(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168103
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】サーバ、情報共有方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241128BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084527
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】安波 真悟
(72)【発明者】
【氏名】大野 健一
(72)【発明者】
【氏名】柴田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】鯉沼 敦
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】 所有する施設の価値を表示可能なサーバ、情報共有方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】 一実施形態に係るサーバ2は、アセット情報を記憶するアセット情報記憶部212と、エリア情報を記憶するエリア情報記憶部222と、を備え、アセット情報と、エリア情報と、を用いて、施設の利用者に提供される通信サービスの便益を評価するアセット評価値を算出する施設価値評価部24と、施設の位置情報及びフロア情報に基づいて、当該施設に基地局を設置した場合の通信サービスの便益をシミュレーションし、アセット評価値と、シミュレーション結果とを比較する、置局シミュレーション実施部213と、アセット評価値と、シミュレーション結果と、置局シミュレーション実施部による比較結果と、を出力する表示制御部216と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサと、
施設の位置情報及びフロア情報を含むアセット情報を記憶するアセット情報記憶部と、
通信サービスが提供されているエリアを示すエリアカバー情報を含むエリア情報を記憶するエリア情報記憶部と、を備え、
前記プロセッサは、
前記アセット情報と、前記エリア情報と、を用いて、前記施設の利用者に提供される前記通信サービスの便益を評価するアセット評価値を算出する施設価値評価部と、
前記施設の位置情報及びフロア情報に基づいて、当該施設に基地局を設置した場合の前記通信サービスの便益をシミュレーションし、前記アセット評価値と、シミュレーション結果とを比較する、置局シミュレーション実施部と、
前記アセット評価値と、前記シミュレーション結果と、前記置局シミュレーション実施部による比較結果と、を出力する表示制御部と、を備える、
サーバ。
【請求項2】
前記施設価値評価部は、
外部から取得したエリア流動人口情報を更に用いて、前記アセット評価値を算出する、
請求項1記載のサーバ。
【請求項3】
前記プロセッサは、
入力された前記アセット情報を取得するアセット情報取得部を更に備え、
前記置局シミュレーション実施部は、
前記アセット情報取得部からの信号により、前記アセット情報記憶部に登録済みアセット情報が存在する場合に、前記アセット情報記憶部から前記施設の位置情報及びフロア情報を取得する、
請求項1記載のサーバ。
【請求項4】
前記置局シミュレーション実施部は、
外部から入力された条件に基づいて仮想施設を生成し、当該仮想施設の前記通信サービスの便益をシミュレーションする、
請求項3記載のサーバ。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記アセット情報取得部からの前記信号により、前記アセット情報記憶部に登録済みアセット情報が存在し、、前記施設の運用管理情報の表示要求を取得した場合、前記アセット情報に含まれる前記施設に関する複数の点検情報を蓄積した点検履歴情報と、前記アセット情報に含まれる前記施設に関する複数の運用情報を蓄積した運用監視情報と、を含む前記運用管理情報を出力する運用状況管理部と、を更に備える、
請求項4記載のサーバ。
【請求項6】
アセット情報記憶部に記憶された施設の位置情報及びフロア情報を含むアセット情報と、エリア情報記憶部に記憶された通信サービスが提供されているエリアを示すエリアカバー情報を含むエリア情報と、を用いて前記施設の利用者に提供される前記通信サービスの便益を評価するアセット評価値を算出する施設価値評価処理と、
前記施設の位置情報及びフロア情報に基づいて、当該施設に基地局を設置した場合の前記通信サービスの便益をシミュレーションし、前記アセット評価値と、シミュレーション結果を比較する、置局シミュレーション実施処理と、
前記アセット評価値と、前記シミュレーション結果と、前記置局シミュレーション実施処理による比較結果と、を出力する表示制御処理と、
