(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168191
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】光検出装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H01L27/146 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084652
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】関口 浩司
【テーマコード(参考)】
4M118
【Fターム(参考)】
4M118AA10
4M118AB01
4M118AB03
4M118BA14
4M118CA02
4M118CA22
4M118DD04
4M118FA06
4M118FA26
4M118FA27
4M118FA28
4M118FA38
4M118GA02
4M118GA09
4M118GB03
4M118GB07
4M118GB11
4M118GC08
4M118GD03
4M118GD04
4M118GD11
4M118GD20
4M118HA30
(57)【要約】
【課題】オートフォーカス性能が低下するのを抑制された光検出装置を提供する。
【解決手段】光検出装置は、平面視で、第1方向に沿って互いに隣り合う第1光電変換素子及び第2光電変換素子が構成されたセル領域を複数含み、且つ一方の面が素子形成面であり他方の面が光入射面である半導体層と、第1屈折率を有する第1部分及び第1屈折率より高い第2屈折率を有する第2部分を有し、且つ光入射面側において平面視でセル領域に重なる位置に設けられた屈折光学素子と、を備え、一の屈折光学素子は、第1方向に沿って、第1光電変換素子寄りの位置に第1部分を有し、第2光電変換素子寄りの位置に第2部分を有し、他の一の屈折光学素子は、第1方向に沿って、第1光電変換素子寄りの位置に第2部分を有し、第2光電変換素子寄りの位置に第1部分を有する。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視で、第1方向に沿って互いに隣り合う第1光電変換素子及び第2光電変換素子が構成されたセル領域を複数含み、且つ一方の面が素子形成面であり他方の面が光入射面である半導体層と、
第1屈折率を有する第1部分及び前記第1屈折率より高い第2屈折率を有する第2部分を有し、且つ前記光入射面側において平面視で前記セル領域に重なる位置に設けられた屈折光学素子と、
を備え、
一の前記屈折光学素子は、第1方向に沿って、前記第1光電変換素子寄りの位置に前記第1部分を有し、前記第2光電変換素子寄りの位置に前記第2部分を有し、
他の一の前記屈折光学素子は、第1方向に沿って、前記第1光電変換素子寄りの位置に前記第2部分を有し、前記第2光電変換素子寄りの位置に前記第1部分を有する、
光検出装置。
【請求項2】
前記第1屈折率と前記第2屈折率との差は、0.2以上、0.5以下である、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項3】
前記屈折光学素子において、平面視で、前記第2部分が占める領域の大きさは、前記第1部分が占める領域の大きさと同じ若しくはそれより大きい、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項4】
前記屈折光学素子において、平面視で、前記第2部分は、前記セル領域の平面視における中央部に重なる領域が、前記第1部分より多い構成である、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項5】
前記第2部分は、平面視で、第1方向に直交する第2方向における中央部が端部より前記第1部分側に位置している、請求項4に記載の光検出装置。
【請求項6】
前記屈折光学素子の厚みは、30nm以上、200nm以下である、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項7】
前記第1部分と前記第2部分との間には、第3部分が設けられていて、
前記第3部分の屈折率である第3屈折率は、前記第1屈折率及び前記第2屈折率とは異なる、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項8】
前記半導体層の前記光入射面側に設けられたカラーフィルタを有し、
前記屈折光学素子は、前記半導体層の前記光入射面と前記カラーフィルタとの間に設けられている、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項9】
前記第1光電変換素子及び前記第2光電変換素子が構成された前記セル領域は、画素領域に行列状に設けられていて、
前記屈折光学素子は、前記セル領域毎に設けられている、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項10】
前記屈折光学素子の厚み方向に沿った一方側及び他方側のうちの少なくとも一方には、反射防止膜が設けられている、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項11】
前記第1光電変換素子において生成された信号電荷と前記第2光電変換素子において生成された信号電荷との和が、画像データの1画素を形成するための画素信号を構成する、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項12】
光検出装置と、前記光検出装置に被写体からの像光を結像させる光学系と、を備え、
前記光検出装置は、
平面視で、第1方向に沿って互いに隣り合う第1光電変換素子及び第2光電変換素子が構成されたセル領域を複数含み、且つ一方の面が素子形成面であり他方の面が光入射面である半導体層と、
第1屈折率を有する第1部分及び前記第1屈折率より高い第2屈折率を有する第2部分を有し、且つ前記光入射面側において平面視で前記セル領域に重なる位置に設けられた屈折光学素子と、
を備え、
一の前記屈折光学素子は、第1方向に沿って、前記第1光電変換素子寄りの位置に前記第1部分を有し、前記第2光電変換素子寄りの位置に前記第2部分を有し、
他の一の前記屈折光学素子は、第1方向に沿って、前記第1光電変換素子寄りの位置に前記第2部分を有し、前記第2光電変換素子寄りの位置に前記第1部分を有する、
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術(本開示に係る技術)は、光検出装置及び電子機器に関し、特に、位相差画素を有する光検出装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
位相差画素として、例えば、左右2つの光電変換素子をペアにして1つの画素とするDUAL PD方式が知られている。(例えば非特許文献1)。DUAL PD方式は、光電変換素子のペアで1つのオンチップレンズを共有する構造にすることで、左右の光電変換素子に別々の入射光が入るため、位相差を取得することができる。また、画像信号として使う際には、左右の光電変換素子の情報を足すことで位相差の影響を打ち消すことができる。DUAL PD方式は、全画素オートフォーカスの基本方式として使用することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】https://www.sony-semicon.com/ja/technology/mobile/autofocus.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オートフォーカスの性能を表す指標の1つである分離比は、画素の微細化により低下する可能性がある。
【0005】
本技術は、オートフォーカス性能が低下するのを抑制された光検出装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の一態様に係る光検出装置は、平面視で、第1方向に沿って互いに隣り合う第1光電変換素子及び第2光電変換素子が構成されたセル領域を複数含み、且つ一方の面が素子形成面であり他方の面が光入射面である半導体層と、第1屈折率を有する第1部分及び上記第1屈折率より高い第2屈折率を有する第2部分を有し、且つ上記光入射面側において平面視で上記セル領域に重なる位置に設けられた屈折光学素子と、を備え、一の上記屈折光学素子は、第1方向に沿って、上記第1光電変換素子寄りの位置に上記第1部分を有し、上記第2光電変換素子寄りの位置に上記第2部分を有し、他の一の上記屈折光学素子は、第1方向に沿って、上記第1光電変換素子寄りの位置に上記第2部分を有し、上記第2光電変換素子寄りの位置に上記第1部分を有する、光検出装置。
【0007】
本技術の一態様に係る電子機器は、上記光検出装置と、上記光検出装置に被写体からの像光を結像させる光学系と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本技術の第1実施形態に係る光検出装置の一構成例を示すチップレイアウト図である。
【
図2】本技術の第1実施形態に係る光検出装置の一構成例を示すブロック図である。
【
図3】本技術の第1実施形態に係る光検出装置の画素の等価回路図である。
【
図4A】本技術の第1実施形態に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図4B】本技術の第1実施形態に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図4C】本技術の第1実施形態に係る光検出装置が有する屈折光学素子の平面構成を示す平面図である。
【
図4D】本技術の第1実施形態に係る光検出装置において、左側用のセル領域に構成された光電変換素子の、光の入射角度に対する感度を示す図である。
【
図4E】本技術の第1実施形態に係る光検出装置において、右側用のセル領域に構成された光電変換素子の、光の入射角度に対する感度を示す図である。
【
図4F】本技術の第1実施形態に係る光検出装置において、画素に対するカラーフィルタとマイクロレンズの配置を示す平面図である。
【
図4G】本技術の第1実施形態に係る光検出装置において、セル領域を第2の面側から観察した説明図である。
【
図5A】比較例に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図5B】比較例に係る光検出装置光において、セル領域に構成された光電変換素子の、光の入射角度に対する感度を示す図である。
【
図6】本技術の第1実施形態の変形例1に係る光検出装置が有する屈折光学素子の平面構成を示す平面図である。
【
図7】本技術の第1実施形態の変形例2に係る光検出装置が有する屈折光学素子の平面構成を示す平面図である。
【
図8A】本技術の第1実施形態の変形例3に係る光検出装置が有する屈折光学素子の平面構成を示す平面図である。
【
図8B】本技術の第1実施形態の変形例3に係る光検出装置が有する屈折光学素子の平面構成を示す平面図である。
【
図9A】本技術の第1実施形態の変形例4に係る光検出装置が有する屈折光学素子の平面構成を示す平面図である。
【
図9B】本技術の第1実施形態の変形例4に係る光検出装置が有する屈折光学素子の平面構成を示す平面図である。
【
図10A】本技術の第1実施形態の変形例5に係る光検出装置が有する屈折光学素子の平面構成を示す平面図である。
【
図10B】本技術の第1実施形態の変形例5に係る光検出装置が有する屈折光学素子の平面構成を示す平面図である。
【
図11】本技術の第1実施形態の変形例6に係る光検出装置が有する屈折光学素子の平面構成を示す平面図である。
【
図12】本技術の第1実施形態の変形例7に係る光検出装置が有する屈折光学素子の平面構成を示す平面図である。
【
図13】本技術の第1実施形態の変形例8に係る光検出装置が有する屈折光学素子の平面構成を示す平面図である。
【
図14】本技術の第1実施形態の変形例9に係る光検出装置が有する屈折光学素子の平面構成を示す平面図である。
【
図15】本技術の第1実施形態の変形例10に係る光検出装置が有する屈折光学素子の平面構成を示す平面図である。
【
図16】本技術の第1実施形態の変形例11に係る光検出装置が有する屈折光学素子の平面構成を示す平面図である。
【
図17】本技術の第1実施形態の変形例12に係る光検出装置が有する屈折光学素子の平面構成を示す平面図である。
【
図18A】本技術の第1実施形態の変形例14に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図18B】本技術の第1実施形態の変形例14に係る光検出装置が有する屈折光学素子の平面構成を示す平面図である。
【
図19A】本技術の第1実施形態の変形例15に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図19B】本技術の第1実施形態の変形例15に係る光検出装置が有する屈折光学素子の平面構成を示す平面図である。
【
図20】本技術の第1実施形態の変形例16に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図21】本技術の第1実施形態の変形例17に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図22】本技術の第1実施形態の変形例18に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図23】本技術の第1実施形態の変形例18に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図24】本技術の第1実施形態の変形例19に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図25】本技術の第1実施形態の変形例20に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図26A】本技術の第1実施形態の変形例21に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図26B】本技術の第1実施形態の変形例21に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図27A】本技術の第1実施形態の変形例22に係る光検出装置が有する画素の、異なる像高位置における断面構成を示す縦断面図である。
【
図27B】本技術の第1実施形態の変形例22に係る光検出装置が有する屈折光学素子の、異なる像高位置における平面構成を示す平面図である。
【
図28】本技術の第1実施形態の変形例23に係る光検出装置において、セル領域を第2の面側から観察した説明図である。
【
図29】本技術の第1実施形態の変形例24に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図30】本技術の第1実施形態の変形例25に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図31】本技術の第1実施形態の変形例26に係る光検出装置において、セル領域を第2の面側から観察した説明図である。
【
