(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168116
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】検査ソケット
(51)【国際特許分類】
H01R 33/76 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
H01R33/76 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084544
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】池田 翔伍
(72)【発明者】
【氏名】酒井 貴浩
(72)【発明者】
【氏名】朴 ヨンミン
(72)【発明者】
【氏名】金 スヒョン
【テーマコード(参考)】
5E024
【Fターム(参考)】
5E024CA30
(57)【要約】
【課題】検査対象物を検査可能な姿勢でより容易に保持することができる検査ソケットを提供する。
【解決手段】
検査ソケットは、第1部材および第2部材を備え、第1部材および第2部材は、第1方向に対向し、検査対象物を第1部材および第2部材の間に保持可能に構成され、検査対象物が第1部材および第2部材で保持された閉状態で、検査対象物の検査を実行可能な検査ソケットであって、第1部材が、閉状態で検査対象物が位置するように構成された第1検査部と、第1検査部を、第1方向でかつ第1部材から第2部材に向かって付勢するように構成された第1付勢部と、を有する第1ベース部を備え、第2部材が、閉状態で第1検査部に対向し第1検査部と共に検査対象物を保持可能に構成された第2検査部と、第2検査部を、第1方向でかつ第2部材から第1部材に向かって付勢する第2付勢部と、を有する第2ベース部を備え、第2付勢部は、付勢力が第1付勢部よりも大きくなるように構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材および第2部材を備え、前記第1部材および前記第2部材は、第1方向に対向し、検査対象物を前記第1部材および前記第2部材の間に保持可能に構成され、前記検査対象物が前記第1部材および前記第2部材で保持された閉状態で、前記検査対象物の検査を実行可能な検査ソケットであって、
前記第1部材が、
前記閉状態で前記検査対象物が位置するように構成された第1検査部と、
前記第1検査部を、前記第1方向でかつ前記第1部材から前記第2部材に向かって付勢するように構成された第1付勢部と、を有する第1ベース部を備え、
前記第2部材が、
前記閉状態で前記第1検査部に対向し前記第1検査部と共に前記検査対象物を保持可能に構成された第2検査部と、
前記第2検査部を、前記第1方向でかつ前記第2部材から前記第1部材に向かって付勢する第2付勢部と、を有する第2ベース部を備え、
前記第2付勢部は、付勢力が前記第1付勢部よりも大きくなるように構成されている、検査ソケット。
【請求項2】
前記第1ベース部は、前記閉状態で前記第2部材に対向し、前記第1検査部が設けられた第1面を有し、
前記第2付勢部は、前記閉状態で、前記検査対象物と、前記第1面のうち前記第1方向に沿って見た場合に前記第1検査部に重ならない位置にある部分と、に接触するように構成されている、請求項1に記載の検査ソケット。
【請求項3】
前記第1ベース部は、前記第1面に対向する第2面を有し、
前記第2面と前記第1面とが平行になるように構成されている、請求項2に記載の検査ソケット。
【請求項4】
前記第2ベース部は、前記閉状態で前記第1部材に対向し、前記第2検査部が設けられた第3面を有し、
前記閉状態において、
前記第2付勢部は、前記第3面に沿って延びると共に前記第2検査部が位置する第1部分と、前記第1部分の前記第1方向に交差する方向における周囲に位置すると共に前記第1部分から前記第1部材に向かって突出して前記第1ベース部に接する第2部分と、を有する、請求項1から3のいずれかに記載の検査ソケット。
【請求項5】
前記第2部分は、前記第1部分を包囲している、請求項4に記載の検査ソケット。
【請求項6】
前記閉状態において、前記第1方向に沿って見た場合に、前記第1検査部が前記第2部分と重ならないように位置している、請求項4に記載の検査ソケット。
【請求項7】
前記第1ベース部は、前記検査対象物の少なくとも一部を収容可能に構成された凹部を有する、請求項1~3のいずれか1つに記載の検査ソケット。
【請求項8】
前記検査対象物は、レンズ部を有する光学モジュールであり、
前記第1部材は、前記レンズ部に対応した位置に開口部を有し、
前記第1付勢部が、少なくとも1つの弾性部材を有し、
前記弾性部材は、前記開口部の周囲に位置する、請求項1~3のいずれかに1つに記載の検査ソケット。
【請求項9】
前記第1付勢部は、少なくとも1つの第1弾性部材と、前記第1弾性部材の前記第2部材側に配置され、前記第1検査部が位置する第1フローティング部材と、を含み、
前記第2付勢部は、少なくとも1つの第2弾性部材と、前記第2弾性部材の前記第1部材側に配置され、前記第2検査部が位置する第2フローティング部材と、を含む、請求項1~3のいずれかに記載の検査ソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子モジュールの導通検査、特性測定などに用いられる測定用ソケットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、特許文献1の測定用ソケットを含む検査ソケットでは、検査ソケットのハウジング内に検査対象物を保持した状態で検査が行われる。しかし、検査対象物の形状などによっては、検査対象物を検査可能な姿勢で保持することが困難な場合がある。
【0005】
本開示は、検査対象物を検査可能な姿勢でより容易に保持することができる検査ソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の検査ソケットは、
第1部材および第2部材を備え、前記第1部材および前記第2部材は、第1方向に対向し、検査対象物を前記第1部材および前記第2部材の間に保持可能に構成され、前記検査対象物が前記第1部材および前記第2部材で保持された閉状態で、前記検査対象物の検査を実行可能な検査ソケットであって、
前記第1部材が、
前記閉状態で前記検査対象物が位置するように構成された第1検査部と、
前記第1検査部を、前記第1方向でかつ前記第1部材から前記第2部材に向かって付勢するように構成された第1付勢部と 、を有する第1ベース部を備え、
前記第2部材が、
前記閉状態で前記第1検査部に対向し前記第1検査部と共に前記検査対象物を保持可能に構成された第2検査部と、
前記第2検査部を、前記第1方向でかつ前記第2部材から前記第1部材に向かって付勢する第2付勢部と、を有する第2ベース部を備え、
前記第2付勢部は、付勢力が前記第1付勢部よりも大きくなるように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、検査対象物を検査可能な姿勢でより容易に保持することができる検査ソケットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態の検査ソケットを示す模式的な斜視図。
【
図2】
図1の検査ソケットのII-II線に沿った模式的な断面図。
【
図3】
図1の検査ソケットが開状態にあるときの模式的な斜視図。
【
図4】
図1の検査ソケットを上方から見た場合の模式的な分解斜視図。
【
図5】
図1の検査ソケットを下方から見た場合の模式的な分解斜視図。
【
図6A】
図1の検査ソケットにおける第1部材の模式的な下面透視図。
【
図6B】
図6Aの第1部材のVIB-VIB線に沿った模式的な拡大断面図。
【
図6C】
図6Aの第1部材のVIC-VIC線に沿った模式的な拡大断面図。
【
図7A】
図1の検査ソケットにおける第2部材の模式的な上面透視図。
【
図7B】
図7Aの第2部材のVIIB-VIIB線に沿った模式的な拡大断面図。
【
図7C】
図7Aの第2部材のVIIC-VIIC線に沿った模式的な拡大断面図。
【
図7D】
図7Aの第2部材における第2フローティング部材の模式的な斜視図。
【
図8】
