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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001683
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/455 20180101AFI20231227BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20231227BHJP
【FI】
G06F9/455 150
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100512
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本田 卓也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】本開示の技術は、ネットワークを介した管理に対応していない装置であっても、ネットワークを介した管理に対応させることが可能な情報処理装置、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】情報処理装置10は、メモリと、プロセッサと、を備え、前記プロセッサは、第一装置の情報を用いて仮想的に実現される第一仮想装置と、第二装置の情報を用いて仮想的に実現される第二仮想装置とを、前記メモリに記憶し、自装置の通信部と通信可能な前記第一装置から、前記第一装置の情報を取得して、取得した前記第一装置の情報を前記第一仮想装置に反映し、前記通信部と通信不能な第二装置から、前記第一装置を介して、前記第二装置の情報を取得して、取得した前記第二装置の情報を前記第二仮想装置に反映し、前記第一仮想装置に反映された前記第一装置の情報を利用し、前記第二仮想装置に反映された前記第二装置の情報を利用する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリと、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
第一装置の情報を用いて仮想的に実現される第一仮想装置と、第二装置の情報を用いて仮想的に実現される第二仮想装置とを、前記メモリに記憶し、
自装置の通信部と通信可能な前記第一装置から、前記第一装置の情報を取得して、取得した前記第一装置の情報を前記第一仮想装置に反映し、
前記通信部と通信不能な第二装置から、前記第一装置を介して、前記第二装置の情報を取得して、取得した前記第二装置の情報を前記第二仮想装置に反映し、
前記第一仮想装置に反映された前記第一装置の情報を利用し、前記第二仮想装置に反映された前記第二装置の情報を利用する
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記第一装置の情報を、当該第一装置の設置時に受信する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記第二装置の情報を、前記第一装置の設置時の情報の受信を契機に取得する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記第一装置の情報と、当該第一装置の設置時に当該第一装置が当該第二装置から取得した第二装置の情報と、を当該第一装置の設置時に受信する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記第二装置を、当該第二装置の情報を取得する前記第一装置と紐付けて記憶する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記第一装置が予め定められた状態になった場合に、当該第一装置と前記第二装置との紐付けを解除し、他の装置と当該第二装置とを紐付けて、当該他の装置から当該第二装置の情報を取得可能にする
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第一装置の情報及び前記第二装置の情報は、ビリング情報、トナー残量、用紙残量、パーツ交換通知、消耗品交換通知、故障通知又は各種装置情報を含む管理情報ベースの情報である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
予め定められたタイミングで、前記第一仮想装置と前記第一装置との間で当該第一装置の情報を同期し、前記第二仮想装置と前記第二装置との間で当該第二装置の情報を同期する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
取得した前記第二装置の情報が予め定めた要件を満たす場合、前記第二装置の情報を前記第二仮想装置に反映する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第一装置の情報は、前記第一装置を識別する識別情報を含み、前記第二装置の情報は、前記第二装置を識別する識別情報を含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
第一装置の情報を用いて仮想的に実現される第一仮想装置と、第二装置の情報を用いて仮想的に実現される第二仮想装置とを、メモリに記憶させ、
自装置の通信部と通信可能な前記第一装置から、前記第一装置の情報を取得して、取得した前記第一装置の情報を前記第一仮想装置に反映し、
前記通信部と通信不能な第二装置から、前記第一装置を介して、前記第二装置の情報を取得して、取得した前記第二装置の情報を前記第二仮想装置に反映し、
前記第一仮想装置に反映された前記第一装置の情報を利用し、前記第二仮想装置に反映された前記第二装置の情報を利用する
ことをプロセッサに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術は、情報処理装置、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のベンダーによるベンダー機器を管理する技術がある。
特許文献1には、ネットワーク管理プロトコルを用いて複数ベンダーによるベンダー機器の管理を行う管理装置であって、前記複数のベンダー機器から機器情報を取得するための取得情報を記憶した記憶手段と、前記取得情報に基づいて、前記複数のベンダー機器からの機器情報を取得する取得手段と、前記複数のベンダー機器から取得された機器情報をベンダー毎に対応付けて管理する管理手段とを備え、前記取得情報は、前記複数のベンダー機器全てから共通して取得可能な標準機器情報の所在情報と、前記複数のベンダー毎に依存しベンダー機器毎に取得可能な拡張機器情報の所在情報と、を含み、前記取得手段は、第1ベンダー機器からは、前記標準機器情報の所在情報に基づく標準機器情報と、当該第1ベンダー機器の拡張機器情報の所在情報に基づく第1拡張機器情報とを取得し、また、第2ベンダー機器からは、前記標準機器情報の所在情報に基づく標準機器情報と、当該第2ベンダー機器の拡張機器情報の所在情報に基づく第2拡張機器情報とを取得すること、を特徴とする管理装置、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-159127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ネットワークを介して装置を管理することができる技術が知られている。
