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  • 特開-荷役用台船および荷役方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168049
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】荷役用台船および荷役方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 27/14 20060101AFI20241128BHJP
   B65G 7/02 20060101ALI20241128BHJP
   B65G 7/04 20060101ALI20241128BHJP
   B65G 67/60 20060101ALI20241128BHJP
   B63B 35/00 20200101ALI20241128BHJP
【FI】
B63B27/14 101Z
B65G7/02 B
B65G7/04 B
B65G67/60 A
B63B35/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084442
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 泰希
(72)【発明者】
【氏名】別所 友宏
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 和雄
(72)【発明者】
【氏名】小池 雅也
(72)【発明者】
【氏名】プラダハン マノ
(72)【発明者】
【氏名】服部 慶太
(72)【発明者】
【氏名】浅香 貴俊
(72)【発明者】
【氏名】山本 武典
【テーマコード(参考)】
3F077
【Fターム(参考)】
3F077AA10
3F077BA01
3F077CA10
3F077EA04
3F077EA28
(57)【要約】
【課題】空頭制限下においてもクレーンを使用せずに荷役することができる荷役用台船および荷役方法を提供する。
【解決手段】台船本体12と、前記台船本体12の上の前方側に設けられる架台14と、前記架台14に対して昇降可能に設けられ、前記台船本体12から水平方向前方に張り出された張出部20と、前記張出部20を昇降する昇降機構16と、前記張出部20の上の荷物を横引きして前後方向に移送する移送機構22とを備えるようにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台船本体と、前記台船本体の上の前方側に設けられる架台と、前記架台に対して昇降可能に設けられ、前記台船本体から水平方向前方に張り出された張出部と、前記張出部を昇降する昇降機構と、前記張出部の上の荷物を横引きして前後方向に移送する移送機構とを備えることを特徴とする荷役用台船。
【請求項2】
前記昇降機構は、前記架台に対して昇降可能に設けられた基部を昇降するものであり、前記張出部は、前記基部に対して揺動可能かつ着脱可能にピン結合していることを特徴とする請求項1に記載の荷役用台船。
【請求項3】
前記台船本体の上の後方側に設けられるストックヤードを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の荷役用台船。
【請求項4】
請求項1または2に記載の荷役用台船を用いて、荷物置き場の荷物を荷取りする方法であって、
前記荷物置き場に前記張出部の前方側を配置した後、前記張出部の上に荷物を仮置きするステップと、前記移送機構により、前記張出部の上の荷物を横引きして前記台船本体の上の後方側に移送するステップとを有することを特徴とする荷役方法。
【請求項5】
請求項3に記載の荷役用台船を用いて、前記ストックヤードの荷物を荷揚げする方法であって、
前記荷物置き場に前記張出部の前方側を配置するステップと、その後、前記移送機構により、前記ストックヤードの荷物を横引きして前記張出部の前方側に移送するステップとを有することを特徴とする荷役方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷役用台船および荷役方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、護岸や構台から重量資材を荷取りまたは荷揚げし、台船を用いて水上輸送する作業は、海洋土木工事のみならず製造業、その他産業において広く行われている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-11893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、荷役する作業環境下において、例えば供用中の臨港道路が存在することで空頭制限を受けるケースは多く、この場合、クレーンを用いた資材の荷取りが困難となる。例えば、図4に示すように、護岸1の上方に供用中の臨港道路等2が存在するような作業環境下で、護岸1にある重量資材等3を台船4上のクローラクレーン5で荷取りする場合、作業半径Rが大きくなり、必要揚重能力を確保できない。また、桁下高さHまでブーム6を下さなければならない。
【0005】
