(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168100
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】監視装置、監視システム、監視方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 5/00 20060101AFI20241128BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20241128BHJP
B64F 1/36 20240101ALI20241128BHJP
B64U 10/13 20230101ALI20241128BHJP
B64D 47/06 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G08G5/00 A
G08B25/00 510M
B64F1/36
B64U10/13
B64D47/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084514
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】柿沼 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】浅川 義博
(72)【発明者】
【氏名】宮原 徹
(72)【発明者】
【氏名】宮本 勝男
(72)【発明者】
【氏名】岡田 浩平
(72)【発明者】
【氏名】石渡 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 彩代
【テーマコード(参考)】
5C087
5H181
【Fターム(参考)】
5C087DD03
5C087DD17
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
5C087GG84
5H181AA26
5H181BB04
5H181BB08
5H181BB12
5H181BB13
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF13
(57)【要約】
【課題】リモートID機器から発信された情報を用いずに、監視領域に出入りするドローンを監視できる監視装置等を提供する。
【解決手段】監視領域が撮影された映像データを含む検知信号を取得する取得部と、映像データにおいて検出されたドローンによって発現されたパターンに基づいて、ドローンが所定ルールに従っているか判定する判定部と、判定結果に応じて、監視領域で検出されたドローンが許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるか特定する特定部と、特定されたドローンに関する情報を出力する出力部と、を備える監視装置とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視領域が撮影された映像データを含む検知信号を取得する取得部と、
前記映像データにおいて検出されたドローンによって発現されたパターンに基づいて、前記ドローンが所定ルールに従っているか判定する判定部と、
判定結果に応じて、前記監視領域で検出された前記ドローンが許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるか特定する特定部と、
特定された前記ドローンに関する情報を出力する出力部と、を備える監視装置。
【請求項2】
前記判定部は、
前記ドローンに搭載された発光器の発光パターンに応じて、前記ドローンが前記所定ルールに従っているか判定し、
前記特定部は、
前記所定ルールに従っている前記ドローンが前記許可ドローンであると特定し、
前記所定ルールに従っていない前記ドローンが前記許可ドローンであると特定する請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記判定部は、
前記ドローンの動作パターンに応じて、前記ドローンが前記所定ルールに従っているか判定し、
前記特定部は、
前記所定ルールに従っている前記ドローンが前記許可ドローンであると特定し、
前記所定ルールに従っていない前記ドローンが前記許可ドローンであると特定する請求項1に記載の監視装置。
【請求項4】
前記判定部は、
前記ドローンのルートに応じて、前記ドローンが前記許可ドローンおよび前記不許可ドローンのいずれであるか判定し、
前記特定部は、
前記所定ルールに従っている前記ドローンが前記許可ドローンであると特定し、
前記所定ルールに従っていない前記ドローンが前記許可ドローンであると特定する請求項1に記載の監視装置。
【請求項5】
前記ドローンごとに発行された許可チケットに関する情報を記憶する記憶部を備え、
前記判定部は、
前記許可チケットに含まれる前記所定ルールに従ったパターンに基づいて、前記ドローンが前記所定ルールに従っているか判定し、
前記特定部は、
前記所定ルールに従っている前記ドローンが前記許可ドローンであると特定し、
前記所定ルールに従っていない前記ドローンが前記許可ドローンであると特定する請求項1に記載の監視装置。
【請求項6】
前記判定部は、
前記不許可ドローンを示すパターンに基づいて、前記ドローンが前記不許可ドローンであるか判定し、
前記特定部は、
前記ドローンが前記不許可ドローンであるという判定結果に応じて、前記監視領域で検出された前記ドローンが前記不許可ドローンであると特定し、
前記出力部は、
前記不許可ドローンであると特定された前記ドローンに関する情報を出力する請求項5に記載の監視装置。
【請求項7】
前記監視領域で検出された前記ドローンの位置がマッピングされた監視領域マップを更新するマップ更新部を備え、
前記マップ更新部は、
前記監視領域で検出された前記ドローンが前記許可ドローンおよび前記不許可ドローンのいずれであるかを示す目印を、前記ドローンの位置に対応付けて前記監視領域マップに付加し、
前記出力部は、
前記監視領域マップを出力する請求項1に記載の監視装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の監視装置と、
監視領域に進入したドローンを検知し、検知された前記ドローンを含む領域を撮影し、撮影された映像データを前記監視装置に送信する少なくとも一つの検知装置と、を備える監視システム。
【請求項9】
コンピュータが、
監視領域が撮影された映像データを含む検知信号を取得し、
前記映像データにおいて検出されたドローンによって発現されたパターンに基づいて、前記ドローンが所定ルールに従っているか判定し、
判定結果に応じて、前記監視領域で検出された前記ドローンが許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるか特定し、
特定された前記ドローンに関する情報を出力する監視方法。
【請求項10】
監視領域が撮影された映像データを含む検知信号を取得する処理と、
前記映像データにおいて検出されたドローンによって発現されたパターンに基づいて、前記ドローンが所定ルールに従っているか判定する処理と、
判定結果に応じて、前記監視領域で検出された前記ドローンが許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるか特定する処理と、
特定された前記ドローンに関する情報を出力する処理と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、監視装置、監視システム、監視方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
日本国内においては、100g(グラム)以上のドローンを屋外で飛行させる場合、機体登録が義務付けられている。また、機体登録されたドローンには、リモートID(Identifier)機器と呼ばれる機器の搭載が義務付けられている。リモートID機器は、登録番号、製造番号、位置情報、時刻、および認証情報を含む情報を発信する。リモートID機器から発信された情報を用いて機体を識別すれば、監視領域に進入するドローンに対して進入許可が発行されているか判別できる。監視対象施設が独自にドローンを管理する場合は、監視対象のドローンの数が限られている。そのような場合、リモートID機器から発信された情報を用いれば、ドローンの管理が容易になり、十分なセキュリティが得られる。
【0003】
リモートID機器から発信される情報は、多くのドローンに対して付与されたオープンな情報である。そのため、リモートID機器から発信される情報は、改ざんやコピーされる恐れがある。また、監視領域に進入する全てのドローンに関して登録内容と申請者情報とを照会する必要がある場合、航空局への申請手続きや、大量のデータにアクセスして照会する手続きが発生する。このように、ID機器から発信された情報を用いたドローンの監視には、セキュリティや手続きの煩雑さなどの面において、課題があった。また、リモートID機器の搭載が免除されているドローンもある。そのため、リモートID機器から発信された情報を用いずに、監視領域に出入りするドローンを監視する技術が求められる。
