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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168043
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】製本機用の検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/95 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
G01N21/95 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084431
(22)【出願日】2023-05-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-06-18
(71)【出願人】
【識別番号】509126014
【氏名又は名称】株式会社ノーム
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 信之
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AB20
2G051BA08
2G051BA20
2G051BB02
2G051CA03
2G051CA04
2G051CB01
2G051DA06
2G051EB01
(57)【要約】
【課題】中綴じ用の綴じ具の状態を正確に検出し、不良品が出荷されることを抑制する。
【解決手段】下方が開いた状態で搬送される前記被綴じ体の内側の前記綴じ具で綴じられた部分を撮像する撮像部と、前記撮像部と並んで配置され、前記搬送方向に延びる直線状の光源部を有する照明部と、撮像データに基づいて前記綴じ具の状態の良否を判定する処理部と、を有する。照明部は、前記被綴じ体の前記綴じ具で綴じられた部分を含む所定長さ範囲に光を照射可能な構成である製本機用の検査装置。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り線で折り曲げられて針金で構成された綴じ具で綴じられた被綴じ体の前記綴じ具を検査する製本機用の検査装置において、
下方が開いた状態で搬送方向に搬送される前記被綴じ体の内側の前記綴じ具で綴じられた部分を撮像する撮像部と、
前記搬送方向と交差する方向に前記撮像部と並んで配置され、前記搬送方向に延びる直線状の光源部を有する照明部と、
前記撮像部で撮像した撮像データに基づいて前記綴じ具の状態の良否を判定する処理部と、を有し、
前記照明部は、前記被綴じ体の前記綴じ具で綴じられた部分を含む所定長さ範囲に光を照射可能な構成である製本機用の検査装置。
【請求項2】
前記光源部は、前記搬送方向に直線状に配列された複数の点光源を有する請求項1に記載の製本機用の検査装置。
【請求項3】
前記照明は、前記撮像部を挟んで対をなして配置される第1光源部と第2光源部とを有する請求項1に記載の製本機用の検査装置。
【請求項4】
前記第1光源部は第1波長の光を出射し、前記第2光源部は前記第1波長と異なる第2波長の光を出射する請求項3に記載の製本機用の検査装置。
【請求項5】
前記第1波長は青色光の波長領域に含まれる波長であり、前記第2波長は赤色光の波長領域に含まれる波長である請求項4に記載の製本機用の検査装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記撮像データにおいて、第1の明るさよりも明るい領域である明部と、前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさよりも暗い領域である暗部と、を認識し、
前記暗部が予め決められた範囲に収まっているとともに、前記暗部の内部に形成される前記明部の前記搬送方向の長さの総和が前記暗部の前記搬送方向の長さに対して一定以上の割合である前記被綴じ体を良品であると判定する請求項1から請求項5のいずれかに記載の製本機用の検査装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記撮像データにおいて、第1の明るさよりも明るい領域である明部と、前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさよりも暗い領域である暗部と、を認識し、
前記暗部の長さが予め決められた範囲に収まっているとともに、前記暗部の内部に形成される前記明部の前記搬送方向の長さの総和が前記暗部の前記搬送方向の長さに対して一定以上の割合であるとともに、前記暗部の内部に形成される前記明部が前記折り線と判定された線から一定の範囲内にある前記被綴じ体を良品であると判定する請求項4又は請求項5に記載の製本機用の検査装置。
【請求項8】
