(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168241
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】配線回路基板、および、配線回路基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K1/02 P
H05K1/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084736
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003812
【氏名又は名称】弁理士法人いくみ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 智章
(72)【発明者】
【氏名】高倉 隼人
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 良介
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA01
5E338AA12
5E338AA16
5E338BB14
5E338BB25
5E338CC02
5E338CC05
5E338CC06
5E338CD03
5E338CD13
5E338EE31
(57)【要約】
【課題】シールドパターンと隣り合う配線の一部とシールドパターンと隣り合わない配線の残部との間で配線の厚みに差が生じることを抑制できる配線回路基板、および、配線回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】
配線回路基板1は、第1絶縁層12と、厚み方向において第1絶縁層12の一方側に配置され、端子131Aと、端子131Aに接続される配線133Aとを有する配線パターン13Aと、厚み方向において第1絶縁層12の一方側に配置され、配線133Aの一部に対して間隔を空けて隣り合うシールドパターン15Aとを備える。配線133Aは、第1導体層M1から作られ、シールドパターン15Aは、第2導体層M2から作られる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と、
前記絶縁層の厚み方向において前記絶縁層の一方側に配置され、端子と、前記端子に接続される配線とを有する配線パターンと、
前記厚み方向において前記絶縁層の一方側に配置され、前記配線の一部に対して間隔を空けて隣り合うシールドパターンと
を備え、
前記配線は、第1導体層から作られ、
前記シールドパターンは、第2導体層から作られる、配線回路基板。
【請求項2】
絶縁層と、
前記絶縁層の厚み方向において前記絶縁層の一方側に配置され、端子と、前記端子に接続される配線とを有する配線パターンと、
前記厚み方向において前記絶縁層の一方側に配置され、前記配線の一部に対して間隔を空けて隣り合うシールドパターンと
を備え、
前記シールドパターンは、開口を有する、配線回路基板。
【請求項3】
前記配線は、第1導体層から作られ、
前記シールドパターンは、第2導体層から作られる、請求項2に記載の配線回路基板。
【請求項4】
前記端子は、
前記厚み方向において前記絶縁層の一方側に配置され、前記第1導体層から作られる第1層と、
前記厚み方向において前記第1層の一方側に配置され、前記第2導体層から作られる第2層と
を有する、請求項1または3に記載の配線回路基板。
【請求項5】
前記端子は、
前記厚み方向において前記絶縁層の一方側に配置され、前記第2導体層から作られる第1層と、
前記厚み方向において前記第1層の一方側に配置され、前記第1導体層から作られる第2層と
を有する、請求項1または3に記載の配線回路基板。
【請求項6】
前記第2導体層は、前記第1導体層よりも厚い、請求項1または3に記載の配線回路基板。
【請求項7】
前記第1導体層は、前記第2導体層よりも厚い、請求項1または3に記載の配線回路基板。
【請求項8】
前記配線回路基板は、
前記端子が配置されるフレーム部と、
前記フレーム部と接続され、前記フレーム部よりもフレキシブルであり、前記配線が配置されるフレキシブル部と
を有し、
前記シールドパターンは、前記フレーム部に配置され、前記フレキシブル部には配置されない、請求項1または2に記載の配線回路基板。
【請求項9】
前記厚み方向において前記絶縁層の他方側に配置される金属支持層をさらに備える、請求項1または2に記載の配線回路基板。
【請求項10】
前記シールドパターンは、前記金属支持層と電気的に接続される、請求項9に記載の配線回路基板。
【請求項11】
請求項1または2に記載の配線回路基板の製造方法であって、
前記厚み方向における前記絶縁層の一方側に前記配線を形成する配線形成工程と、
前記厚み方向における前記絶縁層の一方側に前記シールドパターンを形成するシールドパターン形成工程と
を含む、配線回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線回路基板、および、配線回路基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配線が配置される複数の配線体と、配線と接続される端子が配置され、複数の配線体の一端部を連結する連結体とを有する配線回路基板が知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるような配線回路基板において、配線の周りにシールドを設けたい場合がある。
【0005】
しかし、特許文献1に記載されるような配線回路基板では、配線体にはシールドを配置できるスペースが少ない。そのため、連結体において配線の周りにシールドを配置する一方、配線体においてシールドを配置しない場合が考えられる。
【0006】
この場合、1つの配線が、周りにシールドが配置される部分と、周りにシールドが配置されない部分とを有する。
【0007】
このように、1つの配線が周りにシールドが配置される部分と周りにシールドが配置されない部分とを有する場合、配線とシールドとを、例えば、電解メッキによって同時に形成すると、周りにシールドが配置される部分が、周りにシールドが配置されない部分よりも、薄く形成されてしまう可能性がある。
【0008】
そうすると、周りにシールドが配置される部分の厚みが設計値よりも過度に薄くなり、周りにシールドが配置されない部分の厚みが設計値よりも過度に厚くなってしまう可能性がある。
【0009】