図32】本技術の第1実施形態の変形例27に係る光検出装置において、セル領域を第2の面側から観察した説明図である。
【
図33A】本技術の第1実施形態の変形例28に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図33B】本技術の第1実施形態の変形例28に係る光検出装置において、セル領域を第2の面側から観察した説明図である。
【
図34】本技術の第1実施形態の変形例29に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図35】本技術の第1実施形態の変形例31に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図36】本技術の第1実施形態の変形例32に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図37】本技術の第1実施形態の変形例33に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図38A】本技術の第1実施形態の変形例34に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図39】本技術の第1実施形態の変形例35に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図40】本技術の第1実施形態の変形例36に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図41】本技術の第1実施形態の変形例37に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図42】本技術の第1実施形態の変形例39に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図43】本技術の第1実施形態の変形例40に係る光検出装置において、画素に対するカラーフィルタとマイクロレンズの配置を示す平面図である。
【
図44】本技術の第1実施形態の変形例41に係る光検出装置において、画素に対するカラーフィルタとマイクロレンズの配置を示す平面図である。
【
図45】本技術の第1実施形態の変形例42に係る光検出装置において、画素に対するカラーフィルタとマイクロレンズの配置を示す平面図である。
【
図46】本技術の第1実施形態の変形例43に係る光検出装置において、画素に対するカラーフィルタとマイクロレンズの配置を示す平面図である。
【
図47】本技術の第1実施形態の変形例44に係る光検出装置において、画素に対するカラーフィルタとマイクロレンズの配置を示す平面図である。
【
図48】本技術の第1実施形態の変形例45に係る光検出装置において、画素に対するカラーフィルタとマイクロレンズの配置を示す平面図である。
【
図49】本技術の第1実施形態の変形例46に係る光検出装置において、画素に対するカラーフィルタとマイクロレンズの配置を示す平面図である。
【
図50】本技術の第1実施形態の変形例47に係る光検出装置において、画素に対するカラーフィルタとマイクロレンズの配置を示す平面図である。
【
図51A】本技術の第1実施形態の変形例48に係る光検出装置が有する画素の断面構成を示す縦断面図である。
【
図51B】本技術の第1実施形態の変形例48に係る光検出装置が有する屈折光学素子の平面構成を示す平面図である。
【
図51C】本技術の第1実施形態の変形例48に係る光検出装置において、画素に対するカラーフィルタとマイクロレンズの配置を示す平面図である。
【
図52】本技術の第1実施形態の変形例49に係る光検出装置において、画素に対するカラーフィルタとマイクロレンズの配置を示す平面図である。
【
図53】本技術の第1実施形態の変形例50に係る光検出装置において、画素に対するカラーフィルタとマイクロレンズの配置を示す平面図である。
【
図54】本開示に係る技術を適用した固体撮像装置を有する電子機器の構成例を示すブロック図である。
【
図55】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図56】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本技術を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
【0010】
以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。又、本技術を説明するのに適した図面を採用しているため、図面相互間において構成の相違がある場合がある。
【0011】
また、以下に示す実施形態は、本技術の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本技術の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本技術の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
また、以下の説明における上下等の方向の定義は、単に説明の便宜上の定義であって、本開示の技術的思想を限定するものではない。例えば、対象を90°回転して観察すれば上下は左右に変換して読まれ、180°回転して観察すれば上下は反転して読まれることは勿論である。
【0013】
説明は以下の順序で行う。
1.第1実施形態
2.第2実施形態
電子機器への応用例
移動体への応用例
【0014】
[第1実施形態]
この実施形態では、裏面照射型のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである光検出装置に本技術を適用した一例について説明する。
【0015】
≪光検出装置の全体構成≫
まず、光検出装置1の全体構成について説明する。
図1に示すように、本技術の第1実施形態に係る光検出装置1は、平面視したときの二次元平面形状が方形状の半導体チップ2を主体に構成されている。すなわち、光検出装置1は、半導体チップ2に搭載されている。この光検出装置1は、
図54に示すように、光学系(光学レンズ)1011を介して被写体からの像光(入射光1022)を取り込み、撮像面上に結像された入射光1022の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。
【0016】
図1に示すように、光検出装置1が搭載された半導体チップ2は、互いに交差するX方向及びY方向を含む二次元平面において、中央部に設けられた方形状の画素領域2Aと、この画素領域2Aの外側に画素領域2Aを囲むようにして設けられた周辺領域2Bとを備えている。
【0017】
画素領域2Aは、例えば
図54に示す光学系1011により集光される光を受光する受光面である。そして、画素領域2Aには、X方向(行方向)及びY方向(列方向)を含む二次元平面において複数の画素3が行列状に配置されている。換言すれば、画素3は、二次元平面内で互いに交差するX方向及びY方向のそれぞれの方向に繰り返し配置されている。なお、本実施形態においては、一例としてX方向とY方向とが直交している。また、X方向とY方向との両方に直交する方向がZ方向(厚み方向、積層方向)である。また、Z方向に垂直な方向が水平方向である。
【0018】
図1に示すように、周辺領域2Bには、複数のボンディングパッド14が配置されている。複数のボンディングパッド14の各々は、例えば、半導体チップ2の二次元平面における4つの辺の各々の辺に沿って配列されている。複数のボンディングパッド14の各々は、半導体チップ2を外部装置と電気的に接続する際に用いられる入出力端子である。
【0019】
<ロジック回路>
図2に示すように、半導体チップ2は、ロジック回路13を備えている。ロジック回路13は、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、水平駆動回路6、出力回路7及び制御回路8などを含んでいる。ロジック回路13は、電界効果トランジスタとして、例えば、nチャネル導電型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)及びpチャネル導電型のMOSFETを有するCMOS(Complenentary MOS)回路で構成されている。
【0020】
垂直駆動回路4は、例えばシフトレジスタによって構成されている。垂直駆動回路4は、所望の画素駆動線10を順次選択し、選択した画素駆動線10に画素3を駆動するためのパルスを供給し、各画素3を行単位で駆動する。即ち、垂直駆動回路4は、画素領域2Aの各画素3を行単位で順次垂直方向に選択走査し、各画素3の光電変換素子が受光量に応じて生成した信号電荷に基づく画素3からの画素信号を、垂直信号線11を通してカラム信号処理回路5に供給する。
【0021】
カラム信号処理回路5は、例えば画素3の列毎に配置されており、1行分の画素3から出力される信号に対して画素列毎にノイズ除去等の信号処理を行う。例えばカラム信号処理回路5は、画素固有の固定パターンノイズを除去するためのCDS(Correlated Double Sampling:相関2重サンプリング)及びAD(Analog Digital)変換等の信号処理を行う。カラム信号処理回路5の出力段には水平選択スイッチ(図示せず)が水平信号線12との間に接続されて設けられる。
【0022】
水平駆動回路6は、例えばシフトレジスタによって構成されている。水平駆動回路6は、水平走査パルスをカラム信号処理回路5に順次出力することによって、カラム信号処理回路5の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路5の各々から信号処理が行われた画素信号を水平信号線12に出力させる。
【0023】
出力回路7は、カラム信号処理回路5の各々から水平信号線12を通して順次に供給される画素信号に対し、信号処理を行って出力する。信号処理としては、例えば、バッファリング、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理等を用いることができる。
【0024】
制御回路8は、垂直同期信号、水平同期信号、及びマスタクロック信号に基づいて、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、及び水平駆動回路6等の動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、制御回路8は、生成したクロック信号や制御信号を、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、及び水平駆動回路6等に出力する。
【0025】
<画素>
図3に示すように、画素3の各々は、光電変換ユニット16を備えている。光電変換ユニット16は、光電変換素子PD1,PD2と、この光電変換素子PD1,PD2で光電変換された信号電荷を蓄積(保持)する電荷蓄積領域(フローティングディフュージョン:Floating Diffusion)FD1,FD2と、この光電変換素子PD1,PD2で光電変換された信号電荷を電荷蓄積領域FD1,FD2に転送する転送トランジスタTR1,TR2と、を備えている。また、複数の画素3の各々の画素3は、光電変換ユニット16、より具体的には電荷蓄積領域FD1,FD2に電気的に接続された読出し回路15を備えている。
【0026】
二つの光電変換素子PD1,PD2の各々は、受光量に応じた信号電荷を生成する。光電変換素子PD1,PD2はまた、生成された信号電荷を一時的に蓄積(保持)する。光電変換素子PD1は、カソード側が転送トランジスタTR1のソース領域と電気的に接続され、アノード側が基準電位線(例えばグランド)と電気的に接続されている。光電変換素子PD2は、カソード側が転送トランジスタTR2のソース領域と電気的に接続され、アノード側が基準電位線(例えばグランド)と電気的に接続されている。光電変換素子PD1,PD2としては、例えばフォトダイオードが用いられている。
【0027】
二つの転送トランジスタTR1,TR2のうち、転送トランジスタTR1のドレイン領域は、電荷蓄積領域FD1と電気的に接続されている。転送トランジスタTR1のゲート電極は、画素駆動線10(
図2参照)のうちの転送トランジスタ駆動線と電気的に接続されている。転送トランジスタTR2のドレイン領域は、電荷蓄積領域FD2と電気的に接続されている。転送トランジスタTR2のゲート電極は、画素駆動線10のうちの転送トランジスタ駆動線と電気的に接続されている。
【0028】
二つの電荷蓄積領域FD1,FD2のうちの電荷蓄積領域FD1は、光電変換素子PD1から転送トランジスタTR1を介して転送された信号電荷を一時的に蓄積して保持する。電荷蓄積領域FD2は、光電変換素子PD2から転送トランジスタTR2を介して転送された信号電荷を一時的に蓄積して保持する。
【0029】
読出し回路15は、電荷蓄積領域FD1,FD2に蓄積された信号電荷を読み出し、信号電荷に基づく画素信号を出力する。読出し回路15は、これに限定されないが、画素トランジスタとして、例えば、増幅トランジスタAMPと、選択トランジスタSELと、リセットトランジスタRSTと、を備えている。これらのトランジスタ(AMP,SEL,RST)は、例えば、酸化シリコン膜(SiO2膜)からなるゲート絶縁膜と、ゲート電極と、ソース領域及びドレイン領域として機能する一対の主電極領域と、を有するMOSFETで構成されている。また、これらのトランジスタとしては、ゲート絶縁膜が窒化シリコン膜(Si3N4膜)、或いは窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜などの積層膜からなるMISFET(Metal Insulator Semiconductor FET)でも構わない。
【0030】
増幅トランジスタAMPは、ソース領域が選択トランジスタSELのドレイン領域と電気的に接続され、ドレイン領域が電源線Vdd及びリセットトランジスタのドレイン領域と電気的に接続されている。そして、増幅トランジスタAMPのゲート電極は、電荷蓄積領域FD1,FD2及びリセットトランジスタRSTのソース領域と電気的に接続されている。
【0031】
選択トランジスタSELは、ソース領域が垂直信号線11(VSL)と電気的に接続され、ドレインが増幅トランジスタAMPのソース領域と電気的に接続されている。そして、選択トランジスタSELのゲート電極は、画素駆動線10(
図2参照)のうちの選択トランジスタ駆動線と電気的に接続されている。
【0032】
リセットトランジスタRSTは、ソース領域が電荷蓄積領域FD1,FD2及び増幅トランジスタAMPのゲート電極と電気的に接続され、ドレイン領域が電源線Vdd及び増幅トランジスタAMPのドレイン領域と電気的に接続されている。リセットトランジスタRSTのゲート電極は、画素駆動線10(
図2参照)のうちのリセットトランジスタ駆動線と電気的に接続されている。
【0033】
光検出装置1を備える電子機器は、二つの光電変換素子PD1,PD2のそれぞれに蓄積された信号電荷の位相差に基づいて、オートフォーカスを行う。フォーカスが合っていない場合には、光電変換素子PD1に溜まった信号電荷の量Q1と光電変換素子PD2に溜まった信号電荷の量Q2との間に位相差が生じる。電子機器は、位相差を小さくするように対物レンズを操作する等の操作を行い、フォーカスを合わせる。
