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特開2024-16836巻き戻しコイル自動交換式コンバーティングマシン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016836
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】巻き戻しコイル自動交換式コンバーティングマシン
(51)【国際特許分類】
   B65H 19/22 20060101AFI20240131BHJP
【FI】
B65H19/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023120873
(22)【出願日】2023-07-25
(31)【優先権主張番号】102022000015687
(32)【優先日】2022-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】523257392
【氏名又は名称】アイエムエス・テクノロジーズ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】IMS TECHNOLOGIES S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】アルミターノ,マウリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】ビアンキ,イシドーロ
(72)【発明者】
【氏名】ロータ,ダニエーレ
【テーマコード(参考)】
3F064
【Fターム(参考)】
3F064CA03
3F064DA01
3F064EB19
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高い生産性を維持し、材料の破損による中断の可能性を最小限に抑え、特に繊細な材料および/または脆い材料のコイルを加工するマシンを提供する。
【解決手段】投入ユニット2と、処理されるストリップNの蓄積ユニット3と、コイルBを形成するための巻き取りシャフト5、5’上のストリップの巻き取りユニット4と、を備え、巻き取りユニットは、巻き取りシャフトを支持する回転ディスク29と、巻き取り位置へのストリップの供給ローラー30と、ストリップの可動付属部材および供給ローラーに動作的に関連付けられた切断部材32と、を備え、供給ローラー、可動付属部材、切断部材は、前進または動作位置と、後退または静止位置との間で水平方向に移動可能なキャリッジに配置され、可動付属部材、切断部材は、供給ローラーの軸にヒンジで取り付けられ、非動作位置とストリップの横方向切断を動作させるのに適合した動作位置との間で傾動可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料のコイルをより小さなサイズのコイルに加工するマシン(1)であって、
材料のストリップ(N)を前記マシン(1)に投入する投入ユニット(2)と、
処理される前記ストリップ(N)の蓄積ユニット(3)と、
それぞれのコイル(B)を形成するための巻き取りシャフト(5、5’)上の前記ストリップ(N)の巻き取りユニット(4)と、
を備え、
前記巻き取りユニット(4)は、
コイル(B)の2つの巻き取りシャフト(5、5’)を支持する回転ディスク(29)と、
巻き取り位置へのストリップ(N)の供給ローラー(30)と、
ストリップNの可動付属部材(31)および前記供給ローラ(30)に動作的に(in an operating manner)関連付けられた切断部材(32)と、
を備え、
前記供給ローラー(30)と前記可動付属部材(31)と前記切断部材(32)とは、少なくとも1つの前進または動作位置と、後退または静止位置との間で水平方向に移動可能なキャリッジ(33)に配置され、
前記可動付属部材(31)と前記切断部材(32)とは、前記供給ローラー(30)の軸にヒンジで取り付けられ、非動作位置と前記ストリップ(N)の横方向切断を動作させるのに適合した動作位置との間で傾動可能である、
マシン(1)。
【請求項2】
前記可動付属部材(31)は、巻き取りシャフト(5、5’)の表面の少なくとも半円筒部分に結合されるような形状および大きさの円弧形凹部(31b)を有する本体(31a)を備える、
請求項1に記載のマシン(1)。
【請求項3】
前記凹部(31b)は、全長に沿って展開し、内部で前記ストリップの付属要素(41)がスライドするハウジングを有し、
前記付属要素(41)は、後退位置と拡張位置との間で移動可能であり、前記ハウジング内でスライドすることにより、前記巻き取りシャフト(5、5’)の回転軸に対して平行な回転軸の周りを約180度回転する、
