(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168123
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】土層分布検知方法
(51)【国際特許分類】
E21D 9/093 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
E21D9/093 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084554
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000195971
【氏名又は名称】西松建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000420
【氏名又は名称】弁理士法人MIP
(72)【発明者】
【氏名】三戸 憲二
(72)【発明者】
【氏名】高村 浩彰
(72)【発明者】
【氏名】桑原 康
【テーマコード(参考)】
2D054
【Fターム(参考)】
2D054AC01
2D054BA03
2D054GA10
2D054GA17
2D054GA49
2D054GA64
2D054GA81
2D054GA92
(57)【要約】
【課題】 安価で簡易に土層分布を計測できる方法を提供すること。
【解決手段】 土層分布を計測する方法は、掘削対象を掘削するための回転可能な掘削部と、余掘りを行うために掘削部の外周から突出可能な余掘部と、掘削部の回転および余掘部の突出に関する情報を検出する検出部とを備える掘削機械の掘進停止中に、掘削部を回転させることにより余掘部の位置を移動させ、移動前または各位置で余掘部を突出させ、各位置で掘削部の回転または余掘部の突出に関する情報を検出することにより土層分布を検知する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土層分布を検知する方法であって、
掘削対象を掘削するための回転可能な掘削部と、余掘りを行うために前記掘削部の外周から突出可能な余掘部と、前記掘削部の回転および前記余掘部の突出に関する情報を検出する検出部とを備える掘削機械の掘進停止中に、前記掘削部を回転させることにより前記余掘部の位置を移動させ、前記掘削部の回転前に、もしくは各位置で前記余掘部を突出させ、前記各位置で前記掘削部の回転もしくは前記余掘部の突出に関する情報を検出することにより前記土層分布を検知する、土層分布検知方法。
【請求項2】
前記掘削部の回転前に余掘部を突出させる場合、前記余掘部を突出させた状態で前記掘削部を前記各位置へ順に移動させ、前記各位置で前記掘削部の回転に関する情報としてトルクを検出する、請求項1に記載の土層分布検知方法。
【請求項3】
前記掘削機械の掘進停止中であって、前記余掘部を突出させた状態で前記各位置における前記トルクを検出する前または後に、前記余掘部を突出しない状態で前記各位置における前記トルクを検出する、請求項2に記載の土層分布検知方法。
【請求項4】
前記各位置で余掘部を突出させる場合、前記各位置で前記余掘部を突出させ、前記余掘部の突出に関する情報として前記掘削対象への前記余掘部の貫入圧および貫入量を検出し、検出後に前記余掘部を前記掘削部内に収納する、請求項1に記載の土層分布検知方法。
【請求項5】
前記余掘部が、前記掘削部の回転により突出した該余掘部に作用する反力を検出する反力検出部を備え、
前記余掘部を突出させ、前記掘削部を回転させることにより前記余掘部の位置を移動させ、前記各位置で前記反力検出部により検出された前記反力と、該反力の計測位置までの半径方向アーム長とに基づき、前記余掘部の突出に関する情報として前記余掘部に作用する曲げモーメントを検出する、請求項1に記載の土層分布検知方法。
【請求項6】
表示部を備え、前記検出部と通信可能な情報処理装置が、前記検出部から前記各位置における前記情報を取得し、前記情報に対応する土層を前記各位置と対応付けて前記表示部に表示する、請求項1~5のいずれか1項に記載の土層分布検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土層分布を検知する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シールドマシン等の掘削機械を使用して掘削対象の地盤を掘削する場合、掘進負荷、添加材の種類や添加量、掘削土量等に大きく影響することから、切羽側の土層分布の把握が重要になる。
【0003】
従来においては、ボーリング調査を行い、調査結果を基にトンネル縦断方向の土層分布を想定した土質縦断図を作成し、作成した土質縦断図の土層分布を基に掘削土量や添加材の添加量等を決定している。
【0004】
しかしながら、実際の施工では、切羽の土層分布が土質縦断図の土層分布からずれることが多く、このずれの影響で、掘削土量の取り込み過多や取り込み不足が生じ、地盤沈下や隆起が発生する場合がある。
【0005】
