(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168378
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】発光装置および造形装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20241128BHJP
B29C 64/268 20170101ALI20241128BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20241128BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20241128BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20241128BHJP
B22F 10/12 20210101ALI20241128BHJP
B29C 64/135 20170101ALI20241128BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20241128BHJP
H05B 45/325 20200101ALI20241128BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20241128BHJP
【FI】
F21S2/00 500
B29C64/268
B33Y30/00
B33Y50/02
B29C64/393
B22F10/12
B29C64/135
F21V33/00 400
H05B45/325
H01L33/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084983
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 洋平
【テーマコード(参考)】
3K014
3K273
4F213
4K018
5F142
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014RB00
3K273HA08
3K273PA09
3K273QA05
3K273TA03
3K273TA08
3K273TA15
3K273TA37
3K273TA78
3K273TA79
3K273UA02
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3K273VA01
3K273VA04
3K273VA08
4F213AA39
4F213AA43
4F213AR11
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL03
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4F213WL76
4F213WL85
4K018CA44
4K018EA51
4K018EA60
5F142AA13
5F142BA02
5F142BA32
5F142CB12
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5F142CD13
5F142CD16
5F142CD17
5F142CD18
5F142DB12
5F142FA03
5F142GA40
5F142HA03
(57)【要約】
【課題】 3次元造形物の形状の劣化を低減できる発光装置を提供する。
【解決手段】 発光装置は、被照射部材52の複数の被照射単位部52aに光をそれぞれ照射する複数の発光部2と、複数の発光部2を制御する制御部6とを備える。複数の発光部2は、第1方向に配列されているとともに、第1方向と交差する第2方向に移動可能である。制御部6は、第2方向における複数の発光部の移動を制御する。制御部6は、複数の発光部2が複数の被照射単位部52aの全体に光をそれぞれ照射する場合の複数の発光部2の発光期間のデューティ比を1としたとき、複数の発光部2の発光期間のデューティ比Drを0<Dr≦1の範囲に設定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被照射部材の複数の被照射単位部に光をそれぞれ照射する複数の発光部と、
前記複数の発光部を制御する制御部と、を備え、
前記複数の発光部は、第1方向に配列されているとともに、前記第1方向と交差する第2方向に移動可能であり、
前記制御部は、
前記第2方向における前記複数の発光部の移動を制御するとともに、
前記複数の発光部が前記複数の被照射単位部の全体に光をそれぞれ照射する場合の前記複数の発光部の発光期間のデューティ比を1としたとき、前記複数の発光部の発光期間のデューティ比Drを0<Dr≦1の範囲に設定する、発光装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記デューティ比Drを0<Dr<1の範囲に設定するとともに、