【0004】
特許文献1は、監視領域における自律飛行移動体の飛行を制限する飛行制限システムを開示している。特許文献1のシステムは、複数の中継装置を備える。中継装置は、自律飛行移動体および携帯端末を含む監視対象と無線通信する。中継装置は、無線通信による電波強度と、監視領域ごとにあらかじめ定められた閾値とに基づいて、監視対象が監視領域に進入したか否かを判定する。中継装置は、監視対象が監視領域に進入したと判定した場合、自装置の識別情報、監視対象の識別情報、および時刻を含む通信情報を監視サーバに送信する。サーバは、それぞれの中継装置から受信した通信情報を、監視対象ごとに記憶部に蓄積する。サーバは、中継装置がマッピングされたマッピングデータと、記憶部に蓄積された通信情報とに基づいて、監視対象の移動履歴を示す重畳マッピングデータを生成する。サーバは、生成された重畳マッピングデータを表示部に表示させる。
【0005】
特許文献2は、要監視エリアにおいてドローンを探知するドローン監視システムを開示している。特許文献2のシステムは、要監視エリアにおける飛行が予め認可された認可ドローンを飛行させる。特許文献2のシステムは、認可ドローンに搭載された不審物探知装置を用いて、要監視エリアにおける飛行が許可されていない不審ドローンを探知する。特許文献2のシステムは、不審物探知装置から発出されたパルスバースト信号の反射信号によって、不審ドローンを探知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-104307号公報
【特許文献2】特開2019-040321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の手法を用いれば、リモートID機器から発信された情報を用いずに、監視領域に進入した監視対象の移動履歴を示す重畳マッピングデータを表示部に表示できる。しかし、特許文献1の手法では、監視領域に進入した監視対象が、その監視領域における飛行が許可されているか判別できなかった。
【0008】
特許文献2の手法を用いれば、リモートID機器から発信された情報を用いずに、要監視エリアを飛行する不審ドローンを探知できる。しかし、特許文献2の手法では、不審物探知装置から発出されたパルスバースト信号の反射信号が受信されない限り、不審ドローンを探知できなかった。また、特許文献2の手法では、認可ドローンからの画像データを人間が監視しない限り、不審ドローンを探知できなかった。
【0009】
本開示の目的は、リモートID機器から発信された情報を用いずに、監視領域に出入りするドローンを監視できる監視装置、監視システム、監視方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様の監視装置は、監視領域が撮影された映像データを含む検知信号を取得する取得部と、映像データにおいて検出されたドローンによって発現されたパターンに基づいて、ドローンが所定ルールに従っているか判定する判定部と、判定結果に応じて、監視領域で検出されたドローンが許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるか特定する特定部と、特定されたドローンに関する情報を出力する出力部と、を備える。
【0011】
本開示の一態様の監視方法においては、監視領域が撮影された映像データを含む検知信号を取得、映像データにおいて検出されたドローンによって発現されたパターンに基づいて、ドローンが所定ルールに従っているか判定し、判定結果に応じて、監視領域で検出されたドローンが許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるか特定し、特定されたドローンに関する情報を出力する。
【0012】
本開示の一態様のプログラムは、監視領域が撮影された映像データを含む検知信号を取得する処理と、映像データにおいて検出されたドローンによって発現されたパターンに基づいて、ドローンが所定ルールに従っているか判定する処理と、判定結果に応じて、監視領域で検出されたドローンが許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるか特定する処理と、特定されたドローンに関する情報を出力する処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、リモートID機器から発信された情報を用いずに、監視領域に出入りするドローンを監視できる監視装置、監視システム、監視方法、およびプログラムを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態に係る監視システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る監視システムによるドローンの監視例を示す概念図である。
【
図3】第1実施形態に係る監視システムが備える検知装置の構成の一例を示す概念図である。
【
図4】第1実施形態に係る監視システムが備える監視装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】第1実施形態に係る監視システムが監視する監視領域への入場が許可されたドローンに付与される許可チケットの一例である。
【
図6】第1実施形態に係る監視システムによるドローンの一例を示す概念図である。
【
図7】第1実施形態に係る監視システムによるドローンの一例を示す概念図である。
【
図8】第1実施形態に係る監視システムによるドローンの構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】第1実施形態に係る監視システムの判定対象である所定ルールに従った発光パターンの一例について説明するための概念図である。
【
図10】第1実施形態に係る監視システムの判定対象である所定ルールに従った信号パターンの一例について説明するための概念図である。
【
図11】第1実施形態に係る監視システムの判定対象である所定ルールに従った動作パターンの一例について説明するための概念図である。
【
図12】第1実施形態に係る監視システムの判定対象である所定ルールに従った動作パターンの一例について説明するための概念図である。
【
図13】第1実施形態に係る監視システムの判定対象である所定ルールに従ったルートの一例について説明するための概念図である。
【
図14】第1実施形態に係る監視システムの判定対象である所定ルールに従ったルートの一例について説明するための概念図である。
【
図15】第1実施形態に係る監視システムの判定対象である所定ルールに従った入退場グリッドの設定例について説明するための概念図である。
【
図16】第1実施形態に係る監視システムの判定対象である所定ルールに従った入退場グリッドの設定例について説明するための概念図である。
【
図17】第1実施形態に係る監視システムが備える監視装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図18】第2実施形態に係る監視システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図19】第2実施形態に係る監視システムが備える監視装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図20】第2実施形態に係る監視システムが備える監視装置のマップ更新部によって生成された監視領域マップの一例を示す概念図である。
【
図21】第2実施形態に係る監視システムが備える監視装置のマップ更新部によって生成された監視領域マップの一例を示す概念図である。
【
図22】第2実施形態に係る監視システムが備える監視装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図23】第3実施形態に係る監視装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図24】第3実施形態に係る監視システムが備える監視装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図25】各実施形態に係る制御や処理を実行するハードウェアの構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお、以下の実施形態の説明に用いる全図においては、特に理由がない限り、同様箇所には同一符号を付す。また、以下の実施形態において、同様の構成・動作に関しては繰り返しの説明を省略する場合がある。
【0016】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る監視システムについて図面を参照しながら説明する。本実施形態の監視システムは、監視対象である施設の周囲の監視領域に進入した移動体を監視する。本実施形態においては、移動体として、飛行型ドローンの例をあげる。移動体は、飛行型ドローンに限定されない。例えば、移動体は、地上走行型ドローンや水中ドローン、水上ドローンであってもよい。以下においては、移動体をドローンと表記する。
