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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168090
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】移動体
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20241128BHJP
【FI】
G05D1/02 K
G05D1/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084498
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100121223
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 悟道
(72)【発明者】
【氏名】坂原 洋人
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301CC03
5H301CC06
5H301EE07
5H301EE12
5H301FF06
5H301FF11
5H301FF15
5H301FF18
5H301GG03
5H301GG09
5H301GG11
(57)【要約】
【課題】建物内において移動体の自己位置を取得できるようにする。
【解決手段】移動体1は、床面の誘導線上に配置された複数のマーカのそれぞれについて、マーカの位置及び方向を含むマーカ情報が記憶される記憶部11と、移動体1の前方の撮影画像を取得する画像取得部12と、撮影画像を上方から見た平面画像に変換する画像変換部13と、平面画像において誘導線を検出し、検出した誘導線上のマーカを検出する検出部14と、検出されたマーカに対応するマーカ情報と、マーカの平面画像における位置及び向きとを用いて移動体1の自己位置を取得する第1の自己位置取得部15と、移動機構17と、移動体1が誘導線に沿って移動するように移動機構17を制御し、自己位置を用いて移動機構17を制御する移動制御部18とを備える。このようにして、工場内などの建物内でも移動体の自己位置を適切に取得できるようになる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に設けられた視覚的に認識可能な誘導線に沿って移動する移動体であって、
前記誘導線上に配置されている向きを特定可能な複数のマーカのそれぞれについて、マーカの配置されている位置及び方向を含むマーカ情報が記憶される記憶部と、
前記移動体の前方を撮影した撮影画像を取得する画像取得部と、
前記撮影画像を上方から見た平面画像に変換する画像変換部と、
前記平面画像において誘導線を検出し、検出した誘導線上のマーカを検出する検出部と、
前記検出部によって検出されたマーカに対応する前記マーカ情報と、当該マーカの前記平面画像における位置及び向きとを用いて前記移動体の第1の自己位置を取得する第1の自己位置取得部と、
前記移動体を移動させる移動機構と、
前記移動体が前記誘導線に沿って移動するように前記移動機構を制御し、前記第1の自己位置を用いて前記移動機構を制御する移動制御部と、を備えた移動体。
【請求項2】
前記誘導線上に配置されている複数のマーカは、すべて同じマーカであり、
前記第1の自己位置取得部と異なる方法によって、前記移動体の第2の自己位置を取得する第2の自己位置取得部をさらに備え、
前記第1の自己位置取得部は、前記第2の自己位置を用いて、前記検出されたマーカに対応する前記マーカ情報を特定する、請求項1記載の移動体。
【請求項3】
前記誘導線上に配置されている複数のマーカは、すべて同じマーカであり、
前記複数のマーカは、前記移動体が前記誘導線に沿って移動する際に、少なくとも1個のマーカが前記撮影画像に含まれるように前記誘導線上に配置されている、請求項1記載の移動体。
【請求項4】
前記誘導線上に配置されている複数のマーカはそれぞれ異なっており、
前記記憶部では、マーカを識別するマーカ識別子と、当該マーカのマーカ情報とが対応付けられて記憶されており、
前記検出部は、前記平面画像において検出したマーカのマーカ識別子を特定し、
前記第1の自己位置取得部は、前記特定されたマーカ識別子に対応付けられているマーカ情報を用いて第1の自己位置を取得する、請求項1記載の移動体。
【請求項5】
前記検出部は、前記平面画像においてハフ変換によって誘導線を検出する、請求項1から請求項4のいずれか記載の移動体。
【請求項6】
前記検出部は、前記平面画像において細線化処理を行った後にハフ変換を行う、請求項5記載の移動体。
【請求項7】
