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特開2024-168388情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法
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  • 特開-情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法 図1
  • 特開-情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法 図2
  • 特開-情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168388
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0639 20230101AFI20241128BHJP
【FI】
G06Q10/0639
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085001
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】515346385
【氏名又は名称】株式会社iCARE
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嶋 頼彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 浩司
(72)【発明者】
【氏名】北川 達朗
(72)【発明者】
【氏名】青木 隆之
(72)【発明者】
【氏名】中村 健司
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】 企業における、従業員のフォロワーシップタイプを考慮したエンゲージメント調査を支援するための情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法を得る。
【解決手段】 情報処理装置(2)は、対象企業における従業員のフォロワーシップタイプの判定用質問に対する回答を取得する、第1回答取得部(221)と、回答に基づいて、従業員のフォロワーシップタイプを判定するタイプ判定部(222)と、従業員のフォロワーシップタイプの判定結果を利用して、従業員のエンゲージメント調査を管理する調査管理部(223)と、エンゲージメント調査の結果に関する表示を行うための表示情報を生成する表示情報生成部(224)と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象企業における従業員のフォロワーシップタイプの判定用質問に対する回答を取得する、第1回答取得部と、
前記回答に基づいて、前記従業員のフォロワーシップタイプを判定するタイプ判定部と、
前記従業員のフォロワーシップタイプの判定結果を利用して、前記従業員のエンゲージメント調査を管理する調査管理部と、
前記従業員のエンゲージメント調査の結果に関する表示を行うための表示情報を生成する表示情報生成部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記調査管理部は、判定された前記従業員のフォロワーシップタイプに基づき、前記従業員のエンゲージメントの阻害要因を判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
さらに、前記従業員のエンゲージメント調査における質問に対する回答を取得する、第2回答取得部を備え、
前記調査管理部は、判定された前記従業員のフォロワーシップタイプと、前記従業員のエンゲージメント調査における前記質問に対する前記回答とに基づき、前記阻害要因を判定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記調査管理部は、判定された前記従業員のフォロワーシップタイプに応じて、前記従業員のエンゲージメント調査の実施頻度を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
さらに、前記従業員のエンゲージメント調査における質問に対する回答を取得する、第2回答取得部を備え、
前記調査管理部は、判定された前記従業員のフォロワーシップタイプと、前記従業員のエンゲージメント調査における前記質問に対する前記回答とに基づき、前記対象企業のエンゲージメントの総合スコアを算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記調査管理部は、判定された前記従業員のフォロワーシップタイプに応じて、前記従業員のエンゲージメント調査における複数の前記質問に対する複数の前記回答に重み付けを行って、前記対象企業のエンゲージメントの総合スコアを算出する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示情報生成部は、判定された前記阻害要因を示す前記表示情報を生成する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示情報生成部は、判定された前記阻害要因と判定された前記従業員のフォロワーシップタイプとに応じたアドバイスを示す前記表示情報を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記表示情報生成部は、判定された前記従業員のフォロワーシップタイプごとの、前記従業員のエンゲージメント調査の結果の統計を示す前記表示情報を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
情報処理装置が行う情報処理方法であって、
第1回答取得部が、対象企業における従業員のフォロワーシップタイプの判定用質問に対する回答を取得するステップと、
タイプ判定部が、前記回答に基づいて、前記従業員のフォロワーシップタイプを判定するステップと、
調査管理部が、前記従業員のフォロワーシップタイプの判定結果を利用して、前記従業員のエンゲージメント調査を管理するステップと、
表示情報生成部が、前記エンゲージメント調査の結果に関する表示を行うための表示情報を生成するステップと、
を備えたことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業における従業者の心身の健康促進に対する取組は、企業の発展ひいては社会の発展のために重要なものと認識されてきている。企業におけるこのような取組は、各従業員のエンゲージメントの向上にもつながることが期待されている。エンゲージメントとは、例えば、従業員が組織に一体感や愛着心を感じて自発的な貢献意欲を持ち、主体的に仕事に取り組んでいる等、従業員と組織や仕事とのポジティブな関わりのことであり、具体的には、「ワークエンゲージメント」または「従業員エンゲージメント」等が知られている。自社におけるエンゲージメントの調査(以下「エンゲージメント調査」という。)を行う企業も、数多く存在すると考えられる。
例えば、特許文献1には、回答者端末から受け付けた回答情報の分析結果に応じて、回答者のエンゲージメントに関する得点を算出する情報分析装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-181577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、企業における従業員の特性を示す概念の一つとして、フォロワーシップと呼ばれるものがある。フォロワーシップとは、例えば、企業の従業員が、主体的な判断または自律的な行動によって上司を支え、組織としての成果の最大化を図る能力または行動のことである。このフォロワーシップの観点から、従業員は、種々のタイプ(以下「フォロワーシップタイプ」という。)に分けられる。
【0005】
従業員のエンゲージメントの高低には、従業員のフォロワーシップタイプも大きく影響し得る。したがって、企業が、自社の従業員のエンゲージメント調査を行う際、または、その調査結果に基づき、従業員のエンゲージメントを高めるための対策等を講じる際には、従業員のフォロワーシップタイプによるエンゲージメントへの影響も考慮することが有用である。
しかしながら、特許文献1に示したような従来の技術は、企業における、従業員のフォロワーシップタイプを考慮したエンゲージメント調査を支援するものではないという課題があった。
【0006】
本発明は、企業における、従業員のフォロワーシップタイプを考慮したエンゲージメント調査を支援するための情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報処理装置は、対象企業における従業員のフォロワーシップタイプの判定用質問に対する回答を取得する、第1回答取得部と、回答に基づいて、従業員のフォロワーシップタイプを判定するタイプ判定部と、従業員のフォロワーシップタイプの判定結果を利用して、従業員のエンゲージメント調査を管理する調査管理部と、従業員のエンゲージメント調査の結果に関する表示を行うための表示情報を生成する表示情報生成部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、企業における、従業員のフォロワーシップタイプを考慮したエンゲージメント調査を支援するための情報処理装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1に係る情報処理装置の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態1に係る情報処理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る情報処理システム1の構成を示すブロック図である。図1において、情報処理システム1は、情報処理装置2およびサービスユーザ端末3がネットワーク4を介して接続されたシステムである。ネットワーク4は、例えば、インターネットを含む電気通信回線である。
情報処理システム1は、対象企業における、従業員のフォロワーシップタイプを考慮したエンゲージメント調査を支援するサービス(以下、単に「調査支援サービス」という。)を提供するものである。対象企業は、情報処理システム1を利用することで、調査支援サービスの提供を受けることができる。なお、以下、単に「エンゲージメント調査」という場合、「従業員のフォロワーシップタイプを考慮したエンゲージメント調査」を意味する。
【0011】
ここでの「対象企業」とは、ある企業の全体であってもよいし、ある企業における1つの事業所もしくは1つの部署などの企業の一部であってもよい。例えば、対象企業がある企業における1つの事業所である場合、情報処理システム1は、その事業所における従業員のフォロワーシップタイプを考慮したエンゲージメント調査を支援する調査支援サービスを提供できる。その事業所は、情報処理システム1を利用することで、調査支援サービスの提供を受けることができる。
【0012】
対象企業は、調査支援サービスの提供を受けるに当たり、例えば、事前に、調査支援サービスへの利用者登録の手続きを行い、対象企業を特定するID(以下「対象企業ID」という。)を取得する。
