(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168307
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】工事管理プログラム及び工事管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20241128BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084858
(22)【出願日】2023-05-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-04
(71)【出願人】
【識別番号】522337428
【氏名又は名称】株式会社RAKUNY
(74)【代理人】
【識別番号】100187838
【弁理士】
【氏名又は名称】黒住 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100220892
【弁理士】
【氏名又は名称】舘 佳耶
(74)【代理人】
【識別番号】100205589
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 和将
(72)【発明者】
【氏名】金光 正義
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】作業者を他の工事現場から補充しなければならない状況や、資材を速やかに調達しなければならない状況等が発生した場合に、土地勘がない人でも、それらの手配を効率的に行う工事管理プログラム及び工事管理システムを提供する。
【解決手段】工事管理プログラムは、コンピュータを、施工会社及び資材入手先を含む工事関連スポットの位置を登録する工事関連スポット登録手段と、工事の発注元及び期間、並びに、工事現場の位置を含む工事関連情報を、受注した工事ごとに登録する受注工事登録手段と、受注工事登録手段に登録された工事の進捗状況を工事ごとに入力していく進捗状況入力手段と、受注工事登録手段に登録された各工事の工事現場を、工事関連スポット登録手段に登録された工事関連スポットと共通の地図(現場マップ表示画面S9)上に表示する現場マップ表示手段と、して機能させる。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、工事の進捗を管理する手段として機能させるための工事管理プログラムであって、
コンピュータを、
施工会社及び資材入手先を含む工事関連スポットの位置を登録する工事関連スポット登録手段と、
工事の発注元及び期間、並びに、工事現場の位置を含む工事関連情報を、受注した工事ごとに登録する受注工事登録手段と、
受注工事登録手段に登録された工事の進捗状況を工事ごとに入力していく進捗状況入力手段と、
受注工事登録手段に登録された各工事の工事現場を、工事関連スポット登録手段に登録された工事関連スポットと共通の地図(以下、「現場マップ」という。)上に表示する現場マップ表示手段と
として機能させることを特徴とする工事管理プログラム。
【請求項2】
現場マップ表示手段が、
工事関連スポット及び工事現場を種別のアイコンで現場マップ上に表示し、
アイコンにカーソルが重なったときに、そのアイコンに対応する工事関連スポット又は工事現場の概要をそのアイコンの付近にポップアップ表示し、
そのアイコン又は概要における特定の箇所が選択されると、そのアイコンに対応する工事の進捗状況入力画面を表示する
ものとされた請求項1記載の工事管理プログラム。
【請求項3】
現場マップ表示手段が、受注工事登録手段で登録された各工事のうち、特定の日に工事が行われている工事現場を抽出して、その工事現場を工事関連スポットとともに現場マップ上に表示する請求項2記載の工事管理プログラム。
【請求項4】
現場マップ表示手段が、受注工事登録手段で登録された各工事のうち、進捗状況入力手段に入力された進捗状況が特定の段階にある工事現場を抽出して、その工事現場を工事関連スポットとともに現場マップ上に表示する請求項3記載の工事管理プログラム。
【請求項5】
工事現場における地中情報を入力する地中情報入力手段を有し、
現場マップ表示手段が、現場マップ上で一の地点が選択されたときに、当該一の地点から特定範囲内における他の工事現場の地中情報を現場マップ上に表示する
請求項4記載の工事管理プログラム。
【請求項6】
請求項1記載の工事管理プログラムが記憶された管理サーバと、
管理サーバに無線又は有線で接続されたユーザ端末と
を備え、
工事関連スポット登録手段を用いた工事関連スポットの位置の登録、受注工事登録手段による受注した工事の登録、進捗状況入力手段による進捗状況の入力、及び、現場マップ表示手段による現場マップの表示を、ユーザ端末で行えるようにした工事管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事の進捗を管理するためにコンピュータにインストールされる工事管理プログラムと、この工事管理プログラムを用いた工事管理システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
土木工事や建築工事等を行う企業には、受注した工事の進捗をコンピュータで管理する工事管理システムを導入しているところが多い。特許文献1には、このような工事管理システムの一例が開示されている。
【0003】
特許文献1の工事管理システム(土木工事施工管理システム)は、同文献の
図4に示されるように、主に、工事現場装置1と、工事会社装置2と、管理サーバ5とで構成されている。工事現場装置1は、工事現場で日報等を作成する際に使用される。工事会社装置2は、その日報等に基づいて施工進捗表(同文献の
図16)を自動的に作成する。工事現場装置1で作成された日報や、工事会社装置2で作製された施工進捗表は、管理サーバ5に記憶され、遠隔から確認することができる。この工事管理システムを利用することで、工事の進捗を効率的に管理することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、工事の進捗の管理を効率的に行うためには、土地勘が必要になることがある。例えば、工事現場に欠員が出た場合には、近隣の他の工事現場から作業者を補充しなければならないところ、土地勘があれば、「欠員がでた工事現場は、あそこの工事現場から近いから、その工事現場から作業者を一時的な補充すればよい。」という合理的な判断を下すことができる。また、1つの工事現場における施工が短時間で終わる場合(例えば、午前中で終わる場合)等には、1人の作業者に、同じ日の異なる時間帯(例えば、午後)に近くの他の工事現場を担当させる場合もあるところ、土地勘があれば、その作業員がその日に担当し得る工事現場を容易にピックアップすることができ、効率的に計画を立てることができる。さらに、工事現場の近隣の住民から電話で問い合わせ(例えば、自家用車の通行の可否に関する問い合わせ)があった場合等には、電話を受けた者に土地勘があれば、その者から住民に適切な回答をすることが可能になる。さらにまた、トラブルが発生して予定外の資材が必要になった場合には、その資材を近隣から速やかに調達しなければならないところ、土地勘があれば、「その資材は、近くのあの資材入手先から調達すればよい。」という合理的な判断を下すことができる。
