IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168080
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20241128BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20241128BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G03G21/18 167
G03G21/16 176
B41J29/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084481
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123559
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 俊和
(74)【代理人】
【識別番号】100177437
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 英子
(72)【発明者】
【氏名】古川 哲郎
【テーマコード(参考)】
2C061
2H171
【Fターム(参考)】
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061AS02
2H171FA02
2H171FA05
2H171FA13
2H171GA06
2H171GA12
2H171GA31
2H171HA02
2H171JA06
2H171JA15
2H171JA23
2H171JA29
2H171JA35
2H171JA51
2H171KA05
2H171KA25
2H171MA02
2H171MA11
2H171MA16
2H171QA02
2H171QA08
2H171QB03
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
2H171QC22
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
(57)【要約】
【課題】線バネに力が加わった場合でも装置本体から外れ難いようにすること。
【解決手段】第3方向において接触部208aが対向壁204cに対して現像接点16b(現像ブレード接点18a、供給ローラ接点13a)がある側に穴部204bから突出し、抜け止め208c及び第4部分208kが対向壁204cに対して現像接点16b(現像ブレード接点18a、供給ローラ接点13a)がある側と反対側にあるように、線バネ208は配置され、線バネ208の第4部分208kは、第1方向に見たときに第3方向に向かって延びている。
【選択図】図29
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気接点面と、前記電気接点面を介して電力供給を受ける被給電部材と、を有するユニットと、前記ユニットが着脱方向に装着可能な装置本体であって、前記ユニットの前記電気接点面に接触して前記被給電部材に電力を供給するための接点部材を有する装置本体と、
を備える画像形成装置において、
前記接点部材は、コイル部と、前記コイル部から延び自由端を有する腕部と、を有する線ばねであって、
前記装置本体は、前記コイル部を支持する支持部が設けられた支持部材を有し、
前記腕部は、前記コイル部から前記自由端までの間に、第1部分と、接触部と、第2部分と、第3部分と、第4部分と、をこの順に有し、
前記着脱方向を第1方向、前記コイル部の回転軸線方向であって前記第1方向と交差する方向を第2方向、前記第1方向と前記第2方向に交差する方向を第3方向としたときに、
前記第1部分と、前記接触部と、前記第2部分は、前記第1方向に沿って並び、
前記接触部は、前記電気接点面に接触するように構成され、
前記第1部分は、前記第1方向において前記コイル部から前記接触部に近づくにつれて前記電気接点面に近づくように延び、
前記第2部分は、前記第1方向において前記接触部から前記第1部分と離れる方向に向かうにつれて前記電気接点面から遠ざかるように延び、
前記第3部分は、前記第2方向に向かって延び、
前記支持部材には、前記電気接点面が設けられた前記ユニットの側面に対向する対向壁であって、前記第1方向に延びる開口が設けられた対向壁を有し、
前記第3方向において前記接触部が前記対向壁に対して前記電気接点面がある側に前記開口から突出し、前記第3部分及び前記第4部分が前記対向壁に対して前記電気接点面がある側と反対側にあるように、前記接点部材は配置され、
前記接点部材の前記第4部分は、前記第1方向に見たときに前記第3方向に向かって延びていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1方向に見たときの前記第4部分の長さは、前記支持部材を前記直交する方向に見たときに、前記第1方向において前記第3部分がある位置の前記開口の前記第2方向の幅より長いことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第3部分は、直線状に延びていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第3部分は、湾曲状に延びていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記コイル部は、前記第1方向のうち装着方向において、前記腕部よりも上流側にあることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記腕部は、前記第2部分と前記第3部分との間に第5部分を有し、
前記第5部分は、前記第1方向のうち装着方向の上流側に向かって延びていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1部分及び第2部分はいずれも直線状に延びており、
前記第1部分と前記2部分がなす角度のうち小さい方の角度は、鈍角であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記角度は、120度以上160度以下であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記支持部材は、前記線ばねの前記接触部が前記第3方向に力を受けた時に前記線ばねの回転を規制するように前記線ばねの前記第4部分と接触する規制部を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記支持部材は、前記腕部が前記第3方向において前記電気接点面に近づく方向の移動を規制するように前記第3部分と係合する係合部を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記被給電部材は、トナーを担持する現像ローラであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記電気接点面及び前記被給電部材を第1電気接点面及び第1被給電部材としたときに、
前記ユニットは、第2電気接点面と、前記第2電気接点面を介して電力供給を受ける第2被給電部材と、を有し、
前記装置本体は、前記第2電気接点面に接触して前記第2被給電部材に電力を供給するための第2接点部材を有し、
前記第2接点部材は、前記1接点部材と同じ形状を有することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記ユニットは、第3電気接点面と、前記第3電気接点面を介して電力供給を受ける第3被給電部材と、を有し、
前記装置本体は、前記第3電気接点面に接触して前記第3被給電部材に電力を供給するための第3接点部材を有し、
前記第3接点部材は、前記第1接点部材と同じ形状を有することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記第1電気接点面と、前記第2電気接点面と、前記第3電気接点面と、は前記第1方向に沿って並んでいることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記対向壁の前記開口を第1開口とした場合において、前記対向壁には第2開口が設けられ、
前記接触部を第1接触部とした場合において、前記第2接点部材は、前記第2電気接点面に接触するように前記第3方向において前記第2開口から前記第2電気接点面がある側に突出する第2接触部を有し、
前記第2開口は、前記第2方向において前記第1開口と異なる位置にある部分であって前記第1方向において前記第1開口と同じ位置にある部分を有することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記第2被給電部材は、前記現像ローラ上のトナーの層厚を規制するための現像ブレードであることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記第2被給電部材は、前記現像ローラ上のトナーの層厚を規制するための現像ブレードであり、
前記第3被給電部材は、前記現像ローラにトナーを供給する供給ローラであることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、感光ドラムなどの画像形成に用いられる部材(プロセス部材)を枠体内にまとめてカートリッジ化し、このカートリッジを画像形成装置の装置本体に対して着脱可能とした構成が知られている。このようなカートリッジは、装置本体に装着した状態で装置本体に設けられた本体側の電極部材とカートリッジ側の電極部材とが接触し、プロセス部材が装置本体と電気的に接続されるように構成されている。ここで、例えば特許文献1には、カートリッジ側の電極部材の例として、カートリッジを構成する枠体に導電樹脂を注入した構成が開示されている。一方、本体側の電極部材としては、ねじりコイル部を有する線バネが用いられる場合がある。線バネは、カートリッジの側面に対向する対向壁に設けられた穴部からカートリッジ側に突出しており、カートリッジが装着されたときにカートリッジ側の電極部材に接触する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-063750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、線バネが用いられる場合、カートリッジの着脱時等に線バネに触れる等し、線バネに力が加わると線バネが傾いてしまうおそれがある。このとき、線バネのねじりコイル部とは反対側の端部が装置本体側から外れてしまい、カートリッジが装着される空間に飛び出してしてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、線バネに力が加わった場合でも装置本体から外れ難いようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
【0007】
