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特開2024-168083情報処理装置、警告方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168083
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、警告方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 15/00 20060101AFI20241128BHJP
   G08B 13/196 20060101ALI20241128BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20241128BHJP
   G08B 21/24 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G08B15/00
G08B13/196
G08B25/00 510M
G08B21/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084486
(22)【出願日】2023-05-23
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究等の成果に係る特許出願(令和4年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業/商品情報データベース構築のための研究開発/決済・在庫管理、商品把持・配置業務の自動化推進に向けた商品画像データベース構築のための基盤技術開発・社会実装推進研究、産業技術力強化法第17条第1項の適用を受けるもの)
(71)【出願人】
【識別番号】313005318
【氏名又は名称】パナソニックコネクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 浩章
【テーマコード(参考)】
5C084
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
5C084AA03
5C084AA09
5C084CC16
5C084CC33
5C084DD11
5C084EE07
5C084GG78
5C084HH10
5C086AA28
5C086CA25
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA33
5C086FA17
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA19
5C087DD05
5C087FF01
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG66
(57)【要約】
【課題】善良な顧客の心証を損ねずに、万引きをする可能性のある顧客に対して、警告を発することができる情報処理装置を提供すること。
【解決手段】情報処理装置は、店舗内の顧客から万引きを行う可能性のある警戒対象顧客を検出する検出部と、前記警戒対象顧客の前記店舗内における位置を取得する位置取得部と、前記警戒対象顧客の位置と前記店舗内における表示装置の位置情報とに基づいて、前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置を特定する特定部と、前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置に万引きを抑制するための画像を表示する画像表示部と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗内の顧客から万引きを行う可能性のある警戒対象顧客を検出する検出部と、
前記警戒対象顧客の前記店舗内における位置を取得する位置取得部と、
前記警戒対象顧客の位置と前記店舗内における表示装置の位置情報とに基づいて、前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置を特定する特定部と、
前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置に万引きを抑制するための画像を表示する画像表示部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記検出部は、更に、前記店舗内の店員を検出し、
前記位置取得部は、前記店員の前記店舗内における位置を取得し、
前記特定部は、前記画像と前記マップ情報とに基づいて、前記店員の周辺にある表示装置を特定し、
前記画像表示部は、前記店員の周辺にある表示装置に万引きに注意することを喚起するための画像を表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記店舗内の顧客のうち、前記警戒対象顧客以外の顧客を検出し、
前記位置取得部は、前記警戒対象顧客以外の顧客の前記店舗内における位置を取得し、
前記画像表示部は、前記警戒対象顧客の周辺に前記警戒対象顧客以外の顧客が居る場合、万引きを抑制するための画像を、前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置に表示しない、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画像表示部は、前記警戒対象顧客の周辺にない表示装置に、店員の作業に関連する画像を表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記店舗内の顧客のうち、前記警戒対象顧客以外の顧客を検出し、
前記位置取得部は、前記警戒対象顧客以外の顧客の前記店舗内における位置を取得し、
前記画像表示部は、前記警戒対象顧客の周辺に前記警戒対象顧客以外の顧客が居るか否かに基づいて、万引きを抑制するための内容が異なる画像を、前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置に表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記警戒対象顧客の移動方向を特定する移動方向特定部をさらに有し、
前記画像表示部は、前記移動方向に沿って、万引きを抑制するための画像を前記表示装置に表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記検出部は、前記店舗内の顧客のうち、前記警戒対象顧客以外の顧客を検出し、
前記位置取得部は、前記画像と前記マップ情報とに基づいて、前記顧客の前記店舗内における位置を取得し、
前記画像表示部は、前記顧客の位置と前記警戒対象顧客の位置とに基づいて、万引きを抑制するための画像を表示する前記表示装置を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置が、
店舗内の顧客から万引きを行う可能性のある警戒対象顧客を検出し、
前記警戒対象顧客の前記店舗内における位置を取得し、
