(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168134
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】通信装置
(51)【国際特許分類】
H05K 5/03 20060101AFI20241128BHJP
G07F 9/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H05K5/03 B
G07F9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084567
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱田 公介
【テーマコード(参考)】
3E044
4E360
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044DE01
3E044FB20
4E360AB02
4E360AB08
4E360AB13
4E360BA08
4E360BB22
4E360BC04
4E360BC06
4E360BD03
4E360BD05
4E360EA18
4E360EA25
4E360EC05
4E360EC12
4E360EC16
4E360ED03
4E360ED23
4E360ED28
4E360GA04
4E360GA08
4E360GA11
4E360GA12
4E360GA47
4E360GA52
4E360GA53
4E360GB25
(57)【要約】
【課題】通信モジュールの交換作業を簡単なものとすること。
【解決手段】内部に通信モジュール12が配設された装置本体10と、装置本体10に形成された開口11を閉塞する態様で、装置本体10に着脱可能に装着される蓋体30とを備えた通信装置1であって、通信モジュール12に接続された通信用コネクタ40を、自身に形成された保持孔21を貫通させた状態で保持するプレート状の保持部材20を備え、保持部材20は、蓋体30が装置本体10に装着される場合に、通信用コネクタ40における外部要素との接続部41が外部に露出した状態で、装置本体10と蓋体30とに跨る態様で取り付けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に通信モジュールが配設された装置本体と、
前記装置本体に形成された開口を閉塞する態様で、該装置本体に着脱可能に装着される蓋体と
を備えた通信装置であって、
前記通信モジュールに接続された通信用コネクタを、自身に形成された保持孔を貫通させた状態で保持するプレート状の保持部材を備え、
前記保持部材は、前記蓋体が前記装置本体に装着される場合に、前記通信用コネクタにおける外部要素との接続部が外部に露出した状態で、前記装置本体と前記蓋体とに跨る態様で取り付けられたことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記保持部材は、略矩形状を成しており、かつ前記蓋体が前記装置本体に装着される場合に、一縁部が該装置本体に形成された本体側取付凹部に進入するとともに前記一縁部と反対側の他縁部が前記蓋体に形成された蓋体側取付凹部に進入することにより、前記装置本体と前記蓋体とに跨る態様で取り付けられたことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記保持部材の前記一縁部には、一部が切り欠かれることにより、一縁部側切欠部が形成されており、
前記保持部材は、前記一縁部側切欠部における前記他縁部に近接する他縁部近接縁端部分が前記本体側取付凹部に進入することにより、前記装置本体に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記保持部材の前記他縁部には、一部が切り欠かれることにより、他縁部側切欠部が形成されており、
前記保持部材は、前記他縁部側切欠部における前記一縁部に近接する一縁部近接縁端部分が前記蓋体側取付凹部に進入することにより、前記蓋体に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項5】
前記本体側取付凹部は、前記保持部材の一縁部が進入する進入口から離隔するに連れて、開口幅寸法が漸次小さくなることを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項6】
前記蓋体側取付凹部は、前記保持部材の他縁部が進入する進入口から離隔するに連れて、開口幅寸法が漸次小さくなることを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば缶やペットボトル等の容器に入れられた飲料を商品として販売する自動販売機においては、管理サーバや、例えばタブレットやスマートフォン等の携帯端末機器と通信を行うための通信装置が設けられている。この通信装置は、ネットワークを介して管理サーバと例えばLTE(登録商標)等の通信方式で無線通信を行ったり、携帯端末機器と例えばBluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)等の通信方式で近距離無線通信を行ったりするものである(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1には明示されていないが、上記通信装置においては、各通信方式に対応した通信モジュールが装置本体の内部に配設されているとともに、対応する通信モジュールに接続された通信用コネクタが、アンテナ等の外部要素と接続する接続部が外部に露出した状態で装置本体に取り付け固定されている。