図7Dの第2フローティング部材と第1検査部との位置関係を示す模式的な平面図。
【
図10】
図1の検査ソケットの閉状態の一例を示す、II-II線に沿った断面図。
【
図11A】
図1の検査ソケットの第1の変形例を示す模式的な斜視図。
【
図12】
図1の検査ソケットの第2の変形例を示す模式的な斜視図。
【
図13A】
図1の検査ソケットの第3の変形例を示す模式的な斜視図。
【
図13B】
図13Aの検査ソケットのXIIIB-XIIIB線に沿った模式的な断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一例を添付図面に従って説明する。以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、本開示の適用物、または、本開示の用途を制限することを意図するものではない。図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
【0010】
以下では、検査対象物100の一例のレンズ部を有する光学モジュール(例えば、カメラモジュール。
図9参照)の検査に用いられる検査ソケットを例に説明する。
【0011】
本開示の一実施形態の検査ソケット1は、
図1および
図2に示すように、第1部材10および第2部材20を備える。第1部材10および第2部材20のそれぞれは、例えば略直方体形状である。第1部材10および第2部材20は、第1方向(例えば、Z方向)に互いに対向するように配置されている。
【0012】
検査ソケット1は、
図2に示すように、第1方向Zに対向し、検査対象物100を第1部材10および第2部材20の間に保持可能に構成されている。このように、第1部材10および第2部材20が第1方向Zに近接して対向し、検査対象物100を第1部材10および第2部材20で保持できる状態を「閉状態」と呼ぶ。検査対象物100は、例えば、光学モジュールである。第2部材20は、閉状態で光学モジュールのレンズ部に対応した位置にレンズ用開口部26を有する。検査ソケット1は、閉状態で、検査対象物100の検査を実行できる。
【0013】
本実施形態では、検査ソケット1は、
図1および
図2に示す閉状態と、
図3に示すように、検査対象物100の保持が開放された状態(以下、「開状態」と呼ぶ。)とをとり得るように構成されている。
【0014】
検査ソケット1は、例えば、第2部材20を第1部材10に対して回転可能に接続する回動部41を備える。回動部41は、第1部材10の第1方向Zに交差する第2方向(例えば、X方向)の両端部の一方に配置されている。回動部41は、例えば、第1方向Zおよび第2方向Xに交差する第3方向(例えば、Y方向)に沿って設けられたヒンジであり、第1部材10および第2部材20は、第3方向Yに沿って延びるヒンジの軸を中心として相互に回転可能に接続されている。これにより、検査ソケット1は、閉状態と開状態との間で回動可能である。第1部材10の他方の端部(回動部41と反対側の端部)には、閉状態を維持するためのラッチ42が設けられている。
【0015】
図2、
図4および
図5に示すように、第1部材10は、第1ベース部11を備える。第2部材20は、第2ベース部21を備える。
【0016】
第1ベース部11は、第1検査部12と、第1付勢部13とを有する。本実施形態では、第1ベース部11は、閉状態で第2部材20に対向する第1面111と、第1面111に対向し、第2部材20と反対側に位置する第2面112とを有する。第1面111と第2面112とは略平行であり、閉状態で第1方向Zに直交する面(例えば、XY面)に沿って延びている。第1面111には、第1検査部12が設けられている。第1面111は、第1検査部12を構成する部分と、第1方向Zに沿って見た場合に第1検査部12に重ならない位置にある部分(周辺部分)15とを含む。
【0017】
第1検査部12は、
図2および
図3に示すように、閉状態で検査対象物100が位置するように構成されている。本実施形態では、第1検査部12は、第1面111の略中央に位置している。第1検査部12は、第1面111に開口し、閉状態において第2部材20から離れる方向に窪む凹部で構成されている。第1検査部12は、検査対象物100の少なくとも一部を収容可能に構成されている。第1検査部12は、例えば、
図6Bを参照して後述するように、第1付勢部13の対向面131aと、第1ベース部11(第1ハウジング14)の側壁141sとによって構成された凹部である。
【0018】
第1付勢部13は、第1検査部12を第1方向Zで、かつ、第1部材10から第2部材20に向かって付勢するように構成されている。したがって、第1検査部12は、第1面111(第1面111の周辺部分15)に対して第1方向Zに相対的に移動可能である。第1付勢部13の詳細は、後述する。
【0019】
第2ベース部21は、第2検査部22と、第2付勢部23とを有する。本実施形態では、第2ベース部21は、閉状態で第1部材10に対向する第3面211を有する。第3面211は、例えば、閉状態でXY面に沿って延びている。閉状態において、第3面211は、第1部材10の第1面111に接触するように構成されている。第3面211には、第2検査部22が設けられている。第3面211は、第2検査部22を構成する部分と、第1方向Zに沿って見た場合に第2検査部22に重ならない位置にある周辺部分25とを含む。
【0020】
第2検査部22は、
図2に示すように、閉状態で第1検査部12に対向し、第1検査部12と共に検査対象物100を保持可能に構成されている。本実施形態では、第2検査部22は、第3面211の略中央に位置している。第2検査部22は、第3面211に開口し、閉状態において第1部材10から離れる方向に窪む凹部で構成されている。第2検査部22は、検査対象物100の少なくとも一部を収容可能に構成されている。第2検査部22は、
図7B~
図7Dを参照して後述するように、例えば、第2付勢部23(第2フローティング部材231)の第1部材10に対向する面に形成された凹部である。
【0021】
第2付勢部23は、第2検査部22を第1方向Zで、かつ、第2部材20から第1部材10に向かって付勢するように構成されている。したがって、第2検査部22は、第3面211(第3面211の周辺部分25)に対して第1方向Zに相対的に移動可能である。第2付勢部23の詳細は後述する。
【0022】
第2付勢部23は、第1付勢部13よりも付勢力が大きくなるように構成されている。詳しくは、第2付勢部23の設定荷重は、第1付勢部13の設定荷重よりも大きい。本実施形態では、第1付勢部13は第1弾性部材132を有し、第2付勢部23は第2弾性部材232を有する。第2弾性部材232は、設定荷重が、第1弾性部材132の設定荷重よりも大きくなるように構成されている。
【0023】
検査ソケット1の閉状態では、
図2に示すように、第1付勢部13は、検査対象物100に接触するように構成されている。第1付勢部13は、例えば、第1ベース部11の第3面211の周辺部分25には接触していなくてもよい。これにより、第1付勢部13の付勢力を、検査対象物100のみに加えることが可能である。一方、第2付勢部23は、例えば、検査対象物100と、第1面111の周辺部分15との両方に接触するように構成されている。これにより、第2付勢部23の付勢力を、検査対象物100および第1ベース部11(例えば後述する第1ハウジング14)に分散して加えることができる。上述のように、第2付勢部23は第1付勢部13よりも大きい付勢力を有するので、第1付勢部13による付勢力が検査対象物100に加わっても、第2付勢部23と第1面111との接触が維持され得る。このような構成により、第2付勢部23で検査対象物100の傾きを管理しつつ、第1付勢部13および第2付勢部23の間に検査対象物100を保持することができる。なお、本明細書において、「接触」は、検査対象物100との直接接触であってもよいし、他の部材を介した間接的な接触であってもよい。
【0024】
図2、
図4および
図5に示すように、第1ベース部11は、例えば、第1ハウジング14をさらに備え、第1付勢部13は第1ハウジング14に取り付けられている。また、第2ベース部21は、例えば、第2ハウジング24をさらに備え、第2付勢部23は第2ハウジング24に取り付けられている。
【0025】