【0005】
しかし、全ての装置で当該技術が機能するのではなく、ネットワークを介した管理に対応した装置でないと当該技術が機能しない。そのため、ネットワークを介した管理に対応していない装置では当該技術が機能できなかった。
【0006】
本開示の技術は、ネットワークを介した管理に対応していない装置であっても、ネットワークを介した管理に対応させることが可能な情報処理装置、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様に係る情報処理装置は、メモリと、プロセッサと、を備え、前記プロセッサは、第一装置の情報を用いて仮想的に実現される第一仮想装置と、第二装置の情報を用いて仮想的に実現される第二仮想装置とを、前記メモリに記憶し、自装置の通信部と通信可能な前記第一装置から、前記第一装置の情報を取得して、取得した前記第一装置の情報を前記第一仮想装置に反映し、前記通信部と通信不能な第二装置から、前記第一装置を介して、前記第二装置の情報を取得して、取得した前記第二装置の情報を前記第二仮想装置に反映し、前記第一仮想装置に反映された前記第一装置の情報を利用し、前記第二仮想装置に反映された前記第二装置の情報を利用する。
【0008】
第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第一装置の情報を、当該第一装置の設置時に受信する。
【0009】
第3態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第二装置の情報を、前記第一装置の設置時の情報の受信を契機に取得する。
【0010】
第4態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第一装置の情報と、当該第一装置の設置時に当該第一装置が当該第二装置から取得した第二装置の情報と、を当該第一装置の設置時に受信する。
【0011】
第5態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第二装置を、当該第二装置の情報を取得する前記第一装置と紐付けて記憶する。
【0012】
第6態様に係る情報処理装置は、第5態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第一装置が予め定められた状態になった場合に、当該第一装置と前記第二装置との紐付けを解除し、他の装置と当該第二装置とを紐付けて、当該他の装置から当該第二装置の情報を取得可能にする。
【0013】
第7態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記第一装置の情報及び前記第二装置の情報は、ビリング情報、トナー残量、用紙残量、パーツ交換通知、消耗品交換通知、故障通知又は各種装置情報を含む管理情報ベースの情報である。
【0014】
第8態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、予め定められたタイミングで、前記第一仮想装置と前記第一装置との間で当該第一装置の情報を同期し、前記第二仮想装置と前記第二装置との間で当該第二装置の情報を同期する。
【0015】
第9態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、取得した前記第二装置の情報が予め定めた要件を満たす場合、前記第二装置の情報を前記第二仮想装置に反映する。
【0016】
第10態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記第一装置の情報は、前記第一装置を識別する識別情報を含み、前記第二装置の情報は、前記第二装置を識別する識別情報を含む。
【0017】
第11態様に係る情報処理プログラムは、プロセッサに、第一装置の情報を用いて仮想的に実現される第一仮想装置と、第二装置の情報を用いて仮想的に実現される第二仮想装置とを、メモリに記憶させ、自装置の通信部と通信可能な前記第一装置から、前記第一装置の情報を取得して、取得した前記第一装置の情報を前記第一仮想装置に反映し、前記通信部と通信不能な第二装置から、前記第一装置を介して、前記第二装置の情報を取得して、取得した前記第二装置の情報を前記第二仮想装置に反映し、前記第一仮想装置に反映された前記第一装置の情報を利用し、前記第二仮想装置に反映された前記第二装置の情報を利用する、ことを実行させる。
【発明の効果】
【0018】
第1態様及び第11態様によれば、ネットワークを介した管理に対応していない装置であっても、ネットワークを介した管理に対応させることができる。
【0019】
第2態様によれば、第一装置の設置時からネットワークを介して第一装置を管理できる。
【0020】
第3態様によれば、第一装置の設置後からネットワークを介して第二装置を管理できる。
【0021】
第4態様によれば、第一装置の設置時からネットワークを介して第二装置を管理できる。
【0022】
第5態様によれば、第一装置を介して、第二装置を管理できる。
【0023】
第6態様によれば、第一装置から切り替えた他の装置を介して、第二装置を管理できる。
【0024】
第7態様によれば、広く普及している規格を用いて第二装置を管理できる。
【0025】
第8態様によれば、実装置の情報に基づいて継続して仮想装置を管理できる。
【0026】
第9態様によれば、仮想装置として管理するべき対象のみを管理できる。
【0027】
第10態様によれば、取得した情報が何れの装置の情報かを識別できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】第1実施形態に係る情報処理システムのシステム構成図である。
図2】第1実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
図4】第1実施形態に係る情報処理システムの概略構成図を示す一例である。
図5】第1実施形態に係る情報処理システムの管理処理の流れを示すシーケンス図である。
図6】第1実施形態に係る情報処理装置の管理処理の流れを示すフローチャートである。
図7】第1実施形態に係る情報処理装置のDS管理部が管理するテーブルの一例である。
図8】第1実施形態に係る情報処理装置のテナント管理部が管理するテーブルの一例である。
図9】第2実施形態に係る情報処理システムのシステム構成図である。
図10】第2実施形態に係る情報処理システムの概略構成図を示す一例である。
図11】第2実施形態に係る情報処理システムの切り替え処理の流れを示すシーケンス図である。
図12】第2実施形態に係る情報処理装置の切り替え処理の流れを示すフローチャートである。
図13】変形例に係る情報処理システムの管理処理の流れを示すシーケンス図である。