前記警戒対象顧客の位置と前記店舗内における表示装置の位置情報とに基づいて、前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置を特定し、
前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置に万引きを抑制するための画像を表示する、
警告方法。
【請求項9】
情報処理装置に、
店舗内の顧客から万引きを行う可能性のある警戒対象顧客を検出し、
前記警戒対象顧客の前記店舗内における位置を取得し、
前記警戒対象顧客の位置と前記店舗内における表示装置の位置情報とに基づいて、前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置を特定し、
前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置に万引きを抑制するための画像を表示する、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、警告方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、万引き対策として、予め定められた条件を満たした場合に、店舗の監視カメラの画像を、当該店舗内に設けられたデジタルサイネージのディスプレイに表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2021/033703号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、万引き対策の画像が店舗内に設けられたデジタルサイネージのディスプレイに表示される。そのため、善良な顧客の目に万引き対策の画像が触れる可能性があり、善良な顧客の心証を損ねるおそれがある。
【0005】
本開示の非限定的な実施例は、善良な顧客の心証を損ねずに、万引きをする可能性のある顧客に対して、警告を発することができる情報処理装置、警告方法、及びプログラムの提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施例に係る情報処理装置は、店舗内の顧客から万引きを行う可能性のある警戒対象顧客を検出する検出部と、前記警戒対象顧客の前記店舗内における位置を取得する位置取得部と、前記警戒対象顧客の位置と前記店舗内における表示装置の位置情報とに基づいて、前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置を特定する特定部と、前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置に万引きを抑制するための画像を表示する画像表示部と、を有する。
【0007】
本開示の一実施例に係る警告方法は、情報処理装置が、店舗内の顧客から万引きを行う可能性のある警戒対象顧客を検出し、前記警戒対象顧客の前記店舗内における位置を取得し、前記警戒対象顧客の位置と前記店舗内における表示装置の位置情報とに基づいて、前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置を特定し、前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置に万引きを抑制するための画像を表示する。
【0008】
本開示の一実施例に係るプログラムは、情報処理装置に、店舗内の顧客から万引きを行う可能性のある警戒対象顧客を検出し、前記警戒対象顧客の前記店舗内における位置を取得し、前記警戒対象顧客の位置と前記店舗内における表示装置の位置情報とに基づいて、前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置を特定し、前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置に万引きを抑制するための画像を表示する、処理を実行させる。
【0009】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータープログラム、又は、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータープログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施例によれば、善良な顧客の心証を損ねずに、万引きをする可能性のある顧客に対して、警告を発することができる。
【0011】
本開示の一実施例における更なる利点及び効果は、明細書及び図面から明らかにされる。かかる利点及び/又は効果は、いくつかの実施形態並びに明細書及び図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つ又はそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施の形態に係る万引き防止システムの構成例を示した図
図2】電子棚札の第1の画面例を示した図
図3】電子棚札の第2の画面例を示した図
図4】電子棚札の第3の画面例を示した図
図5】電子棚札の第4の画面例を示した図
図6】電子棚札の第5の画面例を示した図
図7】電子棚札の第6の画面例を示した図
図8】電子棚札の第7の画面例を示した図
図9】情報処理装置のブロック構成例を示した図
図10】電子棚札のブロック構成例を示した図
図11】通知情報のデータ構成例を示した図
図12】情報処理装置の動作例を示したフローチャート
図13】電子棚札の動作例を示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0014】
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0015】
<システム構成図>
図1は、第1の実施の形態に係る万引き防止システムの構成例を示した図である。図1に示すように、万引き防止システム1は、情報処理装置11と、電子棚札12(拡大して図示してある)と、カメラ13と、を有する。図1に示す情報処理装置11、電子棚札12、及びカメラ13は、例えば、無線LAN(Local Area Network)といったネットワークN1を介して、互いに接続される。図1には、万引き防止システム1の他に、コンビニエンスストアといった店舗A1aと、そのバックヤードA1bと、が示してある。
【0016】
情報処理装置11は、例えば、パーソナルコンピューター又はサーバである。情報処理装置11は、例えば、店舗A1aのバックヤードA1bに配置される。情報処理装置11は、例えば、商品の在庫を管理したり、カメラ13が撮影する店舗A1a内の画像を、情報処理装置11が備えるディスプレイに表示したりする。また、情報処理装置11は、電子棚札12が表示する画像を制御する。
【0017】
電子棚札12は、例えば、店舗A1a内に設置された商品棚の棚板前面に取り付けられ、商品棚に置かれた商品に関する商品情報を表示する。例えば、電子棚札12は、情報処理装置11の制御に基づいて、商品棚に置かれた商品の商品名や価格といった商品情報を表示する。
