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特開2024-168418情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024168418
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20241128BHJP
   G06Q 30/015 20230101ALI20241128BHJP
【FI】
G06Q30/0251
G06Q30/015
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085098
(22)【出願日】2023-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】奥山 知博
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】 目的達成のために待ち時間を要するユーザにとって有益なコンテンツを、当該ユーザに提供可能なシステムを提供することを目的とする
【解決手段】 ユーザの位置に関する情報である位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報および前記ユーザの操作入力のうちの少なくともいずれかに基づいて、前記ユーザの目的を特定する目的特定部と、前記位置情報に基づいて、現在の時刻から前記ユーザの目的を前記ユーザが実行可能になる時刻までの時間である待ち時間を予測する待ち時間予測部と、前記ユーザの目的および前記待ち時間に応じたコンテンツを前記ユーザに提供するコンテンツ提供部と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの位置に関する情報である位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報および前記ユーザの操作入力のうちの少なくともいずれかに基づいて、前記ユーザの目的を特定する目的特定部と、
前記位置情報に基づいて、現在の時刻から前記ユーザの目的を前記ユーザが実行可能になる時刻までの時間である待ち時間を予測する待ち時間予測部と、
前記ユーザの目的および前記待ち時間に応じたコンテンツを前記ユーザに提供するコンテンツ提供部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記ユーザの目的に対して前記ユーザが予約した情報である予約情報を取得する予約情報取得部と、
前記待ち時間と、前記予約情報に含まれる前記ユーザの目的を実行する予約時刻と、に基づいて、前記待ち時間経過後から前記予約時刻までの時間である余裕時間を特定する余裕時間特定部と、
をさらに備え、
前記コンテンツ提供部は、前記余裕時間に応じたコンテンツを前記ユーザに提供する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記コンテンツ提供部は、前記余裕時間が第1の閾値以下であると判定される場合、前記ユーザの目的を前記ユーザが優先的に実行可能となるための情報である優先情報を前記ユーザに提供する、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記ユーザの同伴者に関する情報である同伴者情報を取得する同伴者情報取得部と、
前記待ち時間が第2の閾値以上であるか否かを判定する待ち状況判定部と、
前記待ち時間が第2の閾値以上であると判定された場合、前記同伴者情報が示す同伴者が所定の条件を充たすか否かを判定する同伴者判定部と、
をさらに備え、
前記コンテンツ提供部は、前記同伴者が前記所定の条件を充たすと判定される場合、前記ユーザの目的を前記ユーザが優先的に実行可能となるための情報である優先情報を前記ユーザに提供する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記同伴者判定部は、前記待ち時間が第2の閾値以上であると判定された場合、同伴者情報に基づいて、前記同伴者が所定の年齢以下の子供であるか否か、および前記同伴者が身体的なハンデを有するか否か、のうちの少なくともいずれかを判定し、
前記コンテンツ提供部は、前記同伴者が所定の年齢以下の子供である、または前記同伴者が身体的なハンデを有すると判定される場合、前記ユーザの目的を前記ユーザが優先的に実行可能となるための情報である優先情報を前記ユーザに提供する、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記同伴者情報取得部は、前記同伴者に関する画像である同伴者画像を含む前記同伴者情報を取得し、
前記同伴者判定部は、前記待ち時間が第2の閾値以上であると判定された場合、前記同伴者画像に基づいて、前記同伴者が所定の年齢以下の子供であるか否か、または前記同伴者が身体的なハンデを有するか否か、のうちの少なくともいずれかを判定し、
前記コンテンツ提供部は、前記同伴者が所定の年齢以下の子供である、または前記同伴者が身体的なハンデを有すると判定される場合、前記ユーザの目的を前記ユーザが優先的に実行可能となるための情報である優先情報を前記ユーザに提供する、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記ユーザの身体的なハンデに関する情報であるユーザハンデ情報を取得するユーザハンデ情報取得部と、
前記待ち時間が第2の閾値以上であるか否かを判定する待ち状況判定部と、
前記待ち時間が第2の閾値以上であると判定された場合、前記ユーザハンデ情報に基づいて、前記ユーザに身体的なハンデがあるか否かを判定するユーザハンデ判定部と、
をさらに備え、
前記コンテンツ提供部は、前記ユーザに身体的なハンデがあると判定される場合、前記ユーザの目的を前記ユーザが優先的に実行可能となるための情報である優先情報を前記ユーザに提供する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記コンテンツを識別可能な情報であるコンテンツ識別情報と、前記コンテンツを提供する対象の前記ユーザを識別可能な情報であるユーザ識別情報と、を関連づけて表示部に表示させる表示処理部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
コンピュータが、
ユーザの位置に関する情報である位置情報を取得することと、
前記位置情報および前記ユーザの操作入力のうちの少なくともいずれかに基づいて、前記ユーザの目的を特定することと、
前記位置情報に基づいて、現在の時刻から前記ユーザの目的を前記ユーザが実行可能になる時刻までの時間である待ち時間を予測することと、
前記ユーザの目的および前記待ち時間に応じたコンテンツを前記ユーザに提供することと、
を実行する情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
ユーザの位置に関する情報である位置情報を取得することと、
