(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168305
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法、及び情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
G08G1/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084855
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】洪銘蔚
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 和浩
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB12
5H181BB13
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL15
(57)【要約】
【課題】情報提供タイミングをドライバの好みに合わせることできる情報提供装置、情報提供方法、及び情報提供プログラムを提供する。
【解決手段】情報提供装置18は、ドライバが運転する車両が走行する走行路に対応する地図に関する地図データと、車両の現在の位置に関する位置データとを取得する取得部82と、地図データ及び位置データに基づいて、車両の前方に位置する地点に関する地点情報を生成する生成部86と、地点に対応する操作をドライバが開始する操作開始タイミングよりも前に地点情報をドライバに対して提供する情報提供タイミングを、ドライバの特性に基づいて調整する調整部88と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバが運転する車両が走行する走行路に対応する地図に関する地図データと、前記車両の現在の位置に関する位置データとを取得する取得部と、
前記地図データ及び前記位置データに基づいて、前記車両の前方に位置する地点に関する地点情報を生成する生成部と、
前記地点に対応する操作を前記ドライバが開始する操作開始タイミングよりも前に前記地点情報を前記ドライバに対して提供する情報提供タイミングを、前記ドライバの特性に基づいて調整する調整部と、
を備える情報提供装置。
【請求項2】
前記ドライバの特性は、予め実施された官能評価試験の結果に基づいて定まる、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記ドライバの特性は、前記情報提供タイミングに関する前記ドライバの要求に基づいて定まる、
請求項1又は請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
コンピュータが、
ドライバが運転する車両が走行する走行路に対応する地図に関する地図データと、前記車両の現在の位置に関する位置データとを取得する取得ステップと、
前記地図データ及び前記位置データに基づいて、前記車両の前方に位置する地点に関する地点情報を生成する生成ステップと、
前記地点に対応する操作を前記ドライバが開始する操作開始タイミングよりも前に前記地点情報を前記ドライバに対して提供する情報提供タイミングを、前記ドライバの特性に基づいて調整する調整ステップと、
を含む処理を実行する情報提供方法。
【請求項5】
コンピュータに、
ドライバが運転する車両が走行する走行路に対応する地図に関する地図データと、前記車両の現在の位置に関する位置データとを取得する取得ステップと、
前記地図データ及び前記位置データに基づいて、前記車両の前方に位置する地点に関する地点情報を生成する生成ステップと、
前記地点に対応する操作を前記ドライバが開始する操作開始タイミングよりも前に前記地点情報を前記ドライバに対して提供する情報提供タイミングを、前記ドライバの特性に基づいて調整する調整ステップと、
を含む処理を実行させるための情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法、及び情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、運転技量記憶手段と、運転情報検出手段と、負荷推定手段と、提供手段とを備える情報提供装置が開示されている。運転技量記憶手段は、ドライバの運転技量を記憶している。運転情報検出手段は、ドライバが運転する自車両の運転操作に関する情報と、自車両の走行環境に関する情報とのうちの少なくとも一つを運転情報として検出する。負荷推定手段は、運転技量記憶手段に記憶されている運転技量と、運転情報検出手段により検出された運転情報とに基づき、ドライバにとっての運転の難易度を示す現在の運転負荷を推定する。提供手段は、負荷推定手段により推定された現在の運転負荷が低い時期に各種メッセージを提供する。
【0003】
特許文献2には、車載コンピューティングシステムのための方法が開示されている。この方法は、車両のドライバへの提示のために通知に関するデータを受信することと、ドライバプロファイルに基づき、通知をドライバに車載コンピューティングシステムを介して提示するタイミングを調整することであって、ドライバプロファイルがドライバに関連した少なくとも過去の運転習慣に基づき生成される、通知をドライバに提示するタイミングを調整することとを含む。通知は、車載コンピューティングシステム上で実行されるソフトウェアをアップグレードするためのアップグレードデータの利用可能性などの、イベントをユーザーに通知するために提示され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-194060号公報
