IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気株式会社の特許一覧

特開2024-168101重量調整用ブロック、ハンドコントローラシステム、およびシミュレーションシステム
<>
  • 特開-重量調整用ブロック、ハンドコントローラシステム、およびシミュレーションシステム 図1
  • 特開-重量調整用ブロック、ハンドコントローラシステム、およびシミュレーションシステム 図2
  • 特開-重量調整用ブロック、ハンドコントローラシステム、およびシミュレーションシステム 図3
  • 特開-重量調整用ブロック、ハンドコントローラシステム、およびシミュレーションシステム 図4
  • 特開-重量調整用ブロック、ハンドコントローラシステム、およびシミュレーションシステム 図5
  • 特開-重量調整用ブロック、ハンドコントローラシステム、およびシミュレーションシステム 図6
  • 特開-重量調整用ブロック、ハンドコントローラシステム、およびシミュレーションシステム 図7
  • 特開-重量調整用ブロック、ハンドコントローラシステム、およびシミュレーションシステム 図8
  • 特開-重量調整用ブロック、ハンドコントローラシステム、およびシミュレーションシステム 図9
  • 特開-重量調整用ブロック、ハンドコントローラシステム、およびシミュレーションシステム 図10
  • 特開-重量調整用ブロック、ハンドコントローラシステム、およびシミュレーションシステム 図11
  • 特開-重量調整用ブロック、ハンドコントローラシステム、およびシミュレーションシステム 図12
  • 特開-重量調整用ブロック、ハンドコントローラシステム、およびシミュレーションシステム 図13
  • 特開-重量調整用ブロック、ハンドコントローラシステム、およびシミュレーションシステム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168101
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】重量調整用ブロック、ハンドコントローラシステム、およびシミュレーションシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084515
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】井上 晴
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555BA08
5E555BB08
5E555BC04
5E555BE17
5E555DB03
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ハンドコントローラの重量を仮想空間で用いる器具に合わせることが容易な重量調整用ブロック等を提供する。
【解決手段】重量調整用ブロックは、筐体と、重り取り付け部とを有する。筐体が、ハンドコントローラに接続される。筐体とハンドコントローラとが、ハンドコントローラシステムを構成する。また、ハンドコントローラが、入力デバイスを備える。この入力デバイスが、シミュレーションシステムに使用される。そして、筐体の外部に重りを取り付けるために、重り取り付け部が設けられる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シミュレーションシステムに使用される入力デバイスを備えたハンドコントローラに接続される筐体と、
前記筐体の外部に重りを取り付けるための重り取り付け部と、
を有することを特徴とする重量調整用ブロック。
【請求項2】
前記筐体に、複数の前記重り取り付け部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の重量調整用ブロック。
【請求項3】
前記筐体の長手方向に沿って複数の前記重り取り付け部が設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載の重量調整用ブロック。
【請求項4】
前記筐体が、
前記ハンドコントローラとの間を接続する接続部材を取り付けるための接続部材取り付け部を有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の重量調整用ブロック。
【請求項5】
前記筐体の内部に収容され、前記長手方向に移動可能な、可動内部重りをさらに備える、
ことを特徴とする請求項3または4に記載の重量調整用ブロック。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の重量調整用ブロックと、
前記重量調整用ブロックに取り付けられた前記ハンドコントローラと、
を有することを特徴とするハンドコントローラシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のハンドコントローラシステムと、
前記ハンドコントローラからの入力信号に応じて、仮想空間を含むシミュレーションを制御するシミュレーションサーバの制御に応じて前記仮想空間を含む画像を表示する表示デバイスと、