を備える情報共有方法。
【請求項7】
前記施設価値評価処理は、
外部から取得したエリア流動人口情報を更に用いて、前記アセット評価値を算出する、
請求項6記載の情報共有方法。
【請求項8】
前記情報共有方法は、
入力された前記アセット情報を取得するアセット情報取得処理と、を更に備え、
前記置局シミュレーション実施処理は、
前記アセット情報取得処理からの信号により、前記アセット情報記憶部に登録済みアセット情報が存在する場合に、前記アセット情報記憶部から前記施設の位置情報及びフロア情報を取得する、
請求項6記載の情報共有方法。
【請求項9】
前記置局シミュレーション実施処理は、
外部から入力された条件に基づいて仮想施設を生成し、当該仮想施設の前記通信サービスの便益をシミュレーションする、
請求項8記載の情報共有方法。
【請求項10】
前記アセット情報取得処理からの前記信号により、前記アセット情報記憶部に登録済みアセット情報が存在し、、前記施設の運用管理情報の表示要求を取得した場合、前記アセット情報に含まれる前記施設に関する複数の点検情報を蓄積した点検履歴情報と、前記アセット情報に含まれる前記施設に関する複数の運用情報を蓄積した運用監視情報と、を含む運用管理情報を出力する運用状況管理処理と、を更に備える、
請求項9記載の情報共有方法。
【請求項11】
コンピュータに、請求項6乃至請求項10のいずれか1項記載の情報共有方法を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、サーバ、情報共有方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信キャリアにおける5Gの整備が進み、都市部での利用可能エリアが拡大している。4GLTEに比べて高い周波数を使用する5Gでは、カバーエリアを増やすために基地局の数をもっと増やす必要があり、ビルなどの建物の陰になる部分や、高層階で複数の基地局電波の混信を受ける部分では、分散アンテナシステム(Distributed Antenna System)やスモールセル等の活用が不可欠である。
【0003】
そこで、通信キャリアでは、アンテナ施設数を増加させ、新しい通信規格・サービスへの対応を進めるため、設備投資規模の拡大が続いている。通信キャリアが新サービス開発に注力し、アンテナ施設等の設備投資を外部に委託するようになった結果、シェアリング事業の拡大が進んでいる。シェアリング事業を開始しようとする者は、自社が所有するオフィスビルや商業施設に基地局設備やアンテナを設置し、施設内でのモバイル通信の安定化を行っている。これにより、アセットの価値を高め、結果としてさらなる設備投資が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、シェアリング事業を始めようとする事業者が、所有する施設の価値を高めるために、当該施設に対して設備投資し、通信キャリアと契約について折衝するための方法が周知されていないという問題があった。
【0006】
本発明の実施形態は、上記事情を鑑みて成されたものであって、所有する施設の価値を表示するサーバ、情報共有方法及びコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係るサーバは、少なくとも一つのプロセッサと、施設の位置情報及びフロア情報を含むアセット情報を記憶するアセット情報記憶部と、通信サービスが提供されているエリアを示すエリアカバー情報を含むエリア情報を記憶するエリア情報記憶部と、を備え、前記プロセッサは、前記アセット情報と、前記エリア情報と、を用いて、前記施設の利用者に提供される前記通信サービスの便益を評価するアセット評価値を算出する施設価値評価部と、前記施設の位置情報及びフロア情報に基づいて、当該施設に基地局を設置した場合の通信サービスの便益をシミュレーションし、前記アセット評価値と、シミュレーション結果とを比較する、置局シミュレーション実施部と、前記アセット評価値と、前記シミュレーション結果と、前記置局シミュレーション実施部による比較結果と、を出力する表示制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るサーバを含むアセット情報共有システムの一構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係るサーバの一構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係るサーバの動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図4】
