(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168172
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】バックアップ装置、バックアップ方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/14 20060101AFI20241128BHJP
G06F 3/06 20060101ALI20241128BHJP
G06F 16/11 20190101ALI20241128BHJP
【FI】
G06F11/14 664
G06F3/06 304F
G06F16/11
G06F11/14 653
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084618
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】西 利真
(57)【要約】
【課題】従来のバックアップ装置においては、バックアップ対象の複数の対象装置を効率的にバックアップできなかった。
【解決手段】2以上の各対象装置から、各対象装置固有の固有情報を各対象装置に対応付けて取得する固有情報取得部132と、2以上の各対象装置から、対象装置2に格納された業務情報を各対象装置に対応付けて取得する業務情報取得部133と、2以上の各対象装置に共通の共通情報に対応付けて、各対象装置ごとの2以上の固有情報と各対象装置ごとの業務情報とを蓄積する蓄積部134とを具備するバックアップ装置1により、複数の対象装置を効率的にバックアップできる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の各対象装置に共通の共通情報を取得する共通情報取得部と、
前記2以上の各対象装置から、各対象装置固有の固有情報を各対象装置に対応付けて取得する固有情報取得部とを具備し、
前記2以上の各対象装置は、属性値に対応付いており、
前記共通情報取得部は、
異なる属性値ごとに、対象装置から共通情報を取得するバックアップ装置。
【請求項2】
前記2以上の各対象装置から、当該対象装置に格納された業務情報を各対象装置に対応付けて取得する業務情報取得部と、
前記2以上の各対象装置に共通の共通情報に対応付けて、前記各対象装置ごとの2以上の固有情報と前記各対象装置ごとの業務情報とを蓄積する蓄積部とをさらに具備する請求項1記載のバックアップ装置。
【請求項3】
対象装置識別子を含む復元指示を受け付ける復元受付部と、
前記対象装置識別子に対応する前記共通情報と前記固有情報と前記業務情報とを取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記共通情報と前記固有情報と前記業務情報とを用いて復元する復元部とを具備する請求項1から請求項3いずれか一項に記載のバックアップ装置。
【請求項4】
前記共通情報を特定する共通定義情報が格納される共通定義管理部をさらに具備し、
前記共通情報取得部は、
前記2以上の対象装置のうちの少なくとも一の対象装置または別の対象装置から、前記共通定義情報が特定する情報に基づく前記共通情報を取得する請求項2または請求項3記載のバックアップ装置。
【請求項5】
前記2以上の各対象装置に対応付く情報であり、固有情報を特定する情報である固有定義情報が格納される固有定義管理部をさらに具備し、
前記固有情報取得部は、
前記2以上の各対象装置から、各対象装置に対応付く前記固有定義情報が特定する情報に基づく固有情報を各対象装置に対応付けて取得する請求項1記載のバックアップ装置。
【請求項6】
前記2以上の各対象装置に対応付く情報であり、業務情報を特定する情報である業務定義情報が格納される業務定義管理部をさらに具備し、
前記業務情報取得部は、
前記2以上の各対象装置から、各対象装置に対応付く前記業務定義情報が特定する情報に基づく業務情報を各対象装置に対応付けて取得する請求項1記載のバックアップ装置。
【請求項7】
バックアップ装置を用いたバックアップ方法であって、共通情報取得部と、固有情報取得部とにより実現されるバックアップ方法であって、
前記共通情報取得部が、2以上の各対象装置に共通の共通情報を取得する共通情報取得ステップと、
前記固有情報取得部が、前記2以上の各対象装置から、各対象装置固有の固有情報を各対象装置に対応付けて取得する固有情報取得ステップとを具備し、
前記2以上の各対象装置は、属性値に対応付いており、
前記共通情報取得ステップにおいて、
異なる属性値ごとに、対象装置から共通情報を取得するバックアップ方法。
【請求項8】
コンピュータを、
2以上の各対象装置に共通の共通情報を取得する共通情報取得部と、
前記2以上の各対象装置から、各対象装置固有の固有情報を各対象装置に対応付けて取得する固有情報取得部として機能させるためのプログラムであって、
前記2以上の各対象装置は、属性値に対応付いており、
前記共通情報取得部は、
異なる属性値ごとに、対象装置から共通情報を取得するものとして、前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2以上の対象装置をバックアップするバックアップ装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バックアップコンピュータにとってより負担の少ない手段によりデータ復旧を可能とする極めて実用性に秀れている、と主張されるバックアップシステムがあった(特許文献1参照)。