を有することを特徴とするシミュレーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重量調整用ブロック、ハンドコントローラシステム、およびシミュレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、仮想現実(VR、Virtual Reality)技術や拡張現実(AR、Augmented Reality)技術の利用が盛んになっている。VRやARは、複合現実(MR、Mixed Reality)などとともに、XRと総称される。XRは、Cross Reality、あるいは、Extended Realityの略である。このようなXR技術を用いることで、より臨場感のあるシミュレーションシステムを構築することが可能になる。
【0003】
シミュレーションシステムでは、さらに臨場感を高めるために、仮想空間内で使用する器具を模したハンドコントローラが用いられることがある。ハンドコントローラは、ユーザの手に把持されたり、ユーザの手に装着されたりして使用される。仮想空間内で使用する器具を模したハンドコントローラを用いることで、ボタンのみを操作するコントローラに比べ、臨場感が高められる。
【0004】
上記のハンドコントローラにおいて、さらに臨場感を高めるための技術が、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている。特許文献1の技術では、銃器を模した形状のボディを持つハンドコントローラが用いられる。そして、リニアモータを用いて、摺動質量体がボディ内部で摺動される。ユーザの操作に応じて、摺動質量体の摺動が制御されることで、銃弾を発射した際の反動等がより現実に近くシミュレートされる。
【0005】
また、特許文献2には、ユーザに触覚フィードバックを与えるハンドコントローラ(引用文献2では入力デバイスと記載)の技術が開示されている。この入力デバイスは、筐体と、筐体内に配置される質量体と、筐体内で質量体を移動させる移動機構と、振動子と、質量体の移動と振動子の振動を制御する処理装置とを備える。この入力デバイスでは、移動機構がボールねじを含み、ボールねじを回転させることで、質量体の長手方向の移動が制御される。この制御によって、入力デバイスの重心が制御される。また、振動子の振動によって、入力デバイスの振動が制御される。これらの制御によって、現実の道具を使用する感覚に近い感覚がユーザに与えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-131878号公報
【特許文献2】特開2022-081272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
引用文献1の技術では、仮想空間で使用する器具を忠実に模した形状のハンドコントローラが用いられる。このため、仮想空間で使用する器具が変わるたびに、その器具と同じ形状のハンドコントローラが必要になるという問題があった。
【0008】
また、特許文献2のハンドコントローラ(入力デバイス)では、形が一定の筐体の内部で、重り(錘)が発生機構に取り付けられている。この構成では、重りの交換が容易ではない。このため、仮想空間で用いる器具が変わった際に、器具の重量にハンドコントローラの重量を合わせることが困難であった。
【0009】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ハンドコントローラの重量を仮想空間で用いる器具に応じて容易に変更することができる重量調整用ブロックを提供することを目的としている。また、ハンドコントローラシステム、およびシミュレーションシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明の重量調整用ブロックは、シミュレーションシステムに使用される入力デバイスを備えたハンドコントローラに接続される筐体と、前記筐体の外部に重りを取り付けるための重り取り付け部と、を有する。
【0011】
また、本発明のハンドコントローラシステムは、上記の重量調整用ブロックと、前記重量調整用ブロックに取り付けられた前記ハンドコントローラと、を有する。
【0012】
また、本発明のシミュレーションシステムは、上記のハンドコントローラシステムと、前記ハンドコントローラからの入力信号に応じて、仮想空間を含むシミュレーションを制御するシミュレーションサーバの制御に応じて前記仮想空間を含む画像を表示する表示デバイスと、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果は、ハンドコントローラの重量を仮想空間で用いる器具に合わせることが容易な重量調整用ブロック等を提供できることである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態の重量調整用ブロックを示す模式図である。
図2】第1の実施形態の重量調整用ブロックの変形例1を示す模式図である。
図3】第1の実施形態の重量調整用ブロックの具体的な構成を示す模式図である。
図4】第1の実施形態の重量調整用ブロックの重量調整の一例を示す模式図である。
図5】第1の実施形態の重量調整用ブロックの変形例2を示す模式図である。
図6】第1の実施形態の重量調整用ブロックの変形例3を示す模式図である。
図7】第1の実施形態の重量調整用ブロックの変形例4を示す模式図である。
