(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168195
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ジョブ管理システム、ジョブ管理システムの制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20241128BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G06F3/12 329
G06F3/12 303
G06F3/12 332
B41J29/38 201
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084658
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】末谷 悠紀
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HJ10
2C061HK07
2C061HK14
2C061HN05
2C061HN15
2C061HR01
(57)【要約】
【課題】キューイング機能の使用が可能な否かを迅速に通知可能な仕組みを提供することを目的とする。
【解決手段】ジョブ管理システム1000は、ジョブを管理するジョブ管理装置としての印刷装置200と、印刷装置200に通信可能に接続され、印刷装置200との間での情報を処理可能な情報処理装置としの端末装置100とを備える。印刷装置200は、ジョブをキューイングするキューイング機能を有するか否かを判断する判断手段(CPU201)と、判断手段での判断結果に基づいて、キューイング機能を有するか否かに関する機能情報を変更する変更手段(CPU201)とを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブを管理するジョブ管理装置と、前記ジョブ管理装置に通信可能に接続され、該ジョブ管理装置との間での情報を処理可能な情報処理装置と、を備えるジョブ管理システムであって、
前記ジョブ管理装置は、
複数の前記ジョブをキューイングするキューイング機能を有するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段での判断結果に基づいて、前記キューイング機能を有するか否かに関する機能情報を変更する変更手段と、を備えることを特徴とするジョブ管理システム。
【請求項2】
前記変更手段は、前記判断手段での判断結果として、前記キューイング機能を有すると判断された場合には、前記機能情報を、前記キューイング機能有りの旨の情報に変更することを特徴とする請求項1に記載のジョブ管理システム。
【請求項3】
前記変更手段は、前記判断手段での判断結果として、前記キューイング機能を有さずと判断された場合には、前記機能情報を、前記キューイング機能無しの旨の情報に変更することを特徴とする請求項1に記載のジョブ管理システム。
【請求項4】
前記ジョブ管理装置は、前記機能情報を記憶する記憶手段を備え、
前記判断手段は、前記記憶手段に記憶されている前記機能情報に基づいて、前記キューイング機能を有するか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載のジョブ管理システム。
【請求項5】
前記判断手段は、前記記憶手段に記憶されている前記機能情報が、前記キューイング機能有りの旨の情報である場合には、前記キューイング機能を有すると判断し、前記機能情報が、前記キューイング機能無しの旨の情報である場合には、前記キューイング機能を有さずと判断することを特徴とする請求項4に記載のジョブ管理システム。
【請求項6】
前記ジョブ管理装置は、補助記憶装置が着脱可能に接続される装置であり、
前記判断手段は、前記補助記憶装置が着脱された場合に、前記キューイング機能を有するか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載のジョブ管理システム。
【請求項7】
前記ジョブ管理装置は、
前記情報処理装置から前記ジョブを受信するジョブ受信手段と、
前記ジョブ受信手段で複数の前記ジョブが受信された場合、該複数のジョブの実行順番を変更する操作を行う操作手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のジョブ管理システム。
【請求項8】
前記ジョブ管理装置は、印刷機能を有する印刷装置であり、
前記ジョブ受信手段は、前記ジョブとして、印刷ジョブを受信することを特徴とする請求項7に記載のジョブ管理システム。
【請求項9】
前記ジョブ管理装置は、前記情報処理装置からの要求に応じて、前記変更手段で変更された前記機能情報を前記情報処理装置に送信する情報送信手段を備え、
前記情報処理装置は、前記変更手段で変更された前記機能情報を受信する情報受信手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のジョブ管理システム。
【請求項10】
前記情報処理装置は、
前記ジョブ管理装置に前記ジョブを送信するジョブ送信手段と、
前記ジョブ送信手段で前記ジョブを送信する場合、前記機能情報が改めて変更されるまで、該機能情報に基づいて、前記ジョブ管理装置での前記キューイング機能を使用して、前記ジョブを送信する状態を継続するか、または、前記ジョブ管理装置での前記キューイング機能を使用せずに、前記ジョブを送信する状態を継続するかを切り換える切換手段と、を備えることを特徴とする請求項9に記載のジョブ管理システム。
【請求項11】
ジョブを管理するジョブ管理装置と、前記ジョブ管理装置に通信可能に接続され、該ジョブ管理装置との間での情報を処理可能な情報処理装置と、を備えるジョブ管理システムであって、
前記ジョブ管理装置は、
複数の前記ジョブをキューイングするキューイング機能を有するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段での判断結果に基づいて、前記キューイング機能を有するか否かに関する機能情報を生成可能な生成手段と、を備えることを特徴とするジョブ管理システム。
【請求項12】
ジョブを管理するジョブ管理装置と、前記ジョブ管理装置に通信可能に接続され、該ジョブ管理装置との間での情報を処理可能な情報処理装置と、を備えるジョブ管理システムを制御する方法であって、
複数の前記ジョブをキューイングするキューイング機能を有するか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程での判断結果に基づいて、前記キューイング機能を有するか否かに関する機能情報を変更する変更工程と、を有することを特徴とするジョブ管理システムの制御方法。
【請求項13】
請求項1に記載のジョブ管理システムの各手段をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョブ管理システム、ジョブ管理システムの制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パーソナルコンピュータ等の端末装置からの印刷ジョブ(印刷データ)を受信し、当該受信した印刷ジョブに基づいて、シート等の用紙に印刷を行って、画像を形成 する印刷装置が知られている。また、端末装置には、個々の印刷装置を使用するために設計されたプリンタドライバ(またはプリントアプリケーション)がインストールされている。印刷ジョブは、このプリンタドライバによって生成される。近年では、個々の印刷装置を使用するために設計されたプリンタドライバを介さずに、標準仕様に基づく汎用プリンタドライバで印刷ジョブを生成する方法が知られている。「汎用プリンタドライバ」とは、例えば、OSに予め搭載されている標準のプリンタドライバ、すなわち、IPP(Internet Printing Protocol)のような業界標準のプロトコルに基づいて作動するプリンタドライバである。
