(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168054
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】リニアアクチュエータ及び移動プラットフォーム
(51)【国際特許分類】
H02K 41/03 20060101AFI20241128BHJP
G09B 9/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H02K41/03 A
G09B9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084447
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100206391
【弁理士】
【氏名又は名称】柏野 由布子
(72)【発明者】
【氏名】小川 慶太朗
(72)【発明者】
【氏名】吉原 拓実
【テーマコード(参考)】
5H641
【Fターム(参考)】
5H641BB06
5H641BB16
5H641GG03
5H641HH02
5H641JA02
5H641JA09
5H641JB04
(57)【要約】
【課題】コイル部の放熱を効率よく行うことが可能なリニアアクチュエータを提供する。
【解決手段】リニアアクチュエータ4は、コイル部11、及び、コイル部11に対して一方向に移動可能とされた磁石部12を有するリニアモータ10と、コイル部11が固定された第一ケース部21、及び、磁石部12が固定された第二ケース部22を含み、コイル部11及び磁石部12を収容するケース20と、を備える。第一ケース部21と第二ケース部22とは、一方向に相対的に移動可能に連結される。第二ケース部22に、コイル部11をケース20の外側に露出させる開口23,24が形成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル部、及び、前記コイル部に対して一方向に移動可能とされた磁石部を有するリニアモータと、
前記コイル部が固定された第一ケース部、及び、前記磁石部が固定された第二ケース部を含み、前記コイル部及び前記磁石部を収容するケースと、を備え、
前記第一ケース部と前記第二ケース部とは、前記一方向に相対的に移動可能に連結され、
前記第一ケース部及び前記第二ケース部の少なくとも一方に、前記コイル部を前記ケースの外側に露出させる開口が形成されているリニアアクチュエータ。
【請求項2】
前記開口を通して前記ケースの内外に空気を流す送風機を備える請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
【請求項3】
前記開口に配置されるエアフィルタを備える請求項1又は請求項2に記載のリニアアクチュエータ。
【請求項4】
前記第一ケース部と前記第二ケース部との間には、前記第一ケース部と前記第二ケース部とが前記一方向にずれて位置した状態で、前記ケースの内部空間が前記ケースの外側につながる隙間開口が形成され、
前記隙間開口を覆うように前記第一ケース部と前記第二ケース部とにわたって設けられ、前記前記一方向に伸縮可能である伸縮カバーを備える請求項1又は請求項2に記載のリニアアクチュエータ。
【請求項5】
ベースと、
ベースの上方に配置されるプラットフォームと、
前記ベースと前記プラットフォームとを連結する複数の請求項1又は請求項2に記載のリニアアクチュエータと、を備え、
複数の前記リニアアクチュエータが伸縮することで前記プラットフォームが前記ベースに対して6自由度で運動する移動プラットフォーム。
【請求項6】
前記ケースの前記開口が、前記ベース側に向いている請求項5に記載の移動プラットフォーム。
【請求項7】
前記第一ケース部及び前記第二ケース部のうち前記開口を有する一方のケース部が、前記プラットフォームに取り付けられ、
