(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168045
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】飛行申請支援装置、飛行申請支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20241128BHJP
G08G 5/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G06Q50/30
G08G5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084436
(22)【出願日】2023-05-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和5年2月17日に、「DPA認定校フォーラム2022-2023 in 恵比寿」にて公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】000004374
【氏名又は名称】日清紡ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】松尾 英明
(72)【発明者】
【氏名】日比野 実
(72)【発明者】
【氏名】中澤 舞
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5H181AA26
5H181BB04
5H181FF01
5H181FF22
5H181FF32
5L049CC42
5L050CC42
(57)【要約】
【課題】ドローンのような移動体を飛行させるための法規制による、各種申請を支援する。
【解決手段】飛行申請支援システム1のサーバ装置100は、禁止空域情報が格納されている禁止空域データベース121と、申請方法情報が格納されている申請方法データベース122とを記憶し、その機能として、ドローンを飛行させる飛行計画に関する飛行計画情報を受け付ける飛行計画受付部131と、禁止空域情報と、申請方法情報とに基づき、受け付けた飛行計画情報について、申請方法を判定する申請方法判定部132と、判定した申請方法をユーザへ提示する申請方法提示部133と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置により構成され、飛行して移動可能な移動体の飛行に関する申請を支援する飛行申請支援装置であって、
前記記憶部は、前記移動体の飛行が禁止されている禁止空域情報と、前記移動体を飛行させる条件に応じた申請方法を示す申請方法情報と、を記憶し、
前記制御部は、
前記移動体を飛行させる飛行計画に関する飛行計画情報を受け付ける飛行計画受付部と、
前記禁止空域情報と、前記申請方法情報とに基づき、受け付けた前記飛行計画情報について、前記申請方法を判定する申請方法判定部と、
判定した前記申請方法を提示する申請方法提示部と、を備え、
前記申請方法判定部は、前記申請方法について、一定の期間における前記移動体の飛行の許可を申請する包括申請、及び前記移動体の飛行ごとに許可を申請する個別申請、を含む前記申請方法を判定する、
ことを特徴とする飛行申請支援装置。
【請求項2】
前記飛行計画受付部は、前記移動体を飛行させる場所を示す飛行空域の情報を含む、前記飛行計画情報を受け付け、
前記申請方法提示部は、判定した前記申請方法とともに、受け付けた前記飛行空域の情報を提示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の飛行申請支援装置。
【請求項3】
前記申請方法提示部は、判定した前記申請方法、及び前記飛行空域の情報とともに、前記飛行空域の近傍における前記禁止空域情報を提示する、
ことを特徴とする請求項2に記載の飛行申請支援装置。
【請求項4】
前記飛行計画受付部は、前記移動体を飛行させる飛行目的の情報と、前記移動体を飛行させる飛行方法の情報と、を含む、前記飛行計画情報を受け付け、
前記申請方法判定部は、前記申請方法情報に含まれる飛行目的の情報及び飛行方法の情報に基づき、受け付けた前記飛行計画情報について、前記申請方法を判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の飛行申請支援装置。
【請求項5】
前記包括申請に係る許可は、前記一定の期間において、前記移動体を飛行させる操作者に対して前記移動体の飛行を許可するものであり、
前記申請方法判定部は、前記操作者から前記飛行計画情報を受け付けた場合、前記包括申請に係る許可の範囲内において前記包括申請が不要であると判定する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の飛行申請支援装置。
【請求項6】
前記申請方法判定部は、前記操作者から前記飛行計画情報を受け付けた場合において、前記飛行計画情報が前記包括申請に係る許可の範囲外である場合、前記包括申請または前記個別申請が必要であると判定する、
ことを特徴とする請求項5に記載の飛行申請支援装置。
【請求項7】
前記制御部は、さらに、
前記飛行計画情報に基づき、前記移動体を飛行させるために必要な連絡先を判定する連絡先判定部と、
前記連絡先を提示する連絡先提示部と、を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の飛行申請支援装置。
【請求項8】
前記記憶部は、前記移動体を飛行させるために必要な連絡先の一覧情報を記憶し、
前記連絡先判定部は、前記一覧情報に基づき、前記移動体を飛行させるために必要な連絡先を判定する、
ことを特徴とする請求項7に記載の飛行申請支援装置。
【請求項9】
前記記憶部は、前記移動体を飛行させるために必要な連絡先の一覧情報を更新可能に記憶し、
前記制御部は、さらに、
前記移動体を飛行させるために必要な連絡先の更新情報を受け付ける連絡先更新受付部を備える、
ことを特徴とする請求項8に記載の飛行申請支援装置。
【請求項10】
前記制御部は、さらに、
前記移動体を飛行させるために必要な連絡先の更新情報を、受け付けたユーザに紐づけて前記記憶部に記憶させ、
前記連絡先判定部は、前記ユーザごとに紐づけられた前記連絡先を判定する、
ことを特徴とする請求項9に記載の飛行申請支援装置。
【請求項11】
前記制御部は、さらに、
前記連絡先に対する連絡が完了していない場合、一定期間ごとにリマインド通知するリマインド通知部を備える、
ことを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の飛行申請支援装置。
【請求項12】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行され、飛行して移動可能な移動体の飛行に関する申請を支援する飛行申請支援方法であって、
前記メモリは、前記移動体の飛行が禁止されている禁止空域情報と、前記移動体を飛行させる条件に応じた申請方法を示す申請方法情報と、を記憶し、
前記プロセッサが、
前記移動体を飛行させる飛行計画に関する飛行計画情報を受け付ける飛行計画受付ステップと、