そこで、本発明は、シールドパターンと隣り合う配線の一部とシールドパターンと隣り合わない配線の残部との間で配線の厚みに差が生じることを抑制できる配線回路基板、および、配線回路基板の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明[1]は、絶縁層と、前記絶縁層の厚み方向において前記絶縁層の一方側に配置され、端子と、前記端子に接続される配線とを有する配線パターンと、前記厚み方向において前記絶縁層の一方側に配置され、前記配線の一部に対して間隔を空けて隣り合うシールドパターンとを備え、前記配線が、第1導体層から作られ、前記シールドパターンが、第2導体層から作られる、配線回路基板を含む。
【0011】
このような構成によれば、配線が第1導体層から作られ、シールドパターンが第2導体層から作られる。
【0012】
そのため、配線とシールドパターンとを、それぞれ別の工程で形成できる。これにより、シールドパターンの形成が配線の形成に影響しない。
【0013】
その結果、シールドパターンと隣り合う配線の一部と、シールドパターンと隣り合わない配線の残部との間で厚みに差が生じることを抑制できる。
【0014】
本発明[2]は、絶縁層と、前記絶縁層の厚み方向において前記絶縁層の一方側に配置され、端子と、前記端子に接続される配線とを有する配線パターンと、前記厚み方向において前記絶縁層の一方側に配置され、前記配線の一部に対して間隔を空けて隣り合うシールドパターンとを備え、前記シールドパターンが、開口を有する、配線回路基板を含む。
【0015】
このような構成によれば、シールドパターンが開口を有する。つまり、開口の分、シールドパターンの面積を低減できる。
【0016】
そのため、シールドパターンと配線とを同時に形成した場合でも、シールドパターンの形成が配線の形成に影響することを抑制できる。
【0017】
その結果、シールドパターンと隣り合う配線の一部と、シールドパターンと隣り合わない配線の残部との間で厚みに差が生じることを抑制できる。
【0018】
本発明[3]は、前記配線が、第1導体層から作られ、前記シールドパターンが、第2導体層から作られる、上記[2]の配線回路基板を含む。
【0019】
このような構成によれば、配線とシールドパターンとを、それぞれ別の工程で、形成できる。これにより、シールドパターンの形成が配線の形成に影響しない。
【0020】
その結果、シールドパターンと隣り合う配線の一部と、シールドパターンと隣り合わない配線の残部との間で厚みに差が生じることを、より抑制できる。
【0021】
本発明[4]は、前記端子が、前記厚み方向において前記絶縁層の一方側に配置され、前記第1導体層から作られる第1層と、前記厚み方向において前記第1層の一方側に配置され、前記第2導体層から作られる第2層とを有する、上記[1]または[3]の配線回路基板を含む。
【0022】
本発明[5]は、前記端子が、前記厚み方向において前記絶縁層の一方側に配置され、前記第2導体層から作られる第1層と、前記厚み方向において前記第1層の一方側に配置され、前記第1導体層から作られる第2層とを有する、上記[1]または[3]の配線回路基板を含む。
【0023】
本発明[6]は、前記第2導体層が、前記第1導体層よりも厚い、上記[1]および[3]~[5]のいずれか1つの配線回路基板を含む。
【0024】
本発明[7]は、前記第1導体層が、前記第2導体層よりも厚い、上記[1]および[3]~[5]のいずれか1つの配線回路基板を含む。
【0025】
本発明[8]は、前記配線回路基板が、前記端子と、前記配線の前記第1端部とが配置されるフレーム部と、前記フレーム部と接続され、前記フレーム部よりもフレキシブルであり、前記配線が配置されるフレキシブル部とを有し、前記シールドパターンが、前記フレーム部に配置され、前記フレキシブル部には配置されない、上記[1]~[7]のいずれか1つの配線回路基板を含む。
【0026】
このような構成によれば、フレキシブル部の可撓性を損なうことなく、フレーム部において、配線の周りにシールドパターンを配置できる。
【0027】
本発明[9]は、前記厚み方向において前記絶縁層の他方側に配置される金属支持層をさらに備える、上記[1]~[8]のいずれか1つの配線回路基板を含む。
【0028】
このような構成によれば、金属支持層により、厚み方向における絶縁層の他方側から配線を囲むことができる。
【0029】
その結果、配線から生じたノイズが絶縁層の他方側に伝わること、および、絶縁層の他方側からのノイズが配線に伝わることを抑制できる。
【0030】
本発明[10]は、前記シールドパターンが、前記金属支持層と電気的に接続される、上記[9]の配線回路基板を含む。
【0031】
本発明[11]は、上記[1]~[10]のいずれか1つの配線回路基板の製造方法であって、前記厚み方向における前記絶縁層の一方側に前記配線を形成する配線形成工程と、前記厚み方向における前記絶縁層の一方側に前記シールドパターンを形成するシールドパターン形成工程とを含む、配線回路基板の製造方法を含む。
【0032】
このような方法によれば、配線とシールドパターンとを、それぞれ別の工程で形成できる。これにより、シールドパターンの形成が配線の形成に影響しない。
【0033】
その結果、シールドパターンと隣り合う配線の一部と、シールドパターンと隣り合わない配線の残部との間で厚みに差が生じることを抑制できる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、シールドパターンと隣り合う配線の一部とシールドパターンと隣り合わない配線の残部との間で配線の厚みに差が生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態の配線回路基板の平面図である。
【
図3】
図3A~
図3Cは、
図1に示す配線回路基板の製造方法を説明するための工程図であって、
図3Aは、第1絶縁層形成工程を示し、
図3Bは、配線形成工程を示し、
図3Cは、シールドパターン形成工程を示す。
【
図4】
図4は、
図3Bに示す配線形成工程で形成される第1導体層の平面図である。
【
図5】
図5は、変形例(1)の配線回路基板の平面図である。
【
図6】
図6は、
図5に示す配線回路基板の製造において、シールドパターン形成工程で形成される第2導体層の平面図である。
【
図7】
図7は、
図5に示す配線回路基板のC-C断面図である。
【
図8】
図8は、変形例(2)の配線回路基板の平面図である。
【
図9】
図9は、変形例(3)の配線回路基板の平面図である。
【
図10】
図10は、変形例(4)の配線回路基板の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