そこで、施工管理にあたって、実際の土層分布を把握することが求められており、例えば、カッターの振動計測、カッターの掘削抵抗計測、カッターの切削抵抗や歪み計測等により切羽の土層分布を把握する技術が知られている(特許文献1~5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10-19853号公報
【特許文献2】特開2016-3429号公報
【特許文献3】特開2016-3430号公報
【特許文献4】特開2011-196068号公報
【特許文献5】特開2009-221802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の技術では、掘進中に計測を行うため、カッターが掘削対象の切羽地盤へ切込む際にも振動や歪み等が発生することから、土層の変化を判定することが容易ではなく、しかも、振動や歪み等を計測するための計測装置を別途設ける必要があり、安価で容易に土層分布を検知することができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、土層分布を検知する方法であって、
掘削対象を掘削するための回転可能な掘削部と、余掘りを行うために掘削部の外周から突出可能な余掘部と、掘削部の回転および余掘部の突出に関する情報を検出する検出部とを備える掘削機械の掘進停止中に、掘削部を回転させることにより余掘部の位置を移動させ、掘削部の回転前に、もしくは各位置で余掘部を突出させ、各位置で掘削部の回転もしくは余掘部の突出に関する情報を検出することにより土層分布を検知する、土層分布検知方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、安価で容易に土層分布を検知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】掘削機械としてシールドマシンの構成例を示した図。
【
図3】
図2に示したシールドマシンを前方から見た図。
【
図4】コピーカッタを使用した土層分布を検知する作業の第1の例を示したフローチャート。
【
図5】コピーカッタを使用した土層分布を検知する作業の第2の例を示したフローチャート。
【
図7】特殊な構造のコピーカッタの一例を示した図。
【
図8】コピーカッタを使用した土層分布を検知する作業の第3の例を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の土層分布検知方法について説明する前に、従来の切羽土層分布を把握する方法について簡単に説明しておく。
図1は、土質縦断図の一例を示した図である。掘削機械としてシールドマシンを使用したシールド工法では、発進位置から到達位置までトンネルを掘進するために、発進立坑10と呼ばれる縦穴を形成し、発進立坑10からシールドマシンを搬入する。シールドマシンは、発進立坑10内に分解して搬入され、発進立坑10内で組み立てられる。
【0012】
発進立坑10は、例えば、鋼製あるいはコンクリート製の円筒形のケーシングを、内部を掘削しながら圧入することにより構築される。
【0013】
図1では、発進立坑10が到達立坑でもあり、目的位置まで掘進し、例えば上り線を形成し、目的位置で反転して発進立坑10へ向けて掘進し、下り線を形成する。このため、目的位置でシールドマシンを反転させるための縦穴として、回転立坑11が形成される。回転立坑11も、発進立坑10と同様の方法により構築される。
【0014】
砂礫層等の硬い土層と、粘性土層等の軟らかい土層とでは、硬い土層の方が掘削しにくく、掘進負荷が大きくなり、その反対に、軟らかい土層は掘削しやすく、掘進負荷が小さくて済む。このように、掘進負荷は、掘削対象の土層の種類によって大きく変わる。
【0015】
掘削土砂を泥土化し、泥土により切羽を安定させる泥土圧シールドでは、泥土にするために添加材を添加する。砂礫層に対しては、掘削土砂の塑性流動性を高め、混練りして止水性を高めるため、粘土やベントナイト等を主材とした鉱物系の添加材や、セルロース系やアクリル系等の水溶性高分子系の添加材が用いられる。粘着力が高い粘性土層に対しては、掘削土砂の流動性や止水性を高めつつ、掘削土砂の付着を防止するため、界面活性剤系の添加材が用いられる。
【0016】
泥水式シールドでは、掘削土砂を流体化するために泥水を使用するが、粘性土地盤等を掘削すると、泥水の粘性が著しく上昇することから、水で希釈する等の対策を講じて泥水の粘性を低下させる必要がある。
【0017】
これらの添加材は、土層の種類に応じて、適切な量が添加される。このように、添加材の種類や添加量も、土層の種類によって大きく変わる。
【0018】
砂や礫は、シルトや粘土に比較して密度が大きい。このため、砂礫層と粘性土層とを同じ重量分掘削すると、掘削土量(体積)は、粘性土層の方が大きくなる。このように、掘削土量も、土層の種類によって大きく変わる。
【0019】
発進立坑10から回転立坑11までシールドマシンでトンネルを掘削する際、掘進負荷、添加材の種類や添加量、掘削土量等が大きく影響を受けることから、切羽土層分布を把握する必要がある。
【0020】