前記複数の発光部が前記複数の被照射単位部の全体にそれぞれ光を照射する場合の前記複数の被照射単位部に対する照射強度をKとしたとき、前記複数の被照射単位部に対する照射強度をK/Dr以上とする、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記デューティ比Drを0.1≦Dr≦0.7の範囲に設定する、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記複数の発光部が一定速度で移動するように制御する、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記複数の発光部の移動速度を変更可能である、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記複数の発光部が間欠的に移動し、移動停止中にのみ発光するように制御する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項7】
前記被照射部材は、光硬化性材料である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項8】
請求項1に記載の発光装置と、
光硬化性材料を収容する容器と、を含み、
前記発光装置は、前記容器に収容された光硬化性材料に光を照射し、前記光硬化性材料を硬化させるように構成される、造形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置および造形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光硬化性材料を選択的に硬化させることによって3次元造形物を製造する造形装置が種々提案されている。例えば特許文献1は、光硬化性材料を収容する容器と、所定方向に移動しながら光硬化性材料に光を照射する、発光要素の線形アレイと、を含む造形装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の造形装置は、発光要素の線形アレイが延びる方向と、発光要素の線形アレイが移動する方向とで光硬化性材料が硬化する寸法が異なることがあり、3次元造形物の形状が劣化することがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の発光装置は、被照射部材の複数の被照射単位部に光をそれぞれ照射する複数の発光部と、
前記複数の発光部を制御する制御部と、を備え、
前記複数の発光部は、第1方向に配列されているとともに、前記第1方向と交差する第2方向に移動可能であり、
前記制御部は、
前記第2方向における前記複数の発光部の移動を制御するとともに、
前記複数の発光部が前記複数の被照射単位部の全体に光をそれぞれ照射する場合の前記複数の発光部の発光期間のデューティ比を1としたとき、前記複数の発光部の発光期間のデューティ比Drを0<Dr≦1の範囲に設定する。
【0006】
本開示の造形装置は、上記の発光装置と、
光硬化性材料を収容する容器と、を含み、
前記発光装置は、前記容器に収容された光硬化性材料に光を照射し、前記光硬化性材料を硬化させるように構成される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、3次元造形物の形状劣化を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態に係る造形装置を示す平面図である。
【
図2】
図1の切断面線II-IIで切断した断面図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る発光装置を示す平面図である。
【
図4】
図3の切断面線IVA-IVAで切断した断面図である。
【
図5】
図3の発光装置の他の例を示す断面図である。
【
図6】被照射部材の被照射単位部を示す平面図である。
【
図7】第1方向における照射エネルギ分布の一例を示すグラフである。
【
図8】第2方向における照射エネルギ分布の一例を示すグラフである。
【
図9】第2方向における照射エネルギ分布の他の例を示すグラフである。
【
図10】照射エネルギ分布の一例を示すグラフである。
【
図11】照射エネルギ分布の他の例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明がされる。以下で参照する各図は、実施形態に係る発光装置および造形装置の主要な構成要素を示している。実施形態に係る発光装置および造形装置は、図示されていない光学部材、駆動部材等の周知の構成要素を備えてよい。以下で参照する各図は、模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。本明細書では、一部の図面において、便宜的に、直交座標系XYZを定義する。本明細書では、Z軸の正方向を上方として、上面または下面等の語を用いることがある。X方向、Y方向、およびZ方向はそれぞれ、第1方向、第2方向、および第3方向とも称される。
【0010】
図1は、本開示の一実施形態に係る造形装置を示す平面図であり、
図2は、
図1の造形装置の断面図である。
図3は、本開示の一実施形態に係る発光装置の複数の発光部を示す平面図であり、
図4は、