このことからクレーンを用いた資材の荷役を行う場合、別途、空頭制限がないヤードを探して手配しなければならず、作業全体の生産性を低下させるおそれがある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、空頭制限下においてもクレーンを使用せずに荷役することができる荷役用台船および荷役方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る荷役用台船は、台船本体と、前記台船本体の上の前方側に設けられる架台と、前記架台に対して昇降可能に設けられ、前記台船本体から水平方向前方に張り出された張出部と、前記張出部を昇降する昇降機構と、前記張出部の上の荷物を横引きして前後方向に移送する移送機構とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る他の荷役用台船は、上述した発明において、前記昇降機構は、前記架台に対して昇降可能に設けられた基部を昇降するものであり、前記張出部は、前記基部に対して揺動可能かつ着脱可能にピン結合していることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る他の荷役用台船は、上述した発明において、前記台船本体の上の後方側に設けられるストックヤードを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る荷役方法は、上述した荷役用台船を用いて、荷物置き場の荷物を荷取りする方法であって、前記荷物置き場に前記張出部の前方側を配置した後、前記張出部の上に荷物を仮置きするステップと、前記移送機構により、前記張出部の上の荷物を横引きして前記台船本体の上の後方側に移送するステップとを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る他の荷役方法は、上述した荷役用台船を用いて、前記ストックヤードの荷物を荷揚げする方法であって、前記荷物置き場に前記張出部の前方側を配置するステップと、その後、前記移送機構により、前記ストックヤードの荷物を横引きして前記張出部の前方側に移送するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る荷役用台船によれば、台船本体と、前記台船本体の上の前方側に設けられる架台と、前記架台に対して昇降可能に設けられ、前記台船本体から水平方向前方に張り出された張出部と、前記張出部を昇降する昇降機構と、前記張出部の上の荷物を横引きして前後方向に移送する移送機構とを備えるので、空頭制限下においてもクレーンを使用せずに荷役することができるという効果を奏する。
【0013】
また、本発明に係る他の荷役用台船によれば、前記昇降機構は、前記架台に対して昇降可能に設けられた基部を昇降するものであり、前記張出部は、前記基部に対して揺動可能かつ着脱可能にピン結合しているので、荷役中に発生する台船本体の細かな揺動の影響を軽減することができるという効果を奏する。
【0014】
また、本発明に係る他の荷役用台船によれば、前記台船本体の上の後方側に設けられるストックヤードを備えるので、ストックヤードの面積分だけ複数の荷物を積み込むことができるという効果を奏する。
【0015】
また、本発明に係る荷役方法によれば、上述した荷役用台船を用いて、荷物置き場の荷物を荷取りする方法であって、前記荷物置き場に前記張出部の前方側を配置した後、前記張出部の上に荷物を仮置きするステップと、前記移送機構により、前記張出部の上の荷物を横引きして前記台船本体の上の後方側に移送するステップとを有するので、空頭制限下においてもクレーンを使用せずに荷取りすることができるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明に係る他の荷役方法によれば、上述した荷役用台船を用いて、前記ストックヤードの荷物を荷揚げする方法であって、前記荷物置き場に前記張出部の前方側を配置するステップと、その後、前記移送機構により、前記ストックヤードの荷物を横引きして前記張出部の前方側に移送するステップとを有するので、空頭制限下においてもクレーンを使用せずに荷揚げすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明に係る荷役用台船の実施の形態を示す概略斜視図である。
図2図2は、図1の部分拡大図である。
図3図3は、本発明に係る荷役方法の実施の形態を示す荷取り手順図である。
図4図4は、従来の空頭制限下においてクレーン台船を用いた荷取り作業の問題点の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る荷役用台船および荷役方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0019】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る荷役用台船10は、台船本体12と、台船本体12の上に設けられた架台14と、昇降機構16と、基部18と、張出部20と、移送機構22と、ストックヤード24とを備える。この荷役用台船10は、資材(荷物)を搭載可能な「スライド式資材搭載台船」と呼ぶこともできる。
【0020】
台船本体12は、平坦な甲板26を有する平台船で構成される。
【0021】
架台14は、甲板26上の前方側の左側と右側において対向するように設置された門型の枠体28と、枠体28どうしを連結する2本の上部横桁30を有する。枠体28は、前後方向に延びる上部の梁32と、上下方向に延びて梁32の両端側を下側から支える柱34を備える。上部横桁30は、梁32の前方側および後方側において左右方向に延びる桁であり、その両端側は、左右の梁32の下面に固定される。梁32と上部横桁30は互いに直交して井桁状に配置される。枠体28および上部横桁30は、H形鋼で構成されるが、これに限るものではなく、溝形鋼、L形鋼等の形鋼などの鋼材で構成してもよい。各部材間の固定は、溶接、クランプ、ボルト締結などによって行うことができる。
