(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168228
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】検出装置の取付構造
(51)【国際特許分類】
G01S 7/03 20060101AFI20241128BHJP
B62D 25/16 20060101ALI20241128BHJP
B62D 25/18 20060101ALI20241128BHJP
G01S 13/931 20200101ALI20241128BHJP
【FI】
G01S7/03 240
B62D25/16 F
B62D25/18 C
G01S13/931
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084717
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】521537852
【氏名又は名称】ダイムラー トラック エージー
(74)【代理人】
【識別番号】100176946
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 智恵
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青野 宣明
【テーマコード(参考)】
3D203
5J070
【Fターム(参考)】
3D203AA13
3D203BC04
3D203CB19
3D203DA20
3D203DB02
5J070AE01
5J070AE09
5J070AF03
5J070AK25
5J070AK30
5J070AK40
(57)【要約】
【課題】検出装置の搭載性を確保するとともに、軽量化を図りつつ剛性を確保する。
【解決手段】検出装置の取付構造は、車両2の車輪後方に配置され、車幅方向外側の外側面部20Aと外側面部20Aに連設された車長方向後方の後面部20Bとを有し、外側面部20Aに開口部24が設けられたマッドガード20と、マッドガード20の開口部24に配置された検出装置1と、後面部20Bよりも前方に位置し、且つ、車幅方向外側から見て外側面部20Aに重複して配置され、一端で車体フレームに取り付けられるとともに他端に検出装置1が取り付けられており、検出装置1を開口部24に配置した状態で片持ち支持するブラケット30と、ブラケット30に沿って配索された検出装置用のケーブル34と、ブラケット34の長手方向に沿って延在するとともに断面コ字状をなし、ケーブル34をブラケット30と共に囲むように取付けられたカバー部材31とを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車体フレームに取り付けられるとともに、前記車両の車輪後方に配置され、車幅方向外側の壁面をなす外側面部と前記外側面部に連設されており車長方向後方の壁面をなす後面部とを有し、前記外側面部に前記車幅方向外側と車幅方向内側とを連通する開口部が設けられたマッドガードと、
前記車両の側方の物体を検出するために設けられており、前記マッドガードの前記開口部に配置された検出装置と、
前記後面部よりも前方に位置し、且つ、前記車幅方向外側から見て前記外側面部に重複して配置され、一端において前記車体フレームに直接的又は間接的に取り付けられるとともに他端に前記検出装置が取り付けられており、前記検出装置を前記開口部に配置した状態で片持ち支持するブラケットと、
前記他端から前記一端へ向かって前記ブラケットに沿って配索された前記検出装置用のケーブルと、
前記ブラケットの長手方向に沿って延在するとともに断面コ字状をなし、前記ケーブルを前記ブラケットと共に囲むように前記ブラケットに取付けられたカバー部材と、を備えた
ことを特徴とする検出装置の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、車両の側方に存在する物体を検出するための検出装置の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の側方に存在する人や車両などの物体を検出し、ドライバーへの警報や車両制御などを行う技術が開発されている。例えば、特許文献1には、車両の側方に存在する人や車両などの物体を検出するためのレーダ装置をトラックの車体側方の燃料タンク近傍に取り付けた取付構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術のように、燃料タンク近傍にレーダ装置を取り付けた場合、レーダ装置によるレーダ照射範囲を十分に確保できない場合がある。すなわち、車両側方監視のレギュレーション改正により、従来よりも広い範囲の側方を監視しなければならず、特許文献1の技術のように燃料タンク近傍にレーダ装置を取り付けた場合、レギュレーションに対応できない場合がある。
【0005】
すなわち、車両の側方に存在する物体を検出するための検出装置において、車両の側方をより広い範囲で監視するためには、検出装置の搭載位置を変更する必要が生じる。