【0017】
(構成)
図1は、本実施形態に係る監視システム10の構成の一例を示すブロック図である。監視システム10は、複数の検知装置11と、監視装置13とを備える。検知装置11と監視装置13とは、無線通信によって通信可能に接続される。検知装置11と監視装置13とは、有線通信によって通信可能に接続されてもよい。検知装置11と監視装置13とを接続する通信方式や通信規格については、特に限定を加えない。
【0018】
図2は、監視システム10によるドローン15の監視例を示す概念図である。監視対象施設MFの周囲には、監視領域SAが設定される。監視対象施設MFなしに、監視領域SAのみが設定されてもよい。複数の検知装置11は、監視領域SAの内部に配置されてもよいし、監視領域SAの外部に配置されてもよい。
図2の例では、監視装置13は、監視対象施設MFの屋上に配置される。監視装置13は、サーバやクラウドに構築されてもよい。また、監視装置13は、管理者が利用する端末装置(図示しない)や携帯端末(図示しない)で使用可能なアプリケーションによって実現されてもよい。
【0019】
監視対象であるドローン15は、許可ドローンまたは不許可ドローンに分類される。許可ドローンは、監視領域SAおよび監視対象施設MFへの進入が許可されているドローン15である。不許可ドローンは、監視領域SAおよび監視対象施設MFへの進入が許可されていないドローン15である。許可ドローンには、所定ルールが与えられる。監視領域SAおよび監視対象施設MFにおいて、許可ドローンは、所定ルールに従ったパターンを発動できる。所定ルールや、所定ルールに従ったパターンの詳細については、後述する。不許可ドローンには、所定ルールが与えられていない。監視領域SAおよび監視対象施設MFにおいて、不許可ドローンは、所定ルールに従った動作を行うことができない。許可ドローンまたは不許可ドローンに分類される前のドローンは、未確認ドローンである。監視装置13の判定に応じて、未確認ドローンは、許可ドローンまたは不許可ドローンに分類される。
【0020】
監視領域SAおよび監視対象施設MFにおいて、ドローン15による所定ルールに従ったパターンが検知された場合、監視装置13は、そのドローン15が許可ドローンであると判定する。一方、監視領域SAおよび監視対象施設MFにおいて、ドローン15による所定ルールに従ったパターンが検知されなかった場合、監視装置13は、そのドローン15が不許可ドローンであると判定する。監視装置13は、不許可ドローンであると判定されたドローン15に関する情報を出力する。
【0021】
〔検知装置〕
図3は、検知装置11の構成の一例を示すブロック図である。検知装置11は、検知器111、制御部113、および通信部115を有する。
【0022】
検知器111は、監視領域SAの内部を移動するドローン15を検知する。検知器111は、検知されたドローン15に関する情報を監視装置13に送信する。例えば、検知器111は、監視領域SAの内側を撮影するカメラである。例えば、検知器111は、可視領域や赤外領域を撮影可能なカメラによって実現される。検知器111がカメラの場合、その検知器111は、撮影した映像データを監視装置13に送信する。例えば、映像データは、監視領域SAの内部を撮影する監視カメラや防犯カメラによって撮影されてもよい。
【0023】
監視領域SAの内側を移動するドローン15およびパターンを検知できれば、検知器111はカメラに限定されない。例えば、検知器111は、監視領域SAの内側に向けて電磁波を発信し、その電波の反射波を検出するセンサによって実現されてもよい。例えば、検知器111は、監視領域SAの内側に向けて音波を発信し、その音波の反射波を検出するセンサによって実現されてもよい。これらのセンサによって検知器111が実現される場合、複数の検知装置11のうちいずれかがカメラによって実現されればよい。
【0024】
制御部113は、検知器111によって検知された信号を取得する。検知器111が映像データの場合、制御部113は、映像データを送信可能なデータ形式の検知信号に加工して、通信部115に出力する。例えば、制御部113は、映像データを圧縮する。検知信号は、検知されたドローン15に関する情報を含む。許可ドローンに関する情報には、所定ルールに従ったパターンが含まれる。例えば、パターンには、光の点滅パターンや、信号の周波数パターン、ドローン15の動作パターンなどが含まれる。
【0025】
通信部115は、制御部113から検知信号を取得する。通信部115は、監視装置13に検知信号を送信する。例えば、通信部115は、無線通信によって、監視装置13に検知信号を送信する。通信部115は、有線通信によって、監視装置13に検知信号を送信するように構成されてもよい。通信部115の通信方式や通信規格については、特に限定を加えない。
【0026】
〔監視装置〕
図4は、監視装置13の構成の一例を示すブロック図である。監視装置13は、取得部131、判定部133、記憶部134、特定部135、および出力部137を有する。
【0027】
取得部131は、検知装置11から送信された検知信号を取得する。例えば、取得部131は、無線通信によって、検知信号を受信する。取得部131は、有線通信によって、検知信号を受信するように構成されてもよい。取得部131の通信方式や通信規格については、特に限定を加えない。取得部131は、取得した検知信号を判定部133に出力する。
【0028】
判定部133は、取得部131によって取得された検知信号を取得する。判定部133は、取得した検知信号から映像データを復元する。判定部133は、復元された映像データからドローン15を抽出する。判定部133は、抽出されたドローン15が実行したパターンを検出する。判定部133は、検出されたパターンに応じて、ドローン15が許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるか判定する。例えば、所定ルールに従ったパターンには、光の点滅パターンや、信号の周波数パターン、ドローン15の動作パターンなどである。例えば、所定ルールに従ったパターンは、時間帯に応じて設定される。例えば、所定ルールに従ったパターンは、監視領域SAにおける位置に応じて設定される。例えば、所定ルールに従ったパターンは、ドローン15の個体ごとに設定される。
【0029】
記憶部134には、所定ルールに従ったパターンを含む情報が記憶される。所定ルールに従ったパターンは、監視領域SAへの進入が許可されたドローン15に対して付与される。記憶部134には、監視領域SAへの進入が許可されたドローン15に対して発行された許可チケットに関する情報が記憶される。許可チケットには、ドローン15ごとに付与された所定ルールに従ったパターンが含まれる。
【0030】
図5は、所定ルールに従ったパターンを含む許可チケット140の一例である。許可チケット140には、許可番号、ユーザ識別子、機体識別子、許可領域、許可時間帯、およびパターンが含まれる。許可番号は、許可チケット140の番号である。許可番号は、発行された許可チケット140ごとに付与される。ユーザ識別子は、許可チケット140の発行を受けたドローン15の所有者(ユーザ)を示す識別子である。ユーザ識別子は、氏名や識別記号など、ユーザを一意に特定するための識別子である。ユーザを一意に特定できれば、ユーザ識別子の形式には限定を加えない。機体識別子は、許可チケット140の発行を受けたドローン15を示す識別子である。機体識別子は、ドローン15を一意に特定するための識別子である。例えば、機体識別子は、そのドローン15に搭載されたリモートID(Identifier)機器に含まれる登録番号や製造番号である。ドローン15を一意に特定できれば、機体識別子の形式には限定を加えない。許可領域は、許可チケット140の発行を受けたドローン15が進入可能な領域を示す。許可時間帯は、許可チケット140の発行を受けたドローン15が許可領域に進入できる時間帯を示す。パターンは、許可領域に進入したドローン15が許可時間帯において発動することが求められるパターンである。
【0031】
例えば、ユーザは、監視領域SAへのドローン15の進入許可を事前申請する。例えば、監視領域SAへのドローン15の事前申請は、監視領域SAを管理する管理者が運営するウェブサイトで受け付けられる。例えば、監視領域SAへのドローン15の事前申請は、監視領域SAを管理する管理者に対して、紙面でなされてもよい。監視領域SAへのドローン15の進入許可を受けると、ユーザが所有するドローン15に対して、許可チケット140が発行される。許可チケット140は、電子データとしてドローン15に付与される。例えば、許可チケット140は、事前申請を行ったユーザが所有する端末装置(図示しない)を介して、ドローン15に付与される。許可チケット140は、電子データとして、ドローン15に記録される。