前記禁止空域情報と、前記申請方法情報とに基づき、受け付けた前記飛行計画情報について、前記申請方法を判定する申請方法判定ステップと、
判定した前記申請方法を提示する申請方法提示ステップと、を実行し、
前記申請方法判定ステップでは、前記申請方法について、一定の期間における前記移動体の飛行の許可を申請する包括申請、及び前記移動体の飛行ごとに許可を申請する個別申請、を含む前記申請方法を判定する、
ことを特徴とする飛行申請支援方法。
【請求項13】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、飛行して移動可能な移動体の飛行に関する申請を支援するためのプログラムであって、
前記メモリは、前記移動体の飛行が禁止されている禁止空域情報と、前記移動体を飛行させる条件に応じた申請方法を示す申請方法情報と、を記憶し、
前記プロセッサに、
前記移動体を飛行させる飛行計画に関する飛行計画情報を受け付ける飛行計画受付ステップと、
前記禁止空域情報と、前記申請方法情報とに基づき、受け付けた前記飛行計画情報について、前記申請方法を判定する申請方法判定ステップと、
判定した前記申請方法を提示する申請方法提示ステップと、を実行させ、
前記申請方法判定ステップでは、前記申請方法について、一定の期間における前記移動体の飛行の許可を申請する包括申請、及び前記移動体の飛行ごとに許可を申請する個別申請、を含む前記申請方法を判定する、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、飛行して移動可能な移動体の飛行に関する申請を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ドローンのように、飛行して移動可能な移動体は、上空からの撮影、農業における農薬散布、インフラ設備の点検、荷物の配送等、各種の用途に利用されており、近年、ドローンの運行件数は増加傾向にある。これに伴い、ドローンを安全に飛行させるため、管轄官庁による法規制が整備されてきた。管轄官庁では、例えば、各種の法規制により飛行を規制する空域を設け、許可を受けた場合にのみドローンの飛行を可能としている。
【0003】
例えば、運航空域内での無人飛行体(ドローン)の安全な飛行と、運航空域の有効利用とを両立させることを可能とするため、運航空域を分割することで区画される区画空域毎に飛行許否を設定し、運行空域情報を出力する運航空域管理装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のように管轄官庁では、ドローンを安全に飛行させるための法規制にて、ドローンを飛行させるための各種申請をすることを要求している。各種申請の提出先である管轄官庁は複数あり、さらに飛行の条件により申請の内容が異なっている。また、管轄官庁への申請以外にも、飛行空域の地権者に対して許可を求める必要がある。そのため、ドローンを安全に飛行させるための手続きは煩雑となっている。
【0006】
そこでこの発明は、ドローンのような移動体を飛行させるための法規制による、各種申請を支援する飛行申請支援装置、飛行申請支援方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、この発明に係る飛行申請支援装置は、制御部と、記憶部とを備える情報処理装置により構成され、飛行して移動可能な移動体の飛行に関する申請を支援する飛行申請支援装置であって、記憶部は、移動体の飛行が禁止されている禁止空域情報と、移動体を飛行させる条件に応じた申請方法を示す申請方法情報と、を記憶し、制御部は、移動体を飛行させる飛行計画に関する飛行計画情報を受け付ける飛行計画受付部と、禁止空域情報と、申請方法情報とに基づき、受け付けた飛行計画情報について、申請方法を判定する申請方法判定部と、判定した申請方法を提示する申請方法提示部と、を備え、申請方法判定部は、申請方法について、一定の期間における移動体の飛行の許可を申請する包括申請、及び移動体の飛行ごとに許可を申請する個別申請、を含む申請方法を判定する、ことを特徴とする。
【0008】
この発明に係る飛行申請支援装置は、飛行計画受付部が、移動体を飛行させる場所を示す飛行空域の情報を含む、飛行計画情報を受け付け、申請方法提示部は、判定した申請方法とともに、受け付けた飛行空域の情報を提示する、ようにしてもよい。
【0009】
この発明に係る飛行申請支援装置は、申請方法提示部が、判定した申請方法、及び飛行空域の情報とともに、飛行空域の近傍における禁止空域情報を提示する、ようにしてもよい。
【0010】
この発明に係る飛行申請支援装置は、飛行計画受付部が、移動体を飛行させる飛行目的の情報と、移動体を飛行させる飛行方法の情報と、を含む、飛行計画情報を受け付け、申請方法判定部が、申請方法情報に含まれる飛行目的の情報及び飛行方法の情報に基づき、受け付けた飛行計画情報について、申請方法を判定する、ようにしてもよい。
【0011】
この発明に係る飛行申請支援装置は、包括申請に係る許可が、一定の期間において、移動体を飛行させる操作者に対して移動体の飛行を許可するものであり、申請方法判定部が、操作者から飛行計画情報を受け付けた場合、包括申請に係る許可の範囲内において包括申請が不要であると判定する、ようにしてもよい。
【0012】
この発明に係る飛行申請支援装置は、申請方法判定部が、操作者から飛行計画情報を受け付けた場合において、飛行計画情報が包括申請に係る許可の範囲外である場合、包括申請または個別申請が必要であると判定する、ようにしてもよい。
【0013】
この発明に係る飛行申請支援装置は、制御部が、さらに、飛行計画情報に基づき、移動体を飛行させるために必要な連絡先を判定する連絡先判定部と、連絡先を提示する連絡先提示部と、を備える、ようにしてもよい。
【0014】
この発明に係る飛行申請支援装置は、記憶部が、移動体を飛行させるために必要な連絡先の一覧情報を記憶し、連絡先判定部が、一覧情報に基づき、移動体を飛行させるために必要な連絡先を判定する、ようにしてもよい。
【0015】
この発明に係る飛行申請支援装置は、記憶部が、移動体を飛行させるために必要な連絡先の一覧情報を更新可能に記憶し、制御部が、さらに、移動体を飛行させるために必要な連絡先の更新情報を受け付ける連絡先更新受付部を備える、ようにしてもよい。
【0016】
この発明に係る飛行申請支援装置は、制御部が、さらに、移動体を飛行させるために必要な連絡先の更新情報を、受け付けたユーザに紐づけて前記記憶部に記憶させ、連絡先判定部が、ユーザごとに紐づけられた連絡先を判定する、ようにしてもよい。
【0017】
この発明に係る飛行申請支援装置は、制御部が、さらに、連絡先に対する連絡が完了していない場合、一定期間ごとにリマインド通知するリマインド通知部を備える、ようにしてもよい。
【0018】