前記第一ケース部及び前記第二ケース部のうち他方のケース部が、前記ベースに取り付けられる請求項5に記載の移動プラットフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアアクチュエータ及び移動プラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プラットフォーム(上部プラットフォーム)をベース(下部フレーム)上において6自由度で運動させる移動プラットフォームが開示されている。特許文献1の移動プラットフォームでは、プラットフォームをベース上で運動させるアクチュエータとして、リニアモータを含むリニアアクチュエータが採用されている。特許文献1のリニアアクチュエータでは、リニアモータのコイル部(コイルアレイ)がケースの内側に密閉されている。また、当該ケースの外面には、ケース内部の熱をケースの外側の空間に放散するためのフィンが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のリニアアクチュエータでは、リニアモータのコイル部がケースの内側に密閉されているため、ケースの外面にフィンが設けられているだけでは、リニアモータのコイル部の放熱が不十分である。コイル部の放熱が不十分であることで、リニアアクチュエータ及びこれを備える移動プラットフォームを長時間継続して使用することが難しい。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みたものであって、コイル部の放熱を効率よく行うことが可能なリニアアクチュエータ及びこれを備えた移動プラットフォームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によるリニアアクチュエータは、コイル部、及び、前記コイル部に対して一方向に移動可能とされた磁石部を有するリニアモータと、前記コイル部が固定された第一ケース部、及び、前記磁石部が固定された第二ケース部を含み、前記コイル部及び前記磁石部を収容するケースと、を備える。前記第一ケース部と前記第二ケース部とは、前記一方向に相対的に移動可能に連結される。前記第一ケース部及び前記第二ケース部の少なくとも一方に、前記コイル部を前記ケースの外側に露出させる開口が形成されている。
【0007】
本発明の一態様による移動プラットフォームは、ベースと、ベースの上方に配置されるプラットフォームと、前記ベースと前記プラットフォームとを連結する複数の前記リニアアクチュエータと、を備える。複数の前記リニアアクチュエータが伸縮することで前記プラットフォームが前記ベースに対して6自由度で運動する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、リニアアクチュエータのコイル部の放熱を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る移動プラットフォームを上側から見た斜視図である。
【
図2】
図1の移動プラットフォームを下側から見た斜視図である。
【
図3】
図1、
図2の移動プラットフォームに備えるリニアアクチュエータを示す斜視図である。
【
図4】
図3のリニアアクチュエータを示す断面図である。
【
図5】
図3、
図4のリニアアクチュエータの分解斜視図である。
【
図6】本発明の第二実施形態に係る移動プラットフォームの要部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔第一実施形態〕
以下、
図1~
図5を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
本実施形態に係る移動プラットフォームは、ドライビングシミュレータ、フライトシミュレータなどに用いられる。
図1、
図2に示すように、移動プラットフォーム1は、ベース2と、プラットフォーム3と、複数のリニアアクチュエータ4と、を備える。
【0011】
ベース2は、移動プラットフォーム1の設置面に載置される。なお、ベース2は、例えば設置面と一体とされてもよい。
プラットフォーム3は、ベース2の上方に配置される。プラットフォーム3上には、ドライビングシミュレータ用の運転席や自動車、フライトシミュレータ用の操縦室などが設けられる。
【0012】
複数のリニアアクチュエータ4は、ベース2とプラットフォーム3とを連結する。各リニアアクチュエータ4は、所定の直線方向D1(一方向D1)に伸縮可能である。一方向D1における各リニアアクチュエータ4の第一端は、第一コネクタ51を介してベース2に接続される。各リニアアクチュエータ4の第二端は、第二コネクタ52を介してプラットフォーム3に接続される。第一、第二コネクタ51,52は、それぞれリニアアクチュエータ4をベース2、プラットフォーム3に対して回転自在に接続する。これら複数のリニアアクチュエータ4が適宜伸縮することで、プラットフォーム3がベース2に対して6自由度で運動する。すなわち、プラットフォーム3が、ベース2に対して互いに直交する3つの直線方向にそれぞれ平行移動する、すなわち、前後方向、左右方向、上下方向の並進運動をする。また、プラットフォーム3は、ベース2に対して互いに直交する3つの軸線回りに回転する、すなわち、ロール、ピッチ、ヨーの回転運動をする。
