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▶ 三協立山株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168148
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】構造体
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/14 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
E04H17/14 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084585
(22)【出願日】2023-05-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和5年3月14日に三協立山株式会社三協アルミ社ホームページ(http://alumi.st-grp.co.jp/)内のデータダウンロードページ(https://apps.st-grp.co.jp/iportal/CatalogSearch.do?method=catalogSearchByAnyCategories&volumeID=STAWC001&categoryID=581310000&designID=WCAT001)にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】奥井 北斗
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 勝也
【テーマコード(参考)】
2E142
【Fターム(参考)】
2E142AA01
2E142AA03
2E142DD04
2E142DD15
2E142DD23
2E142DD32
2E142HH03
2E142HH13
2E142HH22
2E142JJ06
2E142MM01
2E142MM04
(57)【要約】
【課題】 施工を簡略化できる構造体の提供。
【解決手段】 柱1,1と、柱1,1の見付面10に取付けた横格子3,3,…と、柱1,1の見込面19に対向する端部横格子4,4,…とを備え、端部横格子4,4,…は、横格子3,3,…の長手方向端部に連結してあり、横格子3,3,…の小口36を覆うキャップ部分32を有する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱と、柱の見付面に取付けた横格子と、柱の見込面に対向する端部横格子とを備え、端部横格子は、横格子の長手方向端部に連結してあり、横格子の小口を覆うキャップ部分を有することを特徴とする構造体。
【請求項2】
柱と、柱の見付面に取付けた横格子と、柱の見込面に対向する端部横格子とを備え、端部横格子は、本体と目板の2部材で形成してあり、目板は、長手方向端部が本体の端面よりも突出して横格子の小口を覆っていることを特徴とする構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェンス等の構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、横格子を上下方向に間隔をおいて多数配設したフェンス等の構造体が知られている。かかる構造体においては、施工の簡略化が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、施工を簡略化できる構造体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による構造体は、柱と、柱の見付面に取付けた横格子と、柱の見込面に対向する端部横格子とを備え、端部横格子は、横格子の長手方向端部に連結してあり、横格子の小口を覆うキャップ部分を有することを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の発明による構造体は、柱と、柱の見付面に取付けた横格子と、柱の見込面に対向する端部横格子とを備え、端部横格子は、本体と目板の2部材で形成してあり、目板は、長手方向端部が本体の端面よりも突出して横格子の小口を覆っていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明による構造体は、柱と、柱の見付面に取付けた横格子と、柱の見込面に対向する端部横格子とを備え、端部横格子は、横格子の長手方向端部に連結してあり、横格子の小口を覆うキャップ部分を有するので、端部横格子を横格子の長手方向端部に連結して取付けることで、横格子の小口を端部横格子のキャップ部分で覆うことができ、横格子の長手方向端部にいちいちキャップを取付ける必要がないので、施工を簡略化できる。