【0003】
特許文献1には、複数の印刷ジョブをキューイングし、当該キューイングされた複数の印刷ジョブを、その先頭の印刷ジョブから順に処理する、すなわち、印刷を行う画像形成装置(印刷ジョブ管理装置)が開示されている。また、特許文献1に記載の画像形成装置は、当該画像形成装置と通信可能な端末装置(印刷クライアント)から印刷ジョブを受信する。印刷ジョブは、端末装置にインストールされているプリンタドライバで生成されている。また、このプリンタドライバは、汎用プリンタドライバではなく、画像形成装置ごとに対応したプリンタドライバであると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、例えば端末装置に汎用プリンタドライバがインストールされている場合、当該汎用プリンタドライバでは、端末装置と通信可能な画像形成装置が複数の印刷ジョブをキューイング可能か否かを判断することができない。この場合、例えば画像形成装置がキューイング可能であっても、端末装置から複数の印刷ジョブを送信しなかったり、反対に、画像形成装置がキューイング不可能であっても、端末装置から複数の印刷ジョブを送信したりする等の課題が生じるおそれがある。また、キューイングが無効であった、すなわち、キューイング不可能な画像形成装置が例えばハードディスク等の増設によってキューキング可能となったとしても、端末装置では、画像形成装置がキューキング可能となったことを認識することができない。この場合、端末装置は、折角の画像形成装置でのキューキング機能を使用しないおそれがある。また、キューイングが有効であった、すなわち、キューイング可能な画像形成装置が例えばハードディスク等の取外等によってキューキング不可能となったとしても、端末装置では、画像形成装置がキューキング不可能となったことを認識することができない。この場合、端末装置は、画像形成装置でのキューキング機能を使用しようとするおそれがある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものである。本発明は、キューイング機能の使用が可能な否かを迅速に通知可能な仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のジョブ管理システムは、ジョブを管理するジョブ管理装置と、前記ジョブ管理装置に通信可能に接続され、該ジョブ管理装置との間での情報を処理可能な情報処理装置と、を備えるジョブ管理システムであって、前記ジョブ管理装置は、前記ジョブをキューイングするキューイング機能を有するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段での判断結果に基づいて、前記キューイング機能を有するか否かに関する機能情報を変更する変更手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、キューイング機能の使用が可能な否かを迅速に通知可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るジョブ管理システムが有する端末装置のハードェア構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るジョブ管理システムが有する印刷装置のハードェア構成を示すブロック図である。
【
図3】ユーザ、端末装置、印刷装置の間で実行される処理を示すシーケンス図である。
【
図4】印刷装置で実行される処理を示すフローチャートである。
【
図5】端末装置で実行される処理を示すフローチャートである。
【
図6】端末装置と印刷装置との間での通信内容の一例を示す図である。
【
図7】端末装置で実行される処理を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の第2実施形態に係るジョブ管理システムが有する印刷装置の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【
図9】本発明の第3実施形態に係るジョブ管理システムが有する印刷装置の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、以下の各実施形態に記載されている構成はあくまで例示に過ぎず、本発明の範囲は各実施形態に記載されている構成によって限定されることはない。例えば、本発明を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせることもできる。
【0011】
<第1実施形態>
以下、
図1~
図7を参照して、第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るジョブ管理システムが有する端末装置のハードェア構成を示すブロック図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係るジョブ管理システムが有する印刷装置のハードェア構成を示すブロック図である。本実施形態では、ジョブ管理システム1000は、
図1に示す端末装置100と、
図2に示す印刷装置200とを有する。端末装置100は、印刷装置200(
図2参照)に通信可能に接続され、その接続状態で用いられる印刷クライアント(印刷クライアント装置)である。この端末装置100は、印刷装置200との間での情報を処理可能な情報処理装置である。端末装置100としては、特に限定されず、例えば、デスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等が用いられる。また、端末装置100と印刷装置200との間で送受信される情報としては、後述するように、印刷装置200が複数の印刷ジョブをキューイングするキューイング機能を有するか否かに関する機能情報(以下単に「機能情報」と言うことがある)が挙げられる。なお、端末装置100と印刷装置200との間で送受信される情報は、機能情報には限定されない。端末装置100は、CPU101、ROM102、RAM103、通信部104、操作部105、表示部106を有し、これらがバス107を介して互いに通信可能に接続されている。
【0012】
CPU101は、RAM103に格納されたプログラムを実行するコンピュータである。このプログラムには、例えば、端末装置100の各部や各手段(ジョブ管理システムの制御方法)をCPU101に実行させるためのプログラム等が含まれる。また、CPU101は、プログラムの指示に従って、RAM103に格納されたデータを読み書きすることができる。ROM102は、不揮発性メモリである。CPU101は、ROM102のデータをRAM103に読み出すことができる。RAM103は、揮発性メモリである。RAM103には、CPU101が実行するプログラムや各種データ等が格納されている。通信部104は、有線(Ethernet(登録商標))または無線(Wi-Fi(登録商標))規格の通信モジュ-ルである。通信部104は、外部ネットワークを介して、印刷装置200の通信部204と通信することができる。操作部105は、キーボード、マウス、タッチパネル等で構成されている。これにより、操作部105は、端末装置100を操作するユーザ300からの入力を受け付けることができる。また、CPU101は、操作部105が受け付けた入力情報を検知することができる。表示部106は、ディスプレイ装置で構成されている。表示部106には、例えば各種アプリケ-ションの情報等が表示される。