本実施形態の移動プラットフォーム1は、リニアアクチュエータ4を6つ備えるヘキサポッドである。
【0013】
次に、本実施形態に係るリニアアクチュエータ4の具体的な構成について説明する。
図3~
図5に示すように、リニアアクチュエータ4は、リニアモータ10と、ケース20と、を備える。
【0014】
リニアモータ10は、コイル部11及び磁石部12を有する。磁石部12は、コイル部11への通電に応じてコイル部11に対して所定の直線方向D1(一方向D1)に移動可能となっている。本実施形態のリニアモータ10は、ロッド方式のリニアモータ10である。このため、コイル部11は一方向D1に延びる筒状に形成されている。また、磁石部12は一方向D1に延びてコイル部11に挿通されるロッド状に形成されている。
【0015】
ケース20は、上記したリニアモータ10のコイル部11及び磁石部12を収容する。ケース20は、コイル部11が固定された第一ケース部21、及び、磁石部12が固定された第二ケース部22を含む。
【0016】
本実施形態の第一ケース部21は、第一ベース壁部211と、2つの第一側壁部212と、1つの第一端壁部213と、を含む。第一ベース壁部211は、平面視で一方向D1を長手方向とする長方形の板状に形成されている(
図1参照)。2つの第一側壁部212は、平面視した第一ベース壁部211の短手方向の両端に設けられ、それぞれ板厚方向の一方側に向く第一ベース壁部211の主面211a(第一主面211a)から突出する。2つの第一側壁部212は、それぞれ第一ベース壁部211の長手方向全体にわたって設けられている。1つの第一端壁部213は、平面視した第一ベース壁部211の長手方向の一端に設けられ、第一ベース壁部211の第一主面211aから突出する。これら2つの第一側壁部212及び1つの第一端壁部213によって、第一ベース壁部211の第一主面211aが囲まれる。これにより、第一ケース部21は、第一ベース壁部211の第一主面211aを底面とする箱状に形成される。
リニアモータ10のコイル部11は、第一ベース壁部211の第一主面211aに固定される。
【0017】
第二ケース部22は、第二ベース壁部221と、2つの第二側壁部222と、2つの第二端壁部223と、を含む。第二ベース壁部221は、平面視で一方向D1を長手方向とする長方形の板状に形成されている。2つの第二側壁部222は、平面視した第二ベース壁部221の短手方向の両端に設けられ、それぞれ板厚方向の一方側に向く第二ベース壁部221の主面221a(第二主面221a)から突出する。2つの第二側壁部222は、それぞれ第二ベース壁部221の長手方向全体にわたって設けられている。2つの第二端壁部223は、平面視した第二ベース壁部221の長手方向の両端に設けられ、それぞれ第二ベース壁部221の第二主面221aから突出する。これら2つの第二側壁部222及び2つの第二端壁部223によって、第二ベース壁部221の第二主面221aが囲まれる。これにより、第二ケース部22は、第二ベース壁部221の第二主面221aを底面とする箱状に形成される。
【0018】
第二ケース部22には、ケース20に収容されたコイル部11をケース20の外側に露出させる開口23,24が形成されている。第二ケース部22の開口23,24には、第二ベース壁部221に形成された第一開口23と、2つの第二側壁部222に形成された第二開口24と、がある。第一開口23は、平面視で第二ベース壁部221と同様に一方向D1を長手方向とする長方形状に形成されている。第一開口23の形成により、第二ベース壁部221は平面視で矩形環状に形成されている。第二開口24は、各第二側壁部222に複数形成されている。図示例において、複数の第二開口24は一方向D1に間隔をあけて並んでいる。
第二ケース部22に開口23,24が形成されていることで、第二ケース部22の重量は、第一ケース部21の重量よりも軽い。
【0019】