【0018】
また、電子棚札12は、商品棚に置かれた商品が欠品した場合、情報処理装置11の制御に基づいて、商品の入荷予定日といった欠品情報を表示する。また、電子棚札12は、商品棚に置かれるべき商品が置かれていない場合(誤陳列商品がある場合)、情報処理装置11の制御に基づいて、誤陳列されている商品の位置や商品名など、誤陳列に関する情報を表示する。
【0019】
また、電子棚札12は、情報処理装置11の制御に基づいて、万引きを抑制するための画像を表示する。
【0020】
カメラ13は、例えば、店舗A1aの天井や壁に設置され、店舗A1a内を撮影する。
【0021】
<電子棚札の画面例>
・第1の画面例
図2は、電子棚札12の第1の画面例を示した図である。図2において、図1と同様の構成要素には、同じ符号が付してある。図2には、警戒対象顧客A2aが図示してある。
【0022】
情報処理装置11は、カメラ13の画像データ(動画像データ)を受信する。情報処理装置11は、受信した画像データの画像に、万引きを行う可能性のある顧客が含まれるか否か判定する。
【0023】
例えば、情報処理装置11は、顧客の行動を分析し、顧客が万引きを行う可能性のある顧客か否か判定する。
【0024】
なお、顧客の行動を分析する手法については様々なものが知られているため詳細は省略するが、例えば、顧客の目線や顔向き、顧客の腕の動きなどを用いる技術が知られている。
【0025】
また、過去に万引きを行った顧客の画像等の情報が記録されているようであれば、情報処理装置11は、カメラ13に映る顧客が過去に万引きを行ったことのある顧客であるか否かによって、顧客が万引きを行う可能性のある顧客か否か判定してもよい。この場合、情報処理装置11は、顧客の顔が万引きを行った顧客の顔と一致するかを顔認証技術によって判断したり、顧客の歩容や服装などの顔以外の情報を用いて顧客が万引きを行った顧客と一致するかによって判断したりことで、顧客が万引きを行った顧客であるかを推定する。
【0026】
これらの技術に基づき、万引きを行う可能性のある顧客または万引きを行ったことのある顧客と判定された顧客を「警戒対象顧客」と称することがある。同様に、以下では、警戒対象顧客以外の顧客を「顧客」と称することがある。
【0027】
情報処理装置11は、カメラ13の画像に警戒対象顧客A2aが含まれる場合、カメラ13の画像に基づいて、店舗A1a内における警戒対象顧客A2aの位置を特定する。情報処理装置11は、警戒対象顧客A2aの位置を特定すると、特定した位置の周辺(特定した位置から所定の距離内)における電子棚札12のディスプレイに、万引きを抑制する画像を表示する。
【0028】
例えば、情報処理装置11は、警戒対象顧客A2aの目の前にある1つ又は複数の電子棚札12のディスプレイに、図2に示すように、「監視カメラ作動中」といった万引きを抑制するための画像を表示する。
【0029】
このように、情報処理装置11は、警戒対象顧客A2aの位置を特定し、特定した位置の周辺の電子棚札12のディスプレイに、万引きを抑制するための画像を表示する。これにより、万引きを抑制するための画像が、顧客の目に触れることが抑制され、顧客の心証を損ねることが抑制される。
【0030】
また、電子棚札12のディスプレイに、万引きを抑制するための画像が表示されるため、店員が警戒対象顧客A2aを監視するといった作業が低減される。
【0031】
・第2の画面例
図3は、電子棚札12の第2の画面例を示した図である。図3において、図1と同様の構成要素には、同じ符号が付してある。図3には、警戒対象顧客A3aと、店員A3bと、が図示してある。
【0032】
情報処理装置11は、カメラ13の画像に警戒対象顧客A3aが含まれる場合、カメラ13の画像に基づいて、店員A3bの位置を特定する。
【0033】
情報処理装置11は、店員A3bの位置を特定すると、特定した店員A3bの位置の周辺における電子棚札12のディスプレイに、万引きに注意することを喚起する画像を表示する。
【0034】
例えば、情報処理装置11は、店員A3bの目の前にある1つ又は複数の電子棚札12のディスプレイに、図3に示すように、注意といった画像を表示する。
【0035】
このように、情報処理装置11は、警戒対象顧客A3aが店舗A1aに来店した場合、店員A3bの位置を特定する。情報処理装置11は、特定した位置の周辺の電子棚札12のディスプレイに、万引きに注意することを喚起する画像を表示する。これにより、万引きを抑制するための画像が、顧客の目に触れることが抑制され、顧客の心証を損ねることが抑制される。
【0036】
また、店員A3bは、電子棚札12のディスプレイに、万引きに注意することを喚起する画像が表示された場合に、警戒対象顧客A3aを監視すればよい。そのため、店員A3bは、万引きに注意することを喚起する画像が表示されていないとき、警戒対象顧客A3aを監視するといった作業が低減され、その他の作業を行うことができる。
【0037】
なお、情報処理装置11は、複数の店員が居る場合、警戒対象顧客A3aの近くに居る店員の位置を特定してもよい。そして、情報処理装置11は、警戒対象顧客A3aの近くに居る店員の周辺の電子棚札12のディスプレイに、万引きに注意することを喚起する画像を表示してもよい。これにより、警戒対象顧客A3aの近くに居る店員が、警戒対象顧客A3aを監視すればよく、その他の店員は、他の作業を行うことができる。
【0038】
・第3の画面例
図4は、電子棚札12の第3の画面例を示した図である。図4において、図1と同様の構成要素には、同じ符号が付してある。図4には、警戒対象顧客A4aと、顧客A4bと、が図示してある。
【0039】
情報処理装置11は、カメラ13の画像に基づいて、警戒対象顧客A4aを判定した場合、警戒対象顧客A4aの周辺に顧客が居るか否かを判定する。情報処理装置11は、警戒対象顧客A4aの周辺に顧客が居ると判定した場合、電子棚札12のディスプレイに、万引きを抑制するための画像を表示せず、商品情報の画像を表示する。
【0040】
例えば、情報処理装置11は、図4に示すように、警戒対象顧客A4aの周辺に顧客A4bが居る場合、電子棚札12のディスプレイに、商品の値段といった商品情報の画像を表示する。
【0041】
万引きは、周辺に人が居るときには行われにくい。そこで、情報処理装置11は、警戒対象顧客A4aの近くに顧客A4bが居る場合、警戒対象顧客A4aの周辺の電子棚札12のディスプレイに、万引きを抑制するための画像を表示せず、商品情報の画像を表示する。これにより、万引きを抑制するための画像が、顧客A4bの目に触れることが抑制され、顧客A4bの心証を損ねることが抑制される。
【0042】
なお、情報処理装置11は、警戒対象顧客A4aの周辺にいる人の数に応じて万引きを抑制するための画像を表示するか否か、または、万引きを抑制するための画像に表示するメッセージの強さを変更してもよい。例えば、周辺にいる人の人数が増えるほど万引きの実行は困難になるため、人数が十分に多ければ万引きを抑制するための画像を表示しないようにしたり、人数が増えるほどメッセージの強さを弱くしたりすることが考えられる。
【0043】