前記検出部は、テンプレートマッチングによってマーカを検出する、請求項1から請求項4のいずれか記載の移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床面に設けられた視覚的に認識可能な誘導線に沿って移動する移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無人搬送車等において、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)を用いて自己位置を推定することが行われている(例えば、特許文献1参照)。レイアウトがあまり変わらない移動環境では、SLAMを用いることによって、自己位置を適切に推定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-047671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、工場などのように、レイアウトが頻繁に変更される移動環境では、SLAMを用いて自己位置を推定すると、自己位置の精度が低下するという問題がある。また、工場などの建物内では、GPS(Global Positioning System)を用いた位置推定も困難である。そのため、工場などの建物内において、移動体の自己位置を取得できるようにするための新たな手法が望まれていた。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、工場などの建物内において、移動体の自己位置を取得できるようにする移動体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様による移動体は、床面に設けられた視覚的に認識可能な誘導線に沿って移動する移動体であって、誘導線上に配置されている向きを特定可能な複数のマーカのそれぞれについて、マーカの配置されている位置及び方向を含むマーカ情報が記憶される記憶部と、移動体の前方を撮影した撮影画像を取得する画像取得部と、撮影画像を上方から見た平面画像に変換する画像変換部と、平面画像において誘導線を検出し、検出した誘導線上のマーカを検出する検出部と、検出部によって検出されたマーカに対応するマーカ情報と、マーカの平面画像における位置及び向きとを用いて移動体の第1の自己位置を取得する第1の自己位置取得部と、移動体を移動させる移動機構と、第1の自己位置を用いて、移動体が誘導線に沿って移動するように移動機構を制御する移動制御部と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様による移動体によれば、床面に設けられた視覚的に認識可能な誘導線上に配置されたマーカを用いて、移動体の自己位置を取得することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態による移動体の構成を示すブロック図
図2A】同実施の形態におけるマーカの一例を示す図
図2B】同実施の形態におけるマーカの他の一例を示す図
図3】同実施の形態における移動体の移動領域を示す平面図
図4A】同実施の形態におけるマーカ情報の一例を示す図
図4B】同実施の形態におけるマーカ識別子とマーカ情報との一例を示す図
図5】同実施の形態における撮影画像の一例を示す図
図6】同実施の形態における平面画像の一例を示す図
図7】同実施の形態による移動体の動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明による移動体について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。本実施の形態による移動体は、床面に設けられた視覚的に認識可能な誘導線に沿って移動するものであり、その誘導線上に配置されたマーカを用いて自己位置を取得するものである。
【0010】
図1は、本実施の形態による移動体1の構成を示すブロック図である。本実施の形態による移動体1は、床面に設けられた視覚的に認識可能な誘導線に沿って移動するものであり、記憶部11と、画像取得部12と、画像変換部13と、検出部14と、第1の自己位置取得部15と、第2の自己位置取得部16と、移動機構17と、移動制御部18とを備える。移動体1の用途は特に限定されないが、移動体1は、例えば、搬送を行う移動体であってもよく、警備や清掃などのその他の用途の移動体であってもよい。
【0011】
移動体1の移動環境の床面には誘導線が設けられているものとする。移動環境の床面は、通常、水平であることが好適である。誘導線は、例えば、移動体1を誘導するために設けられたものであってもよく、他の用途、例えば、人の通路やフォークリフトの走行領域などを区画するための区画線等であってもよい。誘導線は、例えば、床面に貼り付けられたビニールテープなどのテープ状のものであってもよく、塗料を床面に塗布することによって設けられたものであってもよい。誘導線は、例えば、一定の幅の線であることが好適である。誘導線は、視覚的に認識可能なものである。すなわち、誘導線は、画像において検出できるものとする。誘導線は、視覚的に認識可能となるため、床面と異なる色であることが好適である。誘導線は、例えば、直線であってもよく、曲線であってもよい。本実施の形態では、誘導線が直線である場合について主に説明する。
【0012】
誘導線上には、複数のマーカが配置されているものとする。誘導線上にマーカが配置されているとは、例えば、マーカの少なくとも一部が誘導線上に存在することであってもよい。複数のマーカは、例えば、すべて同じマーカであってもよく、または、それぞれ異なるマーカであってもよい。本実施の形態では、前者の場合について主に説明し、後者の場合について後述する。マーカは、あらかじめ決められた形状であることが好適である。後述する平面画像において、マーカを検出できるようにするためである。後述するように、ハフ変換によってマーカを検出する場合には、マーカは、例えば、円形状であってもよい。また、マーカは、向きを特定可能なものである。マーカは、例えば、矢印形状などのように、マーカの形状によって向きを特定可能であってもよく、複数の領域を有しており、その領域の特定の位置、例えば重心などを用いて向きを特定可能であってもよく、矢印などの向きを示す図形を含んでいてもよい。
