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▶ ルメンタム オペレーションズ エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016814
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】ポンプ信号コンバイナ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/26 20060101AFI20240131BHJP
   B23K 26/36 20140101ALI20240131BHJP
   G02B 6/24 20060101ALI20240131BHJP
   G02B 6/04 20060101ALI20240131BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
G02B6/26
B23K26/36
G02B6/24
G02B6/04
G02B6/02 411
G02B6/02 356
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023116082
(22)【出願日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】63/369,448
(32)【優先日】2022-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/936,114
(32)【優先日】2022-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515288122
【氏名又は名称】ルーメンタム オペレーションズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Lumentum Operations LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100225543
【弁理士】
【氏名又は名称】上原 真
(72)【発明者】
【氏名】リュー ニン
(72)【発明者】
【氏名】ジェフ グレッグ
(72)【発明者】
【氏名】ジュウ ゴンウェン
(72)【発明者】
【氏名】パン シャン
(72)【発明者】
【氏名】スン グアン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー クツリス
【テーマコード(参考)】
2H036
2H137
2H250
4E168
【Fターム(参考)】
2H036JA02
2H036JA04
2H137AA13
2H137AB01
2H137AB06
2H137BA07
2H137BA13
2H137BA15
2H137BA21
2H137BA23
2H137BA24
2H137CC11
2H137EA02
2H137EA03
2H137EA04
2H137EA08
2H250AA09
2H250AB03
2H250AB27
2H250AC04
2H250AC12
2H250AC13
2H250AC23
2H250AC25
2H250AC32
2H250AC33
2H250AC37
2H250AH32
2H250BC01
2H250CA02
2H250CC16
2H250CD22
2H250CZ09
4E168AD00
4E168DA23
4E168JA14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ポンプ信号コンバイナ、及び、信号ファイバがアップテーパ付けしたファイバコアを含むように前処理することによって形成されるポンプ信号コンバイナに関する。
【解決手段】システムは、アップテーパ付けプロセス、アップテーパ付け除去プロセス、束状化プロセス、束一体化プロセス、取付けプロセスを実施して、信号ファイバが、第1厚みプロファイルを有するファイバコア、及びアップテーパ付けした第2の厚みプロファイルを有するファイバクラッド、を持ち、信号ファイバのファイバクラッドが、信号ファイバと、及び1つ以上のポンプファイバのセットとを束構成になるように束ねることができ、束構成が一体化束構成し、、一体化束構成の端部を出力ファイバの端部に取り付けさせることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ信号コンバイナを形成する方法であって、
システムによってアップテーパ付けプロセスを実施して、信号ファイバが、第1のアップテーパ付けした厚みプロファイルを有するファイバコアと、及び第2のアップテーパ付けした厚みプロファイルを有するファイバクラッドと、を持つようにさせるステップと、
前記アップテーパ付けプロセスを実施した後、前記システムによってアップテーパ付け除去プロセスを実施して、前記信号ファイバのファイバクラッドが、前記第2のアップテーパ付けした厚みプロファイルを有さないようにさせるステップと、
前記アップテーパ付け除去プロセスを実施した後、前記システムによって束状化プロセスを実施して、前記信号ファイバと、1つ以上のポンプファイバのセットとを束構成になるよう束ねるステップと、
前記束状化プロセスを実施した後、前記システムによって束一体化プロセスを実施して、前記束構成が一体化束構成を形成するようにさせるステップと、並びに、
前記束一体化プロセスを実施した後、前記システムによって取付けプロセスを実施して、前記一体化束構成の端部を出力ファイバの端部に取り付けさせるステップと、備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記アップテーパ付けプロセスを実施するステップは、前記信号ファイバの一部分に熱及び圧縮力を加えるステップ、並びに、前記信号ファイバの一部分を割断するステップ
を含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記アップテーパ付けプロセスを実施するステップは、
別の信号ファイバの一部分に熱及び引張力を加えるステップ、
前記別の信号ファイバの一部分を割断するステップ、並びに、
前記信号ファイバに前記別の信号ファイバを継ぎ合わせるステップ
を含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、前記信号ファイバに前記別の信号ファイバを継ぎ合わせるステップは、
前記信号ファイバの端部に、前記別の信号ファイバの一部分に関連する前記別の信号ファイバの端部を継ぎ合わせるステップであって、
前記信号ファイバの端部における前記信号ファイバのファイバコアの厚みが、前記別の信号ファイバの端部における前記別の信号ファイバのファイバコアの厚みと一致するものとする、
該継ぎ合わせるステップを含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、前記アップテーパ付け除去プロセスは、エッチングプロセス、レーザ加工プロセス、又は機械加工プロセスのうちの少なくとも1つを実施するステップを含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記アップテーパ付け除去プロセスを実施するステップは、前記ファイバクラッドが、
前記信号ファイバの長さに沿って均一な厚みプロファイル、又は、
前記信号ファイバの長さに沿って階段状の厚みプロファイル
を有するようにさせる、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記束一体化プロセスを実施するステップは、
前記束構成の一部分に熱及び引張力を加えるステップであって、
前記信号ファイバ及び前記1つ以上のポンプファイバのセットを、前記束構成の一部分に沿って互いに融着する、並びに、
前記信号ファイバのファイバコアが、前記束構成の一部分に沿って均一な厚みプロファイルを有する
ようにさせる、該熱及び引張力を加えるステップを含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、前記取付けプロセスを実施するステップは、
前記出力ファイバの端部に前記一体化束構成の端部を継ぎ合わせるステップであって、
前記信号ファイバのファイバコアの端部を、前記一体化束構成の端部で、前記出力ファイバのファイバコアの端部に取り付け、
前記一体化束構成の端部における前記信号ファイバのファイバコアの端部の厚みが、前記出力ファイバのファイバコアの端部の厚みと一致するものとする、
該継ぎ合わせるステップを含む、方法。
【請求項9】
ポンプ信号コンバイナを形成する方法であって、
システムによってアップテーパ付けプロセスを実施して、信号ファイバが、第1のアップテーパ付けした厚みプロファイルを有するファイバコアを持つようにさせるステップと、
前記アップテーパ付けプロセスを実施した後、前記システムによって束状化プロセスを実施して、前記信号ファイバと、1つ以上のポンプファイバのセットとを束構成となるよう束ねるステップと、並びに、
前記束状化プロセスを実施した後、前記システムによって取付けプロセスを実施して、前記束構成の端部を出力ファイバの端部に取り付けるようにさせるステップと、
を備える、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、前記アップテーパ付けプロセスを実施するステップは、