【0034】
そして、フォーカス調整が終わると、電子機器は、光電変換素子PD1に溜まった信号電荷の量Q1と光電変換素子PD2に溜まった信号電荷の量Q2との和である加算信号電荷Q3(Q3=Q1+Q2)に基づいて、画像を生成する。すなわち、加算信号電荷Q3が画素信号に相当する。
【0035】
≪概要≫
図5Aに示す比較例に係る光検出装置は、デュアルPD方式の光検出装置である。デュアルPD方式の光検出装置では、1つの画素3内に、例えば左右一対の光電変換素子PDL,PDRが構成されている。そして、そのような画素3が、画素領域2A(
図1参照)において行列状に配置されている。例えば、そのような画素3が、画素領域2Aの全面又はほぼ全面に配置されている。また、
図5Aに示すように、デュアルPD方式の光検出装置では、マイクロレンズ51が画素3毎に設けられていて、同一画素内の一対の光電変換素子PDL,PDRで1つのマイクロレンズ51を共有している。光電変換素子PDL,PDRでは、それぞれ入射する光の量に応じて信号電荷が生成される。そして、画素領域2A内における、左側の光電変換素子PDLの出力と右側の光電変換素子PDRの出力との間の位相差を求め、求めた位相差に基づいて光学レンズを駆動し、フォーカスを合わせることができる。このように、位相差を求めるための画素を、位相差画素と呼ぶ。
【0036】
位相差を利用したオートフォーカスの性能を表す指標の1つとして、分離比を挙げることができる。
図5Bは、光の入射角度に対する光電変換素子PDL,PDRの感度の変化を示す図である。分離比は、左側の光電変換素子PDLの感度と、右側の光電変換素子PDRの感度との感度差Aであり、一方の感度を他方の感度で割った比として表しても良い。そして、この感度差Aが大きい程分離比が高いことを表す。すなわち、感度差Aが大きい程オートフォーカスの性能が高いことを表す。
【0037】
また、近年、画素のさらなる微細化が進められている。画素のさらなる微細化か進められると、入射光を画素3内に集光させる際に、マイクロレンズ51による光の回折の効果が十分ではなくなる可能性がある。例えば、
図5Aに示すように、紙面右上から左下に向けて画素3に入射する光Lを考えた場合、レンズ性能により集光スポットの大きさを十分小さくするのが難しくなると、左側の光電変換素子PDLに十分に光Lを集光するのが難しくなり、右側の光電変換素子PDRに漏れる光が増加する可能性がある。そうすると、光電変換素子PDL,PDRの感度は、
図5Bに示すように、点線で示す状態から実線で示す状態になり、感度差Aが小さくなることが予想される。
【0038】
≪光検出装置の具体的な構成≫
次に、本技術の第1実施形態に係る光検出装置1の具体的な構成について、
図4Aから
図4Gまでを用いて説明する。本技術の第1実施形態に係る光検出装置は、デュアルPD方式の光検出装置である。
【0039】
<光検出装置の積層構造>
図4Aに示すように、光検出装置1(半導体チップ2)は、例えば、一方の面が第1の面S1であり他方の面が第2の面S2である半導体層20を有する。なお、第1の面S1を素子形成面又は主面(おもて面)と呼び、第2の面S2を光入射面又は裏面と呼ぶこともある。半導体層20の第2の面S2側には、第2の面S2に近い方から屈折光学素子層30と、カラーフィルタ層40と、オンチップレンズ層50とをその順で積層した積層構造を有している。なお、半導体層20からオンチップレンズ層50までの各構成要素同士の間には、例えば他の構成要素が介在していても良い。
図4Aに示す例では、半導体層20と屈折光学素子層30との間に絶縁膜m1を設け、屈折光学素子層30と、カラーフィルタ層40との間に絶縁膜m2を設けている。また、半導体層20の第1の面S1側には、図示を省略した配線層が積層されている。配線層は、絶縁膜を介して積層された主に水平方向に沿って延在する横配線と、絶縁膜内を主に厚み方向に沿って延在する縦配線とを含んだ多層配線構造を有する。本実施形態では、光検出装置1の第1の面S1側に積層された構成要素について、その説明を省略する。
【0040】
<半導体層>
図4Aに示すように、半導体層20は、半導体基板で構成されている。半導体層20は、これには限定されないが、例えば、単結晶シリコン(Si)基板で構成されている。半導体層20の画素領域2Aに相当する部分には、X方向及びY方向を含む二次元平面において複数のセル領域20aが行列状に設けられている。セル領域20aは、画素3毎に設けられている。例えば、分離領域20bで区画された島状のセル領域20aが画素3毎に設けられている。なお、画素3の数は、
図4Aに限定されるものではない。
【0041】
分離領域20bには、これには限定されないが、例えば、トレンチ構造が設けられている。より具体的には、半導体層20の分離領域20bにおいて厚み方向に沿って溝を形成し、形成した溝内に区画材料を埋め込んでトレンチ構造の区画壁21を形成している。
図4Gは、1つのセル領域20aを第2の面S2側から観察した説明図である。区画壁21は、平面視でセル領域20aを囲んでいる。また、
図4GのA-A切断線に沿って断面視した図が
図4Aである。
図4Aに示すように、区画壁21は、Z方向に沿って、第1の面S1から第2の面S2まで延在している。区画材料として、例えば、酸化シリコン(SiO
2)、Airギャップ(空壁)、及び高屈折材料等を挙げることができる。高屈折材料としては、例えば、酸化チタン(TiO
2)、窒化シリコン(Si
3N
4)、酸化ハフニウム(HfO
2)、及び酸化タンタル(Ta
2O
5)等を挙げることができる。本実施形態では、区画材料として酸化シリコンを用いた例について、説明する。
【0042】
セル領域20a内には、
図3に示した光電変換素子PD1(第1光電変換素子)と光電変換素子PD2(第2光電変換素子)との2つの光電変換素子が、セル領域20a毎に構成されている。セル領域20a内において、光電変換素子PD1,PD2は、第1方向(本実施形態ではX方向)に沿って並べて配置されている。例えば、セル領域20a内において、光電変換素子PD1が紙面右側に配置され、光電変換素子PD2が紙面左側に配置されている。なお、光電変換素子PD1と光電変換素子PD2とを互いに区別しない場合、単に光電変換素子PDと呼ぶ。また、セル領域20a内には、トランジスタや電荷蓄積領域FD等、光電変換素子PD以外の素子や拡散領域が構成されていても良いが、本実施形態ではその図示及び説明を省略する。
【0043】
セル領域20a内において、光電変換素子PD1が構成される領域と光電変換素子PD2が構成される領域との間に不純物をイオン注入することにより、周囲と導電型が異なる半導体領域を設け、これによりセル領域20aを半導体領域23と半導体領域24とに区画し、光電変換素子PD1と光電変換素子PD2とを電気的に分離している。半導体領域23,24は、サブセル領域である。このように半導体層20に不純物をイオン注入して得られた不純物区画構造を区画構造22と呼び、
図4A及び
図4Gに示す破線で表すこととする。区画構造22は、中央分離構造であり、Z方向及びY方向に沿って延在している。半導体領域23には光電変換素子PD1が構成され、半導体領域24には光電変換素子PD2が構成されている。
【0044】
<屈折光学素子層>
図1に示すように、平面視において、屈折光学素子層30は、画素領域2Aに重なる位置に設けられている。そして、屈折光学素子層30は、X方向及びY方向を含む二次元平面において行列状に配置された複数の屈折光学素子31を含む。屈折光学素子31は、画素3毎に、すなわちセル領域20a毎に設けられている。より具体的には、屈折光学素子31は、平面視でセル領域20aに重なる位置に設けられている。
【0045】
図4Aに示すように、厚み方向において、屈折光学素子層30は、半導体層20の光入射面(第2の面S2)とカラーフィルタ層40との間に設けられている。屈折光学素子31は、第1部分32と第2部分33とを有する。第1部分32及び第2部分33は、X方向に沿って互いに隣同士になるように並べて配置され、且つ互いに異なる屈折率を有する。第1部分32は第1屈折率n1を有し、第2部分33は第1屈折率n1より高い第2屈折率n2を有する(n1<n2)。また、屈折光学素子31の厚み(Z方向に沿った寸法)は、30nm以上、200nm以下である。そして、本実施形態では、第1部分32及び第2部分33の厚み(Z方向に沿った寸法)は、同じである。
【0046】
以下、第1部分32及び第2部分33の配置について、説明する。
図4Aに示す縦断面図では、第1部分32が右側(光電変換素子PD1寄りの位置)に配置されていて、第2部分33が左側(光電変換素子PD2寄りの位置)に配置されている。そして、本実施形態では、このような第1部分32及び第2部分33の配置は、行列状に配置された複数の屈折光学素子31の一行の屈折光学素子31について同じである。
図4Aに示す屈折光学素子31に対して光Lが入射すると、入射した光が進む速度は、第1部分32と第2部分33とのうち屈折率が高い第2部分33において第1部分32より遅くなる。これにより、光の波面が紙面垂直方向を軸として時計回りに回転され、光電変換素子PD1及び光電変換素子PD2のうち左側にある光電変換素子PD2寄りの方向へ向けて光Lが導かれる。このように
図4Aに示す屈折光学素子31はX方向に沿った一方側(
図4Aの左側)へ光Lを導く(導波する)ので、屈折光学素子31Lと呼ぶ場合がある。
【0047】
そして、
図4Aに示す一行の屈折光学素子31とY方向に沿って隣り合う他の一行の屈折光学素子31については、
図4Bに示すように、第1部分32及び第2部分33の配置が
図4Aとは左右逆になっている。
図4Bに示す一行の屈折光学素子31では、第1部分32が左側(光電変換素子PD2寄りの位置)に配置されていて、第2部分33が右側(光電変換素子PD1寄りの位置)に配置されている。そして、本実施形態では、このような第1部分32及び第2部分33の配置は、行列状に配置された複数の屈折光学素子31の一行の屈折光学素子31について同じである。
図4Bに示す屈折光学素子31に対して光Lが入射すると、入射した光Lが進む速度は、第1部分32と第2部分33とのうち屈折率が高い第2部分33において第1部分32より遅くなる。これにより、光の波面が紙面垂直方向を軸として反時計回りに回転され、光電変換素子PD1及び光電変換素子PD2のうち右側にある光電変換素子PD1寄りの方向へ向けて光Lが導かれる。このように
図4Bに示す屈折光学素子31はX方向に沿った他方側(
図4Bの右側)へ光Lを導く(導波する)ので、屈折光学素子31Rと呼ぶ場合がある。
【0048】
このように、屈折光学素子層30は、屈折光学素子31Lと屈折光学素子31Rとの両方を含む。なお、屈折光学素子31Lと屈折光学素子31Rとを互いに区別しない場合、単に屈折光学素子31と呼ぶ。本実施形態では、光検出装置1は、
図4Aに示す屈折光学素子31Lと
図4Bに示す屈折光学素子31RとがY方向に沿って一行ずつ交互に配置されている例について説明する。また、屈折光学素子層30、すなわち屈折光学素子31は、なるべく半導体層20寄りの位置に設けることにより、第2部分33と重なる方の光電変換素子PDへ光Lを導く効果を高めることができる。
【0049】
図4Cは、2行2列の屈折光学素子31の配置を示す平面図である。1つの屈折光学素子31において、平面視で、第2部分33が占める領域の大きさは、第1部分32が占める領域の大きさと同じである。2行2列の屈折光学素子31のうち、紙面上側2つは屈折光学素子31Lであり、紙面下側2つは屈折光学素子31Rである。平面視で屈折光学素子31Lに重なる画素3を画素3Lと呼び、平面視で屈折光学素子31Rに重なる画素3を画素3Rと呼び、互いに区別する。画素3Lと画素3Rとを区別しない場合、単に画素3と呼ぶ。同様に、平面視で屈折光学素子31Lに重なるセル領域20aをセル領域20aLと呼び、平面視で屈折光学素子31Rに重なるセル領域20aをセル領域20aRと呼び、互いに区別する。セル領域20aLは左側用のセル領域であり、セル領域20aRは右側用のセル領域である。セル領域20aLとセル領域20aRとを区別しない場合、単にセル領域20aと呼ぶ。
【0050】
図4Dは、左側用のセル領域20aLに構成された光電変換素子PD1及び光電変換素子PD2の、光の入射角度に対する感度を示す図である。
図4Eは、右側用のセル領域20aRに構成された光電変換素子PD1及び光電変換素子PD2の、光の入射角度に対する感度を示す図である。
図4Dに示すように、セル領域20aLでは、光の入射角度が0°以下の領域で分離比が向上している。そして、
図4Eに示すように、セル領域20aRでは、光の入射角度が0°以上の領域で分離比が向上している。そして、
図4Dの光の入射角度が0°以下の領域と、
図4Eの光の入射角度が0°以上の領域とを組み合わせて利用することにより、マイナスの入射角度からプラスの入射角度までの領域で、分離比を向上させることができる。すなわち、屈折光学素子31Lと屈折光学素子31Rとを組み合わせることにより、分離比を向上させることができる。
【0051】
第1屈折率n1と第2屈折率n2との差は、例えば、0.2以上、0.5以下である。このような屈折率の差は、第1部分32を構成する材料とび第2部分33を構成する材料との組み合わせにより決まる。第1部分32は、例えば、屈折率nが1.24程度を有する材料で構成することができる。より具体的には、第1部分32を構成する材料として、例えば、フィラー充填シリカ、低屈折率の樹脂材等を挙げることができる。第2部分33は、例えば、屈折率nが1.9以上程度を有する材料で構成することができる。より具体的には、第2部分33を構成する材料として、例えば、窒化シリコン(Si3N4)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化タンタル(Ta2O5)等を挙げることができる。また、酸化シリコン(SiO2)は屈折率nが1.4程度であるので、上述の材料との組み合わせによっては、第1部分32又は第2部分33を構成する材料として用いることができる。
【0052】
<カラーフィルタ層>
図4Aに示すように、カラーフィルタ層40は、カラーフィルタ41と、カラーフィルタ41同士の間を区画する区画壁42とを有する。カラーフィルタ41は画素3毎に設けられている。
図4Fに示すように、カラーフィルタ41には、赤色光用のフィルタRと、緑色光用のフィルタGと、青色光用のフィルタBとの3種類があり、同色のフィルタが2行2列に並べて配置されている。
図4Cに示した2行2列のセル領域20aは、全て同じ色のカラーフィルタ41に平面視で重なっている。カラーフィルタ41は、例えば公知の樹脂製である。
【0053】
図4Aに示すように、区画壁42は、入射光を画素3に対して更に集光しやすくするために設けている。区画壁42を構成する材料として、カラーフィルタ41を構成する材料より屈折率が低い材料を用いる。これにより、区画壁42が光を導波し、オンチップレンズ層50を通過した光を、画素3に対して更に集光しやすくすることができる。区画壁42を構成する材料として、例えば、酸化シリコン(SiO
2)、空気、及び低屈折率材料を挙げることができる。低屈折率材料としては、例えば、フィラー充填シリカ、公知の低屈折率の樹脂材料等を挙げることができる。本実施形態では、区画壁42が低屈折率の樹脂材料により構成されているとして、説明する。
【0054】
<オンチップレンズ層>