しかし、車両の側方は他部品とのレイアウトとの関係上、検出装置の搭載位置が制限されることがある。したがって、特許文献1に開示されるような従来の技術は、検出装置の搭載性を確保するうえで、改善の余地がある。また、検出装置の取付構造では、検出装置の検出信号を制御装置へ伝達するためのケーブルを飛石や熱害に対して保護する必要がある。加えて、検出装置に対する車両の振動の影響を抑制するために、軽量化を図りつつ剛性を確保することが望ましい。
本件は、上記のような課題に鑑み創案されたものであり、車両の側方に存在する物体を検出するための検出装置の取付構造において、検出装置の搭載性を確保するとともに、ケーブルの保護性を高め、且つ、軽量化を図りつつ剛性を確保することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本件は上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現できる。
【0007】
(1)本適用例に係る検出装置の取付構造は、前記車両の車体フレームに取り付けられるとともに、車両の車輪後方に配置され、車幅方向外側の壁面をなす外側面部と前記外側面部に連設されており車長方向後方の壁面をなす後面部とを有し、前記外側面部に前記車幅方向外側と車幅方向内側とを連通する開口部が設けられたマッドガードと、前記車両の側方の物体を検出するために設けられており、前記マッドガードの前記開口部に配置された検出装置と、前記後面部よりも前方に位置し、且つ、前記車幅方向外側から見て前記外側面部に重複して配置され、一端において前記車体フレームに直接的又は間接的に取り付けられるとともに他端に前記検出装置が取り付けられており、前記検出装置を前記開口部に配置した状態で片持ち支持するブラケットと、前記他端から前記一端へ向かって前記ブラケットに沿って配索された前記検出装置用のケーブルと、前記ブラケットの長手方向に沿って延在するとともに断面コ字状をなし、前記ケーブルを前記ブラケットと共に囲むように前記ブラケットに取付けられたカバー部材と、を備えている。
【0008】
これによれば、ブラケットが、マッドガードの後面部よりも前方に位置し、且つ、車幅方向外側から見て外側面部に重複して配置されるとともに、検出装置を外側面部の開口部に配置した状態で片持ち支持する。すなわち、ブラケットがマッドガードの内側に配置されるため、検出装置をマッドガードに取り付けることが可能になる。このようにブラケットがマッドガードの内側に配置された構造であっても、検出装置は外側面部の開口部から外側へ向けてレーダを照射可能である。そのため、マッドガードに検出装置を適切に取り付けることが可能である。よって、検出装置の取付構造において検出装置の搭載性を確保することができる。
【0009】
そのうえ、断面コ字状のカバー部材が、ブラケットに沿って他端から一端へ配索されたケーブルをブラケットと共に囲むように取り付けられているので、飛石等の衝突や熱害に対するケーブルの保護性を高めるこができる。また、ブラケットを囲むようにカバー部材が取り付けられるので、ブラケットがカバー部材により補強される。よって、ブラケットの強度や剛性を高めることができる。そのため、カバー部材を設けない構造に比較して、強度や剛性を確保しつつブラケットの板厚を低減することができ、軽量化を図ることができる。
【発明の効果】
【0010】
本件によれば、車両の側方に存在する物体を検出するための検出装置の取付構造において検出装置の搭載性を確保するとともに、ケーブルの保護性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】適用例に係る検出装置の取付構造を適用した車両の前部を右後方から視た斜視図である。
【
図2】
図1からマッドガードを取り除いた状態を示す分解斜視図である。
【
図3】
図2のブラケットを車両後方側から見た背面図である。
【
図5】変形例に係る検出装置の取付構造を適用した車両の前部を右後方から視た斜視図である。
【
図6】
図5からマッドガードを取り除いた状態を示す分解斜視図である。
【
図7】
図6のブラケットを車両後方側から見た背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照して、本件の実施形態について説明する。以下の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。下記の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。また、必要に応じて取捨選択でき、あるいは適宜組み合わせられる。
なお、各図において、「FR」は車両の前方,「UP」は「上方」,「IN」は車幅方向内側をそれぞれ示す。車幅方向内側の反対側が車幅方向外側である。また、以下の説明において、前後方向は車両の前後方向を意味し、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
【0013】
[1.構成]
図1は、本適用例に係る検出装置(
