(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168181
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】プログラム、採血業務支援システム、及び採血業務支援方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20241128BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084635
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000186566
【氏名又は名称】小林クリエイト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】小島 正孝
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】従来に比べて、採血作業者が患者の過去の穿刺部位を正確に把握可能な採血業務支援システムを提供する。
【解決手段】固定撮影手段で、採血作業中の患者の腕をカラーで連続撮影し、当該連続画像から、穿刺部位を確認可能な採血参考画像を切り出すよう構成する。そして、連続画像から採血参考画像を切り出す際は、コンピュータに、連続画像を構成する複数のフレームから、採血台に載せた穿刺前の患者の腕を撮影したフレームを、比較元フレームとして抽出するステップと、比較元フレームについて、所定の色域の画素の数量を計測するステップと、連続画像を構成する、比較元フレーム以外の一部又は全部のフレームについて、所定の色域の画素の数量を計測し、当該数量が、比較元フレームの数量に比べて所定度合い増加しているフレームを選別するステップとを実行させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、採血作業中の患者の腕を固定撮影手段でカラー撮影した連続画像から、穿刺部位を確認可能な採血参考画像を切り出すための手段として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記連続画像を構成する複数のフレームから、採血台に載せた穿刺前の患者の腕を撮影したフレームを、比較元フレームとして抽出する手段と、
前記比較元フレームについて、所定の色域の画素の数量を計測する手段と、
前記連続画像を構成する、前記比較元フレーム以外の一部又は全部のフレームについて、前記所定の色域の画素の数量を計測し、当該数量が、前記比較元フレームの前記数量に比べて所定度合い増加しているフレームを選別する手段と
して機能させるためのプログラム。
【請求項2】
実施した採血に係る採血記録を、患者の識別情報と紐付けて記憶する採血記録記憶手段と、
採血台に設置されて、前記採血台で作業する採血作業者に、採血する患者の過去の採血記録を表示可能に構成された採血情報表示手段と
を備える採血業務支援システムであって、
採血作業中の患者の腕を撮影可能に構成された固定撮影手段と、
請求項1に記載のプログラムがインストールされ、前記固定撮影手段が撮影した採血作業中の患者の腕の連続画像から、穿刺部位を確認可能な採血参考画像を切り出すための処理を実行可能なコンピュータと
を備え、
前記採血記録には、前記採血参考画像が含まれる場合があることを特徴とする採血業務支援システム。
【請求項3】
固定撮影手段で、採血作業中の患者の腕を連続撮影する第一ステップと、
前記第一ステップで得られた連続画像から、穿刺部位を確認可能な採血参考画像を切り出す第二ステップと、
採血記録記憶手段が、前記採血参考画像を、前記患者の識別情報と紐付けて記憶する第三ステップと、
患者の採血に際して、前記採血記録記憶手段に記憶された当該患者の過去の採血参考画像を、当該患者の採血を行う採血作業者に表示可能とする第四ステップと
を含む採血業務支援方法であって、
前記第二ステップは、
コンピュータが、前記連続画像を構成する複数のフレームから、採血台に載せた穿刺前の患者の腕を撮影したフレームを、比較元フレームとして抽出するステップと、
コンピュータが、前記比較元フレームについて、所定の色域の画素の数量を計測するステップと、
コンピュータが、前記連続画像を構成する、前記比較元フレーム以外の一部又は全部のフレームについて、前記所定の色域の画素の数量を計測し、当該数量が、前記比較元フレームの前記数量に比べて所定度合い増加しているフレームを選別するステップと
を含むことを特徴とする採血業務支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院の採血室等における採血業務を効率化するための採血業務支援システム
に関する。
【背景技術】
【0002】
