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特開2024-168381ブロックゲームプログラム、ブロックゲーム機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168381
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ブロックゲームプログラム、ブロックゲーム機
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/80 20140101AFI20241128BHJP
【FI】
A63F13/80 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084989
(22)【出願日】2023-05-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.ウェブサイトの掲載 掲載年月日 令和4年8月26日 掲載アドレス https://www.taito.co.jp/PBEverybubble 2.ウェブサイトの掲載 掲載年月日 令和4年8月26日 掲載アドレス https://twitter.com/bubblun_jp 3.ウェブサイトの掲載 掲載年月日 令和4年8月26日 掲載アドレス https://www.youtube.com/@BubblunChannel 4.ウェブサイトの掲載 掲載年月日 令和4年8月26日 掲載アドレス https://youtu.be/mCHmEIV1S9M 5.ウェブサイトの掲載 掲載年月日 令和4年10月27日 掲載アドレス https://youtu.be/qxmG0dhmjJY 6.ウェブサイトの掲載 掲載年月日 令和5年2月3日 掲載アドレス https://youtu.be/LAxpVsnXvC4 7.ウェブサイトの掲載 掲載年月日 令和5年3月2日 掲載アドレス https://youtu.be/dCmCJ-Ihmis 8.ウェブサイトの掲載 掲載年月日 令和5年3月24日 掲載アドレス https://youtu.be/ESP5aOMfih8 9.体験会の実施 実施開始日 令和5年3月31日 実施した場所 EVO Japan 2023 東京ビッグサイト南展示棟南1ホール南2ホール 千葉県千葉市美浜区中瀬2丁目1 10.ウェブサイトの掲載 掲載年月日 令和5年4月21日 掲載アドレス https://youtu.be/Dxnl72nlaxM 11.ウェブサイトの掲載 掲載年月日 令和5年4月21日 掲載アドレス https://youtu.be/lSXJeU1WqDE 12.体験会の実施 実施開始日 令和5年5月3日 実施した場所 ヨドバシカメラ マルチメディア横浜 神奈川県横浜市西区北幸1-2-7
(71)【出願人】
【識別番号】310009993
【氏名又は名称】株式会社タイトー
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊与政 秀武
(72)【発明者】
【氏名】森脇 哲平
(57)【要約】
【課題】プレイ終了となる状況であっても、プレイ終了を回避できるブロックゲームプログラム、ブロックゲーム機を提供する。
【解決手段】ゲーム機の制御部は、フィールド33内に配置されているブロックを時間経過に応じて一方向に移動し、制限ライン33を超えたブロックが存在する場合にプレイ終了と判定し、プレイヤの操作を受け付けて手持ブロックHB1、第2ブロックを移動し、手持ブロックHB1の移動終了後の規定時間内に第2ブロックが移動終了した場合には、手持ブロックHB1が制限ライン33を超えて配置されることによりプレイ終了であると判定可能な状態であっても、手持ブロックHB1及び手持ブロックHB2を含めて消去条件が成立したか否かを判定し、手持ブロックHB1が消去可能であるときにはプレイ終了ことなくプレイを継続させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のブロックを配置したプレイ画面を表示し、プレイヤの操作を受け付けてブロックを移動することにより複数のブロックのうち消去条件が成立したブロックを消去する消去処理を実行するブロックゲームプログラムであって、
コンピュータを、
プレイ領域内に配置されているブロックを時間経過に応じて一方向に移動し、制限ラインを超えたブロックが存在する場合にプレイ終了と判定し、
前記プレイ領域内のブロックが前記制限ラインを超えて配置されることによりプレイ終了であると判定可能な状態であるプレイ終了判定可能状態であっても、プレイヤの操作を受け付けて移動する手持ブロックが前記プレイ終了判定可能状態から規定時間内に移動終了した場合には、前記制限ラインを超えて配置されたブロックの消去条件が成立したか否かを判定し、消去可能であるときにはプレイ終了することなくプレイを継続させる制御手段として機能させる
ことを特徴とするブロックゲームプログラム。
【請求項2】
前記制御手段を、
プレイヤの操作を受け付けて手持ブロックとして第1ブロック、第2ブロックを移動し、前記第1ブロックの移動終了後の規定時間内に前記第2ブロックが移動終了した場合には、前記第1ブロックが前記制限ラインを超えて配置されることによりプレイ終了であると判定可能な状態であっても、前記第1ブロック及び前記第2ブロックを含めて消去条件が成立したか否かを判定し、前記第1ブロックが消去可能であるときにはプレイ終了することなくプレイを継続するように機能させる
ことを請求項1に記載のブロックゲームプログラム。
【請求項3】
前記制御手段を、
プレイ領域内に配置されているブロックが前記制限ラインを超える際に、ブロックが前記制限ライン上を徐々に移動するようにプレイ画面に表示するように機能させ、
プレイヤの操作に応じて移動している前記第1ブロック及び前記第2ブロックが、前記制限ライン上を移動しているブロックに対して接着するように機能させる
ことを請求項2に記載のブロックゲームプログラム。
【請求項4】
前記制御手段を、
第1プレイヤが操作する第1操作部から前記第1ブロックを移動させる操作を受け付け、
第2プレイヤが操作する第2操作部から前記第2ブロックを移動させる操作を受け付けるように機能させる
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のブロックゲームプログラム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のプロックゲームプログラムを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段のプロックゲームプログラムを実行する制御手段と、
を備えるブロックゲーム機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイ画面上でプレイするブロックゲームプログラム、ブロックゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイ画面上に表示されたブロックを、プレイヤが操作して消去するプレイを実行するブロックゲームがあった(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-179408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のブロックゲームは、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態は、複数のブロックを配置したプレイ画面を表示し、プレイヤの操作を受け付けてブロックを移動することにより複数のブロックのうち消去条件が成立したブロックを消去する消去処理を実行するブロックゲームプログラムであって、コンピュータを、プレイ領域内に配置されているブロックを時間経過に応じて一方向に移動し、制限ラインを超えたブロックが存在する場合にプレイ終了と判定し、前記プレイ領域内のブロックが前記制限ラインを超えて配置されることによりプレイ終了であると判定可能な状態であるプレイ終了判定可能状態であっても、プレイヤの操作を受け付けて移動する手持ブロックが前記プレイ終了判定可能状態から規定時間内に移動終了した場合には、前記制限ラインを超えて配置されたブロックの消去条件が成立したか否かを判定し、消去可能であるときにはプレイ終了することなくプレイを継続させる制御手段として機能させることを特徴とするブロックゲームプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一の形態は、例えば、以下の効果を奏する。
(1)一の形態は、ブロックが制限ラインを超えることによりプレイ終了であると判定可能になった場面でも、短時間(規定時間内)でプレイヤの手持ブロックが移動終了した場合には、制限ラインを超えたブロックを含めてプレイ終了になるかを、改めて判定できる。そして、制限ラインを超えたブロックの消去条件が成立した場合には、プレイが継続するように制御できる。
(2)一の形態は、第1ブロックの移動終了後にプレイ終了になるような場面でも、短時間で第2ブロックが移動終了した場合には、第2ブロックの配置を含めて、プレイ終了になるかを、改めて判定できる。
(3)一の形態は、プレイ領域内のブロックが制限ライン上を移動している過程において、第1ブロックがこのブロックに接着して制限ラインを超えて配置されることによりプレイ終了となる状態でも、第2ブロックがこのブロックに接着することにより、プレイ終了を回避してプレイを継続できる場合がある。これにより、プレイ領域内のブロックが制限ライン上を超える短時間でも、プレイヤにドキドキ感を与える面白いゲームを提供できる。
すなわち、従来のゲームのようにプレイ領域内のブロックが1ブロックずつ移動する形態では、ブロックは、制限ラインを超えていない状態から、一瞬で、制限ラインを超えてプレイ終了となってしまう。このため、プレイ領域内のブロックが制限ラインを超える過程を楽しめるものではなかった。
(4)一の形態は、複数人のプレイにおいて、第2プレイヤが第2ブロックを移動させることにより、プレイ領域内のブロックが制限ラインを超えようとするブロックを消去してプレイ終了を回避しようとした操作が無駄にならないように制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態のゲームシステム1の構成を説明する図である。
図2】実施形態の巻き込み消去処理1を説明する図である。
図3】実施形態の巻き込み消去処理2を説明する図である。
図4】実施形態のプレイ終了判定待機処理を説明する図である。
図5】実施形態のちぎり処理、手持アイテム化処理を説明する図である。
図6】実施形態の手持ブロックの交換処理を説明する図である。
図7】実施形態のブロック降下処理を説明する図である。
図8】実施形態の同着処理を説明する図である。
図9】実施形態のアイテムi1(爆)、色変アイテムi2を説明する図である。
図10】実施形態のライン色変アイテムi3、アイテムi4(括)を説明する図である。
図11】実施形態のアイテムi5(回)を説明する図である。
図12】実施形態のアイテム固定処理を説明する図である。
図13】実施形態のアイテム固定処理を説明する図である。
図14】実施形態の1人プレイの「ブロックG消去モード」のプレイの画面遷移を説明する図である。
図15】実施形態の2人プレイの「ブロックG消去モード」のプレイの画面遷移を説明する図である。
図16】比較例1,2の2人プレイのフィールド132A,132Bの構成を説明する図である。