【0013】
本実施の形態では、図2Aで示されるマーカ3が用いられる場合について主に説明する。図2Aで示されるマーカ3は、円形状であり、中心を通る直線によって、2個の半円の領域3a,3bに分かれているものとする。例えば、領域3aは青色であり、領域3bは白色であってもよい。また、例えば、円形状のマーカ3の中心を始点として、領域3aの重心を終点とするベクトルの向きが、マーカ3の向きであってもよい。図3は、誘導線5上にマーカ3が配置されている工場内の状況の一例を示す平面図である。図3において、誘導線5は、工場における配置物7付近の人の通路と、フォークリフトの走行領域とを区画するための区画線であるとする。
【0014】
記憶部11では、複数のマーカ情報が記憶される。複数のマーカ情報は、誘導線上に配置された複数のマーカにそれぞれ対応したものである。マーカ情報は、そのマーカ情報に対応するマーカの配置されている位置及び方向を含む情報である。位置は、例えば、移動体1の移動領域における座標値であってもよい。本実施の形態では、この位置がワールド座標系における位置である場合について主に説明する。ワールド座標系は、例えば、移動体1の移動領域(例えば、工場など)の座標系であってもよい。また、方向は、例えば、基準方向(例えば、北の方向)を基準とした方向であってもよい。この方向は、例えば、方位角によって示されてもよい。記憶部11では、例えば、図4Aで示されるように、マーカの位置を示すワールド座標系における座標値、及びマーカの方向を示す方位角を含むマーカ情報が記憶されてもよい。例えば、図4Aで示される1番目のマーカ情報では、マーカの座標値及び方位角がそれぞれ(X11,Y11)、θ11であることが示されている。
【0015】
記憶部11に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が記憶部11で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が記憶部11で記憶されるようになってもよく、または、入力デバイスを介して入力された情報が記憶部11で記憶されるようになってもよい。記憶部11は、不揮発性の記録媒体によって実現されることが好適であるが、揮発性の記録媒体によって実現されてもよい。記録媒体は、例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなどであってもよい。
【0016】
画像取得部12は、移動体1の前方を撮影した撮影画像を取得する。画像取得部12は、例えば、画像を撮影するカメラ等の光学機器であってもよく、カメラ等の光学機器によって撮影された画像を取得するものであってもよい。本実施の形態では、画像取得部12がカメラである場合について主に説明する。撮影画像は、例えば、カラーの画像であってもよく、白黒やグレースケールの画像であってもよい。誘導線及びマーカの少なくとも一方が白黒以外の色を有している場合には、撮影画像は、カラーの画像であることが好適である。画像取得部12は、撮影画像の取得を繰り返すことが好適である。画像取得部12は、例えば、定期的に、または不定期に撮影画像を繰り返して取得してもよい。また、画像取得部12は、例えば、動画を取得してもよい。この場合には、動画を構成する1つのフレームが撮影画像であると考えてもよい。
【0017】
撮影画像を撮影するためのカメラの光軸は、通常、移動体1の進行方向前方を向いていることが好適である。その光軸は、例えば、水平方向に延びていてもよく、または、俯角が正の値となるように床側に向いていてもよい。後者の場合であっても、進行方向の遠くの領域も撮影画像に含まれるようになっていることが好適である。遠くの位置のマーカも検出できるようにするためである。図5は、移動体1が図3で示される位置に存在する際に撮影された撮影画像の一例を示す図である。図5で示されるように、撮影画像は、パースの付いた画像になる。
【0018】
画像変換部13は、画像取得部12によって取得された撮影画像を上方から見た平面画像に変換する。平面画像は、例えば、床面に垂直な方向、例えば、鉛直方向から見た画像であってもよい。画像変換部13は、例えば、撮影画像をホモグラフィ変換によって平面画像に変換してもよい。なお、撮影画像を平面画像に変換する方法は公知であり、その詳細な説明を省略する。図6は、図5で示される撮影画像を変換した平面画像の一例を示す図である。図6で示されるように、平面画像は、パースの付いていない画像になる。画像変換部13は、例えば、繰り返して取得された撮影画像をそれぞれ平面画像に変換してもよい。
【0019】
