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  • 特開-真空管支持構造 図1
  • 特開-真空管支持構造 図2
  • 特開-真空管支持構造 図3
  • 特開-真空管支持構造 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168278
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】真空管支持構造
(51)【国際特許分類】
   H05G 1/02 20060101AFI20241128BHJP
   H01J 35/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H05G1/02 P
H05G1/02 H
H01J35/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084819
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】田口 友也
(72)【発明者】
【氏名】節田 和紀
【テーマコード(参考)】
4C092
【Fターム(参考)】
4C092AB12
4C092BD17
(57)【要約】
【課題】内部の温度が上昇しにくい真空管支持構造を提供する。
【解決手段】真空管と、前記真空管を覆うカバーと、前記真空管と前記カバーを支持する支持部材とを有し、前記カバーは、流体を前記カバー内に導入するために前記カバーを通過させる流体導入部と、前記流体を前記カバー内から排出するために前記カバーを通過させる流体排出部とを有し、前記流体導入部から導入された前記流体は、前記真空管に接し前記流体排出部を通して排出される、真空管支持構造。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空管と、
前記真空管を覆うカバーと、
前記真空管と前記カバーを支持する支持部材とを有し、
前記カバーは、流体を前記カバー内に導入するために前記カバーを通過させる流体導入部と、前記流体を前記カバー内から排出するために前記カバーを通過させる流体排出部とを有し、
前記流体導入部から導入された前記流体は、前記真空管に接し前記流体排出部を通して排出される、真空管支持構造。
【請求項2】
前記流体排出部は、前記真空管の配線を通過させる、請求項1に記載の真空管支持構造。
【請求項3】
流体供給装置を有し、
前記流体供給装置は前記流体を前記流体導入部に供給する、請求項1に記載の真空管支持構造。
【請求項4】
前記流体供給装置は、前記流体導入部に連結する配管を有し、
前記配管は前記流体を前記流体導入部に供給する、請求項3に記載の真空管支持構造。
【請求項5】
前記流体供給装置は、前記流体を送るファンを有する、請求項3に記載の真空管支持構造。
【請求項6】
前記流体供給装置は、前記流体を冷却できる冷却装置を有する、請求項3に記載の真空管支持構造。
【請求項7】
前記流体供給装置は、前記流体の温度を調整できる温度調整装置を有する、請求項3に記載の真空管支持構造。
【請求項8】
流体排出装置を有し、
前記流体排出装置は前記流体を前記流体排出部から排出する、請求項1に記載の真空管支持構造。
【請求項9】
前記流体排出装置は、前記流体排出部に連結する配管を有し、
前記配管は前記流体を前記流体排出部から排出する、請求項8に記載の真空管支持構造。
【請求項10】
前記流体排出装置は、前記流体を送るファンを有する、請求項8に記載の真空管支持構造。
【請求項11】
請求項1に記載の真空管支持構造を有し、
前記真空管から被測定物に照射された電磁波を受けることによって前記被測定物の物理量を測定するセンサ。
【請求項12】
請求項11に記載のセンサと、
前記被測定物の移動方向に対する交差方向に前記センサを移動する移動装置とを有する測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は真空管支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
真空管を収納し支持するための真空管支持構造が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6704100号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような真空管支持構造は、真空管の発熱により真空管支持構造内部の温度が上昇し、真空管の劣化が早まる。
【0005】
