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特開2024-168141文書処理方法、文書処理システム、及び文書処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168141
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】文書処理方法、文書処理システム、及び文書処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/194 20200101AFI20241128BHJP
   G06F 16/9038 20190101ALI20241128BHJP
【FI】
G06F40/194
G06F16/9038
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084575
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】717005132
【氏名又は名称】株式会社LegalOn Technologies
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】山田 泰造
(72)【発明者】
【氏名】松葉 亮彦
(72)【発明者】
【氏名】大畑 彩
(72)【発明者】
【氏名】川戸 崇志
【テーマコード(参考)】
5B109
5B175
【Fターム(参考)】
5B109SA14
5B109VC03
5B175JB02
(57)【要約】
【課題】比較先の電子文書を容易に切り替えることを可能にする。
【解決手段】文書処理方法は、プロセッサにより実行される文書処理方法であって、ユーザのレビューの対象となる対象文書情報、及び対象文書情報と比較する第1比較文書情報を取得することと、第1比較文書情報に基づいて、所定の記憶部に記憶される複数の文書情報のうち、少なくとも1つの第2比較文書情報を抽出することと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサにより実行される文書処理方法であって、
ユーザのレビューの対象となる対象文書情報、及び前記対象文書情報と比較する第1比較文書情報を取得することと、
前記第1比較文書情報に基づいて、所定の記憶部に記憶される複数の文書情報のうち、少なくとも1つの第2比較文書情報を抽出することと、
を含む文書処理方法。
【請求項2】
前記抽出することは、前記第1比較文書情報に基づいて、前記複数の文書情報のうち、前記第1比較文書情報と同一の一連の修正過程に属する少なくとも1つの第2比較文書情報を抽出することを含む、請求項1に記載の文書処理方法。
【請求項3】
前記文書処理方法は、前記一連の修正過程に属する複数の候補文書情報に関する情報を表示するための候補表示情報を出力すること、をさらに含み、
前記抽出することは、前記候補表示情報に基づく表示を参照するユーザによる選択操作に基づいて、前記複数の候補文書情報のうち前記少なくとも1つの第2比較文書情報を抽出することを含む、
請求項2に記載の文書処理方法。
【請求項4】
前記候補文書情報は、少なくとも前記第1比較文書情報を含み、
前記候補表示情報は、前記第1比較文書情報に対応する情報を強調して表示するための候補表示情報を含む、請求項3に記載の文書処理方法。
【請求項5】
前記候補表示情報は、前記一連の修正過程における、前記複数の候補文書情報のそれぞれの修正の順を示す順情報と対応付けて、前記複数の候補文書情報に関する情報を表示するための候補表示情報を含む、請求項3又は4に記載の文書処理方法。
【請求項6】
前記文書処理方法は、前記対象文書情報の内容及び前記少なくとも1つの第2比較文書情報の内容を表示するための切替後表示情報を出力すること、をさらに含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の文書処理方法。
【請求項7】
前記切替後表示情報は、前記対象文書情報及び前記少なくとも1つの第2比較文書情報の差分を示す切替後差分を強調して表示するための切替後表示情報を含む、
請求項6に記載の文書処理方法。
【請求項8】
前記文書処理方法は、前記対象文書情報及び前記第1比較文書情報の差分を示す切替前差分を強調して、前記対象文書情報及び前記第1比較文書情報を表示するための切替前表示情報を出力すること、をさらに含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の文書処理方法。
【請求項9】
プロセッサにより実行される文書処理方法であって、
ユーザのレビュー対象の対象文書情報を取得することと、
前記対象文書情報に基づいて、前記対象文書情報に類似する第1類似文書情報を取得することと、
前記第1類似文書情報と同一の一連の修正過程に属する複数の候補文書情報を表示するための候補表示情報を出力することと、
前記候補表示情報の表示を参照するユーザによる選択操作に基づいて、前記複数の候補文書情報のうち少なくとも1つの第2類似文書情報を抽出することと、
前記第2類似文書情報を表示するための切替後表示情報を出力することと、
を含む文書処理方法。
【請求項10】
少なくとも1つのプロセッサを具備する文書処理システムであって、
前記少なくとも1つのプロセッサが、
ユーザのレビューの対象となる対象文書情報、及び前記対象文書情報と比較する第1比較文書情報を取得し、
前記第1比較文書情報に基づいて、記憶部に記憶される複数の文書情報のうち、少なくとも1つの第2比較文書情報を抽出する、
ように構成されている、文書処理システム。
【請求項11】
プロセッサに、
ユーザのレビューの対象となる対象文書情報、及び前記対象文書情報と比較する第1比較文書情報を取得することと、
前記第1比較文書情報に基づいて、記憶部に記憶される複数の文書情報のうち、少なくとも1つの第2比較文書情報を抽出することと、