【0032】
例えば、監視領域SAへの進入許可を示す識別記号が表示されたシールなどの形態で、許可チケット140が提供されてもよい。このような場合、許可チケット140が付与されたことを示す識別記号が表示されたシールをドローン15の筐体に貼付することによって、許可チケット140が付与されたことが明示されればよい。
【0033】
記憶部134には、不許可ドローンを示すパターンが記憶されてもよい。例えば、記憶部134には、不許可ドローンとして判定される動作や速度、ルートなどを示すパターンが記憶される。この場合、判定部133は、不許可ドローンを示すパターンに基づいて、ドローン15が不許可ドローンか否か判定する。不許可ドローンのみを検出する場合は、許可ドローンを検出しなくてもよいので、判定処理の付加が軽減される。
【0034】
特定部135は、判定部133の判定結果に応じて、ドローン15が不許可ドローンおよび許可ドローンのいずれかであるかを特定する。例えば、特定部135は、不許可ドローンとして特定されたドローン15の画像データに基づいて、その不許可ドローンを特定する。例えば、特定部135は、特定された不許可ドローンの型式や形状などに基づいて、不許可ドローンに関する情報を特定する。例えば、特定部135は、不許可ドローンとして特定されたドローン15のリモートID機器から発信された情報に基づいて、その不許可ドローンに関する情報を特定してもよい。
【0035】
出力部137は、特定されたドローン15に関する情報を出力する。例えば、出力部137は、不許可ドローンに関する情報のみを出力してもよい。例えば、出力部137は、監視システム10を使用する管理者の管理端末(図示しない)に、ドローン15に関する情報を出力する。例えば、ドローン15に関する情報は、管理者の管理端末の画面に表示される。ドローン15に関する情報は、監視領域SAにおけるドローン15の入出管理が記録されるデータベース(図示しない)に蓄積されてもよい。ドローン15に関する情報の用途については、限定を加えない。
【0036】
出力部137がドローン15に関する情報を出力するタイミングには、限定を加えない。例えば、出力部137は、ドローン15に関する情報が更新されたタイミングに合わせて、更新された情報を出力する。例えば、出力部137は、予め設定されたタイミングにおいて、ドローン15に関する情報を出力する。例えば、出力部137は、外部からの要求に応じて、ドローン15に関する情報を出力する。
【0037】
〔ドローン〕
図6~
図7は、本実施形態に係る監視システム10による監視対象であるドローン15の構成の一例を示す概念図である。
図6~
図7は、ドローン15の外観を示す。
図6は、ドローン15を上方の視座から見た平面図である。
図7は、ドローン15の一側面を示す側面図である。ドローン15の下面図や、背面図、斜面図等は省略する。
図6~
図7には、ドローン15の本体160、プロペラ150(ブレード151、モータ152)、フレーム154、発光器156、およびカメラ157を示す。
図6~
図7には、本体の外部に、発光器156およびカメラ157の一部を示す。カメラ157のレンズと発光器156の外側に、保護フィルムや保護ガラスなどの保護部材が設けられてもよい。
【0038】
ドローン15は、本体160を飛翔させるための少なくとも一つのプロペラ150を有する。プロペラ150は、ローターや回転翼とも呼ばれる。複数のプロペラ150の各々は、回転によって本体160を浮上させるブレード151と、ブレード151を回転させるモータ152とによって構成される。複数のプロペラ150の各々は、フレーム154によって本体160に固定されている。
【0039】
図6~
図7には、ドローン15の本体160に4つのブレード151が設置されたクワッドコプターを示す。4つのブレード151の回転数は、互いに独立して制御される。ドローン15は、単一のブレード151を備えるものであってもよい。ただし、空中での姿勢安定性や飛行性能を考慮すると、ドローン15は、複数のブレード151を有するマルチコプターであることが好ましい。
【0040】
図6の例では、ドローン15の上面には、許可チケット140が付与されたことを示す識別マークIMが貼付されている。識別マークIMが貼付されていれば、その識別マークIMによって、許可チケット140が付与されているか否かを判定できる。識別マークIMによって許可ドローンであると判定されれば、その識別マークIMが貼付されたドローン15は許可ドローンである。識別マークIMによって許可ドローンであると判定されなければ、その識別マークIMが貼付されたドローン15は不許可ドローンである。例えば、許可チケット140が付与されたことを示す識別マークIMが、不許可ドローンに貼付されている場合がありうる。そのような場合、不許可ドローンが許可ドローンであると誤判定されてしまう。そのため、識別マークIMのみならず、所定ルールに従ったパターンに応じて、ドローン15が許可ドローンであるか否かが判定されることが望ましい。
【0041】
発光器156は、外部から確認可能な光を発する。例えば、発光器156は、LED(Light Emitting Diode)などを有する。例えば、発光器156は、所望の画像を形成可能なプロジェクタ機能を有してもよい。発光器156は、外部から確認可能な光を発光できれば、その搭載位置には限定を加えない。
図6~
図7には、ドローン15の側面の1つに発光器156の発光面が突出する例を示す。発光器156は、ドローン15の上面や下面に配置されてもよい。また、複数の発光器156がドローン15に搭載されてもよい。その場合、複数の発光器156は、全て同一の種類であってもよいし、異なる種類のものが組み合わされてもよい。例えば、発光器156は、指向性の高いレーザ光を出射するレーザ光源を有してもよい。ドローン15の正面にある検知装置11に向けて照射されたレーザ光は、側方から確認できないため、秘匿性が高い。
【0042】
また、ドローン15は、カメラ157を有する。カメラ157には、少なくとも一つの撮像用のレンズが組み込まれる。
図6~
図7には、ドローン15の側面の1つにカメラ157のレンズの一部が突出する例を示す。レンズは、ドローン15の周囲を撮影可能な位置に設置される。カメラ157に組み込まれたレンズは、焦点距離を変えることができるズームレンズである。レンズには、焦点を自動的に合わせるオートフォーカス機能が搭載される。また、カメラ157には、手振れを防止する機能などの一般的なデジタルカメラに適用されている機能が搭載される。カメラ157は、ドローン15の上方や下方を撮影できる位置に配置されてもよい。また、ドローン15には、複数のカメラ157が搭載されてもよい。その場合、複数のカメラ157が全て同一の種類であってもよいし、異なる複数のカメラ157が組み合わされてもよい。カメラ157のレンズと発光器156とは、異なる面に配置されてもよい。カメラ157は、ドローン15の周囲を撮影する。
【0043】
カメラ157は、画像データを取得するための撮像素子(図示しない)を有する。撮像素子は、半導体部品が集積回路化された光電変換素子である。撮像素子は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)などの固体撮像素子によって実現できる。例えば、撮像素子は、可視領域の光を撮像する素子によって構成される。例えば、カメラ157は、動画を撮影可能なデジタルカメラによって実現される。撮像素子は、赤外線や紫外線、X線、ガンマ線、電波、マイクロ波などの電磁波を撮像・検波できる素子によって構成されてもよい。
【0044】
図8は、ドローン15の構成の一例を示すブロック図である。
図8には、ドローン15の内部構成である制御装置16を示す。制御装置16は、アンテナ161、通信部162、制御部163、プロペラ駆動部165、位置特定部166、記憶部167、および動力源169を有する。
【0045】
アンテナ161は、無線信号の送受信に用いられる。アンテナ161には、送受信される無線信号の電波の波長帯や規格に対応したスペックが選択される。アンテナ161の種類や形状等については、特に限定を加えない。
【0046】
通信部162は、ドローン15による電波の送受信を制御する通信制御機能を有する。通信部162は、アンテナ161によって受電された無線信号を受信する。通信部162は、受信した無線信号に含まれる信号をデコードする。通信部162は、デコードされた信号を制御部163に出力する。また、通信部162は、制御部163で生成された信号を、外部に送信するためにエンコードする。通信部162は、エンコードされた信号をアンテナ161に出力する。
【0047】
制御部163は、ドローン15を制御する制御機能を有する。例えば、制御部163は、プロセッサやメモリを有するマイクロコンピュータによって実現される。制御部163は、ドローン15の飛行条件を取得する。例えば、制御部163は、飛行条件として、所定ルールに従ったパターンを取得する。例えば、制御部163は、飛行条件として、監視領域SAのどの位置をどのように飛行するのかといった飛行ルートを取得する。制御部163は、飛行条件に応じた飛行条件をプロペラ駆動部165に設定する。
