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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168175
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】開閉制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60J 7/057 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
B60J7/057 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084624
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 知樹
(72)【発明者】
【氏名】村田 健二
(72)【発明者】
【氏名】村山 友規
(72)【発明者】
【氏名】澤田 昌俊
(57)【要約】
【課題】操作負荷を抑制することができる開閉制御装置を提供する。
【解決手段】開閉制御装置1は、車両9のサンルーフ92を開閉させる操作を受け付けるルーフスイッチ2と、ルーフスイッチ2に隣接して配置され、サンルーフ92の開閉状態に連動して照明幅を変える照明部4と、を備えて概略構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のサンルーフを開閉させる操作を受け付けるルーフスイッチと、
前記ルーフスイッチに隣接して配置され、前記サンルーフの開閉状態に連動して照明幅を変える照明部と、
を備えた開閉制御装置。
【請求項2】
さらに前記ルーフスイッチ及び前記照明部の少なくとも一方に隣接して配置され、前記サンルーフを介して前記車両に入る光を遮光するシェードを開閉させる操作を受け付けるシェードスイッチを備え、
前記照明部は、前記サンルーフの開閉状態に連動して照明幅を変えるルーフ照明部と、前記シェードの開閉状態に連動して照明幅を変えるシェード照明部と、を有する、
請求項1に記載の開閉制御装置。
【請求項3】
前記照明部は、前記ルーフスイッチ及び前記シェードスイッチの少なくとも一方が操作を受け付けた際、操作を受け付けたスイッチに対応する前記ルーフ照明部及び前記シェード照明部の少なくとも一方に対して予め定められた基準幅の照明を行う、
請求項2に記載の開閉制御装置。
【請求項4】
さらに前記ルーフスイッチ及び前記照明部の少なくとも一方に隣接して配置され、前記サンルーフを介して前記車両に入る光を遮光するシェードを開閉させる操作を受け付けるシェードスイッチを備え、
前記照明部は、前記サンルーフの開閉状態に連動した照明幅で行われた照明に重畳して、前記シェードの開閉状態に連動した照明幅の照明を行う、
請求項1に記載の開閉制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、電動式サンルーフのパワーウインドウを開閉操作する操作部を備えたパワーウインドウ用スイッチ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このパワーウインドウ用スイッチ装置は、第一プッシュボタンと、該第一プッシュボタンに並設された第二プッシュボタンと、第一、第二プッシュボタンの間に位置すると共に、該第一、第二プッシュボタンよりも所定量突出した突出部と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-302751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のパワーウインドウ用スイッチ装置は、所望の開閉状態になるように、操作者がサンルーフの開閉状態を確認しながら操作部を操作しなければならず、操作負荷が高かった。
【0006】
従って本発明の目的は、操作負荷を抑制することができる開閉制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、車両のサンルーフを開閉させる操作を受け付けるルーフスイッチと、ルーフスイッチに隣接して配置され、サンルーフの開閉状態に連動して照明幅を変える照明部と、を備えた開閉制御装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作負荷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1(a)は、車室の一例を示す図であり、図1(b)は、開閉制御装置の一例を示す図である。