図4は、一実施形態に係るサーバの施設価値評価部の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、一実施形態に係るサーバ、情報共有方法及びコンピュータプログラムについて説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。
【0010】
図1は、一実施形態に係るサーバを含むアセット情報共有システムの一構成例を示すブロック図である。
図2は、一実施形態に係るサーバの一構成例を示すブロック図である。
【0011】
アセット情報共有システム1は、サーバ2と、インフラシェア事業者端末3と、通信キャリア事業者端末4と、保守サービス事業者端末5と、ダイナミック周波数共用管理システム6と、を備える。サーバ2と、インフラシェア事業者端末3と、通信キャリア事業者端末4と、保守サービス事業者端末5と、ダイナミック周波数共用管理システム6は、ネットワークを介して相互に通信可能に接続される。
【0012】
インフラシェア事業者端末3は、例えば、サーバ2に対して位置情報、エリア情報、周波数情報及びアンテナ数情報を送信する。通信キャリア事業者端末4は、例えば、サーバ2に対してエリア検索情報、契約情報及び評価情報を送信する。保守サービス事業者端末5は、例えば、サーバ2に対して設備情報、点検履歴情報及び保守期間情報等を送信する。ダイナミック周波数共用管理システム6は、例えば、サーバ2に対して運用計画情報及び停波指示情報を送信する。
【0013】
一方で、サーバ2は、例えば、インフラシェア事業者端末3に対して、メンテナンス情報、稼働実績情報及び評価情報を送信し、通信キャリア事業者端末4に対して、契約条件情報及び仕様調整情報を送信し、保守サービス事業者端末5に対して、評価情報を送信し、ダイナミック周波数共用管理システム6に対して利用申請情報及び割当申請情報を送信する。
【0014】
サーバ2は、インフラシェア事業者ポータル21(第1ポータル)と、通信キャリア事業者ポータル22(第2ポータル)と、保守サービス事業者ポータル23(第3ポータル)と、施設価値評価部24と、契約情報記憶部25と、運用状況管理部26と、を備える。
【0015】
サーバ2は、後述する種々の機能を実現するプログラムを実行するプロセッサ及びプログラムを格納したメモリを備え得る。プロセッサは、典型的にはCPU(Central Processing Unit)および/またはGPU(Graphics Processing Unit)であるが、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはDSP(Digital Signal Processor)、などであってもよい。また、メモリは、サーバ2の動作を実現するためにプロセッサによって実行されるプログラムが記録されるとともに、当該プロセッサによって使用されるデータなどを一時的に格納する。なお、プログラムは、サーバ2により読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。その場合には、プロセッサは、記録媒体から読み取ったプログラムを実行することにより、種々の機能を実現することが出来る。
【0016】
インフラシェア事業者ポータル21は、インフラシェア事業者端末3から入力されるアセット情報を登録し、登録情報に基づいたシミュレーションを実行し、当該シミュレーションの結果の表示を制御する。
【0017】
インフラシェア事業者ポータル21は、アセット情報取得部211と、アセット情報記憶部212と、置局シミュレーション実施部213と、施設評価情報記憶部214と、維持管理情報記憶部215と、表示制御部216と、を備える。なお、アセット情報取得部211と、置局シミュレーション実施部213と、表示制御部216は、プロセッサの一例であり、アセット情報記憶部212と、施設評価情報記憶部214と、維持管理情報記憶部215は、メモリの一例である。
【0018】
アセット情報取得部211は、インフラシェア事業者端末3の使用者がアセット情報を入力するたびに、当該インフラシェア事業者端末3に含まれ得るアセット情報入力部31からアセット情報を取得する。なお、本実施形態におけるアセット情報は、例えば、施設の位置情報及びフロア情報、施設情報(3D-CAD)、ID情報、エリア情報、周波数情報、アンテナ数情報を含むが、これに限られない。
【0019】
アセット情報取得部211は、例えば、データインタフェースであり、取得した施設情報等のデータを変換する。アセット情報取得部211は、データ変換後の施設情報等を含むアセット情報をアセット情報記憶部212に出力する。更に、アセット情報取得部211は、置局シミュレーション実施部213にアセット情報の取得(登録)状況を通知する信号を送信する。
【0020】
アセット情報記憶部212は、アセット情報取得部211から出力されたアセット情報を取得し、記憶する。アセット情報記憶部212は、施設価値評価部24と、置局シミュレーション実施部213に必要なアセット情報を出力する。