前記信号ファイバの一部分に熱及び圧縮力を加えるステップ、並びに、
前記信号ファイバの一部分を割断するステップ
を含む、方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法において、前記アップテーパ付けプロセスを実施するステップは、
別の信号ファイバの一部分に熱及び引張力を加えるステップ、
前記別の信号ファイバの一部分を割断するステップ、並びに、
前記信号ファイバに前記別の信号ファイバを継ぎ合わせるステップ
を含む、方法。
【請求項12】
請求項9に記載の方法であって、さらに、前記アップテーパ付けプロセスを実施した後、且つ、前記束状化プロセスを実施する前に、アップテーパ付け除去プロセスを実施して、前記信号ファイバのファイバクラッドが、第2のアップテーパ付けした厚みプロファイルを有さないようにさせるステップを備える、方法。
【請求項13】
請求項9に記載の方法であって、さらに、前記束状化プロセスを実施した後、且つ、前記取付けプロセスを実施する前に、束一体化プロセスを実施して、前記束構成が一体化束構成を形成するようにさせるステップを備える、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、前記束一体化プロセスを実施するステップは、束構成の一部に熱及び引張力を加えるステップであって、前記信号ファイバのファイバコアが、前記束構成の一部に沿って均一な厚みプロファイルを有するようにさせるステップを含む、方法。
【請求項15】
請求項9に記載の方法において、前記取付けプロセスを実施するステップは、
前記信号ファイバのファイバコアの端部を、前記束構成の端部で、前記出力ファイバのファイバコアの端部に取り付けるステップであって、
前記束構成の端部における前記信号ファイバのファイバコアの端部の厚みが、前記出力ファイバのファイバコアの端部の厚みと一致するものとする、
該取り付けるステップを含む、方法。
【請求項16】
ポンプ信号コンバイナを形成する方法であって、
システムによってアップテーパ付けプロセスを実施して、信号ファイバが、第1のアップテーパ付けした厚みプロファイルを有するファイバコアを持つようにさせるステップと、
前記アップテーパ付けプロセスを実施した後、前記システムによって束状化プロセスを実施して、前記信号ファイバと、1つ以上のポンプファイバのセットとを束構成となるよう束ねるステップと、並びに、
前記束状化プロセスを実施した後、前記システムによって束一体化プロセスを実施して、前記束構成が一体化束構成を形成するようにさせるステップと、
を備える、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、前記アップテーパ付けプロセスを実施するステップは、前記信号ファイバの一部分に熱及び圧縮力を加えるステップを含む、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、前記アップテーパ付けプロセスを実施するステップは、
別の信号ファイバの一部分に熱及び引張力を加えるステップ、並びに、
前記信号ファイバに前記別の信号ファイバを取り付けるステップ
を含む、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法において、前記束一体化プロセスを実施するステップは、熱及び引張力を束構成の一部に加えて、前記信号ファイバのファイバコアが、前記束構成の一部に沿って均一な厚みプロファイルを有するようにさせるステップを含む、方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法において、前記アップテーパ付けプロセスを実施するステップは、前記信号ファイバが、さらに、第2のアップテーパ付けした厚みプロファイルを有するファイバクラッドを持つようにさせるものであり、また、
前記方法は、さらに、前記アップテーパ付けプロセスを実施した後、且つ、前記束状化プロセスを実施する前に、アップテーパ付け除去プロセスを実施して、前記信号ファイバのファイバクラッドが、前記第2のアップテーパ付けした厚みプロファイルを有さないようにさせるステップを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2022年7月26日に出願された「ポンプ信号コンバイナ(PUMP-SIGNAL COMBINER)」と題した米国特許出願第63/369,448号の優先権を主張する。この先行出願の開示は、本特許出願の一部とみなされ、参照により本特許出願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、全体として、ポンプ信号コンバイナ、及び、信号ファイバがアップテーパ付けしたファイバコアを含むように前処理することによって形成されるポンプ信号コンバイナに関する。
【背景技術】
【0003】
ポンプ信号コンバイナは、高出力ファイバレーザの重要な構成要素である。ポンプ信号コンバイナは、ポンプ光及び信号光を組み合わせて信号光のパワーを増加させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書で説明するいくつかの実施形態は、ポンプ信号コンバイナを形成する方法に関する。本方法は、システムによって、アップテーパ付けプロセスを実施して、信号ファイバが、アップテーパ付けした第1の厚みプロファイルを有するファイバコア、及びアップテーパ付けした第2の厚みプロファイルを有するファイバクラッド、を持つようにさせるステップを含んでもよい。本方法は、アップテーパ付けプロセスを実施した後、システムによってアップテーパ付け除去プロセスを実施して、信号ファイバのファイバクラッドが、アップテーパ付けした第2の厚みプロファイルを有さないようにさせるステップを含んでもよい。本方法は、アップテーパ付け除去プロセスを実施した後、システムによって束状化プロセスを実施して、信号ファイバと、1つ以上のポンプファイバのセットとを束構成になるよう束ねるステップを含んでもよい。本方法は、束状化プロセスを実施した後、システムによって束一体化プロセスを実施して、束構成が一体化束構成を形成するようにさせるステップを含んでもよい。本方法は、束一体化プロセスを実施した後、システムによって取付けプロセスを実施して、一体化束構成の端部を出力ファイバの端部に取り付けさせるステップを含んでもよい。
【0005】
本明細書で説明するいくつかの実施形態は、ポンプ信号コンバイナを形成する方法に関する。本方法は、システムによってアップテーパ付けプロセスを実施して、信号ファイバが、アップテーパ付けした第1の厚みプロファイルを有するファイバコアを持つようにさせるステップを含んでもよい。本方法は、アップテーパ付けプロセスを実施した後、システムによって束状化プロセスを実施して、信号ファイバと、1つ以上のポンプファイバのセットとを束構成になるよう束ねるステップを含んでもよい。本方法は、束状化プロセスを実施した後、システムによって取付けプロセスを実施して、束構成の端部を出力ファイバの端部に取り付けるようにさせるステップを含んでもよい。
【0006】
本明細書で説明するいくつかの実施形態は、ポンプ信号コンバイナを形成する方法に関する。本方法は、システムによってアップテーパ付けプロセスを実施して、信号ファイバが、アップテーパ付けした第1の厚みプロファイルを有するファイバコアを持つようにさせるステップを含んでもよい。本方法は、アップテーパ付けプロセスを実施した後、システムによって束状化プロセスを実施して、信号ファイバと、1つ以上のポンプファイバのセットとを束構成になるよう束ねるステップを含んでもよい。本方法は、束状化プロセスを実施した後、システムによって束一体化プロセスを実施して、束構成が一体化束構成を形成するようにさせるステップを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本明細書で説明する例示的な実施形態の概略図である。
図2】本明細書で説明する信号ファイバを形成するためのプロセスの例示的な実施形態の概略図である。
図3】本明細書で説明する信号ファイバを形成するための別のプロセスの例示的な実施形態の概略図である。
図4】本明細書で説明するポンプ信号コンバイナを形成するためのプロセスの例示的な実施形態の概略図である。
図5】本明細書で説明するポンプ信号コンバイナを形成するための別のプロセスの例示的な実施形態の概略図である。
図6A】本明細書で説明する例示的な実装形態の図である。
図6B】本明細書で説明する例示的な実施形態の概略図である。
図7】本明細書で説明するサイドカプラを形成するためのプロセスの例示的な実施形態の概略図である。
図8】ポンプ信号コンバイナを形成することに関連付けられた例示的なプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
例示的な実施形態についての以下の詳細な説明は、添付の図面を参照する。異なる図面中の同一の参照符号は、同一又は類似の要素を特定することがある。
【0009】
ポンプコンバイナは、高出力ファイバレーザの重要な構成要素である。ポンプコンバイナは、ポンプ光を合成することにより、出力が増加した合成光を生成する。多くの場合、ポンプコンバイナは束構成で配置され、この束構成は、数キロワット(kW)のポンプ電力あたり数百ワット(W)を供給するように構成される別の光学構造体(例えば、主発振器出力増幅器(MOPA)/シングルパスファイバレーザ構造体)に継ぎ合わされる。束構成は、ポンプファイバを特定の最密充填構成(例えば、六角形状最密充填構成など)で配置し、個々のポンプファイバを融着し且つテーパ付けして目標サイズの束にすることによって達成することができる。