前記処理部は、前記撮像データにおいて、第1の明るさよりも明るい領域である明部と、前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさよりも暗い領域である暗部と、前記第1の明るさと前記第2の明るさの間の明るさである中間部を認識し、
前記処理部は、前記中間部の第1波長の色の成分が多い領域と、第2波長の色成分が多い領域との境界を前記折り線と判定する請求項4又は請求項5に記載の製本機用の検査装置。
【請求項9】
前記処理部は、前記暗部の長さが予め決められた範囲に収まっているとともに、前記暗部の内部に形成される前記明部が前記折り線と判定された線から一定の範囲内にある前記被綴じ体を良品であると判定する請求項8に記載の製本機用の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中綴じ製本方式で製本する製本機に用いられる製本機用の検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートを折り曲げて形成された折丁を重ねた、折丁集合体を針金で綴じる中綴じ製本を作成する中綴機が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-330475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示すような中綴機において、針金の取り付け位置がずれると最終製品の品質が低下することがある。
【0005】
本発明は、短時間で中綴じ用の綴じ具の状態を正確に検出し、不良品が出荷されることを防止できる製本機用の検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例示的な製本機用の検査装置は、折り線で折り曲げられて針金で構成された綴じ具で綴じられた被綴じ体の前記綴じ具を検査する。製本機用の検査装置は、下方が開いた状態で搬送方向に搬送される前記被綴じ体の内側の前記綴じ具で綴じられた部分を撮像する撮像部と、前記搬送方向と交差する方向に前記撮像部と並んで配置され、前記搬送方向に延びる直線状の光源部を有する照明部と、前記撮像部で撮像した撮像データに基づいて前記綴じ具の状態の良否を判定する処理部と、を有する。前記照明部は、前記被綴じ体の前記綴じ具で綴じられた部分を含む所定長さ範囲に光を照射可能な構成である。
【発明の効果】
【0007】
例示的な本発明の製本機用の検査装置によれば、短時間で中綴じ用の綴じ具の状態を正確に検出し、不良品が出荷されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、製本機の配置を示す概略斜視図である。
図2図2は、製本機の機能ブロック図である。
図3図3は、搬送部の搬送方向と直交する面で切断した断面図である。
図4図4は、検査装置の平面図である。
図5図5は、検査装置による検査状態を示す概略図である。
図6図6は、良品と判定される被綴じ体の処理データの一例を示す図である。
図7図7は、不良品と判定される被綴じ体の処理データの例を示す図である。
図8図8は、不良品と判定される被綴じ体の処理データの例を示す図である。
図9図9は、不良品と判定される被綴じ体の処理データの例を示す図である。
図10図10は、検査装置による良否判定の順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本明細書において、紙等のシートを折り曲げて形成した折丁101及び折丁101を重ねた集合体を、まとめて、被綴じ体104と称する場合がある。そして、重力方向を上下方向とし、上下方向と直交する方向で、綴じ体104が移動する方向を搬送方向Trと定義する。また、上下方向及び搬送方向Trのそれぞれと直交する方向を、幅方向として定義する。さらに、被綴じ体104を綴じ具31で綴じたのち完成した完成体を中綴本100とする。なお、上述の方向については、説明を容易にするためのものであり、実際の製本機Aでは、異なる場合がある。
【0010】
<製本機A>
図1は、製本機Aの要部の配置を示す概略斜視図である。図2は、製本機Aの機能ブロック図である。図3は、検査装置4を搬送方向と直交する面で切断した断面図である。なお、図3では、搬送部1の一部を図示するとともに、送り側のローラチェーン11にのみ支持部12を図示し、戻り側のローラチェーン11には、支持部12の図示を省略している。
【0011】
製本機Aは、紙等のシートを折って形成された折丁101を搬送しつつ重ねた集合体である被綴じ体104の中央の折り線102上を綴じ具31で綴じる。その後、後述する検査装置4で綴じ具31の状態の良否を判定し、良品の被綴じ体104の不要部分である外縁部を切り離して中綴本100を製本する。
【0012】
図1図2に示すように、製本機Aは、搬送部1と、折丁供給部2と、綴じ部3と、検査装置4と、選別部5と、裁断部6と、制御部7と、を有する。なお、検査装置4が、本発明に係る製本機用の検査装置である。
【0013】