を実行させるための文書処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、文書処理方法、文書処理システム、及び文書処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、異なるバージョンの電子文書に対するユーザによる処理を支援するシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されている文書管理システムは、複数のファイルから構成される文書をフォルダに分類して管理し、それぞれの文書が更新された際に更新前の文書を旧バージョンとして文書管理データベースに保存する。当該システムは、指定したフォルダ内に存在している最新バージョン及び、それぞれの文書の旧バージョンを検索対象に含めて検索する機能を有する検索部と、検索部を制御する制御部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-167911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電子文書(例えば、契約書)の検査や修正を行う際に、異なるバージョンの電子文書を参照して記載内容を比較する場合がある。この点、特許文献1に記載されている文書管理システムでは、旧バージョンの電子文書を含む複数の電子文書のうちから、該当する電子文書が検索されるにすぎず、異なるバージョンの文書の記載内容を参照して記載内容を比較する点については考慮されていない。
【0006】
そこで、本開示の一実施形態は、比較先の電子文書を容易に切り替えることが可能な文書処理方法、文書処理システム、及び文書処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態に係る文書処理方法は、プロセッサにより実行される文書処理方法であって、ユーザのレビューの対象となる対象文書情報、及び対象文書情報と比較する第1比較文書情報を取得することと、第1比較文書情報に基づいて、所定の記憶部に記憶される複数の文書情報のうち、少なくとも1つの第2比較文書情報を抽出することと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施形態によれば、比較先の電子文書を容易に切り替えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施形態である文書処理システム100における処理の概要を示す図である。
図2】本開示の一実施形態である文書処理システム100の構成を示す図である。
図3】ユーザ端末200に表示される対象文書情報を表示する画面の例を示す図である。
図4】ユーザ端末200に表示される切替前表示情報の例を示す図である。
図5】ユーザ端末200に表示される候補表示情報の例を示す図である。
図6】ユーザ端末200に表示される切替後表示情報の例を示す図である。
図7】文書処理システム100における処理の例を示すフローチャートである。
図8】コンピュータ800のハードウェア構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照して、本開示の実施形態について説明する。図1は、本開示の一実施形態である文書処理システム100における処理の概要を示す図である。
【0011】
文書処理システム100は、文書処理プログラムによって実現される情報処理システムであり、レビュー対象の対象文書情報と比較する第1比較文書情報を取得し、ユーザの操作に応じて、第2比較文書情報(すなわち、例えば、第1比較文書情報とは異なる電子文書情報)を抽出して表示する情報処理システムである。言い換えれば、文書処理システム100は、第1比較文書情報から第2比較文書情報へ、比較先を切り替える。
【0012】
ここで、文書処理システム100は、例えば、第1比較文書情報として、対象文書情報に類似する第1類似文書情報を用いることができる。また、文書処理システム100は、例えば、第2比較文書情報として、第1比較文書情報と同一の一連の修正過程に属する第2比較文書情報、特に例えば、第1類似文書情報と同一の一連の修正過程に属する第2類似文書情報を用いることができる。以下では、特に明記しない限り、第1比較文書情報が第1類似文書情報であり、第2比較文書情報が第2類似文書情報である実施形態について記載するが、第1比較文書情報及び第2比較文書情報はこれらに限られない。すなわち、第1類似文書情報及び第2類似文書情報は、それぞれ、適宜、第1比較文書情報及び第2比較文書情報と読み替えてもよい。
【0013】
ユーザは、対象文書情報をレビューする際、当該対象文書情報に類似する電子文書情報(後述する第1類似文書情報)における修正過程、及び当該修正過程により修正された電子文書情報(後述する第2類似文書情報)を参照する場合がある。これにより、ユーザは、過去の文書(例えば、過去の類似文書)における修正を参照して、対象文書情報のレビューを行うことができる。文書処理システム100は、ユーザによる第2類似文書情報の参照に関する文書処理を行う情報処理システムである。
【0014】
まず、文書処理システム100は、例えば、ユーザの操作に応じて、対象文書情報を取得する。文書処理システム100は、対象文書情報に基づいて、当該対象文書情報に類似する第1類似文書情報を取得する(S101)。
【0015】
続いて、文書処理システム100は、第1類似文書情報と同一の一連の修正過程に属する少なくとも1つの第2類似文書情報を抽出し、ユーザによる切替操作を受け付ける(S102)。文書処理システム100は、切替操作に応じて、第2類似文書情報を表示するための切替後表示情報を出力する(S103)。
【0016】
図2は、本開示の一実施形態である文書処理システム100の構成を示す図である。文書処理システム100は、ユーザ端末200とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続される。文書処理システム100の詳細については、後述する。
【0017】
本実施形態のユーザ端末200は、ユーザが利用するコンピュータであり、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。