図1中破線で示す)1の取付構造を適用した車両2の前部を右後方から視た斜視図であり、一部を省略して示している。
検出装置1は、車両2の側方に存在する人や他車両などの物体を検出する車両側方監視である。検出装置1の検出信号は、車両2の側方に存在する人や他車両などを検出した際に運転者に警報を発生するためのBSA(ブラインドスポットアシスト)装置に利用されている。検出装置1の例としては、例えば車両2の側方の照射範囲に向けてミリ波を発信するミリ波レーダが挙げられる。
【0014】
図1の車両2は、車体フレーム10と車体フレーム10の前部の上方に配置されたキャブ(図示省略)とを備えたトラックである。
車体フレーム10は、ラダーフレーム構造をなす。具体的にいえば、車体フレーム10は、車長方向(前後方向)に延びるとともに車幅方向(左右方向)に互いに離隔する一対のサイドレール11(図中左側の一方のみ示す)と複数のクロスメンバ(図示省略)とを有し、梯子形状をなす。
車体フレーム10の前部にはキャブの後端部を下方から支持するためのキャブブリッジ12が設けられている。キャブブリッジ12は、一対のサイドレール11のそれぞれから上方に延びるとともにサイドレール11間に跨って固定され、逆U字型若しくはアーチ状をなす。
【0015】
車体フレーム10に対し外側(車幅方向外側)にマッドガード20が設けられている。
マッドガード20は、車両2の右前輪(図示省略)後方に配置された泥除け部材である。マッドガード20は、車幅方向外側から見てキャブブリッジ12の一部に重複して設けられており、図示省略した固定部材を介して車体フレーム10に固定される。
このマッドガード20は、外側面、後面及び上面の三方を囲むカバー体として構成されている。具体的には、マッドガード20には、車幅方向外側の壁面をなす外側面部20Aと、外側面部20Aの後端部に連設され車長方向後方の壁面をなす後面部20Bと、外側面部20A及び後面部20Bの上端部に連設され上側の壁面をなす上面部20Cとが設けられている。本明細書では、外側面部20A、後面部20B及び上面部20Cで囲まれた空間側を「マッドガード20の内側」と称する。
【0016】
外側面部20Aには、開口部24が車幅方向に沿って貫設されている。開口部24は、車幅方向外側と内側とを連通する窓部であり、後述する外カバー32をマッドガード20の外側へ突出(挿通)させるために設けられている。すなわち、マッドガード20の後面部20Bよりも前側に位置する外側面部20Aに開口部24が設けられており、その開口部24に検出装置1が係合されるようになっている。開口部24の大きさ及び形状は、検出装置1の外観形状及び大きさに応じて設定される。
【0017】
本適用例に係る検出装置1の取付構造においては、検出装置1を支持するためのBSAブラケット30(ブラケット,
図1中破線で示す)がマッドガード20の内側に配設されるとともに、このBSAブラケット30に対してカバー部材31が取り付けられている。
マッドガード20の内側に配置されたBSAブラケット30(
図1中破線で示す)は、
図1に示すように、マッドガード20の後面部20Bよりも前方に位置しており、且つ、車幅方向の外側から見てマッドガード20の外側面部20Aに重複して配置されたものとなる。
【0018】
BSAブラケット30は、車幅方向内側の一端30Aから車幅方向外側の他端30B側へ延出しており、検出装置1を開口部24に配置(係合)した状態で片持ち支持している。すなわち、BSAブラケット30は、一端30Aにおいて支持部材12Bを介してキャブブリッジ12(車体フレーム10)に直接的に取り付けられており、他端30Bにレーダーブラケット(後述
図3の符号1B)を介して検出装置1を外カバー32とともに取り付けたものである。
【0019】
図2は
図1からマッドガード20を取り除いた状態示す。
図2では、BSAブラケット30とカバー部材31とが分解斜視図で示されている。
図2に示すように、BSAブラケット30は、車幅方向内側に位置する一端30Aから車幅方向外側に位置する他端30Bへ延出し、断面コ字状をなすチャンネル部材で形成されている。詳しくは、BSAブラケット30は、前面部30Fと上フランジ面30Uと下フランジ面30Dとの三面を有する。前面部30Fは、車幅方向及び上下方向に延在し車両2の前方側に配置されている。上フランジ面30Uは、前面部30Fに対し略垂直をなすとともに前面部30Fの上縁から車両2の後方へ向かって鍔状に延出した面をなす。下フランジ面30Dは、前面部30Fに対し略垂直をなすとともに前面部30Fの下縁から車両2の後方へ向かって鍔状に延出した面をなす。このBSAブラケット30は、車両2の後方へ向かって開いたコの字型をなすチャンネル部材で形成されているものと言える。
【0020】
カバー部材31は、BSAブラケット30の長手方向に沿って延出し、断面コの字型をなすチャンネル部材で形成されている。BSAブラケット30の長手方向とは、BSAブラケット30が一端30Aから他端30Bへ向かって延出した方向であり、車幅方向に対応する。