【0013】
図2に示す印刷装置(画像形成装置)200は、印刷機能、コピー機能、スキャナ機能等の多種の機能を有するMFP(Multi Function Peripheral)で構成され、ジョブを管理するジョブ管理装置である。なお、印刷装置200としては、MFPに限定されず、例えば、印刷機能単体を有するSFP(Single Function Peripheral)であってもよい。印刷装置200は、CPU201、ROM202、RAM203、通信部204、操作部205、印刷部207、給紙部208、仕上げ部209、ディスク装置(記憶手段)210を有し、これらがバス211を介して互いに通信可能に接続されている。
【0014】
CPU201は、ROM203に格納されたプログラムを実行するコンピュータである。このプログラムには、例えば、印刷装置200の各部や各手段(ジョブ管理システムの制御方法)をCPU201に実行させるためのプログラム等が含まれる。また、CPU201は、プログラムの指示に従って、RAM203に格納されたデータを読み書きすることができる。ROM202は、不揮発性メモリである。CPU201は、ROM202のデータをRAM203に読み出すことができる。RAM203は、揮発性メモリである。RAM203には、CPU201が実行するプログラムや各種データ等を格納されている。通信部204は、有線(Ethernet)または無線(Wi-Fi)規格の通信モジュ-ルである。前述したように、通信部204は、外部ネットワークを介して、端末装置100の通信部104と通信することができる。操作部205は、タッチパネル、ボタン等で構成されている。これにより、操作部205は、ユーザ300からの入力を受け付けることができる。また、CPU201は、操作部205が受け付けた入力情報を検知することができる。表示部206は、ディスプレイ装置で構成されている。表示部206には、例えば印刷装置200の状態等が表示される。
【0015】
印刷部207は、例えば、インクを吐出するインクジェット式のプリンタヘッド(不図示)と、インクを供給するインク供給部(不図示)等を有する。これにより、印刷部207は、給紙部208から供給された用紙に画像を形成することができる。なお、印刷部207は、インクジェット式のものに限定されず、例えば、レーザ光照射式の電子写真式のものであってもよい。給紙部208は、A判またはB判等のカット紙やロール紙等の各種の用紙を、CPU201からの制御によって印刷部207に供給する。仕上げ部209は、CPU201からの制御によって、印刷部207で印刷された用紙に対する仕上げ処理を行う。仕上げ部209は、用紙を一部ずつ針で綴じるステープラー、ロール紙を指定位置で切断するカッター、用紙をラミネート加工するラミネータ等を有する。また、仕上げ部209は、用紙に光沢感を出したり、耐候性を向上させたりする目的のために特殊な透明インクを塗布することも可能である。ディスク装置210は、ハードディスクまたはSSD等の大容量記憶装置である。ディスク装置210には、例えば、端末装置100から送信された印刷ジョブ(印刷ドキュメント)等の各種ジョブや機能情報等が保存される。
【0016】
印刷装置200は、例えば、外付けハードディスクや外付けメモリ等の補助記憶装置212が着脱可能に接続されるよう構成されている。印刷装置200では、印刷装置200に接続された補助記憶装置212をディスク装置210に含めることができる。これにより、ディスク装置210は、全体としての記憶容量が増大する。また、この場合の印刷装置200は、複数の印刷ジョブをキューイングするキューイング機能を有効にするプログラム(以下「キューイング機能実行プログラム」と言う)が作動して、ディスク装置210でのキューイング機能が実行可能な状態となる。なお、キューイング機能実行プログラムは、例えばROM202に予め記憶されている。このように本実施形態では、印刷装置200は、補助記憶装置212が接続された状態ではキューイング機能を有する状態となるが、補助記憶装置212が接続されていない状態ではキューイング機能を有さない状態となっている。なお、印刷装置200は、本実施形態ではキューイング機能実行プログラムが予め記憶された装置であるが、これに限定されず、例えば、初期状態でキューイング機能実行プログラムが記憶されていない装置であってもよい。この場合、例えば印刷装置200は、補助記憶装置212が接続されることにより、当該補助記憶装置212に予め記憶されているキューイング機能実行プログラムがダウンロードされる。これにより、印刷装置200は、キューイング機能実行プログラムが作動して、キューイング機能を有する状態となる。前述したようにディスク装置210には、機能情報が保存される。この機能情報は、補助記憶装置212の接続の有無に応じて、キューイング機能有りの旨の情報またはキューイング機能無しの旨の情報に書き換えられる。すなわち、機能情報は、補助記憶装置212が接続されている場合には、キューイング機能有りの旨の情報となり、補助記憶装置212が接続されていない場合には、キューイング機能無しの旨の情報となる。
【0017】
前述したように、端末装置100と印刷装置200とは、互い通信可能に接続されている。これにより、端末装置100は、通信部104から印刷装置200にジョブを送信することができる。このように端末装置100では、通信部104は、印刷装置200にジョブを送信するジョブ送信手段として機能する。一方、印刷装置200は、端末装置100からのジョブを通信部204で受信することができる。このように印刷装置200では、通信部204は、端末装置100からジョブを受信するジョブ受信手段として機能する。なお、端末装置100と印刷装置200との間で送受信されるジョブとしては、本実施形態では印刷ジョブとするが、これに限定されない。また、本実施形態では、端末装置100に汎用プリンタドライバがインストールされている。印刷ジョブは、汎用プリンタドライバで生成される。「汎用プリンタドライバ」とは、例えば、端末装置100のOSに予め搭載されている標準のプリンタドライバ、すなわち、IPP(Internet Printing Protocol)のような標準のプロトコルに基づいて作動するドライバである。
【0018】
図3は、ユーザ、端末装置、印刷装置の間で実行される処理を示すシーケンス図である。
図3に示すように、ステップS301では、ユーザ300は、端末装置100の操作部105を操作して、印刷装置200を端末装置100に登録するプリンタ登録指示を行う。
【0019】
ステップS302では、端末装置100のCPU101は、ステップS301でのプリンタ登録指示を受け付ける。そして、CPU101は、印刷装置200の属性を要求するプリンタ属性取得要求601(
図6参照)を生成して、通信部104から印刷装置200に送信する。「プリンタ属性」とは、印刷装置200を特定するための情報等のことである。
【0020】
ステップS303では、印刷装置200のCPU201は、ステップS302でのプリンタ属性取得要求601を通信部204で受信する(取得する)。そして、CPU201は、プリンタ属性取得要求601に対するプリンタ属性要求応答602(