【0005】
そのため、自動販売機が設置される国や地域等によって通信モジュールを交換する場合、装置本体に取り付け固定された通信用コネクタが邪魔となり、通信モジュールの交換作業が煩雑なものとなるおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、通信モジュールの交換作業を簡単なものとすることができる通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る通信装置は、内部に通信モジュールが配設された装置本体と、前記装置本体に形成された開口を閉塞する態様で、該装置本体に着脱可能に装着される蓋体とを備えた通信装置であって、前記通信モジュールに接続された通信用コネクタを、自身に形成された保持孔を貫通させた状態で保持するプレート状の保持部材を備え、前記保持部材は、前記蓋体が前記装置本体に装着される場合に、前記通信用コネクタにおける外部要素との接続部が外部に露出した状態で、前記装置本体と前記蓋体とに跨る態様で取り付けられたことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記通信装置において、前記保持部材は、略矩形状を成しており、かつ前記蓋体が前記装置本体に装着される場合に、一縁部が該装置本体に形成された本体側取付凹部に進入するとともに前記一縁部と反対側の他縁部が前記蓋体に形成された蓋体側取付凹部に進入することにより、前記装置本体と前記蓋体とに跨る態様で取り付けられたことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記通信装置において、前記保持部材の前記一縁部には、一部が切り欠かれることにより、一縁部側切欠部が形成されており、前記保持部材は、前記一縁部側切欠部における前記他縁部に近接する他縁部近接縁端部分が前記本体側取付凹部に進入することにより、前記装置本体に取り付けられることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記通信装置において、前記保持部材の前記他縁部には、一部が切り欠かれることにより、他縁部側切欠部が形成されており、前記保持部材は、前記他縁部側切欠部における前記一縁部に近接する一縁部近接縁端部分が前記蓋体側取付凹部に進入することにより、前記蓋体に取り付けられることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上記通信装置において、前記本体側取付凹部は、前記保持部材の一縁部が進入する進入口から離隔するに連れて、開口幅寸法が漸次小さくなることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、上記通信装置において、前記蓋体側取付凹部は、前記保持部材の他縁部が進入する進入口から離隔するに連れて、開口幅寸法が漸次小さくなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、通信モジュールに接続された通信用コネクタを自身に形成された保持孔を貫通させた状態で保持するプレート状の保持部材が、蓋体が装置本体に装着される場合に、通信用コネクタにおける外部要素との接続部が外部に露出した状態で、装置本体と蓋体とに跨る態様で取り付けられているので、蓋体を装置本体から取り外すことにより、保持部材を装置本体及び蓋体から離脱させることができ、通信用コネクタが通信モジュールの交換作業を阻害するおそれがない。従って、通信モジュールの交換作業を簡単なものとすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態である通信装置の外観構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態である通信装置の分解斜視図である。
【
図5】
図5は、
図2に示した保持部材を示す斜視図であり、一部の通信用コネクタの図示を省略している。
【
図6】
図6は、
図5に示した保持部材が
図3及び
図4に示した装置本体に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、
図1に示した通信装置の要部の断面を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、
図8に示した状態における保持部材と蓋体との取付状態を示すための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る通信装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1及び