カバー部材31は、後面部31Bと上面部31Uと下面部31Dとの三面を有する。後面部31Bは、車幅方向及び上下方向に延在し車両の後方側に配置されている。上面部31Uは、後面部31Bに対し略垂直をなすとともに後面部31Bの上縁から車両2の前方へ向かって鍔状に延出した面をなす。下面部31Dは、後面部31Bに対し略垂直をなすとともに後面部31Bの下縁から車両2の前方へ向かって鍔状に延出した面をなす。このカバー部材は、車両2の前方へ向かって開いたコの字型をなすチャンネル部材で形成されているものと言える。
【0021】
図3は検出装置1の取付構造を車両後方側(車長方向後方)から見た背面図である。なお、
図3において、マッドガード20や検出装置1の取付構造の一部を省略している。また、
図4は
図3の矢印A-Aから見た断面図である。
図3及び
図4に示すように、カバー部材31がBSAブラケット30に取り付けられた状態で、カバー部材31の上面部31Uは、BSAブラケット30の上フランジ面30Uの上方に重複して配置され、カバー部材31の下面部31Dは、BSAブラケット30の下フランジ面30Dの下方に重複して配置される。カバー部材31の後面部31Bは、BSAブラケット30の前面部30Fに向かい合って配置される。要するに、カバー部材31は、BSAブラケット30を外側から囲むように配置される。
【0022】
本実施形態のカバー部材31において上面部31Uと下面部31Dとの向かい合う面どうしの間の距離(内寸と称する)は、BSAブラケット30において上フランジ面30Uと下フランジ面30Dとの外側を向いた面どうしの間の距離(外寸と称する)以上に設定される。
カバー部材31の内寸は、BSAブラケット30の外寸と略同一であることが好ましい。この場合、カバー部材31とBSAブラケット30とを緊密に取り付けることができる。
【0023】
BSAブラケット30に対して上記のように配置されたカバー部材31は、上面部31U及び下面部31Dにおいて、BSAブラケット30の上フランジ面30U及び下フランジ面30Dに固定される。BSAブラケット30とカバー部材31とは、溶接や、ボルト及びナットを用いた締結など周知の固定方法で固定されてよい。
BSAブラケット30で開口をなす後面側がカバー部材31で覆われるので、BSAブラケット30とカバー部材31とにより、上下及び前後の四方が囲まれた空間が画成される。
【0024】
図2~
図4に示すように、BSAブラケット30とカバー部材31とで画成された空間内に、検出装置用のケーブル34が配索されている。ケーブル34は、検出装置1と図示しない制御装置とを繋ぎ、図示しない制御装置へ検出信号を伝達するための配線(ケーブル、例えばハーネス)であり、上記の空間内において他端30Bから一端30Aへ向かってBSAブラケット30の長手方向に沿って配索されている。この場合、ケーブル34は断面コ字状をなすBSAブラケット30の溝に沿って配索されたものとも言える。
すなわち、カバー部材31は、ケーブル34をBSAブラケット30と共に囲むように、BSAブラケット30に取り付けられている。
なお、本明細書において「ケーブル」とは、電力送信、電気通信、光通信などの信号送信(通信)に用いる信号線や、電力供給線であり、例えば、ハーネスなどの電線や光ファイバなどを含む。
【0025】
[2.作用効果]
以上説明した本実施形態は以下のような作用効果を奏する。
本適用例に係る検出装置1の取付構造は、上記の検出装置1と、マッドガード20と、BSAブラケット30とを含む。この検出装置1の取付構造では、BSAブラケット30は、マッドガード20の後面部20Bよりも前方に位置し、且つ、車幅方向外側から見て外側面部20Aに重複して配置されるとともに、検出装置1を外側面部20Aの開口部24に配置した状態で片持ち支持する。
【0026】
これによれば、BSAブラケット30がマッドガード20の内側に配置されるため、検出装置1をマッドガード20の内側に取り付けることが可能になる。このようにBSAブラケット30がマッドガード20の内側に配置された構造であっても、検出装置1は外側面部20Aの開口部24から外側へ向けてレーダを照射可能である。そのため、マッドガード20に検出装置1を適切に取り付けることが可能である。よって、検出装置1の取付構造において検出装置1の搭載性を確保することができる。
【0027】
そのうえ、BSAブラケット30の他端30Bから一端30Aへ向かってBSAブラケット30に沿ってケーブル34が配索されており、このケーブル34をBSAブラケット30と共に囲むように、カバー部材31がBSAブラケット30に取り付けられている。そのため、ケーブル34の全周がカバー部材31とBSAブラケット30とに囲まれる。よって、飛石等の衝突や熱害に対するケーブル34の保護性を高めるこができる。
また、BSAブラケット30を囲むようにカバー部材31が取り付けられるので、BSAブラケット30がカバー部材31により補強される。よって、BSAブラケット30の強度や剛性を高めることができる。そのため、カバー部材を設けない構造に比較して、強度や剛性を確保しつつBSAブラケット30の板厚を低減することができ、軽量化を図ることができる。
【0028】
[3.その他]
図5~