そこで、従来では、約200m間隔でボーリング調査を実施している。ボーリング調査は、ボーリングマシンを使用して孔12を形成し、地盤の強度(N値)、土の密度、粒度分布等を調べるものである。
【0021】
ボーリング調査では、ハンマーを自由落下させて地盤を少しずつ掘削し、先端のサンプラーで土を採取し、採取した土を分析する。これにより、各地盤深さでのN値、密度、粒度分布等を調べ、どこまでが同じ土層で、どこから異なる土層であるかを把握する。これを、約200m間隔で調べ、トンネル縦断方向の土層分布として図に表したものが、
図1に示すような土質縦断図である。
【0022】
土質縦断図には、シールドマシンが掘進する経路13が示される。したがって、経路13上のシールドマシンの現在位置と、土質縦断図とに基づき、現在の切羽がどのような土層分布であるかを把握することが可能になる。
【0023】
図2および
図3は、シールドマシンの構成例を示した図である。
図2は、シールドマシンをその長手方向に切断した断面図であり、
図3は、シールドマシンの前方から見た図である。
【0024】
シールドマシン20は、前方の土砂を削り、崩壊しようとする掘削面を押さえながら、削り取った量とバランスする量の掘削土砂を坑外へ排出して前進する掘削機械である。
【0025】
シールドマシン20は、鋼製の外筒であるスキンプレート21の一端(先端)に、前方の土砂を削るための掘削部としてカッターヘッド22を有する。カッターヘッド22は、回転可能な略円形の面板もしくはスポークと呼ばれる棒に、放射状に配列する複数の切削用のカッタービット33を備え、カッター旋回電動モータ23により所定方向に回転する。カッター旋回電動モータ23の近傍には、カッター旋回電動モータ23に供給する電流を計測することによりカッターヘッド22の回転に関する情報を検出する検出部が設けられる。検出部は、カッターヘッド22の回転に関する情報として、カッターヘッド22のトルクを検出するトルク検出部を含む。
【0026】
カッター旋回電動モータ23には、カッターの回転角度を計測するエンコーダ等による回転角度計測部が設けられる。計測されたカッターの回転角度は、カッターヘッド22の外周に沿って移動するコピーカッタ32の、初期位置とカッターヘッド22の中心軸とを結ぶ第1の線分と移動後の位置とカッターヘッド22の中心軸とを結ぶ第2の線分との成す角度に相当する。このため、回転角度計測部により回転角度を計測することで、現在のコピーカッタ32の位置を検出することができる。検出部や回転角度計測部は、後述する制御回路と通信し、制御回路を介して表示部を備えた情報処理装置へ検出結果や計測結果を送信する。
【0027】
スキンプレート21内のカッターヘッド22の背面側には、隔壁24が設けられ、掘削面を押さえるために土圧または水圧をかけながら掘削土砂を排出するために添加材を添加または泥水を供給し、撹拌する撹拌室としてチャンバー25が形成される。
【0028】
シールドマシン20は、チャンバー25内に、掘削土砂を塑性流動化させるための粘土、ベントナイト、気泡、水溶性高分子等の添加材を注入する泥土圧シールドであってもよいし、泥水を供給する泥水式シールドであってもよい。
図2に示すシールドマシン20は、泥水式シールドの一例を示している。
【0029】
カッターヘッド22は、掘削土砂を取り込む開口を有する。カッターヘッド22の開口を通してチャンバー25内に取り込まれた掘削土砂には、送泥管26から所定の圧力の泥水が供給され、掘削土砂と泥水とが撹拌棒により撹拌混合される。撹拌棒は、カッターヘッド22の背面に配設され、カッターヘッド22の回転とともに回転し、掘削土砂と泥水との混練りを促進し、掘削土砂の付着や堆積を防止する。
【0030】
チャンバー25内で混合された掘削土砂と泥水との混合物は、隔壁24を貫通する排泥管27により輸送され、坑外の流体処理設備が備える篩により掘削土と泥水とに分離され、掘削土は処分され、泥水は再び送泥管26によりチャンバー25内に供給される。
【0031】
シールドマシン20は、隔壁24の後方に、セグメント28と呼ばれるトンネル覆工ブロックをリング状に組立てるためのエレクター29を備える。エレクター29は、セグメント28を把持し、所定の位置まで搬送して設置する。また、シールドマシン20は、スキンプレート21の内周に沿って所定の間隔で複数配置されるシールドジャッキ30を備える。シールドマシン20は、エレクター29により組み立てられたセグメント28にシールドジャッキ30を押し当て、シールドジャッキ30を伸ばすことにより前進する。
【0032】
シールドマシン20は、セグメント28の背部(セグメント28と掘削したトンネル壁面との間)に裏込め注入材を注入する裏込め注入装置を備える。
【0033】
急曲線を曲がる場合、例えば、バスやトラックでは内輪差や回転中心からのオーバーハングを許容する車幅以上の空間が必要である。シールドマシン20も、カーブするために直線部の掘削径から拡大した同様の空間が必要になるが、その空間を自ら余分に掘削して生み出さない限り、カーブすることができない。シールドマシン20がカーブするための空間を作成するために、自ら余分に掘削することは、余掘りと呼ばれる。