【0007】
請求項2記載の発明による構造体は、柱と、柱の見付面に取付けた横格子と、柱の見込面に対向する端部横格子とを備え、端部横格子は、本体と目板の2部材で形成してあり、目板は、長手方向端部が本体の端面よりも突出して横格子の小口を覆っているので、目板を取付けることで横格子の小口を簡単に覆うことができ、横格子の長手方向端部にいちいちキャップを取付ける必要がないので、施工を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)は構造体の第1実施形態を示す正面図、(b)は同構造体の平面図である。
図2図1のA-A断面図である。
図3図1のB-B断面図である。
図4図1のC-C断面図である。
図5】格子ユニットの分解斜視図である。
図6-1】格子ユニットを取付ける際の手順を示す側面図である。
図6-2】格子ユニットを取付ける際の手順(図6-1の続き)を示す側面図である。
図7-1】端部横格子を取付ける際の手順を示す平面図である。
図7-2】端部横格子を取付ける際の手順(図7-1の続き)を示す平面図である。
図8】(a)は構造体の第2実施形態を示す正面図、(b)は同構造体の平面図である。
図9図8のD-D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、構造体の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1~4は、構造体の第1実施形態を示している。本構造体は、住宅の敷地の道路との境界部や門の脇などに設置されるフェンスに適用したものである。
本構造体は、図1に示すように、2本の柱1,1を地面Gから立設し、柱1,1の上端に桁5を架設して門型のフレームが構成してあり、そのフレームの道路側及び敷地側の見付面に複数の横格子3,3,…が上下方向に間隔をおいて設けてあり、道路側の各横格子3,3,…の長手方向端部と敷地側の各横格子3,3,…の長手方向端部を繋ぐように端部横格子4,4,…が左右両側に設けてある。
【0010】
柱1は、アルミニウム合金の押出形材で形成したものであり、図2に示すように、正方形断面の中空状に形成されている。
桁5は、アルミニウム合金の押出形材で形成したものであり、図4に示すように、矩形断面の中空部6と、中空部6の下側に下向きに開口した凹部7とを長手方向に連続して有している。桁5の長手方向端部には蓋8(図3参照)が取付けてあり、蓋8で桁5のを小口を塞いである。
柱1は、図3,4に示すように、上端部を桁5の凹部7に呑み込ませて、金具25を介して凹部7の底壁に固定してある。桁5の凹部7は、柱1を呑み込ませた部分を除いて、下方より目板9を嵌合取付けして塞いである。
【0011】
図1,4に示すように、柱1の道路側及び敷地側の見付面10に取付けられている横格子3,3,…は、複数本の横格子3,3,…をまとめた格子ユニット2,2,…を上下に重ねて取付けることで構成されている。図1のものは、格子ユニット2が上下に6段重ねて取付けてあり、下から1~5段目の格子ユニット2は6本の横格子3をまとめた同じものであり、一番上の段の格子ユニット2は7本の横格子3をまとめたものとなっている。
【0012】
各格子ユニット2は、図2,4,5に示すように、複数本の横格子3,3,…を上下方向に間隔をおいて配置し、柱1,1の見付面10に対向する位置に縦に配置された2本の胴縁26,26に各横格子3,3,…の長手方向端部を後ろからのねじ11でねじ止めして構成してある。
横格子3は、図4に示すように、アルミニウム合金の押出形材で矩形断面の中空状に形成してあり、図2に示すように、左右両端部が柱1より側方に突出している。横格子3の左右両端部の後側の面には、端部横格子4を取付けるためのアングル状の金具28がねじ29で取付けてある。横格子3の左右両端は、切りっぱなしの状態になっている(図5参照)。
胴縁26は、アルミニウム合金の押出形材で形成してあり、図2に示すように、柱1側の面が開放した略C字型断面の長尺材となっている。
図4に示すように、格子ユニット2の上から2番目と下から2番目の横格子3は、略矩形断面の本体27と、本体27の前面に着脱自在に取付けられる略コ字型断面の目板13の2部材で構成された目板付きの横格子3aとなっている。その他の横格子3は目板無しの横格子3bとなっている。各格子ユニット2は、図2,4に示すように、胴縁26の後面を柱1の見付面10に当接し、目板付きの横格子3aを前からのねじ14で柱1にねじ止めすることで、柱1に取付けられている。