図17】実施形態の3人プレイのフィールド32Cを説明する図である。
図18】実施形態の4人プレイのフィールド32Dを説明する図である。
図19】実施形態の連鎖消去処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態のゲームシステム1の構成を説明する図である。
[ブロックゲームの概要]
実施形態のブロックゲームの基本的な仕様の概要を説明する。
ゲーム機10の制御部16は、以下説明するブロックゲームに関する各種処理を実行する。
ブロックゲームは、表示部12のプレイ画面30内に表示されるブロックでプレイするものである。プレイヤは、フィールド32内に配置されたブロックの消去条件を成立するように、ランチャ41(手持ブロック配置部)から手持ブロックHBを発射させて移動させる。
図1に示すように、プレイ画面30は、プレイ情報31、フィールド32、発射ユニット40を表示する。
プレイ情報31は、プレイ経過時間、ステージ、スコア等の情報である。なお、図1以外の図面では、プレイ情報31の図示を適宜省略する。
【0009】
フィールド32は、種々のブロック等が配置され、実際にゲームが実行されるプレイ領域である。
フィールド32は、長方形状の四角形の領域である。適宜、フィールド32の上辺部は、天井35ともいい、左右辺部は、壁ともいう。
フィールド32は、制限ライン33を有する。
制限ライン33は、フィールド32を上部及び下部に分ける横線である。
フィールド32の上部は、プレイ開始時に既に複数のブロックが配置されており、また、フィールド32のうち消去条件が成立したブロックが消去する。
フィールド32内のブロックが制限ライン33を越えて下側に配置された場合、発射された手持ブロックHBが制限ライン33よりも下側に配置された場合等に、プレイ終了となる。
【0010】
スコアは、例えば、一度に消去するブロックBの数が多い程高得点が付与され(例えば、3個連接して消去条件を満たすよりも、4個連接して消去条件を満たす方が高い)、また、ステージクリアの時間が短くなる程高得点が付与される。
【0011】
発射ユニット40は、フィールド32の下部に配置されている。
発射ユニット40は、ランチャ41、次ブロック配置部42(次手持ブロック配置部)、アイテム配置部43を備える。
実施形態では、適宜、各プレイヤに対応した発射ユニット40、ランチャ41等であることを説明する際には、括弧内に各プレイヤ名を記載する。例えば、プレイヤP1が操作する発射ユニット40、ランチャ41等である際には、発射ユニット40(P1)、ランチャ41(P1)等と表記する。
ランチャ41、次ブロック配置部42、アイテム配置部43は、フィールド32内の下部の領域に横方向に並べて配置されている。
ランチャ41は、手持ブロックHBを発射する部分である。ランチャ41内部には、手持ブロックHBが充填され、つまり、表示されている。操作部11の操作(ボタン部11bの操作)を受け付けることにより、現時点で充填されている手持ブロックHBが発射される。射角(発射角度)は、レバー11aの操作に応じて変更できる。なお、実施形態では、射角の用語とは、手持ブロックHBを発射可能な角度に限定されず、手持ブロックHBを発射可能な角度の範囲や、プレイを進行する上で有効な射角等の概念を含む。
実施形態では、このようにランチャ41からブロックが移動開始することを、発射ともいう。
また、実施形態において、「フィールド内のブロック」等という用語は、基本的には、発射ユニット40のブロック(ランチャ41内に充填されたブロック、次ブロック配置部42に配置されたブロック、アイテム配置部43に配置された手持アイテムHi)を含まない意図で用いる。
【0012】
次ブロック配置部42は、手持ブロックHBが配置されている。現時点でランチャ41に充填された手持ブロックHBが発射されると、次ブロック配置部42の手持ブロックHBが、ランチャ41内部に充填される。つまり、次ブロック配置部42の手持ブロックHBと同じ色のブロックが、ランチャ41内部に充填される。
そして、次ブロック配置部42のブロックがランチャ41に充填されることにより、新たな手持ブロックHBが次ブロック配置部42に配置される。
【0013】
アイテム配置部43は、プレイヤに付与された手持アイテムHiを配置する。手持アイテムHiの付与、発射等については、後述する手持アイテム化処理等で説明する。
【0014】
(ゲーム種別)
ゲームの種別としては、無段階降下型、新ブロック出現型、ブロック固定型等を有する。
●無段階降下型は、天井35が徐々に降下することにより、フィールド32内のブロックが徐々に降下してくるタイプである。
●新ブロック出現型は、フィールド32内のブロックが、最上段にブロックが出現することに応じて、一段ずつ降下するタイプである。
●ブロック固定型は、基本的には、フィールド32内のブロックが上下に移動しないタイプである。ブロック固定型は、主に、課題(特定のブロックを消去すること等)を、プレイヤが制限時間内にクリアすることを要するプレイ等が行われる。
【0015】
(プレイ人数)
1つのゲーム機10で同時にプレイ可能な人数は、1人から4人の何れかである。
実施形態では、適宜、1人のプレイヤが単独でプレイすることを1人プレイともいい、また、複数のプレイヤが協力しながら同一のゲームをプレイすることを複数人プレイ(2人プレイ等)ともいう。
詳細な説明は省略するが、ゲーム機10は、プレイ開始時の選択画面等において、プレイ人数の選択を受け付けて、1人から4人の何れかでのプレイを選択的に実行する。
【0016】
また、ゲーム機10は、2人が対戦してプレイする対戦プレイ、2チーム同士(1チーム当り2人プレイヤの構成)が同一のゲームで対戦してプレイするチーム対戦プレイを実行可能である。
このように、実施形態では、4人までのプレイヤが同時にプレイできる形態を説明するが、これに限定されず5人以上が同時にプレイできる形態でもよい。この場合には、以下説明する構成(例えば、操作部11の数)を適宜変更してもよい。
【0017】
(ブロックの種別)
ブロックの種別は、主要なものとして、通常ブロックB、アイテムブロックi、邪魔ブロックD(妨害ブロック)(図14等参照)、手持ブロックHBである。なお、ブロックゲームは、これら以外のブロックの種別を有していてもよい。また、フィールド32内において複数のブロックが連接し、塊りの状態になっているものは、適宜、集合体(ブロック集合体)ともいう。
通常ブロックB、アイテムブロックi、邪魔ブロックD等は、制限ライン33よりも上側等に配置され、プレイヤが直接操作できないブロック(フィールドブロック)である。
【0018】
(通常ブロックB)
実施形態では、通常ブロックBを、単にブロックBともいう。
ブロックBは、赤、青、緑の3色の種別(属性)を有する。ブロックBは、同色のブロックが3つ以上連続して配置されることにより消去される。
図面では、ブロックBの色を表すために、適宜、ブロックBの内部に色彩(赤、青、緑)を示す。また、各図において、色の説明が特段不要なブロックBは、色の文字表記の図示を適宜省略する。実施形態の説明では、特定の種別を説明する際には、適宜「ブロックB(赤)」等と表記する。
【0019】
(アイテムブロックi)
アイテムブロックiは、アイテムi1(爆)、アイテムi4(括)、アイテムi5(回)等の種別を有する。制御部16は、各アイテムに対応した各種処理を実行する。実施形態では、このようにアイテムブロックiの種別に応じた処理を実行することを、発動ともいう。アイテムブロックiの詳細は、後述する。
【0020】
(邪魔ブロックD)
邪魔ブロックDは、色属性を有さないブロックである(図14等参照)。邪魔ブロックDは、フィールド32内に配置されることにより、発射した手持ブロックHBがフィールド32内のブロックB、アイテムブロックiに接触することを邪魔したりする。
邪魔ブロックDは、種々の属性を有していてもよい。つまり、邪魔ブロックDは、例えば、色変アイテムi2の発動時に色が変化するもの、変化しないもの等、異なる属性を有していてもよい。
【0021】
(手持ブロックHB)
手持ブロックHBは、プレイヤの操作に応じて、ランチャ41から発射可能なブロックである。手持ブロックHBの種別は、手持通常ブロックHB、手持アイテムHiを有する。
手持通常ブロックHBは、フィールド32内の通常ブロックBと同様な属性であり、赤、青、緑の属性を有する。
実施形態では、手持通常ブロックを、単にブロック、手持ブロック等ともいう。図面では、適宜、手持ブロックHBの通常ブロックBと、フィールド32内の通常ブロックBとは、同様に、ブロック内部に色彩(赤、青、緑)を図示し、実施形態においても、適宜、特定の種別を説明する際には、「ブロックHB(赤)」等と表記する。
【0022】
発射された手持ブロックHBは、壁に到達した状態において他ブロックに接触しない場合には、壁で跳ね返る。到達角度θ1a(図15(B)参照)(手持ブロックHBが壁に到達する際に、手持ブロックHBの進路と、壁の法線とのなす角)と、跳ね返り角度θ1b(図15(B)参照)(手持ブロックHBが壁で跳ね返る際に、手持ブロックHBの進路と、壁の法線とのなす角)とは、同じである。
【0023】
また、発射された手持ブロックHBは、天井35に接触した場合、他のブロックに接触した場合等には、その位置に配置される。なお、正確には、手持ブロックHBは、他のブロックに接触等した後、規定の場所に再配置される(図14(C1)等参照)。
すなわち、フィールド32内のブロックは、規定の場所に配置される。左右方向(横方向ともいう)においては、図1のブロックB1,B2に示すように隣合うブロックが接する位置に配置され、縦方向においては、ブロックB3に示すように、これら左右のブロックB1,B2に接し、かつ、積み重なるように配置される。
実施形態では、手持ブロックHBが他のブロック等に接触した後、このように再配置されるまでの一連の動作を、単に接触、配置等ともいう。
手持ブロックHBは、このようにフィールド内に配置されることにより、通常ブロックBに変化する。
【0024】
[ゲームシステム1の構成]
ゲームシステム1は、ゲーム機10、サーバ20を備える。
実施形態において、コンピュータとは、記憶装置、制御装置、演算装置等を備えた電子計算機をいい、ゲーム機10、サーバ20は、記憶部、制御部等を備え、コンピュータの概念に含まれる。また、各装置は、単体の電子計算機によって構成される形態に限定されず、必要に応じて複数の電子計算機から構成されていてもよい。
記憶部は、各装置の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。
制御部は、各装置の動作に必要な演算処理をしたり、各装置を統括的に制御するための装置である。制御部は、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部は、記憶部に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、実施形態の各種機能を実現している。
【0025】
ゲーム機10及びサーバ20は、インターネット等を利用した通信網2を介して、通信可能である。
ゲームシステム1は、基本的には、1人から4人の何れの人数であっても、1つのゲーム機10を利用してプレイする構成である。
但し、これに限定されず、複数のプレイヤのそれぞれにゲーム機10が割り当てられており、各ゲーム機10が同期したプレイ画面30を表示することにより、2人以上のプレイヤの同時プレイをできるようにしてもよい。この場合には、サーバ20又はゲーム機10が複数のゲーム機10のフレームを同期するように制御してもよく、また、サーバ20が各ゲーム機10から操作情報を受信することにより1つのプレイを進行し各ゲーム機10の表示装置にプレイ画面30を配信するプレイ(いわゆる、クラウドゲーミング)をできるようにしてもよい。