1.配線回路基板
図1に示すように、配線回路基板1は、2つのフレーム部2A,2Bと、複数のフレキシブル部3A,3Bとを有する。
【0037】
フレーム部2Bは、第1方向において、フレーム部2Aから離れて配置される。第1方向は、配線回路基板1の厚み方向と直交する。フレーム部2A,2Bのそれぞれは、第2方向に延びる。第2方向は、第1方向および厚み方向の両方と直交する。
【0038】
フレキシブル部3A,3Bは、フレーム部2Aとフレーム部2Bとを繋ぐ。フレキシブル部3A,3Bは、第1方向において、フレーム部2Aとフレーム部2Bとの間に配置される。本実施形態では、フレキシブル部3A,3Bのそれぞれは、第1方向に延びる。第1方向におけるフレキシブル部3A,3Bのそれぞれの一端部は、フレーム部2Aと接続される。第1方向におけるフレキシブル部3A,3Bのそれぞれの他端部は、フレーム部2Bと接続される。なお、フレキシブル部3A,3Bのそれぞれの形状は、限定されない。フレキシブル部3A,3Bのそれぞれは、直線形状であってもよいし、湾曲していてもよい。フレキシブル部3A,3Bは、第2方向に並ぶ。言い換えると、フレキシブル部3A,3Bは、フレーム部2Aが延びる方向に並ぶ。フレキシブル部3Bは、第2方向において、フレキシブル部3Aから離れて配置される。
【0039】
フレキシブル部3A,3Bのそれぞれの幅は、例えば、300μm以下、好ましくは、250μm以下である。フレキシブル部3A,3Bのそれぞれの幅は、例えば、10μm以上、好ましくは、30μm以上である。
【0040】
なお、「幅」とは、フレキシブル部が延びる方向と厚み方向との両方と直交する方向における最大の長さである。例えば、フレキシブル部3Aの「幅」とは、フレキシブル部3Aが延びる方向と厚み方向との両方と直交する方向における最大の長さである。本実施形態では、「幅」とは、第2方向における最大の長さである。
【0041】
フレキシブル部3A,3Bのそれぞれの幅は、第2方向におけるフレーム部2Aの長さよりも小さい。そのため、フレキシブル部3A,3Bのそれぞれは、フレーム部2Aよりもフレキシブルである。
【0042】
図1および
図2Aに示すように、配線回路基板1は、金属支持層11と、第1絶縁層12と、複数の配線パターン13A,13B,13C,13Dと、複数のグランド端子14A,14B,14C,14D,14Eと、複数のシールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fと、第2絶縁層16とを備える。
【0043】
(1)金属支持層
金属支持層11は、フレーム部2A,2Bおよびフレキシブル部3A,3Bに配置される。金属支持層11は、第1絶縁層12、配線パターン13A,13B,13C,13D、複数のグランド端子14A,14B,14C,14D,14E,14F、シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fおよび第2絶縁層16を支持する。金属支持層11の材料として、例えば、銅、銅合金、ステンレス、ニッケル、チタン、および42アロイが挙げられる。金属支持層11の材料として、好ましくは、銅合金が挙げられる。金属支持層11は、1つの金属層から構成されてもよく、複数の金属層から構成されてもよい。好ましくは、金属支持層11は、銅合金から作られた金属層を含む。
【0044】
(2)第1絶縁層
第1絶縁層12は、フレーム部2A,2Bおよびフレキシブル部3A,3Bに配置される。第1絶縁層12は、厚み方向において、金属支持層11の一方側に配置される。言い換えると、金属支持層11は、厚み方向において、第1絶縁層12の他方側に配置される。第1絶縁層12は、厚み方向において、金属支持層11の一方面上に配置される。第1絶縁層12は、金属支持層11と配線パターン13A,13B,13C,13Dとの間に配置される。なお、第1絶縁層12は、金属支持層11とグランド端子14A,14B,14C,14D,14E,14Fとの間、金属支持層11とシールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fとの間にも配置される。第1絶縁層12は、配線パターン13A,13B,13C,13D、グランド端子14A,14B,14C,14D,14E,14F、および、シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fを金属支持層11から絶縁する。第1絶縁層12は、樹脂から作られる。樹脂として、例えば、ポリイミド、マレイミド、エポキシ樹脂、ポリベンゾオキサゾール、および、ポリエステルが挙げられる。なお、第1絶縁層12は、複数の貫通穴121を有する。
【0045】
(3)配線パターン
配線パターン13A,13B,13C(
図1参照),13D(
図1参照)は、厚み方向において、第1絶縁層12の一方側に配置される。配線パターン13A,13B,13C,13Dは、厚み方向において、第1絶縁層12の一方面上に配置される。配線パターン13A,13B,13C,13Dは、第1絶縁層12により、金属支持層11から絶縁されている。配線パターン13A,13B,13C,13Dは、電気信号を伝送するための信号線である。
図1に示すように、配線パターン13Aと配線パターン13Bとは、第1差動ペアDP1を構成する。配線パターン13Cと配線パターン13Dとは、第2差動ペアDP2を構成する。
【0046】
配線パターン13Aは、端子131Aと、端子132Aと、配線133Aとを有する。配線パターン13Bは、端子131Bと、端子132Bと、配線133Bとを有する。配線パターン13Cは、端子131Cと、端子132Cと、配線133Cとを有する。配線パターン13Dは、端子131Dと、端子132Dと、配線133Dとを有する。
【0047】
(3-1)端子131A,131B,131C,131D
端子131A,131B,131C,131Dは、フレーム部2Aに配置される。配線回路基板1のフレーム部2Aに第1電子素子、または、配線回路基板1とは別の第1配線回路基板が実装された状態で、端子131A,131B,131C,131Dのそれぞれは、第1電子素子または第1配線回路基板と接続される。本実施形態では、端子131A,131B,131C,131Dは、第2方向に並ぶ。端子131A,131B,131C,131Dのそれぞれは、角ランド形状を有する。なお、端子131A,131B,131C,131Dが並ぶ方向、および、端子131A,131B,131C,131Dのそれぞれの形状は、限定されない。
【0048】
図2Bに示すように、端子131Aは、第1層1311と、第2層1312とを有する。
【0049】