<制御部7>
図2に示すように、製本機Aの搬送部1、折丁供給部2、綴じ部3、検査装置4、選別部5及び裁断部6は、制御部7に接続されており、各要素は制御部7からの指示に基づいて動作する。制御部7は、演算部71と、記憶部72と、を有する。演算部71は、演算処理を実行するMPU、CPU等を含む処理回路を有する構成である。記憶部72は、演算部71の処理に用いるデータ、処理実行時の中間データ、処理用プログラム等を記憶するROM、RAM等の記憶素子を有する。
【0014】
<搬送部1>
図1図3に示すように、搬送部1は、一対のローラチェーン11と、支持部12と、駆動部13(図2参照)と、を有する。
【0015】
一対のローラチェーン11は、幅方向に並んで配置されている。各ローラチェーン11は、環状に接続されている。ローラチェーン11の一方の端部には、駆動部13が接続されてローラチェーン11を駆動するドライブスプロケット(不図示)が設けられる。ローラチェーン11の他方の端部にはローラチェーン11を折り返すためのドリブンスプロケット(不図示)が設けられる。ローラチェーン11は、両端のスプロケットで折り返しており、上下に並んで配置される。
【0016】
ローラチェーン11の上側は、搬送方向Trの上流側から下流側に移動し、下側は逆に移動する。以下の説明において、上側を搬送側、下側を戻り側として説明する場合がある。駆動部13は、例えば、電動モータであり、ドライブスプロケットを回転することで、ローラチェーン11を動作させる。なお、駆動部13は、制御部7からの指示に従って動作される。
【0017】
図1図3に示すように、搬送部1には、複数対の支持部12が設けられている。複数対の支持部12は、搬送方向Trに一定の間隔をあけて並んで配置される。幅方向に対をなす支持部12は、一対のローラチェーンにそれぞれ連結されて搬送方向に移動する。
【0018】
図1図3に示すように、各支持部12は、固定部121と、傾斜部122とを有する。固定部121は平板状であり、各ローラチェーン11の幅方向の外面に固定される。傾斜部122は固定部121の上端に接続される。傾斜部122は、上方に向かうにつれて互いに接近するように傾斜している。そして、一対の支持部12の傾斜部122の上部は、幅方向に離間している。つまり、傾斜部122の上部同士は隙間123を介して幅方向に対向する。
【0019】
<折丁供給部2>
折丁供給部2は、搬送部1の搬送方向Trの上流側に近接して配置される。折丁供給部2は、搬送部1に沿って並んで配置された3個の個別供給部21を有する。各個別供給部21は、中綴本100の異なるページ103を構成する折丁101を供給する。各個別供給部21から供給される折丁101は、下方に開いた山型で搬送部1に供給される。ここで、折丁101が山型とは、折り線102が上部に位置するとともに、折り線102を挟んだページ103が下方に向かうにつれて広がる状態を指す。被綴じ体104でも同様である。製本機Aにおいて、折丁供給部2の個別供給部21は、3個に限定されず、完成品の中綴本100のページ数又はページの大きさに応じて決められる。
【0020】
図3に示すように、支持部12に支持された被綴じ体104の内面の折り線102は、隙間123の上部に配置される。そのため、支持部12に支持された被綴じ体104は、搬送部1の下方から撮像可能な状態になっている。
【0021】
折丁供給部2の各個別供給部21は、制御部7からの指示に従って、折丁101を供給する。制御部7は、搬送部1と各個別供給部21とを同期させることで、搬送部1で搬送される被綴じ体104の上部に新しい折丁101を正確に重ねることができる。なお、制御部7は、個別供給部21から折丁101が供給されるとき、搬送部1を一時的に減速又は停止するようにしてもよい。
【0022】
<綴じ部3>
綴じ部3は、搬送方向Trにおいて、折丁供給部2の下流側に配置される。綴じ部3は、搬送部1に近接して配置され、搬送部1を搬送される被綴じ体104を綴じ具31で綴じる綴じ処理を実行する。
【0023】
ここで、綴じ具31について説明する。綴じ具31は、例えば、鉄等で構成される針金を折り曲げて形成される。綴じ具31に用いられる針金は、検査装置4の後述する照明部42から照射される光を正反射可能な表面を有する。綴じ具31は、支持部311と、一対の脚部312とを有し、単一の部材で形成されている。支持部311は、直線状に延びる棒状である。支持部311の長手方向の両端のそれぞれから脚部312が屈曲する。一対の脚部312は、支持部311に対して同じ方向に直線状に延びる棒状である。
【0024】
綴じ部3は、脚部312の先端部を被綴じ体104の外側から突き刺して、内側に貫通させる。そして、脚部312の非綴じ体104の内側から突出している部分を互いに向かい合う方向に折り曲げる。綴じ部3は、綴じ具31を被綴じ体104の外側及び内側から挟んで加圧することで、脚部312を被綴じ体104の内側に密着させて綴じ処理を完了する。
【0025】