請求項2に記載のマシン(1)。
【請求項4】
前記付属要素(41)は、第1の端部(42)と第2の端部(43)とを有する半円形部分(41a)と、前記端部(42、43)の間の中間位置に配置され、円弧状部分(60a)と前記円弧状部分(60a)の接線に対して実質的に垂直な方向に沿って延びる突出部分(60b)とを有する保持要素(60)が結合されたヒンジ(41b)と、を備え、
前記円弧状部分(60a)と前記突出部分(60b)との間の接合点に保持ローラー(44)が配置され、
前記突出部分(60b)の遠位端にアイドルローラー(45)が配置され、
前記突出部分(60b)は、吸引手段またはファンもしくは圧縮空気源と交互に流体連通する吸引/吹き出しグリル(46)を備え、
前記保持要素(60)は、後退位置と前記保持要素(60)の円弧状部分(60a)が前記付属要素(41)の半円形部分(41a)のセクターと一致する下降位置との間で傾動可能である、
請求項3に記載のマシン(1)。
【請求項5】
前記付属部材(31)は、遠位側に保持ローラー(49)を有し、非動作位置と前記保持ローラー(49)が前記巻き取りシャフト(5、5’)に押し付けられる動作位置との間で移動可能な傾斜アーム(48)を備える、
請求項2から4のいずれか1項に記載のマシン(1)。
【請求項6】
前記切断部材(32)は、動作状態において、前記可動付属部材(31)に対向し、前記ストリップ(N)の切断中に前記可動付属部材(31)(the latter)の表面に突き当たるよう構成され、前記切断部材(32)の側面に配置されたブレード(51a)を備える、
請求項1から5のいずれか1項に記載のマシン(1)。
【請求項7】
前記切断部材(32)は、長手方向軸に沿って延び、一端に保持ローラー(50)を備える本体(32b)と、前記本体(32b)に隣接して(adjacent thereto)、前記本体(32b)に対して実質的に垂直な方向に沿って突出し、遠位端に前記ブレード(51a)を担持する切断装置(51)と、を備える、
請求項6に記載のマシン(1)。
【請求項8】
前記キャリッジ(33)は、一端に保持ローラー(52b)を担持する傾斜アーム(52)を備え、
前記傾斜アーム(52)は、非動作位置と前記保持ローラー(52b)が前記供給ローラー(30)に突き当たる動作位置との間で移動可能である、
請求項1から7のいずれか1項に記載のマシン(1)。
【請求項9】
前記キャリッジ(33)は、幅を縮小して、最終的に2つ以上の巻き戻しコイル(B)を得られるよう、前記巻き取りユニット(4)供給される前記ストリップ(N)を長さに応じて切断するよう構成された前記ストリップ(N)の長手方向切断アセンブリ(34)を備え、
前記長手方向切断アセンブリ(34)は、1つまたは複数の切断装置(37)を有する横方向支持バー(35)を備え、
それぞれの切断装置(37)は、垂直方向にスライドするブレード(38)を備え、
前記ブレード(38)は、好ましくは、遊動可能に回転する円盤状ブレードであり、
前記横方向支持バー(35)は、前記キャリッジ(33)に斜めに配置されたトラックに沿って、上昇位置と下降位置との間で移動可能であり、
前記長手方向切断アセンブリ(34)はさらに、その上で前記ストリップがスライドするよう意図され、動作状態において、前記切断装置(37)の前記ブレード(38)と当接する対照シリンダー(40)を備える、
請求項1から8のいずれか1項に記載のマシン(1)。
【請求項10】
前記巻き取りユニット(4)は、前記供給ローラー(30)に対して横方向に、かつ、より高い位置に配置されたアイドルローラー(108)を備え、
前記アイドルローラー(108)は、前記ストリップ(N)の経路、または、前記長手方向切断ユニット(34)からの複数のストリップの経路の輪郭を描くように構成され、前記アイドルローラー(108)(it)は、前記付属部材(31)に対向し、前記供給ローラー(30)(the latter)と前記切断部材(32)との間に含まれる、
請求項1から9のいずれか1項に記載のマシン(1)。
【請求項11】
前記供給ローラー(30)と前記巻き取りシャフト(5、5’)とは、電動化され、
前記付属部材(31)、前記付属要素(41)、前記傾斜アーム(48)、前記保持要素(60)、および前記切断部材(32)の動きは、電動または空気式アクチュエータによって作動される、
請求項4から10のいずれか1項に記載のマシン(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバーティングマシン、すなわち、特にデリケートな材料を加工するように構成された、材料のストリップをコイルに巻き付けたり巻き戻したりするためのマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