対象企業IDを取得した対象企業は、調査支援サービスを利用させる従業員に対して、利用者IDを発行することができる。従業員は利用者IDを使用することで、調査支援サービスの提供を受けることができる。
【0013】
従業員が利用可能な調査支援サービスの具体的な内容は、従業員の役職、または、従業員の担当業務等によって変わり得る。例えば、一般の従業員は、自身のエンゲージメント調査結果のみを閲覧可能であるのに対し、管理職は、自身が管理する従業員全員の調査結果も閲覧可能であり、また、人事部等に所属するエンゲージメント調査担当者は、調査支援サービスに関する各種設定を行えるほか、調査結果に関するすべての情報を閲覧可能であり得る。
このため、各利用者IDには、その利用者IDを使用する従業員が利用可能な調査支援サービスの内容を示す権限情報が紐づけられて、例えば、情報処理装置2が有する後述の記憶部23に記憶される。
【0014】
(情報処理装置の概要)
情報処理装置2は、対象企業における従業員のフォロワーシップタイプの判定用質問(以下単に「タイプ判定用質問」ともいう。)に対する回答(以下「タイプ判定用回答」ともいう。)を取得し、タイプ判定用回答に基づいて、従業員のフォロワーシップタイプを判定し、従業員のフォロワーシップタイプの判定結果を利用して、従業員のエンゲージメント調査を管理し、エンゲージメント調査の結果に関する表示を行うための表示情報(以下「調査結果表示情報」ともいう。)を生成する。
【0015】
情報処理装置2は、例えば、対象企業において利用されるサービスユーザ端末3からネットワーク4を介して取得したタイプ判定用回答を用いて、対象企業の従業員のフォロワーシップタイプを判定し、その判定結果を利用して、従業員のエンゲージメント調査を管理するとともに、調査結果表示情報を生成してサービスユーザ端末3に送信するサーバである。
情報処理装置2としてのサーバは、例えば、サービスユーザ端末3からの調査結果表示情報の送信要求を受けると、調査結果表示情報を生成し、サービスユーザ端末3に送信する。サービスユーザ端末3は、情報処理装置2としてのサーバから調査結果表示情報を取得すると、サービスユーザ端末3が有するディスプレイ等の表示画面にエンゲージメント調査の結果に関する表示を行う。
【0016】
また、情報処理装置2としてのサーバは、互いに異なる複数の対象企業に対して、調査支援サービスを提供できる。この場合、複数の対象企業は、それぞれ、少なくとも1台のその対象企業に専用のサービスユーザ端末3を備える。このように、情報処理システム1は、複数のサービスユーザ端末3を備えていてもよい。
【0017】
情報処理装置2は、サービスユーザ端末3であってもよい。この場合、情報処理装置2としてのサービスユーザ端末3は、対象企業におけるタイプ判定用回答を取得し、タイプ判定用回答に基づいて、従業員のフォロワーシップタイプを判定し、従業員のフォロワーシップタイプの判定結果を利用して、従業員のエンゲージメント調査を管理し、調査結果表示情報を生成して、生成した調査結果表示情報に基づき、サービスユーザ端末3が有するディスプレイ等の表示画面にエンゲージメント調査の結果に関する表示を行う。
また、サービスユーザ端末3は、例えば、サービスユーザ端末3がアクセス可能な図示しない端末用記憶装置に予めタイプ判定用回答を記憶させておき、その端末用記憶装置からタイプ判定用回答を取得し得る。
【0018】
以下、情報処理システム1における情報処理装置2は、1台のサーバのみであるとして説明する。ただし、情報処理装置2の機能については、その全部が、1台のサーバによって実現されていてもよいし、複数台のサーバによって実現されていてもよい。
情報処理装置2の詳細については後述する。
【0019】
(サービスユーザ端末)
サービスユーザ端末3は、調査支援サービスの提供を受けるユーザとしての対象企業が利用する端末である。サービスユーザ端末3は、ネットワーク4を介して少なくとも情報処理装置2との間で通信が可能な端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末またはPC(Personal Computer)である。図1では、1台のサービスユーザ端末3のみが示されているが、サービスユーザ端末3は、例えば、ユーザとしての対象企業の数またはそれ以上の数の台数が存在し得る。1つの対象企業内の複数の従業員がそれぞれ自身専用のサービスユーザ端末3を有していてもよい。
【0020】
サービスユーザ端末3では、例えば、SaaS(Software as a Service)の形態で提供される調査支援サービスが利用可能である。調査支援サービスがSaaSの形態で提供される場合、サービスユーザ端末3には、調査支援サービス専用のアプリケーションがインストールされなくてよい。調査支援サービスを提供するためのサービス用アプリケーションは、情報処理装置2で実行されており、サービスユーザ端末3は、汎用のWebブラウザ上で調査支援サービスの提供を受けることができる。サービス用アプリケーションは、情報処理装置2として機能するコンピュータが備える記憶部23に記憶されている。
また、サービスユーザ端末3には、調査支援サービス専用のアプリケーションがインストールされていてもよい。調査支援サービス専用のアプリケーションがインストールされたサービスユーザ端末3では、当該アプリケーションが実行されることで、調査支援サービスが利用可能となる。
【0021】
サービスユーザ端末3は、従業員からの操作を受け付けて、タイプ判定用回答を、情報処理装置2に送信することができる。サービスユーザ端末3は、例えば、以下の2つの方法のうちいずれかによって、タイプ判定用回答を情報処理装置2に送信することができる。
【0022】
第1の方法は、対象企業が、エンゲージメント調査の対象となる従業員(以下「調査対象者」という。)全員について、予めフォロワーシップタイプの判定用の調査(以下「タイプ判定用調査」という。)を行い、調査対象者全員分のタイプ判定用回答を得ておく場合の方法である。
情報処理装置2が従業員のフォロワーシップタイプを判定するために必要なタイプ判定用質問は、複数の質問項目(以下「タイプ判定用質問項目」という。)を含む。タイプ判定用質問は、例えば、調査支援サービスを対象企業に提供するサービス提供業者によって予め設定され、情報処理装置2が有する記憶部23に記憶されている。対象企業は、サービス提供業者から、タイプ判定用質問を入手することができる。
【0023】
この場合、対象企業は、サービス提供業者から入手したタイプ判定用質問を用いて、調査対象者全員に対するタイプ判定用調査を実施し、各調査対象者からタイプ判定用質問に対するタイプ判定用回答を予め得て、サービスユーザ端末3がアクセス可能な図示しない端末用記憶装置に記憶させておく。
各調査対象者のタイプ判定用回答は、対象企業ID、その調査対象者の利用者IDが紐づけられて、端末用記憶装置に記憶される。またタイプ判定用回答は、今回のタイプ判定用調査の実施期間(以下「タイプ調査実施期間」という。)とも紐づけられて端末用記憶装置に記憶されてもよい。タイプ調査実施期間は、例えば、調査開始年月日と調査終了年月日として示される。
以下、各タイプ判定用回答には、対象企業IDと利用者IDとタイプ調査実施期間が紐づけられているものとする。
【0024】
サービスユーザ端末3は、例えば、上述のエンゲージメント調査担当者等からの操作を受け付けて、情報処理装置2に、端末用記憶装置に記憶された調査対象者全員分のタイプ判定用回答を、各タイプ判定用回答と紐づけられた対象企業ID、利用者IDおよびタイプ調査実施期間とともに送信する。
情報処理装置2は、調査対象者全員分のタイプ判定用回答と、対象企業ID、利用者IDおよびタイプ調査実施期間を取得すると、それらを記憶部23に記憶させる。
【0025】
第2の方法は、対象企業が、調査対象者全員について、各調査対象者が使用するサービスユーザ端末3に情報処理装置2から送信されるタイプ判定用質問を利用して、タイプ判定用調査を行う場合の方法である。
第1の方法について上述したのと同様に、複数のタイプ判定用質問項目を含むタイプ判定用質問は、例えば、調査支援サービスを対象企業に提供するサービス提供業者によって予め設定され、情報処理装置2が有する記憶部23に記憶されている。
【0026】
また、情報処理装置2が有する記憶部23には、ある対象企業においてタイプ判定用調査の実施を予定する期間(以下「タイプ調査実施予定期間」という。)、および、調査対象者となる従業員の利用者IDが、その対象企業によって予め特定され、対象企業IDと紐づけて記憶されている。タイプ調査実施予定期間は、例えば、調査開始年月日と調査終了年月日として示される。
タイプ調査実施予定期間と利用者IDは、例えば、上述のエンゲージメント調査担当者等からの操作を受け付けたサービスユーザ端末3から情報処理装置2に対して送信され、記憶部23に記憶されている。
情報処理装置2は、現在の日付が記憶部23に記憶された調査開始年月日になると、対象企業IDが示す対象企業における、各利用者IDが示す調査対象者が使用するサービスユーザ端末3に、タイプ判定用質問を送付する。この際、情報処理装置2は、タイプ調査実施予定期間を示す情報も、サービスユーザ端末3に送信する。
【0027】
この場合、サービスユーザ端末3は、情報処理装置2からタイプ判定用質問が送信されると、サービスユーザ端末3が有するディスプレイ等の表示画面に、タイプ判定用質問を表示し、調査対象者からの回答を受け付けることができる。
各調査対象者がサービスユーザ端末3を使用して回答することによって、サービスユーザ端末3は、タイプ判定用回答を生成し、生成したタイプ判定用回答を対象企業IDおよび調査対象者の利用者IDと紐づけて、情報処理装置2に送信する。また、サービスユーザ端末3は、タイプ判定用回答を、タイプ調査実施予定期間とも紐づけて情報処理装置2に送信する。
【0028】
情報処理装置2は、サービスユーザ端末3から、タイプ判定用回答と、対象企業ID、利用者IDおよびタイプ調査実施予定期間を取得すると、それらを記憶部23に記憶させる。この場合のタイプ調査実施予定期間は、第1の方法におけるタイプ調査実施期間と同様な意味を有する。つまり、タイプ判定用回答と紐づけて記憶部23に記憶されたタイプ調査実施予定期間は、情報処理装置2によって、そのタイプ判定用回答を得るためのタイプ判定用調査が実際に実施された期間を示すものとして扱われる。
対象企業における調査対象者全員が各自のサービスユーザ端末3を使用して、タイプ判定用質問に対して回答し終わると、情報処理装置2は、調査対象者全員分のタイプ判定用回答を取得し、記憶部23に記憶させることになる。
【0029】
なお、情報処理装置2は、現在の日付が記憶部23にタイプ調査実施予定期間として記憶された調査終了年月日近く(例えば、調査終了年月日の2日前等)になってもタイプ判定用回答が送信されていない調査対象者がいる場合、その調査対象者の使用するサービスユーザ端末3に対して、回答を促すメッセージを送信することができる。または、情報処理装置2は、調査終了年月日を過ぎてもタイプ判定用回答が送信されていない調査対象者が使用するサービスユーザ端末3、または、当該調査対象者が所属する部署の管理者が使用するサービスユーザ端末3に対して、回答を促すメッセージまたは警告を送信することができる。
サービスユーザ端末3は、これらのメッセージまたは警告を受信すると、ディスプレイ等の表示画面に、ポップアップ等の態様によって、メッセージまたは警告を表示する。
【0030】