【特許文献2】特開2015-129753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両が走行路を走行する場合に、車両の前方に位置する地点に関する地点情報をドライバに対して提供することが望まれることがある。この場合に、車両の前方に位置する地点の態様及びドライバの操作状況によっては、情報提供タイミングがドライバの好みに合わないことが想定される。
【0006】
本開示の技術は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、情報提供タイミングをドライバの好みに合わせることできる情報提供装置、情報提供方法、及び情報提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の技術に係る第1態様は、ドライバが運転する車両が走行する走行路に対応する地図に関する地図データと、前記車両の現在の位置に関する位置データとを取得する取得部と、前記地図データ及び前記位置データに基づいて、前記車両の前方に位置する地点に関する地点情報を生成する生成部と、前記地点に対応する操作を前記ドライバが開始する操作開始タイミングよりも前に前記地点情報を前記ドライバに対して提供する情報提供タイミングを、前記ドライバの特性に基づいて調整する調整部と、を備える情報提供装置である。
【0008】
第1態様に係る情報提供装置によれば、情報提供タイミングがドライバの特性に基づいて調整されるので、情報提供タイミングをドライバの好みに合わせることできる。
【0009】
本開示の技術に係る第2態様は、第1態様に係る情報提供装置において、前記ドライバの特性は、予め実施された官能評価試験の結果に基づいて定まる情報提供装置である。
【0010】
第2態様に係る情報提供装置によれば、予め実施された官能評価試験の結果に基づいてドライバの特性が定まるので、官能評価試験の結果を反映した情報提供タイミングで地点情報をドライバに対して提供することができる。
【0011】
本開示の技術に係る第3態様は、第1態様又は第2態様に係る情報提供装置において、前記ドライバの特性は、前記情報提供タイミングに関する前記ドライバの要求に基づいて定まる情報提供装置である。
【0012】
第3態様に係る情報提供装置によれば、情報提供タイミングに関するドライバの要求に基づいてドライバの特性が定まるので、ドライバの要求を反映した情報提供タイミングで地点情報をドライバに対して提供することができる。
【0013】
本開示の技術に係る第4態様は、コンピュータが、ドライバが運転する車両が走行する走行路に対応する地図に関する地図データと、前記車両の現在の位置に関する位置データとを取得する取得ステップと、前記地図データ及び前記位置データに基づいて、前記車両の前方に位置する地点に関する地点情報を生成する生成ステップと、前記地点に対応する操作を前記ドライバが開始する操作開始タイミングよりも前に前記地点情報を前記ドライバに対して提供する情報提供タイミングを、前記ドライバの特性に基づいて調整する調整ステップと、を含む処理を実行する情報提供方法である。
【0014】
第4態様に係る情報提供方法によれば、情報提供タイミングがドライバの特性に基づいて調整されるので、情報提供タイミングをドライバの好みに合わせることできる。
【0015】
本開示の技術に係る第5態様は、コンピュータに、ドライバが運転する車両が走行する走行路に対応する地図に関する地図データと、前記車両の現在の位置に関する位置データとを取得する取得ステップと、前記地図データ及び前記位置データに基づいて、前記車両の前方に位置する地点に関する地点情報を生成する生成ステップと、前記地点に対応する操作を前記ドライバが開始する操作開始タイミングよりも前に前記地点情報を前記ドライバに対して提供する情報提供タイミングを、前記ドライバの特性に基づいて調整する調整ステップと、を含む処理を実行させるための情報提供プログラムである。
【0016】
第5態様に係る情報提供プログラムによれば、情報提供タイミングがドライバの特性に基づいて調整されるので、情報提供タイミングをドライバの好みに合わせることできる。
【発明の効果】
【0017】
上述の通り、本開示の技術によれば、情報提供タイミングをドライバの好みに合わせることできる情報提供装置、情報提供方法、及び情報提供プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態に係る情報提供システムが搭載された車両が走行路を走行する様子の一例を模式的に示す平面図である。
【
図2】実施形態に係る情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る情報提供装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る官能評価試験の一例を示すグラフである。
【
図5】実施形態に係る情報提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本開示の技術の一実施形態について詳細に説明する。なお、動作、作用、及び機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本開示の技術と直接的に関連しない構成又は周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0020】