【0006】
しかし、工事管理システムを操作する人は、その場所の土地勘があるとは限らない。このため、上記のような状況が発生した場合には、各工事現場や資材入手先の住所を確認しながら、作業員の配置計画(急な欠員が出たときの配置計画や、同じ作業者に同日に複数の現場を担当させるときの配置計画等)や、資材の調達を行うようになるところ、住所を見ただけでは、比較対象の2地点がどれほど近いのかを判断しにくい。また、住民から工事に関する問い合わせがあった場合には、電話を受けた者は「後から担当者に連絡させます。」としか回答できず、担当者に対する連絡等で作業が増える。工事の施工業者では、上記のような状況が頻繁に発生するため、それらの手配に要する手間が膨大になっている。この点、特許文献1の工事管理システム等、従来の工事管理システムを導入しても、効率的に管理できるのは、主に時系列の工程であり、場所をベースにした管理については、効率的に行うことができなかった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、作業者を他の工事現場から補充しなければならない状況や、同じ作業者に同日に複数の工事現場を担当させる状況や、資材を速やかに調達しなければならない状況や、住民の問い合わせ等に回答しなければならない状況等が発生した場合に、土地勘がない人でも、作業者の補充や資材の調達の手配を効率的に行うことができる工事管理システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、
コンピュータを、工事の進捗を管理する手段として機能させるための工事管理プログラムであって、
コンピュータを、
施工会社及び資材入手先を含む工事関連スポットの位置を登録する工事関連スポット登録手段と、
工事の発注元及び期間、並びに、工事現場の位置を含む工事関連情報を、受注した工事ごとに登録する受注工事登録手段と、
受注工事登録手段に登録された工事の進捗状況を工事ごとに入力していく進捗状況入力手段と、
受注工事登録手段に登録された各工事の工事現場を、工事関連スポット登録手段に登録された工事関連スポットと共通の地図(以下、「現場マップ」という。)上に表示する現場マップ表示手段と
として機能させることを特徴とする工事管理プログラム
を提供することによって解決される。
【0009】
本発明の工事管理プログラムは、管理サーバ(コンピュータ)に記憶(インストール等)される。管理サーバは、ユーザ端末(コンピュータ)に対して、無線又は有線で接続される。以下においては、工事管理プログラムが記憶された管理サーバと、それに接続されるユーザ端末とを含めて、「工事管理システム」と呼ぶことがある。この工事管理システムにおいて、上記の工事関連スポットの位置の登録や、受注した工事の登録や、各工事の進捗状況の入力や、現場マップの表示は、管理サーバから離れた場所にあるユーザ端末で行うことができる。
【0010】
このように、工事現場や資材入手先(工事関連スポット)を現場マップ上に表示することによって、ある工事現場の場所や、ある工事現場と他の工事現場との位置関係や、ある工事現場とある資材入手先との位置関係を、視覚的に把握することが可能になる。このため、作業者を他の工事現場から補充しなければならない状況や、同じ作業者に同日に複数の工事現場を担当させる状況や、資材を速やかに調達しなければならない状況や、住民の問い合わせ等に回答しなければならない状況等が発生した場合には、土地勘がない人でも、作業者の補充や資材の調達の手配を効率的に行うことができる。
【0011】
本発明の工事管理プログラムにおいては、
現場マップ表示手段が、
工事関連スポット及び工事現場を種別のアイコンで現場マップ上に表示し、
アイコンにカーソルが重なったときに、そのアイコンに対応する工事関連スポット又は工事現場の概要をそのアイコンの付近にポップアップ表示し
そのアイコン又は概要における特定の箇所が選択されると、そのアイコンに対応する工事の進捗状況入力画面を表示する
ものとすることが好ましい。
【0012】
現場マップ上に表示される文字が多いと、現場マップを見にくくなるところ、工事関連スポットや工事現場をアイコンで現場マップ上に表示することで、現場マップを見やすくすることができる。また、アイコンにカーソルを重ねると、そのアイコンに対応する概要(発注元や、工事名や、工事現場の住所等)がポップ表示されるため、現場マップから画面を切り替えることなく、その工事の概要を確認することができる。その工事についてより詳細な情報(工事期間や、具体的な進捗状況や、作業員のリスト等)を知りたいときや、その情報を更新したいときには、そのアイコンや、概要における特定の箇所を選択(クリック等)することで、それが可能な画面(進捗状況入力画面)に切り替えることができる。
【0013】
本発明の工事管理プログラムにおいては、現場マップ表示手段が、受注工事登録手段で登録された各工事のうち、特定の日に工事が行われている工事現場を抽出して、その工事現場を工事関連スポットとともに現場マップ上に表示することも好ましい。
【0014】
というのも、ある日の作業員を補充する場合には、その日よりも前の工事現場の状況や、その日よりも後の工事現場の状況を考慮する必要がない。このため、その日以外の工事現場までもが現場マップ上に表示されていると、作業員の補充等の手配に間違いが生じるおそれがある。この点、ある特定の日に工事が行われている工事現場を抽出して現場マップ上に表示することで、間違いが生じにくくすることができる。
【0015】
本発明の工事管理プログラムにおいては、現場マップ表示手段が、受注工事登録手段で登録された各工事のうち、進捗状況入力手段に入力された進捗状況が特定の段階にある工事現場を抽出して、その工事現場を工事関連スポットとともに現場マップ上に表示することも好ましい。
【0016】
進捗状況の特定の段階(以下、「進捗段階」と呼ぶことがある。)としては、例えば、受注したものの着工日が決まっていない段階を示す「工事未定」や、着工日が決まったものの着工前の段階を示す「工事予定」や、着工後で完了前の段階を示す「工事中」等が挙げられる。進捗段階に応じた工事現場を抽出して現場マップ上に表示することで、工事の計画を効率的に行うことが可能になる。
【0017】
本発明の工事管理プログラムは、工事現場における地中情報を入力する地中情報入力手段を有し、現場マップ表示手段が、現場マップ上で一の地点が選択されたときに、当該一の地点から特定範囲内における他の工事現場の地中情報を現場マップ上に表示するものとすることも好ましい。
【0018】
というのも、工事のなかには、ガス管工事等、地面を掘削するものも多い。地面を掘削する工事では、地面を掘っているときに湧水(地下水)が出ることがある。この地下水の有無や多少によって、工事の難易度が変化する。難易度の高い工事では、特殊な工具(資材)を調達する必要が生じたり、作業者の人数を増やしたりする必要がある。この点、過去の工事現場での地下水の有無等を「地中情報」として登録しておけば、近隣の工事現場で行う工事を計画する際に、その地中情報を参照することができ、その計画を効率的に行うことが可能になるからである。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によって、作業者を他の工事現場から補充しなければならない状況や、同じ作業者に同日に複数の工事現場を担当させる状況や、資材を速やかに調達しなければならない状況や、住民の問い合わせ等に回答しなければならない状況等が発生した場合に、土地勘がない人でも、作業者の補充や資材の調達の手配を効率的に行うことができる工事管理システムを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】工事管理システムの全体像を示した図である。