・第4の画面例
図5は、電子棚札12の第4の画面例を示した図である。図5において、図1と同様の構成要素には、同じ符号が付してある。図5には、警戒対象顧客A5aが図示してある。
【0044】
情報処理装置11は、商品の補充や商品陳列の修正といった店員の作業が必要な商品棚が存在する場合、店員の作業が必要な商品棚の電子棚札12のディスプレイに、店員の作業に関連する画像を表示する。例えば、情報処理装置11は、「商品を補充してください」や「商品の誤陳列を修正してください」といった店員の作業に関連する画像を表示する。
【0045】
ただし、情報処理装置11は、店員の作業が必要な商品棚の周辺に警戒対象顧客A5aが居る場合、店員の作業が必要な商品棚の電子棚札12のディスプレイに、万引きを抑制するための画像を表示する。この場合、店員の作業に関連する画像は表示しなくてもよい。なお、電子棚札12のディスプレイが十分に大きければ、万引きを抑制するための画像と店員の作業に関連する画像との両方をディスプレイに表示してもよい。
【0046】
例えば、情報処理装置11は、警戒対象顧客A5aの目の前にある商品棚の商品が欠品又は誤陳列されていても、図5に示すように、警戒対象顧客A5aの目の前にある商品が欠品又は誤陳列された商品棚の電子棚札12のディスプレイには、「監視カメラ作動中」といった万引きを抑制するための画像を表示する。
【0047】
このように、情報処理装置11は、店員の作業が必要な商品棚があっても、その商品棚の周囲に警戒対象顧客A5aが居る場合、万引きを抑制するための画像を電子棚札12のディスプレイに表示する。これにより、万引き抑制が、店員の作業よりも優先される。また、警戒対象顧客A5aから離れた所にある作業が必要な商品棚の電子棚札12のディスプレイには、店員の作業が必要なことを示す画像が表示される。これにより、万引きが抑制されつつ、店員は作業を行うことができる。
【0048】
・第5の画面例
図6は、電子棚札12の第5の画面例を示した図である。図6において、図1と同様の構成要素には、同じ符号が付してある。図6には、警戒対象顧客A6aと、顧客A6bと、が図示してある。
【0049】
情報処理装置11は、警戒対象顧客A6aの近くに顧客A6bが居ると判定した場合、電子棚札12のディスプレイに、第1の画面例の表示内容より弱めのメッセージを表示する。
【0050】
例えば、情報処理装置11は、図6に示すように、電子棚札12のディスプレイに、「お会計はレジ又は自動決済でどうぞ」といった顧客A6bに対して心証を損ねず、かつ、警戒対象顧客A6aに対して万引きを抑制するメッセージを表示する。
【0051】
このように、情報処理装置11は、警戒対象顧客A6aの近くに顧客A6bが居ると判定した場合においても、電子棚札12のディスプレイに、万引きを抑制する画像を表示する。このとき、情報処理装置11は、より間接的に万引きを抑制する画像を表示する。これにより、情報処理装置11は、警戒対象顧客A6aの近くに顧客A6bが居ても、顧客A6bの心証を損ねずに、警戒対象顧客A6aに対し、万引きの注意を喚起できる。
【0052】
・第6の画面例
図7は、電子棚札12の第6の画面例を示した図である。図7において、図1と同様の構成要素には、同じ符号が付してある。図7には、警戒対象顧客A7aが図示してある。
【0053】
情報処理装置11は、カメラ13の画像に基づいて、警戒対象顧客A7aの進行方向を特定する。情報処理装置11は、警戒対象顧客A7aの進行方向であって、警戒対象顧客A7aから所定の距離内にある電子棚札12のディスプレイに、万引きを抑制する画像を表示する。
【0054】
例えば、警戒対象顧客A7aは、図7の矢印A7bの方向に移動する。この場合、情報処理装置11は、矢印A7bの方向であって、警戒対象顧客A7aから所定の距離内にある電子棚札12のディスプレイに、「監視カメラ作動中」といった万引きを抑制する画像を表示する。
【0055】
このように、情報処理装置11は、警戒対象顧客A7aの移動に沿って、電子棚札12のディスプレイに、万引きを抑制する画像を表示する。これにより、情報処理装置11は、顧客A6bの心証を損ねずに、移動する警戒対象顧客A7aに対し、万引きの注意を喚起できる。
【0056】
・第7の画面例
図8は、電子棚札12の第7の画面例を示した図である。図8において、図1と同様の構成要素には、同じ符号が付してある。図8には、警戒対象顧客A8aと、顧客A8bと、が図示してある。
【0057】
情報処理装置11は、警戒対象顧客A8aと顧客A8bとの位置関係に基づいて、万引きを抑制する画像を表示する電子棚札12を決定する。例えば、情報処理装置11は、警戒対象顧客A8aの視界に入りやすく、顧客A8bの視界に入りにくい電子棚札12を決定する。
【0058】
例えば、図8の例では、図8を正面から見て、警戒対象顧客A8aの左側に顧客A8bが居る。この場合、情報処理装置11は、警戒対象顧客A8aの顧客A8bが居ない側、つまり、警戒対象顧客A8aの右側の電子棚札12のディスプレイに、「監視カメラ作動中」といった万引きを抑制する画像を表示する。
【0059】
このように、情報処理装置11は、警戒対象顧客A8aと顧客A8bとの位置関係に基づいて、万引きを抑制する画像を表示する電子棚札12を決定する。例えば、情報処理装置11は、警戒対象顧客A8aに対し、顧客A8bが居ない側の電子棚札12を、万引きを抑制する画像を表示する電子棚札12として決定する。これにより、情報処理装置11は、顧客A6bの心証を損ねずに、警戒対象顧客A7aに対し、万引きの注意を喚起できる。
【0060】
なお、顧客の視界を考慮して万引きを抑制する画像を表示する電子棚札12を決定する場合、警戒対象顧客A8aまたは顧客A8bのいずれか一方を考慮して電子棚札12を決定してもよい。例えば、警戒対象顧客A8aへの警告を重視するのであれば警戒対象顧客A8aの視界に入る可能性のある電子棚札12を選び、顧客A8bの心証を重視するのであれば顧客A8bの視界に入りにくい電子棚札12を選べばよい。
【0061】
また、顧客の視界を考慮する場合、遮蔽物の有無を考慮してもよい。例えば、顧客から近い電子棚札12であっても、棚や壁などの遮蔽物を挟んで反対側に位置する電子棚札12が顧客に視認される可能性は低い。そのため、遮蔽物によって遮蔽される範囲は顧客の視界から除外するようにしてもよい。
【0062】
<画像表示の優先度>
電子棚札12のディスプレイに表示する画像の優先度は、下記の優先度に基づいてもよい。以下では、数字が小さい程、優先度が高いとする。
【0063】
・優先度1
情報処理装置11は、顧客周辺の電子棚札12のディスプレイには、顧客向けの画像(情報)を表示する。例えば、情報処理装置11は、顧客周辺の電子棚札12のディスプレイには、商品情報(例えば、商品名、価格情報、賞味期限又は消費期限情報など)や入荷情報といった顧客向けの画像を表示する。
【0064】
情報処理装置11は、顧客の近くに警戒対象顧客が居ても、万引きを抑制する画像を電子棚札12のディスプレイに表示しない。また、情報処理装置11は、商品の補充や誤陳列といった店員向けの画像を電子棚札12のディスプレイに表示しない。
