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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168223
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】光インテグレータ
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/00 20060101AFI20241128BHJP
   G02B 6/00 20060101ALN20241128BHJP
【FI】
G02B5/00 Z
G02B6/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084711
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148895
【弁理士】
【氏名又は名称】荒木 佳幸
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 浩明
(72)【発明者】
【氏名】木暮 靖男
【テーマコード(参考)】
2H038
2H042
【Fターム(参考)】
2H038BA03
2H038BA08
2H042AA19
(57)【要約】
【課題】軽量かつ安価でありながら、組み立てが容易で、かつ高い精度の反射面を有する光インテグレータを提供すること。
【解決手段】入射口から角柱状の中空部に入射する光を導光し、出射口から出射する光インテグレータが、中空部を取り囲むように配置される少なくとも3つ以上の同一の角柱状のユニットを備え、各ユニットは、中空部を向いて配置される平面部を有する枠部材と、平面部に載置され、光を反射して導光する薄板状の導光部材と、を備え、枠部材は、金属または樹脂から形成されている、ことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射口から角柱状の中空部に入射する光を導光し、出射口から出射する光インテグレータであって、
前記中空部を取り囲むように配置される少なくとも3つ以上の同一の角柱状のユニットを備え、
前記各ユニットは、
前記中空部を向いて配置される平面部を有する枠部材と、
前記平面部に載置され、前記光を反射して導光する薄板状の導光部材と、
を備え、
前記枠部材は、金属または樹脂から形成されている、
ことを特徴とする光インテグレータ。
【請求項2】
前記導光部材は、鏡面加工が施された金属、樹脂、セラミックスまたはガラスから形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光インテグレータ。
【請求項3】
前記中空部は、横断面において三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、または八角形の形状を呈することを特徴とする請求項1に記載の光インテグレータ。
【請求項4】
前記枠部材の前記平面部が、前記入射口から前記出射口に向かって拡がるように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の光インテグレータ。
【請求項5】
前記導光部材は、一端部が折曲げられて形成された折曲部を有し、
前記折曲部は、前記入射口の周辺において、前記枠部材を覆うように配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の光インテグレータ。
【請求項6】
入射口から入射する光を導光し、出射口から出射する光インテグレータであって、
横断面において多角形の中空の内面を有する筒状の枠部材と、
前記内面を覆うように配置され、前記光を導光する導光部材と、
を備え、
前記枠部材は、横断面において、前記多角形の少なくとも1辺と接続するように、該少なくとも1辺から前記多角形の外側に向かって延びるスリットを有し、
前記導光部材は、前記多角形の各辺上に位置するミラー部と、前記ミラー部と連続する取付部と、を有し、
前記取付部が、前記スリットに挿入されることによって、前記導光部材が前記枠部材に取付けられている
ことを特徴とする光インテグレータ。
【請求項7】
前記枠部材は、横断面において、前記多角形の各辺を延長するように、各辺の一端部から外側に向かって延びる複数の前記スリットを有し、
前記導光部材は、前記ミラー部と前記取付部がそれぞれ形成された、矩形平板状の形状を呈し、前記取付部が前記各スリットに挿入されることによって、前記枠部材に取付けられている
ことを特徴とする請求項6に記載の光インテグレータ。
【請求項8】
前記枠部材の前記内面が、前記入射口から前記出射口に向かって拡がるように傾斜しており、
前記枠部材は、横断面において、前記多角形の各辺を延長するように、各辺の一端部から外側に向かって延びる複数の前記スリットを有し、
前記導光部材は、前記ミラー部と前記取付部がそれぞれ形成された、台形平板状の形状を呈し、前記取付部が前記各スリットに挿入されることによって、前記枠部材に取付けられている
ことを特徴とする請求項6に記載の光インテグレータ。
【請求項9】
前記各導光部材は、一端部が折曲げられて形成された折曲部を有し、
前記各折曲部は、前記入射口の周辺において、前記枠部材を覆うように配置される
ことを特徴とする請求項6に記載の光インテグレータ。
【請求項10】
前記多角形が、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、または八角形のいずれかであることを特徴とする請求項6に記載の光インテグレータ。
【請求項11】
前記枠部材が、金属または樹脂から形成されていることを特徴とする請求項5に記載の光インテグレータ。
【請求項12】
前記導光部材が、鏡面加工が施された金属の薄板から形成されていることを特徴とする請求項6に記載の光インテグレータ。
【請求項13】
前記枠部材は、前記枠部材の側面から前記スリットに向かって延びるねじ穴を有し、