サービスユーザ端末3は、従業員からの操作を受け付けて、エンゲージメント調査における質問(以下「エンゲージメント調査用質問」という。)に対する回答(以下「エンゲージメント調査用回答」という。)を、情報処理装置2に送信することができるものであってもよい。
この場合、サービスユーザ端末3は、例えば、タイプ判定用回答について上述した2つの方法と同様な方法のうちいずれかによって、エンゲージメント調査用回答を情報処理装置2に送信することができる。
【0031】
以下の説明では、サービスユーザ端末3は、タイプ判定用回答についても、エンゲージメント調査用回答についても、上述の第2の方法によって情報処理装置2に送信するものとする。
なお、第1の方法であっても第2の方法であっても、情報処理装置2がサービスユーザ端末3である場合は、対象企業は1社だけであるため、各種の情報は、対象企業IDと紐づけて端末用記憶装置に記憶される必要はない。
【0032】
サービスユーザ端末3は、従業員からの操作を受け付けて、情報処理装置2に対して調査結果表示情報の送信を要求し、その要求に応えて情報処理装置2から送信された調査結果表示情報を受信し、受信した調査結果表示情報に基づいて、サービスユーザ端末3が有するディスプレイ等の表示画面に、エンゲージメント調査の結果に関する表示を行うことができる。
また、サービスユーザ端末3は、上述のエンゲージメント調査担当者等からの操作を受け付けて、情報処理装置2に対して調査支援サービスに関する各種設定のための情報を送信することができるものであってもよい。
【0033】
(情報処理装置の詳細)
情報処理装置2についてより詳細に説明する。情報処理装置2は、通信部21、演算部22および記憶部23を備える。
通信部21は、ネットワーク4を介して、サービスユーザ端末3と通信を行う。また、例えば、通信部21は、LTE、3G、4Gまたは5G等の通信方式によるモバイル通信が可能な通信装置であり、ネットワーク4に接続されたサービスユーザ端末3との間での通信を行う。また、通信部21は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信手段を備えていてもよい。
【0034】
演算部22は、情報処理装置2の全体動作を制御する。演算部22は、第1回答取得部221、タイプ判定部222、調査管理部223、表示情報生成部224、および、第2回答取得部225を備える。演算部22が情報処理アプリケーションを実行することで、第1回答取得部221、タイプ判定部222、調査管理部223、表示情報生成部224、および、第2回答取得部225の各機能が実現される。
【0035】
記憶部23は、例えば、情報処理アプリケーションと、演算部22の演算処理に用いられる情報を記憶する。記憶部23は、情報処理装置2として機能するコンピュータが備える記憶装置であり、HDD(Hard Disk Drive)もしくはSSD(Solid State Drive)等のストレージ、または、図2のメモリ103等を含むものである。なお、記憶部23は、情報処理装置2がアクセス可能なものであればよく、情報処理装置2の外部に設けられていてもよい。
【0036】
図2は、情報処理装置2の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。例えば、情報処理装置2は、ハードウェア構成として、通信インタフェース100、入出力インタフェース101、プロセッサ102およびメモリ103を有する。情報処理装置2が備える、第1回答取得部221、タイプ判定部222、調査管理部223、表示情報生成部224、および、第2回答取得部225の各機能は、これらのハードウェア構成において情報処理アプリケーションが実行されることで実現される。
【0037】
通信インタフェース100は、ネットワーク4を介してサービスユーザ端末3等の外部装置から受信されたデータをプロセッサ102へ出力し、プロセッサ102が生成したデータを、ネットワーク4を介して、サービスユーザ端末3へ送信する。プロセッサ102は、入出力インタフェース101を介して、記憶部23に対しデータを読み書きする。
【0038】
第1回答取得部221、タイプ判定部222、調査管理部223、表示情報生成部224、および、第2回答取得部225の各機能を実現するための情報処理アプリケーションを構成するプログラムは、記憶部23に記憶されている。プロセッサ102は、入出力インタフェース101を介して記憶部23に記憶されたプログラムを読み出して、メモリ103にロードし、メモリ103にロードされたプログラムを実行する。これにより、プロセッサ102は、第1回答取得部221、タイプ判定部222、調査管理部223、表示情報生成部224、および、第2回答取得部225の各機能を実現する。メモリ103は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0039】
(第1回答取得部)
第1回答取得部221は、対象企業における従業員のフォロワーシップタイプの判定用質問(タイプ判定用質問)に対する回答(タイプ判定用回答)を取得する。
第1回答取得部221は、サービスユーザ端末3から、タイプ判定用回答を取得する。上述のとおり、サービスユーザ端末3が、情報処理装置2に、タイプ判定用回答を送信する方法には、例えば、第1の方法と第2の方法の2つがあるところ、ここでは、第2の方法が採用されているとして説明する。
【0040】
情報処理装置2の記憶部23には、タイプ判定用質問、ある対象企業においてタイプ判定用調査を実施する期間を示すタイプ調査実施予定期間、および、調査対象者となる従業員の利用者IDが、対象企業IDと紐づけて記憶されている。情報処理装置2は、現在の日付が記憶部23に記憶された調査開始年月日になると、対象企業IDが示す対象企業における、各利用者IDが示す調査対象者が使用するサービスユーザ端末3に、タイプ判定用質問、および、タイプ調査実施予定期間を示す情報を送付する。
サービスユーザ端末3は、情報処理装置2からタイプ判定用質問が送信されると、サービスユーザ端末3が有する表示画面に、タイプ判定用質問を表示し、調査対象者からの回答を受け付ける。
【0041】
各調査対象者がサービスユーザ端末3を使用して全タイプ判定用質問項目への回答を終了すると、サービスユーザ端末3は、タイプ判定用回答を生成し、生成したタイプ判定用回答を、対象企業ID、調査対象者の利用者IDおよびタイプ調査実施予定期間と紐づけて、情報処理装置2に送信する。
なお、上述のとおり、タイプ判定用回答と紐づけて記憶部23に記憶されたタイプ調査実施予定期間は、情報処理装置2によって、そのタイプ判定用回答を得るためのタイプ判定用調査が実際に実施された期間(タイプ調査実施期間)を示すものとして扱われる。以下、タイプ判定用回答と紐づけて記憶部23に記憶されたタイプ調査実施予定期間を、単に「タイプ調査実施期間」ともいう。
【0042】
サービスユーザ端末3がタイプ判定用回答を情報処理装置2に送信すると、情報処理装置2の第1回答取得部221が、送信されたタイプ判定用回答を取得する。第1回答取得部221は、タイプ判定用回答を取得すると、タイプ判定用回答と紐づけて送信された対象企業ID、調査対象者の利用者IDおよびタイプ調査実施期間を、タイプ判定用回答と紐づけて記憶部23に記憶させる。
対象企業における調査対象者全員が各自のサービスユーザ端末3を使用して、タイプ判定用質問に対して回答し終わると、情報処理装置2は、調査対象者全員分のタイプ判定用回答を取得し、記憶部23に記憶させることになる。
【0043】
また、第1回答取得部221は、タイプ判定用回答を取得すると、タイプ判定用回答と紐づけて送信された対象企業ID、調査対象者の利用者IDおよびタイプ調査実施期間を、タイプ判定用回答と紐づけて、タイプ判定部222に出力する。
なお、例えば「第1回答取得部221が、ある情報を、タイプ判定部222に出力する」という場合、第1回答取得部221が、その情報を、記憶部23を経由してタイプ判定部222に取得させることも含む。以下、「出力する」という表現は、同様の意味を有する表現として使用される。
【0044】
第1回答取得部221は、1つのサービスユーザ端末3からタイプ判定用回答を取得するたびに、対象企業ID、調査対象者の利用者IDおよびタイプ調査実施期間をタイプ判定用回答と紐づけて、タイプ判定部222に出力してもよいし、今回の日付において実施される対象企業のタイプ判定用調査における、調査対象者全員分のタイプ判定用回答が記憶部23に記憶されたかどうかを判定し、全員分が記憶された後に、調査対象者全員分のタイプ判定用回答を、タイプ判定部222に出力してもよい。
【0045】
(タイプ判定部)
タイプ判定部222は、タイプ判定用回答に基づいて、従業員のフォロワーシップタイプを判定する。
記憶部23には、タイプ判定用回答に基づいて、従業員のフォロワーシップタイプを判定するためのアルゴリズム(以下「タイプ判定アルゴリズム」という。)が記憶されている。タイプ判定アルゴリズムは、例えば、サービス提供業者によって予め設定され、記憶部23に記憶されている。
タイプ判定部222は、第1回答取得部221から出力されたタイプ判定用回答を取得すると、記憶部23から、タイプ判定アルゴリズムを取得し、タイプ判定用回答と、タイプ判定アルゴリズムとに基づいて、従業員のフォロワーシップタイプを判定する。
【0046】
従業員のフォロワーシップタイプの分類方法としては、様々なものが採用され得る。
例えば、1つの分類方法としては、フォロワーシップタイプを、「孤立型フォロワー」、「消極的フォロワー」、「順応型フォロワー」、「実務型フォロワー」、および、「模範的フォロワー」の5つのタイプに分類するものがある。
また、他の分類方法としては、フォロワーシップタイプを、「パートナー」、「実行者」、「個人主義者」、および、「従属者」の4つのタイプに分類するものがある。
さらに他の分類方法としては、フォロワーシップタイプを、「開発型(未熟型)」、「自由型(自己中心型)」、「受動型(受動的忠実型)」、「能動型(能動的忠実型)」、および、「統合型(プロアクティブ型)」の5つのタイプに分類するものがある。
なお、これらの分類方法以外にも、フォロワーシップタイプの分類方法は存在し、それぞれの分類方法において、いくつのタイプに分類がなされるかも様々である。つまり、分類方法によっては、上述のように5つまたは4つのタイプに分類する場合のほか、例えば、3つのタイプに分類する場合、または、それ以外の数のタイプに分類する場合もあり得る。また、従業員のフォロワーシップタイプの分類方法としては、従業員に特化されない一般的な人の性格または思考パターン等を分類する手法(例えば、ハーマンモデル等)を、いずれかのフォロワーシップの分類方法と組み合わせて、そのフォロワーシップの分類方法をさらに細分化等した分類方法が採用されてもよい。
【0047】
タイプ判定用調査に使用されるタイプ判定用質問に含まれる複数のタイプ判定用質問項目としては、従業員のフォロワーシップの分類方法として具体的に採用された分類方法に応じて、例えば、専門家の助言の下、適切な内容の質問項目が設定されるとともに、適切なタイプ判定アルゴリズムが設定され、記憶部23に記憶される。
以下では、上述の3つの分類方法の例のうち、3つ目の分類方法(「開発型(未熟型)」等による分類方法)が採用された場合を例に説明する。