(1)電気接点面と、前記電気接点面を介して電力供給を受ける被給電部材と、を有するユニットと、前記ユニットが着脱方向に装着可能な装置本体であって、前記ユニットの前記電気接点面に接触して前記被給電部材に電力を供給するための接点部材を有する装置本体と、を備える画像形成装置において、前記接点部材は、コイル部と、前記コイル部から延びる腕部と、を有する線ばねであって、前記装置本体は、前記コイル部を支持する支持部が設けられた支持部材を有し、前記腕部は、前記コイル部から自由端までの間に、第1部分と、接触部と、第2部分と、第3部分と、第4部分と、をこの順に有し、前記着脱方向を第1方向、前記コイル部の回転軸線方向であって前記第1方向と交差する方向を第2方向、前記第1方向と前記第2方向に交差する方向を第3方向としたときに、前記第1部分と、前記接触部と、前記第2部分は、前記第1方向に沿って並び、前記接触部は、前記電気接点面に接触するように構成され、前記第1部分は、前記第1方向において前記コイル部から前記接触部に近づくにつれて前記電気接点面に近づくように延び、前記第2部分は、前記第1方向において前記接触部から前記第1部分と離れる方向に向かうにつれて前記電気接点面から遠ざかるように延び、前記第3部分は、前記第2方向に向かって延び、前記支持部材には、前記電気接点面が設けられた前記ユニットの側面に対向する対向壁であって、前記第1方向に延びる開口が設けられた対向壁を有し、前記第3方向において前記接触部が前記対向壁に対して前記電気接点面がある側に前記開口から突出し、前記第3部分及び前記第4部分が前記対向壁に対して前記電気接点面がある側と反対側にあるように、前記接点部材は配置され、前記接点部材の前記第4部分は、前記第1方向に見たときに前記第3方向に向かって延びていることを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、線バネに力が加わった場合でも装置本体から外れ難いようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態の画像形成装置の概略構成断面図
図2】実施形態の(a)プロセスカートリッジの正面図、(b)(a)のa-a断面図
図3】実施形態の(a)図2(a)のb-b断面図、(b)図2(a)のc-c断面図
図4】実施形態の(a)プロセスカートリッジの分解斜視図、(b)(a)とは異なる方向から見たプロセスカートリッジの分解斜視図
図5】実施形態の(a)現像ユニットの感光ドラムに対する当接状態を示すプロセスカートリッジの側面図、(b)現像ユニットの感光ドラムに対する離間状態を示すプロセスカートリッジの側面図
図6】実施形態の(a)トナーカートリッジの正面図、(b)(a)のd-d断面図、(c)(a)のe-e断面図
図7】実施形態の(a)トナーカートリッジの分解斜視図、(b)(a)とは異なる方向から見たトナーカートリッジの分解斜視図
図8】実施形態の(a)装置本体に対するプロセスカートリッジの挿入状態を示す概略斜視図、(b)装置本体に対するトナーカートリッジの挿入状態を示す概略斜視図
図9】実施形態の(a)装置本体に対するプロセスカートリッジの挿入状態を示す概略側面図、(b)装置本体に対するトナーカートリッジの挿入状態を示す概略側面図、(c)装置本体にプロセスカートリッジ及びトナーカートリッジを装着した状態を示す概略側面図
図10】実施形態のプロセスカートリッジの側面図
図11】実施形態の図10の反対側から見たプロセスカートリッジの側面図
図12】実施形態のプロセスカートリッジの電極部材周辺の要部を示す斜視図
図13】実施形態のプロセスカートリッジの電極部材周辺の構成の一部を抜き出して示す分解斜視図
図14】実施形態の(a)プロセスカートリッジの電極部材周辺の構成の一部を抜き出して、帯電ローラ側から見た斜視図、(b)プロセスカートリッジの電極部材周辺の構成の一部を抜き出して、電極部材側から見た斜視図
図15】実施形態の(a)プロセスカートリッジの電極部材と装置本体のバネ接点との関係を示す正面図、(b)(a)のf-f断面図、(c)(a)のg-g断面図
図16】実施形態の電極部材における火花の規制範囲を説明するための断面図
図17】実施形態の(a)プロセスカートリッジの現像ユニットの電気接点に対応する装置本体の電気接点周辺の構成を抜き出した正面図、(b)(a)のh-h断面図
図18】実施形態のプロセスカートリッジにおいて、感光ドラムと現像ローラとが離間した状態の側面図
図19】実施形態の電極部材の斜視図
図20】実施例1との比較のための(a)従来のねじりコイルバネを用いた装置本体の電気接点部を示す正面図、(b)(a)のi-i断面図
図21】実施例1との比較のための従来のねじりコイルバネを用いた装置本体の電気接点部を示す断面図
図22】実施例1との比較のための従来のねじりコイルバネを用いた装置本体の電気接点部を示す斜視図
図23】実施例1との比較のための(a)従来のねじりコイルバネを用いた装置本体の電気接点部を示す本体内側からの図、(b)(a)のねじりコイルバネを傾ける前のj-j断面図、(c)ねじりコイルバネを傾けた後の(a)のj-j断面図
図24】実施例1の(a)ねじりコイルバネの構成を示す図、(b)ねじりコイルバネを下から見た図
図25】実施例1のねじりコイルバネを用いた装置本体の電気接点部とプロセスカートリッジの電極部材の当接状態を示す正面図、斜視図
図26】実施例1のねじりコイルバネを用いた装置本体の電気接点部を示す斜視図
図27】実施例1の(a)ねじりコイルバネを用いた装置本体の電気接点部を示す本体内側からの図、(b)(a)のk-k断面図、(a)のl-l断面図
図28】実施例1のねじりコイルバネを用いた装置本体の電気接点部を傾けた状態を示す斜視図
図29】実施例1の(a)ねじりコイルバネを用いた装置本体の電気接点部を傾けた状態を示す本体内側からの図、(b)(a)のm-m断面図
図30】実施例2のねじりコイルバネを用いた装置本体の電気接点部を傾けた状態を示す断面図と斜視図
図31】実施例3のねじりコイルバネを用いた装置本体の電気接点部を傾けた状態を示す断面図と斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
本実施形態について、図1から図18を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、図1を用いて説明する。
【0011】
[画像形成装置]
本実施形態の画像形成装置200は、電子写真方式のレーザプリンタである。図1に示すように、画像形成装置200は、装置本体(プリンタ本体)A、画像形成部であるプロセスカートリッジB、トナーカートリッジCを有する。装置本体Aには、レーザースキャナ101、シート搬送部102、シート給送部103、転写ローラ104、定着部105、シート排出部110、反転搬送部111などが設置されている。また、詳しくは後述するが、装置本体Aには、プロセスカートリッジB、トナーカートリッジCが着脱可能(装着可能)に配置される。このために装置本体Aは、開閉ドア107を有している。
【0012】
プロセスカートリッジBは、クリーニングユニット10、像担持体及び感光体である感光ドラム11と、帯電部材である帯電ローラ12と、現像ユニット15と、クリーニング部材であるクリーニングブレード17とを有する。プロセスカートリッジBの上方には、露光装置であるレーザースキャナ101が配置されている。
【0013】
帯電ローラ12は、感光ドラム11の外周面に接触するように配置され、装置本体Aからの電圧印加によって、感光ドラム11を帯電する。また、帯電ローラ12は、感光ドラム11と従動回転する。現像ユニット15は、現像剤であるトナーを担持して搬送する現像剤担持体である現像ローラ16、供給ローラ13、現像ブレード18を備える。現像ローラ16は、感光ドラム11と対向するように配置されている。
【0014】
クリーニングブレード17は、感光ドラム11の外周面に接触するように配置される弾性を有する部材であり、感光ドラム11の表面を清掃する。クリーニングブレード17は、その先端が感光ドラム11に弾性的に接触することで、後述するシートSが感光ドラム11と転写ローラ104との間を通過した後に残留するトナーを感光ドラム11から除去する。
【0015】
シート給送部103は、カセット103a、ピックアップローラ103b、分離ローラ103c及び分離パッド103dを有している。ピックアップローラ103bは、カセット103aに収容された最上位のシートSを給送する。分離ローラ103c及び分離パッド103dは、ピックアップローラ103bによって給送されたシートSを1枚ずつに分離する。シート搬送部102は、シート給送部103から給送されたシートSを搬送する搬送ローラ対102a、レジストレーションローラ対102bを有する。レジストレーションローラ対102bは、感光ドラム11上に形成されたトナー像とタイミングを合わせて、シートSを感光ドラム11と転写ローラ104との間の転写部に搬送する。
【0016】
定着部105は、ヒータなどの熱源により加熱された定着ローラ105aと、定着ローラ105aとの間でシートSを挟持する定着ニップ部を形成する加圧ローラ105bとを有する。転写部でトナー像が転写されたシートSは、定着部105に搬送され、定着ニップ部において加熱、加圧される。これにより、シートS上にトナー像が定着される。
【0017】
シート排出部110は、排出ローラ対110aを有し、トナー像が定着されたシートSを排出ローラ対110aにより排出トレイ106に排出する。反転搬送部111は、反転搬送ローラ対111aを有し、シートSの両面に画像を形成する場合に、定着部105を通過したシートSの表裏を反転させ、レジストレーションローラ対102bに向けて搬送する。
【0018】
続いて、画像形成装置200の動作について図1を用いて説明する。駆動源(モータ)(不図示)によって回転駆動された感光ドラム11は、帯電ローラ12によって所定の電位に一様に帯電される。帯電後の感光ドラム11はその表面に対しレーザースキャナ101によって画像情報に基づいた露光がなされ、露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。感光ドラム11上の静電潜像に対し現像ローラ16からトナーが供給されトナー像として可視化される。
【0019】
一方、このようなトナー画像の形成動作と並行して、シート給送部103からシートSが給送される。シート給送部103から給送されたシートSは、レジストレーションローラ対102bにより、感光ドラム11にトナー像を作像するタイミングに合わせて転写部に搬送される。シートSが転写部を通過する際には、転写ローラ104には装置本体Aから電圧が印加され、感光ドラム11上のトナー像がシートSに未定着画像として転写される。その後、トナー像が転写されたシートSは定着部105へと搬送され、未定着画像が加熱及び加圧されてシートSの表面に定着される。トナー像が定着されたシートSは、シート排出部110により排出トレイ106へ排出され積載される。なお、シートSの両面に画像形成を行う場合には、シートSを反転搬送部111に搬送し、シートSの裏面に、上述と同様にトナー像を形成する。
【0020】
[プロセスカートリッジ]