前記ねじ穴に挿通されるねじによって前記ミラー部の前記取付部が押圧され、前記ミラー部が前記枠部材の内面に対して付勢される
ことを特徴とする請求項6に記載の光インテグレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、入射口から入射する光を導光し、出射口から出射する光インテグレータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紫外光の照射によってレジストインク等を硬化する露光装置や液晶プロジェクタ等において光照射装置が使用されている。このような光照射装置においては、光源から出射された光の照度分布を均一にすることが求められるため、光インテグレータが使用されている。光インテグレータは、入射口から入射する光を導光してミキシングし、出射口から出射する光学部材である。
【0003】
光インテグレータとしては、例えば、特許文献1に記載されているような中空インテグレータが知られている。特許文献1の中空インテグレータは、直方体状の4つのガラス板のぞれぞれの内側となる面に鏡面加工を施し、これらを直方体状の空隙を取り囲むように(中空部を形成するように)配置し、それぞれ隣接するガラス板の端部同士を接着剤で固定することにより作製される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2013-539056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の光インテグレータによれば、光源から空隙(中空部)に入射した光が、鏡面加工が施された光学作用面で繰り返し反射され、ミキシングされて出射されるため、均一な照度分布を有する出射光が得られる。
しかしながら、特許文献1の光インテグレータは、ガラス板を用いる構成であるため、重量が重くなる上に欠け易く、製造工程全体を通して慎重な取扱いが要求される。
また、外形加工されたガラス板に鏡面加工を施し、これらを正確に位置決めした上で接着固定する必要があるため、製造工程が複雑となり、多くの工数とコストがかかる、といった問題もある。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、軽量かつ安価でありながら、組み立てが容易で、かつ高い精度の反射面を有する光インテグレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の光インテグレータは、入射口から角柱状の中空部に入射する光を導光し、出射口から出射する光インテグレータであって、中空部を取り囲むように配置される少なくとも3つ以上の同一の角柱状のユニットを備え、各ユニットは、中空部を向いて配置される平面部を有する枠部材と、平面部に載置され、光を反射して導光する薄板状の導光部材と、を備え、枠部材は、金属または樹脂から形成されている、ことを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、少なくとも3つ以上の同一のユニットを中空部を取り囲むように配置し固定するだけで、各ユニットの導光部材が正確に位置決めされて固定される。また、枠部材が金属または樹脂から形成されているため、軽量かつ安価なものとなる。
【0009】
また、導光部材は、鏡面加工が施された金属、樹脂、セラミックスまたはガラスから形成されていることが望ましい。
【0010】
また、中空部は、横断面において三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、または八角形の形状を呈することが望ましい。
【0011】
また、枠部材の平面部が、入射口から出射口に向かって拡がるように傾斜していることが望ましい。
【0012】
また、導光部材は、一端部が折曲げられて形成された折曲部を有し、折曲部は、入射口の周辺において、枠部材を覆うように配置されることが望ましい。
【0013】
また、別の観点からは、本発明の光インテグレータは、入射口から入射する光を導光し、出射口から出射する光インテグレータであって、横断面において多角形の中空の内面を有する筒状の枠部材と、内面を覆うように配置され光を導光する導光部材と、を備え、枠部材は、横断面において、多角形の少なくとも1辺と接続するように、該少なくとも1辺から多角形の外側に向かって延びるスリットを有し、導光部材は、多角形の各辺上に位置するミラー部と、ミラー部と連続する取付部と、を有し、取付部が、スリットに挿入されることによって、導光部材が枠部材に取付けられていることを特徴とする。
【0014】
また、枠部材は、横断面において、多角形の各辺を延長するように、各辺の一端部から外側に向かって延びる複数のスリットを有し、導光部材は、ミラー部と取付部がそれぞれ形成された、矩形平板状の形状を呈し、取付部が各スリットに挿入されることによって、枠部材に取付けられていることが望ましい。
【0015】
また、枠部材の内面が、入射口から出射口に向かって拡がるように傾斜しており、枠部材は、横断面において、多角形の各辺を延長するように、各辺の一端部から外側に向かって延びる複数のスリットを有し、導光部材は、ミラー部と取付部がそれぞれ形成された、台形平板状の形状を呈し、取付部が各スリットに挿入されることによって、枠部材に取付けられていることが望ましい。
【0016】
また、各導光部材は、一端部が折曲げられて形成された折曲部を有し、各折曲部は、入射口の周辺において、枠部材を覆うように配置されることが望ましい。
【0017】
また、多角形が、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、または八角形のいずれかであることが望ましい。
【0018】
また、枠部材が、金属または樹脂から形成されていることが望ましい。
【0019】
また、導光部材が、鏡面加工が施された金属の薄板から形成されていることが望ましい。
【0020】