検出部14は、画像変換部13によって取得された平面画像において誘導線を検出する。また、検出部14は、検出した誘導線上のマーカを検出する。検出部14は、一例として、平面画像において、ハフ変換によって誘導線を検出してもよい。例えば、誘導線が直線である場合には、検出部14は、直線を検出するためのハフ変換を行ってもよい。なお、検出部14は、例えば、平面画像において細線化処理を行った後にハフ変換を行ってもよい。誘導線は、通常、幅を有している線であり、幅を有している線よりも、より細い線の方がハフ変換によって検出するのに好適だからである。細線化処理は、例えば、幅を有する線の線幅を狭めることによって細線化する画像処理であってもよく、エッジ検出であってもよい。前者の細線化処理としては、例えば、画像を二値化した後に細線化する田村や、Hilditch、Zhang-Suen等のアルゴリズムが知られている。後者のエッジ検出では、通常、誘導線の幅方向の両側のエッジが検出されることになるが、例えば、一方のエッジのみを残すようにエッジ検出を行ってもよい。一方のエッジのみを残すため、例えば、輝度値などの微分値を用いてエッジを検出する際に、微分値が正の閾値より大きい値であるピクセルのみをエッジとして検出し、微分値が負の閾値より小さい値であるピクセルをエッジとして検出しないようにしてもよい。
【0020】
また、撮影画像がカラーの画像である場合に、検出部14は、例えば、カラーの平面画像をグレースケールの画像に変換してから細線化処理や、誘導線の検出の処理を行ってもよい。グレースケールの画像に変換する際に、検出部14は、例えば、誘導線の色を基準色として、その基準色からの色の違いが大きくなるほど、基準色のピクセルの値との差がより大きくなるようにグレースケールに変換してもよい。例えば、8ビットのグレースケールに変換する際には、基準色のピクセルの値は0として、基準色からの色の違いが大きくなるほど、値がより255に近くなるようにグレースケールに変換してもよい。このようにすることで、変換後のグレースケールの平面画像において、より適切に誘導線を検出することができるようになる。
【0021】
また、検出部14は、例えば、平面画像において、ハフ変換によってマーカを検出してもよく、テンプレートマッチングによってマーカを検出してもよい。なお、平面画像では、移動体1から遠くの領域になるほど解像度が低くなる。そのため、ハフ変換では、移動体1から遠い位置に存在するマーカを検出することが困難になり得るが、テンプレートマッチングの場合には、移動体1から遠い位置に存在するマーカもより確実に検出することができる。この観点から、テンプレートマッチングによってマーカの検出を行うことが好適である。また、マーカの大きさが決まっている場合には、マーカに相当する、あらかじめ決められた大きさのテンプレート画像を用いることによってマーカを検出することができる。また、マーカは、誘導線上に配置されているため、検出部14は、検出した誘導線を基準とした所定の範囲内のみにおいてテンプレートマッチングによるマーカの検出を行ってもよい。マーカが白黒以外の色を有している場合には、例えば、誘導線の検出が上記したグレースケールの画像を用いて行われたとしても、マーカの検出は、カラーの平面画像を用いて行われてもよい。マーカを検出するとは、例えば、平面画像におけるマーカの位置を特定することであってもよい。また、検出部14は、平面画像におけるマーカの位置に加えて、マーカの向きも特定してもよい。
【0022】
第1の自己位置取得部15は、検出部14によって検出されたマーカに対応するマーカ情報と、マーカの平面画像における位置及び向きとを用いて移動体1の第1の自己位置を取得する。また、第1の自己位置取得部15は、第2の自己位置を用いて、検出されたマーカに対応するマーカ情報を特定してもよい。なお、第2の自己位置は、後述するように、第1の自己位置取得部15とは異なる方法によって取得された移動体1の自己位置であってもよい。
【0023】
例えば、移動体1における撮影画像を撮影するカメラの取付位置と、そのカメラの画角とが分かっている場合に、第1の自己位置取得部15は、検出されたマーカの平面画像における位置及び向きを用いることによって、平面画像において検出されたマーカのローカル座標系と、移動体1のローカル座標系との相対的な位置関係を取得することができる。検出されたマーカの平面画像における位置及び向きは、例えば、上記したように、検出部14によって特定されてもよい。その相対的な位置関係は、一例として、両ローカル座標系間の変換を示す同次変換行列であってもよい。また、第1の自己位置取得部15は、その相対的な位置関係と、第2の自己位置とを用いることによって、検出されたマーカの位置を特定することができる。例えば、第2の自己位置がワールド座標系における位置である場合には、第1の自己位置取得部15は、ワールド座標系における検出されたマーカの位置を特定することができる。そして、第1の自己位置取得部15は、その特定したマーカの位置に最も近い位置を含むマーカ情報を特定することによって、その検出されたマーカに対応するマーカ情報を特定することができる。このように、第2の自己位置は、検出されたマーカに対応するマーカ情報を特定するために用いられるものであるため、第1の自己位置より精度が低くてもよい。なお、そのマーカ情報の特定に、例えば、検出されたマーカの向きも用いてもよい。
【0024】
