(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168406
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】学習支援装置、学習支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/338 20190101AFI20241128BHJP
G09B 19/06 20060101ALI20241128BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20241128BHJP
【FI】
G06F16/338
G09B19/06
G06F3/04842
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085046
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東 侑之介
【テーマコード(参考)】
5B175
5E555
【Fターム(参考)】
5B175DA09
5B175JB02
5E555AA26
5E555BA07
5E555BB07
5E555BC17
5E555DB41
5E555DC31
5E555EA03
5E555EA04
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザに所定の単語の復習の機会及び効率の良い学習方法を提供する。
【解決手段】電子辞書(学習支援装置)は、所定の辞書データを対象にした見出し語の検索結果として、当該見出し語に対応する例文が含まれる説明情報を表示させる。この際、電子辞書は、例文中に予め所定の単語帳に登録されている単語が含まれている場合に、当該単語が強調されるように、例文を表示させる。検索結果画面164には、見出し語に対応する説明情報が表示されている。検索結果画面164には、検索対象の見出し語が表示された見出し語領域61、見出し語に対応する例文が表示された例文領域63等が含まれる。例文領域63において、単語帳に登録されている単語と一致した英単語63Aと、その和訳63Bと、が強調されるように表示されている。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の辞書データを対象にした見出し語の検索結果として、当該見出し語に対応する例文が含まれる説明情報を表示させる際に、前記例文中に予め所定の単語帳に登録されている単語が含まれている場合に、当該単語が強調されるように前記例文を表示させる制御部を備える学習支援装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記例文中に、前記単語帳に登録されている単語であって所定の属性が対応付けられている単語が含まれている場合に、当該単語が強調されるように前記例文を表示させる、
請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項3】
前記単語帳には、単語ごとに、当該単語をユーザが未習得であるか否かを示す識別情報が対応付けられており、
前記所定の属性が対応付けられている単語は、前記識別情報が未習得であることを示している単語である、
請求項2に記載の学習支援装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記単語帳に登録されている単語が前記例文中に複数含まれている場合に、所定の基準に基づいて、前記例文中で強調させる単語を決定する、
請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記例文中で強調させる単語の数を所定の数以下に制限する、
請求項4に記載の学習支援装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記単語帳に登録されている単語が強調されるように前記例文を表示させる際に、当該単語に関する付帯情報を表示させる、
請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項7】
前記付帯情報は、前記強調される単語が前記単語帳において閲覧された回数である、
請求項6に記載の学習支援装置。
【請求項8】
前記付帯情報は、前記強調される単語が前記単語帳に登録された日付である、
請求項6に記載の学習支援装置。
【請求項9】
前記付帯情報は、前記強調される単語の重要度である、
請求項6に記載の学習支援装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記見出し語が強調されるように前記説明情報を表示させる、
請求項1から9のいずれか一項に記載の学習支援装置。
【請求項11】
学習支援に係るコンピュータが実行する学習支援方法であって、
所定の辞書データを対象にした見出し語の検索結果として、当該見出し語に対応する例文が含まれる説明情報を表示させる際に、前記例文中に予め所定の単語帳に登録されている単語が含まれている場合に、当該単語が強調されるように前記例文を表示させるステップを含む学習支援方法。
【請求項12】
コンピュータに、
所定の辞書データを対象にした見出し語の検索結果として、当該見出し語に対応する例文が含まれる説明情報を表示させる際に、前記例文中に予め所定の単語帳に登録されている単語が含まれている場合に、当該単語が強調されるように前記例文を表示させるステップを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習支援装置、学習支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子辞書における単語検索機能が利用されている。また、ユーザが習得したい単語を選択して作成する単語帳についても、電子化が進んでいる。例えば、電子辞書で単語を引いた後、単語とその意味を単語帳データとして登録する単語帳機能付電子辞書が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
ユーザが調べたい単語(「単語a」とする。)を、電子辞書を用いて検索した場合、検索結果として、単語aの「意味」の他、単語aを使用した「例文」も表示されることがある。例文には、検索対象とした単語a以外の単語も含まれる。そのため、表示される例文に、ユーザが過去に検索した単語や、習得したい単語として意識した単語が含まれている場合がある。このような単語が含まれる例文を閲覧することは、ユーザにとって、当該単語を復習し、記憶に定着させる絶好の機会である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、単に例文が表示されるだけでは、ユーザは、例文中に自分が習得したい単語が含まれていても、その単語を見逃してしまう可能性があった。ユーザが習得したい単語について、復習の機会を逃すことなく、効率良く学習できる技術が望まれる。