図14】変形例に係る情報処理システムの管理処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の技術の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0030】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る情報処理システム1のシステム構成図である。情報処理システム1は、情報処理装置10、第一装置20、第二装置30及び端末装置40を含む。
【0031】
情報処理装置10は、現実に存在する装置である実装置の情報を用いて仮想的に実現される仮想装置を管理するサーバである。情報処理装置10は、例えば、DS(Digital Shadow)機能を用いて仮想装置を管理する。ここで、DS機能は、実装置をクラウドサービスから管理するのに必要な情報の保持及びインタフェースの実装を行う。また、DSは、実装置と連携して実装置の機能を拡張する機能の保持又は実行を可能とするモデル化された仮想装置である。なお、本開示において、情報処理装置10を自装置と記載する場合がある。
【0032】
第一装置20は、ネットワークNを介した管理に対応した装置である。換言すれば、第一装置20は、後述する情報処理装置10の通信部と通信可能な装置である。第一装置20は、例えば、画像形成装置、ネットワーク機器又は精密機器等である。
【0033】
第二装置30は、ネットワークNを介した管理に対応しいていない装置である。換言すれば、第二装置30は、後述する情報処理装置10の通信部と通信不能な装置である。第一装置20は、例えば、画像形成装置、ネットワーク機器又は精密機器等である。第二装置30は、第一装置20と互いに通信可能である。なお、第二装置30は、複数台ある構成であってもよい。
【0034】
端末装置40は、情報処理装置10を操作するため又は情報処理装置10が提供するサービスを利用するための装置である。端末装置40は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレット型端末等である。
【0035】
図2は、第1実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、表示部16及び通信インタフェース(通信I/F)17の各構成を有する。各構成は、バス19を介して相互に通信可能に接続されている。
【0036】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12又はストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12又はストレージ14に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12又はストレージ14には、第二装置30を管理する情報処理プログラムが格納されている。なお、本開示において、ROM12、RAM13又はストレージ14をメモリと記載する場合がある。
【0037】
ROM12は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0038】
入力部15は、マウス等のポインティング装置、及びキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0039】
表示部16は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部16は、タッチパネル方式を採用して、入力部15として機能しても良い。
【0040】
通信インタフェース17は、データベース等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0041】
次に、情報処理装置10の機能構成について説明する。
図3は、第1実施形態に係る情報処理装置10の機能構成の例を示すブロック図である。情報処理装置10は、機能構成として、通信部101、データ処理部102、WebAPI(Application Programming Interface)提供部103、DS管理部104及びテナント管理部105を有する。各機能構成は、CPU11がROM12又はストレージ14に記憶された情報処理プログラムを読み出し、RAM13に展開して実行することにより実現される。
【0042】
通信部101は、通信インタフェース17を介して、第一装置20及び端末装置40等と通信を行う。通信部101は、第一装置20の情報及び第二装置30の情報を、第一装置20から取得する。なお、本開示において、第一装置20の情報を第一装置20の設置データと記載する場合がある。また、本開示において、第二装置30の情報を第二装置30のMIB(Management Information Base、管理情報ベース)又は第二装置30の設置データと記載する場合がある。
【0043】
データ処理部102は、第一装置20の情報及び第二装置30の情報の分離を行う。すなわち、データ処理部102は、第一装置20の情報及び第二装置30の情報が統合された情報を第一装置20から受信した場合、第一装置20の情報と第二装置30の情報とへの分離を行う。データ処理部102は、第一装置20の情報又は第二装置30の情報に含まれる装置を識別する識別情報を用いて分離する。
【0044】
WebAPI提供部103は、仮想装置を管理するためのWebAPIを提供する。WebAPI提供部103は、端末装置40又はMPS(Managed Print Service)(図示なし)からの要求を受け付け、WebAPIを提供する。
【0045】
DS管理部104は、データ又はプログラムオブジェクト等の形式により仮想装置を管理する。DS管理部104は、例えば、各装置識別情報テーブル、DS機能対応一覧テーブル及び各装置同期データテーブルにより仮想装置を管理する。DS管理部104が管理するテーブルについては、図7で後述する。
【0046】
テナント管理部105は、テナントを管理する。テナントとは、例えば、顧客又は場所ごとの管理単位である。テナント管理部105は、例えば、各顧客識別情報テーブル及び顧客ID-DSID一覧テーブルによりテナントを管理する。テナント管理部105が管理するテーブルについては、図8で後述する。
【0047】
図4は、第1実施形態に係る情報処理システム1の概略構成図を示す図である。
【0048】
端末装置40は、ブラウザ等を用いてHTTP(Hypertext Transfer Protocol)通信等を含むWeb通信により、情報処理装置10へアクセスする。詳細には、端末装置40は、通信部101を介して、DS管理部104及びテナント管理部105へアクセスする。端末装置40は、例えば、MPSを経由して、情報処理装置10へアクセスしてもよい。この場合、MPSは、WebAPIを用いて情報処理装置10へアクセスする。
【0049】
DS管理部104又はテナント管理部105は、HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)等を用いて第一装置20と通信を行う。DS管理部104又はテナント管理部105は、第一装置20の情報を用いて仮想的に実現される仮想装置である第一仮想装置21を構築するために、第一装置20の設置データを第一装置20から取得する。設置データは、TPM(Trusted Platform Module)チップの情報、sysObjectID(sysOID、システムOID)、商品コードにシリアル番号を連結したID等の装置を識別する識別情報を含む。DS管理部104又はテナント管理部105は、識別情報を基に、管理対象であるか否かの真正性を確認してもよい。DS管理部104又はテナント管理部105は、第一装置20の設置データから第一仮想装置21を構築する。DS管理部104又はテナント管理部105は、構築した第一仮想装置21と第一装置20との同期処理を行う。