コンバーティング(converting)の分野は、材料のストリップをコイルに巻き付けたり、コイルから巻き戻したりする加工を実行するすべてのマシンに関連している。このようなマシンは、あるコイルと一般に異なるサイズの別のコイルとの間でストリップを迅速かつ欠陥のない方法で搬送する機能を実行する。
【0003】
このようなコンバーティング作業には、(1)加工の経済性を考慮して、大きなサイズで製造された親コイルから小さな幅と直径のコイルを製造すること、(2)印刷、ラミネート、またはフィルム蒸着など、特定の機能を追加するために材料を加工すること、(3)欠陥を除去するために、以前に製造されたコイルを巻き戻すこと、などがある。
【0004】
プロセスの最終製品は、紙、プラスチック、アルミニウム、およびラミネートなどのあらゆる素材の加工チェーン(processing chains)の中間段階であり、一般に数ミクロンから1ミリメートルの厚さのフィルムの形で作られる。コンバーティングマシンは、食品包装や自動車産業など、さまざまな産業分野で使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、一部の応用分野では、非常に繊細および/または脆く、非常に薄いおよび/または粘着力が弱く(loosely cohesive)、したがって剥がれやすい(easily flaky)材料をコンバーティングにかける必要がある。このような場合、コンバーティング作業を管理することが問題となり、プロセス全体の運用速度に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0006】
一般的にコンバーティングマシンを特徴づける課題は、巻き戻しコイル(rewinding coil)の交換を自動化するのが難しさである。巻き戻しコイルは供給リールよりも小さいため、処理中に交換しなければならない。バッファセクションが上流に配置されている場合、このような交換は処理を中断することなく発生するが、それでも通常はかなりの人的介入が必要である。ストリップが破れた場合にも同じ問題が発生するため(材料が特に脆い、または繊細な場合など)、ワインダーを交換して巻き戻しを再開する必要がある。
【0007】
したがって、高い生産性を維持し、材料の破損による中断の可能性を最小限に抑え、すべての加工ステップ(converting step)を自動的に実行する、コイル、特に繊細な材料および/または脆い材料のコイルを加工する(converting)マシンを提供する必要性が感じられる。
【0008】
このような問題は、添付の特許請求の範囲で定義されるような繊細な材料および/または脆い材料のコイルを加工するためのマシンによって解決され、その定義は本説明の不可欠な部分である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
特に、本発明は以下に関する。
【0010】
(1)材料のコイルをより小さなコイルに加工するマシンであって、材料のストリップをマシンに自動的に投入する(loading)投入ユニットと、処理されるストリップの蓄積ユニットと、それぞれのコイルを形成するために巻き取りシャフト上のストリップの巻き取りユニットと、を備え、巻き取りユニットは以下を備える。
2つのコイル巻き取りシャフトを支持する回転ディスク(revolving disc)、
巻き取り位置へのストリップの供給ローラー、および
ストリップの可動付属部材および供給ローラーと動作可能に関連付けられた切断部材。
供給ローラー、可動付属部材、および切断部材は、少なくとも1つの前進または動作位置(forward or operating position)と、後退または静止位置(retracted or resting position)との間で水平方向に移動可能なキャリッジ(carriage)に配置され、
可動付属部材および切断部材は、供給ローラーの軸にヒンジで取り付けられ、非動作位置(non-operating position)と、ストリップの横方向切断(crosswise cut)を動作させるのに適合した動作位置(operating position)との間で傾動可能(tiltable)である。
【0011】
(2)(1)に記載のマシンにおいて、可動付属部材は、巻き取りシャフトの表面の少なくとも半円筒形部分に結合されるような形状および大きさの円弧形凹部を有する本体を備える。
【0012】