【0021】
施設価値評価部24は、アセット情報記憶部212が記憶するアセット情報と、通信キャリア事業者ポータル22が記憶するエリア情報と、を用いて、施設の利用者に提供される通信サービスの便益を評価するアセット評価値を算出する。更に、施設価値評価部24は、流動人口データ供給事業者端末7に含まれるエリア流動人口情報71を取得し、上記アセット評価値を算出する。アセット評価値は、例えば、提供を開始した場合の仮想通信サービスの便益を評価する値であり、エリア流動人口情報、通信キャリア利用者、通信エリアカバー率等に応じて変化する値でありうる。
【0022】
施設価値評価部24は、アセット評価値に対応する識別子と、当該アセット評価値を算出する際に使用したアセット情報に対応する識別子とを関連付け、アセット評価値を施設評価情報記憶部214に出力する。
【0023】
なお、施設価値評価部24は、アセット情報に含まれる施設の位置情報を通信キャリア事業者ポータル22に送信することで、当該位置情報に関連するエリア情報を取得する。同様に施設価値評価部24は、アセット情報に含まれる施設の位置情報を流動人口データ供給事業者端末7に送信することで、当該位置情報に関連するエリア流動人口情報を取得する。
【0024】
施設評価情報記憶部214は、施設価値評価部24から出力されるアセット評価値を記憶する。施設評価情報記憶部214は、置局シミュレーション実施部213によるシミュレーション実施要求信号に基づいて、シミュレーションに使用するアセット情報と関連付けられたアセット評価値を、置局シミュレーション実施部213に出力する。また、施設評価情報記憶部214は、記憶する複数のアセット評価値を表示制御部216に出力する。
【0025】
置局シミュレーション実施部213は、インフラシェア事業者端末3の使用者による指示、すなわち、アセット情報入力部31からシミュレーション実施要求信号を受信することで置局シミュレーションを開始する。置局シミュレーション実施部213は、アセット情報取得部211からの登録状況を通知する信号を参照し、アセット情報記憶部212からアセット情報に含まれる施設の位置情報及びフロア情報を取得する。
【0026】
置局シミュレーション実施部213は、取得した施設の位置情報及びフロア情報に基づいて、当該施設に基地局を設置した場合の通信サービスの便益をシミュレーションする。置局シミュレーション実施部213は、上記シミュレーションの結果に対応する識別子と、当該シミュレーションの対象となるアセット情報に対応する識別子とを関連付け、シミュレーション結果を表示制御部216に出力する。
【0027】
また、置局シミュレーション実施部213は、施設評価情報記憶部214から上記アセット情報と関連付けられたアセット評価値を取得する。置局シミュレーション実施部213は、取得したアセット評価値と、上記シミュレーションの結果とを比較する。置局シミュレーション実施部213は、比較結果に対応する識別子と、比較対象の施設を含むアセット情報に対応する識別子とを関連付け、比較結果を表示制御部216に出力する。
【0028】
表示制御部216は、置局シミュレーション実施部213からシミュレーション結果と、比較結果とを取得し、施設評価情報記憶部214からアセット評価値を取得する。表示制御部216は、アセット情報入力部31からのシミュレーション実施要求信号に基づいてアセット情報に対応するアセット評価値と、シミュレーション結果と、比較結果とを表示部33に出力する。
【0029】
また、置局シミュレーション実施部213は、アセット情報入力部31から入力条件要求信号を受信することで入力されたシミュレーション条件に応じた置局シミュレーションを開始する。具体的には、置局シミュレーション実施部213は、インフラシェア事業者端末3に含まれ得るシミュレーション条件入力部32から入力されたシミュレーション条件に基づいて仮想施設を生成し、当該仮想施設に基地局を設置した場合の通信サービスの便益をシミュレーションし、シミュレーション結果を表示制御部216に出力する。
【0030】
これにより、インフラシェア事業者端末3の使用者は、アセット情報を登録せずに、置局シミュレーションを実施することが可能になる。なお、仮想施設とは、シミュレーション条件入力部32によって入力された条件によって生成された施設であって、例えば、位置情報及びフロア情報、3D-CAD情報を入力することにより生成される。
【0031】
維持管理情報記憶部215は、後述する運用状況管理部26からアセット情報に含まれる施設の運用監視情報や点検履歴情報等を取得し、記憶する。また、維持管理情報記憶部215は、記憶する運用監視情報や点検履歴情報等を、アセット情報入力部からの運用管理情報要求信号に基づいて表示制御部216に出力する。表示制御部216は、点検履歴情報と、運用監視情報と、を含む運用管理情報を出力する。なお、維持管理情報記憶部215は、運用状況管理部の一例である。