【0022】
昇降機構16は、基部18および張出部20を昇降するための機構であり、各上部横桁30の両端側に吊り下げ固定された4基の電動チェーンブロック36と、各上部横桁30の直下に配置された下部横桁38とを有する。下部横桁38は、上部横桁30と平行に左右方向に延びている。各電動チェーンブロック36の下側にはチェーン40が吊り下げられており、チェーン40の下端には吊具42が設けられる。吊具42は、下部横桁38の左右端側を吊り支持する。各電動チェーンブロック36でチェーン40を巻き取ることで下部横桁38を上昇させる一方、チェーン40を巻き出すことで下部横桁38を甲板26まで下降させることができる。これにより、下部横桁38を鉛直方向に昇降可能である。下部横桁38は、H形鋼で構成されるが、これに限るものではなく、溝形鋼、L形鋼等の形鋼などの鋼材で構成してもよい。各部材間の固定は、溶接、クランプ、ボルト締結などによって行うことができる。
【0023】
基部18は、下部横桁38の左側部分および右側部分において前後方向に延びる2本の棒状部材である。基部18と下部横桁38は互いに直交して井桁状に配置される。基部18の両端側は、下部横桁38の上面に固定される。このため、基部18は、下部横桁38と一体的に鉛直方向に昇降し、架台14に対して昇降可能に設けられる。後述するように、資材は基部18上をスライドして移動することから、基部18から上部横桁30までの高さ、チェーン40間の幅は、資材を通せる寸法とする。基部18は、H形鋼で構成されるが、これに限るものではなく、溝形鋼、L形鋼等の形鋼などの鋼材で構成してもよい。各部材間の固定は、溶接、クランプ、ボルト締結などによって行うことができる。
【0024】
張出部20は、基部18の前端部から前後方向に延びる長尺の2本の棒状部材である。この張出部20は、台船本体12からフォークリフトの爪のように水平方向前方に張り出している。図2に示すように、張出部20の後端部は、基部18の前端部に対して揺動可能かつ着脱可能にピン44で結合している。張出部20は、基部18の前端部に対して左右方向のピン軸周りに回動可能である。このようにすれば、荷役中に台船本体12に発生する細かな揺動にも追従でき、揺動の影響を軽減することができる。ピン44で結合しているため、張出部20は基部とともに昇降可能である。ピン44を引き抜くと、張出部20を基部18から切り離すことができる。張出部20は、H形鋼で構成されるが、これに限るものではなく、溝形鋼、L形鋼等の形鋼などの鋼材で構成してもよい。
【0025】
基部18および張出部20の上面は、横引きした資材を搬送する搬送面として使用することから、面一に設定することが望ましい。また、資材横引き時の摩擦の影響を小さくした構造を使用することが望ましい。例えば、各上面をテフロン(登録商標)加工して構成してもよいし、ローラーコンベアで構成してもよい。このようにすれば、摩擦の影響を軽減することができる。また、基部18および張出部20は、それぞれ2本の棒状部材に限るものではなく、架台14に対して昇降可能で、かつ、資材をスライド可能なものであればいかなる構造でもよい。例えば、3本以上の棒状部材を左右方向に間隔をあけて平行に配置して構成してもよいし、1枚以上の板状部材で構成してもよい。
【0026】
移送機構22は、張出部20または基部18の上の資材を横引きして前後方向に移送する機構であり、4基の横引きウインチ46で構成される。横引きウインチ46は、甲板26上の最後部の左右と、前後方向略中央部の左右に設けられ、例えば、電動ウインチで構成することができる。横引きウインチ46には、ワイヤ48が巻き付けられており、ワイヤ48の端部には図示しない係合具が設けられる。係合具は、搬送する資材の係合部に取り付け可能である。横引きウインチ46でワイヤ48を巻き取ることにより、係合具に取り付けられた資材を張出部20や基部18の上面に沿って甲板26の後方側へ横引きすることができる。また、横引きウインチ46でワイヤ48を巻き出す一方、台船本体12の前方外側の図示しない荷揚げ場のウインチ等で横引きすることにより、係合具に取り付けられた資材を張出部20や基部18の上面に沿って甲板26の前方側へ横引きすることができる。
【0027】
なお、このようにする代わりに、張り出し部20の前端部にシーブを設けてワイヤ48を掛け回し、横引きウインチ46でワイヤ48を巻き取ってもよい。このようにすれば、ワイヤ48の先端に装着した資材を張出部20や基部18の上面に沿って甲板26の前方側へ横引きすることができる。横引きウインチ46は、資材の位置などに応じて使用するウインチを選択してもよい。例えば、4基すべてを同時に用いてもよいし、最後部の2基のみ、または中央部の2基のみを同時に用いてもよい。
【0028】
ストックヤード24は、甲板26上の後方側、すなわち架台14の後方に設けられる資材置き場である。荷役用台船10は、ストックヤード24の面積分だけ複数の資材を積み込むことができる。このストックヤード24には、前後方向に延びる2本の載置台50が設置されている。資材は、2本の載置台50を左右方向に跨ぐようにして搭載可能である。載置台50は、最下部まで下降した基部18の延長線上に配置される。また、載置台50の上面は、最下部まで下降した基部18の上面と同じ高さに設定される。載置台50は、H形鋼で構成されるが、これに限るものではなく、溝形鋼、L形鋼等の形鋼などの鋼材で構成してもよい。なお、載置台50は省略することもできる。
【0029】