そこで本発明の目的は、内部の温度が上昇しにくい真空管支持構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は以下のとおりである。
【0007】
[1]
真空管と、
前記真空管を覆うカバーと、
前記真空管と前記カバーを支持する支持部材とを有し、
前記カバーは、流体を前記カバー内に導入するために前記カバーを通過させる流体導入部と、前記流体を前記カバー内から排出するために前記カバーを通過させる流体排出部とを有し、
前記流体導入部から導入された前記流体は、前記真空管に接し前記流体排出部を通して排出される、真空管支持構造。
【0008】
[2]
前記流体排出部は、前記真空管の配線を通過させる、[1]に記載の真空管支持構造。
【0009】
[3]
流体供給装置を有し、
前記流体供給装置は前記流体を前記流体導入部に供給する、[1]又は[2]に記載の真空管支持構造。
【0010】
[4]
前記流体供給装置は、前記流体導入部に連結する配管を有し、
前記配管は前記流体を前記流体導入部に供給する、[3]に記載の真空管支持構造。
【0011】
[5]
前記流体供給装置は、前記流体を送るファンを有する、[3]又は[4]に記載の真空管支持構造。
【0012】
[6]
前記流体供給装置は、前記流体を冷却できる冷却装置を有する、[3]~[5]の何れか1項に記載の真空管支持構造。
【0013】
[7]
前記流体供給装置は、前記流体の温度を調整できる温度調整装置を有する、[3]~[5]の何れか1項に記載の真空管支持構造。
【0014】
[8]
流体排出装置を有し、
前記流体排出装置は前記流体を前記流体排出部から排出する、[1]~[7]の何れか1項に記載の真空管支持構造。
【0015】
[9]
前記流体排出装置は、前記流体排出部に連結する配管を有し、
前記配管は前記流体を前記流体排出部から排出する、[8]に記載の真空管支持構造。
【0016】
[10]
前記流体排出装置は、前記流体を送るファンを有する、[8]又は[9]に記載の真空管支持構造。
【0017】
[11]
[1]~[10]の何れか1項に記載の真空管支持構造を有し、
前記真空管から被測定物に照射された電磁波を受けることによって前記被測定物の物理量を測定するセンサ。
【0018】
[12]
[11]に記載のセンサと、
前記被測定物の移動方向に対する交差方向に前記センサを移動する移動装置とを有する測定装置。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、内部の温度が上昇しにくい真空管支持構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態の測定装置の外観図である。
図2図1に示す測定装置のセンサを示す外観図である。
図3図2に示すセンサの真空管支持構造を示す断面図である。
図4図3に示す真空管支持構造の他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。
【0022】
図1図3に示すように、本発明の一実施形態において、真空管支持構造1は、真空管2と、真空管2を覆うカバー3と、真空管2とカバー3を支持する支持部材4とを有し、カバー3は、流体をカバー3内に導入するためにカバー3を通過させる流体導入部5と、流体をカバー3内から排出するためにカバー3を通過させる流体排出部6とを有し、流体導入部5から導入された流体は、真空管2に接し流体排出部6を通して排出される。
【0023】
上記構成によれば、真空管2を覆うカバー3により、真空管2に印加される高電圧から周囲を保護できる。また、流体導入部5からカバー3内に導入された流体が真空管2に接することで、真空管2が発する熱を奪い、カバー3内から流体排出部6を通して排出されるので、カバー3内の温度の上昇を抑制できる。したがって、内部の温度が上昇しにくい真空管支持構造1が実現でき、その結果、真空管2の劣化が抑制され、例えば真空管2の交換作業を減らすことができる。
【0024】
流体排出部6は、真空管2の配線7を通過させる。上記構成によれば、流体排出部6を真空管2の配線7の通過部として共用できるので、真空管支持構造1を簡単にできる。
【0025】
真空管支持構造1は流体供給装置8を有し、流体供給装置8は流体を流体導入部5に供給する。上記構成によれば、流体供給装置8によって流体を容易にカバー3内に導入できる。
【0026】
流体供給装置8は、流体導入部5に連結する配管8aを有し、配管8aは流体を流体導入部5に供給する。上記構成によれば、配管8aを利用することで所望の場所から流体導入部5へ流体を導入できる。
【0027】