この発明に係る飛行申請支援方法は、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行され、飛行して移動可能な移動体の飛行に関する申請を支援する飛行申請支援方法であって、メモリは、移動体の飛行が禁止されている禁止空域情報と、移動体を飛行させる条件に応じた申請方法を示す申請方法情報と、を記憶し、プロセッサが、移動体を飛行させる飛行計画に関する飛行計画情報を受け付ける飛行計画受付ステップと、禁止空域情報と、申請方法情報とに基づき、受け付けた飛行計画情報について、申請方法を判定する申請方法判定ステップと、判定した申請方法を提示する申請方法提示ステップと、を実行し、申請方法判定ステップでは、申請方法について、一定の期間における移動体の飛行の許可を申請する包括申請、及び移動体の飛行ごとに許可を申請する個別申請、を含む申請方法を判定する、ことを特徴とする。
【0019】
また、この発明に係るプログラムは、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、飛行して移動可能な移動体の飛行に関する申請を支援するためのプログラムであって、メモリは、移動体の飛行が禁止されている禁止空域情報と、移動体を飛行させる条件に応じた申請方法を示す申請方法情報と、を記憶し、プロセッサに、移動体を飛行させる飛行計画に関する飛行計画情報を受け付ける飛行計画受付ステップと、禁止空域情報と、申請方法情報とに基づき、受け付けた飛行計画情報について、申請方法を判定する申請方法判定ステップと、判定した申請方法を提示する申請方法提示ステップと、を実行させ、申請方法判定ステップでは、申請方法について、一定の期間における移動体の飛行の許可を申請する包括申請、及び移動体の飛行ごとに許可を申請する個別申請、を含む申請方法を判定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
この発明に係る飛行申請支援装置、飛行申請支援方法およびプログラムによれば、禁止空域情報と、申請方法情報とを記憶し、これらの情報に基づき、受け付けた飛行計画情報について、移動体(ドローン)の飛行に関する申請方法を判定する。申請方法の判定とは、一定の期間における移動体の飛行の許可を申請する包括申請、及び移動体の飛行ごとに許可を申請する個別申請を含む。そのため、ドローンを飛行させるために必要な申請について、的確に把握することが可能になる。これにより、ドローンのような移動体を飛行させるための法規制による各種申請を支援することが可能になる。
【0021】
この発明に係る飛行申請支援装置によれば、飛行計画の受付時において、移動体を飛行させる飛行空域の情報を受け付け、申請方法とともに飛行空域の情報を提示する。また、このとき、飛行空域の近傍における禁止空域情報も提示する。そのため、申請情報とともに、ドローンを飛行させる空域を視覚的に把握することが可能になる。これにより、飛行させる空域に応じた、法規制による各種申請の支援が可能になる。
【0022】
この発明に係る飛行申請支援装置によれば、飛行目的の情報と飛行方法の情報とを受け付け、これらの情報に基づき、受け付けた飛行計画情報について、移動体(ドローン)の飛行に関する申請方法を判定する。これにより、飛行目的及び飛行方法に応じた、ドローンを飛行させるために必要な申請について、的確に把握することが可能になる。
【0023】
この発明に係る飛行申請支援装置によれば、包括申請に係る許可は、一定期間において、移動体の操作者に対して飛行を許可するものであり、申請方法の判定において、包括申請に係る許可の範囲内で包括申請が不要であると判定する。また、包括申請に係る許可の範囲外である場合、包括申請または個別申請が必要であると判定する。そのため、操作者の包括申請の状況に応じた、ドローンを飛行させるために必要な申請について、的確に把握することが可能になる。これにより、ドローンのような移動体を飛行させるための法規制による各種申請を、操作者の包括申請の状況に応じて支援することが可能になる。
【0024】
この発明に係る飛行申請支援装置によれば、飛行計画に基づき、移動体を飛行させるために必要な連絡先を判定し、その連絡先を提示する。このとき、移動体を飛行させるために必要な連絡先の一覧情報を記憶し、この一覧情報に基づき、移動体を飛行させるために必要な連絡先を判定する。さらに、連絡先に対する連絡が完了していない場合、一定期間ごとにリマインド通知する。そのため、ドローンのような移動体を飛行させるために必要な関係各所への連絡について把握することが可能になる。これにより、ドローンのような移動体を飛行させるために関係各所へ連絡する手続を支援することが可能になる。
【0025】
この発明に係る飛行申請支援装置によれば、連絡先の一覧情報を更新可能に記憶し、移動体を飛行させるために必要な連絡先の更新情報を受け付ける。このとき、連絡先の更新情報を、受け付けたユーザに紐づけて記憶し、ユーザごとに紐づけられた連絡先を判定する。そのため、ドローンのような移動体を飛行させるために必要な関係各所への連絡について、ユーザごとに異なる情報を把握することが可能になる。これにより、ドローンのような移動体を飛行させるために関係各所へ連絡する手続を、ユーザの各種情報に応じて支援することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施の形態に係る飛行申請支援装置による飛行計画の例を示す模式図である。
【
図2】実施の形態1に係る飛行申請支援システム1を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図2の申請方法データベース122に格納されている申請方法情報の例を示すマトリクスである。
【
図4】
図2の端末装置200を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図2の飛行申請支援システム1による飛行申請支援処理を示すフローチャートである。
【
図6】
図3の表示部220に表示される申請方法の提示の画面例を示す図である。
【
図7】
図3の表示部220に表示される申請方法の提示の画面例を示す図である。
【
図8】
図3の表示部220に表示される連絡先の一覧の画面例を示す図である。
【
図9】実施の形態2に係るコンピュータ700を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。以下の説明では、同一の構成には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0028】
(全体の概要)
実施の形態に係る飛行申請支援システムは、ドローンのように飛行して移動可能な移動体を飛行させるための法規制による、各種申請、関係各所への連絡等を支援するシステムである。以下、飛行申請支援システムによる各種申請、関係各所への連絡の対象である移動体として、ドローンを例として説明する。
【0029】
本実施の形態で説明するドローンは、人が搭乗することなく飛行する小型の無人航空機体であり、遠隔操作により飛行する移動体である。一般的に、ドローンは静止して飛行状態を維持することが可能になるように複数のプロペラを備えており、カメラを搭載することにより上空から撮影することが可能な構成となっている。また、ドローンは、上空からの撮影以外にも農業における農薬散布、インフラ設備の点検、荷物の配送等、各種の用途に利用されており、近年、ドローンの運行件数は増加傾向にある。
【0030】