図2図2(a)は、開閉制御装置のブロック図の一例であり、図2(b)は、開閉システムのブロック図の一例である。
図3図3(a)は、ルーフスイッチが操作を受け付けた際のサンルーフ及びシェードの状態の一例を示す図であり、図3(b)は、その際の開閉制御装置の一例を示す図である。
図4図4(a)は、サンルーフが駆動された状態の一例を示す図であり、図4(b)は、その際の開閉制御装置の一例を示す図である。
図5図5(a)は、サンルーフ及びシェードが駆動された状態の一例を示す図であり、図5(b)は、その際の開閉制御装置の一例を示す図である。
図6図6(a)は、変形例においてサンルーフ及びシェードが駆動された状態の一例を示す図であり、図6(b)は、その際の開閉制御装置の一例を示す図である。
図7図7は、開閉制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図8図8(a)は、開閉制御装置のブロック図の一例であり、図8(b)は、ルーフスイッチに対する操作が受け付けられた際の照明の一例を示す図であり、図8(c)は、シェードスイッチの際の照明の一例を示す図である。
図9図9(a)は、ルーフスイッチ及びシェードスイッチに対して操作がなされた際の照明の一例を示す図であり、図9(b)は、サンルーフの照明領域とシェードの照明領域とが混合して照明される一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係る開閉制御装置は、車両のサンルーフを開閉させる操作を受け付けるルーフスイッチと、ルーフスイッチに隣接して配置され、サンルーフの開閉状態に連動して照明幅を変える照明部と、を備えて概略構成されている。
【0011】
この開閉制御装置は、操作者がルーフスイッチの近くで照明される照明幅によってサンルーフの開閉状態を確認することができるので、この構成を採用しない場合と比べて、サンルーフの開閉状態を目視しながらルーフスイッチを操作する必要がなく、操作負荷を抑制することができる。
【0012】
[第1の実施の形態]
(開閉制御装置1の概要)
図1(a)は、第1の実施の形態に係る開閉制御装置が配置された車両の一例を示す図であり、図1(b)は、開閉制御装置の一例を示す図である。図2(a)は、第1の実施の形態に係る開閉制御装置のブロック図の一例であり、図2(b)は、開閉制御装置を含む開閉システムのブロック図の一例である。図1(b)では、照明がなされていない状態を示し、照明がなされた際の境界を点線で示している。なお以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率や形状は、実際の比率や形状とは異なる場合がある。また図2(a)、図2(b)、及び後述する図8(a)では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。さらにシェード93は、一例として、開口部91への突出量が常にサンルーフ92よりも短いものとする。シェード93は、サンルーフ92が開く方向に駆動された場合、サンルーフ92よりも突出量が長くならないように連動して開く方向に駆動される。
【0013】
開閉制御装置1は、図1(a)及び図1(b)に示すように、車両9のサンルーフ92を開閉させる操作を受け付けるルーフスイッチ2と、ルーフスイッチ2に隣接して配置され、サンルーフ92の開閉状態に連動して照明幅を変える照明部4と、を備えて概略構成されている。本実施の形態の開閉制御装置1は、サンルーフ92に近い天井90に配置されるがこれに限定されず、インストルメントパネルやセンターコンソールなどに配置されても良い。
【0014】
この開閉制御装置1は、さらにルーフスイッチ2及び照明部4の少なくとも一方に隣接して配置され、サンルーフ92を介して車両9に入る光を遮光するシェード93を開閉させる操作を受け付けるシェードスイッチ3を備えている。
【0015】
照明部4は、図1(b)に示すように、サンルーフ92の開閉状態に連動して照明幅Hを変えるルーフ照明部40と、シェード93の開閉状態に連動して照明幅Hを変えるシェード照明部41と、を備えている。ルーフスイッチ2、シェードスイッチ3、ルーフ照明部40及びシェード照明部41は、図1(b)に示すように、本体10に並んで配置されている。