図2は、それぞれ本発明の実施の形態である通信装置を示すものであり、
図1は外観構成を示す斜視図であり、
図2は分解斜視図である。
【0017】
ここで例示する通信装置1は、例えば缶やペットボトル等の容器に入れられた飲料を商品として販売する自動販売機に適用されるものであり、図には明示しないが、ネットワークを介して管理サーバと例えばLTE(登録商標)等の通信方式で無線通信を行ったり、携帯端末機器と例えばBluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)等の通信方式で近距離無線通信を行ったりするものである。
【0018】
そのような通信装置1は、装置本体10と、保持部材20と、蓋体30とを備えて構成されている。尚、以下においては、
図1及び
図2に示した方向に基づいて通信装置1の各部について説明する。
【0019】
装置本体10は、上壁部10aの一部と前壁部10bの一部とに跨る態様で開口11が形成された箱状のものである。この開口11は、上壁部10aに形成された上壁開口部11aと、前壁部10bに形成された前壁開口部11bとを有し、これら上壁開口部11aと前壁開口部11bとが互いに連続して構成されている。
【0020】
上記装置本体10の内部には、複数の通信モジュール12が配設されている。複数の通信モジュール12としては、例えばLTE(登録商標)の通信方式で無線通信を行うものや、例えばBluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)等の通信方式で近距離無線通信を行うものである。
【0021】
そのような装置本体10における上壁開口部11aの左右両縁部分においては、
図3にも示すように、該上壁開口部11aの内方に向けて突出する突出部分13が前後に2つずつ形成されている。
【0022】
また、装置本体10における前壁開口部11bの下縁部分には、複数(図示の例では3つ)の半円形状の本体側挿通孔構成部14が、左右方向に沿って並ぶように形成されている。また、装置本体10の前壁部10bにおいては、後面に本体側取付凹部15が形成されている。
【0023】
本体側取付凹部15は、
図4にも示すように、前壁部10bより後方に向けて延在する後方延在部151と、この後方延在部151の延在端部分である後端部分より上方に向けて延在する上方延在部152とが一体的に形成されることにより、前壁部10bと上方延在部152との相互間に形成されている。つまり、後方延在部151が本体側取付凹部15の底部分を構成している。
【0024】
上記上方延在部152における左右方向の中央部分は、その上端部分が前方に配置された本体側挿通孔構成部14(中央の本体側挿通孔構成部14)の下縁部分よりも低くなるように切り欠かれている。
【0025】
上記本体側取付凹部15は、前後寸法、すなわち開口幅寸法が保持部材20の厚みよりも僅かに大きくなるように形成されており、上端開口15aが保持部材20の進入口を構成している。この本体側取付凹部15では、
図4に示したように、下方に向かうに連れて、すなわち上端開口15aから離隔するに連れて、開口幅寸法(前後寸法)が漸次小さくなるように形成されている。
【0026】
保持部材20は、略矩形状をなすプレート状部材であり、左右方向が長手方向となる長尺板状体である。この保持部材20は、
図5に示すように、保持孔21が形成されている。保持孔21は、通信用コネクタ40を貫通させるための孔であり、左右方向に沿って複数(図示の例では3つ)設けられている。これにより、保持部材20は、それぞれの保持孔21に通信用コネクタ40を貫通させた状態で保持している。これら通信用コネクタ40は、それぞれ通信方式に対応しており、通信方式が一致する通信モジュール12に接続されている。また、これら通信用コネクタ40は、通信モジュール12に接続された側と反対側には、外部要素であるアンテナと接続するための接続部41が設けられている。
【0027】
上記保持部材20においては、下縁部側切欠部(一縁部側切欠部)22及び複数(図示の例では2つ)の上縁部側切欠部(他端部側切欠部)23が形成されている。
【0028】
下縁部側切欠部22は、保持部材20における下縁部(一縁部)の左右方向の中央部分、すなわち、中央の保持孔21の下方部分において、略矩形状に切り欠かれることにより形成されている。この下縁部側切欠部22の左右方向の寸法は、上記本体側取付凹部15の左右寸法よりも僅かに大きいものである。
【0029】
複数の上縁部側切欠部23は、保持部材20における上縁部(他縁部)に形成されている。すなわち、一方の上縁部切欠部は、左方の保持孔21と中央の保持孔21との間の上縁部に形成されており、他方の上縁部切欠部は、中央の保持孔21と右方の保持孔21との間の上縁部に形成されている。
【0030】
そのような保持部材20は、
図6に示すように、各通信用コネクタ40の接続部41が対応する本体側挿通孔構成部14から外部に露出される態様で、下縁部側切欠部22における上部縁端部分(一縁部側切欠部における他縁部に近接する他縁部近接縁端部分)22aが本体側取付凹部15に上端開口15aから進入して後方延在部151の上面に載置されて装置本体10に取り付けられている。