【0010】
場合によっては、信号ファイバが、個々のポンプファイバと共に、束の中に含まれる。したがって、(例えば、ポンプファイバを融着し且つテーパ付けするために)束に対して融着及びテーパ付けプロセスを実施すると、信号ファイバは、ポンプファイバに融着し、且つ、テーパ付けする。こうなると、信号ファイバの(例えば、束の一端から束の他端にかけて)サイズが著しく縮小することになり、その結果、信号ファイバを(例えば、束の端から端まで)通って伝播する信号ビームに、摂動又は他の歪みが生じることが頻繁にある。さらに、(例えば、信号ファイバコアのサイズが減少したせいで、)信号ファイバのテーパ付けした領域で、信号ファイバから信号ビームが漏れ出すおそれがある。
【0011】
加えて、テーパ付けされた束の内部にある信号ファイバのサイズは、(例えば、信号ファイバが継ぎ合わされることになる)出力ファイバのサイズと一致しないことが頻繁にある。これにより、信号ファイバコアから漏れ出る信号ビームの量が増加する。これにより、信号ビームの輝度が減少し、且つ/又は、ポンプコンバイナ内で熱を生じさせる光損失が増加する。したがって、ポンプコンバイナの性能(例えば、光学性能及び/又は熱性能)が影響を受ける。
【0012】
本明細書で説明するいくつかの実施形態は、ポンプ信号コンバイナ(本明細書では、ときにN+1:1ポンプ信号コンバイナと称される)を提供する。ポンプ信号コンバイナは、信号ファイバがアップテーパ付けしたファイバコアを含むように前処理することによって、形成することができる。これにより、束状化プロセス中に、(例えば、束状化プロセスの一部として、信号入力ファイバのサイズが過度に縮小することのないように)信号ファイバのファイバコアをダウンテーパ付けすることが可能になる。
【0013】
いくつかの実施形態において、アップテーパ付けしたファイバコアを作製するために信号ファイバを前処理するステップは、信号ファイバを加熱及び圧縮して、アップテーパ付けした厚みプロファイルを有するファイバコアを持つようにするステップ、又は、信号ファイバを、アップテーパ付けした厚みプロファイルを有するファイバコアを持つ別の信号ファイバ(例えば、大きいサイズのファイバコアを有する別の信号ファイバをダウンテーパ付けすることによって作製される)に継ぎ合わせるステップを含んでもよい。また、信号ファイバを前処理するステップは、(例えば、フッ化水素(HF)酸を使用して)信号ファイバをエッチングするステップ、信号ファイバをレーザ加工するステップ、又は、信号ファイバを機械加工するステップによって、(例えば、信号ファイバのファイバコアがアップテーパ付けした厚みプロファイルを有するようにさせた結果として形成される)信号ファイバのファイバクラッドのアップテーパ付けした厚みプロファイルを除去するステップも含んでもよい。
【0014】
いくつかの実施形態において、ポンプ信号コンバイナを形成するステップは、前処理済み信号ファイバをポンプファイバと束ねて束構成にするステップ、(例えば、束一体化プロセスの一部として)ファイバ束をテーパ付けすること、及び、テーパ付けしたファイバ束を出力ファイバに継ぎ合わせるステップを含む。このようにして、ファイバ束をテーパ付けした後でも、信号ファイバのファイバコアのサイズ(例えば、厚み)が、(例えば、ファイバコアの元のサイズと同じに)維持される。さらに、束の内部にある信号ファイバのファイバコアのサイズは、出力ファイバコアにおけるファイバコアのサイズと一致する。これにより、信号ファイバのファイバコアからレーザ光が漏れることが、最小限に抑えられ且つ/又は防止され、したがって、ポンプ信号コンバイナ内のレーザ信号損失が、最小限に抑えられる。これにより、輝度が増加し、ポンプ信号コンバイナ内の発熱が減少する。したがって、ポンプ信号コンバイナの性能(例えば、光学性能及び/又は熱性能)は、本明細書で説明する前処理済み信号ファイバを含まないポンプコンバイナと比較して、改善される。
【0015】
図1A~1Bは、本明細書で説明する例示的な実施形態100の図である。図1A~1Bに示すように、例示的な各実施形態100は、(例えば、図2A~2E及び/又は3A~3Eに関して本明細書で説明する)「アップテーパ付けプロセス(uptapering process)」及び「アップテーパ付け除去プロセス(uptapering removal)」等が実施された後の信号ファイバ102(例えば、信号ファイバ102の縦断面)を含んでもよい。したがって、信号ファイバ102は、とりわけ、「前処理済み(pre-processed)」信号ファイバ、又は「アップテーパ付けした(uptapered)」信号ファイバと称される場合がある。
【0016】
信号ファイバ102は、ファイバコア104、ファイバクラッド106、及び/又は、ファイバコーティング108を含んでもよい。例えば、信号ファイバ102は、ファイバクラッド106によって周方向に囲まれたファイバコア104を含んでもよく、また、信号ファイバ102の少なくとも一方の端部(例えば、図1A図1Bに示すように、左端部)に、ファイバコア104及びファイバクラッド106を周方向に囲むファイバコーティング108を含んでもよい。いくつかの実施形態において、信号ファイバ102は、ガラス(例えば、シリカベースのガラス、石英ベースのガラス、フッ化物ガラス、又は別タイプのガラス)を備えてもよい。信号ファイバ102は、(例えば、ファイバコア104を介して)信号ビームを(例えば、信号ファイバ102の入力端部から信号ファイバ102の出力端部まで)伝播するように構成されてもよい。
【0017】
図1A~1Bに示すように、ファイバコア104は、信号ファイバ102の一部分110に沿って、アップテーパ付けした厚みプロファイルを有してもよい。すなわち、ファイバコア104は、一部分110の第1の端部112におけるファイバコア104の厚み(例えば、幅、直径、又は別の厚み測定値)が、一部分110の第2の端部114(例えば、信号ファイバ102の端部に整列する)におけるファイバコア104の厚みよりも小さくなるように、第1の比(例えば、とりわけ、1:2、1:3、1:3.75、又は1:5.2のテーパ比)に対応して、信号ファイバ102の一部分110に沿ってテーパ付けされてもよい。
【0018】
図1A~1Bにさらに示すように、ファイバクラッド106は、信号ファイバ102の一部分110に沿って第1の均一な(又はほぼ均一な)厚みプロファイルを有してもよい。すなわち、ファイバクラッド106の厚み(例えば、幅、直径、又は別の厚み測定値)は、一部分110の第1の端部112から一部分110の第2の端部114まで、信号ファイバ102の一部分110に沿って変化しなくてもよい。例えば、信号ファイバ102の一部分110に沿ったファイバクラッド106の最大厚みと最小厚みとの差は、厚み差閾値以下であってもよく、厚み差閾値は、とりわけ、10μm、15μm、及び/又は25μm以下であってもよい。
【0019】
図1Bにさらに示すように、ファイバクラッド106は、信号ファイバ102の一部116に沿って第2の均一な厚みプロファイルを有してもよい。例えば、ファイバクラッド106の厚みは、一部分116の第1の端部118から一部分116の第2の端部120(例えば、信号ファイバ102の一部分110の第2の端部114よりも、一部分110の第1の端部112のほうに近い)まで、信号ファイバ102の一部分116に沿って変化しなくてもよい。いくつかの実施形態において、第1の均一な厚みプロファイルは、第2の均一な厚みプロファイルよりも薄くてもよい。すなわち、信号ファイバ102の一部分110に沿った任意の点におけるファイバクラッド106の厚みは、信号ファイバ102の一部分116に沿った任意の点におけるファイバクラッド106の厚み未満であってもよい。いくつかの実施形態において、図1Aに示すように、ファイバクラッド106は、信号ファイバ102に沿って単一の均一な厚みプロファイルを有してもよい(例えば、ファイバクラッド106の厚みは、上述したのと同様に、一部分110、一部分116、及び信号ファイバ102の任意の他の部分に沿って変化しなくともよい)。
【0020】
付加的又は代替的に、ファイバコア104は、信号ファイバ102の一部分116に沿って、第3の均一な厚みプロファイルを有してもよい。すなわち、ファイバコア104の厚み(例えば、幅、直径、又は別の厚み測定値)は、一部分116の第1の端部118から一部分116の第2の端部120まで、信号ファイバ102の一部分116に沿って変化しなくてもよい。例えば、ファイバコア104の最大厚みと最小厚みとの差は、厚み差閾値以下であってもよく、厚み差閾値は、とりわけ、10μm、15μm、及び/又は25μm以下であってもよい。
【0021】
図1A~1Bは、一実施例として提供される。他の実施例は、図1A~1Bに関して説明したものとは異なる場合がある。
【0022】
図2A~2Eは、前処理済み信号ファイバ、又は本明細書で説明する信号ファイバ102等のアップテーパ付けした信号ファイバを形成するためのプロセスの、例示的な実施形態200の図である。したがって、このプロセスは、「前処理」プロセス又は「アップテーパ付け」プロセスと称されることがある。図2A~2E(例えば、信号ファイバ102の縦断面を示す)に示すように、プロセスは、1つ以上のステップを含んでもよい。
