(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168364
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】荷姿異常状態検出方法、及び荷姿異常状態検出システム
(51)【国際特許分類】
B21C 51/00 20060101AFI20241128BHJP
G01B 11/26 20060101ALI20241128BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B21C51/00 Q
B21C51/00 P
B21C51/00 J
B21C51/00 L
G01B11/26 H
B65G1/00 511H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084946
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(74)【代理人】
【識別番号】100159581
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 勝誠
(74)【代理人】
【識別番号】100106264
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 耕治
(72)【発明者】
【氏名】芦田 強
(72)【発明者】
【氏名】田中 哲生
【テーマコード(参考)】
2F065
3F022
【Fターム(参考)】
2F065AA37
2F065CC06
2F065FF01
2F065FF42
2F065JJ03
2F065JJ09
2F065JJ26
2F065QQ21
2F065QQ24
2F065QQ42
3F022CC06
3F022MM66
3F022QQ17
(57)【要約】
【課題】
本発明は、例えば潜り込み、網目状などのコイル状線材の荷姿異常状態を的確に判断できる荷姿異常状態検出方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明の一態様に係る荷姿異常状態検出方法は、コイル状線材の荷姿異常状態を検出するための荷姿異常状態検出方法であって、周側面撮像手段によって前記コイル状線材の周側面を撮像する周側面撮像工程、前記周側面撮像工程の撮像データの輝度から前記コイル状の各線材を認識し、前記撮像データの所望領域において区画した複数ブロックごとの線材の平均傾斜角を算出する工程、及び一の前記ブロックの線材の平均傾斜角と、このブロックに隣接する他の前記ブロックの線材の平均傾斜角とを比較することで、荷姿異常状態の有無を判断する判断工程を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル状線材の荷姿異常状態を検出するための荷姿異常状態検出方法であって、
周側面撮像手段によって前記コイル状線材の周側面を撮像する周側面撮像工程、
前記周側面撮像工程の撮像データの輝度から前記コイル状線材の各線材の状態を認識し、前記撮像データの所望領域において区画した複数ブロックごとの線材の平均傾斜角を算出する算出工程、及び
一の前記ブロックの線材の平均傾斜角と、このブロックに隣接する他の前記ブロックの線材の平均傾斜角とを比較することで、荷姿異常状態の有無を判断する判断工程
を備える荷姿異常状態検出方法。
【請求項2】
前記周側面撮像工程の撮像データに基づいて、前記算出工程における前記所望領域を決定する領域決定工程をさらに備える請求項1に記載の荷姿異常状態検出方法。
【請求項3】
前記周側面撮像工程において、前記線材を背後から照明手段によって照明する請求項1又は請求項2に記載の荷姿異常状態検出方法。
【請求項4】
端面撮像手段によって前記コイル状線材の端面方向から撮像する端面撮像工程をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の荷姿異常状態検出方法。
【請求項5】
コイル状線材の周側面を撮像する周側面撮像手段、及び前記周側面撮像手段の撮像データに基づいてコイル状線材の荷姿異常状態を検出する制御手段を備える荷姿異常状態検出システムであって、
前記制御手段が、
前記周側面撮像手段の撮像データの輝度から前記コイル状の各線材の状態を認識し、前記撮像データの所望領域において区画した複数ブロックごとの線材の平均傾斜角を算出する工程、及び
一の前記ブロックの線材の平均傾斜角と、このブロックに隣接する他の前記ブロックの線材の平均傾斜角とを比較することで、荷姿異常状態の有無を判断する判断工程
を行う荷姿異常状態検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷姿異常状態検出方法、及び荷姿異常状態検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コイル状線材は、いわゆる櫛歯状、馬の背、はみ出し、段付き、こぶ状、端せり上がり、飛び出し、弓張り、端曲がり、内側コブなどと呼ばれる荷姿異常状態となることがある。このような線材の荷姿の異常状態を定量的に荷姿監視作業の自動化を図るべく、特開2003-292117号公報(特許文献1)が公知である。
【0003】