一方、ドローンを飛行させるためには、管轄官庁による法規制が整備されており、管轄官庁では、例えば、各種の法規制により飛行を規制する空域を設け、申請により許可を受けた場合にのみドローンの飛行を可能としている。管轄官庁の法規制として、例えば、国土交通省では、航空法により、無人航空機(ドローン)の飛行禁止区域(空域)及び禁止されている飛行方法が、以下のように規定されている。
<飛行禁止区域>
・空港等の周辺の上空の空域
・緊急用務空域
・150m以上の高さの空域
・人口集中地区の上空
<禁止されている飛行方法>
・飲酒時の飛行
・危険な飛行
・夜間飛行
・目視外飛行
・距離の確保(30m未満)
・催し場所での飛行
・危険物輸送
・物件投下
航空法では、ドローンを飛行禁止区域(空域)で飛行させるためには飛行許可申請が必要であり、禁止されている飛行方法で飛行させるためには飛行承認申請が必要であり、それぞれ許可が必要である、と規定されている。
【0031】
また、管轄官庁の法規制として、例えば、警察庁では、小型無人機等飛行禁止法により、小型無人機(ドローン)の飛行禁止の対象施設が、以下のように規定されている。
・国の重要な施設等
・外国公館等
・防衛関係施設
・空港
・原子力事業所
小型無人機等飛行禁止法では、ドローンを飛行禁止の例外として上記施設の上空及びその周囲おおむね300mの周辺地域で飛行させる場合、都道府県公安委員会等への通報が必要、と規定されている。
【0032】
また、上記以外にも、民法、道路交通法、条例(東京都市公園条例、等)の法規制もあり、ドローンを飛行させるための法規制は複雑であり、これらの法規制に従って各種申請をするのは、非常に煩雑となっている。
【0033】
図1は、本発明に係る実施の形態である、飛行申請支援装置による飛行計画の例を示す模式図である。
【0034】
例えば、
図1に示す地
図MP1上における、飛行ポイントP1,P2,P3でドローンを飛行させる場合について説明する。ここで、地
図MP1上における一定の地域を示すエリアA1,A2は、上記のようなドローンの飛行についての規制が設けられている空域であるとする。
【0035】
飛行ポイントP1,P3でドローンを飛行させる場合、エリアA1,A2とは重ならないため、上記の規制に該当するような飛行(例えば、150m以上の高さの空域で飛行させる場合)をしなければ、各種の飛行承認申請は必要ないことになる。しかし、飛行ポイントP2でドローンを飛行させる場合、エリアA1と重なるため、各種の飛行承認申請が必要となる。
【0036】
さらに、国土交通省に対する飛行承認申請には、包括申請と個別申請とがある。包括申請とは、一定の期間(最長で1年間)におけるドローンの飛行の許可を申請するものであり、個別申請とは、ドローンの飛行ごとに許可を申請するものである。包括申請は、特定のドローンの操作者について、反復して飛行を行う場合かつ継続的に飛行を行う場合に申請するものであるため、上記の規制に該当するような飛行をさせる場合であっても、すでに包括申請による許可を得ている者は、その許可の範囲内での飛行であれば再度申請する必要はないが、範囲外であれば包括申請または個別申請をする必要がある。また、包括申請の許可の期間が経過した場合には再度申請をする必要がある。そのため、各種申請を行い、許可の状況を管理するのは、非常に煩雑となっている。
【0037】
本実施の形態では、飛行計画に応じて包括申請が可能かまたは個別申請が必要かを判定することで、ドローンのような移動体を飛行させるための法規制による各種申請を支援している。
【0038】
(実施の形態1)
<構成>
図2は、実施の形態1に係る飛行申請支援システム1を示す機能ブロック図である。飛行申請支援システム1は、例えば、クラウドサーバ等によりWebサービスとして、いわゆるSaaS(Software as a Service)によって提供されるシステムである。
【0039】
飛行申請支援システム1は、サーバ装置(飛行申請支援装置)100と、複数の端末装置(
図2では、端末装置201及び端末装置202を示している。以下、総称して「端末装置200」ということもある)と、ネットワークNWとを有している。サーバ装置100と、端末装置200とは、ネットワークNWを介して相互に接続される。ネットワークNWは、通信を行うための有線または無線の通信網であり、インターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、ワイヤレスLAN(Wireless LAN:WLAN)、ワイヤレスWAN(Wireless WAN:WWAN)、仮想プライベートネットワーク(Virtual Private Network:VPN)、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等を含む通信網により構成されている。
【0040】
サーバ装置100は、ドローンの飛行が禁止されている禁止空域情報と、ドローンを飛行させる条件に応じた申請方法を示す申請方法情報とを記憶する。また、サーバ装置100は、ドローンを飛行させる飛行計画に関する飛行計画情報を受け付け、禁止空域情報と申請方法情報とに基づき、当該飛行計画情報について、申請方法を判定して提示する。さらに、サーバ装置100は、飛行計画情報に基づき、ドローンを飛行させるために必要な連絡先を判定して提示する。さらには、連絡先への連絡が完了したかどうかのリマインド通知を行う。このサーバ装置100は、ネットワークNWに接続されたコンピュータであり、各種Webサービスを提供するコンピュータ(デスクトップ、ラップトップ、タブレット等)や、サーバ装置等により構成されている。なお、サーバ装置は単体で動作するサーバ装置に限られず、ネットワークNWを介して通信を行うことで協調動作する分散型サーバシステムや、クラウドサーバでもよい。
【0041】
端末装置200は、サーバ装置100から送信された申請方法、連絡先をユーザに提示する装置であり、コンピュータ(デスクトップ、ラップトップ、タブレット等)、スマートフォン、携帯端末等により構成されている。端末装置200は、ネットワークNWを介してサーバ装置100と通信可能に接続される。端末装置200は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ等の通信機器、あるいは有線LAN等の有線通信回線を介して通信することにより、ネットワークNWに接続される。この端末装置200には、例えば、飛行申請支援システム1のサービスの提供を受けるためのアプリケーションソフトがインストールされ、またはサーバ装置100にアクセスするためのURL等が設定され、それらをダブルクリックまたはタップ等して起動することにより、サービスが開始される。
【0042】
サーバ装置100は、その機能構成として、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
図2に示すように、通信部110、記憶部120、及び制御部130の各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0043】