図1は、本実施形態に係る情報提供システム10が搭載された車両100が走行路200を走行する様子の一例を模式的に示す平面図である。車両100は、ドライバによって運転されている。情報提供システム10は、車両100の前方に位置する地点(以下、「前方地点202」と称する)に向かって車両100が走行する場合に、前方地点202に対応する操作をドライバが開始するタイミング(以下、「操作開始タイミング」と称する)よりも前のタイミングで、前方地点202に関する情報(以下、「地点情報」をドライバに対して提供するシステムである。
【0021】
以下、地点情報をドライバに対して提供するタイミングを「情報提供タイミング」と称する。操作開始タイミングに対応する位置は、前方地点202の入口よりも手前側にあり、情報提供タイミングに対応する位置は、操作開始タイミングに対応する位置よりも手前側にある。また、以下、前方地点202の入口から操作開始タイミングに対応する位置までの距離を「操作開始タイミングに対応する距離」と称する。
【0022】
情報提供システム10が搭載される車両100は、例えば、自動車である。車両100は、走行路200を走行する車両であれば、自動車以外の車両でもよい。走行路200は、例えば、道路である。道路は、舗装路でもよく、未舗装路でもよい。また、道路は、一般道、サーキット、峠道、又は競技用道路等でもよい。また、走行路200は、道路以外でもよい。
【0023】
前方地点202としては、例えば、交差点、コーナ、勾配が変化する地点、道幅が変化する地点、路面の状態が変化する地点、及び障害物がある地点等が挙げられる。
図1には、前方地点202の一例として、コーナが示されている。地点情報は、例えば、前方地点202の存在を表す情報と、前方地点202の態様を表す情報とを含む。前方地点202の態様としては、例えば、交差点の角度、カーブの曲率半径、勾配の値、道幅の寸法、路面の状態、及び障害物の種類等が挙げられる。
【0024】
図2は、本実施形態に係る情報提供システム10の構成を示すブロック図である。情報提供システム10は、操作データ出力部12と、地図データ出力部14と、位置データ出力部16と、情報提供装置18と、情報出力部20とを備える。操作データ出力部12は、車両100に対するドライバの操作に関する操作データを出力する。操作データ出力部12は、例えば、ブレーキセンサ22、舵角センサ24、車速センサ26、シフトセンサ28、及びアクセルセンサ30を有する。
【0025】
ブレーキセンサ22は、車両100に装備されたブレーキの操作量に応じたデータを出力する。舵角センサ24は、車両100の舵角に応じたデータを出力する。車速センサ26は、車速に応じたデータを出力する。シフトセンサ28は、車両100のシフトポジションに応じたデータを出力する。アクセルセンサ30は、車両100に装備されたアクセルの開度に応じたデータを出力する。操作データ出力部12は、ブレーキセンサ22、舵角センサ24、車速センサ26、シフトセンサ28、及びアクセルセンサ30から得られたデータを操作データとして出力する。
【0026】
なお、ブレーキセンサ22、舵角センサ24、車速センサ26、シフトセンサ28、及びアクセルセンサ30のいずれかは、省かれてもよい。また、操作データ出力部12は、ブレーキセンサ22、舵角センサ24、車速センサ26、シフトセンサ28、及びアクセルセンサ30に加えて、車両100に対するドライバの他の操作に応じたデータを出力するセンサを備えていてもよい。
【0027】
地図データ出力部14は、車両100が走行する走行路200に対応する地図に関する地図データを出力する。地図データ出力部14は、例えば、地図記憶装置32と、カメラ34とを有する。地図記憶装置32は、地図データを記憶している。カメラ34は、例えば、車両100の前方を撮影する。
【0028】
地図データ出力部14は、地図記憶装置32に記憶された地図データの全てを出力してもよいし、地図記憶装置32に記憶された地図データの一部を出力してもよい。地図データの一部は、例えば、車両100の現在の位置に関する地図情報と車両100の前方の地点に関する地図情報とを含むデータでもよい。車両100の現在の位置は、例えば、後述するGPSユニット36によって特定されてもよいし、カメラ34によって撮影された画像と過去に撮影された画像とを比較することによって特定されてもよい。また、地図データは、過去に車両100が走行した際にカメラ34によって撮影された画像に基づいて作成されてもよい。
【0029】
位置データ出力部16は、車両100の現在の位置に関する位置データを出力する。位置データ出力部16は、例えば、GPS(Global Positioning System)ユニット36を有する。GPSユニット36は、GPS衛星から発せられた電波を受信し、受信した電波に基づいて車両100の位置を特定する。そして、GPSユニット36は、特定した車両100の位置に応じた位置データを生成する。
【0030】
なお、GPSユニット36及び地図記憶装置32は、ナビゲーション装置を構成していてもよい。また、位置データ出力部16は、カメラ34を備えていてもよい。そして、位置データ出力部16は、カメラ34によって撮影された画像と過去に撮影された画像とを比較することによって車両100の現在の位置を特定してもよい。
【0031】
情報提供装置18は、操作データ、地図データ、及び位置データに基づいて、前方地点202に関する地点情報を生成し、生成した地点情報を出力する。情報提供装置18については、後に詳述する。
【0032】
情報出力部20は、ドライバに対して地点情報を出力する。情報出力装置は、例えば、スピーカ38、メータパネル40、ディスプレイ42、タブレット端末44、LED(Light Emitting Diode)46、HUD(Head-Up DIsplay)48、皮膚感覚出力器50、ウェアラブル端末52、ヘルメット出力器54、及び脳内チップ56の少なくとも何れかを有する。
