(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168266
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】シュリンク包装発破用込物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B65B 53/02 20060101AFI20241128BHJP
B65B 9/06 20120101ALI20241128BHJP
B65B 53/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B65B53/02
B65B9/06
B65B53/00 B
B65B53/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084785
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】513248957
【氏名又は名称】株式会社アンカー
(74)【代理人】
【識別番号】100091465
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 久夫
(72)【発明者】
【氏名】藤居 誠
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA03
3E050AB02
3E050AB08
3E050BA08
3E050BA20
3E050CA01
3E050DB01
3E050DD03
3E050DF01
3E050FA02
3E050FB02
3E050GB06
3E050JA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】シュリンク包装されたアンコを提供する。
【解決手段】発破孔に挿入可能な直径の長尺で、変形可能な棒状粘土体を長手方向に分断して短尺の棒状アンコに成形し、その長手方向がベルトコンベア3で搬送される熱収縮性軟質合成樹脂フィルム4上に、所定間隔で配置しつつ搬送され、所定速度で搬送される隣接する棒状アンコ間をピロー包装機等で好ましくは脱気可能に、筒状フィルム内に短尺の棒状アンコ収納した予備包装体10を成形し、予備包装体を加熱して、脱気しつつ筒状フィルムを収縮させて予備包装体内に短尺の棒状アンコを密封する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)発破孔に挿入可能な直径の長尺で、変形可能な棒状粘土体を長手方向所定長さに分断して短尺の棒状アンコ(発破用込物)に成形する工程と、
B)この分断棒状アンコをベルトコンベアで搬送される熱収縮性軟質合成樹脂フィルム上に所定間隔で配置しつつ搬送する工程と、
C)所定速度で搬送される棒状アンコをピロー包装機等の包装機械で筒状フィルム内に包装し、棒状アンコ収納した予備包装体を成形する工程と、
D)該予備包装体を加熱して、上記筒状フィルムを収縮させて棒状アンコに密着させて密封する工程と、を含み、
予備包装体の筒状フィルムがシュリンクして密着密封した短尺の棒状アンコを得ることを特徴とするシュリンク包装アンコの製造方法。
【請求項2】
熱収縮性合成樹脂フィルムがPET(ポリエチレンテレフタレート)、PO(ポリオレフィン)、PS(ポリスチレン)、サトウキビ原料を原料とした環境配慮型フィルム、PVC(ポリ塩化ビニル)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PEとPPの多層構造フィルムからなる群から選ばれる1種である請求項1記載のシュリンク包装アンコの製造方法。
【請求項3】
熱収縮性合成樹脂フィルムが加熱工程(D)での熱収縮時に、60~140℃における幅方向の最大収縮応力が400g/mm2以下、長さ方向の最大収縮応力が500g/mm2以下であって、棒状アンコの軟質変形性を有する請求項2記載のシュリンク包装アンコの製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載のシュリンク包装方法により製造され、短尺の棒状アンコを熱収縮性合成樹脂フィルムからなる筒状フィルム内に包装し、熱収縮させて密封してなり、外部押圧により裸アンコと実質的に同じ変形能の軟質性状を有することを特徴とするシュリンク包装アンコ。