前記位置情報および前記ユーザの操作入力のうちの少なくともいずれかに基づいて、前記ユーザの目的を特定することと、
前記位置情報に基づいて、現在の時刻から前記ユーザの目的を前記ユーザが実行可能になる時刻までの時間である待ち時間を予測することと、
前記ユーザの目的および前記待ち時間に応じたコンテンツを前記ユーザに提供することと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の場所で待っている人の待ち時間に応じた広告情報を待っている人に提供する情報提供システムが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-186575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の情報提供システムは、待っている人の数に基づき算出される待ち時間を取得する。そして、当該情報提供システムは、待ち時間に応じた広告情報と、待ち時間を案内する情報とが含まれる情報コンテンツを生成して、情報表示装置に提供する。情報コンテンツは、待ち時間に応じた表示数および表示時間などを組み合わせて変化させる広告である。このように、当該情報提供システムでは、待っている人に対して待ち時間に応じて変化する情報コンテンツを提供する。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の情報提供システムは、待っている人の待つ目的に関係なく、算出された待ち時間に応じた広告を提供するため、待っている人にとって有益な情報コンテンツを提供できないという問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、目的達成のために待ち時間を要するユーザにとって有益なコンテンツを、当該ユーザに提供可能なシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、ユーザの位置に関する情報である位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報および前記ユーザの操作入力のうちの少なくともいずれかに基づいて、前記ユーザの目的を特定する目的特定部と、前記位置情報に基づいて、現在の時刻から前記ユーザの目的を前記ユーザが実行可能になる時刻までの時間である待ち時間を予測する待ち時間予測部と、前記ユーザの目的および前記待ち時間に応じたコンテンツを前記ユーザに提供するコンテンツ提供部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、ユーザの位置に関する情報である位置情報を取得することと、前記位置情報および前記ユーザの操作入力のうちの少なくともいずれかに基づいて、前記ユーザの目的を特定することと、前記位置情報に基づいて、現在の時刻から前記ユーザの目的を前記ユーザが実行可能になる時刻までの時間である待ち時間を予測することと、前記ユーザの目的および前記待ち時間に応じたコンテンツを前記ユーザに提供することと、を実行する。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、ユーザの位置に関する情報である位置情報を取得することと、前記位置情報および前記ユーザの操作入力のうちの少なくともいずれかに基づいて、前記ユーザの目的を特定することと、前記位置情報に基づいて、現在の時刻から前記ユーザの目的を前記ユーザが実行可能になる時刻までの時間である待ち時間を予測することと、前記ユーザの目的および前記待ち時間に応じたコンテンツを前記ユーザに提供することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、目的達成のために待ち時間を要するユーザにとって有益なコンテンツを、当該ユーザに提供可能なシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成の概要の一例を示す図である。
図2】ユーザ情報D110の構成の一例を示す図である。
図3】目的場所情報D111の構成の一例を示す図である。
図4】コンテンツ情報D112の構成の一例を示す図である。
図5】コンテンツを含むコンテンツ画面T10の一例を示す図である。
図6】変形例に係る情報処理システムの構成の概要の一例を示す図である。
図7】同伴者情報D113の構成の一例を示す図である。
図8】情報処理システム10の処理手順の一例を示すフロー図である。
図9】コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。本実施形態において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、一つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されてもよく、二つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【0013】
===情報処理システム10の概要===
情報処理システム10は、ユーザの目的と、ユーザが目的を達成するまでの待ち時間とに応じたコンテンツをユーザ端末200に提供するシステムである。
【0014】
ユーザの目的とは、例えば、交通機関を利用するという目的、飲食店で食事をするという目的、遊園地のアトラクションを利用するという目的、料金支払いカウンターで支払いを完了させるという目的などである。すなわち、ユーザが目的を達成することとは、例えば、交通機関の入場ゲートをユーザが通過すること、店舗内にユーザが案内されること、遊園地のアトラクションエリア内にユーザが案内されることなどである。
【0015】
待ち時間とは、例えば、現在の時刻からユーザの目的をユーザが実行可能になる時刻までの時間である。具体的には、待ち時間は、例えば、ユーザの目的が交通機関を利用するという目的である場合、現在の時刻から、ユーザが交通機関の入場ゲートを通過し得る時刻(行列に並んでゲートを通過し得る時刻)までの時間をいう。
【0016】
コンテンツとは、例えば、優先案内チケット(後述する優先情報)、割引クーポン、広告、店舗説明情報(例えばメニュー表)などである。優先案内チケットとは、例えばユーザの目的が交通機関を利用するという目的である場合においては、優先的に通過可能な入場ゲートをユーザが利用可能となるための情報である。
【0017】
このように、情報処理システム10は、ユーザが目的を達成するための待ち時間を、ユーザにとって有益なコンテンツに転換可能なシステムである。そのため、情報処理システム10は、ユーザが単に待ち時間を消費するのではなく、待つことによってユーザが利益を得られる仕組みを提供できる。これにより、情報処理システム10は、ユーザが所定の目的を達成するための待ち時間による精神的なストレスを緩和しつつ、所定の目的を提供する事業者に対してユーザ獲得機会の喪失を防止する仕組みを事業者に提供できる。
【0018】
<<構成>>