(3)(2)に記載のマシンにおいて、凹部は、その全延長(entire extension)に沿って展開し、内部でストリップの付属要素がスライドするハウジングを備え、付属要素は、後退位置と拡張位置との間で移動可能であり、ハウジング内でスライドすることにより、巻き取りシャフトの回転軸に平行な回転軸の周りを約180度回転する。
【0013】
(4)(3)に記載のマシンにおいて、付属部材は、第1の端部と第2の端部とを有する半円形部分と、端部間の中間位置に配置され、円弧状部分と円弧状部分の接線に対して実質的に垂直な方向に沿って延びる突出部分とを備える保持要素をヒンジ結合するヒンジと、を備え、円弧状部分と突出部分との間の接合点(junction point)に保持ローラーが配置され、突出部分の遠位端にアイドルローラーが配置され、突出部分は、吸引手段またはファンもしくは圧縮空気源と交互に流体連通(flow communication)する吸引/吹き出しグリル(suction/blowing grille)を備え、保持要素は、後退位置と保持要素の円弧状部分が付属要素の半円形部分のセクターと一致する下降位置(lowered position)との間で傾動可能である。
【0014】
(5)(2)から(4)のいずれか1つに記載のマシンにおいて、付属部材は、遠位側に保持ローラーを備え、非動作位置と保持ローラーが巻き取りシャフトに押し付けられる(insists on)動作位置との間で移動可能な傾斜アームを備える。
【0015】
(6)(1)から(5)のいずれか1つに記載のマシンにおいて、切断部材は、動作状態(operating condition)において、可動付属部材に対向し、ストリップを切断するときに後者の表面に突き当たるように構成され、切断部材の側面に配置されたブレードを備える。
【0016】
(7)(6)に記載のマシンにおいて、切断部材は、長手方向軸に沿って延び、一端に保持ローラーを備える本体と、それに隣接して、本体に対して実質的に垂直な方向に沿って突出し、その遠位端にブレードを担持する切断装置と、を備える。
【0017】
(8)(1)から(7)のいずれか1つに記載のマシンであって、キャリッジは、一端に保持ローラーを担持する傾斜アームを備え、傾斜アームは、非動作位置と、保持ローラーが供給ローラーに突き当たる動作位置との間で移動可能である。
【0018】
(9)(1)から(8)のいずれか1つに記載のマシンにおいて、キャリッジは、その幅を縮小し、最終的に2つ以上の巻き戻しコイルを得られるように、巻き取りユニットに供給されるストリップをその長さに応じて切断するよう構成された長手方向ストリップ切断アセンブリを備え、長手方向切断アセンブリは、1つまたは複数の切断装置を備える横方向支持バーを備え、それぞれの切断装置は、垂直方向にスライドするブレードを備え、ブレードは、好ましくは、遊動可能に(in an idle manner)回転する円盤状ブレードであり、横方向支持バーは、キャリッジに斜めに(diagonally)配置されたトラック(track)に沿って、上昇位置(raised position)と下降位置との間で移動可能であり、長手方向切断アセンブリは、さらに、対照シリンダ(contrast cylinder)を備え、対照シリンダは、その上でストリップがスライドするように意図され、動作状態において、切断装置のブレードと当接する。
【0019】
(10)(1)から(9)のいずれか1つに記載のマシンにおいて、巻き取りユニットは、供給ローラーに対して横方向に、かつ、より高い位置に配置されたアイドルローラーを備え、アイドルローラーは、ストリップの経路、または、長手方向切断ユニットからの複数のストリップの経路の輪郭を描くように構成され、それは、付属部材に対向し、かつ、後者と切断部材との間に含まれる。
【0020】
(11)(4)から(10)のいずれか1項に記載のマシンにおいて、供給ローラーおよび巻き取りシャフトは電動化され、付属部材、付属要素、傾斜アーム、保持要素、および切断部材の動きは、電動または空気圧アクチュエータによって作動される。
【0021】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の図を参照しながら、非限定的な表示として以下に示すいくつかの例示的な実施形態の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明によるマシンの側面断面図
図2】本発明によるストリップの巻き取りユニットを示す側面断面図
図3】本発明によるストリップ巻き取りユニットの詳細を示す斜視図
図4図2の異なる動作状態を示す図
図5】動作シーケンスに従った図1のマシンのストリップコイルの自動交換システムの側面図
図6】動作シーケンスに従った図1のマシンのストリップコイルの自動交換システムの側面図