【0023】
図2A及び参照符号202によって示すように、プロセスは、信号ファイバ102の一部分204に熱及び圧縮力を加えるステップを含んでもよい。例えば、(例えば、前処理済み信号ファイバ又はアップテーパ付けした信号ファイバを形成するように構成される)システムが、信号ファイバ102を第1の端部206(図2Aに示される信号ファイバ102の左端部)及び/又は第2の端部208(図2Aに示される信号ファイバ102の右端部)で保持してもよく、また、第1の端部206及び第2の端部208を、互いに向けて移動させてもよい(例えば、信号ファイバ102の長手方向軸線に沿って内向きに移動させてもよい)。こうすることで、信号ファイバ102の一部分204に圧縮力を加えさせることができる。同時に(例えば、信号ファイバ102の一部分204に圧縮力が加えられている間に)、信号ファイバ102の一部分204を加熱するように、(例えば、走査型火炎又は別の熱源を使用して)熱を加えてもよい。熱を加えた結果として、信号ファイバ102の一部分204におけるファイバコア104及びファイバクラッド106を軟化させることができ、圧縮力の結果として、図2Bに示すように、信号ファイバ102の一部分204におけるファイバコア104及びファイバクラッド106それぞれの厚みを増加させることができる。
【0024】
図2Bにさらに示すように、一部分204は、第1のサブ部分210-1及び第2のサブ部分210-2を備えることができ、各サブ部分210は、他方のサブ部分210の、軸線212を中心とする対称バージョン(例えば、軸線212を挟んで他方のサブ部分210の鏡面反射)とすることができる。ファイバコア104は、(例えば、図1A~1Bに関して本明細書で説明したのと同様の方法で)信号ファイバ102における一部分204の第1のサブ部分210-1に沿ってアップテーパ付けした第1の厚みプロファイルを有してもよく、アップテーパ付けした第1の厚みプロファイルは、第1のテーパ比に関連付けられてもよい。ファイバクラッド106は、信号ファイバ102における一部分204の第1のサブ部分210-1に沿ってアップテーパ付けした第2の厚みプロファイルを有してもよく(例えば、第1のサブ部分210-1において軸線212から遠いほうの端部におけるファイバクラッド106の厚みは、第1のサブ部分210-1において軸線212に近いほうの端部におけるファイバクラッド106の厚みよりも小さい)、アップテーパ付けした第2の厚みプロファイルは、第2のテーパ比に関連付けられてもよい。第1のテーパ比及び第2のテーパ比は、同じであってもよい(例えば、互いに等しい)。代替的に、第1のテーパ比及び第2のテーパ比は、異なっていてもよい(例えば、互いに等しくない)。さらに、ファイバコア104は、信号ファイバ102における一部分204の第2のサブ部分210-2に沿って、相補的なアップテーパ付けした第1の厚みプロファイル(例えば、アップテーパ付けした第1の厚みプロファイルの鏡面反射)を有してもよく、アップテーパ付けした第1の厚みプロファイルは、第1のテーパ比に関連付けられてもよい。ファイバクラッド106は、信号ファイバ102における一部分204の第2のサブ部分210-2に沿って、相補的なアップテーパ付けした第2の厚みプロファイル(例えば、アップテーパ付けした第2の厚みプロファイルの鏡面反射)を有してもよく、アップテーパ付けした第2の厚みプロファイルは、第2のテーパ比に関連付けられてもよい。
【0025】
図2C及び参照符号214によって示すように、プロセスは、信号ファイバ102の一部分204を割断するステップを含んでもよい。例えば、図2Cに示すように、プロセスは、信号ファイバ102の一部分204を軸線212に沿って割断するステップを含んでもよい。このようにして、信号ファイバ102を、2つの信号ファイバ102に、すなわち第1の信号ファイバ102-1と第2の信号ファイバ102-1とに分割することができる。
【0026】
図2Dに示すように、第1の信号ファイバ102-1は、サブ部分210-1を含んでもよい。したがって、第1の信号ファイバ102-1のファイバコア104は、第1の信号ファイバ102-1の第1のサブ部分210-1に沿ってアップテーパ付けした第1の厚みプロファイルを有してもよく、アップテーパ付けした第1の厚みプロファイルは、第1のテーパ比に関連付けられてもよく、また、第1の信号ファイバ102-1のファイバクラッド106は、第1のサブ部分210-1に沿ってアップテーパ付けした第2の厚みプロファイルを有してもよく、アップテーパ付けした第2の厚みプロファイルは、第2のテーパ比に関連付けられてもよい。このように、第1の信号ファイバ102-1の第1のサブ部分210-1は、図1A~1Bに関連して本明細書で説明したように、信号ファイバ102の一部分110と類似してもよい。図2Dには示していないが、第2の信号ファイバ102-2は、サブ部分210-2を含んでもよい。したがって、第2の信号ファイバ102-2のファイバコア104は、第2の信号ファイバ102-2の第2のサブ部分210-2に沿って、相補的なアップテーパ付けした第1の厚みプロファイルを有してもよく、アップテーパ付けした第1の厚みプロファイルは、第1のテーパ比に関連付けられてもよく、また、第2の信号ファイバ102-2のファイバクラッド106は、第2のサブ部分210-2に沿って、相補的なアップテーパ付けした第2の厚みプロファイルを有してもよく、またアップテーパ付けした第2の厚みプロファイルは、第2のテーパ比に関連付けられてもよい。このように、第2の信号ファイバ102-2の第2のサブ部分210-2は、図1A図1Bにつき本明細書で説明したように、信号ファイバ102の一部分110と類似してもよい。
【0027】
図2E及び参照符号216によって示すように、プロセスは、付加的に、アップテーパ付け除去プロセス(例えば、アップテーパ付けプロセスの一部、又は代案として、アップテーパ付けプロセスの終了後に実施される別個のプロセス)を実施するステップを含んでもよい。アップテーパ付け除去プロセスを実施して、信号ファイバ102-1のファイバクラッド106が、信号ファイバ102-1の第1のサブ部分210-1に沿ってアップテーパ付けした第2の厚みプロファイルを有さないようにさせることができる。例えば、アップテーパ付け除去プロセスを実施して、信号ファイバ102-1のファイバクラッド106が、(例えば、図1A~1Bにつき本明細書で説明したのと同様の方法で、)信号ファイバ102-1の第1のサブ部分210-1に沿って均一な厚みプロファイルを有するようにさせてもよい。いくつかの実施形態において、プロセスは、信号ファイバ102-1のファイバクラッド106に対して(例えば、信号ファイバ102-1の第1のサブ部分210-1に沿って)、(例えば、フッ化水素酸を使用する)エッチングプロセス、(例えば、二酸化炭素(CO2)レーザを使用する)レーザ加工プロセス、又は機械加工プロセス(例えば、研削プロセス)のうちの少なくとも1つを実施するステップを含んでもよい。このようにして、ファイバクラッド106が、信号ファイバ102-1に沿って(例えば、図1Aに示されるものと同様の)均一な厚みプロファイルを、又は、信号ファイバ102-1に沿って(例えば、図1Bに示されるものと同様の)2つ以上の厚みプロファイルを有するようにすることができる。
【0028】
図2A~2Eは、一実施例として提示される。他の実施例は、図2A~2Eに関して説明したものと異なってもよい。
【0029】
図3A~3Eは、本明細書で説明する信号ファイバ102等の、前処理済み信号ファイバ又はアップテーパ付けした信号ファイバを形成するための別のプロセスの例示的な実施形態200の概略図である。したがって、このプロセスは、前処理プロセス又はアップテーパ付けプロセスと称されることがある。図3A~3E(例えば、信号ファイバ102の縦断面を示す)に示すように、プロセスは、1つ以上のステップを含んでもよい。
【0030】
図3A及び参照符号302によって示すように、プロセスは、信号ファイバ102の部分304に熱及び引張力を加えるステップを含んでもよい。例えば、(例えば、前処理済み信号ファイバ又はアップテーパ付けした信号ファイバを形成するように構成される)システムが、信号ファイバ102を第1の端部306(図3Aに示される信号ファイバ102の左端部)及び/又は第2の端部308(図3Aに示される信号ファイバ102の右端部)で把持してもよく、また、第1の端部306及び第2の端部308を互いに離れるように移動させてもよい(例えば、信号ファイバ102の長手方向軸線に沿って外向きに移動させてもよい)。こうすることで、信号ファイバ102の一部分304に引張力を加えさせることができる。同時に(例えば、信号ファイバ102の一部分304に引張力が加えられている間に)、信号ファイバ102の一部分304を加熱するように、(例えば、走査型火炎又は別の熱源を使用して)熱を加えてもよい。熱を加えた結果として、信号ファイバ102の一部分304におけるファイバコア104及びファイバクラッド106を軟化させることができ、引張力の結果として、図3Bに示すように、信号ファイバ102の一部分304におけるファイバコア104及びファイバクラッド106のそれぞれの厚みを減少させることができる。
【0031】