【0018】
ユーザ端末200は、文書処理システム100が出力する表示情報(後述する、切替前表示情報、候補表示情報、切替後表示情報)を取得し、対応する画面を表示する。
【0019】
なお、図2において、ユーザ端末200は、1つのみ示されているが、複数のユーザ端末200であってもよい。また、1のユーザが複数のユーザ端末200を用いてもよく、1つのユーザ端末200を複数のユーザが用いてもよい。
【0020】
続いて、文書処理システム100の詳細について説明する。文書処理システム100は、記憶部110、対象文書取得部115、第1比較文書取得部120、切替前表示生成部125、切替前表示出力部130、候補表示生成部135、候補表示出力部140、第2比較文書抽出部145、切替後表示生成部150、切替後表示出力部155を備える。図2に示す各部は、例えば、記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0021】
本実施形態の記憶部110は、文書処理システム100において処理される情報を記憶する。記憶部110は、例えば、後述する、対象文書情報、第1比較文書情報、第2比較文書情報、切替前表示情報、候補表示情報、切替後表示情報を記憶することができる。
【0022】
本実施形態の対象文書取得部115は、ユーザのレビューの対象となる対象文書情報を取得し、記憶部110に格納する。
【0023】
ここで、レビューは、言い換えれば、例えば、ユーザによる電子文書情報の検査である。対象文書情報は、例えば、ユーザによるレビューの対象となる電子文書情報である。
【0024】
電子文書情報は、必要に応じて修正され、完成される。例えば、電子文書情報が事業報告書の電子文書情報である場合、事業担当者によるドラフトの後、事業責任者(例えば、事業担当者よりも上位の立場にある者)の修正を経て、事業報告書が確定する。
【0025】
また、例えば、電子文書情報が契約書の電子文書情報である場合、契約当事者の合意に際して、契約当事者の一方又は双方が、契約書の検査及び修正を行う場合がある。一例として、企業間における契約の場合、例えば、契約検査を担当する法務部が、契約書の内容を検査し、必要に応じて修正する。なお、検査は、確認、審査とも言うことがある。
【0026】
本実施形態の対象文書情報は、例えば、契約書の電子文書情報であってもよい。対象文書情報は、例えば、所定の電子文書作成ソフトによって作成された契約書の電子文書情報、紙媒体の契約書を所定の画像解析技術(例えば、OCR(Optical Character Recognition)技術)を用いて電子化された電子文書情報、又は文書処理システム100又は外部のシステム若しくはサービスが提供するひな型や文書作成機能(エディタ機能等)により生成された電子文書情報であってもよい。また、文書処理システム100の処理対象となる契約書は、例えば、条項を含み、所定の法的効果を発生させる文書であり、申込書、覚書等も含む。
【0027】
契約書は、双方が合意、締結済みの契約書のみならず、双方が確認中の契約書(すなわち、契約書の案)、当事者間でやり取りされたものの合意には至らなかった契約書、又は、他者との契約に際して参照するために作成された契約書の雛形を含む。本実施形態に関する説明において、「契約書」は、特に明示しない限り、双方が合意した契約書のみならず、双方が確認中の契約書(すなわち、契約書の案)、当事者間でやり取りされたものの合意には至らなかった契約書、又は、他者との契約に際して作成された契約書の雛形を含む。また、本実施形態において、対象文書情報は、確定した契約書や最新版の契約書であってもよく、また、最新版ではない契約書であってもよい。
【0028】
電子文書情報(例えば、対象文書情報、後述する第1比較文書情報、第2比較文書情報)は、例えば、当該電子文書情報の内容を示すテキスト、図、若しくは表のデータを含む。
【0029】
また、電子文書情報は、電子文書のタイトルを示すタイトル情報、電子文書のステータス(例えば、レビュー済み、合意済み、先方修正案、先方ドラフト、一次案、雛形等)を示すステータス情報、修正の順を示す順情報、契約書の種別を示す種別情報、契約の立場を示す立場情報、をさらに含んでもよい。また、電子文書情報は、文書単位の情報であってもよく、また、所定の項目(例えば、条、項、号)ごとの情報であってもよい。また、電子文書情報(特に、後述する第1比較文書情報及び第2比較文書情報)は、所定の記憶部に記憶されていればよく、例えば、記憶部110、ユーザが利用する装置(例えば、ユーザ端末200若しくはユーザが所属する事業者のサーバ装置)の記憶部、所定のデータ保管サービスを提供する事業者が管理する装置の記憶部に記憶されていてもよい。また、電子文書情報が契約締結済の契約書である場合には、電子契約システムから文書処理システム100に取り込まれたものであってもよく、または電子契約システムの記憶部に記憶されていてもよい。
【0030】
ここで、本実施形態の種別は、例えば、「秘密保持契約」「業務委託契約」等の契約内容の種別を示す情報であってもよい。また、本実施形態の立場は、「秘密開示側」「委託側」等の契約立場を示す情報であってもよい。なお、タイトル情報、ステータス情報、順情報、種別情報、及び立場情報は、ユーザの入力に応じて設定される情報であってもよく、情報処理システム(例えば、文書処理システム100)による電子文書情報の解析を通じて抽出される情報であってもよい。本実施形態においては、それぞれの電子文書情報は順情報を備えることが好ましい。
【0031】
また、電子文書情報の言語は、例えば、日本語、英語、その他の言語の電子文書情報であってもよい。
【0032】
対象文書取得部115は、例えば、ユーザ端末200から、対象文書情報を取得することができる。この場合、文書処理システム100は、例えば、ユーザから、ユーザ端末200を通じた対象文書情報のアップロードを受けることにより、対象文書情報を取得することができる。
【0033】