図7】動作シーケンスに従った図1のマシンのストリップコイルの自動交換システムの側面図
図8】動作シーケンスに従った図1のマシンのストリップコイルの自動交換システムの側面図
図9】動作シーケンスに従った図1のマシンのストリップコイルの自動交換システムの側面図
図10】動作シーケンスに従った図1のマシンのストリップコイルの自動交換システムの側面図
図11】動作シーケンスに従った図1のマシンのストリップコイルの自動交換システムの側面図
図12】動作シーケンスに従った図1のマシンのストリップコイルの自動交換システムの側面図
図13】動作シーケンスに従った図1のマシンのストリップコイルの自動交換システムの側面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明によるコンバーティングマシンは、全体として参照符号1で示され、材料のストリップNの投入ユニット2と、加工されるストリップNの蓄積ユニット3と、それぞれのコイルBを形成するための巻き取りシャフト5、5’上のストリップNの巻き取りユニット4と、を備える。
【0024】
ストリップNの投入ユニット2は、マシン1の様々な作業ステップ、すなわち投入ユニット2から蓄積ユニット3および巻き取りユニット4までのステップに沿ったストリップNのための付属システム6を備える。図1に点線で示す付属システム6は、複数の遊動歯車8と少なくとも1つの電動歯車8’とによって画定された経路Pに沿ってループ状に展開するダブルチェーン7(図では単線(single line)で図示されている)を含む。ダブルチェーン7は、付属バー9がループ状の経路Pに沿って移動可能であるよう付属バー9を移動可能に支持し、マシン1に投入されるストリップNを投入ユニット2から巻き取りユニット4まで駆動し、ストリップNを解放した後、投入ユニット2の開始点に戻るように構成されている。
【0025】
付属バー9は、好ましくは円筒形、すなわち円形断面を有するか、または、少なくともダブルチェーン7のスライド方向に面する円弧状断面を有する表面を備える。付属バー9もまた、磁石によって引き付けられるように強磁性材料で形成されているか、または強磁性材料で形成された部品を備える。
【0026】
付属システム6はまた、適切なガイド上を経路Pに沿って遊動的にスライドし、新しいストリップNを投入する方法の動作ステップの間に付属バー9に結合されるように構成される非電動マグネットバーを備える。
【0027】
新しいストリップNを投入する第1のステップにおいて、上流の大きなコイル(図示せず)からのストリップNは、コンベアTによってマシン1の投入ユニット2に供給され、垂直に落下し、付属バー9とマグネットバーとの間のスペースに位置する。
【0028】
次のステップでは、付属バー9とマグネットバーとの間に挟まれるまで付属バー9がストリップNの端部に接触するよう、ダブルチェーンは、矢印の方向に沿って動くよう設定される。マグネットバーと付属バー9との間の磁力により、ストリップNをその一端近くにしっかりと保持し、穏やかな方法で、すなわち、ストリップNを損傷させ破断させるようなグリッパーシステムを使用することなく、ストリップNを経路Pに沿って導くことができる。
【0029】
付属バー9/マグネットバーアセンブリは、ストリップNとともに経路Pに沿って移動し続ける。実際には、ストリップNは、付属バー9およびマグネットバーによって、蓄積ユニット3を経て巻き取りユニット4へと駆動され、そこでストリップNの端部がストリップNの残りの部分から分離され、巻き取りシャフト5、5’に巻き取られ始め、こうしてコンバーティング動作が実行される。ストリップNのピースSに関連する付属バー9およびマグネットバーは、投入ユニット2に戻るまで経路Pに沿って進み、付属バー9はマグネットバーから切り離され、初期位置に戻る。上述の自動投入システムは、2022年7月13日付けの共同出願中のイタリア特許出願番号第102022000014710号に詳細に記載されている。
【0030】
蓄積ユニット3は、投入ユニット2と巻き取りシャフト5、5’上のストリップNの巻き取りユニット4との間に配置される。蓄積ユニット3は、巻き取りユニット4内の満巻コイル(fully wound coil)Bを巻き取られる巻き取りシャフト5’と交換する必要がある場合に、バッファストアとして機能する。このような動作には、巻き取りの一時的な停止が必要であるため、蓄積ユニット3は、このような停止中にコンベアTからのストリップNの供給を中断させないようになっている。
【0031】