図1を参照して、情報処理システム10の構成の概要について説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の構成の概要の一例を示す図である。図1に示すように、情報処理システム10は、例えば、コンテンツ提供装置100と、ユーザ端末200とを含む。
【0019】
コンテンツ提供装置100は、例えば、ユーザの目的および待ち時間に応じたコンテンツをユーザ端末200に提供する。具体的には、コンテンツ提供装置100は、例えば、ユーザの目的が飲食店で食事をする目的であり、待ち時間が60分である場合、飲食店で利用可能なクーポン(コンテンツ)をユーザ端末200に提供する。このとき、コンテンツ提供装置100は、例えば、待ち時間がさらに長い90分である場合、次回の来店時に利用可能な優先案内チケット(コンテンツ)をユーザ端末200に提供してもよい。
【0020】
ユーザ端末200は、ユーザが所持する端末であって、所定のプログラムを実行することで各種処理を実行する。ユーザ端末200は、コンテンツ提供装置100との間で通信可能に接続される。
【0021】
コンテンツ提供装置100は、例えば、クラウドコンピュータ、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームであってもよい。
【0022】
ユーザ端末200は、例えば、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、 デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームであってもよい。
【0023】
<<処理>>
次に、図1を参照して、情報処理システム10の処理の概要について説明する。以下では、一例として、ユーザの目的が飲食店で食事をするという目的である場合における情報処理システム10の処理の概要について説明する。
【0024】
ステップS10において、コンテンツ提供装置100は、ユーザ端末200の位置に関する情報(以下、「位置情報」という。)を取得する。コンテンツ提供装置100は、位置情報に基づきユーザの待ち時間を予測する。また、コンテンツ提供装置100は、位置情報に基づきユーザの目的を特定してもよい。
【0025】
ステップS11において、コンテンツ提供装置100は、ユーザの目的(ここでは飲食店で食事をすること)および待ち時間(例えば60分)に応じたコンテンツ(例えば飲食店の割引クーポン)を特定する。例えば、コンテンツ提供装置100は、特定したコンテンツをユーザ端末200に送信する。
【0026】
ステップS12において、ユーザ端末200は、ユーザの操作入力を受け付けてコンテンツを表示部に表示させる。これにより、ユーザは、ユーザ端末200の表示部に表示されるコンテンツを飲食店の店員に提示することにより、コンテンツを利用できる。
【0027】
===コンテンツ提供装置100の構成===
図1を参照して、コンテンツ提供装置100の構成について説明する。図1に示すように、コンテンツ提供装置100は、例えば、記憶部110と、位置情報取得部120と、予約情報取得部130と、目的特定部140と、待ち時間予測部150と、余裕時間特定部160と、コンテンツ提供部170と、表示処理部180とを含む。
【0028】
記憶部110は、例えば、ユーザ情報D110と、目的場所情報D111と、コンテンツ情報D112とを記憶する。
【0029】
図2を参照して、ユーザ情報D110について説明する。図2は、ユーザ情報D110の構成の一例を示す図である。図2に示すように、ユーザ情報D110は、例えば、[ユーザID]、[氏名]、[位置]、[目的]、[待ち時間]、[予約情報]、[余裕時間]の項目を含んでいてもよい。[ユーザID]はユーザを一意に識別可能なユーザ識別情報を記憶する。[氏名]はユーザの氏名を示す情報を記憶する。[位置]はユーザ端末200から取得される位置情報(例えば座標)を記憶する。[目的]はユーザ端末200から取得されるユーザの目的(例えば行列に並ぶ目的)を示す情報または後述する目的特定部140により特定されるユーザの目的を示す情報(以下、「ユーザ目的情報」という。)を記憶する。[待ち時間]は後述する待ち時間予測部150により予測される待ち時間を記憶する。[予約情報]はユーザ端末200を通じて取得されるユーザの予約情報を記憶する。[余裕時間]は後述する余裕時間特定部160により予測される余裕時間を記憶する。
【0030】
図3を参照して、目的場所情報D111について説明する。図3は、目的場所情報D111の構成の一例を示す図である。図3を参照して、目的場所情報D111について説明する。図4は、目的場所情報D111の構成の一例を示す図である。図3に示すように、目的場所情報D111は、例えば、[目的場所ID]、[場所名]、[位置]、[目的]の項目を含んでいてもよい。[目的場所ID]はユーザの目的となり得る場所(以下、「目的場所」という。)を一意に識別可能な目的場所識別情報を記憶する。[場所名]は目的場所の名称を示す情報を記憶する。[位置]は目的場所の座標を記憶する。[目的]は目的場所におけるユーザの目的を示すユーザ目的情報を記憶する。
【0031】
図4を参照して、コンテンツ情報D112について説明する。図4は、コンテンツ情報D112の構成の一例を示す図である。図4を参照して、コンテンツ情報D112について説明する。図4は、コンテンツ情報D112の構成の一例を示す図である。図4に示すように、コンテンツ情報D112は、例えば、[コンテンツID]、[コンテンツ名]、[待ち時間]、[余裕時間]、[目的場所ID]の項目を含んでいてもよい。[コンテンツID]はコンテンツを一意に識別可能なコンテンツ識別情報を記憶する。[コンテンツ名]はコンテンツの名称を示す情報を記憶する。[待ち時間]はコンテンツが提供される条件としての待ち時間を記憶する。[余裕時間]はコンテンツが提供される条件としての余裕時間を記憶する。[目的場所ID]は当該コンテンツが提供される目的場所を一意に識別可能な目的場所識別情報を記憶する。
【0032】
位置情報取得部120は、ユーザの位置に関する情報である位置情報を取得する。位置情報取得部120は、例えばユーザ端末200から位置情報を取得してもよいし、ビーコンを利用してユーザ端末200の位置情報を取得してもよいし、GPS(Global Positioning System)を利用してユーザ端末200の位置情報を取得してもよいし、Wi-Fi(Wireless Fidelity)のアクセスポイントを利用してユーザ端末200の位置情報を取得してもよい。位置情報は、例えば座標を示す情報である。座標とは、例えば、緯度および経度であってもよいし、さらに高さを示す数値を含んでいてもよい。
【0033】
予約情報取得部130と、ユーザの目的に対してユーザが予約した情報(以下、「予約情報」という。)を取得する。予約情報取得部130は、ユーザ端末200から予約情報を取得してもよいし、ユーザの目的についての予約を管理する所定のシステム(例えば飲食店の予約管理システム)から予約情報を取得してもよい。