病院の採血室等における採血業務を効率化するために、多くの病院で採血業務支援システムが導入されている(例えば、特許文献1,2)。特許文献1,2に記載の採血業務支援システムでは、患者の採血時に、採血指示書や採血台に備え付けられた端末に、当該患者の過去の採血記録が表示される。採血記録には、穿刺部位(採血針を刺した部位)や使用針の種類、患者の血管の状態などの情報が含まれており、採血作業者は、かかる採血記録を参照することにより、採血作業をより確実に実施可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-97179号公報
【特許文献2】特開2017―59076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
採血作業においては、過去の穿刺部位と同じ位置に採血針を刺したり、過去の穿刺部位から少しずれた位置に採血針を刺したりすることが望まれる場合がある。しかしながら、上記特許文献1,2のシステムでは、採血作業者は採血記録によって過去の穿刺部位を把握できるが、穿刺部位が文字情報として表示されるため、採血作業者が過去の穿刺部位を正確に把握できないという問題がある。例えば、特許文献2のシステムでは、採血終了後に、採血作業者が穿刺部位を「左肘正中」「右肘尺側」などの選択肢から選択して登録するが、各選択肢の指し示す範囲は広く、穿刺部位を十分特定できない。
【0005】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来構成に比べて、採血作業者が患者の過去の穿刺部位を正確に把握可能な採血業務支援システム、採血業務支援方法、及び当該システムに用いられるプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、固定撮影手段で、採血作業中の患者の腕をカラーで連続撮影する第一ステップと、前記第一ステップで得られた連続画像から、穿刺部位を確認可能な採血参考画像を切り出す第二ステップと、採血記録記憶手段が、前記採血参考画像を、前記患者の識別情報と紐付けて記憶する第三ステップと、患者の採血に際して、前記採血記録記憶手段に記憶された当該患者の過去の採血参考画像を、当該患者の採血を行う採血作業者に表示可能とする第四ステップとを含む採血業務支援方法であって、前記第二ステップは、コンピュータが、前記連続画像を構成する複数のフレームから、採血台に載せた穿刺前の患者の腕を撮影したフレームを、比較元フレームとして抽出するステップと、コンピュータが、前記比較元フレームについて、所定の色域の画素の数量を計測するステップと、コンピュータが、前記連続画像を構成する、前記比較元フレーム以外の一部又は全部のフレームについて、前記所定の色域の画素の数量を計測し、当該数量が、前記比較元フレームの前記数量に比べて所定度合い増加しているフレームを選別するステップとを含むことを特徴とする採血業務支援方法である。ここで、「連続画像」とは、極めて短い間隔で連続撮影した動画であってもよいし、比較的長い間隔(例えば、数秒間隔)で連続撮影した静止画像(フレーム)の集合であってもよい。
【0007】
かかる方法にあっては、採血作業者は、患者の採血に際して、採血参考画像によって当該患者の過去の穿刺部位を、従来よりも正確に把握可能となるため、採血作業を従来よりも確実に実施可能となる。また、採血作業中に撮影する連続画像は冗長であるため、連続画像を見て穿刺部位を確認するのには時間を要するが、本発明のように、連続画像から切り出した採血参考画像を採血作業者に表示すれば、採血作業者は、採血に際して、患者の過去の穿刺部位を短時間で把握できる。
特に、かかる方法では、第二ステップにおいて、画素の数量を計測する所定の色域を、血液の示す色域(暗い赤色)に設定することで、連続画像から、採血した血液が写っているフレームを、容易に、かつ高い精度で選別できる。穿刺部位を確認可能なフレームの大部分は、採血した血液が写ったフレームであるため、かかる方法によって、採血した血液の写っているフレームを選別すれば、連続画像を構成するフレームから、穿刺部位を確認困難なフレームの多くを容易に排除して、採血参考画像を効率的に切出し可能となる。画像認識AIを用いて連続画像から採血参考画像を切り出す場合、実用的なものを用意するには多くの教師画像が必要であり、時間と手間がかかるが、かかる方法によれば、より少ない時間と手間で、採血参考画像を切り出しできる。
【0008】
本発明の別の態様として、コンピュータを、採血作業中の患者の腕を固定撮影手段でカラー撮影した連続画像から、穿刺部位を確認可能な採血参考画像を切り出すための手段として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記連続画像を構成する複数のフレームから、採血台に載せた穿刺前の患者の腕を撮影したフレームを、比較元フレームとして抽出する手段と、前記比較元フレームについて、所定の色域の画素の数量を計測する手段と、前記連続画像を構成する、前記比較元フレーム以外の一部又は全部のフレームについて、前記所定の色域の画素の数量を計測し、当該数量が、前記比較元フレームの前記数量に比べて所定度合い増加しているフレームを選別する手段として機能させるためのプログラムが提案される。かかるプログラムは、比較元フレームに対する、所定の色域の画素数の増加度合いを基準として選別するため、当該色域を血液の示す色域(暗い赤色)に設定すれば、血液と同色の別のものが背景に写り込んでいる場合や、血液が写る位置が変動する場合でも、採血した血液が写っているフレームを高い精度で選別できる。また、かかるプログラムは、教師画像を用いた強化学習の手間は不要であるため、画像認識AIよりも低コストでシステムに実装できる。