次に、上記の荷役用台船10を用いた荷役方法について、荷取りの場合を例にとり説明する。この荷役方法は、護岸1(または構台)の上方に供用中の臨港道路等2が存在するような作業環境下において、次のステップS1~S6の手順で行われる。
【0030】
まず、ステップS1では、図3(1)に示すように、荷役用台船10を曳航して、張出部20の前端部を護岸1上に配置する。
【0031】
次のステップS2では、図3(2)に示すように、護岸1上から図示しないクレーンを用いて荷役対象の資材3を張出部20の上に仮置きする。なお、張出部20を上空制限の無い場所まで移動させた後、仮置きすることが望ましい。
【0032】
次のステップS3では、図3(3)に示すように、横引きウインチ46のワイヤ48の係合部を資材3に装着する。続いて、横引きウインチ46でワイヤ48を巻き取りながら資材3を横引きし、資材3を張出部20から基部18上にスライド移動させる。
【0033】
次のステップS4では、図3(4)に示すように、張出部20の後端部のピン44を外して張出部20と基部18を分離する。分離後の張出部20は、前端部を介して護岸1上に仮置きする。続いて、4基の電動チェーンブロック36のチェーン40を徐々に下へ展張することによって、井桁状の基部18および下部横桁38を下降させ、下部横桁38を甲板26上に配置する。
【0034】
次のステップS5では、図3(5)に示すように、再度、横引きウインチ46およびワイヤ48で資材3を牽引し、基台18上の資材3を後方のストックヤード24の載置台50上にスライド移動させる。
【0035】
次のステップS6では、図3(6)に示すように、上記のステップS1~S5を繰り返す。これにより、後方のストックヤード24に複数の資材3を荷役することができる。
【0036】
なお、上記のステップS1~S5の手順の逆を辿ることで、荷揚げも可能である。すなわち、ストックヤード24の資材3を横引きして張出部20の前端部に移送した後、張出部20の前端部の資材3を図示しないクレーンで護岸1上に荷揚げすることもできる。
【0037】
本実施の形態によれば、空頭制限下においてもクレーンを使用せずに荷役することができる。また、空頭制限の影響を受けずに安定した水上輸送作業を実現でき、作業全体の生産性を確保することができる。また、従来のクレーン台船は、船体の安定上広範囲に及ぶ台船の平面積を必要とするのに対し、本実施の形態の荷役用台船10は広い面積を必要としないため、航路を阻害することなく作業を行うことができる。さらに、クレーン作業を不要とできるため、近接構造物に対するクレーンブームの接触リスクを解消することができ、作業の安全性を大きく向上させることができる。
【0038】
上記の実施の形態において、基部18と張出部20が分離可能であり、基部18を昇降機構16で昇降する場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限るものではなく、基部18と張出部20を分離不能に構成し、基部18と張出部20を一体的に昇降させてもよい。このようにしても、上記と同様の作用効果を奏することができる。
【0039】
以上説明したように、本発明に係る荷役用台船によれば、台船本体と、前記台船本体の上の前方側に設けられる架台と、前記架台に対して昇降可能に設けられ、前記台船本体から水平方向前方に張り出された張出部と、前記張出部を昇降する昇降機構と、前記張出部の上の荷物を横引きして前後方向に移送する移送機構とを備えるので、空頭制限下においてもクレーンを使用せずに荷役することができる。
【0040】
また、本発明に係る他の荷役用台船によれば、前記昇降機構は、前記架台に対して昇降可能に設けられた基部を昇降するものであり、前記張出部は、前記基部に対して揺動可能かつ着脱可能にピン結合しているので、荷役中に発生する台船本体の細かな揺動の影響を軽減することができる。
【0041】
また、本発明に係る他の荷役用台船によれば、前記台船本体の上の後方側に設けられるストックヤードを備えるので、ストックヤードの面積分だけ複数の荷物を積み込むことができる。
【0042】
また、本発明に係る荷役方法によれば、上述した荷役用台船を用いて、荷物置き場の荷物を荷取りする方法であって、前記荷物置き場に前記張出部の前方側を配置した後、前記張出部の上に荷物を仮置きするステップと、前記移送機構により、前記張出部の上の荷物を横引きして前記台船本体の上の後方側に移送するステップとを有するので、空頭制限下においてもクレーンを使用せずに荷取りすることができる。
【0043】
また、本発明に係る他の荷役方法によれば、上述した荷役用台船を用いて、前記ストックヤードの荷物を荷揚げする方法であって、前記荷物置き場に前記張出部の前方側を配置するステップと、その後、前記移送機構により、前記ストックヤードの荷物を横引きして前記張出部の前方側に移送するステップとを有するので、空頭制限下においてもクレーンを使用せずに荷揚げすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上のように、本発明に係る荷役用台船および荷役方法は、護岸や構台などに対する荷役作業に有用であり、特に、空頭制限下においてクレーンを使用せずに荷役するのに適している。
【符号の説明】
【0045】
10 荷役用台船
12 台船本体
14 架台
16 昇降機構
18 基部
20 張出部
22 移送機構
24 ストックヤード
26 甲板
28 枠体
30 上部横桁
32 梁
34 柱
36 電動チェーンブロック
38 下部横桁
40 チェーン
42 吊具
44 ピン
46 横引きウインチ
48 ワイヤ
50 載置台
図1
図2
図3
図4