【0006】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、ユーザに所定の単語の復習の機会及び効率の良い学習方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の学習支援装置は、
所定の辞書データを対象にした見出し語の検索結果として、当該見出し語に対応する例文が含まれる説明情報を表示させる際に、前記例文中に予め所定の単語帳に登録されている単語が含まれている場合に、当該単語が強調されるように前記例文を表示させる制御部を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザに所定の単語の復習の機会及び効率の良い学習方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態における電子辞書の機能構成を示すブロック図である。
【
図2】辞書データ(英和辞典データ)のデータ構成例を示す図である。
【
図3】単語帳データのデータ構成例を示す図である。
【
図8】単語帳表示処理を示すフローチャートである。
【
図9】第1の検索結果表示処理を示すフローチャートである。
【
図11】変形例1における検索結果画面の例である。
【
図12】変形例2における検索結果画面の例である。
【
図13】変形例3における検索結果画面の例である。
【
図14】第2の実施形態における第2の検索結果表示処理を示すフローチャートである。
【
図15】第2の実施形態における検索結果画面の例である。
【
図16】第3の実施形態における第3の検索結果表示処理を示すフローチャートである。
【
図17】第4の実施形態における検索結果画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る学習支援装置、学習支援方法及びプログラムの実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0011】
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態について説明する。
【0012】
<電子辞書の構成>
図1は、第1の実施形態における学習支援装置を含む電子辞書10の機能構成を示すブロック図である。電子辞書10は、単語検索機能を有する。
電子辞書10は、CPU11(Central Processing Unit)、RAM12(Random Access Memory)、プログラムROM13(Read Only Memory)、データROM14、記憶部15、表示部16、操作受付部17、音声出力部18、通信部19、計時部20等を備える。
【0013】
CPU11は、演算処理を行い、電子辞書10の動作を統括制御するプロセッサである。CPU11は、単一のプロセッサを有していてもよいし、複数のプロセッサが並列動作又は用途に応じて独立に動作するものであってもよい。
【0014】
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
【0015】
プログラムROM13は、電子辞書10の制御プログラムを記憶する。プログラムROM13には、電子辞書制御プログラム131、単語帳制御プログラム132等が記憶されている。例えば、後述する単語登録処理(
図5参照)及び単語帳表示処理(
図8参照)に係るプログラムは、単語帳制御プログラム132に含まれる。単語帳制御プログラム132は、電子辞書制御プログラム131から呼び出されて実行されるものであってもよい。また、後述する第1の検索結果表示処理(
図9参照)に係るプログラムは、電子辞書制御プログラム131に含まれる。
【0016】
データROM14には、電子辞書の辞書データ等が記憶されている。辞書データには、少なくとも単語学習の対象と同一の言語の辞書が含まれる。例えば、辞書データには、英和辞典データ141と、和英辞典データ142とが含まれている。英和辞典データ141及び/又は和英辞典データ142には、複数種類の辞典が含まれていてもよい。
【0017】
図2に、辞書データ(英和辞典データ141)のデータ構成例を示す。辞書データは、複数の見出し語(英和辞典データ141では英単語)のそれぞれに対して、当該見出し語の説明情報が対応付けられている。説明情報には、見出し語の意味・訳、例文等が含まれる。例文は、見出し語の使用例を示すための文であり、見出し語を含む。ここでいう例文は、必ずしも完全な一文ではなくてもよく、文の一部分であってもよい。なお、説明情報に例文が含まれない場合もある。また、辞書データに、見出し語に対応する音声データ(読み上げデータ)が含まれていてもよい。
【0018】
記憶部15は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリである。記憶部15には、書き換え更新可能なデータが記憶、保持される。記憶部15には、ユーザが作成した単語帳の電子データとして、単語帳データ151が記憶されている。単語帳データ151は、ユーザが所定の目的をもって登録した単語のリストを含む。例えば、単語帳データ151には、ユーザが習得したい単語が複数登録されている。
【0019】
図3に、単語帳データ151のデータ構成例を示す。単語帳データ151は、複数の単語のそれぞれに対して、当該単語の意味・訳、登録日時、重要度、音声データ、閲覧回数、習得済みフラグ等が対応付けられている。
登録日時は、単語が単語帳データ151に登録された日時である。
重要度は、単語の重要度である。単語帳データ151の各単語には、例えば、3段階の重要度(1、2、3)が設定されており、数値が大きいほど重要度が高いこととする。なお、重要度の区分は3段階に限らず、5段階等であってもよい。
音声データは、単語の音声データである。なお、音声データがない場合もある。
閲覧回数は、ユーザが単語帳を開いて単語を閲覧した回数である。
習得済みフラグは、ユーザが単語を未習得であるか否かを示す識別情報である。ユーザが単語を未習得である状況では、当該単語に対応する習得済みフラグは「OFF」である。ユーザが単語を習得済みとなった場合に、CPU11は、当該単語に対応する習得済みフラグを「ON」にする。
【0020】
表示部16は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、その他のディスプレイを有する。表示部16は、CPU11から入力される表示信号に基づいて、ディスプレイに各種画像や情報を表示する。CPU11は、表示部16に、検索された単語の辞書画面や、単語帳等を表示させる。