図4Aに示すように、オンチップレンズ層50は、画素3毎に設けられたマイクロレンズ(オンチップレンズ)51を複数含む。オンチップレンズ層50は、例えば公知の樹脂製であり、その屈折率は、これには限定されないが、例えば、1.5以上、1.6以下程度である。
【0055】
<絶縁膜>
絶縁膜m1及び絶縁膜m2は、公知の絶縁材料製である。絶縁膜m1を構成する絶縁材料として、これには限定されないが、例えば、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化シリコン(SiO2)、酸化アルミニウム(AlO,Al2O3)を挙げることができる。また、絶縁膜m1は複数層積層して設けても良く、その場合には、上述の絶縁材料のうちの異なる材料からなる膜を組み合わせても良い。絶縁膜m2を構成する絶縁材料として、これには限定されないが、例えば、酸化シリコン(SiO2)を挙げることができる。
【0056】
≪第1実施形態の主な効果≫
以下、第1実施形態の主な効果を説明する。本技術の第1実施形態に係る光検出装置1では、屈折光学素子31が、第1方向に沿って、第1屈折率n1を有する第1部分32と第1屈折率n1より高い第2屈折率n2を有する第2部分33とを有するので、光検出装置1に入射した光を、第1方向に沿って第1部分32と第2部分33とのうちの第2部分33側に導くことができる。これにより、光電変換素子PD1及び光電変換素子PD2のうち、平面視で第2部分33側寄りに位置する方の光電変換素子へ向けてより光を集めることができ、分離比が低下するのを抑制できる。特に、画素3のさらなる微細化によって、オンチップレンズ層50による光の回折の効果が十分ではなくなった場合であっても、光電変換素子PD1及び光電変換素子PD2のうち平面視で第2部分33側寄りに位置する光電変換素子へ向けてより光を集めることができ、分離比が低下するのを抑制できる。
【0057】
また、本技術の第1実施形態に係る光検出装置1では、一の屈折光学素子31Lは、第1方向に沿って、光電変換素子PD1寄りの位置に第1部分32を有し、光電変換素子PD2寄りの位置に第2部分33を有し、他の一の屈折光学素子31は、第1方向に沿って、光電変換素子PD1寄りの位置に第2部分33を有し、光電変換素子PD2寄りの位置に第1部分32を有する。このように、光電変換素子PD1と光電変換素子PD2とのうちの光電変換素子PD2側へ向けて光を集めるように設計した屈折光学素子31Lと、光電変換素子PD1側へ向けて光を集めるように設計した屈折光学素子31Rと、を組み合わせて光電変換素子PD1の出力と光電変換素子PD2の出力との間の位相差を求めるので、分離比が低下するのが抑制された状態で、光電変換素子PD1の出力と光電変換素子PD2の出力との間の位相差を求めることができる。そして、そのように求めた位相差に基づいてレンズを駆動し、フォーカスを合わせることができる。
【0058】
また、本技術の第1実施形態に係る光検出装置1では、第1方向がX方向であるので、光電変換素子PD1の出力と光電変換素子PD2の出力との間の位相差をX方向に沿って求めることができる。
【0059】
≪第1実施形態の変形例≫
以下、第1実施形態の変形例について、説明する。なお、以下の変形例において屈折光学素子31L及び屈折光学素子31Rのうちの一方の屈折光学素子のみを示し、他方の屈折光学素子については図面を省略している場合がある。
【0060】
<変形例1>
第1実施形態に係る光検出装置1では、
図4Cに示すように第1方向はX方向であったが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例1に係る光検出装置1では、
図6に示すように、第1方向はY方向である。
【0061】
図6は、2行2列の屈折光学素子31の配置を示す平面図である。なお、
図6においては、屈折光学素子31と光電変換素子PD1,PD2との位置関係を補っている。なお、
図6以降の図面においても、同様に屈折光学素子31と光電変換素子PD1,PD2との位置関係を補う場合がある。セル領域20a内において、光電変換素子PD2,PD1は、Y方向に沿って並べて配置されている。例えば、セル領域20a内において、光電変換素子PD1が紙面上側に配置され、光電変換素子PD2が紙面下側に配置されている。
【0062】
屈折光学素子31において、平面視で、第2部分33が占める領域の大きさは、第1部分32が占める領域の大きさと同じである。2行2列の屈折光学素子31のうち、紙面右側2つは屈折光学素子31UPであり、紙面左側2つは屈折光学素子31LOである。屈折光学素子31UPと屈折光学素子31LOとを互いに区別しない場合、単に屈折光学素子31と呼ぶ。また、平面視で屈折光学素子31UPに重なる画素3を画素3UPと呼び、平面視で屈折光学素子31LOに重なる画素3を画素3LOと呼び、互いに区別する。画素3UPと画素3LOとを区別しない場合、単に画素3と呼ぶ。同様に、平面視で屈折光学素子31UPに重なるセル領域20aをセル領域20aUPと呼び、平面視で屈折光学素子31LOに重なるセル領域20aをセル領域20aLOと呼び、互いに区別する。セル領域20aUPは上側用のセル領域であり、セル領域20aLOは下側用のセル領域である。セル領域20aUPとセル領域20aLOとを区別しない場合、単にセル領域20aと呼ぶ。また、屈折光学素子31UPと屈折光学素子31LOとは、例えば、X方向及びY方向を含む二次元平面において一列ずつ交互に配置されていても良い。
【0063】
屈折光学素子31UPは、第1部分32が下側(光電変換素子PD2寄りの位置)に配置されていて、第2部分33が上側(光電変換素子PD1寄りの位置)に配置されている。屈折光学素子31UPに光が入射すると、入射した光が進む速度は、第1部分32と第2部分33とのうち屈折率が高い第2部分33において第1部分32より遅くなる。これにより、光電変換素子PD1及び光電変換素子PD2のうちの光電変換素子PD1へ向けて光が導かれる。
【0064】
屈折光学素子31LOは、第2部分33が下側(光電変換素子PD2寄りの位置)に配置されていて、第1部分32が上側(光電変換素子PD1寄りの位置)に配置されている。屈折光学素子31LOに光が入射すると、入射した光が進む速度は、第1部分32と第2部分33とのうち屈折率が高い第2部分33において第1部分32より遅くなる。これにより、光電変換素子PD1及び光電変換素子PD2のうちの光電変換素子PD2へ向けて光が導かれる。
【0065】
この第1実施形態の変形例1に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0066】
また、本技術の第1実施形態の変形例1に係る光検出装置1では、第1方向がY方向であるので、光電変換素子PD1の出力と光電変換素子PD2の出力との間の位相差をY方向に沿って求めることができる。
【0067】
<変形例2>
第1実施形態に係る光検出装置1では、
図4Cに示すように、第1部分32と第2部分33とがX方向に沿って並べて配置され、第1実施形態の変形例1に係る光検出装置1では、
図6に示すように、第1部分32と第2部分33とがY方向に沿って並べて配置されていたが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例2に係る光検出装置1は、
図7に示すように、第1部分32と第2部分33とがX方向に沿って並べて配置された領域と、Y方向に沿って並べて配置された領域とを有している。
【0068】
図7に示す例では、これには限定されないが、例えば、2行2列の屈折光学素子31のうち、右上に屈折光学素子31UPが配置され、右下に屈折光学素子31Rが配置され、左上に屈折光学素子31Lが配置され、左下に屈折光学素子31LOが配置されている。また、本変形例では、屈折光学素子31L,31Rに重なるセル領域20aL,20aRにおいては、光電変換素子PD2,PD1がX方向に沿って並べて配置されている。そして、屈折光学素子31UP,31LOに重なるセル領域20aUP,20aLOにおいては、光電変換素子PD2,PD1がY方向に沿って並べて配置されている。なお、本変形例では、X方向とY方向とのうちの一方が第1方向であり、他方が第2方向である。
【0069】
この第1実施形態の変形例2に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1、及び上述の第1実施形態の変形例1に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0070】
また、本技術の第1実施形態の変形例2に係る光検出装置1では、光電変換素子PD1の出力と光電変換素子PD2の出力との間の位相差を、X方向及びY方向の両方に沿って求めることができる。
【0071】
<変形例3>
第1実施形態の変形例3に係る光検出装置1は、
図8Aに示すようにX方向及びY方向の両方向に沿って屈折光学素子31Lを並べて配置した領域と、
図8Bに示すようにX方向及びY方向の両方向に沿って屈折光学素子31Rを並べて配置した領域とを有している。
【0072】
この第1実施形態の変形例3に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0073】
<変形例4>
第1実施形態の変形例4に係る光検出装置1は、
図9Aに示すようにX方向及びY方向の両方向に沿って屈折光学素子31UPを並べて配置した領域と、
図9Bに示すようにX方向及びY方向の両方向に沿って屈折光学素子31LOを並べて配置した領域とを有している。
【0074】
この第1実施形態の変形例4に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1、及び上述の第1実施形態の変形例1に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0075】
<変形例5>
第1実施形態の変形例5に係る光検出装置1は、
図10Aに示すように屈折光学素子31LOと屈折光学素子31Lとを並べて配置した領域と、
図10Bに示すように屈折光学素子31UPと屈折光学素子31Rとを並べて配置した領域とを有している。
【0076】
この第1実施形態の変形例5に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1、及び第1実施形態の変形例2に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0077】
<変形例6>
第1実施形態に係る光検出装置1では、
図4Cに示すように、屈折光学素子31において、平面視で、第2部分33が占める領域の大きさは、第1部分32が占める領域の大きさと同じであったが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例6に係る光検出装置1では、
図11に示すように、屈折光学素子31において、平面視で、第2部分33が占める領域の大きさを、第1部分32が占める領域の大きさとは異なる大きさに設けている。より具体的には、第2部分33が占める領域の大きさを、第1部分32が占める領域の大きさより大きく設けている。
【0078】
屈折光学素子31において、平面視で、第2部分33は、第1方向(X方向)に沿って第1部分32へ向けて広げられている。そのため、屈折光学素子31において、第2部分33は、セル領域20aの平面視における中央部に重なる領域が、第1部分32より多くなっている。
【0079】
この第1実施形態の変形例6に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0080】
また、本技術の第1実施形態の変形例6に係る光検出装置1の屈折光学素子31では、平面視で、第1部分32より屈折率が大きい第2部分33が占める領域の大きさを、第1部分32が占める領域の大きさより大きく設けたので、より多くの光が第2部分33を通過し、第2部分33と平面視で重なる方の光電変換素子PDへ向けてより多くの光を導くことができる。
【0081】
また、第1実施形態の変形例6に係る光検出装置1では、第2部分33は、セル領域20aの平面視における中央部に重なる領域が、第1部分32より多い構成である。セル領域20aの平面視における中央部は最も光が当たる集光ポイントである。そのような集光ポイントに重なる領域を第2部分33において第1部分32より増やすことにより、平面視で第2部分33と重なる方の光電変換素子PDへ向けてより多くの光を導くことができる。
【0082】
<変形例7>
第1実施形態に係る光検出装置1では、
図4Cに示すように、同じ一の屈折光学素子31に属する第1部分32と第2部分33との境界が直線状(一直線)であったが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例7に係る光検出装置1では、
図12に示すように、同じ一の屈折光学素子31に属する第1部分32と第2部分33との境界が直線状ではなく曲がっている。
【0083】
また、第1実施形態の変形例7に係る光検出装置1では、
図12に示すように、同じ一の屈折光学素子31に属する第1部分32と第2部分33との境界において、第2部分33は、平面視で、第1方向(X方向)に直交する第2方向(Y方向)における中央部が端部より第1部分32側に位置している。より具体的には、第2部分33は、平面視で、Y方向における中央部が三角形状をなして第1部分32へ向けて突出している。そして、第2部分33の、Y方向における中央部が第1部分32へ向けて突出した結果、屈折光学素子31において、第2部分33は、セル領域20aの平面視における中央部に重なる領域が、第1部分32より多くなっている。
【0084】
この第1実施形態の変形例7に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0085】
また、本技術の第1実施形態の変形例7に係る光検出装置1では、第2部分33がセル領域20aの平面視における中央部に重なる領域を、第1部分32より増やすことにより、平面視で第2部分33と重なる方の光電変換素子PDへ向けてより多くの光を導くことができる。
【0086】
<変形例8>
第1実施形態の変形例8に係る光検出装置1では、
図13に示すように、同じ一の屈折光学素子31に属する第1部分32と第2部分33との境界が直線状ではなく曲がっている。また、第1実施形態の変形例8に係る光検出装置1では、
図13に示すように、同じ一の屈折光学素子31に属する第1部分32と第2部分33との境界において、第1部分32は、平面視で、第1方向(X方向)に直交する第2方向(Y方向)における中央部が端部より第2部分33側に位置している。より具体的には、第1部分32は、平面視で、Y方向における中央部が三角形状をなして第2部分33へ向けて突出している。また、本変形例では、第2部分33が占める領域の大きさを、第1部分32が占める領域の大きさより小さく設けている。これにより、光を曲げる角度を小さく調整することができる。
【0087】
この第1実施形態の変形例8に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0088】
<変形例9>
第1実施形態の変形例9に係る光検出装置1では、
図14に示すように、同じ一の屈折光学素子31に属する第1部分32と第2部分33との境界が直線状ではなく曲がっている。また、第1実施形態の変形例9に係る光検出装置1では、