プロセスカートリッジBについて、図2から図5を用いて説明する。図2(a)はプロセスカートリッジBの正面図、図2(b)は図2(a)のa-a断面図、図3(a)は図2(a)のb-b断面図である。図2(a)から図3(a)に示すように、プロセスカートリッジBは、クリーニングユニット(ユニット、ドラムユニット)10、現像ユニット(ユニット)15を有している。クリーニングユニット10は、感光ドラム11、クリーニングブレード17などを有している。現像ユニット15は、現像ローラ16を備えている。プロセスカートリッジBは、感光ドラム11、クリーニングブレード17などを備えたクリーニングユニット10と、現像ローラ16を備えた現像ユニット15から構成される。クリーニングユニット10は、感光ドラム11、クリーニングブレード17、帯電ローラ12、帯電ローラ12のクリーニング部材である帯電ローラクリーナ14、廃トナー1次収容部10a、第1廃トナー搬送路10b、第2廃トナー搬送路10cを有する。クリーニングブレード17により感光ドラム11から除去されたトナー(廃トナー)は、廃トナー1次収容部10aから、第1廃トナー搬送路10b、第2廃トナー搬送路10cを通じて、トナーカートリッジCへ搬送される。
【0021】
図3(b)は図2(a)のc-c断面図である。図3(b)に示すように、現像ユニット15は、現像ローラ16、供給ローラ13、現像ブレード18、現像室151、現像剤収容室152、トナー受入室153を有する。現像室151には、現像ローラ16が配置される。現像剤収容室152は、現像室151にトナーを供給する。トナー受入室153は、トナーカートリッジCから供給されるトナーを受け入れる。
【0022】
現像ローラ16は、トナーを担持して回転し、感光ドラム11の現像領域へトナーを供給する。そして、現像ローラ16は、トナーを用いて、感光ドラム11に形成された静電潜像を現像する。供給ローラ13は、現像室151内のトナーを現像ローラ16に供給する。このような供給ローラ13は、その回転軸線方向が現像ローラ16の回転軸線方向と平行になるように配置され、外周面には現像剤が搬送しやすいようにスポンジ等の弾性層が形成されている。現像ブレード18は、現像ローラ16の周面に当接して現像ローラ16の周面に付着する(担持された)トナーの層厚(量)を規制する。また、トナーに摩擦により帯電した電荷(摩擦帯電電荷)を付与する。
【0023】
現像剤収容室152は、現像室151と連通し、現像室151に供給するトナーを収容する。現像剤収容室152内に収納されたトナーは、撹拌部材154の回転によって現像室151へ送り出され、現像ローラ16に供給される。現像剤収容室152内のトナーは、残量検知部(不図示)によって残量が検知される。そして、現像剤収容室152内のトナー量が一定以下になったときに、トナーカートリッジCからプロセスカートリッジBへトナーが供給される。
【0024】
トナー受入室153は、現像剤収容室152と連通し、トナーカートリッジCから補給されたトナーを現像剤収容室152に供給する。トナーカートリッジCからプロセスカートリッジBの現像ユニット15へのトナー供給は、ステー21の補給口21c、トナー受入室153、受け渡し口21dを介して行われ、現像剤収容室152に収容される。
【0025】
次に、図2(b)、図4(a)、(b)、図5(a)、(b)を用いて、プロセスカートリッジBの構成についてより詳細に説明する。図4(a)はプロセスカートリッジBの分解斜視図、(b)は(a)とは異なる方向から見たプロセスカートリッジBの分解斜視図である。図5(a)は現像ユニット15の感光ドラム11に対する当接状態を示すプロセスカートリッジBの側面図、(b)は現像ユニット15の感光ドラム11に対する離間状態を示すプロセスカートリッジBの側面図である。前述の通り、クリーニングユニット10は、感光ドラム11、帯電ローラ12、クリーニングブレード17を有する。現像ユニット15は、現像ローラ16、現像ブレード18、現像室151、現像剤収容室152、トナー受入室153を有する。
【0026】
図4(a)、(b)に示すように、クリーニングユニット10は、クリーニング枠体20と、ステー21と、サイドカバー7とで構成される。クリーニング枠体20は、クリーニングブレード17、帯電ローラ12、帯電ローラクリーナ14を支持する。図4(b)に示すように、感光ドラム11は、片側をクリーニング枠体20に取り付けられるドラムピン22で、反対側をサイドカバー7に設けられた感光ドラム支持部7bで回転可能に支持される。
【0027】
また、図4(a)、(b)に示すように、現像ローラ16の軸線方向の端部には、軸受け部材4、5が配置され、現像ユニット15は、支軸8a、支軸8bを含む直線で定義される揺動軸線8まわりに回動可能にクリーニングユニット10に結合される。揺動軸線8は、感光ドラム11の回転軸線11bと略平行に配置される。
【0028】
現像ユニット15がクリーニングユニット10に支持される構成について、詳細に説明する。図4(a)に示すように、軸受け部材5に設けられた円筒形状部5aが、クリーニングユニット10のサイドカバー7に設けられた円筒状穴部7aに支持される。支軸8aは、サイドカバー7の円筒状穴部7aと軸受け部材5の円筒形状部5aとの共通軸線で定義される。また、軸受け部材5の円筒形状部5aの回転中心に装置本体Aからの駆動を受け取るための駆動入力部材である現像カップリング155が設けられている。
【0029】
また、図4(b)に示すように、ピン6がクリーニングユニット10のクリーニング枠体20の円筒状穴部20aと軸受け部材4の円筒状穴部4aとに跨るように挿入される。支軸8bは、ピン6と軸受け部材4の円筒状穴部4aとの共通軸線で定義される。支軸8aと支軸8bとは略同軸に配置され、前述のように支軸8aと支軸8bとを含む直線で揺動軸線8が定義される。
【0030】
以上により、現像ユニット15は、クリーニングユニット10に対し、揺動軸線8まわりに回動可能に支持される。そして、現像ユニット15は、弾性部材である加圧バネ19a、19bによりクリーニングユニット10の感光ドラム11に向けて付勢され、現像ローラ16が感光ドラム11に当接する。
【0031】
次に、現像ユニット15のクリーニングユニット10に対する当接離間動作に関して、図5(a)、(b)を用いて説明する。なお、図5(a)、(b)は、装置本体Aの離間機構100を示すために、サイドカバー7を省略した説明図である。図5(a)に示すように、軸受け部材5の離間機構100と対向する位置に突出部5bが設けられている。本実施形態では、プロセスカートリッジBが装置本体Aに装着された状態で、現像ユニット15の下方に離間機構100が設けられている。そして、突出部5bは、軸受け部材5の下端部に設けられている。離間機構100は、装置本体Aに設けられ、モータなど駆動源(不図示)により揺動軸100aを中心に略上下方向に揺動可能となっている。
【0032】
図5(a)に示すように、突出部5bが離間機構100と当接しない位置においては、現像ローラ16は、加圧バネ19a、19bの付勢力により感光ドラム11に当接する。この位置が、現像ローラ16によって感光ドラム11の表面に形成された静電潜像を現像可能な画像形成位置となる。
【0033】
図5(b)に示すように、装置本体Aに設けられた離間機構100が揺動軸100aを中心に揺動して突出部5bに当接し、突出部5bが離間機構100から力を受けることで、現像ユニット15が揺動軸線8を回動中心として矢印R2方向に回動する。これにより、現像ローラ16が加圧バネ19a、19bの付勢力に抗して感光ドラム11から離間する。この位置が、画像形成位置から退避した非画像形成位置となる。
【0034】
離間機構100が図5(b)の位置から元の位置である図5(a)の位置に戻ると、離間機構100が突出部5bから離れる。そして、加圧バネ19a、加圧バネ19bの付勢力により、現像ローラ16が感光ドラム11と再び当接する。このように本実施形態では、離間機構100により現像ユニット15の位置を当接位置(画像形成位置)と離間位置(非画像形成位置)とに切り替え可能となる。すなわち、プロセスカートリッジBにおける現像ユニット15の姿勢が、感光ドラム11に対して、当接位置と離間位置とで切り替え可能となっている。これによりトナーの劣化抑制及び非画像形成時における不要なトナー消費を抑制できる。
【0035】
上述のように、現像ユニット15は、クリーニングユニット10に対して、揺動軸線8まわりに回動することで当接位置と離間位置とを移動する構成である。そのため、現像ユニット15がクリーニングユニット10に対して当接位置と離間位置との間を移動する際、現像カップリング155の位置変化は嵌合ガタ程度の微小に抑えることができる。具体的には、軸受け部材5の円筒形状部5aは、サイドカバー7の円筒状穴部7aに係合する(図4(a))。しかし、軸受け部材5の円筒形状部5aとサイドカバー7の円筒状穴部7aとは嵌合ガタ0.13mm以内をもって係合している。よって、現像ユニット15が当接位置と離間位置とを移動する際の現像カップリング155の位置は嵌合ガタ分以上には変化しない。
【0036】
[トナーカートリッジ]
次に、トナーカートリッジCに関して、図6図7を用いて説明する。図6(a)はトナーカートリッジCの正面図、図6(b)は図6(a)のd-d断面図、図6(c)は図6(a)のe-e断面図、図7(a)はトナーカートリッジCの分解斜視図、(b)は(a)とは異なる方向から見たトナーカートリッジの分解斜視図である。
【0037】
図6(a)に示すように、トナーカートリッジCは、トナー供給ユニット30と、廃トナー収容ユニット40とを備える。トナーカートリッジCは、プロセスカートリッジBと共に装置本体Aに対して着脱可能であり、プロセスカートリッジBに対しても着脱可能である。トナー供給ユニット30は、プロセスカートリッジBにトナーを供給可能である。廃トナー収容ユニット40は、プロセスカートリッジBで回収した廃トナーを収容可能である。
【0038】
[トナー供給ユニット]
トナー供給ユニット30は、図6(b)に示すように、トナーが収容される第1収容容器であるトナー供給容器31と、トナー供給容器31からトナーを外部へ排出するためのトナー排出口31aとを有する。トナー供給容器31は、トナー収容部30aを有する供給部枠体32aと、供給部フタ32bとで形成されている。また、供給部枠体32aには、トナー収容部30aからトナーを排出するトナー排出口31aを有する。また、トナー排出口31aを開閉可能なシャッター部材34が設けられている。シャッター部材34は、トナーカートリッジCのプロセスカートリッジBに対する着脱動作に連動して矢印R1方向に回転することで、トナー排出口31aを開閉する。シャッター部材34は、供給部枠体32aの外部に配置されている。
【0039】
また、トナー収容部30aはトナー排出口31aにトナーを搬送するトナー搬送部材として、トナー排出口31aに向かってトナーを搬送するスクリュー部材35を有している。また、スクリュー部材35に向かってトナーを搬送する撹拌搬送ユニット36を有している。
【0040】