【0048】
制御部163は、通信部162または記憶部167から飛行条件を取得する。制御部163は、取得した飛行条件に基づいて、プロペラ150の駆動条件を設定する。制御部163は、設定されプロペラ150の駆動条件を、プロペラ駆動部165に設定する。ドローン15は、プロペラ駆動部165に設定された駆動条件に応じた複数のプロペラ150の回転によって移動する。
【0049】
制御部163は、所定ルールに従ったパターンに応じて、ドローン15を動作させる。例えば、制御部163は、所定ルールに従った発光パターンで、発光器156を発光させる。例えば、制御部163は、所定ルールに従って変調された信号パターンを、アンテナ161から送信させる。例えば、制御部163は、所定ルールに従った飛行パターンで飛行するように、プロペラ150を制御させる。例えば、制御部163は、所定ルールに従った動作パターンで飛行するように、プロペラ150を制御させる。制御部163は、所定ルールに従ったルートで飛行するように、プロペラ150を制御させる。
【0050】
制御部163は、カメラ157によって撮影された画像データを取得する。制御部163は、カメラ157によって撮像された画像データに対して、種々の画像処理を行う。例えば、制御部163は、暗電流補正や補間演算、色空間変換、ガンマ補正、収差の補正、ノイズリダクション、画像圧縮などの画像処理を実行する。また、制御部163による処理を軽減するために、画像データに対して種々の画像処理を行う集積回路(画像処理プロセッサ)がドローン15に追加されてもよい。
【0051】
プロペラ駆動部165は、制御部163の制御に応じて、プロペラ150を駆動させる。
図8においては、複数のプロペラ150に対して、一つのプロペラ駆動部165が設けられている。複数のプロペラ150の各々に対して、個別のプロペラ駆動部165が設けてもよい。複数のプロペラ150の回転速度をプロペラ駆動部165が駆動させることによって、ドローン15の飛行姿勢や方向が制御される。ドローン15の飛行速度を上げる場合、プロペラ駆動部165は、プロペラ150の回転速度を増加させる。ドローン15の飛行速度を下げる場合、プロペラ駆動部165は、プロペラ150の回転速度を減少させる。
【0052】
位置特定部166は、ドローン15の位置を特定するための手段である。例えば、位置特定部166は、GPS(Global Positioning System)などの測位システムや、地磁気センサや加速度センサ、速度センサ、高度センサ、測距センサなどのセンサを含む。位置特定部166は、これらのセンサのうち少なくとも一つを含む。位置特定部166は、これらのセンサのうちいくつかが組み合わされて構成されもよい。位置特定部166は、ドローン15の位置情報を生成する。位置特定部166は、生成された位置情報を制御部163に供給する。
【0053】
記憶部167には、ドローン15の飛行条件や駆動条件が記憶される。例えば、記憶部167には、ドローンの移動計画に応じたプロペラ150の飛行条件や駆動条件が記憶される。例えば、記憶部167には、対象物との距離や位置に応じたプロペラ150の駆動条件が記憶されてもよい。例えば、記憶部167には、ドローン15が行う動作に応じた駆動条件がテーブル形式で記録される。また、記憶部167には、許可ドローンごとに付与されたパターンが記憶される。例えば、記憶部167には、許可パターンを含む許可チケット140(
図5)の電子データが記憶される。また、記憶部167に加えて、画像処理を行う際に処理しきれなかった画像データや、処理済みの画像データが一時的に保存されてもよい。記憶部167に記憶されるデータについては、特に限定を加えない。
【0054】
動力源169は、ドローン15で使用される電力の供給源である。例えば、動力源169は、電力供給可能なバッテリーを含む。例えば、動力源169は、リチウムイオン電池や、ニッケル・カドミウム電池、ニッケル水素電池などのバッテリーを含む。例えば、動力源169は、無線給電可能なバッテリーを含むまた、動力源169は、ガソリンなどの燃料で動くエンジンを含んでもよい。動力源169の種類や容量などについては、特に限定を加えない。
【0055】
〔所定ルール〕
図9は、所定ルールに従った発光パターンの一例について説明するための概念図である。横軸は、時間を示す。白抜きの円が発光を示し、黒塗りの円が消光を示す。例えば、白抜きの円が1、黒塗りの円が0といったように、発光パターンは2進法で設定される。
図9の例においては、破線の枠で囲われた1セットの点滅が、所定ルールに従った発光パターンに相当する。例えば、発光パターンは、異なる色や発光強度で設定されてもよい。発光パターンの点滅回数や繰り返し回数については、特に限定を加えない。
【0056】
図10は、所定ルールに従って変調された信号パターンの一例について説明するための概念図である。横軸は、時間を示す。縦軸は、信号強度を示す。
図10の例においては、信号の強弱で信号パターンが表現される。例えば、信号強度が強の場合が1、信号強度が弱の場合が0といったように、信号パターンは2進法で設定される。また、信号強度が強または弱である時間帯の長さも信号パターンの一要素である。
図10の例においては、破線の枠で囲われた1セットの信号が、所定ルールに従って変調された信号パターンに相当する。例えば、信号パターンは、2種類以上の信号強度や周波数で設定されてもよい。
【0057】
図11は、所定ルールに従った動作パターンの一例について説明するための概念図である。
図11は、ドローン15を側方の視座から見た図である。横軸は、時間を示す。縦軸は、高度を示す。
図11の例においては、ドローン15の高低で動作パターンが表現される。例えば、高度が高い場合が1、高度が基準高さの場合が0、高度が低い場合が-1といったように、動作パターンは3進法で設定される。また、それぞれの高度の時間帯の長さも動作パターンの一要素である。
図11の例においては、破線の枠で囲われた1セットの動作が、所定ルールに従った動作パターンに相当する。例えば、動作パターンは、2種類の高度で設定されてもよい。例えば、動作パターンは、4種類以上の高度で設定されてもよい。
【0058】
図12は、所定ルールに従った動作パターンの別の一例について説明するための概念図である。
図12は、ドローン15を側方の視座から見た図である。横軸は、時間を示す。
図12の例においては、ドローン15の傾きで動作パターンが表現される。例えば、動作パターンは、予め設定されたドローンの傾きで設定される。また、傾きの時間も動作パターンの一要素である。
図12の例においては、破線の枠で囲われた1セットの動作が、所定ルールに従った動作パターンに相当する。例えば、動作パターンは、2~3種類の傾きで設定されてもよい。
【0059】
図13~
図14は、所定ルールに従ったルートの一例について説明するための概念図である。
図13~
図14は、ドローン15を上方の視座から見た図である。
図13~
図14には、9行(0~9)×9列(A~I)の81個のグリッドで表現された領域が、ルートの検証領域VAに設定された例を示す。所定ルールに従ったルートは、行の数字および列の記号の組み合わせで表現された空間コードを使って表現される。例えば、検証領域VAは、監視領域SAへの入口や、監視領域SAの内部の監視対象施設MFへの入口に向かう領域に設定される。
図13~
図14の例において、所定ルールに従ったルートは、「0A、2A、2C、2E、4E、4G、4I、6I、6G、8G、8I」の順番である。
図13は、検証領域VAにおいて、ドローン15が正しいルートで移動した例を示す。この場合、ドローン15は、許可ドローンである(OK)と判定される。
図14は、検証領域VAにおいて、ドローン15が誤ったルートで移動した例を示す。この場合、ドローン15は、不許可ドローンである(NG)と判定される。
【0060】
図15~
図16は、所定ルールに従った入退場グリッドの設定例について説明するための概念図である。
図15~
図16は、ドローン15を上方の視座から見た図である。
図15~
図16には、9行(0~9)×9列(A~I)の81個のグリッドで、監視領域SAが分割された例を示す。監視領域SAには、入場グリッドおよび退場グリッドが設定される。入場グリッドおよび退場グリッドは、時間帯に応じて変更される。監視領域SAの内部に設定されたグリッドは、行の数字および列の記号の組み合わせで表現された空間コードを使って表現される。入場グリッドおよび退場グリッドは、ドローン15ごとに個別に設定されてもよい。
【0061】
図15は、入退場グリッドの設定の一例である。
図15は、12:00~13:00の時間帯における入退場グリッドの設定例である。
図15の例においては、入場グリッドが「0B」に設定され、退場グリッドが「7I」に設定される。グリッド「0B」から監視領域SAに進入したドローン15は、許可ドローンである(OK)と判定される。一方、グリッド「0F」から監視領域SAに入場したドローン15は、不許可ドローンである(NG)と判定される。また、グリッド「7I」から監視領域SAを退場したドローン15は、許可ドローンである(OK)と判定される。一方、グリッド「3I」から監視領域SAに進入したドローン15は、不許可ドローンである(NG)と判定される。