第1層1311は、厚み方向において、第1絶縁層12の一方側に配置される。第1層1311は、厚み方向において、第1絶縁層12の一方面上に配置される。第1層1311の材料として、金属が挙げられる。金属として、例えば、銅、銀、金、鉄、アルミニウム、クロム、および、それらの合金が挙げられる。良好な電気特性を得る観点から、好ましくは、銅が挙げられる。
【0050】
第2層1312は、厚み方向において、第1層1311の一方側に配置される。第2層1312は、厚み方向において、第1層1311の一方面上に配置される。第2層1312は、第1層1311よりも厚い。第2層1312の材料として、第1層1311の材料と同じ金属が挙げられる。第2層1312は、好ましくは、第1層1311と同じ金属から作られる。
【0051】
端子131B,131C,131Dは、端子131Aと同じ層構造を有する。そのため、端子131B,131C,131Dのぞれぞれの層構造についての説明は、省略される。
【0052】
(3-2)端子132A,132B,132C,132D
図1に示すように、端子132A,132B,132C,132Dは、フレーム部2Bに配置される。配線回路基板1のフレーム部2Bに第2電子素子、または、配線回路基板1とは別の第2配線回路基板が実装された状態で、端子132A,132B,132C,132Dのそれぞれは、第2電子素子または第2配線回路基板と接続される。本実施形態では、端子132A,132B,132C,132Dは、第2方向に並ぶ。端子132A,132B,132C,132Dのそれぞれは、角ランド形状を有する。なお、端子132A,132B,132C,132Dが並ぶ方向、および、端子132A,132B,132C,132Dのそれぞれの形状は、限定されない。
【0053】
端子132A,132B,132C,132Dは、端子131Aと同じ層構造を有する。そのため、端子132A,132B,132C,132Dのぞれぞれの層構造についての説明は、省略される。
【0054】
(3-3)配線133A,133B,133C,133D
配線133Aの一端部は、フレーム部2Aに配置される。配線133Aの一端部は、端子131Aに接続される。配線133Aの他端部は、フレーム部2Bに配置される。配線133Aの他端部は、端子132Aに接続される。端子131Aは、配線133Aを介して端子132Aと電気的に接続される。配線133Aは、フレーム部2Aとフレーム部2Bとの間において、フレキシブル部3Aに配置される。
【0055】
配線133Bの一端部は、フレーム部2Aに配置される。配線133Bの一端部は、端子131Bに接続される。配線133Bの他端部は、フレーム部2Bに配置される。配線133Bの他端部は、端子132Bに接続される。端子131Bは、配線133Bを介して端子132Bと電気的に接続される。配線133Bは、フレーム部2Aとフレーム部2Bとの間において、フレキシブル部3Aに配置される。配線133Bは、配線133Aと平行に延びる。配線133Bの長さは、好ましくは、配線133Aの長さと同じである。
【0056】
配線133Cの一端部は、フレーム部2Aに配置される。配線133Cの一端部は、端子131Cに接続される。配線133Cの他端部は、フレーム部2Bに配置される。配線133Cの他端部は、端子132Cに接続される。端子131Cは、配線133Cを介して端子132Cと電気的に接続される。配線133Cは、フレーム部2Aとフレーム部2Bとの間において、フレキシブル部3Bに配置される。
【0057】
配線133Dの一端部は、フレーム部2Aに配置される。配線133Dの一端部は、端子131Dに接続される。配線133Dの他端部は、フレーム部2Bに配置される。配線133Dの他端部は、端子132Dに接続される。端子131Dは、配線133Dを介して端子132Dと電気的に接続される。配線133Dは、フレーム部2Aとフレーム部2Bとの間において、フレキシブル部3Bに配置される。配線133Dは、配線133Cと平行に延びる。配線133Dの長さは、好ましくは、配線133Cの長さと同じである。
【0058】
配線133A,133B,133C,133Dは、端子131Aの第1層1311と同じ金属から作られる。
【0059】
(4)グランド端子
図1に示すように、グランド端子14A,14B,14Cは、フレーム部2Aに配置される。グランド端子14D,14E,14Fは、フレーム部2Bに配置される。グランド端子14A,14B,14C,14D,14E,14Fは、配線パターン13A,13B,13C,13Dから独立している。グランド端子14A,14B,14C,14D,14E,14Fは、配線パターン13A,13B,13C,13Dと接続されていない。配線回路基板1のフレーム部2Aに第1電子素子、または、配線回路基板1とは別の第1配線回路基板が実装された状態で、グランド端子14A,14B,14Cのそれぞれは、第1電子素子または第1配線回路基板と接続される。また、配線回路基板1のフレーム部2Bに第2電子素子、または、配線回路基板1とは別の第2配線回路基板が実装された状態で、グランド端子14D,14E,14Fのそれぞれは、第2電子素子または第2配線回路基板と接続される。
【0060】
グランド端子14Aは、第2方向において、端子131Aに対して、間隔を空けて隣り合う。グランド端子14Aは、第2方向において、端子131Aの一方側に配置される。グランド端子14Aは、第2方向において、端子131Aに対して端子131Bの反対側に配置される。
【0061】
グランド端子14Aは、配線133Aとは隣り合っていない。グランド端子14Aと配線133Aとの距離は、グランド端子14Aと端子131Aとの距離よりも長い。グランド端子14Aと配線133Aとの距離は、第1部分141と配線133Aとの距離よりも長い。
【0062】
本実施形態では、グランド端子14Aは、角ランド形状を有する。グランド端子14Aは、第1層141と、第2層142と、複数のグランドビア143とを有する。
【0063】
第1層141は、端子131Aの第1層1311と同じ金属から作られる。
【0064】
第2層142は、端子131Aの第2層1312と同じ金属から作られる。つまり、グランド端子14Aは、端子131Aと同じ層構造を有する。グランド端子14Aの形状および層構造は、限定されない。
【0065】
グランドビア143は、第1絶縁層12の図示しない貫通穴を通って金属支持層11と接触する。これにより、グランド端子14Aは、金属支持層11と電気的に接続される。
【0066】
グランド端子14Bは、第2方向において、端子131Bに対して、間隔を空けて隣り合う。グランド端子14Bは、第2方向において、端子131Bの他方側に配置される。グランド端子14Bは、第2方向において、端子131Bに対して端子131Aの反対側に配置される。