【0009】
また、本発明の別の態様として、実施した採血に係る採血記録を、患者の識別情報と紐付けて記憶する採血記録記憶手段と、採血台に設置されて、前記採血台で作業する採血作業者に、採血する患者の過去の採血記録を表示可能に構成された採血情報表示手段とを備える採血業務支援システムであって、採血作業中の患者の腕を撮影可能に構成された固定撮影手段と、上記プログラムがインストールされ、前記固定撮影手段がカラー撮影した採血作業中の患者の腕の連続画像から、穿刺部位を確認可能な採血参考画像を切り出すための処理を実行可能なコンピュータとを備え、前記採血記録には、前記採血参考画像が含まれる場合があることを特徴とする採血業務支援システムである。かかるシステムによれば、採血作業者は、患者の採血に際して、採血参考画像によって当該患者の過去の穿刺部位を正確に把握できるため、採血作業をより確実に行うことが可能となる。また、採血参考画像は、連続画像から切り出した画像であるため、採血作業者は、採血に際して、患者の過去の穿刺部位を短時間で把握できるという利点がある。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、採血に際して、採血作業者が患者の過去の穿刺部位を、従来よりも正確に把握可能となるため、採血業務を従来よりも確実に実施可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例の採血業務支援システムのシステム構成図である。
【
図2】採血台端末7の表示画面10の表示例を示す説明図である。
【
図3】採血台端末7の表示画面10の別の表示例を示す説明図である。
【
図4】採血台端末7の表示画面10の別の表示例を示す説明図である。
【
図5】採血フレーム選別処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図6】連続画像に含まれるフレームを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
なお、以下の実施例にあって、本発明に係る採血記録記憶手段は、データベース2に相当する。また、本発明に係る採血情報表示手段は、採血台端末7に相当する。また、本発明に係るコンピュータは、採血台端末7に相当する。また、本発明に係る固定撮影手段は、固定カメラに相当する。
【0013】
本実施例の採血業務支援システムは、病院において患者の採血業務を支援するためのものである。
図1に示すように、採血業務支援システムは、業務管理サーバ1と、データベース2と、受付端末3と、受付票プリンタ4と、採血管準備装置5と、誘導案内表示装置6と、複数の採血台端末7とを備えてなる。これらの装置は、病院の採血室に設置される。採血室は、来室した患者が受付手続きをする受付場所と、受付手続きを済ませた患者が採血まで待機する待機場所と、採血台が複数配設された採血場所と、業務管理サーバ1やデータベース2を設置するサーバ設置場所とを備えている。
【0014】
業務管理サーバ1は、採血業務支援システムの根幹をなすものである。業務管理サーバ1は、院内LANを介して上位システムS(電子カルテシステム)と接続され、また、通信ケーブルを介して、データベース2、受付端末3、受付票プリンタ4、採血管準備装置5、誘導案内表示装置6、及び採血台端末7の夫々と通信可能に接続されている。
【0015】
データベース2は、採血業務に係る各種のデータを記憶する。データベース2が記憶するデータは、業務管理サーバ1等によって参照・登録・更新される。
【0016】
受付端末3及び受付票プリンタ4は、採血室の受付場所に設置されて患者の受付手続きに用いられる。受付端末3は、主に採血室に来室した患者の照合に用いられ、受付票プリンタ4は、受付手続きをした患者に対する受付票を発行するのに用いられる。受付票には、受付番号や患者のID番号(患者ID)、及びそれらの情報を記憶するバーコードが印字される。
【0017】
採血管準備装置5は、患者の採血に使用する採血管を準備するためのものである。具体的には、採血管準備装置5は、採血で使用する複数種類の採血管を収容しており、業務管理サーバ1から受信する情報に基づいて、当該患者の採血に用いる種類の採血管に、当該患者の氏名等を印字した採血ラベルを貼付し、当該患者の採血に用いる全ての採血管を一つのトレイに収容する。さらに、採血管準備装置は、各患者の採血に係る情報を紙片に印字してなる採血情報表示片を、当該患者用の採血管とともにトレイに収容し、搬出する。なお、かかる採血管準備装置の基本構造は、公知であるため、詳細な説明は省略する。