【0062】
図16は、入退場グリッドの設定の別の一例である。
図16は、13:00~14:00の時間帯における入退場グリッドの設定例である。
図16の例においては、入場グリッドが「0F」に設定され、退場グリッドが「3I」に設定される。グリッド「0F」から監視領域SAに入場したドローン15は、許可ドローンである(OK)と判定される。一方、グリッド「0B」から監視領域SAに進入したドローン15は、不許可ドローンである(NG)と判定される。また、グリッド「3I」から監視領域SAに進入したドローン15は、許可ドローンである(OK)と判定される。一方、グリッド「7I」から監視領域SAを退場したドローン15は、不許可ドローンである(NG)と判定される。
【0063】
監視領域SAから退出する時点において、不許可ドローンは、その監視領域SAの内部の情報を持ち出す可能性がある。
図15の例の場合、不許可ドローンは、追跡ドローンTによる追跡を受ける。例えば、不許可ドローンは、砲撃装置(図示しない)を用いて、撃ち落とされてもよい。例えば、不許可ドローンには、位置特定可能な電波発信器が打ち込まれてもよい。例えば、不許可ドローンは、網などを用いて、捕獲されてもよい。例えば、不許可ドローンには、目印として、ペンキなどの塗料が吹き付けられてもよい。不許可ドローンに対する処置方法は、ここであげた例に限定されない。
【0064】
(動作)
次に、本実施形態に係る監視システム10の動作の一例について図面を参照しながら説明する。以下においては、監視システム10が備える監視装置13の動作例について、フローチャートを参照しながら説明する。
【0065】
図17は、監視装置13の動作例について説明するためのフローチャートである。
図17のフローチャートに沿った処理の説明においては、監視装置13の構成要素を動作主体として説明する。
図17のフローチャートに沿った処理の動作主体は、監視装置13であってもよい。
【0066】
図17において、まず、検知信号を取得すると(ステップS11でYes)、取得部131が、検知されたドローン15に関する情報を検知信号から取得する(ステップS12)。検知信号を取得していない場合(ステップS11でNo)、取得部131は、検知信号を取得するまで待機する。
【0067】
次に、判定部133は、検知されたドローン15に関する情報に、所定ルールに従ったパターンが含まれるか判定する(ステップS13)。判定部133は、記憶部134に記憶されたドローン15ごとの情報に基づいて、所定ルールに従ったパターンが含まれるか判定する。
【0068】
所定ルールに従ったパターンが含まれた場合(ステップS13でYes)、特定部135は、そのドローン15が許可ドローンであると特定する(ステップS14)。一方、所定ルールに従ったパターンが含まれなかった場合(ステップS13でNo)、特定部135は、そのドローン15が不許可ドローンであると特定する(ステップS15)。
【0069】
ステップS14およびステップS15の次に、出力部137は、特定されたドローン15に関する情報を出力する(ステップS16)。監視が継続される場合(ステップS17でYes)、ステップS11に処理が戻る。監視が停止される場合(ステップS17でNo)、
図17のフローチャートに沿った処理は終了である。監視の継続・停止の基準については、予め設定されればよい。
【0070】
以上のように、本実施形態の監視システムは、少なくとも一つの検知装置と、監視装置とを備える。検知装置は、監視領域に進入したドローンを検知する。検知装置は、検知されたドローンを含む領域を撮影する。検知装置は、撮影された映像データを監視装置に送信する。監視装置は、取得部、判定部、特定部、記憶部、および出力部を有する。取得部は、監視領域が撮影された映像データを含む検知信号を取得する。記憶部には、ドローンごとの所定ルールに従ったパターンが記憶される。映像データにおいて検出されたドローンによって発現されたパターンに基づいて、判定部は、ドローンが所定ルールに従っているか判定する。特定部は、判定結果に応じて、監視領域で検出されたドローンが許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるか特定する。出力部は、特定されたドローンに関する情報を出力する。
【0071】
本実施形態の監視装置は、監視領域で検出されたドローンによって発現されたパターンに基づいて、そのドローンが許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるか特定する。そのため、本実施形態によれば、リモートID機器から発信された情報を用いずに、監視領域に出入りするドローンを監視できる。
【0072】
本実施形態の一態様において、ドローンに搭載された発光器の発光パターンに応じて、判定部は、ドローンが所定ルールに従っているか判定する。特定部は、所定ルールに従っているドローンが許可ドローンであると特定する。特定部は、所定ルールに従っていないドローンが許可ドローンであると特定する。本態様では、発光器の発光パターンに応じて、ドローンが所定ルールに従っているか判定される。そのため、本態様によれば、発光器の発光パターンに応じて、監視領域に出入りするドローンを監視できる。
【0073】
本実施形態の一態様において、ドローンの動作パターンに応じて、判定部は、ドローンが所定ルールに従っているか判定する。特定部は、所定ルールに従っているドローンが許可ドローンであると特定する。特定部は、所定ルールに従っていないドローンが許可ドローンであると特定する。本態様では、ドローンの動作パターンに応じて、ドローンが所定ルールに従っているか判定される。そのため、本態様によれば、ドローンの動作パターンに応じて、監視領域に出入りするドローンを監視できる。
【0074】
本実施形態の一態様において、判定部は、ドローンのルートに応じて、ドローンが所定ルールに従っているか判定する。特定部は、所定ルールに従っているドローンが許可ドローンであると特定する。特定部は、所定ルールに従っていないドローンが許可ドローンであると特定する。本態様では、ドローンのルートに応じて、ドローンが所定ルールに従っているか判定される。そのため、本態様によれば、ドローンのルートに応じて、監視領域に出入りするドローンを監視できる。
【0075】
本実施形態の一態様の監視装置は、記憶部を備える。記憶部は、ドローンごとに発行された許可チケットに関する情報を記憶する。許可チケットに含まれる所定ルールに従ったパターンに基づいて、判定部は、ドローンが所定ルールに従っているか判定する。特定部は、所定ルールに従っているドローンが許可ドローンであると特定する。特定部は、所定ルールに従っていないドローンが許可ドローンであると特定する。本態様では、ドローンごとに発行された許可チケットに含まれる所定ルールに従ったパターンに基づいて、ドローンが所定ルールに従っているか判定される。そのため、本態様によれば、許可チケットに基づいて、監視領域に出入りするドローンを監視できる。
【0076】
本実施形態の一態様において、判定部は、不許可ドローンを示すパターンに基づいて、ドローンが不許可ドローンであるか判定する。ドローンが不許可ドローンであるという判定結果に応じて、特定部は、監視領域で検出されたドローンが不許可ドローンであると特定する。出力部は、不許可ドローンであると特定されたドローンに関する情報を出力する。本態様では、不許可ドローンのみを特定の対象とする。そのため、本態様によれば、ドローンの監視における処理の付加を軽減できる。
【0077】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る監視システムについて図面を参照しながら説明する。本実施形態の監視システムは、監視領域に進入した移動体の位置を、その監視領域の地図に表示させる。本実施形態においては、第1実施形態と同様に、移動体として飛行型ドローンの例をあげる。
【0078】
(構成)
図18は、本実施形態に係る監視システム20の構成の一例を示すブロック図である。監視システム20は、複数の検知装置21と、監視装置23とを備える。検知装置21と監視装置23とは、無線通信によって通信可能に接続される。検知装置21と監視装置23とは、有線通信によって通信可能に接続されてもよい。検知装置21と監視装置23とを接続する通信方式や通信規格については、特に限定を加えない。検知装置21は、第1実施形態の検知装置11と同様の構成である。そのため、以下においては、検知装置21の詳細については説明を省略する。
【0079】
〔監視装置〕
図19は、監視装置23の構成の一例を示すブロック図である。監視装置23は、取得部231、判定部233、記憶部234、特定部235、マップ更新部236、および出力部237を有する。
【0080】