図3の切断面線IV-IVで切断した断面図であり、
図5は、本開示の他の実施形態に係る発光装置の複数の発光部を示す断面図であり、
図6は、被照射部材の被照射単位部を示す平面図である。
図7は、走査線方向における照射エネルギ分布の一例を示すグラフであり、
図8は、副走査線方向における照射エネルギ分布の一例を示すグラフであり、
図9は、副走査線方向における照射エネルギ分布の他の例を示すグラフである。
図10は、照射エネルギ分布の一例を示すグラフであり、
図11は、照射エネルギ分布の他の例を示すグラフである。
図1では、容器および被照射部材を省略して図示している。
図2の断面図は、造形装置のYZ平面に沿った断面を示している。
図5に示す断面図は、
図4に示す断面図に対応する。
【0011】
本実施形態の造形装置50は、
図1,2に示すように、容器51と、発光装置1とを含む。造形装置50は、プラットフォーム53と、複数のガイド部材54とをさらに含んでよい。
【0012】
容器51は、中空箱状の部材であり、光が照射されることによって変性する被照射部材52を収容している。被照射部材52は、光が照射されることによって硬化する光硬化性材料であってよい。被照射部材52は、紫外線が照射されることによって硬化する紫外線硬化性材料であってよい。被照射部材52は、紫外線硬化性材料に限定されず、例えば、可視光線が照射されることによって硬化する可視光線硬化性材料であってもよく、赤外線が照射されることによって硬化する赤外線硬化性材料であってもよい。
【0013】
光が照射されることによって被照射部材52が変性するとき、「変性」は「完全に硬化させること」に限らず、「半硬化させること」であってもよい。例えば、被照射部材52が食品サンプル等である場合、半熟卵、ヨーグルト、プリン、ゼラチン等の柔らかい食品サンプル等を作製することができる。また、被照射部材52の結果物が合成ゴム、発砲スチロール等の柔軟な材料から成る場合、液体状態から半硬化状態に変性させてもよい。
【0014】
また、「変性」は「結晶相を変化させること」であってもよい。例えば、多結晶質の被照射部材52を非晶質(アモルファス)に変化させること、多結晶質の被照射部材52を単結晶質に変化させること、非晶質の被照射部材52を多結晶質に変化させること、または非晶質の被照射部材52を単結晶質に変化させること、であってもよい。また、被照射部材52が非晶質成分、多結晶成分、および単結晶成分等の複数の異なる結晶成分を含み、それらの成分比を変化させること、であってもよい。
【0015】
また、「変性」は、被照射部材52の分子数、結合手数、結合する分子の種類等の分子状態を変化させることによって、被照射部材52の化学的性質、物理的性質を変化させること、であってもよい。
【0016】
被照射部材52の材料は、アクリル樹脂,エポキシ樹脂等の樹脂材料、金属材料、合金材料、半導体材料であってもよい。
【0017】
なお、以下の説明においては、被照射部材52が樹脂材料から成り、被照射部材52を硬化させる場合について説明する。
【0018】
発光装置1は、被照射部材52に光を照射し、被照射部材52を選択的に変性(硬化)させる。発光装置1は、所定方向(Y方向)に移動可能であり、所定方向(Y方向)に移動しながら被照射部材52に光を照射する。これにより、被照射部材52が選択的に硬化された層状造形物を形成することができる。
【0019】
図2は、発光装置1が、被照射部材52の上方から、被照射部材52に光を照射する造形装置50を示しているが、これに限定されない。造形装置50は、発光装置1が、被照射部材52の下方から、被照射部材52に光を照射してよいし、被照射部材52の側方から、被照射部材52に光を照射してよい。
【0020】
プラットフォーム53は、
図2に示すように、少なくとも一部が容器51内に位置している。プラットフォーム53は、平板部および平板部から下方に伸びる柱状の保持部を有する。平板部は、例えば矩形板状、円板状、楕円板状等の外形形状を有してよい。平板部は、遮光性または光吸収性を有していてよい。平板部は、被照射部材52中にあり、平板部の上面に層状造形物が付着する。プラットフォーム53は、3次元造形物の造形中に、発光装置1から放射された光が照射されて層状に硬化した樹脂(即ち、層状造形物)Pを保持する。プラットフォーム53の保持部は、駆動装置(不図示)に接続されている。駆動装置は、第1層目の層状造形物Pが形成された後、第2層目の層状造形物Pを形成するために、プラットフォーム53を下方に移動させ、1層目の層状造形物Pを下方に移動させる。このような動作を繰り返すことによって、3次元造形物を形成することができる。駆動装置は、ステッピングモータ、エアシリンダ装置、油圧駆動装置、ギア装置等を含んで構成されてよい。
【0021】
発光装置1は、複数の発光部2と、制御部6とを含む。複数の発光部2は、平面視で第1方向(X方向)に並んでいる。複数の発光部2は、平面視で第1方向と交差する第2方向(Y方向)に移動可能に構成されている。第1方向は、走査線方向とも称される。第2方向は、副走査線方向とも称される。
【0022】
複数の発光部2はそれぞれ、被照射部材52の複数の部位(被照射単位部52a)に光を照射し、複数の被照射単位部52aを変性させる。複数の被照射単位部52aはそれぞれ、