また、特定したマーカ情報に含まれる位置及び方向と、平面画像において検出されたマーカのローカル座標系と移動体1のローカル座標系との相対的な位置関係とを用いることによって、第1の自己位置取得部15は、移動体1の第1の自己位置を取得することができる。より具体的には、第1の自己位置取得部15は、特定したマーカ情報に含まれる位置及び方向によって、ワールド座標系と検出されたマーカのローカル座標系との相対的な位置関係を特定することができ、その相対的な位置関係と、検出されたマーカのローカル座標系と移動体1のローカル座標系との相対的な位置関係とを用いることによって、ワールド座標系と、移動体1のローカル座標系との相対的な位置関係、すなわち、ワールド座標系における移動体1の位置及び向きを特定することができる。このようにして特定されたワールド座標系における移動体1の位置及び向きが第1の自己位置であってもよい。したがって、第1の自己位置には、移動体1の位置のみでなく、向きも含まれていてもよい。移動体1の向きは、例えば、方位角などの基準方向を基準とした角度によって示されてもよい。
【0025】
なお、平面画像において2個以上のマーカが検出された場合には、第1の自己位置取得部15は、例えば、特定の1個のマーカを用いて第1の自己位置を取得してもよく、各マーカを用いて第1の自己位置を取得してもよい。前者の場合には、移動体1に最も近い位置のマーカを用いて第1の自己位置が取得されてもよい。後者の場合には、複数のマーカを用いてそれぞれ取得された複数の自己位置を平均することによって第1の自己位置が取得されてもよい。その平均は、例えば、単純平均であってもよく、重み付き平均であってもよい。後者の場合には、重みは、例えば、移動体1からマーカまでの距離が大きくなるほど、小さくなる重みであってもよい。
【0026】
第2の自己位置取得部16は、第1の自己位置取得部15と異なる方法によって、移動体1の第2の自己位置を取得する。上記したように、第2の自己位置は、第1の自己位置より精度が低くてもよい。第2の自己位置取得部16は、第2の自己位置を、例えば、オドメトリによって取得してもよく、無線通信を用いて取得してもよく、周囲の物体までの距離の測定結果を用いて取得してもよく、周囲の画像を撮影することによって取得してもよく、自己位置を取得するその他の方法を用いて取得してもよい。無線通信を用いて自己位置を取得する方法としては、例えば、GPSを用いる方法や、屋内GPSを用いる方法、最寄りの無線基地局を用いる方法などが知られている。また、例えば、周囲の物体までの距離の測定結果を用いたり、周囲の画像を撮影したりすることによって自己位置を取得する方法としては、例えば、SLAMなどを用いてもよい。また、第2の自己位置取得部16は、移動体1の向きを含む第2の自己位置を取得してもよい。例えば、第2の自己位置がオドメトリによって取得される場合には、第1の自己位置が取得された際に、その第1の自己位置を、第2の自己位置としてもよい。すなわち、第2の自己位置が第1の自己位置でリセットされてもよい。第2の自己位置がオドメトリによって取得される場合には、第1の自己位置の方が第2の自己位置よりも精度が高いからである。そして、平面画像において、マーカが検出できなくなってから、次のマーカが検出されるまでの間は、第2の自己位置取得部16によって取得された第2の自己位置が移動制御に用いられてもよい。
【0027】
移動機構17は、移動体1を移動させる。本実施の形態では、移動機構17が、床面上において移動体1を走行させる機構である場合について主に説明する。移動機構17は、例えば、移動体1を全方向に移動できるものであってもよく、または、そうでなくてもよい。全方向に移動できるとは、任意の方向に移動できることである。移動機構17は、例えば、走行部(例えば、車輪など)と、その走行部を駆動する駆動手段(例えば、モータやエンジンなど)とを有していてもよい。なお、移動機構17が、移動体1を全方向に移動できるものである場合には、その走行部は、全方向移動車輪(例えば、オムニホイール、メカナムホイールなど)であってもよい。移動機構17としては、公知のものを用いることができるため、その詳細な説明を省略する。
【0028】
移動制御部18は、移動体1が誘導線に沿って移動するように移動機構17を制御する。平面画像における誘導線の検出結果によって、移動制御部18は、移動体1のローカル座標系における誘導線の位置を知ることができる。したがって、それを用いることによって、移動制御部18は、誘導線に沿った移動体1の移動を実現することができる。また、平面画像に複数の誘導線が含まれる場合には、移動制御部18は、移動体1の進行方向に延びる誘導線に沿って移動するように移動制御を行ってもよい。また、移動体1が誘導線上を移動する場合には、移動制御部18は、例えば、平面画像の左右方向の中央において、進行方向に延びる誘導線に沿って移動するように移動制御を行ってもよい。
【0029】
また、移動制御部18は、第1の自己位置取得部15によって取得された第1の自己位置を用いて移動機構17を制御する。この移動制御は、例えば、第1の自己位置を用いた、移動体1の向きや、移動の開始、停止などの制御であってもよい。例えば、移動体1があらかじめ決められた位置となった場合、すなわち、第1の自己位置があらかじめ決められた位置となった場合に、移動制御部18は、移動体1が停止するように移動機構17を制御してもよい。また、あらかじめ移動経路が示されている場合に、移動制御部18は、第1の自己位置が、移動経路に沿ったものになるように移動機構17を制御してもよい。なお、平面画像にマーカが含まれていない状況では、第1の自己位置を取得することができないため、移動制御部18は、第2の自己位置を用いた移動制御を行ってもよい。