【0065】
・優先度2
情報処理装置11は、警戒対象顧客が店舗A1a内に居て、警戒対象顧客の周辺に顧客が居ない場合、警戒対象顧客に対して万引きを抑制する画像を電子棚札12のディスプレイに表示する。情報処理装置11は、警戒対象顧客が店舗A1a内に居て、警戒対象顧客の周辺に顧客が居ないかつ店員が居る場合、店員に対して万引きに注意することを喚起する画像を電子棚札12のディスプレイに表示してもよい。
【0066】
・優先度3
情報処理装置11は、店員の周辺に警戒対象顧客及び顧客が居ない場合、商品の補充や誤陳列といった店員向けの画像を、店員の周辺の電子棚札12のディスプレイに表示する。
【0067】
このように、情報処理装置11は、優先度が設定されることにより、警戒対象顧客に対して万引きを抑制しつつ、顧客の心証を損ねることを抑制できる。また、情報処理装置11は、店員の作業効率の低下を抑制できる。
【0068】
<ブロック構成図>
・情報処理装置11のブロック構成図
図9は、情報処理装置11のブロック構成例を示した図である。図9に示すように、情報処理装置11は、制御部11aと、記憶部11bと、通信部11cと、表示部11dと、を有する。
【0069】
制御部11aは、情報処理装置11全体を制御する。制御部11aは、例えば、CPU(central processing unit)といったプロセッサーによって構成されてもよい。
【0070】
制御部11aは、カメラ画像分析部11aaと、電子棚札表示情報生成部11abと、通知情報生成部11acと、を有する。制御部11aは、記憶部11bに記憶されたプログラム(アプリケーション)に従って、前述の各部の機能を実現してもよい。
【0071】
カメラ画像分析部11aaは、カメラ13が撮影する店舗A1a内の画像から、人物を抽出する。カメラ画像分析部11aaは、抽出した人物の画像から、人物の行動を分析し、顧客であるか又は警戒対象顧客であるかを判定する。
【0072】
また、カメラ画像分析部11aaは、カメラ13が撮影する店舗A1a内の画像から、人物の顔画像を抽出する。カメラ画像分析部11aaは、抽出した顔画像と、記憶部11bに記憶された以前万引きをしたことがある人物の顔画像とに基づいて、カメラ13に映る人物が警戒対象顧客であるか否かを判定する。また、カメラ画像分析部11aaは、抽出した顔画像と、記憶部11bに記憶された店員の顔画像とに基づいて、カメラ13に映る人物が店員であるか否かを判定する。なお、以前万引きしたことのある人物は、店舗A1aで万引きした人物であってもよいし、他店において万引きした人物であってもよい。
【0073】
カメラ画像分析部11aaは、警戒対象顧客を判定(検出)した場合、警戒対象顧客の画像から、警戒対象顧客の移動方向を検出する。
【0074】
また、カメラ画像分析部11aaは、カメラ13が撮影する商品棚の画像から、商品の欠品や誤陳列を検知する。
【0075】
電子棚札表示情報生成部11abは、表示情報を生成し、表示情報を含む、通知情報(通知信号)を生成する。表示情報及び通知情報については、図11において詳述する。
【0076】
記憶部11bには、制御部11aに実行させるOS(operating system)のプログラム及びアプリケーションプログラムが記憶される。また、記憶部11bには、制御部11aによる処理に必要な各種データが記憶される。例えば、記憶部11bには、店舗A1a内における電子棚札12の位置情報が記憶される。記憶部11bには、店舗A1a内のマップ情報が記憶される。記憶部11bには、以前万引きをしたことがある人物の顔画像データが記憶される。記憶部11bには、店員の顔画像データが記憶される。記憶部11bは、例えば、SSD(solid state drive)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)、及び/又はHDD(hard disk drive)であってもよい。
【0077】
通信部11cは、例えば、無線LANによって、電子棚札12及びカメラ13と通信する。
【0078】
表示部11dは、制御部11aから出力されるデジタル映像データに基づいて映像をディスプレイ(情報処理装置11が備えるディスプレイ)に表示する。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイである。
【0079】
なお、カメラ画像分析部11aaは、カメラ13の画像に基づいて、顧客、警戒対象顧客、及び店員を検出する検出部と、カメラ13の画像と店舗内のマップ情報とに基づいて、顧客、警戒対象顧客、及び店員の店舗A1a内における位置を取得する位置取得部と、顧客、警戒対象顧客、及び店員の位置と店舗A1a内における電子棚札12の位置情報とに基づいて、顧客、警戒対象顧客、及び店員の周辺にある電子棚札12を特定する電子棚札特定部と、を有してもよい。制御部11aは、顧客、警戒対象顧客、及び店員の周辺にある電子棚札に所定の画像を表示する画像表示部を有してもよい。画像表示部が、電子棚札表示情報生成部11ab及び通知情報生成部11acを有してもよい。
【0080】
・電子棚札12のブロック構成図
図10は、電子棚札12のブロック構成例を示した図である。図10に示すように、電子棚札12は、制御部12aと、記憶部12bと、通信部12cと、表示部12dと、を有する。
【0081】
制御部12aは、電子棚札12全体を制御する。制御部12aは、例えば、CPUといったプロセッサーによって構成されてもよい。
【0082】
制御部12aは、通知情報分析部12aaと、表示画像選択部12abと、を有する。制御部12aは、記憶部12bに記憶されたプログラムに従って、前述の各部の機能を実現してもよい。
【0083】
通知情報分析部12aaは、情報処理装置11から送信された通知情報(図11を参照)を分析する。表示画像選択部12abは、通知情報分析部12aaの通知情報の分析結果に基づいて、記憶部12bに記憶されている、電子棚札12のディスプレイに表示する画像データを選択する。
【0084】
記憶部12bには、制御部12aに実行させるOSのプログラム及びアプリケーションプログラムが記憶される。また、記憶部12bには、制御部12aによる処理に必要な各種データが記憶される。例えば、記憶部12bには、電子棚札12のディスプレイに表示する画像データが記憶される。記憶部12bは、例えば、SSD、RAM、フラッシュメモリ、ROM、及び/又はHDDであってもよい。
【0085】
通信部12cは、例えば、無線LANによって、情報処理装置11と通信する。
【0086】
表示部12dは、制御部12aから出力されるデジタル映像データに基づいて映像をディスプレイ(電子棚札12が備えるディスプレイ)に表示する。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイである。
【0087】
<データ構成例>
図11は、通知情報のデータ構成例を示した図である。通知情報は、棚札IDと、表示選択情報と、表示情報と、識別情報と、を有する。
【0088】