【0016】
また照明部4は、ルーフスイッチ2及びシェードスイッチ3の少なくとも一方が操作を受け付けた際、操作を受け付けたスイッチに対応するルーフ照明部40及びシェード照明部41の少なくとも一方に対して予め定められた基準幅の照明を行うように構成されている。このルーフ照明部40及びシェード照明部41は、図1(b)に示すように、基準幅H及び基準幅Hで照明を行う。本実施の形態の基準幅H及び基準幅Hは、一例として、ルーフスイッチ2及びシェードスイッチ3を基準に定められているがこれに限定されない。
【0017】
開閉制御装置1は、図2(a)に示すように、ルーフスイッチ2及びシェードスイッチ3になされた操作に基づいてサンルーフ92及びシェード93の開閉を制御すると共に、照明部4を制御し、サンルーフ92及びシェード93の開閉状態に連動して照明幅H及び照明幅Hを変える制御部6を備えている。
【0018】
また開閉制御装置1は、一例として、図2(a)及び図2(b)に示すように、通信部5を介してルーフ駆動部95及びシェード駆動部96と電気的に接続されている。開閉制御装置1は、ルーフ駆動部95及びシェード駆動部96と共に開閉システム94を構成している。通信部5は、ルーフ駆動部95及びシェード駆動部96と相互に信号などを交換するように構成されている。
【0019】
ルーフ駆動部95は、サンルーフ92を開けたり、閉じたりするようにサンルーフ92を駆動する。シェード駆動部96は、シェード93を開けたり、閉じたりするようにシェード93を駆動する。
【0020】
サンルーフ92及びシェード93は、図1(a)に示すように、天井90に設けられた開口部91に配置されている。サンルーフ92及びシェード93は、基準状態が開口部91を塞ぐ状態、つまり閉じている状態である。
【0021】
サンルーフ92は、例えば、透明な樹脂やガラスを用いて板状に形成されている。シェード93は、例えば、車室97にサンルーフ92を介して入る光を遮光するように透過率が低い樹脂で板状に形成されたり、透明な板部材に透過率の低いフィルムが貼られたりして構成されている。
【0022】
(ルーフスイッチ2の構成)
ルーフスイッチ2は、一例として、シーソースイッチとして構成されている。このシーソースイッチは、一例として、2段階で操作としてのプッシュ操作を検出可能とされているがこれに限定されない。操作者は、図1(b)に示すように、ルーフスイッチ2の「OPEN」側を押すことにより、サンルーフ92を開けることができる。この際、サンルーフ92は、図1(a)に示す矢印A方向に駆動される。開口部91は、サンルーフ92及びシェード93が開くことにより、解放開口910が形成される。この解放開口910は、サンルーフ92及びシェード93が位置せず、車室97と車外とが繋がる解放された開口である。
【0023】
また操作者は、ルーフスイッチ2の「CLOSE」側を押すことにより、サンルーフ92を閉じることができる。この際、サンルーフ92は、図1(a)の矢印B方向に駆動される。この矢印A方向は、車両9の前方から後方に向かう方向である。矢印B方向は、車両9の後方から前方に向かう方向である。
【0024】
ルーフスイッチ2は、「OPEN」側に対するプッシュ操作、及び「CLOSE」側に対するプッシュ操作に応じたスイッチ信号Sを制御部6に出力する。制御部6は、スイッチ信号Sに基づいてサンルーフ92の開閉を指示する制御信号Sを、通信部5を介してルーフ駆動部95に出力する。また制御部6は、スイッチ信号Sに基づいてサンルーフ92の開閉状態を照明するための照明信号Sをルーフ照明部40に出力する。
【0025】
(シェードスイッチ3の構成)
シェードスイッチ3は、一例として、ルーフスイッチ2と同形状のシーソースイッチとして構成されている。このシーソースイッチは、一例として、2段階で操作としてのプッシュ操作を検出可能とされているがこれに限定されない。操作者は、図1(b)に示すように、シェードスイッチ3の「OPEN」側を押すことにより、シェード93を開けることができる。この際、シェード93は、図1(a)の矢印A方向に駆動される。
【0026】
また操作者は、シェードスイッチ3の「CLOSE」側を押すことにより、シェード93を閉じることができる。この際、シェード93は、図1(a)の矢印B方向に駆動される。