【
図2】工事管理システムのログイン画面を示した図である。
【
図3】工事管理システムのトップ画面を示した図である。
【
図4】工事管理システムの工事登録画面を示した図である。
【
図5】工事管理システムの工事一覧画面を示した図である。
【
図6】工事管理システムの進捗管理画面を示した図である。
【
図7】工事管理システムの進捗管理画面(
図6の続き)を示した図である。
【
図8】工事管理システムの進捗管理画面(
図7の続き)を示した図である。
【
図9】工事管理システムの日報予備登録画面を示した図である。
【
図10】工事管理システムの日報編集画面を示した図である。
【
図11】工事管理システムの工事関連スポット登録画面を示した図である。
【
図12】工事管理システムの現場マップ表示画面(「今日の現場」表示時)を示した図である。
【
図13】工事管理システムの現場マップ表示画面(「工事中の現場」表示時)を示した図である。
【
図14】工事管理システムの現場マップ表示画面(「工事未定現場」表示時)を示した図である。
【
図15】工事管理システムの現場マップ表示画面(「工事予定現場」表示時)を示した図である。
【
図16】工事管理システムの現場マップ表示画面(「地中情報」表示時)を示した図である。
【
図17】工事管理システムの現場マップ表示画面で工事現場のサブメニューをポップアップ表示した状態を示した図である。
【
図18】工事管理システムの現場マップ表示画面で地中情報のサブメニューをポップアップ表示した状態を示した図である。
【
図19】工事管理システムの現場マップ表示画面から表示される写真画面の一例を示した図である。
【
図20】工事管理システムの現場マップ表示画面で目的の工事現場周辺を拡大表示した状態を示した図である。
【
図21】工事管理システムにおいて、工事登録された工事現場を基準位置として、地中情報の現場マップ表示画面を表示した例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の工事管理システム及びそれに用いる工事管理プログラムについて、図面を用いてより具体的に説明する。しかし、以下で述べる構成は、飽くまで好適な実施形態に過ぎない。このため、本発明の技術的範囲は、以下で述べる構成に限定されない。本発明の工事管理システム及び工事管理プログラムには、発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更を施すことができる。
【0022】
1.工事管理システムの全体像
本発明の工事管理システムは、工事の進捗管理を効率的に行うためのものである。
図1は、工事管理システムの全体像を示した図である。
【0023】
本発明の工事管理システムは、
図1に示すように、管理サーバ10と、ユーザ端末20とで構成される。
【0024】
管理サーバ10としては、一般的なサーバ用のコンピュータを用いることができる。上述した工事管理プログラムは、この管理サーバ10にインストール(記憶)され、実行可能な状態(管理サーバ10を、工事の進捗を管理する手段として機能させることができる状態)とされる。
【0025】
ユーザ端末20としては、パソコンや、スマートフォンや、タブレット端末等のコンピュータ端末が例示される。ユーザ端末20は、通常、複数台用意される。本実施形態では、説明の便宜上、3台のユーザ端末20(事務員用端末21、現場責任者用端末22及び作業者用端末23)を用いているが、ユーザ端末20は、4台以上用意してもよい。
【0026】
ユーザ端末20は、有線又は無線によって接続され、管理サーバ10に接続される。本実施形態においては、ユーザ端末20のうち、事務員用端末21を、有線(有線LAN)で管理サーバ10に接続しており、現場責任者用端末22及び作業者用端末23を、無線(インターネットを介したWiFi通信)で管理サーバ10に接続している。このため、ユーザ端末20と管理サーバ10は、互いに、通信が可能となっている。
【0027】
ユーザ端末20には、管理サーバ10に接続するための端末用アプリケーションが搭載されている。これにより、ユーザ端末20から、その端末用アプリケーションを通して、管理サーバ10に接続し、新規に受注した工事を管理サーバ10に登録することや、管理サーバ10に登録された各種情報を読み出すことや、それらの情報を更新することができる。工事管理システムのユーザは、ユーザ端末20におけるその端末用アプリケーションを使って、管理サーバ10に対する上記の操作を行うことができる。本実施形態では、上記の端末用アプリケーションとして、一般的なウェブブラウザを用いている。
【0028】
2.工事管理システムの操作及び動作
工事管理システムの操作及び動作について説明する。以下においては、ユーザ端末20から管理サーバ10に接続し、ユーザ端末20のウェブブラウザで表示される各種の画面を参照しながら各種操作を行う場合を例に挙げて説明する。
【0029】
2.1 ログイン画面
工事管理システムを利用する際には、ユーザ端末20から管理サーバ10に接続(アクセス)する。管理サーバ10にアクセスすると、ユーザ端末20の表示部(モニタ等)には、
図2に示すログイン画面S
1が表示される。
図2は、工事管理システムのログイン画面S
1を示した図である。ログイン画面S
1には、ユーザ名入力部α
1と、パスワード入力部α
2と、ログインボタンα
3とが設けられている。工事管理システムの利用者は、自分に割り当てられているユーザ名及びパスワードを、それぞれユーザ名入力部α
1及びパスワード入力部α
2に入力し、ログインボタンα
3を押す(クリック等する)。これにより、工事管理システムにログインすることができる。ユーザ名入力部α
1及びパスワード入力部α
2に入力されたユーザー名及びパスワードが、管理サーバ10に事前に記憶されているものと合致しない場合には、工事管理システムへのログインが拒否される。
【0030】
2.2 トップ画面
工事管理システムにログインすると、ユーザ端末20の表示部(モニタ等)は、ログイン画面S
1(
図2)から、
図3のトップ画面S
2に切り替わる。
図3は、工事管理システムのトップ画面S
2を示した図である。トップ画面S
2の上段部は、メニュー表示部α
4となっており、その下側は、内容表示部α
5となっている。メニュー表示部α
4には、各種のメニューボタンが配置されており、その右側には、そのときにログインしているユーザ名が表示されている。本実施形態においては、メニューボタンとして、「カレンダー」ボタンと、「現場マップ」ボタンと、「工事登録」ボタンと、「工事一覧」ボタンと、「資料作成」ボタンと、「保守管理」ボタンと、「画面印刷」ボタンと、「トーク」ボタンと、「要確認」ボタンとが設けられている。これらのボタンを押す(クリックする)ことで、内容表示部α