【0034】
目的特定部140と、ユーザの目的を特定する。ここで、目的特定部140は、例えば、目的場所情報D111を参照して、ユーザ端末200の位置情報が示す位置に近似する目的場所の位置を特定する。そして、目的特定部140は、特定した目的場所の位置に対応する目的([目的]の項目に記憶される情報)を特定する。また、目的特定部140は、ユーザ端末200においてユーザによる目的を選択する操作入力を受け付けた場合、ユーザ端末200からユーザ目的情報を取得することによって、ユーザの目的を特定してもよい。
【0035】
待ち時間予測部150は、現在の時刻からユーザが目的を実行可能になる時刻までの待ち時間を予測する。具体的には、待ち時間予測部150は、例えば、ユーザ端末200の位置情報に基づき、ユーザの位置と目的場所の位置との距離から待ち時間を予測する。また、待ち時間予測部150は、例えば、目的場所とユーザ端末200との間の端末の台数を特定し、当該台数に基づき待ち時間を予測してもよい。また、待ち時間予測部150は、例えば、目的場所で待っている人の人数を管理する装置(不図示)から待っている人数を示す情報を取得して、当該人数に基づき待ち時間を予測してもよい。すなわち、待ち時間予測部150は、例えば、目的場所における人の行列を特定することにより、現在の時刻からユーザが目的を達成するまでの待ち時間を予測する。
【0036】
余裕時間特定部160は、待ち時間予測部150により予測される待ち時間の経過後の時刻から予約情報に含まれる予約時刻までの時間(以下、「余裕時間」という。)を特定する。予約時刻は、ユーザが目的を実行する時刻(例えば、電車や飛行機の発車時刻、飲食店を予約した時刻など)である。具体的には、余裕時間特定部160は、例えば、現在の時刻が12時00分であり、待ち時間が60分であり、予約時刻が14時00分である場合、60分として余裕時間を特定する。
【0037】
コンテンツ提供部170は、ユーザ目的情報が示すユーザの目的および待ち時間に応じたコンテンツをユーザに提供する。具体的には、コンテンツ提供部170は、ユーザの目的が飲食店で食事をするために入店するという目的であり、待ち時間が60分である場合、コンテンツ情報D112を参照して、ユーザの目的に対応する目的場所(例えば目的場所ID「100001」)および待ち時間(ここでは「60分」)に対応するコンテンツ(例えば「優先案内チケット」)を特定する。コンテンツ提供部170は、特定したコンテンツをユーザ端末200に提供する。これにより、コンテンツ提供装置100は、ユーザが目的を達成するまでに順番待ちをする場合、待つことによる特典をユーザに付与することによって、ユーザにおける待つことに対する不快感を抑制し、ユーザを待たせることによる事業者のユーザ獲得の機会損失を防止できる。
【0038】
また、コンテンツ提供部170は、待ち時間が短くなるごとに、待ち時間に応じたコンテンツを適宜提供してもよい。具体的には、コンテンツ提供部170は、ユーザの目的が飲食店で食事をするために入店するという目的であり、第1のタイミングにおいて待ち時間が60分である場合、コンテンツ情報D112を参照して、ユーザの目的に対応する目的場所(例えば目的場所ID「100001」)および待ち時間(ここでは「60分」)に対応するコンテンツ(例えば「優先案内チケット」)を特定する。コンテンツ提供部170は、位置情報に基づきユーザが当該飲食店の周辺で継続して待っている状態を検知し、第2のタイミングにおいて待ち時間が30分になった場合、コンテンツ情報D112を参照して、ユーザの目的に対応する目的場所(例えば目的場所ID「100001」)および待ち時間(ここでは「30分」)に対応するコンテンツ(例えば「割引クーポン」)を特定する。コンテンツ提供部170は、特定したコンテンツのそれぞれをユーザ端末200に提供する。これにより、コンテンツ提供装置100は、ユーザが目的を達成するまでに順番待ちを継続する場合、継続して待つことによる複数の特典をユーザに付与することによって、ユーザにおける待つことに対する不快感を抑制し、ユーザを待たせることによる事業者のユーザ獲得の機会損失を防止できる。
【0039】
また、コンテンツ提供部170は、待ち時間の長さに応じたコンテンツを提供してもよい。具体的には、コンテンツ提供部170は、待ち時間が長ければ長いほど割引率が大きい割引クーポンをユーザ端末200に提供してもよい。これにより、コンテンツ提供装置100は、ユーザが目的を達成するために待ち時間が長ければ長いほどより有益なコンテンツを取得できるため、ユーザの不快感を解消して、事業者のユーザ獲得の機会損失を防止できる。
【0040】
また、コンテンツ提供部170は、余裕時間に応じたコンテンツをユーザに提供してもよい。具体的には、コンテンツ提供部170は、ユーザの目的が空港での搭乗手続きという目的であり、余裕時間が90分である場合、コンテンツ情報D112を参照して、ユーザの目的に対応する目的場所(例えば目的場所ID「100002」)と、余裕時間(ここでは「90分」)とに対応するコンテンツ(例えば「リラクゼーション券」)を特定する。コンテンツ提供部170は、特定したコンテンツをユーザ端末200に提供する。これにより、コンテンツ提供装置100は、ユーザが目的を達成するまでに順番待ちをすることを考慮しても予約時刻までに余裕がある場合、ユーザに有益な特典を付与することで、ユーザの待ち時間を調整することができるとともに、事業者にユーザ獲得の機会を付与できる。
【0041】
また、コンテンツ提供部170は、余裕時間が第1の閾値以下であると判定される場合、ユーザの目的をユーザが優先的に実行可能となるための情報(以下、「優先情報」という。)をユーザに提供してもよい。
【0042】
第1の閾値は、例えば、管理者によって予め設定される時間であってもよいし、管理者が任意に設定可能な時間であってもよいし、時期(例えば繁忙期)に応じて変更される時間であってもよい。また、第1の閾値は、行列の最後尾として推定される端末のユーザが目的場所(例えば飲食店)から退店すると予測される時刻と、目的場所の業務等が終了する時刻との差の時間であってもよい。なお、第1の閾値は、目的場所が空港であり、ユーザの目的が搭乗手続きである場合、予測される待ち時間の経過後の時刻から保安検査締切時刻や搭乗口到着目安時刻までの時間であってもよい。
【0043】
優先情報とは、例えば空港や飲食店などで人が行列を作っている場合に、当該行列とは関係なく優先的に搭乗手続きや入店を案内されるための情報である。
【0044】
具体的には、コンテンツ提供部170は、例えば、第1の閾値が「10分」であり、ユーザの目的が空港での搭乗手続きという目的であり、余裕時間が5分である場合、余裕時間が第1の閾値以下であると判定する。この場合、コンテンツ提供部170は、コンテンツ情報D112を参照して、ユーザの目的に対応する目的場所(例えば目的場所ID「100002」)と、余裕時間(ここでは「5分」)とに対応するコンテンツである優先情報(例えば優先案内チケット)を特定する。コンテンツ提供部170は、特定した優先情報をユーザ端末200に提供する。これにより、コンテンツ提供装置100は、ユーザが目的の予約時刻が迫っている場合、順番待ちをさせることなく優先的に案内することができるため、事業者にユーザ獲得の機会を付与できる。