ここで、構築とは、仮想装置のイメージの作成後に、実装置の情報をイメージに反映することである。DS管理部104又はテナント管理部105は、仮想装置のイメージを予め作成しておいてもよいし、実装置の情報の取得後に作成してもよい。例えば、DS管理部104又はテナント管理部105は、実装置の出荷前又は実装置の設置前に仮想装置のイメージを作成しておき、実装置の設置後に当該実装置の情報を当該イメージに反映する。
【0050】
また、DS管理部104又はテナント管理部105は、第二装置30の情報を用いて仮想的に実現される仮想装置である第二仮想装置31を構築するために、第二装置30のMIBを、第一装置20を介して取得する。換言すれば、第一装置20は、第二装置30からMIBを取得し、DS管理部104又はテナント管理部105へ送信する。DS管理部104又はテナント管理部105は、第二装置30のMIBから第二仮想装置31を構築する。MIBは、ビリング情報、トナー残量、用紙残量、パーツ交換通知、消耗品交換通知、故障通知又は各種装置情報を含む。また、第二装置30が複数存在する場合、装置ごとに第二仮想装置31を構築する。DS管理部104又はテナント管理部105は、第一装置20を介して、構築した第二仮想装置31と第二装置30との同期処理を行う。
【0051】
次に、情報処理システム1の作用について説明する。
図5は、第1実施形態に係る情報処理システム1による管理処理の流れを示すシーケンス図である。なお、図5に記載のステップ番号は、後述する図6に記載のステップ番号と共通又は対応している。
【0052】
ステップS10では、第一装置20は、初期処理を実行する。初期処理は、例えば、第一装置20が新しく設置された場合に行われる処理である。第一装置20は、ユーザによる顧客IDの入力を受け付け、設置データを生成する。第一装置20は、例えば、接続されたネットワーク情報を基に、DS管理部104に予め登録したネットワーク情報から顧客IDを特定するようにしてもよい。ここで、顧客IDは、第一装置20を利用するユーザ等を識別するための値である。情報処理システム1は、ステップS102へ移行する。
【0053】
ステップS102では、第一装置20からDS管理部104へ、顧客ID及び第一装置20の設置データを送信する。換言すれば、DS管理部104は、第一装置20から顧客ID及び第一装置20の情報を取得する。情報処理システム1は、ステップS103及びステップS20へ移行する。
【0054】
ステップS103では、DS管理部104は、第一仮想装置21を構築する。例えば、DS管理部104は、イメージを作成後に第一装置20の設置データをイメージに反映してもよいし、予め作成しておいたイメージに第一装置20の設置データをイメージに反映してもよい。情報処理システム1は、ステップS104へ移行する。
【0055】
ステップS104では、DS管理部104は、第一装置20と第一仮想装置21とを紐付けて記憶する。DS管理部104は、例えば、同じ識別値を第一装置20と第一仮想装置21とに付与し、第一装置20と第一仮想装置21とを紐付けて記憶する。DS管理部104は、当該識別値として、仮想装置を識別する識別情報であるDSIDを採用する。情報処理システム1は、ステップS105へ移行する。
【0056】
ステップS105では、DS管理部104からテナント管理部105へ、顧客IDと第一仮想装置21のDSIDとを登録する。情報処理システム1は、ステップS106へ移行する。
【0057】
ステップS106では、テナント管理部105は、第一仮想装置21と顧客IDとを紐付けて記憶する。図8で後述するように、テナント管理部105は、顧客ID-DSID一覧テーブルに、第一仮想装置21のDSIDと顧客IDとを登録する。
【0058】
ステップS20では、第一装置20から第二装置30へ、機器を探索する。第一装置20は、例えば、ブロードキャスト通信によりネットワーク上の機器を検知する。第一装置20は、例えば、定期的に探索を実行してもよいし、第二装置30又は情報処理装置10からの通信を契機に探索を実行してもよい。情報処理システム1は、ステップS21へ移行する。
【0059】
ステップS21では、第二装置30から第一装置20へ、ステップS20の処理に対応して、機器アドレスを送信する。機器アドレスは、例えば、IP(Internet Protocol)アドレス、MAC(Media Access Control)アドレス又は装置を特定するための識別情報である。情報処理システム1は、ステップS22へ移行する。
【0060】
ステップS22では、第一装置20から第二装置30へ、第二装置30の設置データを収集する。例えば、第一装置20は、第二装置30の設置データを、既に設置されている他の第一装置(図示なし)から受信するようにしてもよい。情報処理システム1は、ステップS23へ移行する。
【0061】
ステップS23では、第二装置30から第一装置20へ、ステップS22の処理に対応して、設置データを送信する。情報処理システム1は、ステップS108へ移行する。
【0062】
ステップS108では、第一装置20からDS管理部104へ、顧客ID及び第二装置30の設置データを送信する。換言すれば、DS管理部104は、第二装置30の設置データを、第一装置20を介して取得する。第一装置20は、設置データを収集した日時、収集した間隔及び収集した装置のDSIDを記憶してもよい。第一装置20は、前回取得した設置データと今回取得した設置データとを比較し、当該差分のみをDS管理部104へ送信してもよい。また、第一装置20は、設置データの種類と更新頻度情報とに基づいて分類し、分類ごとに間隔を分けて取得及び同期してもよい。情報処理システム1は、ステップS109へ移行する。
【0063】
ステップS109では、DS管理部104は、第二仮想装置31を構築する。情報処理システム1は、ステップS110へ移行する。
【0064】
ステップS110では、DS管理部104は、第一仮想装置21と第二仮想装置31とを紐付けて記憶する。DS管理部104は、例えば、図7で後述するように、DS機能対応一覧テーブルに親子関係として、それぞれのDSIDを紐付けて記憶する。DS管理部104は、例えば、第一仮想装置21のDSIDを第二仮想装置31に紐付ける。情報処理システム1は、ステップS111へ移行する。
【0065】
ステップS111では、DS管理部104からテナント管理部105へ、顧客IDと第二仮想装置31のDSIDとを登録する。情報処理システム1は、ステップS112へ移行する。
【0066】
ステップS112では、テナント管理部105は、第二仮想装置31と顧客IDとを紐付けて記憶する。情報処理システム1は、管理処理を終了する。
【0067】
以上、上述したステップS10及びステップS102の処理により、DS管理部104は、第一装置20の情報を、第一装置20の初期処理を実行する設置時に受信する。
【0068】