5の表示が、そのボタンに応じたものに切り替わる。一方、メニュー表示部α
4は、メニュー表示部α
4のボタンを押して画面を切り替えても、常に表示される。
【0031】
2.3 工事登録画面
工事管理システムで工事の進捗を管理するためには、受注した工事を、工事管理システムに登録(工事登録)する必要がある。工事登録は、
図4に示す工事登録画面S
3で行う。
図4は、工事管理システムの工事登録画面S
3を示した図である。この工事登録画面S
3は、メニュー表示部α
1における「工事登録」ボタンを押すと表示される。工事登録画面S
3の内容表示部α
5には、工事に関する情報を入力するテンプレート(工事登録用テンプレート)が表示される。
【0032】
本実施形態においては、
図4に示すように、工事登録用テンプレートの上段部では、発注元、工事分類、施工会社、工事名称、工事場所、受注日、作業単位、至急対応の要否、着工メール送信及び完了メール送信の自動送信の要否等を入力する箇所となっている。これらのうち、発注元、工事分類、施工会社及び作業単位は、プルダウンメニューで選択する形式を採用している。工事名、工事場所及び受注日は、テキストボックスにテキスト入力する形式を採用している。工事場所は、通常、「XX市XX町XX番地」のような住所が入力されるが、その入力欄(テキストボックス)の近くに地図表示ボタン(図示省略)を設け、その地図表示ボタンを押すと表示される地図上で指定できるようにしてもよい。至急案件の要否と、着工メール送信及び完了メール送信の自動送信の要否は、チェックボックスで入力する形式を採用している。工事登録用テンプレートの上段部には、各種伝票(注文書等)や各種資料(図面等)の電子データ(pdfデータ等)を添付するためのボタンも設けられている。
【0033】
工事登録用テンプレートの中段部では、登録する工事の現場責任者、作業者及び事務員を入力する箇所となっている。これらのうち、工事責任者は、プルダウンメニューで選択する形式を採用している。作業者及び事務員は、画面にリスト表示された候補者のなかから、担当者をチェックボックスで入力する形式を採用している。ただし、工事責任者や作業員は、施工会社によって異なる。このため、施工会社を指定するプルダウンメニューで選択した施工会社に応じて、リスト表示される工事責任者や作業員が自動的に切り替わるようにしている。この欄には、別途、ガードマンやシルバー人材の候補者を入力する欄を設けることもできる。
【0034】
工事登録用テンプレートの下段部では、登録する工事で実施予定の工事項目(本支管工事、供給管工事、舗装工事、供給管舗装、内管新築小型工事、内管新築大型工事又は内管増位工事等の種別)と、工事項目ごとの工事金額(工賃)、材料費、工事費合計及び発注元工事番号を入力する箇所となっている。工事項目は、チェックボックスで入力する形式を採用しており、工事金額(工賃)等の金額は、テキストボックスにテキスト入力する形式を採用している。各工事項目の工事費合計は、該当する工事項目の工事金額(工賃)及び材料費を入力すると、その合計が自動的に入力される。
【0035】
工事登録用テンプレートの各入力を終えると、内容表示部α5の右下部に設けられた「登録」ボタンを押す。これにより、工事登録用テンプレートで入力した内容が、工事管理システム(管理サーバ10)に登録される。
【0036】
2.4 工事一覧画面
上記「2.3 工事登録画面」で登録した工事の一覧(工事一覧)は、
図5に示す工事一覧画面S
4で確認することができる。
図5は、工事管理システムの工事一覧画面S
4を示した図である。この工事一覧画面S
4は、メニュー表示部α
5の「工事一覧」ボタンを押すと表示される。工事一覧画面S
4の内容表示部α
5には、それまでに登録された工事がリスト形式で表示される。同リスト(工事リスト)には、工事番号、発注元、施工会社、工事名、工事場所、進捗、工事願、チェック表等の項目が工事ごとに設けられている。各工事の工事番号、工事名及び工事場所は、押す(クリックする)ことができるようになっている。
【0037】
これらのうち、各工事の工事番号又は工事名をクリックすると、該当する工事の工事進捗管理画面S
5(後掲する
図6~8を参照。)に切り替わり、その工事の進捗を確認したり更新したりすることができるようになっている。一方、各工事の工事場所をクリックすると、Gооgle(登録商法)マップ等のウェブマッピングプラットフォームの地図が別ウィンドウで立ち上がり、その地図上に、該当する工事の工事場所が示されるようになっている。上記の工事登録画面S
3(
図4)においては、工事場所を住所で入力したところ、工事一覧画面S
4の工事リストの工事場所の欄は、その住所を変換したGPS座標が表示されている。
【0038】
工事一覧画面S4における内容表示部α5の上側には、その下側の工事リストに表示される工事をフィルタリングするための条件を入力する部分(条件入力部)となっている。条件入力部には、発注元、施工会社、進捗情報、工事名・工事場所、客先工事番号(発注元工事番号)を入力する箇所が設けられている。これらのうち、発注元、施工会社及び進捗情報は、プルダウンメニューで選択する形式を採用しており、工事名・工事場所及び客先工事番号は、テキストボックスにテキストを入力する形式を採用している。
【0039】
これにより、例えば、発注元で「A会社」を指定すると、工事リストには、施工会社が「A会社」である工事のみが表示され、進捗状況で「工事中」を指定すると、工事リストには、そのとき工事中の工事のみが表示されるようになっている。このフィルタリング機能があることで、工事管理システムに多数の工事が登録されている場合でも、目的の工事を工事リストに効率的に抽出することができる。
【0040】
2.5 進捗管理画面
上記「2.4 工事一覧画面」で述べたように、工事一覧画面S
4の工事リストにおける所定箇所(各工事の工事番号又は工事名)をクリックすると、その工事の進捗管理画面S
5に切り替わる。
図6~8は、工事管理システムの進捗管理画面S
5を示した図である。この進捗管理画面S
5を見ると、その工事が今どんな進捗状況にあるのかを確認することができる。
【0041】
進捗管理画面S
5には、
図6~8に示すように、基本情報表示部P
1と、許可申請情報表示部P
2と、経理情報表示部P
3と、作業者表示部P
4と、最終更新者表示部P
5と、進捗表示部P
6とが設けられており、それらにその工事の各種情報が表示される。進捗管理画面S
5の表示内容は、上述した工事登録画面S
3(
図4)における工事登録用テンプレートで入力した内容等をベースに自動的に作成される。ただし、利用者は、更新の権限が認められている項目については、この進捗管理画面S
5から更新することもできる。
【0042】
基本情報表示部P
1には、
図6に示すように、その工事に関する基本的な情報が表示されている。具体的には、その工事の発注元、工事分類(ガス管工事又は水道管工事等の分類)、施工会社や、工事名や、工事場所や、受注日や、工事開始日(着工日)や、工事完了日(完了日)や、メール自動送信の要否や、作業単位(班単位又は人単位の種別)や、至急対応の要否や、地中情報や、舗装情報等が表示される。工事名や工事場所等、上記の工事登録用テンプレートと共通する項目については、その工事登録用テンプレートで入力した内容がそのまま表示される。工事登録用テンプレートと同様、基本情報表示部P