【0021】
操作受付部17は、ユーザの操作を受け付けるキー及び押しボタンスイッチ等(まとめて「キー等」と記載)を有する。キー等が押下されると、操作信号が生成されて、当該操作信号がCPU11へ出力される。また、操作受付部17は、表示部16の表面に一体的に設けられたタッチパネルを有する。タッチパネルへのタッチ操作が検出されると、タッチ位置の情報が操作信号として生成されて、当該操作信号がCPU11へ出力される。
【0022】
音声出力部18は、音を発するスピーカ等を有する。単語に対して音声データが記憶されている場合には、音声出力部18は、当該音声データに基づく音声を出力する。また、音声出力部18は、ビープ音等を出力可能であってもよい。
【0023】
通信部19は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークを介して接続された外部装置との間でデータ通信を行う。
【0024】
計時部20は、計時回路(RTC:Real Time Clock)を有し、この計時回路により現在日時を計時してCPU11に出力する。
【0025】
以上のうち、CPU11及びRAM12が本実施形態のコンピュータに必要な構成である。表示部16及び操作受付部17を有しない場合には、コンピュータは、通信部19を介して、外部の表示部及び操作受付部との間で制御信号やデータをやり取りする。また、コンピュータは、通信部19を介して、外部からプログラムを取得し、また、外部のデータベースにアクセスしてもよい。
【0026】
CPU11(制御部)は、所定の辞書データを対象にした見出し語の検索結果として、当該見出し語に対応する例文が含まれる説明情報を表示させる際に、例文中に予め所定の単語帳に登録されている単語が含まれている場合に、当該単語が強調されるように例文を表示させる。
【0027】
強調表示として、例えば、文字列中の該当箇所の文字又は背景の色を変えること、該当箇所に下線を付加すること、該当箇所のフォント(イタリック体、ボールド体等)を変えること等が挙げられる。また、これらのうち二つ以上の組み合わせであってもよい。
【0028】
<電子辞書の動作>
次に、電子辞書10における動作について説明する。
まず、単語帳を作成する際の手順について説明する。
【0029】
図4に、電子辞書10の表示部16に表示される検索結果画面161の例を示す。検索結果画面161は、和英辞典の検索結果を示している。検索結果画面161には、見出し語領域31、意味・訳領域32等が含まれる。
見出し語領域31には、検索対象の見出し語が表示される。ここでは、見出し語領域31に、「改善する」という単語が表示されている。
意味・訳領域32には、見出し語に対応する意味・訳が表示される。ここでは、意味・訳領域32に、「improve」という英訳が表示されている。
【0030】
図4に示すように、この検索結果画面161の下端に沿ってメニューバー33が表示され得る。メニューバー33は、例えば、メニューバー33を呼び出す押しボタンスイッチ(キー)の押下操作に応じて表示され得る。メニューバー33には、「暗記カード」ボタン34が含まれる。「暗記カード」ボタン34が選択操作されると、検索、表示されている単語を暗記カード(単語帳)に登録するための設定動作が呼び出される。ここで、選択操作は、タッチパネルが各ボタンの表示範囲へのタッチ操作を検出することで受け付けられる。なお、単語帳データ151に登録される単語1件分の表示態様やデータを「暗記カード」と表現している。
【0031】
図5は、電子辞書10において実行される単語登録処理を示すフローチャートである。単語登録処理は、メニューバー33における「暗記カード」ボタン34(
図4参照)が選択操作され、単語帳データ151(単語帳)への単語の登録要求が受け付けられることで開始される。
【0032】
CPU11は、単語登録画面を表示部16に表示させる(ステップS1)。
図6に、表示部16に表示される単語登録画面162の例を示す。単語登録画面162には、表面領域41、裏面領域42、「音声+」ボタン43、重要度領域44、「登録」ボタン45等が含まれる。
表面領域41は、暗記カードの表面に表示する内容を指定するための領域である。なお、「表面」とは、単語帳を閲覧する際に「表面として扱われる領域」という意味である。
裏面領域42は、暗記カードの裏面に表示する内容を指定するための領域である。なお、「裏面」とは、単語帳を閲覧する際に「裏面として扱われる領域」という意味である。
「音声+」ボタン43は、登録対象の単語に音声データを付加するためのボタンである。
重要度領域44は、登録対象の単語に対する重要度を指定するための領域である。
「登録」ボタン45は、単語の登録を指示するためのボタンである。
【0033】
次に、CPU11は、操作受付部17からの入力操作により、暗記カードの表面及び裏面の表示内容の指定を受け付ける(ステップS2)。
ユーザは、単語登録画面162の表面領域41に、登録対象の「単語」を入力する。あるいは、ユーザが検索結果画面161(
図4参照)の意味・訳領域32等を選択することで、選択された領域に表示されている内容が、単語登録画面162の表面領域41に入力されてもよい。
ユーザは、単語登録画面162の裏面領域42に、登録対象の単語の「意味・訳」を入力する。あるいは、ユーザが検索結果画面161の見出し語領域31等を選択することで、選択された領域に表示されている内容が、単語登録画面162の裏面領域42に入力されてもよい。
【0034】
CPU11は、表面に「単語」が記載され、裏面に「意味・訳」が記載される暗記カードのフォーマットで、暗記カードのデータを生成する。
【0035】
次に、CPU11は、操作受付部17からの入力操作により、登録対象の単語に音声データを付加する操作が受け付けられた場合には、当該単語に音声データを対応付ける(ステップS3)。単語登録画面162において「音声+」ボタン43が選択操作されると、CPU11は、英和辞典データ141、和英辞典データ142等を検索して、登録対象の単語の音声データを取得する。なお、CPU11は、通信部19を介して、外部装置から音声データを取得してもよい。
【0036】
次に、CPU11は、操作受付部17からの入力操作により、登録対象の単語に対する重要度の選択操作を受け付ける(ステップS4)。例えば、単語登録画面162において重要度領域44がタッチ操作されると、CPU11は、重要度を選択するためのプルダウンメニューを表示させる。CPU11は、プルダウンメニューから選択された重要度の情報(1、2、3等)を取得する。
【0037】