第1ハウジング14は、例えば略直方体形状である。第1ハウジング14は、第1方向Zの一端に位置するとともに第2部材20に対向する上面と、第1方向Zの他端に位置する下面と、第1方向Zに貫通する第1開口部141とを有する。本実施形態では、第1ハウジング14の上面は、第1面111の周辺部分15を構成し、第1ハウジング14の下面は、第2面112を構成する。第1開口部141は、第1方向Zから見た場合、第1検査部12に対応する位置に設けられている。
図4に示すように、第1開口部141は、第1開口部141内に第1付勢部13が位置するように構成されている。後述する
図6Bに示すように、第1開口部141の側壁141sには、第1付勢部13の側部、詳しくは第1フローティング部材131および第1プッシュ部材133の側部に対応した段差が設けられている。
【0026】
第2ハウジング24は、例えば略直方体形状である。第2ハウジング24は、第1部材10に対向する下面と、第1方向Zに貫通する第2開口部241とを有する。本実施形態では、第2ハウジング24の下面は、第3面211の周辺部分25を構成する。第2開口部241は、第1方向Zから見た場合、第2検査部22に対応する位置に設けられている。
図4に示すように、第2開口部241は、第2開口部241内に第2付勢部23が位置するように構成されている。後述する
図7Bに示すように、第2開口部241の側壁241sには、第2付勢部23の側部、詳しくは第2フローティング部材231および第2プッシュ部材233の側部に対応した段差が設けられている。
【0027】
第1部材10は、
図3および
図4に示すように、検査ピン50と、ピン用凹部16と、接続部材60とをさらに備える。ピン用凹部16は、例えば、第1面111に開口し、閉状態において第2部材20から離れる方向に窪む凹部である。検査ピン50の一部は、ピン用凹部16の底面で外部に露出している。検査ピン50の他の一部は、接続部材60(
図2)に電気的に接続されている。検査時には、検査ピン50に検査対象物100のコネクタが嵌め込まれる。閉状態において、検査対象物100のコネクタは、第2部材20の第3面211に設けられた突起27で押されて検査ピン50と導通し、接続部材60(
図2)を介して、検査ソケット1の外部の測定機器と電気的に接続される。なお、
図1などの一部の図面では、接続部材60を省略している。
【0028】
第2部材20は、例えば、第2ベース部21の第1部材10とは反対側に位置するカバーケース28をさらに備える。カバーケース28は、第2付勢部23および第2ハウジング24を覆うように構成されている。
【0029】
図6A~
図6Cを参照して、検査ソケット1における第1付勢部13のより具体的な構成を説明する。
【0030】
本実施形態では、第1付勢部13は、検査時に第1検査部12が位置する第1フローティング部材131と、第1弾性部材132と、第1プッシュ部材133とを有する。
【0031】
第1弾性部材132は、第1方向Zにおいて第1フローティング部材131と第1プッシュ部材133との間に配置されている。第1弾性部材132は、例えば、第1方向Zに沿って伸縮可能な部材である。第1弾性部材132は、例えば、複数(ここでは4つ)のコイルスプリングを含む。これらのコイルスプリングは、第1フローティング部材131の矩形状の下面131bの4つの角部にそれぞれ配置されている。
【0032】
第1フローティング部材131は、例えば略四角柱状であり、第1弾性部材132によって、第1方向Zに沿って第1部材10から第2部材20に向かって付勢されている。第1フローティング部材131は、第1ハウジング14の上面(すなわち、第1面111の周辺部分15)に対して相対的に移動可能な状態で、第1ハウジング14に支持されている。
【0033】
第1フローティング部材131は、第1方向Zの一端に位置し、第2部材20に対向する対向面131aと、対向面131aに対向し、第1方向Zの他端に位置する下面131bとを有する。対向面131aは、第1検査部12の一部を構成する。対向面131aおよび下面131bは、例えば、第1面111に沿って延びている。この例では、第1フローティング部材131は周縁に鍔部を有し、下面131bは鍔部の下面であり、対向面131aよりも一回り大きい。本実施形態では、対向面131aは、第1ハウジング14の第1開口部141内に位置している。したがって、対向面131aは、第1開口部141の側壁141sのうち対向面131aよりも第2部材20側に位置する部分とともに、閉状態で検査対象物100の一部が収容される凹部(第1検査部12)を構成する。
【0034】
図6Cに示すように、第1フローティング部材131の下面131bの4つの角部のそれぞれには、略円筒形状の第1スプリング用凹部1311が設けられている。各第1スプリング用凹部1311は、対応する1つのコイルスプリングの一部を収容するように構成されている。
【0035】
第1プッシュ部材133は、例えば、略四角形の板状である。第1プッシュ部材133は、第1フローティング部材131との間に第1弾性部材132を保持するように構成されている。第1プッシュ部材133は、第1ハウジング14に取り付けられている。第1プッシュ部材133の上面(第1フローティング部材131に対向する面)には、4つの第2スプリング用凹部1331が設けられている。各第2スプリング用凹部1331は、第1フローティング部材131の第1スプリング用凹部1311の1つに対応するように位置している。第2スプリング用凹部1331は、対応する第1スプリング用凹部1311と共に、スプリングを収容するための略円筒形状のスプリング収容部を構成している。
【0036】
図7A~
図7Dおよび
図8を参照して、検査ソケット1における第2付勢部23のより具体的な構成を説明する。
【0037】
本実施形態では、第2付勢部23は、閉状態において第1部材10に対向する第2フローティング部材231と、第2弾性部材232と、第2プッシュ部材233とを有する。
【0038】
第2弾性部材232は、第1方向Zにおいて第2フローティング部材231と、第2プッシュ部材233との間に配置されている。第2弾性部材232は、例えば、第1方向Zに沿って伸縮可能な部材である。第2弾性部材232は、例えば、複数(ここでは4つ)のコイルスプリングを含む。これらのコイルスプリングは、第2フローティング部材231の矩形状の上面231bの4つの角部にそれぞれ配置されている。本実施形態では、第2弾性部材232のコイルスプリングのばね定数は、第1弾性部材132のコイルスプリングのばね定数よりも大きい。これにより、第2付勢部23の付勢力を、第1付勢部13の付勢力よりも大きくすることができる。
【0039】
第2フローティング部材231は、第2弾性部材232によって、第1方向Zで、かつ、第2部材20から第1部材10に向かって付勢されている。第2フローティング部材231は、第2ハウジング24の下面(すなわち、第3面211の周辺部分25)に対して相対的に移動可能な状態で、第2ハウジング24に支持されている。
【0040】
第2フローティング部材231は、板状の第1部分p1と、閉状態において第1部分p1から第1部材10に向かって突出する第2部分p2とを有する。第1部分p1の略中央には、光学モジュールのレンズ部を収容可能な略円形の開口部2312が設けられている。開口部2312は、第1部分p1を第1方向Zに貫通している。第2フローティング部材231は、第2部分p2の径方向の外側に位置する第3部分p3をさらに有する。
【0041】
第1部分p1は、第2検査部22が位置するように構成されている。つまり、第1部分p1は、閉状態で検査対象物100に接触するように構成されている。第1部分p1は、第3面211に沿って延びている。光学モジュールの形状にもよるが、第1方向Zに沿って見た場合に、第1部分p1は、開口部2312を包囲している。
【0042】
第2部分p2は、閉状態で第1部分p1から第1部材10に向かって突出して第1ベース部11(例えば、第1面111)に接するように構成されている。本実施形態では、第2部分p2は、第1部分p1を包囲している。第2部分p2は、閉状態で第1部材10に対向する接触面231cを有し、接触面231cを介して第1面111に接触するように構成されている。第2部分p2は、例えば、開口部2312に沿って設けられている。第2部分p2は、例えば、接触面231cを頂部とする環状の凸部である。