【0013】
柱1には、図4に示すように、各格子ユニット2の胴縁26の下端を支持する支持金具15が取付けてある。支持金具15は、柱1の見付面10に当接してねじ16で固定される取付片17と、胴縁26の下端が載置される支持片18とを有する略L形の金具となっている。
【0014】
次に、格子ユニット2,2,…の取付け手順を説明する。まず、図6-1(a)に示すように、柱1の見付面10の所定の高さ位置に支持金具15を取付けておき、組立てた格子ユニット2の胴縁26の下端を支持金具15の支持片18に載置し、胴縁26の後面を柱1の見付面10に当接させる。なお、目板付きの横格子3aの目板13は外しておく。
次に、図6-1(b)に示すように、目板付きの横格子3aを前からのねじ14で胴縁26とともに柱1に固定する。格子ユニット2の胴縁26の下端を支持金具15の支持片18に載置してあることで、格子ユニット2が所定の高さ位置に保持され、格子ユニット2を手で持ちあげておく必要がないので、柱1へのねじ止めが容易に行える。その後、横格子3aに目板13を取付けてねじ14を隠す。
次に、図6-1(c)に示すように、胴縁26の上端に支持片18を当接させて、支持金具15を柱1の見付面10に取付ける。
次に、図6-2(d)に示すように、2段目の格子ユニット2の胴縁26の下端を支持金具15の支持片18に載置し、胴縁26の後面を柱1の見付面10に当接させる。
次に、図6-2(e)に示すように、目板付きの横格子3aを前からのねじ14で胴縁26とともに柱1に固定する。その後、横格子3aに目板13を取付けてねじ14を隠す。
次に、図6-2(f)に示すように、胴縁26の上端に支持片18を当接させて、支持金具15を柱1の見付面10に取付ける。
同様にして、3~6段目の格子ユニット2,2,…を取付ける。
【0015】
本構造体は、図1,4に示すように、桁5の道路側及び敷地側の見付面21にも横格子3が取付けてある。横格子3は、図4に示すように、目板付きの横格子3aであり、前側から挿通したねじ22で桁5に取付け、目板13でねじ22を隠してある。横格子3の後面と桁5との間にスペーサー23を挟むことで、桁5に取付けた横格子3の見付面と格子ユニット2の横格子3の見付面とが同面になっている。このように、桁5にも横格子3を取付けることで、桁5が目立たなくなり、意匠性が向上する。
【0016】
端部横格子4,4,…は、図2,3に示すように、柱1の見込面19と対向して見込方向にのびており、道路側の横格子3,3,…の長手方向端部と敷地側の横格子3,3,…の長手方向端部を繋いでいる。
端部横格子4は、先に説明した目板付きの横格子3aと同じ形材で形成したものであって、図3に示すように、本体27と目板13の2部材で形成されている。本体27は、図2に示すように、道路側の横格子3の後側面と敷地側の横格子3の後側面との間の寸法に合わせて切断されている。目板13は、道路側の横格子3の前側面と敷地側の横格子3の前側面との間の寸法に合わせて切断するとともに、長手方向の両端部を横格子3の小口36が食い込むように階段状に切り欠くことで、横格子3の小口36を覆うキャップ部分32を形成してある。端部横格子4には、本体27と目板13の切断小口を隠すために、金属の薄板を曲げて形成したカバー30が取付けてある。
端部横格子4は、本体27を貫通するねじ31を横格子3に取付けられた金具28の雌ねじ孔に螺入することで道路側の横格子3と敷地側の横格子3の間に取付けられ、本体27に目板13を側方より嵌合取付けすることで、横格子3の小口が目板13のキャップ部分32で隠れる。
【0017】
次に、端部横格子4の取付け手順を説明する。まず、図7-1に示すように、横格子3にあらかじめ金具28をねじ29で取付けた上で、横格子3を先に説明したように柱1及び桁5に取付ける。
次に、端部横格子4の本体27にカバー30を取付ける。カバー30の取付けは、カバー30に固定した取付片33を本体27内に挿入し、ねじ34で固定して取付ける。
次に、図7-2(a)に示すように、カバー30を取付けた本体27を道路側の横格子3と敷地側の横格子3の間に差し入れ、本体27を貫通するねじ31で金具28にねじ止めして本体27を固定する。
その後、図7-2(b)に示すように、目板13を本体27に対して側方より嵌合取付けする。すると、ねじ31が目板13で隠れるとともに、横格子3の小口36が目板13のキャップ部分32によって覆われる。