【0033】
スピーカ38は、地点情報を示す音(例えば、音声又は警告音)を出力する。メータパネル40は、例えば、液晶表示器を有しており、地点情報を示す画像(例えば、文字又は矢印等)を液晶表示器に表示する。ディスプレイ42は、例えば、ダッシュボードに配置されており、地点情報を示す画像を表示する。ディスプレイ42は、ナビゲーション装置に装備されたディスプレイ42でもよい。タブレット端末44は、例えば、車両100と通信可能に接続されており、地点情報を示す音を出力したり、地点情報を示す画像を表示したりする。タブレット端末44は、車両100に持ち込まれた端末でもよく、車両100に装備された端末でもよい。
【0034】
LED46は、地点情報を示す色で発光したり、地点情報を示す態様で点滅したりする。LED46は、ドライバから見える位置に配置される。HUD48は、地点情報を示す画像を表示する。皮膚感覚出力器50は、地点情報を示す態様で振動するアクチュエータ、及び、地点情報に対応する温度に加熱するヒータの少なくとも何れかを有する。皮膚感覚出力器50は、例えば、運転席などのドライバと接触する位置に配置される。
【0035】
ウェアラブル端末52は、ドライバに装着される。ウェアラブル端末52は、地点情報を示す音を出力するスピーカ38、及び、地点情報を示す画像を表示するディスプレイ42の少なくとも何れかを有する。ウェアラブル端末52は、スマートグラス、イヤホン、又は、スマートウォッチでもよい。ヘルメット出力器54は、ドライバが装着するヘルメットに搭載される。ヘルメット出力器54は、地点情報を示す音を出力するスピーカ38、及び、地点情報を示す画像を表示するディスプレイ42の少なくとも何れかを有する。脳内チップ56は、ドライバ及びパッセンジャーの少なくとも何れかの脳内に埋め込まれ、地点情報を示す電気信号を発生する。
【0036】
図3は、本実施形態に係る情報提供装置18の構成を示すブロック図である。情報提供装置18は、車両制御用コンピュータであるECU(Electronic Control Unit)の一部によって実現されてもよいし、ECUとは別の車載コンピュータによって実現されてもよい。情報提供装置18は、「コンピュータ」の一例である。
【0037】
情報提供装置18は、CPU(Central Processing Unit)60と、ROM(Read Only Memory)62と、RAM(Random Access Memory)64と、入出力インターフェース(I/O)66と、外部インターフェース(外部I/F)68と、ストレージ70とを備える。
【0038】
CPU60、ROM62、RAM64、及びI/O66は、バス72を介して各々接続されている。I/O66には、外部I/F68及びストレージ70が接続されている。外部I/F68及びストレージ70は、I/O66を介して、CPU60と相互に通信可能とされる。
【0039】
CPU60、ROM62、RAM64、及びI/O66によって制御部が構成される。制御部は、情報提供装置18の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、情報提供装置18の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。
【0040】
制御部の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられてもよい。また、上記各ブロックに個別の回路が用いられてもよいし、一部又は全部を集積した回路が用いられてもよい。また、上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサが用いられてもよい。
【0041】
ストレージ70としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等が用いられる。ストレージ70には、情報提供プログラム80が記憶される。なお、情報提供プログラム80は、ROM62に記憶されていてもよい。
【0042】
情報提供プログラム80は、例えば、情報提供装置18に予めインストールされていてもよい。また、情報提供プログラム80は、不揮発性の記憶媒体に記憶され、又はネットワークを介して配布されて、情報提供装置18に適宜インストールされることで実現されてもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、及びメモリカード等が挙げられる。
【0043】
また、情報提供システム10は、受付装置74を備える。受付装置74としては、例えば、スイッチ、マイク、タッチパッド、及びタッチパネルディスプレイ等が挙げられる。また、受付装置74は、情報提供装置18に通信可能に接続された各種端末(例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ)でもよい。
【0044】
外部I/F68は、受付装置74、操作データ出力部12、地図データ出力部14、及び位置データ出力部16の各々と通信可能に接続するためのインターフェースである。
【0045】
CPU60は、ストレージ70に記憶されている情報提供プログラム80をRAM64に書き込んで実行することにより、ドライバに対して地点情報を提供するための情報提供処理を実行する。情報提供処理は、CPU60が、取得部82と、推定部84と、生成部86と、調整部88と、出力部90と、更新部92として動作することで実現される。すなわち、情報提供装置18は、情報提供処理を実行する機能部として、取得部82と、推定部84と、生成部86と、調整部88と、出力部90と、更新部92とを備える。
【0046】