【0003】
このバックアップシステムは、事業所内に設置される事業所内コンピュータの記憶装置に記憶されたオペレーティングシステム及び該オペレーティングシステム上で稼動するソフトウェアを、前記事業所内コンピュータと相互通信可能に接続され前記事業所外に設置されるデータ管理用コンピュータの記憶装置上で論理的に区分された一の領域に自動的に記憶する自動記憶機構と、この自動記憶機構により前記データ管理用コンピュータの記憶装置に記憶した前記オペレーティングシステム及び前記ソフトウェアをイメージファイルに変換して前記データ管理用コンピュータと相互通信可能に接続され前記事業所外に設置されるイメージ保管装置に記憶するイメージ化機構と、前記事業所内コンピュータの記憶装置に記憶された前記オペレーティングシステム及び前記ソフトウェアが稼動不能となった際、前記イメージファイルを前記データ管理用コンピュータの記憶装置上で論理的に区分された領域において変換前の前記オペレーティングシステム及び前記ソフトウェアに再変換する再変換機構とを備えたことを特徴とするバックアップシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術においては、一つのコンピュータのバックアップのみが考慮されており、バックアップ対象の複数の対象装置を効率的にバックアップできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第一の発明のバックアップ装置は、2以上の各対象装置から、各対象装置固有の固有情報を各対象装置に対応付けて取得する固有情報取得部と、2以上の各対象装置から、対象装置に格納された業務情報を各対象装置に対応付けて取得する業務情報取得部と、2以上の各対象装置に共通の共通情報に対応付けて、各対象装置ごとの2以上の固有情報と各対象装置ごとの業務情報とを蓄積する蓄積部とを具備するバックアップ装置である。
【0007】
かかる構成により、複数の対象装置を効率的にバックアップできる。
【0008】
また、本第二の発明のバックアップ装置は、第一の発明に対して、2以上の各対象装置に共通の共通情報を取得する共通情報取得部をさらに具備し、共通情報は、共通情報取得部が取得した共通情報であるバックアップ装置である。
【0009】
かかる構成により、複数の対象装置を効率的にバックアップできる。
【0010】
また、本第三の発明のバックアップ装置は、第一の発明に対して、2以上の各対象装置は、属性値に対応付いており、共通情報取得部は、異なる属性値ごとに、対象装置から共通情報を取得するバックアップ装置である。
【0011】
かかる構成により、複数の対象装置をより効率的にバックアップできる。
【0012】
また、本第四の発明のバックアップ装置は、第一から第三いずれか1つの発明に対して、対象装置識別子を含む復元指示を受け付ける復元受付部と、対象装置識別子に対応する共通情報と固有情報と業務情報とを取得する情報取得部と、情報取得部が取得した共通情報と固有情報と業務情報とを用いて復元する復元部とを具備するバックアップ装置である。
【0013】
かかる構成により、バックアップした情報を用いて、対象装置を復元できる。
【0014】
また、本第五の発明のバックアップ装置は、第二または第三の発明に対して、共通情報を特定する共通定義情報が格納される共通定義管理部をさらに具備し、共通情報取得部は、2以上の対象装置のうちの少なくとも一の対象装置または別の対象装置から、共通定義情報が特定する情報に基づく共通情報を取得するバックアップ装置である。
【0015】
かかる構成により、複数の対象装置を効率的にバックアップできる。
【0016】
また、本第六の発明のバックアップ装置は、第一から第五いずれか1つの発明に対して、2以上の各対象装置に対応付く情報であり、固有情報を特定する情報である固有定義情報が格納される固有定義管理部をさらに具備し、固有情報取得部は、2以上の各対象装置から、各対象装置に対応付く固有定義情報が特定する情報に基づく固有情報を各対象装置に対応付けて取得するバックアップ装置である。
【0017】
かかる構成により、複数の対象装置を効率的にバックアップできる。
【0018】
また、本第七の発明のバックアップ装置は、第一から第六いずれか1つの発明に対して、2以上の各対象装置に対応付く情報であり、業務情報を特定する情報である業務定義情報が格納される業務定義管理部をさらに具備し、業務情報取得部は、2以上の各対象装置から、各対象装置に対応付く業務定義情報が特定する情報に基づく業務情報を各対象装置に対応付けて取得するバックアップ装置である。
【0019】
かかる構成により、複数の対象装置を効率的にバックアップできる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によるバックアップ装置によれば、複数の対象装置を効率的にバックアップできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施の形態1における情報システムAの概念図
【
図2】同情報システムAを構成するバックアップ装置1のブロック図
【