【請求項5】
熱収縮性合成樹脂フィルムがPET(ポリエチレンテレフタレート)、PO(ポリオレフィン)、PS(ポリスチレン)、サトウキビ原料を原料とした環境配慮型フィルム、PVC(ポリ塩化ビニル)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PEとPPの多層構造フィルムからなる群から選ばれる1種であって、容量増加率10%以内である請求項4記載のシュリンク包装アンコ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟質固体形である発破用込物(アンコ)包装物であって、熱収縮性を有するフィルムを用いて包装した後、該フィルムを熱収縮させて製造するシュリンク包装アンコ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、トンネル現場等の土木工事においては、
図7(a)に示すように、細長いロッドの先端に専用器具(ビット)を取り付け、打撃と回転を加えながら深さ1~2mほどの穴を100個前後開ける削孔作業の工程の後、
図7(b)に示すように、多数の削孔に爆薬を細長い込め棒を用いて所定の位置まで押し込み、発破の際の火薬の効果を増すために、軟質固形物である粘土状の込め物(アンコ)で孔を完全に塞ぐ装薬作業を行っている。かかる装薬作業は危険を伴う作業であるので、最近では
図8(a)に示すように、遠方から自動装填機などの機械を操作して行うようになっており、
図8(b)に示すように、アンコはシュートから装填機を通って装填ホースに、そこから装填パイプを介して削孔内の爆薬後方の削孔を塞ぐようにしている。通常、軟質固形物であるアンコは保存中の乾燥を防ぐために、円柱状のアンコを1本、1本を、ポリ袋に入れて貯蔵されるのが通例となっている。しかしながら、軟質固形物のアンコの収納作業上、
図6に示すように、広めのポリ袋に収納しているため、内容物アンコの周囲にポリ袋の余白が多く残るとともに、アンコ周囲に空気が残るため、自動装填工程で機械の各部分に引っ掛かって、自動操業に支障を与える原因となっている。すなわち、装薬手順は,まず親ダイ(爆薬+雷管)を装填パイプの先端に取り付け,発破孔の 孔尻へエア圧送する。次に,増ダイ(爆薬 のみ)は手元の操作ボタンで所定の数量を設定し,増しダイ発射指令ボタンを押し、設定数の増ダイが連続的に孔内を圧送・装填される。すべての増ダイの装填が確認されると,次にアンコ装填指令で,所定数の連続整形されたアンコが同じ装填装置を通って圧送されるため、
図6に示すアンコの自動装填工程では包装フィルムの余白が機械の各部分に引っ掛かって、自動操業に支障を与える原因となっている.
【0003】
軟質固形物である棒状のアンコの収納上、ポリ袋に密着して収納するのが困難であるため、広めのポリ袋に収納するため、容量が裸アンコに対し10%以上15%程度増加する。そのため、自動装填にあたって、接着テープ等で巻締してコンパクトに仕上げる要求があるが、裸アンコの性状が変わる恐れがあるとともに、かかる後作業は1本10円程度の単価のアンコ製造にとって大きなコスト負担となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、軟質アンコの性状を壊すことなく密封包装してアンコの乾燥を防止し、
図8(b)に示すアンコの自動装填に支障のないように包装されたシュリンク包装アンコの提供が望まれる。そこで、かかるシュリンク包装アンコを提供することを本発明の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者はアンコ包装の問題点に鑑み、鋭意研究の結果、アンコの削孔への充填に支障を来すことのない性状を確保しつつ裸アンコの乾燥を防止し、しかもアンコの自動装填に支障のないように包装されたアンコを大量生産するには、軟質の熱収縮性フィルムで食品をシュリンク包装する技術が最適であることを見出した。本発明はかかる観点に基づいて製造されたシュリンク包装されたアンコを提供するもので、A)発破孔に挿入可能な直径の長尺で、変形可能な棒状粘土体を長手方向に分断して短尺の棒状アンコ(発破用込物)に成形する工程と、B)この棒状アンコをその長手方向がベルトコンベアで搬送される熱収縮性軟質合成樹脂フィルム上に、所定間隔で配置しつつ搬送する工程と、C)所定速度で搬送される隣接する棒状アンコ間をピロー包装機等で好ましくは脱気可能に、筒状フィルム内に短尺の棒状アンコ収納した予備包装体を成形する工程と、D)該予備包装体を加熱して、脱気しつつ上記筒状フィルムを収縮させて予備包装体内に短尺の棒状アンコを密封する工程とからなる方法で製造されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、