なお、この3つ目の分類方法において、「開発型(未熟型)」とは、フォロワーシップに必要なスキルの開発が求められるタイプの従業員、「自由型(自己中心型)」とは、自由奔放でマイペースだが評論家的な見方ができるタイプの従業員、「受動型(受動的忠実型)」とは、職務の役割や上司の指示を素直に受け入れるタイプの従業員、「能動型(能動的忠実型)」とは、指示の背景や重要性等を考え工夫を加えて対応できるタイプの従業員、そして、「統合型(プロアクティブ型)」とは、組織の目的を理解し自分の役割を超えてでも成し遂げるタイプの従業員のことである。
【0048】
フォロワーシップタイプを、これらの「開発型(未熟型)」、「自由型(自己中心型)」、「受動型(受動的忠実型)」、「能動型(能動的忠実型)」、および、「統合型(プロアクティブ型)」の5つのタイプに分類する場合、タイプ判定用質問に含まれる具体的なタイプ判定用質問項目としては、例えば、「上司に対して献身的に考え行動している」、「上司の意見や考えを否定しない」、「上司の指示を待って行動している」、「上司に対して、部下である自分に何ができるかを追求している」、「上司が示した枠を超えて果敢にチャレンジしている」、および、「上司に対して良い影響を及ぼしている」等の、上司と自身との業務上の在り方を問うような内容の複数の質問項目が設定され得る。
【0049】
実際のタイプ判定用質問項目の数としては、例えば、10~20項目程度が設定され、うち半数は、受動的な在り方を問う質問内容とされ、残りの半数は、能動的な在り方を問う質問内容とされ得る。
上述の6つのタイプ判定用質問項目の具体例では、前半の3つの項目が、受動的な在り方を問う質問であり、後半の3つの項目が、能動的な在り方を問う質問となっている。調査対象者には、質問項目のそれぞれがこのような意味を有していることについては知らされない。
調査対象者は、それぞれのタイプ判定用質問項目に対して、例えば、その質問内容が自身に当てはまるか当てはまらないかを検討し、当てはまる場合ほど大きく当てはまらない場合ほど小さくなる回答値として、「5」から「1」までの5段階の値を回答するよう指示される。なお、段階数は、5以外の数(例えば10段階等)であってもよい。
【0050】
この場合のタイプ判定アルゴリズムとしては、例えば、受動的な在り方を問う質問項目に対する回答の平均値(以下「受動平均値」という。)と、能動的な在り方を問う質問項目に対する回答の平均値(以下「能動平均値」という。)が算出されて、それぞれが用いられる。
そして、このタイプ判定アルゴリズムでは、例えば、ある調査対象者のタイプ判定用回答について、その受動平均値も能動平均値のいずれもが、第1の所定値(例えば3)よりも低い値を示す場合は、その調査対象者のフォロワーシップタイプは、「開発型(未熟型)」と分類される。
同様に、このタイプ判定アルゴリズムでは、例えば、ある調査対象者のタイプ判定用回答について、受動平均値が第1の所定値以上かつ能動平均値が第1の所定値よりも低い場合は、「受動型(受動的忠実型)」と分類され、受動平均値が第1の所定値以上かつ能動平均値が第1の所定値以上かつ能動平均値が第2の所定値(例えば4)未満の場合は、「能動型(能動的忠実型)」と分類され、受動平均値が第1の所定値以上かつ能動平均値が第2の所定値以上の場合は、「統合型(プロアクティブ型)」と分類され、また、受動平均値が第1の所定値未満かつ能動平均値が第2所定値以上の場合は、「自由形(自己中心型)」と分類される。
【0051】
タイプ判定部222は、ある調査対象者のタイプ判定用回答と、タイプ判定アルゴリズムとに基づいて、その調査対象者のフォロワーシップタイプを判定すると、対象企業IDと、その調査対象者の利用者IDと、タイプ調査実施期間と、フォロワーシップタイプの判定結果とを紐づけて、記憶部23に記憶させる。
5つのフォロワーシップタイプには、例えば、それぞれのタイプに固有のID(以下「タイプID」という。)が割り当てられていてもよい。その場合、タイプ判定部222は、タイプIDをフォロワーシップタイプの判定結果として用いて、対象企業IDと利用者IDとタイプ調査実施期間とタイプIDとを紐づけて、記憶部23に記憶させてもよい。
以下では、記憶部23には、対象企業IDと利用者IDとタイプ調査実施期間とタイプIDとが紐づけて記憶されているものとする。
【0052】
タイプ判定部222は、調査対象者全員について、順次、フォロワーシップタイプの判定を行い、その判定結果を記憶部23に記憶させる。
また、タイプ判定部222は、調査対象者全員についてのフォロワーシップタイプの判定を終了すると、その旨を示すタイプ判定終了情報を、調査管理部223に出力する。タイプ判定終了情報には、例えば、対象企業IDが含まれる。
【0053】
なお、タイプ判定用調査は、例えば、1年に1回または半年に1回程度実施される。従業員のフォロワーシップタイプは、頻繁に変化するものではないからである。
これに対し、後述のエンゲージメント調査は、例えば、1か月に1回または2~3か月に1回程度の実施というように、タイプ判定用調査の実施頻度よりも、高い頻度で実施される。エンゲージメントは、フォロワーシップタイプに比べて、種々の要因を受けて変化しやすいからである。
例えば、従業員のエンゲージメントが低下した場合、企業としては、できるだけ早くその変化を認識し、可能であれば速やかに対策を講じることが望ましい。また、例えば、従業員のエンゲージメントが上昇した場合または高く維持できている場合、企業としては、その状況を定期的に認識することで、現在講じている対策または現在の職場環境等が適切であることを確認できる。
【0054】
(調査管理部)
調査管理部223は、従業員のフォロワーシップタイプの判定結果を利用して、従業員のエンゲージメント調査を管理する。
調査管理部223は、タイプ判定部222からタイプ判定終了情報を取得すると、従業員のエンゲージメント調査の管理を行う。
調査管理部223が行うエンゲージメント調査の管理には、主に2つの管理態様がある。第1の管理態様は、エンゲージメント調査の結果の分析方法の管理であり、第2の管理態様は、エンゲージメント調査の実施方法の管理である。
【0055】
まず、調査管理部223が行う第1の管理態様の例を説明する。
調査管理部223は、判定された従業員のフォロワーシップタイプに基づき、従業員のエンゲージメントの阻害要因を判定するものであってよい。
第1回答取得部221とタイプ判定部222が行った上述の処理によって、記憶部23には、対象企業における最新のタイプ判定用調査の結果として、調査対象者としての従業員ごとのフォロワーシップタイプを示すタイプIDが記憶されている。
【0056】
これとは別に、記憶部23には、様々な企業における多数の従業員を対象として、過去に行われたエンゲージメント調査における質問項目と、同調査における従業員ごとの各質問項目に対する回答を示す値(以下「回答値」ともいう。)と、それらの回答値から算出された従業員ごとのエンゲージメントを示す値(以下「エンゲージメント評価値」ともいう。)と、これら多数の従業員を同じく対象として、過去に行われたフォロワーシップタイプの調査において判定された各従業員のフォロワーシップタイプとを用いて、一般的な、従業員のフォロワーシップタイプごとの、エンゲージメント評価値とエンゲージメント調査の各質問項目の回答値との相関関係を分析した結果(以下単に「相関関係情報」という。)が、予め記憶されている。
【0057】
調査管理部223は、タイプ判定部222からタイプ判定終了情報を取得すると、タイプ判定終了情報に含まれる対象企業IDに基づき、記憶部23に記憶された対象企業IDと紐づいた利用者IDとタイプIDの組み合わせのうち、最新のタイプ判定用調査における利用者IDとタイプIDの組み合わせを取得する。
この際、調査管理部223は、現在の日付と、対象企業IDと紐づけて記憶部23に記憶されたタイプ調査実施期間とを参照して、最新のタイプ判定用調査における利用者IDとタイプIDの組み合わせを取得する。また、調査管理部223は、記憶部23から、最新のタイプ判定用調査における調査対象者全員について、利用者IDとタイプIDの組み合わせを取得する。
調査管理部223は、記憶部23から、調査対象者全員について、利用者IDとタイプIDの組み合わせを取得すると、相関関係情報に基づいて、調査対象者ごとの、エンゲージメントの阻害要因を判定する。
【0058】
ここで、エンゲージメント調査用質問には、複数の質問項目(以下「エンゲージメント質問項目」という。)が含まれる。また、フォロワーシップタイプは、複数のタイプに分類される。上述のとおり、相関関係情報は、フォロワーシップのタイプごとに、エンゲージメント評価値と各エンゲージメント質問項目の回答値との相関関係を分析した結果を示す情報である。
調査対象者は、複数のエンゲージメント質問項目のそれぞれに対して、例えば、「5」から「1」までの5段階の値を回答するよう指示される。
複数のエンゲージメント質問項目と各質問項目への回答方法は、ある1人の従業員について、すべてのエンゲージメント質問項目に対する回答(エンゲージメント調査用回答)の平均値が高いほど、その従業員のエンゲージメントが高いと評価され、同平均値が低いほど、その従業員のエンゲージメントが低いと評価されるように設定される。
【0059】
具体的には、エンゲージメント調査用質問に含まれるエンゲージメント質問項目としては、例えば、「会社の方針や施策について、どう思いますか?」、「会社と職場の方向性は合っていますか?」、「会社に成長機会はありますか?」、「仕事の意義を見出せていますか?」、「仕事内容は自分に合っていますか?」、「チームの管理状況について、どう思いますか?」、および、「自身の体調はどうですか?」等の、組織の制度、文化、業務内容、上司、または、自身の健康等を問うような内容の複数の質問項目が設定され得る。
実際のエンゲージメント質問項目の数としては、例えば、10~30項目程度が設定され得る。
【0060】
これらのエンゲージメント質問項目に対して調査対象者に指示する回答方法としては、例えば、「会社の方針や施策について、どう思いますか?」との質問項目に対しては、調査対象者は、会社の方針等について満足しているほど大きく、満足していないほど小さくなる回答値として、「5」から「1」までの5段階の値を回答するよう指示され、また、例えば、「仕事内容は自分に合っていますか?」との質問項目に対しては、仕事内容が自分に合っているほど大きく、合っていないほど小さくなる回答値として、同様に5段階の値を回答するよう指示されるというような回答方法が設定される。なお、段階数は、5以外の数(例えば10段階等)であってもよい。
【0061】
上述の具体例のような複数のエンゲージメント質問項目が設定されており、また、フォロワーシップタイプを、「開発型(未熟型)」、「自由型(自己中心型)」、「受動型(受動的忠実型)」、「能動型(能動的忠実型)」、および、「統合型(プロアクティブ型)」の5つのタイプに分類する場合を想定する。
この場合、相関関係情報には、例えば、「開発型(未熟型)」の従業員については、エンゲージメント評価値と、「会社に成長機会はありますか?」または「仕事の意義を見出せていますか?」等のエンゲージメント質問項目の回答値との、正の相関関係が強いことが示されている。また、相関関係情報には、例えば、「受動型(受動的忠実型)」の従業員については、エンゲージメント評価値と、「仕事の意義を見出せていますか?」または「仕事内容は自分に合っていますか?」等のエンゲージメント質問項目の回答値との、正の相関関係が強いことが示されている。
【0062】