図3】同バックアップ装置1の動作例について説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、バックアップ装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0023】
(実施の形態1)
本実施の形態において、1つの共通情報(例えば、イメージファイル)、2以上の各対象装置に対応する固有情報(例えば、IaC(Infrastructure as Code)データ)、および各対象装置ごとの業務情報(例えば、ユーザが作成したファイル)の3種類の情報を蓄積することにより、2以上の対象装置を効率的にバックアップするバックアップ装置について説明する。
【0024】
また、本実施の形態において、共通情報が異なる対象装置の種類ごとに、上記の3種類の情報を蓄積するバックアップ装置について説明する。
【0025】
さらに、本実施の形態において、蓄積した3種類の情報を用いて、対象装置を復元するバックアップ装置について説明する。
【0026】
なお、本明細書において、情報Xが情報Yに対応付いていることは、情報Xから情報Yを取得できること、または情報Yから情報Xを取得できることであり、その対応付けの方法は問わない。情報Xと情報Yとがリンク付いていても良いし、同じバッファに存在していても良いし、情報Xが情報Yに含まれていても良いし、情報Yが情報Xに含まれている等でも良い。
【0027】
図1は、本実施の形態における情報システムAの概念図である。情報システムAは、バックアップ装置1、および2または3以上の対象装置2を備える。
【0028】
バックアップ装置1は、対象装置2のバックアップを行うための装置である。バックアップ装置1は、2以上の対象装置2のうちの一つの対象装置2でも良い。バックアップ装置1は、通常、サーバである。バックアップ装置1は、例えば、クラウドサーバ、またはASPサーバであるが、その種類は問わない。
【0029】
対象装置2は、バックアップの対象の装置である。対象装置2は、例えば、サーバ、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンであるが、その種類は問わない。サーバは、例えば、クラウドサーバ、またはASPサーバであるが、その種類は問わない。
【0030】
バックアップ装置1と2以上の各対象装置2とは、通常、インターネット、LAN等のネットワークにより通信可能である。
【0031】
図2は、本実施の形態における情報システムAを構成するバックアップ装置1のブロック図である。
【0032】
バックアップ装置1は、格納部11、受付部12、処理部13、および出力部14を備える。格納部11は、共通定義管理部111、固有定義管理部112、および業務定義管理部113を備える。受付部12は、復元受付部121を備える。処理部13は、共通情報取得部131、固有情報取得部132、業務情報取得部133、蓄積部134、情報取得部135、および復元部136を備える。
【0033】
バックアップ装置1を構成する格納部11には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、後述する共通定義情報、後述する固有定義情報、後述する業務定義情報である。
【0034】
共通定義管理部111には、1または2以上の共通定義情報が格納される。共通定義情報は、属性値に対応付いていても良い。属性値は、対象装置2の属性値である。属性値は、例えば、対象装置2の種類を特定する種類識別子である。対象装置2の種類は、例えば、OS、装置自体の種類である。種類識別子は、例えば、対象装置2のOSを特定するOS識別子である。OS識別子は、例えば、OSの名称、OSのIDである。
【0035】
共通定義情報とは、共通情報を特定する情報である。共通定義情報は、例えば、1以上のフォルダ名、1以上のディレクトリ名、1以上のディスクID、またはこれらの組み合わせである。
【0036】
共通定義管理部111の共通定義情報は、プログラム中に埋めこまれていても良いことはいうまでもない。
【0037】
共通情報とは、2以上の対象装置2に共通の情報である。共通情報は、例えば、OSを構築するためのファイルの集合に基づく情報である。共通情報は、例えば、システムファイルの集合に基づく情報である。共通情報は、例えば、いわゆるイメージファイルである。共通情報は、例えば、暗号化されたファイル、圧縮されたファイルでも良い。共通情報のデータ構造等は問わない。
【0038】
固有定義管理部112には、2以上の各対象装置2に対応付く固有定義情報が格納される。固有定義情報とは、固有情報を特定する情報である。固有定義情報は、例えば、フォルダ名、ディレクトリ名、ディスクの識別子、アプリケーション名、アプリケーションの識別子、またはこれらの組み合わせである。なお、固有定義情報は、2以上の対象装置2に共通でも良い。
【0039】
固有情報とは、2以上の各対象装置2に固有の情報である。固有情報は、例えば、対象装置2にインストールされた1または2以上の各アプリケーションを構築するためのファイルの集合に基づく情報である。固有情報は、例えば、IaCデータである。なお、IaCデータは、単に、IaCと言っても良い。
【0040】