図3Bにさらに示すように、一部分304は、第1のサブ部分310-1及び第2のサブ部分310-2を備えることができ、各サブ部分310は、他方のサブ部分310の、軸線312を中心とする対称バージョン(例えば、軸線312を挟んで他方のサブ部分310の鏡面反射)とすることができる。ファイバコア104は、信号ファイバの一部分304の第1のサブ部分310-1に沿ってダウンテーパ付けした第1の厚みプロファイルを有してもよく(例えば、第1のサブ部分310-1において軸線312から遠い方の端部におけるファイバコア104の厚みが、第1のサブ部分310-1において軸線312に近い方の端部におけるファイバコア104の厚みよりも大きい)、ダウンテーパ付けした第1の厚みプロファイルは、第1のテーパ比に関連付けられてもよい。ファイバクラッド106は、信号ファイバ102における一部分304の第1のサブ部分310-1に沿ってダウンテーパ付けした第2の厚みプロファイルを有してもよく(例えば、第1のサブ部分310-1において軸線312から遠い方の端部におけるファイバクラッド106の厚みが、第1のサブ部分310-1において軸線312に近い方の端部におけるファイバクラッド106の厚みよりも大きい)、ダウンテーパ付けした第2の厚みプロファイルは、第2のテーパ比に関連付けられてもよい。第1のテーパ比及び第2のテーパ比は、同じであってもよい(例えば、互いに等しい)。代替的に、第1のテーパ比及び第2のテーパ比は、異なっていてもよい(例えば、互いに等しくない)。さらに、ファイバコア104は、信号ファイバ102における一部分304の第2のサブ部分310-2に沿って、相補的なダウンテーパ付けした第1の厚みプロファイル(例えば、ダウンテーパ付けした第1の厚みプロファイルの鏡面反射)を有してもよく、ダウンテーパ付けした第1の厚みプロファイルは、第1のテーパ比に関連付けられてもよい。ファイバクラッド106は、信号ファイバ102における一部分304の第2のサブ部分310-2に沿って、相補的なダウンテーパ付けした第2の厚みプロファイル(例えば、ダウンテーパ付けした第2の厚みプロファイルの鏡面反射)を有してもよく、ダウンテーパ付けした第2の厚みプロファイルは、第2のテーパ比に関連付けられてもよい。
【0032】
図3C及び参照符号314によって示すように、プロセスは、信号ファイバ102の一部分304を割断するステップを含んでもよい。例えば、図3Cに示すように、プロセスは、信号ファイバ102の一部分304を軸線312に沿って割断するステップを含んでもよい。このようにして、信号ファイバ102を、2つの信号ファイバ102に、すなわち、第1の信号ファイバ102-1と第2の信号ファイバ102-2とに分割することができる。
【0033】
図3D及び参照符号316によって示すように、プロセスは、信号ファイバ102(例えば、第1の信号ファイバ102-1又は第2の信号ファイバ102-2)を、(例えば、前処理プロセス又はアップテーパ付けプロセスを受けていない)別の信号ファイバ102に継ぎ合わせるステップを含んでもよい。例えば、図3Dに示すように、プロセスは、信号ファイバ102-2が信号ファイバ102-3の一部になるように、(例えば、図3A~3Cに関連して本明細書で説明したように形成される)信号ファイバ102-2を、(例えば、任意のアップテーパ付けプロセス又はダウンテーパ付けプロセスをまだ受けていない)信号ファイバ102-3に継ぎ合わせるステップを含んでもよい。いくつかの実施形態において、信号ファイバ102-2の端部(例えば、接合点318)における信号ファイバ102-2のファイバコア104の厚みが、信号ファイバ102-3の端部(例えば、接合点318)における信号ファイバ102-3のファイバコア104の厚みと(例えば、1μm、3μm、μm、及び/又は5μm以下であってもよい公差の範囲内で)一致するように、信号ファイバ102-2の一部分に関連付けられる信号ファイバ102-2の端部が、信号ファイバ102-3の端部に(例えば、接合点318で)継ぎ合わされる。
【0034】
このようにして、信号ファイバ102-2の第2のサブ部分210-2であった一部分320を有するように、(信号ファイバ102-2に継ぎ合わせるステップに基づいて)信号ファイバ102-3を形成することができる。したがって、信号ファイバ102-3のファイバコア104は、(例えば、図1A~1Bに関して本明細書で説明したのと同様の方法で、)信号ファイバ102-3の一部分320に沿ってアップテーパ付けした第1の厚みプロファイルを有してもよく、アップテーパ付けした第1の厚みプロファイルは、第1のテーパ比に関連付けられてもよい。信号ファイバ102-3のファイバクラッド106は、信号ファイバ102-3の一部分320に沿ってアップテーパ付けした第2の厚みプロファイルを有してもよく、アップテーパ付けした第2の厚みプロファイルは、第2のテーパ比に関連付けられてもよい。
【0035】
図3E及び参照符号322によって示すように、プロセスは、さらに、アップテーパ付け除去プロセス(例えば、アップテーパ付けプロセスの一部である、又は、アップテーパ付けプロセスの終了後に実施される別個のプロセス)を実施するステップを含んでもよい。アップテーパ付け除去プロセスを実施して、信号ファイバ102-3のファイバクラッド106が、信号ファイバ102-3の一部分320に沿ってアップテーパ付けした第2の厚みプロファイルを有さないようにさせることができる。例えば、アップテーパ付け除去プロセスを実施して、信号ファイバ102-3のファイバクラッド106が、(例えば、図1A~1Bに関連して本明細書で説明するのと同様の方法で、)信号ファイバ102-3の一部分320に沿って均一な厚みプロファイルを有するようにさせしてもよい。いくつかの実施形態において、プロセスは、信号ファイバ102-3のファイバクラッド106に対して、(例えば、信号ファイバ102-3の一部分320に沿って、)エッチングプロセス、レーザ加工プロセス、又は機械加工プロセスのうちの少なくとも1つを実施するステップを含んでもよい。このようにして、ファイバクラッド106が、信号ファイバ102-1に沿って(例えば、図1Aに示されるものと同様の)均一な厚みプロファイルを、又は信号ファイバ102-1に沿って(例えば、図1Bに示されるものと同様の)2つ以上の厚みプロファイルを有するようにすることができる。いくつかの実施形態において、アップテーパ付け除去プロセスは、(例えば、図3Eに示すように、)信号ファイバ102-3における一部分320の端部が信号ファイバ102-3の端部に整列させるように、信号ファイバ102-3を割断することを含んでもよい。
【0036】
図3A~3Eは、一実施例として提示される。他の実施例は、図3A~3Eに関して説明したものとは異なる場合がある。
【0037】
図4A~4Cは、本明細書で説明するポンプ信号コンバイナ402を形成するためのプロセスの、例示的な実施形態400の概略図である。(例えば、ポンプ信号コンバイナ402の縦断面を示す)図4A~4Cに示すように、プロセスは、1つ以上のステップを含んでもよい。
【0038】
図4A及び参照符号404によって示すように、プロセスは、信号ファイバ102及び1つ以上のポンプファイバ406のセットを束構成408として束ねる束状化プロセスを実施するステップを含んでもよい。信号ファイバ102は、前処理済み信号ファイバ又はアップテーパ付けした信号ファイバであってもよく、これらの信号ファイバは、(例えば、図1Aに関連して本明細書で示し且つ説明したように、)信号ファイバ102に沿って単一の均一な厚みプロファイルを有するファイバクラッド106を含んでもよく、この厚みプロファイルは、(例えば、図2A~2E及び3A~3Eに関連して本明細書で説明したように、)前処理プロセス又はアップテーパ付けプロセスを使用して形成されてもよい。各ポンプファイバ406は、ファイバコア、ファイバクラッド、及び/又はファイバコーティング(図4A図4Cには図示せず)を含んでもよく、これらはそれぞれ、図1A図1Cに関連して本明細書で説明した信号ファイバ102のファイバコア104、ファイバクラッド106、及びファイバコーティング108と類似する。各ポンプファイバ406は、(例えば、ポンプファイバ406のファイバコアを介して)ポンプビームを(例えば、ポンプファイバ406の入力端部からポンプファイバ406の出力端部まで)伝播するように構成されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態において、束状化プロセスは、信号ファイバ102及び1つ以上のポンプファイバ406のセットが(例えば、信号ファイバ102と1つ以上のポンプファイバ406のセットとの隙間のサイズが最小化されるように)互いに密にパックされるように、(例えば、ポンプ信号コンバイナを形成するように構成される)システムが、信号ファイバ102及び1つ以上のポンプファイバのセット406を束構成408となるよう配置するステップを含んでもよい。例えば、束構成408の断面内において、信号ファイバ102は、(例えば、束構成408の断面の)内側領域に配置されてもよく、また、1つ以上のポンプファイバ406のセットは、1つ以上のポンプファイバ406のセットが、信号ファイバ102に接触し、且つ、周方向に取り囲むように、(例えば、束構成408の断面の)周辺領域に対応して配置されてもよい。
【0040】