また、枠部材は、枠部材の側面からスリットに向かって延びるねじ穴を有し、ねじ穴に挿通されるねじによってミラー部の取付部が押圧され、ミラー部が枠部材の内面に対して付勢されることが望ましい。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明の光インテグレータによれば、軽量かつ安価でありながら、組み立てが容易で、かつ高い精度の反射面を有する光インテグレータが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る光インテグレータの構成を説明する図である。
図2図2は、本発明の第2の実施形態に係る光インテグレータの構成を説明する図である。
図3図3は、本発明の第2の実施形態に係る光インテグレータの変形例を説明する図である。
図4図4は、本発明の第3の実施形態に係る光インテグレータの構成を説明する図である。
図5図5は、本発明の第4の実施形態に係る光インテグレータの構成を説明する図である。
図6図6は、本発明の第5の実施形態に係る光インテグレータの構成を説明する図である。
図7図7は、本発明の第6の実施形態に係る光インテグレータの構成を説明する図である。
図8図8は、本発明の第7の実施形態に係る光インテグレータの構成を説明する図である。
図9図9は、本発明の第8の実施形態に係る光インテグレータの構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
【0024】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光インテグレータ1の構成を説明する図である。図1(a)は、光インテグレータ1を斜め上方から見たときの斜視図であり、図1(b)は、光インテグレータ1を構成する4つの同一のユニット10A~10Dのうちの1つ(図1(a)のユニット10A)を斜め上方から見たときの斜視図であり、図1(c)は、ユニット10Aを、図1(b)の逆方向から見たときの斜視図である。なお、本明細書においては、以下、各ユニット10A~10Dを代表して、「ユニット10」という場合がある。また、本明細書においては、図1の座標に示すように、光インテグレータ1を正面から見たときに、左右方向をX軸方向、上下方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向と定義して説明する。
【0025】
図1(a)に示すように、本実施形態の光インテグレータ1は、4つの同一の直方体状のユニット10A~10Dからなり、これらが1つの直方体状の中空部18を取り囲むように配置された光学部材である。不図示の光源を光インテグレータ1の中空部18の入射口(端面12a側の開口)付近に配置すると、光源からの光が中空部18によって導光され、中空部18の出射口(端面12b側の開口)から出射されるようになっている。
【0026】
図1(b)、(c)に示すように、本実施形態のユニット10は、金属製(例えば、アルミニウム)または樹脂製(例えば、ポリカーボネート)の直方体状の枠部材12と、ミラー部14(導光部材)と、から構成されている。
【0027】
枠部材12は、ミラー部14を保持するための部材であり、不図示の光源からの光が入射される側(Z軸方向マイナス側)の端面12aと、光が出射される側(Z軸方向プラス側)の端面12bと、光インテグレータ1として組立てられたときに外側を向く外面12cと、光インテグレータ1として組立てられたときに内側を向き、表面にミラー部14が載置される内面12d(平面部)と、光インテグレータ1として組立てられたときに隣接するユニット10の内面12dと当接する第1側面12eと、第1側面12eと対向する第2側面12fと、を有している。
また、第1側面12eの内面12d側は、第1側面12eから第2側面12fに向かってミラー部14の厚さに相当する高さだけ切り欠かれており、光インテグレータ1として組立てられたときに隣接するユニット10のミラー部14を収容する、ミラー収容部12gが形成されている。
【0028】
また、外面12cと内面12dの第2側面12f側には、外面12cから内面12dに貫通する段付き貫通穴12h、12iが形成されており、第1側面12eには、光インテグレータ1として組立てられたときに隣接するユニット10の段付き貫通穴12h、12iと連通するねじ穴12j、12kが形成されている。
【0029】
ミラー部14は、長方形の薄板状(例えば、厚さ0.5~0.7mm)の反射部材であり、例えば、金属(例えば、アルミニウム)の薄板に蒸着等によって鏡面加工を施すことによって形成される。本実施形態においては、ミラー面(反射面)を表にして、内面12dのミラー収容部12g側の領域に載置され、接着剤等によって固定されている。なお、別の実施形態としては、ミラー部14は、金属の薄板に代えて、ガラスの薄板に鏡面加工を施したものであってもよい。
【0030】
図1(a)に示すように、本実施形態の光インテグレータ1は、4つのユニット10A~10Dを、中空部18を形成するように配置し、これらを固定することによって組立てられる。
具体的には、ユニット10Aの第1側面12eにユニット10Bの内面12dが当接するように配置し、ユニット10Bの第1側面12eにユニット10Cの内面12dが当接するように配置し、ユニット10Cの第1側面12eにユニット10Dの内面12dが当接するように配置し、ユニット10Dの第1側面12eにユニット10Aの内面12dが当接するように配置し、各段付き貫通穴12h、12iを介して、各ねじ穴12j、12kに不図示の固定ねじを締結することによって、組立てられる。
なお、光インテグレータ1が組立てられると、ユニット10Bのミラー部14の一部(ミラー収容部12g側の端部周辺)がユニット10Aのミラー収容部12gに収容され、ユニット10Cのミラー部14の一部(ミラー収容部12g側の端部周辺)がユニット10Bのミラー収容部12gに収容され、ユニット10Dのミラー部14の一部(ミラー収容部12g側の端部周辺)がユニット10Cのミラー収容部12gに収容され、ユニット10Aのミラー部14の一部(ミラー収容部12g側の端部周辺)がユニット10Dのミラー収容部12gに収容され、直方体状の中空部18を取り囲むように、各ユニット10A~10Dのミラー部14が配置される。