なお、情報提供処理のうちの取得部82による処理以降の処理は、例えば、車両100が走行する現在の走行路200がドライバにとって慣れた走行路である場合に実行される。車両100が走行する現在の走行路200がドライバにとって慣れた走行路であるか否かの判定は、例えば、受付装置74によって受け付けられたドライバによる回答に基づいて実行される。
【0047】
取得部82は、操作データ出力部12からCPU60に入力された操作データと、地図データ出力部14からCPU60に入力された地図データと、位置データ出力部16からCPU60に入力された位置データとを取得する。
【0048】
推定部84は、取得部82によって取得された操作データ、地図データ、及び位置データに基づいて、操作開始タイミングを推定する。
【0049】
具体的には、推定部84は、地図データ及び位置データに基づいて、ドライバに対して地点情報を提供すべき前方地点202及びその態様を特定する。また、推定部84は、操作データに基づいて、車両100に対するドライバの操作状況(例えば、ブレーキの操作量、舵角、車速、シフトポジション、及びアクセルの開度)を特定する。そして、推定部84は、前方地点202の態様と、車両100に対するドライバの操作状況とに基づいて、操作開始タイミング(具体的には、操作開始タイミングに対応する距離)を推定する。
【0050】
なお、推定部84は、前方地点202の態様と、車両100に対するドライバの操作状況と、操作開始タイミングに対応する距離との関係を表すテーブル又は計算式を用いて、前方地点202の態様と、車両100に対するドライバの操作状況とから、操作開始タイミングに対応する距離を推定してもよい。
【0051】
また、推定部84は、前方地点202の態様と、車両100に対するドライバの操作状況とを入力データとし操作開始タイミングに対応する距離を出力データとする教師データを用いて学習された学習モデルを用いて、前方地点202の態様と、車両100に対するドライバの操作状況とから、操作開始タイミングに対応する距離を推定してもよい。
【0052】
また、推定部84は、操作開始タイミングに対応する距離の代わりに、操作開始タイミングに対応する位置を推定してもよい。また、推定部84は、操作開始タイミングに対応する距離の代わりに、操作開始タイミングが、前方地点202の入口に車両100が到達するタイミングの何秒前であるかを推定してもよい。
【0053】
生成部86は、取得部82によって取得された地図データ及び位置データに基づいて、前方地点202に関する地点情報を生成する。具体的には、生成部86は、地図データ及び位置データに基づいて、推定部84によって特定された前方地点202及びその態様を取得する。そして、生成部86は、前方地点202の存在を表す情報と、前方地点202の態様を表す情報とを含む地点情報を生成する。
【0054】
調整部88は、取得部82によって取得された操作データ、地図データ、及び位置データと、推定部84によって推定された操作開始タイミングと、ドライバの特性とに基づいて、地点情報をドライバに対して提供する情報提供タイミングを調整する。情報提供タイミングは、操作開始タイミングよりも前のタイミングである。
【0055】
具体的には、調整部88は、推定部84によって特定された前方地点202の態様と、車両100に対するドライバの操作状況とに基づいて、前方地点202の入口に車両100が到達するタイミングの何秒前に前方地点202に対応する操作をドライバが開始するか、すなわち、前方地点202の入口に車両100が到達するタイミングと操作開始タイミングとの間の時間(以下、「第1時間」と言う)を導出する。また、調整部88は、推定部84によって特定された前方地点202の態様と、車両100に対するドライバの操作状況とに基づいて、前方地点202の入口に車両100が到達するタイミングの何秒前に地点情報をドライバに対して提供すべきか、すなわち、前方地点202の入口に車両100が到達するタイミングと情報提供タイミングとの間の時間(以下、「第2時間」と言う)を導出する。そして、調整部88は、第1時間及び第2時間に基づいて、操作開始タイミングの何秒前に地点情報をドライバに対して提供すべきか、すなわち、情報提供タイミングとして、操作開始タイミングから情報提供タイミングまでの時間を導出する。
【0056】
第1時間は、例えば、前方地点202の態様と、車両100に対するドライバの操作状況と、第1時間との関係に基づいて、統計的に求まる。統計の結果は、ドライバの特性を反映するものである。つまり、第1時間は、ドライバの特性に基づいて導出される。第2時間は、例えば、予め実施された官能評価試験の結果に基づいて導出される。官能評価試験の結果は、ドライバの特性を反映するものである。つまり、第2時間は、ドライバの特性に基づいて導出される。官能評価試験については、後述する。
【0057】
なお、推定部84によって、操作開始タイミングが、前方地点202の入口に車両100が到達するタイミングの何秒前であるかということが推定される場合、調整部88は、推定部84によって推定された秒数を、上述の第1時間としてもよい。
【0058】
また、調整部88は、前方地点202の態様と、車両100に対するドライバの操作状況と、第1時間との関係を表すテーブル又は計算式を用いて、前方地点202の態様と、車両100に対するドライバの操作状況とから、第1時間を導出してもよい。
【0059】
また、調整部88は、前方地点202の態様と、車両100に対するドライバの操作状況とを入力データとし第1時間を出力データとする教師データを用いて学習された学習モデルを用いて、前方地点202の態様と、車両100に対するドライバの操作状況とから、第1時間を導出してもよい。
【0060】