【0032】
通信キャリア事業者ポータル22は、通信キャリア事業者端末4から入力されるエリア情報を取得し、通信エリアに対応するアセット情報等を参照し、契約条件情報及びカバー人口試算情報を含むエリア検索情報やサービス停止期間情報を含む既存施設運用情報の表示を制御する。
【0033】
通信キャリア事業者ポータル22は、エリア情報取得部221と、エリア情報記憶部222と、エリア検索部223と、サービス停止情報記憶部224と、表示制御部225と、を備える。なお、エリア情報取得部221と、エリア検索部223と、表示制御部225は、プロセッサの一例であり、エリア情報記憶部222と、サービス停止情報記憶部224は、メモリの一例である。
【0034】
エリア情報取得部221は、通信キャリア事業者端末4に含まれ得るエリア情報入力部41からエリア情報を取得する。なお、本実施形態におけるエリア情報は、例えば、周波数情報、通信キャリアごとのエリアカバー情報(エリアカバレッジ)を含むがこれに限られない。エリア情報取得部221は、取得したエリア情報をエリア情報記憶部222に出力する。
【0035】
エリア情報記憶部222は、エリア情報取得部221から出力されたエリア情報を取得し、記憶する。すなわち、通信キャリア事業者ポータル22は、エリア情報が入力されるたびに、構築された通信キャリアごとのエリアカバー情報を更新することが可能になる。エリア情報記憶部222は、施設価値評価部24と、エリア検索部223に必要なエリア情報を出力する。
【0036】
契約情報記憶部25は、アセット情報に含まれる施設の所有者であるインフラシェア事業者と、通信キャリアの契約情報等を記憶する。
【0037】
エリア検索部223は、エリア情報記憶部222からエリア情報を取得し、エリア情報に含まれるエリアカバー情報に対応するアセット情報をアセット情報記憶部212から取得する。また、エリア検索部223は、取得したアセット情報に対応する契約情報を契約情報記憶部25から取得する。エリア検索部223は、エリア情報と、当該エリア情報と対応するアセット情報と、当該アセット情報と対応する契約情報とを表示制御部225に出力する。
【0038】
サービス停止情報記憶部224は、後述する運用状況管理部26からアセット情報に含まれる施設の運用監視情報や点検履歴情報、当該施設の保守・停止情報、周波数共用運用計画情報等を取得し、記憶する。更に、サービス停止情報記憶部224は、記憶する運用監視情報や点検履歴情報、施設の保守・停止情報、周波数共用運用計画情報等を、表示制御部225に出力する。
【0039】
表示制御部225は、エリア検索部223からエリア情報と、当該エリア情報と対応するアセット情報と、当該アセット情報と対応する契約情報とを取得し、サービス停止情報記憶部から運用監視情報と、点検履歴情報と、施設の保守・停止情報と、周波数共用運用計画情報とを取得する。表示制御部225は、通信キャリア事業者端末4に含まれ得る表示部42からの表示要求信号に基づいてエリア情報と、当該エリア情報と対応するアセット情報と、当該アセット情報と対応する契約情報と、運用監視情報と、点検履歴情報と、施設の保守・停止情報と、周波数共用運用計画情報とを表示部42に出力する。
【0040】
保守サービス事業者ポータル23は、保守サービス事業者端末5から入力される施設の点検情報や運用情報を取得し、当該点検情報を蓄積した点検履歴情報と、当該運用情報を蓄積した運用監視情報とを運用状況管理部26に出力する。
【0041】
保守サービス事業者ポータル23は、点検情報取得部231と、点検履歴情報記憶部232と、運用情報取得部233と、運用監視情報記憶部234と、を備える。なお、点検情報取得部231と、運用情報取得部233は、プロセッサの一例であり、点検履歴情報記憶部232と、運用監視情報記憶部234は、メモリの一例である。
【0042】
点検情報取得部231は、保守サービス事業者端末5に含まれ得る点検情報入力部51から施設の点検情報を取得する。なお、本実施形態における点検情報は、例えば、施設の保守期間情報、点検時期情報を含むがこれに限られない。点検情報取得部231は、取得した点検情報を点検履歴情報記憶部232に出力する。
【0043】
運用情報取得部233は、保守サービス事業者端末5に含まれ得る運用情報入力部52から施設の運用情報を取得する。なお、本実施形態における運用情報は、例えば、施設の設備情報、施設のサービス停止情報を含むがこれに限られない。運用情報取得部233は、取得した運用情報を運用監視情報記憶部234に出力する。
【0044】
点検履歴情報記憶部232は、点検情報取得部231から出力された点検情報を取得し、記憶する。点検履歴情報記憶部232は、複数の点検情報を取得することで、どの時期にどの施設で点検を行ったかを参照することが可能になる。点検履歴情報記憶部232は、点検履歴情報を運用状況管理部26に出力する。