なお、対象文書取得部115は、例えば、外部の情報処理システムに記憶されている対象文書情報を取得してもよい。このとき、対象文書取得部115は、例えば、ユーザの操作に応じて、当該対象文書情報を取得してもよい。
【0034】
本実施形態の第1比較文書取得部120は、第1比較文書情報を取得し、第1比較文書情報を記憶部110に格納する。第1比較文書取得部120は、対象文書情報に類似する第1類似文書情報を取得してもよい。
【0035】
本実施形態の第1類似文書情報は、対象文書情報に類似する電子文書情報である。文書処理システム100は、例えば、対象文書情報と所定の一致度合いを満たす電子文書情報を、第1類似文書情報として取得することができる。当該所定の一致度合いは、例えば、電子文書情報に含まれるテキスト、電子文書情報に含まれるタイトル情報、ステータス情報、種別情報、立場情報の一致度合いに基づくものであってもよく、また、その他の手法に基づく一致度合いであってもよい。
【0036】
第1類似文書情報及び後述する第2類似文書情報は、例えば、対象文書情報と類似の種別、当事者、雛形を用いた文書若しくは契約書、また、既にレビューが終了しておりユーザの見本となる文書若しくは契約書である場合に、本開示の実施形態は好適である。
【0037】
第1比較文書取得部120は、例えば、所定の記憶部(特に例えば、記憶部110、又は外部の情報処理システムの記憶部)に記憶されている電子文書情報のうち、第1類似文書情報を抽出して、当該第1類似文書情報を取得することができる。
【0038】
このとき、第1比較文書取得部120は、例えば、対象文書情報との所定の一致度合いに基づいて、所定の記憶部に記憶されている電子文書情報から、第1類似文書情報を抽出してもよい。また、LLM(大規模言語モデル)等による検索やレコメンドを利用して抽出してもよい。
【0039】
対象文書情報が、ユーザによるレビュー前若しくはレビュー中の電子文書情報である場合、第1比較文書取得部120は、第1類似文書情報として、ユーザによるレビュー前の電子文書情報を抽出して取得してもよい。これにより、ユーザは、類似の電子文書情報における修正過程を参照して、対象文書情報において修正すべき内容を把握することができる。また、このとき、第1比較文書取得部120は、例えば、対象文書情報に含まれる順情報に基づいて、対象文書情報と同一の一連の修正過程に属する電子文書情報を第1類似文書情報として取得してもよい。
【0040】
また、第1比較文書取得部120は、例えばステータス情報が「合意済み」若しくは「レビュー済み」の電子文書情報を、第1類似文書情報として抽出して取得してもよい。これにより、ユーザは、類似の電子文書情報において、例えば先方との合意若しくは自社内のレビューが完了した電子文書情報を参照して、対象文書情報において修正すべき内容を把握することができる。
【0041】
また、第1比較文書取得部120は、複数の電子文書情報を第1類似文書情報の候補として抽出し、さらに、ユーザの選択操作に応じて、当該候補のうちから、第1類似文書情報を取得してもよい。これにより、対象文書情報のレビューに際して参照すべき第1類似文書情報を適切に選択することができる。
【0042】
このとき、第1比較文書取得部120は、対象文書情報を表示する画面に表示される第1類似文書情報の候補を選択する操作に応じて、第1類似文書情報を取得してもよい。具体的には、図3を用いて説明する。図3は、ユーザ端末200に表示される対象文書情報を表示する画面(いわば、プレビュー画面)の例を示す図である。
【0043】
図3に示す画面は、例えば、対象文書情報を表示するための領域310、及び第1類似文書情報の候補となる複数の電子文書情報に関する情報を表示する領域320を含む。第1類似文書情報の候補となる複数の電子文書情報に関する情報は、例えば、当該複数の電子文書情報のそれぞれのタイトル情報を含んでもよく、また、当該複数の電子文書情報のそれぞれの内容の少なくとも一部を含んでもよく、当該複数の電子文書情報の種別の情報の少なくとも一部を含んでもよい。
【0044】
ユーザは、図3に示す画面を参照して、対象文書情報の内容を参照しながら、適切な第1類似文書情報を選択することができる。そして、第1比較文書取得部120は、ユーザによって選択された電子文書情報を第1類似文書情報として抽出することができる。
【0045】
なお、ユーザの操作によって、領域320の表示及び非表示を切り替えることができてもよい。
【0046】
また、領域320は、表示される複数の電子文書情報の当事者(例えば、契約先)を示す情報をさらに表示してもよい。また、領域320は、当該当事者を絞り込むための、当事者に関する入力をユーザから受け付ける画面をさらに表示してもよい。すなわち、領域320は、ユーザからの入力に応じて、当該入力に対応する複数の電子文書情報を表示してもよい。これにより、ユーザは、複数の電子文書情報から、ユーザが所望する当事者に関わる電子文書情報のみの表示を受けることができ、例えば、特定の当事者との継続的な契約書を簡易に抽出することができる。
【0047】
本実施形態の切替前表示生成部125は、対象文書情報及び第1類似文書情報の差分を示す切替前差分を強調して、対象文書情報及び第1類似文書情報を表示するための切替前表示情報を生成し、切替前表示情報を記憶部110に格納する。
【0048】
本実施形態の切替前差分は、例えば、対象文書情報に含まれるテキストと、第1類似文書情報に含まれるテキストとの差分、対象文書情報に含まれる表(特に例えば、表の構造、表に含まれるテキスト)と、第1類似文書情報に含まれる表(特に例えば、表の構造、表に含まれるテキスト)との差分であってもよい。
【0049】
また、本実施形態の「強調」は、差分(切替前差分、又は後述する切替後差分)を、差分以外の部分とは異なる態様で表示することを含む。より具体的には、「強調」は、例えば、差分と差分以外の部分の文字の装飾、太さ、フォント、若しくは色を異ならせて表示すること、ハイライトのように所定の色を備える矩形を内容に重ねて表示すること、条文やセルなどの範囲の背景の色を異ならせること、差分ではない文字と背景とのコントラストを低下させるなどの目立たない表示とすることを含むが、これらに限られない。