図6参照)を生成して、通信部204から端末装置100に送信する。
【0021】
ステップS304では、CPU101は、ステップS303でのプリンタ属性要求応答602を通信部104で受信する。そして、CPU101は、プリンタ属性要求応答602に含まれるプリンタ属性をRAM103に保存する。これにより、端末装置100でのプリンタ登録が完了する。
【0022】
ステップS304以降は、印刷装置200でのキューイング機能を有するか否か、すなわち、キューイング機能が有効かまたは無効かによって場合分けされる。まず、キューイング機能が有効となった場合について説明する。ステップS305では、CPU201は、ディスク装置210が変更される、すなわち、補助記憶装置212が接続される(増設される)ことにより、キューイング機能が有効になったことを検知する。
【0023】
ステップS306では、CPU201は、キューイング機能実行の可不可を示す属性「job-queueing-supported」を、無効を示す「false」から有効を示す「true」に変更する。
【0024】
ステップS307では、ユーザ300は、端末装置100の操作部105を介して、印刷装置200での印刷を開始させる印刷開始指示を行う。
【0025】
ステップS308では、CPU101は、ステップS307での印刷開始指示を受け付ける。そして、CPU101は、印刷装置200の属性を要求するプリンタ属性取得要求603(
図6参照)を生成して、通信部104から印刷装置200に送信する。
【0026】
ステップS309では、CPU201は、ステップS308でのプリンタ属性取得要求603を通信部204で受信する。そして、CPU201は、プリンタ属性取得要求603に対するプリンタ属性要求応答604(
図6参照)を生成して、通信部204から端末装置100に送信する。
【0027】
ステップS310では、CPU101は、印刷装置200でのキューイング機能を使用可能とする登録処理を行う。
【0028】
次に、キューイング機能が無効となった場合について説明する。ステップS311では、CPU201は、ディスク装置210が変更される、すなわち、補助記憶装置212との接続状態が解除される(補助記憶装置212が取り外される)ことにより、キューイング機能が無効になったことを検知する。CPU201は、本実施形態ではキューイング機能が有効かまたは無効かを検知する検知手段として機能するが、これに限定されない。例えば、検知手段として機能する部分がCPU201とは別に設けられていてもよい。
【0029】
ステップS312では、CPU201は、キューイング機能実行の可不可を示す属性「job-queueing-supported」を、有効を示す「true」から無効を示す「false」に変更する。
【0030】
ステップS313では、ユーザ300は、端末装置100の操作部105を介して、印刷装置200での印刷を開始させる印刷開始指示を行う。
【0031】
ステップS314では、CPU101は、ステップS313での印刷開始指示を受け付ける。そして、CPU101は、印刷装置200の属性を要求するプリンタ属性取得要求603(
図6参照)を生成して、通信部104から印刷装置200に送信する。
【0032】
ステップS315では、CPU201は、ステップS314でのプリンタ属性取得要求603を通信部204で受信する。そして、CPU201は、プリンタ属性取得要求603に対するプリンタ属性要求応答606(
図6参照)を生成して、通信部204から端末装置100に送信する。
【0033】
ステップS316では、CPU101は、端末装置100でのキューイング機能を使用可能とする登録処理を行う。
【0034】
図4は、印刷装置で実行される処理を示すフローチャートである。この
図4に示すフローチャートに基づくプログラムは、ROM202に記憶されており、CPU201によって、ROM202からRAM203に読み出されて、実行される。
図4に示すように、ステップS400では、印刷装置200の起動後、印刷装置200のCPU201は、
図4に示すフローチャートに基づいたプログラムの実行(処理)を開始して、処理はステップS401に進む。
【0035】
ステップS401では、CPU201は、補助記憶装置212が着脱されたか否かを判断する。ステップS401での判断の結果、補助記憶装置212が着脱されたと判断された場合には、処理はステップS402に進む。一方、ステップS401での判断の結果、補助記憶装置212が着脱されていないと判断された場合には、処理はそのままステップS401で待機する。
【0036】
ステップS402では、CPU201は、キューイング機能に変更(更新)があったか否かを判断する。ステップS402での判断は、例えば、補助記憶装置212の着脱を検出する検出部(不図示)での検出結果に基づいて行われる。そして、ステップS402での判断の結果、キューイング機能に変更有りと判断された場合には、処理はステップS403に進む。一方、ステップS402での判断の結果、キューイング機能に変更無しと判断された場合には、処理はステップS401に戻り、それ以降のステップを順次実行する。
【0037】
ステップS403では、CPU201は、キューイング機能実行の可不可を示す属性「job-queueing-supported」が、無効から有効に変更されたか、または、有効から無効に変更されたかを判断する。すなわち、CPU201は、印刷装置200がキューイング機能を有する状態となったか否かを判断する(判断工程)。なお、このステップS403は、
図3に示すシーケンス図のステップS305、ステップS311に相当する。「キューイング機能を有する状態」とは、補助記憶装置212に接続により、補助記憶装置212を含むディスク装置210全体としての記憶容量が、キューイング機能を有効にする程度に十分に増大した状態である。ステップS402での判断は、ディスク装置210に記憶されている機能情報に基づいて行われる。具体的には、ディスク装置210に記憶されている機能情報が、キューイング機能有りの旨の情報となった場合には、キューイング機能を有すると判断される。また、ディスク装置210に記憶されている機能情報が、キューイング機能無しの旨の情報となった場合には、キューイング機能を有さずと判断される。そして、ステップS403での判断の結果、無効から有効に変更されたと判断された場合には、処理はステップS404に進む。一方、ステップS403での判断の結果、有効から無効に変更されたと判断された場合には、処理はステップS405に進む。
【0038】
なお、属性「job-queueing-supported」が無効から有効に変更される例としては、前述したように印刷装置200に補助記憶装置212を接続した場合が挙げられる。また、属性「job-queueing-supported」が有効から無効に変更される例としては、補助記憶装置212の接続状態を解除した場合が挙げられる。その他には、例えば、補助記憶装置212が接続された状態のまま操作部205に対して所定の操作を行うことにより、属性「job-queueing-supported」の有効状態を強制的に(一時的に)無効状態に変更した場合等も挙げられる。
【0039】