図4B及び参照符号410によって示すように、プロセスは、束一体化プロセスを実施して、束構成408が一体化束構成を形成するようにさせるステップを含んでもよい。例えば、束一体化プロセスは、束構成408の一部分412に熱及び引張力を加えるステップを含んでもよい。例えば、システムは、束構成408を一部分412の第1の端部及び/又は一部分412の第2の端部で保持してもよく、また、第1の端部及び第2の端部を互いから離れるように移動させてもよい(例えば、束構成408の長手方向軸線に沿って外向きに移動させてもよい)。こうすることで、束構成408の一部分412に引張力を加えさせることができる。同時に(例えば、束構成408の一部分412に引張力が加えられている間に)、束構成408の一部分412を加熱するように、(例えば、走査型火炎又は別の熱源を使用して)熱を加えてもよい。熱を加えた結果として、信号ファイバ102及び1つ以上のポンプファイバ406のセットを(例えば、束構成408の一部分412に沿って)軟化させることができ、また、引張力の結果として、図3Bに示すように、信号ファイバ102及び1つ以上のポンプファイバ406のセットを互いに融着させることができる(例えば、束構成408の一部分412に沿って部分的に融着又は完全に融着させることができる)。さらに、信号ファイバ102のファイバコア104が、(例えば、束構成408の一部分412に沿って)均一な厚みプロファイルを有するようにさせることができる。すなわち、信号ファイバ102が、もはや、前処理済み信号ファイバ又はアップテーパ付けした信号ファイバでないようにすることができる。
【0041】
図4C及び参照符号414によって示すように、プロセスは、束構成408の端部(例えば、以下、一体化束構成408と称する)を出力ファイバ416の端部(例えば、ファイバコア418、ファイバクラッド420、及び/又はファイバコーティング422を含む)に取り付けさせる取付けプロセスを実施するステップを含んでもよい。例えば、取付けプロセスは、システムが、一体化束構成408の端部を、出力ファイバ416の端部に(例えば、接合点424で)継ぎ合わせるステップを含んでもよい。こうすることで、一体化束構成408の端部における信号ファイバ102のファイバコア104の端部を、出力ファイバ416のファイバコア418の端部に取り付けさせることができる。いくつかの実施形態において、一体化束構成408の端部における信号ファイバ102のファイバコア104の端部の厚みは、出力ファイバ416のファイバコア418の端部の厚みと一致してもよい。例えば、信号ファイバ102のファイバコア104の端部の厚みと、出力ファイバ416のファイバ418の端部の厚みとの差は、厚み差閾値以下であってもよく、厚み差閾値以下は、とりわけ、10μm、15μm、及び/又は25μm以下であってもよい。
【0042】
このようにして、システムは、出力ファイバ416に取り付けられた一体化束構成408内に信号ファイバ102及び1つ以上のポンプファイバのセット406を含むように、ポンプ信号コンバイナ402を形成することができる。したがって、1つ以上のポンプファイバ406のセットによって伝播されるポンプ光は、一体化束構成408内で信号ファイバ102によって伝播される信号ビームと合成することができる。これにより、信号ビームのパワー(例えば、光パワー)及び/又は輝度を増加させることができる。(例えば、ポンプ光と合成した後の)信号ビームは、次いで、出力ファイバ416に伝播し、ポンプ信号コンバイナ402から出ることができる。一体化束構成408の端部における信号ファイバ102のファイバコア104の端部の厚みが、ファイバコア418の端部の厚みと一致することができるので、信号ビームが出力ファイバ416に伝播するときに、信号ビームのパワー及び/又は輝度を保つことができる(又は、電力損失及び/若しくは輝度劣化を最小化することができる)。
【0043】
図4A図4Cは、一実施例として提示される。他の実施例は、図4A図4Cに関して説明したものとは異なる場合がある。
【0044】
図5A図5Cは、本明細書で説明するポンプ信号コンバイナ502を形成するためのプロセスの例示的な実施形態500の概略図である。(例えば、ポンプ信号コンバイナ502の縦断面を示す)図5A~5Cに示すように、プロセスは、1つ以上のステップを含んでもよい。
【0045】
図5A及び参照符号504によって示すように、プロセスは、(例えば、図4A~4Cに関連して本明細書で説明する、1つ以上のポンプファイバ406及び束構成408のセットに類似する)信号ファイバ102及び1つ以上のポンプファイバ506のセットを束構成508として束ねる束状化プロセスを実施するステップを含むことができる。信号ファイバ102は、前処理済み信号ファイバ又はアップテーパ付けした信号ファイバであってもよく、これらの信号ファイバは、(例えば、図1Bに関連して本明細書に示し、且つ説明するように)信号ファイバ102に沿って2つ以上の厚みプロファイルを有するファイバクラッド106を含んでもよく、この厚みプロファイルは、(例えば、図2A~2E及び3A~3Eに関連して本明細書で説明するように)前処理プロセス又はアップテーパ付けプロセスを使用して形成されてもよい
【0046】
いくつかの実施形態において、束状化プロセスは、信号ファイバ102及び1つ以上のポンプファイバ506のセットが(例えば、信号ファイバ102と1つ以上のポンプファイバ506のセットとの隙間のサイズが最小化されるように)互いに密にパックされるように、(例えば、ポンプ信号コンバイナを形成するように構成される)システムが、信号ファイバ102及び1つ以上のポンプファイバのセット506を束構成508中に配置するステップを含んでもよい。例えば、束構成508の断面内で、信号ファイバ102は、(例えば、束構成508の断面の)内側領域に配置されてもよく、また、1つ以上のポンプファイバ506のセットは、1つ以上のポンプファイバ506のセットが、信号ファイバ102に接触し、且つ、周方向に取り囲むように、(例えば、束構成508の断面の)周辺領域に随伴するよう配置されてもよい。
【0047】
図5B及び参照符号510によって示すように、プロセスは、束一体化プロセスを実施することにより、束構成508が一体化束構成を形成するようにさせるステップを含んでもよい。例えば、束一体化プロセスは、束構成508の一部分512に熱及び引張力を加えるステップを含んでもよい。例えば、システムは、束構成508を一部分512の第1の端部及び/又は一部分512の第2の端部で保持してもよく、また、第1の端部及び第2の端部を互いから離れるように移動させてもよい(例えば、束構成508の長手方向軸線に沿って外向きに移動させてもよい)。こうすることで、引張力が束構成508の一部分512に加えわるようにさせることができる。同時に(例えば、束構成508の一部分512に引張力が加えられている間に)、束構成508の一部分512を加熱するように、(例えば、走査型火炎又は別の熱源を使用して)熱を加えてもよい。熱を加えた結果として、信号ファイバ102及び1つ以上のポンプファイバ506のセットを(例えば、束構成508の一部分512に沿って)軟化させることができ、引張力の結果として、図3Bに示すように、信号ファイバ102及び1つ以上のポンプファイバ506のセットを互いに融着させることができる(例えば、束構成508の一部分512に沿って部分的に融着又は完全に融着させることができる)。さらに、信号ファイバ102のファイバコア104が、(例えば、束構成508の一部分512に沿って)均一な厚みプロファイルを有するようにさせることができる。すなわち、信号ファイバ102が、もはや、前処理済み信号ファイバ又はアップテーパ付けした信号ファイバでないようにすることができる。
【0048】
信号ファイバ102のファイバクラッド106が、束一体化プロセスの実施前に、信号ファイバ102に沿って2つ以上の厚みプロファイルを有する場合があるので、信号ファイバ102及び1つ以上のポンプファイバ506のセットを互いに融着させるために、異なる熱量及び/又は引張力を使用することが必要な場合がある。これにより、信号ファイバ102及び1つ以上のポンプファイバ506のセットの融着を改善することができ、且つ/又は、(例えば、加熱リソース及び/又は力印加リソース)を節約することができるが、そうでない場合、リソースは、(例えば、図4B及び参照符号410に関連して本明細書で説明するように)信号ファイバ102に沿って単一の厚みプロファイルのみを有するファイバクラッド106を有する信号ファイバ102との束一体化プロセスを実施するために利用されることになる。
【0049】
図5C及び参照符号514によって示すように、プロセスは、束構成508の端部(例えば、以下、一体化束構成508と呼ばれる)を出力ファイバ516の端部(例えば、ファイバコア518、ファイバクラッド520、及び/又はファイバコーティング522を含む)に取り付けさせる取付けプロセスを実施するステップを含んでもよい。例えば、取付けプロセスは、システムが、一体化束構成508の端部を出力ファイバ516の端部に(例えば、接合点524で)継ぎ合わせるステップを含んでもよい。こうすることで、一体化束構成508の端部における信号ファイバ102のファイバコア104の端部を出力ファイバ516のファイバコア518の端部に取り付けさせることができる。いくつかの実施形態において、一体化束構成508の端部における信号ファイバ102のファイバコア104の端部の厚みは、出力ファイバ516のファイバコア518の端部の厚みと一致してもよい。例えば、信号ファイバ102のファイバコア104の端部の厚みと、出力ファイバ516のファイバ518の端部の厚みとの差は、厚み差閾値以下であってもよく、厚み差閾値は、とりわけ、10μm、15μm、及び/又は25μm以下であってもよい。