この特許文献1の技術は、光センサが備え付けられたゲート内に線材コイルを通過させ、光センサから照射されたレーザー光に線材が接触すると、許容される最大荷姿よりも大きく、荷姿異常であると判定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の荷姿異常位置検出装置は、線材コイルの許容される最大荷姿よりも線材がはみ出しているかを判定するかの2値判別方法であり、コイルのはみ出し量を定量化することができず、またコイル外側への飛び出し量は大きくなく線材がコイルの内側に潜りこんでしまうような場合はこの手法で検知することが難しい。
【0006】
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、例えば潜り込み、網目状などの荷姿異常状態を的確に判断できる荷姿異常状態検出方法及び荷姿異常状態検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る荷姿異常状態検出方法は、コイル状線材の荷姿異常状態を検出するための荷姿異常状態検出方法であって、周側面撮像手段によって前記コイル状線材の周側面を撮像する周側面撮像工程、前記周側面撮像工程の撮像データの輝度から前記コイル状の各線材の状態を認識し、前記撮像データの所望領域において区画した複数ブロックごとの線材の平均傾斜角を算出する工程、及び一の前記ブロックの線材の平均傾斜角と、このブロックに隣接する他の前記ブロックの線材の平均傾斜角とを比較することで、荷姿異常状態の有無を判断する判断工程を備える。
【0008】
また、本発明の他の一態様に係る荷姿異常状態検出システムは、コイル状線材の周側面を撮像する周側面撮像手段、及び前記周側面撮像手段の撮像データに基づいてコイル状線材の荷姿異常状態を検出する制御手段を備える荷姿異常状態検出システムであって、前記制御手段が、前記周側面撮像手段の撮像データの輝度から前記コイル状の各線材の状態を認識し、前記撮像データの所望領域において区画した複数ブロックごとの線材の平均傾斜角を算出する工程、及び一の前記ブロックの線材の平均傾斜角と、このブロックに隣接する他の前記ブロックの線材の平均傾斜角とを比較することで、荷姿異常状態の有無を判断する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様に係る荷姿異常状態検出方法及び荷姿異常状態検出システムは、荷姿異常状態を的確に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る荷姿異常状態検出方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る荷姿異常状態検出システムの概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
【0012】
本発明の一態様に係る荷姿異常状態検出方法は、コイル状線材の荷姿異常状態を検出するための荷姿異常状態検出方法であって、周側面撮像手段によって前記コイル状線材の周側面を撮像する周側面撮像工程、前記周側面撮像工程の撮像データの輝度から前記コイル状の各線材の状態を認識し、前記撮像データの所望領域において区画した複数ブロックごとの線材の平均傾斜角を算出する算出工程、及び一の前記ブロックの線材の平均傾斜角と、このブロックに隣接する他の前記ブロックの線材の平均傾斜角とを比較することで、荷姿異常状態の有無を判断する判断工程を備える。
【0013】
当該荷姿異常状態検出方法によれば、周側面撮像工程及び算出工程によって得られたデータに基づいて、判断工程において隣接するブロックの線材の平均傾斜角を比較することで、いわゆる潜り込み、網目状などのコイル状線材の荷姿異常状態を検出することができる。
【0014】
当該荷姿異常状態検出方法は、前記撮像工程の撮像データに基づいて、前記算出工程における前記所望領域を決定する範囲決定工程をさらに備えるとよい。これにより、コイル状線材に応じた前記所望領域を決定することで、荷姿異常状態の検出精度を向上することができる。
【0015】
前記周側面撮像工程において、照明手段によって、前記線材を、背後から照明するとよい。周側面からコイル状線材を照明することで、撮像画像におけるコイル状線材の画像と背景画像とを区分けしやすく、コイル状線材の範囲推定を工場内の環境変動に対してロバストに実施することができる。
【0016】
当該荷姿異常状態検出方法は、端面撮像手段によって前記コイル状線材の端面方向から撮像する端面撮像工程をさらに備えるとよい。端面方向からコイル状線材の状態を把握することで、いわゆる飛び出し、弓張、端曲がりなどのコイル状線材の荷姿異常を検出することができる。
【0017】
本発明の他の一態様に係る荷姿異常状態検出システムは、コイル状線材の周側面を撮像する周側面撮像手段、及び前記周側面撮像手段の撮像データに基づいてコイル状線材の荷姿異常状態を検出する制御手段を備える荷姿異常状態検出システムであって、前記制御手段が、前記周側面撮像手段の撮像データの輝度から前記コイル状の各線材の状態を認識し、前記撮像データの所望領域において区画した複数ブロックごとの線材の平均傾斜角を算出する工程、及び一の前記ブロックの線材の平均傾斜角と、このブロックに隣接する他の前記ブロックの線材の平均傾斜角とを比較することで、荷姿異常状態の有無を判断する判断工程を行う。