通信部110は、ネットワークNWを介して端末装置200と有線または無線で通信を行うための通信インタフェースであり、互いの通信が実行出来るのであればどのような通信プロトコルを用いてもよい。この通信部110は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信プロトコルにより通信が行われる。
【0044】
記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラムや入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含むメモリや、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等を含むストレージから構成される。また、記憶部120は、禁止空域データベース121と、申請方法データベース122と、飛行計画データベース123と、連絡先データベース124とを記憶する。さらに、記憶部120は、端末装置200との間で通信を行った際のデータや、後述する各処理にて生成されたデータを一時的に記憶する。
【0045】
禁止空域データベース121には、各種の法規制により飛行が規制されている空域の情報が格納されている。飛行が規制されている空域の情報とは、例えば、飛行禁止区域(空域)、飛行禁止の対象施設に該当する地域の住所情報または緯度及び経度の情報、及び飛行禁止の範囲を示す情報が含まれる。禁止空域データベース121には、例えば、地図上に飛行禁止の空域に該当する区域を表示できるように、住所情報または緯度及び経度の情報が格納されている。
【0046】
申請方法データベース122には、飛行禁止区域(空域)で飛行させる場合に必要な申請が、包括申請が可能かまたは個別申請が必要かを示す情報が格納されている。申請方法データベース122には、例えば、夜間飛行、目視外飛行等の規制対象となる方法等に該当する飛行をさせる場合に、包括申請が可能か、または個別申請が必要かを示す情報が格納されている。
【0047】
図3は、
図2の申請方法データベース122に格納されている申請方法情報の例を示すマトリクスである。
【0048】
図3に示すように、申請方法データベース122には、飛行禁止に該当する飛行方法を示す縦軸のセルS10~S60に対して,包括申請が可能であるか、または個別申請が必要であるかを示す情報が、横軸のセルS01,S02,S03,・・・に示すパターンごとに格納されている。例えば、縦軸のセルS20に示す催し物の上空での飛行をする場合、包括申請の可否を示すセルS12には、不可であることを示す「×」が格納されているため包括申請は不可であり、個別申請の可否を示すセルS22には、可能であることを示す「○」が格納されているため個別申請は可能であることを示している。また、縦軸のセルS40に示す目視外飛行をする場合、包括申請の可否を示すセルS14には、可能であることを示す「◎」が格納されているため包括申請が可能であり、個別申請の可否を示すセルS44には、可能であることを示す「○」が格納されているため個別申請も可能であることを示している。
【0049】
飛行計画データベース123には、ドローンを飛行させる日時及び場所を示す飛行計画情報が格納されている。飛行計画情報とは、具体的には、ドローンを飛行させる日程、ドローンを飛行させる場所を示す飛行ポイントの情報、飛行目的を示す情報、飛行方法を示す情報が含まれる。
【0050】
連絡先データベース124には、ドローンを飛行させるために必要な連絡先の情報が格納されている。連絡先の情報とは、具体的には、ドローンを飛行させる場所を管轄する空港事務所または地方航空局、警察署等の連絡先を示す情報であり、その地域ごとに一覧情報として格納されている。
【0051】
連絡先データベース124には、ユーザによらずに必要な連絡先の情報を、マスタデータとして格納してもよく、ユーザがドローンの飛行の際に更新した、当該飛行の際に必要となった連絡先の情報を格納してもよく、不要だった連絡先の情報を格納してもよい。ユーザが更新した連絡先の情報は、当該ユーザのみが参照可能としてもよく、ユーザの所属(企業)等に応じて当該所属の者のみが参照可能としてもよく、すべてのユーザが参照可能としてもよい。
【0052】
なお、禁止空域データベース121、申請方法データベース122、飛行計画データベース123、及び連絡先データベース124にそれぞれ格納される各要素は、物理的に同一のデータベースに格納される必要はなく、飛行禁止空域情報、申請方法情報、飛行計画情報、及び連絡先情報がそれぞれ固有の識別情報によって識別され、各要素がそれぞれ識別情報に紐づけて格納されていればよい。
【0053】
制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、サーバ装置100の全体の動作を制御するものである。制御部130の機能として、飛行計画受付部131と、申請方法判定部132と、申請方法提示部133と、連絡先判定部134と、連絡先提示部135と、連絡先更新受付部136と、リマインド通知部137とを備えている。この飛行計画受付部131、申請方法判定部132、申請方法提示部133、連絡先判定部134、連絡先提示部135、連絡先更新受付部136、及びリマインド通知部137は、記憶部120に記憶されているプログラムにより起動されてサーバ装置100にて実行される。
【0054】
飛行計画受付部131は、ドローンを飛行させる飛行計画に関する飛行計画情報を受け付ける処理を制御する。飛行計画受付部131は、例えば、飛行計画情報として、ドローンを飛行させる日程、ドローンを飛行させる場所を示す飛行ポイント(飛行空域)の情報、飛行目的を示す情報、飛行方法を示す情報を、ユーザ(ドローンを飛行させる操作者本人でもよく、他の者でもよい)から受け付ける。飛行ポイント(飛行空域)は、当該空域の住所情報または緯度及び経度の情報でもよく、例えば、ユーザが端末装置200に表示された地図情報から選択した飛行ポイントについて、地図情報から住所情報または緯度及び経度の情報を取得したものであってもよい。
【0055】
飛行計画受付部131は、取得した飛行計画情報を、飛行計画データベース123に格納する。
【0056】
申請方法判定部132は、禁止空域データベース121に格納されている禁止空域情報と、申請方法データベース122に格納されている申請方法情報とに基づき、飛行計画受付部131で受け付けた飛行計画情報について、申請方法を判定する処理を制御する。このとき、申請方法判定部132は、申請方法について、一定の期間(例えば、1年間)におけるドローンの飛行の許可を申請する包括申請、及びドローンの飛行ごとに許可を申請する個別申請、を含む申請方法を判定する。
【0057】
申請方法判定部132は、具体的には、飛行計画受付部131で受け付けた飛行計画情報に含まれる飛行空域の情報から、禁止空域データベース121に格納されている禁止空域情報に該当する空域であるか否かを判定する。次に、申請方法判定部132は、空域の判定結果と、飛行計画情報に含まれる飛行目的、飛行方法の情報から、申請方法データベース122に格納されている規制対象となる空域、目的、方法等に該当するか否かを判定する。このとき、申請方法判定部132は、