1にも、各種伝票(注文書等)や各種資料(図面等)の電子データ(pdfデータ等)を添付するためのボタンも設けられている。
【0043】
ところで、基本情報表示部P1における各項目のうち、地中情報と、舗装情報は、上記の工事登録用テンプレートには無かった項目である。というのも、地中情報(水量、深さ又は土質等に関する情報)や、舗装情報(舗装の種類や厚さに関する情報)は、その工事現場の地面を実際に掘削してみないと分からないのが通常だからである。これらの地中情報及び舗装情報は、工事が進んで分かった段階で入力する。基本情報表示部P1には、工事現場を掘削したときに撮影された写真(地下水の多少や、舗装の状態が分かる写真等)を添付するための「写真添付」ボタンも設けられている。
【0044】
本実施形態において、「水量」は、プルダウンメニューで選択できるようになっており、「無し」、「少」、「多」又は「最多」等の中から選択するようになっている。「深さ」は、地下水が出た深さをテキストボックスに数値で入力するようになっている。「土質」は、プルダウンメニューで選択できるようになっており、「砂」、「真砂」、「レキ」又は「粘土」等の中から選択するようになっている。また、「舗装情報」も、プルダウンメニューで選択するようになっており、「As 5cm」(Asはアスファルトのこと。以下同じ。)、「As 8cm」、「As 10cm」、「As 20cm」、「CO 10cm」(COはコンクリートのこと。以下同じ。)、「CO 20cm」、「As 10cm + CO 10cm」、「インターロッキング」又は「その他」等の中から選択するようになっている。
【0045】
許可申請情報表示部P2には、許可申請に関する情報が表示され、本実施形態においては、道路使用許可申請に関する情報が表示される。具体的には、同申請を行う警察署(申請先警察署)と、同申請の受理日(道路使用許可受理日)と、道路使用許可の開始日(道路使用許可開始日)と、道路使用許可の終了日(道路使用許可終了日)が表示されるようになっている。許可申請情報表示部P2におけるこれらの項目は、権限を有する利用者によって入力される。申請先警察署は、プルダウンメニューで表示された複数の警察署の中から選択できるようになっている。道路使用許可受理日、道路使用許可開始日及び道路使用許可終了日は、テキストボックスに日付を入力するようになっている。
【0046】
経理情報表示部P
3には、
図6~7に示すように、その工事に関する経理情報が表示される。既に述べたように、工事登録画面S
3(
図4)では、工事項目(本支管工事、供給管工事、舗装工事、供給管舗装、内管新築小型工事、内管新築大型工事又は内管増位工事等の種別)と、工事項目ごとの工事金額(工賃)、材料費、工事費合計及び発注元工事番号を入力するようになっていたところ、これらの内容が、経理情報表示部P
3にも表示される。ただし、工事登録画面S
3(
図4)の工事金額(工賃)や材料費は、予定金額であったのに対し、進捗管理画面S
5の経理情報表示部P
3には、予定金額(予定工事金額及び予定材料費)に加え、実績金額(実績工事金額及び実績材料費)も表示される。また、経理情報表示部P
3には、仮入金日と仮入金額の項目も設けられており、発注元から仮入金があった場合にその入金日(仮入金日)と金額(仮入金額)を入力することができるようになっている。この経理情報表示部P
3における各項目は、権限を有する利用者によって入力される。
【0047】
作業者表示部P
4には、
図7に示すように、その工事の作業者等に関する情報が表示される。既に述べたように、工事登録画面S
3(
図4)では、工事責任者と、作業者と、事務員を入力したところ、これと同じ内容が、作業者表示部P
4に表示される。この作業者表示部P
4は、権限を有する利用者によって、変更することが可能である。その変更の際の入力形式は、工事登録画面S
3(
図4)の場合と同様である。
【0048】
最終更新者表示部P
5には、
図8に示すように、進捗管理画面S
5の各項目を最後に更新した利用者(最終更新者)の氏名が表示される。また、進捗表示部P
6には、その工事の進捗状況が、時系列(
図8の例では、上側が新しく、下側が古くなっている。)で表示される。本実施形態では、工事番号と、実施日と、予定又は実績の種別(予実績)と、進捗状況と、作業内容と、施工に参加した作業者の人数と、応援の人数と、ガードマンの人数と、シルバー人材の人数と、外注先とが表示されるようになっている。この進捗表示部P
6は、後述する日報予備登録画面S
6(後掲する
図9を参照。)や日報編集画面S
7(後掲する
図10を参照。)で入力された内容をベースに、自動的に作成され、表示される。
【0049】
2.6 日報作成画面
ところで、工事登録画面S
3(
図4)で登録した工事については、作業の日報を予定登録することが可能になる。本実施形態において、日報は、以下の手順で予備登録するようになっている。
【0050】
まず、メニュー表示部α
4における「カレンダー」ボタンを押す。すると、内容表示部α
5にカレンダーが表示されたトップ画面(カレンダー表示画面)S
3に切り替わる。このカレンダーにおける日報テンプレートを登録したい日付をクリックすると、
図5に示す工事一覧画面S
4(ただし、工事未定案件のみが抽出されたもの)に切り替わる。そのとき表示されているカレンダーにない日付の日報を予備登録したい場合には、内容表示部α
5の左上のプルダウンメニューで別の年月を指定するか、内容表示部α
5の右上の「前月」ボタン、「今月」ボタン又は「来月」ボタンを押すことで、表示されるカレンダーの年月を切り替えることができる。
【0051】
このとき表示された工事一覧画面S
4における工事リストに表示された工事の中から、日報テンプレートを作成したい工事を選択する。すると、
図9に示す日報予備登録画面S
6に切り替わる。
図9は、工事管理システムの日報予備登録画面S
6を示した図である。日報予備登録画面S
6では、その日に行う予定の工程や、作業者等を入力する。、日報編集画面S
6の右下の「予備登録」ボタンを押すと、その日付にその工事の予備日報が予備登録される。
【0052】
予備登録された日報は、トップ画面(カレンダー表示画面)S3に表示されるカレンダーにおける対応する日付の下側欄に表示される。カレンダー上において、各工事の日報は、発注元、現場責任者、工事名、進捗状況を1行で表したタイトル(日報タイトル)の状態で表示される。各工事の日報タイトルが1行で収まるように、発注元や現場責任者は、1~2文字程度の略称を用いて表示され、工事名は、最初の数文字のみが表示され、進捗状態は、2文字程度で表される。
【0053】
カレンダー上の日報タイトルを押すと、その日報編集画面S
7(
図10)に切り替わる。
図10は、工事管理システムの日報編集画面S
7を示した図である。この日報編集画面S
7で予備登録された日報を編集することができる。図示を省略しているが、日報編集画面S
7の下側には、作業者の勤務時間(実績)を入力する欄も設けられている。日報の編集は、工事を行った日にその工事内容等を更新する場合や、工事前に予定変更があった場合等に行う。内容表示部α
5の右下の「更新」ボタンを押すと、日報が更新される。その更新内容は、上記の進捗管理画面S
5(
図6~8)等にも反映される。
【0054】