【0034】
カッターヘッド22の側方には、余掘りを実現するために、トンネルの径方向へ突出可能な余掘部としてコピーカッタ32が設けられる。コピーカッタ32は、シリンダ等によりカッターヘッド22内に収納され、また、カッターヘッド22の外周方向へ突出される。
【0035】
コピーカッタ32の出入りの制御は、制御回路により行われ、カッターヘッド22の回転角度に対応して連続的に行うことができる。この制御は、例えば、予め設定しておいた円周角に対するコピーカッタ32の突出長の関係を示す式等を用いて実施することができる。
【0036】
なお、余掘りした空間は、崩壊性の地山では空洞とはせず、適度な塑性流動性をもつ改良剤で掘削直後から充填する。空洞のままでは掘削壁が崩壊して余掘り空間が確保できなくなり、シールドマシン20が掘削壁からの反力と摩擦を適度に受けることが難しくなるため、シールドマシン20の方向制御が困難になるからである。
【0037】
ところで、地盤は、岩盤、礫地盤、普通土、軟弱地盤等の様々な土質が層となって存在する。このため、シールドマシン20でトンネルを掘削する場合、シールドマシン20が様々な土層を掘進することになる。土層が異なる境界付近を掘進する場合もあり、硬い地盤と軟らかい地盤の境界付近の掘進では、軟らかい地盤の方へ変位することがある。また、岩盤や巨石が存在すると、シールドマシン20の掘削速度が大幅に低下し、その岩盤や巨石上に砂や粘性土が存在すると、砂や粘性土の先行取り込みが発生し、上部にゆるみが生じて土砂崩壊の懸念がある。
【0038】
これらのことから、シールドマシン20を使用したシールド工法では、切羽側の土層分布を検知し、把握することが重要となる。しかしながら、
図1に示した技術では、切羽側の土層分布を直接検知し、把握することができないため、掘進土量管理データ(泥水式の場合、乾砂量)と地盤沈下との相関、排土の状況等を基に、間接的に土層分布の変化に応じた掘進管理を行っていた。これでは、施工管理精度の低下、地盤変化への対応の遅れ等で地盤沈下等が発生する。
【0039】
このため、上述したカッターに振動センサ等を取り付け、掘進中にカッターの振動等を計測することで、リアルタイムに土層分布を計測する技術が提案されている。しかしながら、カッターが掘削対象の切羽地盤へ切込む際にも振動や歪み等が発生することから、土質の変化を判定することが容易ではない。しかも、振動や歪み等を計測するための計測装置を別途設ける必要がある。これでは、安価で、かつ容易に土層分布を計測することができない。
【0040】
そこで、本方法では、掘進中ではなく、掘進停止中に、シールドマシン20に既に装備されている部材や手段を使用して、土層分布を検知する。具体的には、掘進停止中に、コピーカッタ32をカッターヘッド22の外周から突出させ、カッター旋回電動モータ23を駆動させてカッターヘッド22を回転させる。コピーカッタ32が複数ある場合、1つのコピーカッタ32を使用してもよいし、2以上のコピーカッタ32を使用してもよい。2以上のコピーカッタ32を使用する場合、各コピーカッタ32の初期位置が異なるだけである。
【0041】
掘進停止中は、カッターヘッド22の前面に設けられているカッタービット33による掘削対象への切込みがない。このため、カッタービット33によるトルクは小さくなる。一方、カッターヘッド22の外周からコピーカッタ32を突出させているため、コピーカッタ32による掘削対象への切込みが発生し、コピーカッタ32によるトルクの変化(トルク増分)が顕著となる。
【0042】
シールドマシン20周辺の土層は、地面に対して略水平に層が形成されており、コピーカッタ32によるトルク増分は、砂礫層、砂質土層、粘性土層等の土層の分布によって変化する。このため、検出部を使用して、カッターヘッド22の回転に伴ってカッターヘッド22の外周を回転するコピーカッタ32の回転角度に応じて、トルクの変化量を検出することで、土層分布を検知することができる。
【0043】
例えば、
図3に示すようにコピーカッタ32が、カッターヘッド22の上端に位置するときを0°とする。コピーカッタ32が、カッターヘッド22の回転に伴ってカッターヘッド22の外周に沿って一周する際、検出部を使用して、トルクを検出する。検出されるトルクは、カッターヘッド22のトルクを含み、コピーカッタ32によるトルクが追加されたものとなる。したがって、掘進停止中であって、コピーカッタ32を突出させる前または後に、コピーカッタ32を突出しない状態でカッターヘッド22を回転させてトルクを検出しておくことで、コピーカッタ32によるトルク増分を、上記のトルクの変化量として検出することができる。
【0044】
コピーカッタ32の回転角度は、掘削対象の鉛直方向の高さ位置(例えば、地盤の深さ方向の位置)と、その鉛直方向に対して垂直な水平方向の位置とを示す。各位置で、第1~第3の範囲の値をトルク増分として検出した場合、コピーカッタ32が一周する切羽断面において、第1~第3の範囲に対応する3つの異なる土層が分布していることを把握することができる。また、各範囲のトルク増分から、各土層の土質も把握することができる。
