2)は、第1光学部品5を突出部材13に当接させることを含む。
【0157】
第1光学部品5が突出部材13に当接すると、第1光学部品5の向きが定まる。そのため、第1光学部品5に対する第2光学部品7の相対配置の探索範囲を減少させることができる。第1光学部品5を冷却しながら、第1光学部品5に対する第2光学部品7の光軸調整をより短時間で行うことができる。
【0158】
実施の形態3.
図15図21及び図22を参照して、実施の形態3の光学部品の製造方法を説明する。本実施の形態の光学部品の製造方法は、第1光学部品5を製造する方法である。本実施の形態の光学部品の製造方法は、光学部品形成工程(S51)と、光学部品検査工程(S52)とを備える。
【0159】
光学部品形成工程(S51)は、第1光学部品5を形成するステップである。図22を参照して、第1光学部品5がレーザダイオードである場合の光学部品形成工程(S51)を説明する。光学部品形成工程(S51)は、半導体層形成工程(S55)と、電極形成工程(S56)と、チップ分離工程(S57)とを含む。
【0160】
半導体層形成工程(S55)では、半導体ウエハのようなウエハ上に、発光層を含む半導体層を形成する。ウエハと半導体層とを含む積層体が得られる。半導体層は、例えば、有機金属気相成長(MOCVD)法または分子線エピタキシー(MBE)法などによって形成される。
【0161】
電極形成工程(S56)では、蒸着法等によって、半導体層上にp型電極及びn型電極を形成する。p型電極及びn型電極のうちの一つは、ウエハ上に形成されてもよい。
【0162】
チップ分離工程(S57)では、積層体を、複数のチップに分割する。複数のチップの各々が、第1光学部品5としてのレーザダイオードである。
【0163】
図21を参照して、光学部品検査工程(S52)では、光学部品形成工程(S51)において形成された第1光学部品5を検査する。光学部品検査工程(S52)は、図15に示される実施の形態1または実施の形態2の光学部品の検査方法である。具体的には、光学部品検査工程(S52)は、図15に示されるように、第1光学部品5と第2光学部品7との間の光軸調整を行うステップ(S41)と、第1光学部品5の特性を測定するステップ(S42)と、第1光学部品5を選別するステップ(S43)とを含む。
【0164】
本実施の形態の光学部品の製造方法の効果を説明する。
本実施の形態の光学部品の製造方法は、第1光学部品5を形成するステップ(S51)と、第1光学部品5を検査するステップ(S52)とを備える。第1光学部品5を検査するステップ(S52)は、実施の形態1または実施の形態2の光軸調整方法を行うステップ(S41)と、第1光学部品5の特性を測定するステップ(S42)とを含む。
【0165】
そのため、第1光学部品5を冷却しながら、第1光学部品5をより短時間で検査することができる。第1光学部品5の生産性が向上する。
【0166】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
第1光学部品を支持する第1ステージと、
第1ステージを冷却する液冷式冷却器と、
第1光学部品から出力された光をコリメート光に変換するコリメートレンズと、
コリメート光を第2光学部品に集光する集光レンズと、
第2光学部品を支持する第2ステージと、
第1光学部品から第2光学部品に結合した光の強度を測定する光検出器と、
第1ステージまたは第2ステージの少なくとも一つに接続されており、かつ、第1光学部品に対する第2光学部品の相対角度を調整する角度調整部とを備える、光軸調整装置。
(付記2)
第1ステージまたは第2ステージの少なくとも一つに接続されており、かつ、第1光学部品に対する第2光学部品の相対位置を調整する位置調整部をさらに備える、付記1に記載の光軸調整装置。
(付記3)
光学部品位置決め機構をさらに備え、
第1ステージは、第1光学部品が載置される載置面と、載置面から突出する突出部材とを含み、
光学部品位置決め機構は、第1光学部品を突出部材に当接させる、付記1または付記2に記載の光軸調整装置。
(付記4)
付記1から付記3のいずれかに記載の光軸調整装置と、
第2光学部品に光学的に接続されており、かつ、第1光学部品の特性を測定する光学部品特性測定器とを備える、光学部品の検査装置。
(付記5)
第1光学部品はレーザダイオードであり、
第2光学部品は光ファイバであり、