また、上述したステップS102、ステップS20からステップS23及びステップS108の処理により、DS管理部104は、第二装置30の情報を、第一装置20の設置時の情報の受信を契機に取得する。
【0069】
次に、情報処理装置10の作用について説明する。
図6は、第1実施形態に係る情報処理装置10による管理処理の流れを示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から管理プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、管理処理が行なわれる。
【0070】
ステップS101では、CPU11は、第一装置20が設置されたか否かを判断する。第一装置20が設置されたと判断した場合(ステップS101:YES)、CPU11は、ステップS102へ移行する。第一装置20が設置されていないと判断した場合(ステップS101:NO)、CPU11は、第一装置20が設置されるまで待機する。
【0071】
ステップS102では、CPU11は、第一装置20から第一装置20の情報を取得する。CPU11は、ステップS103へ移行する。
【0072】
ステップS103では、CPU11は、第一仮想装置21を構築する。すなわち、CPU11は、第一装置20の情報から第一仮想装置21を構築し、第一仮想装置21をメモリに記憶する。CPU11は、ステップS104へ移行する。
【0073】
ステップS104では、CPU11は、第一装置20と第一仮想装置21とを紐付けて記憶する。CPU11は、ステップS105へ移行する。
【0074】
ステップS105では、CPU11は、顧客IDと第一仮想装置21のDSIDとを登録する。CPU11は、ステップS106へ移行する。
【0075】
ステップS106では、CPU11は、第一仮想装置21と顧客IDとを紐付けて記憶する。CPU11は、ステップS107へ移行する。
【0076】
ステップS107では、CPU11は、第一仮想装置21へ第一装置20の情報を反映する。CPU11は、ステップS108へ移行する。
【0077】
ステップS108では、CPU11は、第二装置30の情報を、第一装置20を介して取得する。CPU11は、ステップS109へ移行する。
【0078】
ステップS109では、CPU11は、第二仮想装置31を構築する。すなわち、CPU11は、第二仮想装置31をメモリに記憶する。CPU11は、ステップS110へ移行する。
【0079】
ステップS110では、CPU11は、第一仮想装置21と第二仮想装置31とを紐付けて記憶する。CPU11は、ステップS111へ移行する。
【0080】
ステップS111では、CPU11は、顧客IDと第二仮想装置31のDSIDとを登録する。CPU11は、ステップS112へ移行する。
【0081】
ステップS112では、CPU11は、第二仮想装置31と顧客IDとを紐付けて記憶する。CPU11は、ステップS113へ移行する。
【0082】
ステップS113では、CPU11は、第二仮想装置31へ第二装置30の情報を反映する。CPU11は、ステップS114へ移行する。
【0083】
ステップS114では、CPU11は、第一仮想装置21に反映された第一装置20の情報を利用する。CPU11は、ステップS115へ移行する。
【0084】
ステップS115では、CPU11は、第二仮想装置31に反映された第二装置30の情報を利用する。CPU11は、管理処理を終了する。
【0085】
以上、ステップS101からステップS115の処理により、CPU11は、第一仮想装置21に反映された第一装置20の情報を利用し、第二仮想装置31に反映された第二装置30の情報を利用する。
【0086】
図7は、第1実施形態に係る情報処理装置10のDS管理部104が管理するテーブルの一例である。DS管理部104は、例えば、各装置識別情報テーブル、DS機能対応一覧テーブル及び各装置同期データテーブルにより仮想装置を管理する。
【0087】
各装置識別情報テーブルは、DSID項目、DS名称項目及びDS機能有無項目を含む。DSID項目は、DSIDを格納する項目である。DS名称項目は、仮想装置の名称を格納する項目である。DS機能有無項目は、DS機能に対応しているか否かを示す値を格納する項目である。
【0088】
DS機能対応一覧テーブルは、親DSID項目及び子DSID項目を含む。親DSID項目は、他の仮想装置を管理する仮想装置のDSIDを格納する項目である。子DSID項目は、親DSIDにより識別される仮想装置が管理する仮想装置のDSIDを格納する項目である。
【0089】
各装置同期データテーブルは、DSID項目、機種コード項目、シリアル番号項目及び総出力面数項目を含む。機種コード項目は、仮想装置に対応する実装置の機種を示す値を格納する項目である。シリアル番号項目は、仮想装置に対応する実装置の製造番号等のシリアル番号を格納する項目である。総出力面数項目は、ファイル数等の仮想装置の規模又は負荷を示す値を格納する項目である。
【0090】
図8は、第1実施形態に係る情報処理装置10のテナント管理部105が管理するテーブルの一例である。テナント管理部105は、例えば、各顧客識別情報テーブル及び顧客ID-DSID一覧テーブルによりテナントを管理する。
【0091】
各顧客識別情報テーブルは、顧客ID項目及び顧客名称項目を含む。顧客ID項目は、顧客を識別するための識別情報を格納する項目である。顧客名称項目は、顧客の名称を格納する項目である。
【0092】
顧客ID-DSID一覧テーブルは、顧客ID項目及びDSID項目を含む。
【0093】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態の手法は、第1実施形態の手法に加え、第一装置20を介して第二装置30と第二仮想装置31との同期処理ができない場合、代替装置への切り替え処理を行う。第2実施形態のハードウェア構成は、第1実施形態のハードウェア構成と同一である。また、第1実施形態と同様の構成及び作用となる箇所については同一符号を付して説明を省略する。
【0094】
図9は、第2実施形態に係る情報処理システム1のシステム構成図である。図9は、第一装置20を介して第二装置30と第二仮想装置31との同期処理ができない様子を示す。情報処理システム1は、情報処理装置10、第一装置20、第二装置30、端末装置40及び代替装置50を含む。第一装置20を介して第二装置30と第二仮想装置31との同期処理ができない場合は、例えば、第一装置20の故障、第一装置20の節電モードによる無応答又は第一装置20が接続するネットワークNの障害等である。
【0095】
代替装置50は、ネットワークNを介した管理に対応した装置である。換言すれば、代替装置50は、情報処理装置10の通信部101と通信可能な装置である。すなわち、代替装置50は、第一装置20とは異なる別の第一装置である。本開示において、代替装置50を他の装置と記載する場合がある。
【0096】
図10は、第2実施形態に係る情報処理システム1の概略構成図を示す図である。図10は、第一装置20と第一仮想装置21との同期処理ができないことにより、第一装置20を介して第二装置30と第二仮想装置31との同期処理ができない様子を示す。
【0097】