【0031】
このように、本実施形態の光インテグレータ1は、4つの同一のユニット10A~10Dを中空部18を取り囲むように配置し、ねじ止めするだけで、4つのユニット10A~10Dが相互に位置決めされて固定され、各ユニット10A~10Dのミラー部14が正確な位置に配置される。また、枠部材12は、金属または樹脂から形成され、ミラー部14は、金属の薄板から形成されているため、軽量かつ安価なものとなる。
【0032】
以上が本実施形態の説明であるが、本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内において様々な変形が可能である。
【0033】
例えば、本実施形態の光インテグレータ1は、4つの同一の直方体状のユニット10A~10Dを使用し、これらが1つの直方体状の中空部18を取り囲むように配置する構成としたが、直方体状の中空部18が4つのミラー部14によって取り囲まれればよく、ユニット10A~10Dの形状は、光インテグレータ1の仕様に応じて適宜変更されてもよい。
【0034】
また、中空部18は、光をミキシングできる形状であれば、必ずしも直方体である必要はなく、例えば、横断面(X-Y平面)において多角形(三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、または八角形)の中空部を有するものであればよい。なお、この場合、横断面の形状に応じて、使用されるユニット10の数が変更される。
【0035】
また、本実施形態においては、ミラー部14は、金属(例えば、アルミニウム)の薄板状の部材として説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではなく、金属に代えて、例えば、樹脂、セラミック、ガラス等を使用することができる。
【0036】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る光インテグレータ2の構成を説明する図である。図2(a)は、光インテグレータ2を斜め上方から見たときの斜視図であり、図2(b)は、光インテグレータ2を構成する6つの同一のユニット20A~20Fのうちの1つ(図2(a)のユニット20A)を斜め上方から見たときの斜視図である。なお、本明細書においては、以下、各ユニット20A~20Fを代表して、「ユニット20」という場合がある。また、本明細書においては、図2の座標に示すように、光インテグレータ2を正面から見たときに、左右方向をX軸方向、上下方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向と定義して説明する。
【0037】
図2に示すように、本実施形態の光インテグレータ2は、X-Y断面が台形の6つの四角柱状のユニット20A~20Fから構成され、これらが1つの六角柱状の(つまり、横断面(X-Y平面)において六角形の)中空部28を取り囲むように配置されている点で、第1の実施形態の光インテグレータ1とは異なっている。
【0038】
本実施形態の光インテグレータ2は、第1の実施形態の光インテグレータ1と同様、不図示の光源を光インテグレータ2の中空部28の入射口(端面22a側の開口)付近に配置すると、光源からの光が中空部28によって導光され、中空部28の出射口(端面22b側の開口)から出射されるようになっている。
【0039】
図2(b)に示すように、本実施形態のユニット20は、X-Y断面が台形の四角柱状の枠部材22と、ミラー部24と、から構成されている。
【0040】
枠部材22は、ミラー部24を保持するための部材であり、不図示の光源からの光が入射される側(Z軸方向マイナス側)の端面22aと、光が出射される側(Z軸方向プラス側)の端面22bと、光インテグレータ2として組立てられたときに外側を向く外面22cと、光インテグレータ2として組立てられたときに内側を向き、表面にミラー部24が載置される内面22dと、光インテグレータ2として組立てられたときに隣接するユニット20の内面22dと当接する第1側面22eと、第1側面22eと対向する第2側面22fと、を有している。
また、本実施形態の枠部材22の内面22dの第1側面22e側は、内面22dから外面22cに向かってミラー部24の厚さに相当する高さだけ切り欠かれており(低くなっており)、ミラー部24を収容するミラー収容部22gが形成されている。
【0041】
ミラー部24は、第1の実施形態のミラー部14と同様、長方形の薄板状の反射部材であり、例えば、金属(例えば、アルミニウム)の薄板に蒸着等によって鏡面加工を施すことによって形成される。本実施形態においては、ミラー面(反射面)を表にして、内面22dのミラー収容部22gに載置され、接着剤等によって固定されている。
【0042】
図2(a)に示すように、本実施形態の光インテグレータ2は、6つのユニット20A~20Fを、中空部28を形成するように配置し、これらを接着することによって組立てられる。
具体的には、ユニット20Aの第2側面22fとユニット20Bの外面22cが連続し、ユニット20Bの第1側面22eがユニット20Aの内面22dと当接するように配置し、ユニット20Bの第2側面22fとユニット20Cの外面22cが連続し、ユニット20Cの第1側面22eがユニット20Bの内面22dと当接するように配置し、ユニット20Cの第2側面22fとユニット20Dの外面22cが連続し、ユニット20Dの第1側面22eがユニット20Cの内面22dと当接するように配置し、ユニット20Dの第2側面22fとユニット20Eの外面22cが連続し、ユニット20Eの第1側面22eがユニット20Dの内面22dと当接するように配置し、ユニット20Eの第2側面22fとユニット20Fの外面22cが連続し、ユニット20Fの第1側面22eがユニット20Eの内面22dと当接するように配置し、ユニット20Fの第2側面22fとユニット20Aの外面22cが連続し、ユニット20Aの第1側面22eがユニット20Fの内面22dと当接するように配置し、各ユニット20A~20Fの第1側面22eを接着剤によって固定することによって組立てられる。