<検査装置4>
図4は、検査装置4の平面図である。図5は、検査装置4による検査状態を示す概略図である。検査装置4は、被綴じ体104を綴じた綴じ具31の状態を検査し、綴じ具31の良否を判定する。図3図4図5に示すように、検査装置4は、撮像部41と、照明部42と、処理部43(図2参照)と、を有する。図3に示すように、撮像部41及び照明部42は、ローラチェーン11の搬送側と戻り側との間に配置される。
【0026】
撮像部41は、例えば、CCD、CMOS等の撮像素子を備えたデジタルカメラを挙げることができるが、これに限定されない。撮像部41として、被綴じ体104及び綴じ具31で反射された光を検出できる光検出器含む構成を広く採用できる。なお、本実施形態にかかる検査装置4では、撮像部41として汎用品のデジタルカメラを採用している。
【0027】
撮像部41は、支持部12に支持された被綴じ体104の内側の折り線102及び綴じ具31を一対の支持部12の隙間123から撮像する。撮像部41は、画角Vaが固定されているとともに焦点距離も固定されている。これにより、撮像部41は、搬送される被綴じ体104の綴じ具31で綴じられている部分及び綴じ具31を同じ又は略同じ条件で撮像することができる。
【0028】
撮像部41は、制御部7と接続されて制御部7の指示に基づいて動作する。例えば、制御部7は、綴じ具31が撮像部41の画角Vaの略中央に収まる位置に移動したときに、撮像部41が撮像するように指示を送る。そして、撮像部41は、撮像データを処理部43に送る。
【0029】
処理部43は、撮像部41で撮像した画像データに対して画像処理を施す。また、処理部43は、画像処理の結果から、撮像を行った被綴じ体104(以下、「検査対象の被綴じ体104」と称する場合がある)の綴じ具31の良否を判定する。処理部43は、制御部7と接続されており、良否判定の結果を制御部7に送る。なお、本実施形態に係る検査装置4において、処理部43は制御部7と独立した構成を有するがこれに限定されず、制御部7の一部であってもよいし、制御部7で動作可能なプログラムとして提供されてもよい。
【0030】
図3図4に示すように、照明部42は、撮像部41が撮像する領域に光を照射する。照明部42は、第1光源部44及び第2光源部45を有する。第1光源部44及び第2光源部45は、いずれも搬送方向に延びる出光部441及び出光部451を有し、撮像部41を挟んで幅方向に対をなすように配置される。
【0031】
図4に示すように、第1光源部44及び第2光源部45は、例えば、搬送方向に点光源442及び点光源452を直線状に配列した構成を有する。点光源442及び点光源452としては、例えば、LEDを挙げることができるが、これに限定されない。また、第1光源部44及び第2光源部45は、この構成に限定されず、例えば、搬送方向に沿って直線状に一定以上の明るさ(輝度)の光を照射できる構成を広く採用することができる。ここで、第1光源部44から出射される第1光L1及び第2光源部45から出射される第2光L2について説明する。
【0032】
図3に示すように撮像部41は、被綴じ体104の折り線102の直下に配置される。そして、照明部42の第1光源部44は、幅方向の一方の第1側D1に配置される。第1光源部44から出射される第1光L1は、一対の搬送側のローラチェーン11の間を通り、支持部12の隙間123から見える被綴じ体104に照射される。なお、第1光L1の内側のページ103の折り線102よりも第1側D1の照射される光の入射角は、第2側D2に照射される光の入射角よりも大きい。
【0033】
そのため、内側のページ103の折り線102よりも第2側D2における第1光L1による照度は、第1側D1における第1光L1による照度よりも高い。その結果、第1光L1の内側のページ103の折り線102よりも第2側D2で反射されて撮像部41に入射する光は、第1側D1で反射されて撮像部41に入射する光よりも明るい。
【0034】
第2光源部45は、幅方向の他方の第2側D2に配置される。第2光源部45から出射される第2光L2は、一対の搬送側のローラチェーン11の間を通り、支持部12の隙間123から見える被綴じ体104に照射される。なお、第2光L2の内側のページ103の折り線102よりも第2側D2に照射される光の入射角は、第1側D1に照射される光の入射角よりも大きい。
【0035】
そのため、内側のページ103の折り線102よりも第1側D1における第2光L2による照度は、第2側D2における第2光L2による照度よりも高い。その結果、第2光L2の内側のページ103の折り線102よりも第1側D1で反射されて撮像部41に入射する光は、第2側D2で反射されて撮像部41に入射する光よりも明るい。
【0036】
また、照明部42において、第1光源部44から出射される第1光L1は、青色波長域内の波長の光(青色光)である。また、第2光源部45から出射される第2光L2は、赤色波長域内の波長の光(赤色光)である。第1光L1及び第2光L2をこのように設定することで、綴じ体104の内側のページ103において、折り線102よりも第1側D1では第2光L2の成分が多く、第2側D2では第1光L1の反射成分が多い。