図14に示すように、同じ一の屈折光学素子31に属する第1部分32と第2部分33との境界において、第2部分33は、平面視で、第1方向(X方向)に直交する第2方向(Y方向)における中央部が端部より第1部分32側に位置している。より具体的には、第2部分33は、平面視で、Y方向における中央部が台形形状をなして第1部分32へ向けて突出している。そして、第2部分33の、Y方向における中央部が第1部分32へ向けて突出した結果、屈折光学素子31において、第2部分33は、セル領域20aの平面視における中央部に重なる領域が、第1部分32より多くなっている。
【0089】
この第1実施形態の変形例9に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0090】
また、本技術の第1実施形態の変形例9に係る光検出装置1では、第2部分33がセル領域20aの平面視における中央部に重なる領域を、第1部分32より増やすことにより、平面視で第2部分33と重なる方の光電変換素子PDへ向けてより多くの光を導くことができる。
【0091】
<変形例10>
第1実施形態の変形例10に係る光検出装置1では、
図15に示すように、同じ一の屈折光学素子31に属する第1部分32と第2部分33との境界が直線状ではなく曲がっている。また、第1実施形態の変形例10に係る光検出装置1では、
図15に示すように、同じ一の屈折光学素子31に属する第1部分32と第2部分33との境界において、第1部分32は、平面視で、第1方向(X方向)に直交する第2方向(Y方向)における中央部が端部より第2部分33側に位置している。より具体的には、第1部分32は、平面視で、Y方向における中央部が台形形状をなして第2部分33へ向けて突出している。また、本変形例では、第2部分33が占める領域の大きさを、第1部分32が占める領域の大きさより小さく設けている。これにより、光を曲げる角度を小さく調整することができる。
【0092】
この第1実施形態の変形例10に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0093】
<変形例11>
第1実施形態の変形例11に係る光検出装置1では、
図16に示すように、同じ一の屈折光学素子31に属する第1部分32と第2部分33との境界が直線状ではなく円弧状に徐々に曲がっている。また、第1実施形態の変形例11に係る光検出装置1では、
図16に示すように、同じ一の屈折光学素子31に属する第1部分32と第2部分33との境界において、第2部分33は、平面視で、第1方向(X方向)に直交する第2方向(Y方向)における中央部が端部より第1部分32側に位置している。より具体的には、第2部分33は、平面視で、Y方向における中央部が楕円の円弧状の形状をなして第1部分32へ向けて突出している。そして、第2部分33の、Y方向における中央部が第1部分32へ向けて突出した結果、屈折光学素子31において、第2部分33は、セル領域20aの平面視における中央部に重なる領域が、第1部分32より多くなっている。
【0094】
この第1実施形態の変形例11に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0095】
また、本技術の第1実施形態の変形例11に係る光検出装置1では、第2部分33がセル領域20aの平面視における中央部に重なる領域を、第1部分32より増やすことにより、平面視で第2部分33と重なる方の光電変換素子PDへ向けてより多くの光を導くことができる。
【0096】
<変形例12>
第1実施形態の変形例12に係る光検出装置1では、
図17に示すように、同じ一の屈折光学素子31に属する第1部分32と第2部分33との境界が直線状ではなく円弧状に徐々に曲がっていても良い。また、第1実施形態の変形例12に係る光検出装置1では、
図17に示すように、同じ一の屈折光学素子31に属する第1部分32と第2部分33との境界において、第1部分32は、平面視で、第1方向(X方向)に直交する第2方向(Y方向)における中央部が端部より第2部分33側に位置している。より具体的には、第1部分32は、平面視で、Y方向における中央部が楕円の円弧状の形状をなして第2部分33へ向けて突出している。また、本変形例では、第2部分33が占める領域の大きさを、第1部分32が占める領域の大きさより小さく設けている。これにより、光を曲げる角度を小さく調整することができる。
【0097】
この第1実施形態の変形例12に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0098】
<変形例13>
第1実施形態に係る光検出装置1では、例えば
図4A及び
図4Bに示すように、第1部分32と第2部分33とが周期的に配置されていたが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例13に係る光検出装置1では、
図4C、
図6、
図7、
図8A、
図8B、
図9A、
図9B、
図10A、及び
図10B等に示す第1部分32と第2部分33との配置パターンのうち、少なくとも2つ以上のパターン組み合わせても良い。
【0099】
この第1実施形態の変形例13に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0100】
<変形例14>
第1実施形態に係る光検出装置1では、
図4Aに示すように第1部分32と第2部分33とが互いに接していたが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例14に係る光検出装置1では、
図18A及び
図18Bに示すように、第1部分32と第2部分33との間に隙間がある。
【0101】
製造方法によっては、第1部分32と第2部分33との間に隙間が生じる場合がある。隙間は、第1部分32と第2部分33との間にある。より具体的には、隙間は、同じ一の屈折光学素子31に属する第1部分32と第2部分33との間と、屈折光学素子31同士の間と、にある。隙間には、第3部分34が設けられていて、第1部分32と第2部分33との間は、第3部分34により隔てられている。第3部分34の屈折率である第3屈折率n3は、第1屈折率n1及び第2屈折率n2とは異なる(n3≠n1,n2)。より具体的には、第3屈折率n3は、第1屈折率n1より大きく、且つ第2屈折率n2より小さい値である(n1<n3<n2)。例えば、第1屈折率n1=1.24であり、第2屈折率n2=1.9である場合に、第3屈折率n3=1.4の酸化シリコン(SiO2)を第3部分34として設けることができる。光検出装置1は、このような第3部分34を備える。
【0102】
この第1実施形態の変形例14に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0103】
また、本技術の第1実施形態の変形例14に係る光検出装置1では、第1部分32と第2部分33との間に、第1屈折率n1と第2屈折率n2との間の値である第3屈折率n3を有する第3部分34が介在している。そのため、第1部分32から第2屈折率n2へ向けて屈折率が徐々に高くなるので、画素3に入射した光の波面の回転が滑らかになる。
【0104】
なお、第1部分32と第2部分33との間に隙間は、製造方法上の理由以外に、設計して設けることができる。また、第3部分34と絶縁膜m2とを別々に形成しても良いし、一緒に形成しても良い。
【0105】
<変形例15>
上述の第1実施形態の変形例14に係る光検出装置1では、
図18A及び
図18Bに示すように、全ての第1部分32と第2部分33との間に第3部分34が設けられていたが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例15に係る光検出装置1では、
図19A及び
図19Bに示すように、同じ一の屈折光学素子31に属する第1部分32と第2部分33とは互いに接していて、第3部分34は、屈折光学素子31同士の間の隙間のみに設けられている。より具体的には、隙間は、一の屈折光学素子31が有する第1部分32と、一の屈折光学素子31に隣り合う他の一の屈折光学素子31が有する第2部分33との間にある。第1部分32と第2部分33との間に他の媒質があると散乱の原因になる可能性がある。そのため、同じ一の屈折光学素子31に属する第1部分32と第2部分33とを互いに接するように設けている。
【0106】
この第1実施形態の変形例15に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0107】
また、本技術の第1実施形態の変形例15に係る光検出装置1では、屈折光学素子31において第1部分32と第2部分33とが接しているので、第1部分32と第2部分33との間に生じる散乱を抑制することができる。
【0108】
<変形例16>
上述の第1実施形態の変形例14に係る光検出装置1、及び第1実施形態の変形例15に係る光検出装置1では、第3部分34は酸化シリコン製であったが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例16に係る光検出装置1では、
図20に示すように、第3部分34が酸窒化シリコン(SiON)又は樹脂材料製である。なお、本変形例における屈折光学素子31の平面図は、材料が異なる違いがあるものの、上述の
図18Bと同じである。
【0109】
この第1実施形態の変形例16に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0110】
<変形例17>
第1実施形態に係る光検出装置1では、
図4Aに示すように、屈折光学素子層30は、厚み方向において、半導体層20の光入射面(第2の面S2)とカラーフィルタ層40との間に設けられていたが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例17に係る光検出装置1では、
図21に示すように、光検出装置1に入射した光の光路中の異なる位置に屈折光学素子層30を配置している。より具体的には、屈折光学素子層30は、厚み方向において、カラーフィルタ層40とオンチップレンズ層50との間に設けられている。
【0111】
この第1実施形態の変形例17に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0112】
<変形例18>
第1実施形態に係る光検出装置1では、
図4Aに示すように第1部分32及び第2部分33の縦断面形状は方形であったが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例18に係る光検出装置1では、
図22に示すように、第1部分32及び第2部分33の縦断面形状はテーパー形状であっても良い。なお、第2部分33は、カラーフィルタ層40寄りの部分の幅が半導体層20寄りの部分の幅より狭いテーパー形状である。
【0113】
この第1実施形態の変形例18に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0114】
なお、
図23に示すように、第2部分33は、カラーフィルタ層40寄りの部分の幅が半導体層20寄りの部分の幅より広いテーパー形状であっても良い。
【0115】
<変形例19>
第1実施形態の変形例19に係る光検出装置1では、
図24に示すように、屈折光学素子層30の半導体層20側にエッチングストッパ層m3を備えていても良い。屈折光学素子層30を形成する際に、絶縁膜m1の露出面にエッチングストッパ層m3を成膜し、エッチングストッパ層m3の露出面に第1部分32を構成する材料を成膜する。その後、公知のリソグラフィ技術を用いてマスクパターンを形成する。マスクパターンは、平面視で第1部分32を形成する部分を覆い、第2部分33を形成する部分に開口を有する。そして、公知のエッチング技術を用いて、第1部分32を構成する材料のうちマスクパターンの開口から露出した部分を、選択されたエッチャントを用いてエッチングし、除去する。エッチングストッパ層m3を構成する材料として、選択されたエッチャントに対するエッチングレートが、第1部分32を構成する材料に対するエッチングレートより低い材料を選ぶ。エッチングストッパ層m3を構成する材料として、例えば、窒化シリコン(Si
3N
4)及び酸化ハフニウム(HfO
2)等を挙げることができる。その後、マスクパターンを除去する。そして、第1部分32を構成する材料が除去された部分を埋めるように、第2部分33を構成する材料を成膜する。その後、化学機械研磨(Chemical Mechanical polishing,CMP)法を用いて、第2部分33を構成する材料のうち余分な部分を除去して、
図24に示す屈折光学素子層30を得る。
【0116】
この第1実施形態の変形例19に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0117】
また、本技術の第1実施形態の変形例19に係る光検出装置1では、エッチングストッパ層m3より半導体層20側に位置する材料がエッチングされるのを抑制できる。
【0118】
なお、本変形例では、第1部分32を構成する材料と第2部分33を構成する材料とのうち、第1部分32を構成する材料を先に成膜していたが、第2部分33を構成する材料を先に成膜しても良い。また、本変形例で説明した製造方法により、より具体的にはエッチングを行うことにより、変形例18に係る
図22及び
図23に描いたテーパー形状の第1部分32及び第2部分33を得ることもできる。
【0119】
<変形例20>
第1実施形態の変形例20に係る光検出装置1では、
図25に示すように、反射防止膜m4,m5を有していても良い。反射防止膜m4は屈折光学素子層30の絶縁膜m1側の面に設けられていて、反射防止膜m5は屈折光学素子層30のカラーフィルタ層40側の面に設けられている。屈折率の高い材料が存在すると、光が反射されて反射光として逆方向に進み、フレアが生じる可能性がある。そのため、反射光を打ち消すために反射防止膜m4,m5を設けている。反射防止膜m4,m5を構成する材料は、公知の材料であって良く、反射設計に基づいて選択すれば良い。
【0120】
この第1実施形態の変形例20に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0121】
また、本技術の第1実施形態の変形例20に係る光検出装置1では、フレアを抑制できる。なお、反射防止膜は、反射防止膜m4,m5の一方のみを設ける構成であっても良い。
【0122】
<変形例21>
第1実施形態に係る光検出装置1では、
図4Aに示すように第1部分32及び第2部分33の厚みは、同じであったが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例21に係る光検出装置1では、
図26A及び
図26Bに示すように、第1部分32及び第2部分33の厚みが異なっていても良い。
図26Aでは、第1部分32の厚みが第2部分33の厚みより大きい。そして、
図26Bでは、第2部分33の厚みが第1部分32の厚みより大きい。
【0123】
例えば、第1部分32と第2部分33とを個別に公知のエッチング技術を用いて形成する際には、
図26Aに示すように、第1部分32と第2部分33とに厚み方向に段差が生じる場合がある。また、
図26Bに示すように、第2部分33の厚みを意図して大きく設けることにより、第2部分33における通過光の光路が長くなり、平面視で第2部分33と重なる方の光電変換素子PDへ向けてより多くの光を導くことができる。反対に、第2部分33の厚みを意図して小さく設けることにより、光を曲げる角度を小さくすることができる。