【0027】
なお変形例として、ルーフスイッチ2及びシェードスイッチ3は、「OPEN」側と「CLOSE」側になされたタッチ操作を検出するタッチスイッチとして構成されても良いし、2段階の操作を検出するために1段目の操作を検出するタッチセンサを備えて構成されても良い。
【0028】
シェードスイッチ3は、「OPEN」側に対するプッシュ操作、及び「CLOSE」側に対するプッシュ操作に応じたスイッチ信号Sを制御部6に出力する。制御部6は、スイッチ信号Sに基づいてシェード93の開閉を指示する制御信号Sを、通信部5を介してシェード駆動部96に出力する。また制御部6は、スイッチ信号Sに基づいてシェード93の開閉状態を照明するための照明信号Sをシェード照明部41に出力する。
【0029】
(照明部4の構成)
照明部4は、一例として、図1(b)に示すように、複数の発光素子42を有し、照明幅に応じて点灯する発光素子42を切り替えるように構成されているがこれに限定されない。照明部4は、例えば、LED(Light-Eemitting Diode)ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの表示装置において点灯する箇所を切り替えるように構成されても良い。また発光素子42は、複数の色を組み合わせて配置されても良い。
【0030】
照明部4のルーフ照明部40及びシェード照明部41は、図1(b)に示すように、車両9の前後に沿った細長い形状を有している。ルーフ照明部40は、ルーフスイッチ2に隣接して配置されている。シェード照明部41は、シェードスイッチ3に隣接して配置されている。
【0031】
ルーフ照明部40は、図1(b)に点線で示すように、照明パターン20で照明される基準照明領域401、及び照明パターン30で照明される開閉状態照明領域402を有している。またシェード照明部41は、図1(b)に点線で示すように、照明パターン30で照明される基準照明領域411、及び照明パターン31で照明される開閉状態照明領域412を有している。
【0032】
ルーフ照明部40の基準照明領域401は、ルーフスイッチ2が1段目の操作を受け付けた際に点灯される照明領域である。開閉状態照明領域402は、サンルーフ92の開閉状態に応じて点灯される照明領域である。具体的には、開閉状態照明領域402は、後述するように照明幅Hで照明がなされる照明領域402aと、照明がなされない非照明領域402bと、を備えて構成されている。
【0033】
シェード照明部41の基準照明領域411は、シェードスイッチ3が1段目の操作を受け付けた際に点灯される照明領域である。開閉状態照明領域412は、シェード93の開閉状態に応じて点灯される照明領域である。具体的には、開閉状態照明領域412は、後述するように照明幅Hで照明がなされる照明領域412aと、照明がなされない非照明領域412bと、を備えて構成されている。
【0034】
基準幅H及び基準幅Hは、一例として、同じ幅となっているがこれに限定されない。基準幅Hは、ルーフ照明部40の基準照明領域401の幅である。また基準幅Hは、シェード照明部41の基準照明領域411の幅である。基準幅H、基準幅H、照明幅H及び照明幅Hは、車両9の前後方向に沿った照明部分の長さである。
【0035】
照明幅Hは、サンルーフ92の開き具合を示している。照明幅Hは、サンルーフ92が全閉状態にある場合、ゼロとなり、全開状態にある場合、開閉状態照明領域402の全体の幅となる。照明幅Hは、シェード93の開き具合を示している。照明幅Hは、シェード93が全閉状態にある場合、ゼロとなり、全開状態にある場合、開閉状態照明領域412の全体の幅となる。
【0036】
(制御部6の構成)
制御部6は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。記憶部60は、一例として、RAM及びROMとして構成されているがこれに限定されない。このROMには、例えば、制御部6が動作するためのプログラムが格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果などを格納する記憶領域として用いられる。また制御部6は、その内部にクロック信号を生成する手段を有し、このクロック信号に基づいて動作を行う。
【0037】