なお、光インテグレータ2が組立てられると、ユニット20Aのミラー部24の一部(第2側面22f側の端部周辺)がユニット20Bの第1側面22eとの間に狭持され、ユニット20Bのミラー部24の一部(第2側面22f側の端部周辺)がユニット20Cの第1側面22eとの間に狭持され、ユニット20Cのミラー部24の一部(第2側面22f側の端部周辺)がユニット20Dの第1側面22eとの間に狭持され、ユニット20Dのミラー部24の一部(第2側面22f側の端部周辺)がユニット20Eの第1側面22eとの間に狭持され、ユニット20Eのミラー部24の一部(第2側面22f側の端部周辺)がユニット20Fの第1側面22eとの間に狭持され、ユニット20Fのミラー部24の一部(第2側面22f側の端部周辺)がユニット20Aの第1側面22eとの間に狭持され、六角柱状の(つまり、横断面(X-Y平面)において六角形の)中空部28を取り囲むように、各ユニット20A~20Fのミラー部24が配置される。
【0043】
このように、本実施形態の光インテグレータ2は、6つの同一のユニット20A~20Fを中空部28を取り囲むように配置し、接着するだけで、6つのミラー部24が正確に位置決めされて固定される。また、本実施形態の光インテグレータ2においても、第1の実施形態の光インテグレータ1と同様、枠部材22は、金属または樹脂から形成され、ミラー部24は、金属の薄板から形成されているため、軽量かつ安価なものとなる。
【0044】
(第2の実施形態の変形例)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る光インテグレータ2の変形例を説明する図であり、本変形例の光インテグレータ2´を斜め上方から見たときの斜視図である。図3に示すように、本変形例の光インテグレータ2´は、X-Y断面が台形の7つの同一の四角柱状のユニット20A´~20G´から構成され、これらが1つの七角柱状の(つまり、横断面(X-Y平面)において七角形の)中空部28´を取り囲むように配置されている点で、第2の実施形態の光インテグレータ2とは異なっている。
つまり、本変形例の各ユニット20A´~20G´は、第2の実施形態の各ユニット20A~20Fと同様の構成であるが、枠部材22´のX-Y断面の形状(つまり、台形の各内角)が第2の実施形態の光インテグレータ2の枠部材22とは異なっているため、横断面(X-Y平面)において七角形の中空部28´が形成されている。
【0045】
このように(図1図3に示すように)、枠部材(12、22、22´)のX-Y断面の形状に応じて、使用するユニット(10、20、20´)数が変わるため、枠部材(12、22、22´)のX-Y断面の形状を適宜設定することにより、様々な断面形状(例えば、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、または八角形)の中空部(18、28、28´)を形成することができる。
【0046】
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態に係る光インテグレータ3の構成を説明する図である。図4(a)は、光インテグレータ3を斜め上方から見たときの斜視図であり、図4(b)は、光インテグレータ3の分解斜視図であり、図4(c)は、図4(a)のねじ穴32の位置においてXY平面で切断したときの断面図である。なお、本明細書においては、図4の座標に示すように、光インテグレータ3を正面から見たときに、左右方向をX軸方向、上下方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向と定義して説明する。
【0047】
図4に示すように、本実施形態の光インテグレータ3は、横断面(X-Y平面)において四角形の内面36a~36dを有する直方体状の筒状の枠部材30と、各内面36a~36dを覆うように配置される導光部材34a~34dと、を備え、導光部材34a~34dが1つの直方体状の(つまり、横断面(X-Y平面)において四角形の)中空部38を取り囲むように配置されている点で、第1の実施形態の光インテグレータ1とは異なっている。
【0048】
本実施形態の光インテグレータ3は、第1の実施形態の光インテグレータ1と同様、不図示の光源を光インテグレータ3の中空部38の入射口(前面30a側の開口)付近に配置すると、光源からの光が中空部38によって導光され、中空部38の出射口(背面30b側の開口)から出射されるようになっている。
【0049】
枠部材30は、導光部材34a~34dを保持するための金属製(例えば、アルミニウム)または樹脂製(例えば、ポリカーボネート)の部材であり、不図示の光源からの光が入射される側(Z軸方向マイナス側)の前面30aと、光が出射される側(Z軸方向プラス側)の背面30bと、底面30c(Y軸方向プラス側の面)と、上面30d(Y軸方向マイナス側の面)と、左側面30e(X軸方向マイナス側の面)と、右側面30f(X軸方向プラス側の面)と、を有している。
また、本実施形態の枠部材22の中央部分には、Z軸方向に貫通する中空部38が形成されており、横断面(X-Y平面)において四角形の内面36a~36dが形成されている。
また、横断面(X-Y平面)において、各内面36a~36dと接続するように(連続するように)、各内面36a~36d(つまり、横断面の四角形の各辺の一端部)から外側に向かって延びるスリット37a~37dが形成されている。つまり、本実施形態のスリット37a~37dは、横断面(X-Y平面)において、各内面36a~36d(つまり、横断面の四角形の各辺)を延長するように(つまり、各内面36a~36dと同一平面上に)形成されている。
また、枠部材30の底面30cからスリット37aにわたって貫通し、また上面30dからスリット37cにわたって貫通し、また左側面30eからスリット37bにわたって貫通し、また右側面30fからスリット37dにわたって貫通する複数のねじ穴32が形成されている(図4(c))。