図4及び
図5に示すように、裸アンコは軟質の熱収縮性フィルムでシュリンク包装されるので、裸アンコの性状を実質的に変えることがない。しかも、軟質の熱収縮性フィルムでシュリンクして密封されるので、包装による容積増加は10%以内に留まり、自動装填機による自動装填に支障のないシュリンク包装アンコを提供することができる。
【0007】
本発明においては、アンコをシュリンク包装する筒状フィルムは、最もポピュラーなPET(ポリエチレンテレフタレート)、低コストなPO(ポリオレフィン)、PS(ポリスチレン)、サトウキビ原料を原料とした環境配慮型フィルム、PVC(ポリ塩化ビニル)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PEとPPの多層構造フィルム等が挙げられ、特に、熱収縮工程での、60~140℃における幅方向の最大収縮応力が400g/mm2以下、長さ方向の最大収縮応力が500g/mm2以下であるのが好ましく、収縮前の筒状フィルムの幅方向の全周が被包装物の幅方向の最大外周に対し包み込みできる大きさであると、シュリンク包装により裸アンコの性状を変えることがない。上記筒状フィルムは熱収縮率がシュリンク包装によりが裸アンコ時の性状を実質的に変化させることが無く、容積増加が少ないように選ばれる。
【0008】
すなわち、かかるシュリンク包装は、熱収縮後のフィルムの性状が軟質で、適当であるので、アンコを必要以上にフィルムで締めつけてしまう場合がない。このようなシュリンク包装アンコは柔らかく包装されており、シュリンク包装することによって押しつぶし、アンコによる削孔封鎖を低下させてしまう恐れがない。そのため、ラップ類を用いて個々に手作業で包装する場合と同様削孔封鎖作業に支障を来すことがない。
【0009】
上記本発明のシュリンク包装方法は、被包装物であるアンコの形状が棒状であり、被包装物の長尺方向が筒状フィルムの長さ方向に平行になるように又は直交して配置し、被包装物のアンコは軟質筒状フィルム内に収納される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明のシュリンク包装方法を実施する第1実施例を示す斜視図である。
【
図2】本発明のシュリンク包装方法を実施する第2実施例を示す斜視図である。
【
図3】本発明のシュリンク包装方法を実施する第3実施例を示す斜視図である。
【
図4】本発明方法でシュリンク包装されたアンコの実物写真である
【
図5(a)】本発明方法でシュリンク包装されたアンコの模式図(a)である
【
図5(b)】本発明方法でシュリンク包装されたアンコの模式図のA-A線断面図である。
【
図7(a)】トンネル内での削孔工程を示す模式図(a)である。
【
図7(b)】トンネル内での爆薬及びアンコの装填工程を示す模式図(b)である。
【
図8(a)】自動装填装置の全体を示す模式図である。
【
図8(b)】自動装填装置の全体を示す模式図の爆薬及びアンコの自動装填工程の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のシュリンク包装方法の特徴は、予備包装体を形成する際に、アンコを収納し、包装する筒状フィルムの一方の開口端を密封シールせずに被包装物の下方に折り込むか内方に押し込み、他方の開口端は密封シールするか或いは同様に被包装物の下方に折り込み、非密封状態で熱収縮させる。四方をシールする場合は脱気孔を設けるのが空気の残留を少なくしてフィルムの裸アンコへの密着密封に役立つ。
【0012】
図1に、本発明のシュリンク包装方法の一実施形態の工程を模式的に示す。図中、1は発破用込物(アンコ)であり、粘土に所要の添加物帯電防止剤等を添加して軟質の変形可能な長尺の棒状固形物として成形され、カッター2で所定の長さに切断されてベルトコンベア3上に送られる。4は熱収縮性合成樹脂フィルムのロールで、一枚のフィルムを折りたたみ機5で背中合わせに筒状にした状態で、この中に切断した短尺のアンコ1を1個ずつ折り込み、図では上部をシール機6でシールして抑え機7で抑え、切断機8にて所定長さで切断し、アンコ予備包装体10を形成し、シュリンクヒータ9で加熱してするシュリンク包装する方法であって、枕に似ていることからピロー包装といわれている。