2.7 工事関連スポット登録画面
工事管理システムでは、資材入手先(資材置き場や、資材保管倉庫や、資材購入会社等)や、自社や協力会社や、施工会社等の工事関連スポットを登録することができる。工事関連スポットの登録は、
図11の工事関連スポット登録画面S
8で行うことができる。
図11は、工事管理システムの工事関連スポット登録画面S
8を示した図である。この工事関連スポット登録画面S
8は、メニュー表示部α
4の「保守管理」ボタンにカーソルを重ねたときに表示されるプルダウンメニューの中から「工事関連スポット登録」を選択すると、表示される。
【0055】
工事関連スポット登録画面S
8では、
図11に示すように、登録する工事関連スポットのカテゴリーと、スポット名称と、住所と、連絡先(電話番号、ファックス番号及びE-Mailアドレス)とを入力するようになっている。工事関連スポットのカテゴリーは、プルダウンメニューで「発注元」、「自社・協力会社」、「資材入手先」、「施工会社」又は「その他」等の中から選択する形式を採用している。また、スポット名称、場所(住所やGPS座標等)及び連絡先は、テキストボックスにテキストを入力する形式を採用している。これらの入力を行い、右下の「新規登録」ボタンを押すと、その工事関連スポットが登録される。工事関連スポットに関する情報を変更したい場合には、「変更」タブを押すと、工事関連スポット変更画面(図示省略)に切り替わり、その工事関連スポットのスポット名称や住所や連絡先を編集することが可能になる。
【0056】
2.8 現場マップ表示画面
この工事管理システムでは、メニュー表示部α
4における「現場マップ」ボタンにカーソルを押すと、工事管理システムに登録された工事の現場(工事現場)の位置や、工事関連スポットの位置等が共通の地図上に表された現場マップ(
図12~16)を表示することができる。
図12~16は、工事管理システムの現場マップ表示画面S
9を示した図であって、
図12は、「今日の現場」表示時の現場マップ表示画面S
9.1を、
図13は、「工事中の現場」表示時の現場マップ表示画面S
9.2を、
図14は、「工事未定現場」表示時の現場マップ表示画面S
9.3を、
図15は、「工事予定現場」表示時の現場マップ表示画面S
9.4を、
図16は、「地中情報」表示時の現場マップ表示画面S
9.5をそれぞれ示している。現場マップ表示画面S
9の現場マップには、Gооgle(登録商法)マップ等のウェブマッピングプラットフォームの地図を利用することができる。
【0057】
メニュー表示部α
4の「現場マップ」ボタンにカーソルを重ねると、「今日の現場」、「工事中の現場」、「工事未定現場」、「工事予定現場」及び「地中情報」等がリストアップされたプルダウンメニューが表示されるところ、その中から「今日の現場」を選択すると現場マップ表示画面S
9.1(
図12)が表示され、「工事中の現場」を選択すると現場マップ表示画面S
9.2(
図13)が表示され、「工事未定現場」を選択すると現場マップ表示画面S
9.3(
図14)が表示され、「工事予定現場」を選択すると現場マップ表示画面S
9.4(
図15)が表示され、「地中情報」を選択すると現場マップ表示画面S
9.5(
図16)が表示されるようになっている。
【0058】
現場マップ表示画面S
9.1(
図12)では、その日(今日)に工事が行われている工事現場の位置を示す地図(現場マップ)が表示され、現場マップ表示画面S
9.2(
図13)では、その日(今日)が工事期間に入っている工事現場の位置を示す地図(現場マップ)が表示され、現場マップ表示画面S
9.3(
図14)では、受注を受けたものの、そのときには着工日が決まっていない工事現場の位置を示す地図(現場マップ)が表示され、現場マップ表示画面S
9.4(
図15)では、受注を受け着工日も決まっているものの、そのときには未だ着工されていない工事現場の位置を示す地図(現場マップ)が表示され、現場マップ表示画面S
9.5(
図16)では、指定地点周辺の地中情報を示す地図(現場マップ)が表示される。
【0059】
その他、上記のプルダウンメニューには、「供給管撤去工事」や「付帯工事」等の項目を設け、「供給管撤去工事」を選択したときに、工事未定現場又は工事予定現場のうち、供給管撤去工事を行う工事現場の位置を示す現場マップが表示されるようにしたり、「付帯工事」を選択したときに、工事未定現場又は工事予定現場のうち、付帯工事を行う工事現場の位置を示す現場マップが表示されるようにしたりすることもできる。
【0060】
図12~16の現場マップ表示画面S
9.1,S
9.2,S
9.3,S
9.4,S
9.5等で表示される現場マップでは、各工事現場や工事関連スポット(資材入手先、施工会社又は発注元等)の位置がアイコンで示されている。
【0061】
例えば、「工」の文字を表したアイコンβ
1(
図12及び
図13)は、、その日に作業が行われている工事現場の位置を示している。「休」の文字を表したアイコンβ
2(
図13)は、その日が工事期間に入っていながらも、その日には作業が行われていない工事現場(作業が休みの工事現場)の位置を示している。「未」の文字を表したアイコンβ
3(
図14)は、工事未定現場(着工日が決まっていない工事現場)の位置を示している。「予」の文字を表したアイコンβ
4(
図15)、工事予定現場(着工日が決まっているものの、着工日になっていない工事現場)の位置を示している。各工事現場の位置は、上述した工事登録画面S
3(
図4)で入力された工事場所から特定される。
【0062】
また、山型のアイコンβ
5(
図12~15)は、資材入手先(資材置き場や、資材保管倉庫や、資材購入会社等)の位置を示している。人型のアイコンβ
6(
図12~15)は、施工会社の位置を示している。タンク型のアイコンβ
7(
図12~15)は、発注元の位置を示している。資材入手先や、施工会社や、発注元以外の工事関連スポットの位置も、別種のアイコン(図示省略)を用いて示すことができる。これらの工事関連スポットの位置は、上述した工事関連スポット登録画面S
8(
図11)で入力された場所に基づいて特定される。
【0063】
このように、工事現場や、工事関連スポット(資材入手先や、施工会社や、発注元等)の位置を、現場マップ上に表示することによって、ある工事現場の場所や、ある工事現場と他の工事現場との位置関係や、ある工事現場とある資材入手先との位置関係を、視覚的に把握することが可能になる。このため、作業者を他の工事現場から補充しなければならない状況や、同じ作業者に同日に複数の工事現場を担当させる状況や、資材を速やかに調達しなければならない状況や、住民の問い合わせ等に回答しなければならない状況等が発生した場合には、土地勘がない人でも、それらの手配を効率的に行うことができる。また、工事現場や工事関連スポットの位置をアイコンで示すことによって、現場マップを見やすくすることができる。
【0064】
本実施形態においては、
図17に示すように、アイコンβ
1,β
2,β
3,β
4,β
5,β
6にカーソルγ
1が重なったときに、そのアイコンの付近に吹き出し(サブメニュー)γ
2がポップアップ表示され、そのサブメニューγ
2に、そのアイコンに対応する工事現場や工事関連スポットの概要が表示されるようになっている。
図17は、工事管理システムの現場マップ表示画面S