【0050】
このようにして、システムは、出力ファイバ516に取り付けられた一体化束構成508内に信号ファイバ102及び1つ以上のポンプファイバのセット506を含むように、ポンプ信号コンバイナ502を形成することができる。したがって、1つ以上のポンプファイバ506のセットによって伝播されるポンプ光は、一体化束構成508内の信号ファイバ102によって伝播される信号ビームと合成することができる。これにより、信号ビームのパワー(例えば、光パワー)及び/又は輝度を増加させることができる。(例えば、ポンプ光と合成した後の)信号ビームは、次いで、出力ファイバ516に伝播し、ポンプ信号コンバイナ502から出ることができる。一体化束構成508の端部における信号ファイバ102のファイバコア104の端部の厚みが、ファイバコア518の端部の厚みと一致してもよいので、信号ビームが出力ファイバ516に伝播するときに、信号ビームのパワー及び/又は輝度を保つことができる(又は、電力損失及び/若しくは輝度劣化を最小化することができる)。
【0051】
図5A~5Cは、一実施例として提示される。他の実施例は、図5A~5Cに関して説明したものと異なる場合がある。
【0052】
図6A~6Bは、本明細書で説明する例示的な実施形態600の概略図である。図6A~6Bに示すように、例示的な各実施形態600は、複数のポンプ信号コンバイナ604(例えば、図4A~4C及び5A~5Cに関して本明細書で説明するポンプ信号コンバイナ402及び/又は502のうちの1つ以上)、レーザ源606の複数のセット、発振器608、1つ以上の増幅器610、及び/又はレーザ出力612を含む光学システム(光学系)602を備えてもよい。
【0053】
図6Aに示すように、第1の組のレーザ源606-1は、第1の信号ビーム及び第1のポンプ光を、(例えば、エンドポンプとして構成される)第1のポンプ信号コンバイナ604-1に供給するように構成されてもよく、第1のポンプ信号コンバイナ604-1は、第1の信号ビーム及び第1のポンプ光を合成して、(例えば、本明細書の他の箇所に記載されているのと同様に)第1の合成信号ビームを形成してもよい。第1のポンプ信号コンバイナ604-1は、第1の合成信号ビームを発振器608に供給してもよく、発振器608は、第1の合成信号ビームを(例えば、カスケードポンプとして構成される)第2のポンプ信号コンバイナ604-2に供給してもよい。第2の組のレーザ源606-2は、第2のポンプ光を、第2のポンプ信号コンバイナ604-2に供給するように構成されてもよく、第2のポンプ信号コンバイナ604-2は、第1の合成信号ビーム及び第2のポンプ光を合成して、第2の合成信号ビームを形成してもよい。第2のポンプ信号コンバイナ604-2は、第2の合成信号ビームを1つ以上の増幅器610に供給してもよく、増幅器610は、第2の合成信号ビームを増幅して、(例えば、カウンタポンプとして構成される)第3のポンプ信号コンバイナ604-3に供給してもよい。第3の組のレーザ源606-3は、(例えば、第2の合成信号ビームの伝播方向とは反対方向に伝播する)第3のポンプ光を、第3のポンプ信号コンバイナ604-3に供給するように構成されてもよく、第3のポンプ信号コンバイナ604-3は、第2の合成信号ビーム及び第3のポンプ光を合成して、第3の合成信号ビームを形成して、(例えば、第3の合成信号ビームを、光学システム602のターゲットに放出することができる)レーザ出力612に供給してもよい。
【0054】
図6Bに示すように、光学システム602は、さらに、可視照準レーザ源614及びクラッド光ストリッパ616を含んでもよい。したがって、可視照準レーザ源614は、可視照準光を第1のポンプ信号コンバイナ604-1に(例えば、第1のポンプ信号コンバイナ604-1のファイバコア104に)供給することができ、したがって、第1の信号ビーム、第1のポンプ光、及び可視照準光を合成して、第1の合成信号ビームを形成することができる。可視照準光は、上述のように、光学システム602を通って、(例えば、可視照準光を光学システム602のターゲットに放出することができる)レーザ出力612に伝播することができる。可視照準光が、ファイバコア(例えば、ファイバコア104)を介して、第1のポンプ信号コンバイナ604-1からレーザ出力612に伝播するので、クラッド光ストリッパ616は、可視照準光を除去しなくてもよい。
【0055】
図6A~6Bは、一実施例として提示される。他の実施例は、図6A~6Bに関して説明したものとは異なる場合がある。
【0056】
図7A~7Bは、本明細書で説明するサイドカプラ(side coupler)702を形成するためのプロセスの例示的な実施形態700の概略図である。(例えば、サイドカプラ702の長手方向断面を示す)図7A~7Bに示すように、プロセスは、1つ以上のステップを含んでもよい。
【0057】
図7A及び参照符号704によって示すように、プロセスは、信号ファイバ102の周りにサイドカプラファイバ706を巻き付けるステップを含んでもよい。例えば、(例えば、サイドカプラを形成するように構成される)システムが、螺旋状構成で、信号ファイバ102の周りにサイドカプラファイバ706を巻き付けてもよい。
【0058】
サイドカプラファイバ706は、(例えば、図4A~4C及び図5A図5Cに関連して)本明細書で説明したポンプファイバ406又は506と類似してもよい。信号ファイバ102は、前処理済み信号ファイバ又はアップテーパ付けした信号ファイバであってもよく、(例えば、図2A~2E及び3A~3Eに関連して本明細書で説明したように)前処理又はアップテーパ付けプロセスを使用して形成されてもよい。いくつかの実施形態において、信号ファイバ102は、図2Bに関連して本明細書で説明したように、(例えば、第1のサブ部分210-1及び第2のサブ部分210-2を含む)一部分204を有するように形成されてもよい。
【0059】
図7B及び参照符号708によって示すように、プロセスは、信号ファイバ102の一部分204に熱及び引張力を加えるステップを含んでもよい。例えば、システムは、信号ファイバ102を第1の端部710(図7Bに示す信号ファイバ102の左端部)及び/又は第2の端部712(図7Bに示す信号ファイバ102の右端部)において保持してもよく、また、第1の端部710及び第2の端部712を互いから離れるように移動させてもよい(例えば、信号ファイバ102の長手方向軸線に沿って外向きに移動させてもよい)。こうすることで、信号ファイバ102の一部分204に引張力を加えることができる。同時に(例えば、引張力が信号ファイバ102の一部分204に加えられている間に)、信号ファイバ102の一部分204を加熱するように、(例えば、走査型火炎又は別の熱源を使用して)熱を加えてもよい。熱を加えた結果として、信号ファイバ102の一部分204におけるファイバコア104及びファイバクラッド106を軟化させることができ、引張力の結果として、図7Bに示すように、信号ファイバ102の一部分204におけるファイバコア104及びファイバクラッド106のそれぞれの厚みを減少させることができる。
【0060】
このようにして、信号ファイバ102のファイバコア104及びファイバクラッド106がそれぞれ、信号ファイバ102の一部分204(及び信号ファイバ102の1つ以上の他の部分)に沿って均一な厚みプロファイルを有するようにさせて、サイドカプラ702を形成することができる。こうすることで、サイドカプラ702のサイドカップリング効率が増加する(例えば、サイドカプラファイバ706と信号ファイバ102との間でエバネッセント波の結合が増加する)。
【0061】
図7A~7Bは、一実施例として提示される。他の実施例は、図7A図7Bに関して説明したものとは異なる場合がある。
【0062】
図8は、ポンプ信号コンバイナの形成に関連する例示的なプロセス800のフローチャートである。いくつかの実施形態において、図8の1つ以上のプロセスブロックが、(例えば、ポンプ信号コンバイナを形成するように構成される)システムによって実施される。いくつかの実施形態において、図8の1つ以上のプロセスブロックが、(例えば、前処理済み信号ファイバ又はアップテーパ付けした信号ファイバを形成するように構成される)別のシステム等の、そのシステムとは別個の又はそのシステムを含む別のデバイス又はデバイスのグループによって実施される。
【0063】
図8に示すように、プロセス800は、アップテーパ付けプロセス(ブロック810)を実施するステップを含んでもよい。例えば、システムは、アップテーパ付けプロセスを実施して、上述のように、信号ファイバが、第1のアップテーパ付けした厚みプロファイルを有するファイバコアと、及び第2のアップテーパ付けした厚みプロファイルを有するファイバクラッドとを持つようにさせることができる。
【0064】
図8にさらに示すように、プロセス800は、アップテーパ付け除去プロセス(ブロック820)を実施するステップを含んでもよい。例えば、システムは、アップテーパ付けプロセスを実施した後、アップテーパ付け除去プロセスを実施して、上述のように、信号ファイバのファイバクラッドが、第2のアップテーパ付けした厚みプロファイルを有さないようにさせることができる。
【0065】