【0045】
表示処理部180は、各種画面をユーザ端末200の表示部1007に表示させるための情報(以下、単に「画面」という。)を生成する。具体的には、表示処理部180は、例えば図5に示す画面を生成する。図5を参照して、ユーザ端末200の表示部1007に表示されるコンテンツを含むコンテンツ画面T10について説明する。図5は、コンテンツを含むコンテンツ画面T10の一例を示す図である。
【0046】
図5に示すように、コンテンツ画面T10は、例えば、案内文表示領域T11と、コンテンツ表示領域T12とを含む。
【0047】
案内文表示領域T11は、例えば発行されるコンテンツに関する情報を表示する領域である。具体的には、案内文表示領域T11には、コンテンツが発行されたこと、発行され得るコンテンツのこと、コンテンツが発行される予定の時刻のことなどが表示される。なお、図5の案内文表示領域T11には、一例として、余裕時間が第1の閾値以下であると判定された場合に優先情報がユーザに提供されたときの案内文を示す。これにより、ユーザは、発行されたコンテンツの内容や、これから発行される予定のコンテンツの内容を適切に知ることができる。
【0048】
コンテンツ表示領域T12は、例えばコンテンツを表示する領域である。具体的には、コンテンツ表示領域T12は、コンテンツ識別情報T12aと、コンテンツ名称T12bとを含む。ユーザ識別情報T12aには、例えば、二次元識別コード(図示)、一次元識別コード、シリアルナンバーなどの、ユーザを識別可能な情報(例えばユーザの氏名、携帯番号など)を含むユーザ識別情報が表示される。コンテンツ識別情報T12bには、コンテンツを識別可能な情報であるコンテンツ識別情報(例えばコンテンツの名称)が表示される。このように、コンテンツ提供装置100は、コンテンツ表示領域T12において、コンテンツ識別情報T12aを表示させることにより、他人に発行されたコンテンツを流用するなどの悪用を防止できる。
【0049】
<<変形例>>
図6を参照して、変形例に係る情報処理システム10aについて説明する。図6は、変形例に係る情報処理システム10aの構成の概要の一例を示す図である。以下では、情報処理システム10と異なる構成についてのみ説明することとし、特に言及しない場合は情報処理システム10と同様とする。
【0050】
情報処理システム10aは、情報処理システム10の機能に加えて、ユーザの同伴者の要件およびユーザ自身の身体的要件を考慮してユーザにコンテンツを提供することが可能なシステムである。図6に示すように、情報処理システム10aは、例えば、コンテンツ提供装置100aと、ユーザ端末200とを含む。
【0051】
コンテンツ提供装置100aは、コンテンツ提供装置100と比較して、さらに、記憶部110aと、同伴者情報取得部190と、ユーザハンデ情報取得部191と、待ち状況判定部192と、同伴者判定部193と、ユーザハンデ判定部194とを含む。
【0052】
記憶部110aは、記憶部110に含まれるデータベースに加えて、さらに同伴者情報D113を含む。
【0053】
図7を参照して、同伴者情報D113について説明する。図7は、同伴者情報D113の構成の一例を示す図である。図7に示すように、同伴者情報D113は、例えば、[ユーザID]、[同伴者氏名]、[年齢]、[同伴者ハンデ]、[画像]、[ユーザハンデ]の項目を含んでいてもよい。[ユーザID]はユーザを一意に識別可能なユーザ識別情報を記憶する。[同伴者氏名]は同伴者の氏名を示す情報を記憶する。[年齢]は同伴者の年齢を示す情報を記憶する。[同伴者ハンデ]は同伴者の身体的なハンデに関する情報を記憶する。なお、[同伴者氏名]、[年齢]および[同伴者ハンデ]の項目には、ユーザによるユーザ端末200に対する入力操作によって同伴者の氏名、年齢およびハンデに関する情報が入力された場合に、同伴者の氏名、年齢およびハンデを示す情報が記憶される。[画像]はユーザ端末200から取得される同伴者が映る画像を記憶する。なお、[画像]には、ユーザ端末200とは異なるシステム(不図示)から取得される画像が記憶されてもよい。[ユーザハンデ]は、ユーザ端末200から取得されるユーザの身体的なハンデに関する情報(例えばハンデの有無)が記憶される。
【0054】
同伴者情報取得部190は、ユーザの同伴者に関する情報(以下、「同伴者情報」という。)を取得する。同伴者情報取得部190は、ユーザ端末200から同伴者情報を取得してもよいし、ユーザ端末200とは異なるシステム(不図示)から同伴者情報を取得してもよい。
【0055】
同伴者情報は、例えば、同伴者の氏名や年齢を示すテキスト情報であってもよいし、同伴者に関する画像(以下、「同伴者画像」という。)またはユーザに関する画像と同伴者画像とを含む画像であってもよし、同伴者の音声を示す音声情報であってもよい。
【0056】
ユーザハンデ情報取得部191は、ユーザの身体的なハンデに関する情報(以下、「ユーザハンデ情報」という。)を取得する。ユーザハンデ情報取得部191は、例えばユーザ端末200からユーザハンデ情報を取得する。
【0057】
待ち状況判定部192は、待ち時間予測部150で予測される待ち時間が第2の閾値以上であるか否かを判定する。図6では、便宜上、待ち状況判定部192において判定された結果を「待ち判定結果」として示す。
【0058】
第2の閾値は、例えば、管理者によって予め設定される時間であってもよいし、管理者が任意に設定可能な時間であってもよい。また、第2の閾値は、同伴者情報D113の[年齢]および[同伴者ハンデ]の少なくともいずれかに関連づけて設定される時間であってもよい。言い換えると、第2の閾値は、後述する同伴者判定部193において特定される同伴者の年齢やハンデの程度の少なくともいずれかに応じて設定される時間であってもよい。具体的には、第2の閾値は、同伴者の年齢が0~1歳未満では「30分」、1歳~3歳未満では「50分」、3歳以上では「60分」としてもよい。また、第2の閾値は、基準時間ら、年齢またはハンデの程度に応じて設定される時間を減算した時間であってもよい。具体的には、第2の閾値は、予め「60分」が閾値として設定されている場合、同伴者の年齢が0~1歳未満では「60分」から「30分」が減算されて、1歳~3歳未満では「60分」から「10分」が減算されて、3歳以上では「60分」から減算せずに、算出された時間であってもよい。すなわち、第2の閾値は、年齢またはハンデの程度に応じて変動する時間であってもよい。
【0059】
同伴者判定部193は、待ち状況判定部192において待ち時間が第2の閾値以上であると判定された場合、同伴者情報が示す同伴者が所定の条件を充たすか否かを判定する。
【0060】