【0018】
誘導案内表示装置6は、採血室の待機場所に設置されて、待機場所で待機する患者に対して情報を表示する。具体的には、誘導案内表示装置6は、現在の待ち人数や、順番待ちの順位の高い患者の受付番号を表示する。
【0019】
採血台端末7は、採血台で採血作業をする採血作業者が使用する端末であり、採血場所に設置された採血台毎に設置される。各採血台端末7は、タブレット端末等により構成されるものであり、各採血台端末7には、バーコードを読み取るためのスキャナと、患者を呼び出す呼出装置と、採血台に配設された感圧センサと、採血作業をカラー撮影するための固定カメラが、有線接続又は無線接続される。感圧センサは、採血台に設置された採血用のクッションに、患者の腕が載った状態を検出する。固定カメラは、採血作業中の患者の腕を撮影し得るように採血台の脇に設置される。具体的には、固定カメラは、穿刺部位を確認可能なカラー画像を撮影し得るように、採血用のクッションに載せた患者の腕を、斜め上方から撮影する位置に設置される。患者の腕は全体を写す必要はなく、穿刺部位を含む範囲さえ撮影できればよい。
【0020】
以下に、本実施例の採血業務支援システムを用いた採血業務の基本的な流れを説明する。
<受付手続き前>
本実施例では、基本的に、患者が採血室に来室する前に、当該患者の識別情報(患者の氏名、患者IDなど)や採血内容を含む採血情報がデータベース2の採血予約リストに登録されている。すなわち、患者の診察に関わった医師や看護師が上位システムSを介してオーダーした採血情報が、患者の来室前に業務管理サーバ1に送信されて、データベース2の採血予約リストに登録されている。
【0021】
<受付手続き>
採血室に来室した患者は、受付場所で受付手続きを行う。受付手続きでは、窓口スタッフが、患者の診察カードに記憶された当該患者の患者IDを受付端末3のスキャナで読み取る。受付端末3が読み取った患者IDは、業務管理サーバ1に送信され、業務管理サーバ1は、受信した患者IDと、データベース2の採血予約リストに記憶された採血情報の照合を行う。業務管理サーバ1は、照合を正常終了すると、当該患者の採血情報を、データベース2の採血作業リストに登録するとともに、受付票プリンタ4に、当該患者の受付票を発行させる。患者は、発行された受付票を受け取って、受付票に印字された受付番号が呼び出されるまで待機場所で待機する。
【0022】
<採血管準備>
業務管理サーバ1は、採血作業リストに患者の採血情報を登録すると、採血管準備装置5に採血管準備情報を送信して、採血管準備装置5に当該患者の採血管を準備させる。採血管準備指示情報には、使用する採血管の種類、採血ラベルや採血情報表示片に印字する情報などが含まれる。採血管準備装置5は、業務管理サーバ1から採血管準備指示情報を受信した順序で、各患者の採血に使用する採血管と、採血情報表示片を準備し、それらを一つのトレイにまとめて収容して搬出する。
【0023】
<採血作業>
(1)採血作業者は、採血台で作業を開始する際に、まず、作業者認証手続きを行う。具体的には、作業開始時には、
図2(a)に示すように、採血台端末7の表示画面10に採血作業者認証画面が表示される。採血作業者が自分の識別情報(ここでは、作業者ID)を正しく入力して作業者認証手続きが完了すると、採血台端末7の表示画面10に、
図2(b)に示す患者一覧画面が表示される。患者一覧画面は、採血作業開始前の初期状態で表示される画面であり、採血作業者は、かかる状態から、以下の(2)~(6)の手順を行うことで、患者の採血を行う。
(2)採血作業者は、採血管準備装置5が搬出したトレイを一つ採血台に運んでくる。
(3)採血作業者は、トレイ内の採血管の採血ラベルに印字されたバーコードを、採血台端末7のスキャナで読み取る。これにより、採血台端末7は、当該バーコードに記憶された患者IDに基づいて、データベース2の採血作業リストから当該患者IDが示す患者の採血情報を読み出す。そして、採血台端末7は、呼出装置によって、当該患者の音声呼出しを行う。また、採血台端末7は、
図2(c)に示すように、表示画面10に採血画面を表示する。採血画面には、採血を行う患者の属性情報や採血内容などの採血情報が表示される。また、後述するように、採血画面において、右下部に表示される「採血ボタン」を操作すると、当該患者の過去の採血に係る実績情報や採血参考画像を確認可能な採血記録表示画面が表示される(
図4参照)。すなわち、採血作業のかかるステップが、本発明に係る第四ステップに相当する。
(4)採血作業者は、呼び出した患者の受付票に印字されたバーコードを採血台端末7のスキャナで読み取る。これにより、採血台端末7は、受付票の情報と採血管の情報とを照合して、呼び出した患者の認証を行う。採血台端末7は、認証が正常であれば、
図3(a)に示すように、表示画面10の左上部に患者の採血を指示するメッセージを表示する。