図1,2に示すように、容器51に収容された被照射部材52の上面の一部を含み、平面視において矩形状(長方形状または正方形状)、円形状であってよい。複数の被照射単位部52aは、走査線方向および副走査線方向に行列状に並んでいてよい。複数の発光部2の数は、走査線方向に並ぶ被照射単位部52aの数と一致してよい。複数の発光部2はそれぞれ、走査線方向に並ぶ被照射単位部52aを変性させるように構成されてよい。この場合、複数の発光部2を副走査線方向に移動させながら、複数の発光部2を発光または非発光を制御することで、複数の被照射単位部52aの全てを走査することができる。
【0023】
複数の発光部2はそれぞれ、
図3~5に示すように、基体3と、発光素子4とを含んで構成されてよい。
【0024】
基体3は、立方体形状、直方体形状、長板形状、円柱状、多面体形状等の外形形状を有してよい。多面体形状は、複数の平面および/または複数の曲面を組み合わせた複合面形状であってよい。
【0025】
基体3は、例えばガラス材料、セラミック材料、樹脂材料、金属材料、合金材料、半導体材料等で構成されてよい。ガラス材料は、例えばホウケイ酸ガラス、結晶化ガラス、石英等であってよい。セラミック材料は、例えばアルミナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO2)、窒化珪素(Si3N4)、炭化珪素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)等であってよい。樹脂材料は、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等であってよい。金属材料は、例えばアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)(特に、Mg含有量が99.95質量%以上の高純度マグネシウム)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、銅(Cu)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)等であってよい。合金材料は、例えばアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金であるジュラルミン(Al-Cu合金、Al-Cu-Mg合金、Al-Zn-Mg-Cu合金)、マグネシウムを主成分とするマグネシウム合金(Mg-Al合金、Mg-Zn合金、Mg-Al-Zn合金)、ボロン化チタン、ステンレススチール、Cu-Zn合金、Fe-Ni合金等であってよい。半導体材料は、例えばシリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素等であってよい。
【0026】
発光素子4は、例えば発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)素子、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode;OLED)素子、半導体レーザ(Laser Diode;LD)素子等であってよい。発光素子4は、マイクロLED素子であってよい。発光素子4がマイクロLED素子である場合、平面視形状が矩形状であり、1辺の長さが1μm~100μm程度であってよく、3μm~50μm程度であってもよく、5μm~20μm程度であってもよい。発光素子4は、被照射部材52を変性(硬化)させ得る波長領域に強度(放射強度)のピークを有する光を放射してよい。
【0027】
基体3は、被照射部材52に対向する第1面3aを有する。発光部2は、基体3の第1面3a上に発光素子4が位置している構成であってよい。発光部2は、
図4,5に示すように、基体3が第1面3aから厚み方向に窪む凹部3bを有し、凹部3bの底面上に発光素子4が位置している構成であってもよい。発光部2は、発光素子4から放射された光を、凹部3bの内側面で少なくとも1回反射した後に、凹部3b外に放射するように構成されてよい。この場合、発光部2が放射する光の強度分布をガウス分布に近づけることができる。その結果、被照射単位部52aを精度よく変性させることができ、造形装置50の解像度を向上させることが可能となる。
【0028】
発光部2は、
図5に示すように、集光部材5を含んでよい。集光部材5は、発光素子4から放射された光を集光するように構成されてよい。この場合、発光部2が放射する光の強度分布をガウス分布に近づけることができる。その結果、被照射単位部52aを精度よく変性させることができ、造形装置50の解像度を向上させることが可能となる。
【0029】
複数の発光部2は、走査線方向(X方向)に並んでよい。互いに隣り合う2つの発光部2は、
図4,5に示すように、基体3同士が一体化されていてよい。
【0030】
複数の発光部2は、第1方向(X方向)と交差する第2方向(Y方向)に移動可能である。第2方向は、第1方向と直交する方向であってよい。第2方向は、副走査線方向とも称される。造形装置50は、走査線方向および副走査線方向の両方が容器51内に収容された被照射部材52の上面と平行となるように構成される。