リニアモータ10のロッド状の磁石部12は、第二ベース壁部221の第二主面221a上に配置される。具体的には、ロッド状の磁石部12の両端が2つの第二端壁部223に固定されることで、第二ベース壁部221の第二主面221a上に間隔をあけて配置される。なお、
図5において、磁石部12は、コイル部11に挿通される前の状態で第二ケース部22に固定されているが、実際には、コイル部11に挿通された後に第二ケース部22に固定される。
【0020】
上記した第一ケース部21と第二ケース部22とは、第一ベース壁部211の第一主面211aと第二ベース壁部221の第二主面221aとが対向するように、重ねて配置される。この状態では、コイル部11全体及び磁石部12の大半が第一ベース壁部211と第二ベース壁部221との間に配置される。これにより、コイル部11及び磁石部12がケース20に収容される。また、この状態において、コイル部11は、第二ケース部22に形成された開口23,24によってケース20の外側に露出する。
【0021】
第一ケース部21と第二ケース部22とは、一方向D1に相対的に移動可能に連結される。具体的に、リニアアクチュエータ4は、第一ケース部21及び第二ケース部22を一方向D1に相互に移動可能に連結するガイド機構30をさらに備える。ガイド機構30は、ガイドレール31と、ガイドレール31に対して一方向D1に移動可能に取り付けられるガイドブロック32と、を有する。
【0022】
本実施形態においては、ガイドレール31が第一ケース部21に設けられ、ガイドブロック32が第二ケース部22に設けられている。具体的に、ガイドレール31は、第一ケース部21の2つの第一側壁部212の突出方向の先端に設けられ、一方向D1に延びている。一方、ガイドブロック32は、第二ケース部22の2つの第二側壁部222の突出方向の先端に設けられている。また、ガイドブロック32は、同一の第二側壁部222に対して、一方向D1に間隔をあけて複数(図示例では2つ)並んでいる。これにより、同一のガイドレール31に、複数のガイドブロック32が取り付けられる。
なお、例えば、ガイドレール31が第二ケース部22に設けられ、ガイドブロック32が第一ケース部21に設けられてもよい。
【0023】
以上のように構成されるリニアアクチュエータ4では、リニアモータ10のコイル部11への通電に応じて磁石部12がコイル部11に対して一方向D1に移動することで、第一、第二ケース部21,22が一方向D1に相対的に移動する。これにより、リニアアクチュエータ4が伸縮する。
また、リニアアクチュエータ4においては、第一、第二ケース部21,22が一方向D1に相対的に移動しても、コイル部11の大半が、第二ケース部22の開口23,24(特に第一開口23)を通してケース20の外側に露出する。
【0024】
リニアアクチュエータ4は、例えば、一方向D1におけるコイル部11と磁石部12との相対的な移動長さを検出するリニアエンコーダをさらに備えてよい。この場合、当該リニアエンコーダによってコイル部11と磁石部12との相対的な移動長さを検出することにより、リニアアクチュエータ4を正確に伸縮させることができる。
【0025】
図1、
図2に示すように、移動プラットフォーム1においては、上記したリニアアクチュエータ4の第一ケース部21(他方のケース部)が、第一コネクタ51を介してベース2に取り付けられる。一方、開口23,24を有するリニアアクチュエータ4の第二ケース部22(一方のケース部)が、第二コネクタ52を介してプラットフォーム3に取り付けられる。
【0026】
また、移動プラットフォーム1において、上記したリニアアクチュエータ4は、ケース20の開口23,24(第一、第二開口23,24)がプラットフォーム3側に向かないように配置される。すなわち、ケース20の開口23,24は上方に向いていない。具体的に、ケース20の第一開口23は、ベース2側に向いている、すなわち下方に向いている。また、ケース20の第二開口24は、側方に向いている。
【0027】
以上説明したように、第一実施形態のリニアアクチュエータ4では、コイル部11がケース20の開口23,24を通してケース20の外側に露出している。このため、ケース20の開口23,24を通して、コイル部11の熱を効率よくケース20の外側に逃がすことができる。これにより、リニアアクチュエータ4をより長い時間継続して使用することが可能となる。
【0028】