取得部231は、第1実施形態の取得部131と同様の構成である。取得部231は、検知装置21から送信された検知信号を取得する。取得部231は、取得した検知信号を判定部233に出力する。
【0081】
判定部233は、第1実施形態の判定部133と同様の構成である。判定部233は、取得部231によって取得された検知信号を取得する。判定部233は、取得した検知信号から映像データを復元する。判定部233は、復元された映像データからドローンを抽出する。判定部233は、抽出されたドローンに関して、所定ルールに従ったパターンを検出する。例えば、所定ルールに従ったパターンには、光の点滅パターンや、信号の周波数パターン、ドローンの動作パターンなどである。例えば、所定ルールに従ったパターンは、時間帯に応じて設定される。例えば、所定ルールに従ったパターンは、監視領域SAにおける位置に応じて設定される。例えば、所定ルールに従ったパターンは、ドローンの個体ごとに設定される。
【0082】
記憶部234は、第1実施形態の記憶部134と同様の構成である。記憶部234には、所定ルールに従ったパターンを含む情報が記憶される。所定ルールに従ったパターンは、監視領域への進入が許可されたドローンに対して設定される。また、記憶部234には、監視領域のマップ(監視領域マップとも呼ぶ)が記憶される。監視領域マップには、監視領域で検出されたドローンがマッピングされる。
【0083】
特定部235は、判定部233の判定結果に応じて、ドローンが不許可ドローンおよび許可ドローンのいずれかであるかを特定する。例えば、特定部235は、不許可ドローンとして特定されたドローンの画像データに基づいて、その不許可ドローンを特定する。例えば、特定部235は、不許可ドローンとして特定されたドローンのリモートID機器から発信された情報に基づいて、その不許可ドローンを特定してもよい。例えば、特定部235は、特定された不許可ドローンの型式や形状など、その不許可ドローンに関する情報を特定する。
【0084】
特定部235は、監視領域におけるドローンの位置を特定する。特定部235は、監視領域における許可ドローンおよび不許可ドローンの位置を特定する。また、特定部235は、監視領域における未確認ドローンの位置を特定する。未確認ドローンは、許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるか特定されていないドローンである。例えば、特定部235は、ドローンが抽出された画像データを撮影した検知装置21の位置に基づいて、ドローンの位置を計算する。特定部235は、監視領域におけるドローンの位置をマップ更新部236に出力する。特定部235は、ドローンが許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるかを示す情報と、ドローンの機体識別子とを、ドローンの位置に紐づけて出力する。
【0085】
マップ更新部236は、監視領域で検出されたドローンの位置を、特定部235から取得する。マップ更新部236は、ドローンの位置の取得に応じて、記憶部234に記憶された監視領域マップを更新する。マップ更新部236は、ドローンが許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるかを示す目印を、ドローンの位置に対応付けて監視領域マップに付加する。
【0086】
図20は、マップ更新部236によって生成された監視領域マップの一例を示す概念図である。
図20は、監視対象施設MFの周辺に設定された監視領域SAに、許可ドローンA、不許可ドローンD、および未確認ドローンUがマッピングされている。
図20の監視領域マップによれば、監視領域SAに位置するドローンの位置や許可状況を視覚的に把握できる。
【0087】
図21は、マップ更新部236によって生成された監視領域マップの別の一例を示す概念図である。
図21は、監視対象施設MFの周辺に設定された監視領域SAに、不許可ドローンDおよび未確認ドローンUがマッピングされている。
図21の監視領域マップでは、許可ドローンが表示されないため、監視領域マップのデータ容量や更新付加を軽減できる。
図21の監視領域マップによれば、監視領域SAに位置するドローンの位置や許可状況などを視覚的に把握できる。
【0088】
出力部237は、監視領域マップを出力する。例えば、出力部237は、監視システム20を使用する管理者の管理端末(図示しない)に、監視領域マップを出力する。例えば、監視領域マップは、管理者の管理端末の画面に表示される。監視領域マップは、監視領域SAにおけるドローンの入出管理が記録されるデータベース(図示しない)に蓄積されてもよい。監視領域マップの用途については、限定を加えない。
【0089】
出力部237が監視領域マップを出力するタイミングには、限定を加えない。例えば、出力部237は、監視領域マップが更新されたタイミングに合わせて、更新された監視領域マップを出力する。例えば、出力部237は、予め設定されたタイミングにおいて、監視領域マップを出力する。例えば、出力部237は、外部からの要求に応じて、監視領域マップを出力する。
【0090】
(動作)
次に、本実施形態に係る監視システム20の動作の一例について図面を参照しながら説明する。以下においては、監視システム20が備える監視装置23の動作例について、フローチャートを参照しながら説明する。
【0091】
図22は、監視装置23の動作例について説明するためのフローチャートである。
図22のフローチャートに沿った処理の説明においては、監視装置23の構成要素を動作主体として説明する。
図22のフローチャートに沿った処理の動作主体は、監視装置23であってもよい。
【0092】
図22において、まず、検知信号を取得すると(ステップS21でYes)、取得部231が、検知されたドローンに関する情報を検知信号から取得する(ステップS22)。検知信号を取得していない場合(ステップS21でNo)、取得部231は、検知信号を取得するまで待機する。
【0093】
次に、判定部233は、検知されたドローンに関する情報に、所定ルールに従ったパターンが含まれるか判定する(ステップS23)。判定部233は、記憶部234に記憶されたドローンごとの情報に基づいて、所定ルールに従ったパターンが含まれるか判定する。
【0094】
所定ルールに従ったパターンが含まれた場合(ステップS23でYes)、特定部235は、そのドローンが許可ドローンであると特定する(ステップS24)。一方、所定ルールに従ったパターンが含まれなかった場合(ステップS23でNo)、特定部235は、そのドローンが不許可ドローンであると特定する(ステップS25)。
【0095】
ステップS24およびステップS25の次に、マップ更新部236は、監視領域マップを更新する(ステップS26)。
【0096】
出力部237は、更新された監視領域マップを出力する(ステップS27)。監視が継続される場合(ステップS28でYes)、ステップS21に処理が戻る。監視が停止される場合(ステップS28でNo)、
図22のフローチャートに沿った処理は終了である。監視の継続・停止の基準については、予め設定されればよい。
【0097】
以上のように、本実施形態の監視システムは、少なくとも一つの検知装置と、監視装置とを備える。検知装置は、監視領域に進入したドローンを検知する。検知装置は、検知されたドローンを含む領域を撮影する。検知装置は、撮影された映像データを監視装置に送信する。監視装置は、取得部、判定部、特定部、記憶部、マップ更新部、および出力部を有する。取得部は、監視領域が撮影された映像データを含む検知信号を取得する。記憶部には、ドローンごとの所定ルールに従ったパターンが記憶される。映像データにおいて検出されたドローンによって発現されたパターンに基づいて、判定部は、ドローンが所定ルールに従っているか判定する。特定部は、判定結果に応じて、監視領域で検出されたドローンが許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるか特定する。マップ更新部は、監視領域で検出されたドローンの位置がマッピングされた監視領域マップを更新する。マップ更新部は、監視領域で検出されたドローンが許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるかを示す目印を、ドローンの位置に対応付けて監視領域マップに付加する。出力部は、特定されたドローンに関する情報を出力する。出力部は、監視領域マップを出力する。
【0098】
本実施形態の監視装置は、監視領域で検出されたドローンによって発現されたパターンに基づいて、そのドローンが許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるか特定する。本実施形態の監視装置は、監視領域で検出されたドローンが許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるかを示す目印を、ドローンの位置に対応付けて監視領域マップに付加する。そのため、本実施形態によれば、監視領域に位置するドローンが許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるかを視覚的に把握できる。