図1では横型ピロー包装機を示したが、フィルムを縦に移動させながら縦型に袋を形成し、収納することも可能である。また、
図2および
図3に示すシュリンク包装方法を適用することもできる。
図2では2つ折りにされた原反ロールフィルム(半折フィルム)4‘を用いてフィルムの折り目以外の三面をL型シール11で溶断し、シール線はコの字とする予備包装体10を形成し、シュリンクヒータ9でシュリンクさせるL型三方包装機を示す。中低速ではあるが、一方が開放された予備包装体10’の包装寸法を容易に変えられ特徴を有している。他方、
図3はフラットな原反ロールフィルム4‘’を用いて下部センターシール11‘でピローの縫い目のように包装し、上下一対の前後シール12、12で溶断し、H型(三面)にフィルムをシールし、予備包装体10を形成し、シュリンクヒータ9でシュリンクする、ピロー型三方包装機であって、一定の大きさのものを高速で包装できる特徴を有している。同一部材には
図1と同一番号を付して詳細な説明を省略する。
【0013】
かかる筒状となるフィルムは、特に熱収縮性を有すれば、制限はないが、最もポピュラーなPET(ポリエチレンテレフタレート)、低コストなPO(ポリオレフィン)、PS(ポリスチレン)、サトウキビ原料を原料とした環境配慮型フィルム、PVC(ポリ塩化ビニル)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PEとPPの多層構造フィルム等が挙げられ、シュリンクヒータ9で、60~140℃における幅方向の最大収縮応力が400g/mm2以下、長さ方向の最大収縮応力が500g/mm2以下であるのが好ましく、収縮前の筒状フィルムの幅方向の全周が被包装物の幅方向の最大外周に対し包み込みできる大きさであると、裸アンコの性状を変えることなく、包装することができる。
【0014】
本発明においては、
図1に示すように、先ず長尺の棒状アンコを所定の寸法で切断し、裸アンコ1を形成する。次いでベルトコンベア3で搬送される熱収縮性合成樹脂フィルム4上に一定間隔で載置し、筒状としたフィルム2内に収納する。裸アンコ1の形状が本実施形態の如く棒状であれば、ここでは、アンコ1の長尺方向と筒状フィルム2の長さ方向とが平行になるように載置する。
【0015】
本発明に用いられる熱収縮性合成樹脂フィルムとしては、特に制限はなく、従来のシュリンク包装に用いられていた種々のシュリンクフィルムが用いられるが、シュリンク包装後のアンコ1の性状を阻害しない軟質のものが選ばれる。具体的には、ポリエチレン系樹脂フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルム、架橋処理されたポリエチレン系樹脂フィルム、或いはこれらの樹脂フィルムを積層させた多層のフィルム、或いは、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルム、塩化ビニリデン系樹脂等の酸素遮断性樹脂層を含む多層のフィルム等が好ましく用いられる。
【0016】
本発明においては、熱収縮性合成樹脂フィルムとして、いずれの方向においても該収縮応力の小さいフィルムを用いた場合に、熱収縮した際にアンコ1を強く締めつけることがない。好ましくは、60~140℃における幅方向の最大収縮応力が400g/mm2以下、長さ方向の最大収縮応力が500g/mm2以下のフィルムを用いることが望ましい。
【0017】
また、かかるフィルムの熱収縮率としては、シュリンク後の物性を考慮して好ましくは、幅方向の熱収縮率は5~85%、長さ方向は5~85%であるものが選ばれる。よって、熱収縮性合成樹脂フィルムとしては、一軸延伸フィルムや二軸延伸フィルムを適宜用いることができる。尚、該熱収縮率は、ASTM D2732による80℃×4秒間における熱収縮率とする。
【0018】
筒状フィルム4としては、
図1に示すようにフィルム形成時にインフレーション成形等により接合部のない筒状に形成したものや、2枚のフィルムを重ね、相対する一対の側縁を夫々接合して筒状としたもの、或いは、1枚のフィルムを二つ折りにして自由端を重ねて接合したもの、1枚のフィルムの相対する一対の側縁を内側に折り込んで互いに重ねて接合したもの等、適宜選択することができる。