【0050】
本実施形態の切替前表示出力部130は、切替前表示情報を出力する。切替前表示出力部130は、例えば、ユーザ端末200に、切替前表示情報を出力することができる。
【0051】
図4は、ユーザ端末200に表示される切替前表示情報の例を示す図である。
【0052】
図4に示す画面は、例えば、対象文書情報を表示するための領域410、第1類似文書情報を表示するための領域420、及び第1類似文書情報のバージョンを切り替えるために選択されるボタンを表示する領域430を含む。なお、本実施形態において、画面に表示されるボタンは、ユーザインターフェースの一例であり、例えばアイコン等であってもよい。
【0053】
図4に示す画面では、領域410及び領域420の切替前差分として、「株式会社X」及び「A株式会社」、並びに、「6」及び「3」が強調されて表示されている。
【0054】
図4に示す画面は、対象文書情報及び第1類似文書情報が表示されている、いわば比較プレビュー画面ともいえる。すなわち、ユーザは、図4に示す比較プレビュー画面を参照して、抽出された第1類似文書情報が、対象文書情報と比較する際に適切な電子文書情報であるかを確認し、適切であると判断された場合には、領域430を選択し、後述する処理を通じて、第1類似文書情報のバージョンを切り替えて、対象文書情報と比較することができる。
【0055】
領域430が選択されると、後述する候補表示情報に応じた画面が表示される。これにより、ユーザは、図4に示す画面から、シームレスに、第1類似文書情報のバージョンを切り替える操作を行うことができる。
【0056】
図4に示す画面では、複数の第1類似文書情報が表示されてもよい。この場合は、例えば、図4に示す画面において、複数の第1類似文書情報のそれぞれに対応する領域420が表示されてもよい。これにより、ユーザは、複数の第1類似文書情報のそれぞれを参照して、対象文書情報の比較、レビューに際して参照すべき第1類似文書情報を選択することができる。
【0057】
また、図4に示す画面では、対象文書情報及び第1類似文書情報が電子文書情報単位で表示されてもよく、また、電子文書情報に含まれる所定の単位(例えば、条、項、号)で表示されてもよい。これにより、ユーザは、所定の単位ごとに、対象文書情報の比較、レビューに際して参照すべき第1類似文書情報を選択することができる。
【0058】
本実施形態の候補表示生成部135は、第1類似文書情報と同一の一連の修正過程に属する、複数の候補文書情報に関する情報を表示するための候補表示情報を生成し、候補表示情報を記憶部110に格納する。
【0059】
第1類似文書情報に対して、事前に、ユーザのレビューにより修正が施されている場合がある。当該修正の過程で、第1類似文書情報は、例えば、第2稿の第1類似文書情報、第3稿の第1類似文書情報、最終稿の第1類似文書情報へ修正される。この場合、第1稿の第1類似文書情報、第2稿の第1類似文書情報、第3稿の第1類似文書情報、最終稿の第1類似文書情報は、一連の修正過程に属する電子文書情報である。本実施形態の複数の候補文書情報は、この場合、例えば、第1稿の第1類似文書情報、第2稿の第1類似文書情報、第3稿の第1類似文書情報、最終稿の第1類似文書情報を含む。
【0060】
本実施形態の複数の候補文書情報に関する情報は、例えば、複数の候補文書情報のそれぞれのタイトル情報であってもよく、また、複数の候補文書情報のそれぞれのステータス情報、作成者を示す情報、作成日若しくは作成時刻を示す情報、更新日若しくは更新時刻を示す情報であってもよく、また、これらの組み合わせであってもよい。
【0061】
候補表示生成部135は、例えば、まず、所定の記憶部(特に例えば、記憶部110、又は外部の情報処理システムの記憶部)に記憶されている電子文書情報のうち、第1類似文書情報と同一の一連の修正過程に属する複数の候補文書情報を抽出する。そして、候補表示生成部135は、複数の候補文書情報に関する情報を表示するための候補表示情報を生成する。
【0062】
また、候補表示生成部135は、第1類似文書情報に対応する情報を強調して表示するための候補表示情報を生成することができる。これにより、ユーザは、切替前表示情報に応じた画面において表示されている電子文書情報がいずれであるかを把握することができる。
【0063】
また、候補表示生成部135は、複数の候補文書情報のそれぞれの修正の順を示す順情報と対応付けて、複数の候補文書情報に関する情報を表示するための候補表示情報を生成することができる。より具体的には、候補表示生成部135は、例えば、順情報が示す順に、複数の候補文書情報を並べて表示するための候補表示情報を生成することができる。
【0064】
本実施形態の候補表示出力部140は、候補表示情報を出力する。候補表示出力部140は、例えば、ユーザ端末200に、候補表示情報を出力することができる。
【0065】
図5は、ユーザ端末200に表示される候補表示情報の例を示す図である。
【0066】
図5に示す画面は、例えば、修正の順を示す領域510、複数の候補文書情報に関する情報を表示する領域520、第1類似文書情報に対応する情報を強調して表示する領域530を含む。
【0067】
領域510は、例えば、適切な図形を用いて、複数の候補文書情報の修正の順を示すことができる。これにより、ユーザは、視覚的に、複数の候補文書情報の修正の順を把握することができる。なお、領域510は、各候補文書情報におけるステータス情報をさらに対応付けて表示してもよい。これにより、ユーザは、複数の候補文書情報のステータスを把握することができる。
【0068】
領域520は、複数の候補文書情報に関する情報として、例えば、複数の候補文書情報のそれぞれのタイトル、作成時刻若しくは更新時刻、ステータス情報を表示する。また、領域520は、複数の候補文書情報の作成主体(自社又は先方)を示す情報、すなわち、候補文書情報が例えば自社案の文書情報か先方案の文書情報かを示す情報を表示してもよい。
【0069】