【0037】
そのため、処理部43は、処理データIpの赤色成分が多い領域が第1側D1であり、と青色成分が多い領域が第2側D2であると判定する。処理部43は、赤色成分が多い領域と青色成分が多い領域との境界を折り線102と判定することができる。
【0038】
なお、検査装置4では、第1光L1を青色光、第2光L2を赤色光としているが、これに限定されない。第1光L1と第2光L2とが異なる波長であって、撮像データにおいて明確に検知できる波長の光を広く採用することができる。2つの異なる波長の光を出射する2つの光源を用いることで、2次元の処理データIpから傾斜しているページ103の面を判定し、1つの2次元画像から3次元の形状を検出することができる。処理部43による処理結果は、制御部7に送られる。制御部7は、検査対象の被綴じ体104が良品であるか不良品であるかの情報を記憶部72に記憶する。
【0039】
検査装置4で検査された被綴じ体104は、搬送部1から取り外されて搬送方向Trと直交する方向に延びる仕上ライン8に送られる。仕上ライン8は、不図示の搬送機構を有しており、仕上ライン8には、選別部5、裁断部6が配置される。
【0040】
<選別部5>
図2に示すように検査装置4で検査された被綴じ体104が、選別部5に送られる。選別部5は、不良品の被綴じ体104を仕上ライン8の下方に配置された不良品蓄積部81に送る。不良品の被綴じ体104は、不良品蓄積部81に蓄積される。また、選別部5は、良品の被綴じ体104を仕上ライン8の下流側に配置された裁断部6に送る。なお、選別部5は、制御部7に接続されており、制御部7からの指示に従って良品と不良品とを選別している。
【0041】
さらに詳しく説明すると、制御部7は、処理部43から取得した処理結果より、選別部5に送られた被綴じ体104が良品であるか不良品であるか認識している。そして、制御部7は、選別部5に送られた被綴じ体104が不良品の場合、選別部5に対し被綴じ体104を不良品蓄積部81に送るように指示する。また、被綴じ体104が良品の場合、選別部5に対し被綴じ体104を裁断部6に送るように指示する。
【0042】
<裁断部6>
図1に示すように、裁断部6には、複数のカッター61を有する。図1に示す裁断部6には、折り線102で折り曲げ、綴じた状態の被綴じ体104が送られる。裁断部6に送られた被綴じ体104は、矩形状である。そして、裁断部6では、被綴じ体104の折り線以外の外縁部105にカッター61を接触させ、外縁部105を一定の幅で切り離す。これにより、中綴本100が完成する、すなわち、製本が完了する。そして、中綴本100は、搬出用蓄積部82(図1参照)に蓄積される。
【0043】
<検査装置4による検査>
次に、本発明の要部である検査装置4による処理データIpに基づいた良品と不良品との判定について説明する。図6は、良品と判定される被綴じ体104の処理データの一例を示す図である。図7図9は、不良品と判定される被綴じ体104の処理データの例を示す図である。なお、図6図9において、暗部Dkは斜線のハッチングで表示しており、中間部Mdはドットハッチングで表示している。
【0044】
被綴じ体104において、綴じ具31の表面では、入射した光を正反射する。一方で、被綴じ体104の内面のページ103の表面では、入射した光を乱反射する。そして、綴じ具31を構成する針金の表面は、曲面で構成されている。そのため、綴じ具31の幅方向に狭い領域で正反射された光が強い光として撮像部41の撮像素子に入射する。例えば、綴じ具31の断面が長手方向に同一の形状であるとすると、撮像部41に入射する反射光の綴じ具31における反射部は、直線状である。この正反射による光は、明るい光であり、処理データIpにおいて、この明るい光の部分が明部Ltを構成する(図6参照)。
【0045】
また、上述のとおり、綴じ具31の表面は湾曲している。そのため、反射光が撮像部41に入射する領域以外の領域において反射された光は、撮像部41に全く或いはほとんど入射しない。そのため、処理データIpにおいて、綴じ具31の表面の反射光が撮像部41に入射する部分以外の部分が明部Ltよりも暗い暗部Dkを構成する(図6参照)。
【0046】
綴じ具31は、互いに接近する方向に折り曲げて形成されるため、処理データIpに2つの暗部Dkが形成され、2つの暗部Dkは長手方向(搬送方向Tr)に並んで現れる。また、図6に示すように、処理データIpにおいて、綴じ具31には、長方形状の暗部Dkの短手方向の中央部に長手方向に分布される明部Ltが現れる。なお、綴じ具31の脚部312を外側に折り曲げる場合があり、その場合は、暗部Dkの間隔が広くなるが同様である。
【0047】