【0043】
第1部分p1の開口部2312および第2部分p2の間に、閉状態で検査対象物100に接触可能な面231aが設けられている。第2部分p2の径方向に対向する部分には、第2検査部22の一部を構成する面231sが設けられている。
【0044】
図7Cに示すように、第2フローティング部材231の第2プッシュ部材233に対向する上面231bの4つの角部のそれぞれには、例えば円筒形状の第1スプリング用凹部2311が設けられている。各第1スプリング用凹部2311は、対応する1つのコイルスプリングの一部を収容するように構成されている。第1方向Zから見た場合、第1スプリング用凹部2311は、例えば、第2部分p2に重なるように配置されている。
【0045】
第2プッシュ部材233は、例えば、略四角形の板状である。第2プッシュ部材233は、第2フローティング部材231との間に第2弾性部材232を保持するように構成されている。第2プッシュ部材233は、第2ハウジング24に取り付けられている。第2プッシュ部材233の第2フローティング部材231の上面231bに対向する面には、4つの第2スプリング用凹部2331が設けられている。各第2スプリング用凹部2331は、第2フローティング部材231の第1スプリング用凹部2311の1つに対応するように位置している。各第2スプリング用凹部2331は、対応する第1スプリング用凹部2311と共に、スプリングを収容するためのスプリング収容部を構成している。
【0046】
第2スプリング用凹部2331は、
図7Cに示すように、円筒形状の底部c1と、底部c1から開口に向けて径が大きくなるテーパ形状を有する開口部分c2とを含んでもよい。第2スプリング用凹部2331の開口部分c2の最大径(最も第2フローティング部材231側の径)は、対応する円筒形状の第1スプリング用凹部2311の径よりも大きい。これにより、第2フローティング部材231が第2プッシュ部材233に対して傾いた場合でも(
図10参照)、第2スプリング用凹部2331と第1スプリング用凹部2311とによって、スプリング収容部を構成することができる。
【0047】
図8は、第2フローティング部材231と第1付勢部13の第1検査部12との位置関係の一例を示す模式的な平面図である。第1検査部12は、例えば、第1フローティング部材131の対向面131aを含む(
図6B参照)。本実施形態では、閉状態において、第1方向Zに沿って見た場合に、第1検査部12は、第2フローティング部材231の第1部分p1に少なくとも部分的に重なっている。つまり、第1方向Zに沿って見た場合に、第1検査部12と第2検査部22とは少なくとも部分的に重なっている。第1検査部12は、また、第1方向Zに沿って見た場合に、第2フローティング部材231の第2部分p2と重ならないように位置する。第1方向Zに沿って見た場合に、第1検査部12は、例えば、第2部分p2に包囲されている。
【0048】
図8に示すような位置関係によると、第2付勢部23の付勢力を検査対象物100および第1面111の両方に加え、かつ、第1付勢部13の付勢力を検査対象物100のみに加えることが可能である。
図8に示すように第1検査部12を配置すると、閉状態において、第2付勢部23の第2部分p2と第1面111との接触を維持しつつ、第1付勢部13の付勢力によって、第1検査部12に位置する検査対象物100を第1部分p1(第2検査部22)に接触させることができる。したがって、第2付勢部23によって検査対象物100の傾きを管理しつつ、第1検査部12と第2検査部22との間に検査対象物100を保持することができる。
【0049】
本実施形態の検査ソケット1は、検査対象物100として、
図9に示す光学モジュールの検査を行うことができるように構成されている。
【0050】
図9に示す光学モジュールは、ホルダ部101およびレンズ部102を含む本体部103と、コネクタと、フレキシブル基板(FPC)とを備える。
図3および
図9では、コネクタおよびフレキシブル基板を省略している。ホルダ部101は、例えば、略多角柱状である。ホルダ部101は、レンズ部102が設けられた上面101aと、上面101aに対向する下面101bとを有する。上面101aは、レンズ部102の光軸Lに直交しており、検査時の光学モジュールの姿勢を管理するための基準面となり得る。レンズ部102は、例えば、ホルダ部101の上面101aから法線方向に突出する円柱形状である。本体部103は、コネクタとともにフレキシブル基板に接続されている。光学モジュールのコネクタは、閉状態で、第1ベース部11に設けられた検査ピン50に電気的に接続される。
【0051】
第1検査部12および第2検査部22は、閉状態において光学モジュールの本体部103を収容するように構成されている。詳しくは、
図2に示すように、閉状態において、第1付勢部13(第1フローティング部材131)の対向面131aが、ホルダ部101の下面101bに接触するように構成されている。また、第2付勢部23(第2フローティング部材231)の第1部分p1がホルダ部101の上面101aに接触するように構成されている。第2部分p2は、第1面111に接触する。第2付勢部23が、ホルダ部101の上面101aと、第1面111との両方に接触することで、ホルダ部101の上面101aの傾きを第1面111に対して容易に管理することができる。例えば、検査ソケット1は、ホルダ部101の上面101aを第1面111に平行または面一に規制することができる。したがって、閉状態の検査ソケット1内に、光学モジュールを、レンズ部102の光軸Lが第1面111と直交するような姿勢で容易に保持することが可能である。
【0052】
レンズ用開口部26は、閉状態において光学モジュールのレンズ部102がレンズ用開口部26内に位置するように構成されている。このため、レンズ部102を検査ソケット1の上面に露出させた状態で、検査を実行できる。第2弾性部材232は、例えば、第1方向Zに沿って見た場合にレンズ用開口部26の周囲に位置している。これにより、レンズ部102の周囲に位置するホルダ部101に付勢力を加えることができる。
【0053】
検査ソケット1は、次のような効果を発揮できる。
【0054】
検査ソケット1は、第1部材10および第2部材20を備える。第1部材10は、閉状態で検査対象物100が位置するように構成された第1検査部12と、第1付勢部13とを有する第1ベース部11を備える。第1付勢部13は、第1検査部12を、第1方向でかつ第1部材から第2部材に向かって付勢するように構成されている。第2部材20は、閉状態で第1検査部12に対向し第1検査部12と共に検査対象物100を保持可能に構成された第2検査部22と、第2付勢部23とを有する第2ベース部21を備える。第2付勢部23は、第2検査部22を、第1方向Zでかつ第2部材20から第1部材10に向かって付勢するように構成されている。第2付勢部23は、付勢力が第1付勢部13よりも大きくなるように構成されている。このような構成によると、第1付勢部13および第2付勢部23の存在により、検査対象物100の傾きを管理することができ、検査対象物100を検査可能な姿勢で容易に保持できる。
【0055】
光学モジュールなどの検査対象物の検査をより正確に実行するためには、検査ソケット内で検査対象物を検査可能な姿勢で保持した状態で検査を行うことが求められる。例えば光学モジュールは、検査時に、平坦度を保った状態で、詳しくはレンズ部の光軸が水平面(例えば検査ソケット1の第2面112)と直交する姿勢で保持されることが求められる。しかしながら、検査対象物100の形状、設置方法などによっては、検査ソケット1内に検査可能な姿勢に保持しにくい場合がある。例えば、光学モジュールの底面(レンズ部と反対側の面)がレンズ部の光軸と直交するように形成されていないことがあり、そうすると、光学モジュールの傾きを管理することが困難である。これに対し、検査対象物を所定の姿勢で保持することができるように、検査ソケットの寸法公差を厳しく管理することが考えられる。しかしながら、検査ソケットの寸法管理を厳しくすると、検査ソケットを製造する際の検査工程数が増加し、製造コストが増大する可能性がある。また、検査ソケットの歩留まりが低下し、検査ソケットの単価が上昇する可能性がある。
【0056】