図5に示す画面では、より新しいバージョンの候補文書情報に関する情報が、画面のより上部に表示されているが、より新しいバージョンの候補文書情報に関する情報が、画面のより下部に表示されてもよい。また、複数の候補文書情報に関する情報は、バージョン順に表示されてもよく、更新日時順に表示されてもよく、種別若しくは立場に応じて区分けされて表示されてもよい。また、それぞれの候補文書について、より詳細な情報、例えば図5の画面では表示されていない他の情報や契約書の本文等のプレビューが、例えばポップアップ等で表示されてもよい。
【0070】
図5に示す画面を参照するユーザは、複数の候補文書情報のうち、後述する第2類似文書情報として抽出する電子文書情報を選択する。このとき、ユーザは、例えば、領域510又は領域520を選択する。具体的には、例えば、ユーザが「X社_秘密保持契約書_合意済み」の電子文書情報を選択する場合、ユーザは、領域540a又は領域540bを選択する。そして、後述する第2比較文書抽出部145が、選択された「X社_秘密保持契約書_合意済み」の電子文書情報を、第2類似文書情報として抽出する。
【0071】
図5に示す画面は、図4に示す画面に重ねて表示されてもよい。このとき、図5に示す画面は、図4に示す画面と異なるウィンドウとして表示されてもよく、また、図4に示す画面と同一のウィンドウとして表示されてもよい。図5に示す画面が図4に示す画面と同一のウィンドウとして表示される場合、図5に示す画面は、例えば、所定のアニメーションを伴って、例えば図4に示す画面の右端から現れるように、表示されてもよい。これらの表示により、ユーザは、図4に示す画面から、シームレスに、第1類似文書情報のバージョンを切り替える操作を行うことができる。
【0072】
本実施形態の第2比較文書抽出部145は、第1比較文書情報に基づいて、所定の記憶部(特に例えば、記憶部110、又は外部の情報処理システムの記憶部)に記憶される複数の文書情報のうち、少なくとも1つの第2比較文書情報を抽出し、第2比較文書情報を記憶部110に格納する。第2比較文書抽出部145は、第1比較文書情報に基づいて、所定の記憶部に記憶される複数の文書情報のうち、第1比較文書情報と同一の修正過程に属する少なくとも1つの第2比較文書情報を抽出してもよい。
【0073】
第1比較文書取得部120が、第1比較文書情報として第1類似文書情報を取得する場合、第2比較文書抽出部145は、第2比較文書情報として、第2類似文書情報を抽出することができる。
【0074】
また、第2比較文書抽出部145は、候補表示情報に基づく表示を参照するユーザによる選択操作に基づいて、複数の候補文書情報のうち少なくとも1つの第2類似文書情報を抽出することができる。
【0075】
具体的には、ユーザは、ユーザ端末200を通じて、候補表示情報に基づく表示を参照する。ユーザは、ユーザ端末200を操作して、表示される候補文書情報に関する情報を選択する。第2比較文書抽出部145は、当該選択された候補文書情報に関する情報に対応する候補文書情報を、第2類似文書情報として抽出する。
【0076】
第2比較文書抽出部145は、第1類似文書情報と同一の電子文書情報を第2類似文書情報として抽出してもよい。すなわち、ユーザは、候補表示情報に基づく表示を参照して、再度、第1類似文書情報を選択してもよい。
【0077】
また、第2比較文書抽出部145は、第1類似文書情報と同一の一連の修正過程に属する、最新の電子文書情報を第2類似文書情報として抽出してもよい。これにより、ユーザには、最新の電子文書情報における内容を参照して、対象文書情報のレビューを行うことができる。
【0078】
本実施形態の切替後表示生成部150は、対象文書情報の内容及び少なくとも1つの第2類似文書情報の内容を表示するための切替後表示情報を生成し、切替後表示情報を記憶部110に格納する。
【0079】
本実施形態の切替後表示情報は、例えば、対象文書情報の内容及び少なくとも1つの第2類似文書情報の内容を並べて表示するための表示情報である。
【0080】
また、切替後表示生成部150は、対象文書情報及び少なくとも1つの第2類似文書情報の差分を示す切替後差分を強調して表示するための切替後表示情報を生成することができる。
【0081】
本実施形態の切替後差分は、例えば、対象文書情報に含まれるテキストと、第2類似文書情報に含まれるテキストとの差分、対象文書情報に含まれる表(特に例えば、表の構造、表に含まれるテキスト)と、第2類似文書情報に含まれる表(特に例えば、表の構造、表に含まれるテキスト)との差分であってもよい。
【0082】
本実施形態の切替後表示出力部155は、切替後表示情報を出力する。切替後表示出力部155は、例えば、ユーザ端末200に、切替後表示情報を出力することができる。
【0083】
図6は、ユーザ端末200に表示される切替後表示情報の例を示す図である。
【0084】
図6に示す画面は、例えば、対象文書情報を表示するための領域610、第2類似文書情報を表示するための領域620、及び第2類似文書情報のバージョンを切り替えるために選択されるボタンを表示する領域630を含む。
【0085】
図6に示す画面では、領域610及び領域620の切替前差分として、「株式会社X」及び「A株式会社」、並びに、「書面」及び「書面、電磁的記録媒体、その他の媒体」が強調されて表示されている。
【0086】
図6に示す画面は、対象文書情報及び第2類似文書情報が表示されている。ユーザは、図6に示す画面を参照して、適切なバージョンの第2類似文書情報(例えば、最新のバージョンの電子文書情報若しくは自社内のレビューが完了した電子文書情報)の内容を把握して、対象文書情報のレビューを行うことができる。
【0087】
領域610は、ユーザによる編集が可能な形式で、対象文書情報の内容を表示してもよい。これにより、ユーザは、第2類似文書情報を参照しながら、対象文書情報を編集することができる。
【0088】
また、図6に示す画面は、さらに、第2類似文書情報に基づいた、対象文書情報の自動修正を実行するためのボタンをさらに含んでもよい。本実施形態における自動修正は、例えば、切替後差分に基づいて、第2類似文書情報の内容に添うように、対象文書情報の内容をコンピュータ処理により自動で修正する処理であってもよい。これにより、ユーザは、より簡易に、対象文書情報のレビューを行うことができる。