【0018】
図8,9は、構造体の第2実施形態を示している。本構造体は、第1実施形態と同様に、住宅の敷地の道路との境界部や門の脇などに設置されるフェンスに適用したものであって、柱1,1及び桁5の道路側の見付面10のみに横格子3,3,…が取付けてある。
各横格子3,3,…の長手方向両端部には端部横格子4,4,…が連結して設けられ、端部横格子4,4,…は柱1の見込面19と対向して見込方向(敷地側)にのびている(図9参照)。端部横格子4,4,…の敷地側の端部は、柱1の敷地側の見付面10よりも敷地側に突出している。
端部横格子4,4,…は、第1実施形態と同様に、本体27と目板13の2部材で形成されており、目板13の道路側の端部に横格子3の小口を隠すキャップ部分32を有している。端部横格子4,4,…の敷地側の端部は、長手方向に対して直角にまっすぐに切断され、樹脂製のキャップ35を取付けて小口を覆ってある。
【0019】
第2実施形態の構造体は、横格子3,3,…を柱1,1及び桁5の道路側の見付面10のみに取付けたことで、道路側と敷地側の両側に横格子3,3,…を取付ける場合と比べ、施工を簡略化できるとともに、コストダウンを図ることができる。しかも、各横格子3,3,…の両端部に端部横格子4,4,…が連結して設けられ、端部横格子4,4,…が敷地側に向かってのびていることで、道路側から見た限りでは、道路側と敷地側の両側に横格子3,3,…を設けたのと遜色がない。
【0020】
以上に述べたように本構造体(第1,2実施形態)は、柱1,1と、柱1,1の見付面10に取付けた横格子3,3,…と、柱1,1の見込面19に対向する端部横格子4,4,…とを備え、端部横格子4,4,…は、横格子3,3,…の長手方向端部に連結してあり、横格子3,3,…の小口36を覆うキャップ部分32を有するので、端部横格子4,4,…を横格子3,3,…の長手方向端部に連結して取付けることで、横格子3,3,…の小口を端部横格子4,4,…のキャップ部分32で覆うことができ、横格子3,3,…の長手方向端部にいちいちキャップを取付ける必要がないので、施工を簡略化できる。
また、本構造体(第1,2実施形態)は、柱1,1と、柱1,1の見付面10に取付けた横格子3,3,…と、柱1,1の見込面19に対向する端部横格子4,4,…とを備え、端部横格子4,4,…は、本体27と目板13の2部材で形成してあり、目板13は、長手方向端部が本体27の端面よりも突出して横格子3,3,…の小口36を覆っているので、目板13を取付けることで横格子3,3,…の小口36を簡単に覆うことができ、横格子3,3,…の長手方向端部にいちいちキャップを取付ける必要がないので、施工を簡略化できる
本構造体(第1,2実施形態)は、端部横格子4を横格子3(目板付きの横格子3a)と同一の形材で形成したので、コストダウンを図ることができる。
【0021】
本構造体(第2実施形態)は、柱1,1と、柱1,1の一方の見付面10のみに取付けた複数の横格子3,3,…と、各横格子3,3,…の長手方向端部に連結した端部横格子4,4,…とを備え、端部横格子4は、柱1の見込面19に沿って見込方向にのびており、小口をキャップ35で覆ってあることで、横格子3,3,…を柱1,1の一方の見付面10のみに取付ければよいため、施工を簡略化することができ、しかも各横格子3,3,…の長手方向端部に端部横格子4,4,…が連結してあることで、意匠性も良い。
本構造体(第2実施形態)は、横格子3,3,…の小口36を端部横格子4,4,…で覆っているので、横格子3,3,…の長手方向端部にいちいちキャップを取付ける必要がないので、施工を簡略化できる。
端部横格子4は、本体27と目板13の2部材で形成してあるので、取付けが容易に行えるとともに、ねじ31を目板13で隠すことができるので、意匠性も良い。
【0022】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。柱、横格子及び端部横格子の材質、断面形状は、適宜変更することができる。端部横格子は、必ずしも本体と目板の2部材で形成されていなくてもよく、一つの部材(形材)で形成することもできる。本発明は、フェンスに限らず、柱間に格子を横に取付けるあらゆる構造体に適用することができる。
【符号の説明】
【0023】
1 柱
2 格子ユニット
3 横格子
3a 目板付きの横格子
3b 目板無しの横格子
4 端部横格子
13 目板
27 本体
32 キャップ部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6-1】
図6-2】
図7-1】
図7-2】
図8
図9