単語登録画面162において「登録」ボタン45が選択操作されると、CPU11は、暗記カードの設定内容を、記憶部15の単語帳データ151に登録する(ステップS5)。具体的には、CPU11は、単語、意味・訳、登録日時、重要度、音声データ、閲覧回数、習得済みフラグ等を対応付けて、新規レコードとして単語帳データ151に格納する。CPU11は、単語等を登録する際に計時部20から現在日時を取得し、登録日時として格納する。なお、ステップS3において、音声データが付加されない場合には、音声データは登録されない。また、閲覧回数の初期値は「0」、習得済みフラグの初期値は「OFF」とする。
以上で、単語登録処理が終了する。
【0038】
なお、単語を単語帳(単語帳データ151)に登録する際に、複数種類の単語帳のいずれかに分類して、単語を登録してもよい。例えば、名詞を記憶する単語帳と動詞を記憶する単語帳とが区分けされてもよい。あるいは、入学試験用の単語帳と、検定試験用の単語帳とが区分けされてもよい。
【0039】
次に、単語帳を使用(閲覧)する際の手順について説明する。
図7A~
図7Cに、暗記カード(単語帳)の表示例を示す。
図7A~
図7Cに示すように、単語帳閲覧画面163には、表面領域51、裏面領域52、チェック領域53、「音声」ボタン54、重要度領域55、「前へ」ボタン56、「次へ」ボタン57等が含まれる。
表面領域51には、暗記カードの表面として登録された「単語」が表示される。
裏面領域52には、暗記カードの裏面として登録された「意味・訳」が表示される。
チェック領域53には、ユーザが対象単語を習得した場合に、チェックを入れるためのチェックボックスが設けられている。
【0040】
「音声」ボタン54は、音声データが暗記カードのデータに付加されている場合に、対象単語の音声の出力を指示するためのボタンである。「音声」ボタン54が選択操作されると、音声出力部18により単語が音声出力される。なお、音声データが暗記カードのデータに付加されていない場合には、「音声」ボタン54自体を非表示とするか、「音声」ボタン54をグレーアウト表示させて選択不能としてもよい。
【0041】
重要度領域55には、対象単語に対応する重要度が表示される。
「前へ」ボタン56は、表示の順番が一つ前の暗記カード(単語)に表示対象を変更するためのボタンである。
「次へ」ボタン57は、表示の順番が次の暗記カード(単語)に表示対象を変更するためのボタンである。
【0042】
単語帳(暗記カード)を開く動作がなされると、表面領域51に暗記カードの表面(単語)が表示され、裏面領域52に暗記カードの裏面(意味・訳)が表示される。
【0043】
暗記カードが表示される際には、
図7B、
図7Cのいずれかのように、当初、暗記カードの表面(表面領域51)と裏面(裏面領域52)のうちいずれかが非表示とされ得る。
表面及び裏面のそれぞれに対する表示の有無を示す情報は、初期設定に含まれている。初期設定は、記憶部15に記憶されており、ユーザの操作により適宜変更可能である。
【0044】
表面領域51又は裏面領域52の非表示の面内に対してタッチ操作がなされることで、非表示面の内容が表示状態に切り替えられる。例えば、
図7Bに示すように、非表示状態の裏面領域52に対してタッチ操作がなされると、
図7Aに示すように、裏面領域52が表示状態となる。
また、表面領域51又は裏面領域52の表示されている面内にタッチ操作がなされることで、非表示状態に切り替えられる。例えば、
図7Aに示すように、表示状態の表面領域51に対してタッチ操作がなされると、
図7Cに示すように、表面領域51が非表示状態となる。
表面の表示有無の切り替えと、裏面の表示有無の切り替えとは、入力操作に応じて各々個別に制御され得る。その結果、暗記カードの表示では、両面とも非表示の状態又は両面とも表示の状態ともされ得る。
【0045】
図8は、電子辞書10において実行される単語帳表示処理を示すフローチャートである。単語帳表示処理は、例えば、単語帳を表示させる命令が選択操作されることで開始される。
【0046】
CPU11は、最初に表示する暗記カードの単語情報を単語帳データ151から取得する(ステップS11)。暗記カードの表示の順番は、予め固定されていてもよいし、毎回ランダムに定められてもよい。また、暗記カードの表示の順番は、登録順、アルファベット順等に設定されていてもよい。CPU11は、暗記カードの表面の表示内容として、単語帳データ151の表示対象レコードの「単語」を配置設定する。CPU11は、暗記カードの裏面の表示内容として、単語帳データ151の表示対象レコードの「意味・訳」を配置設定する。
【0047】
次に、CPU11は、記憶部15に記憶されている初期設定に基づいて、暗記カードの表面及び裏面を表示させる制御信号を表示部16に出力する(ステップS12)。CPU11は、初期設定において「表示あり」の面について、設定されている表示内容を表示させる制御信号を表示部16へ出力する。CPU11は、初期設定において「表示なし」の面について、
図7B又は
図7Cで示したようなマスク状態の表示を行わせる制御信号を表示部16へ出力する。
【0048】
次に、CPU11は、単語帳データ151において、表示対象レコードの「閲覧回数」の値に1を加算する(ステップS13)。
【0049】
次に、CPU11は、単語帳閲覧画面163(
図7A~
図7C参照)において、「次へ」ボタン57の選択操作が受け付けられたか否かを判別する(ステップS14)。「次へ」ボタン57の選択操作が受け付けられたと判別された場合には(ステップS14;YES)、CPU11は、表示の順番が次の暗記カードの単語情報を取得する(ステップS15)。ここでいう表示の順番は、ループ状に定められていてもよい。すなわち、表示の順番が最後の暗記カードに係る単語情報の次の順番は、最初の暗記カードに係る単語情報であってもよい。ステップS15の後、処理はステップS12に戻る。
【0050】
ステップS14において、「次へ」ボタン57の選択操作が受け付けられていないと判別された場合には(ステップS14;NO)、CPU11は、「前へ」ボタン56の選択操作が受け付けられたか否かを判別する(ステップS16)。「前へ」ボタン56の選択操作が受け付けられたと判別された場合には(ステップS16;YES)、CPU11は、表示の順番が一つ前の暗記カードの単語情報を取得する(ステップS17)。ステップS17の後、処理はステップS12に戻る。
【0051】
ステップS16において、「前へ」ボタン56の選択操作が受け付けられていないと判別された場合には(ステップS16;NO)、CPU11は、「音声」ボタン54の選択操作が受け付けられたか否かを判別する(ステップS18)。「音声」ボタン54の選択操作が受け付けられたと判別された場合には(ステップS18;YES)、CPU11は、音声出力部18を制御して、表示中の単語に対応付けられている音声データに基づいて、単語の音声出力を行わせる(ステップS19)。ステップS19の後、処理はステップS14に戻る。
【0052】