(5)採血作業者は、採血台端末7の指示に従い患者の採血を実施する。そして、後述するように、固定カメラは、採血実施中の患者の腕をカラーで連続撮影し、撮影した連続画像のデータを採血台端末7に送信する。すなわち、採血作業のかかるステップが、本発明に係る第一ステップに相当する。
(6)採血作業者は、患者の採血を完了すると、
図3(a)の表示画面10の右下部に表示された「完了」ボタンを操作する。これにより、採血台端末7の表示画面10には、
図3(b)に示す採血実績入力画面が表示される。採血作業者は、採血実績入力画面を介して当該患者の採血に係る実績情報を入力する。ここで入力される実績情報は、「使用針」、「採血部位」、「血管状態」、「有害事象」、「刺し直し回数」、「刺し直し理由」、及び「患者補足事項」である。なお、「患者補足事項」以外の実績情報は、予め用意された項目の中から選択して入力するよう構成されている。採血作業者は、採血実績入力画面を介して当該患者の採血に係る実績情報を入力すると、
図3(b)の表示画面10の右下部に表示された「入力完了」ボタンを操作する。
(7)「入力完了」ボタンが操作されると、採血台端末7の表示画面10には、
図3(c)に示す参考画像選択画面が表示される。参考画像選択画面には、採血参考画像として保存する画像の候補が表示される。この候補画像は、採血作業中に固定カメラでカラー撮影した連続画像を構成するフレームの中から、採血台端末7が選別したフレームである。
図3(c)の参考画像選択画面では、2コマのフレームが候補画像として表示される。採血作業者は、表示された画像のうち、穿刺部位の確認に適した候補画像(ここでは、左側の候補画像)を選択し、表示画面10の右側部に表示された「選択完了」ボタンを操作すると、当該候補画像が、採血参考画像として選択・保存される。すなわち、採血作業のかかるステップは、本発明に係る第二ステップを構成する。また、穿刺部位の確認に適した候補画像が1つも表示されない場合は、採血作業者は、「保存しない」ボタンを操作する。この場合、当該採血作業に係る採血参考画像は保存されない。そして、「選択完了」ボタン、または「保存しない」ボタンが操作されると、当該患者の採血に係る一連の作業が終了し、採血台端末7の表示画面10には、患者一覧画面(
図2(b))が表示される。
(8)当該患者の採血に係る一連の作業が終了すると、採血台端末7は、業務管理サーバ1に、当該患者の採血完了を通知するとともに、採血実績入力画面で入力された実績情報や、参考画像登録画面で選択された採血参考画像を送信する。業務管理サーバ1は、かかる通知を受信すると、データベース2の採血作業リストから当該患者の採血情報を削除するとともに、データベース2の採血結果データに、当該採血情報と、当該採血情報に係る実績情報及び採血参考画像を登録する。実績情報や採血参考画像は、当該患者の識別情報と紐付けられて蓄積記憶され、後述するように、当該患者の次回以降の採血作業を円滑に実施する目的で参照される。すなわち、採血作業のかかるステップが、本発明に係る第三ステップに相当する。
【0024】
以下に、本発明の要部について説明する。
本実施例の採血業務支援システムのデータベース2には、下記の情報が記憶される。
(1)採血予約リスト
上位システムから受信した、受付手続き前の採血情報
(2)採血作業リスト
受付手続き済みで、採血終了前の採血情報
(3)採血結果データ
採血終了後の採血情報と、各採血情報に係る実績情報及び採血参考画像
(4)患者情報
各患者の属性情報(氏名、患者ID、性別、生年月日など)及び採血記録(採血情報及び実績情報、採血参考画像)
(5)作業者情報
各採血作業者の属性情報(氏名、作業者ID、所属など)及び採血実績(採血回数など)
(6)採血台情報
各採血台の作動状態(採血作業中・停止中)及び作業中の採血作業者の情報
【0025】
上述の患者情報と作業者情報は、一日に一度更新される。具体的には、一日の採血業務終了後に業務管理サーバ1がバッチ処理を実行して、当日に更新された採血結果データを、各患者の患者情報の採血記録と、各採血作業者の作業者情報の採血実績に追加する。
【0026】
一方、本実施例では、業務管理サーバ1は、上位システムから採血情報を受信した段階で、データベース2の患者情報から当該患者の採血記録を抽出して採血情報に付加する。本実施例では、採血作業者は、このように採血情報に付加された採血記録を、採血台端末7で確認できる。具体的には、採血画面(
図2(c),3(a))では、採血台端末7の表示画面10の右側に「採血記録」ボタンが表示される。採血作業者が「採血記録」ボタンを操作すると、
図4(a)に示す採血記録表示画面が表示画面10に表示され、採血作業者は、当該患者の過去の採血の実績情報を確認可能となる。また、
図4(a)に示す採血記録表示画面では、表示画面10の右側に、過去の採血日毎に「表示」ボタンが表示され、採血作業者が「表示」ボタンを操作すると、
図4(b)に示すように、当該採血日に撮影した採血参考画像が表示画面10に表示される。
【0027】