【0030】
次に、移動体1の動作について図7のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)画像取得部12は、撮影画像を取得するかどうか判断する。そして、撮影画像を取得する場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、撮影画像を取得すると判断するまで、ステップS101の処理を繰り返す。画像取得部12は、例えば、撮影画像を取得すると定期的に判断してもよい。
【0031】
(ステップS102)画像取得部12は、撮影画像を取得する。画像取得部12は、例えば、画像を撮影することによって撮影画像を取得してもよく、撮影された画像を受け取ることによって撮影画像を取得してもよい。撮影画像は、図示しない記録媒体等で記憶されてもよい。
【0032】
(ステップS103)画像変換部13は、撮影画像を平面画像に変換する。なお、画像変換部13は、取得されたすべての撮影画像を平面画像に変換してもよく、または、一部の撮影画像を平面画像に変換してもよい。撮影画像が高頻度に取得される場合には、必ずしもすべての撮影画像を平面画像に変換しなくてもよいからである。平面画像は、図示しない記録媒体等で記憶されてもよい。
【0033】
(ステップS104)検出部14は、平面画像に細線化処理を行う。この細線化処理は、平面画像を上記したようにグレースケールの画像に変換した後に行ってもよい。
【0034】
(ステップS105)検出部14は、細線化処理後の平面画像において誘導線を検出する。
【0035】
(ステップS106)検出部14は、細線化処理を行っていない平面画像において、ステップS105において検出した誘導線上のマーカを検出する。
【0036】
(ステップS107)第2の自己位置取得部16は、第2の自己位置を取得する。
【0037】
(ステップS108)第1の自己位置取得部15は、ステップS106においてマーカが検出されたかどうか判断する。そして、マーカが検出された場合には、ステップS109に進み、そうでない場合には、ステップS110に進む。
【0038】
(ステップS109)第1の自己位置取得部15は、検出されたマーカに対応するマーカ情報と、平面画像におけるマーカの位置及び向きとを用いて第1の自己位置を取得する。なお、検出されたマーカに対応するマーカ情報は、第2の自己位置取得部16によって取得された第2の自己位置を用いて特定されてもよい。
【0039】
(ステップS110)移動制御部18は、ステップS105において検出された誘導線に沿って移動するように移動機構17を制御する。また、第1の自己位置を用いた移動制御も行ってもよい。なお、第1の自己位置が取得されなかった場合、すなわち平面画像においてマーカが検出されなかった場合には、移動制御部18は、ステップS107において取得された第2の自己位置を用いて移動制御を行ってもよい。そして、ステップS101に戻る。なお、このステップS110の移動制御が繰り返して行われることにより、移動体1は、所望の移動を行うことができるようになる。
【0040】
なお、図7のフローチャートにおける処理の順序は一例であり、同様の結果を得られるのであれば、各ステップの順序を変更してもよい。また、図7のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0041】
次に、本実施の形態による移動体1の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例では、図4Aで示される複数のマーカ情報が記憶部11で記憶されているものとする。また、移動体1は、図3で示される工場において、誘導線5に沿って移動するものとする。また、移動体1には、誘導線に沿った移動経路や停止位置などを示す移動指示があらかじめ入力されており、移動制御部18は、その移動指示に応じて移動制御を行うものとする。
【0042】
移動体1が移動を開始する際に、まず、画像取得部12は、撮影画像を取得し、その取得した撮影画像を画像変換部13に渡す(ステップS101,S102)。その撮影画像は、例えば、図5で示されるものであるとする。撮影画像を受け取ると、画像変換部13は、その撮影画像を上方から見た平面画像に変換して検出部14に渡す(ステップS103)。その平面画像は、例えば、図6で示されるものである。
【0043】
平面画像を受け取ると、検出部14は、平面画像について細線化処理を行い、その細線化処理を行った平面画像において、誘導線を検出し、その誘導線の検出結果を移動制御部18に渡す(ステップS104,S105)。また、検出部14は、画像変換部13から受け取った平面画像において、検出した誘導線上に存在するマーカを検出する(ステップS106)。より具体的には、検出部14は、平面画像におけるマーカの位置及び向きを特定し、その特定結果を第1の自己位置取得部15に渡す。図6で示される平面画像の場合には、誘導線5上に存在するマーカ3の位置及び向きが第1の自己位置取得部15に渡されることになる。
【0044】