【0124】
この第1実施形態の変形例21に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0125】
また、本技術の第1実施形態の変形例21に係る光検出装置1では、第1部分32及び第2部分33の厚みを異ならせることにより、光の曲がり角度の様々な設計が可能になる。
【0126】
<変形例22>
第1実施形態の変形例22に係る光検出装置1では、
図27A及び
図27Bに示すように、屈折光学素子31において、平面視で、第2部分33が占める領域の大きさと第1部分32が占める領域の大きさとを、画素領域2A(
図1参照)における屈折光学素子31の像高位置に応じて異ならせている。なお、画素領域2Aの中央部が像高中心であり、像高中心から画素領域2Aの縁部へ向かう程、像高が高くなる。
【0127】
図27A及び
図27Bには、像高中心付近に配置された屈折光学素子31と、中像高位置近に配置された屈折光学素子31と、高像高位置付近に配置された屈折光学素子31と、を示している。中像高位置とは、像高中心と高像高位置との間の像高位置を示す。像高中心付近では、屈折光学素子31において、平面視で、第2部分33が占める領域の大きさは、第1部分32が占める領域の大きさと同じである。
図27Aに矢印で示すように、像高が高い位置では、像高中心付近と比べて斜めに入射する光が多くなる。そこで、本変形例に係る光検出装置1では、像高が高くなる程、屈折光学素子31において、平面視で、第2部分33が占める領域の大きさを、第1部分32が占める領域の大きさより大きくしている。これにより、斜めに入射する光が多い像高が高い位置においても、平面視で第2部分33と重なる方の光電変換素子PDへ向けてより多くの光を導くことができ、像高位置によって分離比が大きく変化するのを抑制できる。
【0128】
この第1実施形態の変形例22に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0129】
また、本技術の第1実施形態の変形例22に係る光検出装置1では、屈折光学素子31を像高位置に応じた構成としているので、像高位置によって分離比が大きく変化するのを抑制できる。
【0130】
<変形例23>
第1実施形態に係る光検出装置1では、
図4Gに示すように、区画構造22は不純物をイオン注入して得られた不純物区画構造であったが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例23では、
図28に示すように、中央分離構造として、区画構造22の代わりに、平面視でY方向に沿って、区画壁25aと、区画構造22と、区画壁25bとをその順で設け、セル領域20aを半導体領域23と半導体領域24とに区画している。
【0131】
区画壁25a,25bは、半導体層20に厚み方向に沿って溝を形成し、形成した溝内に区画材料を埋め込んだトレンチ構造である。区画壁25a及び区画壁25bは、平面視で互いに対向する位置に配置されていて、それぞれ一端が区画壁21に接続されている。そして、平面視で区画壁25aと区画壁25bとの間には、区画構造22が設けられている。
【0132】
区画壁25a,25bは、区画壁21と同じ区画材料で構成されている。例えば、区画壁21,25a,25bは、酸化シリコン(SiO2)、又はAirギャップ(空壁)で構成されている。また、例えば、区画壁21,25a,25bは、上述の高屈折材料により構成されていても良い。
【0133】
また、区画壁25a,25bは、区画壁21と異なる区画材料で構成されていても良い。例えば、区画壁21が酸化シリコン(SiO2)、又はAirギャップ(空壁)で構成されていて、区画壁25a,25bが上述の高屈折材料により構成されていても良い。
【0134】
この第1実施形態の変形例23に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0135】
また、本技術の第1実施形態の変形例23に係る光検出装置1では、区画壁21を酸化シリコン(SiO2)、又はAirギャップ(空壁)で構成し、区画壁25a,25bを高屈折材料により構成している。区画壁25a,25bを高屈折材料により構成したので、シリコンとの屈折率差が大きくなるのを抑制でき、セル領域20aの中央部に照射された光が区画壁25a,25bにより大きく散乱されるのを抑制できる。そして、区画壁25a,25bにより大きく散乱されるのを抑制でき、区画壁21を酸化シリコン(SiO2)、又はAirギャップ(空壁)で構成しているので、隣接する画素への混色、より具体的には異色用画素への混色を抑制することができる。
【0136】
<変形例24>
第1実施形態に係る光検出装置1では、
図4Aに示すように、区画壁21は、Z方向に沿って、第1の面S1から第2の面S2まで延在していたが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例24に係る光検出装置1では、
図29に示すように、区画壁21は第1の面S1まで達しておらず、区画壁21の第1の面S1側の端部と、第1の面S1との間には、区画構造26が設けられている。区画構造26は、半導体層20に不純物をイオン注入して得られた不純物区画構造である。
【0137】
なお、1つのセル領域20aを第2の面S2側から観察した図は、
図4Gと同じであっても良い。また、1つのセル領域20aを第2の面S2側から観察した図は、
図28と同じであっても良く、その場合には、光検出装置1は、平面視でY方向に沿って、区画壁25aと、区画構造22と、区画壁25bとをその順で有する。また、区画壁21,25a,25bを構成する区画材料は、第1実施形態の変形例23で説明した通りである。
【0138】
この第1実施形態の変形例24に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1、及び上述の第1実施形態の変形例23に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0139】
<変形例25>
第1実施形態に係る光検出装置1では、
図4Aに示すように、光電変換素子PD1と光電変換素子PD2との間を、不純物区画構造である区画構造22で区画していたが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例25に係る光検出装置1では、
図30に示すように、光電変換素子PD1と光電変換素子PD2との間を、トレンチ構造である区画壁25cで区画している。中央分離構造である区画壁25cは、半導体層20に厚み方向に沿って溝を形成し、形成した溝内に区画材料を埋め込んだトレンチ構造を含む。区画壁25cは、
図30に示す縦断面図において、Z方向に沿って第1の面S1から第2の面S2まで延在している。
【0140】
区画壁25cは、区画壁21と同じ区画材料で構成されている。例えば、区画壁21,25cは、酸化シリコン(SiO2)、又はAirギャップ(空壁)で構成されている。また、例えば、区画壁21,25cは、上述の高屈折材料により構成されていても良い。
【0141】
また、区画壁25cは、区画壁21と異なる区画材料で構成されていても良い。例えば、区画壁21が酸化シリコン(SiO2)、又はAirギャップ(空壁)で構成されていて、区画壁25cが上述の高屈折材料により構成されていても良い。
【0142】
この第1実施形態の変形例24に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1、及び上述の第1実施形態の変形例23に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0143】
<変形例26>
本変形例では、第1実施形態の変形例25に係る光検出装置1が有する中央分離構造について、さらに詳細に説明する。第1実施形態の変形例26に係る光検出装置1では、
図31に示すように、光検出装置1は、中央分離構造として、平面視でY方向に沿って、区画構造22と、区画壁25cと、区画構造22と、をその順で有する。すなわち、
図31に示すように、区画壁25cは、平面視でY方向に沿った中央部のみに設けられている。なお、区画壁21,25cを構成する区画材料は、第1実施形態の変形例25で説明した通りである。なお、変形例25に係る
図30は、本変形例に係る
図31のA-A切断線に沿って断面視した図に相当する。
【0144】
この第1実施形態の変形例26に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1、及び上述の第1実施形態の変形例25に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0145】
<変形例27>
本変形例では、第1実施形態の変形例25に係る光検出装置1が有する中央分離構造について、さらに詳細に説明する。第1実施形態の変形例27に係る光検出装置1では、
図32に示すように、光検出装置1は、中央分離構造として、平面視でY方向に沿って、区画壁25cと区画構造22とを有する。区画壁25cは、平面視でY方向に沿った一方の端部が区画壁21に接続されている。なお、区画壁21,25cを構成する区画材料は、第1実施形態の変形例25で説明した通りである。なお、変形例25に係る
図30は、本変形例に係る
図32のA-A切断線に沿って断面視した図に相当する。
【0146】
この第1実施形態の変形例27に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1、及び上述の第1実施形態の変形例25に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0147】
<変形例28>
第1実施形態の変形例25に係る光検出装置1では、
図30に示すように、区画壁21,25cは、Z方向に沿って、第1の面S1から第2の面S2まで延在していたが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例28に係る光検出装置1では、
図33Aに示すように、区画壁21,25cは第1の面S1まで達していない。区画壁21の第1の面S1側の端部と、第1の面S1との間には、区画構造26が設けられている。区画壁25cの第1の面S1側の端部と、第1の面S1との間には、区画構造22が設けられている。なお、1つのセル領域20aを第2の面S2側から観察すると、区画壁25cは、
図33Bに示すように、Y方向に沿って延在して区画壁21の互いに対向する部分に接続されている。また、1つのセル領域20aを第2の面S2側から観察した図は、
図31及び
図32のいずれかと同じであっても良い。また、区画壁21,25cを構成する区画材料は、第1実施形態の変形例25で説明した通りである。なお、
図33Aは、
図33B、
図31、及び
図32のA-A切断線に沿って断面視した図に相当する。
【0148】
この第1実施形態の変形例28に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1、及び上述の第1実施形態の変形例25に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0149】
<変形例29>
第1実施形態の変形例25に係る光検出装置1では、
図30に示すように、区画壁21,25cは、Z方向に沿って、第1の面S1から第2の面S2まで延在していたが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例29に係る光検出装置1では、
図34に示すように、区画壁21と区画壁25cとのうち、区画壁21は第1の面S1から第2の面S2まで延在しているが、区画壁25cは第1の面S1まで達していない。区画壁25cの第1の面S1側の端部と、第1の面S1との間には、区画構造22が設けられている。なお、1つのセル領域20aを第2の面S2側から観察した図は、
図33B、
図31、及び
図32のいずれかと同じである。また、区画壁21,25cを構成する区画材料は、第1実施形態の変形例25で説明した通りである。なお、
図34は、
図33B、
図31、及び
図32のA-A切断線に沿って断面視した図に相当する。
【0150】
この第1実施形態の変形例29に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1、及び上述の第1実施形態の変形例25に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0151】
<変形例30>
第1実施形態の変形例30に係る光検出装置1では、区画壁21の区画材料として、導電材料を用いても良い。また、区画壁25a,25b,25cの区画材料として、導電材料を用いても良い。より具体的には、区画材料として、金属材料、半導体材料、及び透明導電体等を用いても良い。トレンチ構造の区画材料として導電性材料を用いる場合、半導体層20との間に絶縁膜を設けて絶縁する。金属材料として、例えば、窒化チタン(TiN)を用いることができる。半導体材料として、例えば、ポリシリコンを用いることができる。また、透明導電体として、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム(InO)等を挙げることができる。
【0152】
この第1実施形態の変形例30に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0153】
また、本技術の第1実施形態の変形例30に係る光検出装置1では、区画壁21に対してバイアス電圧を印加することにより、ピニングを強化することができる。
【0154】
<変形例31>
第1実施形態の変形例31に係る光検出装置1は、
図35に示すように、カラーフィルタ層40のオンチップレンズ層50側の面に積層された保護膜m6を有していても良い。保護膜m6は、例えば、カラーフィルタ層40の区画壁42を形成する際に、製造方法上必要となる場合がある。また、保護膜m6は、カラーフィルタ層40に水分等が侵入するのを抑制するために設けられて、信頼性を向上させることができる。保護膜m6を構成する材料として、例えば、酸窒化シリコン(SiON)、酸化シリコン(SiO
2)、及び酸化アルミニウム(Al
2O
3)等を挙げることができる。
【0155】
この第1実施形態の変形例31に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0156】
<変形例32>
第1実施形態の変形例32に係る光検出装置1では、
図36に示すように、区画壁42のZ方向に沿った寸法は、カラーフィルタ41のZ方向に沿った寸法より小さい。より具体的には、区画壁42のオンチップレンズ層50側の面は、カラーフィルタ41のオンチップレンズ層50側の面より半導体層20側に窪んだ位置にある。そして、区画壁42のオンチップレンズ層50側の面が窪むことによりカラーフィルタ41同士の間に形成された領域43内には、マイクロレンズ51を構成する材料と同じ材料が埋め込まれている。
【0157】
この第1実施形態の変形例32に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0158】