制御部6は、ルーフスイッチ2になされたプッシュ操作に基づいてサンルーフ92の駆動を指示すると共に、ルーフ照明部40の点灯状態を制御する。また制御部6は、シェードスイッチ3になされたプッシュ操作に基づいてシェード93の駆動を指示すると共に、シェード照明部41の点灯状態を制御する。さらに制御部6は、1段目のプッシュ操作が終了してから照明を終了する、つまり消灯するまでの一定期間に関する時間しきい値61を記憶部60に有している。
【0038】
以下では、ルーフ照明部40及びシェード照明部41の点灯状態の一例について説明する。図3(a)は、第1の実施の形態に係る開閉制御装置のルーフスイッチが操作を受け付けた際のサンルーフ及びシェードの状態の一例を示す図であり、図3(b)は、ルーフスイッチが操作を受け付けた際の開閉制御装置の一例を示す図である。図4(a)は、第1の実施の形態に係る開閉制御装置のサンルーフが駆動された状態の一例を示す図であり、図4(b)は、サンルーフが駆動された際の開閉制御装置の一例を示す図である。図5(a)は、第1の実施の形態に係る開閉制御装置のサンルーフ及びシェードが駆動された状態の一例を示す図であり、図5(b)は、サンルーフ及びシェードが駆動された際の開閉制御装置の一例を示す図である。
【0039】
・プッシュ操作の受け付けについて
制御部6は、ルーフスイッチ2及びシェードスイッチ3に対して1段目のプッシュ操作がなされた場合、まず基準幅H及び基準幅Hで照明を行う。
【0040】
制御部6は、図3(a)及び図3(b)に示すように、サンルーフ92及びシェード93が閉じている状態でルーフスイッチ2の「OPEN」に対して1段目のプッシュ操作が行われた場合、照明パターン20によって基準幅Hで照明するようにルーフ照明部40を制御する。この際、ルーフ照明部40の開閉状態照明領域402は、非照明領域402bとなる。
【0041】
また制御部6は、シェード93が閉じている状態でシェードスイッチ3の「OPEN」に対して1段目のプッシュ操作が行われた場合、基準幅Hで照明するようにルーフ照明部40を制御する。
【0042】
・開閉状態に連動した照明幅H及び照明幅Hについて
制御部6は、ルーフスイッチ2及びシェードスイッチ3に対して2段目のプッシュ操作がなされた場合、基準幅H及び基準幅Hで照明を行うと共に、サンルーフ92及びシェード93の開閉状態に応じた照明幅H及び照明幅Hで照明を行う。
【0043】
制御部6は、図4(a)及び図4(b)に示すように、シェード93が全開状態であり、ルーフスイッチ2の「OPEN」に対して2段目のプッシュ操作が行われた場合、サンルーフ92の開き具合に応じた照明幅Hで開閉状態照明領域402を照明すると共に、シェード照明部41の開閉状態照明領域412の全域が照明領域412aとなるように照明幅Hで照明する。この照明幅Hは、照明領域402aの幅であって開き具合、つまりサンルーフ92の駆動量を示している。ルーフ開口911は、解放開口910となっている。このルーフ開口911は、照明領域402aに対応している。またシェード開口912は、開口部91となっている。
【0044】
また制御部6は、図5(a)及び図5(b)に示すように、ルーフスイッチ2とシェードスイッチ3とに対してプッシュ操作が行われた場合、それぞれのプッシュ操作がなされた継続時間に応じてサンルーフ92及びシェード93を駆動する。制御部6は、サンルーフ92の開き具合に応じた照明幅Hで開閉状態照明領域402を照明し、シェード93の開き具合に応じた照明幅Hで開閉状態照明領域412を照明する。この照明幅Hは、照明領域402aの幅である。照明幅Hは、照明領域412aの幅である。またルーフ開口911は、照明領域402aに対応している。
【0045】
ここで制御部6は、照明がなされた後、一定期間、プッシュ操作が検出されない場合、タイムアウトしたとして消灯する。また制御部6は、サンルーフ92及びシェード93の少なくとも一方が駆動されていた場合、消灯した後、再度1段目のプッシュ操作を行うと、その際の開閉状態に応じて照明を行う。
【0046】
制御部6は、一例として、図5(a)及び図5(b)に示すように、サンルーフ92及びシェード93が駆動された後、一定期間が経過すると消灯する。そして制御部6は、再度プッシュ操作が行われた場合、図5(a)及び図5(b)に示すように、その際の開閉状態に応じた照明を行う。
【0047】
・変形例について