【0031】
発光装置1は、複数のガイド部材54によって、副走査線方向(Y方向)に移動可能に支持されている。複数のガイド部材54は、例えば、副走査線方向(Y方向)に延びる棒状部材であってよい。複数のガイド部材54は、容器51に固定されていてよい。発光装置1は、複数のガイド部材54に移動可能に装着される複数の支持ブロック(不図示)を有してよい。支持ブロックは、複数の発光部2の一体化された基体3に固定されてよい。支持ブロックは、モータを含んで構成され、モータが発生する駆動力によって、複数のガイド部材54に対して、副走査線方向(Y方向)に移動可能であってよい。モータは、サーボモータであってよいし、ステッピングモータであってもよい。支持ブロックは、例えば車輪、ボールねじ等を含んで構成されてよい。
【0032】
制御部6は、複数の発光部2の発光、非発光および放射強度を個別に制御することができる。また、制御部6は、副走査線方向(Y方向)における複数の発光部2の移動速度および移動方向(進行方向または退行方向)を制御することができる。制御部6は、複数の発光部2から離隔して設けられてよいし、複数の発光部2の一体化された基体3に設けられてもよい。制御部6は、有線通信または無線通信を介して複数の発光部2に制御信号を出力してよい。
【0033】
制御部6は、1つまたは複数のプロセッサを含んで構成されてよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行するように構成される汎用プロセッサ、および特定の処理に特化した専用プロセッサの少なくとも一方を含んでよい。
【0034】
制御部6は、造形装置50の制御部を兼ねてよい。換言すると、制御部6は、造形装置50の各構成要素に接続され、各構成要素を制御してよい。制御部6によって制御される構成要素は、プラットフォーム53を含む。
【0035】
被照射単位部52aは、
図6に示すように、平面視において、走査線方向(X方向)に平行な辺と副走査線方向(Y方向)に平行な辺とで構成される正方形の形状を有してよい。被照射単位部52aは、平面視において、各辺の長さ(辺長)が10μm~100μm程度であってよく、30μm~70μm程度であってよく、50μm程度であってよいが、これらの値に限定されない。以下では、被照射単位部52aは、平面視において、各辺の長さが50μmである正方形の形状を有するとする。
【0036】
制御部6は、走査線方向における被照射単位部52aの長さと、被照射部材52の臨界露光量Ec[J]とに基づいて、複数の発光部2のそれぞれに供給する駆動電流値を制御してよい。これにより、複数の被照射単位部52aの硬化を個別に制御することが可能となり、その結果、3次元造形物を高い形状精度で形成することができる。臨界露光量Ecは、被照射単位部52aを変性させるために必要な最小エネルギである。
【0037】
制御部6は、複数の発光部2のそれぞれを間欠駆動してよいし、パルス幅変調(Pulse Width Modulation;PWM)駆動してよい。
【0038】
制御部6が行う発光部2の駆動制御について説明する。以下では、制御部6による、1つの発光部2が1つの被照射単位部52aに照射する光の制御について説明する。発光部2が放射する光の被照射単位部52aにおけるエネルギ分布(以下、照射エネルギ分布ともいう)Qは、発光素子4の発光点を通り、第3方向(Z方向)に延びる仮想軸線まわりに回転対称なガウス関数で表されるとする。被照射単位部52aは、平面視において、各辺の長さがLの正方形状であるとする。各辺の長さLは、50μmであるとする。発光部2は、副走査線方向に一定速度VSCANで移動しながら被照射単位部52aに光を照射するとする。被照射部材52は、照射される光のエネルギが臨界露光量Ec以上である部位が硬化するとする。
【0039】
(発光部の間欠駆動)
制御部6が発光部2を間欠駆動する場合について説明する。発光部2は、副走査線方向(Y方向)に移動し、走査線方向(X方向)に移動しないため、走査線方向における照射エネルギ分布Q(以下、照射エネルギ分布Qxともいう)は、以下の式(1)および式(2)に示すように、ガウス関数で表される。
【数1】
【数2】
式(1)は、平面視における被照射単位部52aの左上の点を原点Oとしたときの(
図6参照)、照射エネルギ分布Qxを示す。式(2)中のσは、照射エネルギ分布Qxの幅(分散)を表す。
図5は、照射エネルギ分布Qxの一例を示している。
【0040】
図7に示すグラフでは、照射エネルギ分布Qxのピーク値を1に正規化するとともに、ピーク値の正規化に合わせて、臨界露光量Ecのスケールを変更している。また、
図7に示すグラフでは、被照射部材52の臨界露光量Ecと走査線方向における被照射単位部52aの長さL(50μm)とに基づいて、走査線方向において被照射部材52が硬化される寸法(以下、第1硬化寸法Lxともいう)が被照射単位部52aの辺長Lに一致するように、発光素子4が放射する光の強度(以下、単に、発光素子4の放射強度ともいう)、即ち、照射エネルギ分布Qのピーク値を調整している。走査線方向においては、発光素子4の放射強度を調整することで、第1硬化寸法Lxを被照射単位部52aの長さLに一致させることができる。