【0099】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る監視装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の監視装置は、第1~第2実施形態に係る監視システムが備える監視装置が簡略化された構成である。
【0100】
(構成)
図23は、本実施形態に係る監視装置33の構成の一例を示すブロック図である。監視装置33は、取得部331、判定部333、特定部335、および出力部337を備える。
【0101】
取得部331は、監視領域が撮影された映像データを含む検知信号を取得する。判定部333は、映像データにおいて検出されたドローンによるパターンに基づいて、ドローンが所定ルールに従っているか判定する。特定部335は、判定結果に応じて、監視領域で検出されたドローンが許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるか特定する。出力部337は、特定されたドローンに関する情報を出力する。
【0102】
(動作)
図24は、本実施形態に係る監視装置33の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
図24のフローチャートに沿った処理の説明においては、監視装置33の構成要素を動作主体として説明する。
図24のフローチャートに沿った処理の動作主体は、監視装置33であってもよい。
【0103】
図24において、まず、取得部331は、監視領域が撮影された映像データを含む検知信号を取得する(ステップS31)。
【0104】
次に、判定部333は、映像データにおいて検出されたドローンによるパターンに基づいて、ドローンが所定ルールに従っているか判定する(ステップS32)。
【0105】
次に、特定部335は、判定結果に応じて、監視領域で検出されたドローンが許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるか特定する(ステップS33)。
【0106】
次に、出力部337は、特定されたドローンに関する情報を出力する(ステップS34)。
【0107】
本実施形態の監視装置は、監視領域が撮影された映像データにおけるドローンによって発現されたパターンに基づいて、監視領域で検出されたドローンが許可ドローンおよび不許可ドローンのいずれであるか特定する。そのため、本実施形態によれば、リモートID機器から発信された情報を用いずに、監視領域に出入りするドローンを監視できる。
【0108】
(ハードウェア)
次に、本開示の各実施形態に係る制御や処理を実行するハードウェア構成について、図面を参照しながら説明する。ここでは、そのようなハードウェア構成の一例として、
図25の情報処理装置90(コンピュータ)をあげる。
図25の情報処理装置90は、各実施形態の制御や処理を実行するための構成例であって、本開示の範囲を限定するものではない。
【0109】
図25のように、情報処理装置90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96を備える。
図25においては、インターフェースをI/F(Interface)と略記する。プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96は、バス98を介して、互いにデータ通信可能に接続される。また、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、および入出力インターフェース95は、通信インターフェース96を介して、インターネットやイントラネットなどのネットワークに接続される。
【0110】
プロセッサ91は、補助記憶装置93等に格納されたプログラム(命令)を、主記憶装置92に展開する。例えば、プログラムは、各実施形態の制御や処理を実行するためのソフトウェアプログラムである。プロセッサ91は、主記憶装置92に展開されたプログラムを実行する。プロセッサ91は、プログラムを実行することによって、各実施形態に係る制御や処理を実行する。
【0111】
主記憶装置92は、プログラムが展開される領域を有する。主記憶装置92には、プロセッサ91によって、補助記憶装置93等に格納されたプログラムが展開される。主記憶装置92は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリによって実現される。また、主記憶装置92として、MRAM(Magneto resistive Random Access Memory)などの不揮発性メモリが構成/追加されてもよい。
【0112】
補助記憶装置93は、プログラムなどの種々のデータを記憶する。補助記憶装置93は、ハードディスクやフラッシュメモリなどのローカルディスクによって実現される。なお、種々のデータを主記憶装置92に記憶させる構成とし、補助記憶装置93を省略することも可能である。
【0113】
入出力インターフェース95は、規格や仕様に基づいて、情報処理装置90と周辺機器とを接続するためのインターフェースである。通信インターフェース96は、規格や仕様に基づいて、インターネットやイントラネットなどのネットワークを通じて、外部のシステムや装置に接続するためのインターフェースである。外部機器と接続されるインターフェースとして、入出力インターフェース95と通信インターフェース96とが共通化されてもよい。
【0114】
情報処理装置90には、必要に応じて、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力機器が接続されてもよい。それらの入力機器は、情報や設定の入力に使用される。入力機器としてタッチパネルが用いられる場合、タッチパネルの機能を有する画面がインターフェースになる。プロセッサ91と入力機器とは、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0115】
情報処理装置90には、情報を表示するための表示機器が備え付けられてもよい。表示機器が備え付けられる場合、情報処理装置90には、表示機器の表示を制御するための表示制御装置(図示しない)が備えられる。情報処理装置90と表示機器は、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0116】
情報処理装置90には、ドライブ装置が備え付けられてもよい。ドライブ装置は、プロセッサ91と記録媒体(プログラム記録媒体)との間で、記録媒体に格納されたデータやプログラムの読み込みや、情報処理装置90の処理結果の記録媒体への書き込みを仲介する。情報処理装置90とドライブ装置は、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0117】
以上が、本開示の各実施形態に係る制御や処理を可能とするためのハードウェア構成の一例である。
図25のハードウェア構成は、各実施形態に係る制御や処理を実行するためのハードウェア構成の一例であって、本開示の範囲を限定するものではない。各実施形態に係る制御や処理をコンピュータに実行させるプログラムも、本開示の範囲に含まれる。
【0118】
各実施形態に係るプログラムを記録したプログラム記録媒体も、本開示の範囲に含まれる。記録媒体は、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体で実現できる。記録媒体は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)カードなどの半導体記録媒体によって実現されてもよい。また、記録媒体は、フレキシブルディスクなどの磁気記録媒体、その他の記録媒体によって実現されてもよい。プロセッサが実行するプログラムが記録媒体に記録されている場合、その記録媒体はプログラム記録媒体に相当する。
【0119】
各実施形態の構成要素は、任意に組み合わせられてもよい。各実施形態の構成要素は、ソフトウェアによって実現されてもよい。各実施形態の構成要素は、回路によって実現されてもよい。
【0120】
以上、実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0121】
10、20 監視システム
11、21 検知装置
13、23 監視装置
16 制御装置
111 検知器
113 制御部
115 通信部
131、231、331 取得部
133、233、333 判定部
134、234 記憶部
135、235、335 特定部
137、237、337 出力部
150 プロペラ
151 ブレード
152 モータ
154 フレーム
156 発光器
157 カメラ
160 本体
161 アンテナ
162 通信部
163 制御部
165 プロペラ駆動部
166 位置特定部
167 記憶部
169 動力源
236 マップ更新部