【0045】
運用監視情報記憶部234は、運用情報取得部233から出力された運用情報を取得し、記憶する。運用監視情報記憶部234は、複数の運用情報を取得することで、基地局設置済みの施設がどのような運用を行っているかを参照することが可能になる。運用監視情報記憶部234は、運用監視情報を運用状況管理部26に出力する。
【0046】
運用状況管理部26は、点検履歴情報記憶部232から点検履歴情報を取得し、運用監視情報記憶部234から運用監視情報を取得する。また、運用状況管理部26は、拠点運用監視システム8に含まれる運用計画・利用申請情報82と、ダイナミック周波数共用管理システム6に含まれる運用計画管理情報61とを取得する。運用状況管理部26は、上記複数の情報を維持管理情報記憶部215と、サービス停止情報記憶部224に出力する。
【0047】
次に、上記サーバ2と、サーバ2に含まれる施設価値評価部24の動作の一例を、図面を参照して説明する。
図3は、一実施形態に係るサーバ2の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
図4は、一実施形態に係るサーバ2の施設価値評価部24の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【0048】
アセット情報取得部211は、アセット情報入力部31からアセット情報を取得すると(ステップS1、YES)、取得したアセット情報をアセット情報記憶部212に出力することで、当該アセット情報を登録する(ステップS2)。
【0049】
例えば、アセット情報登録の際にアセット情報記憶部212に識別子が同じアセット情報が存在する場合、アセット情報記憶部212は、既に存在するアセット情報を、新たに登録するアセット情報に更新する。
【0050】
次に、アセット情報取得部211は、アセット情報入力部31から施設の詳細情報を取得すると(ステップS3、YES)、取得した施設の詳細情報をアセット情報記憶部212に出力することで、当該施設の詳細情報を登録する(ステップS4)。
【0051】
例えば、施設の詳細情報登録の際にアセット情報記憶部212に識別子が同じ施設の詳細情報が存在する場合、アセット情報記憶部212は、既に存在する施設の詳細情報を、新たに登録する施設の詳細情報に更新する。
【0052】
なお、施設の詳細情報はアセット情報に予め含まれていてもいいし、アセット情報入力後、対応する施設の詳細情報が入力される構成であってもよい。また、ステップS1からステップS4の処理は、アセット情報入力部31からアセット情報若しくは施設の詳細情報が入力されるたびに行われているため、必ずしもステップS5の処理の前に行われる必要はない。
【0053】
ここで、
図4に示す施設価値評価部24の動作の一例を説明する。
図3のステップS2及びステップS4でアセット情報記憶部212にアセット情報及び施設の詳細情報が登録されると(ステップS13、YES)、施設価値評価部24は、アセット情報記憶部212から施設の位置情報及びフロア情報を取得する(ステップS14)。
【0054】
また、施設価値評価部24は、エリア情報記憶部222から通信キャリアのエリアカバー情報を取得する(ステップS15)。更に、施設価値評価部24は、流動人口データ供給事業者端末7からエリア流動人口情報71を取得する(ステップS16)。
【0055】
施設価値評価部24は、上記、位置情報、フロア情報、エリアカバー情報及びエリア流動人口情報71からアセット評価値を算出し、(ステップS17)当該アセット評価値を施設評価情報記憶部214に出力する(ステップS18)。
【0056】
図3の説明に戻る。置局シミュレーション実施部213及び維持管理情報記憶部215は、インフラシェア事業者端末3の使用者からの指示を待ち受ける。具体的には、置局シミュレーション実施部213は、アセット情報入力部31からのシミュレーション実施要求信号若しくは入力条件要求信号を受信するまで待機状態を維持する(ステップS5)。また、維持管理情報記憶部215は、アセット情報入力部31からの運用管理情報要求信号を受信するまで待機状態を維持する(ステップS5)。
【0057】
維持管理情報記憶部215は、アセット情報入力部31から運用管理情報要求信号を受信すると、インフラシェア事業者端末3の使用者が選択した登録済みアセット情報に対応する運用管理情報を表示制御部216に出力する。そして、表示制御部216は、上記運用管理情報を表示部33に表示させるよう制御する(ステップS6)。
【0058】
置局シミュレーション実施部213は、アセット情報入力部31からシミュレーション実施要求信号を受信すると、アセット情報取得部211からの登録状況通知信号を参照し、アセット情報記憶部212に登録されているアセット情報が存在するか判断する。
【0059】