また、本技術の第1実施形態の変形例32に係る光検出装置1では、製造法上の制約を低くすることができる。
【0159】
<変形例33>
第1実施形態の変形例33に係る光検出装置1では、
図37に示すように、区画壁42を屈折光学素子層30内まで延在させている。より具体的には、区画壁42は屈折光学素子層30を貫通している。また、上述の変形例32と同様に、区画壁42のオンチップレンズ層50側の面は、カラーフィルタ41のオンチップレンズ層50側の面より半導体層20側に窪んだ位置にある。そして、区画壁42のオンチップレンズ層50側の面が窪むことによりカラーフィルタ41同士の間に形成された領域43内には、マイクロレンズ51を構成する材料と同じ材料が埋め込まれている。
【0160】
この第1実施形態の変形例33に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0161】
また、本技術の第1実施形態の変形例33に係る光検出装置1では、屈折率が低い材料からなる区画壁42を屈折光学素子層30内まで延在させているので、Z方向に沿って半導体層20により近い位置においても光を集光することができ、導波効果を高めることができる。
【0162】
<変形例34>
第1実施形態の変形例34に係る光検出装置1では、
図38A及び
図38Bに示すように、半導体層20側におけるカラーフィルタ41同士の間の隙間、すなわち区画壁42と絶縁膜m1との間に遮光部60を設けている。
図38Bは、
図38Aの部分拡大図である。遮光部60は、
図38Bに示すように、複数層の遮光材料を含んでいても良い。
図38Bに示す例では、遮光部60は、窒化チタン(TiN)からなる第1層61と、チタン(Ti)からなる第2層62と、タングステン(W)からなる第3層63との三層構造を有する。
【0163】
この第1実施形態の変形例34に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0164】
また、本技術の第1実施形態の変形例34に係る光検出装置1では、遮光部60を設けているので、カラーフィルタ41同士の間で光が隣のカラーフィルタに入射するのを抑制できる。例えば、緑色用のカラーフィルタ41から赤色用のカラーフィルタ41に光が入射するのを抑制できる。
【0165】
<変形例35>
第1実施形態の変形例35に係る光検出装置1では、
図39に示すように、遮光部60を半導体層20内に埋めている。より具体的には、遮光部60少なくとも一部を、画素3同士の間(分離領域20b)において半導体層20内に埋めている。なお、遮光部60の構成については、上述の変形例34において説明した通りである。
【0166】
この第1実施形態の変形例35に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0167】
また、本技術の第1実施形態の変形例35に係る光検出装置1では、遮光部60を半導体層20内に埋めているので、たとえ第2部分33のように屈折率が高い部材を設けた場合であっても、迷光を遮ることができる。
【0168】
<変形例36>
第1実施形態の変形例36に係る光検出装置1は、上述の第1実施形態の変形例33と変形例35との組み合わせである。第1実施形態の変形例36に係る光検出装置1は、
図40に示すように、区画壁42を屈折光学素子層30内まで延在させている。より具体的には、区画壁42は屈折光学素子層30を貫通している。また、区画壁42のオンチップレンズ層50側の面は、カラーフィルタ41のオンチップレンズ層50側の面より半導体層20側に窪んだ位置にある。そして、区画壁42のオンチップレンズ層50側の面が窪むことによりカラーフィルタ41同士の間に形成された領域43内には、マイクロレンズ51を構成する材料と同じ材料が埋め込まれている。そして、遮光部60少なくとも一部を、画素3同士の間(分離領域20b)において半導体層20内に埋めている。なお、遮光部60の構成については、上述の変形例34において説明した通りである。
【0169】
この第1実施形態の変形例36に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1、上述の第1実施形態の変形例33に係る光検出装置1、及び上述の第1実施形態の変形例35に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0170】
<変形例37>
第1実施形態の変形例37に係る光検出装置1では、
図41に示すように、遮光部60は、水平方向沿って、屈折光学素子31と並んで設けられている。より具体的には、遮光部60は、屈折光学素子31同士の間に設けられている。
【0171】
この第1実施形態の変形例37に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0172】
また、本技術の第1実施形態の変形例37に係る光検出装置1では、迷光を遮り、混色を抑制することができる。
【0173】
<変形例38>
第1実施形態に係る光検出装置1では、
図4Aに示すオンチップレンズ層50は、屈折率nが、例えば、1.5以上、1.6以下(1.5≦n≦1.6)程度の材料製であったが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例38に係る光検出装置1では、
図4Aに示すオンチップレンズ層50は、それより屈折率が高い材料製である。本変形例のオンチップレンズ層50は、屈折率nが、例えば、1.7以上、2.0以下(1.7≦n≦2.0)程度の材料製であっても良い。屈折率が高い材料としては、例えば、窒化シリコン(Si
3N
4)、高屈折率樹脂材等を挙げることができる。
【0174】
この第1実施形態の変形例38に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0175】
また、本技術の第1実施形態の変形例38に係る光検出装置1では、オンチップレンズ層50の屈折率が高くなるので、マイクロレンズ51の集光能力を高めることができ、集光スポットが大きくなるのを抑制できる。
【0176】
<変形例39>
第1実施形態の変形例39に係る光検出装置1では、
図42に示すように、オンチップレンズ層50の代わりにメタサーフェス光学素子70を有している。メタサーフェス光学素子70は、平面視で幅方向に互いに間隔を空けて配列された構造体71を複数有している。構造体71は、カラーフィルタ41の色毎にその厚みや配列のピッチが設計されている。構造体71を構成する材料として、例えば、窒化シリコン(Si
3N
4)、酸化チタン(TiO
2)、酸化タンタル(Ta
2O
5)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)等を挙げることができる。
【0177】
この第1実施形態の変形例39に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0178】
また、本技術の第1実施形態の変形例39に係る光検出装置1では、レンズの代わりにメタサーフェス光学素子70を設けて、より広い範囲から光を集めることができる。
【0179】
<変形例40>
第1実施形態の変形例40に係る光検出装置1では、
図43に示すように、赤色光用のフィルタRと、緑色光用のフィルタGと、青色光用のフィルタBとがベイヤー配列されている。この第1実施形態の変形例40に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0180】
<変形例41>
第1実施形態の変形例41に係る光検出装置1では、
図44に示すように、フィルタR,G,Bのそれぞれについて、同色のフィルタが3行3列の画素3のそれぞれに対して並べて配置されている。この第1実施形態の変形例41に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0181】
<変形例42>
第1実施形態の変形例42に係る光検出装置1では、
図45に示すように、フィルタR,G,Bのそれぞれについて、同色のフィルタが4行4列の画素3のそれぞれに対して並べて配置されている。この第1実施形態の変形例42に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0182】
<変形例43>
第1実施形態の変形例43に係る光検出装置1では、
図46に示すように、カラーフィルタ41には、赤色光用のフィルタRと、緑色光用のフィルタGと、青色光用のフィルタBとに加えて、白光用のフィルタWがある。なお、
図46においては、マイクロレンズ51の図示を省略している。この第1実施形態の変形例43に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0183】
<変形例44>
第1実施形態の変形例44に係る光検出装置1では、
図47に示すように、カラーフィルタ41には、フィルタR,G,Bの代わりに、補色用のフィルタC,M,Yの3種類を有する。フィルタCはシアン用のフィルタであり、フィルタMはマゼンタ用のフィルタであり、フィルタYはイエロー用のフィルタである。なお、
図47においては、マイクロレンズ51の図示を省略している。この第1実施形態の変形例44に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0184】
<変形例45>
第1実施形態の変形例45に係る光検出装置1では、
図48に示すように、カラーフィルタ41には、緑色光用のフィルタGと、補色用のフィルタC,M,Yとの4種類がある。なお、
図48においては、マイクロレンズ51の図示を省略している。この第1実施形態の変形例45に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0185】
<変形例46>
第1実施形態の変形例46に係る光検出装置1では、
図49に示すように、カラーフィルタ41には、フィルタR,G,Bと、補色用のフィルタC,M,Yとの6種類がある。なお、
図49においては、マイクロレンズ51の図示を省略している。この第1実施形態の変形例46に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0186】
<変形例47>
第1実施形態の変形例47に係る光検出装置1では、
図50に示すように、カラーフィルタ41には、フィルタR,G,Bと、補色用のフィルタC,M,Yとの6種類がある。また、それらのフィルタの配置は、変形例46の
図49に示す配置と異なっている。なお、
図50においては、マイクロレンズ51の図示を省略している。この第1実施形態の変形例47に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0187】
<変形例48>
第1実施形態に係る光検出装置1では、
図4Aに示すように、1つの画素3(セル領域20a)を2つのサブセル領域に分割し、画素3毎に光電変換素子PD1,PD2と屈折光学素子31の第1部分32及び第2部分33とを設けていたが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例48に係る光検出装置1では、
図51A及び
図51Bに示すように、画素3を分割せず、光電変換素子PD1と光電変換素子PD2とを別々の画素3(セル領域20a)に構成し、第1部分32と第2部分33とを別々の画素3(セル領域20a)に対して設けている。
【0188】
図51Cは、本変形例に係る4行4列の画素3を示している。
図51Cに示すように、マイクロレンズ51及びカラーフィルタ41は、2行2列の画素3毎に1つ設けられている。マイクロレンズ51に重なる2行2列の画素3には、同一のカラーフィルタ41を透過した光が入射する。本変形例では、赤色光用のフィルタRと、緑色光用のフィルタGと、青色光用のフィルタBとが図示のように配列されている。カラーフィルタ41は、2行2列の4つの画素3毎に、異なる色が配置されている。
図51Bに示すように、マイクロレンズ51に重なる2行2列の画素3は、2つの画素3L(セル領域20aL)と、2つの画素3R(セル領域20aR)とを含む。平面視で、2つのセル領域20aLの一方(紙面右側のセル領域)には第1部分32が重なり、他方(紙面左側のセル領域)には第2部分33が重なっている。同様に、平面視で、2つのセル領域20aRの一方(紙面左側のセル領域)には第1部分32が重なり、他方(紙面右側のセル領域)には第2部分33が重なっている。そのため、本変形例の2つのセル領域20aLが一対となり、第1実施形態の1つのセル領域20aLと同様に機能する。そして、本変形例の2つのセル領域20aRが一対となり、第1実施形態の1つのセル領域20aRと同様に機能する。
【0189】
この第1実施形態の変形例48に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0190】
また、本技術の第1実施形態の変形例48に係る光検出装置1では、1つの画素3(セル領域20a)を2つのサブセル領域に分割する必要が無いので、画素3がさらに微細化された場合であっても、位相差画素を構成できる。
【0191】
<変形例49>
第1実施形態の変形例48に係る光検出装置1では、
図51Cに示すようにカラーフィルタ41が配列されていたが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例49に係る光検出装置1では、
図52に示すように、同色のフィルタが2行2列に並べて配置されていても良い。
【0192】
この第1実施形態の変形例49に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1、及び第1実施形態の変形例48に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0193】
<変形例50>
第1実施形態に係る光検出装置1の変形例48では、
図51Cに示すように、マイクロレンズ51及びカラーフィルタ41は、2行2列の画素3毎に1つ設けられていたが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例50に係る光検出装置1では、
図53に示すように、マイクロレンズ51及びカラーフィルタ41は、1行2列の画素3毎に1つ設けられている。マイクロレンズ51に重なる1行2列の画素3には、同一のカラーフィルタ41を透過した光が入射する。なお、
図53では、カラーフィルタ41の配置を1つのみ例示し、それ以外のカラーフィルタ41の配置は図示を省略している。
【0194】
この第1実施形態の変形例50に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1、及び第1実施形態の変形例48に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
【0195】
[第2実施形態]
<1.電子機器への応用例>
図54は、本開示に係る技術を適用した固体撮像装置を有する電子機器の構成例を示すブロック図である。
【0196】
電子機器1000は、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、スマートフォンやタブレット型端末等の携帯端末装置などの撮像機能を有する電子機器である。