【0045】
図4を参照して、土層分布を検知する作業の第1の例について説明する。
図1に示したボーリング調査や文献調査等により掘削対象の土層分布を大まかに把握しておく。ステップ100からシールドマシン20により掘削を開始し、ステップ101において、シールドマシン20が一定の距離掘進したところで停止し、1つの地点での土層分布の検知を開始する。
【0046】
土層分布を検知するタイミングは、例えば、シールドマシン20でセグメント28を周方向に組み立ててセグメントリングを1リング分構築し、1リング分前進させたタイミングとすることができる。なお、これは一例であるので、これに限られるものではなく、2リング分前進させた後や3リング分前進させた後等のタイミングであってもよい。また、文献調査等で大まかに把握した土層の境界付近で実施してもよい。どのタイミングで検知作業を開始するかは、管理者等が適時選択することができる。
【0047】
ステップ102では、カッター旋回電動モータ23を駆動し、カッターヘッド22を回転させる。ステップ103で、検出部により、カッターヘッド22の回転角度に応じて、カッターヘッド22のトルクを検出する。ステップ104で、カッター旋回電動モータ23を停止し、カッターヘッド22の回転を一旦停止させる。
【0048】
ステップ105で、シールドマシン20のカッターヘッド22の外周からコピーカッタ32を突出させる。コピーカッタ32の突出長さは、任意に決定することができる。ステップ106では、コピーカッタ32を突出させた状態でカッター旋回電動モータ23を駆動し、カッターヘッド22を回転させる。なお、コピーカッタ32の突出は、カッターヘッド22のトルク検出に続いて連続して実施してもよく、連続して実施する場合、ステップ104、106の操作は不要となる。
【0049】
ステップ107では、検出部を使用して、カッターヘッド22の外周に沿って移動するコピーカッタ32の回転角度に応じて、コピーカッタ32によるトルク増分を検出する。カッターヘッド22のみを回転させた場合のトルクは、ステップ103で検出されているため、ステップ107で検出されたトルクと、ステップ103で検出されたトルクとを使用し、コピーカッタ32によるトルク増分を検出することができる。具体的には、トルク増分は、同じ回転角度において、ステップ107で検出されたトルクからステップ103で検出されたトルクを減算することにより算出することができる。
【0050】
ステップ108では、コピーカッタ32をカッターヘッド22に収納し、カッター旋回電動モータ23を停止する。ステップ109では、コピーカッタ32の回転角度に対応する位置と、コピーカッタ32によるトルク増分に対応する土層とを対応付け、土層分布として情報処理装置が備える表示部に表示し、ステップ110で、その地点での土層分布の検知を終了する。
【0051】
コピーカッタ32のトルクを連続して計測し、コピーカッタ32の回転角度とトルクの変化をグラフ化した図を基に、土層分布を表示する。
【0052】
コピーカッタ32を突出させた状態で1回転させ、1回転分の検出結果のみを使用し、土層分布を検知してもよいが、数回転(2~3回転程度)させ、数回転分の検出結果の平均を使用したほうが、検知精度が向上するため、望ましい。カッターヘッド22のみを回転させ、カッターヘッド22のトルクを検出する際も同様に、数回転させ、数回転分の検出結果の平均を使用したほうが、検知精度が向上するため、望ましい。
【0053】
1つの地点で土層分布の検知が終了した後、カッターヘッド22を回転させながらシールドジャッキ30を伸ばしてセグメントリングを構築し、次の地点で、
図4に示す各ステップを実施して土層分布を検知することができる。この作業は、シールドマシン20による掘削が終了するまで繰り返すことができる。
【0054】
図5を参照して、土層分布を検知する作業の第2の例について説明する。
図4に示した第1の実施形態では、コピーカッタ32のトルク増分を検出し、トルク増分から土層分布を検知した。コピーカッタ32は、シリンダによりカッターヘッド22の外周から突出させ、また、カッターヘッド22内に収納することが可能とされている。シリンダには、シリンダの伸縮圧を測定するための圧力測定部として圧力計と、シリンダの伸縮長を測定するための伸縮長測定部としてストローク計とが設けられている。
【0055】
シリンダの伸縮圧および伸縮長は、コピーカッタ32の掘削対象への貫入圧および貫入量に相当する。コピーカッタ32を突出させ、貫入するときの貫入圧および貫入量は、砂礫層、砂質土層、粘性土層等の土層によって異なる。砂礫層のような硬い層ほど、貫入圧が大きく、貫入量が減少する。一方、粘性土層のような軟らかい層ほど、貫入圧が小さく、貫入量が増加する。検出部は、コピーカッタ32の突出に関する情報を検出することもでき、上記の圧力計と上記のストローク計とを含むことができる。
【0056】