そして、隙間123からページ103の表面に照射された光は、ページ103で乱反射され、乱反射された光の一部が撮像部41の撮像素子に入射する。つまり、ページ103で乱反射されて撮像部に入射した光は、綴じ具31の明部Ltよりも暗く、暗部Dkよりも明るい。そのため、処理データIpにおいて、ページ103で乱反射された光は、明部Ltよりも暗く、暗部Dkよりも明るい中間部Mdを構成する。
【0048】
また、ページ103の幅方向の第1側D1に赤色光が照射されており、処理データIpの中間部Mdにおいて幅方向の第1側D1は赤色光の成分が多くなる。また、逆に処理データIpの中間部Mdにおいて幅方向の第2側D2は青色光の成分が多くなる。このことを利用して、処理部43は、中間部Mdの赤色の成分が多い部分と青色の成分が多い部分の境界を折り線102と判定する。
【0049】
図6に示すように、良品の処理データIpにおいて、暗部Dkは、折り線102と判定された線と重なって形成されるとともに、暗部Dkの長手方向が折り線102に沿う方向になっている。なお、暗部Dkの長手方向が折り線102に沿う方向とは、暗部Dkの長手方向が、折り線102と平行又は折り線102に対して数度程度の角度がついている状態を含んでもよい。
【0050】
そして、良品の処理データIpにおいて、明部Ltは、綴じ具31の折り曲げられた脚部312で正反射して撮像部41に入射した像である。そのため、脚部312が直線状に形成されている場合、明部Ltは、直線状に現れる。一方で、綴じ具31の表面は、部分的に凹凸があったり、波打っていたりしている場合がある。このような場合、処理データIpの明部Ltは、暗部Dk内で直線状に配列された、換言すると、断続的に並んで配列された形状で現れる場合もある(図6参照)。このような場合、明部Ltの搬送方向Trの長さの和が、暗部Dkの搬送方向Trの長さに対して、一定の比率以上になる。
【0051】
次に、不良品の処理データIpについて説明する。図7に示す不良品の処理データIpにおいて左側の暗部Dk及び明部Ltは、折り線102に対して角度θ傾斜している。これは、検査対象の被綴じ体104を綴じた綴じ具31の脚部312が幅方向に曲がって折れているために発生する。このように曲がっている場合、被綴じ体104を折り線102で折り曲げるときに、曲がって折れた脚部312が邪魔になり、折りたたみにくい。そのため、図7に示すような処理データIpが取得されると処理部43は、不良品が発生したと判定する。
【0052】
図7では、一方の脚部312の一方だけが曲がった状態の処理データIpを示しているが、両方の脚部312が曲がっている場合も同様である。両方の脚部312が曲がる方向としては、幅方向において同じである場合もあり、異なる場合もある。
【0053】
また、図8に示す不良品の処理データIpにおいて、暗部Dk及び明部Ltは、折り線102から幅方向に一定の距離以上離れている。これは、検査対象の被綴じ体104を綴じた綴じ具31自体が折り線102からずれた位置に取り付けられているために発生する。被綴じ体104は、綴じ具31を繋いだ線で折れやすく、折り線102からずれると、折り線102で折りたたまれにくくなる。そのため、図8に示すような処理データIpが取得されると処理部43は、不良品が発生したと判定する。
【0054】
図8では、暗部Dkの長手方向が、折り線102に沿う方向に延びる構成となっているが、これに限定されない。暗部Dkに基づいて、綴じ具31の少なくとも一部が、折り線102から幅方向に一定の距離以上離れている場合も含まれるものとする。
【0055】
さらに、図9に示す不良品の処理データIpにおいて、左側の暗部Dkの搬送方向Trの長さTが短くなっている。暗部Dk及び明部Ltは、脚部312で反射した光によって構成されるものであるため、脚部312が内側のページ103に接触していない、換言すると、図9の状態は脚部312が完全に折れ曲がっていないときに発生する。
【0056】
また、右側の暗部Dkは所定の長さになっているが、明部Ltの暗部Dkに対する搬送方向Trの比率が一定の比率以下になっている。これは、脚部312の長手方向に一部で正反射した光が撮像部41に入射していることを示しており、脚部312が立ち上がる方向(被綴じ体104の厚み方向)に大きく変形していることで発生する。例えば、脚部312が被綴じ体104の厚み方向に大きなアーチ状、波状等になっており、綴じ具31による綴じが不十分である可能性がある。そのため、図9に示すような処理データIpが取得されると処理部43は、不良品が発生したと判定する。
【0057】
上述したように、本実施形態の検査装置4では、撮像部41が撮像する2次元画像である撮像データを用いて、撮像部41に対する3次元的な脚部312の変形状態を判定することができる。なお、図7図9は、不良品と判定される被綴じ体104の例であり、これらに限定されない。これら以外の不良品と判定されるパターンを有する場合もある。
【0058】