また、第一実施形態の移動プラットフォーム1は、上記したように、コイル部11の熱を効率よくケース20の外側に逃がすことが可能なリニアアクチュエータ4を備える。これにより、移動プラットフォーム1をより長い時間継続して使用することが可能となる。
【0029】
また、第一実施形態の移動プラットフォーム1では、ケース20の開口23,24が上方に向いていない。特に、ケース20の第二開口24が下方に向いている。このため、塵埃がケース20の開口23,24を通してケース20の内側に入り込んでリニアモータ10(特に、コイル部11と磁石部12との隙間)に到達することを抑制することができる。したがって、塵埃に起因したリニアモータ10の不具合を抑制することができる。
【0030】
また、第一実施形態の移動プラットフォーム1では、第一ケース部21(他方のケース部)がベース2に取り付けられ、開口23,24の形成により軽量化が図れられた第二ケース部22(一方のケース部)がプラットフォーム3に取り付けられる。これにより、リニアモータ10の駆動力が小さくても、プラットフォーム3を容易に駆動することができる。
【0031】
〔第二実施形態〕
次に、
図6を参照して本発明の第二実施形態について説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0032】
図6に示すように、第二実施形態の移動プラットフォーム1Dは、第一実施形態と同様に、ベース2とプラットフォーム3とを連結するリニアアクチュエータ4Dを備える。また、第二実施形態のリニアアクチュエータ4Dは、第一実施形態と同様に、コイル部11及び磁石部12を含むリニアモータ10と、第一ケース部21及び第二ケース部22を含むケース20と、を備える。
【0033】
ただし、第二実施形態のリニアアクチュエータ4Dでは、第一ケース部21にもコイル部11をケース20の外側に露出させる開口25(第三開口25)が形成されている。
図6において、第三開口25は、第一ベース壁部211に形成されている。第三開口25は、第一ベース壁部211のうちコイル部11の取り付けを阻害しない位置に形成されている。
図6に例示する移動プラットフォーム1Dにおいては、第三開口25が上方に向いている。なお、第三開口25は、例えば第一ケース部21の第一側壁部212や第一端壁部213に形成されてもよい。
【0034】
第二実施形態のリニアアクチュエータ4Dは、第一、第二ケース部21,22に形成された開口23~25(第一~第三開口23~25)を通してケース20の内外に空気を流す送風機41をさらに備える。送風機41の具体例としては、例えばシロッコファン、プロペラファンなどが挙げられる。
図6において、送風機41は、第一ケース部21の第三開口25に設けられている。送風機41は、第三開口25を通して空気をケース20の内側に向けて流してもよいし、第三開口25を通して空気をケース20の外側に向けて流してもよい。
【0035】
第二実施形態のリニアアクチュエータ4Dは、エアフィルタ42をさらに備える。エアフィルタ42は、空気を通過させることができると共に、空気中に浮遊する塵埃を捉えることができる。エアフィルタ42は、例えば不織布などであってよい。
図6において、エアフィルタ42は、第一ケース部21の第三開口25に配置されている。エアフィルタ42は、例えば第三開口25に対して着脱可能であってよい。
【0036】
第二実施形態のリニアアクチュエータ4Dは、伸縮カバー43をさらに備える。伸縮カバー43は、ケース20の隙間開口26を覆う。
【0037】
ケース20の隙間開口26は、第一ケース部21と第二ケース部22とが一方向D1にずれて位置した状態で、第一ケース部21と第二ケース部22との間に形成され、ケース20の内部空間がケース20の外側につながる開口である。ケース20の隙間開口26には、一方向D1において第一ケース部21から張り出す第二ケース部22の部位に位置する第一隙間開口261と、一方向D1において第二ケース部22から張り出す第一ケース部21の部位に位置する第二隙間開口262と、がある。磁石部12の一部は、第一隙間開口261を通してケース20の外側に露出する。
図6に例示する移動プラットフォーム1Dにおいては、第一隙間開口261が上方(プラットフォーム3側)に向いており、第二隙間開口262が下方(ベース2側)に向いている。
【0038】