所定の条件とは、例えば、同伴者の年齢が所定の年齢以下であるという条件、同伴者に身体的なハンデが有るという条件などであり、年齢およびハンデのそれぞれに条件のそれぞれを関連づけたデータベースを設けてもよい。所定の条件は、管理者によって予め設定される条件であってもよいし、管理者が任意に設定可能な条件であってもよい。図6では、便宜上、同伴者判定部193において判定された結果を「同伴判定結果」として示す。
【0061】
具体的には、同伴者判定部193は、待ち時間が第2の閾値以上であると判定された場合、同伴者情報D113の[年齢]および[ハンデ]の項目を参照して、同伴者が所定の年齢以下の子供であるか否か、および同伴者が身体的なハンデを有するか否かのうちの少なくともいずれかを判定する。
【0062】
また、具体的には、同伴者判定部193は、待ち時間が第2の閾値以上であると判定された場合、同伴者情報D113の[画像]の項目を参照して、同伴者が所定の年齢以下の子供であるか否か、および同伴者が身体的なハンデを有するか否かのうちの少なくともいずれかを判定する。この場合、同伴者判定部193は、[画像]の項目に同伴者が映る画像が記憶されている場合、所定の画像解析技術によって画像中の同伴者を特定する。そして、同伴者判定部193は、所定の画像解析技術によって、特定した同伴者の年齢を推定してもよいし、特定した同伴者に身体的なハンデがあることを推定してもよい。例えば、同伴者判定部193は、同伴者が持つ杖や同伴者を乗せる車いすを特定して、同伴者に身体的なハンデがあることを推定してもよい。また、同伴者判定部193は、[画像]の項目に同伴者の母子健康手帳や障害者手帳が映る画像が記憶されている場合、所定の画像解析技術によって、母子健康手帳や障害者手帳における同伴者を識別可能な情報(例えば氏名や生年月日など)を特定して、同伴者が所定の年齢以下の子供であるか否か、同伴者が身体的なハンデがあるか否かを推定してもよい。
【0063】
ユーザハンデ判定部194は、待ち時間予測部150において待ち時間が第2の閾値以上であると判定された場合、同伴者情報D113の[ユーザハンデ]の項目を参照して(ユーザハンデ情報に基づいて)、ユーザに身体的なハンデがあるか否かを判定する。図6では、便宜上、ユーザハンデ判定部194において判定された結果を「ユーザハンデ判定結果」として示す。
【0064】
コンテンツ提供部170は、同伴者判定部193およびユーザハンデ判定部194において同伴者またはユーザが所定の条件を充たすと判定される場合、ユーザの目的をユーザが優先的に実行可能となるための優先情報をユーザ端末200に提供する。これにより、コンテンツ提供装置100は、同伴者またはユーザが年少者である場合やハンデを有する場合に、優先的に案内できるため、同伴者やユーザの満足感を高めて、事業者にユーザ獲得の機会を付与できる。
【0065】
なお、上記において、同伴者判定部193は、同伴者情報D113の[画像]の項目を参照して、同伴者が所定の年齢以下の子供であるか否か、および同伴者が身体的なハンデを有するか否かのうちの少なくともいずれかを判定することとして説明したが、これに限定されない。例えば、同伴者の音声情報が記憶される[音声]の項目を同伴者情報D113に設けた場合、同伴者判定部193は、[音声]の項目を参照して、音声解析技術によって、同伴者の年齢や障害の有無を特定してもよい。これにより、コンテンツ提供装置100は、少ないデータ量によって優先情報を提供するか否かを判定できる。
【0066】
また、上記において、同伴者情報D113の[年齢]および[同伴者ハンデ]の項目には、ユーザによるユーザ端末200に対する入力操作によって同伴者の年齢およびハンデを示す情報が入力された場合に、同伴者の年齢およびハンデを示す情報を記憶されることとして説明したが、これに限定されない。例えば、[年齢]および[同伴者ハンデ]の項目には、同伴者判定部193において画像解析技術によって同伴者画像を解析して推定される、同伴者の年齢およびハンデの有無を示す情報が記憶されてもよい。これにより、コンテンツ提供装置100は、ユーザに入力操作を求めることなく同伴者の年齢およびハンデの有無を示す情報を取得できるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0067】
また、変形例に係る情報処理システム10aのコンテンツ提供部170は、例えば、待ち状況判定部192において待ち時間が第1の閾値以上であると判定された場合、ユーザがユーザの目的を実行可能な将来の時刻をユーザ端末200に提供してもよい。具体的には、情報処理システム10aは、ユーザ情報D110に記憶されるユーザの予定を示す情報(不図示)に基づき、ユーザの目的を実行可能な時刻を特定する。なお、情報処理システム10aは、ユーザの予定を管理するシステム(不図示)から、ユーザの予定に関する情報を取得して、当該情報に基づき、ユーザの目的を実行可能な時刻を特定してもよい。これにより、情報処理システム10aは、ユーザが確実に目的を実行可能な時刻を提供することができるため、事業者のユーザ獲得の機会損失を防止できる。
【0068】
===ユーザ端末200の構成===
図1に戻り、ユーザ端末200の構成について説明する。ユーザ端末200は、例えば、コンテンツ提供装置100から取得した各種画面を表示部1007に表示させる。ユーザ端末200は、例えば、記憶部210と、送受信部220と、表示処理部230とを含む。記憶部210は、例えば各種情報を記憶する。送受信部220は、各種情報を各種装置との間で送受信する。例えば、各種画面をコンテンツ提供装置100から取得する。表示処理部230は、例えば各種画面を表示部に表示させる。
【0069】
===処理手順===
図8を参照して、情報処理システム10の処理手順について説明する。図8は、情報処理システム10の処理手順の一例を示すフロー図である。なお、図8では、変形例に係る情報処理システム10aにおける処理についても実行されるよう説明する。すなわち、図8では、ユーザが目的を達成するために交通機関や飲食店での行列に並んで順番待ちしている状況において、同伴者を考慮して優先案内されるか否かについても処理手順に含めて説明する。
【0070】
ステップS100において、ユーザ端末200は、位置情報をコンテンツ提供装置100に送信する。このとき、ユーザ端末200は、ユーザの操作入力を受け付けて、行列に並び始めたことを示す情報をコンテンツ提供装置100に送信してもよい。これにより、コンテンツ提供装置100は待ち時間を正確に予測できる。
【0071】
ステップS101において、コンテンツ提供装置100は、目的場所情報D111を参照して、位置情報に基づき目的場所の位置およびユーザの目的を特定する。
【0072】
ステップS102において、コンテンツ提供装置100は、位置情報と、目的場所の位置とに基づき待ち時間を予測する。
【0073】
ステップS103において、コンテンツ提供装置100は、待ち時間と、ユーザの予約情報(予約時刻)とに基づき余裕時間を予測する。
【0074】