ステップS18において、「音声」ボタン54の選択操作が受け付けられていないと判別された場合には(ステップS18;NO)、CPU11は、チェック操作が受け付けられたか否かを判別する(ステップS20)。チェック操作は、チェック領域53に設けられたチェックボックスにチェックを入れる操作である。ユーザは、表示中の単語を習得した(覚えた)場合に、チェック操作を行う。チェック操作が受け付けられたと判別された場合には(ステップS20;YES)、CPU11は、単語帳データ151の表示対象レコードの習得済みフラグを「ON」にする(ステップS21)。ステップS21の後、処理はステップS14に戻る。
【0053】
ステップS20において、チェック操作が受け付けられていないと判別された場合には(ステップS20;NO)、CPU11は、チェック解除操作が受け付けられたか否かを判別する(ステップS22)。チェック解除操作は、チェック領域53に設けられたチェックボックスにおいてチェックを外す操作である。ユーザは、表示中の単語の習得を取り消す(覚えていなかった)場合に、チェック解除操作を行う。チェック解除操作が受け付けられたと判別された場合には(ステップS22;YES)、CPU11は、単語帳データ151の表示対象レコードの習得済みフラグを「OFF」にする(ステップS23)。ステップS23の後、処理はステップS14に戻る。
【0054】
ステップS22において、チェック解除操作が受け付けられていないと判別された場合には(ステップS22;NO)、CPU11は、暗記カードの表面又は裏面を選択する操作が受け付けられたか否かを判別する(ステップS24)。いずれかの面を選択する操作が受け付けられたと判別された場合には(ステップS24;YES)、CPU11は、操作に応じて、操作対象面の表示を変更させる(ステップS25)。具体的には、表示内容を表示中の面が選択された場合には、CPU11は、表示内容を消去してマスク面の表示に切り替える。表示内容を表示していない面が選択された場合には、CPU11は、設定されている表示内容をこの表示面に表示させる。ステップS25の後、処理はステップS14に戻る。
【0055】
ステップS24において、暗記カードの表面も裏面も選択操作されていないと判別された場合には(ステップS24;NO)、CPU11は、暗記カードの表示を終了する操作が受け付けられたか否かを判別する(ステップS26)。終了の操作が受け付けられていないと判別された場合には(ステップS26;NO)、処理はステップS14に戻る。
【0056】
ステップS26において、暗記カードの表示を終了する操作が受け付けられたと判別された場合には(ステップS26;YES)、単語帳表示処理が終了する。
【0057】
次に、単語を検索する際の手順について説明する。
図9は、電子辞書10において実行される第1の検索結果表示処理を示すフローチャートである。第1の検索結果表示処理は、CPU11と電子辞書制御プログラム131との協働により実行される。第1の検索結果表示処理は、単語検索機能の利用開始を指示する操作が受け付けられることで開始される。また、ユーザにより、強調表示モードにするか否かが予め設定されている。強調表示モードは、例文中で所定の単語を強調させるモードである。
【0058】
CPU11は、操作受付部17からの操作により、電子辞書10において検索対象とされる単語(「単語a」とする。)の入力を受け付ける。CPU11は、辞書データ(例えば、英和辞典データ141)を参照して、単語aを検索する(ステップS31)。具体的には、CPU11は、辞書データから、単語a(見出し語)に対応する説明情報(検索結果)を取得する。
【0059】
次に、CPU11は、強調表示モードが設定されているか否かを判別する(ステップS32)。
強調表示モードが設定されていると判別された場合には(ステップS32;YES)、CPU11は、説明情報に例文が含まれるか否かを判別する(ステップS33)。
【0060】
説明情報に例文が含まれると判別された場合には(ステップS33;YES)、CPU11は、単語aに対応する説明情報から例文を抽出する(ステップS34)。そして、CPU11は、抽出した例文を、形態素解析等を用いて、単語又は品詞単位に分解する(ステップS35)。
【0061】
次に、CPU11は、例文の分解結果と、ユーザが作成した単語帳内の単語と、を照合し、一致する単語を抽出する(ステップS36)。CPU11は、例文の分解結果のそれぞれについて、順に、単語帳内の各単語と一致するか否かを判断する。CPU11は、例文に含まれる各単語のうち、単語帳データ151に保存されている単語を抽出する。
【0062】
次に、CPU11は、単語aに対応する説明情報(検索結果)を表示部16に表示させるにあたり、単語帳内の単語と一致した単語を、元の例文中で強調させるように、例文を表示させる(ステップS37)。
【0063】
図10に、表示部16に表示される検索結果画面164の例を示す。検索結果画面164は、英和辞典の検索結果の例である。検索結果画面164には、見出し語領域61、意味・訳領域62、例文領域63等が含まれる。
見出し語領域61には、検索対象の見出し語が表示される。ここでは、見出し語領域61に、「dictionary」という英単語が表示されている。
意味・訳領域62には、見出し語に対応する意味・訳が表示される。ここでは、意味・訳領域62に、「辞書,辞典」という和訳が表示されている。
例文領域63には、見出し語に対応する例文が表示される。ここでは、例文領域63に、「consult a dictionary/辞書を引く」という例文が表示されている。例文領域63において、単語帳データ151に登録されている「単語」と一致した英単語63Aと、英単語63Aに対応する「意味・訳」を示す和訳63Bと、が強調表示されている。ここでは、英単語63A及び和訳63Bに、背景色が付加されている。
【0064】
ステップS32において、強調表示モードが設定されていないと判別された場合(ステップS32;NO)、又は、ステップS33において、説明情報に例文が含まれないと判別された場合には(ステップS33;NO)、CPU11は、単語aに対応する説明情報(検索結果)を表示部16に通常通り表示させる(ステップS38)。つまり、例えば、強調表示モードが設定されていないと判別された場合には、CPU11は、
図10に示すような検索結果画面164を表示させる際に、英単語63A及び和訳63Bを強調表示させることなく、例文を表示させる。
ステップS37又はステップS38の後、第1の検索結果表示処理が終了する。
【0065】
以上のように、第1の実施形態によれば、電子辞書10のCPU11は、辞書データ(英和辞典データ141、和英辞典データ142等)を対象にした見出し語の検索結果として、当該見出し語に対応する例文が含まれる説明情報を表示させる。この際、CPU11は、例文中に単語帳(単語帳データ151)に登録されている単語が含まれている場合に、当該単語が強調されるように例文を表示させる。ユーザは、例文中で強調されている単語を確認することで、当該単語を復習し、自身の記憶に定着させることができる。したがって、CPU11は、ユーザに所定の単語(単語帳に登録されている単語)の復習の機会及び効率の良い学習方法を提供することができる。