業務定義管理部113には、2以上の各対象装置に対応付く業務定義情報が格納される。業務定義情報とは、業務情報を特定する情報である。業務定義情報は、例えば、フォルダ名、ディレクトリ名、ディスクの識別子、ディスクID、またはこれらの組み合わせである。なお、業務定義情報は、2以上の対象装置2に共通でも良い。
【0041】
業務情報とは、2以上の各対象装置2に、蓄積された情報である。業務情報は、例えば、フォルダ名、ディレクトリ名、ディスクの識別子である。業務情報は、例えば、イメージファイルであるが、暗号化したファイル、圧縮されたファイル等でも良い。業務情報の内容は、例えば、店舗内の入出庫在庫情報、工場内の製品情報、金融機関の取引情報、または顧客情報等の業務システムで蓄積・更新される情報であるが、問わない。
【0042】
共通定義管理部111の共通定義情報、固有定義管理部112の固有定義情報、および業務定義管理部113の業務定義情報は、プログラム中に埋めこまれていても良いことはいうまでもない。
【0043】
受付部12は、各種の指示や情報を受け付ける。各種の指示や情報は、例えば、バックアップの指示、復元指示である。
【0044】
各種の指示や情報の入力手段は、タッチパネルやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。
【0045】
復元受付部121は、復元指示を受け付ける。復元指示とは、バックアップされた情報を用いて、対象装置2を復元する指示である。復元指示は、例えば、対象装置識別子を含む
【0046】
ここで、受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。
【0047】
処理部13は、各種の処理を行う。各種の処理とは、共通情報取得部131、固有情報取得部132、業務情報取得部133、蓄積部134、情報取得部135、または復元部136が行う処理である。
【0048】
共通情報取得部131は、2または3または4以上の各対象装置2に共通の共通情報を取得する。共通情報取得部131は、格納部11から共通情報を読み出しても良い。
【0049】
共通情報取得部131は、例えば、異なる属性値ごとに、対象装置2から共通情報を取得する。異なる属性値ごととは、例えば、異なる種類識別子ごとである。
【0050】
共通情報取得部131は、例えば、2以上の対象装置2のうちの少なくとも一の対象装置2、または情報システムAを構成しない別の対象装置2から、共通定義管理部111の共通定義情報が特定する情報に基づく共通情報を取得する。
【0051】
固有情報取得部132は、2または3または4以上の各対象装置2から、各対象装置2に固有の固有情報を各対象装置2に対応付けて取得する。
【0052】
固有情報取得部132は、例えば、2以上の各対象装置2から、各対象装置2に対応付く固有定義情報を固有定義管理部112から取得し、当該固有定義情報が特定する情報に基づく固有情報を各対象装置2に対応付けて取得する。
【0053】
業務情報取得部133は、2以上の各対象装置2から、各対象装置2に格納された業務情報を各対象装置2に対応付けて取得する。
【0054】
業務情報取得部133は、例えば、2以上の各対象装置2ごとに、各対象装置2に対応付く業務定義情報を業務定義管理部113から取得し、当該業務定義情報が特定する情報を各対象装置2から取得し、当該情報に基づく業務情報を各対象装置2に対応付けて取得する。
【0055】
蓄積部134は、共通情報と、各対象装置2ごとの固有情報と、各対象装置ごとの業務情報とを蓄積する。蓄積部134が情報を蓄積する先は、格納部11が好適であるが、他の装置や他の記録媒体でも良い。
【0056】
情報取得部135は、対象装置2を復元するための情報を取得する。対象装置2を復元するための情報は、共通情報、固有情報、および業務情報である。
【0057】
情報取得部135は、例えば、蓄積部134が蓄積した共通情報を取得する。また、情報取得部135は、例えば、復元受付部121が受け付けた復元指示が有する対象装置識別子に対応する固有情報と業務情報とを取得する。
【0058】
復元部136は、情報取得部135が取得した共通情報と固有情報と業務情報とを用いて復元する。
【0059】
復元部136は、例えば、共通情報を用いて、対象装置2のOSまたはシステムファイルを復元する。復元部136は、例えば、固有情報を用いて、対象装置2の1または2以上のアプリケーションを復元する。復元部136は、例えば、業務情報を用いて、対象装置2においてユーザが作成した1または2以上のファイルを復元する。
【0060】
出力部14は、各種の情報を出力する。各種の情報は、例えば、バックアップが完了した旨の情報、復元が完了した旨の情報である。
【0061】
ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
【0062】
2以上の各対象装置2は、属性値に対応付いている。
【0063】
格納部11、共通定義管理部111、固有定義管理部112、および業務定義管理部113は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0064】
格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。
【0065】