そこで、カッターヘッド22の外周を回転するコピーカッタ32を所定の角度回転させる毎に(所定の回転ピッチで)、カッターヘッド22の回転を一旦停止し、コピーカッタ32をシリンダにより突出させ、圧力計およびストローク計により貫入圧および貫入量を測定する。コピーカッタ32が一周する分の測定結果を得ることで、カッターヘッド22の下端から上端までの間に存在する土層の分布を検知することが可能となる。
【0057】
図5に示す例でも、
図1に示したボーリング調査や文献調査等により掘削対象の土層分布を大まかに把握しておく。ステップ200からシールドマシン20により掘削を開始し、ステップ201において、シールドマシン20が一定の距離掘進したところで停止し、1つの計測地点での土層分布の検知を開始する。
【0058】
土層分布を検知するタイミングは、例えば、シールドマシン20でセグメント28を周方向に組み立ててセグメントリングを1リング分構築し、1リング分前進させたタイミングとすることができる。なお、これは一例であるので、これに限られるものではなく、2リング分前進させた後や3リング分前進させた後等のタイミングであってもよい。また、文献調査等で大まかに把握した土層の境界付近で実施してもよい。どのタイミングで検知するかは、管理者等が適時選択することができる。
【0059】
ステップ202では、シールドマシン20のカッターヘッド22の外周からコピーカッタ32を突出させる。ステップ203で、検出部により、コピーカッタ32の掘削対象への貫入圧および貫入量を検出する。検出後、ステップ204で、コピーカッタ32をカッターヘッド22内に一旦収納する。
【0060】
ステップ205で、カッター旋回電動モータ23を駆動し、カッターヘッド22を一定角度回転させ、カッター旋回電動モータ23を停止する。すなわち、コピーカッタ32をカッターヘッド22の外周に沿った次の位置に移動させる。ステップ206で、コピーカッタ32が一周したかを判定し、一周していない場合、ステップ202へ戻り、ステップ202~ステップ206の作業を繰り返す。すなわち、コピーカッタ32の位置を順に変え、コピーカッタ32をその都度突出させて、貫入圧および貫入量を検出する。
【0061】
コピーカッタ32が一周した場合、ステップ207へ進み、コピーカッタ32の回転角度と、コピーカッタ32による貫入圧および貫入量に対応する土層とを対応付け、土層分布として情報処理装置が備える表示部に表示し、ステップ208で、その地点での土層分布の検知を終了する。
【0062】
コピーカッタ32の回転角度は、例えば30°毎とすることができるが、これに限られるものではなく、15°毎や45°毎等であってもよく、精度良く測定するためには細かい角度とすることが望ましい。
【0063】
コピーカッタ32を出し入れし、コピーカッタ32の1周分の検出結果のみを使用し、土層分布を検知してもよいが、コピーカッタ32の数周分の検出結果の平均を使用したほうが、検知精度が向上するため、望ましい。
【0064】
1つの地点で土層分布の検知が終了した後、カッターヘッド22を回転させながらシールドジャッキ30を伸ばしてセグメントリングを構築し、次の地点で、
図5に示す各ステップを実施して土層分布を検知することができる。この作業は、シールドマシン20による掘削が終了するまで繰り返すことができる。
【0065】
コピーカッタ32は、従来から使用されている構造のものを用いることができる。
図6は、従来のコピーカッタ32の構造の一例を示した図である。コピーカッタ32は、カッターヘッド22の外周部の外枠34に形成された穴35から出し入れされる切削部40と、切削部40に連続する棒状部41と、棒状部41とピン42を介して回転可能に連結される軸受部43と、軸受部43が連結される受板部44とを備える。
【0066】
コピーカッタ32は、受板部44を油圧によって一定の方向に移動させる中空の筒状部45と、筒状部45からカッターヘッド22の外枠34へと連続する中空の錐状部46と、棒状部41を直動させるようにリニアに案内するガイドブロック47と、棒状部41とガイドブロック47との間に、棒状部41の摺動による摩耗を抑制するための摩耗用板材48とを備える。棒状部41の摩耗用板材48に隣接する面は、平坦な面とされ、棒状部41が回らない構造とされている。
【0067】
また、コピーカッタ32は、穴35の略中央位置に切削部40が保持されるように、棒状部41の切削部40側を固定する固定用ブロック49を備える。穴35は、外部の土砂が錐状部46内に入り込まないように、固定用ブロック49とともに蓋部50により閉鎖される。
【0068】
コピーカッタ32は、筒状部45内の油圧が上昇すると、受板部44が切削部40側へ移動し、受板部44に連続する軸受部43、棒状部41が切削部40側へ移動し、切削部40がカッターヘッド22の外枠34から突出する。
【0069】
コピーカッタ32は、筒状部45内の油圧が低下すると、受板部44が切削部40とは反対側へ移動し、受板部44に連続する軸受部43、棒状部41が当該反対側へ移動し、外枠34から突出した切削部40が、錐状部46内に収納される。
【0070】
棒状部41は、固定用ブロック49が備える穴に挿通され、その穴の壁面と棒状部41との間には、ほぼ隙間が存在しない。このため、棒状部41は、傾斜することもなく、一定の方向にほぼリニアに移動することが保証される。