図3に示すように縦軸のセルS10~S60に該当するかを判定し、横軸のセルS01,S02,S03,・・・のパターンに該当するかを判定する。そして、申請方法判定部132は、包括申請が必要(可能)か、または個別申請が必要かを判定する。
【0058】
また、申請方法判定部132は、ドローンを飛行させる操作者が包括申請による許可を受けているかを、ユーザの登録情報(図示は省略する)から判定する。当該操作者が包括申請による許可を受けている場合、飛行計画情報に含まれる空域、日程、飛行目的、飛行方法の情報から、包括申請による許可の範囲内であるか、具体的には包括申請の許可の期限内であるか、包括申請の飛行目的、飛行方法に含まれるか、等を判定し、範囲内である場合は包括申請が不要であると判定する。範囲外の場合は、申請方法データベース122に格納されている内容から、包括申請が必要(可能)か、または個別申請が必要かを判定する。
【0059】
申請方法提示部133は、申請方法判定部132で判定した申請方法をユーザへ提示する処理を制御する。申請方法提示部133は、例えば、飛行計画受付部131で受け付けた飛行計画情報について、包括申請が必要(可能)か、または個別申請が必要かを示す情報を端末装置200へ送信し、ユーザに提示する。
【0060】
申請方法提示部133は、申請方法判定部132で判定した申請方法とともに、受け付けた飛行空域の情報を提示してもよく、飛行空域の近傍における禁止空域情報を提示してもよい。このとき、申請方法提示部133は、飛行空域の情報を端末装置200へ送信し、端末装置200上で地図情報に飛行空域の情報を表示してもよい。さらに、飛行空域の近傍に飛行禁止空域がある場合、地図情報に飛行禁止空域の情報を表示してもよい。
【0061】
連絡先判定部134は、飛行計画受付部131で受け付けた飛行計画情報に基づき、ドローンを飛行させるために必要な連絡先を判定する処理を制御する。連絡先判定部134は、例えば、受け付けた飛行計画情報に含まれる飛行ポイント(飛行空域)の情報から、連絡先データベース124に格納されている所管の連絡先を一覧情報として読込み、連絡先を判定する。
【0062】
連絡先判定部134は、連絡先データベース124に格納されている、ユーザによらずに必要な連絡先の情報(マスタデータ)を読込んで連絡先を判定してもよい。また、連絡先判定部134は、ユーザがドローンの飛行の際に、後述する連絡先更新受付部136により更新した、当該ユーザまたは当該ユーザの所属等に紐づけられた連絡先の情報を読込んで連絡先を判定してもよい。
【0063】
連絡先判定部134は、判定した連絡先の情報を、飛行計画データベース123に格納する。
【0064】
連絡先提示部135は、連絡先判定部134が判定した連絡先を提示する処理を制御する。連絡先提示部135は、例えば、連絡先判定部134が判定した連絡先の情報を端末装置200へ送信し、ユーザに提示する。
【0065】
連絡先提示部135は、連絡先判定部134が判定した連絡先とともに、受け付けた飛行空域の情報を提示してもよい。このとき、連絡先提示部135は、飛行空域の情報を端末装置200へ送信し、端末装置200上で地図情報に飛行空域の情報を表示してもよい。さらに、飛行空域の近傍に飛行禁止空域がある場合、地図情報に飛行禁止空域の情報を表示してもよい。
【0066】
連絡先更新受付部136は、ドローンを飛行させるために必要な連絡先の更新情報を受け付ける処理を制御する。連絡先更新受付部136は、例えば、ユーザ(操作者)がドローンの飛行の際、当該飛行の際に必要となった連絡先、または不要だった連絡先の情報を、ユーザから受け付ける。これは、例えば連絡先データベース124には登録されていなかった連絡先が、実際には地権者として連絡する必要があった場合や、連絡先データベース124に登録されていた連絡先が、実際には連絡する必要がなかった場合があるためである。さらに、このような連絡先は、ユーザに依存する場合もあり、地権者としての連絡先が、ユーザによっては連絡不要となる場合もある。そのため、このような場合に対応するため、ユーザから連絡先の更新情報を受け付ける構成となっている。
【0067】
連絡先更新受付部136は、受け付けた連絡先の更新情報を、連絡先データベース124に格納する。
【0068】
リマインド通知部137は、飛行計画データベース123に格納された飛行計画に係る連絡先に対する連絡が完了していない場合、一定期間ごと(例えば、毎日)にリマインド通知する処理を制御する。リマインド通知部137は、例えば、連絡先に対する連絡が完了していない場合、ユーザに対してメール送信してリマインド通知を行ってもよく、端末装置200上にポップアップ画面等で表示させることでリマインド通知を行ってもよい。リマインド通知は、飛行当日までの日数に応じて頻度や方法を変えてもよく、例えば、飛行当日が近づくにつれてリマインド表示の色やメッセージ内容を変えてもよい。
【0069】
また、リマインド通知部137は、ユーザが連絡済である旨を登録する(当該構成の図示は省略する)ことにより、連絡先に対する連絡が完了している場合は、リマインド通知を行わない。
【0070】
図4は、
図2の端末装置200を示す機能ブロック構成図である。端末装置200は、その機能構成として、通信部210と、表示部220と、操作部230と、記憶部240と、制御部250とを備える。
図4に示すように、通信部210、表示部220、操作部230、記憶部240、及び制御部250の各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0071】
通信部210は、ネットワークNWを介してサーバ装置100と有線または無線で通信を行うための通信インタフェースであり、互いの通信が実行できるのであればどのような通信プロトコルを用いてもよい。この通信部210は、TCP/IPやUSB規格等の通信プロトコルにより通信が行われる。
【0072】
また、通信部210は、サーバ装置100から送信された、申請方法の情報、飛行空域の情報、連絡先の情報を受信する。さらに、通信部210は、操作部230を介してユーザから入力された飛行計画をサーバ100へ送信する。
【0073】
表示部220は、ユーザから入力された操作内容や、サーバ装置100からの送信内容を表示するために用いられるユーザインタフェースであり、液晶ディスプレイ等から構成される。
【0074】
また、表示部220は、通信部210が受信した申請方法の情報、飛行空域の情報、連絡先の情報を表示し、ユーザに提示する。
【0075】
操作部230は、ユーザが操作指示を入力するために用いられるユーザインタフェースであり、キーボードやマウス、タッチパネル等から構成される。操作部230では、サーバ装置100へ送信するユーザ情報や、その他の端末装置200の操作情報が入力される。
【0076】
また、操作部230は、ユーザから、表示部220に表示されている連絡先の情報について、更新する入力操作が行われると、その操作によって入力情報を受け付ける。この更新情報は、通信部210を介してサーバ装置100へ送信される。
【0077】