【0066】
[変形例1]
第1の実施形態の変形例1について、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
電子辞書10のCPU11は、見出し語の検索結果の一部として、単語帳に登録されている単語が強調されるように例文を表示させる際に、当該単語に関する付帯情報を表示させる。
CPU11は、付帯情報として、強調される単語が単語帳において閲覧された回数を表示させる。
【0067】
図11に、表示部16に表示される検索結果画面165の例を示す。検索結果画面165において、検索結果画面164(
図10参照)と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0068】
検索結果画面165では、例文領域63において、単語帳データ151に登録されている「単語」に対応する英単語63A及び和訳63Bが強調表示されている。また、検索結果画面165では、英単語63A及び和訳63Bと対応付けられて、付帯情報64が表示されている。付帯情報64は、強調されている単語(consult)の閲覧回数を含む。CPU11は、単語帳データ151から、強調させる単語に対応付けられている「閲覧回数」を取得し、この「閲覧回数」を表示部16に表示させる。
【0069】
変形例1によれば、電子辞書10のCPU11は、見出し語に対応する例文を表示させる際に、単語帳に登録されている単語を強調させるとともに、当該単語に関する付帯情報を表示させる。具体的には、CPU11は、付帯情報として、強調される単語が単語帳において閲覧された回数を表示させる。よって、CPU11は、ユーザに、所定の単語について、これまでの学習状況に関する情報とともに、再学習の機会を提供することができる。
【0070】
[変形例2]
第1の実施形態の変形例2について、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
電子辞書10のCPU11は、見出し語の検索結果の一部として、単語帳に登録されている単語が強調されるように例文を表示させる際に、当該単語に関する付帯情報を表示させる。
CPU11は、付帯情報として、強調される単語が単語帳に登録された日付を表示させる。
【0071】
図12に、表示部16に表示される検索結果画面166の例を示す。検索結果画面166において、検索結果画面164(
図10参照)と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0072】
検索結果画面166では、例文領域63において、単語帳データ151に登録されている「単語」に対応する英単語63A及び和訳63Bが強調表示されている。また、検索結果画面166では、英単語63A及び和訳63Bと対応付けられて、付帯情報65が表示されている。付帯情報65は、強調されている単語が単語帳に登録された日付を含む。CPU11は、単語帳データ151から、強調させる単語に対応付けられている「登録日時」を取得し、この「登録日時」の日付部分を表示部16に表示させる。
【0073】
変形例2によれば、電子辞書10のCPU11は、見出し語に対応する例文を表示させる際に、単語帳に登録されている単語を強調させるとともに、当該単語に関する付帯情報を表示させる。具体的には、CPU11は、付帯情報として、強調される単語が単語帳に登録された日付を表示させる。よって、CPU11は、ユーザに、所定の単語について、単語帳への登録日を示す情報とともに、再学習の機会を提供することができる。
【0074】
[変形例3]
第1の実施形態の変形例3について、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
電子辞書10のCPU11は、見出し語の検索結果の一部として、単語帳に登録されている単語が強調されるように例文を表示させる際に、当該単語に関する付帯情報を表示させる。
CPU11は、付帯情報として、強調される単語の重要度を表示させる。
【0075】
図13に、表示部16に表示される検索結果画面167の例を示す。検索結果画面167において、検索結果画面164(
図10参照)と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0076】
検索結果画面167では、例文領域63において、単語帳データ151に登録されている「単語」に対応する英単語63A及び和訳63Bが強調表示されている。また、検索結果画面167では、英単語63A及び和訳63Bと対応付けられて、付帯情報66が表示されている。付帯情報66は、強調されている単語の重要度を含む。
図13では、単語の重要度が3段階評価における「2」であることを、黒い星マークの数で示している。CPU11は、単語帳データ151から、強調させる単語に対応付けられている「重要度」を取得し、この「重要度」を表示部16に表示させる。
【0077】
変形例3によれば、電子辞書10のCPU11は、見出し語に対応する例文を表示させる際に、単語帳に登録されている単語を強調させるとともに、当該単語に関する付帯情報を表示させる。具体的には、CPU11は、付帯情報として、強調される単語の重要度を表示させる。よって、CPU11は、ユーザに、所定の単語について、当該単語の重要度に関する情報とともに、再学習の機会を提供することができる。
【0078】
[第2の実施形態]
次に、本発明を適用した第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態における電子辞書は、第1の実施形態に示した電子辞書10と同様の構成であるため、
図1~
図3を援用し、説明を省略する。以下、第2の実施形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0079】
電子辞書10のCPU11は、所定の辞書データを対象にした見出し語の検索結果として、当該見出し語に対応する例文が含まれる説明情報を表示させる。この際、CPU11は、例文中に、予め所定の単語帳に登録されている単語であって所定の属性が対応付けられている単語が含まれている場合に、当該単語が強調されるように例文を表示させる。
所定の属性が対応付けられている単語は、単語帳データ151において、識別情報(習得済みフラグ)が未習得であることを示している単語である。
【0080】
次に、第2の実施形態の電子辞書10における動作について説明する。