第1光学部品の特性は、レーザダイオードの光学的特性または電気的特性である、付記4に記載の光学部品の検査装置。
(付記6)
コリメートレンズと集光レンズとに対して第1光学部品と第2光学部品とを配置するステップを備え、コリメートレンズは第1光学部品から出力された光をコリメート光に変換し、集光レンズはコリメート光を第2光学部品に集光し、第1光学部品は液冷式冷却器によって冷却され、
第1光学部品に対する第2光学部品の相対角度を変化させながら、第1光学部品から第2光学部品に結合する光の強度が最大となる最大光強度相対角度を探索するステップを備え、
最大光強度相対角度を探索するステップは、
第1相対角度から第2相対角度まで第1設定走査条件で相対角度を変化させながら、走査時間と光の強度との関係を取得し、第1相対角度から第2相対角度まで走査速度が一定であると仮定した場合の第1最大光強度相対角度を求めるステップと、
第2相対角度から第1相対角度まで第1設定走査条件と走査方向以外が同一である第2設定走査条件で相対角度を変化させながら、走査時間と光の強度との関係を取得し、第2相対角度から第1相対角度まで走査速度が一定であると仮定した場合の第2最大光強度相対角度を求めるステップと、
第1最大光強度相対角度と第2最大光強度相対角度との中央角度を最大光強度相対角度として算出するステップとを含む、光軸調整方法。
(付記7)
第1光学部品に対する第2光学部品の相対位置を変化させながら、第1光学部品から第2光学部品に結合する光の強度が最大となる最大光強度相対位置を探索するステップをさらに備え、
最大光強度相対位置を探索するステップは、
第1相対位置から第2相対位置まで第3設定走査条件で相対位置を変化させながら、走査時間と光の強度との関係を取得し、第1相対角度から第2相対角度まで走査速度が一定であると仮定した場合の第1最大光強度相対位置を求めるステップと、
第2相対位置から第1相対位置まで第3設定走査条件と走査方向以外が同一である第4設定走査条件で相対位置を変化させながら、走査時間と光の強度との関係を取得し、第2相対角度から第1相対角度まで走査速度が一定であると仮定した場合の第2最大光強度相対位置を求めるステップと、
第1最大光強度相対位置と第2最大光強度相対位置の中央位置を最大光強度相対位置として算出するステップとを含む、付記6に記載の光軸調整方法。
(付記8)
第1光学部品を位置決めするステップをさらに備え、
第1光学部品は、ステージに支持されており、ステージは、第1光学部品が載置される載置面と、載置面から突出する突出部材とを含み、
液冷式冷却器は、ステージに接続されており、
第1光学部品を位置決めするステップは、第1光学部品を突出部材に当接させることを含む、付記6または付記7に記載の光軸調整方法。
(付記9)
第1光学部品を形成するステップと、
第1光学部品を検査するステップとを備え、
第1光学部品を検査するステップは、付記6から付記8のいずれかに記載の光軸調整方法を行うステップと、第1光学部品の特性を測定するステップとを含む、光学部品の製造方法。
【0167】
今回開示された実施の形態1-3及びそれらの変形例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【符号の説明】
【0168】
1 光軸調整装置、2 検査装置、5 第1光学部品、6 レーザダイオード、7 第2光学部品、8 光ファイバ、8a コア、8b クラッド、10 ベース、10a 上面、11 液冷式冷却器、12 第1ステージ、12a 載置面、13 突出部材、14 コリメートレンズ、15 第1ホルダ、16 冷却液循環装置、17 駆動電源、20 第2ステージ、21 Xステージ、22 Yステージ、23 θXステージ、24 θYステージ、25 ステージ駆動部、26 集光レンズ、27 第2ホルダ、30 光スイッチ、31 光検出器、32 光学部品特性測定器、34 ステージコントローラ、35 A/D変換器、36 制御部、37 駆動部コントローラ、40 光学部品位置決め機構、41 駆動部、42 押さえ部材、101e,101s,102e,102s,103e,103s,104e,104s,105e,105s,106e,106s,111e,111s,112e,112s,113e,113s,114e,114s,115e,115s,116e,116s 相対配置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図19
図20
図21
図22