受付部12、および復元受付部121は、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。受付部12は、無線または有線の通信手段で実現されても良い。
【0066】
処理部13、共通情報取得部131、固有情報取得部132、業務情報取得部133、蓄積部134、情報取得部135、および復元部136は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部13等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0067】
出力部14は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部14は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0068】
次に、バックアップ装置1の動作例について、
図3のフローチャートを用いて説明する。
【0069】
(ステップS301)処理部13は、バックアップのタイミングであるか否かを判断する。バックアップのタイミングであればステップS302に行き、バックアップのタイミングでなければステップS314に行く。なお、バックアップのタイミングは、例えば、予め決められた時刻になったこと、ユーザからの指示が受け付けられたこと等である。バックアップの開始のトリガーは問わない。
【0070】
(ステップS302)処理部13は、カウンタiに1を代入する。
【0071】
(ステップS303)処理部13は、対象装置2のi番目の種類が存在するか否かを判断する。i番目の種類が存在する場合はステップS304に行き、i番目の種類が存在しない場合はステップS301に戻る。
【0072】
なお、処理部13は、例えば、共通定義管理部111に、i番目の種類識別子が存在するか否かを判断することにより、i番目の種類が存在するか否かを判断する。
【0073】
(ステップS304)共通情報取得部131は、共通定義管理部111から、i番目の種類に対応する共通定義情報を取得する。
【0074】
(ステップS305)共通情報取得部131は、共通定義情報が特定する記憶領域の情報(例えば、ファイル、フォルダ)を、i番目の種類識別子に対応するいずれかの対象装置2から取得する。共通情報取得部131は、当該取得した情報を用いて、共通情報を取得する。蓄積部134は、当該共通情報を蓄積する。なお、共通情報は、例えば、イメージファイルである。
【0075】
(ステップS306)処理部13は、カウンタjに1を代入する。
【0076】
(ステップS307)固有情報取得部132は、i番目の種類のj番目の対象装置2が存在するか否かを判断する。j番目の対象装置2が存在する場合はステップS308に行き、存在しない場合はステップS313に行く。
【0077】
(ステップS308)固有情報取得部132は、i番目の種類のj番目の対象装置2の対象装置識別子と対になる固有定義情報を固有定義管理部112から取得する。
【0078】
(ステップS309)固有情報取得部132は、当該固有定義情報が特定する記憶領域の情報(例えば、ファイル、フォルダ)を、当該j番目の対象装置2から取得する。固有情報取得部132は、当該取得した情報を用いて、固有情報を取得する。蓄積部134は、当該固有情報を、j番目の対象装置2の対象装置識別子と対にして蓄積する。なお、固有情報は、例えば、Iacデータである。
【0079】
(ステップS310)業務情報取得部133は、i番目の種類のj番目の対象装置2の対象装置識別子と対になる業務定義情報を業務定義管理部113から取得する。
【0080】
(ステップS311)業務情報取得部133は、当該業務定義情報が特定する記憶領域の情報(例えば、ファイル、フォルダ)を、当該j番目の対象装置2から取得する。業務情報取得部133は、当該取得した情報を用いて、業務情報を取得する。蓄積部134は、当該業務情報を、j番目の対象装置2の対象装置識別子と対にして蓄積する。
【0081】
(ステップS312)処理部13は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS307に戻る。
【0082】
(ステップS313)処理部13は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS303に戻る。
【0083】
(ステップS314)復元受付部121は、復元指示を受け付けたか否かを判断する。復元指示を受け付けた場合はステップS315に行き、復元指示を受け付けなかった場合はステップS301に戻る。
【0084】
(ステップS315)情報取得部135は、復元指示に対応する対象装置識別子を取得する。なお、復元指示に対応する対象装置識別子は、例えば、復元指示に含まれる対象装置識別子である。
【0085】
(ステップS316)情報取得部135は、当該対象装置識別子と対になる種類識別子と対になる共通情報を取得する。情報取得部135は、例えば、共通情報を格納部11から取得する。
【0086】
(ステップS317)復元部136は、対象装置識別子で識別される対象装置2に対して、ステップS316で取得された共通情報を用いた復元処理を行う。
【0087】
(ステップS318)情報取得部135は、当該対象装置識別子と対になる固有情報を取得する。情報取得部135は、例えば、固有情報を格納部11から取得する。