【0041】
発光部2は副走査線方向(Y方向)に移動するため、副走査線方向における照射エネルギ分布Q(以下、照射エネルギ分布Qyともいう)は、例えば
図8に示すように、ピーク位置が互いに異なるガウス関数(二点鎖線で示す)を重ね合せた混合ガウス関数で表される。照射エネルギ分布Qyは、概略、ガウス型形状を有しうるが、照射エネルギ分布Qxよりも幅が広くなり、ピーク値が低くなることがある。照射エネルギ分布Qxと照射エネルギ分布Qyとの形状(即ち、幅およびピーク値)が異なると、被照射単位部52aの硬化を精度よく制御できず、その結果、3次元造形物の形状が劣化することがある。
【0042】
制御部6は、照射エネルギ分布Qyの形状を照射エネルギ分布Qxの形状に近づけるために、発光部2を間欠駆動する。間欠駆動とは、平面視で発光素子4の発光点と被照射単位部52aとが重なる期間の一部期間においてのみ発光素子4を発光させるとともに、発光素子4の放射強度を増加させ、照射エネルギ分布Qのピーク値を増加させる制御である。間欠駆動は、パラメータNによって特徴づけられる。Nは、L以下の実数であり、Lは、被照射単位部52aの辺長である。Nは、発光部2の移動に伴う照射エネルギ分布Qyのピーク値のシフト量を表している。Nは、発光素子4を発光させる期間を表しているともいえる。N=L(N=50)は、平面視で発光素子4の発光点と被照射単位部52aとが重なる重畳期間の全てにわたって発光素子4を発光させることを意味している。N=L/2(N=25)は、重畳期間の半分の期間だけ発光素子4を発光させ、残り半分の期間は発光素子4を発光させないことを意味している。換言すると、N/Lは、発光部2の発光期間のデューティ比であるともいえる。
【0043】
なお、本明細書においては、発光部2が被照射単位部52aの全体に光を照射する場合、発光部2の発光期間のデューティ比が1であるとする。制御部6は、発光部2を間欠駆動する場合、発光素子4の放射強度(照射エネルギ分布Qのピーク値)を、発光部2を間欠駆動しない場合の発光素子4の放射強度(照射エネルギ分布Qのピーク値)の(L/N)倍以上としてよい。すなわち、発光素子4の放射強度を、発光部2を間欠駆動しない場合の発光素子4の放射強度の1倍以上としてよい。この場合、被照射単位部52aが受け取るエネルギが低下し、硬化不良が発生する虞を低減することができる。制御部6は、発光部2のデューティ比を被照射単位部52a毎に設定可能に構成されてよい。換言すると、制御部6は、発光部2のデューティ比を可変に設定可能に構成されてよい。
【0044】
照射エネルギ分布Qyは、以下の式(3)で表される。
【数3】
式(3)中、Aは、照射エネルギ分布Qyを調整するための定数であり、erfi()は、虚数誤差関数を表し、積分記号の前の係数(1/N)は、照射エネルギ分布Qyのピーク値を調整するための係数である。定数Aは、式(3)で表される照射エネルギ分布Qyが、N=L(N=50)のときに、間欠駆動を行わない場合の照射エネルギ分布Qyに一致するように決定されてよい。
【0045】
図8は、式(3)においてN=Lとした場合の照射エネルギ分布Qyを示すグラフである。換言すると、
図8に示す照射エネルギ分布Qyは、発光部2を間欠駆動しない場合の照射エネルギ分布Qyである。
図7,8に示すように、発光部2を間欠駆動しない場合、照射エネルギ分布Qyは、照射エネルギ分布Qxよりも幅が大きくなり、ピーク値が低くなる。
【0046】
副走査線方向において、被照射部材52は、
図8に示す寸法(以下、第2硬化寸法Lyともいう)の範囲が硬化する。
図7,8に示すように、N=Lとした場合、第2硬化寸法Lyは、第1硬化寸法Lx(即ち、被照射単位部52aの辺長L)よりも大きくなる。また、照射エネルギ分布Qyのピーク値は、照射エネルギ分布Qxのピーク値よりも低くなる。したがって、発光部2を間欠駆動しない場合、3次元造形物の形状が劣化することがある。同様に、N/Lが1に近い(例えば、N/Lが0.7を超える)場合、間欠駆動の効果が発揮されにくく、3次元造形物の形状が劣化することがある。
【0047】
図9は、式(3)においてN=L/5とした場合の照射エネルギ分布Qyを示すグラフである。
図7,9に示すように、N=L/5の場合、照射エネルギ分布Qyは、実質的に、照射エネルギ分布Qxと幅およびピーク値が等しくなる。したがって、発光部2を間欠駆動することにより、3次元造形物の形状の劣化を低減できる。
【0048】
Nは、5以上35以下であってよい。換言すると、N/Lは、0.1以上0.7以下であってよい。Nが5未満である場合、発光素子4を発光させる期間が短くなり、被照射単位部52aに与える照射エネルギが小さくなるため、被照射単位部52aを十分に硬化させられないことがある。発光素子4の放射強度を高めることで、被照射単位部52aの硬化を促進することができるが、発光素子4からの発熱量が増加するため、発光素子4の信頼性が劣化しやすくなる。或いは、発光部2の移動速度VSCANを低下させることで、被照射単位部52aに与える照射エネルギを増加させることができ、被照射単位部52aの硬化を促進することができるが、造形速度が低下してしまう。また、Nが35を超える場合、間欠駆動の効果が発揮されにくく、3次元造形物の形状が劣化することがある。Nが5以上35以下である(即ち、N/Lが0.1以上0.7以下である)ことで、発光素子4の信頼性低下および造形速度の低下を抑制しつつ、3次元造形物の形状劣化を低減することができる。なお、Nが25以下(即ち、N/Lが0.5以下)である場合、副走査線方向における硬化寸法の誤差を許容範囲内(例えば7%以内)に抑えることができるため、3次元造形物の形状の劣化を低減できる。