3,1で工事現場のサブメニューをポップアップ表示した状態を示した図である。このサブメニューγ
2は、その右上の「X」印をカーソルγ
1でクリックすると、閉じることができる。
【0065】
サブメニューγ
2に表示する概要としては、カーソルγ
1が重なったのが工事現場を示すアイコンβ
1,β
2,β
3,β
4である場合には、その工事の発注元や、工事名や、工事現場の住所や、進捗状況等が挙げられる。また、カーソルγ
1が重なったのが資材入手先を示すアイコンβ
5である場合には、その資材仕入先の名称や住所や連絡先等が挙げられる。また、カーソルγ
1が重なったのが施工会社を示すアイコンβ
6である場合には、その施工会社の名称や住所や連絡先等が挙げられる。さらに、カーソルγ
1が重なったのが発注元を示すアイコンβ
7である場合には、その発注元の名称や住所や連絡先等が挙げられる。サブメニューγ
2に表示される概要の表示内容は、上記の工事登録画面S
3(
図4)で工事を登録する際に入力した内容や、進捗管理画面S
5(
図6~8)で進捗状況を更新する際に入力した内容や、工事関連スポット登録画面S
8(
図11)で工事関連スポットを登録する際に入力した内容を基に自動的に生成される。
【0066】
また、本実施形態においては、アイコンβ
1,β
2,β
3,β
4か、その付近にポップアップ表示されたサブメニューγ
2の所定箇所を、カーソルγ
1でクリックすると、内容表示部α
5が、そのアイコンに対応する工事の進捗状況入力画面S
5(
図6~8)に切り替わるようになっている。これにより、現場マップ上に示された工事現場について、より詳細な情報(工事期間や、具体的な進捗状況や、作業員のリスト等)を簡単な操作で取得することができる。したがって、作業員の補充や、資材の調達等の手配をより行いやすくなる。また、進捗状況を更新したい工事の名称(工事名)が分からない場合でも、工事現場の凡その場所が分かれば、その工事の進捗状況入力画面S
5を現場マップから開くことも可能になる。
【0067】
さらに、十字型のアイコンβ
8(
図16)は、基準位置を示すものである。基準位置は、現場マップ上をダブルクリックすることで、指定することができるが、デフォルトの状態(現場マップ上をダブルクリックしていない状態)では、利用者の現在位置に表示されるようになっている。利用者の現在位置は、パソコンやモバイル端末のGPS座標から特定することができる。
【0068】
さらにまた、しずく型のアイコンβ
9(
図12)は、その位置の地中情報を示すものとなっている。しずく型のアイコンβ
9には、「無」の文字を表したものと、「少」の文字を表したものと、「多」の文字を表したものと、「最多」の文字を表したもの(図示省略)とがある。「無」のアイコンβ
9は、掘削したときに地下水が出なかった場所を示し、「少」のアイコンβ
9は、掘削したときに地下水が少ししか出なかった場所を示し、「多」のアイコンβ
9は、掘削したときに地下水が多く出た場所を示し、「最多」のアイコンβ
9(図示省略)は、掘削したときに地下水がかなり多く出た場所を示す。
【0069】
しずく型のアイコンβ
9は、基準位置(アイコンβ
8の位置)から特定範囲内にある過去の工事現場(進捗管理画面S
5(
図6)の基本情報表示部P
1における「地中情報」の「水量」が既に入力されている工事現場)の位置に表示され、その「水量」の入力内容に基づいて、アイコンβ
9に表される文字が「無」、「少」、「多」又は「最多」のいずれになるかが決定される。これにより、基準位置周辺の地中情報を把握することができ、その基準位置を掘削したときに、どの程度地下水が出るのか等、地下の状態を予測することが可能になる。
【0070】
しずく型のアイコンβ
9を表示する範囲(基準位置からの距離。以下「地中情報表示範囲」と呼ぶことがある。)は、特に限定されない。しかし、地中情報表示範囲が狭すぎると、現場マップ表示画面S
9.5(
図16)の現場マップ上に地中情報が殆ど表示されなくなるおそれがある。このため、地中情報表示範囲は、50m以上とすることが好ましい。地中情報表示範囲は、100m以上とすることがより好ましく、150m以上とすることがさらに好ましい。ただし、基準位置から遠く離れた場所の地中情報は参考にならないため、地中情報表示範囲を広くしすぎても意味はない。このため、地中情報表示範囲は、通常、1000m以下とされる。地中情報表示範囲は、500m以下であることが好ましい。本実施形態においては、地中情報表示範囲を200mとしている。
【0071】
本実施形態においては、
図18に示すように、アイコンβ
9にカーソルγ
1が重なったときに、そのアイコンの付近に吹き出し(サブメニュー)γ
3がポップアップ表示され、そのサブメニューγ
3に、そのアイコンに対応する地点(過去の工事現場の位置)の概要が表示されるようになっている。
図18は、工事管理システムの現場マップ表示画面S
3,5で地中情報のサブメニューγ
3をポップアップ表示した状態を示した図である。このサブメニューγ
3は、その右上の「X」印をカーソルγ
1でクリックすると、閉じることができる。
【0072】
サブメニューγ
3に表示する概要としては、その地点(工事現場)の工事名や、住所や、工期や、地中情報(水量、深さ及び土質)や舗装情報等が挙げられる。サブメニューγ
3に表示される概要の表示内容は、上記の工事登録画面S
3(
図4)で工事を登録する際に入力した内容や、進捗管理画面S
5(
図6~8)で進捗状況を更新する際に入力した内容を基に自動的に生成される。
【0073】
本実施形態においては、サブメニューγ
3の最下段に、「写真標示」の文字が記されており、その文字をクリックすると、
図19に示すように、その地点(工事現場)の写真が掲載された写真画面S
10が別ウインドウで表示されるようになっている。
図19は、工事管理システムの現場マップ表示画面S
9.5から表示される写真画面S
10の一例を示した図である。写真画面S
10の写真は、進捗管理画面S
5(
図6)の基本情報表示部P
1における「写真添付」ボタンで添付されたものである。このような過去の工事現場の写真を見れることで、基準位置を掘削するときに、どの程度の設備や人員が必要なのかをイメージしやすく、工事の計画を立てやすくなる。
【0074】
既に述べたように、基準位置(アイコンβ8の位置)は、現場マップ上をダブルクリックすることで切り替えることができる。現在表示されていない地点を基準位置としたい場合には、現場マップをスクロールすることもできる。現場マップは、その右下の「+」ボタン又は「-」ボタンをクリックすることで、拡大又は縮小することも可能である。また、現場マップの左上の「地図」ボタン又は「航空写真」ボタンをクリックすることで、現場マップを、地図表示と航空写真表示との間で切り替えることも可能である。これにより、現場マップ上の任意地点(基準位置)の周辺の地中情報や舗装情報を入手することができる。したがって、工事登録をしていない将来の工事現場の地中情報や舗装情報を予測しやすくなる。
【0075】
以上では、工事登録をしていない地点周辺の地中情報等を見る場合について説明したが、勿論、工事登録をしている地点周辺の地中情報等を見ることもできる。これは、以下の手順で見ることができる。まず、
図12~14等、工事現場(アイコンβ
1~β