【0197】
電子機器1000は、光学系(光学レンズ)1011、撮像部1012、信号処理部1013、制御部1014、表示部1015、記録部1016、操作部1017、通信部1018、電源部1019、及び駆動部1020から構成される。また、電子機器1000において、信号処理部1013、制御部1014、表示部1015、記録部1016、操作部1017、通信部1018、及び電源部1019は、バス1021を介して相互に接続されている。
【0198】
光学系1011は、ズームレンズやフォーカスレンズ等から構成され、被写体からの光1022を集光する。光学系1011により集光された光(被写体光)は、撮像部1012に入射される。
【0199】
撮像部1012は、本開示に係る技術を適用したイメージセンサ(上述の光検出装置1)等の固体撮像装置を含んで構成される。撮像部1012としてのイメージセンサは、光学系1011を介して受光した光(被写体光)を電気信号に光電変換し、その結果得られる信号を、信号処理部1013に供給する。
【0200】
なお、このイメージセンサの画素アレイ部には、所定の配列パターンで規則的に配列された位相差画素が設けられている。本技術に係る位相差画素は、位相差検出を行うための信号を生成し、且つ、被写体光に応じた撮像画像を生成するための信号を生成可能な画素である。
【0201】
信号処理部1013は、撮像部1012から供給される信号を処理する信号処理回路である。例えば、信号処理部1013は、DSP(Digital Signal Processor)回路などとして構成される。
【0202】
信号処理部1013は、撮像部1012からの信号を処理して、静止画又は動画の画像データを生成し、表示部1015又は記録部1016に供給する。また、信号処理部1013は、撮像部1012(イメージセンサの位相差画素)からの信号に基づき、位相差を検出するためのデータ(位相差検出用データ)を生成し、制御部1014に供給する。
【0203】
制御部1014は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やマイクロプロセッサなどとして構成される。制御部1014は、電子機器1000の各部の動作を制御する。
【0204】
表示部1015は、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示装置として構成される。表示部1015は、信号処理部1013から供給される画像データを処理し、撮像部1012により撮像された静止画又は動画を表示する。
【0205】
記録部1016は、例えば、半導体メモリやハードディスク等の記録媒体として構成される。記録部1016は、信号処理部1013から供給される画像データを記録する。また、記録部1016は、制御部1014からの制御に従い、記録されている画像データを提供する。
【0206】
操作部1017は、例えば、物理的なボタンのほか、表示部1015と組み合わせて、タッチパネルとして構成される。操作部1017は、ユーザによる操作に応じて、電子機器1000が有する各種の機能についての操作指令を出力する。制御部1014は、操作部1017から供給される操作指令に基づき、各部の動作を制御する。
【0207】
通信部1018は、例えば、通信インターフェース回路などとして構成される。通信部1018は、所定の通信規格に従い、無線通信又は有線通信によって、外部の機器との間でデータのやりとりを行う。
【0208】
電源部1019は、信号処理部1013、制御部1014、表示部1015、記録部1016、操作部1017、及び通信部1018の動作電源となる各種の電源を、これらの供給対象に対して適宜供給する。
【0209】
また、制御部1014は、信号処理部1013から供給される位相差検出用データに基づき、2つの画像の位相差を検出する。そして、制御部1014は、位相差の検出結果に基づき、フォーカスを合わせる対象の物体(合焦対象物)に対し、フォーカスが合っているかどうかを判定する。制御部1014は、合焦対象物にフォーカスが合っていない場合には、フォーカスのずれ量(デフォーカス量)を算出し、駆動部1020に供給する。
【0210】
駆動部1020は、例えば、モータやアクチュエータ等から構成され、ズームレンズやフォーカスレンズ等からなる光学系1011を駆動する。
【0211】
駆動部1020は、制御部1014から供給されるデフォーカス量に基づき、光学系1011のフォーカスレンズの駆動量を算出し、その駆動量に応じてフォーカスレンズを移動させる。なお、合焦対象物に対し、フォーカスが合っている場合には、駆動部1020は、フォーカスレンズの現在位置を維持させる。電子機器1000は、以上のように構成される。
【0212】
本技術は、以上説明したように、イメージセンサ等の撮像部1012に適用される。具体的には、第1実施形態及びその変形例に係る光検出装置1は、撮像部1012に適用することができる。イメージセンサ等の撮像部1012に本技術を適用することで、たとえ画素を微細化した場合であっても、位相差画素の分離比が低下するのを抑制でき、オートフォーカス性能が低下するのを抑制できる。
【0213】
<2.移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0214】
図55は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0215】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図55に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0216】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0217】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0218】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0219】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0220】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0221】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0222】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0223】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0224】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図55の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0225】
図56は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0226】
図56では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0227】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0228】
なお、
図56には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0229】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0230】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0231】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0232】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0233】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。具体的には、上述の光検出装置1は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、たとえ画素を微細化した場合であっても、位相差画素の分離比が低下するのを抑制でき、オートフォーカス性能が低下するのを抑制できる。そのため、より見やすい撮影画像を得ることができる。
【0234】
[その他の実施形態]
上記のように、本技術は第1実施形態から第2実施形態までによって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本技術を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0235】
例えば、第1実施形態から第2実施形態までにおいて説明したそれぞれの技術的思想を互いに組み合わせることも可能である。例えば、上述の第1実施形態の変形例同士を組み合わせる等、それぞれの技術的思想に沿った種々の組み合わせが可能である。
【0236】
また、本技術は、上述したイメージセンサとしての固体撮像装置の他、ToF(Time of Flight)センサともよばれる距離を測定する測距センサなども含む光検出装置全般に適用することができる。測距センサは、物体に向かって照射光を発光し、その照射光が物体の表面で反射され返ってくる反射光を検出し、照射光が発光されてから反射光が受光されるまでの飛行時間に基づいて物体までの距離を算出するセンサである。
【0237】
また、光検出装置1は、二枚以上の半導体基板が重ね合わされて積層された積層型CIS(CMOS Image Sensor、CMOSイメージセンサ)であっても良い。その場合、ロジック回路13及び読出し回路15のうちの少なくとも一方が有する素子は、それら半導体基板のうちのセル領域20aが設けられた半導体基板とは異なる基板に設けられても良い。
【0238】
また、例えば、上述の構成要素を構成するとして挙げられた材料は、添加物や不純物等を含んでいても良い。
【0239】
このように、本技術はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本技術の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に記載された発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0240】
また、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があっても良い。
【0241】
なお、本技術は、以下のような構成としてもよい。
(1)
平面視で、第1方向に沿って互いに隣り合う第1光電変換素子及び第2光電変換素子が構成されたセル領域を複数含み、且つ一方の面が素子形成面であり他方の面が光入射面である半導体層と、
第1屈折率を有する第1部分及び前記第1屈折率より高い第2屈折率を有する第2部分を有し、且つ前記光入射面側において平面視で前記セル領域に重なる位置に設けられた屈折光学素子と、
を備え、
一の前記屈折光学素子は、第1方向に沿って、前記第1光電変換素子寄りの位置に前記第1部分を有し、前記第2光電変換素子寄りの位置に前記第2部分を有し、
他の一の前記屈折光学素子は、第1方向に沿って、前記第1光電変換素子寄りの位置に前記第2部分を有し、前記第2光電変換素子寄りの位置に前記第1部分を有する、
光検出装置。
(2)
前記第1屈折率と前記第2屈折率との差は、0.2以上、0.5以下である、(1)に記載の光検出装置。
(3)
前記屈折光学素子において、平面視で、前記第2部分が占める領域の大きさは、前記第1部分が占める領域の大きさと同じ若しくはそれより大きい、(1)又は(2)に記載の光検出装置。
(4)
前記屈折光学素子において、平面視で、前記第2部分は、前記セル領域の平面視における中央部に重なる領域が、前記第1部分より多い構成である、(1)から(3)のいずれかに記載の光検出装置。
(5)
前記第2部分は、平面視で、第1方向に直交する第2方向における中央部が端部より前記第1部分側に位置している、(4)に記載の光検出装置。
(6)
前記屈折光学素子の厚みは、30nm以上、200nm以下である、(1)から(5)のいずれかに記載の光検出装置。
(7)
前記第1部分と前記第2部分との間には、第3部分が設けられていて、
前記第3部分の屈折率である第3屈折率は、前記第1屈折率及び前記第2屈折率とは異なる(1)から(6)のいずれかに記載の光検出装置。
(8)
前記半導体層の前記光入射面側に設けられたカラーフィルタを有し、
前記屈折光学素子は、前記半導体層の前記光入射面と前記カラーフィルタとの間に設けられている、(1)から(7)のいずれかに記載の光検出装置。
(9)
前記第1光電変換素子及び前記第2光電変換素子が構成された前記セル領域は、画素領域に行列状に設けられていて、
前記屈折光学素子は、前記セル領域毎に設けられている、(1)から(8)のいずれかに記載の光検出装置。
(10)
前記屈折光学素子の厚み方向に沿った一方側及び他方側のうちの少なくとも一方には、反射防止膜が設けられている、(1)から(9)のいずれかに記載の光検出装置。
(11)
前記第1光電変換素子において生成された信号電荷と前記第2光電変換素子において生成された信号電荷との和が、画像データの1画素を形成するための画素信号を構成する、(1)から(10)のいずれかに記載の光検出装置。
(12)
光検出装置と、前記光検出装置に被写体からの像光を結像させる光学系と、を備え、
前記光検出装置は、
平面視で、第1方向に沿って互いに隣り合う第1光電変換素子及び第2光電変換素子が構成されたセル領域を複数含み、且つ一方の面が素子形成面であり他方の面が光入射面である半導体層と、
第1屈折率を有する第1部分及び前記第1屈折率より高い第2屈折率を有する第2部分を有し、且つ前記光入射面側において平面視で前記セル領域に重なる位置に設けられた屈折光学素子と、
を備え、
一の前記屈折光学素子は、第1方向に沿って、前記第1光電変換素子寄りの位置に前記第1部分を有し、前記第2光電変換素子寄りの位置に前記第2部分を有し、
他の一の前記屈折光学素子は、第1方向に沿って、前記第1光電変換素子寄りの位置に前記第2部分を有し、前記第2光電変換素子寄りの位置に前記第1部分を有する、
電子機器。
【0242】
本技術の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本技術が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本技術の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【符号の説明】
【0243】
1 光検出装置
2A 画素領域
3,3L,3R,3LO,3UP 画素
20 半導体層
20a,20aL,20aR,20aLO,20aUP セル領域
30 屈折光学素子層
31,31L,31R,31LO,31UP 屈折光学素子
32 第1部分
33 第2部分
34 第3部分
41 カラーフィルタ
1000 電子機器
1011 光学系
m4,m5 反射防止膜
n1 第1屈折率
n2 第2屈折率
n3 第3屈折率
PD,PD1,PD2 光電変換素子