【0018】
当該荷姿異常状態検出システムによれば、制御手段が判断工程において隣接するブロックの線材の平均傾斜角を比較することで、いわゆる潜り込み、網目状などのコイル状線材の荷姿異常状態を検出することができる。
【0019】
[本発明の実施形態の詳細]
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
【0020】
<荷姿異常検出方法>
当該荷姿異常状態検出方法は、コイル状線材の荷姿異常状態を検出するための荷姿異常状態検出方法である。このコイル状線材は、コイル状に巻回された線材(例えば鋼材)がフープによって巻回状態が保持されるように結束されている(なお、フープは、例えばコイル状線材の4箇所に配されており(例えばコイル状線材の上端を12時とした場合における1.5時、4.5時、7.5時、10.5時(右斜め上側、右斜め下側、左斜め下側、左斜め上側)において線材を結束している)。当該荷姿異常状態検出方法は、コイル状線材を、ハンガー等に吊り下げ搬送手段1によって搬送する際に、コイル状線材の荷姿異常状態を検出するための方法である。なお、台車等に載置されて搬送されるコイル状線材についても当該荷姿異常状態検出方法を適用可能である。
【0021】
当該荷姿異常状態検出方法は、
図1に示すように、周側面撮像工程S1、端面撮像工程S2、領域決定工程S3、算出工程S4、及び判断工程S5を備えており、前記搬送手段1、周側面撮像手段2、端面撮像手段3及び制御手段4を備える当該荷姿異常状態検出システムによって実施される。また、当該荷姿異常状態検出システムは、各種照明を備える照明装置5を有している。
【0022】
(周側面撮像工程S1)
周側面撮像工程S1において、コイル状線材の周側面を径方向(外周側)から周側面撮像手段2によって撮像する。なお、コイル状線材の周側面とは、コイル状線材の軸と直交する外周面を意味する。この周側面撮像工程S1においては、上部判定法(後述)に用いられるべく前記照明装置5のバックライト54と床照明52との照明状態(後述する照明装置5の他の照明はOFF状態)で第一撮像画像を撮像する第一撮像工程と、算出工程S4及び判断工程S5で用いられるべく前記照明装置5の周側面照明51の照明状態(他の照明はOFF状態)で第二画像を撮像する第二撮像工程とを有する。なお、第一撮像工程と第二撮像工程との間は、搬送手段1はコイル状線材の搬送を停止する(第一撮像位置)。
【0023】
(端面撮像工程S2)
端面撮像工程S2において、コイル状線材の端面を軸方向から端面撮像手段3によって撮像する。端面撮像手段3は、複数個所に設けられ、例えば、吊るされたコイル状線材の上端を12時とした場合における3時、6時、9時(右側、下側、左側)の線材の状態を撮像するように配されている。この工程においては、端面判定法及び内径判定法(後述)に用いるべく前記照明装置5のバックライト54の照明状態(後述する他の照明はOFF状態)で第三撮像画像を撮像する第三撮像工程と、第三撮像画像を確認するため前記照明装置5の端面照明53の照明状態(他の照明はOFF状態)で第四撮像画像を撮像する第四撮像工程とを有する。なお、第三撮像工程と第四撮像工程との間は、搬送手段1はコイル状線材の搬送を停止する(第二撮像位置)。
【0024】
(領域決定工程S3)
領域決定工程S3においては、前記周側面撮像工程S1の撮像データに基づいて、撮像データのうち後述する算出工程S4及び判断工程S5において用いられる領域を、制御手段4によって決定する。この決定に際しては、具体的には、例えば第一撮像画像(及び第二撮像画像)を用いることができる。この際、周側面撮像工程S1及び/又は端面撮像工程S2で得られたコイル状線材の外径データ(及び内径データ)を用いることも可能である。つまり、前記外径データ(及び内径データ)により想定される軸芯と外周面法面との角度内(前記周側面撮像手段2との想定撮像角度範囲内)を前記領域とすることも可能である。また、コイル状線材を吊り下げるフックとの位置関係によって前記領域とすることも可能である。
【0025】
(算出工程S4)
算出工程S4において、周側面撮像工程S1の撮像データ(第二撮像画像)の輝度からコイル状の各線材の状態を認識する。そして、算出工程S4では、領域決定工程S3において定めた前記領域において区画した複数ブロックごとの線材の平均傾斜角を制御手段4によって算出する。この区画(ブロック)の選定は、測定対象の線材の種類などに応じてあらかじめ設定しておくことができる。なお、この複数ブロックは、例えばコイル状線材の軸方向及び周方向に区画される格子状の方形状とされるが、このブロックの形状は検出対象などによって例えば正六角形状など適宜設定可能である。
【0026】
(判断工程S5)
判断工程S5においては、算出工程S4において算出された一のブロックの線材の平均傾斜角と、このブロックに隣接する他のブロックの線材の平均傾斜角とを比較することで、制御手段4が荷姿異常状態の有無を判断する。これにより、隣接するプロックの線材の平均傾斜角の差などによって、潜り込みや網目状などのコイル状線材の荷姿異常状態を自動的に把握できる。具体的には、この判断工程S5においてはsobelフィルタを用いることができ、sobel微分分布においてX以上がY%以上である場合に荷姿異常状態と判断することができる。なお平均傾斜角の認定方法は、種々の方法を採用することが可能である。例えば、ブロック内の最輝度の座標を特定し、この最輝度の座標に対してコイル状線材の軸方向一定範囲内における高輝度の座標を特定し、両座標によって平均傾斜角を認定することも可能である。