図6(a)は、変形例に係る開閉制御装置のサンルーフ及びシェードが駆動された状態の一例を示す図であり、図6(b)は、サンルーフ及びシェードが駆動された際の開閉制御装置の一例を示す図である。
【0048】
本実施の形態では、ルーフ開口911が照明領域402aに対応し、シェード開口912が照明領域412aに対応していたがこれに限定されず、ルーフ開口911が非照明領域402bに対応し、シェード開口912が非照明領域412bに対応しても良い。
【0049】
この変形例では、照明された部分が開口部91に突出するサンルーフ92及びシェード93となっている。
【0050】
以下に本実施の形態の開閉制御装置1の照明に関する動作の一例について図7のフローチャートに従って説明する。
【0051】
(動作)
開閉制御装置1の制御部6は、ルーフスイッチ2から出力されるスイッチ信号S、及びシェードスイッチ3から出力されるスイッチ信号Sに基づいて1段目のプッシュ操作がなされるか監視する。制御部6は、ステップ1の「Yes」が成立する、つまり1段目のプッシュ操作を受け付けると(Step1:Yes)、プッシュ操作を受け付けたスイッチに対応する照明部4を制御して基準幅で照明を行う(Step2)。
【0052】
制御部6は、さらに2段目のプッシュ操作がなされるか監視する。制御部6は、2段目のプッシュ操作が有ったと判定した場合(Step3:Yes)、照明部4を制御し、開閉状態に連動した照明幅で照明を行う(Step4)。
【0053】
制御部6は、1段目のプッシュ操作が終了すると(Step5:Yes)、制御部6は、時間の計測を行い、時間しきい値61に基づいて一定期間経過するか監視する。制御部6は、一定期間経過した場合(Step6:Yes)、開閉状態に連動した照明幅の照明を終了する(Step7)。
【0054】
ここでステップ1において制御部6は、1段目のプッシュ操作がない場合(Step1:No)、ステップ8に処理を進める。
【0055】
またステップ3において制御部6は、2段目のプッシュ操作がなされない場合(Step3:No)、ステップ5に処理を進める。つまり制御部6は、基準幅で照明を行なった後、2段目のプッシュ操作がなされるか、1段目のプッシュ操作が終了するまで、ステップ3(Step3:No)、ステップ5(Step5:No)を繰り返す。
【0056】
さらにステップ6において制御部6は、一定期間が経過していない場合(Step6:No)、ステップ1に処理を進める。
【0057】
またさらにステップ8において制御部6は、照明が点灯している場合(Step8:Yes)、ステップ6に処理を進める。制御部6は、照明が点灯していない場合(Step8:No)、ステップ1に処理を進める。
【0058】
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態に係る開閉制御装置1は、操作負荷を抑制することができる。具体的には、開閉制御装置1は、ルーフスイッチ2及びシェードスイッチ3の近くでサンルーフ92及びシェード93の開閉状態に応じた照明幅H及び照明幅Hで照明を行う。操作者は、ルーフスイッチ2及びシェードスイッチ3を操作しながら照明幅H及び照明幅Hを介してサンルーフ92及びシェード93の開閉状態を確認することができる。従って開閉制御装置1は、開閉状態に応じた照明幅で照明が行われない場合と比べて、操作者がサンルーフ92及びシェード93を直接目視しながらルーフスイッチ2及びシェードスイッチ3を操作する必要がなく、操作負荷を抑制することができる。
【0059】
開閉制御装置1は、操作者がサンルーフ92及びシェード93を直接目視しながらルーフスイッチ2及びシェードスイッチ3を操作する必要がないので、視線移動を抑制することができる。
【0060】
開閉制御装置1は、ルーフスイッチ2の操作中に視界に入る位置にルーフ照明部40が配置され、シェードスイッチ3の操作中に視界に入る位置にシェード照明部41が配置されるので、この構成を採用しない場合と比べて、サンルーフ92及びシェード93の開き具合の調整が容易となる。
【0061】
開閉制御装置1は、1段目のプッシュ操作によって基準幅H及び基準幅Hの照明を行うので、この構成を採用しない場合と比べて、操作者が操作を受け付けられたことを容易に確認することができる。
【0062】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、照明を重畳して行う点で第1の実施の形態と異なっている。