ステップS104において、コンテンツ提供装置100は、余裕時間と、第1の閾値とを比較する。コンテンツ提供装置100は、余裕時間が第1の閾値以下である場合(S104:NO)、処理をステップS108に移行して、ユーザ端末200に優先情報を送信する。これにより、コンテンツ提供装置100は、行列に並んだ場合に予約時刻に間に合わないユーザに対して、行列に並ばずに優先的に目的を達成させることが可能な優先情報を提供することによって、事業者によるユーザの獲得機会を確保できる。
【0075】
ステップS105において、余裕時間が第1の閾値を超える場合(S104:YES)、コンテンツ提供装置100は、待ち時間と、第2の閾値とを比較する。コンテンツ提供装置100は、待ち時間が第2の閾値以下である場合(S105:NO)、処理をステップS109に移行して、ユーザ端末200にコンテンツを送信する。具体的には、コンテンツ提供装置100は、ユーザが間もなく目的を達成することが可能であると判断し(例えば飲食店に入店可能)、目的を達した後に役に立つコンテンツ(例えば飲食店のメニューや割引クーポンなど)をユーザ端末200に送信する。これにより、コンテンツ提供装置100は、ユーザが目的を達成した後の行動を円滑にすることができる。
【0076】
ステップS106において、余裕時間が第2の閾値を超える場合(S105:YES)、コンテンツ提供装置100は、例えば、同伴者情報D113を参照して、ユーザの同伴者に関する同伴者情報を取得する。なお、コンテンツ提供装置100は、ユーザに同伴者がいる場合に同伴者情報を送信するようユーザに要求するための要求情報をユーザ端末200に送信することによって、ユーザ端末200から同伴者情報を取得してもよい。これにより、コンテンツ提供装置100は、同伴者を予め登録していないユーザについても同伴者を考慮したコンテンツを提供できる。
【0077】
ステップS107において、コンテンツ提供装置100は、同伴者情報が示す同伴者が所定の条件(例えば所定の年齢以下や身体的なハンデ有りなど)を充たすか否かを判定する。
【0078】
同伴者が所定の条件を充たすと判定された場合(ステップS107:YES)、コンテンツ提供装置100は、処理をステップS108に移行して、ユーザ端末200に優先情報を送信する。これにより、コンテンツ提供装置100は、行列に長い時間並ぶことが困難な同伴者に対して、行列に並ばずに優先的に目的を達成させることが可能な優先情報を提供することによって、事業者によるユーザの獲得機会を確保できる。
【0079】
同伴者が所定の条件を充たさないと判定された場合(ステップS107NO)、処理をステップS109に移行して、ユーザ端末200にコンテンツを送信する。具体的には、コンテンツ提供装置100は、同伴者およびユーザが間もなく目的を達成することが可能であると判断し(例えば飲食店に入店可能)、目的を達した後に役に立つコンテンツ(例えば身体障害者用のトイレの位置を示す地図情報など)をユーザ端末200に送信する。これにより、コンテンツ提供装置100は、同伴者がいるユーザが目的を達成した後の行動を円滑にすることができる。
【0080】
ステップS108において、コンテンツ提供装置100は、優先情報を含む画面をユーザ端末200に送信する。また、ステップS109において、コンテンツ提供装置100は、コンテンツを含む画面をユーザ端末200に送信する。
【0081】
ステップS110において、ユーザ端末200は、コンテンツ(優先情報)を含むコンテンツ画面T10を表示部1007に表示する。
【0082】
なお、情報処理システム10において、各ステップの実行のタイミングは上記に限定されない。例えば、コンテンツ提供装置100は、ステップS103およびステップS104を、ステップS107の後に実行してよい。また、コンテンツ提供装置100は、ステップS106およびステップS107を、ステップS105よりも前のいずれかのタイミングで実行してもよい。
【0083】
===ハードウェア構成===
図9を参照して、情報処理システム10をコンピュータで実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。図9は、コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0084】
図9に示すように、コンピュータ1000は、プロセッサ1001と、メモリ1002と、記憶装置1003と、入力I/F部1004と、データI/F部1005と、通信I/F部1006、及び表示部1007を含む。
【0085】
プロセッサ1001は、メモリ1002に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ1000における各種の処理を制御する制御部である。
【0086】
メモリ1002は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ1002は、プロセッサ1001によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0087】
記憶装置1003は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置1003は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0088】
入力I/F部1004は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部1004の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサー、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部1004は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインターフェースを介してコンピュータ1000に接続されても良い。
【0089】
データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部1005の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部1005は、例えばUSB等のインターフェースを介してコンピュータ1000へと接続される。
【0090】
通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部1006は、例えばUSB等のインターフェースを介してコンピュータ1000に接続される。
【0091】
表示部1007は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示部1007の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示部1007は、コンピュータ1000の外部に設けられても良い。その場合、表示部1007は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ1000に接続される。また、入力I/F部1004としてタッチパネルが採用される場合には、表示部1007は、入力I/F部1004と一体化して構成することが可能である。