ステップS404、ステップS405では、それぞれ、CPU201は、ステップS403での判断結果に基づいて、キューイング機能を有するか否かに関する機能情報を変更する(変更工程)。具体的には、ステップS404では、CPU201は、ステップS403での判断結果として、キューイング機能が有効と判断された場合には、機能情報をキューイング機能有りの旨の情報に変更する。すなわち、CPU201は、キューイング機能実行の可不可を示す属性「job-queueing-supported」を「false(無効)」から「true(有効)」に変更する。なお、ステップS404は、
図3に示すシーケンス図のステップS306に相当する。ステップS404実行後、処理はステップS406に進む。 また、ステップS405では、CPU201は、ステップS403での判断結果として、キューイング機能が無効と判断された場合には、機能情報をキューイング機能無しの旨の情報に変更する。すなわち、CPU201は、キューイング機能実行の可不可を示す属性「job-queueing-supported」を「true」から「false」に変更する。なお、ステップS405は、
図3に示すシーケンス図のステップS312に相当する。ステップS405実行後、処理はステップS406に進む。
【0040】
ステップS406では、CPU201は、端末装置100から、属性「job-queueing-supported」送信の要求があったか否かを判断する。ステップS406での判断の結果、端末装置100からの要求有りと判断された場合には、処理はステップS407に進む。一方、ステップS406での判断の結果、端末装置100からの要求無しと判断された場合には、処理はステップS408に進む。
【0041】
ステップS407ではステップS406での端末装置100からの要求に応じて、ステップS404またはステップS405で変更された属性「job-queueing-supported」を通信部(情報送信手段)204から端末装置100に送信する。ステップS407実行後、処理はステップS408に進む。
【0042】
ステップS408では、CPU101は、処理を終了する。
【0043】
以上のように印刷装置200では、ステップS400~ステップS408を経ることにより、端末装置100に対して、キューイング機能の使用が可能な否かを迅速に通知することができる。これにより、端末装置100では、印刷装置200でキューイング機能の使用が可能な否かを迅速に判断することができ、その判断結果に応じた印刷ジョブ送信を行うことできる。なお、本実施形態では、CPU201は、ステップS401、ステップS402、ステップ403、ステップS406での判断を行う判断手段として機能する。なお、印刷装置200では、判断手段として機能する部分がCPU201とは別に設けられていてもよい。また、本実施形態では、CPU201は、ステップS404やステップS405で機能情報の変更を行う変更手段としても機能する。なお、印刷装置200では、変更手段として機能する部分がCPU201とは別に設けられていてもよい。
【0044】
図5は、端末装置で実行される処理を示すフローチャートである。この
図5に示すフローチャートに基づくプログラムは、ROM102に記憶されており、CPU101によって、ROM102からRAM103に読み出されて、実行される。
図5に示すように、ステップS501では、端末装置100のCPU101は、
図5に示すフローチャートに基づいたプログラムの実行(処理)を開始して、処理はステップS502に進む。なお、この開始は、端末装置100の操作部105に表示され印刷開始指示が選択された場合に行われる。
【0045】
ステップS502では、CPU101は、RAM103に設けられたプリントキューに印刷ジョブを保持して、処理はステップS503に進む。
【0046】
ステップS503では、CPU101は、印刷装置200からプリンタ属性要求応答602等を通信部(情報受信手段)104で取得して(受信して)、処理はステップS504に進む。このプリンタ属性要求応答602は、属性「job-queueing-supported」が含まれており、
図4のフローチャートのステップS407で送信された情報である。
【0047】
ステップS504では、CPU101は、ステップS503で取得した取得結果に基づいて、印刷装置200でのキューイング機能の有無を判断する。具体的には、CPU101は、プリンタ属性要求応答602に含まれている属性「job-queueing-supported」が「true」であるかまたは「false」であるかを判断する。ステップS504での判断の結果、属性「job-queueing-supported」が「true」であると判断された場合には、処理はステップS505に進む。一方、ステップS504での判断の結果、属性「job-queueing-supported」が「false」であると判断された場合には、処理はステップS506に進む。なお、プリンタ属性要求応答602に属性「job-queueing-supported」が含まれていない場合には、ステップS504で属性「job-queueing-supported」無しと判断されて、処理はステップS506に進む。なお、ステップS503、ステップS504は、
図3に示すシーケンス図のステップS313、ステップS314、ステップS315、ステップS316に相当する。
【0048】
ステップS505では、CPU101は、印刷装置200でのキューイング機能を使用可能とする登録処理を行って、処理は終了する。そして、端末装置100では、属性「job-queueing-supported」が改めて変更されるまで、当該属性が「true」であることに基づいて、印刷装置200でのキューイング機能の使用を継続する。これにより、キューイング機能が使用不可となるまで、キューイング機能を使用した、印刷ジョブの送信を行うことができる。なお、ステップS505は、
図3に示すシーケンス図のステップS310に相当する。
【0049】
ステップS506では、CPU101は、端末装置100でのキューイング機能を使用可能とする登録処理を行って、処理は終了する。そして、端末装置100では、属性「job-queueing-supported」が改めて変更されるまで、当該属性が「false」であることに基づいて、印刷装置200でのキューイング機能の使用を停止する。これにより、キューイング機能が使用可となるまで、キューイング機能を使用せずに、印刷ジョブの送信を行う。なお、ステップS506は、
図3に示すシーケンス図のステップS316に相当する。
【0050】
以上のように端末装置100では、ステップS501~ステップS507を経ることにより、印刷装置200でキューイング機能の使用が可能な否かを迅速に判断することができる。これにより、この判断結果に応じた印刷ジョブ送信を行うことできる。また、本実施形態では、CPU101は、機能情報が改めて変更されるまで、印刷装置200でのキューイング機能を使用する状態を継続するか、または、印刷装置200でのキューイング機能を使用しない状態を継続するかを切り換える切換手段として機能する。なお、端末装置100では、切換手段として機能する部分が、CPU101とは別に設けられていてもよい。
【0051】
図6は、端末装置と印刷装置との間での通信内容の一例を示す図である。なお、
図6に示す内容は、ここでの説明に必要な部分を抜粋したものであり、これに限定されない。