【0050】
導光部材34a~34dは、各内面36a~36dに沿って配置される長方形の薄板状の反射部材であり、例えば、金属(例えば、アルミニウム)の薄板に蒸着等によって鏡面加工を施すことによって形成される。本実施形態の導光部材34a~34dは、各内面36a~36d(つまり、横断面(X-Y平面)において四角形の各辺)上に位置するミラー部34a1~34d1と、各ミラー部34a1~34d1と連続しスリット37a~37dに挿入される取付部34a2~34d2と、を有している(図4(b))。
【0051】
図4(a)に示すように、本実施形態の光インテグレータ3は、4つの導光部材34a~34dを、中空部38を覆うように配置し、これらを固定することによって組立てられる。
具体的には、導光部材34aのミラー部34a1が内面36aに位置するように、取付部34a2をスリット37aに挿入し、導光部材34bのミラー部34b1が内面36bに位置するように、取付部34b2をスリット37bに挿入し、導光部材34cのミラー部34c1が内面36cに位置するように、取付部34c2をスリット37cに挿入し、導光部材34dのミラー部34d1が内面36dに位置するように、取付部34d2をスリット37dに挿入する。
次いで、各ねじ穴32に不図示の止めねじ(セットスクリュー)を挿入し、各導光部材34a~34dの取付部34a2~34d2を止めねじによって押圧して固定する(図4(c))。この結果、直方体状の中空部38を取り囲むように、各ミラー部34a1~34d1が位置決めされて、固定される。
【0052】
このように、本実施形態の光インテグレータ3は、4つの同一の導光部材34a~34dを中空部38を取り囲むように配置し、ねじ止めするだけで、4つのミラー部34a1~34d1が各内面36a~36dに正確に位置決めされて固定される。また、枠部材30は、金属または樹脂から形成され、導光部材34a~34dは、金属の薄板から形成されているため、軽量かつ安価なものとなる。
【0053】
(第4の実施形態)
図5は、本発明の第4の実施形態に係る光インテグレータ4の構成を説明する図である。図5(a)は、光インテグレータ4を斜め上方から見たときの斜視図であり、図5(b)は、光インテグレータ4の分解斜視図である。なお、本明細書においては、図5の座標に示すように、光インテグレータ4を正面から見たときに、左右方向をX軸方向、上下方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向と定義して説明する。
【0054】
図5に示すように、本実施形態の光インテグレータ4は、各導光部材34a~34dの一端部(Z軸方向マイナス側の端部)が略直角に折曲げられて形成された折曲部34a3~34d3を有する点で、第3の実施形態の光インテグレータ3とは異なっている。
【0055】
図5(a)に示すように、本実施形態の光インテグレータ4は、各導光部材34a~34dの折曲部34a3~34d3によって、枠部材30の入射口(前面30a側の開口)周辺が覆われるように構成される。
【0056】
従って、本実施形態の構成によれば、入射口付近に配置される光源からの光が枠部材30に直接入射することを確実に防止することができるため、光源からの光に紫外光が含まれるような場合であっても、樹脂製の枠部材30を劣化させることがない(つまり、樹脂製の枠部材30を使用することができる)。
【0057】
(第5の実施形態)
図6は、本発明の第5の実施形態に係る光インテグレータ5の構成を説明する図である。図6(a)は、光インテグレータ5を前面50a側からから見たときの斜視図であり、図6(b)は、光インテグレータ5を背面50b側から見たときの斜視図である。なお、本明細書においては、図6の座標に示すように、光インテグレータ5を正面から見たときに、左右方向をX軸方向、上下方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向と定義して説明する。また、図6においては、理解を容易にする目的で、枠部材50を薄いグレーで示し、枠部材50の内部に収容される導光部材54a~54dを濃いグレーで示している。
【0058】
図5に示すように、本実施形態の光インテグレータ5は、枠部材50の内面56a~56dが、入射口(前面50a側の開口)から出射口(背面50b側の開口)に向かって拡がるように傾斜しており、各導光部材54a~54dが、台形平板状の形状を呈している点で、第3の実施形態の光インテグレータ3とは異なっている。
【0059】
このような構成によれば、入射口(前面50a側の開口)から入射した光が導光部材54a~54dによって導光される際に、光軸(入射口の中心と出射口の中心を結ぶ直線)に対する傾きが小さくなるため、入射する光の入射角(入射光の角度成分)に対して、出射する光の出射角(出射光の角度成分)が小さくなる。つまり、NA(Numerical Aperture)変換の効果をもたせることが可能となる。
【0060】
(第6の実施形態)
図7は、本発明の第6の実施形態に係る光インテグレータ6の構成を説明する図であり、光インテグレータ6を前面60a側からから見たときの正面図である。
図7に示すように、本実施形態の光インテグレータ6は、導光部材34a~34dに代えて、ミラー部64a1、64b1と取付部64a2、64b2が、金属(例えば、アルミニウム)の薄板を折曲げて一体的に形成された導光部材64Aと、ミラー部64c1、64d1と取付部64c2、64d2が、金属の薄板を折曲げて一体的に形成された導光部材64Bと、を備え、枠部材60が、内面66a、66dと接続するように(連続するように)内面66a、66dから外側(枠部材60の右斜め下方向)に向かって延びるスリット67Aと、内面66b、66cと接続するように(連続するように)内面66b、66cから外側(枠部材60の左斜め上方向)に向かって延びるスリット67Bと、を有する点で、第3の実施形態の光インテグレータ3とは異なっている。つまり、本実施形態のスリット67Aは、内面66a、66dと接続しているが、内面66a、66dと同一平面上にはなく、スリット67Bは、内面66b、66cと接続しているが、内面66a、66dと同一平面上にはない。なお、本実施形態の導光部材64A、64Bは同一の部材であり、回転対称に配置されるものである。