図8】第1の実施形態の重量調整用ブロックの変形例5を示す模式図である。
図9】第1の実施形態のハンドコントローラシステムの変形例を示す模式図である。
図10】第1の実施形態のハンドコントローラシステムの別の変形例を示す模式図である。
図11】第2の実施形態のシミュレーションシステムを示すブロック図である。
図12】第2の実施形態のシミュレーションサーバの一例を示すブロック図である。
図13】第2の実施形態のシミュレーションサーバの変形例を示すブロック図である。
図14】第2の実施形態のシミュレーションサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお各図面の同様の構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する場合がある。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の重量調整用ブロック100を示す模式図である。重量調整用ブロック100は、筐体110と重り取り付け部120とを有する。筐体110は、ハンドコントローラ200に接続される。ハンドコントローラ200は、シミュレーションシステムに使用される入力デバイスを備える。
【0017】
筐体110の外部に重りを取り付けるために、重り取り付け部120が設けられる。
【0018】
上記の重量調整用ブロック100を用いることで、ハンドコントローラ200を含むハンドコントローラシステムの重量の調整が容易になる。つまり、ハンドコントローラシステムの重量を仮想空間で用いる器具に合わせることが容易になる。
【0019】
(変形例1)
筐体110に複数の重り取り付け部120が設けられても良い。図2は、第1の実施形態の重量調整用ブロック100の変形例を示す模式図である。図2に示されているように、筐体110には複数の重り取り付け部120が設けられている。これらの複数の重り取り付け部120は、例えば、筐体110の長手方向に沿って設けられる。また、筐体110の先端部に重り取り付け部120が設けられても良い。
【0020】
上記の複数の重り取り付け部120に対して、所望の重りを取り付けることで、ハンドコントローラシステムの重量を所望の値に調整することができる。また、重りを取り付ける重り取り付け部120の位置と、取り付ける重りの重さを選択することで、ハンドコントローラシステムの重心の調整が可能になる。
【0021】
次に、重量調整用ブロック100の具体的な構成について説明する。図3は、第1の実施形態の重量調整用ブロック100の具体的な構成を示す模式図である。重量調整用ブロック100とハンドコントローラ200によってハンドコントローラシステム1000が構成されている。
【0022】
筐体110は、一方向に長い箱状の形状となっている。筐体110の形状は、例えば多角柱状や円柱状とされる。重り取り付け部120には重り300が取り付けられる。取り付けの方式には、例えば、ねじ込み式が用いられる。また例えば、取り付けに、プラグとレセプタクルの組み合わせによる嵌合式が、用いられる。また、重り取り付け部120に対する重り300の着脱が容易であれば、他の任意の取り付け方式が採用可能である。
【0023】
重り300は、第1の取り付け部310を備える。重り300を重り取り付け部120に取り付けるために、第1の取り付け部310が設けられる。図3の例では、重り取り付け部120がメス型であり、第1の取り付け部310がオス型である。図3に矢印で示されているように、第1の取り付け部310が重り取り付け部120に挿入される。これにより、筐体110に重り300が取り付けられる。
【0024】
また、筐体110には、ハンドコントローラ取り付け部130が設けられる。重量調整用ブロック100のハンドコントローラ200への取り付けに、ハンドコントローラ取り付け部130が用いられる。また、ハンドコントローラ取り付け部130に対応して、ハンドコントローラ200に、重量調整用ブロック取り付け部210が設けられる。ハンドコントローラ取り付け部130と重量調整用ブロック取り付け部210との組み合わせによって、重量調整用ブロック100がハンドコントローラ200に取り付けられる。重り300の取り付けと同様に、ねじ込み式や嵌合式などの任意の取り付け方式が採用可能である。
【0025】
(具体例1)
次に、重量調整の具体例について説明する。図4は、第1の実施形態の重量調整用ブロック100の重量調整の一例を示す模式図である。筐体110には複数の重り取り付け部120が設けられている。図4では、各重り取り付け部120が区別されるように、各重り取り付け部120に異なる番号が付与されている。図4では、筐体110の先端部の重り取り付け部120が120_c1である。ここで、先端部とはハンドコントローラ200から遠い側の端部である。また、図4の上側では、筐体110の先端部から順に長手方向に沿って、120_R1、120_R2、120_R3と名前が付けられている。また、図4の下側では、筐体110の先端部から順に長手方向に沿って、120_L1、120_L2、120_L3と名前が付けられている。
【0026】