図6に示すプリンタ属性取得要求601は、プリンタ属性の応答を要求するものである。プリンタ属性としては、例えば、コピー対応を示す「copies-supported」、文書のフォーマットの対応を示す「document-format-supported」が挙げられる。その他、プリンタ属性としては、仕上げ処理の対応を示す「finishings-supported」、用紙の対応を示す「media-supported」、用紙タイプの対応を示す「media-type-supported」が挙げられる。また、プリンタ属性としては、用紙の供給元の対応を示す「media-source-supported」、キューイングの対応を示す「job-queing-supported」等が挙げられる。
【0052】
プリンタ属性要求応答602は、印刷装置200の能力情報を含むものである。「status-code属性」の「successful-ok」は、端末装置100からの要求が正常に成功したことを示す。「copies-supported属性の1-999」は、最大999部までの部数印刷が指定可能であることを示す。「document-format-supported属性」は、PDF、JPEG、pwg-raster形式の文書を処理可能であることを示す。「finishings-supported属性」は、trim(仕上げ処理としての用紙カット)とnone(仕上げ処理せず)とが可能であることを示す。「media-supported属性」は、印刷装置200に給紙可能な用紙サイズを示す。「media-type-supported属性」は、印刷装置200が対応可能な用紙の種類を示す。「media-source-supported属性」は、印刷装置200が有する給紙口の種類を示す。ここでは、給紙口として、auto(自動)、main(メイン給紙口)、tray-1(第1トレイ)、tray-2(第2トレイ)の使用が可能であることを示す。「job-queueing-supported属性」は「true」である。この場合、印刷装置200は、複数の印刷ジョブを受信して、これらの印刷ジョブをキューイングすることができる。そして、印刷装置200は、これらの印刷ジョブを順次または順番を適宜変更して、実行する、すなわち、印刷することができる。なお、ディスク装置210のような大容量記憶装置が印刷装置200から省略されている場合には、印刷装置200は、端末装置100からの送信1回当たり、1つずつの印刷ジョブしか受信することができない。この場合、「job-queueing-supported属性」は、「false」となる。
【0053】
プリンタ属性取得要求603は、各属性の応答を要求するものである。この属性としては、例えば、印刷装置200の現在状態を示す「printer-state」、印刷装置200の完了状態を示す「printer-state-reasons」が挙げられる。その他、属性としては、キューイング対応を示す「job-queuing-supported」等が挙げられる。
【0054】
プリンタ属性要求応答604は、プリンタ属性取得要求603に対する応答である。「status-code属性」の「successful-ok」は、端末装置100からの要求が正常に成功したことを示す。「printer-stateのidle」は、印刷装置200に現在処理すべきジョブがなく、ジョブ実行停止中を示す。「printer-state-reasons」の「none」は、印刷装置200にエラーが発生していないことを示す。「job-queueing-supported」の「true」は、プリンタ属性要求応答602と同様に、印刷装置200が複数の印刷ジョブを受信して、これらの印刷ジョブをキューイングすることができることを示す。
【0055】
プリンタ属性要求応答605は、プリンタ属性要求応答604と同様に、プリンタ属性取得要求603に対する応答である。「printer-state」の「processing」は、印刷装置200が処理中であることを示す。
【0056】
プリンタ属性要求応答606は、プリンタ属性取得要求603に対応するプリンタ属性取得要求の応答である。「job-queueing-supported」の「false」は、印刷装置200では複数の印刷ジョブのキューイングが不可能であることを示す。なお、「job-queueing-supported」の「false」であること以外はプリンタ属性要求応答604と同じである。
【0057】
図7は、端末装置で実行される処理を示すフローチャートである。
図7に示すフローチャートは、
図3に示すシーケンス図で端末装置100が実行する処理に相当する。
図7に示すように、ステップS701では、端末装置100のCPU101は、
図7に示すフローチャートに基づいたプログラムの実行(処理)を開始して、処理はステップS702に進む。
【0058】
ステップS702では、CPU101は、RAM103に設けられた印刷キュー(プリントキュー)に印刷ジョブを保持して、処理はステップS703に進む。
【0059】
ステップS703では、CPU101は、印刷装置200からプリンタ属性要求応答602(プリンタ属性)、プリンタ属性要求応答604、プリンタ属性要求応答605を通信部104で取得して、処理はステップS704に進む。プリンタ属性要求応答602には、印刷装置200が複数の印刷ジョブをキューイングするキューイング機能を有するか否かに関する機能情報等が含まれている。プリンタ属性要求応答604とプリンタ属性要求応答605とには、印刷装置200が印刷ジョブ実行中であるか否かに関する情報が含まれている。
【0060】
ステップS704では、CPU101は、ステップS703で取得した取得結果、すなわち、プリンタ属性要求応答604、プリンタ属性要求応答605に基づいて、印刷装置200が印刷ジョブ実行中であるか否かを判断する。ステップS704での判断の結果、印刷ジョブ実行中であると判断された場合には、処理はステップS705に進む。一方、ステップS704での判断の結果、印刷ジョブ実行中ではないと判断された場合には、処理はステップS706に進む。
【0061】
ステップS705ではCPU101は、ステップS703で取得した取得結果、すなわち、プリンタ属性要求応答602(機能情報)に基づいて、印刷装置200でのキューイング機能の有無(印刷装置200がキューイングに対応しているか否か)を判断する。ステップS705での判断の結果、キューイング機能有りと判断された場合には、処理はステップS706に進む。一方、ステップS705での判断の結果、キューイング機能無しと判断された場合には、処理はステップS707に進む。なお、ステップS705では、プリンタ属性要求応答602に含まれている属性「job-queueing-supported」が「true」の場合は、キューイング機能有りと判断される。また、プリンタ属性要求応答602に含まれている属性「job-queueing-supported」が「false」の場合、または、属性「job-queueing-supported」が存在しない場合は、キューイング機能無しと判断される。
【0062】
ステップS706では、CPU101は、RAM103のプリントキューに保持されている印刷ジョブを通信部104から印刷装置200に送信して、処理はステップS708に進む。また、このステップS706では、RAM103のプリントキューに複数の印刷ジョブが保持されている場合には、これら全ての印刷ジョブを順に送信することができる。これにより、キューイング機能を有する印刷装置200は、ステップS706で送信されてきた全印刷ジョブを受信して、保持することができる。
【0063】