【0026】
ゲーム機10は、プレイヤが所持する情報処理装置であり、例えば、家庭用ゲーム装置、パーソナルコンピュータ等である。但し、これに限定されず、ゲーム機10は、アミューズメント施設等に設置される業務用ゲーム装置でもよい。また、ゲーム機10は、タッチパネル等を備えた高機能電話機等の情報端末等でもよい。この場合には、タッチパネル等のタッチ操作等に応じて、ランチャ41、次ブロック配置部42、アイテム配置部43の各種操作を受け付ければよい。
ゲーム機10は、操作部11、表示部12、記憶部15、制御部16を備える。
なお、図示、詳細な説明を省略するが、ゲーム機10は、上記構成の他に、効果音、BGM等の音情報を出力するスピーカ等の構成を備える。
【0027】
操作部11は、各種設定操作(プレイ開始前におけるプレイ人数の選択、ゲーム種別の設定、プレイモードの選択等)、プレイ時の操作を受け付ける入力装置である。
ゲーム機10は、4人までのプレイヤが同時プレイできるように、4つの操作部11を接続可能である。
操作部11は、レバー11a、ボタン部11bを備える。
レバー11aは、縦方向及び横方向への傾動操作を受け付ける。プレイ時には、レバー11aは、横方向への傾動操作を受け付けることにより、ランチャ41から発射する手持ブロックHBの射角を変更する。
ボタン部11bは、手持ブロックの交換の操作、ランチャ41に充填された手持ブロックHBを発射するための操作等を受け付ける各種ボタンを備える。
【0028】
表示部12は、液晶表示装置等の表示装置である。表示部12は、ゲーム機10の専用の装置でもよく、ゲーム機10との間を電気ケーブルで接続された家庭用のテレビジョンを利用してもよい。
【0029】
記憶部15、制御部16は、ゲーム機10の本体10aを構成するケースに収容されている。
記憶部15は、ゲーム機10の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する。記憶部15は、ゲームプログラム15aを記憶している。ゲームプログラム15aは、ゲーム機10でブロックゲームを行うためのプログラムである。ゲームプログラム15aは、例えば、CDROMに記録したプログラムを読取装置(図示せず)を用いてインストールしたり、コンテンツサーバ等から通信網2を介してダウンロードしてインストールしてもよい。
なお、前述したクラウドゲーミング等のシステムでは、サーバ20がプレイ進行のためのゲームプログラム等を記憶し、また、ゲーム機10がプレイヤの操作情報をサーバ20に送信するためのプログラム等を記憶する。
制御部16は、ゲーム機10を統括的に制御する。制御部16は、プレイ進行に関する制御、サーバ20との通信に関する制御等を行う。
【0030】
サーバ20は、ゲームシステム1を統括して管理するコンピュータである。
サーバ20は、記憶部25、制御部26を備える。
サーバ20は、例えば、複数のプレイヤの各種情報(プレイヤの最高得点、ランキング等)を管理したりする。また、サーバ20は、前述したように通信網2を介して対戦プレイが実行できる形態では、複数のプレイヤ間のマッチング処理をしたりする。
【0031】
[プレイ進行に関する制御]
(ブロック消去処理)
ブロック消去処理について説明する。
ブロック消去処理は、制御部16が、フィールド32内のブロックの消去条件が成立したことに応じてブロックを消去する処理である。
基本的なブロックの消去条件は、プレイヤの操作に応じて発射された手持ブロックHBがフィールド32内のブロックに接触することにより、同じ色の3つ以上のブロックBが連続することである。
また、後述するように、ブロックの消去条件は、アイテムブロックi、手持アイテムHiに関連することにより成立する場合もある。
【0032】
(巻き込み消去処理)
図2は、実施形態の巻き込み消去処理1を説明する図である。
図3は、実施形態の巻き込み消去処理2を説明する図である。
制御部16は、1つ目の手持ブロックHB1(第1ブロック)がフィールド32に移動後に配置されることにより消去条件を満たした場合でもあっても、0.3秒以内に2つ目の手持ブロックHB2(第2ブロック)が移動後にフィールド32に配置された場合には、この2つ目の手持ブロックHB2を含めた状態で消去条件を判定する。
なお、実施形態では、制御部16は、1つ目の手持ブロックHB1がフィールド32に配置された時点(1つ目の手持ブロックHB1が移動終了した時点)で消去条件を判定し、この時点から0.3秒以内に2つ目の手持ブロックHB2が配置された場合(2つ目の手持ブロックHB2が移動終了した場合)には、2つ目の手持ブロックHB2を含めた形態で、再度、消去条件を判定する。すなわち、制御部16は、1つ目及び2つ目の手持ブロックHB1,HB2の移動終了時点で、それぞれ、消去条件を判定する例を示すが、これに限定されない。
例えば、制御部16は、1つ目の手持ブロックHB1がフィールド32内での移動終了後、消去条件を判定することを0.3秒待機し、0.3秒以内に2つ目の手持ブロックHB2が移動終了した場合に、2つ目の手持ブロックHB2を含めた形態で消去条件を判定してもよい。
【0033】
実施形態では、巻き込み消去処理の例として、巻き込み消去処理1、2を説明する。
(巻き込み消去処理1)
巻き込み消去処理1は、基本的なブロックの消去条件に関連する処理である。
図2(A)は、プレイヤP1,P2がそれぞれ、手持ブロックHB1(青),HB2(青)を発射しようとしている場面である。
図2(A1)は、プレイヤP1の操作に応じて発射した手持ブロックHB1(青)がフィールドのブロックB(青)に接触することにより、3つのブロックB(青)が連接した時点を示す図である。制御部16は、この時点において、これら3つの消去条件が成立したと判定する。制御部16は、この時点から、これら3つブロックB(青)の消去処理を開始する。つまり、制御部16は、これら3つブロックB(青)が、消去条件を満たし、フィールド32から消去可能であることを示す映像(ブロック消去可能画像)を表示する。実施形態では、一例として、3つブロックB(青)の色が徐々に薄くなっていき、0.3秒後に完全に消滅するような映像を表示する(徐々に薄くなっていく態様を2点鎖線で示す)。
【0034】
但し、制御部16は、消去条件が成立した時点から0.3秒以内に、プレイヤP2が発射した2つ目の手持ブロックHB2(青)が、これら3つブロックB(青)に接着した場合には、2つ目の手持ブロックHB2(青)を含んだ態様で、再度、ブロック消去条件を判定する。
【0035】
例えば、図2(A2)は、図2(A1)の時点から0.3秒以内に、プレイヤP2が発射した2つ目の手持ブロックHB2(青)が、薄くなっていく状態の上記3つのブロックB(青)に接着した場面を説明する図である。
制御部16は、図2(A2)の場面において、上記3つのブロックB(青)に対して、2つ目の手持ブロックHB2(青)が接着することにより、合計4つのブロックB(青)について消去条件が成立したと判定する。
図2(A3)に示すように、そして、制御部16は、これらの4つのブロックB(青)を、フィールド32から消去する。
【0036】
一方で、図2(B)は、図2(A1)の時点から0.3秒以内に、プレイヤP2の操作に応じて発射した青色ではない手持ブロックHB2(赤)が、上記3つのブロックB(青)に接触した場面を説明する図である。この場合にも、手持ブロックHB2(赤)は、ちぎり処理(後述する)に関する消去条件が成立するため、3つのブロックB(青)に巻き込まれるようにして消去される。
【0037】
一方で、図2(C1)、図(C2)は、図2(A1)の時点から0.3秒以上経過後に、プレイヤP2の操作に応じて発射した手持ブロックHB2(赤)が、上記3つのブロックB(青)に接触する位置に到達する場面である。この場合には、手持ブロックHB(赤)がこの位置に到達する時点で、3つのブロックB(青)は、消去処理が終了している。
図2(C2)に示すように、このため、手持ブロックHB(赤)は、3つのブロックB(青)が消去後のフィールド32に配置される。
【0038】
(巻き込み消去処理2)
巻き込み消去処理2は、アイテムブロックiによって消去条件が成立した場合の処理である。ここでは、アイテムi1(爆)の例を説明する。
図3(A)のプレイ画面30は、フィールド32内に、プレイヤP1の1つ目の手持ブロックHB1が配置された後に、プレイヤP2の2つ目の手持ブロックHB2が配置される場面である。
(1)図3(A1)に示すように、1つ目の手持ブロックHB1は、アイテムi(爆)に接触することにより、フィールド32に配置される。これにより、制御部16は、アイテムi(爆)を中心とした周囲の2ブロック分の範囲のブロックBの消去条件が成立したと判定し、これらのブロックBの消去処理を開始する。
【0039】
(2)図3(A2)のプレイ画面30は、上記(1)の消去処理を開始してから0.3秒以内に、2つ目の手持ブロックHB2が、消去処理中のアイテムi1(爆)に接触してフィールド32に配置される場面である。
この場合、上記(巻き込み消去処理1)と同様に、制御部16は、再度、ブロック消去条件を判定する。図3(A2)の例では、2つ目の手持ブロックHB2も、アイテムi1(爆)の周囲2ブロック以内に配置されているので、消去条件が成立する。
(3)図3(A3)に示すように、制御部16は、2つ目の手持ブロックHB2も含めて、消去処理を実行する。
【0040】
なお、図3(B)に示すように、アイテムi1(爆)は、周囲2ブロックの範囲のブロックBを消去するので、2つ目の手持ブロックHB2は、アイテムi1(爆)に直接接触しなくても、消去条件が成立する場合がある。このような場合にも、制御部16は、2つ目の手持ブロックHB2を消去する。
【0041】
以上、アイテムi1(爆)に関連した巻き込み消去処理2を説明したが、他のアイテムブロックiも同様に処理される。また、制御部16は、1つ目の手持ブロックHBとして、後述する手持アイテムHiが発射されることによりブロック消去条件が成立後、0.3秒以内に2つ目の手持ブロックHBが配置された場合にも、他のブロックを含めた形態で、消去条件を判定する。
【0042】
(プレイ終了判定待機処理)
図4は、実施形態のプレイ終了判定待機処理を説明する図である。
プレイ終了判定待機処理では、制御部16は、手持ブロックHBがフィールド32に配置されることにより、プレイ終了条件が成立した場合でも、プレイ終了条件の成立後0.3秒以内に、他の手持ブロックHBが配置されたときには、他の手持ブロックHBを含めた形態で、プレイ終了条件の成立の有無を判定する。
天井落下型のプレイ終了判定待機処理を例に説明する。
図4(A)のプレイ画面30は、最下端のブロックBが制限ライン33上に位置する場面である。
【0043】
図4(B)に示すように、制御部16は、通常のプレイ判定処理では、図4(A)の場面から時間経過にともなってブロックが降下することにより、最下端のブロックB(青)の全体が制限ライン33を越えて下側に配置された場合に、プレイ終了であると判定する。
【0044】
一方、プレイ終了判定待機処理では、制御部16は、以下のように処理する。
(1)図4(C1)のプレイ画面30は、プレイヤP1が発射した1つ目の手持ブロックHB1(赤)がフィールド32に配置された状態である。この場面では、手持ブロックHB1(赤)の全体が、制限ライン33よりも下側に位置している。このため、制御部16は、この状態でプレイ終了条件が成立したと判定する。