図4に示す例のように、流体供給装置8は流体を送るファン8bを有する構成としてもよい。上記構成によれば、ファン8bによって流体を流体導入部5に送ることができるので、流体供給装置8の構造を簡単にできる。
【0028】
図4に示す例のように、流体供給装置8は流体を冷却できる冷却装置8cを有する構成としてもよい。上記構成によれば、冷却装置8cによって冷却した流体を供給できるので、より一層内部の温度が上昇しにくい真空管支持構造1が実現できる。
【0029】
図示はしないが、流体供給装置8は流体の温度を調整できる温度調整装置を有する構成としてもよい。上記構成によれば、温度調整装置によって適度に冷却した流体を供給できるので、真空管支持構造1の内部の温度を適度に抑制できる。
【0030】
図示はしないが、真空管支持構造1は流体排出装置を有し、流体排出装置は流体を流体排出部6から排出する構成としてもよい。上記構成によれば、流体排出装置によって流体を容易にカバー3内から排出できる。
【0031】
図示はしないが、流体排出装置は流体排出部6に連結する配管8aを有し、配管8aは流体を流体排出部6から排出する構成としてもよい。上記構成によれば、配管8aを利用することで流体排出部6から所望の場所へ流体を排出できる。
【0032】
図示はしないが、流体排出装置は流体を送るファン8bを有する構成としてもよい。上記構成によれば、ファン8bによって流体排出部6から排出することができるので、流体排出装置の構造を簡単にできる。
【0033】
カバー3は、支持部材4に支持される一端部を有する周壁部材3aと、周壁部材3aの他端部に設けられる端部材3bとを有する。上記構成によれば、簡単な構造でカバー3を実現できる。
【0034】
流体導入部5及び流体排出部6は周壁部材3aに位置する。上記構成によれば、真空管2が発する熱を効率的に奪い、カバー3内の温度の上昇をより一層抑制できる。
【0035】
真空管2は、X線を出射するX線管である。上記構成によれば、X線管は発熱による劣化を特に生じ易いため、内部の温度が上昇しにくい真空管支持構造1を利用することで、劣化を顕著に抑制できる。なお、真空管2はX線管である構成に限らず、X線以外の電磁波を出射する構成としてもよい。
【0036】
真空管支持構造1は、真空管2が発する電磁波を真空管支持構造1内から出射するために真空管支持構造1を通過させる電磁波通過部9を有する。上記構成によれば、電磁波通過部9を通して電磁波を出射することができる。図3図4に示すように、支持部材4は電磁波通過部9を有するが、これに限らない。
【0037】
センサ10は、真空管支持構造1を有し、真空管2から被測定物11に照射された電磁波を受けることによって被測定物11の物理量を測定する。より具体的には、センサ10は、真空管支持構造1を有し真空管2から電磁波を被測定物11に照射する発信部12と、被測定物11に照射された電磁波を受ける受信部13とを有する。上記構成によれば、内部の温度が上昇しにくい真空管支持構造1を有するセンサ10が実現できる。
【0038】
図1に示すように、センサ10は、発信部12と受信部13が被測定物11から見て異なる側に設置される透過型であるが、これに限らず、発信部12と受信部13が被測定物11から見て同じ側に設置される反射型として構成してもよい。
【0039】
センサ10は真空管2に電力を供給する電源部14を有し、電源部14は支持部材4によって支持される。上記構成によれば、センサ10の構造を簡単にできる。
【0040】
測定装置15は、センサ10と、被測定物11の移動方向(図1の太線矢印参照)に対する交差方向(図1の太線両矢印参照)にセンサ10を移動する移動装置16とを有する。上記構成によれば、内部の温度が上昇しにくい真空管支持構造1を有する測定装置15が実現できる。
【0041】
測定装置15は、被測定物11が流れる生産ライン上に設置される。上記構成によれば、生産ライン上で、被測定物11の物理量を測定できる。
【0042】
測定装置15は、受信部13によって受信された電磁波の強度によって被測定物11の厚さを測定する坪量計等の厚さ計として構成される。上記構成によれば、内部の温度が上昇しにくい真空管支持構造1を有する厚さ計が実現できる。
【0043】
本発明は前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 真空管支持構造
2 真空管
3 カバー
3a 周壁部材
3b 端部材
4 支持部材
5 流体導入部
6 流体排出部
7 配線
8 流体供給装置
8a 配管
8b ファン
8c 冷却装置
9 電磁波通過部
10 センサ
11 被測定物
12 発信部
13 受信部
14 電源部
15 測定装置
16 移動装置
図1
図2
図3
図4