また、キューイング機能が無い印刷装置200に対して、CPU101は、RAM103のプリントキューに保持されている印刷ジョブをステップS706で1つ送信するたびに、印刷装置200が印刷ジョブ実行中であるか否かを判断する。そして、この判断結果として、印刷ジョブ実行中ではないと判断された場合に、残りの印刷ジョブを1つずつ送信していく。キューイング機能が無い印刷装置200に対しては、このような制御が、RAM103のプリントキューに保持されている全印刷ジョブの送信が完了するまで繰り返される。
【0064】
ステップS707では、CPU101は、比較的短時間の間に繰り返し連続してプリンタ属性を取得して、所定時間待機する。例えば1秒から10秒程度の待機により、印刷装置200やネットワークにかかる負荷等を防止または抑制することができる。そして、所定時間経過後、処理はステップS703に戻り、それ以降のステップを順次実行する。
【0065】
ステップS708では、CPU101は、処理を終了する。
【0066】
以上のように端末装置100では、ステップS706やステップS707で印刷ジョブを送信する際には、機能情報に基づいて、印刷ジョブの送信数が調整される。このように端末装置100では、CPU101は、印刷ジョブの送信数を制御する制御手段として機能する。そして、この制御により、キューイング機能の有無に応じて、印刷ジョブに対する送信処理が変更されることとなる。具体的には、キューイング機能を有する印刷装置200に対しては、RAM103のプリントキューに保持されている全印刷ジョブを順に送信することができる。一方、キューイング機能を有する印刷装置200は、端末装置100からの全印刷ジョブを保持して、その後各印刷ジョブを順に実行することができる。また、キューイング機能が無い印刷装置200に対しては、RAM103のプリントキューに保持されている1つの印刷ジョブを送信することができる。一方、キューイング機能が無い印刷装置200は、端末装置100からの1つの印刷ジョブを保持して、その後実行することができる。また、ステップS704での判断は、送信予定の印刷ジョブの実行が指示された場合に行われる。これにより、ステップS704での判断を、印刷ジョブの送信前の適切なタイミングで、無駄なく行うことができる。端末装置100では、印刷装置200がキューイング機能を有するか否かに応じて、印刷ジョブ送信処理を変更することができる。また、端末装置100では、印刷装置200がキューイング可能になったタイミングで、印刷装置200でのキューイング機能を使用可能とする制御により、印刷装置200の機能を有効に使用することができる。
【0067】
<第2実施形態>
以下、
図8を参照して、第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。本実施形態は、印刷ジョブ管理画面の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図8は、本発明の第2実施形態に係るジョブ管理システムが有する印刷装置の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図8(a)~
図8(c)は、画面に対する操作過程を順に示す。また、ここでの印刷装置200は、キューイング機能を有し、複数の印刷ジョブが受信された状態となっている。
図8(a)に示すように、印刷ジョブ表示画面800は、ジョブ表示領域801、選択カーソル802を含む。ジョブ表示領域801には、印刷ジョブの名称、JOB-ID、ジョブの状態が表示されている。
図8(a)に示す例では、印刷ジョブの名称が「Document1.pdf」、「Booklet1.pdf」、「Booklet2.pdf」の印刷ジョブがある。これらの印刷ジョブがジョブ表示領域801の上から順に配置されている。この順番は、印刷装置200が端末装置100から印刷ジョブを受信した順番となっている。そして、印刷ジョブは、この順番で実行される。また、JOB-IDは、「Document1.pdf」が「11」、「Booklet1.pdf」が「12」、「Booklet2.pdf」が「13」である。ジョブの状態は、「Document1.pdf」が「実行中(印刷中)」、「Booklet1.pdf」および「Booklet2.pdf」が「待機中(印刷待ち状態)」である。選択カーソル802を操作することより、所望の印刷ジョブを選択して、当該印刷ジョブに対する処理が可能な状態とすることができる。
図8(a)に示す例では、選択カーソル802により、「Booklet1.pdf」が選択状態である。そして、この選択状態で操作部205を操作することにより、印刷ジョブ表示画面800が
図8(b)に示す状態となる。
【0068】
図8(b)に示す状態の印刷ジョブ表示画面800には、ジョブ表示領域801に操作ウインドウ803が表示される。操作ウインドウ803には、印刷ジョブの実行順番の変更を示す選択肢805、選択肢806、選択肢807と、複数の印刷ジョブの実行順番を変更する操作を行う操作手段としての選択カーソル804とが表示される。選択肢805は、実行順番を繰り上げる旨を示す「順番を上げる」である。選択肢806は、実行順番を繰り下げる旨を示す「順番を下げる」である。選択肢807は、実行順番の変更を取りやめる旨を示す「キャンセル」である。選択カーソル804を操作することにより、選択肢805~選択肢807のうちの1つの選択肢を選択することができる。
図8(b)に示す例では、選択肢806が選択状態である。そして、この選択状態で操作部205を操作することにより、印刷ジョブ表示画面800が
図8(c)に示す状態となる。
【0069】
図8(c)に示す状態の印刷ジョブ表示画面800では、「Booklet1.pdf」の実行順番が2番目から3番目に繰り下がっている。これにより、印刷装置200では、「Document1.pdf」の印刷ジョブの実行完了後、「Booklet2.pdf」の印刷ジョブが実行され、次いで、「Booklet1.pdf」の印刷ジョブが実行される。このように印刷装置200では、当初印刷ジョブを受信した順番とは異なる順番で、印刷ジョブを実行することができる。これにより、印刷装置200は、印刷ジョブに対する処理を変更することができ、ユーザ300に対する利便性が向上する。なお、印刷ジョブの順番を変更する操作は、本実施形態では印刷装置200で行われているが、これに限定されず、例えば、端末装置100で行われてもよい。
【0070】
<第3実施形態>
以下、
図9を参照して、第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。本実施形態は、印刷ジョブ管理画面の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図9は、本発明の第3実施形態に係るジョブ管理システムが有する印刷装置の表示部に表示される画面の一例を示す図である。また、ここでの印刷装置200は、表示部206がタッチパネル機能を有する。
図9(a)に示すように、印刷装置200の表示部206には、ボタン901、ボタン902、ボタン903が表示されている。ボタン901は、現在の印刷装置200がキューイング機能が有効状態となっているかまたは無効状態となっているかの表示を指示するボタンである。ボタン901を操作した状態からボタン902またはボタン903の操作が可能となる。ボタン902は、ボタン901操作どおりである旨を指示するボタンである。ボタン903は、ボタン901操作を取り消すボタンである。
【0071】