図4の例では、長手方向中央の120_R2および120_L2に重り300aが取り付けられている。また、ハンドコントローラ200に近い120_R3および120_L3に重り300bが取り付けられている。ここで、重り300bは重り300aより重い。上記のように、重り300の重さと取り付け位置とを調整することで、対象器具に近い重量感を持ったハンドコントローラシステム1000が構成される。ここで対象器具とは、仮想空間で用いられる器具である。
【0027】
(変形例2)
次に重量調整用ブロック100の具体例の変形例について説明する。図5は、第1の実施形態の重量調整用ブロック100の変形例2を示す模式図である。変形例2の重量調整用ブロック100は、接続部材取り付け部140を備えている。接続部材取り付け部140には、重量調整用ブロック100とハンドコントローラとの間を接続部材400が接続する。重量調整用ブロック100をハンドコントローラ200から離れた位置に保持するために、接続部材400が用いられる。接続部材400は、例えば、棒状の部材である。
【0028】
このような保持の仕方によって、ハンドコントローラシステム1000の重心をハンドコントローラ200から離れた位置に設定することができる。つまり、接続部材400を用いることで、重心の調整範囲が広がる。
【0029】
(変形例3)
次に、変形例2の変形例である変形例3について説明する。図6は、第1の実施形態の重量調整用ブロック100の変形例3を示す模式図である。変形例3の構成は、変形例2とほぼ同様である。しかし、変形例3では、接続部材として長さ可変接続部材410が用いられる。長さ可変接続部材410は、例えば、長さの変更が可能な棒状の部材である。具体的には、例えば、伸縮式のロッドアンテナのような振り出し構造によって、長さ可変接続部材410が構成される。長さが調整された後には、摩擦力や止め具によって長さが固定されても良い。
【0030】
上記の長さ可変接続部材410を用いることで、ハンドコントローラシステム1000の重心の調整が容易になる。
【0031】
(変形例4)
次に、別の変形例について説明する。図7は、第1の実施形態の重量調整用ブロック100の変形例4を示す模式図である。変形例4は重り300に関する。変形例4の重り300は、第1の取り付け部310とは異なる面に追加重り取り付け部320を備えている。追加重り取り付け部320は、第1の取り付け部310が着脱可能な構造を有している。追加重り取り付け部320は、例えば、図6のように、第1の取り付け部310の反対面に設けられる。この構成では、筐体110に取り付けられた重り300の外側への、別の重り300の追加が可能である。さらに、1つ目の追加の重り300の外側に2つ目の重り300の追加が可能である。また、3つ目以降の重り300の追加も可能である。
【0032】
上記の構成では、1つの重り取り付け部120に取り付ける重り300の個数を調整できる。このため、ハンドコントローラシステム1000の重量および重心の調整範囲が広がる。
【0033】
(変形例5)
次に別の変形例について説明する。図8は、第1の実施形態の重量調整用ブロック100の変形例5を示す模式図である。変形例5の重量調整用ブロック100は、筐体110の内部に、可動内部重り150を備えている。可動内部重り150は、例えば、筐体110の長手方向における位置の変更が可能である。可動内部重り150に位置変更は、例えば、手動で行われる。また、ボールねじやリニアモータを利用することによって、可動内部重り150の位置を機械的に制御することが可能である。このような機械制御の構成では、可動内部重り150に振動を与えることも可能である。この振動を用いれば、ハンドコントローラ200に振動を与えることが可能になる。これを利用することで、仮想空間における対象器具のアクションに応じた振動や衝撃のフィードバックが可能になる。
【0034】
以上説明したように、変形例5では、ハンドコントローラシステム1000の重心の調整が容易になる。また、仮想空間における対象器具のアクションに応じた振動や衝撃のフィードバックが可能になる。
【0035】
(変形例6)
次に、ハンドコントローラシステム1000の変形例について説明する。図9は、第1の実施形態のハンドコントローラシステム1000の変形例6を示す模式図である。変形例6のハンドコントローラシステム1000では、ハンドコントローラ200が把持部220を備えている。把持部220が、例えば、ハンドコントローラ200と一体に形成されても良く、別に形成されても良い。そして、例えば、仮想空間で用いる対象器具に似せた形状および触感となるように、把持部220が形成される。このようにすることで、ユーザが感じる臨場感がより高められる。図9の把持部220は、野球のバットあるいはテニスのラケットを模したものである。そして、バットやラケットの重量と重心を再現するように、筐体110に重り300が取り付けられる。
【0036】
(変形例7)
図10は、第1の実施形態のハンドコントローラシステムの別の変形例7を示す模式図である。変形例7の把持部220は、銃のガングリップを模したものである。そして、対象器具である銃の重量と重心とを再現するように、重量調整用ブロック100に重り300が取り付けられる。
【0037】
以上、本実施形態の重量調整用ブロック100等について説明した。
【0038】