【0088】
(ステップS319)復元部136は、対象装置識別子で識別される対象装置2に対して、ステップS318で取得された固有情報を用いた復元処理を行う。
【0089】
(ステップS320)情報取得部135は、当該対象装置識別子と対になる業務情報を取得する。情報取得部135は、例えば、業務情報を格納部11から取得する。
【0090】
(ステップS321)復元部136は、対象装置識別子で識別される対象装置2に対して、ステップS320で取得された業務情報を用いた復元処理を行う。ステップS301に戻る。
【0091】
なお、
図3のフローチャートにおいて、情報システムAを構成するすべての対象装置2のバックアップを一度に行った。しかし、
図3のフローチャートにおいて、情報システムAを構成する一部の対象装置2のバックアップのみを行っても良い。
【0092】
また、
図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0093】
以下、本実施の形態における情報システムAを構成するバックアップ装置1の具体的な動作例について説明する。
【0094】
バックアップ装置1の共通定義管理部111には、
図4に示す共通定義管理表が格納されている。共通定義管理表は、種類識別子ごとの共通定義情報を管理する表である。共通定義管理表は、「ID」「種類識別子」「共通定義情報」を有するレコードを管理する。「ID」はレコードを識別する情報である。「種類識別子」は、ここでは対象装置2のOSを識別する情報である。「共通定義情報」は、ここでは共通情報を構成するフォルダ名の集合である。
【0095】
固有定義管理部112には、
図5に示す固有定義管理表が格納されている。固有定義管理表は、対象装置2ごとの固有定義情報を管理する表である。固有定義管理表は、「ID」「種類識別子」「対象装置識別子」「固有定義情報」を有するレコードを管理する。「対象装置識別子」は、ここではIPアドレスである。「固有定義情報」は、ここでは固有情報を構成するフォルダ名の集合である。
【0096】
業務定義管理部113には、
図6に示す業務定義管理表が格納されている。業務定義管理表は、対象装置2ごとの業務定義情報を管理する表である。業務定義管理表は、「ID」「種類識別子」「対象装置識別子」「業務定義情報」を有するレコードを管理する。ここではIPアドレスである。「業務定義情報」は、ここでは業務情報を構成するフォルダ名の集合である。
【0097】
かかる状況において、処理部13は、バックアップのタイミングである、と判断した、とする。
【0098】
次に、共通情報取得部131は、種類識別子ごとに、共通定義情報を取得し、当該共通定義情報に基づいて、種類識別子に対応するいずれかの対象装置2から共通情報の元になる情報(共通定義情報が示す2以上のフォルダの情報)を取得し、当該情報のイメージファイルである共通情報を取得する。なお、共通情報取得部131は、種類識別子と対になる対象装置識別子(IPアドレス)を固有定義管理表から取得し、当該対象装置識別子を用いて、対象装置2にアクセスし、当該対象装置2から共通情報の元になる情報を取得する。
【0099】
次に、蓄積部134は、2以上の各種類識別子ごとに、種類識別子に対応付けて、取得された共通情報を格納部11に蓄積する。
【0100】
また、固有情報取得部132は、2以上の各種類識別子ごと、および対象装置識別子ごとに、対象装置識別子と対になる固有定義情報を固有定義管理表から取得する。次に、固有情報取得部132は、各対象装置2に対象装置識別子(IPアドレス)を用いてアクセスし、各対象装置識別子と対になる固有定義情報が特定する記憶領域の情報(ここでは、フォルダ)を、各対象装置2から取得する。固有情報取得部132は、当該取得した情報を用いて、IaCデータである固有情報を取得する。蓄積部134は、対象装置識別子ごとに、当該固有情報を対象装置識別子と対にして格納部11に蓄積する。
【0101】
次に、業務情報取得部133は、2以上の各種類識別子ごと、および対象装置識別子ごとに、対象装置識別子と対になる業務定義情報を業務定義管理表から取得する。次に、業務情報取得部133は、各対象装置2に対象装置識別子(IPアドレス)を用いてアクセスし、各対象装置識別子と対になる業務定義情報が特定する記憶領域の情報(ここでは、フォルダ)を、各対象装置2から取得する。業務情報取得部133は、当該取得した情報を用いて、業務情報(例えば、各フォルダに対してPWを付して圧縮したファイル)を取得する。蓄積部134は、対象装置識別子ごとに、当該業務情報を対象装置識別子と対にして格納部11に蓄積する。
【0102】
以上の処理により、2以上の各対象装置2のバックアップが完了する。
【0103】
次に、災害等により、例えば、対象装置識別子「IPアドレス11」で識別される対象装置2がクラッシュした、とする。そして、ユーザは、「IPアドレス11」を含む復元指示を、バックアップ装置1に対して入力した、とする。
【0104】
次に、復元受付部121は、当該復元指示を受け付ける。次に、情報取得部135は、復元指示に対応する対象装置識別子「IPアドレス11」を取得する。次に、情報取得部135は、当該対象装置識別子「IPアドレス11」と対になる種類識別子「OS1」を固有定義管理表から取得し、当該種類識別子「OS1」と対になる共通情報を格納部11から取得する。