【0049】
(発光部のPWM駆動)
次に、制御部6が発光部2をPWM駆動する場合について説明する。照射エネルギ分布Qは、概略、ガウス関数で表すことができる。照射エネルギ分布Qは、発光部2のデューティ比Drに比例し、副走査線方向(Y方向)における発光部2の移動速度V
SCANに反比例する。したがって、照射エネルギ分布は、以下の式(4)で表すことができる。
【数4】
式(4)中、Bは、照射エネルギ分布Qのピーク値を調整するための定数であり、ηは、照射エネルギ分布Qの幅(分散)を表す。ηは、式(2)中のσと一致してよいし、異なっていてもよい。tは、XY平面内における照射エネルギ分布Qのピーク位置からの距離を表す。デューティ比Drは、0<Dr≦1の範囲にあってよい。
【0050】
制御部6は、
図10,11に示すように、臨界露光量Ecが与えられたとき、式(4)の照射エネルギ分布Qが臨界露光量Ecに等しいとした式(5)の2つの解t1,t2(但し、t1>t2)を求め、2つの解t1,t2の差t1-t2が被照射単位部52aの辺長Lに等しくなるように、デューティ比Drを設定してよい。これにより、第1硬化寸法Lxおよび第2硬化寸法Lyを被照射単位部52aの辺長Lに略一致させることができ、3次元造形物の形状の劣化を低減できる。なお、
図10は、臨界露光量Ecが0.46である場合に、デューティ比Drを25%に設定した例を示し、
図11は、臨界露光量Ecが0.92である場合に、デューティ比Drを50%に設定した例を示している。制御部6は、デューティ比Dr(0<Dr≦1)の調整によってt1-t2=Lとできない場合、デューティ比Drおよび移動速度V
SCANの両方を調整してよい。制御部6は、発光部2のデューティ比Drを被照射単位部52a毎に設定可能に構成されてよい。換言すると、制御部6は、発光部2のデューティ比Drを可変に設定可能に構成されてよい。
【数5】
【0051】
制御部6は、デューティ比Drを1未満に設定した場合、発光素子4の放射強度を、K/Dr以上としてよい。Kは、デューティ比Drが1の場合(発光部が被照射単位部の全体に光を照射する場合)の被照射単位部52aに対する照射強度を指す。発光素子4の放射強度をK/Dr以上とすることで、デューティ比Drが1未満の場合に被照射単位部52aが受け取るエネルギが低下し、その結果、硬化不良が発生する虞を低減することができる。
【0052】
デューティ比Drは、0.1以上0.7以下であってよい。デューティ比Drが0.1未満である場合、発光素子4を発光させる期間が短くなり、被照射単位部52aに与える照射エネルギが小さくなるため、被照射単位部52aを十分に硬化させられないことがある。発光素子4の放射強度を高めることで、被照射単位部52aの硬化を促進することができるが、発光素子4からの発熱量が増加するため、発光素子4の信頼性が劣化しやすくなる。あるいは、発光部2の移動速度VSCANを低下させることで、被照射単位部52aに与える照射エネルギを増加させることができ、被照射単位部52aの硬化を促進することができるが、造形速度が低下してしまう。また、デューティ比Drが0.7を超える場合、PWM駆動の効果が発揮されにくく、3次元造形物の形状が劣化することがある。デューティ比Drが0.1以上0.7以下であることで、発光素子4の信頼性低下および造形速度の低下を抑制しつつ、3次元造形物の形状劣化を低減することができる。なお、デューティ比Drが0.5以下である場合、第2方向(Y方向)および第3方向(Z方向)における硬化寸法の誤差を許容範囲内(例えば7%以内)に抑えることができるため、3次元造形物の形状の劣化を低減できる。
【0053】
上記のように、発光部2を間欠駆動またはPWM駆動することで、3次元造形物の形状の劣化を低減できる。
【0054】
制御部6は、複数の発光部2が、副走査線方向(Y方向)に一定速度で移動するよう制御してよい。この場合、支持ブロックのモータにトルク不足、リンギング等が発生する虞を低減でき、3次元造形物の形状の劣化を効果的に低減できる。この場合の制御部6の制御を、例えば第1制御モード(定速発光モードともいう)とする。
【0055】
制御部6は、複数の発光部2の移動速度を変更可能であってよい。制御部6は、発光部2の移動速度の設定を変更可能であってよく、また、副走査線方向(Y方向)における発光部2の位置に応じて、発光部2の移動速度を変更可能であってよい。この場合、複数の発光部2の移動速度を適宜変更することで、第2方向(Y方向)および第3方向(Z方向)における硬化寸法の誤差を許容範囲内に抑えることができるため、3次元造形物の形状の劣化を低減できる。
【0056】