【0027】
また、この判断工程S5において、ブロックの線材の平均傾斜角が所定角以上である場合に荷姿異常状態と判断することができる。また、判断工程S5においては、端面撮像工程S2の撮像データ(第一撮像データ)に基づいて上部判定法により櫛歯状、馬の背、はみ出し、段付き、こぶ状、端せり上がりなどのコイル状線材の荷姿異常状態の有無を判断することができる。
【0028】
さらに、判断工程S5においては、端面撮像工程S2の撮像データ(第三撮像データ及び第四撮像データ)に基づいて、端面判定法及び内径測定法によって飛び出し、弓張、端曲がりなどのコイル状線材の荷姿異常状態を検出することができる。
【0029】
<荷姿異常検出システム>
当該荷姿異常状態検出システムは、上述のように搬送手段1、周側面撮像手段2、端面撮像手段3、制御手段4及び照明装置5を備える(
図2参照)。なお、各種手段の動作は、制御手段4によって制御され、また、制御手段4は、各種手段からデータを接受している。
【0030】
照明装置5の周側面照明51は、第一撮像位置のコイル状線材の周側面と対向する位置に配され、対向するコイル状線材の周側面を照明するよう設けられている。
【0031】
前記床照明52は、第一撮像位置のコイル状線材の底面と対向する位置に配され、対向するコイル状線材の底面を照明するよう設けられている。
【0032】
照明装置5の端面照明53は、第二撮像位置のコイル状線材の端面と対向する位置に設けられ、対向するコイル状線材の端面を照明するよう設けられている。なお、端面とは、コイル状線材の軸方向の面であり、線材がコイル状に巻かれた状態が層状に見える面である。
【0033】
照明装置5のバックライト54は、周側面撮像手段2と前記第一撮像位置を挟んだ位置に対向して設けられている。このバックライト54は、特に限定されないが、LED照明が好適に用いられる。
【0034】
照明装置5のバックライト54は、周側面撮像手段2と前記第二撮像位置を挟んだ位置に対向して設けられている。搬送手段1は、第一撮像位置から第二撮像位置に線状のコイルを搬送するに際してコイルの線状の軸方向を変更すべく、搬送路が湾曲して設けられている。つまり、搬送路が第一撮像位置から第二撮像位置にかけて湾曲しており、平面視におけるコイル状線材の軸方向が変化することで、第一撮像位置及び第二撮像位置における撮像でバックライト54を共有できる(バックライト54が第一撮像位置及び第二撮像位置それぞれで周側面照明51及び端面撮像正面の背後に位置する)よう設けられている。
【0035】
<利点>
当該荷姿異常状態検出方法及び当該荷姿異常状態検出システムによれば、制御手段4が判断工程S5において隣接するブロックの線材の平均傾斜角を比較することで、いわゆる潜り込み、網目状などのコイル状線材の荷姿異常状態を検出することができる。
【0036】
[その他の実施形態]
前記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、前記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて前記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
【0037】
前記実施形態においては、撮像データに基づいて算出工程における領域を決定する領域決定工程を備えるものについて説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、撮像データに基づかずに、測定対象たるコイル状線材に応じてあらかじめ算出工程における領域を定めておき、この領域において算出工程を行うものであってもよい。
【0038】
また、周側面撮像工程において線材を背後から照明手段によって照明するものについて説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。さらに、周側面撮像手段も一つに限らず複数有することも可能であり、例えば、対向する側に一対(コイル状線材を挟む一対)の周側面撮像手段を有するものであってもよい。
【0039】
また、前記実施形態においては、コイル状線材の軸方向全体について前記判別工程を行うものを主眼として説明したが、線材や巻取り装置等に応じて軸方向の部分的(例えば端部付近、または軸方向中央付近)に前記判別工程を行うことも可能である。
【0040】
さらに、前記制御手段における各閾値は、適宜作業者が設定できることはもとより、制御手段の自己学習により変更されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の一態様に係る荷姿異常状態検出方法及び荷姿異常状態検出方法は、コイル状線材の荷姿異常状態を検出することができる。
【符号の説明】
【0042】
S1 周側面撮像工程
S2 端面撮像工程
S3 領域決定工程
S4 算出工程
S5 判断工程
1 搬送手段
2 周側面撮像手段
3 端面撮像手段
4 制御手段
5 照明手段
51 周側面照明
52 床照明
53 端面照明
54 バックライト