また、図7(a)、(b)に示すように、トナー排出口31aまで搬送されたトナーは、ポンプユニット37に設けられたポンプ37aの容積変動によりトナー排出口31a外へと排出される。ポンプユニット37は、伸縮することで容積を変化させるポンプ37aと、ポンプ37aを回転によって伸縮させるカム37bと、リンクアーム37cとで構成される。また、図5図7(a)、(b)に示すように、トナー供給ユニット30は、撹拌駆動入力部38、ポンプ・スクリュー駆動入力部39を有する。撹拌駆動入力部38は、トナー搬送部材を駆動するトナー搬送駆動部として機能し、撹拌搬送ユニット36を駆動する。ポンプ・スクリュー駆動入力部39は、ポンプユニット37及びスクリュー部材35を駆動する。ポンプ・スクリュー駆動入力部39は、突起形状であるポンプ・スクリューカップリング部39aに装置本体Aから回転駆動力が入力される。この回転駆動力をカム37bとリンクアーム37cによってレシプロ運動に変換する。そして、このレシプロ運動を用いてポンプ37aの蛇腹形状を伸縮させることで容積変動を得る。
【0041】
[廃トナー収容ユニット]
図6(c)に示すように、廃トナー収容ユニット40は、プロセスカートリッジBからの廃トナーを受け入れるための廃トナー受入口42と、廃トナー受入口42から受け入れた廃トナーが収容される第2収容容器である廃トナー収容容器41とを有する。
【0042】
廃トナー収容容器41は、廃トナー収容部40aを有する廃トナー収容部枠体41aと、廃トナー収容フタ41bとで形成されている。廃トナー収容フタ41bには、プロセスカートリッジBから回収した廃トナーを受け入れる廃トナー受入口42が設けられている。廃トナー収容フタ41bは、廃トナー受入口42を開閉する廃トナーシャッター部材43を有する。廃トナーシャッター部材43は、トナーカートリッジCの装置本体Aに対する着脱に連動して、図6(c)の矢印R3の方向に開閉される。
【0043】
図6(c)、図7(a)に示すように、廃トナー収容ユニット40内には、仕切り部材46と、廃トナー収容部40a内の廃トナーを搬送する廃トナー搬送部材である第1廃トナー収容スクリュー44と、第2廃トナー収容スクリュー45とを有している。仕切り部材46は、廃トナー収容ユニット40内の空間を複数の収容部に仕切っている。第1廃トナー収容スクリュー44は、廃トナー受入口42から落下してきた廃トナーをトナーカートリッジCの長手方向(図6紙面に直交する方向)に搬送する。第2廃トナー収容スクリュー45は、第1廃トナー収容スクリュー44より駆動を得て、第1廃トナー収容スクリュー44で搬送された廃トナーを斜め上方に搬送する。
【0044】
図7(a)、(b)に示すように、前述の撹拌駆動入力部38から入力された駆動力は、撹拌搬送ユニット36を介して、トナー供給ユニット30の非駆動側に伝達され、撹拌部材非駆動側ギア38aに伝達される。撹拌部材非駆動側ギア38a、廃トナー収容部ギア列47により、第1廃トナー収容スクリュー44に駆動が伝達される。トナー供給ユニット30側には、駆動側トナーカートリッジサイドカバー50が、廃トナー収容ユニット40側には、非駆動側トナーカートリッジサイドカバー60がそれぞれ取り付けられる。
【0045】
以上の構成により、ポンプ・スクリュー駆動入力部39を駆動してないときでも、撹拌駆動入力部38を駆動することができる。すなわち、トナー供給ユニット30がプロセスカートリッジBにトナーを補給していないときでも、廃トナー収容ユニット40内の第1廃トナー収容スクリュー44、第2廃トナー収容スクリュー45を駆動し、廃トナー回収可能状態を維持できる。
【0046】
また、装置本体Aからの駆動の入力をトナーカートリッジCの一端にすることができるので、装置本体Aのギア列を簡略にすることができる。また、撹拌搬送ユニット36を用いて、駆動を供給部枠体32の一端から他端に伝達することで、駆動伝達のための部品を増やすことなく、廃トナー収容ユニット40に駆動を伝達できる。このことにより、トナーカートリッジCの駆動手段によるトナーカートリッジC及び装置本体Aの感光ドラム11の回転軸線方向への大型化を抑制しつつ、廃トナーをトナーカートリッジCに収容できる。
【0047】
[プロセスカートリッジB、トナーカートリッジCの着脱方法]
続いてプロセスカートリッジB、トナーカートリッジCの装置本体Aへの着脱方法について、図4図7図8図9図10図11を用いて説明する。図8(a)は装置本体Aに対するプロセスカートリッジBの挿入状態を示す概略斜視図、(b)は装置本体Aに対するトナーカートリッジCの挿入状態を示す概略斜視図である。図9(a)は装置本体Aに対するプロセスカートリッジBの挿入状態を示す概略側面図、(b)は装置本体Aに対するトナーカートリッジCの挿入状態を示す概略側面図である。図9(c)は装置本体AにプロセスカートリッジB及びトナーカートリッジCを装着した状態を示す概略側面図である。図10はプロセスカートリッジBの側面図、図11図10の反対側から見たプロセスカートリッジBの側面図である。
【0048】
図8(a)に示すように、装置本体Aの内部の空間がプロセスカートリッジB、トナーカートリッジCの装着部となっている。開閉ドア107は、装置本体Aに対して回動軸線107aを中心に矢印R5方向に回動可能に設けられている(図9参照)。図8は、開閉ドア107を開いた状態の図である。
【0049】
また、装置本体Aは、ガイド部108、ガイド部109を有している。ガイド部108、ガイド部109は、装着状態のプロセスカートリッジB及びトナーカートリッジCの長手方向両側に、プロセスカートリッジB及びトナーカートリッジCの装着方向D(着脱方向)に沿って設けられている。プロセスカートリッジBは、図4図10図11に示すように、長手方向両側に上方ボス93、94と下方ボス95、96が設けられ、上方ボス93、94の装着方向Dの下流側に先端ボス97、98が設けられている。
【0050】
プロセスカートリッジB、トナーカートリッジCの装置本体Aへの装着は、プロセスカートリッジBから行う。まず、プロセスカートリッジBを装置本体Aに装着する際には、図8(a)、図9(a)に示すように、上方ボス93と先端ボス98とがガイド部108に乗り、その2点と下方ボス96とでガイド部108を挟み込む。長手方向反対側でも同様に上方ボス93と先端ボス97とがガイド部109に乗り、その2点と下方ボス95とでガイド部109を挟み込む。このように、プロセスカートリッジBを上方ボス93、94及び先端ボス97、98と下方ボス95、96とによりガイド部108、109を挟みながら挿入する。これにより、プロセスカートリッジBがガイド部108、109に沿って装置本体Aの内部の装着部に案内される。
【0051】
より詳細に説明する。プロセスカートリッジBの装着方向Dは、図10に示すように、先端ボス97の下端と、上方ボス93の下端とを結んだ線L3の方向である。ユーザーが先端ボス97(98)を起点にプロセスカートリッジBを持ち上げた姿勢で装置本体Aに装着したときには、下方ボス96(95)がガイド部109(108)にあたることでプロセスカートリッジBの姿勢は規制される。このときの方向と装着方向Dとのズレ量は、ガイド部109(108)と、下方ボス96(95)のガタ分程度である。
【0052】
ユーザーが上方ボス94(93)を起点にプロセスカートリッジBを持ち上げた姿勢で装置本体Aに装着したときには、下方ボス96(95)がガイド部108(109)にあたることでプロセスカートリッジBの姿勢は規制される。このときの方向と装着方向Dとのズレ量は、ガイド部108(109)と、下方ボス96(95)のガタ分程度である。
【0053】
以上のように装着方向Dは、ユーザーの装着方法により多少の角度幅を有する。本実施形態においては、図10に示すように、装着方向Dの別の示し方として、次のように規定する。すなわち、装着方向Dを、感光ドラム11と現像ローラ16とが当接した状態において、感光ドラム11と現像ローラ16の軸中心を結んだ線(第1仮想線L1)と成す角αが、3.8°±5°になる方向(線L4)と規定する。
【0054】
トナーカートリッジCには、図7(a)、(b)に示すように、長手方向両側の装着方向Dの前方(装着方向D下流側)に位置決めボス50a、60aを有する。また、トナーカートリッジCは、長手方向両側に、被ガイド部50b、60bを位置決めボス50a、60aより装着方向Dの後方(装着方向D上流側)に有する。位置決めボス50a及び被ガイド部50bは駆動側トナーカートリッジサイドカバー50の軸線方向の外側の端面に設けられている。位置決めボス60a及び被ガイド部60bは非駆動側トナーカートリッジサイドカバー60の軸線方向の外側の端面に設けられている。プロセスカートリッジBは、図4(a)、(b)に示すように、ステー21にトナーカートリッジ位置決め部21a、21bを有する。
【0055】
図8(b)、図9(b)に示すように、トナーカートリッジCを装置本体Aに装着する際には、被ガイド部50b、60bをそれぞれガイド部108、ガイド部109に乗せて装着方向Dに装着する。図9(c)に示すように、トナーカートリッジCが装着完了位置まで装着されると、プロセスカートリッジBのトナーカートリッジ位置決め部21a、21bに、トナーカートリッジCの位置決めボス50a、60aが入り込む。このとき、被ガイド部50b、60bの装着方向D先端側は、ガイド部108、ガイド部109より離れ、後端はガイド部108、ガイド部109に当接した状態となる。これにより、トナーカートリッジCはプロセスカートリッジBに位置決めされる。また、被ガイド部50b、60bの後端がガイド部108、ガイド部109に当接することでトナーカートリッジCの装置本体A内での位置が決まる。
【0056】
プロセスカートリッジB、トナーカートリッジCを装着した後に開閉ドア107を閉めると、画像形成装置200は、画像形成が可能な状態となる。トナーカートリッジC、プロセスカートリッジBを取り外す際は上述した手順とは逆の手順で行われる。なお、図10に示すように、プロセスカートリッジBには穴部210がある。
【0057】
[プロセスカートリッジの帯電接点構成]
次に、本実施形態のプロセスカートリッジBの帯電接点構成の詳細について、図12から図16を用いて説明する。図12はプロセスカートリッジBの電極部材周辺の斜視図、図13はプロセスカートリッジBの電極部材周辺の構成の一部を抜き出して示す分解斜視図である。図14(a)はプロセスカートリッジBの電極部材周辺の構成の一部を抜き出して、帯電ローラ12側から見た斜視図、図14(b)はプロセスカートリッジBの電極部材周辺の構成の一部を抜き出して、電極部材側から見た斜視図である。図15(a)はプロセスカートリッジBの電極部材と装置本体Aのバネ接点との関係を示す正面図、(b)は(a)のf-f断面図である。図15(c)は(a)のg-g断面図である。図16は電極部材における火花の拡散を規制することが可能な範囲(以下、規制範囲という。)を説明するための断面図である。図16には重力方向Gも示す。
【0058】
図12及び図13に示すとおり、クリーニングユニット10は、枠体であるクリーニング枠体20と、プロセス部材及び帯電部材である帯電ローラ12が設けられている。プロセス部材は、画像形成に用いられる部材であり、帯電ローラ12は、クリーニング枠体20に回転可能に支持され、画像形成に用いられる回転体である。また、クリーニング枠体20は、樹脂材料により構成されており、本実施形態では、UL94規格における難燃性の等級がHBである樹脂材料によって構成されている。
【0059】