【0071】
図4に示した土層分布を検知する作業の第1の例では、
図6に示したコピーカッタ32を使用し、トルクにより土質を判定し、土層分布を検知することができる。このトルクによる土質判定は、その判定が容易な土質に対して有効である。一方、その判定が微妙な土質に対しては、トルクによる土質判定では適切に判定することができない場合がある。すなわち、トルクによる土質判定では、コピーカッタ32によるトルクにカッターヘッド22のトルクを加えたものをトルクとして検出するため、土層の変化に伴うコピーカッタ32によるトルクの変化が微小の場合、掘進停止中であっても、カッターヘッド22のトルクが全体トルクに占める割合が大きくなって、微妙な土質の判定を行うことが難しくなるからである。
【0072】
具体的には、土質が、礫と砂、砂と粘性土、礫と粘性土のように、検出されるトルクに差がはっきり現れるものについては、トルクによる土質判定により、容易に土質を判定することができる。一方、礫と礫質土、砂と砂質土、シルトと粘性土のように、検出されるトルクに差がはっきり現れないものについては、微妙な土質として、トルクによる土質判定により土質を判定することが難しい。
【0073】
従来のコピーカッタ32では、コピーカッタ32に作用する物理量を直接検出することができないため、上記のような微妙な土質判定を行うことが困難である。そこで、コピーカッタ32に作用する物理量を直接検出することができる特殊な構造のコピーカッタ32を用いれば、このような微妙な土質判定を行うことが可能になるものと考えられる。
【0074】
コピーカッタ32に作用する物理量としては、トルク等が考えられるが、簡易な機器で簡易に計測できることが望ましく、例えば、歪みゲージを用いて検出される反力と、その計測位置の半径方向アーム長を用いて算出される曲げモーメントが考えられる。
【0075】
図7は、特殊な構造のコピーカッタ60の一例を示した図である。
図7(a)は、コピーカッタ60の構造を示した図で、
図7(b)は、切断線A-Aで切断した断面図で、
図7(c)は、切断線B-Bで切断した断面図である。コピーカッタ60は、従来のコピーカッタ32と同様、カッターヘッド22の外周部の外枠34に形成された穴35から出し入れされる切削部61と、切削部61に連続する棒状部62と、棒状部62とピン63を介して回転可能に連結される軸受部64と、軸受部64が連結される受板部65とを備える。
【0076】
コピーカッタ60は、受板部65を油圧によって一定の方向に移動させる中空の筒状部66と、筒状部66からカッターヘッド22の外枠34へと連続する中空の錐状部67と、棒状部62を直動させるようにリニアに案内するガイドブロック68と、棒状部62とガイドブロック68との間に、棒状部62の摺動による摩耗を抑制するための摩耗用板材69とを備える。棒状部62の摩耗用板材69に隣接する面は、平坦な面とされ、棒状部41が回らない構造とされている。
【0077】
また、コピーカッタ60は、穴35の略中央位置に切削部61が保持されるように、棒状部62の切削部61側を固定する固定用ブロック70を備える。穴35は、外部の土砂が錐状部67内に入り込まないように、蓋部71により閉鎖される。
【0078】
以上の構造は、従来の構造と同様であるが、コピーカッタ60は、反力を検出するために歪みゲージ72が、反力検出部として、ガイドブロック68に取り付けられる。ガイドブロック68は、棒状部62を挟んで、カッターヘッド22の回転方向の両側に配置され、それぞれのガイドブロック68に歪みゲージ72が取り付けられる。歪みゲージ72は、ガイドブロック68の伸縮により変化する電気抵抗を測定して歪みを検出する簡易な機器である。
【0079】
ガイドブロック68が棒状部62の長手方向の1点における両側にしか連結されていない場合、固定用ブロック70と棒状部62との間に隙間がないため、切削部61が受けた外力に対し、固定用ブロック70に外力とは反対の反力が作用する。また、棒状部62と摩耗用板材69との間にも隙間がないため、摩耗用板材69に連続するガイドブロック68に外力と同じ方向の反力が作用する。
【0080】
このため、その反力によって、棒状部62を挟んだ一方のガイドブロック68がどれだけ伸長され、他方のガイドブロック68がどれだけ圧縮されているかを検出することができる。また、ガイドブロック68の、棒状部62の長手方向の中央に対し、切削部61側と、その反対側である受板部65側とに2つの歪みゲージを設けることで、1つのガイドブロック68のどちらの側がどれだけ伸長され、他方の側がどれだけ圧縮されているかを検出することができる。これらの変形量を歪みとして計測することにより、各ガイドブロック68に作用する反力1を検出することができる。また、ガイドブロック68の下側に設けられるガイドブロック75も、ガイドブロック68と同様の構成であるため、同様にして、反力2を検出することができる。そして、これらの反力1、2と各ブロックの半径方向アーム長を乗じることによって、コピーカッタ32に作用する曲げモーメントを算出することができる。半径方向アーム長は、