DS管理部104又はテナント管理部105は、代替装置50に対応する仮想装置である代替仮想装置51を構築する。
【0098】
また、DS管理部104又はテナント管理部105は、第一仮想装置21の代わりに代替仮想装置51を用いる。すなわち、第二仮想装置31を管理するために、第二装置30のMIBを、代替装置50を介して取得する。換言すれば、代替装置50は、第二装置30からMIBを取得し、DS管理部104又はテナント管理部105へ送信する。そして、DS管理部104又はテナント管理部105は、代替装置50を介して、第二仮想装置31と第二装置30との同期処理を行う。
【0099】
次に、情報処理システム1の作用について説明する。
図11は、第2実施形態に係る情報処理システム1による切り替え処理の流れを示すシーケンス図である。なお、図11に記載のステップ番号は、図12に記載のステップ番号と共通又は対応している。
【0100】
ステップS204では、DS管理部104から第一装置20へ、不通検知する。DS管理部104は、例えば、第一装置20から応答がない場合又は第一装置20が予め定められた状態になった場合等に不通を検知したと判断する。予め定められた状態は、例えば、応答なし、再起動中及びアラート発生状態等である。DS管理部104は、例えば、定期的なポーリング又はSNMP(Simple Network Management Protocol)のTrap通知により不通を検知する。情報処理システム1は、ステップS206へ移行する。
【0101】
ステップS206では、DS管理部104からテナント管理部105へ、顧客IDから機器リストを検索する。すなわち、DS管理部104は、上述した図8の顧客ID-DSID一覧テーブルから顧客IDに紐付くDSIDを取得する。情報処理システム1は、ステップS207へ移行する。
【0102】
ステップS207では、テナント管理部105からDS管理部104へ、ステップS206の処理に対応して、機器リストを送信する。情報処理システム1は、ステップS208へ移行する。
【0103】
ステップS208では、DS管理部104は、機器リストから代替装置50を抽出する。情報処理システム1は、ステップS209へ移行する。
【0104】
ステップS209では、DS管理部104は、第一装置20の紐付け先を抽出する。すなわち、DS管理部104は、上述した図7のDS機能対応一覧テーブルから、第一装置20に対応する第一仮想装置21のDSIDである親DSIDに紐付く子DSIDを取得する。情報処理システム1は、ステップS211へ移行する。
【0105】
ステップS211では、DS管理部104は、第二装置30と代替装置50とを紐付けて記憶する。情報処理システム1は、ステップS212へ移行する。
【0106】
ステップS212では、DS管理部104から代替装置50へ、紐付けを変更させる。情報処理システム1は、ステップS60へ移行する。
【0107】
ステップS60では、代替装置50は、代替装置50と第二装置30とを紐付けて記憶する。情報処理システム1は、ステップS61へ移行する。
【0108】
ステップS61では、代替装置50から第二装置30へ、第二装置30の設置データを収集する。情報処理システム1は、ステップS62へ移行する。
【0109】
ステップS62では、第二装置30から代替装置50へ、ステップS22の処理に対応して、第二装置30の設置データを送信する。情報処理システム1は、ステップS213へ移行する。
【0110】
ステップS213では、代替装置50からDS管理部104へ、顧客ID及び設置データを送信する。換言すれば、DS管理部104は、代替装置50から第二装置30の情報を取得する。情報処理システム1は、ステップS214へ移行する。
【0111】
ステップS214では、DS管理部104は、第二仮想装置31と第二装置30との間で第二装置30の情報を同期する。
【0112】
ステップS70では、第一装置20は、復旧する。例えば、第一装置20は、ユーザによる修理又は再起動処理等により復旧する。情報処理システム1は、ステップS22へ移行する。
【0113】
ステップS22では、第一装置20から第二装置30へ、第二装置30の設置データを収集する。情報処理システム1は、ステップS23へ移行する。
【0114】
ステップS23では、第二装置30から第一装置20へ、ステップS22の処理に対応して、第二装置30の設置データを送信する。情報処理システム1は、ステップS216へ移行する。
【0115】
ステップS216では、第一装置20からDS管理部104へ、顧客ID及び設置データを送信する。換言すれば、DS管理部104は、第一装置20から第二装置30の情報を取得する。情報処理システム1は、ステップS217へ移行する。
【0116】
ステップS217では、DS管理部104から第一装置20へ、紐付けを解除させる。すなわち、DS管理部104は、第一装置20と第二装置30との紐付けを解除するように、第一装置20に指示する。情報処理システム1は、ステップS71へ移行する。
【0117】
ステップS71では、第一装置20は、第一装置20と第二装置30とに紐付けがないことを記憶する。すなわち、第一装置20は、第一装置20と第二装置30との紐付けを解除する。情報処理システム1は、切り替え処理を終了する。
【0118】
次に、情報処理装置10の作用について説明する。
図12は、第1実施形態に係る情報処理装置10による切り替え処理の流れを示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から切り替えプログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、切り替え処理が行なわれる。
【0119】
ステップS201では、CPU11は、予め定めた時間が経過したか否かを判断する。CPU11は、第一装置20のソフトウェアのアップデートの実行等を含む予め定めたタイミングごとに実行してもよい。予め定めた時間が経過したと判断した場合(ステップS201:YES)、CPU11は、ステップS202へ移行する。予め定めた時間が経過していないと判断した場合(ステップS201:NO)、CPU11は、予め定めた時間が経過するまで待機する。
【0120】
ステップS202では、CPU11は、第一仮想装置21と第一装置20との間で第一装置20の情報を同期する。CPU11は、ステップS203へ移行する。
【0121】
ステップS203では、CPU11は、第二仮想装置31と第二装置30との間で第二装置30の情報を同期する。CPU11は、ステップS204へ移行する。
【0122】
ステップS204では、CPU11は、第一装置20との通信の不通を検知したか否かを判断する。CPU11は、例えば、第一装置20から応答がない場合又は第一装置20が予め定められた状態になった場合等に不通を検知したと判断する。第一装置20との通信の不通を検知したと判断した場合(ステップS204:YES)、CPU11は、ステップS205へ移行する。第一装置20との通信の不通を検知していないと判断した場合(ステップS204:NO)、CPU11は、ステップS201へ移行する。
【0123】
ステップS205では、CPU11は、第一装置20に紐付いた顧客IDを取得する。CPU11は、ステップS206へ移行する。
【0124】