通知情報は、情報処理装置11から電子棚札12に送信される。例えば、通知情報は、情報処理装置11がカメラ13の画像から警戒対象顧客を判定(検出)し、電子棚札12のディスプレイの画像を変更する場合に、情報処理装置11から電子棚札12に送信される。電子棚札12は、情報処理装置11から送信された通知情報に基づいて、ディスプレイの画像を変更する。
【0089】
なお、図10で説明したように、電子棚札12の記憶部12bには、電子棚札12のディスプレイに表示する画像データが記憶される。電子棚札12は、通知情報に基づいて、ディスプレイ表示する画像を変更する(切り替える)。例えば、電子棚札12は、通知情報に基づいて、商品の商品情報に関する画像、商品の欠品や補充に関する画像、誤陳列に関する画像、及び、万引き対策に関する画像に切り替える。
【0090】
棚札IDは、電子棚札12を識別する識別子である。電子棚札12には、固有の棚札IDが割り振られる。なお、情報処理装置11は、ディスプレイの画像を変更する電子棚札12の棚札IDを含む通知情報を生成する。電子棚札12は、電子棚札12に割り振られた棚札IDに一致する通知情報を受信する。
【0091】
表示選択情報は、以下で説明する表示情報に基づく画像の表示を制御する情報である。表示選択情報は、例えば、電子棚札12の周辺に顧客が存在するか否か、電子棚札12の周辺に警戒対象顧客が存在するか否か、電子棚札12の周辺に店員が存在するか否かを示す。表示選択情報は、例えば、図11に示すように、3ビットで示されてもよい。
【0092】
表示情報は、電子棚札12のディスプレイに表示する画像を指示する情報である。例えば、表示情報は、電子棚札12のディスプレイに、商品の商品情報に関する画像、商品の欠品や補充に関する画像、誤陳列に関する画像、及び、万引き対策に関する画像のいずれかを表示することを指示する情報である。
【0093】
電子棚札12は、表示選択情報に基づいて、表示情報で指示された画像の表示を制御する。例えば、表示情報が万引き対策に関する画像の表示を指示する情報であって、表示選択情報が電子棚札12の周辺に顧客が存在しないことを示し、警戒対象顧客が存在することを示し、かつ、店員が存在しないことを示す場合、電子棚札12は、ディスプレイに「監視カメラ動作中」を表示する(例えば、図2を参照)。また、例えば、表示情報が万引き対策に関する画像を表示することを指示する情報であって、表示選択情報が電子棚札12の周辺に顧客及び警戒対象顧客が存在し、店員が存在しないことを示す場合、電子棚札12は、ディスプレイに「お会計はレジ又は自動決済でどうぞ」を表示する(例えば、図6を参照)。
【0094】
つまり、電子棚札12に表示される画像は、表示選択情報と表示情報とによって決定されると捉えてもよい。表示選択情報と表示情報とは、電子棚札12に表示する画像を決定する1つの情報と捉えてもよい。
【0095】
識別情報は、1つの通知情報の終端を示す。情報処理装置11は、画像を変更する電子棚札12が複数存在する場合、通知情報を連続して送信してもよい。
【0096】
<動作例>
・情報処理装置11の動作例
図12は、情報処理装置11の動作例を示したフローチャートである。情報処理装置11は、例えば、図12に示すフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0097】
情報処理装置11は、カメラ13から画像データを受信する(S1)。
【0098】
情報処理装置11は、S1にて受信した画像データの画像を分析する(S2)。例えば、情報処理装置11は、画像に含まれる人物の行動や顔を分析する。
【0099】
情報処理装置11は、S2の分析結果に基づいて、画像データの画像に含まれる人物が顧客であるか、警戒対象顧客であるか、店員であるかを判定する(S3)。
【0100】
情報処理装置11は、S3の判定結果に基づいて、表示選択情報及び表示情報を生成する(S4)。例えば、情報処理装置11は、画像データの画像に顧客と警戒対象顧客とが含まれ、店員が含まれない場合、顧客及び警戒対象顧客が存在し、店員が存在しないことを示す表示選択情報を生成する。情報処理装置11は、表示情報が万引き対策に関する画像の表示を指示する表示情報を生成する。
【0101】
情報処理装置11は、S3の判定に用いた画像(人物を含む画像)と、店舗A1a内のマップ情報とに基づいて、S3の判定結果に基づく人物の店舗A1a内の位置を特定する。情報処理装置11は、特定した店舗A1a内の人物の位置情報と、記憶部11bに記憶される電子棚札12の店舗A1a内における位置情報とに基づいて、画像を表示(変更表示)する電子棚札12の棚IDを特定する(S5)。
【0102】
また、情報処理装置11は、S3の判定に用いた画像(人物を含む画像)と、店舗A1a内のマップ情報とに基づいて、S3の判定結果に基づく人物の店舗A1a内における移動方向を特定する。情報処理装置11は、特定した店舗A1a内の人物の方向と、記憶部11bに記憶される電子棚札12の店舗A1a内における位置情報とに基づいて、画像を表示(変更表示)する電子棚札12の棚IDを特定する(S5)。
【0103】
情報処理装置11は、S4にて生成した表示選択情報及び表示情報と、S5にて特定した棚IDと、識別情報と、を含む通知情報を生成し、電子棚札12に送信する(S6)。
【0104】
なお、情報処理装置11の処理の順番は、上記に限定されない。例えば、S4の処理とS5の処理との順番は入れ替わってもよい。
【0105】
・電子棚札12の動作例
図13は、電子棚札12の動作例を示したフローチャートである。電子棚札12は、例えば、図13に示すフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0106】
電子棚札12は、通知情報を受信する(S11)。
【0107】
電子棚札12は、S11にて受信した通知情報に、電子棚札12の棚札IDが含まれるか否か判定する(S12)。
【0108】
電子棚札12は、通知情報に電子棚札12の棚札IDが含まれない場合(S12のNo)、当該フローチャートの処理を終了する。
【0109】
電子棚札12は、通知情報に電子棚札12の棚札IDが含まれる場合(S12のYes)、通知情報の電子棚札12における棚札IDと識別情報との間に存在する表示選択情報と表示情報とに基づいて、記憶部12bを参照し、ディスプレイに表示する画像データを取得する(S13)。
【0110】
電子棚札12は、S13にて取得した画像データに基づく画像をディスプレイに表示する(S14)。
【0111】
<実施の形態のまとめ>
以上、説明したように、情報処理装置11は、店舗A1a内に設置されたカメラ13の画像に基づいて、万引きを行う可能性のある警戒対象顧客を検出し、カメラ13の画像と店舗A1a内のマップ情報とに基づいて、警戒対象顧客の店舗A1a内における位置を取得し、警戒対象顧客の位置と店舗A1a内における電子棚札12の位置情報とに基づいて、警戒対象顧客の周辺にある電子棚札12を特定し、警戒対象顧客の周辺にある電子棚札12に万引きを抑制するための画像を表示する。
【0112】
このように、情報処理装置11は、警戒対象顧客A2aの位置を特定し、特定した位置の周辺の電子棚札12のディスプレイに、万引きを抑制するための画像を表示する。これにより、万引きを抑制するための画像が、顧客の目に触れることが抑制され、顧客の心証を損ねることが抑制される。