【0105】
次に、復元部136は、対象装置識別子「IPアドレス11」で識別される対象装置2にアクセスし、取得された共通情報を用いた復元処理を行う。以上の処理により、対象装置識別子「IPアドレス11」で識別される対象装置2のOSが再インストールされた状態となる。
【0106】
次に、情報取得部135は、当該対象装置識別子「IPアドレス11」と対になる固有情報を格納部11から取得する。次に、復元部136は、対象装置識別子「IPアドレス11」を用いて対象装置2にアクセスし、当該対象装置2に対して、取得された固有情報を用いた復元処理を行う。以上の処理により、対象装置識別子「IPアドレス11」で識別される対象装置2に、以前にインストールされていたアプリケーションが再インストールされた状態となる。
【0107】
次に、情報取得部135は、当該対象装置識別子「IPアドレス11」と対になる業務情報を格納部11から取得する。次に、復元部136は、対象装置識別子「IPアドレス11」を用いて対象装置2にアクセスし、取得された業務情報を用いた復元処理を行う。以上の処理により、対象装置識別子「IPアドレス11」で識別される対象装置2に、以前に存在したユーザ作成のフォルダやファイルが蓄積された状態となる。
【0108】
以上の本具体例の処理により、復元指示に対応する対象装置2が復元できた。
【0109】
以上、本実施の形態によれば、複数の対象装置2を効率的にバックアップできる。
【0110】
また、本実施の形態によれば、バックアップした情報を用いて、対象装置2を復元できる。
【0111】
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態におけるバックアップ装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、2以上の各対象装置から、各対象装置固有の固有情報を各対象装置に対応付けて取得する固有情報取得部と、前記2以上の各対象装置から、当該対象装置に格納された業務情報を各対象装置に対応付けて取得する業務情報取得部と、前記2以上の各対象装置に共通の共通情報に対応付けて、前記各対象装置ごとの2以上の固有情報と前記各対象装置ごとの業務情報とを蓄積する蓄積部として機能させるためのプログラムである。
【0112】
また、
図7は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態のバックアップ装置1等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
図7は、このコンピュータシステム300の概観図であり、
図8は、システム300のブロック図である。
【0113】
図7において、コンピュータシステム300は、CD-ROMドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304とを含む。
【0114】
図8において、コンピュータ301は、CD-ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、CD-ROMドライブ3012等に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0115】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態のバックアップ装置1等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM3101に記憶されて、CD-ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD-ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0116】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態のバックアップ装置1等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0117】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0118】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0119】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0120】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0121】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0122】
以上のように、本発明にかかるバックアップ装置1は、複数の対象装置を効率的にバックアップできるという効果を有し、バックアップサーバ等として有用である。
【符号の説明】
【0123】
1 バックアップ装置
2 対象装置
11 格納部
12 受付部
13 処理部
14 出力部
111 共通定義管理部
112 固有定義管理部
113 業務定義管理部
121 復元受付部
131 共通情報取得部
132 固有情報取得部
133 業務情報取得部
134 蓄積部
135 情報取得部
136 復元部