また、調整部88は、前方地点202の態様と、車両100に対するドライバの操作状況と、第2時間との関係を表すテーブル又は計算式を用いて、前方地点202の態様と、車両100に対するドライバの操作状況とから、第2時間を導出してもよい。
【0061】
また、調整部88は、前方地点202の態様と、車両100に対するドライバの操作状況とを入力データとし第2時間を出力データとする教師データを用いて学習された学習モデルを用いて、前方地点202の態様と、車両100に対するドライバの操作状況とから、第2時間を導出してもよい。
【0062】
このように、調整部88は、統計の結果及び官能評価試験の結果に基づいて定まるドライバの特性に基づいて、情報提供タイミングを調整する。
【0063】
また、調整部88は、ストレージ70に記憶されたドライバの要求に基づいて、情報提供タイミングを次の通りさらに調整する。ドライバの要求は、情報提供タイミングに関する要求であり、ドライバの特性を反映するものである。ドライバの要求は、例えば、情報提供タイミングを現在の設定よりも早くする要求、及び、情報提供タイミングを現在の設定よりも遅くする要求を含む。
【0064】
情報提供タイミングを現在の設定よりも早くする要求は、例えば、情報提供タイミングを1秒早くして欲しい旨の要求、又は、情報提供タイミングを2秒早くして欲しい旨の要求である。一方、情報提供タイミングを現在の設定よりも遅くする要求は、例えば、情報提供タイミングを1秒遅くして欲しい旨の要求、又は、情報提供タイミングを2秒遅くして欲しい旨の要求である。
【0065】
取得部82は、ドライバの要求が受付装置74によって受け付けられた場合、ドライバの要求を取得する。更新部92は、取得部82によってドライバの要求が取得された場合、ドライバの要求をストレージ70に上書き保存することにより、ストレージ70に記憶されているドライバの要求を更新する。
【0066】
これにより、調整部88は、ストレージ70に記憶された最新のドライバの要求が、情報提供タイミングを現在の設定よりも早くする要求である場合、要求に応じた秒数に基づいて情報提供タイミングを早くする。一方、調整部88は、ストレージ70に記憶された最新のドライバの要求が、情報提供タイミングを現在の設定よりも遅くする要求である場合、要求に応じた秒数に基づいて情報提供タイミングを遅くする。
【0067】
このように、調整部88は、ドライバの要求に基づいて定まるドライバの特性に基づいて、情報提供タイミングをさらに調整する。ただし、調整部88は、ドライバの要求が無い場合には、統計の結果及び官能評価試験の結果に基づいて定まるドライバの特性に基づいて、情報提供タイミングを調整する。
【0068】
なお、調整部88は、ドライバの要求に関係なく、統計の結果及び官能評価試験の結果に基づいて定まるドライバの特性に基づいて、情報提供タイミングを調整してもよい。
【0069】
出力部90は、現在のタイミングが、調整部88によって調整された情報提供タイミングであるか否かを判定し、情報提供タイミングである場合には、地点情報を情報出力部20に出力する。
【0070】
具体的には、出力部90は、位置データに基づいて、車両100の現在の位置を特定する。また、出力部90は、地図データと、推定部84によって推定された操作開始タイミング(具体的には、操作開始タイミングに対応する距離)と、取得部82によって取得された操作データ(特に、車速)と、調整部88によって調整された情報提供タイミング(すなわち、操作開始タイミングから情報提供タイミングまでの時間)とに基づいて、情報提供タイミングに対応する位置を特定する。そして、出力部90は、情報提供タイミングに対応する位置に車両100が到達したタイミングで、地点情報を情報出力部20に出力する。
【0071】
このようにして地点情報が情報出力部20に出力されると、情報出力部20に含まれるスピーカ38、メータパネル40、ディスプレイ42、タブレット端末44、LED46、HUD48、皮膚感覚出力器50、ウェアラブル端末52、ヘルメット出力器54、及び脳内チップ56の少なくとも何れかによって、ドライバに対して地点情報が提供される。
【0072】
なお、車両100にドライブモード(例えば、ノーマルモード、スポーツモード、及びラリーモード)を選択できる機能がある場合、推定部84は、ドライバによって選択されたドライブモードに応じて、操作開始タイミングを変更してもよい。また、調整部88も、ドライバによって選択されたドライブモードに応じて、情報提供タイミングを変更してもよい。
【0073】
また、操作データ出力部12は、ドライバの運転による車両100の走行シーンに応じて車両100から得られた各種車両データ(例えば、アクセルの角速度、ブレーキの油圧の立ち上がり速度、駆動力要求トルク、又は車両加速度等に関するデータ)を操作データとして出力してもよい。そして、調整部88は、それらの操作データに基づいて、情報提供タイミングを変更してもよい。例えば、調整部88は、アクセルの角速度の増加、ブレーキの油圧の立ち上がり速度の増加、駆動力要求トルクの増加、又は車両加速度の増加等を検知した場合には、車両100がスポーティな走りに転じたと判断し、情報提供タイミングを早めてもよい。
【0074】
次に、本実施形態に係る官能評価試験の一例について説明する。
【0075】
図4は、本実施形態に係る官能評価試験の一例を示すグラフである。官能評価試験は、ドライバにとって慣れた走行路において同一の操作状況下で実施される。
図4に示す例では、前方地点202はカーブであり、曲率半径の異なる各カーブを走行する場合に、異なる情報提供タイミングで地点情報をドライバに提供し、ドライバの運転が普段の運転習慣に対して相違する度合を評価する。
【0076】