但し、制御部16は、プレイ終了の処理を0.3秒待機し、0.3秒以内に2つ目の手持ブロックHB2が配置されたか否かを判定する。待機時間である0.3秒以内に、2つ目の手持ブロックHB2が配置されなかった場合には、待機時間である0.3秒経過後にプレイ終了であると確定して、プレイ終了の処理を実行する。
なお、待機時間は、プレイ終了の処理を待機するのであり、プレイは、待機時間中にも進行する。
【0045】
(2)一方、図4(C2)に示すように、図4(C1)の場面から0.3秒以内に、プレイヤP2の2つ目の手持ブロックHB2(他の手持ブロック)が配置された場合には、制御部16は、この状態でプレイ終了条件が成立したか否かを判定する。
図4(C2)の場面では、2つ目の手持ブロックHB2が配置されることにより、3つのブロックB(青)の消去条件が成立する。これにともない、プレイヤP1が配置した手持ブロックHB1(赤)は、ちぎり処理(後述する)が実行可能な状態となるので、消去条件が成立する。
【0046】
図4(C3)に示すように、制御部16は、このような場合には、これら3つのブロックB(青)に加えて、プレイヤP1が発射し制限ライン33よりも下側に配置されたブロックB(赤)について、消去処理を実行した上で、プレイ進行の処理を継続する。
これにより、プレイヤは、プレイ終了することなく、プレイを継続できる。
【0047】
なお、図4(C1)の場面から待機時間0.3秒以内に2つ目の手持ブロックHB2が配置されても、1つ目の配置した手持ブロックHB1の消去条件が成立しない場合には、制御部16は、待機時間経過後にプレイ終了を実行する。
【0048】
上記プレイ終了判定待機処理は一例であり、他の場合であっても、1つ目の手持ブロックが配置されることによりプレイ終了条件が成立後、待機時間以内に2つ目の手持ブロックが配置された状態で、1つ目の手持ブロックの消去条件が成立する場面であれば、制御部16は、プレイ終了することなくプレイ進行を継続する。
例えば、図4(D)の例は、1つ目の手持ブロックHB1(赤)が配置された後、待機時間内に、2つ目の手持ブロックとして手持アイテムHi1(爆)が配置されることにより、1つ目の手持ブロックHB1(赤)の消去条件が成立した場面である。
また、図4(F)の例は、1つ目の手持ブロックHB1(青)が配置された後、待機時間内に2つ目の手持ブロックHB2(青)が配置されることにより、これら2つを含む3つのブロックB(青)の消去条件が成立した場面である。
制御部16は、これら図4(D)、図4(F)の場合においても、消去条件が成立したブロックを消去後、プレイ進行を継続する。
【0049】
このように、プレイ終了判定待機処理では、1つ目の手持ブロックHBによってプレイ終了条件が成立した場合でも、0.3秒以内に2つ目の手持ブロックHBが配置されたときには、1つ目の手持ブロックHBを含めた形態で、プレイ終了条件の成立の有無を判定する。
このため、例えば、プレイヤP2がプレイ終了を回避する意図で、2つ目の手持ブロックHB2を発射した場合において、プレイヤP1の手持ブロックHB1がフィールド32に配置されることによりプレイ終了となる状態であっても、プレイ終了とならずに、プレイが継続する場合がある。これにより、プレイヤP2の意図が無駄にならず、プレイヤを救済できる。
【0050】
なお、後述するように、フィールド32のブロックは、無段階降下型で制御できる(図7(B)参照)。このため、フィールド32の最下端のブロックBが制限ライン33上を移動する短時間の過程で、手持ブロックHB1が最下端のブロックBに接着することによってプレイ終了となる状態でも、手持ブロックHB2がこのブロックBに接着することにより、プレイ終了とならずにプレイが継続する場合がある。このため、ゲームシステム1は、このような短期間でも、ドキドキ感を与えるゲームを提供できる。
また、待機時間は、0.3秒に限定されず、これよりも短時間又は長時間でもよい。但し、待機時間は、短時間過ぎるとプレイヤを救済する機会が減ってしまうし、一方、長時間過ぎるとプレイヤを救済する機会が多くなり過ぎて、面白さが軽減してしまう。
【0051】
(ちぎり処理、アイテム化処理)
図5は、実施形態のちぎり処理、手持アイテム化処理を説明する図である。
ちぎり処理は、一の集合体のブロック消去条件が成立したことに応じて、他の集合体(1つのブロックでもよい)の消去条件が成立したことにより、一の集合体、他の集合体を同時期にフィールド32から消去する処理である。なお、ちぎり処理によって、フィールド32のブロックを消去することを、ちぎる等ともいう。
【0052】
(1)図5(A)の場面では、プレイヤP3が発射した手持ブロックHB3は、フィールド32内の3連のブロックB(緑)に連接配置されることにより、4つのブロックB(緑)が連接される。
(2)図5(A1)に示すように、制御部16は、これら4つのブロックB(緑)の消去条件が成立したと判定して、これら4つのブロックB(緑)を消去する。
図5(A2)に示すように、4つのブロックB(緑)が消去されることにより、集合体A1は、フィールド32内で浮いた状態(つまり、他のブロックBに接していない状態)となる。このため、集合体A1を支持するブロック等が存在していない。制御部16は、このような場合には、集合体A1についても消去条件した成立したと判定する。そして、制御部16は、上記4つのブロックB(緑)に加えて、集合体A1をプレイ画面30から消去する。
このように、ちぎり処理は、消去条件が成立したブロックBを消去することに応じて、他ブロック(集合体)の消去条件を判定し、これら他ブロックを消去する処理である。
【0053】
(3)図5(B)に示すように、制御部16は、ちぎり処理によって消去するブロックBのなかにアイテムブロックiが存在する場合には、手持アイテム化処理(手持化処理)を実行する。
手持アイテム化処理では、ちぎり処理によって消去したアイテムブロックiと同属性の手持アイテムHiを、アイテム配置部43に配置する。これにより、ゲームシステム1は、ちぎられたアイテムブロックiが、アイテム配置部43に移動したように演出できる。
【0054】
複数人プレイでは、手持アイテムHiは、ちぎったプレイヤ(ちぎり処理を発生させる手持ブロックHBを発射したプレイヤ)のアイテム配置部43に配置される。
但し、アイテムブロックiをちぎったプレイヤのアイテム配置部43に配置できない場合等には、制御部16は、以下のように処理する場合がある。
【0055】
(a)ちぎられたアイテムブロックiが複数存在する場合には、不規則に1つのアイテムブロックiを選択して、これに対応した手持アイテムHiを、ちぎったプレイヤのアイテム配置部43に配置する。
図5(B)の場面は、ちぎられた2つのアイテムi4(括)、アイテムi1(爆)のうち、アイテムi1(爆)が選択されて、ちぎったプレイヤP3のアイテム配置部43(P3)に配置された例を示す。
そして、残りのアイテムi4(括)を、ちぎったプレイヤの右側のプレイヤを選択して、そのアイテム配置部43に配置する。この場合、選択したプレイヤのアイテム配置部43に既に他のアイテムが配置されているときには、さらに次のプレイヤを選択する。また、最右端のプイレヤの次には、左端であるプレイヤを選択する。
【0056】
図5(B)の場面は、プレイヤP1がプレイヤP3の次に選択されて、残りのアイテムi4(括)を手持アイテム化した手持アイテムHi4(括)がアイテム配置部43(P1)に配置された例を示す。
制御部16は、ちぎられたアイテムブロックiが3つ以上存在する場合には、手持化可能なアイテムブロックiがゼロになるまでこの処理を順次繰り返す。
【0057】
(b)アイテムブロックiをちぎった時点において、既に他の手持アイテムHiがアイテムブロックiをちぎったプレイヤのアイテム配置部43に配置されている場合には、上記(a)と同様に、ちぎったアイテムブロックiに対した手持アイテムHiを、ちぎったプレイヤの右側のプレイヤのアイテム配置部43に配置する。
【0058】
(c)全てのプレイヤのアイテム配置部43が埋まっている場合(つまり、既に手持アイテムHiが配置されている場合)には、ちぎったアイテムブロックiを消滅させる。
手持アイテムの発射処置等の詳細は、後述する。
【0059】
(手持ブロックの交換処理)
図6は、実施形態の手持ブロックの交換処理を説明する図である。
図6(A)に示すように、プレイヤの操作部11の操作に応じて、ランチャ41に充填された手持ブロックHB(緑)は、次ブロック配置部42に配置された手持ブロックHB(赤)に交換される。
これにより、プレイヤは、ランチャ41に充填された手持ブロックHB(緑)よりも先に、次ブロック配置部42に配置された手持ブロックHB(赤)を発射できる。
【0060】
図6(B)に示すように、プレイヤの操作部11の操作に応じて、アイテム配置部43に配置されていた手持アイテムHi1(爆)は、ランチャ41に充填される。
図6(C)に示すように、この場合、ランチャ41に充填されていた手持ブロックHB(緑)は、次ブロック配置部42に配置されていた手持ブロックHB(赤)が画面から消去された上で、消去された手持ブロックHB(赤)の代わりに次ブロック配置部42に配置される。これにより、ランチャ41に充填された手持ブロックHB(緑)が、次ブロック配置部42に戻るように配置される。
【0061】
図6(C1)に示すように、ランチャ41に充填されていた手持アイテムHi1(爆)が発射されることにより、手持ブロックHB(緑)がランチャ41に再度、充填される。そして、消去されたブロックと同じ色の手持ブロックHB(赤)が、再度、次ブロック配置部42に配置される。
これにより、ランチャ41に発射可能な手持アイテムHi1(爆)が充填され、また、次ブロック配置部42に手持ブロックHB(緑)が配置された状態(図6(C)の状態)において、プレイヤは、消去された手持ブロックHB(赤)の色を覚えておけば、次々に発射可能な手持ブロックHB(赤)を認識できる。
【0062】
図6(C)の状態(つまり、手持アイテムHiがランチャ41に充填され、かつ、アイテム配置部43が空である状態)において、例えば、他のプレイヤが発射した手持ブロックHB等に起因して、フィールド32内のアイテムブロックiのちぎり処理が実行される場合がある。
図6(D)に示すように、この場合には、ちぎられたアイテムブロックiの手持アイテム化処理が実行されることにより、手持アイテムHi(この例では手持アイテムHi4(括))がアイテム配置部43に配置され得る。
すなわち、アイテム配置部43の手持アイテムHiをランチャ41に配置する場合に、単に、ランチャ41の手持ブロックHB(緑)、及びアイテム配置部43の手持アイテムHi1(爆)を入れ替えるのではなく、アイテム配置部43を空にするように処理する(図6(C)参照))。これにより、プレイヤは、2つの手持アイテムHiを同時に所有できる場合があり、フィールド32のアイテムブロックiを手持化して、これを有効に利用できる。
【0063】
図6(D1)に示すように、なお、ランチャ41の手持アイテムHi1(爆)が発射された場合には、図6(C1)と同様に、次ブロック配置部42の手持ブロックHB(緑)がランチャ41に配置され、手持ブロックHB(赤)が次ブロック配置部42に配置される。
【0064】
[ブロック降下処理]
図7は、実施形態のブロック降下処理を説明する図である。
ブロック降下処理は、プレイ時間の経過に応じて、フィールド32に配置されたブロックを、下側に向けて降下させる処理である。
実施形態のブロック降下処理は、一段階降下型、無段階降下型の2つの種別を有する。制御部16は、ゲームモードに応じて、これらの一方を選択してプレイ進行の処理を行う。
【0065】
(一段階降下型)