図14は、電子辞書10において実行される第2の検索結果表示処理を示すフローチャートである。第2の検索結果表示処理は、CPU11と電子辞書制御プログラム131との協働により実行される。
ステップS41~ステップS45の処理は、第1の検索結果表示処理(
図9参照)におけるステップS31~ステップS35の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0081】
ステップS45の後、CPU11は、例文の分解結果と、単語帳内の単語のうち未習得の単語と、を照合し、一致する単語を抽出する(ステップS46)。すなわち、CPU11は、例文に含まれる各単語のうち、単語帳データ151に保存されており、かつ、習得済みフラグが「OFF」の単語を抽出する。
【0082】
次に、CPU11は、単語aに対応する説明情報(検索結果)を表示部16に表示させるにあたり、単語帳内の未習得の単語と一致した単語を、元の例文中で強調させるように、例文を表示させる(ステップS47)。
【0083】
図15に、表示部16に表示される検索結果画面168の例を示す。検索結果画面168において、検索結果画面164(
図10参照)と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0084】
検索結果画面168の例文領域63において、単語帳データ151に登録されており、かつ、対応する習得済みフラグが「OFF」のレコードに含まれる「単語」と一致した英単語63Cと、英単語63Cに対応する「意味・訳」を示す和訳63Dと、が強調表示されている。ここでは、英単語63C及び和訳63Dに、背景色が付加されている。
【0085】
また、検索結果画面168には、英単語63C及び和訳63Dと対応付けられて、付帯情報67が表示されている。付帯情報67は、強調されている単語が、習得済みチェックが付いていない単語(未習得の単語)であることを示している。
【0086】
ステップS42において、強調表示モードが設定されていないと判別された場合(ステップS42;NO)、又は、ステップS43において、説明情報に例文が含まれないと判別された場合には(ステップS43;NO)、CPU11は、単語aに対応する説明情報(検索結果)を表示部16に通常通り表示させる(ステップS48)。つまり、例えば、強調表示モードが設定されていないと判別された場合には、CPU11は、
図15に示すような検索結果画面168を表示させる際に、英単語63C及び和訳63Dを強調表示させることなく、例文を表示させる。そして、付帯情報67の表示も行わせない。
ステップS47又はステップS48の後、第2の検索結果表示処理が終了する。
【0087】
以上のように、第2の実施形態によれば、電子辞書10のCPU11は、辞書データ(英和辞典データ141、和英辞典データ142等)を対象にした見出し語の検索結果として、当該見出し語に対応する例文が含まれる説明情報を表示させる。この際、CPU11は、例文中に、単語帳(単語帳データ151)に登録されている単語であって所定の属性が対応付けられている単語が含まれている場合に、当該単語が強調されるように例文を表示させる。ユーザは、例文中で強調されている単語を確認することで、当該単語を復習し、自身の記憶に定着させることができる。したがって、CPU11は、ユーザに所定の単語(単語帳に登録され、かつ、所定の属性が対応付けられている単語)の復習の機会及び効率の良い学習方法を提供することができる。
【0088】
具体的には、CPU11は、単語帳(単語帳データ151)に登録されている単語のうち、習得済みフラグがOFFの単語(未習得の単語)のみを強調させるので、ユーザに効率良く復習の機会を提供することができる。
【0089】
なお、第2の実施形態では、強調表示させる単語についての条件として、「所定の属性」が「ユーザが未習得であること」である場合について説明した。これに代えて、「所定の属性」として、「閲覧回数が所定値以上であること(習得が困難)」、「閲覧回数が所定値以下であること(学習不足)」、「重要度が所定の基準以上であること」等を用いてもよい。
【0090】
[第3の実施形態]
次に、本発明を適用した第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態における電子辞書は、第1の実施形態に示した電子辞書10と同様の構成であるため、
図1~
図3を援用し、説明を省略する。以下、第3の実施形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0091】
電子辞書10のCPU11は、単語帳に登録されている単語が例文中に複数含まれている場合に、所定の基準に基づいて、例文中で強調させる単語を決定する。
第3の実施形態では、CPU11は、例文中で強調させる単語の数を所定の数以下に制限する。
【0092】
次に、第3の実施形態の電子辞書10における動作について説明する。
図16は、電子辞書10において実行される第3の検索結果表示処理を示すフローチャートである。第3の検索結果表示処理は、CPU11と電子辞書制御プログラム131との協働により実行される。
ステップS51~ステップS56の処理は、第1の検索結果表示処理(
図9参照)におけるステップS31~ステップS36の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0093】
ステップS56の後、CPU11は、例文の分解結果と単語帳内の単語とで一致した単語の数が所定数より多いか否かを判別する(ステップS57)。
一致した単語の数が所定数より多いと判別された場合には(ステップS57;YES)、CPU11は、例文の分解結果と単語帳内の単語とで一致した単語に優先順位を付け、強調させる単語を所定数以下に制限する(ステップS58)。
【0094】
例えば、CPU11は、例文の分解結果と単語帳内の単語とで一致した単語のうち、単語に対応付けられている「重要度」が高いものから、優先順位を付ける。CPU11は、単語帳(単語帳データ151)に登録されている単語に対応付けられている「重要度」に基づいて、例文中で強調させる単語を決定する。
また、CPU11は、例文の分解結果と単語帳内の単語とで一致した単語のうち、例文内で登場する順番が早いものから、優先順位を付けてもよい。
【0095】
ステップS58の後、又は、ステップS57において、一致した単語の数が所定数以下であると判別された場合には(ステップS57;NO)、CPU11は、単語aに対応する説明情報(検索結果)を表示部16に表示させるにあたり、単語帳内の単語と一致した単語を、元の例文中で強調させるように、例文を表示させる(ステップS59)。
ステップS58において、強調させる単語を制限した場合、ステップS59では、CPU11は、強調させる単語として決定された単語(優先順位が高い単語)についてのみ、例文中で強調させる。