【0031】
蓋体30は、装置本体10に形成された開口11を閉塞するためのものであり、
図7にも示すように、基部31と前端下延部32とが一体的に成形されて構成されている。
【0032】
基部31は、全体として略平板状を成しており、上壁開口部11aを閉塞するのに十分な大きさを有している。この基部31においては、後端部分に下方に向けて延在する後端下延部311が形成されているとともに、左右両側部分に複数の係止部312が形成されている。
【0033】
前端下延部32は、基部31の前端部分より下方に向けて延在する平板状部分であり、前壁開口部11bを閉塞するのに十分な大きさを有している。この前端下延部32の下端部分には、複数(図示の例では3つ)の半円形状の蓋体側挿通孔構成部34が、左右方向に沿って並ぶように形成されている。
【0034】
これら蓋体側挿通孔構成部34は、後述するように蓋体30が開口11を閉塞する態様で装置本体10に装着される場合に、対応する本体側挿通孔構成部14とともに円形状の挿通孔33を構成するものである。
【0035】
より詳細に説明すると、左方の蓋体側挿通孔構成部34は、左方の本体側挿通孔構成部14とともに挿通孔33を構成し、中央の蓋体側挿通孔構成部34は、中央の本体側挿通孔構成部14とともに挿通孔33を構成し、右方の蓋体側挿通孔構成部34は、右方の本体側挿通孔構成部14とともに挿通孔33を構成する。
【0036】
これら挿通孔33は、対応する通信用コネクタ40の接続部41の外径よりも僅かに大きい内径を有しており、接続部41が挿通することを許容するものである。
【0037】
上記蓋体30においては、複数(
図7の例では2つ)の凹部構成部35と、複数の(
図7の例では2つ)の補助凹部構成部36とが形成されている。
【0038】
凹部構成部35は、基部31の前端部分の下面と前端下延部32の上端部分の後面とに連続するブロック状部材であり、左右方向の寸法が、上記上縁部側切欠部23の左右寸法よりも僅かに小さいものである。これら凹部構成部35は、左方の蓋体側挿通孔構成部34と中央の蓋体側挿通孔構成部34との間、並びに中央の蓋体側挿通孔構成部34と右方の蓋体側挿通孔構成部34との間に形成されている。
【0039】
これら凹部構成部35には、下方に開口する蓋体側取付凹部351が形成されている。蓋体側取付凹部351は、前後寸法、すなわち開口幅寸法が保持部材20の厚みよりも僅かに大きくなるように形成されており、下端開口351aが保持部材20の進入口を構成している。これら蓋体側取付凹部351では、上方に向かうに連れて、すなわち下端開口351aから離隔するに連れて、開口幅寸法(前後寸法)が漸次小さくなるように形成されている。
【0040】
補助凹部構成部36は、基部31の左右両側部分の前端部分より下方に向けて延在する部材である。これら補助凹部構成部36は、前端下延部32との相互間に補助凹部361を構成している。これら補助凹部361は、前後寸法、すなわち開口幅寸法が保持部材20の厚みよりも僅かに大きくなるように形成されており、下端開口361aが保持部材20の進入口を構成している。これら補助凹部361では、上方に向かうに連れて、すなわち下端開口361aから離隔するに連れて、開口幅寸法(前後寸法)が漸次小さくなるように形成されている。
【0041】
そのような蓋体30は、基部31の左右両側部分が突出部分13の上面に載置されつつ、複数の係止部312が上壁開口部11aの左右両縁部に係止することにより、開口11を閉塞する態様で装置本体10に装着される。この場合においては、基部31の後端下延部311が、後方側の突出部分13と上壁開口部11aの後縁部との隙間に進入することにより、蓋体30は、前後及び左右の変位が規制されている。
【0042】
このようにして蓋体30が装置本体10に装着される場合に、
図8及び
図9に示すように、保持部材20は、上縁部側切欠部23における下部縁端部分(他縁部側切欠部における一縁部に近接する一縁部近接縁端部分)23aが蓋体側取付凹部351に下端開口351aから相対的に進入するとともに、上縁部の左右両端部分が補助凹部361に下端開口361aから相対的に進入することにより、蓋体30に取り付けられている。
【0043】
この場合において、蓋体側挿通孔構成部34は対応する本体側挿通孔構成部14と挿通孔33を構成し、通信用コネクタ40の接続部41を挿通させている。これにより、保持部材20は、蓋体30が装置本体10に装着される場合に、通信用コネクタ40における接続部41が外部に露出した状態で、装置本体10と蓋体30とに跨る態様で取り付けられている。
【0044】