図7(A1)、図7(A2)に示すように、一段階降下型は、所定のタイミング(一定時間経過毎等)で、フィールド32内の既存のブロック全体を一段降下させて、これと同時に最上段に新たなブロック(図7(A2)に点線で示す)を出現させる。
このため、制御部16は、既存のブロック全体を、瞬時に、一段降下させるように処理する。
また、プレイ終了時には、最下端のブロックの全体が、この降下のタイミングで瞬時に制限ライン33よりも下側に移動する。
このため、プレイ終了条件は、図7(A1)の状態から図7(A2)の状態になった瞬間に成立する。
【0066】
また、プレイヤの操作によって発射された手持ブロックHBは、ブロック降下前の状態(図7(A1)の状態)、ブロック降下後の状態(図7(A2)の状態)の何れかの状態で配置される。
このため、消去条件の成立判定等は、基本的には、ブロックが一段ずつ降下した状態でのみ行われる。そのため、一段階降下型では、消去条件の成立判定等は、ブロックが一段ずつ段階的に降下した状態で実行される。
【0067】
例えば、図7(A1)の状態で、手持ブロックHB(赤)が配置されることにより、3つのブロックB(赤)が連接されれば、これら3つのブロックB(赤)は、消去される。
一方、図7(A2)の状態では、図7(A1)の状態から1段降下した時点で、2つのブロックB(赤)が制限ライン33よりも下側に配置されるため、プレイ終了条件が成立し、プレイが終了する。この後に、制御部16は、プレイヤの操作を受け付けない。
このため、プレイヤは、図7(A1)の状態においてプレイ終了を回避するためには、ブロックが一段降下するタイミングが到達する前に、手持ブロックHB(赤)を発射して3つのブロックB(赤)の消去条件を成立させる必要がある。
【0068】
(無段階降下型)
図7(B1)に示すように、無段階降下型は、プレイ時間の経過に応じて天井35を徐々に降下させ、また、これにともない既存のブロック全体を徐々に降下させる処理である。つまり、制御部16は、既存のブロックを1つのブロック分を降下する際に、複数段階に分けて徐々に降下するように処理する。
図7(B2)に示すように、このため、最下端のブロックB(赤)は、制限ライン33に重なりながら徐々に降下する。そして、制御部16は、最下端のブロックB(赤)の全体が制限ライン33よりも下側に配置された場合に、プレイ終了であると判断する。
【0069】
また、図7(B2)に示すように、プレイヤは、最下端のブロックB(赤)が制限ライン33上を移動する過程を確認できる。このため、図7(B1)の状態から一瞬でプレイ終了になることがない。さらに、プレイヤは、ブロックB(赤)の全体が制限ライン33よりも下側に移動する前に、手持ブロックHB(赤)を発射して3つのブロックB(赤)の消去条件を成立させるように操作すればよい。
【0070】
このように、無段階降下型では、制御部16は、フィールド32に配置されたブロックBを徐々に降下させる。そして、制御部16は、プレイヤの操作によって発射された手持ブロックHBを、このように降下するブロックBに対して接着させて、消去条件の成立の有無を判定する。
このため、制御部16は、無段階降下型では、消去条件の成立判定等を、ブロックBが連続的に降下する過程で実行できる。これにより、ゲームシステム1は、プレイの状況を連続的に変化させて、引っ掛かりがなくスムーズにプレイが進行するように制御できる。
【0071】
[同着処理]
図8は、実施形態の同着処理を説明する図である。
制御部16は、発射されて移動中の2つの手持ブロックHB同士が当接する状態であっても、衝突するような処理を行わずに、進路を維持するように処理する。このため、2つの手持ブロックHBは、移動終了にともなって配置される直前の状態で、重なり合って移動する場合があり得る。
例えば、1つ目の手持ブロックHB(第1ブロック)が壁で反射後、フィールド32に配置されようとしている場所と、2つ目の手持ブロックHB(第2ブロック)が配置されようとしている場所とが、同じである場合である。また、例えば、2人のプレイヤが、それぞれの手持ブロックHBを、フィールド32内の同じ位置に、ほぼ同時に配置されるタイミングで、発射した場合である。
同着処理は、このように重なり合う2つの手持ブロックHBが、ほぼ同じタイミングで、同一位置に配置される場合等に実行される。
【0072】
以下、2人のプレイヤが手持ブロックHBを発射した場合の例について説明する。
(1)図8(A)の場面は、プレイヤP1,P2がそれぞれ1つ目の手持ブロックHB1(青)、2つ目の手持ブロックHB2(赤)を発射した直後の状態である。
【0073】
(2)図8(B)は、1つ目の手持ブロックHB1(青)が、フィールド32内のブロックBに接着する直前の状態である。この状態では、この手持ブロックHB1(青)は、移動中である。
また、2つ目の手持ブロックHB2(赤)は、1つ目の手持ブロックHB1(青)よりも後に、手持ブロックHB1(青)と同じ位置に配置されようとしている。この状態では、この手持ブロックHB2(赤)も移動中である。
図8(B)に示すように、手持ブロックHB1(青)、手持ブロックHB2(赤)は、フィールド32内に配置される直前では、重なり合って移動する。
【0074】
(3)図8(C1)、図8(D1)は、図8(B)の直後であって、2つの手持ブロックHBのうち、最初に1つ目の手持ブロックHB1(青)がフィールド32の他ブロックBに接着した状態である。この場面では、2つ目の手持ブロックHB2(赤)は、手持ブロックHB1(青)に重なった状態で移動中である。
この後の処理は、1つ目の手持ブロックHB1(青)が接着した状態において、1つ目の手持ブロックHB1(青)及び2つ目の手持ブロックHB2(赤)の重複度合いに応じて異なる。
【0075】
図8(C1)は、重複度合いが大きい場合であり、つまり、2つ目の手持ブロックHB2(赤)の中心Cが、1つ目の手持ブロックHB1(青)の外形の内側に位置する場合である。この場合には、図8(C1)から図8(C3)の処理である後着優先処理を実行する。
図8(D1)は、重複度合いが小さい場合であり、つまり、2つ目の手持ブロックHB2(赤)の中心Cが、1つ目の手持ブロックHB1(青)の外形の外側に位置する場合である。この場合には、図8(D1)、図8(D2)の処理である先着優先処理を実行する。
【0076】
(後着優先処理)
(1)図8(C2)は、図8(C1)の後の場面であり、2つ目の手持ブロックHB(赤)が、1つ目の手持ブロックHB1(青)と同じ位置に到達した状態である。両ブロックは、完全に重なり合った状態であり、つまり、両ブロックの外形は、一致している。
【0077】
(2)図8(C3)に示すように、制御部16は、先に到達した手持ブロックHB1(青)を消去し、後に到達した手持ブロックHB2(赤)を、手持ブロックHB1(青)の代わりに配置する。つまり、手持ブロックHB1(青)は、先に到着したのに排除されてしまい、手持ブロックHB2(赤)は、後に到着したのに優先的に配置される。
このように、後着優先処理では、1つ目の手持ブロックHB1(青)が到着した時点で、2つ目の手持ブロックHB1及び1つ目の手持ブロックHB1(青)の重複の程度が大きい場合に、2つ目のブロックを優先的に配置する。
【0078】
図8(C3)に示すように、制御部16は、手持ブロックHB1(青)を消去する際には、手持ブロックHB1(青)が落下しながら、徐々に消えていくような演出等を実行してもよい。これにより、先に到達した手持ブロックHB1(青)が、後に到着した手持ブロックHB2(赤)に置き換えられて、押し出されるように演出できる。
【0079】
なお、後着優先処理では、図8(C2)の画面を省略し、1つ目の手持ブロックHB1(青)が接着位置に到達した時点で、2つ目の手持ブロックHB2(赤)の中心Cが1つ目の手持ブロックHB1(青)の内側に位置する場合には、図8(C3)に示す画面に移行してもよい。
また、後着優先処理では、1つ目の手持ブロックHB1(青)が接着位置に到達した時点でブロック消去条件が成立した場合には、2つ目の手持ブロックHB2(赤)を優先配置することなく、手持ブロックHB1(青)にともなう消去処理を実行してもよい。これにより1つ目の手持ブロックHB1(青)にともなうブロックの消去処理が無駄になることがない。
【0080】
(先着優先処理)
図8(D2)は、図8(D1)の後の場面であり、1つ目の手持ブロックHB1(青)が他ブロックBに接着することが確定され、かつ、2つ目の手持ブロックHB2(赤)が戻されるようにして、手持ブロックHB1(青)に対して接着する。
【0081】
以上説明したように、後着優先処理では、1つ目の手持ブロックHB1(青)を消去するのに対して、先着優先処理では、1つ目の手持ブロックHB1(青)を消去しない。これは、両ブロックの同着の程度(同時かつ同じ位置に到着する程度)が、後着優先処理の方が先着優先処理よりも高いためである。つまり、先着優先処理では、順次、1つ目の手持ブロックHB1(青)、2つ目の手持ブロックHB2(赤)が順に接着するようにしても違和感が少ないためである。
【0082】
このように、後着優先処理を実行することにより、2人のプレイヤがフィールド32内の同じ場所を狙ってそれぞれ手持ブロックHBを配置しようとした際に、後着の手持ブロックHB2が優先配置される場合があるので、例えば、プレイヤP2が消去条件を成立させようとした操作が無駄にならない場合がある。
また、後着優先処理を実行する理由は、制限ライン33近傍において、プレイヤを救済するためでもある。
図8(C3)の例では、1つ目の手持ブロックHB1(青)を排除することにより、2つ目の手持ブロックHB2(赤)は、制限ライン33を下側に超えずに配置される。このため、プレイは、継続する。
なお、下端のブロックBが制限ライン33近傍に位置する緊迫した場面では、2人のプレイヤは、発射した手持ブロックHBが制限ライン33よりも下側に配置されないように操作することを要する。このような場面で、ほぼ同着になる2つのブロックを、それぞれを個別に配置してしまえば、プレイ終了になる現象が多発し、面白さが低減するという問題が生じる。このような現象は、実験機にて実証済みである。後着優先処理では、先着したブロックを排除することにより、プレイヤを救済し、この問題を解決できる。
【0083】
なお、先着優先処理では、図8(D2)に示すように、制限ライン33近傍において、1つ目の手持ブロックHB1(青)、2つ目の手持ブロックHB2(赤)を個別に配置してしまうと、2つ目の手持ブロックHB2(赤)は、制限ライン33を超える。先着優先処理する場面では、1つ目の手持ブロックHB1(青)、2つ目の手持ブロックHB2(赤)の同着の程度が低いので、プレイヤを救済する必要性が低い。
【0084】
[アイテムブロックiの種別]
アイテムブロックiの種別、動作について説明する。
図9は、実施形態のアイテムi1(爆)、色変アイテムi2を説明する図である。
図10は、実施形態のライン色変アイテムi3、アイテムi4(括)を説明する図である。
図11は、実施形態のアイテムi5(回)を説明する図である。
本実施形態では、アイテムブロックiとして、アイテムi1(爆)、色変アイテムi2、ライン色変アイテムi3、アイテムi4(括)、アイテムi5(回)について説明するが、他の種別を有していてもよい。
なお、前述したように、プレイヤは、フィールド32に配置されたアイテムブロックiを、ちぎることにより、手持アイテムHiとして発射できる(図6(C1)等参照)。
プレイヤが発射した手持ブロックHBがフィールド32に配置されたアイテムブロックiに接触することにより、アイテムブロックiは、その種類に対応した動作を発動する。アイテムブロックiは、一度、発動後は再度発動することはない。