図13図14(a)に示すように、帯電ローラ軸受61が帯電ローラ軸受バネ910を介してクリーニング枠体20に接続されており、帯電ローラ12は、帯電ローラ軸受61を介してクリーニング枠体20に回転可能に支持される。帯電ローラ12は、所定の電圧を付与されながら回転することで、感光ドラム11の表面を一様に帯電する。
【0060】
図12図14(b)に示すように、クリーニングユニット10は帯電ローラ12に所定の電圧を付与するために、金属製の電極部材である電極板901を有する。電極板901は、図15(a)~(c)に示すように、帯電ローラ12と電気的に接続される導電接続部901b(図12参照)を有する。これと共に、電極板901は、装置本体A側に設けられた本体側電極部材であるバネ接点911と電気的に接続される電気接点部である接点部(接触部)901aを有する。
【0061】
接点部901aは、帯電ローラ12の回転軸線方向に関してクリーニング枠体20の外部に露出するように設けられる。一方、導電接続部901bは、クリーニング枠体20の内部に挿し込まれ、帯電ローラ軸受バネ910と接触する。そして、図15(a)~(c)に示すように、接点部901aは、装置本体Aに設けられる給電部材であるバネ接点911と接触する。以上の構成により、装置本体Aは、バネ接点911、電極板901、帯電ローラ軸受バネ910、帯電ローラ軸受61を介して帯電ローラ12と電気的に接続される。なお、帯電ローラ12の回転軸線方向は、プロセスカートリッジBの長手方向と略平行である。
【0062】
(電極板901)
続いて、電極板901について、さらに詳細に説明する。図12及び図15に示すように、電極板901の接点部901aは、電気接点面である底面901c、底面901c周囲に設けられる接続面である内壁面901d、第2面である最外面901fを有する。最外面901fは、クリーニング枠体20に電極板901を取り付けた際に最も外側に面する面である。底面901cは、底面901cの法線方向において最外面901fよりも1段下がった位置に設けられた単一の平坦面である(図15(b)(c)参照)。
【0063】
すなわち、最外面901fは、底面901cの法線方向において底面901cよりもクリーニング枠体20の外側に位置する。本実施形態では、最外面901fは、帯電ローラ12の回転軸線方向に関して底面901cよりもクリーニング枠体20の外側に位置している。また、底面901cと最外面901fは、互いに略平行に形成されており、それぞれ帯電ローラ12の回転軸線方向に関してクリーニング枠体20の外側に向くように配置されている。また、底面901cは、プロセスカートリッジBを装置本体Aに装着した状態で、底面901cの角度が重力方向に対して-45°以上+45°以下の範囲となるように設けられている。底面901cは、底面901cの角度が重力方向に対して、好ましくは-30°以上+30°以下の範囲、より好ましくは-10°以上+10°以下の範囲に設けられている。本実施形態では、底面901cは、重力方向と平行に設けられている。なお、最外面901fは、底面901cよりもクリーニング枠体20の外側に位置していればよく、底面901cと平行でなくてもよい。
【0064】
(バネ接点911)
装置本体A側に設けられたバネ接点911は、装置本体Aのうち、電極板901と対向している位置から底面901cに向けて侵入するように配置されている。具体的には、バネ接点911は、金属製の棒状部材を折り曲げるように形成されたものである。この折り曲げ部分が、クリーニング枠体20の外側から最外面901fを超えて底面901c側に侵入し、最外面901fとは接触せずに底面901cの一部と接触可能となっている。本実施形態では、バネ接点911が帯電ローラ12の回転軸線方向に関してクリーニング枠体20の外側から内側に向けて底面901c側に侵入するように構成されている。
【0065】
電極板901の接点部901aの内壁面901dは、最外面901fと底面901cとを接続するように設けられた傾斜面であり、底面901cの法線方向に対して傾斜している。最外面901fの底面901c側である内側の周縁部(内周縁部)は、底面901cの外周縁部よりも外側に位置する。内壁面901dは、底面901cの外周縁部と最外面901fの内周縁部とを接続する傾斜面であり、傾斜方向は、底面901cから最外面901fに向かうほど、底面901cから遠ざかる方向である。
【0066】
また、内壁面901dは、底面901cの周囲全体を覆っている。このような本実施形態の底面901c、内壁面901d、最外面901fは、金属製の板の一部を凹ませるように形成されたものである。なお、内壁面901dは、最外面901fと底面901cとを接続していればよく、底面901cの周囲全体を覆っていなくてもよい。ただし、後述の火花の飛散を抑制する観点から、内壁面901dが底面901cの周囲全体を覆っていることが好ましい。
【0067】
ここで、内壁面901dは、互いに対向する内壁面901d間の距離を、バネ接点911が接点部901aに侵入する幅よりも十分に長くすることが望ましい。本実施形態では、図15(a)等に示すように、底面901cは長方形の面であり、底面901cの外周縁部は4つの辺を有している。このため、図15(b)(c)に示すように、内壁面901dは、4つの面901d1、901d2、901d3、901d4を有している。このとき、内壁面901dにおいて、互いに対向する面901d1の底面901cの外周縁部に接続する側と、面901d2の底面901cの外周縁部に接続する側との距離を距離E1とする。また、内壁面901dにおいて、互いに対向する面901d3の底面901cの外周縁部に接続する側と、面901d4の底面901cの外周縁部に接続する側との距離を距離E2とする。
【0068】
また、バネ接点911が接点部901aに侵入するときに、図15(b)のように見たときのバネ接点911の幅を幅E3とし、図15(c)のように見たときのバネ接点911の幅をE4とする。このとき、E1>E3、及び、E2>E4の関係となっていることが望ましい。これにより、バネ接点911は、内壁面901dに接触せずに底面901cと接触することができる。したがって、バネ接点911と底面901cとの接触点901e(図16参照)の周囲には内壁面901dがあり、外面方向に最外面901fがある、という配置となる。
【0069】
この配置により、図16に示すように、万が一、接触点901eに可燃性の異物が噛みこまれ、トラッキング現象による火花が発生したとしても、金属部材である内壁面901dが延焼防止壁として機能する。すなわち、発生した火花の飛散方向を規制範囲K内に規制することでクリーニング枠体20への飛散を抑制することできる。ここで、規制範囲Kは、次のように定義される。
【0070】
(規制範囲K)
すなわち、図16に示すように、底面901cと直交する断面において、内壁面901dと最外面901fとの境界上の任意の点を第1点α1、内壁面901dと最外面901fとの境界上で第1点α1と対向する位置にある点を第2点α2とする。この場合に、底面901cの中央と第1点α1とを結ぶ線を第1線β1、底面901cの中央と第2点α2を結ぶ線を第2線β2とする。図示の例では、底面901cの中央に底面901cとバネ接点911との接触点901eがある。そして、第1線β1から第2線β2までの範囲を火花の飛散を規制する規制範囲Kと定義する。本実施形態では、この規制範囲Kを120°以上としている。すなわち、第1線β1と第2線β2とがなす角度を120°以上としている。第1線β1と第2線β2とがなす角度は、170°以下とすることが好ましく、より好ましくは160°以下、更に好ましくは150°以下とする。
【0071】
このように第1線β1と第2線β2とがなす角度を設定することで、底面901cの最外面901fからの深さ及び互いに対向する内壁面901dと最外面901fとの境界の間隔を、適切に設定できる。ここで、底面901cの最外面901fからの深さが深すぎると、電極板901のこの深さ方向の寸法が大きくなり装置の大型化に繋がる。また、この深さに対して互いに対向する内壁面901dと最外面901fとの境界の間隔が狭すぎると、火花が飛散することを十分に抑制できないおそれがある。このため、本実施形態では、規制範囲Kを上述のように規制している。
【0072】
また、本実施形態では、底面901cが重力方向Gに略平行に配置されている。このため、飛散した火花は重力方向Gに落下するので、クリーニング枠体20に付着しにくい。なお、底面901cは、重力方向Gと平行でなくてもよく、例えば、底面901cが下方に向くように重力方向Gに対して傾斜していてもよい。
【0073】
本実施形態では、このようにクリーニング枠体20へ火花が飛散することを抑制できるため、クリーニング枠体20の樹脂材料として、難燃性の低い材料を選択することができる。一般的に難燃性の低い材料に対して、難燃性の高い樹脂は添加物を添加することによって樹脂重量が高く、環境負荷が大きい。火花の拡散を規制し、難燃性の低い材料を選択することによって安全性と環境性に対して良好な構成を得ることができる。
【0074】
[プロセスカートリッジの現像ユニットの電気接点]
続いてプロセスカートリッジBの現像ユニット15の電気接点に関して、図10図11図17図18を用いて説明する。図17は、プロセスカートリッジBの現像ユニット15の電気接点に対応する装置本体Aの電気接点を示す図である。図18は、プロセスカートリッジBの現像ローラ16が感光ドラム11から離間した状態のときの現像ユニット15の電気接点の位置を示す側面図である。
【0075】
図10図11に示すように、プロセスカートリッジBは長手方向において、現像カップリング155の反対側の端部に、現像接点(第1電気接点部)16b、現像ブレード接点(第2電気接点部)18a、供給ローラ接点(第3電気接点部)13aを有する。現像接点16bは、被給電部材である現像ローラ16に対して装置本体Aから電力を供給するための接点である。現像ブレード接点18aは、被給電部材である現像ブレード18に電力を供給するための接点である。供給ローラ接点13aは、被給電部材である供給ローラ13に電力を供給するための接点である。
【0076】
すなわち、現像接点16bは、現像ローラ16と電気的に接続され、現像ローラ16に供給するための電力がプロセスカートリッジBの外部から供給されるための電気接点部である。現像ブレード接点18aは、現像ブレード18と電気的に接続され、現像ブレード18に供給するための電力がプロセスカートリッジBの外部から供給されるための電気接点部である。供給ローラ接点13aは、供給ローラ13と電気的に接続され、供給ローラ13に供給するための電力がプロセスカートリッジBの外部から供給されるための電気接点部である。
【0077】