【0089】
また、図6に示す画面では、複数の第2類似文書情報が表示されてもよい。この場合は、例えば、図6に示す画面において、複数の第2類似文書情報のそれぞれに対応する領域620が表示されてもよい。このとき、当該複数の第2類似文書情報は、同一の一連の修正過程に属する電子文書であってもよい。これにより、ユーザは、複数の第2類似文書情報のそれぞれを参照して、対象文書情報のレビューを行うことができる。
【0090】
また、図6に示す画面では、対象文書情報及び第2類似文書情報が電子文書情報単位で表示されてもよく、また、電子文書情報に含まれる所定の単位(例えば、条、項、号)で表示されてもよい。また、このとき、当該所定の単位で、対象文書情報の自動修正が行われてもよい。これにより、ユーザは、所定の単位ごとに、対象文書情報との比較、レビュー、自動修正等を行うことができる。
【0091】
なお、図3図6に示した画面は、表示の例であり、表示のインターフェースはこれらに限られない。
【0092】
また、文書処理システム100は、対象文書情報の自動レビュー処理を行ってもよい。ここで、自動レビュー処理は、例えば、情報処理システム(例えば、文書処理システム100)が、自然言語処理技術を用いて、対象文書情報の記載内容と、雛形、レビュー済みの電子文書、又は理想的な電子文書(例えば、契約書)の記載内容との差分に基づいて、対象文書情報の記載内容を評価する処理であってもよい。
【0093】
文書処理システム100は、例えば、第2比較文書抽出部145による第2比較文書情報の抽出処理の後に、自動レビュー処理を行ってもよい。このとき、文書処理システム100は、図6に示す画面の一部に、さらに自動レビュー処理結果を表示する領域を設ける表示情報を出力してもよい。これにより、ユーザは、第2比較文書情報(例えば、レビュー済みの電子文書情報)を参照しながら、対象文書情報の自動レビュー処理結果を評価し、対象文書情報のレビューを行うことができる。
【0094】
また、文書処理システム100は、第2比較文書情報を外部の情報処理システムに出力する処理を行ってもよい。第2比較文書情報を出力する処理は、例えば、ユーザ端末200を通じたユーザからの要求に応じて、ユーザ端末200に、第2比較文書情報を出力する処理であってもよい。
【0095】
また、文書処理システム100は、切替前差分及び切替後差分の少なくとも一方を外部の情報処理システムに出力する処理を行ってもよい。このとき、文書処理システム100は、切替前差分又は切替後差分に対応する、対象文書情報と、第1比較文書情報又は第2比較文書情報とをあわせて、外部の情報処理システムに出力してもよい。切替前差分及び切替後差分の少なくとも一方を出力する処理は、例えば、ユーザ端末200を通じたユーザからの要求に応じて、ユーザ端末200に、切替前差分及び切替後差分の少なくとも一方を出力する処理であってもよい。これにより、ユーザは、対象文書情報と、第1類似文書情報又は第2類似文書情報とを比較した比較結果を比較結果データとして取得して、管理することができる。
【0096】
図7は、文書処理システム100における処理の例を示すフローチャートである。
【0097】
まず、対象文書取得部115が対象文書情報を取得し、第1比較文書取得部120が第1類似文書情報を取得する(S701)。切替前表示生成部125が、対象文書情報及び第1類似文書情報に基づいて、切替前表示情報を生成し、切替前表示出力部130が、切替前表示情報を出力する(S702)。
【0098】
候補表示生成部135が候補表示情報を生成し、候補表示出力部140が候補表示情報を出力する(S703)。第2比較文書抽出部145が、第1類似文書情報に基づいて、第2類似文書情報を抽出する(S704)。このとき、第2比較文書抽出部145は、候補表示情報に基づいて表示される画面において選択される候補文書情報を、第2類似文書情報として抽出してもよい。
【0099】
切替後表示生成部150が切替後表示情報を生成し、切替後表示出力部155が切替後表示情報を出力する(S705)。
【0100】
次に、図8を参照して、文書処理システム100をコンピュータ800により実現する場合のハードウェア構成の一例について説明する。図8は、コンピュータ800のハードウェア構成の例を示す図である。
【0101】
図8に示すように、コンピュータ800は、例えば、プロセッサ801、メモリ802、記憶装置803、入力I/F部804、データI/F部805、通信I/F部806、及び表示装置807を含む。
【0102】
コンピュータ800は、例えば、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレット等)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ等)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA、電子メールクライアント等)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームであってもよい。
【0103】
プロセッサ801は、メモリ802に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ800における各種の処理を制御する制御部である。
【0104】
メモリ802は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ802は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0105】
記憶装置803は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置803は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0106】