L2、L4、L6は、曲率半径の異なる各カーブを表している。Lは左カーブを表しており、2、4、6は、カーブの曲率半径を表している。2は曲率半径が最も小さいことを表しており、6は曲率半径が最も大きいことを表している。1S、3S、4S、5S、7Sは、情報提供タイミング(この場合、第2時間[秒])を表している。
【0077】
舵角の操作率は、普段の運転習慣における舵角を100%とした場合の舵角の操作量の割合を示している。官能評価試験では、普段の運転習慣のデータの標準偏差の範囲内になる場合を「普段の運転習慣と差がない」と評価し、普段の運転習慣のデータの標準偏差の範囲外になる場合を「普段の運転習慣と差がある」と評価する。
【0078】
図4に示す例では、前方地点202の入口に車両100が到達する4~5秒前に地点情報がドライバに提供された場合、ドライバの運転と普段の運転習慣との間に差がなく、正答率の高い情報提供タイミングが得られている。また、
図4に示す例では、前方地点202の入口に車両100が到達する2秒前が操作開始タイミングであることが別途得られている。したがって、
図4に示す例では、操作開始タイミングの2~3秒後を情報提供タイミングとすればよい。
【0079】
なお、
図4に示す例は、情報提供装置18を構築するために必要な官能評価試験の一部であり、
図4に示す例と同様に、前方地点202の各態様及び各操作状況について官能評価試験が実施されることにより、前方地点202の各態様及び各操作状況に対応する情報提供タイミングが得られる。
【0080】
次に、本実施形態に係る情報提供装置18の作用について説明する。
【0081】
図5は、本実施形態に係る情報提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0082】
まず、ステップST10では、CPU60が、車両100が走行する現在の走行路200がドライバにとって慣れた走行路であるか否かを判定する。ステップST10において、車両100が走行する現在の走行路200がドライバにとって慣れた走行路である場合には、判定が肯定されて、情報提供処理はステップST12に移行する。一方、ステップST10において、車両100が走行する現在の走行路200がドライバにとって慣れた走行路ではない場合には、判定が否定されて、情報提供処理は終了する。
【0083】
ステップST12では、CPU60が、操作データ出力部12からCPU60に入力された操作データと、地図データ出力部14からCPU60に入力された地図データと、位置データ出力部16からCPU60に入力された位置データとを取得する。ステップST12は、「取得ステップ」の一例である。ステップST12の処理の後、情報提供処理はステップST14に移行する。
【0084】
ステップST14では、CPU60が、ステップST12において取得された操作データ、地図データ、及び位置データに基づいて、操作開始タイミングを推定する。ステップST14は、「推定ステップ」の一例である。ステップST14の処理の後、情報提供処理はステップST16に移行する。
【0085】
ステップST16では、CPU60が、ステップST12において取得された地図データ及び位置データに基づいて、前方地点202に関する地点情報を生成する。ステップST16は、「生成ステップ」の一例である。ステップST16の処理の後、情報提供処理はステップST18に移行する。
【0086】
ステップST18では、CPU60が、ドライバの特性に基づいて、情報提供タイミングを調整する。ステップST18は、「調整ステップ」の一例である。ステップST18の処理の後、情報提供処理はステップST20に移行する。
【0087】
ステップST20では、CPU60が、操作データ出力部12からCPU60に入力された操作データと、地図データ出力部14からCPU60に入力された地図データと、位置データ出力部16からCPU60に入力された位置データとを取得する。ステップST20の処理の後、情報提供処理はステップST22に移行する。
【0088】
ステップST22では、CPU60が、ステップST20において取得された操作データ、地図データ、及び位置データと、ステップST14において推定された操作開始タイミングと、ステップST18において調整された情報提供タイミングとに基づいて、情報提供タイミングに対応する位置に車両100が到達したか否かを判定する。ステップST22において、情報提供タイミングに対応する位置に車両100が到達した場合には、判定が肯定されて、情報提供処理はステップST24に移行する。一方、ステップST22において、情報提供タイミングに対応する位置に車両100が到達していない場合には、判定が否定されて、情報提供処理はステップST20に移行する。
【0089】
ステップST24では、CPU60が、ステップST16において生成された地点情報を情報出力部20に出力する。これにより、情報出力部20に含まれるスピーカ38、メータパネル40、ディスプレイ42、タブレット端末44、LED46、HUD48、皮膚感覚出力器50、ウェアラブル端末52、ヘルメット出力器54、及び脳内チップ56の少なくとも何れかによって、ドライバに対して地点情報が提供される。ステップST24は、「出力ステップ」の一例である。ステップST24の処理の後、情報提供処理はステップST26に移行する。
【0090】
ステップST26では、CPU60が、ドライバの要求が受付装置74によって受け付けられたか否かを判定する。ステップST26において、ドライバの要求が受付装置74によって受け付けられた場合には、判定が肯定されて、情報提供処理はステップST28に移行する。一方、ステップST26において、ドライバの要求が受付装置74によって受け付けられていない場合には、判定が否定されて、情報提供処理はステップST32に移行する。