図8は、変形例に係る検出装置1の取付構造の説明図であり、
図1~
図4を参照して既述の検出装置1の取付構造に対して、ケーブル34の配策位置と、カバー部材の形状とが異なり、その他の構造は共通している。以下の説明では、既述の検出装置1の取付構造とは異なる点に専ら着目して説明し、共通の構造については共通の符号を付して説明を省略する。
【0029】
図1~
図4に示す上記のカバー部材31が車両2の前方へ向かって開いたコの字型をなすチャンネル部材で形成されているものであるのに対して、
図5~
図8に示すカバー部材33は、上方へ向かって開いたコの字型をなすチャンネル部材で形成されている。
すなわち、カバー部材33は、車幅方向及び前後方向に延在する下面部33Dと、下面部33Dの前後両縁から立設された前面部33Fと後面部33Bとを含む。
【0030】
カバー部材33は、BSAブラケット30に対して下方から取り付けられる。具体的には、
図7及び
図8に示すように、カバー部材33の前面部33Fと後面部33Bとの各上縁部が、BSAブラケット30の前面部30Fの前面と下フランジ面30Dの後縁部とに外側から重複するように配置され、カバー部材33の前面部33Fと後面部33Bとの各上縁部と、BSAブラケット30の前面部30Fの前面と下フランジ面30Dの後縁部とが固定される。
カバー部材33において前面部33Fと後面部33Bとの向かい合う面どうしの間の距離(内寸)は、BSAブラケット30において前面部30Fの外側を向いた面(前面)と下フランジ面30Dの後縁部との間の距離(外寸)以上に設定される。カバー部材33とBSAブラケット30とを緊密に取り付ける観点から、カバー部材33の内寸は、BSAブラケット30の外寸と略同一であることが好ましい。
【0031】
カバー部材33がBSAブラケット30の下方に取り付けられるので、BSAブラケット30の下フランジ面30Dとカバー部材33とにより、上下及び前後の四方が囲まれた空間が画成される。
図7及び
図8に示すように、この空間内に、ケーブル34が配索されている。
すなわち、
図1~
図4では、ケーブル34が断面コ字状をなすBSAブラケット30の溝に沿って配索された構造を例に挙げたが、
図5~
図8の変形例では、ケーブル34はBSAブラケット30の下フランジ面30Dの下側(外側)に配索される。下フランジ面30Dの下側(外側)に配索されたケーブル34をBSAブラケット30と共に囲むように、カバー部材33がBSAブラケット30に取り付けられている。
【0032】
図5~
図8に示す変形例においても、
図1~
図4の検出装置1の取付構造と同様に、マッドガード20に検出装置1を適切に取り付けることができるので、検出装置1の取付構造において検出装置1の搭載性を確保することができる。また、カバー部材33により飛石等の衝突や熱害に対するケーブル34の保護性を高めるこができるとともに、BSAブラケット30の強度や剛性を高めることができる。そのため、カバー部材を設けない構造に比較して、強度や剛性を確保しつつBSAブラケット30の板厚を低減することができ、軽量化を図ることができる。
【0033】
また、上述した実施形態では、BSAブラケット30が、チャンネル部材で形成された場合を例に挙げたが、BSAブラケット30の形状はこれに限らず、カバー部材31,33と協働してケーブル34を囲むことができれば、どのような形状であってもよい。
また、上述した実施形態では、BSAブラケット30が、直接的にキャブブリッジ12(車体フレーム10の一部)に取り付けられる構成を説明したが、BSAブラケット30は、間接的に車体フレーム10に取り付けられてもよい。
なお、上述した実施形態では、車両2の右側に設けられた検出装置1の取付構造について説明したが、検出装置の取付構造は、車両2の左側に設けられたものであってもよい。
【0034】
なお、本明細書においてBSA(ブラインドスポットアシスト)と称した装置には、様々な呼称がある。このような装置は、BSAの他、例えばBSM(ブラインドスポットモニタリング)などとも呼ばれる。そのため、本明細書中の「BSA」なる用語を「BSM」等他の周知の呼称に置き換えてもよい。
また、本明細書における「BSA」とは、自車両の側方に存在する人や他車両などを検出した際に運転者に警報を発生するものでもよいし、或いは、上記の警報に替えて、若しくは警報に加えて、自車両の側方に存在する人や他車両などを検出した際に自車両に制動制御や操舵制御などの自車両の制御を行うものであってもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 検出装置
2 車両
10 車体フレーム
11 サイドレール
12 キャブブリッジ
20 マッドガード
20A 外側面部
20B 後面部
20C 上面部
24 開口部
30 BSAブラケット(ブラケット)
30A 一端
30B 他端
30D 下フランジ面
30F 前面部
30U 上フランジ面
31 カバー部材
31B 後面部
31D 下面部
31U 上面部
32 外カバー
33 カバー部材
33B 後面部
33D 下面部
33F 前面部
34 ケーブル