蓄積ユニット3は、第1のシリーズの可動ローラー21のための第1可動支持構造20と、第2のシリーズの可動ローラー21’のための第2可動支持構造20’と、を備える。それぞれのシリーズの可動ローラー21、21’は、第1および第2の直線経路ストレッチに平行な平面内で垂直に整列した複数のローラーを備える。第1および第2の直線経路ストレッチは、第3の上部経路ストレッチによって接続されて、全体として、可動ローラー21、21’の可動支持構造20、20’を下方に取り囲む、実質的にπ形状の経路Pのストレッチを形成する。
【0032】
可動支持構造20、20’のそれぞれは、互いに平行に配置され、それぞれ複数の水平アーム26、26’を備える一対のくし形支持体を備える。第1対のくし形支持体の水平アーム26、26’は、経路Pの第1の直線ストレッチに面し、第2対のくし形支持体の水平アーム26’は、経路Pの第2の直線ストレッチに面する。
【0033】
可動支持構造体20、20’は、適切な駆動装置(図示せず)によって適切なシュー(shoes)上を水平にスライドする。可動支持構造20、20’は、可動ローラー21、21’がストリップNと接触していない後退位置(tertacted position)と、可動ローラー21、21’がストリップNと接触している複数の拡張位置(extended positions)との間で、互いに反対方向に移動可能である。
【0034】
蓄積ユニット3はさらに、第1および第2のシリーズの可動ローラー21,21’にそれぞれ対向するが、それらに対して垂直方向にずれて配置された、第1のシリーズの固定ローラー19および第2のシリーズの固定ローラー19’を備える。それぞれのシリーズの固定ローラー19、19’は、それぞれ、経路Pの第1のストレッチおよび第2のストレッチに平行な平面内であって、第1および第2のシリーズの可動ローラー21、21’とは反対側の経路ストレッチの一方側、すなわち、π形状の経路ストレッチPの外側に面する、垂直方向に整列した複数のローラーを備え、経路ストレッチは、固定ローラー19、19’と可動ローラー21、21’との間に配置される。
【0035】
図1は、通常の動作状態にあるマシン1を示す。可動ローラー21、21’は、拡張位置まで前進し、連続する2つの固定ローラー19、19’の間に導入され、伸ばして蛇行(meanders)を形成するようにストリップNに係合する。矢印で示すように、後退位置から拡張位置への可動ローラー21、21’の移動、およびその逆の移動により、経路Pを長くする(可動ローラー21、21’がより拡張した位置にある)か、または短くする(可動ローラー21、21’があまり拡張していない位置にある)ことにより、必要に応じて経路Pの全長を調節することができ、巻き取りユニット4における下流の加工停止または減速の場合に、処理中のストリップNの保管バッファとして機能する。
【0036】
蓄積ユニット4の特定の実施形態は、2022年7月13日付けの共同出願中のイタリア特許出願番号第102022000014725に詳細に記載されている。
【0037】
巻き取りユニット4は、コイルBの2つの巻き取りシャフト5、5’を支持する回転可能なディスク29を備える。回転可能なディスク29は、巻き取りシャフト5、5’を適切なモーター駆動によって回転させることができる。
【0038】
巻き取りユニット4は、さらに、巻き取り位置へのストリップNの供給ローラー30を備え、供給ローラー30には、ストリップNに付属する可動部材31と切断部材32とが動作可能に関連している(operatively associated)。
【0039】
巻き取りシャフト5、5’は、ディスク29の直径に沿って対向する位置に配置され、ディスク29の180度の回転により、第1の巻き取りシャフト5または第2の巻き取りシャフト5’を交互に巻き取り位置に移動させることができる。
【0040】
図4は、供給ローラー30、可動付属部材31、および切断部材32の機構を詳細に示す図である。
【0041】
供給ローラー30、可動付属部材31、および切断部材32は、少なくとも1つの前進または動作位置(図6~13)と、後退または静止位置(図4~5)との間で水平方向に移動可能(図5に矢印で示す)なキャリッジ33に配置される。
【0042】
図3にも示すストリップNの長手方向切断アセンブリ34も、キャリッジ33に配置される。長手方向切断アセンブリ34は、その幅を縮小し、最終的に2つ以上の巻き戻された材料NのコイルBを得られるように、巻き取りユニット4に供給されたストリップNをその長さに応じて切断するよう構成されている。
【0043】