ここで、感光ドラム11は、第1回転軸線11aを中心に回転するように構成されている。現像ローラ16は、第2回転軸線16aを中心に回転するように構成されている。図10に示すように、第1回転軸線11aの方向に見たときに、第1回転軸線11aと第2回転軸線16aとを通る仮想線を第1仮想線L1とする。この場合において、第1電気接点面である現像接点16b、第2電気接点面である現像ブレード接点18a及び第3電気接点面である供給ローラ接点13aは、第1仮想線L1と平行な第2仮想線L2上に設けられ、第2仮想線L2が延びる方向に並んでいる。また、現像接点16b、現像ブレード接点18a及び供給ローラ接点13aのうち、現像接点16bが、現像ローラ16に最も近い位置にある。また、第2仮想線L2が延びる方向において、現像ローラ16に近い側から、現像接点16b、現像ブレード接点18a、供給ローラ接点13aの順に並んでいる。また、現像接点16b、現像ブレード接点18a及び供給ローラ接点13aは、第2仮想線L2が延びる方向において現像ローラ16から離れた位置にある接点ほど、第2仮想線L2の垂直な方向の長さが長い。なお、3つの電気接点面の並びは現像接点16b、現像ブレード接点18a、供給ローラ接点13aの順でなくてもよい。
【0078】
本実施形態においては、各接点は装着方向Dにおいて、揺動軸線8よりも装着方向D上流側に配置される。また、各接点の順番は、装着方向D下流側から上流側に向かって順に、現像接点16b、現像ブレード接点18a、供給ローラ接点13aの順に並んでいる。現像接点16b、現像ブレード接点18a、供給ローラ接点13aのそれぞれの接点の装着方向Dと垂直な方向の高さ(長さ)H16b、H18a、H13aは、H13a>H18a>H16bとなるように配置する。
【0079】
また、現像接点16b、現像ブレード接点18a、供給ローラ接点13aは、現像ユニット15の揺動中心である揺動軸線8(ピン6)を中心とした揺動方向の長さについても、並び順に揺動軸線8から遠い程長くなっている。図10では、揺動軸線8を中心とした仮想円弧M1が現像接点16bを、仮想円弧M2が現像ブレード接点18aを、仮想円弧M3が供給ローラ接点13aを通る。これらの仮想円弧で示す方向が、揺動軸線8(ピン6)を中心とした現像ユニット15の揺動方向であり、揺動軸線8から遠い程、この方向の長さがなくなっている。なお、本実施形態では、第1回転軸線11aの方向に見たときに、第2仮想線L2が延びる方向において現像ユニット15の揺動軸線8(ピン6)の位置は、第2回転軸線16aと現像接点16bとの間にある。
【0080】
装置本体Aは、図17(a)に示すように、現像接点16b、現像ブレード接点18a、供給ローラ接点13aに対応する接点として、本体現像接点108a、本体現像ブレード接点108b、本体供給ローラ接点108cを有する。装着方向Dに対して、装着方向D上流側に行くほど装着方向Dと垂直な方向において高くなるように配置されている。すなわち、本体現像接点108a、本体現像ブレード接点108b、本体供給ローラ接点108cの順に高くなっていくように配置されている。
【0081】
図17(b)に示すように、本体供給ローラ接点108cは、供給ローラ接点13aに向けて付勢される付勢バネ108dによってプロセスカートリッジB側に突出するように付勢される。プロセスカートリッジBの装着時は、本体供給ローラ接点108cのテーパ形状108c2によってプロセスカートリッジBを受け入れ可能になる。プロセスカートリッジBの装着完了後は本体供給ローラ接点108cの本体供給ローラ接点先端108c1が、供給ローラ接点13aと接触することで電力供給を行う。本体現像接点108a、本体現像ブレード接点108bも同様の構成である。すなわち、本体現像接点108aは、テーパ形状108a2、本体現像接点先端108a1を有する。本体現像ブレード接点108bは、テーパ形状108b2、本体現像ブレード接点先端108b1を有する。
【0082】
このように本体接点を配置すると、本体接点の先端は次のように配置される。すなわち、図10に示すように、感光ドラム11に現像ローラ16が当接したときの、プロセスカートリッジBの各接点が、本体接点の先端(108a1、108b1、108c1)に接する点は、装着方向D上流側の接点ほど高くなるように配置される。
【0083】
図18に示すように、感光ドラム11から現像ローラ16が離間した状態においても、各接点が装着方向D上流側に行くほど揺動中心から離れるため、各接点の移動量が大きくなる。前述のとおり、それぞれの接点の装着方向Dと垂直な方向の高さを、H13a>H18a>H16bにしているので、各本体接点の先端(108a1、108b1、108c1)はプロセスカートリッジBの各接点(16b、18a、13a)から脱落しない。すなわち、離間時も各接点に電力を供給することができる。
【0084】
また、図18に示すように、装着方向D最上流の接点の、感光ドラム11と現像ローラ16の当接時の位置と、離間時の位置とは、現像ローラ16の軸線方向から見て、最低でもその一部が重なるように配置する。以上により、プロセスカートリッジBのサイズを大型化することなく、離間時も安定して給電接点を得ることできる。また、本実施形態では、接点の順番を装着方向D下流側から、現像接点16b、現像ブレード接点18a、供給ローラ接点13aの順としたが、その順序に関しては異なっていてもよい。
【0085】
なお、上述の例では、帯電接点である電極板901が金属板である場合に関して説明した。ただし、電極板901は導電樹脂製であってもよく、この場合であっても上述と同様の効果を得ることができる。
【0086】
[他の実施形態]
さらに他の実施形態について、図19を用いて説明する。なお、他の実施形態は、帯電接点である電極板902の構成が上述した実施形態と異なる。その他の構成及び作用は、上述した実施形態と同様であるため、他の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して図示及び説明を省略又は簡略にし、以下、上述した実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0087】
他の実施形態の電極板902の接点部902aは、電気接点面である内壁面902dと、プロセスカートリッジBの長手方向に関して内壁面902dよりも更にクリーニング枠体20の外側に位置する第2面である最外面902fとを有する。内壁面902dは、互いに法線方向が異なる複数の平坦面により構成されている。複数の平坦面は、プロセスカートリッジBの長手方向に関して最外面902fから最も離れた頂点Pと最外面901fとを接続する。他の実施形態では、複数の平坦面により、多角錐(底面を除く)形状を構成している。このため、複数の平坦面は、多角錐の側面を構成し、多角錐の頂点Pと最外面901fとを接続しているともいえる。最外面902fは、プロセスカートリッジBの長手方向に関して多角錐の頂点Pよりもクリーニング枠体20の外側に位置する。また、他の実施形態では、内壁面902dをそれぞれが三角形状の4つの平坦面で構成している。
【0088】
このような形状では、バネ接点911と電極板902は、内壁面902d上の接触点902eで接することになる。これにより、内壁面902d上の接触点902eから発生した火花が飛散した場合、火花が発生した内壁面902dの一部の面ではない他の内壁面902dの一部の面がそれぞれ火花の飛散を規制することができる。
【0089】
例えば、図19に示すように、内壁面902dの一部の面902d1に接触点902eがあり、この面902d1で火花が発生したとする。その場合でも、内壁面902dが上述した多角錐の形状であるため、内壁面902dの他の面902d2、902d3、902d4が延焼防止壁として機能する。これにより火花がクリーニング枠体20まで飛散することを抑制できる。
【0090】
また、他の実施形態では、規制範囲Kを次のように規定している。すなわち、複数の平坦面と最外面902fとの境界上の任意の点を第1点、複数の平坦面と最外面902fとの境界上で、頂点P及び第1点を通る断面において第1点と対向する位置にある点を第2点とする。この場合に、頂点Pと第1点とを結ぶ第1線と、頂点Pと第2点を結ぶ第2線との間の範囲を規制範囲Kとしている。そして、第1線と第2線とがなす角度が120°以上としている。
【0091】
言い換えると、内壁面902dを構成する複数の平坦面のうち、任意の平坦面を第1平坦面、第1平坦面と対向する位置にある平坦面を第2平坦面とした場合に、第1平坦面から第2平坦面までの範囲を火花の飛散を規制する規制範囲Kとする。他の実施形態では、この規制範囲Kを120°以上としている。すなわち、第1平坦面と第2平坦面とがなす角度を120°以上としている。具体的には、面902d1とこの面902d1と対向する902d3とのなす角度を120°以上、面902d2とこの面902d2と対向する902d4とのなす角度を120°以上としている。規制範囲Kの角度の上限については、他の実施形態と同様である。
【0092】
なお、上述の例では、内壁面902dを多角推形状の凹形状としているが、内壁面902dは円錐形状であってもよい。また、内壁面902dは、最外面902fと平行な断面形状が、多角形状、円形状以外にも、楕円形状や、円弧と平面を組み合わせた形状などであってもよい。
【0093】
以上、上述した実施形態のようにカートリッジ側の電極部材を構成することで、枠体の材質の選択自由度が高いカートリッジを提供することができる。以下に、本体側の電極部材である線バネの構成について説明する。
【実施例0094】
[従来のねじりコイルバネを用いた本体接点構成]
実施例1について、図20を用いて説明する。図20(a)は、実施例1との比較のための従来のねじりコイルバネを用いた装置本体Aの電気接点部を示す正面図、(b)は(a)のi-i断面図、(c)は回転止め204dを説明する図である。図21は実施例1との比較のための従来のねじりコイルバネを用いた装置本体Aの電気接点部を示す断面図である。なお、実施例1は、本体接点(本体現像接点、本体現像ブレード接点、本体供給ローラ接点)の構成が上述した実施形態と異なる。その他の構成及び作用は、上述した実施形態と同様であるため、上述した実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して図示及び説明を省略又は簡略にし、以下、上述した実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0095】
上述した実施形態で示した図17のような本体接点の場合、本体現像接点108aや本体現像ブレード接点108bや本体供給ローラ接点108cや付勢バネ108dの部品コストが高い。このため、図20に示すねじりコイルを有する線バネ構成とすることがある。
【0096】
接点部材である線バネ201は、コイル部であるねじりコイル部201b、ねじりコイル部201bから延びる第1腕部201f、コイル部201bから第1腕部201fとは反対側に延びる第2腕部201jを有している。ねじりコイル部201は、装着方向において、第1腕部201fよりも上流側にある。第1腕部201fは、ねじりコイル部201bから自由端201pまでの間に、第1部分201g、接触部である凸部201a、第2部分201h、第5部分201i、第3部分である抜け止め201c、をこの順に有している。コイル部201bは、本体ガイド部品204の支持部であるボス部204aに取り付けられている。
【0097】
第1部分201gは、装着方向においてねじりコイル部201bから凸部201aに近づくにつれて底面901cに近づくように延びている。第2部分201hは、装着方向において凸部201aから第1部分201gと離れる方向に向かうにつれて底面901cから遠ざかるように延びている。第1部分201g及び第2部分201hはいずれも直線状に延びている。第1部分201gと第2部分201hとがなす角度のうち小さい方の角度は、鈍角である。