【0019】
アンコを包装する場合には、被包装物アンコ1の下方に接合部を位置させるか、或いは、接合部のないフィルムを用いることが望ましい場合がある。
【0020】
当該工程においては、筒状フィルム4が余裕を持って被包装物1を収納できれば良く、筒状フィルム2の幅方向の全周が、被包装物1の幅方向の外周の105~110%となるように、被包装物1の大きさに合わせて筒状フィルム2の幅を設定することが好ましい。
【0021】
次いで、アンコ1を収納した筒状フィルム4の開口端を下方に折り込み、予備包装体10を形成する。この時、両方の開口端3を折り込んでも良いが、一方の開口端は通常、密封シールされる。密封シールは従来のような熱融着や、接着剤を用いた接着等適宜手法を選択することができる。
【0022】
次いで、予備包装体10を加熱することにより、筒状フィルム4を熱収縮させて被包装物であるアンコ1に密着させ、シュリンク包装アンコWを得る。予備包装体10の加熱方法としては、特に限定されず、熱風、加熱スチーム、赤外線などを利用することができる。
【0023】
本発明においては、予備包装体10において筒状フィルム2の少なくとも一方の開口端3が被包装物1の下方に折り込まれ、フィルム同士が密着しているだけで密封されていない。そのため、加熱により一旦膨張した予備包装体10の内部の空気が、筒状フィルム4の収縮によって押された圧力によって、当該密着部分を抜けて外部へと排出され、筒状フィルム4が被包装物アンコ1に密着する。
【実施例0024】
長尺の棒状アンコに長尺方向に切れ目を入れ、予備包装体10を作った。
【0025】
包装用のフィルムとしては、架橋二軸延伸ポリオレフィン系多層フィルム(熱収縮率:120℃において、縦方向が67%、横方向が70%、最大収縮応力が120℃において110g/mm2)を、包装機としては、市販のストレッチ&シュリンク包装機を用いた。また、上記裸アンコ1をフィルムの幅方向の全周が外周の105%となるように設定し、長さ方向がおよそ5cmとなるようにフィルムを切断して両端を裸アンコ1の下方に折り込んで予備包装体10を形成し、140℃に設定したシュリンクヒータ9に該予備包装体を3秒間通して熱収縮させ、本発明のシュリンク包装アンコWを得た。
【0026】
得られたシュリンク包装アンコWは、
図4に示すように適度にフィルムが裸アンコ1に密着して包装体内で動かず、また、裸アンコ1がフィルムで締めつけられていないために裸アンコの性状を阻害することない。
図5(a)はその模式斜視図で、(b)はその断面図を示す。
【0027】
本発明のシュリンク包装方法によれば、被包装物の下方に折り込んだフィルムの密着部分より内部の空気が排出されて良好にフィルムが熱収縮して被包装物に密着、包装することができる。また、該包装方法による本発明の包装体は、被包装物が柔らかいものであっても、該被包装物をつぶすことなく削孔の封鎖に支障を来すことがない。
【0028】
さらに、本発明のシュリンク包装方法において、筒状フィルムの、60~140℃における幅方向の最大収縮応力を400g/mm2以下、長さ方向の最大収縮応力を500g/mm2以下に設定することにより、柔らかいアンコを包装する場合であっても、フィルムの収縮によって被包装物を極端に締めつけることがなく、適度にフィルムを被包装物に密着させて包装することができる。よって、本発明によれば、アンコの包装においても、押しつぶすことなく、シュリンク包装することが可能となり、支障のない自動装填用シュリンク包装アンコを提供することが可能となる。
(装填効率及び発破効率の比較)
【0029】
図8(b)の爆薬遠隔装填装置を使用して従来の包装フィルムでアンコを包装した包装体(
図6)を使用すると、容積率は10から15%以上増加するが、人力装填に比べ、同一材料で装填長が30~40%程度短くなり、装填時間が50%程度短縮されるとの報告がある。
図4の本発明のシュリンク包装アンコを使用すると、その容積率の増加は10%以下、好ましくは5%以下となり、装填効率と発破効率を比較すると次の通りであった。
図6の場合より装填長、装填時間はそれほど向上しないが、装填ミスがほとんど生じないので、総装填時間の短縮となる。しかも充填密度は向上し、発破効率が上昇するので、薬量(Kg/孔)の節約となる。