本実施形態では、重量調整用ブロック100が、筐体110と、重り取り付け部120とを有する。筐体110が、ハンドコントローラ200に接続される。ハンドコントローラ200が、入力デバイスを備える。この入力デバイスが、シミュレーションシステム10000に使用される。筐体110の外部に重りを取り付けるために、重り取り付け部120が設けられる。
【0039】
上記の構成とすることにより、ハンドコントローラシステム1000における、重量と重心の調整が容易になる。
【0040】
また、一態様によれば、重量調整用ブロック100において、筐体110に、複数の重り取り付け部120が設けられている。
【0041】
上記の構成では、重りを取り付ける重り取り付け部120と、そこに取り付ける重りが選択可能である。これにより、重量と重心の選択範囲が広がる。
【0042】
また、一態様によれば、重量調整用ブロック100において、筐体110の長手方向に沿って複数の重り取り付け部120が設けられている。
【0043】
上記の構成とすることによって、ハンドコントローラシステム1000の重心の調整が容易になる。
【0044】
また、一態様によれば、重量調整用ブロック100において、筐体110が、接続部材取り付け部140を有する。接続部材400を取り付けるたに、接続部材取り付け部140が用いられる。重量調整用ブロック100とハンドコントローラ200との間を、接続部材400が接続する。
【0045】
このような保持の仕方によって、ハンドコントローラシステム1000の重心をハンドコントローラ200から離れた位置に設定することができる。つまり、接続部材400を用いることで、重心の調整範囲が広げられる。
【0046】
また、一態様によれば、重量調整用ブロック100が、可動内部重り150をさらに備える。可動内部重り150は、筐体110の内部に収容される。そして、可動内部重り150が、筐体110の長手方向に移動可能である。
【0047】
以上説明したように、変形例5では、ハンドコントローラシステム1000の重心の調整が容易になる。
【0048】
本実施形態のハンドコントローラシステム1000は、重量調整用ブロック100と、ハンドコントローラ200とを有する。重量調整用ブロック100は、上記のいずれかの一態様に記載の重量調整用ブロック100である。そして、ハンドコントローラ200が、重量調整用ブロック100に取り付けられる。
【0049】
(第2の実施形態)
第1の実施形態のハンドコントローラシステム1000を用いて、シミュレーションシステムを構成することができる。図11は、第2の実施形態のシミュレーションシステム10000を示すブロック図である。シミュレーションシステム10000は、ハンドコントローラシステム1000と、表示デバイス2000と、を有する。
【0050】
ハンドコントローラシステム1000は、第1の実施形態のハンドコントローラシステム1000である。ハンドコントローラシステム1000に入力された信号は、シミュレーションサーバ3000に送信される。また、ハンドコントローラシステム1000がシミュレーションサーバ3000から信号を受信しても良い。
【0051】
表示デバイス2000が、仮想空間を含む画像を表示する。この表示は、シミュレーションサーバ3000によって制御される。また、ハンドコントローラ200からの入力信号に応じて、シミュレーションサーバ3000が表示デバイス2000に表示を制御する。表示デバイス2000は、例えばヘッドマウントディスプレイである。ヘッドマウントディスプレイの画像では、例えば、ハンドコントローラシステム1000が対象器具として表示される。そして、第1の実施形態で説明したように、ハンドコントローラシステム1000が、対象器具の重量と重心とを良く再現する。このため、ユーザがリアリティの高い使用感を体感できる。また、対象器具に近い触感を持つ把持部220を利用することで、さらにリアリティが高められる。
【0052】
図12は、第2の実施形態のシミュレーションサーバ3000の一例を示すブロック図である。シミュレーションサーバ3000は、シミュレーション制御部3100と、通信部3200と、表示制御部3300とを備える。
【0053】
シミュレーション制御部3100は、シミュレーションに必要なデータを生成する。このデータには、例えば、仮想空間を構成するデータが含まれる。
【0054】
通信部3200は、ハンドコントローラ200および表示デバイス2000との通信を行う。
【0055】
表示制御部3300は、表示デバイス2000の表示を制御する。
【0056】
上記の構成によって、臨場感の高いシミュレーションが可能になる。
【0057】
(変形例8)
シミュレーションサーバ3000が、ハンドコントローラシステム1000の重量調整に資するデータを生成しても良い。図13は、第2の実施形態のシミュレーションサーバ3000の変形例8を示すブロック図である。
【0058】
変形例8のシミュレーションサーバ3000は、図12の構成に加えて、対象器具情報取得部3400と、ハンドコントローラシステム情報取得部3500と、推奨重り配置決定部3600とを有する。
【0059】
仮想空間で使用される対象器具に関する対象器具情報を、対象器具情報取得部3400が取得する。対象器具情報には、対象器具の重量と重心とが含まれる。
【0060】