本実施形態の検査ソケット1によると、第1付勢部13と、第1付勢部13よりも付勢力の大きい第2付勢部23とによって、検査対象物100の傾きを管理することができる。したがって、閉状態において、検査対象物100を検査可能な姿勢で保持することができる。この結果、検査対象物100の検査をより正確に行うことができる。また、検査ソケット1に厳しい寸法管理を課さなくても、簡便な構成によって、検査対象物の姿勢を制御することが可能である。このため、より安価で、生産性の高い検査ソケット1を提供することが可能になる。
【0057】
検査ソケット1は、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成を任意に採用できる。つまり、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成は、前述の実施形態に含まれていた場合は任意に削除でき、前述の実施形態に含まれていない場合は任意に付加することができる。
【0058】
閉状態において、第1面111が、第1方向Zに沿って見た場合に第1検査部12に重ならない位置にある周辺部分15を含み、第2付勢部23が、検査対象物100と、第1面111における周辺部分15とに接触するように構成されている。この構成により、第1面111に対する検査対象物100の傾きを管理することができる。例えば、検査対象物100の形状などに起因して第2部材20が第1部材10に対して傾斜した場合であっても、検査対象物100を検査可能な姿勢で保持することができる。
【0059】
例えば、
図10に示す検査ソケット1では、閉状態で第1部材10に対して第2部材20が傾斜している。詳しくは、第1面111に対して第3面211が傾斜し、ラッチ42側の端部で第1部材10と第2部材20との間に隙間gが生じている。このような場合でも、第2付勢部23が第1面111に接触しているので、第1面111に対する第2付勢部23の傾きが補正される。例えば、第2付勢部23の傾きを、第2付勢部23の接触面231cが第1面111と平行または面一になるように補正することができる。これに伴い、検査対象物100の傾きも補正され得る。また、第2付勢部23における検査対象物100に接触可能な面231aと、接触面231cとが平行または面一であれば、検査対象物100の基準面(
図9では、ホルダ部101の上面101a)と第1面111とが平行または面一となるように、検査対象物100を保持することができる。
【0060】
第1面111と第1ベース部11の第2面112とは、平行になるように構成されている。この構成により、例えば、
図10に示すように、第2部材20が第1部材10に対して傾いた場合でも、検査対象物100の姿勢を、第1ベース部11の第2面112に対して管理することができる。したがって、第2面112が水平になるように検査ソケット1を載置することで、検査対象物100を容易に水平に保持することが可能である。
【0061】
閉状態において、第2付勢部23は、第3面211に沿って延びると共に第2検査部22が位置する第1部分p1と、第1部分p1の第1方向Zに交差する方向における周囲に位置する第2部分p2とを有する。第2部分p2は、閉状態において、第1部分p1から第1部材10に向かって突出して第1ベース部11に接する。
【0062】
この構成によると、閉状態において、第2部分p2が第1ベース部11に接するので、第1ベース部11に対する第2付勢部23の傾きを管理することができる。この結果、第2検査部22の傾きが管理されるので、検査対象物100を検査可能な姿勢で保持することができる。また、閉状態において、第1部分p1および第2部分p2によって画定される凹部内に検査対象物100を安定的に保持することができる。さらに、第1部材10上に検査対象物100を載置した後、第2部材20で覆って閉状態とする際に、凸状の第2部分p2がガイドとして機能して、検査対象物100の傾きやずれを抑制することができる。
【0063】
第2部分p2が、第1部分p1を包囲している。この構成により、第2検査部22の傾きをより正確に管理することができる。また、第2検査部22に検査対象物100をより安定的に保持することができる。
【0064】
閉状態において、第1方向Zに沿って見た場合に、第1検査部12が第2部分p2と重ならないように位置している(
図8参照)。この構成により、第1部分p1および第2部分p2によって検査対象物100の傾き(姿勢)を管理しつつ、第1検査部12と第1部分p1の第2検査部22との間に検査対象物100を保持することができる。
【0065】
第1付勢部13は、第1検査部12が位置する第1フローティング部材131と、第1弾性部材132とを備える。第1フローティング部材131は、第1弾性部材132の第2部材20側に配置される。第2付勢部23は、第2検査部22が位置する第2フローティング部材231と、第2弾性部材232とを備える。第2フローティング部材231は、第2弾性部材232の第1部材10側に配置される。
【0066】
第1ベース部11は、検査対象物100の少なくとも一部を収容可能に構成された凹部を有する。
【0067】
検査対象物100は、レンズ部102を有する光学モジュールであり、第2部材20は、レンズ部102に対応した位置にレンズ用開口部26を有し、第2付勢部23が、少なくとも1つの第2弾性部材232を有し、第2弾性部材232は、レンズ用開口部26の周囲に位置する。
【0068】
検査ソケット1は、次のように構成することもできる。
【0069】
第1部材10および第2部材20は、検査ソケット1の設計等に応じて、形状および構成を任意に変更することができる。例えば、閉状態の検査ソケット1の形状は、略直方体形状に限らず、略円柱形状であってもよいし、略多角柱形状であってもよい。
【0070】
第1部材10と第2部材20との検査時の位置関係は、図示した関係に限定されない。付勢力の大きい第2付勢部23を有する第2部材20が、第1付勢部13を有する第1部材10よりも下方に位置してもよい。
【0071】
第1部材10と第2部材20とは、任意の方法で、閉状態と開状態とをとり得るように構成されてもよい。
【0072】
例えば、
図11Aおよび
図11Bに示す検査ソケット1は、第1部材10が第2方向Xに互いに対向する2つの側面にそれぞれラッチ42、43を有するダブルラッチタイプである。第1部材10は、第2部材20に取り外し可能に取り付けられる。
【0073】
検査ソケット1は、任意の方法で、閉状態を保持するように構成されてもよく、ラッチ以外の保持手段を備えてもよい。
【0074】
第1ベース部11、第2ベース部21の構造、形状、材料などは、任意に変更可能である。例えば、第1ハウジング14、第2ハウジング24、第1付勢部13、第2付勢部23の構造、形状、材料などは、任意に変更可能である。
【0075】
第1付勢部13および第2付勢部23の付勢力を調整する方法も任意である。第1弾性部材132および第2弾性部材232としてスプリングを使用する場合には、第1付勢部13および第2付勢部23の付勢力(設定荷重)は、スプリングのばね定数、スプリングの個数、スプリングの設置位置などによって調整することができる。一例として、第2付勢部23が有するスプリングのばね定数を、第1付勢部13が有するスプリングのばね定数よりも大きくしてもよい。代わりに、またはこれに加えて、第2付勢部23が有するスプリングの個数を、第1付勢部13が有するスプリングの個数よりも多くしてもよい。これにより、第2付勢部23の付勢力を、第1付勢部13の付勢力よりも大きくすることができる。
【0076】
第1付勢部13および第2付勢部23は、フローティング部材131、231を有しておらず、弾性部材が直接検査対象物100に接触するように構成されていてもよい。また、第1付勢部13および第2付勢部23において、弾性部材を支持する構成は特に限定されない。例えば、第1付勢部13および第2付勢部23は、プッシュ部材133、233を有していなくてもよい。
【0077】