【0091】
ステップST28では、CPU60が、受付装置74によって受け付けられたドライバの要求を取得する。ステップST28の処理の後、情報提供処理はステップST30に移行する。
【0092】
ステップST30では、CPU60が、ステップST28において取得されたドライバの要求をストレージ70に上書き保存することにより、ストレージ70に記憶されているドライバの要求を更新する。ステップST30は、「更新ステップ」の一例である。ステップST30の処理の後、情報提供処理はステップST32に移行する。
【0093】
ステップST32では、CPU60が、情報提供処理を終了する条件(以下、「終了条件」と称する)が成立したか否かを判定する。終了条件としては、ドライバ等による情報提供処理を終了する指示が受付装置74によって受け付けられたこと、又は、ドライバによる車両100の運転が停止されたこと等が挙げられる。ステップST32において、終了条件が成立した場合には、情報提供処理は終了する。一方、ステップST32において、終了条件が成立していない場合には、情報提供処理はステップステップST12に移行する。
【0094】
なお、本実施形態に係る情報提供装置18の作用として説明した上述の情報提供方法は、本開示の技術に係る「情報提供方法」の一例である。
【0095】
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0096】
以上詳述した通り、本実施形態によれば、CPU60は、車両100に対するドライバの操作に関する操作データと、車両100が走行する走行路200に対応する地図に関する地図データと、車両100の現在の位置に関する位置データとを取得する。また、CPU60は、操作データ、地図データ、及び位置データに基づいて、車両100の前方に位置する前方地点202に対応する操作をドライバが開始する操作開始タイミングを推定する。また、CPU60は、地図データ及び位置データに基づいて、前方地点202に関する地点情報を生成する。そして、CPU60は、操作開始タイミングよりも前に地点情報をドライバに対して提供する情報提供タイミングを、ドライバの特性に基づいて調整する。したがって、ドライバの特性に関係なく情報提供タイミングが決定される場合に比して、情報提供タイミングをドライバの好みに合わせることできる。
【0097】
また、ドライバの特性は、予め実施された官能評価試験の結果に基づいて定まる。したがって、官能評価試験の結果を反映した情報提供タイミングで地点情報をドライバに対して提供することができる。
【0098】
また、ドライバの特性は、情報提供タイミングに関するドライバの要求に基づいて定まる。したがって、ドライバの要求を反映した情報提供タイミングで地点情報をドライバに対して提供することができる。
【0099】
なお、上記実施形態において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、CPUなどの汎用的なプロセッサでもよいし、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はFPGA(Field Programmable Gate Array)などの専用のプロセッサを含むものでもよい。
【0100】
また、上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。
【0101】
また、上記実施形態は、情報提供装置18が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態とされてもよい。また、上記実施形態は、プログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体の形態とされてもよい。
【0102】
その他、上記実施形態で説明した情報提供装置18の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更されてもよい。
【0103】
また、上記実施形態で説明した情報提供処理の流れも、一例である。したがって、上記実施形態においては、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、情報提供プログラム80を実行することにより、実施形態に係る情報提供処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、本開示の技術は、これに限らない。上記実施形態は、例えば、ハードウェア構成、又は、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現されてもよい。
【符号の説明】
【0105】
10 情報提供システム
12 操作データ出力部
14 地図データ出力部
16 位置データ出力部
18 情報提供装置
20 情報出力部
22 ブレーキセンサ
24 舵角センサ
26 車速センサ
28 シフトセンサ
30 アクセルセンサ
32 地図記憶装置
34 カメラ
36 GPSユニット
38 スピーカ
40 メータパネル
42 ディスプレイ
44 タブレット端末
50 皮膚感覚出力器
52 ウェアラブル端末
54 ヘルメット出力器
56 脳内チップ
60 CPU
62 ROM
64 RAM
66 入出力インターフェース
68 外部インターフェース
70 ストレージ
72 バス
74 受付装置
80 情報提供プログラム
82 取得部
84 推定部
86 生成部
88 調整部
90 出力部
92 更新部
100 車両
200 走行路
202 前方地点