図8にさらに示すように、プロセス800は、束状化プロセス(ブロック830)を実施するステップを含んでもよい。例えば、システムは、アップテーパ付け除去プロセスを実施した後、束状化プロセスを実施して、上述のように、信号ファイバ及び1つ以上のポンプファイバのセットを束構成で束ねてもよい。
【0066】
図8にさらに示すように、プロセス800は、束一体化プロセス(ブロック840)を実施するステップを含んでもよい。例えば、システムは、束状化プロセスを実施した後、束一体化プロセスを実施して、上述のように、束構成が一体化束構成を形成するようにさせてもよい。
【0067】
図8にさらに示すように、プロセス800は、取付けプロセスを実施するステップを含んでもよい(ブロック850)。例えば、システムは、束一体化プロセスを実施した後で、取付けプロセスを実施することにより、上述のように、一体化束構成の端部を出力ファイバの端部に取り付けるようにさせてもよい。
【0068】
プロセス800は、以下で説明する任意の単一の実施形態若しくは実施形態の任意の組合せ等の付加的な実施形態を含んでもよく、且つ/又は、本明細書の他の場所で説明する1つ以上の他のプロセスに関連する付加的な実施形態を含んでもよい。
【0069】
第1の実施形態では、アップテーパ付けプロセスを実施するステップは、信号ファイバの一部分に熱及び圧縮力を加えるステップ、並びに、信号ファイバの一部分を割断するステップを含む。
【0070】
単独で、又は、第1の実施形態と組み合わせた第2の実施形態では、アップテーパ付けプロセスを実施するステップは、熱及び引張力を別の信号ファイバの一部分に加えるステップと、別の信号ファイバの一部を割断するステップと、並びに、信号ファイバに別の信号ファイバを継ぎ合わせるステップとを含む。
【0071】
単独で、又は、第1及び第2の実施形態のうちの1つ以上と組み合わせた第3の実施形態では、信号ファイバに別の信号ファイバを継ぎ合わせるステップは、信号ファイバの端部に、別の信号ファイバの一部分に関連する別の信号ファイバの端部を継ぎ合わせるステップであって、信号ファイバの端部における信号ファイバのファイバコアの厚みが、別の信号ファイバの端部における別の信号ファイバのファイバコアの厚みと一致するようにする、該継ぎ合わせるステップを含む。
【0072】
単独で、又は、第1-第3の実施形態のうちの1つ以上と組み合わせた第4の実施形態では、アップテーパ付け除去プロセスは、エッチングプロセス、レーザ加工プロセス、又は機械加工プロセスのうちの少なくとも1つを実施するステップを含む。
【0073】
単独で、又は、第1-第4の実施形態のうちの1つ以上と組み合わせた第5の実施形態では、アップテーパ付け除去プロセスを実施するステップは、ファイバクラッドが、信号ファイバの長さに沿って均一な厚みプロファイルを、又は、信号ファイバの長さに沿って階段状の厚みプロファイルを有するようにさせる。
【0074】
単独で、又は、第1-第5の実施形態のうちの1つ以上と組み合わせた第6の実施形態では、束一体化プロセスを実施するステップは、束構成の一部分に熱及び引張力を加えて、信号ファイバ及び1つ以上のポンプファイバのセットを、束構成の一部分に沿って互いに融着させる、並びに、信号ファイバのファイバコアが、束構成の一部分に沿って均一な厚みプロファイルを有するようにさせるステップを含む。
【0075】
単独で、又は、第1-第6の実施形態のうちの1つ以上と組み合わせた第7の実施形態では、取付けプロセスを実施するステップは、一体化束構成の端部を出力ファイバの端部に継ぎ合わせて、信号ファイバのファイバコアの端部を、一体化束構成の端部で、出力ファイバのファイバコアの端部に取り付けさせる継ぎ合わせステップであって、一体化束構成の端部における信号ファイバのファイバコアの端部の厚みが、出力ファイバのファイバコアの端部の厚みと一致するものとする、該継ぎ合わせステップを含む。
【0076】
図8は、プロセス800の例示的なブロックを示すが、いくつかの実施形態において、プロセス800は、図8に示されるものに対して付加的なブロック、少ないブロック、異なるブロック、又は異なる配置のブロックを含む。付加的に又は代替的に、プロセス800のブロックのうちの2つ以上が、並行して実施されてもよい。
【0077】
前述の開示は、例示及び説明を提供するが、網羅的であること、又は、実施形態を開示されている厳密な形態に限定することを意図するものではない。修正及び変形は、上記の開示に照らしてなされてもよく、又は、実施形態の実施によって獲得されてもよい。さらに、前述の開示が、1つ以上の実施形態を組み合わせることができない理由を明示的に提供しない限り、本明細書で説明する任意の実施形態同士を組み合わせてもよい。
【0078】
本明細書で使用する場合、閾値を満たすことは、文脈に応じて、閾値よりも大きい値、閾値以上の値、閾値よりも小さい値、閾値以下の値、閾値に等しい値、又は、閾値に等しくない値などの値を指すことがある。
【0079】
特徴についての特定の組合せが特許請求の範囲に記載され、且つ/又は、本明細書に開示されているが、これらの組合せは、様々な実施形態の開示を限定することを意図するものではない。実際、これらの特徴の多くは、特許請求の範囲に具体的に記載されていない、且つ/又は、本明細書に開示されていない方法で組み合わせてもよい。以下に列挙される各従属項は、1つの請求項のみに直接依存する場合があるが、様々な実施形態の開示は、請求項のセット中の他のあらゆる請求項と組み合わせた各従属項を含む。本明細書で使用する場合、項目のリスト「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」を指す語句は、単一要素を含む、それらの項目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、又はcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、及びa-b-c、並びに、同じ項目の倍数との任意の組合せを網羅することが意図される。
【0080】
本明細書で使用される要素、行為、又は命令は、明示的に記載されていない限り、重要又は必須であると解釈されるべきではない。また、本明細書で使用する場合、冠詞「a」及び「an」は、1つ以上の項目を含むことが意図され、本明細書で使用する場合、冠詞「the」は、冠詞「the」に関連して参照される1つ以上の項目を含むことが意図され、「1つ以上(the one or more)」と互換的に使用することができる。さらに、本明細書で使用する場合、用語「セット(set)」は、1つ以上の項目(例えば、関連する項目、無関係な項目、又は、関連する項目と無関係な項目の組合せ)を含むことが意図され、「1つ以上」と互換的に使用することができ、1つのみの項目が意図される場合には、「1つのみ(only one)」又は同様の言葉が使用される。また、本明細書で使用する場合、用語「有する(has, have, having)」等は、オープンエンドの用語であることが意図される。さらに、「に基づく(based on)」という語句は、特に明記しない限り、「に少なくとも部分的に基づく(based, at least in part, on)」ことを意味するように意図される。また、本明細書で使用する場合、用語「又は(or)」は、連続して使用されたときに包括的であることが意図され、明示的に言及している場合(例えば、「いずれか」又は「一方のみ」と組み合わせて使用される場合)を除き、「及び/又は(and/or)」と互換的に使用することができる。さらに、「下(below)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」、「左(left)」、「右(right)」等の空間的に相対的な用語は、本明細書中で説明を容易にするために、図に示すように、ある要素又は特徴と、別の要素又は特徴との関係を説明するために使用することができる。空間的に相対的な用語は、図に示される方位に加え、使用又は動作中の装置、デバイス、及び/又は要素の異なる方位を包含することが意図される。装置は、他の方位(90度回転した方位、又は他の方位)で配向されてもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子も同様に、それに応じて解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0081】
102 信号ファイバ
104 ファイバコア
106 ファイバクラッド
108 ファイバコーティング
402 ポンプ信号コンバイナ
406 ポンプファイバ
408 束構成
416 出力ファイバ
418 ファイバコア
420 ファイバクラッド
422 ファイバコーティング
502 ポンプ信号コンバイナ
506 ポンプファイバ
508 束構成
516 出力ファイバ
518 ファイバコア
520 ファイバクラッド
522 ファイバコーティング
602 光学システム(光学系)
604 ポンプ信号コンバイナ
606 レーザ源
608 発振器
610 増幅器
612 レーザ出力
614 可視照準レーザ源
616 クラッド光ストリッパ
702 サイドカプラ(side coupler)
706 サイドカプラファイバ

図1
図2-1】
図2-2】
図3-1】
図3-2】
図4-1】
図4-2】
図5-1】
図5-2】
図6A
図6B
図7
図8
【外国語明細書】