ステップS206では、CPU11は、顧客IDから機器リストを検索する。機器リストは、例えば、第一装置20がブロードキャスト通信により通信可能な機器のリストである。CPU11は、例えば、図5のステップS20で第一装置20が通信した機器のリストを、第一装置20から取得し登録しておく。CPU11は、ステップS207へ移行する。
【0125】
ステップS207では、CPU11は、機器リストを取得する。CPU11は、ステップS208へ移行する。
【0126】
ステップS208では、CPU11は、機器リストから代替装置50を抽出する。CPU11は、例えば、機器リストに記載された機器のうち、通信の応答がある機器を代替装置50として設定する。CPU11は、例えば、サブネット、拠点又はフロア等を含む通信が到達可能な単位を表す情報を含めた情報で代理機を抽出する。CPU11は、ステップS209へ移行する。
【0127】
ステップS209では、CPU11は、第一装置20の紐付け先を抽出する。CPU11は、ステップS210へ移行する。
【0128】
ステップS210では、CPU11は、第二装置30と第一装置20との紐付けを解除する。CPU11は、上述した図7のDS機能対応一覧テーブルから、第一装置20に対応する第一仮想装置21のDSIDである親DSID及び第二装置30に対応する第二仮想装置31のDSIDである子DSIDの行を削除する。CPU11は、ステップS211へ移行する。
【0129】
ステップS211では、CPU11は、第二装置30と代替装置50とを紐付けて記憶する。CPU11は、ステップS212へ移行する。
【0130】
ステップS212では、CPU11は、代替装置50に対して紐付けを変更させる。CPU11は、ステップS213へ移行する。
【0131】
ステップS213では、CPU11は、代替装置50から第二装置30の情報を取得する。CPU11は、ステップS214へ移行する。
【0132】
ステップS214では、CPU11は、第二仮想装置31と第二装置30との間で第二装置30の情報を同期する。CPU11は、ステップS215へ移行する。
【0133】
ステップS215では、CPU11は、第一装置20が復旧したか否かを判断する。第一装置20が復旧したと判断した場合(ステップS215:YES)、CPU11は、ステップS216へ移行する。第一装置20が復旧していないと判断した場合(ステップS215:NO)、CPU11は、切り替え処理を終了する。
【0134】
ステップS216では、CPU11は、第一装置20から第二装置30の情報を取得する。すなわち、CPU11は、第一装置20が第二装置30の情報を送信したことにより、第一装置20が復旧したと判断する。CPU11は、ステップS217へ移行する。
【0135】
ステップS217では、CPU11は、第一装置20に対して紐付けを解除させる。すなわち、CPU11は、第一装置20と第二装置30との紐付けを解除するように、第一装置20に指示する。CPU11は、切り替え処理を終了する。
【0136】
以上、ステップS204からステップS213の処理により、第一装置20が予め定められた状態になった場合に、第一装置20と第二装置30との紐付けを解除し、代替装置50と第二装置30とを紐付けて、代替装置50から第二装置30の情報を取得可能にする。
【0137】
また、ステップS201からステップS203の処理により、予め定められたタイミングで、第一仮想装置21と第一装置20との間で第一装置20の情報を同期し、第二仮想装置31と第二装置30との間で第二装置30の情報を同期する。
【0138】
[変形例]
以上、第1実施形態及び第2実施形態の情報処理装置10について説明してきた。しかし、本開示は、上記実施形態に限定されない。種々の改良または改変が可能である。
【0139】
図13は、情報処理システム1による管理処理の流れを示すシーケンス図である。詳しくは、図13は、第一装置20の設置データ及び第二装置30の設置データを統合し、情報処理装置10へ送信する場合の管理処理の流れを示す。なお、図5のフローチャートと同一の処理については記載を省略する。
情報処理システム1は、ステップS10及びステップS20からステップS23を実行する。情報処理システム1は、ステップS30へ移行する。
ステップS30では、第一装置20は、第一装置20の設置データ及び第二装置30の設置データを統合する。第一装置20は、データ形式の変換を行うようにしてもよい。情報処理システム1は、ステップS31へ移行する。
ステップS31では、第一装置20からDS管理部104へ、顧客IDと統合した設置データとを送信する。換言すれば、DS管理部104は、第一装置20の設置データ及び第二装置30の設置データを統合した情報を取得する。情報処理システム1は、ステップS32へ移行する。
ステップS32では、DS管理部104は、統合された設置データを、第一装置20の設置データと第二装置30の設置データとに分離する。DS管理部104は、設置データに含まれる識別情報に基づき分離する。DS管理部104は、データ形式の変換を行うようにしてもよい。情報処理システム1は、ステップS103へ移行する。
情報処理システム1は、ステップS103、ステップS105、ステップS106、ステップS109、ステップS111、ステップS104、ステップS110及びステップS112を実行する。情報処理システム1は、管理処理を終了する。
以上、上述したステップS10、ステップS20からステップS23、ステップS30及びステップS31の処理により、DS管理部104は、第一装置20の情報と、第一装置20の設置時に第一装置20が第二装置30から取得した第二装置30の情報と、を第一装置20の設置時に受信する。
【0140】
図14は、情報処理システム1による管理処理の流れを示すシーケンス図である。詳しくは、図14は、第一装置20の設置後に、第二装置30が設置された場合の管理処理の流れを示す。なお、図5のフローチャートと同一の処理については記載を省略する。
ステップS40では、第二装置30は、初期処理を実行する。初期処理は、例えば、第二装置30が新しく設置された場合に行われる処理である。情報処理システム1は、ステップS41へ移行する。
ステップS41では、第二装置30から第一装置20へ、通知する。第二装置30は、例えば、SNMPのTrap通知、ネットワークに追加したことを知らせる通知又は仮想装置を構築する依頼等を行う。情報処理システム1は、ステップS20へ移行する。
情報処理システム1は、ステップS20からステップS24、ステップS109、ステップS108、ステップS110、ステップS112を実行する。情報処理システム1は、管理処理を終了する。
【0141】
図5のステップS108の処理について、第一装置20は、ステップS105の処理が完了した場合に、ステップS108を実行するようにしてもよい。すなわち、DS管理部104又はテナント管理部105は、ステップS105又はステップS106の処理の実行後に、登録完了応答を第一装置20へ送信する。そして、第一装置20は、登録完了応答を受信後、顧客IDと設置データとを送信する。
【0142】