このように、本実施例の採血業務支援システムでは、採血作業者は、患者の採血に際して、採血参考画像によって当該患者の過去の穿刺部位を正確に把握できる。また、採血参考画像は、採血作業中に撮影した連続画像でなく、連続画像から切り出した、穿刺部位を確認可能な1コマのフレームであるため、採血作業者は、採血参考画像によって、患者の過去の穿刺部位を短時間で把握できる。
【0028】
以下に、採血参考画像の取得方法について詳述する。
上記のように、本実施例の採血業務支援システムでは、採血した患者の穿刺部位を確認可能な採血参考画像が、採血作業終了時にデータベース2に記憶され、当該患者の次回以降の採血に際して参考情報として参照可能となる。
【0029】
採血参考画像は、患者の過去の採血時の穿刺部位が写った静止画像である。かかる採血参考画像は、当該患者の過去の採血作業中に固定カメラで撮影した連続画像の中から選別される。固定カメラは、患者の穿刺部位が写り得るように各採血台に取り付けられる。連続画像は、かかる固定カメラで同じ位置を、一定間隔でカラー撮影した複数フレームのカラー静止画像からなる。固定カメラの撮影間隔は特に限定されないが、穿刺時間が短い場合でも、穿刺中を撮影したフレームが一枚以上含まれるような間隔とすることが求められる。
【0030】
固定カメラは、有線又は無線で採血台端末7と接続され、採血台端末7からの指示に従って、穿刺前に連続画像の撮影を開始し、抜針後に連続画像の撮影を終了する。具体的には、呼び出した患者の認証後、採血用クッションに患者の腕が載せられて、感圧センサが一定時間ONになると、採血台端末7が固定カメラに連続画像の撮影開始を指示する。そして、抜針後に採血用クッションから患者の腕が離れて感圧センサが一定時間OFFになると、採血台端末7は固定カメラに連続画像の撮影終了を指示する。固定カメラが撮影した連続画像は、撮影終了後に採血台端末7に送信される。
【0031】
固定カメラが撮影した連続画像には、穿刺前の腕の写ったフレームと、穿刺中の腕の写ったフレームと、抜針後の腕の写ったフレームとが含まれる。穿刺部位を確認可能なフレームは、穿刺中の腕の写ったフレームである。穿刺中の腕の写ったフレームの殆どは、採血した血液が写り込んでいる。このため、採血台端末7は、採血参考画像の選択を容易とするために、連続画像を構成する各フレームから、採血した血液の写ったフレーム(採血フレーム)を選別する採血フレーム選別処理を実行する。
【0032】
採血フレーム選別処理は、連続画像の撮影終了直後に採血台端末7で実行される。そして、採血台端末7が、採血フレーム選別処理で選別した採血フレームを、上述した参考画像選択画面(
図3(c)参照)に候補画像として表示する。そして、参考画像選択画面において、採血作業者に候補画像から採血参考画像を選択させる。すなわち、採血フレーム選別処理と、参考画像選択画面に係る処理が、本発明に係る第二ステップに相当する。
【0033】
以下に、採血台端末7が、連続画像から採血フレームを選別する採血フレーム選別処理について説明する。
採血フレーム選別処理では、採血台端末7は、連続画像を構成するフレームに含まれる血液の色域の画素の数に基づいて、連続画像を構成する各フレームを、採血フレームと、採血した血液の写っていないフレーム(非採血フレーム)とに選別する。具体的には、連続画像から、比較元フレームとして1コマの非採血フレームを抽出し、比較元フレームと比較して、血液の色域の画素数が所定数増加しているフレームを、採血フレームとして選別する。なお、採血台端末7にインストールされた、採血フレーム選別処理を実行するためのプログラムが、本発明のプログラムに相当する。
【0034】
図5は、採血フレーム選別処理の処理手順を示したフローチャートである。
図5中の各処理の詳細は、以下のとおりである。
ステップS1では、採血台端末7は、撮影終了した連続画像から、1コマの比較元フレームを抽出する。具体的には、連続画像の撮影開始直後の1コマ目を比較元フレームとして抽出する。連続画像の撮影は穿刺前に開始されるため、連続画像の1コマ目は、採血台に載せた穿刺前の患者の腕が写った非採血フレームとなるためである。
【0035】
ステップS2では、採血台端末7は、比較元フレーム中の血液の色域の画素数を計数し、計数結果を基準画素数として記憶する。具体的には、比較元フレームの全ての画素について、血液の色域であるか否かを判定し、血液の色域であると判定した画素の合計を、基準画素数とする。血液の色域は画素値のパラメータの範囲として規定される。本実施例では、各画素のRGB値が、R=150±10,G=5±5,B=80±10の範囲内である画素を、血液の色域の画素として判定する。血液の色域の画素値のパラメータは、採血した血液の画素の色(暗い赤色)を包含し、かつ、血液以外の画素の色を可及的に除外し得る値となるように、照明や固定カメラ等に応じて調整される。
【0036】