長手方向切断アセンブリ34は、横方向支持バー35を備え、横方向支持バー35には複数の縦方向支持体36が固定され、それぞれの縦方向支持体36には切断装置37を取り付けることができる。切断装置37の数は、達成すべきストリップNの幅縮小の数(the number of width reductions)によって決まる。図3には、それぞれの縦方向支持体36の切断装置37を示す図であるが、他の場合には、入ってくるストリップNを巻き取られる2つのストリップのみに分割するために、横方向支持バー35の幅の中央に単一の切断装置37を配置することもできる。
【0044】
切断装置37は、切断装置37の内部で空気圧アクチュエータ(図示せず)により縦方向にスライドするブレード38を備える。ブレード38は、支持ピンの上で遊動的に回転する円盤状のブレードである。
【0045】
横方向支持バー35は、空気圧アクチュエータ35aによって、キャリッジ33に斜めに(diagonally)配置されたトラック39に沿って、上昇位置と下降位置との間で移動可能である。
【0046】
長手方向切断ユニット34は、ストリップNがスライドし、動作状態において切断装置37のブレード38と接する対照シリンダ40をさらに備える。このような作動状態は、横方向支持バー35を上昇位置から下降位置へ斜めにスライドさせ、ブレード38を下方にスライドさせることによって達成される。
【0047】
図4は、非動作状態の巻き戻しユニット4を示す図である。可動付属部材31は、供給ローラー30の軸にヒンジ結合され、非動作位置(例えば、図4に示す)と動作位置(例えば、図7または図9に示す)との間で傾動可能である。
【0048】
可動付属部材31は、巻き取りシャフト5、5’の表面の少なくとも半円筒部分に結合されるような形状および大きさの円弧形凹部31bを有する本体31aを備える。
【0049】
凹部31bは、その全延長に沿って展開し、内部でストリップNの付属要素41がスライドするハウジングを備える。付属要素41は、後退位置と拡張位置との間で移動可能であり、ハウジング内でスライドすることにより、巻き取りシャフト5、5’の回転軸に平行な回転軸の周りを約180度回転する。
【0050】
図9により良く示されているように、付属要素41は、第1の端部42および第2の端部43を有する半円形部分41aを備える。ヒンジ41bは、端部42、43の間の中間位置に配置され、ヒンジ41bに保持要素60がヒンジ結合され、保持要素60は、円弧状部分60aと、円弧状部分60aの接線に対して実質的に垂直な方向に沿って延びる突出部分60bと、を備える。
【0051】
円弧状部分60aと突出部分60bとの接合点には保持ローラー44が配置され、突出部分60bの遠位端にはアイドルローラー45が配置されている。
【0052】
突出部分60bはさらに、適切な二方向弁によって、吸引手段(図示せず)またはファンもしくは圧縮空気源(図示せず)と交互に流体連通する吸引/吹き出しグリル46を備える。
【0053】
保持要素60は、後退位置(例えば、図9に示す)と保持要素60の円弧状部分60aが付属要素41の半円形部分41aのセクターと一致する下降位置(例えば、図10に示す)との間で傾動可能である。
【0054】
遠位側に保持ローラー49を備える傾斜アーム48もまた、付属部材31の本体31aのヒンジ47にヒンジ結合されている。傾斜アーム48は、以下でさらに明らかにされるように、非動作位置(例えば、図9に示す)と動作位置(例えば、図11に示す)との間で移動可動である。
【0055】
切断部材32は、非動作位置(例えば、図4に示す)と動作位置(例えば、図7に示す)との間で傾動可能である。
【0056】
また、切断部材32は、本体32bに対して実質的に垂直な方向に延びる連結要素32aによって、供給ローラー30の軸にヒンジ結合されている。本体32bは、長手方向軸に沿って延び、一端に保持ローラー50を備え、それに隣接して、本体32bに実質的に垂直な方向に沿って突出し、その遠位端にブレード51aを担持する切断装置51を備える。切断装置51は、動作状態において、可動付属部材31に面する本体32bの側に配置され、ストリップNを切断する際に、可動付属部材31の表面に突き当たるように構成されている。
【0057】
さらに、一端52aでヒンジ結合され、反対側の端部に保持ローラー52bを担持する傾斜アーム52も、供給ローラー30の下方で、キャリッジ33に配置される。傾斜アーム52は、非動作位置(例えば、図4に示す)と、供給ローラー30に突き当たる動作位置(例えば、図8示す)との間で移動可能である。
【0058】
供給ローラー30と巻き取りシャフト5、5’とはモーター駆動である。付属部材31、付属要素41、傾斜アーム48、保持要素60、および切断部材32の動きは、適切な電動または空気圧アクチュエータによって作動される。
【0059】