【0113】
<変形例>
・変形例1
情報処理装置11は、顧客の要求に応じて、顧客が欲する商品の場所を、電子棚札12のディスプレイにおいて案内してもよい。例えば、情報処理装置11は、電子棚札12のディスプレイに矢印を表示して、顧客が欲する商品の場所を案内してもよい。
【0114】
情報処理装置11は、商品の場所を案内する場合において、商品の案内場所(案内先)に警戒対象顧客が居り、顧客が警戒対象顧客と所定の距離以上離れている場合、警戒対象顧客の周辺の電子棚札12のディスプレイに、万引きを抑制する画像を表示する。情報処理装置11は、顧客が警戒対象顧客に対し所定の距離内に近づくと、警戒対象顧客の周辺の電子棚札12のディスプレイに、万引きを抑制する画像を表示せず、商品情報に関する画像を表示する。
【0115】
これにより、情報処理装置11は、警戒対象顧客に対し、万引きの注意を喚起することができ、かつ、顧客の心証を損ねることなく顧客が欲する商品の案内場所において、商品情報を表示できる。
【0116】
なお、万引きは、周辺に人が居るときには行われにくい。従って、顧客が警戒対象顧客に対し所定の距離内に近づいた場合、警戒対象顧客の周辺の電子棚札12のディスプレイに、商品情報に関する画像を表示しても、万引きは抑制される。
【0117】
・変形例2
第3の画面例では、情報処理装置11は、顧客が警戒対象顧客の周辺に居る場合、警戒対象顧客の周辺の電子棚札12のディスプレイに、万引きを抑制する画像を表示しない。
【0118】
情報処理装置11は、この第3の画面例の動作において、カメラ13の画像に基づいて、警戒対象顧客を検出した場合、店員が所持する携帯端末に、警戒対象顧客が来店したことを通知してもよい。例えば、情報処理装置11は、顧客及び警戒対象顧客に分からないように、店員が所持する携帯端末を振動させ、警戒対象顧客が来店したことを通知してもよい。
【0119】
これにより、顧客が警戒対象顧客の周辺に居る場合、警戒対象顧客の周辺の電子棚札12のディスプレイに、万引きを抑制する画像が表示されないが、店員による警戒対象顧客の監視が可能になる。
【0120】
・変形例3
第2の画面例では、情報処理装置11は、店員の周辺における電子棚札12のディスプレイに、万引きに注意することを喚起する画像を表示する。
【0121】
万引きに注意することを喚起する画像を見た店員は、例えば、電子棚札12が備える所定のボタンに対し、所定の操作を行ってもよい。電子棚札12は、所定のボタン操作が行われたことを情報処理装置11に通知する。情報処理装置11は、電子棚札12から、所定のボタン操作がされたことの通知を受信すると、警戒対象顧客の周辺の電子棚札12のディスプレイに、店員に対して万引きに注意することを喚起する画像は表示せず、万引きを抑制する画像を表示する。
【0122】
これにより、情報処理装置11は、店員の判断に基づいて、万引きを抑制する画像を表示することができる。
【0123】
・変形例4
第2の画面例では、情報処理装置11は、店員の周辺における電子棚札12のディスプレイに、万引きに注意することを喚起する画像を表示する。
【0124】
情報処理装置11は、この第2の画面例の動作において、例えば、店員に、レジ対応や顧客に呼ばれたといった、商品陳列より優先度の高い作業が発生した場合、警戒対象顧客の周辺の電子棚札12のディスプレイに、店員に対して万引きに注意することを喚起する画像は表示せず、万引きを抑制する画像を表示してもよい。一方、情報処理装置は、店員が低優先度の作業を行っている場合、警戒対象顧客の周辺の電子棚札12のディスプレイに、店員に対して万引きに注意することを喚起する画像を表示し、万引きを抑制する画像を表示しなくてもよい。
【0125】
例えば、情報処理装置11は、優先度の高い作業が発生したことを、電子棚札12のディスプレイ以外の手段で店員に通知してもよい。例えば、情報処理装置11は、店員が所持する携帯端末に対し通知してもよい。また、情報処理装置11は、例えば、店舗A1aに備えられたスピーカーから、優先度の高い作業内容が発生したことを、店員に通知してもよい。そして、情報処理装置11は、警戒対象顧客の周辺の電子棚札12のディスプレイに、万引きを抑制する画像を表示してもよい。これにより、店員は優先度の高い作業に対応できるとともに、万引きを抑制できる。
【0126】
・変形例5
電子棚札12の設置場所は、商品棚に限定されない。電子棚札12は、例えば、トイレといった商品の陳列場所以外の場所の出入り口に設置されてもよい。
【0127】
情報処理装置11は、カメラ13の画像から、警戒対象顧客が陳列場所以外の場所に入ることを検知した場合、例えば、「支払前の商品を持ち込まないでください」といった万引きを抑制する画像を、電子棚札12のディスプレイに表示してもよい。これにより、陳列場所以外の場所に商品を持ち込んでから行われる万引きが抑制される。
【0128】
また、商品が衣類などの場合、商品の陳列場所以外の場所として試着室などを選択してもよい。
【0129】
また、警戒対象顧客が入った場所が、陳列されている商品を運ぶ場所としては不自然な場所であることを検知した場合に万引きを抑制する画像を表示してもよい。例えば、顧客が商品をレジに運んだり衣類である商品を試着室に運んだりする場合も、商品は陳列場所以外の場所へ運ばれているが、必ずしも万引きが発生する可能性が高いとは言えない。そのため、このような場合には電子棚札12へ万引きを抑制する画像を表示しないようにしたり、表示する画像に含ませるメッセージを弱めたりしてもよい。一方、商品をトイレに運ぶなど、通常の商取引では考え難い場所に商品が運ばれている場合、万引きが実行される可能性が高いと推定されるため、電子棚札12へ万引きを抑制する画像を表示したり、表示する画像に含ませるメッセージを強めたりしてもよい。
【0130】
・変形例6
情報処理装置11は、警戒対象顧客が一定時間以上同じ場所に滞在する場合、電子棚札12のディスプレイに表示する内容を変更してもよい。例えば、情報処理装置11は、万引きを抑制する、より強いメッセージに変更してもよい。また、情報処理装置11は、電子棚札12から、万引きを抑制する音声ガイダンスを出力してもよい。これにより、万引きの発生がより強く抑制される。
【0131】
なお、万引き常習犯など、特に悪質な人物の場合については、警察に通報するなどの処置を行ってもよい。
【0132】
・変形例7
情報処理装置11は、過去に万引きされたことのある商品の電子棚札12において、万引きを抑制する画像を表示してもよい。一方、情報処理装置11は、過去に万引きされたことのない商品の電子棚札12においては、周辺に警戒対象顧客が居ても、万引きを抑制する画像を表示しなくてもよい。
【0133】
過去に万引きされたことのない商品は、将来においても万引きされる可能性が低く、過去に万引きされたことのある商品は、将来においても万引きされる可能性が高いと推定される。将来においても万引きされる可能性の高い商品の電子棚札12において、万引きを抑制する画像を表示することにより、万引きを抑制する画像が顧客の目に触れる機会が抑制されつつ、効率的に万引きの発生が抑制される。