第2フローティング部材231の構造も、任意に変更可能である。第1部分p1~第3部分p3のそれぞれは、任意の形状を有し得る。第2フローティング部材231は、第3部分p3を有していなくてもよい。図示した例では、第2部分p2は、第1方向Zに沿って見た場合、第1部分p1を包囲する「口の字」形であるが、「コの字」形、C字形などの他の形状であってもよい。あるいは、第2部分p2は、第1部分p1を囲むように隙間を空けて配列された複数の部分を含んでもよい。また、図示した例では、第2フローティング部材231は、第2部分p2が第1部分p1よりも第1部材10に向かって突出する段差を有するが、第1部分p1が第2部分p2よりも第1部材10に向かって突出する段差を有してもよい。例えば、閉状態において、検査対象物100の上面101aが、第1面111よりも下方に(第2面112側に)位置する場合、第1部分p1は、第1ベース部11に接する第2部分p2よりも第1部材10に向かって突出して、検査対象物100の上面101aに接触するように構成されていてもよい。
【0078】
さらに、第2付勢部23の第2フローティング部材231において、第1部分p1と第2部分p2とは段差を構成していなくてもよい。例えば、第2フローティング部材231のうち検査対象物100と接触する部分と、第2付勢部23の第1面111に接触する部分(接触面)とは、面一であってもよい。この場合でも、
図8を参照して前述した位置関係と同様に、第1方向Zに沿って見た場合に、第1検査部12は、閉状態で第2付勢部23の上記接触面と重ならないように配置されてもよい。
【0079】
第1弾性部材132および第2弾性部材232の構造、材料、配置なども、任意に変更可能である。
【0080】
第1弾性部材132および第2弾性部材232としてスプリングを使用する場合、スプリングの個数、配置、種類、サイズ等は、検査ソケット1の設計等に応じて、任意に変更できる。1つのフローティング部材に対するスプリングの個数は、例えば2~4個であってもよい。2個以上のスプリングをフローティング部材の下面に距離を空けて配置することで、フローティング部材を水平に(XY面に平行に)保った状態で、第1方向Zに沿って付勢することが可能である。また、1つのフローティング部材に対するスプリングの個数が4個以下であれば、部品点数の増加を抑えことができる。
【0081】
フローティング部材に対するスプリングの個数は1つであってもよい。例えば、
図12に示す検査ソケット1では、第1付勢部13は、単一のコイルスプリングを第1弾性部材132として有する。同様に、第2付勢部23は、第1付勢部13のコイルスプリングよりもばね定数の大きい単一のコイルスプリングを第2弾性部材232として有する。
図12では、第1弾性部材132および第2弾性部材232を示すために、プッシュ部材、カバーケースなどを省略している。
【0082】
第1弾性部材132および第2弾性部材232の一方または両方は、ゴム部材を含んでもよい。ゴム部材の材料、形状、個数は特に限定されない。第1弾性部材132および第2弾性部材232の一方または両方は、複数の柱状のゴム部材を含んでもよいし、単一の板状のゴム部材を含んでもよい。第1弾性部材132または第2弾性部材232として板状のゴム部材を配置する場合には、フローティング部材を別途設けずに、ゴム部材が直接検査対象物100と接触するように構成されてもよい。
【0083】
一例として、第1付勢部13が第1弾性部材132としてスプリングを含み、第2付勢部23が第2弾性部材232としてゴム部材を含んでもよい。この構成により、第2付勢部23の付勢力を第1付勢部13の付勢力よりも大きく設定することが容易になる。
【0084】
検査ソケット1は、
図9に示した光学モジュール以外の検査対象物100の検査を行うことができるように構成されていてもよい。
【0085】
例えば、
図13A~
図13Cに示す検査ソケット1は、2つのレンズ部102A、102Bを有する複眼カメラモジュールの検査を行うように構成されている。各レンズ部102A、102Bは、対応するホルダ部101A、101B上に位置している。検査ソケット1は、レンズ部102A、102Bに対応する2つのレンズ用開口部26A、26Bを有している。第1部材10の第1付勢部13は、互いに距離を空けて配置された2つの第1フローティング部材131A、131Bと、単一の第1プッシュ部材133とを含む。第1フローティング部材131A、131Bのそれぞれは、対応するホルダ部101A、101Bの下面に接触するように構成されている。一方、第2部材20の第2付勢部23は、単一の第2フローティング部材231と、単一の第2プッシュ部材233とを含む。第2フローティング部材231は、2つのホルダ部101A、101Bの上面と、第1ベース部11の第1面111とに接触するように構成されている。
【0086】
なお、第2付勢部23は、互いに距離を空けて配置された2つの第2フローティング部材を含んでもよい。各第2フローティング部材は、ホルダ部101A、101Bの対応する1つに接触するように構成されていてもよい。これにより、ホルダ部101A、101Bの傾きを互いに独立して管理することができる。
【0087】
さらに、検査ソケット1は、光学モジュールに限定されず、ICパッケージ、コネクタ等の他の電子モジュールの検査や基板検査に用いられるように構成されていてもよい。検査対象物がレンズ部を有していない場合、検査ソケット1に、レンズ部に対応するレンズ用開口部26を設けなくてもよい。また、閉状態の検査ソケット1内に保持される検査対象物100を姿勢は、検査対象物100の種類、構造などによって任意に変更可能である。
【0088】
以上、図面を参照して本開示における種々の実施形態を詳細に説明したが、最後に、本開示の種々の態様について説明する。なお、以下の説明では、一例として、参照符号も添えて記載する。
【0089】
本開示の第1態様の検査ソケット1は、
第1部材10および第2部材20を備え、前記第1部材10および前記第2部材20は、第1方向Zに対向し、検査対象物100を前記第1部材10および前記第2部材20の間に保持可能に構成され、前記検査対象物100が前記第1部材10および前記第2部材20で保持された閉状態で、前記検査対象物100の検査を実行可能な検査ソケット1であって、
前記第1部材10が、
前記閉状態で前記検査対象物100が位置するように構成された第1検査部12と、
前記第1検査部12を、前記第1方向Zでかつ前記第1部材10から前記第2部材20に向かって付勢するように構成された第1付勢部13と、を有する第1ベース部11を備え、
前記第2部材20が、
前記閉状態で前記第1検査部12に対向し前記第1検査部12と共に前記検査対象物100を保持可能に構成された第2検査部22と、
前記第2検査部22を、前記第1方向Zでかつ前記第2部材20から前記第1部材10に向かって付勢する第2付勢部23と、を有する第2ベース部21を備え、
前記第2付勢部23は、付勢力が前記第1付勢部13よりも大きくなるように構成されている。
【0090】
本開示の第2態様の検査ソケット1は、第1態様の検査ソケット1において、
前記第1ベース部11は、前記閉状態で前記第2部材20に対向し、前記第1検査部12が設けられた第1面111を有し、
前記第2付勢部23は、前記閉状態で、前記検査対象物100と、前記第1面111のうち前記第1方向Zに沿って見た場合に前記第1検査部12に重ならない位置にある部分と、に接触するように構成されている。
【0091】
本開示の第3態様の検査ソケット1は、第2態様の検査ソケット1において、
前記第1ベース部11は、前記第1面111に対向する第2面112を有し、
前記第2面112と前記第1面111とが平行になるように構成されている。
【0092】
本開示の第4態様の検査ソケット1は、第1態様~第3態様のいずれかの検査ソケット1において、
前記第2ベース部21は、前記閉状態で前記第1部材10に対向し、前記第2検査部22が設けられた第3面211を有し、
前記閉状態において、
前記第2付勢部23は、前記第3面211に沿って延びると共に前記第2検査部22が位置する第1部分p1と、前記第1部分p1の前記第1方向に交差する方向における周囲に位置すると共に前記第1部分p1から前記第1部材10に向かって突出して前記第1ベース部11に接する第2部分p2と、を有する。
【0093】
本開示の第5態様の検査ソケット1は、第4態様の検査ソケット1において、
前記第2部分p2は、前記第1部分p1を包囲している。
【0094】
本開示の第6態様の検査ソケット1は、第4態様または第5態様の検査ソケット1において、
前記閉状態において、前記第1方向Zに沿って見た場合に、前記第1検査部12が前記第2部分p2と重ならないように位置している。