【0067】
また、グランド端子14Bは、第2方向において、端子131Cの一方側に配置される。つまり、グランド端子14Bは、第2方向において、端子131Bと端子131Cとの間に配置される。グランド端子14Bは、第2方向において、端子131Cに対して端子131Dの反対側に配置される。
【0068】
グランド端子14Cは、第2方向において、端子131Dに対して、間隔を空けて隣り合う。グランド端子14Cは、第2方向において、端子131Dの他方側に配置される。グランド端子14Cは、第2方向において、端子131Dに対して端子131Cの反対側に配置される。
【0069】
グランド端子14Dは、第2方向において、端子132Aに対して、間隔を空けて隣り合う。グランド端子14Dは、第2方向において、端子132Aの一方側に配置される。グランド端子14Dは、第2方向において、端子132Aに対して端子132Bの反対側に配置される。
【0070】
グランド端子14Eは、第2方向において、端子132Bに対して、間隔を空けて隣り合う。グランド端子14Eは、第2方向において、端子132Bの他方側に配置される。グランド端子14Eは、第2方向において、端子132Bに対して端子132Aの反対側に配置される。
【0071】
また、グランド端子14Eは、第2方向において、端子132Cの一方側に配置される。つまり、グランド端子14Eは、第2方向において、端子132Bと端子132Cとの間に配置される。グランド端子14Eは、第2方向において、端子132Cに対して端子132Dの反対側に配置される。
【0072】
グランド端子14Fは、第2方向において、端子132Dに対して、間隔を空けて隣り合う。グランド端子14Fは、第2方向において、端子132Dの他方側に配置される。グランド端子14Fは、第2方向において、端子132Dに対して端子132Cの反対側に配置される。
【0073】
本実施形態では、グランド端子14B,14C,14D,14E,14Fのそれぞれは、グランド端子14Aと同じ形状および層構造を有する。グランド端子14B,14C,14D,14E,14Fのそれぞれは、グランド端子14Aと異なる形状および層構造を有してもよい。
【0074】
(5)シールドパターン
シールドパターン15A,15B,15D,15Eは、配線パターン13A,13B(第1差動ペアDP1)から生じたノイズが外部(例えば、配線パターン13C,13D(第2差動ペアDP2))に伝わること、および、外部(例えば、配線パターン13C,13D(第2差動ペアDP2))からのノイズが配線パターン13A,13Bに伝わることを抑制する。また、シールドパターン15B,15C,15E,15Fは、配線パターン13C,13D(第2差動ペアDP2)から生じたノイズが外部(例えば、配線パターン13A,13A(第1差動ペアDP1))に伝わること、および、外部(例えば、配線パターン13A,13B(第1差動ペアDP1))からのノイズが配線パターン13C,13Dに伝わることを抑制する。
【0075】
図1に示すように、シールドパターン15A,15B,15Cは、フレーム部2Aに配置される。シールドパターン15A,15B,15Cは、配線パターン13A,13B,13C,13Dから独立している。シールドパターン15A,15B,15Cは、配線パターン13A,13B,13C,13Dと接続されていない。
【0076】
シールドパターン15Aおよびシールドパターン15Bは、グランド端子14Aおよびグランド端子14Bとともに、第1差動ペアDP1の一端部を囲む。第1差動ペアDP1の一端部は、第2方向において、グランド端子14Aとグランド端子14Bとの間、および、シールドパターン15Aとシールドパターン15Bとの間に配置される。
【0077】
シールドパターン15Aは、第2方向において、第1差動ペアDP1の一方側に配置される。シールドパターン15Aは、第2方向において、配線133Aに対して配線133Bの反対側に配置される。シールドパターン15Aは、第2方向において、配線133Aの一部に対して、間隔を空けて隣り合う。本実施形態では、シールドパターン15Aは、略矩形の平板形状を有する。シールドパターン15Aの形状は、限定されない。シールドパターン15Aは、グランド端子14Aと接続される。
【0078】
シールドパターン15Bは、第2方向において、シールドパターン15Aから離れて配置される。シールドパターン15Bは、第2方向において、第1差動ペアDP1の他方側に配置される。シールドパターン15Bは、第2方向において、配線133Bに対して配線133Aの反対側に配置される。シールドパターン15Bは、グランド端子14Bと接続される。
【0079】
また、シールドパターン15Bは、第2方向において、第2差動ペアDP2の一方側に配置される。シールドパターン15Bは、第2方向において、配線133Cに対して配線133Dの反対側に配置される。
【0080】
シールドパターン15Bとシールドパターン15Cとは、グランド端子14Bおよびグランド端子14Cとともに、第2差動ペアDP2の一端部を囲む。第2差動ペアDP2の一端部は、第2方向において、グランド端子14Bとグランド端子14Cとの間、および、シールドパターン15Bとシールドパターン15Cとの間に配置される。
【0081】
シールドパターン15Cは、第2方向において、シールドパターン15Bから離れて配置される。シールドパターン15Cは、第2方向において、第2差動ペアDP2の他方側に配置される。シールドパターン15Cは、第2方向において、配線133Dに対して配線133Cの反対側に配置される。シールドパターン15Cは、グランド端子14Cと接続される。
【0082】
シールドパターン15D,15E,15Fは、フレーム部2Bに配置される。フレキシブル部3A,3Bには、シールドパターンは配置されていない。シールドパターン15D,15E,15Fは、配線パターン13A,13B,13C,13Dから独立している。シールドパターン15D,15E,15Fは、配線パターン13A,13B,13C,13Dと接続されていない。
【0083】
シールドパターン15Dとシールドパターン15Eとは、グランド端子14Dおよびグランド端子14Eとともに、第1差動ペアDP1の他端部を囲む。第1差動ペアDP1の他端部は、第2方向において、グランド端子14Dとグランド端子14Eとの間、および、シールドパターン15Dとシールドパターン15Eとの間に配置される。
【0084】