一方、蓋体30は、複数の係止部312を弾性変形させて上壁開口部11aの左右両縁部との係止状態を解除した場合、装置本体10から離脱可能である。すなわち、蓋体30は、装置本体10に形成された開口11を閉塞する態様で、該装置本体10に着脱可能に装着されるものである。かかる蓋体30が装置本体10から離脱した場合、保持部材20は、本体側取付凹部15から離脱することにより、装置本体10から取り外すことができる。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態である通信装置1によれば、通信モジュール12に接続された通信用コネクタ40を、自身に形成された保持孔21を貫通させた状態で保持するプレート状の保持部材20が、蓋体30が装置本体10に装着される場合に、通信用コネクタ40における外部要素との接続部41が外部に露出した状態で、装置本体と蓋体とに跨る態様で取り付けられているので、蓋体30を装置本体10から取り外すことにより、保持部材20を装置本体10及び蓋体30から離脱させることができ、通信用コネクタ40が通信モジュール12の交換作業を阻害するおそれがない。従って、通信モジュール12の交換作業を簡単なものとすることができる。
【0046】
そのように蓋体30を装置本体10から取り外すことにより、保持部材20を装置本体10及び蓋体30から離脱させることができるので、通信装置1の小型化を図ることができる。
【0047】
上記通信装置1によれば、保持部材20の下縁部には一部が切り欠かれることにより、下縁部側切欠部22が形成されており、保持部材20は、下縁部側切欠部22における上部縁端部分22aが本体側取付凹部15に上端開口15aから進入することにより、装置本体10に取り付けられるので、位置ずれを防止するとともに、保持部材20の前後方向の移動を規制しつつ左右方向の移動を規制することができ、取付強度の向上を図ることができる。
【0048】
上記通信装置1によれば、保持部材20の上縁部には、一部が切り欠かれることにより、上縁部側切欠部23が形成されており、保持部材20は、上縁部側切欠部23における下部縁端部分23aが蓋体側取付凹部351に下端開口351aから相対的に進入することにより、蓋体30に取り付けられるので、位置ずれを防止するとともに、保持部材20の前後方向の移動を規制しつつ左右方向の移動を規制することができ、取付強度の向上を図ることができる。
【0049】
しかも、保持部材20は、上縁部の左右両端部分が補助凹部361に下端開口361aから相対的に進入することにより、蓋体30に取り付けられているので、接続部41(特に左方の通信用コネクタ40の接続部41及び右方の通信用コネクタ40の接続部41)に外部端子等が接続される際に押圧されても保持部材20が変形等することを抑制することができる。
【0050】
上記通信装置1によれば、本体側取付凹部15は、上端開口15aから離隔するに連れて開口幅寸法(前後寸法)が漸次小さくなるように形成されているので、保持部材20の上部縁端部分22aを本体側取付凹部15に容易に進入させることができる。。
【0051】
上記通信装置1によれば、蓋体側取付凹部351は、下端開口351aから離隔するに連れて開口幅寸法(前後寸法)が漸次小さくなるように形成されているので保持部材20の下部縁端部分23aを蓋体側取付凹部351に容易に進入させることができる。
【0052】
このように本体側取付凹部15が上端開口15aから離隔するに連れて開口幅寸法が漸次小さくなるように形成されるとともに、蓋体側取付凹部351が下端開口351aから離隔するに連れて開口幅寸法が漸次小さくなるように形成され、しかも補助凹部361が下端開口361aから離隔するに連れて開口幅寸法が漸次小さくなるように形成されているので、装置本体10、保持部材20及び蓋体30の寸法誤差を吸収することができる。
【0053】
上記通信装置1によれば、装置本体10に形成された本体側挿通孔構成部14と、蓋体30に形成された蓋体側挿通孔構成部34とにより、通信用コネクタ40の接続部41を挿通させる挿通孔33を構成しているので、接続部41を挿通させる部分での強度を向上させることができ、装置本体10及び蓋体30の変形等を防止することができる。
【0054】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0055】
上述した実施の形態では、保持部材20の一部を装置本体10に形成された本体側取付凹部15に進入させるとともに、蓋体30に形成された蓋体側取付凹部351に進入させることにより保持部材20を装置本体10と蓋体30とに跨る態様で取り付けるようにしていたが、本発明においては、蓋体を装置本体に装着した場合に保持部材を装置本体と蓋体とに跨る態様で取り付けることができれば、その取付手法については特に限定されるものではない。すなわち、保持部材にスリットを形成して、装置本体や蓋体に設けられた突部をスリットに挿入して取り付けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…通信装置、10…装置本体、11…開口、12…通信モジュール、14…本体側挿通孔構成部、15…本体側取付凹部、15a…上端開口、151…後方延在部、152…上方延在部、20…保持部材、21…保持孔、22…下縁部側切欠部、22a…上部縁端部分、23…上縁部側切欠部、23a…下部縁端部分、30…蓋体、31…基部、311…後端下延部、312…係止部、32…前端下延部、33…挿通孔、34…蓋体側挿通孔構成部、35…凹部構成部、36…補助凹部構成部、351…蓋体側取付凹部、351a…下端開口、361…補助凹部、361a…下端開口、40…通信用コネクタ、41…接続部。