このように、相関関係情報には、フォロワーシップの5つのタイプについて、タイプごとに、エンゲージメント評価値と各エンゲージメント質問項目の回答値との相関関係を分析した結果が示されており、調査管理部223は、利用者IDとタイプIDの組み合わせと、相関関係情報とに基づいて、調査対象者ごとに、一般的な傾向として、複数のエンゲージメント質問項目のうち、その回答値がエンゲージメント評価値と特に正の相関関係が強いものを特定することができる。
ある従業員のフォロワーシップタイプを考慮した場合に、一般的な傾向として、複数のエンゲージメント質問項目のうち、その回答値がエンゲージメント評価値と特に正の相関関係が強いものは、例えば、その質問項目への実際の回答値が比較的低い値を示す場合、その従業員のエンゲージメントの向上を阻害する可能性がある要因、つまり、エンゲージメントの阻害要因になりやすいものである。
【0063】
調査管理部223は、調査対象者ごとのエンゲージメントの阻害要因を判定すると、対象企業IDと、その調査対象者の利用者IDと、タイプ調査実施期間と、タイプIDと、判定された阻害要因とを紐づけて、記憶部23に記憶させる。
複数のエンゲージメント質問項目には、例えば、それぞれの質問項目に固有のID(以下「エンゲージメント質問項目ID」という。)が割り当てられていてもよい。その場合、調査管理部223は、エンゲージメント質問項目IDを阻害要因の判定結果として用いて、対象企業IDと利用者IDとタイプ調査実施期間とタイプIDとエンゲージメント質問項目IDとを紐づけて、記憶部23に記憶させてもよい。
以下では、記憶部23には、対象企業IDと利用者IDとタイプ調査実施期間とタイプIDとエンゲージメント質問項目IDとが紐づけて記憶されているものとする。
【0064】
また、調査管理部223は、情報処理装置2が、後述の従業員のエンゲージメント調査における質問に対する回答を取得する第2回答取得部225を備える場合、判定された従業員のフォロワーシップタイプと、従業員のエンゲージメント調査における質問に対する回答とに基づき、阻害要因を判定するものであってもよい。
サービスユーザ端末3についての説明において上述したように、サービスユーザ端末3は、従業員からの操作を受け付けて、エンゲージメント調査用回答を、情報処理装置2に送信することができるものであり得る。この場合、サービスユーザ端末3は、例えば、タイプ判定用回答について上述した2つの方法と同様な方法のうちいずれかによって、エンゲージメント調査用回答を情報処理装置2に送信することができる。ここでは、サービスユーザ端末3は、エンゲージメント調査用回答を、上述の第2の方法によって情報処理装置2に送信するものとしている。
サービスユーザ端末3から送信されたエンゲージメント調査用回答は、情報処理装置2の第2回答取得部225によって取得され、記憶部23に記憶される。記憶部23には、対象企業ID、調査対象者の利用者IDおよびエンゲージメント調査の調査実施期間が、エンゲージメント調査用回答と紐づけて記憶される。
【0065】
調査管理部223は、タイプ判定部222からタイプ判定終了情報を取得すると、タイプ判定終了情報に含まれる対象企業IDに基づき、記憶部23から、最新のタイプ判定用調査における利用者IDとタイプIDの組み合わせを取得するとともに、その利用者IDと紐づけられた最新のエンゲージメント調査用回答を取得することができる。
ここで、上述のとおり、調査管理部223は、利用者IDとタイプIDの組み合わせと、相関関係情報とに基づいて、調査対象者ごとに、一般的な傾向として、複数のエンゲージメント質問項目のうち、その回答値がエンゲージメント評価値と特に正の相関関係が強いものを、エンゲージメントの阻害要因として特定することができる。
調査管理部223は、これに加えて、調査対象者ごとのエンゲージメント調査用回答を取得しているため、その調査対象者が低い値の回答値(例えば「2」以下の回答値)の回答を行ったエンゲージメント質問項目のうち、その調査対象者のフォロワーシップタイプについて一般的な傾向として特定された阻害要因と一致するものを、実際の阻害要因として特定することができる。
【0066】
または、調査管理部223は、タイプ判定部222からタイプ判定終了情報を取得すると、タイプ判定終了情報に含まれる対象企業IDに基づき、記憶部23から、最新のタイプ判定用調査における利用者IDとタイプIDの組み合わせを取得するとともに、その利用者IDと紐づけられた、最新のエンゲージメント調査用回答と前回のエンゲージメント調査におけるエンゲージメント調査用回答を取得してもよい。
調査管理部223は、調査対象者が、最新のエンゲージメント調査用回答において前回のエンゲージメント調査用回答よりも所定閾値(例えば「2」)以上低い値の回答値の回答を行ったエンゲージメント質問項目のうち、その調査対象者のフォロワーシップタイプについて一般的な傾向として特定された阻害要因と一致するものを、実際の阻害要因として特定することができる。
【0067】
なお、記憶部23には、各エンゲージメント質問項目について、それぞれの質問内容の特性に応じた第1の所定閾値が定められ、ある従業員の最新のエンゲージメント調査用回答(回答値)が前回のエンゲージメント調査用回答(回答値)よりも第1の所定閾値以上低下した場合には、情報処理装置2は、例えば、その従業員を管理する管理職のサービスユーザ端末3に、警告を表示するものであってもよい。
また、記憶部23には、各エンゲージメント質問項目について、それぞれの質問内容の特性に応じた第2の所定閾値が定められ、ある従業員の最新のエンゲージメント調査用回答(回答値)が第2の所定閾値以下であった場合には、情報処理装置2は、例えば、その従業員を管理する管理職のサービスユーザ端末3に警告を表示するものであってもよい。
これらの場合に、調査管理部223は、フォロワーシップタイプに応じて一般的な傾向として特定された阻害要因と一致するエンゲージメント質問項目について、その第1の所定閾値と第2の所定閾値とを変更するものであってもよい。
【0068】
例えば、「仕事の意義を見出せていますか?」というエンゲージメント質問項目の第1の所定閾値は、通常「2」であり、第2の所定閾値は、通常「1」であるとする。
これに対し、「仕事の意義を見出せていますか?」というエンゲージメント質問項目は、「受動型(受動的忠実型)」のフォロワーシップタイプの従業員については、その回答値がエンゲージメント評価値と正の相関関係が強いため、同タイプの従業員のエンゲージメント調査用回答においては、第1の所定閾値を「1」に変更し、第2の所定閾値を「2」に変更する。
一方、この「仕事の意義を見出せていますか?」というエンゲージメント質問項目は、「統合型(プロアクティブ型)」のフォロワーシップタイプの従業員については、その回答値がエンゲージメント評価値と相関関係が弱いため、同タイプの従業員のエンゲージメント調査用回答においては、第1の所定閾値を「3」に変更し、第2の所定閾値を「0」(つまり、警告の対象としない)に変更する。
【0069】
調査管理部223は、阻害要因を特定すると、対象企業IDと利用者IDとタイプ調査実施期間とタイプIDを、阻害要因として特定されたエンゲージメント質問項目IDとを紐づけて、記憶部23に記憶させる。
【0070】
また、調査管理部223は、情報処理装置2が第2回答取得部225を備える場合、判定された従業員のフォロワーシップタイプと、従業員のエンゲージメント調査における質問に対する回答(エンゲージメント調査用回答)とに基づき、対象企業のエンゲージメントの総合スコアを算出するものであってもよい。
各従業員のエンゲージメントについては、上述のとおり、すべてのエンゲージメント質問項目に対する回答(エンゲージメント調査用回答)の平均値が高いほど、その従業員のエンゲージメントが高いと評価され、同平均値が低いほど、その従業員のエンゲージメントが低いと評価されるように設定される。
各エンゲージメント質問項目が5段階で回答される場合、従業員のエンゲージメント評価値、つまり、上述の平均値の範囲は、最大値が「5」であり、最小値が「1」となる。
【0071】
これに対し、対象企業のエンゲージメントの総合スコアは、例えば、最も簡単には、対象企業におけるすべての従業員についてのエンゲージメント評価値の平均値として算出され得る。各エンゲージメント質問項目が5段階で回答され、総合スコアがすべての従業員についてのエンゲージメント評価値の平均値である場合、総合スコアも、最大値が「5」であり、最小値が「1」となる。
【0072】
ここで、ある従業員のエンゲージメント評価値に対しては、その従業員のフォロワーシップタイプとの相関関係があり得る。本実施形態において一例として採用されている5つのタイプについては、例えば、「受動型(受動的忠実型)」は、従業員のエンゲージメントにプラスの影響(正の相関)を与え、「能動型(能動的忠実型)」は、マイナスの影響(負の相関)を与える等の相関関係がある。
調査管理部223は、対象企業のエンゲージメントの総合スコアを、単純に上述のような平均値で算出するのではなく、各従業員のエンゲージメント評価値とその従業員のフォロワーシップタイプとの相関関係が強調されて反映された値となるように算出してもよい。
【0073】
調査管理部223は、例えば、各従業員のエンゲージメント評価値について、その従業員のフォロワーシップタイプに応じた重み付けを行った上で、すべての従業員についてのエンゲージメント評価値の平均値を算出し、その算出された平均値を総合スコアとしてもよい。
また、調査管理部223は、例えば、従業員のエンゲージメント評価値と従業員のフォロワーシップタイプとの相関に基づき、複数のフォロワーシップタイプのうち、最大の正の相関を有するものが「5」となり、最大の負の相関を有するものが「1」となるような、タイプごとの値(以下「タイプ値」という。)を設定した上で、対象企業におけるすべての従業員について、タイプ値の平均値とエンゲージメント評価値の単純な平均値とを算出し、さらに、両平均値の単純平均値、または、両平均値の重み付け平均値を算出して、総合スコアとしてもよい。
【0074】
なお、総合スコアの算出方法は、算出に必要な重み付け値等の情報も含め、例えば、サービス提供業者によって予め設定され、記憶部23に記憶されている。サービス提供業者は、上述の算出方法に限らず、任意の算出方法を設定し得る。
【0075】
調査管理部223は、判定された従業員のフォロワーシップタイプに応じて、従業員のエンゲージメント調査における複数の質問(エンゲージメント質問項目)に対する複数の回答(エンゲージメント調査用回答)に重み付けを行って、対象企業のエンゲージメントの総合スコアを算出するものであってもよい。
記憶部23には、フォロワーシップタイプごとに、エンゲージメント評価値と各エンゲージメント質問項目の回答値との一般的な相関関係を示す、上述の相関関係情報が予め記憶されている。
調査管理部223は、この相関関係情報を利用して、各従業員のエンゲージメント評価値を、単純平均値で算出するのではなく、フォロワーシップごとの、エンゲージメント評価値と各エンゲージメント質問項目の回答値の相関が強調されて反映された値となるように算出してもよい。
調査管理部223は、例えば、各従業員のエンゲージメント調査用回答における複数のエンゲージメント質問項目に対する回答値のそれぞれについて、相関関係情報を利用して、その従業員のフォロワーシップタイプに応じた重み付けを行った上で、すべてのエンゲージメント質問項目に対する回答値の平均値を算出し、その算出された平均値を総合スコアとしてもよい。