【0063】
図8(a)は、第2の実施の形態に係る開閉制御装置のブロック図の一例であり、図8(b)は、ルーフスイッチに対する操作が受け付けられた際の照明の一例を示す図であり、図8(c)は、シェードスイッチに対する操作が受け付けられた際の照明の一例を示す図である。図9(a)は、第2の実施の形態に係るルーフスイッチ及びシェードスイッチに対して操作がなされた際の照明の一例を示す図であり、図9(b)は、サンルーフの照明領域とシェードの照明領域とが混合して照明される一例を示す図である。なお以下に記載する実施の形態において、第1の実施の形態と同じ機能及び構成を有する部分は、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。
【0064】
開閉制御装置1は、図8(a)に示すように、車両9のサンルーフ92を開閉させる操作を受け付けるルーフスイッチ2と、ルーフスイッチ2に隣接して配置され、サンルーフ92の開閉状態に連動して照明幅を変える照明部4と、を備えて概略構成されている。
【0065】
開閉制御装置1は、図8(a)に示すように、さらにルーフスイッチ2及び照明部4の少なくとも一方に隣接して配置され、サンルーフ92を介して車両9に入る光を遮光するシェード93を開閉させる操作を受け付けるシェードスイッチ3を備えている。照明部4は、図9(a)に示すように、サンルーフ92の開閉状態に連動した照明幅Hで行われた照明に重畳して、シェード93の開閉状態に連動した照明幅Hの照明を行う。
【0066】
照明部4は、図8(b)及び図8(c)に示すように、ルーフスイッチ2とシェードスイッチ3の間に配置され、照明幅Hで照明される基準照明領域421及び開閉状態照明領域422を有している。照明部4の基準照明領域421は、ルーフスイッチ2及びシェードスイッチ3の少なくとも一方が1段目の操作を受け付けた際に点灯される照明領域である。開閉状態照明領域422は、サンルーフ92及びシェード93の開閉状態に応じて点灯される照明領域である。
【0067】
制御部6は、一例として、図8(b)に示すように、ルーフスイッチ2が1段目のプッシュ操作を受け付けた場合、ルーフスイッチ2の照明パターン20で基準照明領域421の照明を行う。また制御部6は、一例として、図8(c)に示すように、シェードスイッチ3が1段目のプッシュ操作を受け付けた場合、シェードスイッチ3の照明パターン30で基準照明領域421の照明を行う。
【0068】
また制御部6は、シェード93が駆動された後、ルーフスイッチ2に対して1段目のプッシュ操作が行われた場合、図9(a)に示すように、ルーフスイッチ2の照明パターン20で基準照明領域421の照明を行う。さらに制御部6は、サンルーフ92が駆動された後、シェードスイッチ3に対して1段目のプッシュ操作が行われた場合、シェードスイッチ3の照明パターン30で基準照明領域421の照明を行う。
【0069】
制御部6は、サンルーフ92及びシェード93が駆動された場合、図9(a)に示すように、サンルーフ92の開閉状態を示す照明パターン21、及びシェード93の開閉状態を示す照明パターン31で開閉状態照明領域422を照明する。この際、重なる重畳部分43は、サンルーフ92の照明パターン21の上にシェード93の照明パターン31が重畳するように照明を行う。
【0070】
ここで制御部6は、図9(b)に示すように、サンルーフ92の照明パターン21とシェード93の照明パターン31を混ぜた照明を重畳部分43で行なっても良い。
【0071】
(第2の実施の形態の効果)
本実施の形態の開閉制御装置1は、サンルーフ92の開閉状態に連動した照明幅Hで行われた照明に重畳して、シェード93の開閉状態に連動した照明幅Hの照明を行うので、この構成を採用しない場合と比べて、照明部4を小型にすることができる。
【0072】
以上述べた少なくとも1つの実施の形態の開閉制御装置1によれば、操作負荷を抑制することができる。
【0073】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1…開閉制御装置、2…ルーフスイッチ、3…シェードスイッチ、4…照明部、6…制御部、40…ルーフ照明部、41…シェード照明部、92…サンルーフ、93…シェード
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