【0134】
なお、情報処理装置11は、過去に万引きされた頻度が多い商品の電子棚札12において、万引きを抑制する、より強いメッセージに変更してもよい。また、情報処理装置11は、電子棚札12から、万引きを抑制する音声ガイダンスを出力してもよい。これにより、過去に万引きされた頻度が多い商品の万引きの発生がより強く抑制される。
【0135】
・変形例8
情報処理装置11は、下記の人物行動に基づいて、万引きを行う可能性のある顧客か否か判定してもよい。
【0136】
(1)周りを頻繁に見渡す人物
(2)落ち着きがない人物
(3)大きなバックを持っている人物
【0137】
これにより、情報処理装置11は、顧客が万引きを行う可能性のある顧客か否かを適切に判定できる。
【0138】
なお、上記条件のうち複数を満たしている人物については、より強い対応を行っても良い。
【0139】
・変形例9
第5の画面例では、情報処理装置11は、万引きを抑止するための第1のメッセージより弱めの第2のメッセージを電子棚札12のディスプレイに表示する。
【0140】
情報処理装置11は、この第5の画面例の動作において、商品の商品情報に関する画像と、第2のメッセージの画像とを時分割に交互に表示してもよい。例えば、情報処理装置11は、図4の電子棚札12に示す商品情報に関する画像と、図6の電子棚札12に示す「お会計はレジ又は自動決済でどうぞ」といった第2のメッセージの画像とを時分割に交互に表示してもよい。
【0141】
これにより、情報処理装置11は、警戒対象顧客の近くに居る顧客に対し、商品情報を提示できるとともに、顧客の心証を損ねずに、警戒対象顧客に対し、万引きの注意を喚起できる。
【0142】
・変形例10
変形例9において、情報処理装置11は、商品の商品情報に関する画像の表示時間と、第2のメッセージの画像の表示時間とを不均一にしてもよい。
【0143】
例えば、情報処理装置11は、警戒対象顧客の万引きの可能性に応じて、表示時間を変えてもよい。例えば、情報処理装置11は、警戒対象顧客が過去に万引きをしたことのある警戒対象顧客の場合、第2のメッセージの画像の表示時間を、商品の商品情報に関する画像の表示時間より長くしてもよい。情報処理装置11は、警戒対象顧客が過去に万引きをしたことのない警戒対象顧客の場合、商品の商品情報に関する画像の表示時間を、第2のメッセージの画像の表示時間より長くしてもよい。
【0144】
これにより、情報処理装置11は、万引きの発生の抑制と、顧客に対する商品情報の提供とを適切に行うことができる。
【0145】
・変形例11
上述した実施の形態では、万引きを行う可能性のある顧客を「警戒対象顧客」としていた。しかし、「警戒対象顧客」は、情報処理装置11が警戒を要する人物の特徴に合致すると判定された顧客であれば、他の特徴備える顧客であってもよい。例えば、酒に酔っている人物や店内で大声を出している人物など、顧客の心証を悪くする可能性のある人物も「警戒対象顧客」として取り扱ってもよい。
【0146】
この場合、電子棚札12または店員の所持する携帯端末に表示するメッセージを、警戒対象顧客の種類に応じて変更したりしてもよい。例えば、警戒対象顧客が酒に酔っている人物の場合、他の顧客では対応が困難なため、店員の所持する携帯端末にメッセージを表示する。また、例えば、警戒対象顧客が大声を出している人物の場合、電子棚札12のディスプレイに「店内ではお静かに」などのメッセージを表示する。
【0147】
・変形例12
警戒対象顧客に対して発するメッセージの強度は様々なものが考えらえる。例えば、強いメッセージには「万引き」「犯罪」等のより直接的な表現を含ませ、弱いメッセージには「警備員巡回中」など「万引き」等の表現を直接含まないメッセージにしてもよい。
【0148】
また、メッセージのフォーマットで強度を変更してもよい。例えば、強いメッセージではフォントを太くしたりディスプレイの背景色を赤色にしたりするなど、顧客の目を引きやすい特徴を備えた表示を行うこと等が考えらえる。
【0149】
また、メッセージを表示する電子棚札12の数は範囲で強度を変更してもよい。例えば、より強いメッセージはより多くの電子棚札12で表示するようにしたりしてもよい。
【0150】
また、メッセージを通知する媒体の数によってメッセージの強度を変更してもよい。例えば、強いメッセージを発する場合にはディスプレイへの表示に加えて音声での通知も行い、弱いメッセージを発する場合にはディスプレイへの表示のみを行うようにしてもよい。
【0151】
また、どのようなメッセージをより強度の強いメッセージとするかの設定はユーザの設定によって変更されてもよい。なお、店員に対して発するメッセージについても同様に強弱を設定してもよい。ただし、店員に対するメッセージでは心証よりも事実の方が重要であるため、常に直接的な表現が含まれるようなメッセージにしてもよい。
【0152】
・変形例13
上述した実施の形態では、人物の検出および人物の移動方向の特定にはカメラで撮影された画像を用い、メッセージを表示する装置としては電子棚札12を使用していた。しかし、これらの装置は他の装置であっても構わない。例えば、人物の検出や追跡を人物の所有している携帯端末等を用いた無線通信によって実現したり、メッセージを店舗内に設置されたサイネージやプロジェクタなど他の表示装置を用いて表示したりしてもよい。
【0153】
以上、図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかである。そのような変更例又は修正例についても、本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態における各構成要素及び変形例は任意に組み合わされてよい。
【0154】
上述の実施の形態においては、各構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・アッセンブリ」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0155】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部又は全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0156】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサー又は専用プロセッサーで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0157】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本開示は、万引き防止システムに有用である。
【符号の説明】
【0159】
1 万引き防止システム
11 情報処理装置
12 電子棚札
13 カメラ
N1 ネットワーク
A1a 店舗
A1b バックヤード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13