第1実施形態に係る情報処理装置10は、第二装置30の情報が予め定めた要件を満たす場合、第二装置30の情報を第二仮想装置31に反映するようにしてもよい。ここで、予め定めた要件とは、契約上管理すべき機器として予め登録されていること等である。情報処理装置10は、例えば、設置データであるTPMに含まれる暗号キー又は予め設定したパスワードを基に、予め定めた要件を満たすか否かを判断する。
【0143】
上記の処理は、専用のハードウェア回路によっても実現することもできる。この場合には、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0144】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理装置、等)を含むものである。
【0145】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0146】
また、情報処理装置10を動作させるプログラムは、USB(Universal Serial Bus)メモリ、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、メモリ又はストレージ等に転送され記憶される。また、このプログラムは、たとえば、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、情報処理装置10の一機能としてその各装置のソフトウェアに組み込んでもよい。
【0147】
[付記]
以下に、本開示の好ましい形態について付記する。
【0148】
(((1)))
メモリと、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
第一装置の情報を用いて仮想的に実現される第一仮想装置と、第二装置の情報を用いて仮想的に実現される第二仮想装置とを、前記メモリに記憶し、
自装置の通信部と通信可能な前記第一装置から、前記第一装置の情報を取得して、取得した前記第一装置の情報を前記第一仮想装置に反映し、
前記通信部と通信不能な第二装置から、前記第一装置を介して、前記第二装置の情報を取得して、取得した前記第二装置の情報を前記第二仮想装置に反映し、
前記第一仮想装置に反映された前記第一装置の情報を利用し、前記第二仮想装置に反映された前記第二装置の情報を利用する
情報処理装置。
【0149】
(((2)))
前記プロセッサは、
前記第一装置の情報を、当該第一装置の設置時に受信する
(((1)))に記載の情報処理装置。
【0150】
(((3)))
前記プロセッサは、
前記第二装置の情報を、前記第一装置の設置時の情報の受信を契機に取得する
(((1)))又は(((2)))に記載の情報処理装置。
【0151】
(((4)))
前記プロセッサは、
前記第一装置の情報と、当該第一装置の設置時に当該第一装置が当該第二装置から取得した第二装置の情報と、を当該第一装置の設置時に受信する
(((1)))から(((3)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0152】
(((5)))
前記プロセッサは、
前記第二装置を、当該第二装置の情報を取得する前記第一装置と紐付けて記憶する
(((1)))から(((4)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0153】
(((6)))
前記プロセッサは、
前記第一装置が予め定められた状態になった場合に、当該第一装置と前記第二装置との紐付けを解除し、他の装置と当該第二装置とを紐付けて、当該他の装置から当該第二装置の情報を取得可能にする
(((5)))に記載の情報処理装置。
【0154】
(((7)))
前記第一装置の情報及び前記第二装置の情報は、ビリング情報、トナー残量、用紙残量、パーツ交換通知、消耗品交換通知、故障通知又は各種装置情報を含む管理情報ベースの情報である
(((1)))から(((6)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0155】
(((8)))
前記プロセッサは、
予め定められたタイミングで、前記第一仮想装置と前記第一装置との間で当該第一装置の情報を同期し、前記第二仮想装置と前記第二装置との間で当該第二装置の情報を同期する
(((1)))から(((7)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0156】
(((9)))
前記プロセッサは、
取得した前記第二装置の情報が予め定めた要件を満たす場合、前記第二装置の情報を前記第二仮想装置に反映する
(((1)))から(((8)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0157】
(((10)))
前記第一装置の情報は、前記第一装置を識別する識別情報を含み、前記第二装置の情報は、前記第二装置を識別する識別情報を含む
(((1)))から(((9)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0158】
(((11)))
第一装置の情報を用いて仮想的に実現される第一仮想装置と、第二装置の情報を用いて仮想的に実現される第二仮想装置とを、メモリに記憶させ、
自装置の通信部と通信可能な前記第一装置から、前記第一装置の情報を取得して、取得した前記第一装置の情報を前記第一仮想装置に反映し、
前記通信部と通信不能な第二装置から、前記第一装置を介して、前記第二装置の情報を取得して、取得した前記第二装置の情報を前記第二仮想装置に反映し、
前記第一仮想装置に反映された前記第一装置の情報を利用し、前記第二仮想装置に反映された前記第二装置の情報を利用する
ことをプロセッサに実行させる情報処理プログラム。
【0159】
以下に、付記の構成による効果について記載する。
【0160】
(((1)))及び(((11)))によれば、ネットワークを介した管理に対応していない装置であっても、ネットワークを介した管理に対応させることができる。
【0161】
(((2)))によれば、第一装置の設置時からネットワークを介して第一装置を管理できる。
【0162】
(((3)))によれば、第一装置の設置後からネットワークを介して第二装置を管理できる。
【0163】
(((4)))によれば、第一装置の設置時からネットワークを介して第二装置を管理できる。
【0164】
(((5)))によれば、第一装置を介して、第二装置を管理できる。
【0165】
(((6)))によれば、第一装置から切り替えた他の装置を介して、第二装置を管理できる。
【0166】
(((7)))によれば、広く普及している規格を用いて第二装置を管理できる。
【0167】
(((8)))によれば、実装置の情報に基づいて継続して仮想装置を管理できる。
【0168】
(((9)))によれば、仮想装置として管理するべき対象のみを管理できる。
【0169】
(((10)))によれば、取得した情報が何れの装置の情報かを識別できる。
【符号の説明】
【0170】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
20 第一装置
21 第一仮想装置
30 第二装置
31 第二仮想装置
40 端末装置
50 代替装置
51 代替仮想装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14