記憶部240は、各種制御処理や制御部250内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM、ROM等を含むメモリや、HDD、SSD、フラッシュメモリ等を含むストレージから構成される。また、記憶部240は、サーバ装置100と通信を行ったデータを一時的に記憶する。
【0078】
制御部250は、記憶部240に記憶されているプログラムを実行することにより、端末装置200の全体の動作を制御するものである。
【0079】
<処理の流れ>
図5を参照しながら、飛行申請支援システム1が実行する、飛行情報提示処理(飛行情報提示方法)の流れの一例について説明する。
図5は、
図2の飛行申請支援システム1による飛行申請支援処理を示すフローチャートである。
【0080】
ステップS101の処理として、サーバ装置100の飛行計画受付部131では、飛行計画情報として、例えば、ドローンを飛行させる日程、ドローンを飛行させる場所を示す飛行ポイント(飛行空域)の情報、飛行目的を示す情報、飛行方法を示す情報を、端末装置200を介してユーザ(ドローンを飛行させる操作者本人でもよく、他の者でもよい)から受け付ける。
【0081】
ステップS102の処理として、サーバ装置100の申請方法判定部132では、禁止空域データベース121に格納されている禁止空域情報と、申請方法データベース122に格納されている申請方法情報とに基づき、ステップS101で受け付けた飛行計画情報について、申請方法を判定する。このとき、申請方法判定部132では、申請方法について、一定の期間(例えば、1年間)におけるドローンの飛行の許可を申請する包括申請、及びドローンの飛行ごとに許可を申請する個別申請、を含む申請方法を判定する。
【0082】
ステップS103の処理として、サーバ装置100の申請方法提示部133では、ステップS102で判定した申請方法を示す情報を、通信部110を介して端末装置200へ送信し、ユーザに提示する。
【0083】
ステップS104の処理として、サーバ装置100の連絡先判定部134では、ステップS101で受け付けた飛行計画情報に基づき、ドローンを飛行させるために必要な連絡先を判定する。連絡先判定部134では、例えば、受け付けた飛行計画情報に含まれる飛行ポイント(飛行空域)の情報から、連絡先データベース124に格納されている所管の連絡先を一覧情報として読込み、必要な連絡先を判定する。
【0084】
ステップS105の処理として、サーバ装置100の連絡先提示部135では、ステップS104で判定した連絡先の情報を、通信部110を介して端末装置200へ送信し、ユーザに提示する。
【0085】
ステップS106の処理として、サーバ装置100の連絡先更新受付部136では、ステップS105で提示した連絡先の情報について、ドローンを飛行させるために必要な連絡先の更新情報を受け付ける。連絡先更新受付部136では、例えば、ユーザ(操作者)がドローンの飛行の際、当該飛行の際に必要となった連絡先、または不要だった連絡先の情報を、端末装置200を介してユーザから受け付ける。
【0086】
ステップS107の処理として、サーバ装置100のリマインド通知部137では、飛行計画データベース123に格納された飛行計画に係る連絡先に対する連絡が完了していない場合、一定期間ごと(例えば、毎日)にリマインド通知する。
【0087】
<画面例>
図6ないし
図8を参照しながら、飛行申請支援システム1による申請方法の提示及び連絡先の一覧提示の画面例について説明する。
図6は、
図3の表示部220に表示される申請方法の提示の画面例を示す図である。
図6の画面例は、サーバ装置100の申請方法提示部133によって送信された申請方法が、端末装置200の表示部220に表示された状態の画面の例を示す。
図5のステップS103に相当する。
【0088】
図6に示すように、端末装置200の表示部220には、サーバ装置100から送信された申請方法の情報と、飛行空域の情報とが、飛行計画の情報として表示されている。表示部220には、飛行計画の情報として、飛行計画表示欄221が表示されている。飛行計画表示欄221には、飛行計画情報に含まれる飛行目的、禁止空域、飛行方法の情報を示す飛行ポイント表示欄2211と、申請方法の情報を示す飛行許可申請表示欄2212と、飛行空域の地図情報を示す飛行空域表示欄2213とが設けられている。
【0089】
図6に示す飛行空域表示欄2213には、飛行計画でドローンを飛行させる空域を示すエリアA3が表示されている。この空域は、ユーザが飛行計画で設定したものである。当該空域にてドローンを飛ばすためにユーザが設定した飛行目的、飛行方法の情報と、当該空域の近傍等における禁止空域が、飛行ポイント表示欄2211に表示されている。そして、これらの情報に基づき、申請方法判定部132が判定した申請方法の情報が、飛行許可申請表示欄2212に表示されている。
図6に示す飛行許可申請表示欄2212には、包括申請が可能であり、包括申請を行っている場合には個別申請が不要である旨の判定結果が表示されている。
【0090】
図7は、
図3の表示部220に表示される申請方法の提示の画面例を示す図である。
図7の画面例は、
図6の画面例と同様に、サーバ装置100の申請方法提示部133によって送信された申請方法が、端末装置200の表示部220に表示された状態の画面の例を示す。
図5のステップS103に相当する。
【0091】
図7に示すように、端末装置200の表示部220には、サーバ装置100から送信された申請方法の情報と、飛行空域の情報とが、飛行計画の情報として表示されている。表示部220には、飛行計画の情報として、飛行計画表示欄222が表示されている。飛行計画表示欄222には、飛行計画情報に含まれる飛行目的、禁止空域、飛行方法の情報を示す飛行ポイント表示欄2221と、申請方法の情報を示す飛行許可申請表示欄2222と、飛行空域の地図情報を示す飛行空域表示欄2223とが設けられている。
【0092】
図7に示す飛行空域表示欄2223には、飛行計画でドローンを飛行させる空域を示すエリアA4が表示されている。この空域は、ユーザが飛行計画で設定したものである。当該空域にてドローンを飛ばすためにユーザが設定した飛行目的、飛行方法の情報と、当該空域の近傍等における禁止空域が、飛行ポイント表示欄2221に表示されている。そして、これらの情報に基づき、申請方法判定部132が判定した申請方法の情報が、飛行許可申請表示欄2222に表示されている。
図7に示す飛行許可申請表示欄2222には、包括申請または個別申請が必要である旨の判定結果が表示されている。
【0093】
図8は、
図3の表示部220に表示される連絡先の一覧の画面例を示す図である。
図8の画面例は、サーバ装置100の連絡先提示部135によって送信された連絡先の情報が、端末装置200の表示部220に表示された状態の画面の例を示す。
図5のステップS105に相当する。
【0094】
図8に示すように、端末装置200の表示部220には、サーバ装置100から送信された連絡先の情報と、飛行空域の情報とが、飛行計画の情報として表示されている。表示部220には、飛行計画の情報として、飛行計画表示欄223が表示されている。飛行計画表示欄223には、申請方法の情報を示す飛行許可申請表示欄2231と、連絡先の情報を示す連絡先表示欄2232と、飛行空域の地図情報を示す飛行空域表示欄2234とが設けられている。また、連絡先表示欄2232には、連絡先ごとにその連絡先を選択するラジオボタン2233が設けられている。