次に、第2の自己位置取得部16は、その時点の第2の自己位置を取得して第1の自己位置取得部15、及び移動制御部18に渡す(ステップS107)。第2の自己位置を受け取ると、第1の自己位置取得部15は、マーカが検出されたかどうか判断する(ステップS108)。第1の自己位置取得部15は、例えば、平面画像における検出されたマーカの位置及び向きを検出部14から受け取った場合に、マーカが検出されたと判断し、マーカの位置等を受け取っていない場合に、マーカが検出されなかったと判断してもよい。マーカが検出された場合には、第1の自己位置取得部15は、平面画像におけるマーカの位置及び向きを用いて、移動体1のローカル座標系と、マーカのローカル座標系との相対的な位置関係を取得すると共に、その相対的な位置関係と、第2の自己位置とを用いて、マーカのワールド座標系における位置を特定する。そして、第1の自己位置取得部15は、その特定した位置に最も近い位置を含むマーカ情報を記憶部11から読み出す。このマーカ情報が、検出されたマーカの位置及び方向を含むマーカ情報である。第1の自己位置取得部15は、このマーカ情報、及び移動体1のローカル座標系と、マーカのローカル座標系との相対的な位置関係を用いることによって、移動体1のワールド座標系における位置及び向きを示す第1の自己位置を取得して移動制御部18に渡す(ステップS109)。移動制御部18は、あらかじめ受け取っていた誘導線の検出結果を用いて、移動体1が誘導線に沿って移動するように移動機構17を制御する。また、移動制御部18は、受け取った第1の自己位置を用いた移動制御を必要に応じて行う(ステップS110)。このような処理が、撮影画像の取得ごとに繰り返して行われることによって、移動体1は、移動指示に応じて移動することになる。なお、移動制御部18は、第1の自己位置が取得されなかった場合には、第2の自己位置を用いて移動制御を行ってもよい。
【0045】
以上のように、本実施の形態による移動体1によれば、誘導線上に配置された複数のマーカを用いることによって、移動体1の自己位置を適切に取得することができるようになる。また、誘導線上に配置された複数のマーカをすべて同じにした場合には、異なるマーカを用意する必要がなくなり、複数のマーカを配置する際の負荷を低減することができる。また、第2の自己位置は、第1の自己位置と比較して低い精度でもよいため、第2の自己位置取得部16は、例えば、オドメトリなどの簡単な構成によって第2の自己位置を取得することもできる。また、平面図においてハフ変換によって誘導線を検出することによって、より短い時間で、かつより高い精度で誘導線を検出することができるようになる。また、そのハフ変換の前に平面画像において細線化処理を行うことによって、誘導線をより見つけやすくすることができる。さらに、平面画像においてテンプレートマッチングによってマーカを検出することによって、遠くに存在するマーカもより確実に検出することができるようになる。
【0046】
なお、本実施の形態では、移動体1が第2の自己位置取得部16を備える場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。移動体1は、第2の自己位置取得部16を備えていなくてもよい。この場合には、例えば、誘導線上に配置されている複数のマーカは、すべて同じマーカであり、その複数のマーカは、移動体が誘導線に沿って移動する際に、少なくとも1個のマーカが撮影画像に含まれるように誘導線上に配置されていてもよい。このようにすることで、第1の自己位置取得部15は、平面画像に含まれる少なくとも1個のマーカを用いて、第1の自己位置を取得することができ、移動制御部18は、その第1の自己位置を用いて移動制御を行うことができる。なお、この場合には、移動の開始時点に平面画像に含まれるマーカに対応するマーカ情報を特定できるようになっていることが好適である。そのマーカ情報は、例えば、手動で特定されてもよい。このようにすることで、第1の自己位置取得部15は、移動の開始時点においても、第1の自己位置を取得することができる。また、移動の開始後において、あるマーカが平面画像に含まれなくなる際には、2個のマーカが平面画像に含まれる期間が存在するため、第1の自己位置取得部15は、その期間に、平面画像に新たに含まれるようになったマーカに対応するマーカ情報を特定することができる。このようにして、第1の自己位置取得部15は、マーカを用いた第1の自己位置の取得を絶えず行うことができるため、移動体1は、第2の自己位置取得部16を備えていなくても、移動できるようになる。
【0047】
また、移動体1が第2の自己位置取得部16を備えていない場合に、誘導線上に配置されている複数のマーカはそれぞれ異なっており、記憶部11では、マーカを識別するマーカ識別子と、そのマーカのマーカ情報とが対応付けられて記憶されていてもよい。例えば、記憶部11において、図4Bで示されるように、マーカ識別子と、マーカ情報とが対応付けられて記憶されていてもよい。図4Bでは、例えば、マーカ識別子M11で識別されるマーカの位置及び方向がそれぞれ、(X11,Y11)及びθ11であることが示されている。そして、検出されたマーカのマーカ識別子に対応付けられているマーカ情報を用いて第1の自己位置が取得されてもよい。この場合には、複数のマーカは、例えば、色や形状、模様等によって、それぞれ識別可能になっていることが好適である。一例として、1個目のマーカ3が図2Aで示されるものである場合には、2個目のマーカ3は、図2Bで示されるものであってもよい。図2Bで示されるマーカ3において、例えば、領域3aは青色であり、領域3cは赤色であってもよい。このように、2個の色の組み合わせを変えることによって、複数のマーカ3をそれぞれ識別できてもよい。