置局シミュレーション実施部213は、シミュレーション実施要求信号受信後、アセット情報記憶部212に登録済みアセット情報が存在することをアセット情報取得部211からの登録状況通知信号から判断すると、アセット情報記憶部212から置局シミュレーションを実施する施設に対応するアセット情報に含まれる当該施設の位置情報及びフロア情報を取得する。
【0060】
置局シミュレーション実施部213は、取得した施設の位置情報及びフロア情報に基づいて、当該施設に基地局を設置した場合の通信サービスの便益をシミュレーションする(ステップS7)。
【0061】
置局シミュレーション実施部213は、施設評価情報記憶部214にシミュレーション実施要求信号を送信し、
図4のステップS19で施設評価情報記憶部214に出力したアセット評価値を取得する。置局シミュレーション実施部213は、取得したアセット評価値と、上記シミュレーションの結果とを比較し、アセット評価値と、シミュレーション結果と、比較結果を表示制御部216に出力する。そして、表示制御部216は、上記アセット評価値と、シミュレーション結果と、比較結果とが表示部33に表示されるよう制御する(ステップS8)。なお、表示制御部216は、インフラシェア事業者端末3の使用者により選択的に決定されることにより、アセット評価値と、シミュレーション結果と、比較結果のうち少なくとも1つが表示部33に表示されるよう制御してもよい。
【0062】
また、例えば、置局シミュレーション実施部213は、シミュレーション実施要求信号受信後、アセット情報記憶部212に登録済みアセット情報が存在しないことをアセット情報取得部211からの登録状況通知信号から判断すると、表示制御部216に判断結果を通知し、表示制御部216は、当該判断結果を表示部33に表示させるよう制御するように構成されていてもいい。
【0063】
置局シミュレーション実施部213は、アセット情報入力部31から入力条件要求信号を受信すると、シミュレーション条件入力部32からシミュレーション条件が入力されるまで待機する。例えば、シミュレーション条件として仮想フロア情報やモデルパラメータ等が、シミュレーション条件入力部32から置局シミュレーション実施部213に入力されると(ステップS9、YES)、置局シミュレーション実施部213は、入力されたシミュレーション条件に基づいて、当該シミュレーション条件により生成された仮想施設に基地局を設置した場合の通信サービスの便益をシミュレーションする(ステップS10)。
【0064】
置局シミュレーション実施部213は、ステップS10でのシミュレーション結果を表示制御部216に出力し、表示制御部216は、当該シミュレーション結果が表示部33に表示されるように制御する(ステップS11)。
【0065】
表示制御部216は、アセット情報入力部31からの表示終了要求信号を取得した場合、表示部33にある情報の表示を終了するよう制御し(ステップS12、YES)、処理を終了する。
【0066】
本実施形態に係るサーバ2によれば、施設価値評価部24でアセット情報に含まれる施設のアセット評価値を算出し、置局シミュレーション実施部213で当該施設に基地局を配置した場合のシミュレーションをすることが可能になり、更に、運用管理情報を表示可能とすることで、インフラシェアリング事業を始めたいアセット所有者が、結果を参照し所有する施設に対してどのように設備投資を行うべきか、どのように運用していくべきかが可視化できる。
【0067】
上記のように、本実施形態のサーバ、情報共有方法及びコンピュータプログラムによれば、所有する施設の価値を表示することができる。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
1…アセット情報共有システム
2…サーバ
3…インフラシェア事業者端末
4…通信キャリア事業者端末
5…保守サービス事業者端末
6…ダイナミック周波数共用管理システム
7…流動人口データ供給事業者端末
8…拠点運用監視システム
21…インフラシェア事業者ポータル
22…通信キャリア事業者ポータル
23…保守サービス事業者ポータル
24…施設価値評価部
25…契約情報記憶部
26…運用状況管理部
31…アセット情報入力部
32…シミュレーション条件入力部
33…表示部
41…エリア情報入力部
42…表示部
51…点検情報入力部
52…運用情報入力部
61…運用計画管理情報
71…エリア流動人口情報
82…運用計画・利用申請情報
211…アセット情報取得部
212…アセット情報記憶部
213…置局シミュレーション実施部
214…施設評価情報記憶部
215…維持管理情報記憶部
216…表示制御部
221…エリア情報取得部
222…エリア情報記憶部
223…エリア検索部
224…サービス停止情報記憶部
225…表示制御部
231…点検情報取得部
232…点検履歴情報記憶部
233…運用情報取得部
234…運用監視情報記憶部