図7に示すように、受板部65のガイドブロック75に向いた面から、ガイドブロック68、75の、棒状部62の長手方向への幅の中央までの距離L
1、L
2である。
【0081】
コピーカッタ60に作用する曲げモーメントを正確に検出するには、固定用ブロック70に作用する反力をなくし、ガイドブロック68、75に反力を作用させる必要がある。そこで、棒状部62が固定用ブロック70に当接して反力が作用しないように、固定用ブロック70に隙間を設けつつ、その厚さを薄くすることができる。固定用ブロック70の厚さは、コピーカッタ60の突出方向(棒状部62の長手方向と同じ)の長さである。
【0082】
ただし、その隙間を設けただけでは、錐状部67内へ土砂が流入してしまう。そこで、その隙間を、容易に変形するゴム等の弾性体により製作されたパッキン73で埋めることができる。
【0083】
固定用ブロック70は、一例として、
図7(a)に拡大して示すように、棒状部62側に向いて開口する溝74が設けられ、その溝74内にパッキン73を収納する構造とされる。パッキン73は、溝74内から一部が露出するサイズとされ、固定用ブロック70を取り付けた場合、固定用ブロック70は、棒状部62と接しないが、パッキン73が棒状部62と接して土砂の流入を防止する構成とされる。
【0084】
ガイドブロック68は、棒状部62の長手方向の1点を支持するように、カッターヘッド22の回転方向の棒状部62を挟んだ両側を1組とし、その1組のみで構成されていてもよいが、
図7(a)に示すように、固定用ブロック70に近い切削部61側のガイドブロック68と、受板部65側のガイドブロック75との2組で構成されていてもよい。なお、ガイドブロックは、3組以上で構成されていてもよい。
【0085】
このような特殊な構造のコピーカッタ60を採用することで、コピーカッタ60に作用する物理量として、曲げモーメントを直接検出することができ、検出した曲げモーメントから、微妙な土質の判定が可能となる。
【0086】
図8は、
図7に示したコピーカッタ32を使用して土層分布を検知する作業の流れを示したフローチャートである。この作業は、ステップ300からシールドマシン20により掘削を開始し、ステップ301において、シールドマシン20が一定の距離掘進したところで停止し、1つの地点での土層分布の検知を開始する。ステップ302で、シールドマシン20のカッターヘッド22の外周からコピーカッタ32を突出させる。コピーカッタ32の突出長さは、任意に決定することができる。ステップ303では、コピーカッタ32を突出させた状態でカッター旋回電動モータ23を駆動し、カッターヘッド22を回転させる。
【0087】
ステップ304では、検出部を使用して、カッターヘッド22の外周に沿って移動するコピーカッタ32の回転角度に応じて、コピーカッタ32の曲げモーメントを検出する。
【0088】
ステップ305では、コピーカッタ32をカッターヘッド22に収納し、カッター旋回電動モータ23を停止する。ステップ306では、コピーカッタ32の回転角度に対応する位置と、コピーカッタ32の曲げモーメントに対応する土層とを対応付け、土層分布として情報処理装置が備える表示部に表示し、ステップ307で、その地点での土層分布の検知を終了する。
【0089】
以上に説明してきたように、切羽の土層分布を直接検知し、把握することができるため、リアルタイムで掘削土量や添加材の適正管理に役立てることができ、地盤変化への対応を迅速に行うことができる。また、既存の部材や手段等を使用し、掘削停止中にトルクや貫入圧等の検出を行うため、安価で簡易に土層分布を検知することが可能となる。
【0090】
また、
図7に示した特殊なコピーカッタ60を用いることで、歪みゲージ72により曲げ応力を検出することで、微妙な土質も判定することが可能となる。
【0091】
これまで本発明の土層分布検知方法について図面に示した実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。したがって、
図7に示したコピーカッタ60や、
図7に示したコピーカッタ60を備えたシールドマシン等の掘削機械も提供することが可能である。
【符号の説明】
【0092】
10…発進立坑
11…回転立坑
12…孔
13…経路
20…シールドマシン
21…スキンプレート
22…カッターヘッド
23…カッター旋回電動モータ
24…隔壁
25…チャンバー
26…送泥管
27…排泥管
28…セグメント
29…エレクター
30…シールドジャッキ
32…コピーカッタ
33…カッタービット
34…外枠
35…穴
40…切削部
41…棒状部
42…ピン
43…軸受部
44…受板部
45…筒状部
46…錐状部
47…ガイドブロック
48…摩耗用板材
49…固定用ブロック
50…蓋部
60…コピーカッタ
61…切削部
62…棒状部
63…ピン
64…軸受部
65…受板部
66…筒状部
67…錐状部
68、75…ガイドブロック
69…摩耗用板材
70…固定用ブロック
71…蓋部
72…歪みゲージ
73…パッキン
74…溝