例えば現在の印刷装置200がキューイング機能が有効状態となっている場合には、ボタン902を操作することにより、表示部206には、キューイング機能が有効である旨を示すメッセージ904がハイライトで表示される。また、表示部206には、メッセージ904に隣り合って、キューイング機能が無効である旨を示すメッセージ905がグレーアウトで表示される。これにより、ユーザ300は、現在の印刷装置200がキューイング機能が有効状態となっていることを把握することができる。
【0072】
また、現在の印刷装置200がキューイング機能が無効状態となっている場合には、ボタン902を操作することにより、表示部206には、メッセージ904がグレーアウトで表示され、メッセージ905がハイライトで表示される。これにより、ユーザ300は、現在の印刷装置200がキューイング機能が無効状態となっていることを把握することができる。なお、現在の印刷装置200がキューイング機能が有効状態となっているかまたは無効状態となっているかの表示は、本実施形態では印刷装置200で行われているが、これに限定されず、端末装置100で行われてもよい。
【0073】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。本発明は、上述の各実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワークや記憶媒体を介してシステムや装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータの1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行する処理でも実現可能である。また、本発明は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。また、印刷装置200は、前記各実施形態では機能情報を予め有しており、当該機能情報の内容が変更される(更新される)よう構成されているが、これに限定されず、例えば、初期状態では機能情報を有していない装置であってもよい。このような印刷装置200は、初期状態で補助記憶装置212が接続されて、キューイング可能となった場合に、機能情報を生成するよう構成されているのが好ましい。これにより、以降の機能情報の内容を変更することができる。なお、機能情報を生成する生成手段としては、特に限定されず、例えば、CPU201等を用いることができる。
【0074】
各実施形態の開示は、以下の構成、方法およびプログラムを含む。
(構成1) ジョブを管理するジョブ管理装置と、前記ジョブ管理装置に通信可能に接続され、該ジョブ管理装置との間での情報を処理可能な情報処理装置と、を備えるジョブ管理システムであって、
前記ジョブ管理装置は、
複数の前記ジョブをキューイングするキューイング機能を有するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段での判断結果に基づいて、前記キューイング機能を有するか否かに関する機能情報を変更する変更手段と、を備えることを特徴とするジョブ管理システム。
(構成2) 前記変更手段は、前記判断手段での判断結果として、前記キューイング機能を有すると判断された場合には、前記機能情報を、前記キューイング機能有りの旨の情報に変更することを特徴とする構成1に記載のジョブ管理システム。
(構成3) 前記変更手段は、前記判断手段での判断結果として、前記キューイング機能を有さずと判断された場合には、前記機能情報を、前記キューイング機能無しの旨の情報に変更することを特徴とする構成1または2に記載のジョブ管理システム。
(構成4) 前記ジョブ管理装置は、前記機能情報を記憶する記憶手段を備え、
前記判断手段は、前記記憶手段に記憶されている前記機能情報に基づいて、前記キューイング機能を有するか否かを判断することを特徴とする構成1乃至3のいずれか1つに記載のジョブ管理システム。
(構成5) 前記判断手段は、前記記憶手段に記憶されている前記機能情報が、前記キューイング機能有りの旨の情報である場合には、前記キューイング機能を有すると判断し、前記機能情報が、前記キューイング機能無しの旨の情報である場合には、前記キューイング機能を有さずと判断することを特徴とする構成4に記載のジョブ管理システム。
(構成6) 前記ジョブ管理装置は、補助記憶装置が着脱可能に接続される装置であり、
前記判断手段は、前記補助記憶装置が着脱された場合に、前記キューイング機能を有するか否かを判断することを特徴とする構成1乃至5のいずれか1つに記載のジョブ管理システム。
(構成7) 前記ジョブ管理装置は、
前記情報処理装置から前記ジョブを受信するジョブ受信手段と、
前記ジョブ受信手段で複数の前記ジョブが受信された場合、該複数のジョブの実行順番を変更する操作を行う操作手段を備えることを特徴とする構成1乃至6のいずれか1つに記載のジョブ管理システム。
(構成8) 前記ジョブ管理装置は、印刷機能を有する印刷装置であり、
前記ジョブ受信手段は、前記ジョブとして、印刷ジョブを受信することを特徴とする構成7に記載のジョブ管理システム。
(構成9) 前記ジョブ管理装置は、前記情報処理装置からの要求に応じて、前記変更手段で変更された前記機能情報を前記情報処理装置に送信する情報送信手段を備え、
前記情報処理装置は、前記変更手段で変更された前記機能情報を受信する情報受信手段を備えることを特徴とする構成1乃至8のいずれか1つに記載のジョブ管理システム。
(構成10) 前記情報処理装置は、
前記ジョブ管理装置に前記ジョブを送信するジョブ送信手段と、
前記ジョブ送信手段で前記ジョブを送信する場合、前記機能情報が改めて変更されるまで、該機能情報に基づいて、前記ジョブ管理装置での前記キューイング機能を使用して、前記ジョブを送信する状態を継続するか、または、前記ジョブ管理装置での前記キューイング機能を使用せずに、前記ジョブを送信する状態を継続するかを切り換える切換手段と、を備えることを特徴とする構成9に記載のジョブ管理システム。
(構成11) ジョブを管理するジョブ管理装置と、前記ジョブ管理装置に通信可能に接続され、該ジョブ管理装置との間での情報を処理可能な情報処理装置と、を備えるジョブ管理システムであって、
前記ジョブ管理装置は、
複数の前記ジョブをキューイングするキューイング機能を有するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段での判断結果に基づいて、前記キューイング機能を有するか否かに関する機能情報を生成可能な生成手段と、を備えることを特徴とするジョブ管理システム。
(方法1) ジョブを管理するジョブ管理装置と、前記ジョブ管理装置に通信可能に接続され、該ジョブ管理装置との間での情報を処理可能な情報処理装置と、を備えるジョブ管理システムを制御する方法であって、
複数の前記ジョブをキューイングするキューイング機能を有するか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程での判断結果に基づいて、前記キューイング機能を有するか否かに関する機能情報を変更する変更工程と、を有することを特徴とするジョブ管理システムの制御方法。
(プログラム1) 構成1乃至11のいずれか1つに記載のジョブ管理システムの各手段をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0075】
100 端末装置
101 CPU
104 通信部
200 印刷装置
201 CPU
204 通信部
206 表示部
210 ディスク装置
212 補助記憶装置
1000 ジョブ管理システム