【0096】
ステップS52において、強調表示モードが設定されていないと判別された場合(ステップS52;NO)、又は、ステップS53において、説明情報に例文が含まれないと判別された場合には(ステップS53;NO)、CPU11は、単語aに対応する説明情報(検索結果)を表示部16に通常通り表示させる(ステップS60)。つまり、例えば、強調表示モードが設定されていないと判別された場合には、CPU11は、例文が含まれる説明情報を表示させる際に、特定の単語を強調表示させることなく、例文を表示させる。
ステップS59又はステップS60の後、第3の検索結果表示処理が終了する。
【0097】
以上のように、第3の実施形態によれば、電子辞書10のCPU11は、単語帳に登録されている単語が例文中に複数含まれている場合に、所定の基準に基づいて、例文中で強調させる単語を決定する。例えば、CPU11は、単語帳に登録されている単語に対応付けられている「重要度」が高い順に優先順位を付けることで、例文中で強調させる単語を決定することができる。また、CPU11は、例文内で登場する順番が早い順に優先順位を付けることで、例文中で強調させる単語を決定することができる。
【0098】
また、CPU11は、例文中で強調させる単語の数を所定の数以下に制限するので、強調させる単語が多くなり過ぎて、かえって見づらくなるという事態を回避することができる。
【0099】
[第4の実施形態]
次に、本発明を適用した第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態における電子辞書は、第1の実施形態に示した電子辞書10と同様の構成であるため、
図1~
図3を援用し、説明を省略する。以下、第4の実施形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0100】
電子辞書10のCPU11は、見出し語が強調されるように、見出し語に対応する説明情報を表示させる。
【0101】
第4の実施形態における処理は、第1の検索結果表示処理(
図9参照)と同様である。ただし、ステップS37において、CPU11は、単語aに対応する説明情報(検索結果)を表示部16に表示させる際に、単語帳内の単語と一致した単語を、元の例文中で強調させるとともに、見出し語(単語a)も強調させる。ここで、単語帳に登録されている単語と、見出し語では、異なる表示態様とすることが望ましい。
【0102】
図17に、表示部16に表示される検索結果画面169の例を示す。検索結果画面169において、検索結果画面164(
図10参照)と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0103】
検索結果画面169の見出し語領域61において、検索対象の見出し語が強調表示されている。ここでは、見出し語に、背景色が付加されている。
検索結果画面169の例文領域63において、単語帳データ151に登録されている「単語」と一致した英単語63Eと、英単語63Eに対応する「意味・訳」を示す和訳63Fと、が強調表示されている。ここでは、英単語63E及び和訳63Fに、下線が付加されている。
また、例文領域63において、例文中に含まれる見出し語63Gと、見出し語に対応する和訳63Hと、が強調表示されている。ここでは、見出し語63G及び和訳63Hに、背景色が付加されている。
【0104】
以上のように、第4の実施形態によれば、電子辞書10のCPU11は、見出し語に対応する説明情報を表示させる際に、見出し語を強調させる。このため、CPU11は、単語帳に登録されている単語だけでなく、検索対象とした見出し語についても、ユーザに印象付けることができる。
【0105】
なお、上記各実施形態及び各変形例における記述は、本発明に係る学習支援装置、学習支援方法及びプログラムの例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
例えば、各実施形態及び各変形例に特徴的な処理を組み合わせてもよい。
【0106】
上記各実施形態及び各変形例では、英語の単語学習について例示したが、これに限定されない。電子辞書10は、他の言語の単語学習に用いられてもよい。あるいは、古文の単語学習等に用いられてもよい。
また、辞書データは、英和辞典データ141、和英辞典データ142等、語学学習に関するものに限定されない。辞書データは、電子版の国語辞典、百科事典等であってもよい。
【0107】
また、単語帳(単語帳データ151)に登録されるのは単語に限られない。単語帳に成句等が登録されていてもよい。すなわち、特許請求の範囲に記載の「単語」には、成句等も含まれる。
また、単語帳に、学習に役立つ情報、リンク情報等が登録されており、単語帳の閲覧時に、これらの情報が表示されてもよい。
【0108】
また、上記各実施形態及び各変形例では、辞書データ(英和辞典データ141、和英辞典データ142等)及び単語帳データ151が電子辞書10の内部に記憶されていることとしたが、辞書データ及び単語帳データ151の少なくとも一方がクラウドサーバー等の外部装置に記憶されていてもよい。
【0109】
また、上記各実施形態及び各変形例では、専用の電子機器である電子辞書10について説明したが、これに限定されない。汎用のコンピュータに上記電子辞書制御プログラム131及び単語帳制御プログラム132をインストールして動作させるものでもよい。また、表示は、電子辞書10や上記コンピュータとは異なる外部機器において、通信部を介して送信された制御信号に基づいてなされてもよい。また、電子辞書10や上記コンピュータにおいて、外部機器の操作受付部で受け付けた入力操作の情報が通信部を介して取得されてもよい。あるいは、周辺機器等として取り付けられたキーボードや他の入力デバイス等から入力操作が受け付けられてもよい。
【0110】
また、以上の説明では、本発明に係るプログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体としてプログラムROM13を例に挙げて説明したが、これに限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ及びMRAM等の他の不揮発性メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、並びにCD-ROM及びDVDディスク等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【符号の説明】
【0111】
10 電子辞書
11 CPU
12 RAM
13 プログラムROM
14 データROM
15 記憶部
16 表示部
17 操作受付部
131 電子辞書制御プログラム
132 単語帳制御プログラム
141 英和辞典データ
142 和英辞典データ
151 単語帳データ