【0095】
図8に示す飛行空域表示欄2234には、飛行計画でドローンを飛行させる空域を示すエリアA5が表示されている。この空域は、ユーザが飛行計画で設定したものである。当該空域にてドローンを飛ばすために必要な所管の連絡先として、連絡先判定部134が判定した連絡先の一覧が、連絡先表示欄2232に表示されている。そして、連絡先表示欄2232に表示されている連絡先について、連絡完了している旨の入力をする場合、ラジオボタン2233で選択することにより入力可能に構成されている。
【0096】
<効果>
実施の形態1に係る飛行申請支援システム1によれば、サーバ装置100は、禁止空域情報と、申請方法情報とを記憶し、これらの情報に基づき、ユーザから受け付けた飛行計画情報について、ドローンの飛行に関する申請方法を、一定の期間におけるドローンの飛行の許可を申請する包括申請が可能か、ドローンの飛行ごとに許可を申請する個別申請が必要か判定する。そのため、ドローンを飛行させるために必要な申請について、的確に把握することが可能になる。これにより、ドローンのような移動体を飛行させるための法規制による各種申請を支援することが可能になる。
【0097】
また、サーバ装置100は、飛行目的の情報と飛行方法の情報とを受け付け、これらの情報に基づき、受け付けた飛行計画情報について、ドローンの飛行に関する申請方法を判定する。これにより、飛行目的及び飛行方法に応じた、ドローンを飛行させるために必要な申請について、的確に把握することが可能になる。
【0098】
さらに、サーバ装置100は、飛行計画に基づき、ドローンを飛行させるために必要な連絡先を判定し、その連絡先を提示する。このとき、ドローンを飛行させるために必要な連絡先の一覧情報を記憶し、この一覧情報に基づき、ドローンを飛行させるために必要な連絡先を判定する。さらに、連絡先に対する連絡が完了していない場合、一定期間ごとにリマインド通知する。そのため、ドローンを飛行させるために必要な関係各所への連絡について把握することが可能になる。これにより、ドローンのような移動体を飛行させるために関係各所へ連絡する手続を支援することが可能になる。
【0099】
(実施の形態2(プログラム))
図9は、実施の形態2に係るコンピュータ(電子計算機)700の構成の例を示す機能ブロック構成図である。コンピュータ700は、制御装置701、主記憶装置702、補助記憶装置703、インタフェース704を備える。
【0100】
ここで、実施の形態1に係る飛行計画受付部131と、申請方法判定部132と、申請方法提示部133と、連絡先判定部134と、連絡先提示部135と、連絡先更新受付部136と、リマインド通知部137とを構成する各機能を実現するためのプログラムの詳細について説明する。これらの機能ブロックは、コンピュータ700に実装される。そして、これらの各構成要素の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置703に記憶されている。制御装置701は、プログラムを補助記憶装置703から読み出して主記憶装置702に展開し、当該プログラムに従って上述の処理を実行する。また、制御装置701は、プログラムに従って、上述した記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置702に確保する。
【0101】
当該プログラムは、具体的には、コンピュータ700において、移動体を飛行させる飛行計画に関する飛行計画情報を受け付ける飛行計画受付ステップと、禁止空域情報と、申請方法情報とに基づき、受け付けた飛行計画情報について、申請方法を判定する申請方法判定ステップと、判定した申請方法を提示する申請方法提示ステップと、をコンピュータによって実現するプログラムである。
【0102】
制御装置701は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。制御装置701は、少なくとも1以上のプロセッサにより構成され、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサであるが、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、プロセッサコア(Processor core)、マルチプロセッサ(Multiprocessor)を含む他種のプロセッサでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。また、少なくとも1つのプロセッサは、処理の一部又は全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサでもよい。
【0103】
主記憶装置702は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等のメモリである。主記憶装置702は、1以上のメモリであり、典型的には主記憶デバイスにより構成されてよく、少なくとも1つのメモリは、揮発性メモリであってもよいし不揮発性メモリであってもよい。
【0104】
補助記憶装置703は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インタフェース704を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムがネットワークを介してコンピュータ700に配信される場合、配信を受けたコンピュータ700が当該プログラムを主記憶装置702に展開し、上述の処理を実行してもよい。
【0105】
また、当該プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、上述した機能を補助記憶装置703に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0106】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上述の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。
【符号の説明】
【0107】
1 :飛行申請支援システム
100 :サーバ装置
110 :通信部
120 :記憶部
121 :禁止空域データベース
122 :申請方法データベース
123 :飛行計画データベース
124 :連絡先データベース
130 :制御部
131 :飛行計画受付部
132 :申請方法判定部
133 :申請方法提示部
134 :連絡先判定部
135 :連絡先提示部
136 :連絡先更新受付部
137 :リマインド通知部
200 :端末装置
201 :端末装置
202 :端末装置
210 :通信部
220 :表示部
230 :操作部
240 :記憶部
250 :制御部
700 :コンピュータ
701 :制御装置
702 :主記憶装置
703 :補助記憶装置
704 :インタフェース