制御部6は、複数の発光部2を間欠的に移動させてよい。制御部6は、複数の発光部2が、停止中にのみに発光し、移動中に発光しないよう制御してよい。この場合、発光装置1の移動に伴う3次元造形物の形状の劣化を効果的に低減できる。この場合の制御部6の制御を、例えば第2制御モード(停止発光モードともいう)とする。
【0057】
制御部6は、第1制御モードと第2制御モードとを変更可能に設定されていてもよい。第1制御モードは、複数の発光部2が常時移動していることから、3次元造形物の製造時間が短縮されるが、3次元造形物の形状の精度が向上しにくい傾向がある。第2制御モードは、複数の発光部2が移動と停止を繰り返すことから、3次元造形物の製造時間が長くなる傾向があるが、3次元造形物の形状の精度が高くなる傾向がある。従って、形状の精度がさほど要求されない、食器、文具等の3次元造形物を製造する場合、第1制御モードを選択してよい。また、高い形状の精度が要求される、工業用部品、精密部品、医療用部品(入歯等の歯科部品を含む)等の3次元造形物を製造する場合、第2制御モードを選択してよい。これらの制御モードの選択を行う選択部は、制御部6の内部にあってもよく、制御部6の外部にあってもよい。選択部に対する選択指示信号は、例えば選択部に接続されたパーソナルコンピューター端末(PC端末)から選択部に、人が入力する構成であってもよい。また、PC端末等に内蔵された人工知能(Artificial Intelligence:AI)プログラムソフトが、3次元造形物の要求される形状精度データに基づいて、選択指示信号を選択部に出力する構成であってもよい。
【0058】
また、選択部が第1制御モードを選択するときに、3次元造形物の要求される形状精度データに基づいて、複数の発光部2の移動速度を変更してよい。例えば、形状の精度がさほど要求されない3次元造形物を製造する場合、移動速度(第1移動速度ともいう)を速くしてもよい。比較的高い形状の精度が要求される3次元造形物を製造する場合、移動速度(第2移動速度ともいう)を遅くしてもよい。第2移動速度に対する第1移動速度の比(即ち、(第1移動速度)/(第2移動速度))は、1倍以上10倍程度以下であってもよいが、この範囲に限らない。複数の発光部2の移動速度の制御信号は、例えば選択部に接続されたパーソナルコンピューター端末(PC端末)から選択部に、人が入力する構成であってもよい。また、PC端末等に内蔵された人工知能(Artificial Intelligence:AI)プログラムソフトが、3次元造形物の要求される形状精度データに基づいて、移動速度の制御信号を選択部に出力する構成であってもよい。
【0059】
本開示は、以下の構成(1)~(8)で実施可能である。
【0060】
(1)被照射部材の複数の被照射単位部に光をそれぞれ照射する複数の発光部と、
前記複数の発光部を制御する制御部と、を備え、
前記複数の発光部は、第1方向に配列されているとともに、前記第1方向と交差する第2方向に移動可能であり、
前記制御部は、
前記第2方向における前記複数の発光部の移動を制御するとともに、
前記複数の発光部が前記複数の被照射単位部の全体に光をそれぞれ照射する場合の前記複数の発光部の発光期間のデューティ比を1としたとき、前記複数の発光部の発光期間のデューティ比Drを0<Dr≦1の範囲に設定する、発光装置。
【0061】
(2)前記制御部は、
前記デューティ比Drを0<Dr<1の範囲に設定するとともに、
前記複数の発光部が前記複数の被照射単位部の全体にそれぞれ光を照射する場合の前記複数の被照射単位部に対する照射強度をKとしたとき、前記複数の被照射単位部に対する照射強度をK/Dr以上とする、上記構成(1)に記載の発光装置。
【0062】
(3)前記制御部は、前記デューティ比Drを0.1≦Dr≦0.7の範囲に設定する、上記構成(1)または(2)に記載の発光装置。
【0063】
(4)前記制御部は、前記複数の発光部が一定速度で移動するように制御する、上記構成(1)~(3)のいずれかに記載の発光装置。
【0064】
(5)前記制御部は、前記複数の発光部の移動速度を変更可能である、上記構成(1)~(3)のいずれかに記載の発光装置。
【0065】
(6)前記制御部は、前記複数の発光部が間欠的に移動し、移動停止中にのみ発光するように制御する、上記構成(1)~(3)のいずれかに記載の発光装置。
【0066】
(7)前記被照射部材は、光硬化性材料である、上記構成(1)~(6)のいずれかに記載の発光装置。
【0067】
(8)上記構成(1)~(7)のいずれかに記載の発光装置と、
光硬化性材料を収容する容器と、を含み、
前記発光装置は、前記容器に収容された光硬化性材料に光を照射し、前記光硬化性材料を硬化させるように構成される、造形装置。
【0068】
以上、本開示の実施形態について詳細に説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 発光装置
2 発光部
3 基体
3a 第1面
3b 凹部
4 発光素子
5 集光部材
6 制御部
50 造形装置
51 容器
52 被照射部材
52a 被照射単位部
53 プラットフォーム
54 ガイド部材
L 辺長
Lx 第1硬化寸法
Ly 第2硬化寸法
P 層状造形物