【0061】
図7に示すように、本実施形態の光インテグレータ6においては、導光部材64Aの取付部64a2と導光部材64Bの取付部64d2を枠部材60のスリット67Aに挿入し、導光部材64Aの取付部64b2と導光部材64Bの取付部64c2を枠部材60のスリット67Bに挿入することによって、各ミラー部64a1~64d1が各内面66a~66d上に配置され、中空部68が各ミラー部64a1~64d1によって取り囲まれる。
【0062】
従って、本実施形態の構成によれば、各ミラー部64a1~64d1が2つの導光部材64A、64Bによって構成されるため、第3の実施形態と比較して、さらに組み立てが容易となる。
また、別の実施形態として、導光部材64A、64Bを1つの部材として一体的に形成してもよい。この場合、1枚の金属の薄板を折曲げて、取付部64a2、ミラー部64a1、64b1、64c1、64d1、取付部64d2を順に形成し、取付部64a2、64d2をスリット67Aに挿入すればよい。なお、この場合、スリット67Bは不要となる。
【0063】
(第7の実施形態)
図8は、本発明の第7の実施形態に係る光インテグレータ7の構成を説明する図であり、光インテグレータ7を前面70a側からから見たときの正面図である。
図8に示すように、本実施形態の光インテグレータ7は、導光部材34a~34dに代えて、ミラー部74a1、74b1と取付部74a2が、金属(例えば、アルミニウム)の薄板を折曲げて一体的に形成された導光部材74Aと、ミラー部74c1、74d1と取付部74c2が、金属の薄板を折曲げて一体的に形成された導光部材74Bと、を備え、枠部材70が、内面76aと接続するように(連続するように)内面76aから外側(枠部材70の右方向)に向かって延びるスリット77Aと、内面76cと接続するように(連続するように)内面76cから外側(枠部材70の左方向)に向かって延びるスリット77Bと、を有する点で、第3の実施形態の光インテグレータ3とは異なっている。つまり、本実施形態においては、内面76aと接続するように(連続するように)内面76a(つまり、横断面の四角形の1辺の一端部)から外側に向かって延びるスリット77Aと、内面76cと接続するように(連続するように)内面76c(つまり、横断面の四角形の1辺の一端部)から外側に向かって延びるスリット77Bが形成されているが、内面76b、76dと接続するスリットは形成されていない。なお、本実施形態の導光部材74A、74Bは同一の部材であり、回転対称に配置されるものである。
【0064】
図8に示すように、本実施形態の光インテグレータ7においては、導光部材74Aの取付部74a2を枠部材70のスリット77Aに挿入し、導光部材74Bの取付部74c2を枠部材70のスリット77Bに挿入することによって、各ミラー部74a1~74d1が各内面76a~76d上に配置され、中空部78が各ミラー部74a1~74d1によって取り囲まれる。
【0065】
従って、本実施形態の構成によれば、各ミラー部74a1~74d1が2つの導光部材74A、74Bによって構成されるため、第3の実施形態と比較して、さらに組み立てが容易となる。
また、別の実施形態として、導光部材74A、74Bを1つの部材として一体的に形成してもよい。この場合、1枚の金属の薄板を折曲げて、取付部74a2、ミラー部74a1、74b1、74c1、74d1を順に形成し、取付部74a2をスリット77Aに挿入すればよい。なお、この場合、スリット77Bは不要となる。
【0066】
(第8の実施形態)
図9は、本発明の第8の実施形態に係る光インテグレータ8の構成を説明する図であり、光インテグレータ8を前面80a側から見たときの正面図である。
図9に示すように、本実施形態の光インテグレータ8は、第2の実施形態の6つの四角柱状のユニット20A~20Fの枠部材22が一体的に形成された、六角柱状の筒状の枠部材80を備え、導光部材84a~84f(第2の実施形態のミラー部24に相当)を各スリット87a~87f(第2の実施形態のミラー収容部22gに相当)に挿入して組立てる点で、第2の実施形態の光インテグレータ2とは異なっている。
【0067】
より具体的には、本実施形態の光インテグレータ8は、横断面(X-Y平面)において六角形の内面86a~86fを有する六角柱状の筒状の枠部材80と、各内面86a~86fを覆うように配置される導光部材84a~84fと、を備え、導光部材84a~84fが1つの六角柱状の(つまり、横断面(X-Y平面)において六角形の)中空部88を取り囲むように配置される。
【0068】
枠部材80は、導光部材84a~84fを保持するための金属製(例えば、アルミニウム)または樹脂製(例えば、ポリカーボネート)の部材であり、不図示の光源からの光が入射される側(Z軸方向マイナス側)の前面80aと、光が出射される側(Z軸方向プラス側)の背面80b(図9において不図示)と、6つの側面81a~81fと、を有している。
また、本実施形態の枠部材80の中央部分には、Z軸方向に貫通する中空部88が形成されており、横断面(X-Y平面)において六角形の内面86a~86fが形成されている。
また、横断面(X-Y平面)において、各内面86a~86fと接続するように(連続するように)、各内面86a~86f(つまり、横断面の六角形の各辺の一端部)から外側に向かって延びるスリット87a~87fが形成されている。つまり、本実施形態のスリット87a~87fは、横断面(X-Y平面)において、各内面86a~86f(つまり、横断面の六角形の各辺)を延長するように(つまり、各内面86a~86fと同一平面上に)形成されている。
【0069】