処理部43は、撮像データを画像処理した処理データIpが、上述の良品又は不良品のパターンに収まるか否かを確認し、良品又は不良品と判定している。以下に、検査装置4による被綴じ体104の良否判定について図面を参照して説明する。図10は、検査装置4による良否判定の手順を示すフローチャートである。なお、検査装置4の各部は、制御部7の指示に基づいて動作しているが、以下の説明において、特に説明が必要な場合をのぞき、制御部7からの指示についての記載は省略している。
【0059】
図10に示すように、検査装置4の撮像部41は、搬送部1によって搬送された被綴じ体104の内側のページ103を撮像する(ステップS101)。撮像データは処理部43に送られる。処理部43は、撮像データに対して画像処理を実施し、処理データIpを生成する(ステップS102)。
【0060】
処理部43は、処理データIpから第2閾値Th2よりも暗い部分を暗部Dkと識別する(ステップS103)。なお、処理部43は、暗部Dkを長方形状と識別する。また、処理部43は、処理データIpから第1閾値Th1よりも明るい部分を明部Ltと識別し(ステップS104)、残りの部分を中間部Mdと識別する(ステップS105)。
【0061】
処理部43は、中間部Mdの第1光L1及び第2光L2の色成分(赤色及び青色)それぞれの成分が多い領域を抽出しその境界を折り線102と認定する(ステップS106)。処理部43は、暗部Dkの長手方向を決定し、折り線102に対する角度θ(図7参照)を取得する(ステップS107)。処理部43は、角度θが許容範囲θ1未満であるか否か判定する(ステップS108)。角度θが許容範囲θ1以上の場合(ステップS108でNoの場合)、処理部43は綴じ具31の脚部312が幅方向に曲がっているため被綴じ体104を不良品と判定する(ステップS116)。
【0062】
また、角度θが許容範囲θ1未満である場合(ステップS108でYesの場合)、処理部43は、暗部Dkの幅方向の中心と折り線102との距離W(図8参照)を取得する(ステップS109)。処理部43は、距離Wが許容範囲W1未満か否か判定する(ステップS110)。距離Wが許容範囲W1以上のとき(ステップS110でNoのとき)、処理部43は綴じ具31が折り線102から幅方向にずれているため被綴じ体104を不良品と判定する(ステップS116)。
【0063】
距離Wが許容範囲W1未満である場合(ステップS110でYesの場合)、処理部43は、暗部Dkの折り線102に沿う方向の長さTを取得する(ステップS111)、長さTが許容範囲T1以上であるか否か判定する(ステップS112)。暗部Dkの長さTが許容範囲T1未満の場合(ステップS112でNoの場合)、処理部43は綴じ具31の脚部312の折り曲げが不十分である(被綴じ体104の厚み方向に浮いている)ため被綴じ体104を不良品と判定する(ステップS116)。
【0064】
また、暗部Dkの長さTが許容範囲T1以上の場合(ステップS112でYesの場合)、処理部43は暗部Dkの内部に形成される明部Ltの折り線102に沿う方向の長さの総和を取得し、暗部Dkの折り線102に沿う方向の長さTに対する比率Rを取得する(ステップS113)。処理部43は、比率Rが許容範囲R1以上であるか否か判定する(ステップS114)。比率Rが許容範囲R1未満の場合(ステップS114でNoの場合)、綴じ具31の脚部312によるページ103の押えが不十分であるため被綴じ体104を不良品と判定する(ステップS116)。
【0065】
比率Rが許容範囲R1以上である場合(ステップS114でYesの場合)、処理部43は被綴じ体104が良品であると判定する(ステップS115)。本フローチャートでは、角度θによる判定、距離Wによる判定、長さTによる判定及び比率Rによる判定を順に実行する構成としているが、この順番に限定されない。また、これら以外の判定のパラメータを採用することも可能である。
【0066】
ステップS116で不良品と判定された被綴じ体104は、搬送部1によって継続して搬送されて、不良品蓄積部に蓄積される。また、ステップS115で良品と判定された被綴じ体104は搬送部1から取り出され、裁断部6に送られる。
【0067】
以上示したように、検査装置4では、汎用品の撮像素子を有する撮像部41を用いて、被綴じ体104の綴じ具31による綴じ状態の良否を判定している。また、撮像部41に汎用品を用いることで、処理部43、制御部7等も汎用品を用いることができるとともに、データの取り扱い、制御及び処理のカスタマイズが容易であり、使用者の利便性を高めることができる。また、汎用品を用いることで、使用者がすでに使用している機器に接続することも容易である。その結果、検査装置4は、製本機Aに簡単に組み込むことが可能である。
【0068】
<変形例等>