【0085】
(アイテムi1(爆))
図9(A1)に示すように、アイテムi1(爆)は、プレイヤが発射した手持ブロックHBが当接したことに応じて発動する。アイテムi1(爆)は、周囲2ブロックの範囲のブロックを消去する。
なお、図9(A2)は、アイテムi1(爆)によるブロックの消去範囲を説明するために、便宜上、複数のブロックをアイテムi1(爆)の全周に配置した。アイテムi1(爆)の全周にブロックが配置された状態で、アイテムi1(爆)が発動することはない。
【0086】
(色変アイテムi2)
図9(B)に示すように、色変アイテムi2は、フィールド32に配置された状態では、1秒経過する毎に色(属性)が青、赤、緑の順に変化し、3秒周期で再度同じ色に戻る。図9(B1)に示すように、そして、色変アイテムi2は、手持ブロックHBが当接することにより、周囲2ブロックの範囲のブロックの色を、手持ブロックHBが当接した時点の色に変色させる。図9(B1)は、手持ブロックHBが、青に変化した時点の色変アイテムi2に当接した例である。色変アイテムi2が変色する範囲は、アイテムi1(爆)と同様な範囲である(図9(A2)参照)。
【0087】
なお、図9(B1)に示すように、色変アイテムi2(青)の色と、手持ブロックHB(青)の色とが同色である場合には、制御部16は、消去条件が成立したと判定する。このため、制御部16は、手持ブロックHB(青)が色変アイテムi2(青)に当接することにより、連接された複数のブロックB(青)を消去する。
【0088】
一方、図9(B2)に示すように、色変アイテムi2(青)の色と、手持ブロックHB(赤)の色とが異なる場合には、制御部16は、消去条件が成立しないと判定する。
この場合には、制御部16は、色変アイテムi2の周囲の2ブロックの範囲内のブロックBを青に変化した状態で処理を終了する。なお、手持ブロックHB(赤)の色も、赤から青に変化する。また、色変アイテムi2の属性は、通常ブロックB(青)に変化する。
【0089】
(ライン色変アイテムi3)
図10(A)に示すように、ライン色変アイテムi3は、色変アイテムi2と同様に、フィールド32に配置された状態では、1秒経過する毎に色(属性)が青、赤、緑の順に変化する。
図10(A1)、図10(A2)に示すように、プレイヤが発射した手持ブロックHBがライン色変アイテムi3に当接すると、制御部16は、ライン色変アイテムi3の両横方向のそれぞれ5個の範囲のブロックの色を、手持ブロックHBが当接した時点の色に変色させる。図10(A1)は、色変アイテムi2の色が青の時点で、手持ブロックHBがライン色変アイテムi3に当接した例である。
これにより、ライン色変アイテムi3を通る横方向の線上に配置された最大11個(ライン色変アイテムi3を含む)が、青色に変化する。
【0090】
この場合、ライン色変アイテムi3は、色変アイテムi2と同様に、通常ブロックBに変化する。
また、詳細な説明は省略するが、制御部16は、色変アイテムi2と同様に、ライン色変アイテムi3の色と、手持ブロックHBの色とが同じ場合には、消去条件が成立するか否かを判定し、一方、両者の色が異なる場合には、消去条件が成立するか否かを判定しない。
図10(A1)、図10(A2)は、ライン色変アイテムi3の色(青)と、手持ブロックHBの色(青)とが同色であるので、消去条件が成立する例である。この例では、制御部16は、合計10個のブロック(ライン色変アイテムi3自体、ブロックBが8個、手持ブロックHBが1個)を消去する。
【0091】
(アイテムi4(括))
図10(B1)、図10(B2)に示すように、プレイヤが発射した手持ブロックHBがアイテムi4(括)に当接すると、制御部16は、フィールド32内に全ブロックのうち手持ブロックHBと同色のブロック(手持ブロックHB自体を含む)と、アイテムi4(括)自体とを消去する。
図10(B)は、手持ブロックHB(青)がアイテムi4(括)に当接することにより、フィールド32内に全ての手持ブロックHB1(青)と、アイテムi4(括)とが消去される場面である。
【0092】
(アイテムi5(回))
図11(A)に示すように、アイテムi5(回)は、内部に指針を有する。アイテムi5(回)がフィールド32に配置された状態では、指針は、1秒経過する毎に60度回転する。
図11(A1)、図11(A2)に示すように、プレイヤが発射した手持ブロックHBがアイテムi5(回)に当接すると、制御部16は、指針と同一直線上であって、アイテムi5(回)の両方向のそれぞれ5個の範囲のブロックと、アイテムi5(回)自体とを消去する。
図11(A1)、図11(A2)は、指針が右斜め上、かつ左斜め下を向いている状態で、手持ブロックHBがアイテムi5(回)に当接した場面である。
図11(A2)に示すように、この場面では、指針と同一線上の右斜め上の5個のブロックBと、左斜め下の1個のブロックBと、アイテムi5(回)自体との合計7個のブロックが消去される。
【0093】
[アイテム固定処理]
図12図13は、実施形態のアイテム固定処理を説明する図である。
アイテム固定処理は、前述したちぎり処理にともなう手持アイテム化処理によってアイテムブロックiが手持化される際に実行される処理である。アイテム固定処理は、アイテムブロックiのうち、時間経過に応じて属性が変化する性質を有するアイテムブロックiの属性を変化させることなく維持して、固定する処理である。
以下、一例として、回転する指針を有するアイテムi5(回)のアイテム固定処理について説明する。
制御部16は、アイテム固定処理を、以下の工程に従って実行する。
(1)図12(A)は、アイテムi5(回)の指針が右斜め上かつ左斜め下を向いている状態において(図12(A1)のアイテムi5(回)の近傍の拡大図を参照)、プレイヤが手持ブロックHB(青)を点線で示す部分に配置しようと狙っている場面である。
【0094】
(2)図12(B)に示すように、プレイヤの手持ブロックHB(青)がフィールド32内のブロックB(青)に接着することにより、5個のブロックB(青)が連接する。制御部16は、これらのブロックを、消去条件が成立したと判定して消去する。
(3)図12(C)に示すように、5個のブロックB(青)を消去したことに応じて、アイテムi5(回)と、1つのブロックB(赤)のちぎり条件が成立する。制御部16は、これらのブロックを、ちぎり処理を実行することにより消去する。
【0095】
(4)図13(A)に示すように、制御部16は、アイテムi5(回)に対してちぎり処理を実行することに応じて、手持アイテム化処理を実行し、つまり、手持アイテムHi5(回)をアイテム配置部43に配置する。
制御部16は、この場合、アイテム固定処理を実行することにより、手持アイテムHi5(回)の属性を、ちぎられた状態に固定する。すなわち、図12(C)に示すように、制御部16は、指針が右斜め上かつ左斜め下を向いている状態で、アイテムi5(回)のちぎり処理を実行している。制御部16は、手持アイテムHi5(回)の指針を、右斜め上かつ左斜め下を向いている状態で固定(維持)する(図13(A1)のアイテム配置部43の近傍の拡大図を参照)。
このため、アイテム配置部43に配置された手持アイテムHi5(回)の指針は、時間経過に応じて回転しない。
【0096】
(5)図13(B)は、プレイヤの操作に応じて、アイテム配置部43に配置された手持アイテムHi5(回)をランチャ41に移動した状態であり、また、手持アイテムHi5(回)を点線で示す部分に配置しようと狙っている場面である。
【0097】
(6)図13(C)に示すように、制御部16は、プレイヤの操作に応じて、手持アイテムHi5(回)が発射されてフィールド32内のブロックに接触すると、固定された属性の態様で手持アイテムHi5(回)を発動する。つまり、制御部16は、指針と同一線上の右斜め上の5個のブロックと、左斜め下の5個のブロックと、手持アイテムHi5(回)自体とを消去する。
図13(C)は、この同一線上に配置された右斜め上の5個のブロックと、手持アイテムHi5(回)自体との合計6個のブロックが消去される場面である。
【0098】
(7)図13(D)は、図13(C)の手持アイテムHi5(回)の発動後に、続いてちぎり処理が実行された場面である。
図13(C)に示す処理によって同一線上の6個のブロックが消去されたことに応じて、この直線の右下に配置された9個のブロックは、天井35との間に隙間が形成されるので、ちぎり条件が成立する。このため、制御部16は、ちぎり処理を実行することにより、これらの9個のブロックを消去する。
【0099】
このようにアイテム固定処理が実行されることにより、プレイヤは、手持化した手持アイテムHi5(回)をどのように使用すれば有利にプレイを進めるかの戦略を立てた上で、アイテムi5(回)をちぎるタイミングを計る必要がある。これにより、ゲーム機10は、ちぎるタイミングを計って、フィールド32のブロックをちぎることを要求する新しい態様のゲームを提供できる。
【0100】
(他の手持アイテムHi)
なお、制御部16は、他の手持アイテムHiに関して、以下のように制御する。他の手持アイテムHiに関しては、概要のみ説明する。
●アイテムi1(爆)
手持化された手持アイテムHi1(爆)の動作は、前述した通りである。
●色変アイテムi2
色変アイテムi2は、アイテム固定処理がされることにより、ちぎられた時点の色で固定されて手持化される。そして、手持化された色変アイテムi2がランチャ41から発射されて他のブロックに接着されることにより、周囲2ブロックの範囲のブロックの色を、固定された色に変化させる。
例えば、ちぎられた時点の色変アイテムi2の色が青であれば、手持化された色変アイテムi2は、発射されて他のブロックに接触した際に発動し、周囲のブロックを青に変化させる。
【0101】
●ライン色変アイテムi3
ライン色変アイテムi3は、色変アイテムi2と同様に、アイテム固定処理がされることにより、ちぎられた時点の色で固定されて手持化される。手持化されたライン色変アイテムi3は、発射されて他のブロックに接触した際に発動し、横方向の両側5個の範囲のブロックを、固定された色に変化させる。
【0102】
●アイテムi4(括)
アイテムi4(括)は、ちぎり処理が実行されても、アイテム固定処理が実行されることなく、手持アイテムHi4(括)としてアイテム化される。手持アイテムHi4(括)は、発射されて他のブロックに接触した際に発動する。この際には、制御部16は、手持アイテムHi4(括)が接触している全てのブロックの色を判定する。そして、フィールド32内のブロックのうち、この判定した色のブロックを消去する。
例えば、手持アイテムHi4(括)が発射されてフィールド32内に配置された場合に、赤、青、緑の3つのブロックに接触していれば、フィールド32内のブロックのうち、これら3色のブロックの全てが一気に消去されるので、きわめて有利である。
このため、手持アイテムHi4(括)は、フィールド32内で配置された状態で発動した場合には、1色(手持ブロックHBの同一色)のみのブロックを消去するのに対して、手持化された手持アイテムHi4(括)は、1色以上のブロックを消去することができる。
【0103】
このように、プレイヤは、アイテムブロックiをフィールド32に配置された状態で発動させてもよいし、手持アイテムHiへと手持化させて発動させてもよい。前者の場合であれば、アイテムの効果を即効で得ることができるし、後者の場合であれば、プレイに有利となる場所に発射させて発動させたり、フィールド32内のブロックの状態に応じてタイミングを見はからって発動さることができる。