蓄積ユニット3から供給され、長手方向切断ユニット34を通過することによって幅が縮小された、巻き戻される材料のストリップNは、供給ローラー30に対して横方向に、かつ、より高い位置に配置されたアイドルローラー108でスライドする。ストリップNは、幅方向に2つ以上のストリップに分割されることもあり、したがって、付属部材31に面し、付属部材31と切断部材32との間に含まれる。
【0060】
図5~13は、材料のコイルの巻き取りを自動的に開始(または再開)する動作シーケンスを示す図である。
【0061】
上述したように、ストリップNは付属システム6によって巻き取りユニット4に送られる。図5は、キャリッジ33に配置された供給ローラー30が後退位置にあり、ストリップNが既に供給ローラー30およびアイドルローラー108の上を通過したステップを示す図である。
【0062】
図6は、キャリッジ33が動作前進位置にある次のステップを示す図である。図7に示す直後のステップでは、付属部材31と切断部材32とは、ストリップNを切断するように、それらが接するまで傾けられ、その結果、上述のように除去されるピースSが生成される。切断動作中、ストリップNは保持要素60の保持ローラー44およびアイドルローラー45上をスライドすることによって曲げられ、伸ばされることは注目に値する。同様に、付属部材31の下流側では、ストリップNは、切断部材32の保持ローラー50を通過することによって曲げられ、伸ばされる。
【0063】
図8は、切断部材32が非動作位置に戻される一方、付属部材31が、それぞれの保持ローラー52bによって供給ローラー30にシール圧力を加えるように、吸引グリル46の作動とキャリッジ33の傾斜アーム52の同時回転とによって、巻き取られるストリップNの端部を保持するステップを示す。ディスク29(図1)もまた、時計回りに回転し、巻き取りシャフト5’を付属部材31に近づける。図9は、円弧形凹部31bが正結合(positive coupling)によって巻き取りシャフト5’を収容するように、付属部材31が第2の動作位置までさらに回転する次のステップを示す図である。
【0064】
図10に示す次のステップは、保持要素60を後退位置から下降位置に移動させて、その保持ローラー44が巻き取りシャフト5’の表面を押圧することにより、ストリップN(すなわち、その長手方向の切断から生じる複数のストリップ)を巻き取りシャフト5’に固着させるのを助けることを含む。
【0065】
図11に示すように、次のステップは、図に示す矢印に従って、
巻き取りシャフト5’、
それぞれの保持ローラー49を巻き取りシャフト5’に押し付けるように傾斜アーム48、
付属要素41と付属部材31の凹部31bとで巻き取りシャフト5’の全周を包囲するように付属要素41、
を同期的に回転させることを含む。
【0066】
このようにして、ストリップN(すなわち、その長手方向の切断から生じる複数のストリップ)は、巻き取りシャフト5’の周りのその初期の巻き取りにおいて、保持ローラー44、49によってその表面に対して保持され、吸引グリル46によるその自由端の吸引によって同伴される。
【0067】
図12は次のステップを示しており、グリル46による吸引が中断され、グリル46は加圧空気源に接続され、ストリップの自由端を解放し、それを巻き取りシャフト5’に付着させる。巻き取りシャフト5’は回転を続け、巻き戻し動作を開始する。
【0068】
最後に、図13は、付属部材31が非動作位置に戻され、キャリッジ33が、さらに前進してストリップNをそれに接触させておくために巻き取りシャフト5’に当接するさらなる動作位置に移動する、最終ステップを示している。
【0069】
したがって、本発明によるコンバーティングマシン1は、コイルの変更または巻き取られるストリップの破損の場合に、上述した巻き取りシステムにより、いかなる人的介入もなく完全に自動化できるため最初に設定された目的を達成することができ、また、特に、付属部材により、ストリップが特に脆い材料で形成されている場合に特に適している。
【0070】
本発明によるマシン1は、粘着テープまたは接着剤(いかなる性質のものであっても)を使用することなく、破損またはコイル変更後の自動再起動を可能にする。接着剤(したがって化学汚染物質)の使用を避けることで、食品産業向けの材料を処理することも可能である。
【0071】
本発明のいくつかの特定の実施形態のみが説明されたことは明らかであり、当業者であれば、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、本発明を特定の用途に適合させるために必要なすべての変更を加えることができるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【外国語明細書】