上述した検査装置4では、第1光L1と第2光L2との色差に基づいて折り線102を判定しているが、これに限定されない。処理部43は、搬送部1の同じ位置に被綴じ体104が配置されると判断し、折り線102を常に同じ位置に設定してもよい。これにより、処理部43は、処理データIp内の同じ位置に折り線102が配置されるものとして処理してもよい。このように、折り線102が常に一定位置と設定する構成の検査装置4において、照明部42は第1光源部44又は第2光源部45のいずれか一方を備える構成であってもよい。この場合、照明部42から出射される光の波長は、特に限定されない。例えば、撮像素子が対応している場合、可視光波長域以外の波長を採用してもよい。
【0069】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内であれば、実施形態は種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0070】
A 製本機
100 中綴本
101 折丁
102 折り線
103 ページ
104 被綴じ体
1 搬送部
11 ローラチェーン
12 支持部
121 固定部
122 傾斜部
13 駆動部
2 折丁供給部
21 供給部
3 綴じ部
31 綴じ具
311 支持部
312 脚部
4 検査装置
41 撮像部
42 照明部
43 処理部
44 第1光源部
441 出光部
442 点光源
45 第2光源部
451 出光部
452 点光源
5 選別部
6 裁断部
61 カッター
7 制御部
71 処理部
72 記憶部
8 仕上ライン
81 不良品蓄積部
82 搬出用蓄積部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り線で折り曲げられて針金で構成された綴じ具で綴じられた被綴じ体の前記綴じ具を検査する製本機用の検査装置において、
下方が開いた状態で搬送方向に搬送される前記被綴じ体の内側の前記綴じ具で綴じられた部分を撮像する撮像部と、
前記搬送方向と交差する方向に前記撮像部と並んで配置され、前記搬送方向に延びる直線状の光源部を有する照明部と、
前記撮像部で撮像した撮像データに基づいて前記綴じ具の状態の良否を判定する処理部と、を有し、
前記照明部は、前記被綴じ体の前記綴じ具で綴じられた部分を含む所定長さ範囲に光を照射可能な構成である製本機用の検査装置。
【請求項2】
前記光源部は、前記搬送方向に直線状に配列された複数の点光源を有する請求項1に記載の製本機用の検査装置。
【請求項3】
前記照明は、前記撮像部を挟んで対をなして配置される第1光源部と第2光源部とを有する請求項1に記載の製本機用の検査装置。
【請求項4】
前記第1光源部は第1波長の光を出射し、前記第2光源部は前記第1波長と異なる第2波長の光を出射する請求項3に記載の製本機用の検査装置。
【請求項5】
前記第1波長は青色光の波長領域に含まれる波長であり、前記第2波長は赤色光の波長領域に含まれる波長である請求項4に記載の製本機用の検査装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記撮像データにおいて、第1の明るさよりも明るい領域である明部と、前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさよりも暗い領域である暗部と、を認識し、
前記暗部が予め決められた範囲に収まっているとともに、前記暗部の内部に形成される前記明部の前記搬送方向の長さの総和が前記暗部の前記搬送方向の長さに対して一定以上の割合である前記被綴じ体を良品であると判定する請求項1から請求項5のいずれかに記載の製本機用の検査装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記撮像データにおいて、第1の明るさよりも明るい領域である明部と、前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさよりも暗い領域である暗部と、を認識し、
前記暗部の長さが予め決められた範囲に収まっているとともに、前記暗部の内部に形成される前記明部の前記搬送方向の長さの総和が前記暗部の前記搬送方向の長さに対して一定以上の割合であるとともに、前記暗部の内部に形成される前記明部が前記折り線と判定された線から一定の範囲内にある前記被綴じ体を良品であると判定する請求項4又は請求項5に記載の製本機用の検査装置。
【請求項8】
前記処理部は、前記撮像データにおいて、第1の明るさよりも明るい領域である明部と、前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさよりも暗い領域である暗部と、前記第1の明るさと前記第2の明るさの間の明るさである中間部を認識し、
前記処理部は、前記中間部の第1波長の色の成分が多い領域と、第2波長の色成分が多い領域との境界を前記折り線と判定する請求項4又は請求項5に記載の製本機用の検査装置。
【請求項9】
前記処理部は、前記暗部の長さが予め決められた範囲に収まっているとともに、前記暗部の内部に形成される前記明部が前記折り線と判定された線から一定の範囲内にある前記被綴じ体を良品であると判定する請求項8に記載の製本機用の検査装置。