【0076】
なお、上述の説明では、調査管理部223がタイプ判定部222からタイプ判定終了情報を取得すると第1の管理態様の管理を行う例を示したが、調査管理部223は、サービスユーザ端末3によって、調査結果表示情報の送信の要求がなされた後に、第1の管理態様の管理を行ってもよい。この場合、タイプ判定部222は、調査管理部223にタイプ判定終了情報を出力する必要はない。
【0077】
次に、第2の管理態様の例を説明する。
調査管理部223は、判定された従業員のフォロワーシップタイプに応じて、従業員のエンゲージメント調査の実施頻度を決定するものであってもよい。
例えば、従業員のフォロワーシップタイプの中には、一般的に、エンゲージメント評価値が短期間(例えば1~2か月程度)では変化しにくいタイプと、短期間で変化しやすいタイプがある。このことを考慮して、記憶部23には、フォロワーシップタイプごとに、エンゲージメント調査の実施頻度を示す情報が記憶され得る。実施頻度としては、例えば、エンゲージメント評価値が短期間で変化しやすく、頻度を多くすべきフォロワーシップタイプの場合は、1か月ごとに実施、エンゲージメント評価値が短期間では変化しにくく、頻度が少なくてもよいフォロワーシップタイプの場合は、数か月ごとに一度の頻度が設定される。
この実施頻度を示す情報は、例えば、サービス提供業者によって予め設定され、記憶部23に記憶されている。
【0078】
調査管理部223は、タイプ判定部222からタイプ判定終了情報を取得すると、記憶部23に記憶されたエンゲージメント調査の実施頻度を示す情報と、各従業員について判定されたフォロワーシップタイプに応じて、その従業員に対するエンゲージメント調査の実施頻度を決定する。
エンゲージメント調査については、対象企業は、上述の第1の方法において示した方法でエンゲージメント調査を実施する場合と、上述の第2の方法において示した方法でエンゲージメント調査を実施する場合がある。
【0079】
対象企業が、例えば、調査対象者全員についてタイプ判定用調査を行い、調査対象者全員分のタイプ判定用回答を得ておく場合(上述の第1の方法参照)、調査管理部223は、決定した実施頻度を対象企業のエンゲージメント調査担当者が使用するサービスユーザ端末3に送信する。対象企業は、送信された実施頻度を考慮し、各調査対象者に対して、エンゲージメント調査を実施する。
また、対象企業が、例えば、調査対象者全員について、各調査対象者が使用するサービスユーザ端末3に情報処理装置2から送信されるエンゲージメント調査用質問を利用して、エンゲージメント調査を行う場合(上述の第2の方法を参照)、調査管理部223は、各調査対象者について、次回のエンゲージメント調査の調査実施予定期間を決定して記憶部23に記憶しておき、現在の日付が調査実施予定期間に含まれる調査開始年月日になると、各調査対象者が使用するサービスユーザ端末3にエンゲージメント調査用質問を送信する。
【0080】
また、上述のように、エンゲージメント質問項目の中には、一般的に、フォロワーシップタイプごとに、その回答値がエンゲージメント評価値との相関関係が高いものと低いものがある。このことを考慮して、記憶部23には、フォロワーシップタイプごと、かつ、エンゲージメント質問項目ごとに、従業員にそのエンゲージメント質問項目を質問する実施頻度を示す情報が記憶されていてもよい。この実施頻度を示す情報は、例えば、サービス提供業者によって予め設定され、記憶部23に記憶されている。
実施頻度を示す情報は、例えば、「仕事の意義を見出せていますか?」というエンゲージメント質問項目については、「受動型(受動的忠実型)」のフォロワーシップタイプの従業員に対しては、その回答値がエンゲージメント評価値との正の相関関係が強いため、「受動型(受動的忠実型)」のフォロワーシップタイプの従業員に対してこの質問項目を質問する実施頻度は、毎回のエンゲージメント調査とする一方、「統合型(プロアクティブ型)」のフォロワーシップタイプの従業員に対しては、相関関係が弱いため、「統合型(プロアクティブ型)」のフォロワーシップタイプの従業員に対してこの質問項目を質問する実施頻度は、数回のエンゲージメント調査につき1回とすること等を示している。
【0081】
調査管理部223は、タイプ判定部222からタイプ判定終了情報を取得すると、記憶部23に記憶されたフォロワーシップタイプごと、かつ、エンゲージメント質問項目ごとの実施頻度を示す情報と、各従業員について判定されたフォロワーシップタイプに応じて、その従業員に対するエンゲージメント質問項目を質問する実施頻度を決定する。
【0082】
対象企業が、例えば、調査対象者全員についてタイプ判定用調査を行い、調査対象者全員分のタイプ判定用回答を得ておく場合(上述の第1の方法参照)、調査管理部223は、各従業員について決定したエンゲージメント質問項目を質問する実施頻度を対象企業のエンゲージメント調査担当者が使用するサービスユーザ端末3に送信する。対象企業は、送信されたエンゲージメント質問項目の実施頻度を考慮し、各調査対象者に対して、エンゲージメント調査を実施する。
また、対象企業が、例えば、調査対象者全員について、各調査対象者が使用するサービスユーザ端末3に情報処理装置2から送信されるエンゲージメント調査用質問を利用して、エンゲージメント調査を行う場合(上述の第2の方法を参照)、調査管理部223は、各調査対象者について、次回のエンゲージメント調査におけるエンゲージメント質問項目を決定し、現在の日付が記憶部23に記憶されたエンゲージメント調査の調査開始年月日になると、各調査対象者が使用するサービスユーザ端末3に、決定されたエンゲージメント質問項目を含むタイプ判定用質問を送信する。
【0083】
(表示情報生成部)
表示情報生成部224は、エンゲージメント調査の結果に関する表示を行うための表示情報(調査結果表示情報)を生成する。
表示情報生成部224は、従業員からの操作を受け付けたサービスユーザ端末3から、調査結果表示情報の送信の要求(以下「調査結果送信要求」という。)を取得すると、調査結果表示情報を生成する。調査結果送信要求には、例えば、対象企業IDおよび利用者IDが含まれる。
表示情報生成部224は、調査結果送信要求に含まれる対象企業IDおよび利用者IDに基づき、記憶部23を参照して、その対象企業IDおよび利用者IDと紐づけて記憶された、エンゲージメント調査用回答を取得する。表示情報生成部224は、取得したエンゲージメント調査用回答に基づき、例えば、すべてのエンゲージメント質問項目に対するエンゲージメント調査用回答の平均値を算出し、算出した平均値をエンゲージメント評価値として表示するための調査結果表示情報を生成し、サービスユーザ端末3に送信する。
【0084】
なお、表示情報生成部224は、記憶部23に記憶されたエンゲージメント調査の調査実施期間に基づき、最新のエンゲージメント調査用回答のみを取得してもよいし、最新のエンゲージメント調査用回答も含めて過去の所定回数のエンゲージメント調査におけるエンゲージメント調査用回答を取得してもよい。
後者の場合、記憶部23には、予めサービス提供業者によって設定された所定回数(例えば10回)が、記憶されていてもよいし、それに代えてまたはそれに加えて、従業員がサービスユーザ端末3を使用して所定回数を指定する操作を行うことによって、調査結果送信要求に指定された所定回数が含まれてもよい。表示情報生成部224は、記憶部23に記憶された所定回数または調査結果送信要求に含まれた所定回数に基づき、所定回数のエンゲージメント調査におけるエンゲージメント調査用回答を取得する。また、表示情報生成部224は、記憶部23に所定回数が記憶されるとともに、調査結果送信要求にも所定回数が含まれている場合は、調査結果送信要求に含まれる所定回数を優先する。
【0085】
また、上述のとおり、例えば、一般の従業員は、自身のエンゲージメント調査結果のみを閲覧可能であるのに対し、管理職は、自身が管理する従業員全員の調査結果も閲覧可能であり、また、人事部等に所属するエンゲージメント調査担当者は、調査支援サービスに関する各種設定を行えるほか、調査結果に関するすべての情報を閲覧可能であり得る。この場合、各利用者IDには、その利用者IDを使用する従業員が利用可能な調査支援サービスの内容を示す権限情報が紐づけられて、記憶部23に記憶されている。また、利用者IDが管理職としての権限情報と紐づけられている場合、記憶部23には、その管理職が管理する従業員の利用者IDも、その管理職の利用者IDと紐づけて記憶されている。
【0086】
表示情報生成部224は、調査結果送信要求に含まれる利用者IDに基づき、記憶部23を参照して、送信の要求が、一般の従業員、管理職、または、エンゲージメント調査担当者のいずれから要求されたものかを区別し、権限に応じた表示を行うための調査結果表示情報を生成し、サービスユーザ端末3に送信する。
表示情報生成部224は、利用者IDが一般の従業員としての権限情報と紐づけられている場合、その利用者IDと紐づけて記憶されたエンゲージメント調査用回答のみを取得して調査結果表示情報を生成する。また、表示情報生成部224は、利用者IDが管理職としての権限情報と紐づけられている場合、その管理職の利用者IDおよびその管理職の利用者IDと紐づけて記憶された従業員の利用者IDと紐づけられたエンゲージメント調査用回答を取得して調査結果表示情報を生成する。また、表示情報生成部224は、利用者IDがエンゲージメント調査担当者としての権限情報と紐づけられている場合、対象企業全員の利用者IDと紐づけられたエンゲージメント調査用回答を取得して調査結果表示情報を生成する。
【0087】
サービスユーザ端末3は、表示情報生成部224から調査結果表示情報を取得すると、取得した調査結果表示情報に基づき、表示画面にエンゲージメント調査の結果に関する表示を行う。
例えば、一般の従業員が使用するサービスユーザ端末3には、エンゲージメント調査の結果に関する表示として、その従業員のエンゲージメント調査結果のみが表示される。
【0088】
エンゲージメント調査結果の表示には、エンゲージメント調査の調査実施期間と、エンゲージメント質問項目と、その質問項目ごとのエンゲージメント調査用回答(回答値)と、エンゲージメント評価値等の表示が含まれる。加えて、エンゲージメント調査結果の表示には、その従業員のフォロワーシップタイプの判定結果の表示が含まれていてもよい。
また、エンゲージメント調査結果の表示には、最新のエンゲージメント調査用回答も含めた過去の所定回数のエンゲージメント調査におけるエンゲージメント調査用回答に基づき、回答値の推移およびエンゲージメント評価値の推移が含まれていてもよい。
【0089】
管理職が使用するサービスユーザ端末3には、その管理職が管理する従業員全員のエンゲージメント調査結果が一覧または従業員別に表示され得る。また、エンゲージメント調査担当者が使用するサービスユーザ端末3には、対象企業の従業員全員のエンゲージメント調査結果または部署別のエンゲージメント調査結果等が表示され得る。
【0090】
表示情報生成部224は、判定された阻害要因を示す表示情報(調査結果表示情報)を生成するものであってもよい。
例えば、管理職は、その管理職が管理する従業員のエンゲージメントが低い場合または低下した場合、速やかに対策を講じることが望ましい。そこで、表示情報生成部224は、調査管理部223が、上述のように、阻害要因を判定するものである場合、判定された阻害要因を示す調査結果表示情報を生成する。