ハンドコントローラシステム1000に関するハンドコントローラシステム情報を、ハンドコントローラシステム情報取得部3500が取得する。ハンドコントローラシステム情報には、ハンドコントローラシステム1000に使用可能な、ハンドコントローラ200と、重量調整用ブロック100と、重り300の重量と重心に関する情報が含まれる。
【0061】
重量調整用ブロック100に取り付ける重り300の配置に関する推奨重り配置を、推奨重り配置決定部3600が決定する。推奨重り配置の決定においては、まず、使用可能なものの中から、特定のハンドコントローラ200と、重量調整用ブロック100とが組み合わされる。次に、対象器具の重量と重心とが参照される。そして、対象器具の重量と重心とがより良く再現される重り300の配置を、推奨重り配置決定部3600が決定する。決定された、推奨重り配置は、例えば、表示部やプリンタに出力される。
【0062】
次に、シミュレーションサーバ3000のハードウェア構成について説明する。図14は、第2の実施形態のシミュレーションサーバ3000のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。シミュレーションサーバ3000の変形例である変形例8を示すブロック図である。
【0063】
シミュレーションサーバ3000は、例えば、一般的なコンピュータに実装される。そして、このコンピュータは、例えば、プロセッサ3010と、メモリ3020と、表示部3030と、入出力部3040と、記憶部3050と、通信インターフェイス3060とを備える。プロセッサ3010は、シミュレーションに必要な演算を行う。メモリ3020は、演算に使用されるデータを記憶する。表示部3030は、データや画像を表示する。入出力部3040は、データの入出力を行うデバイスである。入出力部3040には、例えば、キーボード、マウス、音声信号出力部、印刷信号出力部などが含まれる。記憶部3050はデータを記憶する。通信インターフェイス3060は、通信のインターフェイス処理を行う。
【0064】
以上のような、ハードウェア構成によって、シミュレーションに必要な制御が可能になる。
【0065】
以上、第2の実施形態のシミュレーションシステム10000等について説明した。
【0066】
シミュレーションシステム10000は、ハンドコントローラシステム1000と、表示デバイス2000と、を有する。ハンドコントローラシステム1000は、第1の実施形態に記載されたハンドコントローラシステム1000である。シミュレーションサーバ3000の制御に応じて、仮想空間を含む画像を、表示デバイス2000が表示する。シミュレーションサーバ3000が、ハンドコントローラ200からの入力信号に応じて、仮想空間を含むシミュレーションを制御する。
【0067】
上記の構成では、ハンドコントローラシステム1000が、対象器具の重量と重心とを良く再現する。このため、ユーザがリアリティの高い使用感を体感できる。
【0068】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0069】
(付記1)
シミュレーションシステムに使用される入力デバイスを備えたハンドコントローラに接続される筐体と、
前記筐体の外部に重りを取り付けるための重り取り付け部と、
を有することを特徴とする重量調整用ブロック。
【0070】
(付記2)
前記筐体に、複数の前記重り取り付け部が設けられている、
ことを特徴とする付記1に記載の重量調整用ブロック。
【0071】
(付記3)
前記筐体の長手方向に沿って複数の前記重り取り付け部が設けられている、
ことを特徴とする付記2に記載の重量調整用ブロック。
【0072】
(付記4)
前記筐体が、
前記ハンドコントローラとの間を接続する接続部材を取り付けるための接続部材取り付け部を有する、
ことを特徴とする付記3に記載の重量調整用ブロック。
【0073】
(付記5)
前記筐体の内部に収容され、前記長手方向に移動可能な、可動内部重りをさらに備える、
ことを特徴とする付記3または4に記載の重量調整用ブロック。
【0074】
(付記6)
付記1乃至5のいずれか一付記に記載の重量調整用ブロックと、
前記重量調整用ブロックに取り付けられた前記ハンドコントローラと、
を有することを特徴とするハンドコントローラシステム。
【0075】
(付記7)
付記6に記載のハンドコントローラシステムと、
前記ハンドコントローラからの入力信号に応じて、仮想空間を含むシミュレーションを制御するシミュレーションサーバの制御に応じて前記仮想空間を含む画像を表示する表示デバイスと、
を有することを特徴とするシミュレーションシステム。
【符号の説明】
【0076】
100 重量調整用ブロック
110 筐体
120 重り取り付け部
130 ハンドコントローラ取り付け部
140 接続部材取り付け部
150 可動内部重り
200 ハンドコントローラ
210 重量調整用ブロック取り付け部
220 把持部
300、300a、300b 重り
310 第1の取り付け部
320 追加重り取り付け部
400 接続部材
410 長さ可変接続部材
1000 ハンドコントローラシステム
2000 表示デバイス
3000 シミュレーションサーバ
3100 シミュレーション制御部
3200 通信部
3300 表示制御部
10000 シミュレーションシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14