シールドパターン15Dは、第2方向において、第1差動ペアDP1の一方側に配置される。シールドパターン15Dは、第2方向において、配線133Aに対して配線133Bの反対側に配置される。シールドパターン15Dは、グランド端子14Dと接続される。
【0085】
シールドパターン15Eは、第2方向において、シールドパターン15Dから離れて配置される。シールドパターン15Eは、第2方向において、第1差動ペアDP1の他方側に配置される。シールドパターン15Eは、第2方向において、配線133Bに対して配線133Aの反対側に配置される。シールドパターン15Eは、グランド端子14Eと接続される。
【0086】
また、シールドパターン15Eは、第2方向において、第2差動ペアDP2の一方側に配置される。シールドパターン15Eは、第2方向において、配線133Cに対して配線133Dの反対側に配置される。
【0087】
シールドパターン15Eとシールドパターン15Fとは、グランド端子14Eおよびグランド端子14Fとともに、第2差動ペアDP2の他端部を囲む。第2差動ペアDP2の他端部は、第2方向において、グランド端子14Eとグランド端子14Fとの間、および、シールドパターン15Eとシールドパターン15Fとの間に配置される。
【0088】
シールドパターン15Fは、第2方向において、シールドパターン15Eから離れて配置される。シールドパターン15Fは、第2方向において、第2差動ペアDP2の他方側に配置される。シールドパターン15Fは、第2方向において、配線133Dに対して配線133Cの反対側に配置される。シールドパターン15Fは、グランド端子14Fと接続される。
【0089】
本実施形態では、シールドパターン15B,15C,15D,15E,15Fのそれぞれは、シールドパターン15Aと同じ形状を有する。シールドパターン15B,15C,15D,15E,15Fのそれぞれは、シールドパターン15Aと異なる形状を有してもよい。
【0090】
図2Aに示すように、シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fは、厚み方向において、第1絶縁層12の一方側に配置される。シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fは、厚み方向において、第1絶縁層12の一方面上に配置される。シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fのそれぞれは、複数のシールドビア153を有する。シールドビア153は、第1絶縁層12の貫通穴121を通って金属支持層11と接触する。これにより、シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fのそれぞれは、金属支持層11と電気的に接続される。
【0091】
(5)第2絶縁層
図2Aに示すように、第2絶縁層16は、全ての配線133A,133B,133C,133D、および、全てのシールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fを覆う。第2絶縁層16は、厚み方向において、第1絶縁層12の一方面上に配置される。なお、第2絶縁層16は、
図2Bに示すように、端子131A,131B,131C,131D、端子132A,132B,132C,132D、および、グランド端子14A,14B,14C,14D,14E,14Fを覆わない。第2絶縁層16は、樹脂から作られる。樹脂としては、例えば、ポリイミド、マレイミド、エポキシ樹脂、ポリベンゾオキサゾール、および、ポリエステルが挙げられる。
【0092】
2.配線回路基板1の製造方法
配線回路基板1の製造方法は、第1絶縁層形成工程(
図3A参照)と、配線形成工程(
図3B参照)と、シールドパターン形成工程(
図3C参照)と、第2絶縁層形成工程と、外形加工工程とを含む。
【0093】
(1)第1絶縁層形成工程
図3Aに示すように、第1絶縁層形成工程では、厚み方向における基材Sの一方側に、第1絶縁層12を形成する。基材Sは、金属箔のロールから引き出された金属箔である。基材Sの材料は、金属支持層11(
図2A参照)の材料と同じである。第1絶縁層形成工程では、厚み方向における基材Sの一方面上に、第1絶縁層12を形成する。
【0094】
第1絶縁層12を形成するには、まず、基材Sの上に感光性樹脂の溶液(ワニス)を塗布して乾燥し、感光性樹脂の塗膜を形成する。次に、感光性樹脂の塗膜を露光および現像する。これにより、第1絶縁層12が、基材Sの上に、所定のパターンで形成される。
【0095】
(2)配線形成工程
次に、
図3Bに示すように、配線形成工程では、厚み方向における第1絶縁層12の一方側に、配線133A,133B,133C,133Dを形成する。詳しくは、配線形成工程では、電解メッキにより、厚み方向における第1絶縁層12の一方側に、第1導体層M1を形成する。
【0096】
図4に示すように、第1導体層M1は、上記した端子131A,131B,131C,131D,132A,132B,132C,132Dのそれぞれの第1層1311と、上記したグランド端子14A,14B,14C,14D,14E,14Fのそれぞれの第1層141と、配線133A,133B,133C,133Dとを含む。言い換えると、端子131A,131B,131C,131D,132A,132B,132C,132Dのそれぞれの第1層1311、および、配線133A,133B,133C,133Dは、第1導体層M1から作られる。
【0097】
第1導体層M1を形成するには、まず、第1絶縁層12および基材Sの表面にシード層を形成する。シード層は、例えば、スパッタリングにより形成される。シード層の材料としては、例えば、クロム、銅、ニッケル、チタン、および、これらの合金が挙げられる。
【0098】
次に、シード層が形成された第1絶縁層12および基材Sの上に、メッキレジストを貼り合わせて、第1導体層M1が形成される部分を遮光した状態で、メッキレジストを露光する。
【0099】
次に、露光されたメッキレジストを現像する。すると、遮光された部分のメッキレジストが除去され、第1導体層M1が形成される部分にシード層が露出する。なお、露光された部分、すなわち、第1導体層M1が形成されない部分のメッキレジストは、残る。
【0100】
次に、露出したシード層の上に、電解メッキにより、第1導体層M1を形成する。
【0101】
電解メッキが終了した後、メッキレジストは、剥離される。
【0102】
(3)シールドパターン形成工程
次に、
図3Cに示すように、シールドパターン形成工程では、厚み方向における第1絶縁層12の一方側に、シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fを形成する。詳しくは、シールドパターン形成工程では、電解メッキにより、厚み方向における第1絶縁層12の一方側に、第2導体層M2を形成する。