表示情報生成部224は、記憶部23に、その管理職が管理する従業員の利用者IDと紐づけて、阻害要因として特定されたエンゲージメント質問項目IDが記憶されている場合、そのエンゲージメント質問項目IDが示すエンゲージメント質問項目を、阻害要因として示す調査結果表示情報を生成する。
【0091】
管理職のサービスユーザ端末3に、ある従業員のエンゲージメント調査結果として、複数のエンゲージメント質問項目が表示されている場合、阻害要因は、例えば、複数のエンゲージメント質問項目のうち、阻害要因として特定されたエンゲージメント質問項目を強調表示することによって、表示される。
強調表示としては、例えば、阻害要因として特定されたエンゲージメント質問項目の表示色を、他のエンゲージメント質問項目よりも目立つ表示色で表示する、または、阻害要因として特定されたエンゲージメント質問項目のみに、警告を示すマークを付加して表示する等の態様があり得る。
また、阻害要因は、文章で表示されてもよい。文章は、例えば、「特に、『会社の方針や施策について、どう思いますか?』との質問項目に対して、会社の方針等に満足していないことを示す低い値の回答(回答値:1)がなされています。このことが、エンゲージメント評価値が低い主要な要因となっています。」等の内容である。
【0092】
表示情報生成部224は、判定された阻害要因と判定された従業員のフォロワーシップタイプとに応じたアドバイスを示す表示情報を生成するものであってもよい。
フォロワーシップタイプが互いに異なる複数の従業員について、その阻害要因が共通であったとしても、フォロワーシップタイプごとに、推奨される対策は異なる場合がある。
したがって、フォロワーシップタイプと無関係に一律のアドバイスを示すのではなく、判定されたフォロワーシップタイプに応じたアドバイスを示すことは有用である。
【0093】
記憶部23には、例えば、従業員のフォロワーシップごとの一般的なアドバイスが、例えば、サービス提供業者によって予め設定され、記憶されている。一般的なアドバイスは、一般的な、従業員のフォロワーシップタイプと、エンゲージメント調査の各質問項目との相関関係を考慮して、文章として作成されたものである。アドバイスの内容としては、例えば、ある従業員について判定されたフォロワーシップタイプが一般的にどのような特徴を有するかが記述され、また、そのフォロワーシップタイプの従業員がエンゲージメントを低下させる主要な要因(阻害要因)として一般的にどのようなものがあるかが、エンゲージメント質問項目との関係が理解できるように記述されるとともに、その要因(阻害要因)を解消するための一般的に推奨される対策が記述される。
表示情報生成部224は、記憶部23に、管理職が管理する従業員の利用者IDと紐づけて、阻害要因として特定されたエンゲージメント質問項目IDが記憶されている場合、そのエンゲージメント質問項目IDが示すエンゲージメント質問項目を、阻害要因として示すとともに、その利用者IDに紐づけて記憶されたタイプIDに紐づけて記憶されたアドバイスの内容を示す、調査結果表示情報を生成する。
【0094】
また、調査結果表示情報により表示されるアドバイスは、判定された阻害要因のみに特化した内容のアドバイスであってもよい。
各阻害要因は、エンゲージメント質問項目として特定されるため、記憶部23には、例えば、各エンゲージメント質問項目IDと紐づけて、そのエンゲージメント質問項目IDが示すエンゲージメント質問項目が阻害要因として特定された場合の、フォロワーシップタイプごとのアドバイスが記述された文章が紐づけて記憶されていてもよい。記憶部23には、例えば、エンゲージメント質問項目IDとタイプIDとアドバイスとが紐づけて記憶されている。
表示情報生成部224は、記憶部23に、管理職が管理する従業員の利用者IDと紐づけて、阻害要因として特定されたエンゲージメント質問項目IDが記憶されている場合、そのエンゲージメント質問項目IDが示すエンゲージメント質問項目を阻害要因として取得する。また、表示情報生成部224は、記憶部23から、利用者IDに紐づけて記憶されたタイプIDを取得し、阻害要因としてのエンゲージメント質問項目のエンゲージメント質問項目IDとタイプIDとに紐づけて記憶されたアドバイスを取得する。そして、表示情報生成部224は、阻害要因とアドバイスの内容とを示す調査結果表示情報を生成する。
【0095】
サービス提供業者は、例えば、対象企業において実際に実施された対策とその結果に関する情報(以下「実績情報」という。)を、対象企業から収集して蓄積してもよい。実績情報には、例えば、対象企業ID、対策の対象となった従業員の利用者IDとそのフォロワーシップタイプを示すタイプID、判定された阻害要因としてのエンゲージメント質問項目のエンゲージメント質問項目ID、対策を行った管理職の利用者ID、対策の内容を示す情報、および、エンゲージメント向上の効果の有無等が含まれる。そして、サービス提供業者は、蓄積された実績情報に基づき、効果があった対策を考慮して、記憶部23に記憶されたアドバイスの内容を更新してもよい。
【0096】
上述の例では、記憶部23には、例えば、エンゲージメント質問項目IDとタイプIDとアドバイスとが紐づけて記憶されており、表示情報生成部224は、いわゆるルールベースで、アドバイスを取得するものであったが、調査支援サービスの提供開始前後のいずれであっても、蓄積された実績情報が十分な量になった場合は、ルールベースの判定方法における利用も可能であるし、または、機械学習モデルを利用した判定方法を採用することも可能である。
機械学習モデルの学習は、例えば、説明変数としての、対策の対象となった従業員のフォロワーシップタイプを示すタイプIDとエンゲージメント質問項目IDと、目的変数としての、効果のあった対策の内容を示す情報とがセットとなった複数セットの学習データを利用して行われ得る。説明変数には、例えば、対象企業IDが示す対象企業の規模もしくは業種、利用者IDが示す従業員の特性(年齢、性別、勤続年数等)、または、利用者IDが示す管理職の特性(PM(Performance-Maintenance)理論等によるリーダーシップのタイプ、年齢、性別、管理職の経験年数、職種等)の他の要素が付加されもよい。
【0097】
なお、調査管理部223は、阻害要因を、エンゲージメント質問項目として特定し、表示情報生成部224は、特定されたエンゲージメント質問項目を種々の態様で表示するための調査結果表示情報を生成し得る。このような、特定されたエンゲージメント質問項目を種々の態様で表示するための調査結果表示情報自体も、従業員のフォロワーシップタイプに応じたアドバイスとなり得る。
【0098】
表示情報生成部224は、判定された従業員のフォロワーシップタイプごとの、従業員のエンゲージメント調査の結果の統計を示す表示情報(調査結果表示情報)を生成するものであってもよい。
上述のとおり、例えば、管理職は、自身が管理する従業員全員の調査結果も閲覧可能であり、また、エンゲージメント調査担当者は、調査結果に関するすべての情報を閲覧可能であり得る。
【0099】
表示情報生成部224は、調査結果送信要求に含まれる利用者IDが管理職としての権限情報と紐づけられている場合、その管理職が管理する部署全体についての、従業員のエンゲージメント調査の結果の統計を示す調査結果表示情報を生成することができる。この場合、表示情報生成部224は、管理職の参考とするため、対象企業全体についての、従業員のエンゲージメント調査の結果の統計を加えて示す調査結果表示情報を生成してもよい。
また、表示情報生成部224は、利用者IDがエンゲージメント調査担当者としての権限情報と紐づけられている場合、対象企業全体または対象企業の任意の単位の部署全体についての、従業員のエンゲージメント調査の結果の統計を示す調査結果表示情報を生成することができる。
これらの統計と、各従業員のエンゲージメント調査結果の個別表示等とは、管理職またはエンゲージメント調査担当者の操作によって選択的に表示可能となっていてもよいし、両者は、一つの表示画面において同時に表示されるものであってもよい。
【0100】
統計は、部署単位または対象企業全体の最新のエンゲージメント調査の結果に基づいて、フォロワーシップタイプごとに、そのフォロワーシップタイプを有する従業員全員のエンゲージメント質問項目ごとのエンゲージメント調査用回答(回答値)の平均値、および、エンゲージメント評価値の平均値を示すものであってよい。
また、統計は、部署単位または対象企業全体の過去の所定回数のエンゲージメント調査の結果に基づいて、フォロワーシップタイプごとに、エンゲージメント質問項目ごとのエンゲージメント調査用回答(回答値)の平均値と、エンゲージメント評価値の平均値の推移を示すものであってもよい。
【0101】
(第2回答取得部)
第2回答取得部225は、従業員のエンゲージメント調査における質問に対する回答(エンゲージメント調査用回答)を取得する。
第2回答取得部225は、サービスユーザ端末3から、エンゲージメント調査用回答を取得する。上述のとおり、サービスユーザ端末3が、情報処理装置2に、エンゲージメント調査用回答を送信する方法には、例えば、第1の方法と第2の方法の2つがあるところ、ここでは、第2の方法が採用されているとして説明する。
【0102】
情報処理装置2の記憶部23には、エンゲージメント調査用質問、ある対象企業においてエンゲージメント調査を実施する期間を示すエンゲージメント調査実施予定期間、および、調査対象者となる従業員の利用者IDが、対象企業IDと紐づけて記憶されている。情報処理装置2は、現在の日付が記憶部23に記憶された調査開始年月日になると、対象企業IDが示す対象企業における、各利用者IDが示す調査対象者が使用するサービスユーザ端末3に、エンゲージメント調査用質問、および、エンゲージメント調査実施予定期間を示す情報を送付する。
サービスユーザ端末3は、情報処理装置2からエンゲージメント調査用質問が送信されると、サービスユーザ端末3が有する表示画面に、エンゲージメント調査用質問を表示し、調査対象者からの回答を受け付ける。
【0103】
各調査対象者がサービスユーザ端末3を使用して必要な全項目への回答を終了すると、サービスユーザ端末3は、エンゲージメント調査用回答を生成し、生成したエンゲージメント調査用回答を、対象企業ID、調査対象者の利用者IDおよびエンゲージメント調査実施予定期間と紐づけて、情報処理装置2に送信する。
エンゲージメント調査用回答と紐づけて記憶部23に記憶されたエンゲージメント調査実施予定期間は、情報処理装置2によって、そのエンゲージメント調査用回答を得るためのエンゲージメント調査が実際に実施された期間(エンゲージメント調査実施期間)を示すものとして扱われる。以下、エンゲージメント調査用回答と紐づけて記憶部23に記憶されたエンゲージメント調査実施予定期間を、単に「エンゲージメント調査実施期間」ともいう。
【0104】
サービスユーザ端末3がエンゲージメント調査用回答を情報処理装置2に送信すると、情報処理装置2の第2回答取得部225が、送信されたエンゲージメント調査用回答を取得する。第2回答取得部225は、エンゲージメント調査用回答を取得すると、エンゲージメント調査用回答と紐づけて送信された対象企業ID、調査対象者の利用者IDおよびエンゲージメント調査実施期間を、エンゲージメント調査用回答と紐づけて記憶部23に記憶させる。