【0095】
本開示の第7態様の検査ソケット1は、第1態様~第6態様のいずれかの検査ソケット1において、
前記第1ベース部11は、前記検査対象物100の少なくとも一部を収容可能に構成された凹部を有する。
【0096】
本開示の第8態様の検査ソケット1は、第1態様~第7態様のいずれかの検査ソケット1において、
前記検査対象物100は、レンズ部を有する光学モジュールであり、
前記第1部材10は、前記レンズ部に対応した位置に開口部26を有し、
前記第1付勢部13が、少なくとも1つの弾性部材132を有し、
前記弾性部材132は、前記開口部26の周囲に位置する。
【0097】
本開示の第9態様の検査ソケット1は、第1態様~第8態様のいずれかの検査ソケット1において、
前記第1付勢部13は、少なくとも1つの第1弾性部材132と、前記第1弾性部材132の前記第2部材20側に配置され、前記第1検査部12が位置する第1フローティング部材131と、を含み、
前記第2付勢部23は、少なくとも1つの第2弾性部材232と、前記第2弾性部材232の前記第1部材10側に配置され、前記第2検査部22が位置する第2フローティング部材231と、を含む。
【0098】
本開示は、前述の様々な実施形態および変形例のうち、任意の実施形態および/または変形例を適宜組み合わせることができる。実施形態および/または変形例の組み合わせには、実施形態に含まれる構成および/または実施例に含まれる構成の組み合わせも含まれる。
【0099】
本開示は、添付図面を参照しながら前述の実施形態および/または変形例を通して充分に記載されているが、前述の実施形態および/または変形例は、本開示の全てを網羅したものではない。本開示の技術分野における当業者であれば、多くの修正および変形が可能である。このような変形および修正は、本開示の範囲から外れない限りにおいて、本開示に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本開示の検査ソケットは、例えば、光学モジュールなどの電子モジュールの検査に用いる検査装置に適用できる。
【符号の説明】
【0101】
1 検査ソケット
10 第1部材
11 第1ベース部
12 第1検査部
13 第1付勢部
14 第1ハウジング
20 第2部材
21 第2ベース部
22 第2検査部
23 第2付勢部
24 第2ハウジング
26、26A、26B レンズ用開口部
41 回動部
42、43 ラッチ
100 検査対象物
101、101A、101B ホルダ部
102、102A、102B レンズ部
103 本体部
111 第1面
112 第2面
131、131A、131B 第1フローティング部材
132 第1弾性部材
133 第1プッシュ部材
141 第1開口部
211 第3面
231 第2フローティング部材
232 第2弾性部材
233 第2プッシュ部材
241 第2開口部
p1 第1部分
p2 第2部分
p3 第3部分
【手続補正書】
【提出日】2023-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材および第2部材を備え、前記第1部材および前記第2部材は、第1方向に対向し、検査対象物を前記第1部材および前記第2部材の間に保持可能に構成され、前記検査対象物が前記第1部材および前記第2部材で保持された閉状態で、前記検査対象物の検査を実行可能な検査ソケットであって、
前記第1部材が、
前記閉状態で前記検査対象物が位置するように構成された第1検査部と、
前記第1検査部を、前記第1方向でかつ前記第1部材から前記第2部材に向かって付勢するように構成された第1付勢部と、
前記閉状態で前記第2部材に対向し、前記第1検査部が設けられた第1面と、を有する第1ベース部を備え、
前記第2部材が、
前記閉状態で前記第1検査部に対向し前記第1検査部と共に前記検査対象物を保持可能に構成された第2検査部と、
前記第2検査部を、前記第1方向でかつ前記第2部材から前記第1部材に向かって付勢する第2付勢部と、
前記閉状態で前記第1部材に対向し、前記第2検査部が設けられた対向面と、を有する第2ベース部を備え、
前記第1付勢部は、前記第1検査部が位置する第1フローティング部材と、前記第1フローティング部材を前記第2部材側に付勢するように構成された少なくとも1つの第1弾性部材と、を含み、
前記第1フローティング部材は、前記第1面のうち前記第1方向に沿って見た場合に前記第1検査部に重ならない位置にある第1周辺部分に対して、前記第1方向に相対的に移動可能であり、
前記第2付勢部は、前記第2検査部が位置する第2フローティング部材と、前記第2フローティング部材を前記第1部材側に付勢するように構成された少なくとも1つの第2弾性部材と、を含み、
前記第2フローティング部材は、前記対向面のうち前記第1方向に沿って見た場合に前記第2検査部に重ならない位置にある第2周辺部分に対して、前記第1方向に相対的に移動可能であり、
前記第2フローティング部材は、前記閉状態で、前記検査対象物に接触する第1部分と、前記第1周辺部分に接触する第2部分と、を有するように構成され、
前記少なくとも1つの第2弾性部材は、付勢力が前記少なくとも1つの第1弾性部材よりも大きくなるように構成されている、検査ソケット。
【請求項2】
前記第1ベース部は、前記第1面に対向する第2面を有し、
前記第2面と前記第1面とが平行になるように構成されている、請求項1に記載の検査ソケット。
【請求項3】
前記閉状態において、
前記第2フローティング部材の前記第1部分は、前記対向面に沿って延びると共に前記第2検査部が位置する部分であり、前記第2部分は、前記第1部分の前記第1方向に交差する方向における周囲に位置すると共に前記第1部分から前記第1部材に向かって突出して前記第1周辺部分に接する部分である、請求項1または2に記載の検査ソケット。
【請求項4】
前記第2部分は、前記第1部分を包囲している、請求項3に記載の検査ソケット。
【請求項5】
前記閉状態において、前記第1方向に沿って見た場合に、前記第1検査部が前記第2部分と重ならないように位置している、請求項3に記載の検査ソケット。
【請求項6】
前記第1ベース部は、前記検査対象物の少なくとも一部を収容可能に構成された凹部を有する、請求項1または2に記載の検査ソケット。
【請求項7】
前記検査対象物は、レンズ部を有する光学モジュールであり、
前記第1部材は、前記レンズ部に対応した位置に開口部を有し、
前記少なくとも1つの第1弾性部材は、前記開口部の周囲に位置する、請求項1または2に記載の検査ソケット。
【請求項8】
前記検査ソケットは、外部と電気的に接続される検査ピンをさらに備え、
前記検査対象物は、本体と、前記検査ピンに導通させるコネクタ部と、を備え、
前記第1検査部および前記第2検査部には、前記検査対象物の前記本体が配置され、
前記第2フローティング部材は、前記閉状態で、前記検査対象物の前記本体に接触し、
前記閉状態において、前記第1方向に沿って見た場合に前記第1フローティング部材および前記第2フローティング部材のいずれにも重ならない位置で、前記コネクタ部と前記検査ピンとが電気的に接続される、請求項1または2に記載の検査ソケット。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材および第2部材を備え、前記第1部材および前記第2部材は、第1方向に対向し、検査対象物を前記第1部材および前記第2部材の間に保持可能に構成され、前記検査対象物が前記第1部材および前記第2部材で保持された閉状態で、前記検査対象物の検査を実行可能な検査ソケットであって、
前記第1部材が、
前記閉状態で前記検査対象物が位置するように構成された第1検査部と、
前記第1検査部を、前記第1方向でかつ前記第1部材から前記第2部材に向かって付勢するように構成された第1付勢部と、
前記閉状態で前記第2部材に対向し、前記第1検査部が設けられた第1面と、を有する第1ベース部を備え、
前記第2部材が、
前記閉状態で前記第1検査部に対向し前記第1検査部と共に前記検査対象物を保持可能に構成された第2検査部と、
前記第2検査部を、前記第1方向でかつ前記第2部材から前記第1部材に向かって付勢する第2付勢部と、
前記閉状態で前記第1部材に対向し、前記第2検査部が設けられた対向面と、を有する第2ベース部を備え、