【0098】
抜け止め201cは第2方向Dr2に向かって延びている。なお、プロセスカートリッジBの装着方向を第1方向Dr1、ねじりコイル部201bの中心軸線RO(回転軸方向)で装着方向と交差する方向を第2方向Dr2、装着方向及び回動軸方向に直交する方向を第3方向Dr3とする。第5部分201iは、第2部分201hと抜け止め201cとの間に設けられている。第5部分201iは、装着方向の上流側に向かって延びている。
【0099】
また、本体ガイド部品204は、線バネ201の凸部201aが第3方向Dr3に力を受けた時に線バネ201の回転を規制するように線バネ201の第2腕部201jと接触する規制部である回転止め204dを有している。
【0100】
しかしながら線バネの場合、線バネ201の凸部201a(接触点)がねじりコイル部201bを中心に回動する。このため、プロセスカートリッジBの挿抜時に線バネ201の凸部201aがプロセスカートリッジBの穴部210に入りスタックし、線バネ201が破損するおそれがある。ここで説明したプロセスカートリッジの穴部210とは、図10図15で示したプロセスカートリッジBの側面に開いている穴部のことである。
【0101】
従来のプロセスカートリッジBは挿抜時に線バネ201がプロセスカートリッジBの穴部210に入らないように穴部210の位置をずらすなどしていたが、プロセスカートリッジBの小型化に伴い穴部210の位置をずらす余地がなくなることが考えられる。例えば図10に示す通り、プロセスカートリッジBを装着方向Dに挿抜した際に、プロセスカートリッジBの穴部210の軌跡と本体接点の先端108a1とが重なっている。これを避けるために、例えばプロセスカートリッジBの穴部210の位置を装着方向Dと垂直な方向にずらすことが考えられる。しかし、プロセスカートリッジBの小型化のため、穴部210を他の位置に移動させると他の部品に影響を与えるため、穴部210の位置を装着方向Dと垂直な方向にも移動できない状態となっている。
【0102】
図21は線バネ201とプロセスカートリッジBの穴部210を説明したもので、図20(b)と同じ断面図方向の図である。図21(a)は線バネ201がプロセスカートリッジBの穴部210に入りスタックした状態を示す図であり、図21(b)は線バネ201がプロセスカートリッジBの穴部210に入らないように対策した図である。
【0103】
図22は線バネ201を傾けた状態を示す図で、図23(a)は画像形成装置200内側から線バネ201を見た図である。図23(b)は図23(a)のj-j断面図で線バネ201を傾ける前の状態を示す図、図23(c)は図23(a)のj-j断面図で線バネ201を傾けた状態を示す図である。
【0104】
線バネ201が穴部210に入ることへの対策として、図21(a)に示す線バネ201の曲げ角度θ1を図21(b)の曲げ角度θ2のように大きくする(θ2>θ1)。これにより、プロセスカートリッジBの穴部210の穴幅Lcより線バネ長Lsが長くなり(Ls>Lc)、線バネ201がプロセスカートリッジBの穴部210に入りスタックすることを防止することが可能となる。ここで、線バネ長Lsは、線バネ201の屈曲部201eから、線バネ201が穴部210の縁部210aと当接する当接部201dまでの装着方向Dにおける長さである(図21参照)。
【0105】
しかしながら、線バネ201の曲げ角度が大きくなった分、線バネ201は大型化する。線バネ201を大型化して図22に示す通り線バネ201を矢印方向Hに傾けると回転角度が増加する。そうすると図23(b)から図23(c)に示す通り、線バネ201の抜け止め201cが傾き、本体ガイド部品のスリット形状の穴部202から図23(c)の矢印方向Iに抜けてしまうおそれがある。そのため、ユーザーが線バネ201に触れるなどして線バネ201が傾いた際にも、線バネ201が画像形成装置200から外れないように対策する必要がある。
【0106】
[本体接点構成]
次に実施例1のプロセスカートリッジBの各接点と接触する接点部材である線バネ208の構成について、図24図25図26を用いて説明する。図24(a)は、実施例1の線バネ208の構成を示す図、(b)は線バネ208を(a)に示す下から見た図である。なお、図24には、第1方向Dr1、第2方向Dr2、第3方向Dr3等も示している。図25は線バネ208とプロセスカートリッジBの各接点への当接状態を説明する図である。図25(a)は画像形成装置200の側面から見た図で、図25(b)は斜視図である。
【0107】
図24に示すように、接点部材である線バネ208は、コイル部であるねじりコイル部208b、ねじりコイル部208bから延びる第1腕部208f、コイル部208bから第1腕部208fとは反対側に延びる第2腕部208jを有している。第1腕部208fは、ねじりコイル部208bから自由端208pまでの間に、第1部分208g、接触部である凸部208a、第2部分208h、第5部分208i、第3部分である抜け止め208c、第4部分208kをこの順に有している。
【0108】
第1部分208gは、装着方向においてねじりコイル部208bから凸部208aに近づくにつれて現像接点16b(又は現像ブレード接点18a、供給ローラ接点13a)に近づくように延びている。第2部分208hは、装着方向において凸部208aから第1部分208gと離れる方向に向かうにつれて現像接点16b(又は現像ブレード接点18a、供給ローラ接点13a)から遠ざかるように延びている。第1部分208gと第2部分208hとがなす角度のうち小さい方の角度は、鈍角である。この角度は、120度以上160度以下である。抜け止め208cは第2方向Dr2に向かって、直線状に延びている。
【0109】
図25に示すように、プロセスカートリッジBの現像接点16bに第1接点部材である本体現像接点208Aが当接している。供給ローラ接点13aに第2接点部材である本体供給ローラ接点208Bが当接している。現像ブレード接点18aに第3接点部材である本体現像ブレード接点208Cが当接している。
【0110】
図26は画像形成装置200からプロセスカートリッジBを抜いた状態の線バネ208を説明する図である。図27(a)は画像形成装置200の内側から線バネ208を見た図、図27(b)は図27(a)のk-k断面図を示す図、図27(c)は図27(a)のl-l断面図を示す図である。なお、図27(a)において、穴部204bに破線で示す枠線204b1は、第1方向Dr1において抜け止め208cがある位置に対応する開口部分である。
【0111】
図27(b)で示したように、線バネ208のねじりコイル部208bは、本体ガイド部品204の支持部であるボス部204aに取り付けられている。本体ガイド部品204は、ねじりコイル部208bを支持するボス部204aが設けられた支持部材である。なお、本体ガイド部品204は、線バネ208の凸部208aが第3方向Dr3に力を受けた時に線バネ208の回転を規制するように線バネ208の第2腕部208iと接触する規制部である回転止め204dを有している(図20(c)参照)。
【0112】
線バネ208は、本体ガイド部品204の穴部204bを通過してプロセスカートリッジBの各接点へ当接する凸部208a(接触部)を形成している。穴部204bは、例えばスリット形状である。図27(c)で示したように、線バネ208はその後、再度、本体ガイド部品204の穴部204bを通過して、プロセスカートリッジBの挿抜エリアの外側で線バネ208先端の回動時の回転止めと抜け止めを兼ねた抜け止め208c及び第4部分208k(線バネ先端部208nとする。)が形成されている。線バネ先端部208nは、プロセスカートリッジBの挿抜エリアの外側で第1曲げ部208lと第2曲げ部208mを有している(図24(a)参照)。線バネ先端部208nは、第1曲げ部208l及び第2曲げ部208mで2回曲げた後の形状の幅L2が、本体ガイド部品204の穴部204bの幅L1より大きい(L2>L1)。なお、実施例1の線バネ208は、抜け止め208cから屈曲した第4部分208kを有しているため、穴部208bから外れにくい構成であるが、上述したL2>L1という関係を満たすことで、よりいっそう外れにくくなっている。
【0113】
ここで、幅L2とは、図24(b)に示すように、第2方向Dr2から線バネ208を見たときの、第4部分208kの第3方向Dr3の長さである。このように、線バネ208の第4部分208kは、装着方向に見たときに第3方向Dr3に向かって延びている。装着方向に見たときの第4部分208kの幅L2は、本体ガイド部品204を直交する方向に見たときに、装着方向において抜け止め208cがある位置の開口の第2方向Dr2の幅L1より長い(図27(c)参照)。
【0114】
このように、実施例1の線バネ208は、カートリッジ側電気接点に向かって凸部208aまで延びた後、凸部208aで屈曲し、カートリッジ側電気接点から遠ざかる方向に延びた形状である。線バネ208は、回動する際に線バネ208の回転を規制する線バネ先端部208nを有している。そのため、線バネ208をねじりコイル部208bを中心に回動させても、本体ガイド部品204の穴部204bを通過させて線バネ先端部208nを外すことはできない構成となる。
【0115】
[本体接点を傾けた場合の構成]
次に実施例1の線バネ208を傾けた構成について、図28図29を用いて説明する。図28図26の線バネ208を傾けた状態を説明する図で、図29(a)は画像形成装置200内側から線バネ208を見た図で、図29(b)は図29(a)のm-m断面図を示す図である。本体ガイド部品204には、現像接点16b(又は現像ブレード接点18a、供給ローラ接点13a)が設けられたプロセスカートリッジBの側面に対向する対向壁204であって、装着方向に延びる開口である穴部204bが設けられた対向壁204cを有している。第3方向Dr3において凸部208aが対向壁204cに対して現像接点16b(又は現像ブレード接点18a、供給ローラ接点13a)がある側に穴部204bから突出し、抜け止め208c及び第4部分208kが対向壁204cに対して現像接点16b(又は現像ブレード接点18a、供給ローラ接点13a)がある側と反対側にあるように、線バネ208は配置される。また、本体ガイド部品204は、第1腕部208fが第3方向Dr3において現像接点16b(又は現像ブレード接点18a、供給ローラ接点13a)に近づく方向の移動を規制するように抜け止め208cと係合する係合部であるリブ209を有している。
【0116】
図28では、線バネ208を矢印方向Hに傾けた状態であり、図29(b)で示したように、線バネ208を傾けても第4部分208kの幅L2が本体ガイド部品204の穴部204bの幅L1より大きい。線バネ208を変形可能な範囲でどのように傾けても、L1<L2を満たすことで、第4部分208kを本体ガイド部品204の穴部204bを通過させて外すことはできない構成となる。また、図29(b)にあるリブ209により、第4部分208kがリブ209に引っかかるため、より第4部分208kが本体ガイド部品204の穴部204bに近づきにくい構成になっている。
【0117】