【0103】
図1に示すように、第2導体層M2は、上記した端子131A,131B,131C,131D,132A,132B,132C,132Dのそれぞれの第2層1312と、上記したグランド端子14A,14B,14C,14D,14E,14Fのそれぞれの第2層142と、上記したシールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fとを含む。言い換えると、端子131A,131B,131C,131D,132A,132B,132C,132Dのそれぞれの第2層1312、および、シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fは、第2導体層M2から作られる。つまり、シールドパターン15Aは、配線133Aと異なる導体層(第2導体層M2)から作られる。第2導体層M2は、第1導体層M1よりも厚い。
【0104】
第2導体層M2を形成するには、まず、第1絶縁層12、基材Sおよび第1導体層M1の上に、メッキレジストを貼り合わせて、第2導体層M2が形成される部分を遮光した状態で、メッキレジストを露光する。
【0105】
次に、露光されたメッキレジストを現像する。すると、遮光された部分のメッキレジストが除去され、第2導体層M2が形成される部分に、シード層または第1導体層M1が露出する。なお、露光された部分、すなわち、第2導体層M2が形成されない部分のメッキレジストは、残る。
【0106】
次に、露出したシード層または第1導体層M1の上に、電解メッキにより、第2導体層M2を形成する。
【0107】
電解メッキが終了した後、メッキレジストは、剥離される。その後、メッキレジストによって覆われていたシード層を、エッチングにより除去する。
【0108】
(4)第2絶縁層形成工程
次に、
図2Aに示すように、第2絶縁層形成工程では、第1絶縁層12、配線パターン13A,13B,13C,13D、および、シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fの上に、第1絶縁層12と同様にして、第2絶縁層16を形成する。
【0109】
(5)外形加工工程
次に、例えば、金属支持層11をエッチングすることにより、配線回路基板1の外形を形成する。これにより、配線回路基板1を得る。
【0110】
3.作用効果
(1)配線回路基板1によれば、
図4に示すように、配線133Aが、第1導体層M1から作られ、
図1に示すように、配線133Aと隣り合うシールドパターン15Aが、第2導体層M2から作られる。
【0111】
そのため、配線133Aとシールドパターン15Aとを、それぞれ別の工程で形成できる。詳しくは、
図3Bおよび
図4に示すように、配線133Aを配線形成工程で形成し、
図3Cおよび
図1に示すように、シールドパターン15Aを、シールドパターン形成工程で形成できる。そのため、シールドパターン15Aの形成が配線133Aの形成に影響しない。
【0112】
その結果、フレーム部2Aに配置され、シールドパターン15Aと隣り合う配線133Aの一部と、フレキシブル部3Aに配置され、シールドパターン15Aと隣り合わない配線133Aの残部との間で厚みに差が生じることを抑制できる。
【0113】
(2)配線回路基板1によれば、
図1に示すように、シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fは、フレーム部2Aまたはフレーム部2Bに配置され、フレキシブル部3A,3Bには配置されない。
【0114】
そのため、フレキシブル部3A,3Bの可撓性を損なうことなく、フレーム部2A,2Bにおいて、配線133A,133B,133C,133Dの周りにシールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fを配置できる。
【0115】
(3)配線回路基板1によれば、
図2Aに示すように、金属支持層11が、厚み方向において第1絶縁層12の他方側に配置される。
【0116】
そのため、金属支持層11により、厚み方向における第1絶縁層12の他方側から配線133A,133Bを囲むことができる。
【0117】
その結果、配線133A,133Bから生じたノイズが第1絶縁層12の他方側に伝わること、および、第1絶縁層12の他方側からのノイズが配線133A,133Bに伝わることを抑制できる。
【0118】
(4)配線回路基板1によれば、厚み方向における第1絶縁層12の一方側に配線133Aを形成する配線形成工程(
図3Bおよび
図4参照)と、厚み方向における第1絶縁層12の一方側にシールドパターン15Aを形成するシールドパターン形成工程(
図3Cおよび
図1参照)とを含む。
【0119】
そのため、配線133Aとシールドパターン15Aとを、それぞれ別の工程で形成できる。これにより、シールドパターン15Aの形成が、配線133Aの形成に影響しない。
【0120】
その結果、フレーム部2Aに配置され、シールドパターン15Aと隣り合う配線133Aの一部と、フレキシブル部3Aに配置され、シールドパターン15Aと隣り合わない配線133Aの残部との間で厚みに差が生じることを抑制できる。
【0121】
4.変形例
以下、変形例について説明する。変形例において、上記した実施形態と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0122】
(1)配線パターンは、信号線に限定されない。
図5に示すように、配線回路基板20は、電源線としての配線パターン21A,21Bを備えてもよい。
【0123】
配線パターン21Aは、端子211Aと、端子212Aと、配線213Aとを有する。配線パターン21Bは、端子211Bと、端子212Bと、配線213Bとを有する。
【0124】
端子211A,211Bは、フレーム部2Aに配置される。端子211A,211Bは、第2方向に並ぶ。端子211A,211Bのそれぞれは、角ランド形状を有する。なお、端子211A,211Bが並ぶ方向、および、端子211A,211Bのそれぞれの形状は、限定されない。
【0125】
端子211Aは、第1層2111と、第2層2112とを有する。
【0126】
第1層2111は、厚み方向において、第1絶縁層12の一方側に配置される。第1層2111は、厚み方向において、第1絶縁層12の一方面上に配置される。
【0127】
第2層2112は、厚み方向において、第1層2111の一方側に配置される。第2層2112は、厚み方向において、第1層2111の一方面上に配置される。