前記第1付勢部は、前記第1検査部が位置する第1フローティング部材と、前記第1フローティング部材を前記第2部材側に付勢するように構成された少なくとも1つの第1弾性部材と、を含み、
前記第1フローティング部材は、前記第1面のうち前記第1方向に沿って見た場合に前記第1検査部に重ならない位置にある第1周辺部分に対して、前記第1方向に相対的に移動可能であり、
前記第2付勢部は、前記第2検査部が位置する第2フローティング部材と、前記第2フローティング部材を前記第1部材側に付勢するように構成された少なくとも1つの第2弾性部材と、を含み、
前記第2フローティング部材は、前記対向面のうち前記第1方向に沿って見た場合に前記第2検査部に重ならない位置にある第2周辺部分に対して、前記第1方向に相対的に移動可能であり、
前記第2フローティング部材は、前記閉状態で、前記検査対象物に接触する第1部分と、前記第1周辺部分に接触する第2部分と、を有するように構成され、
前記少なくとも1つの第2弾性部材は、付勢力が前記少なくとも1つの第1弾性部材よりも大きく、前記少なくとも1つの第2弾性部材および前記少なくとも1つの第1弾性部材は、前記閉状態において、前記第2フローティング部材の前記第1部分が前記検査対象物に接触し、かつ、前記第2部分が前記第1周辺部分に接触した状態で、前記第1フローティング部材によって前記検査対象物が前記第2部材側に付勢されるように構成されている、検査ソケット。
【請求項2】
前記第1ベース部は、前記第1面に対向する第2面を有し、
前記第2面と前記第1面とが平行になるように構成されている、請求項1に記載の検査ソケット。
【請求項3】
前記閉状態において、
前記第2フローティング部材の前記第1部分は、前記対向面に沿って延びると共に前記第2検査部が位置する部分であり、前記第2部分は、前記第1部分の前記第1方向に交差する方向における周囲に位置すると共に前記第1部分から前記第1部材に向かって突出して前記第1周辺部分に接する部分である、請求項1または2に記載の検査ソケット。
【請求項4】
前記第2部分は、前記第1部分を包囲している、請求項3に記載の検査ソケット。
【請求項5】
前記閉状態において、前記第1方向に沿って見た場合に、前記第1検査部が前記第2部分と重ならないように位置している、請求項3に記載の検査ソケット。
【請求項6】
前記第1ベース部は、前記検査対象物の少なくとも一部を収容可能に構成された凹部を有する、請求項1または2に記載の検査ソケット。
【請求項7】
前記検査対象物は、レンズ部を有する光学モジュールであり、
前記第1部材は、前記レンズ部に対応した位置に開口部を有し、
前記少なくとも1つの第1弾性部材は、前記開口部の周囲に位置する、請求項1または2に記載の検査ソケット。
【請求項8】
前記検査ソケットは、外部と電気的に接続される検査ピンをさらに備え、
前記検査対象物は、本体と、前記検査ピンに導通させるコネクタ部と、を備え、
前記第1検査部および前記第2検査部には、前記検査対象物の前記本体が配置され、
前記第2フローティング部材は、前記閉状態で、前記検査対象物の前記本体に接触し、
前記閉状態において、前記第1方向に沿って見た場合に前記第1フローティング部材および前記第2フローティング部材のいずれにも重ならない位置で、前記コネクタ部と前記検査ピンとが電気的に接続される、請求項1または2に記載の検査ソケット。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材および第2部材を備え、前記第1部材および前記第2部材は、第1方向に対向し、検査対象物を前記第1部材および前記第2部材の間に保持可能に構成され、前記検査対象物が前記第1部材および前記第2部材で保持された閉状態で、前記検査対象物の検査を実行可能な検査ソケットであって、
前記第1部材が、
前記閉状態で前記検査対象物が位置するように構成された第1検査部と、
前記第1検査部を、前記第1方向でかつ前記第1部材から前記第2部材に向かって付勢するように構成された第1付勢部と、
前記閉状態で前記第2部材に対向し、前記第1検査部が設けられた第1面と、を有する第1ベース部を備え、
前記第2部材が、
前記閉状態で前記第1検査部に対向し前記第1検査部と共に前記検査対象物を保持可能に構成された第2検査部と、
前記第2検査部を、前記第1方向でかつ前記第2部材から前記第1部材に向かって付勢する第2付勢部と、
前記閉状態で前記第1部材に対向し、前記第2検査部が設けられた対向面と、を有する第2ベース部を備え、
前記第1付勢部は、前記第1検査部が位置する第1フローティング部材と、前記第1フローティング部材を前記第2部材側に付勢するように構成された少なくとも1つの第1弾性部材と、を含み、
前記第1フローティング部材は、前記第1面のうち前記第1方向に沿って見た場合に前記第1検査部に重ならない位置にある第1周辺部分に対して、前記第1方向に相対的に移動可能であり、
前記第2付勢部は、前記第2検査部が位置する第2フローティング部材と、前記第2フローティング部材を前記第1部材側に付勢するように構成された少なくとも1つの第2弾性部材と、を含み、
前記第2フローティング部材は、前記対向面のうち前記第1方向に沿って見た場合に前記第2検査部に重ならない位置にある第2周辺部分に対して、前記第1方向に相対的に移動可能であり、
前記第2フローティング部材は、前記閉状態で、前記検査対象物に接触する第1部分と、前記第1周辺部分に接触する第2部分と、を有するように構成され、
前記少なくとも1つの第2弾性部材は、付勢力が前記少なくとも1つの第1弾性部材よりも大きく、前記少なくとも1つの第2弾性部材および前記少なくとも1つの第1弾性部材は、前記閉状態において、前記第2フローティング部材の前記第1部分が前記検査対象物に接触し、かつ、前記第2部分が前記第1周辺部分に接触した状態で、前記第1フローティング部材によって前記検査対象物が前記第2部材側に付勢されるように構成されており、これにより、前記検査対象物の傾きを管理するように構成されている、検査ソケット。
【請求項2】
前記第1ベース部は、前記第1面に対向する第2面を有し、
前記第2面と前記第1面とが平行になるように構成されている、請求項1に記載の検査ソケット。
【請求項3】
前記閉状態において、
前記第2フローティング部材の前記第1部分は、前記対向面に沿って延びると共に前記第2検査部が位置する部分であり、前記第2部分は、前記第1部分の前記第1方向に交差する方向における周囲に位置すると共に前記第1部分から前記第1部材に向かって突出して前記第1周辺部分に接する部分である、請求項1または2に記載の検査ソケット。
【請求項4】
前記第2部分は、前記第1部分を包囲している、請求項3に記載の検査ソケット。
【請求項5】
前記閉状態において、前記第1方向に沿って見た場合に、前記第1検査部が前記第2部分と重ならないように位置している、請求項3に記載の検査ソケット。
【請求項6】
前記第1ベース部は、前記検査対象物の少なくとも一部を収容可能に構成された凹部を有する、請求項1または2に記載の検査ソケット。
【請求項7】
前記検査対象物は、レンズ部を有する光学モジュールであり、
前記第1部材は、前記レンズ部に対応した位置に開口部を有し、
前記少なくとも1つの第1弾性部材は、前記開口部の周囲に位置する、請求項1または2に記載の検査ソケット。
【請求項8】
前記検査ソケットは、外部と電気的に接続される検査ピンをさらに備え、
前記検査対象物は、本体と、前記検査ピンに導通させるコネクタ部と、を備え、
前記第1検査部および前記第2検査部には、前記検査対象物の前記本体が配置され、
前記第2フローティング部材は、前記閉状態で、前記検査対象物の前記本体に接触し、
前記閉状態において、前記第1方向に沿って見た場合に前記第1フローティング部材および前記第2フローティング部材のいずれにも重ならない位置で、前記コネクタ部と前記検査ピンとが電気的に接続され、
前記第1フローティング部材の前記第2部材と反対側の第1表面は矩形状であり、
前記少なくとも1つの第1弾性部材は、前記第1フローティング部材の前記第1表面の各角部に配置された4つの第1弾性部材を含み、
前記第2フローティング部材の前記第1部材と反対側の第2表面は矩形状であり、
前記少なくとも1つの第2弾性部材は、前記第2フローティング部材の前記第2表面の各角部に配置された4つの第2弾性部材を含む、請求項1または2に記載の検査ソケット。