4)が示されるいずれかの現場マップ表示画面S
9を表示する。工事現場周辺の地中情報等を入手したいのは、着工前の計画段階であることが多いため、通常は、工事未定現場の現場マップ表示画面S
9.3(
図14)か、工事予定現場の現場マップ表示画面S
9.4(
図15)を表示することになる。現場マップ表示画面S
9をスクロール又は拡大する等して、
図20に示すように、目的の工事現場が表示されるようにする。
図20は、工事管理システムの現場マップ表示画面S
9(同図の例では、工事未定現場の現場マップ表示画面S
9.3)で目的の工事現場周辺を拡大表示した状態を示した図である。
【0076】
続いて、カーソルγ
1を目的の工事現場のアイコン(
図20の例ではアイコンβ
3)をクリックするか、そのアイコンにカーソルγ
1を重ねたときにポップアップ表示されるサブメニューγ
2をクリックする。すると、その工事現場における工事の進捗管理画面S
5(
図6~8)が表示される。この進捗管理画面S
5は、現場マップ表示画面S
9を経由することなく、工事一覧画面S
4(
図5)等から表示させることもできる。その進捗管理画面S
5の基本情報表示部P
1における「地中情報」の文字上をクリックすると、
図21に示すように、目的の工事現場が基準位置(アイコンβ
8)で示された現場マップ表示画面S
9.5に切り替わる。
【0077】
図21は、工事管理システムにおいて、工事登録された工事現場を基準位置として、地中情報の現場マップ表示画面S
3,5を表示した例を示した図である。
図21の現場マップ表示画面S
3,5では、目的の工事現場が、基準位置を示すアイコンβ
8に置き換わっており、
図16の現場マップ表示画面S
3,5と同様、基準位置(目的の工事現場)から地中情報表示範囲内(半径200m以内)の地中情報が表示される。この
図21の現場マップ表示画面S
3,5でも、
図16の現場マップと同様に、地中情報を示すアイコンβ
9にカーソルγ
1(
図18を参照)を重ねると、地中情報のサブメニューγ
3(
図18を参照)がポップアップ表示され、写真画面S
10(
図19を参照)を表示することが可能な状態となる。
【0078】
3.その他
図18に示すように、地中情報を示すアイコンβ
9にカーソルγ
1を重ねたときにポップアップ表示されるサブメニューγ
3には、地中情報や舗装情報だけでなく、その地点に埋まっているガス管や水道管等の管体に関する情報(管体情報)が表示されるようにすることもできる。これにより、ある地点に埋められた管体の状態を、近隣の地点(過去の工事現場)に埋められた管体の状態から予測することが可能になり、管体の交換時期等を適切に計画しやすくなる。というのも、近隣に埋められた管体は、比較的近い時期に設置されていることが多く、地中に埋められた管体の腐食は、近隣で同程度に進行していることが多いからである。
【0079】
この機能は、進捗管理画面S
6(
図6~8)の基本情報表示部P
1等に、管体情報の項目を設け、そこで管体の状態を入力できるようにすることで実現することができる。管体の状態は、例えば、プルダウンメニューで、「腐食無し」、「腐食少ない」、「腐食有り」、「腐食進行」又は「完全に腐食」等の中から選択する形式を採用することができる。地下水の場合と同様、管体の腐食の具合を撮影した写真を添付可能とし、サブメニューγ
3(
図18)等からその写真を見れるようにすることもできる。
【符号の説明】
【0080】
10 管理サーバ
20 ユーザ端末
21 事務員用端末
22 現場責任者用端末
23 作業者用端末
P1 基本情報表示部
P2 許可申請情報表示部
P3 経理情報表示部
P4 作業者表示部
P5 最終更新者表示部
P6 進捗表示部
S1 ログイン画面
S2 トップ画面(カレンダー表示画面)
S3 工事登録画面
S4 工事一覧画面
S5 進捗管理画面
S6 日報予備登録画面
S7 日報編集画面
S8 工事関連スポット登録画面
S9 現場マップ表示画面
S3.1 「今日の現場」表示時の現場マップ表示画面
S3.2 「工事中の現場」表示時の現場マップ表示画面
S3.3 「工事未定現場」表示時の現場マップ表示画面
S3.4 「工事予定現場」表示時の現場マップ表示画面
S3.5 「供給管撤去現場」表示時の現場マップ表示画面
S10 写真画面
α1 ユーザ名入力部
α2 パスワード入力部
α3 ログインボタン
α4 メニュー表示部
α5 内容表示部
β1 作業中の工事現場を示すアイコン
β2 作業が休みの工事現場を示すアイコン
β3 未定工事現場を示すアイコン
β4 予定工事現場を示すアイコン
β5 資材入手先を示すアイコン
β6 施工会社を示すアイコン
β7 発注元を示すアイコン
β8 基準位置を示すアイコン
β9 地下情報を示すアイコン
γ1 カーソル
γ2 サブメニュー
γ3 サブメニュー
【手続補正書】
【提出日】2023-10-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、工事の進捗を管理する手段として機能させるための工事管理プログラムであって、
コンピュータを、
施工会社及び資材入手先を含む工事関連スポットの位置を登録する工事関連スポット登録手段と、
工事の発注元及び期間、並びに、工事現場の位置を含む工事関連情報を、受注した工事ごとに登録する受注工事登録手段と、
受注工事登録手段に登録された工事の進捗状況を工事ごとに入力していくとともに、それぞれの工事現場における地下水の水量を含む地中情報を入力可能な進捗状況入力手段と、
受注工事登録手段に登録された各工事の工事現場を、工事関連スポット登録手段に登録された工事関連スポットと共通の地図(以下、「現場マップ」という。)上に表示するとともに、現場マップ上で一の地点が選択されたときに、当該一の地点から特定範囲内における他の工事現場の地中情報を現場マップ上に表示可能な現場マップ表示手段と
として機能させることを特徴とする工事管理プログラム。
【請求項2】
現場マップ表示手段が、
工事関連スポット及び工事現場を種別のアイコンで現場マップ上に表示し、
アイコンにカーソルが重なったときに、そのアイコンに対応する工事関連スポット又は工事現場の概要をそのアイコンの付近にポップアップ表示し、
そのアイコン又は概要における特定の箇所が選択されると、そのアイコンに対応する工事の進捗状況入力画面を表示する
ものとされた請求項1記載の工事管理プログラム。
【請求項3】
現場マップ表示手段が、受注工事登録手段で登録された各工事のうち、特定の日に工事が行われている工事現場を抽出して、その工事現場を工事関連スポットとともに現場マップ上に表示する請求項2記載の工事管理プログラム。
【請求項4】
現場マップ表示手段が、受注工事登録手段で登録された各工事のうち、進捗状況入力手段に入力された進捗状況が特定の段階にある工事現場を抽出して、その工事現場を工事関連スポットとともに現場マップ上に表示する請求項3記載の工事管理プログラム。
【請求項5】
請求項1記載の工事管理プログラムが記憶された管理サーバと、
管理サーバに無線又は有線で接続されたユーザ端末と
を備え、
工事関連スポット登録手段を用いた工事関連スポットの位置の登録、受注工事登録手段による受注した工事の登録、進捗状況入力手段による進捗状況の入力、及び、現場マップ表示手段による現場マップの表示を、ユーザ端末で行えるようにした工事管理システム。