ステップ3では、採血台端末7は、連続画像を構成するフレームから、採血フレームと非採血フレームに選別する選別対象フレームを読み込む。具体的には、ステップS2の直後であれば、撮影開始から2コマ目のフレームを選別対象フレームとして読み込み、他の選別対象フレームを選別済みの場合には、直前に選別したフレームの次のフレームを選別対象フレームとして読み込む。
【0037】
ステップS4では、採血台端末7は、選別対象フレーム中の血液の色域の画素数を計数し、計数結果を比較対象画素数とする。かかる処理は、ステップS2において、比較元フレームについて基準画素数を計数した処理と同様に行われる。
【0038】
ステップS5では、比較対象画素数が基準画素数よりも所定数増加しているか否かを判定する。具体的には、「比較対象画素数-基準画素数=400~2500」であるか否かを判定する。そして、比較対象画素数が所定数増加していると判定した場合は、選別対象フレームを採血フレームとして選別し(S6)、所定数増加していないと判定した場合は、選別対象フレームを非採血フレームとして選別する(S7)。このように、ステップS5~S7では、比較元フレームの基準画素数に対して、血液の色域の画素が所定数増加している選別対象フレームが、採血フレームとして選別される。すなわち、「比較対象画素数-基準画素数=400~2500」という判定基準は、選別対象フレームを、採血フレームと非採血フレームに高い精度で選別し得る値として設定されたものである。
【0039】
ステップS8では、選別すべきフレームを全て処理したかを判定し、全てのフレームの選別を終了したと判定した場合は、採血フレーム選別処理を終了し、全てのフレームの選別を終了していないと判定した場合は、ステップS3~S7の処理を繰り返して、未処理のフレームの選別を実行する。
【0040】
なお、上記採血フレーム選別処理では、採血フレームとして選別する判定基準を「比較対象画素数-基準画素数=400~2500」としているが、かかる判定基準は、連続画像の撮影範囲や解像度によって適宜変更され得る。また、判定基準に上限値を設定せず「比較対象画素数-基準画素数≧400」などとしてもよい。また、血液の色域の画素数の増加度合いを画素の絶対数で判定せず、フレーム中の全画素に対して占める血液の色域の画素の割合を基準に判定してもよい。
また、上記採血フレーム選別処理では、比較元フレームを1コマ抽出するが、比較元フレームを複数コマ抽出して、それらの比較元フレームに含まれる血液の色域の画素数の平均値を、基準画素数としてもよい。
【0041】
採血フレーム選別処理の具体例を、
図6を用いて説明する。
図6は、
図6(a)~6(f)の順番で採血作業中に一定間隔で撮影した、6コマのフレームからなる連続画像である。かかる連続画像では、2~5コマ目のフレーム(
図6(b)~6(e))に採血針が写っている。3コマ目と4コマ目のフレーム(
図6(c),6(d))は穿刺中の画像であり、これらのフレームでは、穿刺部位を確認可能となっている。また、4コマ目と5コマ目のフレーム(
図6(d),6(e))には、採血されてゴム管内に充填された血液が写っている。
【0042】
図6の連続画像に対して採血フレーム選別処理を実行する場合、連続画像の最初の1コマ目のフレーム(
図6(a))が比較元フレームとして抽出され、2~6コマ目のフレーム(
図6(b)~6(f))が選別対象フレームとして処理される。
図6(a)の比較元フレームには、血液は写っておらず、また、血液と同じ色のものも写っていないため、基準画素数はゼロとなる。
【0043】
図6の連続画像では、2コマ目、3コマ目、6コマ目のフレーム(
図6(b),6(c),6(f))は血液が写っておらず、比較元フレームと比べて、血液の色域の画素数は増加していないため、非採血フレームとして選別される。一方、4コマ目と5コマ目のフレーム(
図6(d),6(e))には、採血した血液が一定量写っているため、血液の色域の画素数の増加度合いにより、採血フレームとして選別される。このため、
図6の連続画像を撮影した採血に関しては、採血フレーム選別処理で選別された4コマ目と5コマ目のフレームが、採血作業終了時の参考画像選択画面(
図3(c))に候補画像として表示される。なお、かかる例では、穿刺部位を確認可能な3コマ目のフレーム(
図6(c))は、穿刺直後で血液が写っていないため非採血フレームとして選別されるが、採血フレーム選別処理で選別する採血フレームの中に、穿刺部位を確認可能なフレーム(
図6(d))が1コマ以上含まれていれば、穿刺部位を確認可能な画像を非採血フレームとして選別しても問題は生じない。
【0044】
本実施例のように、連続画像を構成するフレームから、血液の写った採血フレームを候補画像として選別すれば、連続画像から採血参考画像を効率的に切り出しできる。穿刺部位を確認可能なフレームの大部分は採血フレームであり、非採血フレームの殆どは、穿刺部位を確認困難な穿刺前または抜針後のフレームであるため、採血フレームを選別して非採血フレームを除外することで、その後の採血参考画像の選択が容易となるためである。また、連続画像を構成する各フレームを、穿刺部位を確認可能なフレームと、穿刺部位を確認困難なフレームに選別する場合には、画像認識AIを用いた複雑な処理が必要となるが、血液の写っているフレームと、血液の写っていないフレームに選別する場合であれば、上述の採血フレーム選別処理のように、比較的単純な処理で実現できる。