対象企業における調査対象者全員が各自のサービスユーザ端末3を使用して、エンゲージメント調査用質問に対して回答し終わると、情報処理装置2は、調査対象者全員分のエンゲージメント調査用回答を取得し、記憶部23に記憶させることになる。
また、第2回答取得部225は、エンゲージメント調査用回答を取得すると、エンゲージメント調査用回答と紐づけて送信された対象企業ID、調査対象者の利用者IDおよびエンゲージメント調査実施期間を、エンゲージメント調査用回答と紐づけて、調査管理部223に出力する。
調査管理部223は、例えば、第2回答取得部225から、エンゲージメント調査用回答等を取得すると、上述の処理を行うことができる。
【0105】
(情報処理方法)
図3は、実施の形態1に係る情報処理方法を示すフローチャートである。この情報処理方法は、情報処理装置2により実行される。
第1回答取得部221が、対象企業における従業員のフォロワーシップタイプの判定用質問(タイプ判定用質問)に対する回答(タイプ判定用回答)を取得する(ステップST1)。
タイプ判定部222が、タイプ判定用回答に基づいて、従業員のフォロワーシップタイプを判定する(ステップST2)。
調査管理部223が、従業員のフォロワーシップタイプの判定結果を利用して、従業員のエンゲージメント調査を管理する(ステップST3)。
表示情報生成部224が、エンゲージメント調査の結果に関する表示を行うための表示情報(調査結果表示情報)を生成する(ステップST4)。
【0106】
なお、情報処理装置2は、少なくとも、第1回答取得部221、タイプ判定部222、調査管理部223、および、表示情報生成部224の機能を備えていればよく、第2回答取得部225は、任意に付加される機能である。
【0107】
以上のように、実施の形態1に係る情報処理装置2は、対象企業における従業員のフォロワーシップタイプの判定用質問(タイプ判定用質問)に対する回答(タイプ判定用回答)を取得する、第1回答取得部221と、回答(タイプ判定用回答)に基づいて、従業員のフォロワーシップタイプを判定するタイプ判定部222と、従業員のフォロワーシップタイプの判定結果を利用して、従業員のエンゲージメント調査を管理する調査管理部223と、エンゲージメント調査の結果に関する表示を行うための表示情報(調査結果表示情報)を生成する表示情報生成部224と、を備える。
実施の形態1に係る情報処理装置2によって、対象企業における、従業員のフォロワーシップタイプを考慮したエンゲージメント調査を支援するための情報処理装置を得ることができる。
【0108】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、調査管理部223は、判定された従業員のフォロワーシップタイプに基づき、従業員のエンゲージメントの阻害要因を判定するものであってよい。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置2は、判定された従業員のフォロワーシップタイプに応じた一般的な従業員のエンゲージメントの阻害要因を判定することができる。このように阻害要因が判定され、特定されることによって、対象企業は、従業員のフォロワーシップタイプに応じて生じ得る阻害要因を認識し、その阻害要因が生じないための対策を講じることができる。
【0109】
実施の形態1に係る情報処理装置2は、さらに、従業員のエンゲージメント調査における質問(エンゲージメント調査用質問)に対する回答(エンゲージメント調査用回答)を取得する、第2回答取得部225を備え、調査管理部223は、判定された従業員のフォロワーシップタイプと、従業員のエンゲージメント調査における質問(エンゲージメント調査用質問)に対する回答(エンゲージメント調査用回答)とに基づき、阻害要因を判定するものであってもよい。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置2は、判定された従業員のフォロワーシップタイプに応じて、実際に生じた従業員のエンゲージメントの阻害要因を判定することができる。このように阻害要因が判定され、特定されることによって、対象企業は、従業員のフォロワーシップタイプに応じて生じた阻害要因を認識し、その阻害要因を排除するための対策を講じることができる。
【0110】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、調査管理部223は、判定された従業員のフォロワーシップタイプに応じて、従業員のエンゲージメント調査の実施頻度を決定するものであってもよい。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置2は、判定された従業員のフォロワーシップタイプに応じて、従業員のエンゲージメント調査自体の実施頻度、または、エンゲージメント質問項目ごとの質問の実施頻度を変更することができる。
従業員のフォロワーシップタイプの中には、一般的に、エンゲージメント評価値が短期間(例えば1~2か月程度)では変化しにくいタイプと、短期間で変化しやすいタイプがある。実施の形態1に係る情報処理装置2は、このことを考慮して、従業員のフォロワーシップタイプに応じて、エンゲージメント調査自体の実施頻度を変更させることができる。また、エンゲージメント質問項目の中には、一般的に、それぞれのフォロワーシップタイプとの相関関係が高いものと低いものがある。実施の形態1に係る情報処理装置2は、このことを考慮して、エンゲージメント質問項目ごとの質問の実施頻度を変更させることができる。
【0111】
実施の形態1に係る情報処理装置2は、前述の第2回答取得部225を備え、調査管理部223は、判定された従業員のフォロワーシップタイプと、従業員のエンゲージメント調査における質問に対する回答(エンゲージメント調査用回答)とに基づき、対象企業のエンゲージメントの総合スコアを算出するものであってもよい。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置2は、判定された従業員のフォロワーシップタイプと、従業員のエンゲージメント調査における質問に対する回答とに基づき、対象企業のエンゲージメントの総合スコアを算出することができる。ある従業員のエンゲージメント評価値に対しては、その従業員のフォロワーシップタイプとの相関関係があり得る。実施の形態1に係る情報処理装置2は、対象企業のエンゲージメントの総合スコアを、単純平均値で算出するのではなく、各従業員のエンゲージメント評価値とその従業員のフォロワーシップタイプとの相関関係が強調されて反映された値となるように算出できる。
【0112】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、調査管理部223は、判定された従業員のフォロワーシップタイプに応じて、従業員のエンゲージメント調査における複数の質問(エンゲージメント質問項目)に対する複数の回答(エンゲージメント調査用回答)に重み付けを行って、対象企業のエンゲージメントの総合スコアを算出するものであってもよい。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置2は、判定された従業員のフォロワーシップタイプに応じて、従業員のエンゲージメント調査における複数の質問に対する複数の回答に重み付けを行って、対象企業のエンゲージメントの総合スコアを算出することができる。この場合も、実施の形態1に係る情報処理装置2は、対象企業のエンゲージメントの総合スコアを、単純平均値で算出するのではなく、各従業員のエンゲージメント評価値とその従業員のフォロワーシップタイプとの相関関係が強調されて反映された値となるように算出できる。
【0113】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、表示情報生成部224は、判定された阻害要因を示す表示情報(調査結果表示情報)を生成するものであってもよい。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置2は、判定された阻害要因を、例えば、サービスユーザ端末3の表示画面に表示させることできる。したがって、対象企業は、従業員のフォロワーシップタイプに応じて生じ得る阻害要因または生じた阻害要因を認識し、その阻害要因が生じないようにするための対策またはその阻害要因を排除するための対策を講じることができる。
【0114】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、表示情報生成部224は、判定された阻害要因と判定された従業員のフォロワーシップタイプとに応じたアドバイスを示す表示情報(調査結果表示情報)を生成するものであってもよい。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置2は、判定された阻害要因と判定された従業員のフォロワーシップタイプとに応じたアドバイスを、例えば、サービスユーザ端末3の表示画面に表示させることができる。したがって、対象企業は、アドバイスに基づいて、阻害要因を排除するための対策を講じることができる。
【0115】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、表示情報生成部224は、判定された従業員のフォロワーシップタイプごとの、従業員のエンゲージメント調査の結果の統計を示す表示情報(調査結果表示情報)を生成するものであってもよい。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置2は、判定された従業員のフォロワーシップタイプごとの、従業員のエンゲージメント調査の結果の統計を、例えば、サービスユーザ端末3の表示画面に表示させることができる。したがって、対象企業は、統計情報を確認した上で、それぞれの状況に適した対策を講じることができる。
【0116】
実施の形態1に係るプログラムは、コンピュータを情報処理装置2として機能させる。
実施の形態1に係るプログラムは、コンピュータを、企業における、従業員のフォロワーシップタイプを考慮したエンゲージメント調査を支援するための情報処理装置2として機能させることができる。
【0117】
実施の形態1に係る情報処理方法は、第1回答取得部221が、対象企業における従業員のフォロワーシップタイプの判定用質問(タイプ判定用質問)に対する回答(タイプ判定用回答)を取得するステップST1と、タイプ判定部222が、回答(タイプ判定用回答)に基づいて、従業員のフォロワーシップタイプを判定するステップST2と、調査管理部223が、従業員のフォロワーシップタイプの判定結果を利用して、従業員のエンゲージメント調査を管理するステップST3と、表示情報生成部224が、エンゲージメント調査の結果に関する表示を行うための表示情報(調査結果表示情報)を生成するステップST4と、を備える。
この実施の形態1に係る情報処理方法により、企業における、従業員のフォロワーシップタイプを考慮したエンゲージメント調査を支援するための方法が得られる。
【符号の説明】
【0118】
1 情報処理システム、2 情報処理装置、3 サービスユーザ端末、4 ネットワーク、21 通信部、22 演算部、23 記憶部、100 通信インタフェース、101 入出力インタフェース、102 プロセッサ、103 メモリ、221 第1回答取得部、222 タイプ判定部、223 調査管理部、224 表示情報生成部、225 第2回答取得部。
図1
図2
図3