以上の構成により、線バネ208によるプロセスカートリッジBの各接点への電力供給を行うことができ、線バネ208を傾けても第4部分208kが本体ガイド部品204の穴部204bを通過して外れることを防止することが可能となる。また実施例1の構成を採用することで、本体接点に線バネを採用することができ、本体接点のコストダウンも可能となる。
【0118】
以上、実施例1によれば、線バネに力が加わった場合でも装置本体から外れ難いようにすることができる。
【実施例0119】
実施例2について、図30を用いて説明する。図30(a)は図29(b)と同じ断面図で線バネ先端部の形状が異なる場合を示した図で、図30(b)は線バネ先端部の詳細斜視図である。実施例1は、図29(b)で示したように線バネ先端部208nがコの字型になるように、線バネ先端部を曲げた構成を説明した。
【0120】
しかしながら、図30(a)や図30(b)に示すように、線バネ先端部208nがコの字にならない方向に第1曲げ部208lと第2曲げ部208mを有し、線バネ先端部を曲げた構成にすることで、L1<L2を満たす構成でもよい。
【0121】
すなわち、実施例1では、第4部分208kは、第5部分208iと抜け止め208cとで規定される仮想面に平行、より具体的にはその仮想面内に含まれるように曲げられていた。実施例2では、第4部分208kが第5部分208iと抜け止め298cとで規定される仮想面に交差する方向(例えば第3方向Dr3)に曲げられている。そうすることで、線バネ先端部208nを本体ガイド部品204の穴部204bを通過させて外すことはできない構成となる。
【0122】
以上、実施例2によれば、線バネに力が加わった場合でも装置本体から外れ難いようにすることができる。
【実施例0123】
実施例3について、図31を用いて説明する。図31(a)は図29(b)と同じ断面図で線バネ先端部nの形状が異なる場合を示した図で、図31(b)は線バネ先端部n’の詳細斜視図である。実施例1は、図29(b)で示したように線バネ先端部208nがコの字型になるように、線バネ先端部nを曲げた構成を説明した。
【0124】
しかしながら、図31(a)や図31(b)に示すように、抜け止め208c’は湾曲状に延びている形状でもよい。抜け止め208c’が自由端208pに向かってU字形又は円形に延びるように線バネ先端部n’を曲げた構成にすることで、L1<L2を満たす構成でもよい。
【0125】
なお、図31(b)に示すように、線バネ208がU字形状の抜け止め208c’を有する場合、幅L2は次のように規定される。幅L2は、図31(a)に示すように、第2方向Dr2からみたときに、自由端208pから第4部分208kを含み、抜け止め208c’の凸部208c’1までの第3方向Dr3における長さとなる。そうすることで、線バネ先端部208n’を本体ガイド部品204の穴部204bを通過させて外すことはできない構成となる。
【0126】
以上、実施例3によれば、線バネに力が加わった場合でも装置本体から外れ難いようにすることができる。
【0127】
<他の実施例>
上述の各実施例では、カートリッジとしてプロセスカートリッジBに設けられた電極板構成を例にとって説明をしたが、これは構成の一例であり、その効果はプロセスカートリッジBに限るものではない。例えば、現像ユニット15に設けられた導電接点部であってもよい。この場合、例えば、現像ローラ16、供給ローラ13、現像ブレード18の少なくとも何れかがプロセス部材に相当する。
【0128】
ここで、カートリッジとは、現像剤、感光ドラムなどの像担持体、感光ドラムに作用する帯電部材などのプロセス部材のうち少なくとも一つを有し、電子写真方式の画像形成装置の装置本体に着脱可能なものを指す。カートリッジの代表例として、感光ドラムや現像ユニットを組み合わせたプロセスカートリッジ、感光ドラム、帯電ローラ及びクリーニング部材を有するドラムカートリッジ(上述のクリーニングユニット)が挙げられる。さらに、現像カートリッジ(上述の現像ユニット)、トナーを収容するトナーカートリッジなどが挙げられる。本発明は、これらの各種カートリッジに適用可能である。
【0129】
また、上述の各実施形態では、一つの感光ドラムを有する画像形成装置に関して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば複数の感光ドラムを有するタンデム方式のカラー画像形成装置にも適用可能である。
【0130】
更に、上述の各実施形態では、画像形成装置としてレーザプリンタを例に説明したが、LEDプリンタなどでもよい。画像形成装置は、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体(例えば、普通紙、普通紙の代用品である合成樹脂製のシート、厚紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等のシート材など)に画像を形成するものである。したがって、本発明の画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複数の機能を有する複合機などを含む。
【0131】
以上、他の実施形態においても、線バネに力が加わった場合でも装置本体から外れ難いようにすることができる。
【0132】
また、本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
電気接点面と、前記電気接点面を介して電力供給を受ける被給電部材と、を有するユニットと、前記ユニットが着脱方向に装着可能な装置本体であって、前記ユニットの前記電気接点面に接触して前記被給電部材に電力を供給するための接点部材を有する装置本体と、
を備える画像形成装置において、
前記接点部材は、コイル部と、前記コイル部から延び自由端を有する腕部と、を有する線ばねであって、
前記装置本体は、前記コイル部を支持する支持部が設けられた支持部材を有し、
前記腕部は、前記コイル部から前記自由端までの間に、第1部分と、接触部と、第2部分と、第3部分と、第4部分と、をこの順に有し、
前記着脱方向を第1方向、前記コイル部の回転軸線方向であって前記第1方向と交差する方向を第2方向、前記第1方向と前記第2方向に交差する方向を第3方向としたときに、
前記第1部分と、前記接触部と、前記第2部分は、前記第1方向に沿って並び、
前記接触部は、前記電気接点面に接触するように構成され、
前記第1部分は、前記第1方向において前記コイル部から前記接触部に近づくにつれて前記電気接点面に近づくように延び、
前記第2部分は、前記第1方向において前記接触部から前記第1部分と離れる方向に向かうにつれて前記電気接点面から遠ざかるように延び、
前記第3部分は、前記第2方向に向かって延び、
前記支持部材には、前記電気接点面が設けられた前記ユニットの側面に対向する対向壁であって、前記第1方向に延びる開口が設けられた対向壁を有し、
前記第3方向において前記接触部が前記対向壁に対して前記電気接点面がある側に前記開口から突出し、前記第3部分及び前記第4部分が前記対向壁に対して前記電気接点面がある側と反対側にあるように、前記接点部材は配置され、
前記接点部材の前記第4部分は、前記第1方向に見たときに前記第3方向に向かって延びていることを特徴とする画像形成装置。
(構成2)
前記第1方向に見たときの前記第4部分の長さは、前記支持部材を前記直交する方向に見たときに、前記第1方向において前記第3部分がある位置の前記開口の前記第2方向の幅より長いことを特徴とする上記の画像形成装置。
(構成3)
前記第3部分は、直線状に延びていることを特徴とする上記の画像形成装置。
(構成4)
前記第3部分は、湾曲状に延びていることを特徴とする上記の画像形成装置。
(構成5)
前記コイル部は、前記第1方向のうち装着方向において、前記腕部よりも上流側にあることを特徴とする上記の画像形成装置。
(構成6)
前記腕部は、前記第2部分と前記第3部分との間に第5部分を有し、
前記第5部分は、前記第1方向のうち装着方向の上流側に向かって延びていることを特徴とする上記の画像形成装置。
(構成7)
前記第1部分及び第2部分はいずれも直線状に延びており、
前記第1部分と前記2部分がなす角度のうち小さい方の角度は、鈍角であることを特徴とする上記の画像形成装置。
(構成8)
前記角度は、120度以上160度以下であることを特徴とする上記の画像形成装置。
(構成9)
前記支持部材は、前記線ばねの前記接触部が前記第3方向に力を受けた時に前記線ばねの回転を規制するように前記線ばねの前記第4部分と接触する規制部を有することを特徴とする上記の画像形成装置。
(構成10)
前記支持部材は、前記腕部が前記第3方向において前記電気接点面に近づく方向の移動を規制するように前記第3部分と係合する係合部を有することを特徴とする上記の画像形成装置。
(構成11)
前記被給電部材は、トナーを担持する現像ローラであることを特徴とする上記の画像形成装置。
(構成12)
前記電気接点面及び前記被給電部材を第1電気接点面及び第1被給電部材としたときに、
前記ユニットは、第2電気接点面と、前記第2電気接点面を介して電力供給を受ける第2被給電部材と、を有し、
前記装置本体は、前記第2電気接点面に接触して前記第2被給電部材に電力を供給するための第2接点部材を有し、
前記第2接点部材は、前記1接点部材と同じ形状を有することを特徴とする上記の画像形成装置。
(構成13)
前記ユニットは、第3電気接点面と、前記第3電気接点面を介して電力供給を受ける第3被給電部材と、を有し、
前記装置本体は、前記第3電気接点面に接触して前記第3被給電部材に電力を供給するための第3接点部材を有し、
前記第3接点部材は、前記第1接点部材と同じ形状を有することを特徴とする上記の画像形成装置。
(構成14)
前記第1電気接点面と、前記第2電気接点面と、前記第3電気接点面と、は前記第1方向に沿って並んでいることを特徴とする上記の画像形成装置。
(構成15)
前記対向壁の前記開口を第1開口とした場合において、前記対向壁には第2開口が設けられ、
前記接触部を第1接触部とした場合において、前記第2接点部材は、前記第2電気接点面に接触するように前記第3方向において前記第2開口から前記第2電気接点面がある側に突出する第2接触部を有し、
前記第2開口は、前記第2方向において前記第1開口と異なる位置にある部分であって前記第1方向において前記第1開口と同じ位置にある部分を有することを特徴とする上記の画像形成装置。
(構成16)
前記第2被給電部材は、前記現像ローラ上のトナーの層厚を規制するための現像ブレードであることを特徴とする上記の画像形成装置。
(構成17)
前記第2被給電部材は、前記現像ローラ上のトナーの層厚を規制するための現像ブレードであり、
前記第3被給電部材は、前記現像ローラにトナーを供給する供給ローラであることを特徴とする上記の画像形成装置。
【符号の説明】
【0133】
13a 供給ローラ接点
16b 現像接点
18a 現像ブレード接点
20 クリーニング枠体
208 線バネ
208a 凸部
208b ねじりコイル部
208c 抜け止め
208f 第1腕部
208g 第1部分
208h 第2部分
208k 第4部分
A 装置本体
B プロセスカートリッジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31