【0045】
また、採血フレーム選別処理は、血液の色域の画素の増加度合いに基づいて採血フレームを選別するため、フレームのどの位置に血液が写っていても、血液の写ったフレームを確実に選別できる。また、比較元フレームを基準として血液の色域の画素の増加度合いを判断するため、比較元フレームに血液と同じ色の服などが写り込んでいたとしても、血液の写ったフレームを確実に選別できる。このため、採血フレーム選別処理は、連続画像を構成するフレームから採血フレームを高い精度で選別できるという利点がある。
【0046】
また、採血フレーム選別処理は、比較的低コストで採血業務支援システムに実装できる。画像認識AIによって採血フレームを同等の精度で選別する場合は、多くの教師画像を用意して強化学習を行う必要があるが、かかる採血フレーム選別処理は、血液の色域を示す画素値のパラメータと、採血フレームの選別基準の閾値を設定するだけで足りるためである。
【0047】
以上に、本発明の実施形態を実施例によって説明したが、本発明は、上記実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。
【0048】
例えば、上記実施例では、採血作業者が、採血作業終了時の参考画像選択画面において、採血参考画像を候補画像から選択するよう構成されるが(
図3(c)参照)、採血台端末7が候補画像(採血フレーム)から採血参考画像を自動的に選択するよう構成してもよい。具体的には、
図3(c)に示すように、採血フレーム選別処理で選別される採血フレームの中で、比較的撮影タイミングの遅いものは、穿刺部位を確認困難な抜針後のフレームである可能性があるため、採血フレーム選別処理で選別される採血フレームの中で、撮影タイミングの早いものを、採血参考画像として選択することが提案される。かかる構成とすれば、採血作業者が採血参考画像を選択する手間を省いて、採血作業を効率化できる。
【0049】
また、上述のように、連続画像から採血参考画像を切り出すまでの一連の処理を自動化する場合には、当該処理を各患者の採血直後に実行せず、一日の採血業務終了後にまとめて実行するようにしてもよい。また、当該処理を、採血台端末7に替えて業務管理サーバ1が実行するよう構成してもよい。また、上記実施例に係る連続画像は、採血参考画像の切出しにのみ使用されるが、同じ連続画像を採血参考画像の切出し以外に使用してもよい。また、採血参考画像の切出後に連続画像を削除せず、採血参考画像とは別に、データベース2で保存するようにしてもよい。
【0050】
また、上記実施例に係る連続画像は、採血作業中に固定カメラが数秒間隔で撮影した画像であるが、固定カメラで撮影する連続画像は、より短い間隔で撮影した動画であっても構わない。連続画像が動画である場合は、採血フレーム選別処理で連続画像を構成するフレーム全てを選別すると処理時間がかかるため、連続画像を構成するフレームを間引いて、一部のフレームのみを、採血フレーム選別処理の比較対象フレームとすることが望ましい。
【0051】
上記実施例では、各採血台端末7に固定カメラ(固定撮影手段)が接続されるが、一部の採血台端末7のみに固定カメラを接続してもよい。また、上記実施例では、全ての採血作業に関する採血参考画像を保存するが、一部の患者(採血難易度の高い患者など)に限定して、採血参考画像を保存するようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施例では、連続画像の中から1コマのフレームを採血参考画像として切り出して記憶するが、採血参考画像は、複数コマのフレームであっても構わない。また、連続画像が動画である場合は、採血参考画像を再生時間の短い動画として切り出してもよい。
【0053】
また、上記実施例では、患者の腕が採血台に載ったことをセンサが検知するのを契機に連続画像の撮影を開始し、患者の腕が採血台から離れたことをセンサが検知するのを契機に連続画像の撮影を終了するが、連続画像の撮影の開始や終了を、採血作業者の指示(スイッチ操作や音声指示)を契機に実行するようにしてもよい。
【0054】
また、本発明の採血業務支援システムは、上記実施例のシステム構成に限られず、適宜変更可能である。例えば、本発明の採血業務支援システムは、少なくとも採血業務を支援するシステムであればよく、採血業務以外の検査業務(検尿や心電図、X線業務)も支援するシステムを兼ねるものであってもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 業務管理サーバ
2 データベース(採血記録記憶手段)
3 受付端末
4 受付票プリンタ
5 採血管準備装置
6 誘導案内表示装置
7 採血台端末(採血情報表示手段)
10 表示画面