また、手持アイテムHi4(括)等は、手持化させることにより、フィールド32に配置された状態のアイテムi4(括)よりも、有利に利用できることがある。
【0104】
[プレイ人数に応じたブロック配置]
プレイ人数に応じたブロック配置について説明する。
前述したように、ゲームシステム1では、プレイ人数が1人から4人で、選択的にプレイできる。この場合、制御部16は、選択されたプレイ人数に対応したフィールド32を表示する。すなわち、ゲームの画面構成は、一のプレイ人数と、他のプレイ人数とでは、同じモード、同じステージであっても互いに異なる。
【0105】
(1人プレイ、2人プレイでの画面構成1)
図14は、実施形態の1人プレイの「ブロックG消去モード」のプレイの画面遷移を説明する図である。
図15は、実施形態の2人プレイの「ブロックG消去モード」のプレイの画面遷移を説明する図である。
【0106】
図14に示すように、制御部16は、ブロックG消去モードでは、以下の内容のプレイを実行する。
・フィールド32Aに配置されたブロックGを消去することによってステージクリアとなる。
・天井35が徐々に降下する無段階降下型で実行され、フィールド32内のブロック(邪魔ブロックD等を含む)が制限ライン33を越えて下側に移動したらゲーム終了である。
・プレイヤは、ステージクリアすることに加えて、より短時間でプレイクリアことを狙ってもよい。
【0107】
(1人プレイ:ブロックG消去モード)
図14は、ブロックG消去モードの1人プレイのフィールド32Aの一例である。
図14(A)に示すように、プレイ開始時の初期画面では、凹部状に配置された邪魔ブロックD(図中にハッチングで示す)の内部に、アイテムi1(爆)、ブロックGが配置されている。
邪魔ブロックDは、色が付与されていないものの、アイテムi1(爆)が発動することによりブロックB、ブロックG等と同様に消去される。
このフィールド32Aで想定されているクリア方法は、以下の通りである。
(1)図14(A)、図14(B)に示すように、ブロックが降下している間に、天井35の直下に配置されたブロックに、手持ブロックHBを接着させていく。
(2)図14(C)に示すように、最下端に接着したブロックB(手持ブロックHBから通常ブロックBに変化したもの)と、アイテムi1(爆)との両方に、新たに手持ブロックHBを接着させる。これに応じて、アイテムi1(爆)が発動し、ブロックGが消去する。これにより、プレイクリアとなる。
なお、図14(C1)のアイテムi1(爆)近傍の拡大図に示すように、手持ブロックHBは、最下端のブロックに接触した際に、右斜め下方向の位置に再配置される。このため、手持ブロックHBは、最下端のブロックB及びアイテムi1(爆)の間に、ねじ込まれるようにして再配置されることにより、アイテムi1(爆)に接触する。
【0108】
(2人プレイ:ブロックG消去モード)
2人プレイのフィールド32B及び1人プレイのフィールド32Aは、以下の相違点を有する。
図15(A)に示すように、横方向において、2人プレイのフィールド32Bは、1人プレイのフィールド32Aよりも大きい。
・2つのランチャ41(P1),41(P2)は、左右方向に並べて配置されている。なお、実施形態では、左壁及びプレイヤP1のランチャ41(P1)間の距離L1と、プレイヤP1及びプレイヤP2の両ランチャ41(P1),ランチャ41(P2)間の距離L2と、プレイヤP2のランチャ41(P2)及び右壁間の距離L3とは、ほぼ等しい。
・天井35の直下に配置されたブロックBの数量は、2人プレイのフィールド32Bの方が、1人プレイのフィールド32Aよりも多い。
・邪魔ブロックDの数量は、2人プレイのフィールド32Bの方が、1人プレイのフィールド32Aよりも少ない。つまり、凹部の下部に左右方向に並べて配置された邪魔ブロックDの数量は、1人プレイのフィールド32Aが4個であるのに対して、2人プレイのフィールド32Bが3個である。
【0109】
ここで、2人プレイのフィールド32Bの横方向の大きさは、1人プレイのフィールド32Aよりも大きく、また、2人プレイの邪魔ブロックDの数が、1人プレイの邪魔ブロックDの数よりも少ない。
その理由は、図15(B)に示すように、プレイヤP2のランチャ41から発射した手持ブロックHBが、アイテムi1(爆)に接触可能に配置される射角を確保できるようにするためである。
なお、図15(B1)は、図14(C1)と同様に、手持ブロックHBがねじ込まれるようにして再配置されて、アイテムi1(爆)に接触する態様を説明する図である。
【0110】
(比較例)
この理由について、2つの比較例を参照しながら説明する。
図16は、比較例1,2の2人プレイのフィールド132A,132Bの構成を説明する図である。
比較例1のフィールド132Aは、2人プレイの画面構成を、1人プレイの画面の大きさ、1人プレイのブロック配置と同じくし(図14(A)参照)、2つのランチャ41(P1),41(P2)を配置した例である。
プレイヤP2のランチャ41(P2)及び右壁間の距離は、比較例の距離L103の方が、図15(A)に示す実施形態の距離L3よりも短い。このため、プレイヤP2が発射した手持ブロックHB(青)の右壁への到達角度、跳ね返り角度は、比較例の角度θ101a,θ101bの方が、図15(B)に示す実施形態の角度θ1a,θ1bよりも大きくなる。これにより、比較例では、手持ブロックHB(青)は、右端に配置された邪魔ブロックDLを避けるように発射すると、実施形態より上側に進むような進路になる。
これにより、図15(A)の比較例では、手持ブロックHB(青)をアイテムi1(爆)に接触せることができないためステージクリアできなかったり、接触させることが困難となるためステージクリアが困難となる。
【0111】
(比較例2)
比較例2のフィールド132Bは、2人プレイの画面構成を、凹部の邪魔ブロックDの構成が1人プレイの画面と同じであり(つまり、下部の邪魔ブロックDが横方向に4個)、また、2つのランチャ41(P1),41(P2)の配置、フィールド132Bの横方向の大きさ等を、実施形態の図15(B)のフィールド32Bと同じにした例である。
比較例2では、プレイヤP2が発射した手持ブロックHB(青)の右壁の到達角度θ102a、跳ね返り角度θ102bは、図15(B)に示す実施形態の角度θ1a,θ1bと同様になる。しかし、右端に配置された邪魔ブロックD及びアイテムi1(爆)との距離L104が長過ぎるために、右壁で跳ね返った手持ブロックHB(青)は、右端に配置された邪魔ブロックDLを避ける進路を取った場合には、アイテムi1(爆)に到達できない。つまり、手持ブロックHB(青)は、横方向においてこの距離L104を進む過程において、上方向へ大きく変位してしまう。このため、手持ブロックHB(青)は、アイテムi1(爆)から大きく離れてしまうので、アイテムi1(爆)に接触できない。
【0112】
すなわち、実施形態の1人プレイのフィールド32Aは、手持ブロックHBの射角と、ステージをクリアするために重要なアイテムi1(爆)(つまり、ステージクリアするために、手持ブロックHBが到達することを要するブロック)との位置関係において、手持ブロックHBがこの重要なアイテムi1(爆)に到達可能になるように構成されている。かつ、2人プレイのフィールド32Bは、1人プレイのフィールド32Aに対して単に2つのランチャ41(P1),41(P2)を配置した構成ではなく、ランチャ41(P1),41(P2)の手持ブロックHBの射角と、ステージをクリアする上で重要なアイテムi1(爆)との位置関係において、これら2つの手持ブロックHBがアイテムi1(爆)に到達可能になるように構成されている。
なお、説明は省略するが、3人プレイ、4人プレイのフィールド32においても、全てのプレイヤの手持ブロックHBが、ステージをクリアする上で重要なアイテムi1(爆)に到達可能に構成されている。
【0113】
(3人プレイ、4人プレイでの画面構成その2)
図17は、実施形態の3人プレイのフィールド32Cを説明する図である。
図18は、実施形態の4人プレイのフィールド32Dを説明する図である。
図17図18は、フィールド32C,32D内の全ブロックを消去することにより、ステージクリアとなる全ブロック消去モードのプレイが実行される。
3人、4人プレイにおいて、手持ブロックHBの射角の範囲(プレイを進行する上で有効な射角の範囲)を調整することにより、複数のプレイヤ間において、手持ブロックHBの到達可能なブロックの数量が均等になるように調整する例について説明する。
このステージのクリア条件は、下端のブロックが制限ライン33を超えるまでに、フィールド32C,32D内の全てのブロックを消去することである。詳細な説明は省略するが、プレイヤは、アイテムi1(爆)等を手持アイテム化することにより、中央の集合体ACの内部のブロックBを消去できる。
【0114】
図17は、3人プレイの初期画面である。フィールド32C内のブロックは、左右方向において対称に配置されている。
フィールド32Cには、左側に配置された集合体AL、中央に配置された集合体AC、右側に配置された集合体ARが配置されている。
左側のプレイヤP1のランチャ41(P1)の射角θP1は、主にランチャ41(P1)の上側に配置された左側の集合体ALに到達可能に設定されている。
同様に、右側のプレイヤP3のランチャ41(P3)の射角θP3は、主にランチャ41(P3)の上側に配置された右側の集合体ARに到達可能に設定されている。
【0115】
中央のプレイヤP2のランチャ41(P2)の射角θP2は、左側の集合体ALの下側の範囲及び右側の集合体ARの下側の範囲の両方に到達可能に設定されている。
すなわち、中央のランチャ41(P2)の直上には、中央の集合体ACが配置されている。しかし、中央の集合体ACの周囲には、邪魔ブロックDが配置されている。このため、プレイ開始時等には、中央のランチャ41(P2)から発射された手持ブロックHBは、中央の集合体ACのブロックBには、直接到達できない。
また、中央のランチャ41(P2)は、左側の集合体ALの上側の範囲及び右側の集合体ARの上部の上側の範囲への射角が、これらの直上の邪魔ブロックDによって遮られる。
【0116】
このように邪魔ブロックDの配置によって、3つのランチャ41(P1)~41(P3)の射角θP1~θP3が調整されることにより、プレイ開始時の初期画面等において、3人のプレイヤP1~P3が狙えるフィールド32C内の通常ブロックBの数は、ほぼ均等である。これにより、3人のプレイヤP1~P3の全員が、プレイ開始時から公平にプレイを楽しむことができる。
【0117】
図18は、4人プレイの初期画面である。
4人プレイの32Dの大きさと、3人プレイのフィールド32Cの大きさとは、同じである。4人プレイのフィールド32D内のブロックBは、3人プレイと同様に、3つの集合体AL,AC,ARが左右方向において対称に配置されている。
プレイ人数は、4人プレイの方が3人プレイよりも多いので、フィールド32D内のブロックBの数量も、4人プレイの方が3人プレイよりも多い。これにより、4人プレイの難易度と、3人プレイの難易度とは、同様になるように調整される。
左端のプレイヤP1のランチャ41(P1)の射角θP1は、左側の集合体ALに到達可能な範囲が、4人プレイの方が3人プレイよりも制限されて狭くなる。これは、中央の集合体ACの邪魔ブロックDが、4人プレイの方が3人プレイよりも、左右方向において突出した位置に配置されているためである。
【0118】
プレイヤP2のランチャ41(P2)は、中央よりも左側に配置されている。このため、邪魔ブロックDが突出された位置に配置されていても、ランチャ41(P2)の左方向の射角θP2aは、4人プレイの方が3人プレイよりも若干広くなっている。一方で、ランチャ41の右方向の射角θP2bは、右側の集合体ARに到達可能な範囲が、4人プレイの方が3人プレイよりも狭い。