入力I/F部804は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部804は、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等である。入力I/F部804は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインターフェースを介してコンピュータ800に接続されてもよい。
【0107】
データI/F部805は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部805は、例えば、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等である。データI/F部805は、コンピュータ800の外部に設けられてもよい。データI/F部805がコンピュータ800の外部に設けられる場合、データI/F部805は、例えば、USB等のインターフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0108】
通信I/F部806は、コンピュータ800の外部の装置と有線又は無線により、インターネット等のネットワークを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部806は、コンピュータ800の外部に設けられてもよい。通信I/F部806がコンピュータ800の外部に設けられる場合、通信I/F部806は、例えば、USB等のインターフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0109】
表示装置807は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置807は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等である。表示装置807は、コンピュータ800の外部に設けられてもよい。表示装置807がコンピュータ800の外部に設けられる場合、表示装置807は、例えば、ディスプレイケーブル等を介してコンピュータ800に接続される。また、入力I/F部804としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置807は、入力I/F部804と一体化して構成されてもよい。
【0110】
以上、本開示の一実施形態について説明した。文書処理システム100は、対象文書情報及び第1比較文書情報を取得し、第1比較文書情報に基づいて、少なくとも1つの第2比較文書情報を抽出することができる。これにより、文書処理システム100は、ユーザに対して比較先の電子文書情報を容易に切り替えることを可能にすることができる。
【0111】
また、文書処理システム100は、第1比較文書情報と同一の一連の修正過程に属する少なくとも1つの第2比較文書情報を抽出することができる。これにより、文書処理システム100は、ユーザに対して、バージョンの異なる電子文書情報を容易に参照可能にすることができる。
【0112】
また、文書処理システム100は、複数の候補文書情報に関する情報を表示するための候補表示情報を出力し、候補表示情報に基づく表示を参照するユーザによる選択操作に基づいて、少なくとも1つの第2比較文書情報を抽出することができる。これにより、ユーザは、参照すべき第2比較文書情報を容易に選択して、バージョンを切り替えることができる。
【0113】
また、文書処理システム100は、第1比較文書情報を強調表示するための候補表示情報を出力することができる。これにより、ユーザは、第1比較文書情報がいずれであるかを把握した上で、バージョンを切り替えることができる。
【0114】
また、文書処理システム100は、一連の修正過程における、複数の候補文書情報のそれぞれの順情報と対応付けて表示するための候補表示情報を出力することができる。これにより、ユーザは、複数の候補文書情報の修正過程を把握した上で、バージョンを切り替えることができる。
【0115】
また、文書処理システム100は、対象文書情報の内容及び少なくとも1つの第2比較文書情報の内容を表示するための切替後表示情報を出力することができる。これにより、ユーザは、第2比較文書情報を参照して、対象文書情報のレビューをすることができる。
【0116】
また、文書処理システム100は、切替後差分を強調して表示するための切替後表示情報を出力することができる。これにより、ユーザは、対象文書情報と第2比較文書情報との内容の差分を参照して、対象文書情報のレビューをすることができる。
【0117】
また、文書処理システム100は、切替前差分を強調して表示するための切替前表示情報を出力することができる。これにより、ユーザは、対象文書情報と第1比較文書情報との内容の差分を参照して、バージョンを切り替えることができる。
【0118】
なお、本実施形態は、本開示の理解を容易にするためのものであり、本開示を限定して解釈するためのものではない。本開示は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本開示にはその等価物も含まれる。
【0119】
また、本開示において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」又は装置が有する機能が2つ以上の物理的手段、装置、又はソフトウェアにより実現されても、2つ以上の「部」又は装置の機能が1つの物理的手段、装置、又はソフトウェアにより実現されてもよい。
【符号の説明】
【0120】
100 文書処理システム、110 記憶部、115 対象文書取得部、120 第1比較文書取得部、125 切替前表示生成部、130 切替前表示出力部、135 候補表示生成部、140 候補表示出力部、145 第2比較文書抽出部、150 切替後表示生成部、155 切替後表示出力部、200 ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8