【0048】
複数のマーカがそれぞれ異なっている場合には、検出部14は、平面画像において検出したマーカのマーカ識別子も特定してもよい。例えば、検出部14は、検出したマーカの色や形状、模様等に関する特徴量を取得し、マーカの色や形状、模様等に関する特徴量と、マーカ識別子とを対応付ける情報を用いて、その取得した特徴量に対応するマーカ識別子を特定してもよい。また、第1の自己位置取得部15は、検出物14によって特定されたマーカ識別子に対応付けられているマーカ情報を用いて、第1の自己位置を取得してもよい。なお、この場合には、撮影画像にマーカが含まれない状況が存在してもよいが、移動体1が誘導線に沿って移動することによって、必ずマーカが撮影されるようになっていることが好適である。また、移動体1における移動制御において自己位置が必要になる領域(例えば、移動体1が停止する領域など)においては、誘導線上にマーカが配置されており、撮影画像にマーカが含まれるようになっていることが好適である。
【0049】
また、本実施の形態では、誘導線が直線である場合について主に説明したが、誘導線は曲線であってもよい。曲線の誘導線は、例えば、曲率が一定である曲線の誘導線であってもよい。この場合にも、検出部14は、例えば、ハフ変換によって曲率が一定である曲線の誘導線を検出することができる。
【0050】
また、第1の自己位置取得部15は、例えば、マーカを用いて取得した自己位置と、第2の自己位置とを統合することによって第1の自己位置を取得してもよい。第1の自己位置取得部15は、例えば、カルマンフィルタなどを用いて、その統合を行ってもよい。また、第1の自己位置取得部15は、マーカを用いて取得した自己位置と、第2の自己位置とを平均することによって第1の自己位置を取得してもよい。その平均は、例えば、単純平均であってもよく、重み付き平均であってもよい。後者の場合には、重みは、例えば、信頼度が大きいほど大きくなる重みであってもよい。マーカを用いて取得される自己位置の信頼度は、例えば、移動体1からマーカまでの距離が大きくなるほど、小さくなる信頼度であってもよい。また、第2の自己位置がオドメトリによって取得される場合には、第2の自己位置の信頼度は、例えば、第1の自己位置が取得され、第2の自己位置が第1の自己位置でリセットされてからの移動量が多くなるほど、小さくなる信頼度であってもよい。
【0051】
また、ハフ変換を用いて誘導線を検出する場合には、そのハフ変換の結果がぶれることもあり得る。そのようなことを回避するために、結果を安定化させるための処理を行ってもよい。ハフ変換の結果を安定化させるための処理は、例えば、カルマンフィルタ等を用いたフィルタリングであってもよく、外れ値を除外したり、外れ値の影響を小さくしたりするための重み付け加算等を行うことであってもよい。
【0052】
また、移動体1が、全方向移動台車のように、複数の方向に移動可能である場合には、例えば、画像取得部12は、複数の移動方向ごとに移動方向の前方の撮影画像を取得できてもよい。この場合には、例えば、移動体1において、複数の方向ごとに撮影画像を撮影するためのカメラが設けられていてもよい。そして、画像取得部12は、現在の移動方向に応じた移動方向の前方の撮影画像を取得してもよい。
【0053】
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、または、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0054】
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、または、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、記憶部や記録媒体にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。また、そのプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。また、そのプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、または分散処理を行ってもよい。
【0055】
また、以上の実施の形態は、本発明を具体的に実施するための例示であって、本発明の技術的範囲を制限するものではない。本発明の技術的範囲は、実施の形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の文言上の範囲及び均等の意味の範囲内での変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0056】
1 移動体、3 マーカ、5 誘導線、11 記憶部、12 画像取得部、13 画像変換部、14 検出部、15 第1の自己位置取得部、16 第2の自己位置取得部、17 移動機構、18 移動制御部
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7