導光部材84a~84fは、各内面86a~86fに沿って配置される長方形の薄板状の反射部材であり、例えば、金属(例えば、アルミニウム)の薄板に蒸着等によって鏡面加工を施すことによって形成される。本実施形態の導光部材84a~84fは、各内面86a~86f(つまり、横断面(X-Y平面)において六角形の各辺)上に位置するミラー部84a1~84f1と、各ミラー部84a1~84f1と連続しスリット87a~87fに挿入される取付部84a2~84f2と、を有している。
【0070】
図9に示すように、本実施形態の光インテグレータ8は、6つの導光部材84a~84fを、中空部88を覆うように配置し、これらを接着固定することによって組立てられる。
具体的には、まず導光部材84a~84fの裏面側(各内面86a~86fと対向する側)に接着剤を塗布し、導光部材84aのミラー部84a1が内面86aに位置するように、取付部84a2をスリット87aに挿入し、導光部材84bのミラー部84b1が内面86bに位置するように、取付部84b2をスリット87bに挿入し、導光部材84cのミラー部84c1が内面86cに位置するように、取付部84c2をスリット87cに挿入し、導光部材84dのミラー部84d1が内面86dに位置するように、取付部84d2をスリット87dに挿入し、導光部材84eのミラー部84e1が内面86eに位置するように、取付部84e2をスリット87eに挿入し、導光部材84fのミラー部84f1が内面86fに位置するように、取付部84f2をスリット87fに挿入する。
各導光部材84a~84fを各スリット87a~87fに挿入することにより、各導光部材84a~84fは各スリット87a~87f内に狭持され、接着剤が固化することにより固定される。この結果、六角柱状の中空部88を取り囲むように、各ミラー部84a1~84f1が配置、固定される。
【0071】
このように、本実施形態の光インテグレータ8は、6つの同一の導光部材84a~84fを中空部88を取り囲むように配置する(挿入する)だけで、6つのミラー部84a1~84f1が各内面86a~86fに正確に位置決めされて固定される。また、枠部材80は、金属または樹脂から形成され、導光部材84a~84fは、金属の薄板から形成されているため、軽量かつ安価なものとなる。
【0072】
なお、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0073】
1 :光インテグレータ
2 :光インテグレータ
2´ :光インテグレータ
3 :光インテグレータ
4 :光インテグレータ
5 :光インテグレータ
6 :光インテグレータ
7 :光インテグレータ
8 :光インテグレータ
10 :ユニット
10A :ユニット
10B :ユニット
10C :ユニット
10D :ユニット
12 :枠部材
12a :端面
12b :端面
12c :外面
12d :内面
12e :第1側面
12f :第2側面
12g :ミラー収容部
12h :段付き貫通穴
12i :段付き貫通穴
12j :ねじ穴
12k :ねじ穴
14 :ミラー部
18 :中空部
20 :ユニット
20A :ユニット
20B :ユニット
20C :ユニット
20D :ユニット
20E :ユニット
20F :ユニット
20A´ :ユニット
20B´ :ユニット
20C´ :ユニット
20D´ :ユニット
20E´ :ユニット
20F´ :ユニット
20G´ :ユニット
22 :枠部材
22´ :枠部材
22a :端面
22b :端面
22c :外面
22d :内面
22e :第1側面
22f :第2側面
22g :ミラー収容部
24 :ミラー部
28 :中空部
28´ :中空部
30 :枠部材
30a :前面
30b :背面
30c :底面
30d :上面
30e :左側面
30f :右側面
32 :ねじ穴
34a :導光部材
34a1 :ミラー部
34a2 :取付部
34a3 :折曲部
34b :導光部材
34b1 :ミラー部
34b2 :取付部
34c :導光部材
34c1 :ミラー部
34c2 :取付部
34d :導光部材
34d1 :ミラー部
34d2 :取付部
36a :内面
36b :内面
36c :内面
36d :内面
37a :スリット
37b :スリット
37c :スリット
37d :スリット
38 :中空部
50 :枠部材
50a :前面
50b :背面
54a :導光部材
54b :導光部材
54c :導光部材
54d :導光部材
56a :内面
56b :内面
56c :内面
56d :内面
60 :枠部材
60a :前面
64A :導光部材
64B :導光部材
64a1 :ミラー部
64a2 :取付部
64b1 :ミラー部
64b2 :取付部
64c1 :ミラー部
64c2 :取付部
64d1 :ミラー部
64d2 :取付部
66a :内面
66b :内面
66c :内面
66d :内面
67A :スリット
67B :スリット
68 :中空部
70 :枠部材
70a :前面
74A :導光部材
74B :導光部材
74a1 :ミラー部
74a2 :取付部
74b1 :ミラー部
74c :取付部
74c1 :ミラー部
74c2 :取付部
74d1 :ミラー部
76a :内面
76b :内面
76c :内面
76d :内面
77A :スリット
77B :スリット
78 :中空部
80 :枠部材
80a :前面
80b :背面
81a :側面
81b :側面
81c :側面
81d :側面
81e :側面
81f :側面
84a :導光部材
84a1 :ミラー部
84a2 :取付部
84b :導光部材
84b1 :ミラー部
84b2 :取付部
84c :導光部材
84c1 :ミラー部
84c2 :取付部
84d :導光部材
84d1 :ミラー部
84d2 :取付部
84e :導光部材
84e1 :ミラー部
84e2 :取付部
84f :導光部材
84f1 :ミラー部
84f2 :取付部
86a :内面
86b :内面
86c :内面
86d :内面
86e :内面
86f :内面
87a :スリット
87b :スリット
87c :スリット
87d :スリット
87e :スリット
87f :スリット
88 :中空部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9