第二実施形態のリニアアクチュエータ4Dにおいて、伸縮カバー43は、第一ケース部21と第二ケース部22とにわたって設けられ、上方に向く第一隙間開口261を覆う。ケース20に取り付けられた伸縮カバー43は、一方向D1に伸縮可能である。
図6に例示する伸縮カバー43は、蛇腹状に形成されていることで、一方向D1に伸縮可能となっている。
【0039】
第二実施形態のリニアアクチュエータ4D及び移動プラットフォーム1Dによれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、第二実施形態のリニアアクチュエータ4Dは、第一、第二ケース部21,22に形成された開口23~25(第一~第三開口23~25)を通してケース20の内外に空気を流す送風機41を備える。当該送風機41によってケース20の内外に空気が流れることで、コイル部11の熱をさらに効率よくケース20の外側に排出することができる。
【0040】
また、第二実施形態の移動プラットフォーム1Dでは、送風機41が、ベース2に取り付けられる第一ケース部21に設けられ、プラットフォーム3に取り付けられる第二ケース部22に設けられていない。これにより、リニアモータ10によるプラットフォーム3の駆動が、送風機41の重さによって阻害されることを防止できる。
【0041】
また、第二実施形態のリニアアクチュエータ4Dは、第一ケース部21の第三開口25に配置されるエアフィルタ42を備える。このため、ケース20の外側において空気中に浮遊する塵埃を、エアフィルタ42において捉えることができる。このため、塵埃がケース20の第三開口25を通してケース20の内側に入り込むことを抑制又は防止することができる。特に、上方からケース20に向けて落下する塵埃が、上方に向く第三開口25を通してケース20の内側に入り込むことを抑制又は防止することができる。これにより、ケース20の外側の塵埃がリニアモータ10(特に、コイル部11と磁石部12との隙間)に到達することを効果的に抑制又は防止することができる。したがって、塵埃に起因したリニアモータ10の不具合を抑制することができる。
【0042】
また、第二実施形態のリニアアクチュエータ4Dは、ケース20の第一隙間開口261を覆うように第一ケース部21と第二ケース部22とにわたって設けられ、一方向D1に伸縮可能な伸縮カバー43を備える。これにより、塵埃がケース20の第一隙間開口261を通してケース20の内側に入り込んでリニアモータ10(特に、コイル部11と磁石部12との隙間)に到達することを抑制又は防止することができる。したがって、塵埃に起因したリニアモータ10の不具合を抑制することができる。
また、伸縮カバー43が一方向D1に伸縮可能であるため、伸縮カバー43が第一、第二ケース部21,22の一方向D1への相対的な移動を妨げることも防止できる。
【0043】
第二実施形態において、送風機41は、例えば第二ケース部22の第一開口23や第二開口24に設けられてもよい。
【0044】
第二実施形態において、エアフィルタ42は、例えば第二ケース部22の第一開口23や第二開口24に配置されてもよい。
【0045】
第二実施形態において、伸縮カバー43は、例えば第二隙間開口262を覆ってもよい。
【0046】
以上、本発明の詳細について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
【0047】
本発明のリニアアクチュエータにおいて、コイル部11をケース20の外側に露出させる開口は、例えば第一ケース部21にのみ形成されてもよい。
【0048】
本発明の移動プラットフォームにおいては、例えば、第一ケース部21がプラットフォーム3に取り付けられ、第二ケース部22がベース2に取り付けられてもよい。
【0049】
本発明のリニアアクチュエータには、ロッド方式のリニアモータが適用されることに限らず、例えば平板方式のリニアモータが適用されてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1,1D 移動プラットフォーム
2 ベース
3 プラットフォーム
4,4D リニアアクチュエータ
10 リニアモータ
11 コイル部
12 磁石部
20 ケース
21 第一ケース部
22 第二ケース部
23 第一開口(開口)
24 第二開口(開口)
25 第三開口(開口)
26 隙間開口
41 送風機
42 エアフィルタ
43 伸縮カバー
51 第一コネクタ
52 第二コネクタ
D1 一方向