【0092】
===まとめ===
本実施形態における情報処理システム10は、ユーザの位置に関する情報である位置情報を取得する位置情報取得部120と、位置情報およびユーザの操作入力のうちの少なくともいずれかに基づいて、ユーザの目的を特定する目的特定部140と、位置情報に基づいて、現在の時刻からユーザの目的をユーザが実行可能になる時刻までの時間である待ち時間を予測する待ち時間予測部150と、ユーザの目的および待ち時間に応じたコンテンツをユーザに提供するコンテンツ提供部170と、を備える。これにより、情報処理システム10は、目的達成のために待ち時間を要するユーザにとって有益なコンテンツを、当該ユーザに提供することができる。
【0093】
また、本実施形態の情報処理システム10は、ユーザの目的に対してユーザが予約した情報である予約情報を取得する予約情報取得部130と、待ち時間と、予約情報に含まれるユーザの目的を実行する予約時刻と、に基づいて、待ち時間経過後から予約時刻までの時間である余裕時間を特定する余裕時間特定部160と、をさらに備え、コンテンツ提供部170は、余裕時間に応じたコンテンツをユーザに提供する。これにより、情報処理システム10は、ユーザが目的を達成するまでに順番待ちをすることを考慮しても予約時刻までに余裕がある場合、ユーザに有益な特典を付与することで、ユーザの待ち時間を調整することができるとともに、事業者にユーザ獲得の機会を付与できる。
【0094】
また、本実施形態の情報処理システム10におけるコンテンツ提供部170は、余裕時間が第1の閾値以下であると判定される場合、ユーザの目的をユーザが優先的に実行可能となるための情報である優先情報をユーザに提供する。これにより、情報処理システム10は、ユーザが目的を達成するまでに順番待ちをすることを考慮しても予約時刻までに余裕がある場合、ユーザに有益な特典を付与することで、ユーザの待ち時間を調整することができるとともに、事業者にユーザ獲得の機会を付与できる。
【0095】
また、本実施形態の情報処理システム10aは、ユーザの同伴者に関する情報である同伴者情報を取得する同伴者情報取得部190と、待ち時間が第2の閾値以上であるか否かを判定する待ち状況判定部192と、待ち時間が第2の閾値以上であると判定された場合、同伴者情報が示す同伴者が所定の条件を充たすか否かを判定する同伴者判定部193と、をさらに備え、コンテンツ提供部170は、同伴者が所定の条件を充たすと判定される場合、ユーザの目的をユーザが優先的に実行可能となるための情報である優先情報をユーザに提供する。これにより、情報処理システム10aは、同伴者が所定の条件を充たす場合に、優先的に案内できるため、同伴者やユーザの満足感を高めて、事業者にユーザ獲得の機会を付与できる。
【0096】
また、本実施形態の情報処理システム10aにおける同伴者判定部193は、待ち時間が第2の閾値以上であると判定された場合、同伴者情報に基づいて、同伴者が所定の年齢以下の子供であるか否か、および同伴者が身体的なハンデを有するか否か、のうちの少なくともいずれかを判定し、コンテンツ提供部170は、同伴者が所定の年齢以下の子供である、または同伴者が身体的なハンデを有すると判定される場合、ユーザの目的をユーザが優先的に実行可能となるための情報である優先情報をユーザに提供する。これにより、情報処理システム10aは、同伴者またはユーザが年少者である場合やハンデを有する場合に、優先的に案内できるため、同伴者やユーザの満足感を高めて、事業者にユーザ獲得の機会を付与できる。
【0097】
また、本実施形態の情報処理システム10aにおける同伴者情報取得部190は、同伴者に関する画像である同伴者画像を含む同伴者情報を取得し、同伴者判定部193は、待ち時間が第2の閾値以上であると判定された場合、同伴者画像に基づいて、同伴者が所定の年齢以下の子供であるか否か、または同伴者が身体的なハンデを有するか否か、のうちの少なくともいずれかを判定し、コンテンツ提供部170は、同伴者が所定の年齢以下の子供である、または同伴者が身体的なハンデを有すると判定される場合、ユーザの目的をユーザが優先的に実行可能となるための情報である優先情報をユーザに提供する。これにより、情報処理システム10aは、行列に長い時間並ぶことが困難な同伴者に対して、行列に並ばずに優先的に目的を達成させることが可能な優先情報を提供することによって、事業者によるユーザの獲得機会を確保できる。
【0098】
また、本実施形態の情報処理システム10aは、ユーザの身体的なハンデに関する情報であるユーザハンデ情報を取得するユーザハンデ情報取得部191と、待ち時間が第2の閾値以上であるか否かを判定する待ち状況判定部192と、待ち時間が第2の閾値以上であると判定された場合、ユーザハンデ情報に基づいて、ユーザに身体的なハンデがあるか否かを判定するユーザハンデ判定部194と、をさらに備え、コンテンツ提供部170は、ユーザに身体的なハンデがあると判定される場合、ユーザの目的をユーザが優先的に実行可能となるための情報である優先情報をユーザに提供する。これにより、コンテンツ提供装置100は、行列に長い時間並ぶことが困難なユーザに対して、行列に並ばずに優先的に目的を達成させることが可能な優先情報を提供することによって、事業者によるユーザの獲得機会を確保できる。
【0099】
また、本実施形態の情報処理システム10,10aは、コンテンツを識別可能な情報であるコンテンツ識別情報と、コンテンツを提供する対象のユーザを識別可能な情報であるユーザ識別情報と、を関連づけて表示部に表示させる表示処理部180をさらに備える。これにより、情報処理システム10,10aは、コンテンツ表示領域T12において、コンテンツ識別情報T12aを表示させることにより、他人に発行されたコンテンツを流用するなどの悪用を防止できる。
【0100】
なお、本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。また、上記実施の形態で記載された情報処理システム10における、コンテンツ提供装置100およびユーザ端末200が備える構成要素は、記憶装置1003に格納されたプログラムがプロセッサ1001によって実行されることで、定められた処理が他のハードウェアと協働して実現されるものとする。
【符号の説明】
【0101】
10,10a…情報処理システム、100,100a…コンテンツ提供装置、110,110a…記憶部、120…位置情報取得部、130…予約情報取得部、140…目的特定部、150…待ち時間予測部、160…余裕時間特定部、170…コンテンツ提供部、180…表示処理部、190…同伴者情報取得部、191…ユーザハンデ情報取得部、192…待ち状況判定部、193…同伴者判定部、194…ユーザハンデ判定部、200…ユーザ端末。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9