【0119】
すなわち、ランチャ41(P1)が到達可能なブロックBの数量は、4人プレイのフィールド32Dよりも3人プレイのフィールド32Cよりも若干少ない。同様に、ランチャ41(P2)が到達可能なブロックBの数量は、4人プレイのフィールド32Dよりも3人プレイのフィールド32Cよりも若干少ない。
これにより、フィールド32Dは、左端のランチャ41(P1)が到達可能なブロックBの数と、中央よりも左側に配置されたランチャ41(P2)が到達可能なブロックBの数とは、ほぼ等しくなる。
【0120】
なお、プレイヤP4のランチャ41(P4)の配置、及びプレイヤP3のランチャ41(P3)の配置の位置関係は、プレイヤP1のランチャ41(P1)の配置、及びプレイヤP2のランチャ41(P2)の配置の位置関係と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0121】
このように、ゲームシステム1は、4人プレイのフィールド32Dも3人プレイのフィールド32Cと同様に、邪魔ブロックDの配置によって、プレイヤが狙えるフィールド32D内のブロックの数がほぼ均等になるように配置される。これにより、4人のプレイヤの全員がプレイを楽しむことができる。
【0122】
[連鎖消去処理]
図19は、実施形態の連鎖消去処理を説明する図である。
連鎖消去処理は、1回目の消去条件が成立することにより、2回目以降の消去条件を連鎖して成立させて、消去条件が成立したブロックを連鎖的に消去する処理である。
以下、プレイ終了待機処理、連鎖消去処理が同時に実行される例を説明する。
図19(A)のフィールドは、連鎖消去処理を実行可能な状態のブロック配置の一例である。
図19(A)のフィールド32には、3つのアイテムi1(爆1)~i1(爆3)が配置されている。アイテムi1(爆1)は、ランチャ41から発射された手持ブロック(青)が接着可能な位置に配置されている。アイテムi1(爆2)は、アイテムi1(爆1)が発動した際の消去範囲内に配置されている。アイテムi1(爆3)は、アイテムi1(爆2)が発動した際の消去範囲内に配置されている。
最下端のブロックB(赤)は、アイテムi1(爆3)が発動した際の消去範囲内に配置されている。
図19(A)は、最下端のブロックB(赤)が制限ライン33を丁度越えた場面である。
【0123】
制御部16は、ブロックB(赤)が制限ライン33を超えて、プレイ終了可能な状態であると判定した場合でも、プレイ終了待機処理を実行することにより、プレイ終了の処理を0.3秒待機する。なお、制御部16は、この0.3秒間もプレイを継続する。
図19(B)は、ランチャ41から発射された手持ブロック(青)が、図19(A)の場面から0.3秒以内に、アイテムi1(爆1)に接着した場面である。
制御部16は、この状態(手持ブロック(青)がアイテムi1(爆1)に接着した状態)に基づいて、プレイ終了するか否かを判定する。つまり、制御部16は、発射された手持ブロックHB(青)がフィールド32に配置されたことに基づいて、制限ライン33を超えたブロックB(赤)が消去可能な状態であれば、プレイ終了することなくプレイを継続する。
ブロックB(赤)が消去可能であるかを判定する手法は、限定されないが、実施形態では、手持ブロック(青)がフィールド32に配置されたことに基づいて、消去条件が成立したブロックを消去する処理を実行し、結果としてブロックB(赤)が消去されればプレイを継続する例を説明する。
【0124】
図19(C)に示すように、制御部16は、手持ブロックHB(青)がアイテムi1(爆1)に接着したことに基づいて、アイテムi1(爆1)を発動させる。つまり、制御部16は、手持ブロックHB(青)、アイテムi1(爆1)、アイテムi1(爆2)を含む合計6個のブロックの消去条件が成立したと判断して、これらのブロックを消去する。
この場合、制御部16は、これら6個のブロックが、例えば、徐々に表示が薄くなるような画像(ブロック消去可能画像)を表示し、例えば0.3秒後に完全に消滅するように演出してもよい。
【0125】
なお、実施形態では、制御部16は、アイテムブロックi及び手持ブロックHBが直接接触しない状態であっても、手持ブロックHBが配置されたことに基づいてアイテムブロックiが消去される場合には、このアイテムブロックiが消去されることに基づいてアイテムブロックiを発動させる。
【0126】
図19(D)に示すように、このため、制御部16は、アイテムi1(爆1)の発動にともなってアイテムi1(爆2)を含む上記6個のブロックを消去することに応じて、アイテムi1(爆2)を発動する。これにより、制御部16は、アイテムi1(爆2)の消去範囲に含まれるアイテムi1(爆3)の消去条件が成立したと判断して、アイテムi1(爆3)を含む合計5個のブロックを消去する。
なお、この場合には、アイテムi1(爆1)の発動にともなって上記6個のブロックを消去する際に、アイテムi1(爆2)のみを残存させて表示させておき、アイテムi1(爆2)の発動時に、アイテムi1(爆3)等と一緒に、徐々に表示が薄くなるように制御してもよい。これにより、アイテムi1(爆2)のみを残存させて表示させることにより、アイテムi1(爆3)を含む5個のブロックが、アイテムi1(爆2)の発動によって消去されることを、明確に演出できる。
【0127】
図19(D)、図19(E)に示すように、制御部16は、アイテムi1(爆2)の消去時と同様に、アイテムi1(爆3)を消去することに応じて、アイテムi1(爆3)を発動する。これにより、制御部16は、アイテムi1(爆3)の消去範囲に含まれるブロックB(赤)(制限ライン33を超えたブロック)の消去条件が成立したと判断して、ブロックB(赤)を含む合計6個のブロックを消去する。
【0128】
このように、連鎖処理では、最初にアイテムi1(爆1)にともなう消去条件が成立後、アイテムi1(爆2)、i1(爆3)にともなう消去条件が順次成立させるように制御する。そして、消去条件が成立したブロックが、連鎖的に消去するように制御する。
これにより、ゲーム機10は、連鎖する回数が多い程、全てのブロックが消去されるまでに多くの時間を要するように制御できる。
【0129】
図19の例では、図19(B)の手持ブロックHB(青)がアイテムi1(爆1)に接触した時点から、図19(B)のブロックB(赤)が完全に消滅するまでに、合計0.9秒を要する。
また、プレイ終了の処理が待機されプレイが継続するため、無段階降下型のゲームでは、ブロックB(赤)等は、連鎖処理を実行中にも、制限ライン33よりも下側にさらに降下する。これにより、ゲーム機10は、ハラハラ感を向上できる。
【0130】
また、制御部16は、プレイ終了待機処理が実行されることにより、ブロックB(赤)が制限ライン33を超えた場合(プレイ終了可能であると判定可能な状態)でも、プレイ終了の処理を0.3秒待機する。そして、制御部16は、待機時間0.3秒以内に手持ブロックHB(青)がフィールド32に配置されたことに応じて、手持ブロックHB(青)がフィールド32に配置された状態に基づいて、プレイ終了可能であるか否かを判定する。
図19の例では、制御部16は、手持ブロックHB(青)がフィールド32に配置されたことに応じて、結果的にブロックB(赤)の消去条件が成立するため、ブロックB(赤)の消去処理を実行しプレイ終了することなく、プレイを継続する。
【0131】
このように、連鎖消去処理では、順次消去条件が成立したブロックを、連鎖的に消去できる。さらに、ゲーム機10は、プレイ終了待機処理、連鎖消去処理を同時に実行することにより、ブロックが制限ライン33を超えている時間が待機時間0.3秒以上であってもプレイを継続し、制限ライン33を超えたブロックが待機時間0.3秒以上経過後に消去されるように演出できる。
【0132】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、後述する変形形態等のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態の構成は、それらの一部のみ用いること、又は適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0133】
(変形形態)
(1)実施形態において、ゲーム機の制御部は、アイテムブロックのみを手持化する例を示したが、これに限定されない。ゲーム機の制御部は、例えば、ちぎり条件が成立した通常ブロックの一部又は全てに対して手持化処理を実行してもよい。
この場合には、手持化した通常ブロックが発射されるまで収容する収容部等を、プレイ画面に表示してもよい。この場合には、通常ブロックは、ちぎられても、手持化されるため消去されない。これにより、手持化した通常ブロックをランチャから発射し、消去条件を成立させて消去するといった新しい態様のゲームを提供できる。
【0134】
(2)実施形態において、プレイ終了判定待機処理は、1つ目の手持ブロックが制限ラインよりも下側に配置され、その後に2つ目の手持ブロックが配置された場合の処理である例を説明したが、これに限定されない。プレイ終了判定待機処理は、フィールド内の通常ブロック等が降下して制限ラインよりも下側に配置された場合にも、実行してもよい。
この場合には、ゲーム機の制御部は、プレイヤの操作を受け付けて移動する手持ブロックが、通常ブロック等が制限ラインよりも下側に配置されることによりプレイ終了であると判定可能な状態から規定時間内に移動終了した場合に、制限ラインを超えて配置された通常ブロック等の消去条件が成立したか否かを判定すればよい。そして、ゲーム機の制御部は、手持ブロックがフィールドの配置されることにより、制限ラインを超えて配置された通常ブロック等の消去条件が成立した場合(例えば、アイテムブロックの発動、同色ブロックの連接配置等)には、プレイ終了することなくプレイを継続する。これにより、通常ブロック等が制限ラインを超えることによりプレイ終了であると判定可能になった場面でも、短時間(規定時間内)でプレイヤの手持ブロックが移動終了し、通常ブロック等が消去可能であれば、プレイが継続するように制御できる。
【0135】
(3)実施形態において、ゲーム機の制御部は、最大で2つの手持アイテムをプレイヤに付与する例を示したが、これに限定されない。ゲーム機の制御部は、1つのみの手持アイテムをプレイヤに付与してもよく、又は3以上の手持アイテムをプレイヤに付与してもよい。また、アイテム配置部は、プレイ画面内であってフィールド外の範囲に設けてもよい。この場合には、例えば2以上の手持アイテムを、プレイに邪魔にならない形態で表示できる。
【0136】
また、例えば、複数人プレイの場合には、手持アイテムを共有できるようにしてもよい。この場合にも、アイテム配置部をフィールド外の範囲に設けて、各プレイヤが複数の手持アイテムから1つを選択して、発射できるようにしてもよい。
さらに、複数人プレイの場合には、各プレイヤが所有する手持アイテムを、各プレイヤから他プレイヤに受け渡し、他プレイヤが発射できるようにしてよい。
【符号の説明】
【0137】
10:ゲーム機
11:操作部
12:表示部
15a:ゲームプログラム
16:制御部
20:サーバ
30:プレイ画面
32,32A~32D,132A,132B:フィールド
33:制限ライン
35:天井
40:発射ユニット
41:ランチャ
42:次ブロック配置部
43:アイテム配置部
A1,AC,AL,AR:集合体
D:邪魔ブロック
HB:手持ブロック
Hi:手持アイテム
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