【0128】
端子212A,212Bは、フレーム部2Bに配置される。端子212A,212Bは、第2方向に並ぶ。端子212A,212Bのそれぞれは、角ランド形状を有する。端子212A,212Bが並ぶ方向、および、端子212A,212Bのそれぞれの形状は、限定されない。
【0129】
端子211B,212A,212Bは、端子211Aと同じ層構造を有する。そのため、端子211B,212A,212Bのぞれぞれの層構造についての説明は、省略される。
【0130】
配線213Aの一端部は、フレーム部2Aに配置される。配線213Aの一端部は、端子211Aに接続される。配線213Aの他端部は、フレーム部2Bに配置される。配線213Aの他端部は、端子212Aに接続される。端子211Aは、配線213Aを介して端子212Aと電気的に接続される。配線213Aは、フレーム部2Aとフレーム部2Bとの間において、フレキシブル部3Aに配置される。
【0131】
配線213Bの一端部は、フレーム部2Aに配置される。配線213Bの一端部は、端子211Bに接続される。配線213Bの他端部は、フレーム部2Bに配置される。配線213Bの他端部は、端子212Bに接続される。端子211Bは、配線213Bを介して端子212Bと電気的に接続される。配線213Bは、フレーム部2Aとフレーム部2Bとの間において、フレキシブル部3Bに配置される。
【0132】
この変形例では、シールドパターン形成工程(
図6参照)の後に、配線形成工程(
図5参照)を実施する。
【0133】
詳しくは、
図6に示すように、シールドパターン形成工程では、厚み方向における第1絶縁層12の一方側に、シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fを形成する。詳しくは、シールドパターン形成工程では、電解メッキにより、厚み方向における第1絶縁層12の一方側に、第2導体層M2を形成する。
【0134】
第2導体層M2は、上記した端子211A,211B,212A,212Bのそれぞれの第1層2111と、上記したグランド端子14A,14B,14C,14D,14E,14Fのそれぞれの第1層141と、上記したシールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fとを含む。言い換えると、端子211A,211B,212A,212Bのそれぞれの第1層2111は、第2導体層M2から作られる。つまり、この変形例では、端子211A,211B,212A,212Bのそれぞれの第1層2111は、シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fと同じ導体層(第2導体層M2)から作られる。
【0135】
次に、
図5に示すように、配線形成工程では、厚み方向における第1絶縁層12の一方側に、配線213A,213Bを形成する。詳しくは、配線形成工程では、電解メッキにより、厚み方向における第1絶縁層12の一方側に、第1導体層M1を形成する。
【0136】
第1導体層M1は、上記した端子211A,211B,212A,212Bのそれぞれの第2層2112と、配線213A,213Bと、上記したグランド端子14A,14B,14C,14D,14E,14Fのそれぞれの第2層142とを含む。言い換えると、端子211A,211B,212A,212Bのそれぞれの第2層2112は、第1導体層M1から作られる。つまり、この変形例では、端子211A,211B,212A,212Bのそれぞれの第2層2112は、配線213A,213Bと同じ導体層(第1導体層M1)から作られる。また、この変形例でも、シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fは、配線213A,213Bと異なる導体層(第2導体層M2)から作られる。
【0137】
図7に示すように、この変形例では、第1導体層M1は、第2導体層M2よりも厚い。
【0138】
(2)
図8に示すように、シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fは、配線133A,133B,133C,133Dと同じ第1導体層M1から形成されてもよい。この場合、シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fは、開口30を有する。
【0139】
この変形例によれば、シールドパターン15Aが開口30を有する。つまり、開口30の分、シールドパターン15Aの面積を低減できる。
【0140】
そのため、シールドパターン15Aと配線133Aとを同時に形成した場合でも、シールドパターン15Aの形成が配線133Aの形成に影響することを抑制できる。
【0141】
その結果、シールドパターン15Aと隣り合う配線133Aの一部と、シールドパターン15Aと隣り合わない配線133Aの残部との間で厚みに差が生じることを抑制できる。
【0142】
(3)なお、
図9に示すように、シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fは、複数の開口30を有してもよい。開口30の形状は、限定されない。
【0143】
(4)また、
図10に示すように、シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fが開口30を有する場合でも、シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fを、配線133A,133B,133C,133Dを形成する第1導体層M1と異なる第2導体層M2から形成してもよい。
【0144】
(5)シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fは、グランド端子14A,14B,14C,14D,14E,14Fから独立していてもよい。シールドパターン15A,15B,15C,15D,15E,15Fは、グランド端子14A,14B,14C,14D,14E,14Fと接続されていなくてもよい。
【0145】
(6)変形例(1)から(5)でも、上記した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0146】
1 配線回路基板
2A フレーム部
3A フレキシブル部
11 金属支持層
12 第1絶縁層(絶縁層の一例)
13A 配線パターン
131A 端子
1311 第1層
1312 第2層
133A 配線
15A シールドパターン
30 開口
M1 第1導体層
M2 第2導体層